説明

導電基板や導電薄膜に適用できる導電ペースト

【課題】導電基板や導電薄膜に適用できる一種の導電ペーストの提供。
【解決手段】本発明のメンブレンスイッチ用導電ペーストは55〜65wt%のフレーク状金属粉(銀、アルミニウム、銅及び銅の混合物)、35〜60wt%の高沸点を持つ有機溶剤及び、主に飽和ポリエステル樹脂を含む5〜15wt%の有機可塑性樹脂、そしてわずか0.5〜5wt%のシランカップリング剤、レベリング剤、消泡剤、揺変剤によって構成される。本発明の特徴は、ITO薄膜やITOガラス基板に対して極めて優れた導電性(20mΩ/□)と付着力があることだけでなく、85℃、85%RH、及び1000時間などの条件による環境テストにも合格している。そのため、タッチ型薄膜やタッチ型ガラス導電回路に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は導電材料の成分で開発された技術分野に属している。特に、導電基板や導電薄膜に適用できる導電ペーストに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、低分子量の液体エポキシ樹脂及び硬化剤で導電ペーストを作るものであるが、硬化物には硬くてもろい欠点があるので、メンブレンスイッチスイッチには応用できない。また、特許文献2は、金属粉、有機溶剤及び芳香族のポリエステル樹脂などの合成材料で作られた導電ペーストについて述べているが、その欠点は曲げ性が欠けているので、曲がれば、断裂する恐れがある。また、特許文献3では、柔軟性が改良され、芳香族ポリエステル樹脂にポリ塩化ビニリデン重合体が添加されたが、その欠点は長期間に保存すると、ペースト化になってしまう。そして、特許文献4は、溶接できる軟質の導電ペーストを提出しているが、88〜93wt%の金属粉を含めている以外に、7〜12wt%の可塑性塩化ビニル/エチレンエチル樹脂の重合体をも含めている。その分子量は14000〜35000だが、ITOFILMには付着できない。また、特許文献5は一種の導電ペーストを提出している。それは40〜75wt%の金属粉、5〜20wt%の溶剤、可塑性エポキシ樹脂及びフェノール樹脂(フェノール樹脂の分子量は10000〜250000)などの物質によって構成されたものである。柔軟性の改善に利用できるが、ポリエステル膜のような柔軟性にはなれない。他に、特許文献5の金属粉は粉末(球状や不規則状や片状)材料を使用しているので、導電性は良くない。また、特許文献6は可塑性塩化ビニル/エチレンエチル樹脂/ジカルボン酸の三つの成分のこーポリマーによって構成された一種の導電ペーストを提出した。この導電ペーストは3〜15wt%の可塑性塩化ビニル/エチレンエチル樹脂/ジカルボン酸、1〜6%のポリアミド樹脂、2〜10%のポリエステル樹脂(または1〜10%のポリアミド樹脂とポリエステル樹脂の混合物)、0.05〜1.0%のcarboxylグループ中和用のトリエタノールアミン及び金属粉50〜80%等と合わせて構成されている。メンブレンスイッチスイッチに適用できるが、樹脂には酸性が含まれているので、電子回路を腐食しやすい。そのため、長時間保存するとペースト化になりやすい。
【0003】
特許文献7は可塑性塩化ビニル/エチレンエチル樹脂/ビニルアルコールまたはヒドロキシルの三種のポリマーで構成された導電ペーストを提出している。それらの含有量を4〜18wt%及び、40〜80%の金属粉と溶剤で構成された導電ペーストである。前述のペースト化の欠点を改善することができるが、ITO薄膜とITOガラスなどの導電材料には適用できない。
【0004】
【特許文献1】米国特許第3,746,662号明細書
【特許文献2】米国特許第4,425,263号明細書
【特許文献3】米国特許第4,592,961号明細書
【特許文献4】米国特許第4,595,605号明細書
【特許文献5】米国特許第5,011,627号明細書
【特許文献6】米国特許第5,089,173号明細書
【特許文献7】米国特許第5,653,918号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
故に、本発明の目的の一つは、導電基板や導電薄膜に適用できる導電ペーストを提供することにある。付着性の改善のために、可塑性の直鎖型飽和ポリエステル樹脂(分子量は5000〜30000)に0.5〜2.0%のエポキシシランが添加された。樹脂の使用量は5〜15wt%である。シランカップリング剤は付着性を大幅に促進することができるので、ITO薄膜やITOガラスに対する付着性は従来の技術より優れており、導電性へのニーズを満足することができる。
【0006】
また、本発明の導電ペーストは導電金属粉を含めている。この導電金属の粉末は適切な厚みと直径を持つ丸い片状の金属粉である。この丸い片状の直径は、大きすぎると曲げ性と付着性が落ちるので、10um以内に制限されている。また、厚みが過ぎても少なすぎても曲げ性を影響してしまい、曲がった後の抵抗変化率が高く上がるので、厚みは0.1〜0.5umの間に制限されている。
【0007】
それに、本発明の導電ペーストはポリエステル膜、ポリカーボネート膜、ポリアミド膜、ポリ塩化ビニル膜とITOカバー膜に印刷することができ、赤外線120℃を2分間照射してから、熱風循環オーブン内で150℃で20〜30分間焼けば、高付着、低抵抗、高柔軟性の薄膜タッチスイッチが得られる。
【0008】
また、当薄膜タッチスイッチは85℃、85%RH、1000時間の条件による環境テストに合格できるし、百万回のスイッチングテストにも合格できる。
【0009】
さらに、本発明が採用した片状の金属粉は主に銀であり、次は銅やその合金である。タップ密度(Tap density)は2.5〜4.0g/cm3、比表面積(Specific surface area)は0.8〜1.8m2/g、片状直径は約5〜15um、厚みは0.1〜0.5umである。
【0010】
本発明はまた可塑性の直鎖型飽和ポリエステル樹脂を採用している。その分子量は5000〜30000であり、0.5〜2.0%のシランカップリング剤を添加し、付着性を改善するために、樹脂の使用量は5〜15wt%である。
【0011】
本発明が採用した高沸点、低蒸気圧の溶剤は主に2,2’−ジヒドロキシエチルエーテル、2,2’−エチルジグリコールアセテート、イソホロン、1,4’−アジピン酸ジメチル、アミノ酸ジメチルエステル、琥珀酸ジメチルエステル、1,4−ブチロンラクトン、1,2ップロパノールアセテートである。
【0012】
その他の添加剤の使用量は0〜2%で、レベリング剤は改質ポリシロキサン樹脂であり、消泡剤は改質ポリシロキサン樹脂、そして搖変剤はポリアミド樹脂である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1の発明は、フレーク状金属粉末、可塑性直鎖型飽和ポリエステル樹脂、溶剤、粘着促進剤及び補助剤を含み、
該フレーク状金属粉末の含有量は55〜65wt%であり、
該可塑性直鎖型飽和ポリエステル樹脂の含有量は5〜15wt%であり、
該溶剤の含有量は30〜50wt%であり、
該粘着促進剤の含有量は約0〜50wt%であることを特徴とする導電ペーストとしている。
請求項2の発明は、当該フレーク状の金属粉末は銀、銅、アルミニウムとその合金で構成されたグループから選ばれたものであり、タップ密度は2.5〜4.0g/cm3、比表面積は0.8〜1.8m2/g、片状直径は5〜15um、厚みは0.1〜0.5umであることを特徴とする請求項1記載の導電ペーストとしている。
請求項3の発明は、当該可塑性直鎖型飽和ポリエステル樹脂の分子量は5000〜30000であることを特徴とする請求項1記載の導電ペーストとしている。
請求項4の発明は、当該溶剤はケトン類やエステル類のものであり、高沸点と低蒸気圧の特性を持っていることを特徴とする請求項1記載の導電ペーストとしている。
請求項5の発明は、当該溶剤は2,2’−ジヒドロキシジエチルエーテル、2,2’−エチルジグリコールアセテート、イソホロン、1,4’−アジピン酸ジメチル、アミノ酸ジメチルエステル、琥珀酸ジメチルエステル、1,4−ブチロンラクトン、及び1,2ップロパノールアセテートで構成されたグループから選ばれたものであることを特徴とする請求項4記載の導電ペーストとしている。
請求項6の発明は、当該粘着促進剤はシランカップリング剤であることを特徴とする請求項1記載の導電ペーストとしている。
請求項7の発明は、当該シランカップリング剤の片端にエポキシ官能基があり、他端にアルコキシシラン官能基があることを特徴とする請求項6記載の導電ペーストとしている。
請求項8の発明は、当該補助剤はレベリング剤を含めていることを特徴とする請求項1記載の導電ペーストとしている。
請求項9の発明は、当該レベリング剤は改質ポリシロキサン樹脂であることを特徴とする請求項8記載の導電ペーストとしている。
請求項10の発明は、当該補助剤は消泡剤を含めていることを特徴とする請求項1記載の導電ペーストとしている。
請求項11の発明は、当該消泡剤は改質ポリシロキサン樹脂であることを特徴とする請求項10記載の導電ペーストとしている。
請求項12の発明は、当該補助剤は揺変剤を含めていることを特徴とする請求項1記載の導電ペーストとしている。
請求項13の発明は、当該揺変剤はポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項12記載の導電ペーストとしている。
請求項14の発明は、一種の導電ペーストの製造方法において、該導電ペーストは55〜65wt%のフレーク状金属粉末、5〜15wt%の可塑性直鎖型飽和ポリエステル樹脂、含有量が30〜50wt%の溶剤、含有量が0.5〜2wt%の粘着促進剤及び含有量が0〜5wt%の補助剤を含み、当該製造方法は以下の手順であり、
溶剤を既定の温度までに加熱し、
可塑性著鎖型飽和ポリエステル樹脂を加え、完全に溶けるまでにかき混ぜ、
粘着促進剤と補助剤を加えて十分にかき混ぜ、
フレーク状の金属粉末を入れて既定の第一細度になるようにかき混ぜて分散し、
研磨処理で第一、第二の既定細度に仕上げ、その中、第一細度が第二細度より大きくするべきであることを特徴とする導電ペーストの製造方法としている。
請求項15の発明は、当該フレーク状の金属粉末は銀、銅、アルミニウムとその合金が構成したグループから得られたものであり、そのタップ密度は2.5〜4.0g/cm3、比表面積は0.8〜1.8m2/g、片状直径は5〜15um、厚みは0.1〜0.5umであることを特徴とする請求項14記載の導電ペーストの製造方法としている。
請求項16の発明は、当該可塑性直鎖型飽和ポリエステル樹脂の分子量は5000〜30000であることを特徴とする請求項14記載の導電ペーストの製造方法としている。
請求項17の発明は、当該溶剤はケトン類やエステル類のものであり、高沸点と低蒸気圧の特性を持っていることを特徴とする請求項14記載の導電ペーストの製造方法としている。
請求項18の発明は、当該溶剤は2,2’−ジヒドロキシジエチルエーテル、2,2’−エチルジグリコールアセテート、イソホロン、1,4’−アジピン酸ジメチル、アミノ酸ジメチルエステル、琥珀酸ジメチルエステル、1,4−ブチロンラクトン、及び1,2−プロパノールアセテートなどで構成されたグループから選ばれたものであることを特徴とする請求項17記載の導電ペーストの製造方法としている。
請求項19の発明は、当該粘着促進剤はシランカップリング剤であることを特徴とする請求項14記載の導電ペーストの製造方法としている。
請求項20の発明は、当該シランカップリング剤の片端にエポキシ官能基があり、他端にアルコキシシラン官能基があることを特徴とする請求項19記載の導電ペーストの製造方法としている。
請求項21の発明は、当該補助剤はレベリング剤を含めていることを特徴とする請求項14記載の導電ペーストの製造方法としている。
請求項22の発明は、当該レベリング剤は改質ポリシロキサン樹脂であることを特徴とする請求項21記載の導電ペーストの製造方法としている。
請求項23の発明は、当該補助剤は消泡剤を含めていることを特徴とする請求項14記載の導電ペーストの製造方法としている。
請求項24の発明は、当該消泡剤は改質ポリシロキサン樹脂であることを特徴とする請求項23記載の導電ペーストの製造方法としている。
請求項25の発明は、当該補助剤は揺変剤を含めていることを特徴とする請求項14記載の導電ペーストの製造方法としている。
請求項26の発明は、当該揺変剤はポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項25記載の導電ペーストの製造方法としている。
請求項27の発明は、当該既定温度は60℃〜80℃であることを特徴とする請求項14載の導電ペーストの製造方法としている。
請求項28の発明は、当該第一の既定細度は15umより小さいことを特徴とする請求項14記載の導電ペーストの製造方法としている。
請求項29の発明は、当該第二の既定細度は15umより小さいことを特徴とする請求項14記載の導電ペーストの製造方法としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明の特徴は、ITO薄膜やITOガラス基板に対して極めて優れた導電性(20mΩ/□)と付着力があることだけでなく、85℃、85% RH、及び1000時間などの条件による環境テストにも合格している。そのため、タッチ型薄膜やタッチ型ガラス導電回路に適用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の導電ペーストは約55〜65wt%のフレーク状の金属粉末、5〜15wt%の可塑性直鎖型飽和ポリエステル樹脂、30〜50wt%の溶剤、0.5〜2wt%の粘着促進剤及び0〜5wt%の補助剤を含めている。このフレーク状の金属粉末は銀、銅、アルミニウムまたはその合金でもよい。そのタップ密度は2.5〜4.0g/cm3、比表面積は0.8〜1.8m2/g、片状直径は約5〜15um、厚みは約0.1〜0.5umである。可塑性直鎖型飽和ポリエステル樹脂の分子量は5000〜30000である。溶剤はケトン類やエステル類の溶剤であり、高沸点と低蒸気圧の特性を持っており、2,2’−ジヒドロキシエチルエーテル、2,2’−エチルジグリコールアセテート、イソホロン、1,4’−アジピン酸ジメチル、アミノ酸ジメチルエステル、琥珀酸ジメチルエステル、1,4−ブチロンラクトン、又は1,2−プロパノールアセテートなどの物質でも良い。粘着促進剤はシランカップリング剤であり、その片端にエポキシ官能基があり、他端にアルコキシシラン官能基がある。補助剤はレベリング剤、消泡剤や揺変剤でよい。例えば、レベリング剤は改質ポリシロキサン樹脂でもよく、揺変剤はポリアミド樹脂でも良い。
【0016】
本発明の導電ペーストの製造法に基づき、まず溶剤を既定の温度に加熱する。この温度は60℃〜80℃である。そして、可塑性直鎖型飽和ポリエステル樹脂を加え、完全に溶けるまでに混ぜる。それから、粘着促進剤と補助剤を入れ、また十分にかき混ぜる。続いてはフレーク状の金属粉末を入れる。混ぜて既定の第一細度までに分散する。この第二細度は15umより小さい。最後に、第一、第二の既定細度になるよう、ビーズミルで研磨処理をする。ここの第二細度は5um以下である。
【0017】
実験範例一、500gの2,2’−エチルジグリコールアセテートをとり、かき混ぜて60℃までに加熱する。そして、dynapol L206を500gとって2,2’−ジエチレングリコールに少しずつ溶かせ、完全に溶けるまでにかき混ぜる。この溶解物を結合剤Aと名づける。
【0018】
結合剤Aを165gとり、82.8gの2,2’−エチルジグリコールアセテート、76.74gの2,2’−のジエチレングリコールを加えてからさらに、DEUCHEM社のシランカップリング剤のZ−6040を10.0g、PA−56を7.2g、5300を8.26g加えて十分にかき混ぜる。それから、FERRO社の銀フレーク粉SF−65型を650g少しずつ入れてもっとかき混ぜてから、細度が5um以下になるように、ビーズミルで最低に3〜5回に研磨する。
【0019】
この銀ペーストを250マスのスクリーン印刷でITOポリエステル膜やITOガラスに印刷する。赤外線を120℃、2分間照射してから、熱風循環オーブンで150℃、20〜30分焼けば、ITO薄膜の高付着、低抵抗8mΩ/□の薄膜タッチスイッチが得られる。
【0020】
実験範例二、結合剤Aを165gとり、82.8gの2,2’−エチルジグリコールアセテート、126.74gの2,2’−のジエチレングリコールを加えてからさらに、DEUCHEM社のシランカプラーZ−6040を10.0g、PA−56を7.2g、5300を8.26g加えて十分にかき混ぜる。それから、FERRO社生産の銀フレーク粉9AL型を600g少しずつ入れてもっとかき混ぜてから、細度が5um以下になるように、ビーズミルで最低に3〜5回に研磨する。
【0021】
この銀ペーストを250マスのスクリーン印刷でITOポリエステル膜やITOガラスに印刷する。赤外線を120℃、2分間照射してから、熱風循環オーブンで150℃、20〜30分焼けば、ITO薄膜の高付着、低抵抗12mΩ/□の薄膜タッチスイッチが得られる。
【0022】
実験範例三、結合剤Aを165gとり、132.8gの2,2’−エチルジグリコールアセテート、126.74gの2,2’−のジエチレングリコールを加えてからさらに、DEUCHEM社のシランカプラーZ−6040を10.0g、PA−56を7.2g、5300を8.26g加えて十分にかき混ぜる。それから、FERRO社の銀フレーク粉70A型を550g少しずつ入れてもっとかき混ぜてから、細度が5um以下になるように、ビーズミルで最低に3〜5回に研磨する。
【0023】
この銀ペーストを250マスのスクリーン印刷でITOポリエステル膜やITOガラスに印刷する。赤外線を120℃、2分間照射してから、熱風循環オーブンで150℃、20〜30分焼けば、ITO薄膜の高付着、低抵抗18mΩ/□の薄膜タッチスイッチが得られる。
【0024】
比較範例:特許文献5で掲示された導電ペーストを比較範例として挙げる。フェノキシ樹脂PKHH(Union Carbide)を40%と2,2’−エチルジグリコールアセテートを60%と混ぜ合わせる。この溶解物を結合剤Bと名づける。結合剤Bを225gと銀粉(タップ密度が3.5g/cm3)を600gと混ぜ合わせてから、175gの2.2’−エチルジグリコールアセテートを加えてさらに十分にかき混ぜる。その後、細度が5um以下になるまで、三つのローラーに入れて少なくとも3〜5回を研磨する。
【0025】
この銀ペーストを250マスのスクリーン印刷でITOポリエステル膜やITOガラスに印刷する。赤外線を120℃、2分間照射してから、熱風循環オーブンで150℃、20〜30分焼けると、高付着で低抵抗16mΩ/□の薄膜タッチスイッチが得られる。
【0026】
以下は各実験範例と比較範例の性能比較に関する一覧表である。
【表1】

【0027】
以上の一覧表から分かるように、本発明は銀の含有量と操作性において明らかに米国の特許より優れている。そのため、本発明はより低い銀の含有量、より低いコスト、及び最適な操作性と粘着性を持っている。タッチスイッチには最適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーク状の金属粉末、可塑性直鎖型飽和ポリエステル樹脂、溶剤、粘着促進剤及び補助剤を含み、
該フレーク状の金属粉末の含有量は55〜65wt%であり、
該可塑性直鎖型飽和ポリエステル樹脂の含有量は5〜15wt%であり、
該溶剤の含有量は30〜50wt%であり、
該粘着促進剤の含有量は約0〜50wt%であることを特徴とする導電ペースト。
【請求項2】
当該フレーク状の金属粉末は銀、銅、アルミニウムとその合金で構成されたグループから選ばれたものであり、タップ密度は2.5〜4.0g/cm3、比表面積は0.8〜1.8m2/g、片状直径は5〜15um、厚みは0.1〜0.5umであることを特徴とする請求項1記載の導電ペースト。
【請求項3】
当該可塑性直鎖型飽和ポリエステル樹脂の分子量は5000〜30000であることを特徴とする請求項1記載の導電ペースト。
【請求項4】
当該溶剤はケトン類やエステル類のものであり、高沸点と低蒸気圧の特性を持っていることを特徴とする請求項1記載の導電ペースト。
【請求項5】
当該溶剤は2,2’−ジヒドロキシジエチルエーテル、2,2’−エチルジグリコールアセテート、イソホロン、1,4’−アジピン酸ジメチル、アミノ酸ジメチルエステル、琥珀酸ジメチルエステル、1,4−ブチロンラクトン、及び1,2ップロパノールアセテートで構成されたグループから選ばれたものであることを特徴とする請求項4記載の導電ペースト。
【請求項6】
当該粘着促進剤はシランカップリング剤であることを特徴とする請求項1記載の導電ペースト。
【請求項7】
当該シランカップリング剤の片端にエポキシ官能基があり、他端にアルコキシシラン官能基があることを特徴とする請求項6記載の導電ペースト。
【請求項8】
当該補助剤はレベリング剤を含めていることを特徴とする請求項1記載の導電ペースト。
【請求項9】
当該レベリング剤は改質ポリシロキサン樹脂であることを特徴とする請求項8記載の導電ペースト。
【請求項10】
当該補助剤は消泡剤を含めていることを特徴とする請求項1記載の導電ペースト。
【請求項11】
当該消泡剤は改質ポリシロキサン樹脂であることを特徴とする請求項10記載の導電ペースト。
【請求項12】
当該補助剤は揺変剤を含めていることを特徴とする請求項1記載の導電ペースト。
【請求項13】
当該揺変剤はポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項12記載の導電ペースト。
【請求項14】
一種の導電ペーストの製造方法において、該導電ペーストは55〜65wt%のフレーク状金属粉末、5〜15wt%の可塑性直鎖型飽和ポリエステル樹脂、含有量が30〜50wt%の溶剤、含有量が0.5〜2wt%の粘着促進剤及び含有量が0〜5wt%の補助剤を含み、当該製造方法は以下の手順であり、
溶剤を既定の温度までに加熱し、
可塑性著鎖型飽和ポリエステル樹脂を加え、完全に溶けるまでにかき混ぜ、
粘着促進剤と補助剤を加えて十分にかき混ぜ、
フレーク状の金属粉末を入れて既定の第一細度になるようにかき混ぜて分散し、
研磨処理で第一、第二の既定細度に仕上げ、その中、第一細度が第二細度より大きくするべきであることを特徴とする導電ペーストの製造方法。
【請求項15】
当該フレーク状の金属粉末は銀、銅、アルミニウムとその合金が構成したグループから得られたものであり、そのタップ密度は2.5〜4.0g/cm3、比表面積は0.8〜1.8m2/g、片状直径は5〜15um、厚みは0.1〜0.5umであることを特徴とする請求項14記載の導電ペーストの製造方法。
【請求項16】
当該可塑性直鎖型飽和ポリエステル樹脂の分子量は5000〜30000であることを特徴とする請求項14記載の導電ペーストの製造方法。
【請求項17】
当該溶剤はケトン類やエステル類のものであり、高沸点と低蒸気圧の特性を持っていることを特徴とする請求項14記載の導電ペーストの製造方法。
【請求項18】
当該溶剤は2,2’−ジヒドロキシジエチルエーテル、2,2’−エチルジグリコールアセテート、イソホロン、1,4’−アジピン酸ジメチル、アミノ酸ジメチルエステル、琥珀酸ジメチルエステル、1,4−ブチロンラクトン、及び1,2−プロパノールアセテートなどで構成されたグループから選ばれたものであることを特徴とする請求項17記載の導電ペーストの製造方法。
【請求項19】
当該粘着促進剤はシランカップリング剤であることを特徴とする請求項14記載の導電ペーストの製造方法。
【請求項20】
当該シランカップリング剤の片端にエポキシ官能基があり、他端にアルコキシシラン官能基があることを特徴とする請求項19記載の導電ペーストの製造方法。
【請求項21】
当該補助剤はレベリング剤を含めていることを特徴とする請求項14記載の導電ペーストの製造方法。
【請求項22】
当該レベリング剤は改質ポリシロキサン樹脂であることを特徴とする請求項21記載の導電ペーストの製造方法。
【請求項23】
当該補助剤は消泡剤を含めていることを特徴とする請求項14記載の導電ペーストの製造方法。
【請求項24】
当該消泡剤は改質ポリシロキサン樹脂であることを特徴とする請求項23記載の導電ペーストの製造方法。
【請求項25】
当該補助剤は揺変剤を含めていることを特徴とする請求項14記載の導電ペーストの製造方法。
【請求項26】
当該揺変剤はポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項25記載の導電ペーストの製造方法。
【請求項27】
当該既定温度は60℃〜80℃であることを特徴とする請求項14載の導電ペーストの製造方法。
【請求項28】
当該第一の既定細度は15umより小さいことを特徴とする請求項14記載の導電ペーストの製造方法。
【請求項29】
当該第二の既定細度は15umより小さいことを特徴とする請求項14記載の導電ペーストの製造方法。

【公開番号】特開2007−294451(P2007−294451A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−108667(P2007−108667)
【出願日】平成19年4月17日(2007.4.17)
【出願人】(506014859)永富光電科技股▲ふん▼有限公司 (1)
【Fターム(参考)】