説明

導電性インク組成物、及び電気的導通部位の製造方法

【課題】銅を主成分とする電気的導通部位を形成するための導電性インク組成物において、基材として樹脂を利用できる温度で電気的導通部位の形成が可能であり、スクリーン印刷法によるパターン形成が可能で、高濃度の銅を含有し、且つ大気に長時間接触しても導電性の低下が無い導電性インク組成物、及びそれを用いた電気的導通部位の製造方法を提供する。
【解決手段】特定のアルコキシアミノ化合物及びアルコキシジアミノ化合物の少なくとも一種、金属粒子、及びギ酸銅粒子を含有する導電性インク組成物及びそれを用い、電気的導通部位を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性インク組成物、及び電気的導通部位の製造方法に関する。本発明の導電性インクは、エレクトロニクス分野で配線基板の回路パターン形成用材料として好適に用いることができる。
【背景技術】
【0002】
近年、金属粒子の分散体を導電性インクとして用い、インクジェット印刷法や、スクリーン印刷法により所望のパターンを形成し、回路基板における配線等の電気的導通部位を形成する技術が注目を集めている。金属粒子の平均粒子径が数nm〜数10nm程度であるとき、バルクの金属よりも融点が著しく降下し、低い温度で粒子同士の融着が起こることを利用し、金属粒子を低温で焼結させて電気的導通部位を得るものである。現状、このような導電性インクとしては銀粒子を含有するものが中心である。
【0003】
しかしながら、銀では、エレクトロマイグレーション(electromigration)が発生しやすいという問題や、銀自体が高価な金属であるといった問題がある。ここで、エレクトロマイグレーションとは、電界の影響で、金属成分(例えば、配線や電極に使用した金属)が非金属媒体(例えば、絶縁物)の上や中を横切って移動する現象である。
【0004】
そこで、低コスト化が可能で且つエレクトロマイグレーションが生じるおそれが少なく且つ、高い導電性をもつ銅を主成分とする配線を印刷法により形成可能な導電性インクが望まれている。
【0005】
銅の導電性インクとしては、窒素、酸素、硫黄等のヘテロ原子を分子構造内に有する有機化合物を金属銅表面に吸着させ、酸素や水との接触を妨げ酸化を防ぐと同時に、金属銅粒子相互の凝集を抑制した、平均粒子径が数nm〜数100nm程度の銅粒子を利用する方法が多数提案されている。例えば、酸化抑制剤として、アルキルアミンを利用する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、このような金属銅粒子を利用した導電性インクは、金属銅粒子を塗布後、電気的導通部位とする工程で、金属銅粒子表面を被覆する酸化抑制剤を除去し、金属銅粒子同士を融着させるために一般的に、300℃程度といった高温での加熱が必要であり、適応できる基材が限られる問題がある。また、金属銅の酸化を抑制するために水素を含む還元雰囲気下での加熱が必要な場合が多いため、安全面にも大きな問題があった。
【0007】
そこで、金属銅の粒子を利用せず、水素を含まない非還元雰囲気下で、比較的低温度での加熱により、銅の電気的導通部位を形成可能な導電性インクが検討されている。
【0008】
例えば、ギ酸銅(II)とアルコキシアルキルアミンとからなる混合生成物を、80〜200℃及び0.1〜5barで基材に接触させることでより、基材上に銅層を析出する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
また、例えば、(A)ギ酸銅(II)又はその水和物と、(B)式:NR(式中、Rは、水酸基、メトキシ基、エトキシ基及びアミノ基からなる群より選択される置換基の1個で置換されている炭素数2〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表し、R及びRは、それぞれ独立して、水素であるか、又は水酸基もしくはアミノ基で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基を表す。)で示されるアミノ化合物と、(C)炭素数5〜11の飽和脂肪酸とを含み、成分(A)1モルに対して、成分(C)が0.1〜1モルであることを特徴とする導電性ペーストの層を、基板上に成形し、非酸化性雰囲気中において200〜550℃で加熱し、銅膜を製造する方法が提案されている。(例えば、特許文献3参照)。
【0010】
しかし、特許文献2の方法では、ギ酸銅(II)をアルコキシアルキルアミンに完全に溶解させた溶液であるため、粘度が低く、10〜500Pa・s程度の粘度が必要なスクリーン印刷法では、パターン形成が困難であるといった問題や、基板へ塗布した後の加熱処理時において体積変化が大きく、塗布時と加熱後のパターン形状や膜厚の変化が大きいといった問題があり、工業的には利用できないおそれがあった。
【0011】
また、特許文献3の方法では、スクリーン印刷法によるパターン形成が可能となっているが、銅濃度は導電性ペースト全体の重量に対して15重量%程度以下である。銅の含有量が低い場合、電気的導通部位を形成する際、所望の膜厚とするために、何度も塗り重ねが必要となり、作業効率が低下するといった問題があり、工業的には利用できないおそれがあった。
【0012】
以上のように従来の方法は、いずれも十分なものとは言えず、工業的な実用化を図るために更なる検討が要望されていた。すなわち、銅を主成分とする電気的導通部位を形成するための導電性インク組成物において、基材として樹脂を利用できる温度で電気的導通部位の形成が可能であり、スクリーン印刷法によるパターン形成が可能で、高濃度の銅を含有し、且つ大気に長時間接触しても導電性の低下が無い導電性インク組成物の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2007−321215号公報
【特許文献2】特開2005−2471号公報
【特許文献3】特開2009−158441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記した背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、銅を主成分とする電気的導通部位を形成するための導電性インク組成物において、基材として樹脂を利用できる温度で電気的導通部位の形成が可能であり、スクリーン印刷法によるパターン形成が可能で、高濃度の銅を含有し、且つ大気に接触しても導電性の低下が無い導電性インク組成物、及びそれを用いた電気的導通部位の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは、上記の課題を解決するため、鋭意検討を重ねた結果、アミン化合物、金属粒子、及びギ酸銅粒子を含有する導電性インク組成物を見出した。そしてこの導電性インク組成物は、基材として樹脂を利用できる温度で電気的導通部位の形成が可能であり、スクリーン印刷法によるパターン形成が可能で、高濃度の銅を含有し、且つ大気に長時間接触しても導電性の低下が無いことを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0016】
すなわち、本発明は、以下に示すとおりの導電性インク組成物、及び電気的導通部位の製造方法に関するものである。
[1]下記一般式(1)、及び一般式(2)で示されるアミン化合物の少なくとも一種、金属粒子、及びギ酸銅粒子を含有することを特徴とする導電性インク組成物。
【0017】
【化1】

【0018】
[R、Rは各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−メトキシエチル基、又は2−エトキシエチル基を表し、R、Rは各々独立して、水素原子、又はメチル基を表し、Rは水素原子、又は炭素数1〜6の直鎖状、炭素数3〜6の分岐状若しくは環式のアルキル基、2−ヒドロキシエチル基、2−メトキシエチル基、又は2−エトキシエチル基を表し、Xはメチレン基、エチレン基、又はプロピレン基を表す。]
【0019】
【化2】

【0020】
[R〜Rは各々独立して、水素原子、又はメチル基、エチル基を表す。]
[2]一般式(1)、及び一般式(2)で示されるアミン化合物が、エタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、2−メトキシエチルアミン、N−メチル−2−メトキシエチルアミン、N,N−ジメチル−2−メトキシエチルアミン、ビス(2−メトキシエチル)アミン、2−エトキシエチルアミン、N−メチル−2−エトキシエチルアミン、N,N−ジメチル−2−エトキシエチルアミン、ビス(2−エトキシエチル)アミン、2−n−プロポキシエチルアミン、N−メチル−2−n−プロポキシエチルアミン、N,N−ジメチル−2−n−プロポキシエチルアミン、2−i−プロポキシエチルアミン、N−メチル−2−i−プロポキシエチルアミン、N,N−ジメチル−2−i−プロポキシエチルアミン、2−n−ブトキシエチルアミン、N−メチル−2−n−ブトキシエチルアミン、N,N−ジメチル−2−n−ブトキシエチルアミン、2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチルアミン、N−メチル−2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチルアミン、N,N−ジメチル−2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチルアミン、2−(2−メトキシエチルオキシ)エチルアミン、N−メチル−2−(2−メトキシエチルオキシ)エチルアミン、N,N−ジメチル−2−(2−メトキシエチルオキシ)エチルアミン、2−(2−エトキシエチルオキシ)エチルアミン、N−メチル−2−(2−エトキシエチルオキシ)エチルアミン、N,N−ジメチル−2−(2−エトキシエチルオキシ)エチルアミン、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチルアミン、N−メチル−1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチルアミン、N,N−ジメチル−1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチルアミン、1,1−ジメチル−2−メトキシエチルアミン、N−メチル−1,1−ジメチル−2−メトキシエチルアミン、N,N−ジメチル−1,1−ジメチル−2−メトキシエチルアミン、1,1−ジメチル−2−エトキシエチルアミン、N−メチル−1,1−ジメチル−2−エトキシエチルアミン、N,N−ジメチル−1,1−ジメチル−2−エトキシエチルアミン、3−ヒドロキシプロピルアミン、N−メチル−3−ヒドロキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、N−メチル−3−メトキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、N−メチル−3−エトキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−3−エトキシプロピルアミン、3−n−プロポキシプロピルアミン、3−i−プロポキシプロピルアミン、N−メチル−3−i−プロポキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−3−i−プロポキシプロピルアミン、3−n−ブトキシプロピルアミン、N−メチル−3−n−ブトキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−3−n−ブトキシプロピルアミン、N, N′,N′−トリメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N, N′,N′−トリメチル−N−(2−メトキシエチル)エチレンジアミン、及びN, N′,N′−トリメチル−N−(2−エトキシエチル)エチレンジアミンからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記[1]に記載の導電性インク組成物。
[3]金属粒子が、金粒子、銀粒子、銅粒子、白金粒子、パラジウム粒子、ロジウム粒子、イリジウム粒子、ルテニウム粒子、銀コート銅粒子及びオスミウム粒子からなる群より選ばれる少なくとも一種の金属種を含有することを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の導電性インク組成物。
[4]金属粒子が、金粒子、銀粒子、銅粒子、白金粒子、パラジウム粒子、及び銀コート銅粒子からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載の導電性インク組成物。
[5]金属粒子の平均粒子径が、0.01〜100μmの範囲であることを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれかに記載の導電性インク組成物。
[6]ギ酸銅粒子の平均粒子径が、1nm〜5μmの範囲であることを特徴とする上記[1]〜[5]のいずれかに記載の導電性インク組成物。
[7]導電性インク組成物全量に対し、金属粒子の濃度が0.1〜99重量%、一般式(1)、又は(2)で示されるアミン化合物の濃度が0.1〜80重量%、及びギ酸銅粒子の濃度が0.1重量%〜80重量%、であることを特徴とする上記[1]〜[6]のいずれかに記載の導電性インク組成物。
[8]さらに分散媒を含有することを特徴とする上記[1]〜[7]のいずれかに記載の導電性インク組成物。
[9]分散媒が、アルコール類、エーテル類、エステル類、脂肪族炭化水素類、及び芳香族炭化水素類からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記[8]に記載の導電性インク組成物。
[10]分散媒が、ヘキサノール、ターピネオール、メチル−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、n−ヘキサン、及びγ−ブチロラクトンからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記[8]又は[9]に記載の導電性インク組成物。
[11]分散媒の濃度が導電性インク組成物全体の重量に対して1〜90重量%の範囲であることを特徴とする上記[8]〜[10]のいずれかに記載の導電性インク組成物。
[12]導電性インク組成物の粘度が、1〜1000Pa・sの範囲であることを特徴とする上記[1]〜[11]のいずれかに記載の導電性インク組成物。
[13]上記[1]〜[12]のいずれかに記載の導電性インク組成物を、基材に塗布又は充填し、当該基材を加熱処理することを特徴とする電気的導通部位の製造方法。
[14]基材が、樹脂、紙、ガラス、シリコン系半導体、化合物半導体、金属酸化物、金属窒化物、及び木材からなる群より選ばれる一種、又は二種以上の複合基材であることを特徴とする上記[13]に記載の電気的導通部位の製造方法。
[15]加熱処理の温度が60〜300℃の範囲であることを特徴とする上記[13]又は[14]に記載の電気的導通部位の製造方法。
[16]非酸化性雰囲気で加熱処理を行うことを特徴とする上記[13]〜[15]のいずれかに記載の電気的導通部位の製造方法。
【発明の効果】
【0021】
本発明は以下に示す効果を奏する。
【0022】
(1)本発明の導電性インク組成物は、塗布又は充填、加熱といった簡便な方法で、導電性パターン等の電気的導通部位を形成することが可能であるため、省エネルギー、低コスト、低環境負荷を達成でき、工業的に極めて有用である。
【0023】
本発明の導電性インク組成物は、銅前駆体としてのギ酸銅粒子を含有し、これが電気的導通部位の主成分である金属銅となるため、銅の優れた特性を有する電気的導通部位を形成可能である。
【0024】
また、本発明の導電性インク組成物は、固体として、ギ酸銅粒子を含有するため、金属濃度が高く、膜厚を厚くするための塗り重ねが必要ないか、若しくは回数を削減でき、作業効率に優れる。さらに、金属粒子を含有するため、これがフィラーとしての役割を果たし、塗布後加熱時の粘度変化、表面張力変化の影響が少ないため、塗布時と加熱後の配線幅や配線形状の変化が小さく寸法精度が優れる。
【0025】
そのうえ、本発明の導電性インク組成物は、長時間、大気中で取り扱った場合も導電性の低下が少ないため、作業性に優れる。
【0026】
加えて、本発明の導電性インク組成物は、必要に応じて分散媒を含有させることで、所望する粘度に容易に調整できるため、スクリーン印刷法によるパターン形成が可能である。
【0027】
(2)本発明の電気的導通部位の製造方法は、本発明の導電性インク組成物を用いることにより、電気的導通部位の形成工程において、水素を含む還元雰囲気を必要とせず、窒素等の不活性雰囲気下での加熱で電気的導通部位形成が可能であり、安全性に優れる。
【0028】
また、本発明の電気的導通部位の製造方法によれば、基材として樹脂を利用できる温度で、電気的導通部位の形成が可能であり、汎用性に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
【0030】
まず、本発明の導電性インク組成物について説明する。
【0031】
本発明の導電性インク組成物は、下記一般式(1)、及び一般式(2)で示されるアミン化合物の少なくとも一種、金属粒子、及びギ酸銅粒子を含む。
【0032】
【化3】

【0033】
[R、Rは各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−メトキシエチル基、又は2−エトキシエチル基を表し、R、Rは各々独立して、水素原子、又はメチル基を表し、Rは水素原子、又は炭素数1〜6の直鎖状、炭素数3〜6の分岐状若しくは環式のアルキル基、2−ヒドロキシエチル基、2−メトキシエチル基、又は2−エトキシエチル基を表し、Xはメチレン基、エチレン基、又はプロピレン基を表す。]
【0034】
【化4】

【0035】
[R〜Rは各々独立して、水素原子、又はメチル基、エチル基を表す。]
本発明の導電性インク組成物は加熱処理することにより、ギ酸銅粒子中に含まれる銅イオンがギ酸により還元され、金属銅となり、形成される電気的導通部位の導電性を発現させる役割を果たす。また、金属粒子は、当該導電性インク組成物を基材上に塗布し、加熱処理した際に、ギ酸銅粒子中に含まれる銅イオンの還元を促進する役割を果たし、その結果として、処理温度を低下させ、処理時間を短縮させることができる。さらに、金属粒子は、フィラーとして機能し、塗布後加熱時の粘度変化、表面張力変化を抑制し、塗布時と加熱後の電気的導通部位の形状変化を低減する。一方、一般式(1)、又は(2)で示されるアミン化合物は、金属粒子、ギ酸銅粒子の分散性の向上や、電気的導通部位形成時の銅イオンの還元反応を安定化させる効果を有する。
【0036】
一般式(1)におけるRは水素原子、又は炭素数1〜6の直鎖状、炭素数3〜6の分岐状若しくは環式のアルキル基であり、炭素数1〜6の直鎖状アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられ、炭素数3〜6の分岐状アルキル基としては、例えばi−プロピル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、i−ペンチル基、sec−ペンチル基、t−ペンチル基、neo−ペンチル基、i−ヘキシル基等が挙げられ、炭素数3〜6の環式のアルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
【0037】
本発明の導電性インク組成物において、上記一般式(1)、及び一般式(2)で示されるアミン化合物としては、金属粒子、及び/又はギ酸銅粒子に対し配位能を有し、分散性の向上や、電気的導通部位形成時の銅イオンの還元反応を安定化させる効果であればよく、特に限定するものではなく、例えば、上記一般式(1)で示されるアミン化合物において、R、Rが共に水素原子であり、Xがメチレン基のものとしては、具体的には、エタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−(2−メトキシエチル)エタノールアミン、N,N−ビス(2−メトキシエチル)エタノールアミン、N−(2−エトキシエチル)エタノールアミン、N,N−ビス(2−エトキシエチル)エタノールアミン、2−メトキシエチルアミン、N−メチル−2−メトキシエチルアミン、N,N−ジメチル−2−メトキシエチルアミン、N−エチル−2−メトキシエチルアミン、N,N−ジエチル−2−メトキシエチルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−メトキシエチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−メトキシエチルアミン、ビス(2−メトキシエチル)アミン、トリス(2−メトキシエチル)アミン、N−(2−エトキシエチル)−2−メトキシエチルアミン、N,N−ビス(2−エトキシエチル)−2−メトキシエチルアミン、2−エトキシエチルアミン、N−メチル−2−エトキシエチルアミン、N,N−ジメチル−2−エトキシエチルアミン、N−エチル−2−エトキシエチルアミン、N,N−ジエチル−2−エトキシエチルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−エトキシエチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−エトキシエチルアミン、N−(2−メトキシエチル)−2−エトキシエチルアミン、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−2−エトキシエチルアミン、ビス(2−エトキシエチル)アミン、トリス(2−エトキシエチル)アミン、2−n−プロポキシエチルアミン、N−メチル−2−n−プロポキシエチルアミン、N,N−ジメチル−2−n−プロポキシエチルアミン、N−エチル−2−n−プロポキシエチルアミン、N,N−ジエチル−2−n−プロポキシエチルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−n−プロポキシエチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−n−プロポキシエチルアミン、N−(2−メトキシエチル)−2−n−プロポキシエチルアミン、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−2−n−プロポキシエチルアミン、N−(2−エトキシエチル)−2−n−プロポキシエチルアミン、N,N−ビス(2−エトキシエチル)−2−n−プロポキシエチルアミン、2−i−プロポキシエチルアミン、N−メチル−2−i−プロポキシエチルアミン、N,N−ジメチル−2−i−プロポキシエチルアミン、N−エチル−2−i−プロポキシエチルアミン、N,N−ジエチル−2−i−プロポキシエチルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−i−プロポキシエチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−i−プロポキシエチルアミン、N−(2−メトキシエチル)−2−i−プロポキシエチルアミン、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−2−i−プロポキシエチルアミン、N−(2−エトキシエチル)−2−i−プロポキシエチルアミン、N,N−ビス(2−エトキシエチル)−2−i−プロポキシエチルアミン、2−n−ブトキシエチルアミン、N−メチル−2−n−ブトキシエチルアミン、N,N−ジメチル−2−n−ブトキシエチルアミン、N−エチル−2−n−ブトキシエチルアミン、N,N−ジエチル−2−n−ブトキシエチルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−n−ブトキシエチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−n−ブトキシエチルアミン、N−(2−メトキシエチル)−2−n−ブトキシエチルアミン、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−2−n−ブトキシエチルアミン、N−(2−エトキシエチル)−2−n−ブトキシエチルアミン、N,N−ビス(2−エトキシエチル)−2−n−ブトキシエチルアミン、2−t−ブトキシエチルアミン、N−メチル−2−t−ブトキシエチルアミン、N,N−ジメチル−2−t−ブトキシエチルアミン、N−エチル−2−t−ブトキシエチルアミン、N,N−ジエチル−2−t−ブトキシエチルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−t−ブトキシエチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−t−ブトキシエチルアミン、N−(2−メトキシエチル)−2−t−ブトキシエチルアミン、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−2−t−ブトキシエチルアミン、N−(2−エトキシエチル)−2−t−ブトキシエチルアミン、N,N−ビス(2−エトキシエチル)−2−t−ブトキシエチルアミン、2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチルアミン、N−メチル−2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチルアミン、N,N−ジメチル−2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチルアミン、N−エチル−2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチルアミン、N,N−ジエチル−2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチルアミン、N−(2−メトキシエチル)−2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチルアミン、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチルアミン、N−(2−エトキシエチル)−2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチルアミン、N,N−ビス(2−エトキシエチル)−2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチルアミン、2−(2−メトキシエチルオキシ)エチルアミン、N−メチル−2−(2−メトキシエチルオキシ)エチルアミン、N,N−ジメチル−2−(2−メトキシエチルオキシ)エチルアミン、N−エチル−2−(2−メトキシエチルオキシ)エチルアミン、N,N−ジエチル−2−(2−メトキシエチルオキシ)エチルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−(2−メトキシエチルオキシ)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−(2−メトキシエチルオキシ)エチルアミン、N−(2−メトキシエチル)−2−(2−メトキシエチルオキシ)エチルアミン、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−2−(2−メトキシエチルオキシ)エチルアミン、N−(2−エトキシエチル)−2−(2−メトキシエチルオキシ)エチルアミン、N,N−ビス(2−エトキシエチル)−2−(2−メトキシエチルオキシ)エチルアミン、2−(2−エトキシエチルオキシ)エチルアミン、N−メチル−2−(2−エトキシエチルオキシ)エチルアミン、N,N−ジメチル−2−(2−エトキシエチルオキシ)エチルアミン、N−エチル−2−(2−エトキシエチルオキシ)エチルアミン、N,N−ジエチル−2−(2−エトキシエチルオキシ)エチルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−(2−エトキシエチルオキシ)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−(2−エトキシエチルオキシ)エチルアミン、N−(2−メトキシエチル)−2−(2−エトキシエチルオキシ)エチルアミン、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−2−(2−エトキシエチルオキシ)エチルアミン、N−(2−エトキシエチル)−2−(2−エトキシエチルオキシ)エチルアミン、N,N−ビス(2−エトキシエチル)−2−(2−エトキシエチルオキシ)エチルアミン等が例示される。
【0038】
また、上記一般式(1)で示されるアミン化合物において、例えば、R、Rが共にメチル基であり、Xがメチレン基のものとしては、具体的には、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチルアミン、N−メチル−1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチルアミン、N,N−ジメチル−1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチルアミン、N−エチル−1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチルアミン、N,N−ジエチル−1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチルアミン、1,1−ジメチル−2−メトキシエチルアミン、N−メチル−1,1−ジメチル−2−メトキシエチルアミン、N,N−ジメチル−1,1−ジメチル−2−メトキシエチルアミン、N−エチル−1,1−ジメチル−2−メトキシエチルアミン、N,N−ジエチル−1,1−ジメチル−2−メトキシエチルアミン、1,1−ジメチル−2−エトキシエチルアミン、N−メチル−1,1−ジメチル−2−エトキシエチルアミン、N,N−ジメチル−1,1−ジメチル−2−エトキシエチルアミン、N−エチル−1,1−ジメチル−2−エトキシエチルアミン、N,N−ジエチル−1,1−ジメチル−2−エトキシエチルアミン、1,1−ジメチル−2−n−プロポキシエチルアミン、N−メチル−1,1−ジメチル−2−n−プロポキシエチルアミン、N,N−ジメチル−1,1−ジメチル−2−n−プロポキシエチルアミン、N−エチル−1,1−ジメチル−2−n−プロポキシエチルアミン、N,N−ジエチル−1,1−ジメチル−2−n−プロポキシエチルアミン、1,1−ジメチル−2−i−プロポキシエチルアミン、N−メチル−1,1−ジメチル−2−i−プロポキシエチルアミン、N,N−ジメチル−1,1−ジメチル−2−i−プロポキシエチルアミン、N−エチル−1,1−ジメチル−2−i−プロポキシエチルアミン、N,N−ジエチル−1,1−ジメチル−2−i−プロポキシエチルアミン、1,1−ジメチル−2−n−ブトキシエチルアミン、N−メチル−1,1−ジメチル−2−n−ブトキシエチルアミン、N,N−ジメチル−1,1−ジメチル−2−n−ブトキシエチルアミン、N−エチル−1,1−ジメチル−2−n−ブトキシエチルアミン、N,N−ジエチル−1,1−ジメチル−2−n−ブトキシエチルアミン、1,1−ジメチル−2−t−ブトキシエチルアミン、N−メチル−1,1−ジメチル−2−t−ブトキシエチルアミン、N,N−ジメチル−1,1−ジメチル−2−t−ブトキシエチルアミン、N−エチル−1,1−ジメチル−2−t−ブトキシエチルアミン、N,N−ジエチル−1,1−ジメチル−2−t−ブトキシエチルアミン、等が例示される。
【0039】
また、上記一般式(1)で示されるアミン化合物において、例えば、R、Rが共に水素原子であり、Xがエチレン基のものとしては、具体的には、3−ヒドロキシプロピルアミン、N−メチル−3−ヒドロキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルアミン、N−エチル−3−ヒドロキシプロピルアミン、N,N−ジエチル−3−ヒドロキシプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、N−メチル−3−メトキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−3−メトキシプロピルアミン、N−エチル−3−メトキシプロピルアミン、N,N−ジエチル−3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、N−メチル−3−エトキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−3−エトキシプロピルアミン、N−エチル−3−エトキシプロピルアミン、N,N−ジエチル−3−エトキシプロピルアミン、3−n−プロポキシプロピルアミン、N−メチル−3−n−プロポキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−3−n−プロポキシプロピルアミン、N−エチル−3−n−プロポキシプロピルアミン、N,N−ジエチル−3−n−プロポキシプロピルアミン、3−i−プロポキシプロピルアミン、N−メチル−3−i−プロポキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−3−i−プロポキシプロピルアミン、N−エチル−3−i−プロポキシプロピルアミン、N,N−ジエチル−3−i−プロポキシプロピルアミン、3−n−ブトキシプロピルアミン、N−メチル−3−n−ブトキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−3−n−ブトキシプロピルアミン、N−エチル−3−n−ブトキシプロピルアミン、N,N−ジエチル−3−n−ブトキシプロピルアミン、3−t−ブトキシプロピルアミン、N−メチル−3−t−ブトキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−3−t−ブトキシプロピルアミン、N−エチル−3−t−ブトキシプロピルアミン、N,N−ジエチル−3−t−ブトキシプロピルアミン等が例示される。
【0040】
また、上記一般式(2)で示されるアミン化合物としては、具体的には、例えば、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N−(2−メトキシエチル)エチレンジアミン、N−(2−エトキシエチル)エチレンジアミン、N,N′,N′−トリメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N′,N′−トリメチル−N−(2−メトキシエチル)エチレンジアミン、N,N′,N′−トリメチル−N−(2−エトキシエチル)エチレンジアミン、N,N′,N′−トリエチル−N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N′,N′−トリエチル−N−(2−メトキシエチル)エチレンジアミン、N,N′,N′−トリエチル−N−(2−エトキシエチル)エチレンジアミン等が例示される。
【0041】
一般式(1)、及び一般式(2)で示されるアミン化合物のうち、電気的導通部位を形成する際の除去性、及び製造時又は入手時のコストを考慮すると、アミン化合物としては、エタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、2−メトキシエチルアミン、N−メチル−2−メトキシエチルアミン、N,N−ジメチル−2−メトキシエチルアミン、ビス(2−メトキシエチル)アミン、2−エトキシエチルアミン、N−メチル−2−エトキシエチルアミン、N,N−ジメチル−2−エトキシエチルアミン、ビス(2−エトキシエチル)アミン、2−n−プロポキシエチルアミン、N−メチル−2−n−プロポキシエチルアミン、N,N−ジメチル−2−n−プロポキシエチルアミン、2−i−プロポキシエチルアミン、N−メチル−2−i−プロポキシエチルアミン、N,N−ジメチル−2−i−プロポキシエチルアミン、2−n−ブトキシエチルアミン、N−メチル−2−n−ブトキシエチルアミン、N,N−ジメチル−2−n−ブトキシエチルアミン、2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチルアミン、N−メチル−2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチルアミン、N,N−ジメチル−2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチルアミン、2−(2−メトキシエチルオキシ)エチルアミン、N−メチル−2−(2−メトキシエチルオキシ)エチルアミン、N,N−ジメチル−2−(2−メトキシエチルオキシ)エチルアミン、2−(2−エトキシエチルオキシ)エチルアミン、N−メチル−2−(2−エトキシエチルオキシ)エチルアミン、N,N−ジメチル−2−(2−エトキシエチルオキシ)エチルアミン、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチルアミン、N−メチル−1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチルアミン、N,N−ジメチル−1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチルアミン、1,1−ジメチル−2−メトキシエチルアミン、N−メチル−1,1−ジメチル−2−メトキシエチルアミン、N,N−ジメチル−1,1−ジメチル−2−メトキシエチルアミン、1,1−ジメチル−2−エトキシエチルアミン、N−メチル−1,1−ジメチル−2−エトキシエチルアミン、N,N−ジメチル−1,1−ジメチル−2−エトキシエチルアミン、3−ヒドロキシプロピルアミン、N−メチル−3−ヒドロキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、N−メチル−3−メトキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、N−メチル−3−エトキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−3−エトキシプロピルアミン、3−n−プロポキシプロピルアミン、3−i−プロポキシプロピルアミン、N−メチル−3−i−プロポキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−3−i−プロポキシプロピルアミン、3−n−ブトキシプロピルアミン、N−メチル−3−n−ブトキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−3−n−ブトキシプロピルアミン、N,N′,N′−トリメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N′,N′−トリメチル−N−(2−メトキシエチル)エチレンジアミン、及びN,N′,N′−トリメチル−N−(2−エトキシエチル)エチレンジアミン等が好ましく、さらにエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、2−メトキシエチルアミン、2−エトキシエチルアミン、ビス(2−エトキシエチル)アミン、2−n−プロポキシエチルアミン、2−n−ブトキシエチルアミン、2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチルアミン、N−メチル−2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチルアミン、N,N−ジメチル−2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチルアミン、2−(2−メトキシエチルオキシ)エチルアミン、2−(2−エトキシエチルオキシ)エチルアミン、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチルアミン、1,1−ジメチル−2−メトキシエチルアミン、1,1−ジメチル−2−エトキシエチルアミン、3−ヒドロキシプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−n−プロポキシプロピルアミン、3−n−ブトキシプロピルアミン、N,N′,N′−トリメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N′,N′−トリメチル−N−(2−メトキシエチル)エチレンジアミン、及びN,N′,N′−トリメチル−N−(2−エトキシエチル)エチレンジアミン等が好ましく、特にエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、2−メトキシエチルアミン、2−エトキシエチルアミン、2−n−プロポキシエチルアミン、2−n−ブトキシエチルアミン、N,N−ジメチル−2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチルアミン、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−n−プロポキシプロピルアミン、3−n−ブトキシプロピルアミン、及びN,N,N′−トリメチル−N′−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン等からなる群の中より選ばれる少なくとも一種を用いることが好ましい。
【0042】
本発明の導電性インク組成物においては、本発明の趣旨に反しない程度であれば、上記した以外のアミン化合物を含んでいても差し支えない。
【0043】
本発明の導電性インク組成物において、一般式(1)、又は(2)で示されるアミン化合物は市販のものでもよいし、公知の方法により合成したものでも良く、特に限定されない。合成方法としては、例えば、一般式(1)で示されるアミン化合物において、Xがメチレン基である化合物を合成する方法としては、対応するアミンとエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、若しくはイソブチレンオキサイドを反応させ、アルカノールアミンとし、さらに水酸基を修飾し誘導体とする方法等が挙げられる。
【0044】
例えば、一般式(1)で示されるアミン化合物において、Xがエチレン基である化合物を合成する方法としては、水、若しくは対応するアルコールとアクリロニトリルを反応させ、生ずるシアノエチル基を還元しアルカノールアミン若しくはアルコキシアミンとし、さらに修飾し誘導体とする方法等が挙げられる。
【0045】
例えば、一般式(2)で示されるアミン化合物を合成する方法としては、対応するエチレンジアミンとエチレンオキサイドを反応させ、アルカノールアミンとし、さらに水酸基を修飾し誘導体とする方法等が挙げられる。
【0046】
一般式(1)、又は(2)で示されるアミン化合物の純度は、特に限定するものではなく、電子材料分野での使用を考慮すると、95%以上が好ましく、99%以上が特に好ましい。
【0047】
本発明の導電性インク組成物において、金属粒子としては、特に限定するものではなく、例えば、金粒子、銀粒子、銅粒子、白金粒子、パラジウム粒子、ロジウム粒子、イリジウム粒子、ルテニウム粒子、銀コート銅粒子及びオスミウム粒子からなる群より選ばれる一種又は二種以上の金属種を含有するものが挙げられる。これらの金属種は、単体であってもその他の金属との合金であっても差し支えない。中でもコスト面、入手の容易さ、及び電気的導通部位形成時の触媒能から、金粒子、銀粒子、銅粒子、白金粒子、パラジウム粒子、及び銀コート銅粒子からなる群より選ばれる一種又は二種以上が好ましい。ここで銀コート銅粒子とは銀で表面が被覆(コーティング)された銅粒子を表す。
【0048】
本発明の導電性インク組成物において、金属粒子としてこれら以外の金属粒子を使用しても差し支えなく、特にギ酸銅粒子に含まれる銅イオンにより金属粒子が酸化を受けたり、触媒能が低下、又は発現しなかったりして、ギ酸銅粒子から金属銅への還元析出速度が低下するおそれがあるため、上記した金属粒子を使用することが好ましい。
【0049】
本発明の導電性インク組成物において、金属粒子は、金属表面の活性が非常に高くなり、酸化されたり、溶解するおそれがなく、スクリーン印刷法で印刷する際にメッシュをインクが通過でき印刷可能となることから、平均粒子径が、0.01〜100μmの範囲のものが好ましい。
【0050】
本発明において、金属粒子の平均粒子径の測定方法としては、透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、観測された視野の中から、粒子径が比較的そろっている箇所を3箇所選択し、粒径測定に最も適した倍率で撮影する。各々の写真から、一番多数存在すると思われる粒子を100個選択し、その直径をものさしで測り、測定倍率を除して粒子径を算出し、これらの値を算術平均することにより、求めた。
【0051】
本発明の導電性インク組成物において、金属粒子は市販のものでもよいし、公知の方法により合成したものでもよく、特に限定されない。また、金属粒子の形状としては、特に限定はなく、球状、鱗片状、針状、樹枝状など任意の形状のものを用いることができる。公知の合成方法としては、例えば、機械的粉砕法、アトマイズ法、気相還元法、CVD法、PVD法、電解析出法、化学的還元法等が一般的に知られている。また、銀コート銅粒子の合成方法としては、例えば、銅粒子自体に銀をメッキさせる方法や、硝酸銀などの銀塩を銅粒子と混ぜ合わせて析出させる方法が、一般的に知られている。
【0052】
本発明の導電性インク組成物において、金属粒子の純度としては、特に限定するものではなく、導電性付与の観点から、95%以上が好ましく、99%以上が特に好ましい。
【0053】
本発明の導電性インク組成物において、ギ酸銅粒子としては、銅イオンをカチオン種とし、ギ酸をアニオン種とする銅塩の粒子であればよく、特に限定するものではない。例えば、一価の銅イオン、二価の銅イオン、及び三価の銅イオンからなる群より選ばれる少なくとも一種と、ギ酸からなる銅塩の粒子が挙げられる。これらの中でも、安定性、及び入手の容易さから、二価の銅イオンとギ酸からなる銅塩の粒子が好ましい。
【0054】
本発明の導電性インク組成物において、ギ酸銅粒子の純度については特に限定はなく、導電性付与の観点から、95%以上が好ましく、99%以上が特に好ましい。
【0055】
本発明の導電性インク組成物において、ギ酸銅粒子の平均粒子径は、特に限定はなく、1nm以上、10μm未満の範囲であることが好ましい。この範囲とすることにより、溶解した場合、再析出した際に、他の粒子を核として析出し、粒子の粗大化を引起すおそれがなく、印刷法により配線等のパターン形成できる導電性インク組成物への適応が困難となったり、電気的導通部位を形成する際に、粒子の内部まで完全に反応せず、金属銅への還元が不十分となり、形成された電気的導通部位の導電性に悪影響を及ぼすおそれがない。
【0056】
本発明の導電性インク組成物において、ギ酸銅粒子としては、市販のものでも、公知の方法により製造したものでも良く、さらには、銅イオンを含む化合物とギ酸を混合することにより、系中で形成させたものでも何ら差し支えなく使用することができ、特に限定されない。
【0057】
ギ酸銅粒子を製造する方法としては、特に限定はなく、例えば、ギ酸銅粒子の粗粉末を機械的粉砕により粉砕する方法や、銅イオンとギ酸を含有する溶液から、ギ酸銅粒子を析出させる方法等が挙げられる。これらのうち、粒子サイズの再現性が良好なことや、大量の溶媒及び大規模な設備が必要ないことから、ギ酸銅粒子の粗粉末を機械的粉砕により粉砕する方法が好ましい。
【0058】
機械的粉砕としては、特に限定するものではなく、例えば、乾式であっても、湿式であっても一向に差し支えなく、具体的には、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、ジェットミル、カッターミル、ハンマーミル、振動ミル、コロイドミル、ロールミル、乳鉢、及び石臼からなる群の一種又は二種以上を用いることができる。中でも微細粒子が効率的に得られることから、ビーズミルを用いることが好ましい。
【0059】
本発明において、ギ酸銅粒子の平均粒子径の測定方法としては、透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、観測された視野の中から、粒子径が比較的そろっている箇所を3箇所選択し、粒径測定に最も適した倍率で撮影する。各々の写真から、一番多数存在すると思われる粒子を100個選択し、その直径をものさしで測り、測定倍率を除して粒子径を算出し、これらの値を算術平均することにより、求めた。
【0060】
本発明の導電性インク組成物において、各成分の濃度は特に制限はなく、導電性インク組成物全量に対し、金属粒子の濃度が0.1〜99重量%、上記一般式(1)、又は(2)で示されるアミン化合物の濃度が0.1〜80重量%、及びギ酸銅粒子の濃度が0.1重量%〜80重量%の範囲で含有することが好ましい[ただし、上記一般式(1)、又は(2)で示されるアミン化合物、金属粒子、及びギ酸銅粒子の合計量が100重量%を超えることはない。]。
【0061】
一般式(1)、又は(2)で示されるアミン化合物の濃度は、前記範囲とすることにより、金属粒子、及び/又はギ酸銅粒子が十分に分散し、また導電性インク組成物全量における銅の濃度が低下することもなく、所望する膜厚の電気的導通部位を得るための導電性インク組成物の塗布量が増加することもない。
【0062】
また、金属粒子の濃度は、前記範囲とすることにより、その触媒能を発現させ、また、膜厚を向上させるためのフィラーとして機能させ、導電性インク組成物の粘度上昇又は固化が起こることもない。
【0063】
さらに、ギ酸銅粒子の濃度は前記範囲とすることにより、ギ酸銅粒子から生じる金属銅の量が少なくなることもなく、十分な膜厚を有する電気的導通部位を形成でき、導電性インク組成物の粘度上昇又は固化が起こることもない。
【0064】
本発明の導電性インク組成物は、上記成分に加えて、分散媒を含有しても一向に差し支えない。
【0065】
本発明の導電性インク組成物において、分散媒は、その濃度を変えることにより、導電性インク組成物の粘度を、所望の粘度に容易に調整することができる。
【0066】
本発明の導電性インク組成物において分散媒は、一般式(1)、又は(2)で示されるアミン化合物、金属粒子、及びギ酸銅粒子と反応しないものであればよく、特に限定するものではなく、例えば、アルコール類、エーテル類、エステル類、脂肪族炭化水素類、及び芳香族炭化水素類からなる群より選ばれる一種又は二種以上が挙げられる。
【0067】
アルコール類としては、具体的には、例えばヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ターピネオール等が例示される。
【0068】
エーテル類としては、具体的には、例えばジエチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジブチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、メチルシクロヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン等が例示される。
【0069】
エステル類としては、具体的には、例えばギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトン等が例示される。
【0070】
脂肪族炭化水素類としては、具体的には、例えばn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、シクロヘキサン、デカリン等が例示される。
【0071】
芳香族炭化水素類としては、具体的には、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、i−プロピルベンゼン、n−ブチルベンゼン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等が例示される。
【0072】
これらの中でもコスト、及び安全性の面から、ヘキサノール、ターピネオール、メチル−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、n−ヘキサン、及びγ−ブチロラクトンからなる群より選ばれる一種又は二種以上であることが好ましい。
【0073】
本発明の導電性インク組成物において、分散媒は市販のものでもよいし、公知の方法により合成したものでもよい。
【0074】
本発明の導電性インク組成物において、分散媒の純度は、特に限定するものではなく、電子材料分野での使用を考慮すると、95%以上が好ましく、99%以上が特に好ましい。
【0075】
本発明の導電性インク組成物において、分散媒の濃度は特に限定するものではなく、導電性インク組成物全量における銅の濃度が低下し、所望する膜厚の電気的導通部位を得るための導電性インク組成物の塗布量が増加することがないことから、導電性インク組成物全量に対し、分散媒の濃度が1〜90重量%の範囲であることが好ましい[ただし、一般式(1)、又は(2)で示されるアミン化合物、金属粒子、ギ酸銅粒子、及び分散媒の合計量が100重量%を超えることはない。]。
【0076】
本発明の導電性インク組成物において、導電性インク組成物の粘度は、所望する塗布方法により、適宜、調整すれば良く、特に限定するものではなく、例えば、スクリーン印刷法により塗布し、パターン形成を行う場合、通常1〜1000Pa・sの範囲に調整することが好ましい。
【0077】
次に本発明の導電性インク組成物を用いた電気的導通部位の製造方法[以下、表記を簡潔にするため、これを「本発明の製造方法」と称する。]について説明する。
【0078】
本発明において、「電気的導通部位」とは、本発明の電気的導通部位の製造方法によって形成された電気的導通を有する部位を意味する。例えば、導電性薄膜、配線、電極、スルーホールを介した両面及び/又は多層間の電気的導通部位、基板と被接合物との電気的導通を有する接合部位等が挙げられる。
【0079】
本発明の製造方法は、本発明の導電性インク組成物を、基材に塗布又は充填し、当該基材を加熱処理することで行われる。例えば、本発明の導電性インク組成物を基材上に塗布した後に、加熱処理することによって、ギ酸銅粒子中に含まれる銅イオンを還元させると共に、一般式(1)、又は(2)で示されるアミン化合物が揮発し除去され、当該基材上に電気的導通部位を容易に形成することができる。
【0080】
本発明の製造方法において、基材としては、公知のものを用いることができ、特に限定するものではなく、例えば、樹脂、紙、ガラス、シリコン系半導体、化合物半導体、金属酸化物、金属窒化物、木材等からなる一種又は二種以上、若しくは二種以上の複合基材が挙げられる。
【0081】
樹脂としては、具体的には、例えば低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂)、アクリル樹脂、スチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、セルロース誘導体等が例示される。
【0082】
紙としては、具体的には、例えば非塗工印刷用紙、微塗工印刷用紙、塗工印刷用紙(アート紙、コート紙)、特殊印刷用紙、コピー用紙(PPC用紙)、未晒包装紙(重袋用両更クラフト紙、両更クラフト紙)、晒包装紙(晒クラフト紙、純白ロール紙)、コートボール、チップボール、段ボール等が例示される。
【0083】
ガラスとしては、具体的には、例えばソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、シリカガラス、石英ガラス等が例示される。
【0084】
シリコン系半導体としては、具体的には、例えば単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、ポリシリコン等が例示される。
【0085】
化合物半導体としては、具体的には、例えばCdS、CdTe、GaAs等が例示される。
【0086】
金属酸化物としては、具体的には、例えばアルミナ、サファイア、ジルコニア、チタニア、酸化イットリウム、酸化インジウム、ITO(インジウム錫酸化物)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、ネサ(酸化錫)、ATO(アンチモンドープ酸化錫)、フッ素ドープ酸化錫、酸化亜鉛、AZO(アルミドープ酸化亜鉛)、ガリウムドープ酸化亜鉛等が例示される。
【0087】
金属窒化物としては、具体的には、例えば窒化アルミニウム、窒化珪素等が例示される。
【0088】
また、複合基材としては、具体的には、例えば、紙−フェノール樹脂、紙−エポキシ樹脂、紙−ポリエステル樹脂等の紙−樹脂複合基材;ガラス布−エポキシ樹脂、ガラス布−ポリイミド系樹脂、ガラス布−フッ素樹脂等のガラス布−樹脂複合基材が挙げられる。
【0089】
本発明の製造方法において、加熱処理は、非酸化性雰囲気下で行うことが好ましい。非酸化性雰囲気としては、例えば、ヘリウム、窒素、アルゴン等が挙げられる。これらの中でも安価なことから、窒素を用いることが好ましい。また、非酸化性雰囲気中には、形成された電気的導通部位の酸化に大きな影響を与えない程度ならば酸素を含んでいても良く、その濃度は、5000ppm以下が好ましく、500ppm以下が特に好ましい。
【0090】
本発明の製造方法において、加熱処理の温度は、ギ酸銅粒子中の銅イオンが還元され、一般式(1)、又は(2)で示されるアミン化合物が揮発し除去される温度であればよく、特に限定するものではなく、ギ酸銅粒子中の銅イオンの還元が完全に進行し、一般式(1)、又は(2)で示されるアミン化合物の残存がなく、有機基材を利用できることから、60〜300℃が好ましく、80〜200℃の範囲が特に好ましい。
【0091】
また、加熱処理の時間は、温度や所望する導電性により適宜選択すればよく、200℃程度の加熱温度を設定した場合には、通常10〜60分程度である。
【0092】
本発明の製造方法において、本発明の導電性インク組成物を基材に塗布する方法としては、公知の方法によって行うことができ、特に限定するものではなく、例えば、スクリーン印刷法、ディップコーティング法、スプレー塗布法、スピンコーティング法、インクジェット法、ディスペンサーでの塗布法等が挙げられる。塗布の形状としては面状であっても、ドット状であっても、問題は無く、特に限定されない。導電性インク組成物を基材に塗布する塗布量としては、所望する電気的導通部位の膜厚に応じて適宜調整すればよく、乾燥後の導電性インク組成物の膜厚が0.01〜5000μmの範囲が好ましく、特に好ましくは0.1〜1000μmの範囲となるよう塗布すれば良い。
【0093】
本発明の製造方法は、様々な工業製品を製造する工程の一部として利用することができ、本発明の製造方法により一部〜全体を製造した電気的導通部位を有する工業製品を得ることができる。
【0094】
本発明の製造方法により一部〜全体を製造した電気的導通部位を有する工業製品としては、特に限定するものではなく、例えば、有機エレクトロルミネッセンスパネル、プラズマディスプレイパネル、液晶パネル等の画像表示装置;LED(Light Emitting Diode)発光装置、及び有機エレクトロルミネッセンス発光装置等の発光装置;1層(片面)プリント配線基板、2層(両面)プリント配線基板、多層プリント配線基板、フレキシブルプリント配線基板等の回路基板;積層コンデンサ、固体電解コンデンサ等のコンデンサ;シリコン系太陽電池、化合物半導体系太陽電池、色素増感型太陽電池、有機半導体型太陽電池等の太陽電池;リチウム二次電池、ニッケル−水素二次電池等の二次電池;電波方式認識タグ;電磁波遮蔽シールド等が挙げられる。
【実施例】
【0095】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定して解釈されるものではない。
【0096】
なお、以下の参考例において、粒子の平均粒子径は、粒子サイズに応じて、透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、観測した視野の中から、ランダムに3箇所選択し、50,000〜1,000,000倍の範囲における任意の倍率で撮影を行い、それぞれの写真から、粒子を計100個選択し、その直径をものさしで測り、測定倍率を除して粒子径を算出し、これらの値を算術平均することにより求めた。TEMは日本電子社製、商品名:JEM−2000FX、SEMは、日本電子社製、商品名:JSM T220Aを使用した。
【0097】
また、元素分析はパーキンエルマー社製、全自動元素分析装置、商品名:2400IIにより測定し、H−NMRはVarian社製、商品名:Gemini−200により測定した。
【0098】
さらに、導電性インク組成物の粘度は、別途記載が無い限り、レオメーター(ティー・エイ・インスツルメント社製、商品名:ARレオメーター AR2000ex)を用い、測定温度30℃で測定した。
【0099】
[参考例1] ギ酸銅粒子の調製.
エタノール40gにギ酸銅粒子粉末(平均粒子径21μm)2.24g、及びジルコニア製ビーズ(ニッカトー社製、商品名:YZT ボール、サイズ:Φ0.1mm)150gを添加し、攪拌用モーターに連結した攪拌羽を用い、周速10m/秒で、12時間攪拌し粉砕を行った。
【0100】
次にこのスラリー状の混合物を、目開き0.075mmの篩に通し、さらにエタノール160gで洗浄し、ジルコニア製ビーズを分離し、ギ酸銅粒子分散体を得た。
【0101】
このギ酸銅粒子分散体をSEMで観測し、平均粒子径を求めたところ、210nmであった。次に、このギ酸銅粒子分散体を、減圧下、40℃で、エタノールと余分な水分を留去することで、ギ酸銅粒子の粉末1.68gを得た。
【0102】
[実施例1] 銅粒子、N,N−ジメチルエタノールアミン、及びギ酸銅粒子を含有する導電性インク組成物の調製.
テトラヒドロフラン10gに、銅粒子(Alfa Aesar社製 Copper Powder,−625 mesh,APS 0.50−1.5 micron)を1.02g、一般式(1)で示されるアミン化合物であるN,N−ジメチルエタノールアミンを1.54g、及び参考例1で得たギ酸銅粒子(平均粒子径210nm)1.54gを添加し、乳鉢で完全に分散状態になるまで十分に混練した。このスラリー状の混合物を、減圧下、25℃で、テトラヒドロフランと余分な水分を留去することで、ペースト状の導電性インク組成物を調製した。
【0103】
得られた導電性インク組成物の粘度は178Pa・sであり、元素分析の結果、40.6重量%の銅粒子、21.8重量%のギ酸銅粒子、37.6重量%のN,N−ジメチルエタノールアミンを含有していた(以下、表記を簡潔にするため、これを「導電性インクA」と称する)。
【0104】
[実施例2] 銀粒子、N,N−ジメチル−2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチルアミン、及びギ酸銅粒子を含有する導電性インク組成物の調製.
テトラヒドロフラン10gに、銀粒子(Alfa Aesar社製 Silver Powder,APS 0.7−1.3 micron)を0.64g、一般式(1)で示されるアミン化合物であるN,N−ジメチル−2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチルアミンを1.33g、及び参考例1で得たギ酸銅粒子(平均粒子径210nm)1.54gを添加し、乳鉢で完全に分散状態になるまで十分に混練した。このスラリー状の混合物を、減圧下、25℃で、テトラヒドロフランと余分な水分を留去することで、ペースト状の導電性インク組成物を調製した。
【0105】
得られた導電性インク組成物の粘度は125Pa・sであり、元素分析の結果、18.2重量%の銅粒子、18.1重量%の銀粒子、25.9重量%のギ酸銅粒子、37.8重量%のN,N−ジメチル−2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチルアミンを含有していた(以下、表記を簡潔にするため、これを「導電性インクB」と称する)。
[実施例3] 銀コート銅粒子、2−エトキシエチルアミン、及びギ酸銅粒子を含有する導電性インク組成物の調製.
テトラヒドロフラン10gに、銀コート銅粒子(三井金属社製 Ag/湿式銅粉)を1.12g、一般式(1)で示されるアミン化合物である2−エトキシエチルアミンを1.07g、及び参考例1で得たギ酸銅粒子(平均粒子径210nm)1.54gを添加し、乳鉢で完全に分散状態になるまで十分に混練した。このスラリー状の混合物を、減圧下、25℃で、テトラヒドロフランと余分な水分を留去することで、ペースト状の導電性インク組成物を調製した。
【0106】
得られた導電性インク組成物の粘度は205Pa・sであり、元素分析の結果、44.1重量%の銅粒子、3.0重量%の銀粒子、24.1重量%のギ酸銅粒子、28.8重量%の2−エトキシエチルアミンを含有していた(以下、表記を簡潔にするため、これを「導電性インクC」と称する)。
【0107】
[実施例4] 銅粒子、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチルアミン、ギ酸銅粒子、及びデカンを含有する導電性インク組成物の調製.
テトラヒドロフラン10gに、銅粒子(Alfa Aesar社製 Copper Powder,−625 mesh,APS 0.50−1.5 micron)を1.06g、一般式(1)で示されるアミン化合物である1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチルアミンを1.28g、及び参考例1で得たギ酸銅粒子(平均粒子径210nm)1.54gを添加し、乳鉢で完全に分散状態になるまで十分に混練した。このスラリー状の混合物を、減圧下、25℃で、テトラヒドロフランと余分な水分を留去し、残った固体に分散媒としてデカン0.32gを添加し、ペースト状の導電性インク組成物を調製した。
【0108】
得られた導電性インク組成物の粘度は147Pa・sであり、元素分析の結果、40.4重量%の銅粒子、21.4重量%のギ酸銅粒子、30.6重量%の1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチルアミン、7.6重量%のデカンを含有していた(以下、表記を簡潔にするため、これを「導電性インクD」と称する)。
【0109】
[実施例5] 銅粒子、3−n−ブトキシプロピルアミン、及びギ酸銅粒子を含有する導電性インク組成物の調製.
テトラヒドロフラン10gに、銅粒子(Alfa Aesar社製 Copper Powder,−625 mesh,APS 0.50−1.5 micron)を0.7g、一般式(1)で示されるアミン化合物である3−n−ブトキシプロピルアミンを1.24g、及び参考例1で得たギ酸銅粒子(平均粒子径210nm)1.54gを添加し、乳鉢で完全に分散状態になるまで十分に混練した。このスラリー状の混合物を、減圧下、25℃で、テトラヒドロフランと余分な水分を留去することで、ペースト状の導電性インク組成物を調製した。
【0110】
得られた導電性インク組成物の粘度は162Pa・sであり、元素分析の結果、38.6重量%の銅粒子、25.9重量%のギ酸銅粒子、35.5重量%の3−n−ブトキシプロピルアミンを含有していた(以下、表記を簡潔にするため、これを「導電性インクE」と称する)。
【0111】
[実施例6] 銅粒子、N, N,N′−トリメチル−N′−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、及びギ酸銅粒子を含有する導電性インク組成物の調製.
テトラヒドロフラン10gに、銅粒子(Alfa Aesar社製 Copper Powder,−625 mesh,APS 0.50−1.5 micron)を1.03g、一般式(2)で示されるアミン化合物であるN,N,N′−トリメチル−N′−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンを1.46g、及び参考例1で得たギ酸銅粒子(平均粒子径210nm)1.54gを添加し、乳鉢で完全に分散状態になるまで十分に混練した。このスラリー状の混合物を、減圧下、25℃で、テトラヒドロフランと余分な水分を留去することで、ペースト状の導電性インク組成物を調製した。
【0112】
得られた導電性インク組成物の粘度は143Pa・sであり、元素分析の結果、41.3重量%の銅粒子、22.4重量%のギ酸銅粒子、36.3重量%のN,N,N′−トリメチル−N′−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンを含有していた(以下、表記を簡潔にするため、これを「導電性インクF」と称する)。
【0113】
[比較例1] ギ酸銅粒子、及び3−メトキシプロピルアミンを含有する導電性インク組成物の調製.(金属粒子添加しない系)
テトラヒドロフラン10gにギ酸銅粒子を2.24g、一般式(1)で示されるアミン化合物である3−メトキシプロピルアミンを1.96g順次添加した。室温で、完全に溶解するまで10分間攪拌し、均一な溶液とした。この溶液を、0.5μmメンブランフィルターで濾過した後、得られた濾液中のテトラヒドロフランを、減圧濃縮により脱溶剤して、導電性インク組成物を調製した。
【0114】
得られた導電性インク組成物の粘度をB型粘度計(東機産業社製、商品名:BL II)で測定した結果、3.9mPa・sであった。また、元素分析の結果、18.3重量%の銅粒子、25.7重量%のギ酸銅粒子、56.0重量%の3−メトキシプロピルアミンを含有していた(以下、表記を簡潔にするため、これを「導電性インクG」と称する)。
【0115】
[比較例2] 銅粒子、n−オクチルアミン、及びギ酸銅粒子を含有する導電性インク組成物の調製.(一般式(1)、(2)で示されるアミン化合物ではないアミン化合物を使用した系)
テトラヒドロフラン10gに、銅粒子(Alfa Aesar社製 Copper Powder,−625 mesh,APS 0.50−1.5 micron)を1.02g、一般式(1)、(2)で示されるアミン化合物ではないn−オクチルアミンを1.54g、及び参考例1で得たギ酸銅粒子(平均粒子径210nm)1.54gを添加し、乳鉢で完全に分散状態になるまで十分に混練した。このスラリー状の混合物を、減圧下、25℃で、テトラヒドロフランと余分な水分を留去することで、ペースト状の導電性インク組成物を調製した。
【0116】
得られた導電性インク組成物の粘度は188Pa・sであり、元素分析の結果、39.8重量%の銅粒子、21.2重量%のギ酸銅粒子、39.0重量%のオクチルアミンを含有していた(以下、表記を簡潔にするため、これを「導電性インクH」と称する)。
【0117】
[実施例7〜12、比較例3、4] 印刷性評価、導電性評価、及び体積変化評価.
ガラス基材上に、導電性インクA〜Hを、スクリーン印刷法(スクリーン仕様 メッシュ数:200、線径:40μm、織厚:115μm、目開き:87μm、空間率:46.9%、ペースト透過体積:53.94mg/cm)を用いて塗布し、幅2mm×長さ30mm、膜厚54μmの均一な塗布膜とした。
【0118】
次に、窒素ガスを6L/分の流量で流通した加熱炉で、これら導電性インクを塗布したガラス基材を30分間、加熱処理を行い、電気的導通部位を得た。各加熱温度を表1に示す。
【0119】
印刷性の評価は、印刷したパターンの形状を目視で確認し、
断裂、欠け、にじみが無い場合:○,
断裂、欠け、にじみがある場合:×,
と評価した。
【0120】
導電性の評価は、各電気的導通部位において、測定した表面抵抗率と膜厚から、下記の式により算出した体積抵抗率の比較により行った。
【0121】
体積抵抗率(Ω・cm)=表面抵抗率(Ω/□)×膜厚(cm)。
【0122】
表面抵抗率は、四探針抵抗測定機(三菱化学社製、商品名:ロレスタGP)にて測定した。
【0123】
膜厚は、形成された各電気的導通部位を切断し、断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、平均膜厚をその値とした。すなわち、各電気的導通部位について、走査型電子顕微鏡(SEM)で観測した視野の中から、ランダムに3箇所選択し、5000倍の倍率で撮影を行い、それぞれの写真において、電気的導通部位の膜厚を計測し、これらの値を撮影倍率で除し、3箇所の膜厚を算術平均して得られた値を各電気的導通部位の膜厚とした。
【0124】
体積変化については、加熱処理前後の面積、すなわち導電性インク塗布膜の面積と電気的導通部位の面積に差が無いことから、塗布時の塗布膜厚と加熱処理後の電気的導通部位の膜厚の変化率で評価した。
【0125】
体積変化率(%)=[(電気的導通部位の膜厚/導電性インク塗布膜厚)−1]×100。
【0126】
これら評価の結果を表1に併せて示す。
【0127】
【表1】

【0128】
表1から明らかなとおり、実施例7〜12において、本発明の導電性インク組成物は、いずれも良好な印刷性を示し、断裂、欠け、にじみは全く見られなかった。また導電性に関しても、良好な導電性を示し、加熱処理前後の体積変化も小さかった。
【0129】
これに対し、比較例3は、金属粒子を用いなかったため、断裂、欠け、にじみ等の印刷不良により、配線を均一に塗布できなかった。また導電性に関しては、大差ないものの、加熱処理前後の体積変化が大きかった。また、比較例4は、一般式(1)、(2)で示されるアミン化合物ではないアミン化合物を使用したため、印刷性に劣るものであった。
【0130】
[実施例13、比較例5] 大気接触後のインクについての導電性評価.
ガラス基材上に、導電性インクA、及びHを、実施例7〜12に記載の方法と同様にスクリーン印刷法で塗布し、幅2mm×長さ30mm、膜厚54μmの均一な塗布膜とした。
【0131】
次に、これら塗布膜を大気中に24時間放置し、十分に大気と接触させた。
【0132】
次に、実施例7〜12に記載の方法と同様の加熱処理を加熱温度140℃で行い、電気的導通部位を得た。導電性の評価結果を表2に示す。
【0133】
尚、導電性の評価は、体積抵抗率の比較により行い、体積抵抗率は実施例7〜12に記載の方法で算出した。
【0134】
【表2】

【0135】
表2から明らかなとおり、実施例13において、本発明の導電性インク組成物は、24時間の大気接触後も体積抵抗率の低下は殆ど無く、良好な導電性を示した。
【0136】
これに対し、比較例5において、一般式(1)、(2)で示されるアミン化合物ではないアミン化合物であるn−オクチルアミンを用いた導電性インク組成物は、24時間の大気接触で体積抵抗率が大幅に悪化した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)、及び一般式(2)で示されるアミン化合物の少なくとも一種、金属粒子、及びギ酸銅粒子を含有することを特徴とする導電性インク組成物。
【化1】

[R、Rは各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−メトキシエチル基、又は2−エトキシエチル基を表し、R、Rは各々独立して、水素原子、又はメチル基を表し、Rは水素原子、又は炭素数1〜6の直鎖状、炭素数3〜6の分岐状若しくは環式のアルキル基、2−ヒドロキシエチル基、2−メトキシエチル基、又は2−エトキシエチル基を表し、Xはメチレン基、エチレン基、又はプロピレン基を表す。]
【化2】

[R〜Rは各々独立して、水素原子、又はメチル基、エチル基を表す。]
【請求項2】
一般式(1)、及び一般式(2)で示されるアミン化合物が、エタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、2−メトキシエチルアミン、N−メチル−2−メトキシエチルアミン、N,N−ジメチル−2−メトキシエチルアミン、ビス(2−メトキシエチル)アミン、2−エトキシエチルアミン、N−メチル−2−エトキシエチルアミン、N,N−ジメチル−2−エトキシエチルアミン、ビス(2−エトキシエチル)アミン、2−n−プロポキシエチルアミン、N−メチル−2−n−プロポキシエチルアミン、N,N−ジメチル−2−n−プロポキシエチルアミン、2−i−プロポキシエチルアミン、N−メチル−2−i−プロポキシエチルアミン、N,N−ジメチル−2−i−プロポキシエチルアミン、2−n−ブトキシエチルアミン、N−メチル−2−n−ブトキシエチルアミン、N,N−ジメチル−2−n−ブトキシエチルアミン、2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチルアミン、N−メチル−2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチルアミン、N,N−ジメチル−2−(2−ヒドロキシエチルオキシ)エチルアミン、2−(2−メトキシエチルオキシ)エチルアミン、N−メチル−2−(2−メトキシエチルオキシ)エチルアミン、N,N−ジメチル−2−(2−メトキシエチルオキシ)エチルアミン、2−(2−エトキシエチルオキシ)エチルアミン、N−メチル−2−(2−エトキシエチルオキシ)エチルアミン、N,N−ジメチル−2−(2−エトキシエチルオキシ)エチルアミン、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチルアミン、N−メチル−1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチルアミン、N,N−ジメチル−1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチルアミン、1,1−ジメチル−2−メトキシエチルアミン、N−メチル−1,1−ジメチル−2−メトキシエチルアミン、N,N−ジメチル−1,1−ジメチル−2−メトキシエチルアミン、1,1−ジメチル−2−エトキシエチルアミン、N−メチル−1,1−ジメチル−2−エトキシエチルアミン、N,N−ジメチル−1,1−ジメチル−2−エトキシエチルアミン、3−ヒドロキシプロピルアミン、N−メチル−3−ヒドロキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、N−メチル−3−メトキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、N−メチル−3−エトキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−3−エトキシプロピルアミン、3−n−プロポキシプロピルアミン、3−i−プロポキシプロピルアミン、N−メチル−3−i−プロポキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−3−i−プロポキシプロピルアミン、3−n−ブトキシプロピルアミン、N−メチル−3−n−ブトキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−3−n−ブトキシプロピルアミン、N, N′,N′−トリメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N, N′,N′−トリメチル−N−(2−メトキシエチル)エチレンジアミン、及びN, N′,N′−トリメチル−N−(2−エトキシエチル)エチレンジアミンからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の導電性インク組成物。
【請求項3】
金属粒子が、金粒子、銀粒子、銅粒子、白金粒子、パラジウム粒子、ロジウム粒子、イリジウム粒子、ルテニウム粒子、銀コート銅粒子及びオスミウム粒子からなる群より選ばれる少なくとも一種の金属種を含有することを特徴とする請求項1又2に記載の導電性インク組成物。
【請求項4】
金属粒子が、金粒子、銀粒子、銅粒子、白金粒子、パラジウム粒子、及び銀コート銅粒子からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導電性インク組成物。
【請求項5】
金属粒子の平均粒子径が、0.01〜100μmの範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の導電性インク組成物。
【請求項6】
ギ酸銅粒子の平均粒子径が、1nm〜5μmの範囲であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の導電性インク組成物。
【請求項7】
導電性インク組成物全量に対し、金属粒子の濃度が0.1〜99重量%、一般式(1)、又は(2)で示されるアミン化合物の濃度が0.1〜80重量%、及びギ酸銅粒子の濃度が0.1重量%〜80重量%、であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の導電性インク組成物。
【請求項8】
さらに分散媒を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の導電性インク組成物。
【請求項9】
分散媒が、アルコール類、エーテル類、エステル類、脂肪族炭化水素類、及び芳香族炭化水素類からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項8に記載の導電性インク組成物。
【請求項10】
分散媒が、ヘキサノール、ターピネオール、メチル−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、n−ヘキサン、及びγ−ブチロラクトンからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項8又9に記載の導電性インク組成物。
【請求項11】
分散媒の濃度が導電性インク組成物全体の重量に対して1〜90重量%の範囲であることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の導電性インク組成物。
【請求項12】
導電性インク組成物の粘度が、1〜1000Pa・sの範囲であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の導電性インク組成物。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかに記載の導電性インク組成物を、基材に塗布又は充填し、当該基材を加熱処理することを特徴とする電気的導通部位の製造方法。
【請求項14】
基材が、樹脂、紙、ガラス、シリコン系半導体、化合物半導体、金属酸化物、金属窒化物、及び木材からなる群より選ばれる一種、又は二種以上の複合基材であることを特徴とする請求項13に記載の電気的導通部位の製造方法。
【請求項15】
加熱処理の温度が60〜300℃の範囲であることを特徴とする請求項13又は14に記載の電気的導通部位の製造方法。
【請求項16】
非酸化性雰囲気で加熱処理を行うことを特徴とする請求項13〜15のいずれかに記載の電気的導通部位の製造方法。

【公開番号】特開2012−126814(P2012−126814A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278975(P2010−278975)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】