説明

導電性マルチタッチタッチパネル

導電性マルチタッチタッチセンシティブパネルは、パネルにタッチすることによって電気接触し得る、交差しているが電気的に絶縁された線状導体の2つの配列を含む。表示素子は、タッチスクリーンパネルを与えるために線状導体の2つの配列の下に配置され得る。カバープレートまたは部材へのタッチにより、一方の配列中の1つまたは複数の線状導体が、他方の配列中の1つまたは複数の線状導体に接触する。パネルへのタッチのロケーションは、一方の配列中の各線状導体に電圧または電流などの電気信号を個々にまたは順次的に印加しながら、他方の配列中の線状導体の各々の上の電圧または電流を感知することによって検出され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル入力/出力デバイスに関し、より詳細には、タッチパッドユーザインターフェースおよびタッチスクリーン画面技術に関する。
【0002】
関連出願
本出願は、発明の名称を“Conductive Multi-Touch Touch-Screen Panel”とする、2009年1月23日に出願された米国仮出願第61/146,685号の優先権の利益を主張し、 その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
最近のモバイルコンピューティングデバイスは、2つ以上の指タッチを認識することが可能なタッチスクリーン画面を実装している。「マルチタッチ」画面と呼ばれる、そのようなタッチスクリーンは、コンピューティングデバイスとのより直観的な対話を提供する新しいユーザインターフェースを可能にする。マルチタッチ画面を実装しているコンピューティングデバイスのよく知られている例は、Apple Computer, Inc.のiPhone(登録商標)である。iPhone(登録商標)の市場成功は、多くの競合者および新しいソフトウェアアプリケーションを生んだ。したがって、マルチタッチ画面の急激な需要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のマルチタッチ画面は、指のタッチを画面ガラスの下にあるキャパシタの配列におけるキャパシタンスの変化として検出する容量性センサを採用する。この技術の説明は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,323,846号明細書および米国特許出願公開第2006-0097991号明細書に記載されている。
【0005】
第2のマルチタッチ画面は、画面ガラスへの指プレスによって接触する、一方が他方の上に配置された2つの抵抗性パネルを採用する。パネルを通して電圧降下または実効抵抗を測定することによって、プロセッサが指プレスのロケーションを推定することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
様々な実施形態は、間隙または絶縁体によって分離された(本明細書では「線状導体」と呼ぶ)導電ラインまたはワイヤの2つの配列を採用する新しいタイプのマルチタッチタッチパッドユーザ入力デバイスおよび/またはタッチスクリーン画面パネルを提供する。パネルの外面への(たとえば、カバーまたは画面カバーガラスへの)指またはペン型入力機器による圧力により、第1の配列中の1つまたは複数の導電ラインまたはワイヤが、導電ラインまたはワイヤの第2の配列中の1つまたは複数の導電ラインまたはワイヤと低抵抗電気接触する。一方の配列中のそれぞれの導電ラインまたはワイヤに電圧または電流を順次的に印加しながら、他方の配列中の導電ラインまたはワイヤの各々からの電圧または電流出力を測定することによって、パネルに対するタッチのロケーションを検出することができる。次いで、第1の配列中の電圧源に結合された特定の導電ラインまたはワイヤと、2つの配列間の低抵抗接触から生じる電圧または電流出力をもつ導電ラインまたはワイヤとによって、タッチのロケーションが示される。第2の配列中の電圧または電流出力をしきい値と比較して、タッチのデジタル指示を出力するか、または値の範囲として出力することができる。
【0007】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部をなす添付の図面は、本発明の例示的な実施形態を示し、上記の概略的な説明および下記の詳細な説明とともに、本発明の特徴を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1A】4つの代替実施形態による、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの一部分の構成要素図である。
【図1B】4つの代替実施形態による、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの一部分の構成要素図である。
【図1C】4つの代替実施形態による、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの一部分の構成要素図である。
【図1D】4つの代替実施形態による、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの一部分の構成要素図である。
【図2A】3つの実施形態による、導電性マルチタッチタッチスクリーンパネルの一部分の断面図である。
【図2B】3つの実施形態による、導電性マルチタッチタッチスクリーンパネルの一部分の断面図である。
【図2C】3つの実施形態による、導電性マルチタッチタッチスクリーンパネルの一部分の断面図である。
【図3A】指タッチによる活性化を示す、図2A〜図2Cに示す導電性マルチタッチタッチスクリーンパネルの一部分の断面図である。
【図3B】指タッチによる活性化を示す、図2A〜図2Cに示す導電性マルチタッチタッチスクリーンパネルの一部分の断面図である。
【図3C】指タッチによる活性化を示す、図2A〜図2Cに示す導電性マルチタッチタッチスクリーンパネルの一部分の断面図である。
【図4A】タッチ位置読み取りシーケンスを示す、一実施形態による、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの一部分の構成要素図である。
【図4B】タッチ位置読み取りシーケンスを示す、一実施形態による、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの一部分の構成要素図である。
【図4C】タッチ位置読み取りシーケンスを示す、一実施形態による、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの一部分の構成要素図である。
【図4D】タッチ位置読み取りシーケンスを示す、一実施形態による、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの一部分の構成要素図である。
【図5A】マルチタッチ位置読み取りシーケンスを示す、別の実施形態による、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの一部分の構成要素図である。
【図5B】マルチタッチ位置読み取りシーケンスを示す、別の実施形態による、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの一部分の構成要素図である。
【図5C】マルチタッチ位置読み取りシーケンスを示す、別の実施形態による、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの一部分の構成要素図である。
【図6A】追加の実施形態による、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの一部分の構成要素図である。
【図6B】追加の実施形態による、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの一部分の構成要素図である。
【図6C】追加の実施形態による、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの一部分の構成要素図である。
【図6D】追加の実施形態による、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの一部分の構成要素図である。
【図6E】追加の実施形態による、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの一部分の構成要素図である。
【図6F】追加の実施形態による、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの一部分の構成要素図である。
【図6G】追加の実施形態による、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの一部分の構成要素図である。
【図6H】追加の実施形態による、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの一部分の構成要素図である。
【図7A】追加の実施形態による、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの一部分の構成要素図である。
【図7B】追加の実施形態による、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの一部分の構成要素図である。
【図7C】追加の実施形態による、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの一部分の構成要素図である。
【図7D】追加の実施形態による、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの一部分の構成要素図である。
【図8】広域位置読み取りを示す、一実施形態による、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの一部分の構成要素図である。
【図9】一実施形態による、複数構成要素マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの構成要素図である。
【図10A】代替実施形態による、マルチタッチ位置読み取りシーケンスのプロセスフロー図である。
【図10B】代替実施形態による、マルチタッチ位置読み取りシーケンスのプロセスフロー図である。
【図10C】代替実施形態による、マルチタッチ位置読み取りシーケンスのプロセスフロー図である。
【図10D】代替実施形態による、マルチタッチ位置読み取りシーケンスのプロセスフロー図である。
【図11】別の実施形態によるマルチタッチ位置読み取りシーケンスのプロセスフロー図である。
【図12】導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの回路素子の詳細を示す図である。
【図13】図12に示す実施形態での使用に適したマルチタッチ位置読み取りシーケンスのプロセスフロー図である。
【図14】マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの潜在的な問題を示す、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの一部分の構成要素図である。
【図15A】一実施形態による、文字の配置を示す、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの一部分の構成要素図である。
【図15B】一実施形態による、文字の配置を示す、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの一部分の構成要素図である。
【図16】一実施形態による、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの一部分の構成要素図である。
【図17A】図16に示す実施形態がどのように機能するかを示す、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの一部分の構成要素図である。
【図17B】図16に示す実施形態がどのように機能するかを示す、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの一部分の構成要素図である。
【図17C】図16に示す実施形態がどのように機能するかを示す、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの一部分の構成要素図である。
【図17D】図16に示す実施形態がどのように機能するかを示す、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの一部分の構成要素図である。
【図17E】図16に示す実施形態がどのように機能するかを示す、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの一部分の構成要素図である。
【図18】図16に示す実施形態による、マルチタッチ位置読み取りシーケンスのプロセスフロー図である。
【図19】一実施形態による、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルを採用しているコンピューティングシステムの構成要素ブロック図である。
【図20】別の実施形態による、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルを採用しているコンピューティングシステムの構成要素ブロック図である。
【図21】導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルを採用しているポータブルコンピューティングデバイスの構成要素ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
様々な実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。可能な場合はいつでも、同じまたは同様の部分を指すために図面全体にわたって同じ参照番号を使用する。特定の例および実装形態になされる言及は、説明のためであり、本発明の範囲または特許請求の範囲を限定するものではない。
【0010】
本明細書で使用する「携帯機器」という用語は、たとえば、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、モバイルコンピューティングデバイス(たとえば、セルラー電話、個人情報端末(PDA)、パームトップコンピュータ、および多機能携帯機器)、メインフレームコンピュータ、サーバ、および統合コンピューティングシステムを含む、存在し得るか、または将来開発されることになる、プログラム可能なコンピュータの任意の形態を包含するものとする。「携帯機器」は、たとえば、プログラム式およびプログラム可能な機器、エンターテインメントシステム(たとえば、音楽プレーヤ、MP3デバイス、DVDプレーヤなど)、GPSナビゲーションシステム、モバイルデータ収集ユニット、車両コンピューティングシステム(たとえば、自動車コンピュータシステム、航空機アビオニクスシステムなど)、およびタッチスクリーン画面またはタッチパッドユーザ入力デバイスを採用している同様のコンピュータ化システムを含む、プログラム可能なコンピュータを含む組込みシステムをさらに含み得る。携帯機器は、一般に、メモリ回路に結合されたソフトウェアプログラム可能なプロセッサを含むが、図19〜図21に関して以下で説明する構成要素をさらに含み得る。
【0011】
Apple iPhone(登録商標)およびその模倣品の流行によって明らかになったように、マルチタッチ画面パネルは、いくつかのユーザインターフェースの利点を提供する。したがって、マルチタッチパネルのより多くの適用例が予想される。しかしながら、現在のマルチタッチパネル技術は、製造コストが高いという欠点があり、それらの適用が高級製品に限定される可能性がある。マルチタッチパネルがユーザに提供する利益を達成するために、より低コストの技術が必要とされる。
【0012】
タッチパッドユーザ入力デバイスまたはタッチスクリーン画面などの導電性マルチタッチパネルの様々な実施形態は、パネル内に交差パターンで配置され、間隙または絶縁体によって電気的に分離された線状導体の2つの配列を採用する。タッチパッドパネル実装形態では、2つの配列は、透明である必要はなく、不透明カバーによって保護され得る。タッチスクリーンパネル実装形態では、液晶ディスプレイなどの表示素子は線状導体の2つの配列の下に配置され得、2つの配列は透明プレートまたは透明配列支持部材によってカバーされ得る。カバー、透明プレートまたは透明部材の外面に対する指またはペン型入力機器からの圧力により、第1の配列中の1つまたは複数の線状導体が第2の配列中の1つまたは複数の線状導体と低抵抗接触する。パネルに対するそのようなタッチのロケーションは、一方の配列中の線状導体から出力された電圧または電流などの出力電気信号を測定しながら、他方の配列中の個々の線状導体に電気信号を順次的に印加することによって検出できる。次いで、タッチのロケーションは、第1の配列中で電気信号(すなわち、電圧源または電流源)に結合された特定の線状導体と、2つの配列間の低抵抗接触から生じる第2の配列中の電圧または電流電気出力信号を示す線状導体とによって示される。第2の配列中の線状導体中の電気出力信号(すなわち、電圧または電流)を、出力を値として与えるセンサによって測定または検出し、あるいはしきい値と比較して、タッチのデジタル指示を出力することができる。
【0013】
第2の配列中の線状導体上に示された、得られた出力電気信号、すなわち、電圧または電流は、手頃な回路素子によって検出または測定でき、様々な実施形態をすでに知られているマルチタッチタッチセンシティブパネルよりも手頃にすることができる。たとえば、単純なインバータなどのコンパレータ回路を使用して、電圧または電流が特定の線状導体上に出現するかどうかを反映するデジタル出力を与えることができる。そのようなコンパレータまたはインバータ回路は手頃な集積回路に組み込むことができる。線状導体は、よく知られているリソグラフィ製作方法、ならびに他の知られている手頃な製作方法を使用して配列中に構成できる。したがって、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルは、他の技術のマルチタッチパネルよりも費用がかからないことがある。
【0014】
パネル1の一部分の回路/構成要素図である図1Aに、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの一実施形態を示す。パネル1は、互いに交差するように構成された導電ラインまたはワイヤ3a〜3d、5a〜5dの2つの配列を含む。たとえば、図1Aに示すように、第1の配列中の各線状導体(たとえば、3a)が第2の配列中の導電ラインまたはワイヤ(たとえば、5a〜5d)とほぼ直角に交差するように、導電ラインまたはワイヤの2つの配列3a〜3d、5a〜5dを互いにほぼ直交して構成することができる。図3A〜図3Cに示すように、2つの配列の各々における1つまたは複数の導電ラインまたはワイヤを電気接触させ得るパネルの外面がタッチされるまで、図2A〜図2Cにおいてより明らかに示すように、導電ラインまたはワイヤの2つの配列は電気的に互いから分離される。
【0015】
2つの配列中の導電ラインまたはワイヤ3a〜3d、5a〜5dは、透明支持プレートまたは部材内に配列されるか、適用されるか、または埋め込まれ得る任意の導電材料とすることができる。導電ラインの例は、導電性酸化物化合物のトレースあるいは金属または合金の細い線を含む。導電ラインは、支持プレートまたは部材上にまたはその中にめっきされるか、スパッタリングされるか、または場合によっては蒸着され得る。タッチスクリーン画面において使用するのに好適な導電材料の例は、薄い層において透明および無色である酸化インジウムスズ(スズドープ酸化インジウムとしても知られる「ITO」)である。別の例は、アルミニウムドープ酸化亜鉛である。ITOまたはアルミニウムドープ酸化亜鉛の薄膜は、電子ビーム蒸着、物理蒸着または様々なスパッタ蒸着技法によって透明プレートまたは部材上に蒸着できる。導電性ワイヤの例は、金、銀、銅、アルミニウムなど、またはカーボンナノチューブなどの他の導電材料など、金属または合金の細いワイヤを含む。ワイヤは、カバー(たとえば、変形可能なプラスチックシート)または透明プレートもしくは部材に付加されるか、あるいは、電子ビーム蒸着、物理蒸着または様々なスパッタ蒸着技法によってカバー、透明プレートまたは部材上に形成され得る。実施形態および特許請求の範囲の言語の説明を簡略化するために、「線状導体」という用語は、本明細書では、概して導電ラインまたはワイヤを指すために使用される。したがって、「線状導体」への言及は導電ライン(たとえば、ITOの線状膜)およびワイヤを包含する。さらに、「線状導体」への言及は、導電ラインまたはワイヤが必ず直線で構成されることを要求または暗示するものではない。好ましくは、線状導体は、タッチスクリーンパネル実装形態中の下にある表示素子を遮蔽するかまたは暗くしないように、透明であるか、または十分に細い。
【0016】
図1Aは、互いに直角に方向付けされた線状導体の2つの配列を示すが、2つの配列を任意の交差(すなわち、非平行)の方向付けで構成することができる。また、図1Aは、図の平面内で水平および垂直に方向付けされた線状導体の2つの配列を示すが、2つの配列の方向およびパネル1の方向付け自体は任意である。様々な実施形態の説明を簡単にするために、本明細書では、「水平」線状導体および「垂直」線状導体、ならびに「行」および「列」に言及する。当業者なら理解するように、以下の説明では、様々な実施形態の性質および動作を変更することなしに、垂直(または列)線状導体に結合された回路を代わりに水平(または行)線状導体に結合することができ、その逆も同様である。したがって、本明細書での「水平」、「行」、「垂直」および「列」への言及は、例示のためにすぎず、そのように言及される線状導体は、特定の実施形態内の水平の方向付けまたは垂直の方向付けに限定されることを暗示または要求するものとして解釈すべきでない。
【0017】
図は、ほぼ等しい線状導体ピッチ密度(すなわち、線状導体に直交する線に沿った単位長さ当たりの線状導体の数)を有する実施形態を示すが、これは例示のためにすぎない。他の実施形態は、様々なピッチ密度を有する線状導体の第1および第2の配列を採用することができる。たとえば、線状導体5a〜5dの第2の配列は、線状導体3a〜3dの第1の配列よりも単位長さ当たりの多くの線状導体を含み得る。そのような実施形態は、より大きい水平感度をもつパネルを提供するであろう。また、第1および第2の配列の線状導体ピッチ密度は、パネルの領域にわたって変動し得る。たとえば、第1および第2の配列のピッチ密度は、各配列の端よりも中央付近において大きくなり得る。そのような実施形態は、端に沿ってよりも画面の中央において大きい感度をもつパネルを提供するであろう。
【0018】
図1Aに示す実施形態では、印加電気信号は、スイッチ11a〜11dなどによって、1つの(たとえば、水平)配列中の線状導体3a〜3dの各々に個々に接続された電圧源(VDD)の形態とすることができる。コンパレータ回路7a〜7dと、接地に結合された抵抗9a〜9dとは、他の(たとえば、垂直)配列中の線状導体5a〜5dの各々に接続される。そのように構成されると、一方の配列中の線状導体のうちの1つ(たとえば、5b)が他方の配列中の線状導体(たとえば、3b)と電気接触させられたとき、一方の接触線状導体(たとえば、3b)に接続されたスイッチ(たとえば、11b)が閉じられると、電圧源とコンパレータ回路(たとえば、7b)との間に電気回路が形成される。この接触の結果として、接触垂直ラインはVDDにプルアップされ、非接触垂直ラインは弱い抵抗9a〜9dを介して接地にプルダウンされる。接地に結合された弱い抵抗9a〜9dは、2つの配列間に電気接続がないとき、コンパレータ回路7a〜7dが低電圧または無電圧を感知することを保証する。一方の配列中の線状導体のうちの1つ(たとえば、5b)が他方の配列中の線状導体(たとえば、3b)と電気接触させられたとき、コンパレータ回路(たとえば、7b)は、印加電圧を感知し、印加電圧がしきい値を超えた場合に信号(たとえば、「1」または「0」)を出力することができる。このようにして、2つの配列中の線状導体間の接触を検出することができる。閉じられた特定のスイッチ(たとえば、11b)と、電圧を検出するコンパレータ回路(たとえば、7b)とが知られているので、その交点を関連する線状導体(たとえば、3bおよび7b)間の交点として判断することができる。
【0019】
図1A(および他の図)は、線状導体が電圧源VDDに接続された(すなわち、印加電気信号がVDDである)一実施形態を示すが、印加電気信号が線状導体を(0電圧源とも考えられる)接地(GND)に接続することを含む等価回路が利用できることを、当業者は理解するだろう。図1Bにこの実施形態の一例を示す。図1Bに示す実施形態では、列5a〜5dは、抵抗9a〜9dを通してVDDにプルアップされるが、パネルがタッチされたときに接触列が接触行を通して接地に短絡されるように、行導体3a〜3dは接地(印加電気信号)に選択的に接続され得る。この接触の結果として、接触垂直ラインは接地にプルダウンされ、非接触垂直ラインは弱い抵抗9a〜9dを介してVDDにプルアップされる。図1Bに示すこの代替実施形態の構造は、切り替えられる電圧と接地とへの接続を除いて、図1Aに示すものとまったく同様である。したがって、本明細書および特許請求の範囲における、導体を電圧源に接続することへの言及は、導体を接地(すなわち、0電圧源)に接続することを含み得る。
【0020】
図1Aおよび図1Bは、電圧源を一方の配列または他方の配列に結合する実施形態を示すが、他の実施形態は、電流源を印加電気信号として使用することができる。図1Cおよび図1Dに2つの代替実施形態の例を示す。
【0021】
図1Cに示す実施形態では、強い電流源213(印加電気信号)はスイッチ311a〜311dを介して(たとえば)水平導電ライン3a〜3dに選択的に結合され、(たとえば)垂直導電ライン5a〜5dは弱い電流シンク209a〜209dに結合される。本実施形態では、パネルタッチが、強い電流源213に結合された水平導電ライン3a〜3dとの電気接触を生じる場合を除いて、垂直ラインは弱い電流シンク209a〜209dによってプルダウンされる。コンパレータ回路7a〜7dは、強い電流源213への接続から生じる電圧または電流を検出し、タッチのロケーションを示す出力を与えることができる。
【0022】
図1Dに示す実施形態では、弱い電流源215a〜215dは(たとえば)垂直導電ライン5a〜5dに結合され、(たとえば)水平導電ライン3a〜3dはスイッチ411a〜411dを介して強い電流シンク217(印加電気信号)に選択的に結合される。本実施形態では、パネルタッチが、強い電流シンク217に結合された水平導電ライン3a〜3dとの電気接触を生じる場合を除いて、垂直ライン5a〜5dは弱い電流源215a〜215dによってプルアップされる。コンパレータ回路7a〜7dは、強い電流シンク217への接続から生じる電圧または電流を検出し、タッチのロケーションを示す出力を与えることができる。
【0023】
図示されていないが、さらなる実施形態は、図1A〜図1Dに示す特徴の組合せを採用することができる。たとえば、一実施形態は、(たとえば)水平ライン3a〜3dを接地(印加電気信号)に選択的に短絡させることによって水平ライン3a〜3dを駆動することができ、(たとえば)垂直ライン5a〜5dは弱い電流源215a〜215dによってプルアップされる。
【0024】
図1A〜図1Dに示す様々な実施形態では、コンパレータ回路7a〜7dは、印加電圧または電流がしきい値を超えるときを検出し、そのしきい値を超えたときに信号を出力することができる任意の回路とすることができる。そのような回路の単純な例は、入力に印加するデジタル信号とは反対であるデジタル信号を出力することになる(たとえば、入力信号が「0」または低/無電圧であるときに「1」または正の電圧を出力する)インバータである。信号を出力するためのコンパレータ回路7a〜7dのしきい値は、誤った正の読み取りを防ぐために0または接地電圧を十分に上回るが、タッチが検出されることを保証するために電圧源VDDを十分に下回る値に設定できる。特に、図1Aに示す実施形態の場合、電圧しきい値は、電源電圧(VDD)がプルダウン抵抗と電圧源からの電気経路との抵抗によって低減されるときに予想される電圧以下であるべきである。たとえば、電圧しきい値は、式1を使用して設定できる。
Vth ≦ VDD・(Rpd/(Rpd + Rpanel + Rpin)) 式1
上式で、
Vthはしきい値電圧であり、
VDDは電源電圧であり、
Rpdはプルダウン抵抗の抵抗であり、
Rpanelはパネルの線状導体の抵抗であり、
Rpinはコネクターピンの抵抗である。
【0025】
上記の電圧しきい値設定式1は、図1Aに示す実施形態に適用可能であるが、他の実施形態も同様の基準を利用することができる。
【0026】
2つの配列中の線状導体は、通常、パネルがタッチされるまで一方が他方から電気的に絶縁されている。これは図2Aに示され、図2Aは、線状導体5a〜5eのうちの1つの配列が第1の透明プレート20(たとえば、カバーガラス)に結合され、線状導体3の他の配列が第2の透明プレートに結合され、線状導体の2つの配列を互いから電気的に絶縁する間隙24が生じるように2つの透明プレート20、22がパネル1中に構成された、タッチスクリーンディスプレイの実施形態を示す。透明プレート20、22は、ガラス、プラスチック、または他の半剛性透明材料とすることができる。タッチパッドユーザ入力デバイスまたはタッチスクリーン画面を形成するために、2つの透明プレート20、22は、液晶ディスプレイ(LCD)要素14などの画像生成要素の上方に配置される。線状導体3、5a〜5eは、表示素子14上に生成された画像を隠すかまたは暗くしないように透明であるか、または十分に細い。たとえば、線状導体3、5a〜5eは、リソグラフィプロセス、接着剤、スパッタリングおよびめっきを含む様々な方法によって透明プレート20、22に取り付けることができる。
【0027】
図2Bに、各配列が透明支持部材26、28内に埋め込まれた代替タッチスクリーン画面実施形態を示す。透明支持部材26、28は、ガラス、プラスチック、ポリウレタン、または他の半剛性透明材料とすることができる。本実施形態では、各透明支持部材26、28は、線状導体3、5a〜5eを所定の位置に保つのを助けるために線状導体3、5a〜5eに横方向支持を与えることができる。図2Aに示す実施形態の場合と同様に、透明支持部材26、28は、線状導体の2つの配列を互いから電気的に絶縁する間隙24が透明支持部材26、28間に生じるように、パネル1中に構成される。また、透明支持部材26、28は、LCDディスプレイ14などの画像生成素子の上方に配置され、それによってタッチスクリーン画面パネルを形成する。
【0028】
図2Cに、2つの透明支持部材26、28間に配置された非導電性セパレータ材料30を含む別の代替タッチスクリーン画面実施形態を示す。非導電性セパレータ材料30は、シリコーンなどの透明非導電性液体、または多孔質プラスチックなどの圧縮、透明、非導電性固体とすることができる。非導電性セパレータ材料30は、パネルがタッチされていないときに線状導体3、5a〜5eを電気的に絶縁するのを助けることができる。この実施形態は、透明支持部材26、28または透明プレート20、22に必要とされる横方向支持の量を低減することによって、パネルの構造を単純化することができる。図2Cは、2つの透明支持部材26、28間の領域全体に広がる非導電性セパレータ材料30を示すが、代替的に、非導電性セパレータ材料30を、線状導体3、5a〜5eの2つの配列の交差部間の小さい柱または突き当たる部分など、限定された領域またはスポット中に設けることができる。
【0029】
図3Aには、図2Aに示す実施形態が指32によるタッチにどのように応答するかが示されている。指32、ペン型入力機器または他の物体によって加えられた圧力により、透明プレート20が変形する。これにより、第2の配列中の1つまたは複数の線状導体5eが第1の配列中の線状導体3と電気接触する。その結果、接触している線状導体3、5e間に電流が流れることができ、それらの電圧レベルは最終的に等しくなる。しかしながら、他の線状導体5a〜5dは、(図3Aでは見えない)線状導体の対向する配列から電気的に絶縁されたままである。指圧力が除去されたとき、透明プレート20は、図2Aに示す構成に回復し、それによって2つの線状導体3、5e間の電気接続を遮断する。
【0030】
同様に、図3Bには、図2Bに示す実施形態が指32のプレスにどのように応答するかが示されている。指32、ペン型入力機器または他の物体によって加えられた圧力により、透明プレート20が変形する。これにより、1つまたは複数の線状導体5eが、対向する配列中の線状導体3と電気接触する。したがって、接触線状導体3、5e間に電流が流れることができ、それらの電圧レベルは最終的に等しくなる。指圧力が除去されたとき、透明支持部材26は、図2Bに示す構成に回復し、それによって2つの線状導体3、5e間の電気接続を遮断する。
【0031】
図3Cには、図2Cに示す実施形態が指32のプレスにどのように応答するかが示されている。指32、ペン型入力機器または他の物体によって加えられた圧力により、透明プレート20が変形する。この変形により、非導電性セパレータ材料30が圧縮または変位され、1つまたは複数の線状導体5eが、対向する配列中の線状導体3と電気接触することが可能になる。その結果、接触している線状導体3、5e間に電流が流れることができ、それらの電圧レベルは最終的に等しくなる。一実施形態では、非導電性セパレータ材料30の圧縮によりその電気抵抗が低減し、それにより、対向する線状導体3、5eが物理的に接触しない場合でも、その2つの線状導体間に電流が流れることが可能になる。指圧力が除去されたとき、非導電性セパレータ材料30からの弾性的または流体力学的圧力により透明支持部材26、28が押されて離れ、プレートは、図2Cに示す構成に復帰し、2つの線状導体3、5e間の電気接続を遮断する。
【0032】
マルチタッチタッチパッドユーザ入力デバイスの実施形態は、カバー部材20または26および支持プレート部材22、28が透明である必要がないことと、表示素子14が不要であることとを除いて、上記で説明し、図2A〜図3Cに示した構造と構造的にまったく同様である。これらの例外とともに、図2A〜図3Cに関する上記の説明は、タッチパッドユーザ入力デバイス実施形態にも当てはまる。
【0033】
上述のように、集積回路製造において採用されるフォトリソグラフィ法およびマスクスパッタリング蒸着法など、いくつかのよく知られている製造技法を使用して、狭い線状導体3、5を透明プレート20、22の表面に付加することができる。例として、スピン形成法を使用することなどによって、感光性のエッチング抵抗性(「フォトレジスト」)層を透明プレート20に付加することができる。フォトレジスト層が硬化すると、フォトレジストの露光を光の細いラインに制限するマスクを通して照射される紫外光に、フォトレジスト層を露光することができる。次いで、フォトレジスト層の露光されたラインを溶剤を用いて除去し、それによって透明プレート20の表面を露出させることができる。次いで、化学蒸着(CVD)、電子ビーム蒸着、物理蒸着(PVD)、イオンビーム蒸着、スパッタ蒸着または他の知られている方法を使用して、金属(たとえば、金、銅または銀)、金属合金(たとえば、スズアルミニウム)、金属酸化物(たとえば、酸化インジウムスズ(ITO))、またはカーボンナノチューブなどの他の導電材料などの導電材料を、透明プレート20の露出部分に蒸着することができる。最後に、残りのフォトレジスト層を化学溶剤を使用して除去すると、図2Aに示すように、表面に細い線状導体3、5が付着した透明プレート20が得られる。
【0034】
別の例示的な製作方法として、狭いラインまたは膜への導電材料(たとえば、ITO)の蒸着を制限するスクリーンまたはマスクを通してスパッタ蒸着を使用して、狭い線状導体3、5を透明プレート20、22の表面に付加することができる。
【0035】
同様にして、図2Bに示すように、フォトリソグラフィ方法を使用して、線状導体3、5を透明支持部材26、28内に蒸着するか、または埋め込むことができる。たとえば、フォトレジスト層を透明支持部材26に付加し、硬化させた後、マスクを通して照射される紫外光に露光することができる。上記で説明したように、マスクは、フォトレジストの露光を細い平行ラインに制限する。フォトレジスト層の露出部分を溶剤を用いて除去して、透明支持部材26の下にある表面を露出させることができる。次いで、透明支持部材26をエッチング溶剤に露出させ、露出した透明支持部材26の一部分を除去することができる。残りのフォトレジストによってカバーされた透明支持部材26の部分は、エッチングから保護される。その結果、マスクを通して紫外光に露光されたラインの各々に沿って透明支持部材26中にトレンチが形成される。CVD、PVD、電子ビーム蒸着、イオンビーム蒸着、スパッタ蒸着、または上記で説明した他の方法を使用して、これらのトレンチを、金属、金属合金または金属酸化物などの導電材料で充填することができる。最後に、残りのフォトレジスト層を化学溶剤を使用して除去すると、図2Bに示すように、表面内に埋め込まれた細い線状導体3、5を有する透明支持部材26が現れることになる。
【0036】
コンピュータディスプレイ技術分野において知られている様々な構造方法を使用して、透明プレート20、22と透明支持部材26、28とを互いにすぐ近くに配置することができる。たとえば、透明プレート20、22または透明支持部材26、28の端を、プレートまたは部材を所定の位置に保持するように構成された剛性フレーム中に保持することができる。別の例として、所望の間隙24を保持するために、パネルの領域上の様々なポイントにおいてプレート間または部材間にスペーサを含めることができる。さらなる一例として、端の保持とスペーサの両方を使用して、透明プレート20、22間または透明支持部材26、28間に所望の間隙24を維持することができる。
【0037】
図1A〜図1Dおよび他の図は、4つの水平線状導体3a〜3bと4つの垂直線状導体5a〜5bとを含む導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの一部分を示すが、プロダクションパネルは、極めて多数の導電ラインを含むことができる。さらに、図9に関して以下でより十分に説明するように、より大きいパネルを作成するために、複数の導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルを隣り合わせに配置することができる。
【0038】
図4A〜図4Dに、電圧が水平ライン3a〜3dに接続され、コンパレータが、図1Aに示す実施形態と同様の列を読み出す、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの一実施形態上でタッチロケーションを読み出すための一実施形態のプロセスを示す。図4A〜図4Dに示す実施形態は、代替の読み出しプロセスの唯一の例として与えられる。図1B〜図1Dに示した実施形態のように構成されたマルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネル上のタッチロケーションを読み出すために、同様の順次スキャニング技法を実装することができる。図4A〜図4Dに示す実施形態では、単一のコンパレータ回路7を使用して、水平線状導体3と垂直線状導体5との間の接触によって電圧源への電気経路が形成されるときに生じるであろう電圧を検出する。この読み出しは、図4A〜図4Dに示す一連のステップにおいて達成できる。図4Aに示す第1のステップでは、(図1に示すスイッチ11aを閉じることなどによって)第1の水平線状導体3aに電圧源VDDが印加されている間、コンパレータ回路7およびプルダウン抵抗/接地回路9を第1の垂直線状導体5aに接続する。図4Aに示すステップでは、他の水平線状導体3b〜3dは、どの電圧源にも接続されず、代わりに高インピーダンス(「Hi-Z」)状態にされる。コンパレータ回路7は、パネル1内の回路、別個の回路素子内の回路、または垂直線状導体5a〜5dの各々に結合されたパネルコントローラ集積回路(IC)内に含まれる回路素子内の回路とすることができる。たとえば、コンパレータ回路7は、パネルコントローラIC内のレベル検出器とすることができる。コンパレータ回路7と接地との間に接続された抵抗9は、通電された水平線状導体3aとの接触によって電圧源VDDへの電気接続が生じているときを除いて、接続された垂直線状導体5aがほぼ0電圧にプルダウンされることを保証する。
【0039】
コンパレータ回路7(またはコントローラIC内のレベル検出器)は各垂直線状導体5a〜5dに順々に接続されて、線状導体がVDDまたは接地(「gnd」)電圧レベルにあるかどうかを判断する。たとえば、コンパレータ回路7が、垂直線状導体5aが高電圧状態(すなわち、VDDまたはその近く)にあると判断した場合、これは、第1の水平線状導体3aと第1の垂直線状導体5aとの間に電気接触があることを示す。したがって、図4A中のコンパレータ回路によって感知された高電圧は、パネル1が線状導体3aと線状導体5aとの交差部またはその近くにおいてタッチされていることを示すであろう。同様に、図4A中のコンパレータ回路によって感知された低電圧は、パネル1が線状導体3aと線状導体5aとの交差部またはその近くにおいてタッチされていないことを示す。高電圧または低電圧の読み出しは、「1」値または「0」値のいずれかとして示されるか、または処理され得る。
【0040】
図4Bに示す次のステップでは、コンパレータ回路7は、次の垂直線状導体5bに接続されて、その線状導体が高(VDD)電圧にあるのか、低(「gnd」)電圧にあるのかを判断する。同じく、コンパレータ回路7による高電圧の検出は、線状導体3aと線状導体5bとの交差部において電気接触がある(したがってパネルタッチがある)ことを示すであろうが、低/無電圧の検出は、交差部において電気接続がない(したがってタッチがない)ことを示すであろう。同様にして、図4Cおよび図4Dに示すように、コンパレータ回路7を垂直線状導体に接続するステップと、その電圧レベルを判断するステップとを、パネル1中の他の線状導体の各々について繰り返す。
【0041】
パネル内の垂直線状導体5a〜5dのすべてがコンパレータ回路7によって測定されると、電圧源は、次の水平線状導体3bに接続され、第1の線状導体3aから切断される。垂直線状導体5a〜5dの各々の上の電圧レベルを個々に判断するステップを繰り返して、垂直線状導体のいずれかが水平線状導体3bと電気接続しているかどうかを判断する。
【0042】
このプロセスは、水平線状導体3a〜3dのすべてが通電され、垂直線状導体5a〜5dのすべてがコンパレータ回路7によって感知されるまで続く。図9に示すように、複数の導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルを組み合わせてより大きい複合パネルにすると、含まれているパネルのすべてにわたって線状導体3、5の順次的な読み取りを並列に行うことができる。
【0043】
任意の知られているタイプのコンパレータ回路を使用して、垂直導電線状導体5a〜5d上の電圧の存在を検出することができる。一実施形態では、単純なインバータ回路をコンパレータ回路7として使用することができる。
【0044】
代替実施形態では、図1Aおよび図5Aに示す様態のように、各垂直線状導体5a〜5dを専用コンパレータ回路7a〜7dとプルダウン抵抗回路9a〜9dとに結合することができる。インバータは、集積回路内に実装できる比較的安価で単純な回路である。したがって、図4A〜図4Dに示すように、各垂直線状導体に順次的に接続された単一のより複雑なコンパレータ回路7を使用する代わりに、図1に示すように、各垂直接続性線状導体5a〜5dに接続されたインバータを用いて、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルを構成することができる。本実施形態では、各コンパレータ回路7a〜7dは、いずれかの垂直線状導体が、電圧源に結合された水平線状導体に接続されているかどうかを示す、ほぼ連続的な出力を与えることができる。
【0045】
図5A〜図5Cに、図1Aに示したパネル実施形態のタッチ位置を読み出すための例示的なプロセスを示す。図1B〜図1Dに示したパネル実施形態のタッチ位置を読み出すためのプロセスは、概念的にまったく同様である。図5A〜図5Cでは、2つの例示的な指タッチが破線円40、41によって示されている。第1のステップでは、電圧源VDDは、スイッチ11aを閉じることなどによって第1の水平線状導体3aに接続される。通電された水平線状導体と電気接触しているいずれの垂直線状導体5a〜5dも、取り付けられたコンパレータ回路7a〜7dによって検出され得る電源VDDの電圧に近い電圧を示すことになる。図5Aでは、電圧源VDDは、接続されたスイッチ11aを閉じることによって第1の水平線状導体3aに接続されている。垂直線状導体5bと水平線状導体3aとの交差部における指タッチ40により、2つの線状導体が電気接触し、それにより電圧源VDDからインバータ7bに電気が流れることが可能になり、インバータ7bにおいて、その電気は正の電圧または「1」信号として感知され得る。それに応答して、インバータ7bは、反対のデジタル値、すなわち、「0」信号または0電圧を出力する。他の垂直線状導体5a、5c、5dは、タッチされず、したがって、通電された水平線状導体3aと電気接触していないので、それぞれ接地に結合された、接続されたプルダウン抵抗9a、9c、9dにより、ほぼ接地電圧(すなわち、ほぼ0電圧)を示す。したがって、他の垂直線状導体5a、5c、5dに接続されたコンパレータ7a、7c、7dは、0電圧または「0」信号を感知する。それに応答して、インバータ7a、7c、7dは、反対のデジタル値、すなわち、「1」信号またはほぼVDD電圧を出力する。したがって、図5Aに示すように、電圧源VDDが第1の水平線状導体3aに接続されているとき、位置40におけるタッチにより、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルのインバータ7a〜7dがデジタル値「1011...」を出力することになる。次いで、水平線状導体3a〜3dのうちのどの1つが、電圧源と、垂直線状導体5a〜5dに結合されたインバータ7a〜7dからのデジタル出力とに接続されているかを知ることに基づいて、指タッチ40の位置はプロセッサまたは状態機械によって容易に判断される。
【0046】
次いで、読み取りプロセスは、スイッチ11aを開くことなどによって電圧源を第1の水平導電線状導体3aから切断し、スイッチ11bを閉じることなどによって電圧源を次の水平線状導体3bに接続することによって進む。図5Bに示す例では、第2の水平線状導体3bと垂直線状導体5a〜5dのうちのいずれとの間の交差部にも指タッチがない。したがって、垂直線状導体5a〜5dのすべては、接続されたプルダウン抵抗9a〜9dにより、それぞれのインバータ7a〜7dによって「0」信号として感知される接地電圧またはほぼ接地電圧にある。図5Bに示すように、インバータ7a〜7dは反対のデジタル値「1」を出力し、その結果、パネルデジタル出力値「1111...」が生じる。
【0047】
読み取りプロセスは、スイッチ11bを開くことなどによって電圧源を第2の水平導電線状導体3bから切断し、スイッチ11cを閉じることなどによって電圧源を次の水平線状導体3cに接続することによってさらに進む。図5Cに示す例では、第3の水平線状導体3bと第3の垂直線状導体5cとの間の交差部に指タッチ41がある。したがって、第3の水平線状導体3bと第3の垂直線状導体5cとの間の誘起された電気接触によって確立された回路は、第3の垂直線状導体5cを、接続されたインバータ7cによって「1」信号として感知されるほぼVDDに引き上げる。一方、他の垂直線状導体5a、5b、5dは、それぞれのインバータ7a、7b、7dによって「0」信号として感知される接地電圧またはほぼ接地電圧のままである。図5Cに示すように、インバータ7a〜7dは入力のデジタル値の反対のデジタル値を出力し、その結果、パネルデジタル出力値「1101...」が生じることになる。したがって、指タッチ41のロケーションは、それらの出力が受信されたときに通電される特定の水平線状導体3cに関する情報と組み合わせて、垂直線状導体5a〜5dに接続されたインバータ7a〜7dのデジタル出力値に基づいて判断できる。
【0048】
導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネル上の指タッチの位置を判断するために、垂直線状導体5a〜5dに結合されたインバータ7a〜7dのデジタル出力が受信される間、水平線状導体3a〜3dの各々を電圧源VDDに順次的に接続することができる。このようにして、水平線状導体の各々を電圧源に接続するシーケンスを迅速に循環することによって、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルを毎秒数回読み出して、パネル上の指タッチの移動を検出することができる。
【0049】
図6Aに示す本実施形態の実装形態では、個々のスイッチ11a〜11dを、電圧源52と水平線状導体3a〜3dとの間に結合されたマルチプレクサ回路50と交換することができる。電子技術分野においてよく知られているように、マルチプレクサ回路50は、(水平線状導体3a〜3dに接続された)その出力の各々を(VDDに接続された)その入力に順次的に接続するように構成できる。同様にして、図6Bに示すように、マルチプレクサ回路50を接地53と水平線状導体3a〜3dとの間に結合し、電圧源VDDを弱い抵抗9a〜9dを介して印加することができる。これらの実施形態では、パネルに対する指タッチのロケーションは、各読み出しの時間と組み合わせて、インバータ7a〜7dのデジタル出力に基づいて判断でき、読み出し時間はマルチプレクサスイッチングシーケンスおよび頻度に相関する。
【0050】
図6Cおよび図6Dに示すこの実施形態のさらなる実装形態では、マルチプレクサ回路60を使用して、単一のコンパレータ回路62を各垂直線状導体5a〜5dに順次的に接続することができる。これらの実施形態では、パネルからのデジタル出力は、一連のデジタル値として(すなわち、直列出力の形態で)単一のコンパレータ回路62によって与えられる。単一のコンパレータ回路62によって与えられた出力の直列の性質以外に、パネルへの指タッチの位置は、図5A〜図5Cに関して上記で説明した方法とまったく同様の方法で判断される。
【0051】
図6A〜図6Dに示す電圧源を印加するパネル実施形態と同様に、図6E〜図6Hに示すように電流源を印加するパネル実施形態を用いてマルチプレクサ回路を実装することもできる。図6Eでは、マルチプレクサ回路50は、強い電流源213と水平導電ライン3a〜3dとの間に結合されるが、垂直導電ライン5a〜5dの各々は弱い電流シンク209a〜209dとコンパレータ回路7a〜7dとに結合される。図6Fでは、マルチプレクサ回路60は、単一のコンパレータ回路62と、それぞれ弱い電流シンク209a〜209dに結合された垂直導電ライン5a〜5dとの間に結合されるが、水平導電ライン3a〜3dは、スイッチ311a〜311dを介して強い電流源213に選択的に結合される。図6Gでは、マルチプレクサ回路50は、強い電流シンク215と水平導電ライン3a〜3dとの間に結合されるが、垂直導電ライン5a〜5dの各々は弱い電流源215a〜215dとコンパレータ回路7a〜7dとに結合される。図6Hでは、マルチプレクサ回路60は、単一のコンパレータ回路62と、それぞれ弱い電流源215a〜215dに結合された垂直導電ライン5a〜5dとの間に結合されるが、水平導電ライン3a〜3dは、スイッチ411a〜411dを介して強い電流シンク217に選択的に結合される。
【0052】
図7Aに示す本実施形態のまたさらなる実装形態では、第1のマルチプレクサ回路50は電圧源52と水平線状導体3a〜3dとの間に結合され、第2のマルチプレクサ回路60は、単一のコンパレータ回路62と、それぞれ弱い抵抗9a〜9dを介して接地に結合された垂直線状導体5a〜5dの各々との間に結合される。本実施形態では、次の水平線状導体3a〜3dが第1のマルチプレクサ回路50によって電圧源に接続される前に、垂直線状導体5a〜5dの各々がコンパレータ回路62によって感知され得るように、第1のマルチプレクサ回路50のスイッチング頻度は、第2のマルチプレクサ回路60のスイッチング頻度よりも遅くなるように構成される。図7Aに示すパネルからのデジタル出力は、一連のデジタル値として(すなわち、直列出力として)単一のコンパレータ回路62によって与えられる。本実施形態では、パネルへの指タッチのロケーションは、第1のマルチプレクサのスイッチングシーケンスおよび頻度に相関し得る読み取り時間と組み合わせて、パネルの直列デジタル出力に基づいて判断できる。
【0053】
同様にして、図1B〜図1Dに示す代替実施形態を用いてマルチプレクサ回路50、60を実装することができる。たとえば、図7Bは、第1のマルチプレクサ回路50が接地53と水平線状導体3a〜3dとの間に結合され、第2のマルチプレクサ回路60が、単一のコンパレータ回路62と、それぞれ弱い抵抗9a〜9dを介して電圧源VDDに結合された垂直線状導体5a〜5dとの間に結合された一実施形態を示す。さらなる一例として、図7Cは、第1のマルチプレクサ回路50が強い電流源213と水平線状導体3a〜3dとの間に結合され、第2のマルチプレクサ回路60が、単一のコンパレータ回路62と、それぞれ弱い電流シンク209a〜209dに結合された垂直線状導体5a〜5dとの間に結合された一実施形態を示す。さらなる一例として、図7Dは、第1のマルチプレクサ回路50が強い電流シンク217と水平線状導体3a〜3dとの間に結合され、第2のマルチプレクサ回路60が、単一のコンパレータ回路62と、それぞれ弱い電流源215a〜215dに結合された垂直線状導体5a〜5dとの間に結合された一実施形態を示す。
【0054】
図5A〜図5Cは、線状導体の単一の交差部を包含する各指タッチ40、41を示すが、指タッチがいくつかの交差部を包含し得るように、線状導体の2つの配列のピッチ密度をより微細にすることができる。たとえば、図8に、単一の指タッチ80が4つ(またはより多くの)交差部をアクティブにするような線状導体ピッチ密度を有する、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルを示す。図8が示すように、タッチ80は両方の垂直線状導体5bおよび5cを水平線状導体3bおよび3cと電気接触させる。したがって、電圧源が(図8に示すように)第2の水平線状導体3bまたは3cに接続されたとき、電圧は、2つの垂直線状導体5b、5cに接続されたインバータ7b、7cによって感知される。したがって、第2の線状導体3bおよび第3の線状導体3cが通電されたとき、パネルからの出力は「1001...」になる。これらの出力は、接触線状導体交差部の中心点を識別するために、付加されたプロセッサまたはパネルコントローラによって処理できる。微細ピッチにより、タッチが交差部間の領域内に収まることができる可能性がなくなることがあるので、配列の一方または両方における線状導体の微細ピッチ密度を使用することによって導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルの感度および精度を高めることができる。また、より多くの力が加えられるほど、パネル中により大きい変形が生じ、したがってより多くの交点が電気接触することになるので、線状導体の微細ピッチ密度を使用することにより、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルは、タッチによって加えられる力の量を測定することが可能になる。タッチ位置とともに加えられる力を判断する能力は、より直観的なタッチパッドまたはタッチスクリーンユーザインターフェースの開発を可能にし得る。
【0055】
上述のように、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルは、より大きい領域にわたるように多数の水平線状導体および垂直線状導体を含むことができる。本実装形態は、大きいパネル上で、図に示した構造を単に反復することによって達成できる。また、複数の導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルを、隣り合わせに置くか、あるいは場合によっては、図9に示すようなより大きい複合パネルを形成するために一緒にグループ化することができる。図9に示す例では、4つの導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネル1a〜1dが隣り合わせに配置されているが、任意の数のパネルを組み合わせて、事実上任意のサイズのタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルを作成することができる。そのようなマルチパネル実施形態では、指タッチの位置は、複合パネル内のタッチされている特定のサブパネルのロケーションと組み合わせて、そのサブパネル上のタッチロケーションに基づいて判断される。
【0056】
導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルからタッチ位置情報を読み出すための例示的な方法を、図10A〜図10Dに示すプロセスフロー図に示す。読み出しプロセスは、専用コントローラまたはプロセッサによって、あるいはデバイスプロセッサによって達成され得る連続的なループとして進むことができる。図1Aに示した実施形態における第1のステップとして、ステップ100において、電圧源(VDD)を(図10中では「行1」と呼ばれる)第1の水平線状導体に結合し、続いて、ステップ102において、その垂直線状導体に結合されたコンパレータ回路からの出力を読み出す。このプロセスをパネル上で繰り返し、ステップ104において、電圧源を次の水平線状導体に順次的に結合し、続いて、ステップ108において最後の水平線状導体が電圧源に結合され、ステップ110において列の値が読み出されるまで、ステップ106において、列の値を読み出す。この時点で、プロセスは、第1の水平線状導体を通電するためにステップ100に戻ることによって、すぐに繰り返すことができる。任意選択で、プロセスは、第1の水平線状導体を通電するためにステップ100に戻る前に、スキャニング結果がメインプロセッサによって読み出されるかまたは処理されるのを待つために、短い時間の間遅延し得る。本プロセスは、パネルが通電され、ユーザ入力を受信するように構成される限り続く。本プロセスの繰返しの性質のために、本プロセスは、回路において、回路とソフトウェア(たとえば、プログラムされたゲートアレイ)との組合せにおいて、またはインターフェースのソフトウェア構成など、ソフトウェアにおいて実装できる。
【0057】
図1B〜図1Dに示した実施形態上のタッチ位置を読み出すためのプロセスを同様にして実行することができる。たとえば、図1Bに示した実施形態の場合、プロセスは、図10Bに示すように進むことができる。このプロセスは、ステップ100'、104'、108'において、接地が各行に順次的に印加されることを除いて、図10Aに関して上記で説明したプロセスと同様である。さらなる一例として、図1Cに示した実施形態の場合、プロセスは、図10Cに示すように進むことができる。このプロセスは、ステップ100"、104"、108"において、強い電流源が各行に順次的に印加されることを除いて、図10Aに関して上記で説明したプロセスと同様である。さらなる一例として、図1Dに示した実施形態の場合、プロセスは、図10Dに示すように進むことができる。このプロセスは、ステップ100"'、104"'、108"'において、各行に強い電流シンクが順次的に印加されることを除いて、図10Aに関して上記で説明したプロセスと同様である。
【0058】
図11は、図4A〜図4D、図6C、図6D、図6F、図6Hおよび図7A〜図7Dに関して上記で説明したような、直列的な方法で垂直線状導体5a〜5dを読み取る導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネル実施形態からタッチ位置情報を読み出すための例示的なプロセスを示す。ステップ100において、電圧源(VDD)(図6Cまたは図7Aに示した実施形態の場合)を第1の水平線状導体に結合したとき、ステップ114において、コンパレータ回路を第1の列に接続し、出力デジタル値を受信するサブルーチンプロセス112を実装することによって、ステップ102において、垂直線状導体の電圧を読み出す。列読み取りサブルーチン112は、ステップ118において、最後の垂直線状導体が接続され、読み取られるまで、ステップ116において、コンパレータ回路を各垂直線状導体に順次的に接続し、デジタル出力を受信することによって続く。サブルーチンプロセス112が完了すると、処理はメインルーチンに戻り、そこで、ステップ106において、サブルーチン112が再び呼び出される前に、ステップ104において、次の水平線状導体に電圧を印加する。このプロセスは、ステップ108において、最後の水平線状導体が電圧源に結合され、ステップ110において、読み出しサブルーチン112を実行することによって列の値が読み出されるまで続く。この時点で、プロセスは、第1の水平線状導体を通電するためにステップ100に戻ることによって、すぐに繰り返すことができる。任意選択で、プロセスは、第1の水平線状導体を通電するためにステップ100に戻る前に、スキャニング結果がメインプロセッサによって読み出されるかまたは処理されるのを待つために、短い時間の間遅延し得る。本サブルーチンプロセス112は、図10Aに関して上記で説明したのと同様にして図10B〜図10Dに示した方法と相互作用しながら、図1B〜図1Dに示した実施形態と同様にして実装できる。図10A〜図10Dに関して上記で説明した実施形態の場合と同様に、読み出しプロセスおよび/またはサブルーチン112は、回路において、回路とソフトウェア(たとえば、プログラムされたゲートアレイ)との組合せにおいて、またはインターフェースのソフトウェア構成など、ソフトウェアにおいて実装できる。
【0059】
一実施形態では、水平線状導体3a〜3dと、電圧源VDDまたは接地、電流源213または強い電流シンク217との間に結合されたスイッチ11a〜11dは、図12に示すように論理スイッチの形態とすることができる。たとえば、スイッチ11a〜11dは通常は開いているトランジスタ122とすることができ、それらの入力は、電圧源VDDまたは接地、電流源213または強い電流シンク217に結合され、それらの出力は水平線状導体3iに結合され、それらのゲートはデジタル入力に結合される。スイッチとしてPチャネルMOSFETを示す図示の例示的な実施形態では、論理が図示の回路中で反転するので、ゲートに「0」を印加することによって水平線状導体3iに電圧を印加する。当業者によって理解され得るように、代替的に論理スイッチはNチャネルMOSFETとすることができるので、本発明の趣旨から逸脱することなく、正の電圧または「1」を印加することによってスイッチが閉じられる。本実施形態では、各行を一意のアドレス値に関連付けることができるので、配列の作製および制御を簡略化することができる。たとえば、図12に示すようなトランジスタ112の配列に読み取りアドレス「1101...」が印加されることにより、第3の水平線状導体3cに結合されたゲートトランジスタ112が閉じられることになり、それにより、その特定の水平線状導体に接触している垂直線状導体の読み出しが可能になる。本実施形態では、印加された水平読み取りアドレスと関連する垂直読み出し値との組合せによってタッチ位置を判断することができるので、タッチのロケーションを判断するために必要とされる処理を簡略化することができる。たとえば、タッチ41が(図5A〜図5Cに示すように)第3の水平線状導体3cと第3の垂直線状導体5cとの交差部において受信される場合、「1101...」入力アドレスと「1101...」出力値とによって、対となったもの(couplet)またはベクトルの形式などで、タッチ位置を定義することができる。
【0060】
図13に、図12に示した実施形態を実装する導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルからタッチ位置情報を読み出すための例示的なプロセスを示す。上記で説明したプロセスの場合と同様に、読み出しプロセスは、専用コントローラまたはプロセッサ、デバイスプロセッサ、あるいはパネルに関連する集積回路の一部分によって達成できる連続的なループとして進むことができる。第1のステップとして、ステップ130において、第1の桁位置に「0」値(または異なるタイプのスイッチトランジスタの場合は「1」)を含む読み取りアドレスを、電圧源(VDD)と水平線状導体との間に結合された通常は開いているトランジスタのゲートに印加する。アドレス値がトランジスタゲートに印加されると、ステップ102において、垂直線状導体に結合されたコンパレータ回路から出力を読み出す。図10および図11に関して上記で説明したように、垂直線状導体の読み出しは、(図10に関して上記で説明したように)並列に達成され得るか、または(図11に関して上記で説明したように)直列に達成され得る。ステップ132において、問い合わせるべき水平線状導体に関連する位置に「0」(または異なるタイプのスイッチトランジスタの場合は「1」)を含むアドレスを印加することによって、後続の水平線状導体を通電し、その後、ステップ106において、垂直線状導体を読み出す。このアドレス指定および読み取りプロセスは、ステップ134において、最後の水平線状導体が「0」(または異なるタイプのスイッチトランジスタの場合は「1」)でアドレス指定され、ステップ110において、列の値が読み出されるまで続く。この時点で、プロセスは、第1の水平線状導体を通電することになる読み取りアドレスを印加するためにステップ130に戻ることによって、すぐに繰り返すことができる。本プロセスは、パネルが通電され、ユーザ入力を受信するように構成される限り続く。
【0061】
図12および関連する説明では、通常は開いているPチャネルMOSFETトランジスタ122の使用を示したが、(「1」入力値を用いてアクティブにされ得る) 通常は開いているNチャネルMOSFETトランジスタ、(「1」値を印加することによって開から閉に、または閉から開に切り替えることができる)フリップフロップ回路、および同様の論理回路を含む、他のデジタル論理回路を使用することができる。さらに、上述のように、水平導体がVDDの代わりに接地に接続されるように、パネル回路を構成することができる(図1Bに関する上記の説明を参照されたい)。また、水平導体は、電圧源または接地の代わりに電流源に接続されたスイッチとすることができる。
【0062】
図12および図13に関して上記で説明した実施形態により、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルを様々な方法で読み取ることが可能になる。図13に関して上記で説明した読み取りプロセスでは、水平線状導体の各々に電圧を順次的に印加する。しかしながら、適切な読み取りアドレスをパネルに印加することによって、ランダムシーケンスを含む任意のシーケンスにおいて水平線状導体を通電することもできる。たとえば、タッチが検出されたとき、タッチのどんな動きをもより良く追跡するために、適切な読み取りアドレスを印加することによって、タッチの近傍の水平線状導体(たとえば、タッチの両側の1つまたは2つの線状導体)を優先的に読み取ることができる。たとえば、特定の水平線状導体上でタッチが検出されたとき、その導体の上および下の水平線状導体を、すべての水平線状導体の走査が完了する前に数回、迅速にアドレス指定することができる。このようにして、タッチの近傍の水平線状導体をタッチから遠い線状導体よりも頻繁にアドレス指定するので、パネル上の指の迅速な動きを正確に追跡することができる。
【0063】
マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルは、いくつかの構成では、3つのタッチがパネルに付加されたとき、2次電気経路に起因する誤った読み取りを起こしやすい。図14に、導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルにおいて経験され得る2次電気経路の問題を示す。図14に示すように、3つの指がロケーション40、42および44においてパネルにタッチする状況では、タッチによって確立された水平および垂直導電ラインならびにワイヤの間の電気接続により、電流および電圧が、第4の「ゴースト」タッチ46の指示を生じるように流れることが可能になる。詳細には、水平線状導体3cから、垂直線状導体5b、水平線状導体3a、関連するコンパレータ回路7cによって電圧が検出される垂直線状導体5cまでの破線で示される2次経路140に沿って、電圧が伝導され得る。したがって、電圧が水平線状導体3cに接続されたとき、その水平線状導体3cと垂直線状導体5cとの間に接続がない(すなわち、タッチがない)にもかかわらず、タッチ読み出し「0」がコンパレータ回路7cから出力される。(水平導体と垂直導体が互いに直交するように構成された場合)単一のパネルが直角三角形のパターン中の3つの場所でタッチされたときはいつでも、同様のゴーストタッチの指示が生成され得、第4の「ゴースト」タッチは3つの現実のタッチで長方形を形成する。
【0064】
パネルが3つの場所でタッチされたときに2次電気経路によって引き起こされるゴースト指示(ghost indication)の問題は、様々な手法によって最小限に抑えることができる。図15Aおよび図15Bに示す第1の手法では、単一のパネルが3つの場所でタッチされる場合に、タッチが直角三角形を形成しない状況を回避するように、同時にタッチされ得るスクリーン上のアイコン200を戦略的に配置することができる。たとえば、キー200「Alt」、「Ctrl」および「Del」が図15Aに示すように線状導体の配列上に配置された場合、多くのPCベースのオペレーティングシステムおよびアプリケーションにおいて共通であるが、これらの3つのキーが同時に押されると、同じくゴースト205が検出される。このゴースト205は、プロセッサがこの共通のキープレスイベントを認識することを困難にする。図15Bに示すように、キー200のうちの少なくとも1つを他のキーから軸外の位置に移動することによって、「Alt」、「Ctrl」および「Del」の同時プレスにより、直角三角形を形成する接続された線状導体が生じることがなくなるので、このキープレスイベントによってゴーストは形成されない。代替手法では、図9に示すように複数の導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルを含む実装形態において、タッチされ得るか、または同時に操作され得るタッチスクリーン画面中のアイコンを、別々のサブパネル1a〜1d内に入るように配置することができる。
【0065】
2次電気経路によって引き起こされるゴースト指示の問題に対する第2の潜在的な解決策は、図16に示す別の実施形態の導電性マルチタッチタッチパッドまたはタッチスクリーンパネルによって与えられる。本実施形態は、垂直線状導体5a〜5d上に存在する電圧または電流のレベルを測定することができる電圧または電流センサ12a〜12dを採用する。単純なデジタル出力のみを与えることができるコンパレータ回路7とは異なり、そのような電圧または電流センサ12a〜12dは、電圧または電流の測定されたレベルとともに変動する出力を与える。一実施形態では、アナログデジタル変換器回路12a〜12dは各垂直線状導体5a〜5dに結合される。アナログデジタル変換器回路12a〜12dは、測定された電圧または電流値に対応する値を出力するように構成される。
【0066】
図16に示す実施形態は、AD変換器12a〜12dから出力された値に基づいてゴースト読み取りを区別することによって、2次電気経路によって引き起こされるゴースト指示の問題を解決することができる。水平線状導体3および垂直線状導体5は、本質的にある程度の電気抵抗を有するので、直接電気経路および2次電気経路を流れる電流に対する抵抗の量は、電流経路の長さと数とに依存する。直角三角形を形成するパネル上に4つのタッチがある状況では、1つの垂直導電ラインに結合されたセンサと水平導電経路に結合された電圧または電流源との間に2つの電流経路が確立され、それによって、ゴースト状況において起こる単一の経路があるときよりも与えられる抵抗が小さくなる。したがって、ゴースト指示は、実際の指示(すなわち、4ポイントタッチ)よりも低い電圧または電流出力、実際のタッチ指示をゴーストタッチ指示と区別するために使用できる差を有することになる。この差について、3つまたは4つのロケーションにおいてタッチされるパネルを通る直接電気経路と2次電気経路とを示す図17A〜図17Eに関して、以下で説明する。
【0067】
図17Aを参照すると、パネルが3つのロケーション40、42、44においてタッチされた場合、第3の水平線状導体3cに電圧が印加されると、実線矢印140によって示すように、第2の垂直線状導体5bに結合されたA/D変換器12bに電流が直接流れることになる。その結果、A/D変換器12bは電圧または電流の値(I0/V0)を出力する。また、2次電気経路141は、タッチ40における接続を通って第1の水平線状導体3a、タッチ42における接続を介して第3の垂直線状導体5cに流れ、その接続を通って、接続されたA/D変換器12cに流れる。2次電気経路141の結果として、A/D変換器12cは、その電気経路141にわたる抵抗を反映する電圧または電流の値(I1/V1)を出力する。A/D変換器12cからのこの出力は、図17Aに示す例ではゴースト指示となるであろう、ロケーション46におけるタッチとして解釈され得る。そのようなゴースト指示は、図17Bに示す例に示すように、A/D変換器12cの出力値を測定することによって、真のタッチ指示と区別され得る。4タッチ状況では、電流は、経路141と経路142の両方を通ってA/D変換器12cに流れるであろう。詳細には、電流は、直接経路142を介して水平線状導体3cから垂直線状導体5cに流れ、間接経路141を介して水平線状導体3cから垂直線状導体5b、水平線状導体3a、垂直線状導体5cに流れるであろう。これらの並列電流経路の結果として、電圧源とA/D変換器12cとの間の実効電気抵抗は、3タッチ状況において存在するであろう図17Aに示す2次経路141の実効電気抵抗よりも小さくなる。したがって、実際のタッチ48に対するA/D変換器12cからの電圧または電流の出力値(I2/V2)は、ゴースト指示46に関連する出力のほぼ2倍になる。A/D変換器12cによって与えられた出力レベルのこの差を使用して、現実の指示(すなわち、4点タッチ)をゴースト(すなわち、3点タッチ)指示と区別することができる。
【0068】
単一のパネル内で4つの実際のタッチ(すなわち、3つの実際のタッチ指示および1つのゴーストタッチ指示ではない)がある状況では、同じく、すべてのタッチ指示に関与する2次電流経路があることになる。これは図17Cおよび図17Dに示されている。図17Cを参照すると、第2の垂直線状導体5bに接続されたA/D変換器12bからの出力(I3/V3)は、並列直接導電経路140と2次導電経路145との組合せのために(図17Aに示すように)3タッチ状況における出力よりも大きくなる。これは、2次導電経路145が、A/D変換器12bに流れる電流に対して提示される実効抵抗を低減するからである。同様に、図17Dに示すように、電圧源が第1の水平線状導体3aに結合されたとき、第3の垂直線状導体5cに接続されたA/D変換器12cからの出力(I4/V4)は、並列直接導電経路144と2次導電経路146との組合せのために(図17Aに示すように)3タッチ状況における出力よりも大きくなる。最後に、図17Eに示すように2次導電経路がないので、第1の水平線状導体3aが通電されたとき、3点接触は、第3の垂直線状導体5cに接続されたA/D変換器12cから異なる出力(I5/V5)を生じることになる。
【0069】
現実の指示をゴーストタッチ指示と区別する図16〜図17Eに示す実施形態の能力は、様々な水平線状導体3または垂直線状導体5における線形抵抗を変化させることによって向上され得る。様々な水平または垂直線状導体の単位長さ当たりの抵抗が異なる場合、直接導電経路を2次導電経路とより容易に区別することができる。また、行および列の各交差部についてのA/D変換器12からの電圧または電流出力を、単一タッチについて記録し、しきい値または比較値として記憶することができる。たとえば、単一タッチ値よりも小さい、A/D変換器12からの電圧または電流出力はゴースト指示として解釈され得るが、単一タッチ値以上の出力は現実の指示として解釈され得る。
【0070】
図16〜図17Eに示した実施形態によって測定可能な、A/D変換器12(または他のタイプの電圧または電流レベル感知回路)から出力の差を使用してゴースト指示を現実のタッチと区別するための例示的な方法を、図18中のプロセスフロー図に示す。パネル読み取りプロセスでは、ステップ100において、電圧源を第1の水平線状導体(「行1」)に結合し、続いて、ステップ170において、垂直線状導体5の各々に接続されたA/D変換器12から電圧または電流値を読み出す。図16に示すように、各垂直線状導体に接続された1つのA/D変換器がある場合、A/D変換器12を並列に読み出すことができる。代替的に、図6Bに示したように、単一のA/D変換器がマルチプレクサ回路60などによって垂直線状導体に順次的に接続された場合、A/D変換器12を直列に読み出すことができる。次いで、電圧源を水平線状導体の各々に順次的に結合し、垂直線状導体5の各々に接続されたA/D変換器12からの電圧または電流値出力を得、このプロセスは、ステップ108において、パネル中の最後の水平線状導体に電圧が印加され、ステップ171において、電圧または電流値出力が得られるまで続く。この時点で、得られた電圧または電流値出力を検査して、テスト172において、読み取りがパネルに対して3つ以上のタッチを示すかどうかを判断する。2つまたはそれ以下のタッチのみが示された場合(すなわち、テスト172=「いいえ」)、ゴースト指示の問題がないので、ステップ178において、図10および図11に関して上記で説明した方法と同様の方法で、タッチロケーションを判断するために行および列指示を読み出す。すべての水平線状導体が通電されると、ステップ100に戻ることによってプロセスを繰り返すことができる。
【0071】
得られた電圧または電流出力によってパネルへの3つ以上のタッチが示された場合(すなわち、テスト172=「はい」)、ステップ174において、現実の指示をゴーストタッチ指示と区別するために、タッチを示す単一の列内の得られた電圧または電流出力を比較する。このステップでは、図17A〜図17Eに関して上記で説明した方法と同様の方法で、現実の指示を識別するために、得られた電圧または電流値を互いにまたはしきい値と比較する。ステップ176において、比較の結果を使用して、検出されたゴースト指示をなくすためにパネル出力を補正する。次いで、ステップ178において、補正された行および列位置読み取りをパネルから出力し、その後、タッチ検出および読み出しプロセスを繰り返すためにステップ100に戻る。また、デバイスプロセッサに与えられるデータ量を低減するために、この時点で、補正された行および列位置読み取りをデジタルフォーマットに変換することができる。
【0072】
電流経路に沿った抵抗は、タッチ圧力に反応し得る、水平導電ラインと垂直導電ラインとの間の接点における抵抗をも含むことを理解されたい。接点抵抗のより大きい変動性を示す材料から製造された導電ラインを使用する実装形態では、そのような接触抵抗は3点タッチと4点タッチとの間の経路抵抗の差を埋めるので、この方法は信頼できないか、または実行不可能になり得る。
【0073】
導電性マルチタッチタッチセンシティブパネル上のタッチロケーションを読み出すプロセスは、スイッチ11またはマルチプレクサ50およびコンパレータ回路7または比例電気センサ(たとえば、A/D変換器回路)12に結合された状態機械によって制御できる。状態機械は、垂直線状導体の読み出しを電圧源への水平線状導体接続と相関させることができる。そのような状態機械は、集積回路またはプログラマブルゲートアレイなどの別個の回路として、またはタッチスクリーンパネルの一部として実装できる。
【0074】
図19は、導電性マルチタッチタッチセンシティブパネルを実装する一実施形態のコンピューティングシステムの構成要素ブロック図である。本実施形態では、導電性マルチタッチタッチセンシティブパネル180は、グラフィックスモジュール188(たとえば、グラフィックスカード)と読み出し回路183とを介してプロセッサ181に結合される。本実施形態では、導電性マルチタッチタッチセンシティブパネル上に提示されるべきディスプレイグラフィックスはプロセッサ181からグラフィックスモジュール188に出力され、グラフィックスモジュール188は導電性マルチタッチタッチセンシティブパネル180に電気信号を出力する。タッチ検出およびロケーションは、読み出し回路183を介してパネル180からプロセッサ181に出力される。パネル実施形態に応じて、パネルからの出力は、(図4A〜図4D、図6Bおよび図7に関して上記で説明した実施形態などにおける)状態機械183内の回路によって感知される電気値、あるいは垂直線状導体5に結合されたセンサからの並列出力または直列出力とすることができる。次いで、読み出し回路183は、タッチロケーションを示す信号をプロセッサ181に供給するか、またはプロセッサ181がタッチロケーションを判断できるようにするのに十分な情報を与えることができる。
【0075】
図19は読み出し回路183およびグラフィックスモジュール188を別々の回路または回路モジュールとして示すが、それらの回路素子を導電性マルチタッチタッチセンシティブパネル180またはプロセッサ181のいずれかの内部に組み込むことができる。たとえば、図20は、読み出し回路183が導電性マルチタッチタッチセンシティブパネル180内に組み込まれ、グラフィックスモジュール188がプロセッサ181電子回路またはソフトウェアの一部である一実施形態を示す。本実施形態では、導電性マルチタッチタッチセンシティブパネル180は、プロセッサ181からディスプレイグラフィックス信号を直接受信し、その埋込み型読み出し回路183を介してタッチロケーション情報をプロセッサ181に直接与える。
【0076】
上述の実施形態は、たとえば、セルラー電話、セルラー電話および/またはWiFiトランシーバを有する個人情報端末(PDA)、モバイル電子メール受信機、モバイルウェブアクセスデバイス、ならびに1つまたは複数のデータ通信リンクに接続する将来開発される他のプロセッサ搭載デバイスなど、様々なポータブルコンピューティングデバイスのいずれにも実施できる。一般に、そのようなポータブルコンピューティングデバイスは、図21に示す構成要素を共通に有する。たとえば、ポータブルコンピューティングデバイス200は、内部メモリ182に結合され、(画面180の一部とすることができる)状態機械183を介してマルチタッチ画面180に結合されたプロセッサ181を含むことができる。さらに、ポータブルコンピューティングデバイス200は、ワイヤレスデータリンクに接続され、および/またはプロセッサ181に結合されたセルラー電話トランシーバ184に接続された、電磁放射を送信および受信するためのアンテナ185を有することができる。ポータブルコンピューティングデバイス180は、一般に、ユーザ入力を受けるためのキーパッド186または小型キーボードおよびメニュー選択ボタンまたはロッカースイッチ187をも含む。
【0077】
プロセッサ181は、上述した様々な実施形態の機能を含む、様々な機能を実施するようにソフトウェア命令(アプリケーション)によって構成できる任意のプログラム可能なマイクロプロセッサ、マイクロコンピュータあるいはマルチプロセッサチップとすることができる。一部のポータブルコンピューティングデバイス200では、1つのプロセッサがマルチタッチ画面180とインターフェースすることと、それを制御することに専用であり、1つのプロセッサが他のアプリケーションの実行専用であるような、マルチプロセッサ181を設けることができる。一般に、ソフトウェアアプリケーションは、アクセスされ、プロセッサ182にロードされる前に内部メモリ181に記憶される。一部のポータブルコンピューティングデバイス200では、プロセッサ181は、アプリケーションソフトウェア命令を記憶するのに十分な内部メモリを含むことができる。本明細書では、メモリという用語は、内部メモリ181と、プロセッサ182自体の中のメモリとを含む、プロセッサ181によってアクセス可能なすべてのメモリを指す。多くのポータブルコンピューティングデバイス200では、メモリ182は、揮発性メモリ、もしくはフラッシュメモリなどの不揮発性メモリ、または両方の混合とすることができる。
【0078】
上記の実施形態を実施するために使用されるハードウェアは、当業者なら理解するように、マイクロプロセッサユニット、マイクロコンピュータユニット、プログラム可能な浮動小数点ゲートアレイ(FPGA)、および特定用途向け集積回路(ASIC)を含む、上記の方法に対応する方法のステップを実施するための命令のセットを実行するように構成された処理素子および記憶素子とすることができる。代替的に、いくつかのステップまたは方法は、所与の機能に固有の回路によって実行できる。
【0079】
本明細書で開示した実施形態に関連して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両者の組合せとして実装できることを当業者なら理解されよう。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップを、上記では概してそれらの機能に関して説明した。そのような機能をハードウェアとして実装するか、ソフトウェアとして実装するかは、特定の適用例および全体的なシステムに課される設計制約に依存する。当業者は、説明した機能を特定の適用例ごとに様々な方法で実装することができるが、そのような実装の決定は、本発明の範囲からの逸脱を生じるものと解釈すべきではない。
【0080】
いくつかのステップの順序は、本発明および特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく本明細書で説明した順序から変更できるので、上記で説明し、図に示した方法のステップの順序は、例示のためのものにすぎない。本明細書で開示する実施形態に関して説明する方法またはアルゴリズムのステップは、直接ハードウェアで実施するか、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで実施するか、またはその2つの組合せで実施することができる。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、または当技術分野で知られている任意の他の形態の記憶媒体のいずれかとすることができるプロセッサ読み取り可能なメモリ中に配備することができる。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。代替として、記憶媒体はプロセッサに一体化することができる。プロセッサおよび記憶媒体はASIC中に配備することができる。ASICはユーザ端末または携帯機器中に配備することができる。代替として、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末または携帯機器中に個別の構成要素として配備することができる。さらに、一部の態様では、方法またはアルゴリズムのステップおよび/またはアクションは、コンピュータプログラム製品中に組み込むことができる機械読み取り可能な媒体および/またはコンピュータ読み取り可能な媒体上のコードおよび/または命令の1つまたは任意の組合せまたはセットとして存在することができる。
【0081】
様々な実施形態の上記の説明は、当業者が本発明を実施または使用できるようにするために提供したものである。これらの実施形態への様々な修正は当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義した一般原理は、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく他の実施形態に適用できる。したがって、本発明は、本明細書で示した実施形態に限定されるものでなく、代わりに、特許請求の範囲は、本明細書で開示した原理および新規な特徴に合致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【符号の説明】
【0082】
1 パネル
3a〜3d、5a〜5d 線状導体
7a〜7d コンパレータ回路
9a〜9d 抵抗
11a〜11d スイッチ
12a〜12d 弱い電流源
14 表示素子
20、22 透明プレート
24 間隙
26、28 透明支持部材
30 非導電性セパレータ材料
32 指
40、41、42、44、80 指タッチ
46 ゴーストタッチ
50 マルチプレクサ回路
52 電圧源
53 接地
60 マルチプレクサ回路
62 コンパレータ回路
144 直接導電経路
146 2次導電経路
180 導電性マルチタッチタッチセンシティブパネル
181 プロセッサ
182 内部メモリ
183 読み出し回路
184 セルラー電話トランシーバ
185 アンテナ
186 キーパッド
187 小型キーボードおよびメニュー選択ボタンまたはロッカースイッチ
188 グラフィックスモジュール
200 ポータブルコンピューティングデバイス
209a〜209d 弱い電流シンク
211a〜211d、311a〜311d、411a〜411d スイッチ
213 強い電流源
215a〜215d 弱い電流源
217 強い電流シンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
線状導体の第1の配列と、
前記線状導体の第1の配列からすぐ近くに配置されるが前記線状導体の第1の配列から電気的に絶縁された線状導体の第2の配列と、
前記線状導体の第1の配列内の少なくとも1つの線状導体を印加電気信号に結合するように構成されたスイッチと、
前記線状導体の第2の配列内の少なくとも1つの線状導体に結合された電気センサと、
を備え、前記第1の配列中の線状導体と前記第2の配列中の線状導体とは互いに対して0でない角度で方向付けされたマルチタッチタッチセンシティブパネル。
【請求項2】
前記線状導体の第1の配列に結合された第1の透明部材と、
前記線状導体の第2の配列に結合された第2の透明部材と、
前記線状導体の第1および第2の配列の下に配置された表示素子と、
をさらに備え、
前記第1および第2の透明部材は、前記マルチタッチタッチセンシティブパネル上のタッチが前記線状導体の第1の配列内の少なくとも1つの線状導体を前記線状導体の第2の配列内の少なくとも1つの線状導体と電気接触させるように構成された請求項1に記載のマルチタッチタッチセンシティブパネル。
【請求項3】
前記印加電気信号は電圧源である請求項1に記載のマルチタッチタッチセンシティブパネル。
【請求項4】
前記印加電気信号は接地である請求項1に記載のマルチタッチタッチセンシティブパネル。
【請求項5】
前記印加電気信号は電流源である請求項1に記載のマルチタッチタッチセンシティブパネル。
【請求項6】
前記印加電気信号は電流シンクである請求項1に記載のマルチタッチタッチセンシティブパネル。
【請求項7】
前記線状導体の第1および第2の配列は、前記パネルがタッチされないとき、前記線状導体の第1の配列と第2の配列との間に間隙が存在するように構成された請求項2に記載のマルチタッチタッチセンシティブパネル。
【請求項8】
前記間隙内に配置された非導電材料をさらに備える請求項7に記載のマルチタッチタッチセンシティブパネル。
【請求項9】
前記電気センサは、前記線状導体の第2の配列内の少なくとも1つの線状導体がしきい値を超える電圧または電流を示すときに信号を出力するように構成されたコンパレータ回路を備える請求項1に記載のマルチタッチタッチセンシティブパネル。
【請求項10】
前記電気センサはインバータ回路を備える請求項1に記載のマルチタッチタッチセンシティブパネル。
【請求項11】
前記電気センサは、前記線状導体の第2の配列内の少なくとも1つの線状導体の電圧または電流レベルを表わす信号を出力するように構成されたアナログデジタル変換器回路を備える請求項1に記載のマルチタッチタッチセンシティブパネル。
【請求項12】
前記スイッチは、前記線状導体の第1の配列と前記印加電気信号との間に結合されたマルチプレクサ回路を備える請求項1に記載のマルチタッチタッチセンシティブパネル。
【請求項13】
前記線状導体の第2の配列と前記電気センサとの間に結合されたマルチプレクサ回路をさらに備える請求項1に記載のマルチタッチタッチセンシティブパネル。
【請求項14】
前記スイッチは、前記線状導体の第1の配列内の1つの線状導体と前記印加電気信号との間に結合されたトランジスタを備え、前記トランジスタは、印加電圧信号に応答して前記線状導体を前記印加電気信号に接続するように構成された請求項1に記載のマルチタッチタッチセンシティブパネル。
【請求項15】
線状導体の第1および第2の配列を含む導電性マルチタッチタッチセンシティブパネル上のタッチを検出する方法であって、
前記線状導体の第1の配列内の第1の線状導体に電気信号を印加するステップと、
前記線状導体の第2の配列内の各線状導体上の電気値を感知するステップと、
を有する方法。
【請求項16】
前記印加される電気信号は、電圧、接地、電流源および電流シンクのうちの1つである請求項15に記載の方法。
【請求項17】
電気値を感知するステップは、前記線状導体の第2の配列内の各線状導体上の電圧または電流をしきい値と比較するステップを有する請求項15に記載の方法。
【請求項18】
電気値を感知するステップは、前記線状導体の第2の配列内の各線状導体上の電圧を測定するステップを有する請求項15に記載の方法。
【請求項19】
電気値を感知するステップは、前記線状導体の第2の配列内の各線状導体上の電流を測定するステップを有する請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記線状導体の第2の配列内の各線状導体上の電気値を感知するステップは、
前記線状導体の第2の配列内の各線状導体を電気センサに順次的に接続するステップと、
前記電気センサを用いて前記電気値を感知するステップと、
を有する請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記線状導体の第1の配列内の各線状導体に前記印加される電気信号を順次的に印加するステップと、
前記印加される電気信号が前記線状導体の第1の配列内の各線状導体に印加されたとき、前記線状導体の第2の配列内の各線状導体上の電気値を感知するステップと、
をさらに有する請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記感知された電気値がしきい値を超えた前記線状導体の第2の配列内の線状導体と、前記感知された電気値が前記しきい値を超えたときに前記印加される電気信号が印加された前記線状導体の第1の配列内の線状導体とに基づいて、前記導電性マルチタッチタッチセンシティブパネル上のタッチのロケーションを識別するステップをさらに有する請求項21に記載の方法。
【請求項23】
線状導体の第1の配列と、
前記線状導体の第1の配列からすぐ近くに配置されるが前記線状導体の第1の配列から電気的に絶縁された線状導体の第2の配列と、
前記線状導体の第1の配列中の各線状導体に電気信号を印加する手段と、
前記線状導体の第2の配列中の各線状導体上の電気値を感知し、それに応答して出力を与える手段と、
前記出力に基づいて前記パネル上のタッチのロケーションを判断する手段と、
を備えるマルチタッチタッチセンシティブパネル。
【請求項24】
前記線状導体の第1の配列中の各線状導体に電気信号を印加する手段は、前記線状導体の第1の配列中の各線状導体に電圧を印加する手段を備える請求項23に記載のマルチタッチタッチセンシティブパネル。
【請求項25】
前記線状導体の第1の配列中の各線状導体に電気信号を印加する手段は、前記線状導体の第1の配列中の各線状導体に接地電圧を印加する手段を備える請求項23に記載のマルチタッチタッチセンシティブパネル。
【請求項26】
前記線状導体の第1の配列中の各線状導体に電気信号を印加する手段は、前記線状導体の第1の配列中の各線状導体に電流源を印加する手段を備える請求項23に記載のマルチタッチタッチセンシティブパネル。
【請求項27】
前記線状導体の第1の配列中の各線状導体に電気信号を印加する手段は、前記線状導体の第1の配列中の各線状導体に電流シンクを印加する手段を備える請求項23に記載のマルチタッチタッチセンシティブパネル。
【請求項28】
光が前記線状導体の第1の配列を通過することを可能にしながら前記線状導体の第1の配列を支持する手段と、
光が前記線状導体の第2の配列を通過することを可能にしながら前記線状導体の第2の配列を支持する手段と、
前記線状導体の第1および第2の配列の下に配置された画像を表示する手段と、
をさらに備える請求項23に記載のマルチタッチタッチセンシティブパネル。
【請求項29】
電気信号を感知する手段は、前記線状導体の第2の配列内の少なくとも1つの線状導体がしきい値を超える電圧を示すときに信号を出力する手段を備える請求項23に記載のマルチタッチタッチセンシティブパネル。
【請求項30】
電気信号を感知する手段は、前記線状導体の第2の配列内の少なくとも1つの線状導体の電圧レベルを表わす信号を出力する手段を備える請求項23に記載のマルチタッチタッチセンシティブパネル。
【請求項31】
前記線状導体の第1の配列中の各線状導体に電気信号を印加する手段は、前記線状導体の第1の配列の各々に前記電気信号を順次的に印加する手段を備える請求項23に記載のマルチタッチタッチセンシティブパネル。
【請求項32】
前記線状導体の第2の配列中の各線状導体上の電気信号を感知する手段は、前記線状導体の第2の配列の各々を電気センサに順次的に接続する手段を備える請求項23に記載のマルチタッチタッチセンシティブパネル。
【請求項33】
前記線状導体の第1の配列中の各線状導体に電圧または電流を印加する手段は、印加電圧信号に応答して前記線状導体の第1の配列の各線状導体を前記印加電気信号のソースに個々に接続する手段を備える請求項23に記載のマルチタッチタッチセンシティブパネル。
【請求項34】
前記パネルがタッチされないとき、前記線状導体の第1の配列と第2の配列との間の間隙を維持する手段をさらに備える請求項23に記載のマルチタッチタッチセンシティブパネル。
【請求項35】
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されたマルチタッチタッチセンシティブパネルと、を備え、
前記マルチタッチタッチセンシティブパネルは、
線状導体の第1の配列と、
前記線状導体の第1の配列からすぐ近くに配置されるが前記線状導体の第1の配列から電気的に絶縁された線状導体の第2の配列と、
前記線状導体の第1の配列内の少なくとも1つの線状導体を印加電気信号に結合するように構成されたスイッチと、
前記線状導体の第2の配列内の少なくとも1つの線状導体に結合された電気センサと、
を備え、前記第1の配列中の線状導体と前記第2の配列中の線状導体とは互いに対して0でない角度で方向付けされた携帯機器。
【請求項36】
前記マルチタッチタッチセンシティブパネルは、
前記線状導体の第1の配列に結合された第1の透明部材と、
前記線状導体の第2の配列に結合された第2の透明部材と、
前記線状導体の第1および第2の配列の下に配置された表示素子と、
をさらに備え、
前記第1および第2の透明部材は、前記マルチタッチタッチセンシティブパネル上のタッチが前記線状導体の第1の配列内の少なくとも1つの線状導体を前記線状導体の第2の配列内の少なくとも1つの線状導体と電気接触させるように構成された請求項35に記載の携帯機器。
【請求項37】
前記印加電気信号は電圧源である請求項35に記載の携帯機器。
【請求項38】
前記印加電気信号は接地である請求項35に記載の携帯機器。
【請求項39】
前記印加電気信号は電流源である請求項35に記載の携帯機器。
【請求項40】
前記印加電気信号は電流シンクである請求項35に記載の携帯機器。
【請求項41】
前記線状導体の第1および第2の配列は、前記パネルがタッチされないとき、前記線状導体の第1配列と第2の配列との間に間隙が存在するように構成された請求項35に記載の携帯機器。
【請求項42】
前記間隙内に配置された非導電材料をさらに備える請求項41に記載の携帯機器。
【請求項43】
前記電気センサは、前記線状導体の第2の配列内の少なくとも1つの線状導体がしきい値を超える電圧または電流を示すときに信号を出力するように構成されたコンパレータ回路を備える請求項35に記載の携帯機器。
【請求項44】
前記電気センサはインバータ回路を備える請求項35に記載の携帯機器。
【請求項45】
前記電気センサは、前記線状導体の第2の配列内の少なくとも1つの線状導体の電圧または電流レベルを表わす信号を出力するように構成されたアナログデジタル変換器回路を備える請求項35に記載の携帯機器。
【請求項46】
前記スイッチは、前記線状導体の第1の配列と前記印加電気信号のソースとの間に結合されたマルチプレクサ回路を備える請求項35に記載の携帯機器。
【請求項47】
前記線状導体の第2の配列と前記電気センサとの間に結合されたマルチプレクサ回路をさらに備える請求項35に記載の携帯機器。
【請求項48】
前記スイッチは、前記線状導体の第1の配列内の1つの線状導体と前記印加電気信号のソースとの間に結合されたトランジスタを備え、前記トランジスタは、印加電圧信号に応答して前記線状導体を前記印加電気信号に接続するように構成された請求項35に記載の携帯機器。
【請求項49】
プロセッサに、
線状導体の第1の配列内の第1の線状導体に電気信号を印加するステップと、
線状導体の第2の配列内の各線状導体上の電気値を感知するステップと、
を含むステップを実行させるように構成されたプロセッサ実行可能ソフトウェア命令を記憶した有形記憶媒体。
【請求項50】
前記記憶されたプロセッサ実行可能ソフトウェア命令は、前記電気値を感知するステップが、前記線状導体の第2の配列内の各線状導体上の電圧をしきい値と比較するステップを含むようにさらに構成された請求項49に記載の有形記憶媒体。
【請求項51】
前記記憶されたプロセッサ実行可能ソフトウェア命令は、前記電気値を感知するステップが、前記線状導体の第2の配列内の各線状導体上の電圧を測定するステップを含むようにさらに構成された請求項49に記載の有形記憶媒体。
【請求項52】
前記記憶されたプロセッサ実行可能ソフトウェア命令は、前記電気値を感知するステップが、前記線状導体の第2の配列内の各線状導体上の電流を測定するステップを含むようにさらに構成された請求項49に記載の有形記憶媒体。
【請求項53】
前記記憶されたプロセッサ実行可能ソフトウェア命令は、前記線状導体の第2の配列内の各線状導体上の電気値を感知するステップが、
前記線状導体の第2の配列内の各線状導体を電気センサに順次的に接続するステップと、
前記電気センサを用いて前記電気値を感知するステップと、
を含むようにさらに構成された請求項49に記載の有形記憶媒体。
【請求項54】
前記記憶されたプロセッサ実行可能ソフトウェア命令は、プロセッサに、
前記線状導体の第1の配列内の各線状導体に前記電気信号を順次的に印加するステップと、
電圧が前記線状導体の第1の配列内の各線状導体に印加されたとき、前記線状導体の第2の配列内の各線状導体上の電気値を感知するステップと、
をさらに含むステップを実行させるように構成された請求項49に記載の有形記憶媒体。
【請求項55】
前記記憶されたプロセッサ実行可能ソフトウェア命令は、プロセッサに、前記感知された電気値がしきい値を超えた前記線状導体の第2の配列内の線状導体と、前記感知された電気値が前記しきい値を超えたときに前記電気信号が印加された前記線状導体の第1の配列内の線状導体とに基づいて、導電性マルチタッチタッチセンシティブパネル上のタッチのロケーションを識別するステップをさらに含むステップを実行させるように構成された請求項54に記載の有形記憶媒体。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図6G】
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【図6H】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図17D】
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【図17E】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公表番号】特表2012−515990(P2012−515990A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−548151(P2011−548151)
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/021858
【国際公開番号】WO2010/085686
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(507364838)クアルコム,インコーポレイテッド (446)
【Fターム(参考)】