説明

導管及びその製造方法

【課題】公衆及び医療専門家に有効な選択肢を与える導管、特に呼吸回路の枝管を提供すること、このような導管の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の導管を連続的に製造する方法は、薄いプラスチックの犠牲層17をオーバーラップするパターンで、導管を回転させ且つ前進させるフォーマ1の周りにつける工程と、オーバーラップしている層を互いに接合しながら、フォーマ上で犠牲層を覆って導管6を形成する工程と、接合後に犠牲層を導管の内側から除去する工程と、を備えていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼吸回路構成要素に関し、特に、呼吸回路の枝管に用いられる導管に関する。本発明は又、かかる導管の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特に医療用途における補助呼吸では、ガスが導管を通って供給されて戻される。かかる導管は、患者にとって最高レベルの快適さを確保するには理想的には軽量であり且つフレキシブルなものである。従来技術では、圧潰及び挟み潰しに対する耐性を向上させるが、導管が患者の快適さを維持するために依然としてフレキシブルであることができるようにする螺旋又は環状補強リブを有する薄肉導管が知られている。かかる導管の一例の壁の断面が図1に示されている。
【0003】
この種の導管を連続プロセスとして製造することが有利である。従来技術においては、これは、薄いポリマーテープ(リボン又はフィルム)をフォーマに螺旋に巻き付けて隣り合う層の縁部が僅かな量オーバーラップするようにすることによって達成される。次に、溶融ポリマーのビードをオーバーラップ状態にある縁部上に被着させてこれらを互いに溶接し、それと同時に螺旋補強リブを形成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この形成方法に関する欠点は、数個の隣り合う層を溶接することが困難なことにある。この問題は、多数の層から成る導管壁を形成しようとする場合には特に深刻である。溶融ビードを被着させることと別の2次的溶接法又は依然として溶融状態のプラスチックとしてポリマーをフォーマに被着させることを組み合わせることは、この課題を幾分解決しているが、これら解決策では、管フォーマの手の込み具合が増し、また、非常に薄い壁では達成困難な場合がある。
【0005】
本発明の目的は、上記に関する少なくとも幾分かの改良策となり又は少なくとも公衆及び医療専門家に有効な選択肢を与える導管、特に呼吸回路の枝管を提供すること及び(又は)公衆及び製造業者に有用な選択肢を与える上で少なくとも幾分役に立つ導管の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、
導管を連続的に製造する方法であって、
薄いプラスチックの犠牲層をオーバーラップするパターンで、前記導管を回転させ且つ前進させるフォーマの周りにつける工程と、
前記オーバーラップしている層を互いに接合しながら、前記フォーマ上で前記犠牲層を覆って導管を形成する工程と、
接合後に、前記犠牲層を前記導管の内側から除去する工程と、を備えている、
ことを特徴とする方法が提供される。
【0007】
本発明の他の好ましい態様によれば、
導管を連続的に形成する方法であって、
前方側縁と後方側縁とを備え、厚さが50マイクロメートル未満の少なくとも1本の薄いフィルムリボンを供給して、前記導管を回転させると共に前進させるフォーマに連続的に螺旋状に巻き付けて、リボンの各ターンの前方側縁がフォーマ上のリボンの直前のターンの後方側縁の上側に重なると共に各ターンの後方側縁が次のターンの前方側縁の下側に重なるようにする工程と、
前記ターンを上側に重ねるのに先立って、略中実の断面を有する溶融プラスチックのビードを、該ビードが前記後方側縁と前記上側に重なる前方側縁との間に位置するように、前記フォーマに直前につけられたターンの露出している後方側縁に沿ってつける工程と、を備え、
前記上側に重なる部分が前記ビードの輪郭に一致しており、前記上側に重なる前方側縁が前記ビードの縁部で、前記下側に重なるリボンに接触または実質的に接触する、
ことを特徴とする方法が提供される。
【0008】
本発明の他の態様によれば、
導管であって、
前方側縁及び後方側縁を備えた少なくとも1本の薄いプラスチックリボンを有し、
該リボンは、その表面が螺旋軸線にほぼ平行に且つその端から間隔をおいた状態で螺旋状に配置され、リボンの各ターンの前方側縁は、直前のターンの後方側縁の上側に重なり、リボンの各ターンの後方側縁は、次のターンの前方側縁の下側に重なり、
前記導管は、上側に重なっている前方側縁と後方側縁とのそれぞれの間に介在したプラスチック補強ビードを更に有し、前記上側に重なる縁部が前記ビードの縁で前記下側に重なるリボンと接触または実質的に接触している、
ことを特徴とする導管が提供される。
【0009】
本発明の他の態様によれば、
導管を連続的に形成する装置であって、
少なくとも1つの薄いプラスチックリボンを受けるフォーマを有し、前記フォーマは、その周りに前記リボンを引き入れ、前記リボンをこれに沿って前進させて前記リボンの螺旋構造を形成し、前記螺旋構造のピッチは、前記リボンの幅よりも幾分小さく、
前記装置は、リボンを前記フォーマ上の第1の位置で前記フォーマに送る手段と、
溶融ビードを、前記リボンを送る第1の位置から1ターンピッチ未満の第2の位置で前記フォーマに連続的に送る手段とを更に有し、
前記第2の位置は、リボンを送る前記手段によって送られるリボンの後方側縁の予想位置に一致しており、前記リボンの上側に重なる縁が、前記ビードの縁で、前記リボンの下側に重なる縁に接触または実質的に接触する、
ことを特徴とする装置が提供される。
【0010】
本発明の他の態様によれば、
導管を連続的に形成する装置であって、
プラスチックリボンを受けるフォーマを有し、前記フォーマは、その周りに前記リボンを引き入れ、前記リボンをこれに沿って前進させて前記リボンのオーバーラップ螺旋構造を形成し、前記螺旋構造のピッチは、前記リボンの幅よりも幾分小さく、
前記装置は、第1のリボンを第1の場所で前記フォーマに送る第1の手段と、
第2のリボンを前記第1のリボンの次の場所で前記フォーマに送る第2の手段と、
溶融ビードを前記第2のリボンを送る位置から1ターンピッチ未満の位置で前記フォーマに連続的に送る手段と、を更に有し、
前記位置は、前記第2のリボンの後方側縁の予想位置に一致し、前記リボンの上側に重なる縁は、前記ビードの縁で、前記リボンの下側に重なる縁に接触または実質的に接触している、
ことを特徴とする装置が提供される。
【0011】
当業者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の構成、多種多様な実施形態及び用途の多くの変更を想到できよう。本明細書の説明は、真の意味で例示であり、如何なる意味においても本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】従来技術例の導管の壁の断面側面図である。
【図2】本発明の一実施形態としての導管の壁の断面側面図である。
【図3】本発明の別の実施形態としての補強導管、例えば、図2に示す導管を成形する導管成形装置の平面図である。
【図4】テープが溶融ビードの輪郭を完全には辿らないことに起因して生じる粗い内面を示す導管壁の断面側面図である。
【図5】外側軸方向補強糸を有する本発明の別の実施形態の導管の側面図である。
【図6】本発明の実施形態としての補強導管、例えば、図5に示す導管を成形する導管成形装置の平面図である。
【図7】本発明の別の実施形態としての導管壁の断面側面図であり、1対のヒータワイヤが導管壁内に設けられている状態を示す図である。
【図8】図7に示す導管を成形する導管成形装置の平面図である。
【図9a】本発明の別の実施形態としての1対のヒータワイヤを有する予備成形テープの組立体を示すテープ又はリボンの断面図である。
【図9b】図9aの予備成形リボンを組立て状態で示す断面図である。
【図10】図9bに示す予備成形リボンから形成された1対のヒータワイヤを有する導管壁の断面図である。
【図11】互いにオーバーラップした隣り合う層相互間を流れるビードにより生じる欠陥を示す導管壁の断面側面図である。
【図12】犠牲層を除去する装置の平面図である。
【図13】導管を上にして示す図12の装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、一般に呼吸用導管に関し、特に、薄いフィルム(テープ又はリボン)螺旋巻き導管の改良方法に関する。したがって、本発明は、通気性及び(又は)非通気性材料(通気性材料は、水蒸気を通すことができるが、液体としての水は通さない)を含む種々の材料から製作された呼吸用導管に利用される。
【0014】
特に医療用途における補助呼吸では、高レベルの相対湿度を有するガスが、比較的小さなサイズの導管を通って供給されて戻される。導管の内壁上への凝縮物の堆積は、この高い湿度の結果であると考えられる。1又は複数の通気性領域を導管壁に設ける目的は、呼吸回路の呼気枝管からその経路に沿って水蒸気を拡散できるようにすることにある。これにより、加湿されたガスが呼気枝管を通って流れる間に加湿ガスの乾燥が行われるので呼気枝管内での凝縮物の堆積を減少させることができる。さらに、これにより、補助機器、例えば、フィルタ、換気装置等に到達するガスの湿度が減少し、凝縮物の堆積の恐れが減少し、それにより、これらの作動が向上し、又は、潜在的な弊害が無くなる。
【0015】
好ましい通気性材料は、均質フラットフィルム又はリボンの状態に成形される親水性ポリマーである。この材料は、肉厚が約50ミクロン以下の薄いフィルム製造に特に適していることが判明しており、したがって、本発明の製造方法に特に適合性がある。他の通気性材料も又、通気性導管を形成するのに適していることは理解されよう。かかる通気性材料は、これらの組成、物理的構造又はこれらの組合せに起因して通気性である。
【0016】
以下の実施形態は、例えば上述したような材料から通気性の薄いフィルム壁を構成することに特に関連して説明する。しかしながら、以下に記載する実施形態では、導管壁を形成するのに用いられる材料は、通気性、非通気性の何れであってもよく、更に、通気性材料と非通気性材料の両方の組合せを有していてもよいことは理解されよう。また、以下に記載する実施形態に関し、フォーマに供給されるフィルムは、リールに巻き付けられた予備成形フラットリボンとして供給でき、又は、変形例として、押出し機からフォーマに直接供給してもよいことは理解されよう。これら選択肢は各々、以下に説明する関連の利点と欠点を備えている。また、当業者であれば、フォーマに供給される材料は、材料を正確に位置決めし、必要な張力を生じさせるために、多数のガイド、テンショナ及び(又は)ローラを必要とする場合があることは理解されよう。
【0017】
材料費についての当然の結果として、導管は、比較的薄い肉厚を持つように製造されることが好ましく、したがって、導管の壁メンブレンは自立形であるには頑丈さが不十分である。したがって、渦巻き又は螺旋状の補強部材を管状メンブレンの一部として設けて支持手段を構成するのがよい。渦巻き又は螺旋支持部材(ビード)は、ポリマー材料から作られ、導管の壁に用いられたのと同一の材料又は任意他の適合性のあるプラスチック材料で作られたものであるのがよい。
【0018】
図1を参照すると、従来技術において知られているフレキシブル呼吸用導管のレイアップ構造が示されている。図2を参照すると、呼吸回路用枝管の壁断面が、薄いフィルムの可撓性壁を備えた状態で示されている。この薄いフィルム又はリボンは、隣り合う層の縁部が互いにオーバーラップして管の壁を形成するよう螺旋又は渦巻き状態に配置されている。リボンの隣り合う巻回部の互いにオーバーラップ状態にある縁部相互間には、ポリマー材料のビードが介在しており、このポリマー材料のビードは、リボンの相互オーバーラップ部分と接合され、それにより、巻回部相互間の接合部が密封され、連続状態の管が形成されている。シームは、フィルムの第1の層の縁部とビードが溶融状態にあるときにポリマービードを覆って被着されたフィルムの第2の隣の層の縁部との間に形成されている。フィルムの上側に重なる層は、非常に薄いので、ビードの輪郭を非常に厳密に辿り、その結果、滑らかな内側導管壁が得られる。リボンを、少なくとも側方に十分に供給し、そのオーバーラップ部分に沿ってビードの輪郭に一致することが望ましく、したがって、オーバーラップ状態のリボンは、ビードの縁部のところでその下に位置するリボンと出会い又は実質的に出会うことができるようになっている。
【0019】
添付の図面は、補強ビードとリボンのオーバーラップ部分との間に僅かな隙間又は空間を示している。これら空間は、ビードを図中の上側に重なる層から区別するために例示の目的でのみ示されていることは理解されるべきである。実際においては、上側に重なる層は、大きな隙間又は気泡を生じさせないでビード及び結合部に合致する。
【0020】
図2に記載した本発明の第1の実施形態の呼吸用管を製造するのに適した連続成形装置の一例が図3に示されている。この装置は、好ましくは中央支持ロッドの周りに配置された複数の回転ロッドを有する公知形式のフォーマ1を有している。これらロッドは、機械支持部2内に設けられた歯車箱から延びていて、これによって回転する。少なくとも管成形領域内では、回転ロッドは、螺旋経路を辿る。支持ロッドに対するこれら回転ロッドのピッチ角は、成形中の管のピッチ角を制御する。かかる機械の一例は、イタリア国のOLMAS SRL から入手できる螺旋パイプラインマンドレルである。
【0021】
フォーマで形成中の管を、回転ロッドの運動により回転させながら矢印3の方向に前進させる。フォーマの前進速度は、フォーマ1上へのストリップ又はテープの螺旋巻きのピッチがストリップの幅よりも僅かに小さくて、隣り合うターンが僅かにオーバーラップするように、回転速度に対して選択されている。第1の押出し機4が、好ましくい幅が訳10ミリメートルの薄いフィルムのポリマー材料のテープ又はリボン5を押し出す。様々なピッチ及び(又は)寸法をもつ補強ビード又は導管を得る上でこの好ましいリボンの幅及びオーバーラップの寸法からのばらつきがあってもよいことは容易に理解されよう。リボン5は、フォーマ1の作用により螺旋の状態でフォーマ1上に付着する。リボン5の螺旋付着ピッチは、リボン5の幅よりも僅かに小さく、その結果、約2.5ミリメートルの好ましいオーバーラップが得られる。リボン5の螺旋付着により、導管の壁6が形成される。
【0022】
押出し機7が、溶融又は半溶融ポリマー材料のビード8を押し出す。溶融状態のビード8は、リボン5の隣り合う巻回部の相互オーバーラップ部分相互間に付着し、十分に加熱されてリボン5のストリップに溶着する。本発明の好ましい実施形態では、溶融ビード8の寸法は、幅が約2.5ミリメートル、高さが約1.5ミリメートルである。本発明に従って成形された導管は、内径が約19ミリメートルである。なお、本発明の方法は、導管の直径又は補強ビードの寸法形状とは無関係に、薄い壁を持つ導管を成形するのに適していることは理解されよう。
【0023】
通気性壁導管の場合、通気性フィルム又はリボン5の厚さは、導管が使用中に脆弱になりすぎないほど厚くなければならないが、導管壁が十分に通気性であるように十分薄くなければならない。例えば上述したポリエステルブロックコポリマーでは、15ないし35ミクロンの肉厚がこれら要件を満たしていることが判明した。本発明の通気性導管に関する好ましい肉厚は、約25ミクロンである。25ミクロンの肉厚は、通気性、可撓性及び強度の有用なバランスをもたらすことが判明した。最適な特性の妥協点をもたらす肉厚は、結局のところ、用いられる特定の材料で決まることになる。この点に関し、本明細書に記載する材料及び好ましい寸法は例示であり、如何なる点においても本発明を限定するものではない。
【0024】
上述した方法による通気性導管の連続製造中、過熱の問題が、薄いフィルム(通気性であるかどうかを問わない)を導管壁に用いる場合に生じることが判明した。螺旋ロッドが導管を回転させてこれを前進させる作用により、フォーマ上に被着された薄いリボンを皺くちゃにし、又は損傷させる場合があり、更に、導管の最終品質を低下させる場合がある。マンドレルの温度は、溶融ビードを連続的に被着させることによって上昇し、その結果、薄いフィルムの過熱及びマンドレル又は回転ロッドへのくっつきが生じる場合があり、それにより、導管壁の品質が低下すると共に(或いは)成形方法を妨害する。これら潜在的な問題を解決するため、フィルムの被着前にマンドレルにオーバーラップした螺旋パターンで巻き付けられる犠牲層がこれら問題を軽減し、製造される導管の品質を高めることが判明した。
【0025】
この作業を達成するため、テープの犠牲層は、導管壁と比較して著しく剛性が高く、しかも、マンドレル又は導管壁の内側に永続的にくっつくことはない。例えば二軸延伸ポリプロピレンのような材料が犠牲層に理想的に適していることが判明した。導管の基剤ポリマーに対し異なる基剤ポリマーを持つ多くの代替材料も又適していることは理解されよう。ポリプロピレンの犠牲層の好ましい厚さは、約20ないし60ミクロンである。
【0026】
図3を参照すると、犠牲層17が、通気性押出しテープ5の前に、リール16からフォーマに巻き付けられている。被着された溶融ビードからの熱が、犠牲層の相互オーバーラップ状態にある層を互いに溶接するが、その結果として、犠牲層と導管壁との間に相当強い接合部が生じることは無い。変形例として、導管を被せた状態で形成する前に二次熱溶接方法を用いて犠牲テープの相互オーバーラップ状態の層を溶接してもよい。犠牲層は、例えば以下に説明する多くの追加の有利な機能を実行することができる。
1.ダミー層は、溶融プラスチックによって汚染されないようマンドレル上の螺旋に配置された回転ロッドを保護する。
2.犠牲層は、プロセスの安定性を高めると共に、導管壁を形成する相互オーバーラップ状態の層が互いに滑って動くのを阻止するのに役立つことがある。
3.犠牲層は、マンドレル又は回転ロッド上の鋭い縁部又は小さな突起とフィルム又はリボンとの間の保護バリヤとなる。
4.犠牲層は、薄いフィルムをマンドレルの高い動作温度から遮蔽し、フィルムの過熱の度合いを減少させる。
【0027】
当業者であれば、導管を形成する前に犠牲層マンドレルに被着させることにより得られる利点は、材料のレイアップ及び螺旋補強ビードが互いにオーバーラップ状態にある層の間に介在している構造だけに限定されないことは容易に理解されよう。
【0028】
ポリプロピレン層を冷却後に完成品としての導管の内壁から容易に除去することができる。というのは、これは導管にそれほど強く結合していないからである。追加の手段、例えば、マンドレルの水冷方式も又、過熱の度合いを減少させるために利用できる。
【0029】
導管の成形に続き、剥離可能な内側層(例えば、犠牲層17)を1本の導管37の中から除去する方法について図12及び図13を参照して説明する。所望の導管製品長さよりも長い長さのほぼ中空円筒形の形をしたシャフト39が設けられている。シャフト39は、長手方向スロット40を有し、ストック42から片持ちされている。シャフト39のスロットは、ストック42を介して吸引又は真空源38と流体連通状態にある。
【0030】
シャフトの外径は好ましくは、導管37の外径よりも小さい。シャフト39の固定端部のところにはテーパした肩領域41が設けられており、その目的は、吸引力を加えたときに、有効シールを内側層と肩部分との間に形成できるようにすることにある。変形例として、シールをシャフトと導管の外部との間に形成してもよい。その効果は、少なくとも剥離可能な内側層の内部を周囲から(必要な限りにおいて)封止することにある。
【0031】
使用にあたり、導管の壁を損傷させないで、犠牲層17を導管37の内壁から除去するため、導管(犠牲層を含む)を図13に示すようにシャフトに被せる。導管の端部をシャフト39の肩部分41に嵌めてこれに沿って滑らせて適当なシールを形成する。導管の他端部を軸方向に引き戻して導管を領域42で示すように縮めて犠牲層17の端部を露出させこれを導管から分離するようにする。真空源38をシャフトの内部空間に作用させることにより、導管から分離した内側層の内側と外側との間に圧力差が生じる。これにより、内側層はシャフトに押し付けられると共にスロット内に押し込まれ、分離は、導管のその部分の長さに沿って伝搬し、犠牲層を導管37の内壁から吸引する。スロット40と真向かいの犠牲層17の部分は、シャフト内部へ突き出るように吸引される。この剥離工程を手で(内側層の分離された端部をスロットの隣に持って来ることにより)犠牲層17の露出端部(シャフトの自由端部)のところで開始させることが必要な場合がある。螺旋補強ビード43は、導管それ自体がスロット40内へ引き込まれるのを阻止する。導管37の内壁からの犠牲層の剥離後、導管を滑らせてシャフトから外すことにより、導管を容易に取り外すことができる。真空をシャフトから除くことにより、残りの犠牲層の除去を一層容易に行うことができる。
【0032】
溶融状態のビードをテープの互いにオーバーラップした層を覆うのではなく、テープの相互オーバーラップ層相互間に被着させると、溶接品質が向上する。というのは、溶接されるべきテープの両方の層が、溶融ビードと物理的接触状態にあるからである。このレイアップによっても、溶融ビードを正しく結合するのに必要な温度を下げることができるので過熱の問題が軽減される場合がある。図1に示す従来技術の成形法を用いて非常に薄いフィルム又はリボン(例えば、肉厚が約50ミクロン以下)から導管を製造する場合、高品質の表面を導管内に首尾一貫して生じさせることは、問題のあることが判明した。
【0033】
図4及び図11は、導管の製造中に生じる場合があり、その結果壁の滑らかさを損ねる幾つかの潜在的な問題を示している。呼吸用導管の内面についての表面仕上げの品質は重要である。というのは、内面が粗いと、ガス流が妨げられたり、凝縮物が一層多く導管内に堆積する場合があるからである。フィルムの下側に重なっている(下に位置する)層が溶融ビードに完全に結合されていなければ、その結果として突出部分又ははためき(flapping)部分33が生じる場合がある。この問題は、フィルムの下側重なり部分の幅が大きすぎ、又はかかる下側重なり部分がフォーマ上に不正確に位置している場合に生じることがある。これと同様に、溶融ビード35のオーバーフローの結果として、下側重なり層の下に位置する部分36がビードの下で十分遠くまで延びなければ突起又は欠陥部34が生じる場合がある。フィルムが溶融ビードの輪郭に厳密には一致しない場合、リボンの隣り合うストリップ相互間に僅かなボイド9又は起伏部が生じる場合がある。これは、薄いリボンが十分に柔軟では無い場合に起こり得る。この理由で、本発明の構成方法は、薄い柔軟なフィルムから製作される導管に特に適している。薄いフィルムは、柔軟性が高いので、製作中、被着された溶融ビード8の隆起リブの形状に厳密に一致することができる。薄いフィルムは、ビード上に非常にぴったりと被さり、ビードの周りに巻き付くことにより、完成品としての導管上に滑らかな内面を維持する。別の欠陥部44が示されており、この欠陥部では、層の上側重なり部分がビードと過剰なほどオーバーラップしている。また、溶融ビードは流れてレイアップ相互間のボイド又は起伏部を満たし、その結果、スムーズな導管壁が得られる。図2及び図11に示す導管壁の断面は例示であり、ビードと導管壁の層との間に示された空間に関し、厳密に解釈されるものではないことは理解されよう。導管壁の形成前に犠牲層をフォーマ上に被着させることは、溶融ビードを相互オーバーラップ状態の層相互間に被着させる導管成形法に特に適している。犠牲層が設けられていることにより、フォーマ上に螺旋に配置された回転ロッドは、溶融ポリマーで汚されることはないようになる。
【0034】
図面全体を通じ、螺旋補強ビードは、ほぼ半円形断面のものとして示されている。しかしながら、補強ビードの実際の断面形状は様々であってもよく、これは本発明の範囲に属する。例えば、補強ビードとオーバーラップするフィルムを設けること及びその厚さは、ビードを平らにすることにより補強ビードの形状に影響を及ぼす場合があり、その結果、丸みが乏しく且つ一層正方形又は矩形の断面が得られることになる。さらに、ローラを用いてビードを付形するのがよい。添付の図面に示す半円形補強ビードは、真の意味で例示であって、如何なる点においても本発明を限定するものではない。
【0035】
上述の第1の好ましい実施形態に従って構成された呼吸用導管は、極めて軽量且つ可撓性が高く、しかも良好な耐圧潰性を発揮する。しかしながら、非常に薄い壁を持つ導管は、耐軸方向変形性及び(又は)引張抵抗が小さい場合がある。導管の壁を形成するのに用いられた薄いテープに起因して、結果的に得られた製品は、導管の軸線に沿って伸縮を生じやすい場合がある。使用中、患者の呼吸に起因して生じる軸方向の力は、導管の長さにそって軸方向の伸縮を生じさせることができる。次に、かかる呼吸用導管の軸方向剛性を向上させることを目的とする別の実施形態について説明する。
【0036】
図5に示す別の実施形態では、管の周囲の周りに間隔を置いた状態で壁の長さにわたって延びる複数本の補強糸10が、互いに平行に且つ導管の主軸にほぼ平行に整列している。糸10は、螺旋ビード11によって支持され、これら糸は、螺旋ビードのターン相互間の空間を橋渡ししている。この実施形態では、補強糸(材質、厚み、タイプ及び数)を選択して糸が患者の呼吸中に予測できる一時的に減少する内圧を受けた場合に座屈に抵抗する導管の能力を向上させるほど十分剛性であるようにすることが望ましい場合がある。糸の局限されない又は過剰な座屈の結果として、許容限度を超えたレベルの導管の軸方向の収縮及び(又は)伸長が生じる場合がある。軸方向糸10は、紡糸又は編組繊維、延伸又は押出しモノフィラメント、又は他のこれらと同等な形態のものであってよい。編組又は紡糸繊維により引張補強材を構成するのがよく、他方、延伸又は押出しモノフィラメントによって圧縮及び(又は)曲げ補強材を構成するのがよい。
【0037】
図6に示す装置を参照して図5の実施形態の管を形成する方法について説明する。特に、図6の装置では、管12を形成するのに、ポリマーの予備成形テープ又はストリップ13を回転フォーマ14に螺旋に巻き付ける。ストリップ13は、リール15から巻出る。第1の好ましい実施形態について上述したのと類似した方法では、ポリプロピレンの犠牲層17をスプール16からフォーマ14にオーバーラップした螺旋状態で巻き付ける。犠牲層17をマンドレルと成形中の導管との間に設けることにより、極めて薄いフィルムをマンドレル及び高い動作温度から遮蔽することができる。
【0038】
フォーマ上に成形中の管を回転させ、矢印3の方向に前進させる。フォーマの前進速度は、フォーマ14上へのストリップ又はテープの螺旋配列ピッチがストリップの幅よりも僅かに小さく、隣り合うターンのオーバーラップの幅が狭いように回転速度に対して選択される。押出し機18が、溶融ポリマー材料のビード19を押し出す。溶融ビード19は、テープ13の隣り合う巻回部の相互オーバーラップ部分相互間に付着し、テープのストリップ13に溶着するのに十分に溶融状態である。溶融ビードは、完成状態の導管の螺旋状補強材になる。
【0039】
自由回転可能な糸配設ヘッド20が、ビード押出し機18の次にフォーマ上に設置されている。回転ヘッド20は、補強糸を保持する複数のスプール21を支持している。ヘッド20は、電動機22及び駆動ベルト23によって回転可能である。ヘッド20は好ましくは、製品12の有効回転速度と同期した速度で回転する。フォーマ14に沿う管の前進により、糸24は、スプール21から引き出されて補強ビード19の外部上に互いに平行な糸10として配設される。別の糸25がスプール26から引き出され、長手方向糸配設ヘッド20によって配設された長手方向糸10を覆った状態でフォーマに巻き付けられる。糸25は、押出し機18から押し出された溶融ポリマーの螺旋ビード相互間に位置するように螺旋パターンでフォーマ上に配設される。糸25の目的は、永続的な固定のための準備位置に複数の長手方向糸を固定する一時的な手段となることにある。第2の押出し機27が、溶融ポリマー材料の第2のビード28を押し出し、これを複数本の補強糸10の上を覆って且つ第1の補強ビード19及び結合部上に直接付着する。溶融ポリマーの第2のビードは、複数本質的の長手方向糸をそれ自体とポリマービード19によって形成された第1の補強リブとの間でサンドイッチする。しかしながら、糸25は、これら互いにオーバーラップ状態の補強ビード相互間に位置し、導管壁に永続的に結合されることはなく、したがって、これを取り外すことができる。糸25を破棄し、又は第2の補強ビード28の被着に続く位置でフォーマから引き出して再使用のためにスプールに巻き付けるのがよい。
【0040】
本発明のこの実施形態は、螺旋ビードにより圧潰しないよう且つ軸方向糸10によって長手方向に伸長しないよう補強され、第1の好ましい実施形態の利点を全て備える呼吸用導管となる呼吸回路用枝管を提供する。橋渡し状態の糸10は又、ユーザ/周囲環境と管の表面との間の直接的な接触状態を減少させ、したがって、刺し傷や損傷の恐れを減少させることにより、追加の利点をもたらす。糸は、導管壁周りの潜在的な損傷に対する追加のバリヤを効果的に構成する。導管を補強する上述の方法は、螺旋補強ビードがオーバーラップ状態にある層相互間に介在する導管には限定されないことは理解されよう。
【0041】
本発明を利用できる別の呼吸回路用構成要素は、カテーテルマウントである。カテーテルマウントは、患者とインタフェースを取る構成部品、例えば、マウスピース、鼻マスク又は気管内チューブ及び呼吸回路のデュアル枝管相互間を連結する。呼吸回路のデュアル枝管との連結は一般に、Yコネクタにより行われる。本明細書に記載した方法に従って製造された非常に薄肉の管の可撓性が極めて高いので、これら管は、カテーテルマウント構成部品に特に有用になる。
【0042】
管を形成するために細いリボン又はストリップの巻回を含む上述の形成方法の全てに関し、2本以上のリボン又はフィルムを同時にフォーマに巻き付けて各リボンにより作られるターンが他のリボンのターンと交互に位置するようにすることが可能であり、縁部は、互いにオーバーラップし、介在状態の押出し螺旋リブにより互いに結合されることは理解されるべきである。例えば、1対のリボンを二重螺旋として配列することができる。これには、管又は導管の構成部品への巻回と関連した成形ステーションの数を増やす必要がある。さらに、予備成形テープがフォーマに供給される方法に関し、テープは、薄いフィルム層及びこれに結合された補強層を備える積層品として準備することが計画される。薄いフィルム層が通気性層である場合、補強層も又、透過性であり、水蒸気を通過させることができる。
【0043】
薄肉の呼吸用導管が、上述したのと類似した方法で製造されるが、導管壁は好ましくは少なくとも1本の薄い導電性ワイヤを更に有する本発明の別の実施形態を想到できる。導管を加熱する手段となると共に(或いは)電気信号をセンサ又は変換器に伝送するために1対のワイヤを設けるのがよい。加熱された状態の導管は、導管内の凝縮物の堆積を減少させることができ、しかも、導管を通って流れている加湿ガスの温度を維持する手段となることができる。加熱導管は、呼吸回路の吸気アームだけで用いられる場合がほとんどであるが、呼気アームで用いることもできる。加熱状態の壁導管も又、同軸(一枝管型)回路の構成部品でもあり、又は例えばCPAP療法について単一枝管用途で使用可能である。吸気アームがヒータワイヤを有するかかる呼吸用導管では、導管の少なくとも一端部のところの対応関係にあるコネクタは、電気エネルギを導管のヒータワイヤ又は発熱ワイヤに供給するために加湿ガス源との連結に適した電気接続部を有することになる。図7を参照すると、呼吸用導管が、螺旋補強ビードに埋め込まれた1対のヒータワイヤ31を有するものとして示されている。
【0044】
1対のヒータワイヤを有する本発明のこの実施形態の導管を形成する方法について図8を参照して以下に説明する。この方法は、上述すると共に図3に示した方法に類似しているが、1対の互いに平行なワイヤがシームとなるフィルムの縁部領域に位置したフィルムの相互オーバーラップ状態にある隣り合う巻回部相互間に配設するのに追加の工程が必要である。1対のワイヤ31が、2つのリール29,30から供給される。ワイヤは、フォーマ上に配設された後であるが、溶融ビードが被着される前に、縁部に向かってフィルムの第1の巻回部上に配設される。図8は、溶融ビード8の下の1対のヒータワイヤ31を想像線で示している。次に、溶融ビード8をフィルムの第1の層の頂部上でワイヤ上に配設し、その後、フィルムの次のオーバーラップ状態の巻回部がフォーマの周りに巻き付いて管を完成させる。フィルム、ヒータワイヤ及び補強ビードは各々、所望の空間的レイアップを達成するために互いに異なる平面内で被着するのがよいことは理解されよう。
【0045】
その結果得られた導管は、図7に示されており、これは図2に示す先の実施形態と類似しているが、導管壁の螺旋補強ビード内に埋め込まれた追加の対をなすヒータワイヤを有している。この実施形態では、犠牲層17も又、スプール16からオーバーラップした螺旋状態でフォーマに巻き付けられるのがよい。犠牲層17は、ポリプロピレン層又は導管壁には溶着しない他の或る材料であるのがよい。犠牲層17がマンドレルと成形中の導管との間に設けられることにより、極めて薄いフィルムをマンドレルの高い動作温度から遮蔽することができ、フィルムの過熱が生じなくなる。
【0046】
次に、1対のヒータワイヤを有する本発明の導管を形成する別の方法について説明する。
導管を成形する上述の方法は、1対のヒータワイヤを導管壁中へ巻回するオンラインプロセスを開示している。1対のヒータワイヤを予備成形テープ内に設け、次にこのテープを用いて上述すると共に図3に示した方法と類似した方法で導管の壁を形成することが計画される。図9a及び図9bは、1対の互いに平行なワイヤをテープの一方の縁部から距離xを置いたところに配設することにより形成されているかかるテープの断面を示している。ワイヤと縁部との間のテープの長さx分をテープの残部上に折り返して矢印32で示すように1対の互いに平行なワイヤを包囲する。次に、二次熱溶接法を用いてテープの折返し部分を結合して互いに平行なワイヤを永続的に植え込む。しかしながら、折返しが行われるときに押出しテープが溶融状態又は半溶融状態であれば、二次熱溶接法が不要である場合があることは理解されよう。この場合、溶融層の2つの領域は、折り返して互いに圧接すると、互いに結合するであろう。
【0047】
次に、埋設状態のワイヤを有するかかる予備成形折返しテープをリールに巻き付けて例えば上述すると共に図3に示した導管成形法に送り、それにより、1対の一体発熱ワイヤを備えた呼吸用導管を製造する。図10は、本発明のこの実施形態によって成形された呼吸用導管のレイアップを示している。補強ビード及びフォーマ上の隣の巻回部に巻き付いている薄いフィルムの部分は、たった層1つ分の厚さであり、したがって、補強ビードの輪郭に一致することができる。したがって、本発明のこの実施形態に従って成形された管は、上述の好ましい実施形態の利点を全て保持することができ、しかも、図3に記載したような成形装置を用いて成形装置に実質的に設計変更を施すことなく、埋め込み状態のヒータワイヤを有する導管を製造することができるという追加の利点を備えている。かかる場合、押出し機4に代えて、例えば図9bに示し、成形装置に供給される予備成形折返しテープのリールが用いられる。
【符号の説明】
【0048】
1 フォーマ
4,7,18,27 押出し機
5 テープ又はリボン
6 導管の壁
8,11,19,43 ビード
10 補強糸
15,16,29,30 リール
17 犠牲層
20 回転ヘッド
22 電動機
23 駆動ベルト
24,25 糸
26 スプール
31 ヒータワイヤ
37 導管
38 真空源
39 シャフト
40 スロット
41 肩部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導管を連続的に製造する方法であって、
薄いプラスチックの犠牲層をオーバーラップするパターンで、前記導管を回転させ且つ前進させるフォーマの周りにつける工程と、
前記オーバーラップしている層を互いに接合しながら、前記フォーマ上で前記犠牲層を覆って導管を形成する工程と、
接合後に、前記犠牲層を前記導管の内側から除去する工程と、を備えている、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記犠牲層は、前方側縁と後方側縁とを備えた薄いリボンであり、
前記リボンは、リボンの各ターンの前方側縁がフォーマ上のリボンの直前のターンの後方側縁の上側に重なると共に各ターンの後方側縁が次のターンの前方側縁の下側に重なるように、連続的に前記フォーマに螺旋状に巻き付けられる、
請求項1に記載の導管の連続形成方法。
【請求項3】
前記犠牲層は、前記導管の基材ポリマーと異なる基材ポリマーを有する材料で作られ、前記犠牲層及び前記導管の隣り合う層を加熱しても実質的に接着が起こらない、
請求項1又は2に記載の導管の連続形成方法。
【請求項4】
前記導管の肉厚は、400マイクロメートル未満である、
請求項1ないし3の何れか1項に記載の導管の連続製造方法。
【請求項5】
前記導管の壁が前方側縁と後方側縁とを有する薄いポリマーテープから形成され、
前記テープが、テープの各ターンの前方側縁がフォーマ上のテープの直前のターンの後方側縁の上側に重なると共に前記テープの各ターンの後方側縁が前記テープの次のターンの前方側縁の下側に重なるように、前記フォーマに連続的に螺旋状に巻き付けられる、
請求項1に記載の導管の連続製造方法。
【請求項6】
溶融プラスチックのビードを、テープの重なっているターンの上または間につける工程をさらに備え、
前記ビードが前記螺旋状に巻かれたテープを接合して導管を形成する、
請求項5に記載の導管の連続製造方法。
【請求項7】
前記溶融ビードをテープの重なっている層の上または間につけることによって、螺旋状に巻かれたリボンの犠牲層の重なっている前方縁と後方縁とが接合される、
請求項6に記載の導管の連続製造方法。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の方法で製造された導管。
【請求項9】
導管を連続的に形成する方法であって、
前方側縁と後方側縁とを備え、厚さが50マイクロメートル未満の少なくとも1本の薄いフィルムリボンを供給して、前記導管を回転させると共に前進させるフォーマに連続的に螺旋状に巻き付けて、リボンの各ターンの前方側縁がフォーマ上のリボンの直前のターンの後方側縁の上側に重なると共に各ターンの後方側縁が次のターンの前方側縁の下側に重なるようにする工程と、
前記ターンを上側に重ねるのに先立って、略中実の断面を有する溶融プラスチックのビードを、該ビードが前記後方側縁と前記上側に重なる前方側縁との間に位置するように、前記フォーマに直前につけられたターンの露出している後方側縁に沿ってつける工程と、を備え、
前記上側に重なる部分が前記ビードの輪郭に一致しており、前記上側に重なる前方側縁が前記ビードの縁部で、前記下側に重なるリボンに接触または実質的に接触する、
ことを特徴とする方法。
【請求項10】
前記リボンは、通気性プラスチック材料である、
請求項9に記載の導管の連続形成方法。
【請求項11】
前記リボンは、通気性プラスチック材料の層が、水蒸気を通過させることができる補強層に積層されている積層品である、
請求項9または10に記載の導管の連続形成方法。
【請求項12】
前記ビードをつける前に、1又は2以上の発熱ワイヤを前記リボンの露出している後方側縁につけ、該ビードが前記後方側縁に付けられた前記1または2以上の発熱ワイヤを封入するようにする工程を更に有している、
請求項9ないし11の何れか1項に記載の導管の連続形成方法。
【請求項13】
前記フォーマは、軸線周りに互いに間隔をおいて設けられ、形成中、導管を支持し且つ前進させるよう作用する複数の回転ロッドを有し、
まず、最初に薄いプラスチックの犠牲層をオーバーラップするパターンで前記フォーマに巻き付け、その後、前記犠牲層を覆った状態で前記導管を前記フォーマ上に形成する工程と、
オーバーラップする犠牲層を接合する工程と、
前記導管の形成に続き、冷却後に前記犠牲層を前記薄肉の導管の内側から除去する工程と、を更に有している、
請求項9ないし12の何れか1項に記載の導管の連続形成方法。
【請求項14】
前記犠牲層は、前方側縁と後方側縁を備えた薄いリボンであり、
該犠牲層が、犠牲層の各ターンの前方側縁がフォーマ上の犠牲層の直前のターンの後方側縁の上側に重なると共に各ターンの後方側縁が次のターンの前方側縁の下側に重なるように、連続的に前記フォーマに螺旋に巻き付けられる、
請求項13に記載の導管の連続形成方法。
【請求項15】
前記犠牲層は、前記導管の基材ポリマーと異なる基材ポリマーを有する材料で作られ、前記犠牲層及び前記導管の隣り合う層を加熱しても実質的な接着が起こらないようになっている、
ことを特徴とする請求項13又は14に記載の導管の連続形成方法。
【請求項16】
請求項9ないし15の何れか1項に記載の方法により形成された導管。
【請求項17】
導管であって、
前方側縁及び後方側縁を備えた少なくとも1本の薄いプラスチックリボンを有し、
該リボンは、その表面が螺旋軸線にほぼ平行に且つその端から間隔をおいた状態で螺旋状に配置され、リボンの各ターンの前方側縁は、直前のターンの後方側縁の上側に重なり、リボンの各ターンの後方側縁は、次のターンの前方側縁の下側に重なり、
前記導管は、上側に重なっている前方側縁と後方側縁とのそれぞれの間に介在したプラスチック補強ビードを更に有し、前記上側に重なる縁部が前記ビードの縁で前記下側に重なるリボンと接触または実質的に接触している、
ことを特徴とする導管。
【請求項18】
前記リボンは、通気性プラスチック材料で作られている、
請求項17に記載の導管。
【請求項19】
前記プラスチック補強ビードは、該ビード内に封入された1または2以上の発熱ワイヤを有している、
請求項17または18に記載の導管。
【請求項20】
導管を連続的に形成する装置であって、
少なくとも1つの薄いプラスチックリボンを受けるフォーマを有し、前記フォーマは、その周りに前記リボンを引き入れ、前記リボンをこれに沿って前進させて前記リボンの螺旋構造を形成し、前記螺旋構造のピッチは、前記リボンの幅よりも幾分小さく、
前記装置は、リボンを前記フォーマ上の第1の位置で前記フォーマに送る手段と、
溶融ビードを、前記リボンを送る第1の位置から1ターンピッチ未満の第2の位置で前記フォーマに連続的に送る手段とを更に有し、
前記第2の位置は、リボンを送る前記手段によって送られるリボンの後方側縁の予想位置に一致しており、前記リボンの上側に重なる縁が、前記ビードの縁で、前記リボンの下側に重なる縁に接触または実質的に接触する、
ことを特徴とする装置。
【請求項21】
導管を連続的に形成する装置であって、
プラスチックリボンを受けるフォーマを有し、前記フォーマは、その周りに前記リボンを引き入れ、前記リボンをこれに沿って前進させて前記リボンのオーバーラップ螺旋構造を形成し、前記螺旋構造のピッチは、前記リボンの幅よりも幾分小さく、
前記装置は、第1のリボンを第1の場所で前記フォーマに送る第1の手段と、
第2のリボンを前記第1のリボンの次の場所で前記フォーマに送る第2の手段と、
溶融ビードを前記第2のリボンを送る位置から1ターンピッチ未満の位置で前記フォーマに連続的に送る手段と、を更に有し、
前記位置は、前記第2のリボンの後方側縁の予想位置に一致し、前記リボンの上側に重なる縁は、前記ビードの縁で、前記リボンの下側に重なる縁に接触または実質的に接触している、
ことを特徴とする装置。
【請求項22】
前記第2のリボンが前記第1のリボンの上側に重なる前に、前記第1のリボンの外側に任意の材料をつける手段は設けられていない、
ことを特徴とする請求項21に記載の導管の連続形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−76463(P2012−76463A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252945(P2011−252945)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【分割の表示】特願2008−191427(P2008−191427)の分割
【原出願日】平成15年9月9日(2003.9.9)
【出願人】(504298349)フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド (41)
【Fターム(参考)】