説明

導電性スポンジゴムローラ

【課題】 フルカラー用画像形成装置の中間転写ベルトの内側に用いられる一次転写ローラにおいて、環境変動が小さく、且つ中間転写ベルトへの貼り付きが軽微な導電性スポンジゴムローラを提供することである。
【解決手段】 フルカラー用画像形成装置の中間転写ベルトの内側に使用する芯金上に発泡ゴムを同芯円状に形成した一次転写ローラの導電性スポンジゴムローラであって、該スポンジゴム層のゴム主成分がアクリロニトリルブタジエンゴム(A)とエピクロルヒドリンゴム(B)であり、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド/アリルグリシジルエーテル三元共重合体(C)との質量比が0.05≦C/(A+B+C)≦0.10であり、かつ該導電性スポンジゴムローラのローラ抵抗値をRとしたときLog Rが23.0℃/55F%RH環境下で7.7〜8.2であることを特徴とする導電性スポンジゴムローラ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真プロセスを利用したフルカラー用画像形成装置において使用する導電性スポンジゴムローラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の画像形成装置の多くは、有害とされているオゾンの発生が非常に少ない接触帯電方式を採用しており、中でも耐摩耗性や転写部での転写材搬送性に優れたローラ状の部材が主流となっている。ローラ状の部材は、弾性を有する材料が用いられ像担持体である中間転写ベルトに対して確実のニップの形成を可能としている。電気抵抗値と硬度を両立できる転写ローラとして、ステンレスや鉄等の芯金上にカーボン、イオン導電性フィラー等によりその抵抗を1×10〜1×1010[Ω]とした導電性スポンジ弾性体層を形成した硬度20〜40度(ASKER−C)の弾性スポンジローラが用いられている。
【0003】
しかし、このようにして得られた導電性ゴム材料は電気抵抗が印加電圧の変化に影響を受けるため、ゴム材料中の導電性フィラーの分散状況によって抵抗値にばらつきを生じ、安定した抵抗のゴム材料を得るのは困難であった。その問題を解決する方法として、ゴム主成分としてアクリロニトリルブタジエンゴムやエピクロルヒドリンゴムを用いることが知られており(例えば特許文献1)、カーボンブラック等の導電性充填剤を添加しなくても抵抗値が1×10〜1×1010[Ω]であるため、導電性充填剤を添加する必要がなく、加工条件等による抵抗値のばらつきや印加電圧に抵抗値の変動が極めて小さく、安定した抵抗値の導電性ゴムローラを容易に作ることができる。
【0004】
しかしながら、フルカラー用画像形成装置の中間転写ベルトの内側の一次転写ローラとして用いられる抵抗値の領域は、モノクロ用画像形成装置よりもローラ抵抗値はやや低めであり、フルカラー用一次転写ローラとして用いられる抵抗値の範囲(1×107.7〜1×108.2)にローラ抵抗値を低下させようとすると、温度や湿度の環境変動により抵抗値の変動が大きく変化するため、使用環境により画像品質が変化するということが問題となっている。
【0005】
また、フルカラー用一次転写ローラの使用領域まで抵抗値を低下させる方法としてハロゲン系第4級アンモニウム塩等の導電剤を添加する方法もあるが、多量に添加すると溶剤を用いた導電剤はローラへの通電により一次転写ローラ表面に染み出して中間転写ベルトとの粘着力が生じ、駆動トルクが大きくなったり、正常な動作が出来なくなったり、粘着性によってローラ自体のゴムが剥がれて蓄積し異常画像が発生するという問題があるため好ましくない。
【0006】
この問題に対して、導電性ゴムローラ表面に離型性の良い材料をコーティングすることや、溶剤を使用していない粉状の導電剤を使用することも考えられるが、高離型性材料は一般的にコストが高く、また、粉状導電剤はローラの耐久性を低下させる知見もあり、解決策としては好ましくない。
【特許文献1】特開2002−287456号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、フルカラー用画像形成装置の中間転写ベルトの内側に用いられる一次転写ローラにおいて、環境変動が小さく、且つ中間転写ベルトへの貼り付きが軽微な導電性スポンジゴムローラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に従って、フルカラー用画像形成装置の中間転写ベルトの内側に使用する芯金上に発泡ゴムを同芯円状に形成した一次転写ローラの導電性スポンジゴムローラであって、該スポンジゴム層のゴム主成分がアクリロニトリルブタジエンゴム(A)とエピクロルヒドリンゴム(B)であり、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド/アリルグリシジルエーテル三元共重合体(C)との質量比が0.05≦C/(A+B+C)≦0.10であり、かつ該導電性スポンジゴムローラのローラ抵抗値をRとしたときLog Rが23.0℃/55F%RH環境下で7.7〜8.2であることを特徴とする導電性スポンジゴムローラが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によって環境変動が小さく、且つ中間転写ベルトへの貼り付きが軽微な導電性スポンジゴムローラを提供することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の導電性スポンジゴムローラの該スポンジゴム層において、ゴム主成分がアクリロニトリルブタジエンゴム(A)とエピクロルヒドリンゴム(B)とエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド/アリルグリシジルエーテル三元共重合体(C)の質量比が0.05≦C/(A+B+C)≦0.1であることが必須である。この範囲にすることにより環境変動が小さく、且つ中間転写ベルトへの貼り付きが軽微にすることができる。
【0011】
また、導電性スポンジゴムローラのローラ抵抗値をRとしたときLog Rが23.0℃/55F%RH環境下で7.7〜8.2であることも必須である。この範囲外であるとトナーの転写性に問題が生じ、画像がうまく転写されなくなる。
【0012】
導電性スポンジゴムローラのスポンジゴム層において使用するハロゲン系第四級アンモニウム塩は、ゴム主成分100質量部に対して0.3質量部以下であることが好ましい。これにより環境変動が小さく、且つ中間転写ベルトへの貼り付きも軽微になる。一方、0.3質量部を超える時は、第四級アンモニウム塩に起因するのブリードが多くなり中間転写ベルトへの貼り付きが強くなる。
【0013】
本発明にかかる導電性スポンジゴムローラは、以下に説明する画像形成装置により評価される。
【0014】
図2は電子写真プロセスを利用したフルカラー画像形成装置(複写機あるいはレーザービームプリンター)である。
【0015】
第1の画像担持体として繰り返し使用される回転ドラム型の電子写真感光体(以下感光ドラムと記す)1は、矢印の方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。
【0016】
感光ドラム1は回転過程で、一次帯電器2により所定の極性・電位に一様に帯電処理される。32は一次帯電器の電源であり、ここでは直流に交流を重畳して印加しているが、直流のみでもよい。次いで不図示の露光手段(フルカラー原稿画像の色分解・結像露光光学系、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザービームを出力するレーザースキャナによる走査露光系等)による露光光3を受けることにより目的のフルカラー画像の第1の色成分像(例えばイエロー色成分像)に対応した静電潜像が形成される。
【0017】
次いで、その静電潜像が第1の現像器(イエロー色現像器41)により第1色であるイエロートナーYにより現像される。この時、第2〜第4の現像器(マゼンタ色現像器42、シアン色現像器43、ブラック色現像器44)の各現像器は、作動−オフになっていて感光ドラム1には作用せず、上記第1色のイエロートナー画像は上記第2〜第4の現像器による影響を受けない。
【0018】
中間転写ベルト5は、矢印方向に感光ドラム1と同じ周速度をもって回転駆動されている。
【0019】
感光ドラム1上に形成担持された上記第1色のイエロートナー画像が、感光ドラム1と中間転写ベルト5とのニップ部を通過する過程で、一次転写ローラ6から中間転写ベルト5に印加される一次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写ベルト5の外周面に順次一次転写されていく。
【0020】
中間転写ベルト5に対応する第一色のイエロートナー画像の転写を終えた感光ドラム1の表面は、クリーニング装置13により清掃される。
【0021】
以下、同様にして第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像及び第4色のブラックトナー画像が順次中間転写ベルト5上に重ね合わせて転写され、目的のフルカラー画像に対応した合成カラートナー画像が形成される。
【0022】
二次転写ローラ7は、二次転写対向ローラ8に対応し平行に軸受させて中間転写ベルト5の下面部に離間可能な状態に配設してある。
【0023】
感光ドラム1から中間転写ベルト5への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための一次転写バイアスは、トナーとは逆極性(+)でバイアス電源30から印加される。その印加電圧は、例えば+100V〜+2kVの範囲である。
【0024】
感光ドラム1から中間転写ベルト5への第1〜第3色のトナー画像の一次転写工程において、二次転写ローラ7は中間転写ベルト5から離間させることも可能である。
【0025】
中間転写ベルト5上に転写された合成カラートナー画像を転写材Pへの転写は、二次転写ローラ7が中間転写ベルト5に当接されると共に、給紙ローラ11から転写材ガイド10を通って、中間転写ベルト5と二次転写ローラ7との当接ニップに所定のタイミングで転写材Pが給送され、二次転写バイアスが電源31から二次転写ローラ7に印加される。この二次転写バイアスにより中間転写ベルト5から第2の画像担持体である転写材Pへ合成カラートナー画像が二次転写される。この際に中間転写ベルト上の二次転写前のトナー画像の帯電を補助する装置は、本装置には付加されていない。トナー画像の転写を受けた転写材Pは、定着器15へ導入され加熱定着される。
【0026】
転写材Pへの画像転写終了後、中間転写ベルト5には離接自在に配置されたクリーニング用帯電部材9が当接され、感光ドラム1とは逆極性のバイアスを印加することにより、転写材Pに転写されずに中間転写ベルト5上に残留している転写残トナーに一次転写時と逆極性の電荷が付与される。33はバイアス電源である。ここでは、直流に交流を重畳して印加している。一次転写時と逆極性に帯電された前記転写残トナーは、感光ドラム1とのニップ部及びその近傍において感光ドラム1に静電的に転写されることにより、中間転写体がクリーニングされる。この工程は、一次転写と同時に行うことができるためスループットの低下を生じない。
【0027】
つづいて、中間転写ベルトと電子写真感光体が一体に支持されたプロセスカートリッジについて図3で説明する。プロセスカートリッジは、少なくとも中間転写ベルト5と電子写真感光体1及び一次転写手段6が一体に支持され装置本体から着脱自在に構成されていればよい。図3では更に中間転写ベルトクリーニング機構13、電子写真感光体のクリーニング機構9も一体ユニットとして付属している。中間転写ベルトのクリーニングは、前述のように転写残トナーを一次転写と逆の極性に帯電させ、一次転写部で電子写真感光体に戻すために必要な機構であり、本図では中抵抗の弾性体からなるクリーニングローラ9を装備している。電子写真感光体のクリーニングは、ブレードクリーニングである。本カートリッジには廃トナー容器も一体となっており、中間転写ベルト−電子写真感光体双方の転写残トナーもカートリッジ交換時に同時に廃棄されるため、メンテナンス性の向上に貢献している。
【0028】
また、中間転写ベルトは、駆動ローラ8とテンションローラ12の2本のローラで張架され部品点数の削減と小型化を図っている。ここで、駆動ローラ8は同時にクリーニングローラの対向ローラとなっている。中間転写ベルトに従動して回転するテンションローラ12は、スライドする機構を有しており、圧縮ばねにより矢印の方向に圧接され、中間転写ベルトに張力を与えている。そのスライド幅は1〜5mm程度で、ばねの圧力合計は5〜100N程度である。また、電子写真感光体1と駆動ローラ8は不図示のカップリングを有し、本体から回転駆動力が伝達されるようになっている。
【0029】
更に、別の画像形成装置の例を図4に示す。図4は電子写真感光体1を画像形成に必要な現像剤の数と同数具備したもので、フルカラープリントの印字スピードが飛躍的に向上する利点がある。
【0030】
図4は中間転写ベルトを使用したもので、図2と同様に電子写真感光体1に形成された可視画像は中間転写ベルト5に順次転写され、重ね合わされた後、二次転写ローラ7でトナーと逆極性のバイアスを印加され、転写材Pの上に一括転写される。中間転写ベルトに残留した現像剤は、クリーニング装置18で除去される。
【0031】
図1に示される本発明にかかる導電性スポンジゴムローラのゴム層は以下のようにして作製した。
【0032】
[ゴム層];ゴム組成物は、ゴム主成分としてアクリロニトリルブタジエンゴムとエピクロルヒドリンゴムとの混合物である。また、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤、カーボンブラック等の導電材、発泡剤、発泡助剤を混合したものである。
【0033】
押出し機(不図示)を用いてゴム組成物を押出し、未加硫のチューブ状の導電性ゴム成形物を得た後、加硫缶にて160℃で30分間加硫を行い、チューブ状の導電性ゴム成形物を作製し、φ4〜10mmの導電性芯材を前記チューブ状の導電性ゴム成形物の内径部に圧入し、ローラ状の成形体を得た。この成形体を、研磨砥石を取り付けた研磨機(不図示)により外径がφ14mmになるように研磨し、導電性スポンジゴムローラを作製した。
【実施例】
【0034】
なお、各実施例及び比較例で使用した資材は以下の通りである。
・アクリロニトリルブタジエンゴム
[ニポールDN401LL 日本ゼオン(株)社製]
・エピクロルヒドリンゴム
[ゼクロン3106 日本ゼオン(株)社製]
・エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド/アリルグリシジルエーテル三元共重合体
[Zeospan8030 日本ゼオン(株)社製]
・加硫促進剤
[2−メルカプトベンゾチアゾール;商品名 Rhenogran MBT−80 バイエル(株)社製]
[ジベンゾチアジルジスルフィド;商品名 Rhenogran MBTS−75C バイエル(株)社製]
[テトラエチルチウラムジスルフィド;商品名 Rhenogran TETD−75 バイエル(株)社製]
・加硫剤
[硫黄;商品名 Rhenogran S−80 バイエル(株)社製]
・発泡剤
[OBSH(オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド);商品名 EH−80 永和化成(株)社製]
[ADCA(アゾジカルボンアミド);商品名 HM−80A 永和化成工業(株)社製]
・発泡助剤
[尿素;商品名 HM−50U 永和化成工業(株)社製]
・その他の資材
[炭酸カルシウム;商品名 スーパーSS 丸尾カルシウム(株)社製]
[カーボン;商品名 FT旭15 旭カーボン(株)社製]
[酸化亜鉛;商品名 亜鉛華2種 ハクスイテック(株)社製]
[ステアリン酸;商品名 ルナックS 花王(株)社製]
[導電剤(第四級アンモニウム塩;商品名 アデカサイザーLV−70 旭電化工業(株)社製)
【0035】
また、転写ベルトへの貼りつき性に関する特性は以下の方法により測定した。
【0036】
<ローラ抵抗値>
ローラ抵抗値Rは、23℃/55F%RHの環境(J/J環境)下で導電性スポンジゴムローラの軸体に片側4.9Nの荷重が両軸にかかるようにし、外径φ30mmのアルミニウム製のドラムに圧着し、回転させた状態で軸体とアルミニウムドラムとの間に500kVの電圧を印加して測定した。
【0037】
<環境変動>
ローラ形状に作製したローラをL/L環境(15℃/10%RH)、H/H環境(32.5℃/80%RH)の各環境に24時間放置した後、上記のローラ抵抗値と同様にして測定し、L/L環境とH/H環境でのローラ抵抗値の変動桁を算出した。
【0038】
このとき、環境変動がL/L→H/Hで、1.45以下の場合を良好とした。また、この数値を超える環境変動の場合は、不良とした。
【0039】
<ベルト貼り付き性>
φ14mm、長さ230mmに成形、研磨した導電性スポンジゴムローラをカラーレーザープリンター(カラーレーザージェット 3500N ヒューレット・パッカード社製)を使用し、中間転写ベルト(ITB)ユニットに転写ローラをセットし、J/J環境下で転写ローラに3.5kVの電圧を印加しながら72時間の本体連続通電空回転を行った。その後、24時間の間欠空回転(1時間ごとにON→OFFの繰り返し)を行った。終了後、24時間放置した後にITBユニットを解体してベルトと転写ローラの貼り付きレベルを観察した。
【0040】
貼り付きのレベルとしては、転写ベルトに全く貼り付かなかったものをAA、軽微な粘着性があったものをA、貼り付いていたがローラの自重で転写ベルトから外れたものをB、強固の貼り付きを示したものをCとした。製品への適用可能なレベルは、AA、A、B、であり、Cのレベルは、不良である。
【0041】
以上のように評価し、環境変動と張り付きレベルのともに良い場合を、製品適合が良いとした。
【0042】
以下に本発明について実施例及び比較例を挙げて、より具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0043】
(実施例)
実施例1〜4は、該導電性スポンジゴムローラの該スポンジゴム層におけるゴム主成分がアクリロニトリルブタジエンゴム(A)とエピクロルヒドリンゴム(B)とエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド/アリルグリシジルエーテル三元共重合体(C)の質量比が0.05≦C/(A+B+C)≦0.1の範囲内にあり、且つ添加するハロゲン系第四級アンモニウム塩はゴム主成分100質量部に対して0.3質量部以下であれば、環境変動が小さく、且つ中間転写ベルトへの貼り付きも軽微であることを示す事例である。結果を表1に示す。
【0044】
(比較例)
それに対し比較例1〜3は、該導電性スポンジゴムローラの該スポンジゴム層におけるゴム主成分がアクリロニトリルブタジエンゴム(A)とエピクロルヒドリンゴム(B)とエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド/アリルグリシジルエーテル三元共重合体(C)の質量比がC/(A+B+C)<0.05及び0.1<C/(A+B+C)の範囲である場合は環境変動は大きくなり、更に、比較例1−4については0.1<C/(A+B+C)の場合にエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド/アリルグリシジルエーテル三元共重合体の低分子量成分のブリードが多くなり中間転写ベルトへの貼り付きが強くなってしまうことを示す事例である。また、比較例4〜5は添加するハロゲン系第四級アンモニウム塩がゴム主成分100質量部に対して0.3質量部を超える時、第四級アンモニウム塩に起因するのブリードが多くなり中間転写ベルトへの貼り付きが強くなることを示す事例である。結果を表2に示す。
【0045】
また、Log Rが7.7〜8.2の範囲外について比較例には示していないが、前記範囲外であるとトナーの転写性に問題が生じ、画像がうまく転写されない。
【0046】
【表1】

【0047】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係る導電性スポンジローラの全体断面図である。
【図2】本発明に係る導電性スポンジゴムローラを用いたフルカラー画像形成装置の概略構成図である。
【図3】本発明に係る導電性スポンジゴムローラを有するプロセスカートリッジの概略構成図である。
【図4】本発明に係る導電性スポンジゴムローラを用いた別のフルカラー画像形成装置の概略構成図である。
【符号の説明】
【0049】
1 感光ドラム
2 一次帯電器
3 露光光
5 中間転写ベルト
6 一次転写ローラ
7 二次転写ローラ
8 二次転写対向ローラ
9 クリーニング用帯電部材
10 転写材ガイド
11 給紙ローラ
12 テンションローラ
13 クリーニング装置
15 定着器
18 クリーニング装置
30、31、33 バイアス電源
32 一次帯電器電源
41 イエロー色現像装置
42 マゼンタ色現像装置
43 シアン色現像装置
44 ブラック色現像装置
61 芯金
62 弾性層
P 転写材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フルカラー用画像形成装置の中間転写ベルトの内側に使用する芯金上に発泡ゴムを同芯円状に形成した一次転写ローラの導電性スポンジゴムローラであって、該スポンジゴム層のゴム主成分がアクリロニトリルブタジエンゴム(A)とエピクロルヒドリンゴム(B)であり、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド/アリルグリシジルエーテル三元共重合体(C)との質量比が0.05≦C/(A+B+C)≦0.10であり、かつ該導電性スポンジゴムローラのローラ抵抗値をRとしたときLog Rが23.0℃/55F%RH環境下で7.7〜8.2であることを特徴とする導電性スポンジゴムローラ。
【請求項2】
前記導電性スポンジゴムローラの前記スポンジゴム層において使用するハロゲン系第四級アンモニウム塩は、ゴム主成分100質量部に対して0.3質量部以下である請求項1に記載の導電性スポンジゴムローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−64957(P2006−64957A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−246798(P2004−246798)
【出願日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(393002634)キヤノン化成株式会社 (640)
【Fターム(参考)】