説明

導電性を有する難燃粘着テープ

【課題】ハロゲン系難燃剤を使用することなく、優れた難燃性と粘着性基材の厚み方向の導電性を有し、かつ、経時での難燃性低下の少ない難燃粘着テープを提供する。
【解決手段】導電性を有する有機繊維からなる基材の少なくとも片面に粘着層を設けた導電性を有する難燃粘着テープであって、該粘着層が、粘着剤、難燃剤、導電剤から構成され、かつ、該難燃剤が、窒素含有リン酸塩化合物(A)と有機リン酸塩化合物(B)とからなることを特徴とする導電性を有する難燃粘着テープとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハロゲン系難燃剤を使用することなく、優れた難燃性と粘着性基材の厚み方向の導電性、接着性を有した難燃粘着テープであり、かつ、経時での難燃性低下の少ない導電性を有する難燃粘着テープに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気・電子分野の各業界では、それを構成する電子部品等で、高い難燃性が求められるようになってきており、その中で、UL規格合格を求められることが多くなってきている。例えば、電子部品などに使用される電気絶縁テープのUL規格としてUL510があり、本規格に合格する高い難燃特性が求められている。また、他の難燃性規格に関しても同様である。
【0003】
この粘着テープに難燃性を付与するために、従来よりハロゲン系難燃剤が使用されているが、ハロゲン系難燃剤はハロゲン系ガスを発生し、それが機器等を腐食させる原因になることがあるため、非ハロゲン系難燃剤の検討が進められている。たとえば、特許文献1では、難燃剤にポリリン酸アンモニウムを用いその粒径と比表面積を規定することで高い難燃性の難燃粘着テープが提案されている。しかしながら、基材の厚み方向の導電性を有したテープではなく、さらに、我々の研究によれば経時により難燃性が低下する問題があることがわかった。
【0004】
一方、特許文献2には、基材の厚み方向の導電性及び難燃性を有した電磁波シールド材が提案され、無電解メッキを施した有機繊維布帛に、導電フィラーと難燃剤を配合した粘着層を設けることが記載されている。しかしながら、我々の研究によれば、難燃剤の種類によっては、厚み方向の導電性が不十分となったり、粘着性が低下したりする問題があることがわかった。また、かかる理由等から上記電磁波シールド材を、そのまま粘着テープとして応用することは困難である。
【0005】
よって、今日、電子機器のコネクター端末部やケーブル等のシールド、グランド強化などのノイズ対策に、導電性を有した難燃粘着テープの要求があるが、従来技術を見渡しても、経時的に低下することのない安定した難燃性、粘着性、基材の厚み方向の導電性を同時に満足させるようなテープは開発されていないのが実情である。
【0006】
【特許文献1】特開平11−1669号公報
【特許文献2】特開2004−235393号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、ハロゲン系難燃剤を使用することのなく、優れた難燃性と粘着性基材の厚み方向の導電性を有し、かつ、経時での難燃性低下の少ない難燃粘着テープを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、導電性を有する粘着テープの粘着層に含有させる難燃剤について検討したところ、異なるリン系難燃剤を特定の配合割合で粘着層に含有させたところ、粘着性や厚み方向の導電性が低下することなく、優れた難燃性を発揮するだけでなく、高温高湿度下に粘着テープが放置されても経時的な難燃性の低下が少なく、安定した高い難燃性が維持されることを見出した。
【0009】
かくして本発明によれば、導電性を有する有機繊維からなる基材の少なくとも片面に粘着層を設けた導電性を有する難燃粘着テープであって、該粘着層が、粘着剤、難燃剤、導電剤から構成され、かつ、該難燃剤が、窒素含有リン酸塩化合物(A)と有機リン酸塩化合物(B)からなることを特徴とする導電性を有する難燃粘着テープ提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の導電性を有する難燃粘着テープを用いることで、経時での難燃性低下が無く導電性、接着性に優れたテープとなり、シールディングやグランディングに優れた効果が発揮できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の導電性を有する有機繊維から構成される基材(以下、導電性布帛と呼ぶことがある)を構成する繊維は有機繊維であれば特に限定はなく、耐熱性、難燃性を考慮すれば、アラミド繊維、ポリベンズイミダゾール繊維、ポリベンズオキサゾール繊維、モダアクリル繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維を用いることが好ましい。また、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンナフタレート繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維などのポリエステル系繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維などを用いることもできる。
【0012】
また、上記の有機繊維に対しては、金属皮膜と繊維との密着性を向上させるために、エッチングを行って繊維表面に凹凸を付与したり、界面活性剤などによるコンディショナー処理を施すことが好ましい。
【0013】
上記有機繊維の単繊維繊度は特に限定は無いが、0.33〜5.56dtexの範囲にあるものが好ましく使用される。該単繊維繊度0.33dtex未満の場合、布帛を加工する際の取り扱いが困難となる場合があり、一方、該単繊維繊度が5.56dtexを超える場合は、接触対象物と導電性布帛が接触した際の応力が高いため金属皮膜にクラックが生じてしまう場合がある。
【0014】
上記有機繊維は、長繊維や短繊維、及びそれらの複合繊維や加工糸、或いは紡績糸などの繊維糸条とされ、該繊維糸条を用いて公知の繊維集合体である織物、編物、不織布などの布帛の形態にして用いられる。
この際、織物の組織として平織、綾織、朱子織、斜子織、及びこれらの変化織が好ましく用いられ、また、編物の組織としては経編物、緯編物のいずれも使用することができる。
【0015】
また、布帛が不織布の場合には、長繊維、あるいは短繊維からなる不織布が用いられ、これらの不織布はカードウェブ、ニードルパンチ、スパンボンド、エアーレイド、または、これら2種以上の方法を含む複合法により製造される乾式法、或いは繊維を水に分散させてスラリーにしたものを抄紙する湿式法などにより製造される。
【0016】
布帛が不織布の場合は、樹脂加工による毛羽落ち防止措置をとることが好ましく、接触対象物との摩擦による毛羽落ちが厳禁となる用途においては、不織布ではなく長繊維織物を使用することが好ましい。
【0017】
導電性布帛の厚さは特に限定は無く、使用用途によって好ましい厚さにすることができるが、テープとしての柔軟性を考慮すると、50〜200μm、より好ましくは75〜175μmである。厚みが50μm未満の場合、テープとして充分な力学特性が得られない。また、厚みが200μmを超える場合、テープとしての柔軟性がなくなってしまう。
【0018】
導電性布帛の目付は特に限定されず使用用途によって好ましい目付にすることができるが、テープとしての取り扱い性・柔軟性を考慮すると、50〜200g/m、より好ましくは70〜150g/mである。目付が50g/m未満の場合、テープとして充分な力学特性が得られない。また、目付が200mを超える場合、テープとしての柔軟性がなくなってしまう。
【0019】
本発明においては、上記有機繊維が導電性を有していることが必要である。ここで、有機繊維が導電性を有しているとは、有機繊維の表面又は該繊維の集合体表面に、静電気を除去することが可能な金属皮膜などが形成されていることを言う。
【0020】
有機繊維の表面又は該繊維の集合体表面に金属皮膜を形成せしめる方法としては、従来公知の方法が用いられ、繊維や布帛表面に無電解メッキ、電気メッキ、金属蒸着、スパッタリング加工などを施す方法が採用されるが、特に好ましいのは無電解メッキにより布帛の表面に金属皮膜を形成させる方法である。
また、予めその表面に金属皮膜を形成せしめた有機繊維を繊維糸条となし、該繊維糸条を用いて織物、編物などの布帛の形態にしても良い。
【0021】
上記の、皮膜を形成する金属としては、金、銀、銅、亜鉛、ニッケル、スズ及びそれらの合金等が挙げられ、その中でも、低コストで汎用性のある銅が望ましい。また、これらの金属により形成される層は1層であっても、2層以上の多層であっても構わない。
【0022】
無電解メッキによる銅皮膜の形成方法の1例についてさらに詳しく説明する。先ず、上記布帛を公知の方法で精練処理し、布帛表面にある糊剤、油剤を除去する。ついで、必要に応じてアルカリ性溶液に浸漬して減量加工を行った後、精練処理された布帛に、無為電解メッキの核となるパラジウムを吸着させ、活性化処理をした後、銅メッキ浴に浸漬し、布帛表面に銅皮膜を形成させる。
【0023】
上記処理により形成される銅皮膜の厚さは、平均値で0.1〜2.0μmの範囲にあれ良い。該皮膜の厚さが前記の範囲より大きいと金属皮膜の脱落が起こり易くなるので好ましくない。
上記方法により形成された金属皮膜には、防錆のために、さらにその上にニッケルなどの耐食性のよい金属皮膜を形成させたり、防錆剤を塗布したりすることができる。
【0024】
本発明の粘着テープは、上記の導電性布帛の少なくとも片面に粘着層を設けた粘着テープであり、該粘着層は、粘着剤、導電剤、難燃剤で構成される。
粘着層を形成する粘着剤は、特に限定されることは無いが、一般的に用いられる公知のアクリル系粘着剤やゴム系粘着剤がベースポリマーとして用いられる。例えば、アクリル系粘着剤としては、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸プロピル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸イソオクチル、メタアクリル酸ノニル、メタアクリル酸イソノニル等のメタアクリル酸エステモノマーを主成分とし、これにメタアクリル酸、クロトン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸等の官能基を含むモノマーや酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、メタアクリル酸2−ヒドロキシエチル、2−メチロールエチルアクリルアミド等を必要に応じて共重合させることによって得られる公知のアクリル系粘着剤である。
【0025】
ゴム系粘着剤としては、特に限定されないが、例えば、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、及びスチレンイソプレンブロックコポリマー等のエラストマー成分を1種、又は2種以上の組合わせに対して、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、クマロン・インデン樹脂、ピュア・モノマー系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂等を混合することによりなる、公知のゴム系粘着剤である。
【0026】
本発明においては、粘着層を構成する難燃剤が、窒素含有リン酸塩化合物(A)と有機リン酸塩化合物(B)の2種類からなることが肝要である。本発明者らは、かかるリン系化合物の組合せとしたとき、高温高湿度下でも経時的に難燃性が低下することなく、安定した難燃性を維持することができることを見出した。さらに、かかる難燃剤の組合せを選んだとき、接着性や厚み方向の導電性の低下が少ないことがわかった。
【0027】
上記の窒素含有リン酸塩化合物(A)としては、ポリリン酸アンモニウム、リン酸メラミン、リン酸ジメラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸メラム、ポリリン酸メレム、ポリリン酸メロン、リン酸エステルアミド、リン酸グアニジン等が好ましく挙げられる。また、これらの窒素含有リン系難燃剤(A)はマイクロカプセル化したものであっても良い。
一方、有機リン酸塩化合物(B)の具体例としては、「PEKOFLAM STC POWDER(商品名)」(クラリアントジャパン株式会社製)を好ましく挙げることができる。
【0028】
粘着層中の難燃剤の配合量は、粘着剤100部に対して60〜200部、より好ましくは、100〜150部である。難燃剤の配合量が60部未満の場合、UL510難燃試験に合格することが難しい。また、難燃剤の配合量が200部を超える場合、粘着剤中の難燃剤が2次凝集を起こし、例えば難燃剤を含有した粘着剤を導電性布帛にコーティングした場合、経筋が発生したり、粘着性能が低下したりする。
【0029】
窒素含有リン酸塩化合物(A)と有機リン酸塩化合物(B)の配合比率は重量を基準として(A):(B)=95:5〜40:60の間で任意に調整すれば良いが、より好ましくは、(A):(B)=90:10〜50:50である。有機リン酸塩化合物(B)が5重量%未満の場合は、窒素含有リン酸化合物(A)の経時での分解を有機リン酸塩化合物(B)で抑制することができず、難燃性が徐々に低下し、UL510燃焼試験に合格しなくなる傾向にある。また、有機リン酸塩化合物(B)が60重量%を超える場合は、2次凝集を起こし易く、例えば難燃剤を含有した粘着剤を導電性布帛にコーティングした場合、経筋が発生したり、粘着性能が低下したりする傾向にある。
【0030】
粘着層を構成する導電剤は、厚み方向の導電性を持たせるために添加される。該導電剤としては、銅、ニッケル、銀、金及び/またはこれらの金属の合金粒子、導電性カーボン粒子などが例示され、無機物などに銅、ニッケル、銀などを被覆した材料も用いられる。また、導電剤の配合量は、粘着剤100部に対して、好ましくは2〜30部、より好ましくは3〜20部である。導電剤の量が2部より少ないと厚み方向に充分な導電性を得ることが難しくなる傾向にある。また、導電剤の量が30部を超えると、難燃性が低下する傾向にある。
【0031】
また、粘着層中には、本発明の難燃効果を損なわない範囲で、必要に応じて、酸化防止剤、耐候剤、軟化剤、安定剤、充填剤、増量剤、補強剤等の各種添加剤を1種、又は2種以上を組合せて加えることができる。
【0032】
本発明の粘着テープを製造する方法とてしては、例えば、次の方法を挙げることができる。すなわち、難燃剤及び導電剤の粘着剤であるポリマーへ分散させる。この際、分散方法としては、一般に知られる機械的混練分散法の他に、必要に応じて溶剤分散法、超音波分散法等の公知の方法を用いることができる。このようにして形成された難燃粘着導電剤組成物の塗工方法は、特に限定されるものではないが、例えば、ロールコーターやリバースコーター等で上記導電性布帛の少なくとも片面に1層、又は2層以上塗布され、必要に応じて加熱することにより本発明のテープが得られる。また、シート状、或いはフィルム状の粘着層を導電性布帛にラミネートすることもできる。
【0033】
粘着層の厚みは、特に限定されないが、テープとしての使用を考えた場合、好ましくは5〜70μm、より好ましくは10〜50μmである。5μm未満の場合、難燃性が不十分でUL510燃焼試験に合格することが難しくなる傾向にある。また、70μmを超える場合、厚み方向の導電性能が低下する恐れがある。
【実施例】
【0034】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。なお、実施例において「部」は重量部を示す。また、実施例中で用いた物性は以下の方法により測定した。
(1)難燃性評価(燃焼性試験)
UL510燃焼試験に準じて、燃焼試験を行った。なお、燃焼試験は、サンプル作製直後と、経時での難燃性を確認するため、サンプルを40℃、60%RH下に1ヶ月放置後、これを50℃で30分間乾燥させた後に燃焼試験を行った。
(2)厚み方向の導電性
JIS K 7194に準じて測定し、0.1Ω以下を合格とした。
(3)接着性
JIS L 1096に準じて測定し、剥離強力を接着強力として判断し、接着強力が9N以上で合格とした。
【0035】
[実施例1]
56dtex、フィラメント数36本のポリエステル長繊維(帝人ファイバー社製「シルフィル」)を用い、織密度が経140本/インチ、緯105本/インチの2/1ツイルの織物を織成した。
この織物を精練処理した後、無電解メッキ加工を施して、構成繊維表面に厚さ0.7mmの銅金属皮膜を形成させ、引き続いて無電解メッキ加工処理により該銅金属皮膜の上に更に厚さ0.2mmのニッケル金属皮膜を形成させた。
【0036】
アクリル系粘着剤と窒素含有リン酸塩化合物(A)であるポリリン酸アンモニウムが配合された難燃粘着剤SKダイン1795G(綜研化学社製)を用いた。以下、SKダイン1795Gに配合されているアクリル系粘着剤を100部として他の剤の配合量を示す。なお、上記SKダイン1795G中の窒素含有リン酸塩化合物(A)(ポリリン酸アンモニウム)の配合量は、アクリル系粘着剤100部に対し、100部である。
【0037】
上記SKダイン1795Gに、アクリル系粘着剤100部に対し、触媒1部、トルエン25部、有機リン酸塩化合物(B)であるクラリアントジャパン社製「PEKOFLAM STC POWDER」10部、平均粒径35μmのフィラー状の導電剤(ニッケル粉末:ガラスビーズを銀でコーティングした粉末(ガラスビーズ/銀の重量比は92/8)=4:6(重量比))5部を混合し混練機で練り込んだ。その後、導電性織物の裏面にブレードを接触させながら、フローティングナイフ方式でコーティングし、粘着層を形成した。その際、粘着層の塗工厚が20μmとなるようにした。そして、130℃雰囲気下のオーブンにて3分間乾燥した。結果を表1に示す。
【0038】
[実施例2]
実施例2では、有機リン酸塩化合物(B)の配合量を40部とし、フローティングナイフでの塗工厚を25μmとした以外は実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
【0039】
[実施例3]
実施例3では、導電剤の配合量を20部とし、フローティングナイフでの塗工厚を30μmとした以外は実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
【0040】
[実施例4]
実施例4では、フローティングナイフでの塗工厚を10μmとした以外は実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
【0041】
[比較例1]
有機リン酸塩化合物(B)を用いなかった以外は実施例1と同じとした。結果を表1に示す。
【0042】
[比較例2]
有機リン酸塩化合物(B)10部の代わりに、リン酸エステル系難燃剤(明成化学社製「ホスコンFR−4936」)10部を用いた以外は、実施例1と同じとした。結果を表1に示す。
【0043】
[比較例3]
難燃粘着剤「SKダイン1795G」100部に代えて、難燃剤を含有しないアクリル系粘着剤「SKダイン1717」(綜研化学社製)100部を用い、有機リン酸塩化合物(B)であるクラリアントジャパン社製「PEKOFLAM STC POWDER」の配合量を10部から50部に変更した以外は、実施例1と同じとした。結果を表1に示す。
【0044】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の導電性を有する難燃粘着テープを用いることで、経時での難燃性低下が無く、導電性、接着性に優れたテープとなり、シールディングやグランディングに優れた効果が発揮できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性を有する有機繊維からなる基材の少なくとも片面に粘着層を設けた導電性を有する難燃粘着テープであって、該粘着層が、粘着剤、難燃剤、導電剤から構成され、かつ、該難燃剤が、窒素含有リン酸塩化合物(A)と有機リン酸塩化合物(B)とからなることを特徴とする導電性を有する難燃粘着テープ。
【請求項2】
窒素含有リン酸塩化合物(A)と有機リン酸塩化合物(B)との配合比が、重量を基準として(A):(B)=95:5〜40:60である請求項1の導電性を有する難燃粘着テープ。
【請求項3】
導電性を有する有機繊維が、繊維表面に金属メッキが施された有機繊維である請求項1又は2に記載の導電性を有する難燃粘着テープ。
【請求項4】
有機繊維がポリエステル繊維である請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性を有する難燃粘着テープ。
【請求項5】
UL510燃焼試験における評価と、該導電性を有する難燃粘着テープを、40℃、60%RH下に1ヶ月放置し、これを50℃で30分間乾燥させた後のUL510燃焼試験における評価がいずれも合格である請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性を有する難燃粘着テープ。

【公開番号】特開2009−114412(P2009−114412A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−292148(P2007−292148)
【出願日】平成19年11月9日(2007.11.9)
【出願人】(302011711)帝人ファイバー株式会社 (1,101)
【Fターム(参考)】