説明

導電性ゴムローラ及び画像形成装置

【課題】ゴム混練時のロール作業性に優れ、環境変化等による導電性ゴムローラの電気抵抗の変化が小さく均一かつ通電耐久性に優れ、また低硬度かつ発泡セルの表面凹凸が少ない導電性ゴムローラを提供する。
【解決手段】導電性芯材上にゴム層を有する導電性ゴムローラにおいて、該ゴム層が化学発泡され硬さがアスカーC硬度で25〜45度であり、該ゴム層のゴム成分がアリルグリシジルエーテル単位を3〜10モル%含むエピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体10〜70質量部及びアリルグリシジルエーテル単位を3〜10モル%含むエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体30〜90質量部の混合物であり、該ゴム層が充填剤として少なくとも炭酸カルシウムを該ゴム成分100質量部に対し40〜100質量部かつ全充填剤量の70質量%以上含む導電性ゴムローラ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真複写装置、プリンター、静電記録装置等の画像形成装置において用いられる導電性ゴムローラ及び該導電性ゴムローラを転写ローラとして備える画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真複写機、静電記録装置等の画像形成装置においては、電圧印加した導電性ゴムローラを電子写真感光体表面に押し当て帯電する接触帯電方式が主流であり、転写方式も、導電性ゴムローラを用いた接触転写方式が主流である。また、カラー出力が可能な電子写真方式の画像形成装置の多くは、複数色からなるカラー画像を形成するため、電子写真感光体上のトナーを紙等の画像記録体に直接転写せず、まず中間転写ベルトや転写搬送ベルト上にトナー像を重ねて転写(一次転写)する。その後、この複数色のトナー像を一括して紙等の画像記録体に転写(二次転写)する方法が用いられており、各転写工程に対して、導電性ゴムローラが配置されているのが一般的である。
【0003】
このような導電性ゴムローラにおいては、電子写真感光体や中間転写ベルトのような相手部材との密着性を高めるために適度に柔軟(低硬度)であることが望まれている。ローラ硬度が高い場合、電子写真感光体等とのニップ幅が小さくなるため、例えば、転写ローラにおいては、転写率が低下したり、感光体の表面の摩耗や損傷により画像の欠陥を生じたりしやすい。また、硬度が小さい場合は、柔らかいため圧縮永久歪みが大きくなり耐久性が劣るほか、搬送力が強くなり画像に欠陥を生じやすい。
【0004】
ところで、近年、このような導電性ゴムローラは、ゴム層のゴム成分として、体積固有抵抗が低いポリマー(極性ゴム)を使用し、必要な電気抵抗値を達成している。極性ゴムによる導電性はカーボンブラック等の導電剤に頼らないため、材料ロットによる抵抗値のばらつきや抵抗値の印加電圧に対する依存性が小さく、極めて扱い易い材料である。
【0005】
このような極性ゴムとして、加硫物の体積固有抵抗が2×109〜1×1010Ω・cm程度のアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)や、加硫物の体積固有抵抗が1×107〜3×109Ω・cm程度であるエピクロルヒドリンゴムが挙げられる。これらをブレンドして所望の体積固有抵抗が得られるように調整する方法が知られている(例えば、特許文献1)。
【0006】
エピクロルヒドリンゴムは、エピクロルヒドリン(ECH)の単独重合体、ECHとエチレンオキサイド(EO)の共重合体、ECHとアリルグリシジルエーテル(AGE)の共重合体、さらにECH−EO−AGE3元共重合体等がある。エピクロルヒドリンゴムは、その組成比率によって体積固有抵抗が異なり、組成中のEO含有量が高いほど抵抗値が低いことが知られている。また、AGEを共重合したものは、硫黄、硫黄供与剤や過酸化物による架橋が可能であり、脱ハロゲン化反応を伴わないため、耐汚染性や耐金属腐食性に優れた加硫物が得られる。また、エピクロルヒドリンゴムは主鎖に二重結合を有さないため、NBRよりも耐オゾン性が良好である。
【0007】
近年では、カラー化・高画質化・長寿命化に対応するために、より低抵抗、通電耐久性に優れた導電性ゴムローラが求められている。これらに用いられるゴム成分としてはECH−EO−AGE3元共重合体が多く配合されたエピクロルヒドリンゴムが使用されている。しかしながら、ゴム成分としてECH−EO−AGE3元共重合体のみを用いた場合、ゴム混練加工時のロール作業性やゴム押出し性等の加工性が低いという課題がある。
【0008】
そこで、上記課題解決のために、エピクロルヒドリンゴムをゴム成分としたゴム組成物に、特定量の炭酸カルシウムを特定の分散状態で分散したゴム組成物が提案されている(例えば、特許文献2)。
【0009】
特許文献2では、加工性に優れ、良好な電気特性をもつゴム組成物が得られている。しかしながら、エピクロルヒドリンゴムの組成に関する検討が十分になされておらず、このため使用するエピクロルヒドリンゴムによってはゴム混練時のロール作業性に対する問題は解決されていない。さらに、ソリッドゴムに関する検討のみであり、低硬度化に関する検討が十分になされておらず、導電性ゴムローラの硬度によって発生する、転写不良や感光体表面の摩耗や損傷による画像不良を解決する方策は示されていない。
【0010】
ところで、導電性ゴムローラを低硬度化する方法としては、軟化剤、可塑剤等の各種添加剤を用いる方法がある。しかし、軟化剤や可塑剤を添加した導電性ゴムローラを電子写真感光体や中間転写ベルト等の相手部材と接触使用した場合、導電性ゴムローラ内から低分子量の各種添加剤がブリードアウトし、これらの表面に付着し、画像劣化や汚染が生じ易い。そのため、導電性ゴムローラの低硬度化は、ゴム層を発泡ゴムにすることで行われている。ゴム層の発泡は、一般的に化学発泡剤を用いて行われている。しかしながら、このような発泡ゴム層を用いた導電性ゴムローラを1次転写ローラとして用いた場合、ローラ表面に露出した発泡セルの凹凸により、転写される画像濃度にムラを生じ、画像に欠陥を生じやすい。
【0011】
そこで、このような問題を解決するために、合成樹脂を主成分とし、短繊維を分散させた塗料により被膜を設け、発泡ゴム層の表面に存在するセル部分を隠蔽して表面を平滑化する方法が提案されている(例えば、特許文献3)。
【0012】
特許文献3では、発泡セルの凹凸による濃度ムラを抑えた導電性ローラが得られている。しかしながら、塗工層の厚みを均一にすることが難しく、厚さが不均一な場合には、導電性ローラ内に抵抗ムラを生じ、画像不良の原因となるため、安定した抵抗を得るのに非常に高度な技術を要する。
【0013】
また、その他、発泡ゴム層表面を平滑化する方法として、発泡ゴム原料にマイカやグラファイトを配合する方法も提案されている(例えば、特許文献4)。
【0014】
特許文献4では、製造された導電性ゴムローラは、発泡セルの凹凸による濃度ムラを抑えたゴムローラが得られている。しかしながら、電子導電性のグラファイトをイオン導電系のゴムに配合した場合、分散状態により抵抗値が変動するため、材料ロットによる抵抗値のばらつきや導電性ゴムローラ内での抵抗ばらつきを生じ、イオン導電系ゴムの特長を損ねてしまう。また、イオン導電系のゴムにマイカを配合した場合は、マイカによる吸湿性の影響により、環境変化等によるローラ抵抗値の変動量が大きくなり(特に高湿環境)、使用環境によっては画像不良を生じる場合がある。
【特許文献1】特許第3656904号公報
【特許文献2】特許第3541369号公報
【特許文献3】特開2001−201962号公報
【特許文献4】特開平8−272210号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、電子写真複写装置、プリンター、静電記録装置等の画像形成装置に用いられる導電性ゴムローラであって、ゴム層材料がゴム混練時のロール作業性に優れ、環境変化等による導電性ゴムローラの電気抵抗の変化が小さく、均一かつ通電耐久性に優れ、また、低硬度かつ発泡セルの表面凹凸が少ない導電性ゴムローラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明者らは、ゴム層のゴム成分に特定のエピクロルヒドリンゴム混合物を用い、さらに充填剤として炭酸カルシウムを所定量配合したゴム組成物の発泡ゴム加硫物をゴム層に用いることで、上記課題が解決できることを見出し、本発明に至った。
【0017】
すなわち、本発明に係る導電性ゴムローラは、導電性芯材の上にゴム層を有する導電性ゴムローラにおいて、該ゴム層が化学発泡されており、その硬さがアスカーC硬度で25度以上、45度以下であって、該ゴム層のゴム成分が、アリルグリシジルエーテル単位を3mol%以上、10mol%以下含有するエピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体(a)10質量部以上、70質量部以下、及び、アリルグリシジルエーテル単位を3mol%以上、10mol%以下含有するエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体(b)30質量部以上、90質量部以下の混合物((a)+(b)=100質量部)であり、該ゴム層がゴム成分100質量部に対し、充填剤として少なくとも炭酸カルシウムを40質量部以上、100質量部以下、かつ、全充填剤の70質量%以上含有すること特徴とする。
【0018】
また、前記エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体(b)が、エチレンオキサイド単位を20mol%以上、80mol%以下含有することを特徴とする。
【0019】
また、前記ゴム層の化学発泡に使用する化学発泡剤が、アゾジカルボンアミド又は4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)であることを特徴とする。
【0020】
本発明に係る画像形成装置は、前記導電性ゴムローラを転写ローラとして備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明の導電性ゴムローラは、ゴム混練時のロール作業性に優れ、環境変化等による導電性ゴムローラの電気抵抗の変化が小さく、均一かつ通電耐久性に優れ、また、低硬度かつ発泡セルの表面凹凸が少ない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の導電性ゴムローラについて詳述する。
【0023】
本発明に係る導電性ゴムローラは、導電性芯材の上にゴム層を有する導電性ゴムローラにおいて、該ゴム層が化学発泡されており、その硬さがアスカーC硬度で25度以上、45度以下であって、該ゴム層のゴム成分が、アリルグリシジルエーテル単位を3mol%以上、10mol%以下含有するエピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体(a)10質量部以上、70質量部以下、及び、アリルグリシジルエーテル単位を3mol%以上、10mol%以下含有するエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体(b)30質量部以上、90質量部以下の混合物((a)+(b)=100質量部)であり、該ゴム層がゴム成分100質量部に対し、充填剤として少なくとも炭酸カルシウムを40質量部以上、100質量部以下、かつ、全充填剤の70質量%以上含有すること特徴とする。
【0024】
(導電性ゴムローラ)
図1に本発明の導電性ゴムローラの一例の断面図を示す。
【0025】
本発明の導電性ゴムローラは、少なくとも表面が導電性である導電性芯材1に対して同心状に導電性のゴム層2が設けられたものである。なお、導電性芯材1とゴム層2の間には接着剤層や導電性を調整するための機能層が設けられていてもよい。また、ゴム層2は単層である必要はなく、2層以上であっても構わない。
【0026】
(導電性芯材)
本発明の導電性ゴムローラにおける導電性芯材としては、少なくとも表面が導電性であれば、通常の導電性ゴムローラにおいて使用するものが支障なく使用できる。例えば、鉄、銅、青銅、ステンレス、鋳鉄、黄銅、アルミニウム等の棒、パイプ等が使用可能であり、表面をニッケル等でメッキしたものも使用できる。また、カーボンブラック、金属粉、カーボン繊維、金属繊維、金属酸化物、樹脂或いは無機粉末の表面を金属化したもの等の導電性フィラーを含む樹脂組成物からなる棒、パイプ、さらに、樹脂の棒、パイプの表面を金属メッキ等で導電化したものも使用可能である。
【0027】
導電性芯材の外径は、必要な強度により異なるが、使用目的により適宜決定すればよい。例えば、転写ローラとして用いる導電性ゴムローラの場合、表面にニッケルメッキを施した鉄からなる導電性芯材を用いることができ、その外径は、2mm以上、12mm以下が好ましく、4mm以上、8mm以下がより好ましい。
【0028】
(ゴム層のゴム成分)
本発明の導電性ゴムローラは、ゴム成分に極性ゴムであるエピクロルヒドリンゴムを使用する。エピクロルヒドリンゴムは主鎖に二重結合を有さないため、他の極性ゴムであるNBRよりも耐オゾン性、耐熱性に優れており、通電耐久性に優れた導電性ゴムローラを得ることが可能となる。
【0029】
本発明において、エピクロルヒドリンゴムとして、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体(a)(以下、ECH−AGE共重合体と示す)とエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体(b)(以下、ECH−EO−AGE3元共重合体と示す)の混合物を用いる。
【0030】
ゴム成分にECH−AGE共重合体のみを用いた場合、混練時のロール作業性等の加工性は良好である。しかし、体積固有抵抗が1×1010Ω・cm程度と高いため、導電性ゴムローラに必要とされる体積固有抵抗1×107〜1×109Ω・cmを得ることが困難となる。
【0031】
また、ECH−EO−AGE3元共重合体のみを用いた場合、EO量の異なるものを適宜選択することにより、導電性ゴムローラに必要とされる電気抵抗値を得ることが可能となるが、混練時のロール作業性等の加工性が劣る。ECH−EO−AGE3元共重合体のみ用いる場合の加工性を改善する方法としては、液状NBR等の液状ポリマーを配合したり、可塑剤を配合したりする方法がある。しかし、これらが染み出して感光体等の相手部材を汚染する可能性が高く、その対策として多層構成とする必要がありコストも上がるため、実用的でない。従って、本発明では、ゴム成分としてECH−AGE共重合体とECH−EO−AGE3元共重合体の混合物を用いる。
【0032】
ゴム成分として使用するECH−AGE共重合体、ECH−EO−AGE3元共重合体は、それぞれアリルグリシジルエーテル単位の含有量(AGE含有量という)が3mol%以上、10mol%以下である。AGE含有量が3mol%より少ない場合、架橋点が少なく、圧縮永久歪みが大きくなり耐久性が劣る他、エピクロルヒドリンゴムの低分子量成分の染み出し等により、感光体や転写ベルト等を汚染する場合がある。また、含有量が10mol%より多い場合、架橋点が多く、分子の運動性が阻害されるため、導電性ゴムローラのゴム層に必要な電気抵抗値が得にくい。
【0033】
ゴム成分のECH−AGE共重合体とECH−EO−AGE3元共重合体との混合物中の各共重合体のブレンド比率は、ECH−AGE共重合体が10質量部以上、70質量部以下、ECH−EO−AGE3元共重合体が30質量部以上、90質量部以下である。なお、ECH−AGE共重合体とECH−EO−AGE3次元共重合体の合計を100質量部とする。ECH−AGE共重合体が10質量部未満の場合、ECH−EO−AGE3元共重合体の比率が多くなり、ゴム混練時のロール加工性に劣る。またECH−AGE共重合体が70質量部をこえる場合、ECH−EO−AGE3元共重合体の比率が少なくなりエチレンオキサイド単位の含有量(EO含有量)の高いECH−EO−AGE3元共重合体を用いても所望のローラ抵抗値を得ることが困難となる。
【0034】
ECH−EO−AGE3元共重合体のEO含有量は20mol%以上、80mol%以下含有することが好ましい。EO含有量20mol%未満の場合、ECH−EO−AGE3元共重合体の抵抗値が高く、所望のローラ抵抗値を得ることが困難となる場合がある。また、EO含有量が80mol%をこえる場合、エチレンオキサイド多いため結晶化し易く、抵抗が高くなる傾向にあるほか、高粘度化により、得られるゴム組成物のロール加工性や押出し加工性が低下する傾向にある。
【0035】
(充填剤)
また、本発明における導電性ゴムローラは、ゴム成分100質量部に対し、充填剤として少なくとも炭酸カルシウムを40質量部以上、100質量部以下、かつ、全充填剤の70質量%以上含有する。
【0036】
炭酸カルシウムの含有量がゴム成分100質量部に対して上記範囲内であれば、導電性ゴムローラ表面の発泡セルの凹凸が適度に平滑化されるほか、押出し加工性や研削加工性も優れたものとなる。一方、ゴム成分100質量部に対し炭酸カルシウムの含有量が40質量部未満の場合、炭酸カルシウムの配合量が少ないため、発泡セルの表面凹凸が大きく表面平滑性が劣り、例えば、一次転写ローラでは発泡セルの凹凸により放電ムラを生じ、画像不良となる。また、炭酸カルシウムを、100質量部をこえて配合した場合、得られる導電性ゴムローラの周方向抵抗ムラが大きくなり画像不良を生じるほか、ゴム成分の纏まりが低下しロール加工性が劣る他、押出し加工性や研削加工性も低下する。なお、導電性ゴムローラの周方向抵抗ムラとしては、周方向の抵抗最大値を抵抗最小値で除した値で1.2以下が好ましく、1.1以下がより好ましい。
【0037】
また、炭酸カルシウムの配合量が上記範囲内であっても、全充填剤量の70質量%未満となる場合、他の充填剤の影響が大きくなり、導電性ゴムローラ表面の発泡セルの凹凸の影響を受け、画像不良を生じる。
【0038】
なお、マイカ、カオリンクレー、シリカ等の充填剤はいずれも吸湿性が大きく、環境変化等によるローラ抵抗値の変動量が大きくなるため好ましくない。
【0039】
(化学発泡)
また、本発明の導電性ゴムローラのゴム層は、化学発泡されており、その硬さがアスカーC硬度で25度以上、45度以下である。
【0040】
化学発泡とは、ゴム成分に化学発泡剤を配合し、加熱発泡させる方法であり、最も一般的な化学発泡剤は有機発泡剤である。有機発泡剤は、熱の影響下で化学的に分解し、ガスを放出する物質である。この方法では一定の温度範囲で速やかにガスが放出されるため、比較的大きい気泡が形成され、低硬度かつ弾性に優れた導電性ゴムローラを得ることが可能である。
【0041】
(化学発泡剤)
化学発泡剤としては、アゾジカルボンアミド(ADCA)、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DTP)などの有機発泡剤が使用できる。これらは、1種又は2種以上を併用することができる。なお、DTPの場合は、分解副生成物として毒性のあるホルムアルデヒドやアミン臭の強いヘキサメチレンテトラミンが発生するので、ADCAあるいはOBSHを使用することが好ましく、所望の硬度とするために両者を併用してもよい。
【0042】
化学発泡剤の配合量は、ゴム成分100質量部当たり、2質量部以上、10質量部以下であることが好ましい。配合量が2質量部未満の場合、発生するガス量が少なく所望の硬度に調整するのが困難となる。また、配合量が10質量部をこえると、硬度が低くなり、圧縮永久歪みが大きくなり、画像に欠陥を生じ易くなる。さらに、ゴム層中の化学発泡剤の分解残渣が多くなり、ゴムローラの電気特性を阻害し、例えば、環境依存性が大きくなるなどの問題を生じ易くなる。
【0043】
(ゴム層の硬さ)
ゴム層の硬さは、アスカーC硬度で25度以上、45度以下である。ゴム層の硬度がアスカーC硬度で25度未満の場合、圧縮永久ひずみが大きくなり耐久性が劣るほか、搬送力が強く、画像不良を生じる。一方、アスカーC硬度が45度より大きい場合、感光体等相手部材とのニップ幅が小さく、例えば、転写ローラとして用いた場合、転写率が低下したり、感光体の表面の摩耗や損傷により画像の欠陥を生じたりする。
【0044】
(その他、添加剤等)
また、本発明の導電性ゴムローラに使用されるゴム成分には、一般のゴムに使用されるその他の成分を必要に応じて含有させることができる。例えば、加硫促進剤、カーボンブラック、クレー、シリカ、タルク等の充填剤、酸化亜鉛、ステアリン酸等の加硫助剤、尿素等の発泡助剤が挙げられる。なお、カーボンブラックを導電剤として用いた場合、抵抗むらや抵抗の電圧依存性が大きくなり好ましくない。カーボンブラックを配合する場合は、電子導電性が発現し難い品種(SRF級やFT級、MT級等の粒子径が比較的大きく、低ストラクチャーなカーボンブラック)を10質量部以上、30質量部以下ゴム補強材として含有することが好ましい。また、第4級アンモニウム塩等のイオン導電剤や、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート(DOP)等の可塑剤、アミン系の老化防止剤等は、感光体等の相手部材を汚染するため使用することは好ましくない。
【0045】
(導電性ゴムローラの製造方法)
本発明の導電性ゴムローラの製造方法として、下記方法を挙げることができる。
【0046】
まず、前記ゴム成分に少なくとも炭酸カルシウムを含む充填剤、加硫剤、加硫促進剤及び化学発泡剤、必要により他の添加剤を配合した未加硫のゴム組成物を調製する。次いで、該ゴム組成物を押出し機からチューブ状に押し出し、加硫発泡してゴムチューブを得る。該ゴムチューブを所定の長さに切断した後、導電性芯材を挿入し、必要により、さらに2次加硫して、導電性ゴムローラとする。
【0047】
あるいは、導電性芯材を収めた円筒状金型に、前記未加硫のゴム組成物を注入し、金型内で加硫発泡させ、金型から取り出した後、必要により、さらに2次加硫して、導電性ゴムローラとする。
【0048】
または、クロスダイを備える押出し機で導電性芯材と共に前記未加硫のゴム組成物を押し出し、その後、加硫発泡し、導電性芯材の両端の必要長さが裸出するようにゴム層をトリミングして、導電性ゴムローラとする。
【0049】
本発明においては、製造が容易であり、かつ安価に製造できることから、ゴムチューブに導電性芯金を挿入する方法により、導電性ゴムローラを製造することが望ましい。以下にその方法を示す。
【0050】
前記未加硫のゴム組成物を押出し機によりチューブ状に2m/分から10m/分の速度で押出し、加硫缶や熱風炉で140℃から160℃で、20分から50分加熱し、ゴムチューブを作製する。次いで、所定長さに切断した該ゴムチューブに接着剤を塗布した導電性芯材を挿入して、更に150℃から200℃で、10分から60分加熱することにより、ゴム層の発泡加硫を完結すると共に導電性芯材とゴムチューブを接着する。この導電性芯材に該ゴムチューブが接着された導電性ゴムローラを研磨砥石GC#60からGC#120を取り付けた研磨機にセットし、ローラ回転速度1500RPMから2000RPM、送り速度300mm/分から700mm/分で研磨する。
【0051】
前記製造方法で製造された導電性ゴムローラは、さらに、ゴム層を研磨し、所定の外径あるいは形状とし、また機能を調整することもできる。また、必要に応じて、ゴム層表面に表面層を設けることもできる。ゴム層表面からの低分子量物のブリードを防ぐために紫外線等のエネルギー線や熱処理で表面を改質することも可能である。
【0052】
(画像形成装置)
本発明の導電性ゴムローラは、電子写真複写装置、プリンター、静電記録装置等の画像形成装置において、感光体周りに使用される帯電ローラ、転写ローラ、現像ローラ、中間転写ベルトまたは転写搬送ベルトの内側に配置される転写ローラ等に好適に使用できる。中でも、感光体等の像担持体に電子写真プロセス、静電記録プロセス等の作像手段で形成担持されたトナー像による可転写画像を、紙等の被転写材に転写させる画像形成装置に搭載される転写ローラとして好ましく使用できる。
【0053】
図2に、本発明に係る導電性ゴムローラを画像形成装置に利用した一例を示す。同図に示す画像形成装置は、プロセスカートリッジを使用した電子写真方式のレーザプリンタであり、図2はその概略構成を示す縦断面図である。また、図2に示す画像形成装置には、本発明に係る導電性ゴムローラを転写ローラとして有する転写装置が装着されている。なお、前述したように、本発明の係る導電性ゴムローラは、転写ローラ以外にも、帯電ローラ、現像ローラ等にも用いることができる。
【0054】
図2に示す画像形成装置は、像担持体として、ドラム型の電子写真感光体(以下「感光ドラム」という。)11を備えている。感光ドラム11は、接地された円筒アルミニウム基体の外周面に、有機光導電体(OPC)からなる感光層を設けたものである。この感光ドラム11は、駆動手段(不図示)により、矢印R1方向に所定のプロセススピード(周速度)、例えば50mm/secで回転駆動される。
【0055】
感光ドラム11表面は、接触帯電部材としての帯電ローラ12によって均一に帯電される。帯電ローラ12は、感光ドラム11表面に接触配置されており、感光ドラム11の矢印R1方向の回転に伴って矢印R2方向に従動回転する。帯電ローラ12には、帯電バイアス印加電源(高圧電源)により振動電圧(交流電圧VAC+直流電圧VDC)が印加され、これにより感光ドラム11表面は、−600V(暗部電位Vd)に一様に帯電処理される。帯電後の感光ドラム11表面は、レーザスキャナから出力されてミラーによって反射されたレーザ光13、すなわち、目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して変調されたレーザ光13により走査露光を受ける。これにより、感光ドラム11表面には、目的の画像情報に対応した静電潜像(明電部位Vl=−150V)が形成される。その静電潜像は、現像装置14の現像スリーブに印加された現像バイアスによって、負に帯電されたトナー15が付着され、トナー像として反転現像される。
【0056】
一方、給紙部(不図示)から給搬送された紙等の転写材17が、転写ガイドにガイドされて、感光ドラム11と転写ローラ16との間の転写部(転写ニップ部)Tに、感光ドラム11上のトナー像とタイミングを合わせるようにして供給される。転写部Tに供給された転写材17は、転写バイアス印加電源により転写ローラ16に印加された転写バイアスによって、表面に感光ドラム11上のトナー像が転写される。このとき、転写材17に転写されないで感光ドラム11表面に残ったトナー(残留トナー)は、クリーニングブレード18によって除去され、廃トナー用容器19に回収される。転写部Tを通った転写材17は、感光ドラム11から分離されて定着装置20へ導入され、ここでトナー像の定着処理を受け、画像形成物(プリント)として画像形成装置本体外部に排出される。
【実施例】
【0057】
以下に実施例及び比較例を用いて、本発明を詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。なお、各実施例及び比較例で使用した資材は以下の通りである。
【0058】
1)原料ゴム(ゴム成分)
・ECO1:ECH−AGE共重合ゴム「Gechron1100」(商品名、日本ゼオン株式会社製、ECH:EO:AGE共重合比率(mol%)=93:0:7)
・ECO2:ECH−EO−AGE3元共重合ゴム「Gechron3100」(商品名、日本ゼオン株式会社製、ECH:EO:AGE共重合比率(mol%)=67:25:8)
・ECO3:ECH−EO−AGE3元共重合ゴム「Gechron3106」(商品名、日本ゼオン株式会社製、ECH:EO:AGE共重合比率(mol%)=40:56:4)。
【0059】
2)充填剤
・炭酸カルシウム:「スーパー3S」(商品名、丸尾カルシウム株式会社製)
・マイカ:「FTM−5」(商品名、三信鉱工株式会社製)
・カオリンクレー:「IcebergK」(商品名、土屋カオリン工業株式会社製)
3)カーボンブラック
・カーボンブラック(FT級):「HTC#20」(商品名、新日化カーボン株式会社製、よう素吸着量19mg/g、DBP吸油量29ml/100g)。
【0060】
4)加硫剤、加硫促進剤
・S:イオウ「サルファックスPMC」(商品名、鶴見化学工業株式会社製)、加硫剤
・DM:ジベンゾチアジルジスルフィド「ノクセラーDM」(商品名、大内新興化学工業株式会社製)、加硫促進剤
・TET:テトラエチルチウラムジスルフィド「ノクセラーTET」(商品名、大内新興化学工業株式会社製)、加硫促進剤。
【0061】
5)発泡剤、発泡助剤
・ADCA:アゾジカルボンアミド「ビニホールAC#LQ」(商品名、永和化成株式会社製)、発泡剤
・OBSH:4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)「ネオセルボン1000S」(商品名、永和化成株式会社製)、発泡剤
・尿素:「セルペーストA」(商品名、永和化成株式会社製)、発泡助剤。
【0062】
6)その他
・酸化亜鉛:酸化亜鉛2種(ハクスイテック株式会社製)、加硫促進助剤
・ステアリン酸:「ルナックS20」(商品名、花王株式会社製)、加硫促進助剤。
【0063】
また、実施例、比較例で作製した導電性ゴムローラについて、ロール加工性、発泡ゴム層の抵抗、抵抗ムラ、抵抗の環境依存性、ローラ硬度、画像評価を以下の方法により評価した。
【0064】
1)ロール加工性
各種ゴム組成物を、金属製の12inch混練用オープンロール(関西ロール株式会社製)を用い、ロール回転数18rpm、22rpm、ロール間隙5mmにて、ゴム組成物表面温度55〜65℃で3分間混練した。その後、さらにロールの回転を続けながら、ゴム組成物のロールへの巻き付き状態等の加工性を下記により評価した。
○:ゴム組成物の帯がロールに完全に密着して巻き付き、バンクに滞留するゴム組成物もスムーズに回転している。
×:ゴム組成物の帯が、部分的に穴が空いた状態や切れた状態になり、巻き付き性が低い。
【0065】
2)ゴム層の抵抗測定
作製した導電性ゴムローラを、導電性芯材の両端に各4.9Nの荷重をかけて外径30mmのアルミニウムドラムに圧着した後、アルミニウムドラムを回転させ、導電性ゴムローラを0.5RPMで連れ回りさせた。この状態で導電性芯材とアルミニウムドラムの間に2000Vの電圧を印加して、導電性ゴムローラ一回転にわたり抵抗を測定した。測定は、作製した導電性ゴムローラを23℃/55%RH(N/N)環境で24時間以上置いた後に、23℃/55%RH(N/N)環境で行った。
【0066】
3)抵抗ムラ
前記2)ゴム層の抵抗測定において、測定値の最大値(Rmax)及び最小値(Rmin)から求めたRmax/Rminを抵抗ムラとする。この値から下記基準で抵抗ムラを評価した。ここで測定した一回転分の測定値の平均が、当該導電性ゴムローラの発泡ゴム層の抵抗値RAVEであり、これを対数換算したものをLogRとした。
○:抵抗ムラ(Rmax/Rmin)1.2以下(抵抗ムラ 小)
×:抵抗ムラ(Rmax/Rmin)1.2超過(抵抗ムラ 大)。
【0067】
4)抵抗の環境依存性
導電性ゴムローラの抵抗を、15℃/10%RH(L/L)環境及び30℃/80%RH(H/H)環境で、前記2)ゴム層の抵抗測定に従い、それぞれ抵抗値を測定した。この時の抵抗値をそれぞれRLL、RHHとしたとき、log(RLL/RHH)の絶対値を環境変動桁とする。この値から下記基準で抵抗の環境依存性を評価した。なお、各測定は、測定の環境条件に24時間置き、測定の温度・湿度条件に馴染ませた後に行った。
○:環境変動桁1.2以下(環境依存性 小)
×:環境変動桁1.2超過(環境依存性 大)。
【0068】
5)アスカーC硬度
導電性ゴムローラを軸受で受けた状態で、ゴム層表面に総圧500gの荷重とともにアスカーC型スプリング式硬さ試験機(商品名、高分子計器株式会社製)の押し針を押し付けてアスカーC硬度を測定した。なお、測定は中央部、両端から5cmの所について、ローラを120度回転させて測定し、3×3の9箇所の平均値を当該導電性ゴムローラのローラ硬度とした。
【0069】
6)画像評価
導電性ゴムローラをキヤノン株式会社製のレーザープリンタ「LBP5400」(商品名)に1次転写ローラとして組込み、L/L環境下、ベタ黒・ハーフトーンで各30枚印字した。得られた画像を目視にて観察した結果から、濃度ムラを下記基準で評価した。
○:画像に濃度ムラがなく良好
×:画像に濃度ムラがあり実用不可。
【0070】
(実施例1〜5)
表1に示す配合比に基づきゴム層用のゴム組成物を密閉型二軸混練機及びオープンロールを用いて調製した後、上記1)ロール加工性を評価した。
【0071】
次いで、この組成物を押出し機からチューブ状に押出した後、加硫缶にて160℃で30分間加硫を行い、内径5mm、外径18mmのゴムチューブを作製した。得られたゴムチューブに径6mmのステンレス製の導電性芯体を挿入し、ローラ状の成形体を得た後、外径がφ16mmになるように研磨して、導電性ゴムローラを作製した。作製した導電性ゴムローラの性能を前記方法により評価した。結果を表1に示す。
【0072】
(比較例1〜6)
表2に示す配合比に基づき実施例同様、ゴム層用のゴム組成物を調製した。次いで、実施例と同様にして、導電性ゴムローラを作製した。作製した導電性ゴムローラの性能を評価した。結果を表2に示す。
【0073】
(比較例7、8)
表3に示す配合比に基づき実施例同様、ゴム層用のゴム組成物を調製した。次いで、実施例と同様にして、導電性ゴムローラを作製した。作製した導電性ゴムローラの性能を評価した。結果を表3に示す。
【0074】
実施例1〜3及び比較例1より、ゴム成分の混合比は、本発明範囲内が適している。すなわち、ゴム成分の混合比が本発明範囲外(比較例1)の場合、加工性に劣り、導電性ゴムローラの作製が不可能であった。
【0075】
実施例4、5及び比較例2〜4より、炭酸カルシウムの配合量及び全充填剤に対する配合割合は、本発明範囲内が適している。すなわち、炭酸カルシウムの配合量が本発明範囲より少ない場合(比較例2)では、発泡セルの表面凹凸が大きく画像評価において実用可能な画像が得られなかった。また、逆に、本発明範囲より多い場合(比較例3)では、抵抗ムラが大きく画像評価において実用可能な画像が得られなかった。また、全充填剤に対する配合割合が本発明範囲外の比較例4は、他の充填剤の影響を受け、発泡セルの表面凹凸が大きく画像評価において実用可能な画像が得られなかった。
【0076】
実施例3、4及び比較例5、6より、導電性ゴムローラの硬度は本発明範囲内が適している。すなわち、導電性ゴムローラの硬度が本発明範囲より低い場合(比較例5)では、圧縮永久ひずみが大きく、画像評価において実用可能な画像が得られなかった。また、導電性ゴムローラの硬度が本発明範囲より高い場合(比較例6)では、ニップ幅を十分に取ることができず、画像評価において画像不良が生じた。
【0077】
実施例3及び比較例7から9より、本発明にて用いる充填剤には炭酸カルシウムが適していることがわかる。すなわち、マイカ(比較例7)、カオリンクレー(比較例8)を用いた場合、抵抗値の環境依存性が大きかった。
【0078】
【表1】

【0079】
【表2】

【0080】
【表3】

【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の導電性ゴムローラの一例の断面図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の断面図である。
【符号の説明】
【0082】
1 導電性芯材
2 ゴム層
11 電子写真感光体(感光ドラム)
12 帯電ローラ
13 レーザ光
14 現像装置
15 トナー
16 転写ローラ
17 転写材
18 クリーニングブレード
19 廃トナー容器
20 定着装置
T 転写部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性芯材の上にゴム層を有する導電性ゴムローラにおいて、
該ゴム層が化学発泡されており、その硬さがアスカーC硬度で25度以上、45度以下であって、
該ゴム層のゴム成分が、アリルグリシジルエーテル単位を3mol%以上、10mol%以下含有するエピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体(a)10質量部以上、70質量部以下、及び、アリルグリシジルエーテル単位を3mol%以上、10mol%以下含有するエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体(b)30質量部以上、90質量部以下の混合物((a)+(b)=100質量部)であり、
該ゴム層がゴム成分100質量部に対し、充填剤として少なくとも炭酸カルシウムを40質量部以上、100質量部以下、かつ、全充填剤の70質量%以上含有すること特徴とする導電性ゴムローラ。
【請求項2】
前記エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体(b)が、エチレンオキサイド単位を20mol%以上、80mol%以下含有することを特徴とする請求項1に記載の導電性ゴムローラ。
【請求項3】
前記ゴム層の化学発泡に使用する化学発泡剤が、アゾジカルボンアミド又は4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)であることを特徴とする請求項1又は2に記載の導電性ゴムローラ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の導電性ゴムローラを、転写ローラとして備える画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−113131(P2010−113131A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−285324(P2008−285324)
【出願日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(393002634)キヤノン化成株式会社 (640)
【Fターム(参考)】