説明

導電性ポリマー複合体

本発明は、少なくとも1つのドープした導電性ポリマーを含む第1層と、コロイド形成ポリマー酸、コロイド形成ポリマー酸の塩、非ポリマーフッ素化有機酸、および非ポリマーフッ素化有機酸の塩から選択される少なくとも1つの物質を含む第2層とを含有する導電性ポリマー複合体に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの導電性ポリマーを含む第1層と、コロイド形成ポリマー酸、コロイド形成ポリマー酸の塩、非ポリマーフッ素化有機酸、および非ポリマーフッ素化有機酸の塩から選択される物質を含む第2層とを含有する導電性複合体に関する。
【背景技術】
【0002】
導電性ポリマーは、発光ディスプレイでの使用のためのエレクトロルミネセンス(「EL」)デバイスの開発においてなど、様々な有機電子デバイスで使用されてきた、導電性ポリマーを含有する有機発光ダイオード(OLED)などのELデバイスに関して、かかるデバイスは一般に次の構造を有する。
陽極/バッファー層/EL材料/陰極
【0003】
陽極は典型的には、透明であり、かつ、例えば、酸化インジウム/スズ(ITO)などのEL材料へ正孔を注入する能力を有する任意の材料である。陽極は任意選択的にガラスまたはプラスチック基材上に支持される。EL材料には、蛍光染料、蛍光およびリン光性金属錯体、共役ポリマー、ならびにそれらの混合物が含まれる。陰極は典型的には、EL材料へ電子を注入する能力を有する任意の材料(例えば、CaまたはBaなど)である。
【0004】
バッファー層は典型的には導電性ポリマーであり、陽極からEL材料層への正孔の注入を容易にする。バッファー層はまた、正孔−注入層、正孔輸送層と呼ばれることがある。バッファー層として用いられる典型的な導電性ポリマーには、ポリアニリン(「PAni」)およびポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(「PEDT」))などのポリジオキシチオフェンが含まれる。これらの材料は、例えば、米国特許公報(特許文献1)および(特許文献2)に記載されているように、ポリ(スチレンスルホン酸)(PSSA)、またはポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸)(「PAAMPSA」)などの、水溶性ポリマー酸の存在下に水溶液でアニリンまたはジオキシチオフェンモノマーを重合させることによって製造することができる。周知のPEDT/PSS材料は、エッチ・シー・スタルクGmbH(独国レーベルクーセン)(H.C.Starck,GmbH(Leverkusen,Germany))から商業的に入手可能なバイトロン(Baytron)(登録商標)−Pである。
【0005】
電子デバイス用の改善された導電性ポリマー層に対するニーズがある。
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,300,575号明細書
【特許文献2】PCT出願国際公開第02/065484号パンフレット
【特許文献3】米国特許第5,798,170号明細書
【特許文献4】欧州特許出願第1 026 152 A1号明細書
【特許文献5】米国特許第3,282,875号明細書
【特許文献6】米国特許第4,358,545号明細書
【特許文献7】米国特許第4,940,525号明細書
【特許文献8】米国特許第4,433,082号明細書
【特許文献9】米国特許第6,150,426号明細書
【特許文献10】国際公開第03/006537号パンフレット
【特許文献11】PCT出願国際公開第02/02714号パンフレット
【特許文献12】米国特許出願公開第2001/0019782号明細書
【特許文献13】欧州特許第1191612号明細書
【特許文献14】国際公開第02/15645号パンフレット
【特許文献15】欧州特許第1191614号明細書
【特許文献16】米国特許第6,303,238号明細書
【特許文献17】PCT出願国際公開第00/70655号パンフレット
【特許文献18】PCT出願国際公開第01/41512号パンフレット
【非特許文献1】CRC化学および物理学ハンドブック(CRC Handbook of Chemistry and Physics)、81版、2000年
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
少なくとも1つのドープした導電性ポリマーを含む第1層と、コロイド形成ポリマー酸、コロイド形成ポリマー酸の塩、非ポリマーフッ素化有機酸、および非ポリマーフッ素化有機酸の塩から選択される物質を含む第2層とを含有する新規複合体が提供される。
【0008】
本新規複合体の製造方法が提供される。
【0009】
本新規複合体を含む少なくとも1つの層を含む電子デバイスおよび用途が提供される。
【0010】
前述の概要および次の詳細な説明は、添付の特許請求の範囲に定義されるように、本発明について模範的で説明的なものであるにすぎず、本発明を限定するものではない。
【0011】
本発明は一例として例示され、添付図に限定されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
一実施形態では、少なくとも1つの導電性ポリマーを含む第1層と、コロイド形成ポリマー酸、コロイド形成ポリマー酸の塩、非ポリマーフッ素化有機酸、および非ポリマーフッ素化有機酸の塩から選択される物質を含む第2層とを含有する複合体が提供される。
【0013】
本明細書で用いるところでは、用語「複合体」は2つ以上の層でできた構造体を意味する。用語「層」は用語「フィルム」と同義的に用いられ、所望の区域をカバーするコーティングを意味する。該区域は、全体デバイスほどに大きいもしくは実際の目に見えるディスプレイのような特定の機能区域ほどに小さい、または単一サブピクセルほどに小さいものであることができる。フィルムは、蒸着および液着をはじめとする、任意の通常の沈着技術によって形成することができる。典型的な液着技術には、スピンコーティング、グラビアコーティング、カーテンコーティング、浸漬コーティング、スロット−ダイコーティング、スプレーコーティング、および連続ノズルコーティングのような連続沈着技術、ならびにインクジェット印刷、グラビア印刷、およびスクリーン印刷のような不連続沈着技術が含まれるが、それらに限定されない。本明細書で用いるところでは、用語「コロイド」は、連続液体媒体中に懸濁された微粒子であって、ナノメートル−スケールの粒度を有する微粒子を意味する。本明細書で用いるところでは、用語「コロイド形成」は、液体媒体に分散された時に微粒子を形成する物質を意味する、すなわち、「コロイド形成」ポリマー酸は、使用される特定の液体媒体に可溶ではない。本明細書で用いるところでは、用語「フッ素化有機酸」は、少なくとも1つの酸基と炭素原子に結合した少なくとも1つのフッ素とを有する有機化合物を意味する。該用語は部分フッ素化および過フッ素化物質を包含する。
【0014】
本新規複合体の第1層に好適な導電性ポリマーはホモポリマーであることができ、またはそれらは2つ以上のそれぞれのモノマーの共重合体であることができる。本複合体は、1つまたは複数の異なる導電性ポリマーをさらに含んでもよい。一実施形態では、導電性ポリマーはポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、およびそれらの組合せから選択される。
【0015】
本新規複合体での使用を考慮されるポリチオフェンは下の式I
【0016】
【化1】

【0017】
(式中、
は各存在で同じまたは異なるものであるように独立して選択され、水素、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルチオ、アリールオキシ、アルキルチオアルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリール、アルキルスルフィニル、アルコキシアルキル、アルキルスルホニル、アリールチオ、アリールスルフィニル、アルコキシカルボニル、アリールスルホニル、アクリル酸、リン酸、ホスホン酸、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、エポキシ、シラン、シロキサン、アルコール、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、アミドスルホネート、エーテルカルボキシレート、エーテルスルホネート、およびウレタンから選択され、または両方のR基は一緒になって、その環が任意選択的に1つまたは複数の二価の窒素、硫黄もしくは酸素原子を含んでもよい3、4、5、6、もしくは7員環の芳香族もしくは脂環式環を完成するアルキレンもしくはアルケニレン鎖を形成してもよく、
nは少なくとも約4である)
を含む。
【0018】
本明細書で用いるところでは、用語「アルキル」は脂肪族炭化水素に由来する基を意味し、非置換または置換であってもよい線状、分岐および環式基を含む。用語「ヘテロアルキル」は、アルキル基内の炭素原子の1つまたは複数が窒素、酸素、硫黄などの別の原子によって置換されたアルキル基を意味することを意図される。用語「アルキレン」は2ポイントの結合を有するアルキル基を意味する。
【0019】
本明細書で用いるところでは、用語「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する脂肪族炭化水素に由来する基を意味し、非置換または置換であってもよい線状、分岐および環式基を含む。用語「ヘテロアルケニル」は、アルケニル基内の炭素原子の1つまたは複数が窒素、酸素、硫黄などの別の原子によって置換されたアルケニル基を意味することを意図される。用語「アルケニレン」は2ポイントの結合を有するアルケニル基を意味する。
【0020】
本明細書で用いるところでは、置換基についての次の用語は、下に与えられる式を意味する。
「アルコール」 −R−OH
「アミドスルホネート」 −R−C(O)N(R)R−SO
「ベンジル」 −CH−C
「カルボキシレート」 −R−C(O)O−Z
「エーテル」 −R−O−R
「エーテルカルボキシレート」 −R−O−R−C(O)O−Z
「エーテルスルホネート」 −R−O−R−SO
「ウレタン」 −R−O−C(O)−N(R
ここで、すべての「R」基は各存在で同じまたは異なるものであり、
そして、
は単結合またはアルキレン基であり、
はアルキレン基であり、
はアルキル基であり、
は水素またはアルキル基であり、
ZはH、アルカリ金属、アルカリ土類金属、N(RまたはRであり、
上の基のいかなるものもさらに非置換または置換であってもよく、いかなる基も、過フッ素化基をはじめとして、フッ素が1つまたは複数の水素に置換していてもよい。
【0021】
一実施形態では、ポリチオフェンで両方のRは一緒になって−O−(CHY)−O−(ここで、mは2または3であり、Yは各存在で同じまたは異なるものであり、水素、アルキル、アルコール、アミドスルホネート、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、エーテルカルボキシレート、アミドスルホネート、エーテルスルホネート、およびウレタンから選択される。一実施形態では、すべてのYは水素である。一実施形態では、ポリチオフェンはポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である。一実施形態では、少なくとも1つのY基は水素ではない。一実施形態では、少なくとも1つのY基はフッ素が少なくとも1つの水素に置換した置換基である。一実施形態では、少なくとも1つのY基は過フッ素化されている)を形成する。
【0022】
本新規複合体での使用を考慮されるポリピロールは下の式II
【0023】
【化2】

【0024】
(ここで式IIにおいて、
nは少なくとも約4であり、
は各存在で同じまたは異なるものであるように独立して選択され、水素、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルチオ、アリールオキシ、アルキルチオアルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリール、アルキルスルフィニル、アルコキシアルキル、アルキルスルホニル、アリールチオ、アリールスルフィニル、アルコキシカルボニル、アリールスルホニル、アクリル酸、リン酸、ホスホン酸、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、エポキシ、シラン、シロキサン、アルコール、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、エーテルカルボキシレート、アミドスルホネート、エーテルスルホネート、およびウレタンから選択され、または両方のR基は一緒になって、その環が任意選択的に1つまたは複数の二価の窒素、硫黄もしくは酸素原子を含んでもよい3、4、5、6、もしくは7員環の芳香族もしくは脂環式環を完成するアルキレンもしくはアルケニレン鎖を形成してもよく、
は各存在で同じまたは異なるものであるように独立して選択され、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アルカノイル、アルキルチオアルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アミノ、エポキシ、シラン、シロキサン、アルコール、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、アミドスルホネート、エーテルカルボキシレート、エーテルスルホネート、およびウレタンから選択される)
を含む。
【0025】
一実施形態では、Rは各存在で同じまたは異なるものであり、水素、アルキル、アルケニル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルコール、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、アミドスルホネート、エーテルカルボキシレート、エーテルスルホネート、ウレタン、エポキシ、シラン、シロキサン、および1つまたは複数のスルホン酸、カルボン酸、アクリル酸、リン酸、ホスホン酸、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、エポキシ、シラン、またはシロキサン部分で置換されたアルキルから独立して選択される。
【0026】
一実施形態では、Rは水素、アルキル、および1つまたは複数のスルホン酸、カルボン酸、アクリル酸、リン酸、ホスホン酸、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、エポキシ、シラン、またはシロキサン部分で置換されたアルキルから選択される。
【0027】
一実施形態では、ポリピロールは非置換であり、RおよびRの両方とも水素である。
【0028】
一実施形態では、両方のRは一緒になって、アルキル、ヘテロアルキル、アルコール、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、エーテルカルボキシレート、アミドスルホネート、エーテルスルホネート、およびウレタンから選択される基でさらに置換されている、6または7員環の脂環式環を形成する。これらの基はモノマーおよび生じたポリマーの溶解性を向上させることができる。一実施形態では、両方のRは一緒になって、アルキル基でさらに置換されている、6または7員環の脂環式環を形成する。一実施形態では、両方のRは一緒になって、少なくとも1個の炭素原子を有するアルキル基でさらに置換されている、6または7員環の脂環式環を形成する。
【0029】
一実施形態では、両方のRは一緒になって−O−(CHY)−O−(ここで、mは2または3であり、Yは各存在で同じまたは異なるものであり、水素、アルキル、アルコール、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、エーテルカルボキシレート、アミドスルホネート、エーテルスルホネート、およびウレタンから選択される。一実施形態では、少なくとも1つのY基は水素ではない。一実施形態では、少なくとも1つのY基は、フッ素が少なくとも1つの水素に置換した置換基である。一実施形態では、少なくとも1つのY基は過フッ素化されている)を形成する。
【0030】
本新規複合体での使用を考慮されるポリアニリンは下の式IIIまたは式IV
【0031】
【化3】

【0032】
(式中、
nは少なくとも約4であり、
pは0〜4の整数であり、
mは1〜5の整数であり、ただし、p+m=5であり、および
は各存在で同じまたは異なるものであるように独立して選択され、アルキル、アルケニル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルカノイル、アルキルチオ、アリールオキシ、アルキルチオアルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリール、アルキルスルフィニル、アルコキシアルキル、アルキルスルホニル、アリールチオ、アリールスルフィニル、アルコキシカルボニル、アリールスルホニル、カルボン酸、ハロゲン、シアノ、または1つまたは複数のスルホン酸、カルボン酸、ハロ、ニトロ、シアノもしくはエポキシ部分で置換されたアルキルから選択され、または任意の2つのR基は一緒になって、その環が任意選択的に1つまたは複数の二価の窒素、硫黄もしくは酸素原子を含んでもよい3、4、5、6、もしくは7員環の芳香族もしくは脂環式環を完成するアルキレンもしくはアルケニレン鎖を形成してもよい)
を含む。
【0033】
一実施形態では、ポリアニリンは非置換であり、p=0である。
【0034】
チオフェン、ピロール、およびアニリン・ポリマーの合成はよく知られており、広範囲にわたって記載されてきた。チオフェンモノマーの重合は、例えば、米国特許公報(特許文献1)に記載された。アニリンモノマーの重合は、例えば、米国特許公報(特許文献3)に記載された。
【0035】
一実施形態では、導電性ポリマーは、可溶性酸の存在下に、導電性ポリマーを形成するためのモノマーの酸化重合によって製造される。該酸はポリマー酸または非ポリマー酸であることができる。重合は一般に均一溶液で実施される。一実施形態では、重合は均一水性溶液で実施される。別の実施形態では、導電性ポリマーを得るための重合は、水および有機溶媒のエマルジョンで実施される。一般に、幾らかの水が、酸化剤および/または触媒の十分な溶解度を得るために存在する。過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムなどのような酸化剤を使用することができる。塩化第二鉄、または硫酸第二鉄のような触媒もまた存在してもよい。生じた重合生成物は、ドープした導電性ポリマーの溶液、分散系、またはエマルジョンであろう。ポリピロールと非ポリマー有機酸アニオンとの水性分散系はシグマ−アルドリッチ(ミズーリ州セントルイス)(Sigma−Aldrich(St.Louis,MO))から商業的に入手可能である。ポリ(2,3−エチレンジオキシチオフェン)/PSSAの水性分散系はエッチ.シー.スタルク有限責任会社(独国レーベルクーセン)(H.C.Starck,GmbH(Leverkusen,Germany))から商業的に入手可能である。ドープしたポリアニリンの水性および非水性分散系、およびドープしたポリアニリン固形分はコビオン・オーガニック・セミコンダクターズ有限責任会社(独国フランクフルト)(Covion Organic Semiconductors GmbH(Frankfurt,Germany))またはオルメコン(独国アムベルスベック)(Ormecon(Ambersbek,Germany))から商業的に入手可能である。
【0036】
導電性ポリマーは少なくとも1つのアニオンでドープされる。本明細書で用いるところでは、用語「ドープされる」は、アニオン上の負電荷が導電性ポリマー上の正電荷とバランスしているイオン対の形成を意味する。アニオンは「ドーパント」と言われる。
【0037】
酸化重合によって形成されたポリチオフェンおよびポリピロール・ポリマーは正に帯電している。ポリアニリンの導電性形では、少なくとも幾つかの窒素はプロトン化されており、その結果それはまた正に帯電している。正電荷は、ドーパントの負電荷でバランスしている。一実施形態では、ドーパントは有機アニオンである。一実施形態では、ドーパントは有機酸アニオンである。有機酸はポリマーまたは非ポリマーであることができる。酸は、導電性ポリマーのための重合媒体に可溶であるように選択され、従って、水溶性または有機溶媒に可溶であることができる。酸アニオンは、スルホネート、カルボキシレート、ホスフェート、ホスホネート、アクリレートおよびそれらの混合物から選択することができる。一実施形態では、酸はスルホン酸である。一実施形態では、酸は水溶性酸または非ポリマー有機酸から選択される有機可溶性酸、水溶性ポリマー酸、およびそれらの組合せである。
【0038】
ポリマー有機酸の例には、ポリ(スチレンスルホン酸)(PSSA)、およびポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸)(「PAAMPSA」)が挙げられるが、それらに限定されない。対応する酸アニオンはスルホネート、「PSS」および「PAAMPS」である。好適な非ポリマー酸の例には、酢酸、p−トルエンスルホン酸。カンファースルホン酸、p−ドデシルベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などが挙げられるが、それらに限定されない。対応する酸アニオンは、アセテート、p−トルエンスルホネート、カンファースルホネート、p−ドデシルベンゼンスルホネート、メタンスルホネート、およびトリフルオロメタンスルホネートである。酸アニオンの混合物を使用することができる。
【0039】
正に帯電した導電性ポリマーとアニオンとの組合せは、本明細書では以下「ドープした導電性ポリマー」と言われる。
【0040】
一実施形態では、本新規複合体の第2層は、本明細書では以下まとめて「コロイド形成ポリマー酸/塩」と言われる、コロイド形成ポリマー酸または該酸の塩を含む。該塩は、アルカリまたは水酸化アンモニウムの添加のような、公知の方法によって酸から形成することができる。コロイド形成ポリマー酸/塩は、酸に関して下に説明されるが、それに限定されない。
【0041】
本新規複合体の第2層での使用を考慮されるコロイド形成ポリマー酸/塩は、液体媒体に不溶性であり、液体媒体へ分散された時にコロイドを形成する。ポリマー酸は典型的には約10,000〜約4,000,000の範囲の分子量を有する。
【0042】
一実施形態では、ポリマー酸は約100,000〜約2,000,000の分子量を有する。ポリマー酸コロイド粒度は典型的には約2ナノメートル(nm)〜約140nmの範囲である。一実施形態では、コロイドは約2nm〜約30nmの粒度を有する。
【0043】
液体媒体に分散された時にコロイドを形成するいかなるポリマー酸も、本新規複合体を製造するための使用に好適である。一実施形態では、コロイド形成ポリマー酸は、ポリマースルホン酸、ポリマーリン酸、ポリマーホスホン酸、ポリマーカルボン酸、およびポリマーアクリル酸、ならびにそれらの混合物から選択される少なくとも1つのポリマー酸を含む。別の実施形態では、ポリマースルホン酸はフッ素化されている。さらに別の実施形態では、コロイド形成ポリマースルホン酸は過フッ素化されている。さらに別の実施形態では、コロイド形成ポリマースルホン酸はパーフルオロアルキレンスルホン酸を含む。
【0044】
さらに別の実施形態では、コロイド形成ポリマー酸は、高度にフッ素化されたスルホン酸ポリマー(「FSAポリマー」)を含む。「高度にフッ素化された」は、ポリマー中のハロゲンおよび水素原子の総数の少なくとも約50%、一実施形態では少なくとも約75%、そして別の実施形態では少なくとも約90%がフッ素原子であることを意味する。一実施形態では、ポリマーは過フッ素化されている。用語「スルホネート官能基」は、スルホン酸基かスルホン酸基の塩かのどちらか、そして一実施形態では、アルカリ金属塩またはアンモニウム塩を意味する。官能基は式−SOX(ここで、Xは「対イオン」としても知られるカチオンである)で表される。XはH、Li、Na、KまたはN(R)(R)(R)(R)であってもよく、R、R、R、およびRは同じまたは異なるものであり、一実施形態ではH、CHまたはCである。別の実施形態では、XはHであり、そのケースではポリマーは「酸形」にあると言われる。Xはまた、Ca++およびAl+++などのイオンで表されるような多価であってもよい。一般にMn+で表される多価対イオンのケースでは、対イオン当たりのスルホネート官能基の数は価数「n」に等しいであろうことは当業者には明らかである。
【0045】
一実施形態では、FSAポリマーは、主鎖に結合した繰り返し側鎖であって、カチオン交換基を有する側鎖を持ったポリマー主鎖を含む。ポリマーには、ホモポリマーまたは2つ以上のモノマーのコポリマーが含まれる。コポリマーは典型的には、非官能性モノマーと、カチオン交換基または後でスルホネート官能基に加水分解することができるその前駆体、例えば、スルホニルフルオリド基(−SOF)を有する第2モノマーとから形成される。例えば、第1フッ素化ビニルモノマーとスルホニルフルオリド基(−SOF)を有する第2フッ素化ビニルモノマーとのコポリマーを使用することができる。可能な第1モノマーには、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、およびそれらの組合せが含まれる。TFEが好ましい第1モノマーである。
【0046】
他の実施形態では、1つの他のモノマーには、スルホネート官能基またはポリマー中に所望の側鎖を提供することができる前駆体基を持ったフッ素化ビニルエーテルが含まれる。エチレン、プロピレン、およびR−CH=CH(ここで、Rは1〜10個の炭素原子の過フッ素化アルキル基である)をはじめとする追加のモノマーを、必要ならばこれらのポリマー中へ組み込むことができる。ポリマーは、ポリマー鎖に沿ったモノマー単位の分布がそれらの相対的濃度および相対的反応性に従うように、コモノマーの相対的濃度ができるだけ一定に保たれる重合によって製造されたコポリマーである、ランダムコポリマーと本明細書で言われるタイプのものであってもよい。重合の過程でモノマーの相対的濃度を変えることによって製造された、それほどランダムでないコポリマーもまた使用されてもよい。(特許文献4)に開示されているものなどの、ブロックコポリマーと呼ばれるタイプのポリマーもまた使用されてもよい。
【0047】
一実施形態では、本新規複合体での使用のためのFSAポリマーは、高度にフッ素化された、そして一実施形態では過フッ素化された炭素主鎖と式
−(O−CFCFR−O−CFCFR’SO
(式中、RおよびR’は独立してF、Clまたは1〜10個の炭素原子を有する過フッ素化アルキル基から選択され、a=0、1または2であり、XはH、Li、Na、KまたはN(R)(R)(R)(R)であり、R、R、R、およびRは同じまたは異なるものであり、一実施形態ではH、CHまたはCである。別の実施形態では、XはHである。上に述べられたように、Xはまた多価であってもよい)
で表される側鎖とを含む。
【0048】
一実施形態では、FSAポリマーには、例えば、米国特許公報(特許文献4)にならびに米国特許公報(特許文献5)および米国特許公報(特許文献6)に開示されているポリマーが含まれる。好ましいFSAポリマーの例は、パーフルオロカーボン主鎖と式
−O−CFCF(CF)−O−CFCFSO
(ここで、Xは上に定義されたようなものである)
で表される側鎖とを含む。このタイプのFSAポリマーは米国特許公報(特許文献5)に開示されており、テトラフルオロエチレン(TFE)と過フッ素化ビニルエーテルCF=CF−O−CFCF(CF)−O−CFCFSOF、パーフルオロ(3,6−ジオキサ−4−メチル−7−オクテンスルホニルフルオリド)(PDMOF)との共重合、引き続くスルホニルフルオリド基の加水分解によるスルホネート基への変換およびそれらを所望のイオン形へ変換するために必要に応じてイオン交換によって製造することができる。米国特許公報(特許文献6)および米国特許公報(特許文献7)に開示されているタイプのポリマーの例は、側鎖−O−CFCFSOX(式中、Xは上に定義されたようなものである)を有する。このポリマーは、テトラフルオロエチレン(TFE)と過フッ素化ビニルエーテルCF=CF−O−CFCFSOF、パーフルオロ(3−オキサ−4−ペンテンスルホニルフルオリド)(POPF)との共重合、引き続く加水分解および必要に応じてさらなるイオン交換によって製造することができる。
【0049】
一実施形態では、本新規複合体での使用のためのFSAポリマーは典型的には約33未満のイオン交換比を有する。本出願では、「イオン交換比」または「IXR」は、カチオン交換基に対するポリマー主鎖中の炭素原子の数と定義される。約33未満の範囲内で、IXRは特定の用途向けに要望通り変えることができる。一実施形態では、IXRは約3〜約33であり、別の実施形態では、約8〜約23である。
【0050】
ポリマーのカチオン交換容量はしばしば当量(EW)で表される。本出願の目的のためには、当量(EW)は、1当量の水酸化ナトリウムを中和するために必要とされる酸形のポリマーの重量であると定義される。ポリマーがパーフルオロカーボン主鎖を有し、そして側鎖が−O−CF−CF(CF)−O−CF−CF−SOH(またはその塩)であるスルホネートポリマーのケースでは、約8〜約23のIXRに対応する当量範囲は約750EW〜約1500EWである。このポリマーについてのIXRは、式:50IXR+344=EWを用いて当量と関係づけることができる。同じIXR範囲が米国特許公報(特許文献6)および米国特許公報(特許文献7)に開示されているスルホネートポリマー、例えば、側鎖−O−CFCFSOH(またはその塩)を有するポリマーについて用いられるが、カチオン交換基を含有するモノマー単位のより低い分子量のために当量は幾分より低い。約8〜約23の好ましいIXR範囲について、対応する当量範囲は約575EW〜約1325EWである。このポリマーについてのIXRは、式:50IXR+178=EWを用いて当量と関係づけることができる。
【0051】
FSAポリマーの合成はよく知られている。FSAポリマーは、コロイド状水性分散物として製造することができる。それらはまた他の媒体中の分散物の形にあってもよく、その例には、アルコール、テトラヒドロフランなどの水混和性液体、水溶性エーテルの混合物、およびそれらの組合せが挙げられるが、それらに限定されない。本新規複合体を製造する時に、ポリマーは酸形で使用することができる。一実施形態では、水性FSA分散物中の水は、導電性ポリマーとの組合せの前または後に除去される。米国特許公報(特許文献8)、米国特許公報(特許文献9)および(特許文献10)は水性分散物の製造方法を開示している。分散物が製造された後に、濃度および分散液体組成を当該技術で公知の方法によって調整することができる。
【0052】
一実施形態では、FSAポリマーをはじめとするコロイド形成ポリマー酸の水性分散物は、安定なコロイドが形成される限り、できるだけ小さい粒度とできるだけ小さいEWとを有する。
【0053】
FSAポリマーの水性分散物および非水性分散物は、本願特許出願人から商標ナフィオン(Nafion)(登録商標)で商業的に入手可能である。FSAポリマーの分散性固形分は、米国特許公報(特許文献9)に記載されているように、FSA組成物の凝集温度未満の温度で液体媒体を除去することによって、水性または非水性分散物から調製することができる。「凝集温度」とは、FSAポリマーの乾燥固体が水または他の極性溶媒に再分散できない安定な固体に硬化する温度を意味する。典型的な凝集温度は約175℃であることができる。液体媒体の除去方法には、約100℃未満の温度への加熱、凍結乾燥、および噴霧乾燥が含まれるが、それらに限定されない。
【0054】
一実施形態では、本新規複合体の第2層は、本明細書では以下まとめて「非ポリマーフッ素化有機酸/塩」と言われる、非ポリマーフッ素化有機酸または該酸の塩を含む。該塩は、アルカリまたは水酸化アンモニウムの添加のような、公知の方法によって酸から形成することができる。非ポリマーフッ素化有機酸/塩は、酸に関して下に説明されるが、それに限定されない。
【0055】
本新規複合体の第2層での使用を考慮される非ポリマーフッ素化有機酸/塩は、水性または非水性液体媒体に可溶性または分散性であることができる。一実施形態では、非ポリマーフッ素化有機酸は、非ポリマーフッ素化スルホン酸、非ポリマーフッ素化リン酸、非ポリマーフッ素化ホスホン酸、非ポリマーフッ素化カルボン酸、非ポリマーフッ素化アクリル酸、およびそれらの混合物から選択される。一実施形態では、非ポリマーフッ素化有機酸は高度にフッ素化されている。用語「高度にフッ素化されている」は、炭素原子に結合した水素の少なくとも50%がフッ素で置換されたことを意味することを意図される。一実施形態では、非ポリマーフッ素化有機酸は過フッ素化されている。一実施形態では、非ポリマーフッ素化有機酸はフルオロエーテル有機酸、フルオロアミド有機酸、またはフルオロアミドエーテル有機酸である。一実施形態では、非ポリマーフッ素化有機酸は過フッ素化されている。
【0056】
本明細書で用いるところでは、次の用語は下に与えられる式を意味する。
エーテル有機酸 R−O−R−Q
アミド有機酸 R−C(O)N(R)R−Q
アミドエーテル有機酸 R−C(O)N(R)R−O−R−Q
ここで、R、R、Rは上に定義された通りであり、Qは酸基または酸塩基である。本明細書で用いるところでは、接頭辞「フルオロ」は、少なくとも1つの水素がフッ素で置換されたことを意味することを意図される。該用語には、部分フッ素化および過フッ素化されているが含まれる。一実施形態では、Qは−SOZ、−COZ、−POZ(ここで、Zは上に定義された通りである)から選択される。
【0057】
一実施形態では、非ポリマーフッ素化有機酸/塩は式V
−(O−CFCFR−O−CFCFR’SOX (V)
(式中、Rはフルオロアルキル基であり、RおよびR’は独立してF、Clまたは1〜10個の炭素原子を有する過フッ素化アルキル基から選択され、a=0、1または2であり、XはH、金属カチオン、およびN(R1)(R2)(R3)(R4)から選択され、R1、R2、R3、およびR4は同じまたは異なるものであり、Hおよびアルキルから選択される)
を有するフルオロエーテルスルホン酸/塩である。一実施形態では、R1、R2、R3、およびR4はCHおよびCから選択される。別の実施形態ではXはHである。上述のように、Xはまた多価であってもよい。一実施形態では、Rは過フッ素化アルキル基である。一実施形態では、Rはジフルオロメチルおよび1,1,2,2−テトラフルオロエチルから選択される。
【0058】
式Vを有するフルオロエーテルスルホン酸の例には、2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−(パーフルオロエトキシ)プロパン−2−イルオキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(パーフルオロエトキシ)エタンスルホン酸、および2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸が挙げられるが、それらに限定されない。
【0059】
フルオロエーテルスルホン酸は、相当するスルホニルフルオリドから加水分解してスルホン酸を形成することによって製造することができる。スルホニルフルオリドは公知の合成手順に従って製造することができる。該酸はまた、アルカリ金属塩に変換することもできる。
【0060】
本新規複合体の一実施形態では、第1層は、第1層の少なくとも一部が第2層の少なくとも一部と物理的に接触するように第2層にじかに隣接している。一実施形態では、1つまたは複数の追加の層が第1層と第2層との間に置かれる。
【0061】
第1層は、上に議論されたような、任意の公知の液着技術を用いて形成することができる。一実施形態では、第1層は水性液体媒体から液着によって形成される。ほとんどの導電性ポリマーは、水性分散系として容易に形成することができ、商業的に入手可能である。
【0062】
本明細書で用いるところでは、用語「液体媒体」は、純液体、液体の混合物、液体溶液、液体分散系、または液体エマルジョンを意味する。本明細書で用いるところでは、用語「分散系」は、微粒子の懸濁を含有する液体を意味する。液体は水性または非水性であることができる。本明細書で用いるところでは、用語「水性」は、水が液体のかなりの部分を形成する液体媒体を意味し、用語「非水性」は、有機液体が液体のかなりの部分を形成する液体媒体を意味する。一実施形態では、水性液体媒体は、液体の総重量を基準にして約40重量%より多い水を含有し、非水性液体媒体は、液体の総重量を基準にして少なくとも約60重量%の有機液体を含有する。有機液体は1つまたは複数の有機化合物を含んでもよい。
【0063】
一実施形態では、第1層は、非水性液体媒体から液着によって形成される。導電性ポリマーの非水性分散系は、ドープした導電性ポリマー固形分を非水性液体媒体に分散させることによって得ることができる。ドープした導電性ポリマー固形分は、ドープした導電性ポリマーの溶液、分散系またはエマルジョンから任意の通常の技術によって得ることができる。かかる技術には、蒸発乾燥、噴霧乾燥、フラッシュ乾燥、遠心分離、非溶媒による沈澱引き続く濾過、凍結乾燥などが含まれるが、それらに限定されない。一実施形態では、固形分は、有機液体への分散を容易にするために部分乾燥されるにすぎない。好適な有機液体の例には、エーテル、環式エーテル、アルコール、ポリオール、アルコールエーテル、ケトン、ニトリル、スルフィド、スルホキシド、アミド、アミン、カルボン酸など、ならびにそれらの任意の2つ以上の組合せが挙げられるが、それらに限定されない。一実施形態では、有機液体は、ジメチルアセトアミド(「DMAc」)、N−メチルピロリドン(「NMP」)、ジメチルホルムアミド(「DMF」)、エチレングリコール(「EG」)、脂肪族アルコール、およびそれらの混合物から選択される。
【0064】
一実施形態では、第1層を形成する前に、液体媒体中の導電性ポリマーは、分解した化学種、副反応生成物、未反応モノマー、およびイオン性不純物を除去するために、およびpHを調整するために好適な条件下に少なくとも1つのイオン交換樹脂と接触させられる。イオン交換処理は、導電性ポリマーの重合後任意の時点で実施することができる。導電性ポリマー分散系は、共分散液体の添加の前または後に少なくとも1つのイオン交換樹脂と接触させることができる。一実施形態では、液体媒体中の導電性ポリマーは第1イオン交換樹脂および第2イオン交換樹脂と接触させられる。
【0065】
別の実施形態では、第1イオン交換樹脂は、上に述べられたスルホン酸カチオン交換樹脂などの、酸性カチオン交換樹脂であり、第2イオン交換樹脂は、第三級アミンまたは第四級交換樹脂などの、塩基性アニオン交換樹脂である。
【0066】
イオン交換は、流体媒体(非水性分散物など)中のイオンが流体媒体に不溶性である固定された固体粒子に結合した類似の荷電イオンと交換する可逆化学反応である。用語「イオン交換樹脂」は、すべてのかかる物質を意味するために本明細書では用いられる。樹脂は、イオン交換基が結合するポリマー担体の架橋性のために不溶性にされる。イオン交換樹脂は、交換に利用可能な正に帯電した可動イオンを有する酸性カチオン交換体と、その交換可能なイオンが負に帯電している塩基性アニオン交換体とに分類される。
【0067】
酸性カチオン交換樹脂および塩基性アニオン交換樹脂の両方とも本新規方法での使用を考慮される。一実施形態では、酸性カチオン交換樹脂は、スルホン酸カチオン交換樹脂などの有機酸カチオン交換樹脂である。本新規組成物での使用を考慮されるスルホン酸カチオン交換樹脂には、例えば、スルホン化スチレン−ジビニルベンゼンコポリマー、スルホン化架橋スチレンポリマー、フェノール−ホルムアルデヒド−スルホン酸樹脂、ベンゼン−ホルムアルデヒド−スルホン酸樹脂、およびそれらの混合物が含まれる。別の実施形態では、酸性カチオン交換樹脂は、カルボン酸、アクリル酸またはリン酸カチオン交換樹脂などの有機酸カチオン交換樹脂である。さらに、異なるカチオン交換樹脂の混合物を使用することができる。多くのケースでは、塩基性イオン交換樹脂を使用してpHを所望のレベルに調整することができる。幾つかのケースでは、pHを水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウムなどの溶液などの水性の塩基性溶液でさらに調整することができる。
【0068】
別の実施形態では、塩基性アニオン交換樹脂は第三級アミンアニオン交換樹脂である。本新規組成物での使用を考慮される第三級アミンアニオン交換樹脂には、例えば、第三級アミン化スチレン−ジビニルベンゼンコポリマー、第三級アミン化架橋スチレンポリマー、第三級アミン化フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、第三級アミン化ベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂、およびそれらの混合物が含まれる。さらなる実施形態では、塩基性アニオン交換樹脂は第四級アミンアニオン交換樹脂、またはこれらと他の交換樹脂との混合物である。
【0069】
第1および第2イオン交換樹脂は、同時にか、引き続いてかのどちらかで液体媒体中の導電性ポリマーと接触してもよい。例えば、一実施形態では、両樹脂が導電性ポリマー分散系に同時に添加され、少なくとも約1時間、例えば、約2時間〜約20時間分散系と接触したままにされる。イオン交換樹脂は次に濾過によって分散系から除去することができる。フィルターのサイズは、比較的大きいイオン交換樹脂粒子は除去されるが、より小さい分散系粒子は通過するであろうように選ばれる。塩基性アニオン交換および/または酸性カチオン交換樹脂は酸性部位をより塩基性にし、分散系の上昇したpHをもたらす。一般に、少なくとも1グラムのイオン交換樹脂が約1gのドープした導電性ポリマー固形分、例えば、PEDT/PSSA当たり使用される。他の実施形態では、イオン交換樹脂の使用量は、約5グラム以下のイオン交換樹脂対ドープした導電性ポリマー固形分の比で用いられ、達成されるべきであるpHに依存する。一実施形態では、約1グラムのレワチッチ(Lewatit)(登録商標)MP62WS、バイエル有限責任会社(Bayer GmbH)製の弱塩基性アニオン交換樹脂、および約1グラムのレワチッチ(登録商標)モノプラス(MonoPlus)S100、バイエル有限責任会社製の強酸性ナトリウムカチオン交換樹脂がドープした導電性ポリマー固形分の1グラム当たり使用される。
【0070】
別の実施形態では、より高い導電率を有する第1層は、導電性ポリマーを含有する液体媒体への高導電性添加物の添加によって形成することができる。一実施形態では、導電性ポリマーを含有する液体媒体は、比較的高いpHを有することができる。
【0071】
本複合体の第2層は、本明細書では以下まとめて「酸/塩」と言われる、コロイド形成ポリマー酸/塩および非ポリマーフッ素化有機酸/塩から選択される物質を含む。第2層は、上に議論されたような、任意の公知の沈積技術によって形成することができる。幾つかのケースでは、低分子量を有する非ポリマーフッ素化有機酸は蒸着技術によって沈着させることができる。一実施形態では、第2層は水性液体媒体からの液着によって形成される。一実施形態では、第2層は非水性液体媒体からの液着によって形成される。酸/塩の非水性分散系または溶液は、固形分を非水性液体媒体に分散させることによって得ることができる。固形分は、ドープした導電性ポリマーに関して上に議論されたように得ることができる。好適な有機液体の例には、ドープした導電性ポリマーについて上に議論されたものが挙げられる。
【0072】
一実施形態では、第2層を形成する前に、液体媒体中の酸/塩は、pHを所望のレベルに上げるために塩基性イオン交換樹脂と接触させられる。幾つかのケースでは、pHは、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウムなどのような塩基性物質の添加でさらに調整することができる。
【0073】
一実施形態では、本新規複合体は電子デバイス中のバッファー層を形成する。用語「バッファー層」は本明細書で用いるところでは、陽極と活性有機材料との間に使用することができる導電または半導電層を意味することを意図される。バッファー層は、有機電子デバイスの性能を手助けするためのまたは改善するための他の態様のうちで、下位層の分極、正孔輸送、正孔注入、酸素および金属イオンのような不純物の捕捉を含むが、それらに限定されない、1つまたは複数の機能を有機電子デバイスで成し遂げると考えられる。
【0074】
一実施形態では、第1層がポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、およびそれらの組合せから選択される導電性ポリマーを含む、本新規複合体を含むバッファー層が提供される。バッファー層の一実施形態では、第2層は、上記の式Vを有する少なくとも1つの非ポリマーフッ素化有機酸/塩を含む。バッファー層の一実施形態では、第2層はコロイド形成ポリマースルホン酸/塩を含む。バッファー層の一実施形態では、第2層はコロイド形成フッ素化ポリマースルホン酸を含む。本新規複合体を構成するバッファー層のさらに別の実施形態では、第2層はポリマー過フッ素化エチレンスルホン酸を層中にさらに含む。
【0075】
一実施形態では、本新規複合体を含む有機電子デバイスは、2つの電気接触層の間に置かれた電気活性層を含む。一実施形態は、陽極層110、バッファー層120、エレクトロルミネセンス層130、および陰極層150を有するデバイスである、図1に示されるような、OLEDデバイスの1つのタイプで例示される。バッファー層120は、第1層121と第2層122とを有する層である。任意の電子注入/輸送層140が陰極層150に隣接している。バッファー層120と陰極層150(または任意の電子注入/輸送層140)との間にエレクトロルミネセンス層130がある。
【0076】
デバイスは、陽極層110または陰極層150に隣接することができる担体または基材(示されていない)を含んでもよい。最も頻繁には、担体は陽極層110に隣接している。担体は、柔軟なまたは堅い、有機または無機のものであることができる。一般に、ガラスまたは柔軟な有機フィルムが担体として使用される。陽極層110は、陰極層150と比較して正孔を注入するためにより効率的である電極である。陽極は、金属、混合金属、合金、金属酸化物または混合酸化物を含有する材料を含むことができる。好適な材料には、2族元素(すなわち、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra)、11族元素、4,5、および6族の元素、ならびに8〜10族遷移元素の混合酸化物が含まれる。陽極層110が光伝達性であるべき場合、酸化インジウムスズのような、12、13および14族元素の混合酸化物が使用されてもよい。本明細書で用いるところでは、語句「混合酸化物」は、2族元素または12、13、もしくは14族元素から選択される2つ以上の異なるカチオンを有する酸化物を意味する。陽極層110用材料の幾つかの非限定的な、具体的な例には、酸化インジウムスズ(「ITO」)、酸化アルミニウムスズ、金、銀、銅、およびニッケルが挙げられるが、それらに限定されない。陽極はまた、ポリアニリン、ポリチオフェン、またはポリピロールのような有機材料を含んでもよい。周期表からの族が左から右に1〜18として番号を付けられるIUPAC記数法が全体にわたって用いられる(非特許文献1)。
【0077】
陽極層110は、化学もしくは物理蒸着法またはスピンコーティング法で形成されてもよい。化学蒸着は、プラズマ強化化学蒸着(「PECVD」)または金属有機化学蒸着(「MOCVD」)として行われてもよい。物理蒸着は、イオンビーム・スパッタリングをはじめとするスパッタリング、ならびにe−ビーム蒸発および抵抗蒸発のすべての形を含むことができる。物理蒸着の具体的な形には、rfマグネトロン・スパッタリングおよび誘導結合プラズマ物理蒸着(「IMP−PVD」)が含まれる。これらの蒸着技術は半導体製造技術内でよく知られている。
【0078】
陽極層110はリソグラフ操作中にパターン化されてもよい。パターンは要望通りに変わってもよい。該層は、例えば、第1電気接触層材料を付ける前にパターン化マスクまたはレジストを第1の柔軟な複合体バリア構造体上に置くことによってパターンで形成することができる。あるいはまた、該層は全体層(ブランケット・デポジットとも呼ばれる)として付け、その後、例えば、パターン化レジスト層および湿式化学または乾式エッチング技術を用いてパターン化することができる。当該技術でよく知られている他のパターン化方法もまた用いることができる。電子デバイスがアレイ内に置かれる時に、陽極層110は典型的には、実質的に同じ方向に伸びる長さを有する実質的に平行のストリップに成形される。
【0079】
バッファー層120で、第1層121はドープした導電性ポリマーを含む。第2層122は、コロイド形成ポリマー酸/塩および非ポリマーフッ素化有機酸/塩から選択される物質を含む。該層は、上に議論されたような、当業者に周知の任意の沈着技術を用いて形成することができる。
【0080】
エレクトロルミネセンス(「EL」)層130は典型的には、蛍光染料、蛍光およびリン光性金属錯体、共役ポリマー、ならびにそれらの混合物を含むが、それらに限定されない任意の有機EL材料であってもよい。蛍光染料の例には、ピレン、ペリレン、ルブレン、それらの誘導体、およびそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。金属錯体の例には、トリス(8−ヒドロキシキノレート)アルミニウム(Alq3)のような金属キレート化オキシノイド化合物;ペトロフ(Petrov)らの(特許文献11)に開示されているようなイリジウムとフェニルピリジン、フェニルキノリン、またはフェニルピリミジン配位子との錯体、および、例えば、米国特許公報(特許文献12)、(特許文献13)、(特許文献14)、および(特許文献15)に記載されている有機金属錯体のようなシクロ金属化(cyclometalated)イリジウムおよび白金エレクトロルミネセンス化合物;ならびにそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。電荷を帯びるホスト材料および金属錯体を含むエレクトロルミネセンス放出層は、トンプソン(Thompson)らによって米国特許公報(特許文献16)に、ならびにバローズ(Burrows)およびトンプソンによって(特許文献17)および(特許文献18)に記載された。共役ポリマーの例には、ポリ(フェニレンビニレン)、ポリフルオレン、ポリ(スピロビフルオレン)、ポリチオフェン、ポリ(p−フェニレン)、それらの共重合体、およびそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0081】
選ばれる特定の材料は、具体的な用途、操作中に用いられる電位、または他の因子に依存するかもしれない。エレクトロルミネセンス有機材料を含有するEL層130は、蒸着、溶液処理技術または熱転写をはじめとする任意の数の技術を用いて付けることができる。別の実施形態では、ELポリマー前駆体を付け、次に、典型的には熱または他の外部エネルギー源(例えば、可視光、またはUV放射線)によってポリマーに変換することができる。
【0082】
任意層140は、電子注入/輸送の両方を容易にするために機能することができ、また、層界面での失活反応を防ぐための閉じ込め層として役立つこともできる。より具体的には、層140は電子移動度を高め、かつ、層130および150がさもなければ直接接触する場合に失活反応の可能性を下げるかもしれない。任意層140用の物質の例には、金属キレート化オキシノイド化合物(例えば、Alqなど);フェナントロリン−ベースの化合物(例えば、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(「DDPA」)、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(「DPA」)など);アゾール化合物(例えば、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(「PBD」など)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(「TAZ」など);他の類似の化合物;またはそれらの任意の1つまたは複数の組合せが挙げられるが、それらに限定されない。あるいはまた、任意層140は無機であってもよく、BaO、LiF、LiOなどを含む。
【0083】
陰極層150は、電子または負電荷キャリアを注入するために特に効率的である電極である。陰極層150は、第1電気接触層(このケースでは、陽極層110)より低い仕事関数を有する任意の金属または非金属であることができる。本明細書で用いるところでは、用語「より低い仕事関数」は、約4.4eV以下の仕事関数を有する材料を意味することを意図される。本明細書で用いるところでは、「より高い仕事関数」は、少なくともおおよそ4.4eVの仕事関数を有する材料を意味することを意図される。
【0084】
陰極層用の材料は、1族のアルカリ金属(例えば、Li、Na、K、Rb、Cs)、2族金属(例えば、Mg、Ca、Baなど)、12族金属、ランタニド(例えば、Ce、Sm、Euなど)、およびアクチニド(例えば、Th、Uなど)から選択することができる。アルミニウム、インジウム、イットリウム、およびそれらの組合せのような材料もまた使用されてもよい。陰極層150用の材料の具体的な非限定的な例には、バリウム、リチウム、セリウム、セシウム、ユーロピウム、ルビジウム、イットリウム、マグネシウム、サマリウム、ならびにそれらの合金および組合せが挙げられるが、それらに限定されない。
【0085】
陰極層150は化学または物理蒸着法によって通常形成される。一般に、陰極層は、陽極層110に関連して上に議論されたように、パターン化されるであろう。デバイスがアレイ内に置かれる場合、陰極層150は実質的に平行なストリップへパターン化されてもよく、ここで陰極層ストリップの長さは実質的に同じ方向に、そして陽極層ストリップの長さに実質的に垂直に伸びる。ピクセルと呼ばれる電子要素は、交差点(そこで、アレイが平面図または上面図で見られる時に陽極層ストリップが陰極層ストリップと交差する)で形成される。
【0086】
他の実施形態では、追加の層が有機電子デバイス内に存在してもよい。例えば、バッファー層120とEL層130との間、またはバッファー層の第1層121と第2層122との間の層(示されていない)は、正電荷輸送、層のバンドギャップ整合、保護層としての機能などを容易にするかもしれない。同様に、EL層130と陰極層150との間の追加の層(示されていない)は、負電荷輸送、層間のバンドギャップ整合、保護層としての機能などを容易にするかもしれない。当該技術で公知である層を用いることができる。さらに、上記の層のいかなるものも、2つ以上の層で製造することができる。あるいはまた、無機陽極層110、バッファー層120、EL層130、および陰極層150の幾つかまたはすべてが、電荷キャリア輸送効率を上げるために表面処理されてもよい。構成要素層のそれぞれ用の材料の選択は、高いデバイス効率のデバイスを提供するという目標を製造コスト、製造複雑性、または潜在的な他の因子とバランスさせることによって決定されてもよい。
【0087】
異なる層は任意の好適な厚さを有してもよい。一実施形態では、無機陽極層110は通常、おおよそ500nm以下、例えば、おおよそ10〜200nmであり、バッファー層120は通常、おおよそ250nm以下である。バッファー層の第2層は通常50nmよりはるかに小さい。一実施形態では、第2層は10nm未満である。EL130は通常、おおよそ100nm以下、例えば、おおよそ50〜80nmであり、任意層140は通常、おおよそ100nm以下、例えば、おおよそ20〜80nmであり、そして陰極層150は通常、おおよそ100nm以下、例えば、おおよそ1〜50nmである。陽極層110または陰極層150が少なくとも幾らかの光を透過する必要がある場合、かかる層の厚さはおおよそ100nmを超えないかもしれない。
【0088】
有機発光ダイオード(OLED)では、それぞれ、陰極150および陽極110層からEL層130中へ注入された電子および正孔は、ポリマー中に負におよび正に帯電した極性イオンを形成する。これらの極性イオンは、加えられた電場の影響下に移行し、逆に帯電した化学種と極性イオン励起子を形成し、その後に放射再結合を受ける。通常おおよそ12ボルト未満、そして多くの場合におおよそ5ボルト以下の陽極と陰極との間の十分な電位差がデバイスにかけられてもよい。実際の電位差は、より大きな電子部品でのデバイスの使用に依存するかもしれない。多くの実施形態では、陽極層110は正電圧にバイアスをかけられ、陰極層150は、電子デバイスの運転の間ずっと実質的に接地電位またはゼロボルトにある。バッテリーまたは他の電源は、回路の一部として電子デバイスに電気的に接続されてもよいが、図1には例示されていない。
【0089】
一実施形態では、高いpH組成物が電子デバイスのバッファー層で少なくとも1つの層を形成するために使用される。一OLED実施形態では、pHは、デバイス製造中のITO層のエッチングを減らし、従ってOLEDのポリマー層中へ拡散するInおよびSnイオンの濃度をはるかに下げるように調整される。InおよびSnイオンは低下した運転寿命の一因となるのではないかと疑われるので、これは重要な便益である。より低い酸性度はまた、製造中におよび長期貯蔵にわたってディスプレイの金属部品(例えば、電気接触パッド)の腐食も減らす。PEDT/PSSA残渣は残留水分と相互作用してディスプレイ中へ酸を放出し、ゆっくりした腐食をもたらすであろう。
【0090】
一実施形態では、本新規組成物を含む少なくとも1つの導電または半導電層を含む電子デバイスが提供される。式I(a)または式I(b)を有する少なくとも1つのポリチオフェンと、少なくとも1つのコロイド形成ポリマー酸との組成物を含む1つまたは複数の層を有することから恩恵を受けるかもしれない有機電子デバイスには、(1)電気エネルギーを放射線に変換するデバイス(例えば、発光ダイオード、発光ダイオードディスプレイ、またはダイオードレーザー)、(2)エレクトロニクスプロセスにより信号を検出するデバイス(例えば、光検出器(例えば、光導電セル、フォトレジスター、光スイッチ、フォトトランジスタ、光電管)、IR検出器)、(3)放射線を電気エネルギーに変換するデバイス(例えば、光起電装置または太陽電池)、および(4)1つまたは複数の有機半導体層を含む1つまたは複数の電子部品を含むデバイス(例えば、トランジスタまたはダイオード)が含まれるが、それらに限定されない。本新規組成物のための他の用途には、記憶貯蔵デバイス用のコーティング材、帯電防止フィルム、バイオセンサー、エレクトロクロミック素子、固体電解質キャパシタ、再充電可能なバッテリーのようなエネルギー貯蔵装置、および電磁遮蔽用途が含まれる。
【0091】
本明細書で用いるところでは、用語「含む」、「含んでいる」、「含まれる」、「はじめとする」、「有する」、「有している」またはそれらの任意の他の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図される。例えば、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、もしくは装置は、それらの要素のみに必ずしも限定されず、明記されないまたはかかるプロセス、方法、物品、もしくは装置に固有の他の要素を含んでもよい。さらに、別段の記載が明記されていない限り、「または」は、包括的なまたはを意味し、排他的なまたはを意味しない。例えば、条件AまたはBは次の任意の1つによって満たされる:Aは真であり(または存在し)そしてBは偽である(または存在しない)、Aは偽であり(または存在せず)そしてBは真である(または存在する)、ならびにAおよびBの両方とも真である(または存在する)。
【0092】
また、単数形(「a」または「an」)の使用は、本発明の要素および構成要素を記載するために用いられる。これは、便宜上および本発明の一般的な意味を与えるためにのみ行われる。この記載は、1つまたは少なくとも1つおよび単数形を含むと解釈されるべきであり、また、それが別段の意図が明らかでない限り複数形も含む。
【0093】
本新規複合体およびそれらの使用は今、次の非限定的な実施例を参照することによってより詳細に説明されるであろう。
【実施例】
【0094】
(実施例1)
本実施例は、本願特許出願人から商標ナフィオン(登録商標)で商業的に入手可能なパーフルオロエチレンスルホン酸(FSA)分散物の非凝集固形分の製造を例示する。
【0095】
次の市販のナフィオン(登録商標)分散物:DE520およびDE521(両方とも48%n−プロパノール/約45%水中の約5.0%FSA)、DE1021およびDE1020(両方とも約90%水中の約10%FSA)ならびに温度が約270℃であることを除いて、米国特許公報(特許文献9)、実施例1、パート2の手順に類似の手順を用いて製造されたFSA分散物を未凝集固形分の製造に使用する。固形分を凍結乾燥、100℃によって得る。
【0096】
(実施例2)
本実施例は、市販の水性ポリ(ジオキシエチレンチオフェン)、PEDT分散系から製造した第1層およびナフィオン(Nafion)(登録商標)分散系から製造した第2層のバッファー層(残りの実施例ではPEDT/ナフィオン(登録商標)バッファー層と言われる)を有するデバイスの性能を例示する。
【0097】
本実施例では、バイトロン(Baytron)−P(登録商標)AI4083を使用してバッファー層の第1層を形成する。AI4083はエッチ.シー.スタルク有限責任会社、独国レーベルクーセン製のPEDT/PSSAである。該分散系は約1.8のpHを有し、PEDT/PSSA間のw/w比は1:6である。分散系をITO基板上へスピンコートする。乾燥した層を次に、PEDT/PSSA層を攻撃しない選択された液体中のナフィオン(登録商標)の希釈分散系でトップコートしてバッファー層の第2層を形成する。ナフィオン(登録商標)層厚さは10nmより小さいであろう。PEDT/ナフィオン(登録商標)バッファー層を次に、コビオン(独国フランクフルト)製の発光スーパー・イエロー(Super Yellow)かダウ・ケミカル・カンパニー(米国ミシガン州ミッドランド)(Dow Chemical Company(Midland,Michigan,USA))製のルミネーション・グリーン(Lumination Green)かのどちらかでスピンコートする。Ba/Alの陰極を次に発光層上に蒸着させる。デバイスを、PEDTありだがナフィオン(登録商標)第2層なしで製造したデバイスとの比較のためにデバイス電圧、効率、および寿命について試験する。
【0098】
(実施例3)
本実施例は、第1層を形成するために使用する分散系のpHを4に調整した、PEDT/ナフィオン(登録商標)バッファー層ありのデバイスの性能を例示する。
【0099】
本実施例では、バイトロン−P(登録商標)AI4083分散系を、ITO基板上へスピンコートする前に4のpHを達成するために塩基で処理する。乾燥した層を次に、PEDT層を攻撃しない選択された液体中のナフィオン(登録商標)の希釈分散系でトップコートしてバッファー層の第2層を形成する。ナフィオン(登録商標)層厚さは10nmより小さいであろう。PEDT/ナフィオン(登録商標)層を次に、コビオン(独国フランクフルト)製の発光スーパー・イエローかダウ・ケミカル・カンパニー(米国ミシガン州ミッドランド)製のルミネーション・グリーンかのどちらかでスピンコートする。Ba/Alの陰極を次に発光層上に蒸着させる。デバイスを、PEDTありだがナフィオン(登録商標)第2層なしで製造したデバイスとの比較のためにデバイス電圧、効率、および寿命について試験する。
【0100】
(実施例4)
本実施例は、ナフィオン(登録商標)層が水酸化アルカリを含有する、PEDT/ナフィオン(登録商標)バッファー層を使用したデバイスの性能を例示する。
【0101】
本実施例では、水酸化アルカリをナフィオン(登録商標)分散系に加えてナフィオン(登録商標)スルホン酸基のアルカリ塩を形成する。この処理したナフィオン(登録商標)分散系を、実施例2に記載したように、ITO基板上のPEDT/PSSAの乾燥した層上へスピンコートする。PEDT/ナフィオン(登録商標)層を次に、コビオン(独国フランクフルト)製の発光スーパー・イエローかダウ・ケミカル・カンパニー(米国ミシガン州ミッドランド)製のルミネーション・グリーンかのどちらかでスピンコートする。Ba/Alの陰極を次に発光層上に蒸着させる。デバイスを、PEDTありだがナフィオン(登録商標)第2層なしで製造したデバイスとの比較のためにデバイス電圧、効率、および寿命について試験する。
【0102】
(実施例5)
本実施例は、バイトロン−P AI4083分散系から製造した第1層および非ポリマーフルオロエーテルスルホン酸を含む第2層のバッファー層を有するデバイスの性能を例示する。
【0103】
本実施例では、3つの非ポリマーフルオロエーテルスルホン酸、またはそれらのアルカリ塩の1つを使用して、実施例2に記載したように、ITO基板上にPEDT/PSSAの乾燥した層のバッファー層を形成する。3つの非ポリマーフルオロエーテルスルホン酸は、
1)2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−(パーフルオロエトキシ)プロパン−2−イルオキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸およびその塩、
2)1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(パーフルオロエトキシ)エタンスルホン酸およびその塩、
3)2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸およびその塩
である。
非ポリマー酸を溶液にし、ITO上のPEDT/PSSA層上へスピンコートする。
【0104】
バッファー層を次に、コビオン(独国フランクフルト)製の発光スーパー・イエローかダウ・ケミカル・カンパニー(米国ミシガン州ミッドランド)製のルミネーション・グリーンかのどちらかでスピンコートする。Ba/Alの陰極を次に発光層上に蒸着させる。デバイスを、PEDTありだが非ポリマーフルオロエーテルスルホネート第2層なしで製造したデバイスとの比較のためにデバイス電圧、効率、および寿命について試験する。
【0105】
(実施例6)
本実施例は、非ポリマーフルオロエーテルスルホン酸塩が蒸着された、PEDTおよび非ポリマーフルオロエーテルスルホン酸のアルカリ塩のバッファー層で製造したデバイスの性能を例示する。
【0106】
本実施例では、実施例5に記載した3つの非ポリマーフルオロエーテルスルホン酸の1つのアルカリ塩を、実施例2に記載したような、ITO基板上のPEDT/PSSAの乾燥した層上に蒸着させる。
【0107】
バッファー層を次に、コビオン(独国フランクフルト)製の発光スーパー・イエローかダウ・ケミカル・カンパニー(米国ミシガン州ミッドランド)製のルミネーション・グリーンかのどちらかでスピンコートする。Ba/Alの陰極を次に発光層上に蒸着させる。デバイスを、PEDTありだが非ポリマーフルオロエーテルスルホネート第2層なしで製造したデバイスとの比較のためにデバイス電圧、効率、および寿命について試験する。
【0108】
(実施例7)
本実施例は、バッファー層を形成するために市販の水性ポリピロール分散系とナフィオン(登録商標)分散系とを使用して製造したデバイスの性能を例示する。
【0109】
アルドリッチ製の市販の水性ポリピロール組成物(5%、w/w)(2003−2004年カタログ#48,255−2)は、有機酸でドープした導電性ポリピロールである。これを脱イオン水で2.5%w/wに希釈する。希釈は適度なスピン速度(<5,000RPM)の使用を可能にする粘度を得るために必要である。
【0110】
ポリピロールの希釈した分散系をITO基板上へスピンコートしてバッファー層の第1層を形成する。乾燥した層を、ポリピロール層を攻撃しない選択された液体中のナフィオン(登録商標)の希釈分散系でトップコートしてバッファー層の第2層を形成する。ナフィオン(登録商標)層厚さは10nmより小さいであろう。ポリピロール/ナフィオン(登録商標)層を次に、コビオン(独国フランクフルト)製の発光スーパー・イエローかダウ・ケミカル・カンパニー(米国ミシガン州ミッドランド)製のルミネーション・グリーンかのどちらかでスピンコートする。Ba/Alの陰極を次に発光層上に蒸着させる。デバイスを、ポリピロールありだがナフィオン(登録商標)第2層なしで製造したデバイスとの比較のためにデバイス電圧、効率、および寿命について試験する。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本新規組成物を含むバッファー層を含む1タイプの電子デバイスの一例の断面図を例示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのドープした導電性ポリマーを含む第1層と、コロイド形成ポリマー酸、コロイド形成ポリマー酸の塩、非ポリマーフッ素化有機酸、および非ポリマーフッ素化有機酸の塩から選択される物質を含む第2層とを含有することを特徴とする複合体。
【請求項2】
前記導電性ポリマーがポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、およびそれらの組合せから選択されることを特徴とする請求項1に記載の複合体。
【請求項3】
前記ポリチオフェンが式I
【化1】

(式中、
は各存在で同じまたは異なるものであるように独立して選択され、かつ、水素、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルチオ、アリールオキシ、アルキルチオアルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリール、アルキルスルフィニル、アルコキシアルキル、アルキルスルホニル、アリールチオ、アリールスルフィニル、アルコキシカルボニル、アリールスルホニル、アクリル酸、リン酸、ホスホン酸、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、エポキシ、シラン、シロキサン、アルコール、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、エーテルカルボキシレート、エーテルスルホネート、およびウレタンから選択され、または両方のR基は一緒になって、その環が任意選択的に1つまたは複数の二価の窒素、硫黄もしくは酸素原子を含んでもよい3、4、5、6、もしくは7員環の芳香族もしくは脂環式環を完成するアルキレンもしくはアルケニレン鎖を形成してもよく、
nは少なくとも約4である)
を含むことを特徴とする請求項2に記載の複合体。
【請求項4】
前記ポリピロールが式II
【化2】

(式中、
nは少なくとも約4であり、
は各存在で同じまたは異なるものであるように独立して選択され、かつ、水素、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルチオ、アリールオキシ、アルキルチオアルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリール、アルキルスルフィニル、アルコキシアルキル、アルキルスルホニル、アリールチオ、アリールスルフィニル、アルコキシカルボニル、アリールスルホニル、アクリル酸、リン酸、ホスホン酸、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、エポキシ、シラン、シロキサン、アルコール、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、エーテルカルボキシレート、エーテルスルホネート、およびウレタンから選択され、または両方のR基は一緒になって、その環が任意選択的に1つまたは複数の二価の窒素、硫黄もしくは酸素原子を含んでもよい3、4、5、6、もしくは7員環の芳香族もしくは脂環式環を完成するアルキレンもしくはアルケニレン鎖を形成してもよく、
は各存在で同じまたは異なるものであるように独立して選択され、かつ、水素、アルキル、アルケニル、アリール、アルカノイル、アルキルチオアルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アミノ、エポキシ、シラン、シロキサン、アルコール、ベンジル、カルボキシレート、エーテル、エーテルカルボキシレート、エーテルスルホネート、およびウレタンから選択される)
を含むことを特徴とする請求項2に記載の複合体。
【請求項5】
前記ポリアニリンが式IIIまたは式IV
【化3】

(式中、
nは少なくとも約4であり、
pは0〜4の整数であり、
mは1〜5の整数であり、ただし、p+m=5であり、および
は各存在で同じまたは異なるものであるように独立して選択され、かつ、アルキル、アルケニル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルカノイル、アルキルチオ、アリールオキシ、アルキルチオアルキル、アルキルアリール、アリールアルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリール、アルキルスルフィニル、アルコキシアルキル、アルキルスルホニル、アリールチオ、アリールスルフィニル、アルコキシカルボニル、アリールスルホニル、カルボン酸、ハロゲン、シアノ、または1つまたは複数のスルホン酸、カルボン酸、ハロ、ニトロ、シアノもしくはエポキシ部分で置換されたアルキルから選択され、または任意の2つのR基は一緒になって、その環が任意選択的に1つまたは複数の二価の窒素、硫黄もしくは酸素原子を含んでもよい3、4、5、6、もしくは7員環の芳香族もしくは脂環式環を完成するアルキレンもしくはアルケニレン鎖を形成してもよい)
を含むことを特徴とする請求項2に記載の複合体。
【請求項6】
前記コロイド形成ポリマー酸がポリマースルホン酸、ポリマーリン酸、ポリマーホスホン酸、ポリマーカルボン酸、ポリマーアクリル酸、およびそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1に記載の複合体。
【請求項7】
前記コロイド形成ポリマー酸がフッ素化ポリマースルホン酸を含むことを特徴とする請求項6に記載の複合体。
【請求項8】
前記ポリマースルホン酸が過フッ素化されていることを特徴とする請求項7に記載の複合体。
【請求項9】
前記非ポリマーフッ素化有機酸が非ポリマーフッ素化スルホン酸、非ポリマーフッ素化リン酸、非ポリマーフッ素化ホスホン酸、非ポリマーフッ素化カルボン酸、非ポリマーフッ素化アクリル酸、およびそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記非ポリマーフッ素化有機酸がフルオロアミド有機酸、フルオロアミドエーテル有機酸、フルオロエーテル有機酸、およびそれらの組合せから選択されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記非ポリマーフッ素化有機酸が高度にフッ素化されていることを特徴とする請求項9に記載の組成物。
【請求項12】
前記非ポリマー有機酸が過フッ素化されていることを特徴とする請求項9に記載の組成物。
【請求項13】
前記第2層が式V
−(O−CFCFR−O−CFCFR’SOX (V)
(式中、Rはフルオロアルキル基であり、RおよびR’は独立してF、Clまたは1〜10個の炭素原子を有する過フッ素化アルキル基から選択され、a=0、1または2であり、XはH、金属カチオン、およびN(R1)(R2)(R3)(R4)から選択され、R1、R2、R3、およびR4は同じまたは異なるものであり、Hおよびアルキルから選択される)
を有するフルオロエーテルスルホネートを含むことを特徴とする請求項9に記載の複合体。
【請求項14】
がジフルオロメチルおよび1,1,2,2−テトラフルオロエチルから選択されることを特徴とする請求項13に記載の複合体。
【請求項15】
前記第2層が非ポリマーフルオロスルホン酸および該フルオロスルホン酸の塩から選択される物質を含み、該フルオロスルホン酸が2−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−(パーフルオロエトキシ)プロパン−2−イルオキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸,1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(パーフルオロエトキシ)エタンスルホン酸、および2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸から選択されることを特徴とする請求項13に記載の複合体。
【請求項16】
請求項1に記載の複合体を含む少なくとも1つの層を含むことを特徴とする電子デバイス。
【請求項17】
請求項に記載の組成物を含む少なくとも1つの層がバッファー層であることを特徴とする請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
光センサー、光スイッチ、発光ダイオード、発光ダイオードディスプレイ、光検出器、フォトトランジスタ、光導電体、光電管、赤外検出器、ダイオードレーザー、エレクトロクロミック素子、電磁遮蔽デバイス、固体電解質キャパシタ、エネルギー貯蔵デバイス、電界効果抵抗デバイス、記憶貯蔵デバイス、バイオセンサー、光導電セル、光起電装置、太陽電池、記憶貯蔵器、帯電防止フィルム、エレクトロクロミック、固体電解質キャパシタ、エネルギー貯蔵器、電磁遮蔽およびダイオードから選択されることを特徴とする請求項16に記載のデバイス。
【請求項19】
請求項1に記載の組成物を含む少なくとも1つの電極を含むことを特徴とする薄膜電界効果トランジスタ。

【図1】
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【公表番号】特表2007−532359(P2007−532359A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−508482(P2007−508482)
【出願日】平成17年4月12日(2005.4.12)
【国際出願番号】PCT/US2005/012460
【国際公開番号】WO2005/100473
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】