説明

導電性エマルジョンインク及びそれを用いた導電性薄膜の形成方法

【課題】 金属ナノ粒子からなる導電性薄膜を、熱処理することなく室温で、短時間かつ簡易な操作で、多様な基材に形成可能とする。
【解決手段】 連続相中に、金属ナノ粒子を含有する第一の不連続相と、該金属ナノ粒子の還元剤及び/又は光触媒を含有する第二の不連続相とが分散してなる導電性エマルジョンインクを作製する。還元剤を含有する場合、該インクを適当な基材表面に塗布またはパターニングすることにより、導電性薄膜を形成することができる。また、光触媒を含有する場合は、該インクを適当な基材表面に塗布またはパターニングする工程と、塗布またはパターニングされた該インクをUV照射に付す工程と実施することにより、導電性薄膜を形成することができる。連続相は金属ナノ粒子を含有してもよい。連続相が油相であり、第一及び第二の不連続相が水相であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、短時間で簡単に基材面に配線パターンなどの導電性薄膜を形成できる金属ナノ粒子含有インクに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、半導体素子、回路基板、液晶ディスプレイ、薄膜太陽電池といった電子デバイスの配線パターンを作成するプロセスでは、真空プロセスおよびフォトリソグラフィー技術が主に用いられている。フォトリソグラフィー技術は、基材面に感光性物質を塗布し、これに紫外線を照射して感光させることにより、必要な配線パターンを作製するパターニング技術である。
【0003】
こうした中、近年、印刷や塗布などの溶液プロセスによって電子デバイスを作製する技術(プリンタブルエレクトロニクス)に大きな関心が寄せられ、研究・開発が盛んに行われている。この溶液プロセスを用いることで、「脱真空プロセス」、「脱高温プロセス」、「脱フォトリソグラフィー」を実現でき、生産性が著しく向上するといったメリットが得られる。配線パターンを印刷によって作製する方法として、スクリーン印刷やインクジェット印刷を利用した方法が提案されており、一部商品化されている。
【0004】
しかし、配線パターンを印刷によって作製する場合、導電性を発現させる為にはインク中に含まれる導電性フィラー同士を融着させる必要があり、そのために、従来、導電性インクを印刷して配線パターンを形成した後、これを高温で焼成していた。しかし、このような高温焼成はエネルギー消費量が大きいことから、環境負荷低減やコストダウンが要請されているところであり、また、PETやPPなどの耐熱性のない高分子基材やTFT(薄膜トランジスタ)を搭載したガラス基板への配線パターン形成も要望されており、焼成温度の低温化が望まれている。
【0005】
特許文献1には、アルカリ金属化合物を含む表面処理液で基材の表面処理を行った後、金属ナノ粒子を含む導電性インクを基材に塗布し、しかる後、該導電性インクを還元性雰囲気中で焼成させる方法が開示されているが、還元性雰囲気には、酢酸、ギ酸、塩酸などが用いられるため、基材に耐酸性が要求され、基材の選択の幅が狭くなる。
【0006】
特許文献2には、基材上に金属微粒子層を印刷した後、該金属微粒子層を酸の溶液で短時間処理する事により、該金属微粒子層の導電性を発現させる方法が開示されているが、基材を酸の溶液に浸漬させる必要があるため、基材に耐酸性が要求され、基材の選択の幅が狭くなる。
【0007】
特許文献3には、金属ナノ粒子ペーストを用いて、配線前駆体となるパターンを基材上に形成する工程と、前記基材上のパターンに、極性溶媒または溶解補助剤を含む極性溶媒溶液を作用させる工程と、前記基材を乾燥させて前記金属ナノ粒子を焼結させ、配線を形成する工程とを含む配線基板の作製方法が開示されているが、基材上のパターンに溶剤を作用させるのに2時間程度の長時間を要するという問題がある。また、基材を極性溶剤または溶解補助剤を含む極性溶媒溶液中に浸漬させる必要があるため、基材に耐溶剤性が要求され、基材の選択の幅が狭くなる。
【0008】
特許文献4には、実質金属塩である金属源と酸化防止剤と還元剤を含有する導電性インクで配線を印刷形成する方法が開示されているが、150℃での焼成処理が必要であり、更なる還元温度低減が望まれると共に、導電性インク中に金属塩と還元剤が混在することから、貯蔵安定性に懸念がある。
【0009】
特許文献5には、水または有機溶媒中に分散されている金属ナノ粒子を基材上に付与し、還元性物質を作用させることで、導電性を発現させる方法が開示されている。還元性物質を作用させる方法として浸漬処理が開示されているが、処理工程が増え、操作が煩雑となり、生産性が低下する点で問題がある。また、基材を予め還元性物質で表面処理しておき、金属ナノ粒子を基材上に付与する手法も開示されているが、上記と同様の問題があり、また、基材の選択の幅も狭くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−287217号公報
【特許文献2】特開2006−313891号公報
【特許文献3】特開2008−72052号公報
【特許文献4】特開2008−166590号公報
【特許文献5】特開2008−235224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、金属ナノ粒子からなる導電性薄膜を、熱処理することなく室温で、短時間かつ簡易な操作で、多様な基材に対して形成できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、前記目的は、連続相中に、金属ナノ粒子を含有する第一の不連続相、及び、該金属ナノ粒子の還元剤及び/又は光触媒を含有する第二の不連続相をエマルジョン化して分散させ、一液型の導電性エマルジョンインクを形成することにより達成される。
【0013】
すなわち、本発明の一局面によれば、連続相中に、金属ナノ粒子を含有する第一の不連続相と、該金属ナノ粒子の還元剤及び/又は光触媒を含有する第二の不連続相とが分散してなる導電性エマルジョンインクが提供される。
【0014】
また、本発明の他の局面によれば、還元剤を含有する上記導電性エマルジョンインクを塗布またはパターニングする工程からなる導電性薄膜の形成方法が提供される。
さらに本発明の他の局面によれば、光触媒を含有する上記導電性エマルジョンインクを塗布またはパターニングする工程と、塗布またはパターニングされた該導電性エマルジョンインクをUV照射に付す工程とからなる導電性薄膜の形成方法が提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明の導電性エマルジョンインクは、連続相中に分散された第一の不連続相中に金属ナノ粒子を含有するとともに、該連続相中で第一の不連続相とは離隔して分散された第二の不連続相中に該金属ナノ粒子の還元剤及び/又は光触媒を含有しているので、使用前は、金属ナノ粒子と還元剤及び/又は光触媒とが反応を起こさないように別々の分散相中に隔離され、保存安定性が良好に維持される。
【0016】
そして、本発明の導電性エマルジョンインクは、前記還元剤を含有する場合、基材に転移された後は、エマルジョンが崩壊して金属ナノ粒子と還元剤が接触し、還元剤による作用によって金属ナノ粒子同士が融着し、導電性を発現する。
【0017】
また、本発明の導電性エマルジョンインクは、前記光触媒を含有する場合、基材に転移された後は、エマルジョンが崩壊して金属ナノ粒子と光触媒が接触し、UV照射を受けることによって、光触媒による作用によって金属ナノ粒子同士が融着し、導電性を発現する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、実施の形態を挙げて本発明の導電性エマルジョンインクについて詳細に説明する。
【0019】
1.導電性エマルジョンインク
本発明の導電性エマルジョンインクでは、金属ナノ粒子、該金属ナノ粒子の還元剤及び光触媒は、何れも不連続相中に含有されるが、金属ナノ粒子は、還元剤及び/又は光触媒を含有する不連続相(即ち、第二の不連続相)とは離隔して連続相中に分散する不連続相(即ち、第一の不連続相)に含有される。本発明の導電性エマルジョンインクのエマルジョン形態は、外相が油相であるW/O型でも、外相が水相であるO/W型でもよい。本発明の導電性エマルジョンインクがW/O型である場合、連続相が油相であり、不連続相が水相である。本発明の導電性エマルジョンインクがO/W型である場合、連続相が水相であり、不連続相が油相である。導電性薄膜形成時の反応性の点からは、還元剤を水相中に含有させることが好ましい。したがって、本発明の導電性エマルジョンインクは、金属ナノ粒子の還元剤を用いる場合、水相を不連続相としたW/O型エマルジョンとすることが好ましい。
また、導電性の発現を良好にするために、本発明の導電性エマルジョンインクの不連続相だけでなく連続相に金属ナノ粒子を含有させることが好ましい。
【0020】
2.金属ナノ粒子
本発明で使用する金属ナノ粒子は、ナノサイズの金属微粒子の表面を保護剤で被覆し、分散媒体中に安定して独立分散させたものである。金属ナノ粒子に使用される金属としては、銀、銅、金、パラジウム、ニッケル、ロジウムなど公知のものが挙げられる。また、これらの少なくとも2種からなる合金やこれらの少なくとも1種と鉄との合金なども使用できる。前者の合金としては、例えば白金−金合金、白金−パラジウム合金、金−銀合金、銀−パラジウム合金、パラジウム−金合金、白金−金合金、ロジウム−パラジウム合金、銀−ロジウム合金、銅−パラジウム合金、ニッケル−パラジウム合金などが挙げられる。また、後者の鉄との合金としては、例えば鉄−白金合金、鉄−白金−銅合金、鉄−白金−スズ合金、鉄−白金−ビスマス合金および鉄−白金−鉛合金などが挙げられる。これらの金属または合金は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0021】
金属ナノ粒子の平均粒径は、通常1〜100nmの範囲であり、1〜50nmが好ましく、1〜10nmがより好ましい。金属ナノ粒子の平均粒径が100nm以上であると、融点降下による粒子間の融着が生じにくくなり、結果として得られる薄膜の導電性も低下することになる。
【0022】
金属ナノ粒子の添加量は、油相に含有させる場合は、油相全量の30〜50質量%が好ましく、水相に含有させる場合は、水相全量の10〜40質量%が好ましい。また、金属ナノ粒子の添加量は、インク全量の5〜20質量%が好ましい。
【0023】
金属ナノ粒子の保護剤としては、複素環およびアルキル置換された複素環ならびに、−COOH、−SH、−SOH、−SOH、−SOH、−NH、−NOH、−NOH、−OH、−SiOH、−Si(OH)、−Si(OH)、−PO、−PO、−POH、−COO−、−CON−、−CONH−、−CONH、−S−、−SO−、−SO−、−NH−、−NO−、−O−、−SiO−、−PH−、−PH−、−PO−、−POH−、−POH−、−PO−、−POH−、−PO−、−POH−、−PO−、−N(−)−、−Si(O−)および−Si(O−)からなる群から選択される1以上を含むアルカン、アルケン、アルキン、芳香族炭化水素、アルキル置換された芳香族炭化水素、複素環およびアルキル置換された複素環からなる群から選択される1以上から形成されるものが挙げられる。
【0024】
これらの保護剤のうちでは、炭素数10〜20の直鎖状または分枝状のアルキル鎖を有する保護剤、特に脂肪酸類又は脂肪族のアミン類、チオール類もしくはアルコール類などを用いることが好ましい。このように炭素数を限定したのは、炭素数10未満では、金属ナノ粒子の保存安定性が保てず、炭素数が20より大きいと、良好な導電性を得るのが困難になるためである。
【0025】
前記脂肪酸類は、飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸のいずれであってもよく、例えばデカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、エイコサン酸、ドコサン酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、トリデセン酸、テトラデセン酸、ペンタデセン酸、ヘキサデセン酸、ヘプタデセン酸、オレイン酸、エライジン酸などが挙げられる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0026】
また、前記脂肪族アミン類としては、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミン、デセニルアミン、ウンデセニルアミン、ドデセニルアミン、トリデセニルアミン、テトラデセニルアミン、ペンタデセニルアミン、ヘキサデセニルアミン、ヘプタデセニルアミン、オクタデセニルアミン、ノナデセニルアミン、オレイルアミン、イコセニルアミン、ノナコセニルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ドデシルジメチルアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、ナフタレンジアミン、オクタメチレンジアミン、及びノナンジアミンなどが挙げられる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0027】
また、前記脂肪族チオール類としては、デカンチオール、ウンデカンチオール、ドデカンチオール、トリデカンチオール、テトラデカンチオール、ペンタデカンチオール、ヘキサデカンチオール、ヘプタデカンチオール、オクタデカンチオール、ノナデカンチオール、イコサンチオール、デセンチオール、ウンデセンチオール、ドデセンチオール、トリデセンチオール、テトラデセンチオール、ペンタデセンチオール、ヘキサデセンチオール、ヘプタデセンチオール、オクタデセンチオール、ノナデセンチオール、イコセンチオール、ノナコセンチオールなどが挙げられる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0028】
また、前記脂肪族アルコール類としては、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、ノナデカノール、イコサノールなどが挙げられる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0029】
金属ナノ粒子の作製方法としては、ガス中蒸着法、スパッタリング法、金属蒸気合成法、コロイド法、アルコキシド法、共沈法、均一沈殿法、熱分解法、化学還元法、アミン還元法、溶媒蒸発法などの従来公知の手法を用いることができる。これらはそれぞれ特有の特徴を備えるが、特に大量生産を目的とする場合には化学還元法、アミン還元法を用いるのが好ましい。これらの作製方法を実施するに当たっては、必要に応じて前記の保護剤を選択して使用するほか、公知の還元剤などを適宜用いることができる。
【0030】
3.還元剤
還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸誘導体、クエン酸、クエン酸塩、酒石酸、酒石酸塩、リンゴ酸、ヒドラジン化合物、二酸化チオ尿素、スルホキシ酸塩、ギ酸、ホルムアルデヒド、トコフェロール等の従来から一般的に使用されている薬剤を使用することができる。還元剤使用時の安全性を考慮すると、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、クエン酸、クエン酸塩、リンゴ酸、トコフェロール等の食品にも含まれている還元剤の使用が好ましい。
【0031】
還元剤のインク中の濃度は、還元剤の種類によって異なるので一概には言えないが、通常、インク全量の0.1〜1.0質量%である。還元剤を水相中に含有させる場合、還元剤の水相中の濃度は、通常、0.001〜1mol/l、好ましくは0.005〜0.5mol/lである。濃度が0.001mol/l未満では、還元処理に要する時間が長くなるとともに、得られる薄膜の導電性が低くなる。また、濃度が1mol/lを超えると、還元処理の際に塗膜が剥離しやすくなる。
【0032】
4.光触媒
光触媒としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タンタル、フラーレンなどの公知の光触媒を用いることができる。
光触媒のインク中の濃度は、光触媒の種類によって異なるので一概には言えないが、通常、インク全量の0.3〜30.0質量%である。光触媒を水相中に含有させる場合、光触媒の水相中の濃度は、通常、1〜30質量%、好ましくは5〜20質量%である。濃度が1質量%未満では、得られる薄膜の導電性が低くなる。また、濃度が20質量%を超えると、水相中で光触媒が凝集しやすくなる。
【0033】
5.油相
5−1.油性媒体
本発明の導電性エマルジョンインクの油相を構成することができる油系媒体としては、一般的にインクなどに使用される非水溶性溶剤を使用することができる。非水溶性溶剤の具体例としては、ナフテン系、パラフィン系、イソパラフィン系等の鉱物油、大豆油、コーン油、ヒマワリ油、なたね油、サフラワー油、ぶどう種子油、ゴマ油、ひまし油、つばき油、オリーブ油、やし油、パーム油等の植物油、イソパルミチン酸、オレイン酸、イソステアリン酸等の脂肪酸類、ラウリル酸メチル、ラウリル酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソステアリル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、リノール酸メチル、リノール酸イソブチル、リノール酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、モノカプリン酸プロピレングリコール、トリ2エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリ2エチルヘキサン酸グリセリル等のエステル類、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール等のアルコール類、ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素類などが挙げられる。これらの溶剤は、単独で、または、2種以上を混合して使用することができる。
【0034】
5−2.その他の油相成分
油相には、本発明の効果に支障が出ない範囲で、基材と金属ナノ粒子との密着性を向上させるためのバインダー成分のほか、例えば酸化防止剤、粘度調整剤、防錆剤などの公知の他の成分を含有させることができる。前記バインダー成分としては、用いる基材(後述)によってその種類が異なるので一概に言えないが、例えばアクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂などの公知の樹脂などを使用できる。
【0035】
5−3.油相の調製方法
油相は、上記油性媒体中に必要な成分を分散または溶解させて調製することができる。分散または溶解は、公知の超音波分散機、混練機、ホモジナイザーなどを用いて行うことができる。この超音波分散機は、他の混練機などとの併用も可能である。また、市販の金属ナノ粒子、還元剤又は光触媒の溶剤溶液又は分散液をそのまま、または、濃縮もしくは希釈して使用することもできる。
【0036】
6.水相
6−1.水性媒体
本発明の導電性エマルジョンインクの水相を構成することができる水性媒体としては、水、及び、所望により、水溶性有機溶剤を使用することができる。水溶性有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールなどのアルキレングリコール類、グリセリン、アセチン類、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテルなどのグリコールエーテル類、トリエタノールアミン、1−メチル−2−ピロリドン、β−チオグリコール、スルホランなどを用いることができる。これらの水溶性有機溶剤は単独で、または2種類以上組み合わせて使用することができる。
水系媒体中における水溶性有機溶剤の含有量は、80質量%以下が好ましい。
【0037】
6−2.その他の水相成分
水相には、上記の成分に加え、本発明の効果を阻害しない範囲で、湿潤剤(保湿剤)、表面張力調整剤(界面活性剤)、消泡剤、バインダー成分、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤等を適宜含有させることができる。バインダー成分としては、上記油相成分に関して述べたものが挙げられる。光触媒を水相中に含有させる場合、光触媒を水相中に良好に分散させるために、水相中に界面活性剤を添加することが好ましい。
【0038】
6−3.水相の調製方法
水相は、上記水性媒体中に必要な成分を分散または溶解させて調製することができる。分散または溶解は、公知の超音波分散機、混練機、ホモジナイザーなどを用いて行うことができる。この超音波分散機は、他の混練機などとの併用も可能である。また、市販の金属ナノ粒子、還元剤又は光触媒の水溶液又は分散液をそのまま、または、濃縮もしくは希釈して使用することもできる。
【0039】
7.導電性エマルジョンインクの調製
本発明の導電性エマルジョンインクは、W/O型エマルジョンインクの場合、例えば、金属ナノ粒子を含有する水相を油相中にエマルジョン化させて分散させた第一のW/O型エマルジョンと、還元剤及び/又は光触媒を含有する水相を油相中にエマルジョン化させて分散させた第二のW/O型エマルジョンとを調製した後、第一及び第二のW/O型エマルジョンを混合することによって調製することができる。また、金属ナノ粒子を含有する第一の水相と還元剤及び/又は光触媒を含有する第二の水相を調製した後、油相中に第一及び第二の水相の何れか一方をエマルジョン化させて分散させた後、他方の水相をエマルジョン化させて分散させて調製することもできる。
【0040】
また、本発明の導電性エマルジョンインクは、O/W型エマルジョンインクの場合、例えば、金属ナノ粒子を含有する油相を水相中にエマルジョン化させて分散させた第一のO/W型エマルジョンと、還元剤及び/又は光触媒を含有する油相を水相中にエマルジョン化させて分散させた第二のO/W型エマルジョンとを調製した後、第一及び第二のO/W型エマルジョンを混合することによって調製することができる。また、金属ナノ粒子を含有する第一の油相と還元剤及び/又は光触媒を含有する第二の油相を調製した後、水相中に第一及び第二の油相の何れか一方をエマルジョン化させて分散させた後、他方の油相をエマルジョン化させて分散させて調製することもできる。
【0041】
上記エマルジョン化は、油相と水相と乳化剤とを混合し、公知の乳化機を用いて乳化することにより調製することができる。
乳化機としては、ディスパーミキサー、ホモミキサー、高圧ホモジナイザー、超音波分散機等を用いることができる。
乳化に際して、乳化剤は、油相及び水相の少なくとも何れか一方に予め添加しておいてもよく、又は、油相と水相の混合と同時に添加してもよい。
【0042】
乳化剤としては、金属石鹸、高級アルコール硫酸エステル化塩、ポリオキシエチレン付加物の硫酸エステル化塩等の陰イオン界面活性剤;1〜3級アミン塩、4級アンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤;高級アルコールのポリオキシエチレンエーテル、アルキルフェノールポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシプロピレンのポリオキシエチレンエーテル等のエーテル型非イオン界面活性剤;ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の多価アルコールと脂肪酸からなるエステル型非イオン性界面活性剤;脂肪酸のポリオキシエチレンエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステルのポリオキシエチレンエーテル、ひまし油のポリオキシエチレンエーテル等のエーテルエステル型非イオン界面活性剤;脂肪酸のアルキロールアミド等の含窒素型非イオン界面活性剤等が挙げられる。これらの乳化剤は、単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。一般的には、W/O型エマルジョンを形成する場合、HLB3〜6の界面活性剤が使用され、O/W型エマルジョンを形成する場合、HLB8〜16の界面活性剤が使用される。
【0043】
乳化剤の添加量は、使用する乳化剤のモル濃度、水相と油相の界面の面積、および、油相と顔料等の固体との界面の面積を考慮して、適宜定めることができるが、インク全量に対して、通常0.1〜10質量%であり、好ましくは1〜5質量%である。
油相と水相の質量比(油相/水相)は、1〜99/99〜1の範囲とすることができ、10〜90/90〜10が好ましく、30〜70/70〜30がより好ましい。
【0044】
導電性を向上させるために、本発明の導電性エマルジョンインクの油相及び/又は水相中に、高分子化合物及び水溶性有機溶剤からなる群より選ばれた少なくとも一つを含有させることが好ましい。
かかる高分子化合物としては、ロジン変性フェノール樹脂(例えば、ハリフェノールKZ‐115(商品名;ハリマ化成(株)製)等が挙げられる。その他の高分子として、マレイン酸樹脂、石油樹脂、キシレン樹脂、ロジンエステル、重合ロジンエステル、水素化ロジンエステル、ケトンレジン、硬化レジン、アクリル樹脂、ゴム誘導体、テルペン樹脂等を用いることが好ましい。
かかる水溶性有機溶剤としては、水相の水性媒体に関して上記したものが挙げられるが、炭酸プロピレン等の炭酸エステル、エチレングリコール、1,2‐ペンタンジオール、1,5‐ペンタンジオール、グリセリンなどの多価アルコール系溶剤、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールなどのグリコールエーテル系溶剤、γ‐ブチロラクトンなどのラクトン系溶剤が好ましい。
【0045】
8.導電性薄膜の形成方法
本発明の導電性エマルジョンインクが還元剤を含有する場合、該インクを適当な基材表面に塗布またはパターニングすることにより、導電性薄膜を形成することができる。
また、本発明の導電性エマルジョンインクが光触媒を含有する場合、該インクを適当な基材表面に塗布またはパターニングする工程と、塗布またはパターニングされた該インクをUV照射に付す工程と実施することにより、導電性薄膜を形成することができる。UV照射は、市販品のUVランプ、例えば、フナコシ株式会社製Handheld UV Lamp、UVGL‐58型(波長:254/365nm)を用いて行うことができる。
本発明の導電性薄膜の形成方法は、配線パターンの他、プリンタブルエレクトロニクスで形成できるあらゆる薄膜要素の形成に応用することができる。
【0046】
8−1.基材
本発明の導電性エマルジョンインクを適用可能な基材としては、従来公知の配線パターン形成に用いる絶縁性基板などが挙げられる。この絶縁性基板の素材は、無機または有機のいずれであってもよい。無機基板としては、ガラス基板、シリコン、ゲルマニウムなどの半導体基板、ガリウム−ヒ素、インジウム−アンチモンなどの化合物半導体基板などを用いることができる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。無機基板には、その表面に他の素材の薄膜を少なくとも1層積層形成した上で用いることもできる。この場合の他の素材としては、例えば二酸化ケイ素、フッ素化ガラス、リンガラス、ホウ素−リンガラス、ホウケイ酸ガラス、多結晶シリコン、アルミナ、チタニア、ジルコニア、窒化シリコン、窒化チタン、窒化タンタル、窒化ホウ素、ITO(インジウム錫酸化物)、アモルファスカーボン、フッ素化アモルファスカーボンなどの無機化合物などが挙げられる。
【0047】
また、有機基板としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、塩化ビニリデン樹脂、フッ素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などを素材とする高分子フィルム、シートその他の樹脂成形物のほかに、紙、織物、不織布などが挙げられる。これらもまた単独でまたは2種以上を適宜積層するなど組み合わせて用いることができる。
【0048】
また、この基材の表面には、必要であれば、導電性エマルジョンインクとの密着性を向上させるために予め以下のような処理を施すことができる。この処理としては、例えば当該基板の表面をプラズマ処理、電子線処理などの物理的な手段や密着性向上剤などを塗布するなどの化学的な手段によることができる。この場合、密着性向上剤としては、いわゆるシランカップリング剤として使用されているものやアルミニウムキレート化合物などの公知の薬剤を使用できる。紙などの基材に対しては、金属ナノ粒子の浸透を抑制する為の吸液層を設けることもできる。
【0049】
8−2.塗布またはパターニング工程
基材表面に導電性エマルジョンインクを塗布またはパターニングする工程は、バーコーター、スプレーコート、スピンコートといった従来公知のコーティング法やスクリーン印刷、凹版印刷、凸版印刷、孔版印刷、インクジェット印刷などの従来公知の印刷方法を用いて行うことができる。
導電性エマルジョンインクが基材表面に転位すると、エマルジョンが崩壊して金属ナノ粒子と還元剤及び/又は光触媒が接触し、還元剤による作用、又は、UV照射下における光触媒による作用によって、金属ナノ粒子同士が融着し、導電性を発現するようになる。
【0050】
金属ナノ粒子に還元剤を作用させることで導電性が発現するメカニズムについては現在のところ十分に解明できていないが、還元剤を作用させることで、金属ナノ粒子からこれを被覆する保護剤が除去されるとともに、金属ナノ粒子表面に生じている酸化皮膜を還元除去できるためと推測される。
金属ナノ粒子に光触媒を作用させることで導電性が発現するメカニズムについては現在のところ十分に解明できていないが、光触媒を作用させることで、金属ナノ粒子の保護剤が分解されるためと推測される。
【0051】
8−3.UV照射工程
本発明の導電性エマルジョンインクが光触媒を含有する場合、上記工程で塗布またはパターニングされた導電性エマルジョンインクをUV照射に付すことにより、導電性に一層優れた薄膜を形成することができる。
UV照射は、例えば、フナコシ株式会社製Handheld UV Lamp、UVGL‐58型(波長:254/365nm)を用いて行うことができる。
【実施例】
【0052】
次に、実施例により本発明の導電性エマルジョンインク及びそれを用いた薄膜の形成方法を具体的に説明する。
【0053】
調製例
(1)第一の水相の調製
三菱製紙製のインクジェット用銀ナノ粒子インク(濃度15質量%)をそのまま第一の水相として用いた。銀ナノ粒子の平均粒径を透過型電子顕微鏡(TEM)観察により目視で測定したところ、約10nmであった。この水相は、下記表1のエマルジョンA及びDの水相として使用した。
【0054】
(2)第二の水相の調製
アスコルビン酸1重量部を水99重量部に溶解して、アスコルビン酸の1(w/w)%水溶液を調製した。この水相は、下記表1のエマルジョンBの水相として使用した。
【0055】
(3)第二の水相の調製
亜硫酸ナトリウム1重量部を水99重量部に溶解して、亜硫酸ナトリウムの1(w/w)%水溶液を調製した。この水相は、下記表1のエマルジョンCの水相として使用した。
【0056】
(4)第二の水相の調製
デモールEP 2重量部、酸化チタン20重量部、水78重量部を混合して、ロッキングミル(セイワ技研製)を用いて、水相を調製した。この水相は、下記表1のエマルジョンEの水相として使用した。
【0057】
(5)第二の水相の調製
デモールEP 2重量部、酸化チタン20重量部、アスコルビン酸1重量部、水77重量部を混合して、ロッキングミル(セイワ技研製)を用いて、水相を調製した。この水相は、下記表1のエマルジョンFの水相として使用した。
【0058】
(6)水相(対照)の調製
上記(1)の三菱製紙製の銀ナノ粒子インク99重量部にアスコルビン酸1重量部を溶解して水相を調製した。この水相は、下記表1のエマルジョンHの水相として使用した。
【0059】
(7)油相の調製
ナフテン系非水系溶媒(AFソルベント4号、新日本石油(株)製)30重量部、及び乳化剤(ヘキサグリン5−O、日光ケミカルズ(株)製)2重量部を混合し、油相を調製した。
この油相は、下記エマルジョンA〜C及びE〜Hの油相として使用した。
【0060】
(8)油相の調製
オレイルアミン250mlに酢酸銀10gを加え、60℃で加熱溶解後、200℃で30分加熱攪拌した。室温にて放置後、得られた銀ナノ粒子分散体にメタノールを添加し析出する銀ナノ粒子を遠心分離機にて沈降させ採取した。得られた銀ナノ粒子はヘキサンに再溶解させエタノールにて沈殿させる操作を繰り返し、精製した。得られた銀ナノ粒子の平均粒径を透過型電子顕微鏡(TEM)観察により目視で測定したところ、約10nmであった。
得られた銀ナノ粒子15重量部、ナフテン系非水系溶媒(AFソルベント4号、新日本石油(株)製)15重量部、及び乳化剤(ヘキサグリン5−O、日光ケミカルズ(株)製)2重量部を混合し、超音波分散機にて処理し、油相を調製した。
この油相は、下記表1のエマルジョンDの油相として使用した。
【0061】
(9)エマルジョンA〜Hの調製
下記表1に示す油相32重量部を超音波分散しながら、下記表1に示す水相68重量部を添加し、エマルジョンA〜Hを作製した。
【0062】
【表1】

【0063】
尚、表1記載の原材料の詳細は下記のとおりである。
AFソルベント4号(商品名):JX日鉱日石エネルギー(株)製ナフテン系非水系溶媒。
ヘキサグリン5−O(商品名):日光ケミカルズ(株)製界面活性剤 ペンタオレイン酸ヘキサグリセリル。
【0064】
実施例1
表1に示すエマルジョンAとエマルジョンBを重量比1:1で混合し、W/O型エマルジョンインクを作製した。作製したエマルジョンインクをバーコーターで光沢紙(Askul インクジェットペーパー写真用光沢紙 Photo Cast Coated Gloss)に塗布した。得られた塗膜の体積抵抗値を株式会社三菱化学アナリテック製四端子四探針法抵抗率計ロレスタEP、MCP−T360型で測定した。また、エマルジョンインク作製から1日後にエマルジョンインクの凝集の有無を目視で観察し、沈殿物が生じていれば×、生じていなければ○として不連続相安定性を評価した。結果を表2に示す。
【0065】
実施例2
表1に示すエマルジョンAとエマルジョンCを重量比1:1で混合し、W/O型エマルジョンインクを作製し、実施例1と同様の方法で評価した。結果を表2に示す。
【0066】
実施例3
表1に示すエマルジョンBとエマルジョンDを重量比1:1で混合し、W/O型エマルジョンインクを作製し、実施例1と同様の方法で評価した。結果を表2に示す。
【0067】
実施例4
表1に示すエマルジョンAとエマルジョンEを重量比1:1で混合し、W/O型エマルジョンインクを作製し、実施例1と同様の方法で塗膜を形成した後、フナコシ株式会社製Handheld UV Lamp、UVGL‐58型(波長:254/365nm) (積算光量:1200μW/cm2)を用いて10分間、UV照射を行った。結果を表2に示す。
【0068】
実施例5
表1に示すエマルジョンDとエマルジョンEを重量比1:1で混合し、W/O型エマルジョンインクを作製し、実施例4と同様の方法で評価した。結果を表2に示す。
【0069】
実施例6
表1に示すエマルジョンAとエマルジョンFを重量比1:1で混合し、W/O型エマルジョンインクを作製し、実施例4と同様の方法で評価した。結果を表2に示す。
【0070】
比較例1
表1に示すエマルジョンAとエマルジョンGを重量比1:1で混合し、W/O型エマルジョンインクを作製し、実施例1と同様の方法で評価した。結果を表2に示す。
【0071】
比較例2
表1に示すエマルジョンGとエマルジョンHを重量比1:1で混合し、W/O型エマルジョンインクを作製し、実施例1と同様の方法で評価した。結果を表2に示す。
【0072】
【表2】

【0073】
尚、表2記載の原材料の詳細は表1と同じである。
【0074】
表2の評価結果から、本発明の導電性エマルジョンインクによれば、一液型の導電性エマルジョンインクを基材面に塗布するだけで、短時間かつ簡便な操作で導電性薄膜を形成することができることがわかる。一方、不連続相中に金属ナノ粒子のみ含有する比較例1のエマルジョンインクは導電性が発現せず、不連続相中に金属ナノ粒子とその還元剤が共存する比較例2のエマルジョンインクは、導電性及び不連続相安定性の何れにも劣っていた。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明の導電性エマルジョンインクは、印刷プロセスによって配線パターンを形成するプリンタブルエレクトロニクス技術に有効に適用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続相中に、金属ナノ粒子を含有する第一の不連続相と、該金属ナノ粒子の還元剤及び/又は光触媒を含有する第二の不連続相とが分散してなる導電性エマルジョンインク。
【請求項2】
前記連続相は、金属ナノ粒子を含有する請求項1に記載の導電性エマルジョンインク。
【請求項3】
前記連続相は油相であり、前記第一及び第二の不連続相が水相である請求項1に記載の導電性エマルジョンインク。
【請求項4】
光触媒を含有する請求項1〜3の何れか1項に記載の導電性エマルジョンインクを塗布またはパターニングする工程と、塗布またはパターニングされた該導電性エマルジョンインクをUV照射に付す工程とからなる導電性薄膜の形成方法。

【公開番号】特開2012−222055(P2012−222055A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−84116(P2011−84116)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】