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導電性微粒子及びそれを用いた異方性導電材料
説明

導電性微粒子及びそれを用いた異方性導電材料

【課題】軟質でありながら良好な回復率を保持する樹脂粒子を基材とし、電気的接続に供した際に低圧接続においても初期抵抗値を低く抑えることができる導電性微粒子を提供する。
【解決手段】本発明の導電性微粒子は、樹脂粒子からなる基材と、該基材の表面に形成された少なくとも一層の導電性金属層とを有する導電性微粒子であって、前記樹脂粒子が、分子内に2以上の架橋性基を有しかつ該架橋性基間の原子数が15以下である架橋性モノマー(a1)と、n−ブチルメタクリレート(b)とを含む単量体成分から形成されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低圧接続に適した導電性微粒子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器の組み立てにおいて、対向する多数の電極や配線間の電気的接続を行うために、異方性導電材料による接続方式が採用されている。異方性導電材料は、導電性微粒子をバインダー樹脂等に混合した材料であり、例えば異方性導電ペースト(ACP)、異方性導電フィルム(ACF)、異方性導電インク、異方性導電シート等がある。
【0003】
異方導電接続に用いられる導電性微粒子としては、圧縮変形性に優れるという理由から、一般に、樹脂粒子を芯材(基材)とし該芯材の表面にニッケルなどの導電性金属層が形成されたものが使用される。そして、かかる導電性微粒子の基材としては、接続安定性に優れた異方性導電材料とするために、軟質で柔軟性が高く、かつ回復率の高い粒子が求められてきた。
【0004】
特に近年、電子部品の小型化、高密度実装化に伴い、被接続媒体である電極や電極を保持する基板も薄膜化される傾向にあり、実装時にあまり過度な圧力を印加すると基板等の損傷を招くという問題が生じることがあった。このため、低圧実装化に対応可能な異方性導電材料が求められており、導電性微粒子としては、過度な圧力を印加しなくても容易に変形させうるよう従来よりも一層軟質な樹脂粒子を基材としたものが望まれる。
【0005】
軟質で柔軟性が高い樹脂粒子としては、例えば、ビニル基を有するポリシロキサンと、25℃の水に対する溶解度が10質量%以下であり、かつ、1分子中に2個の(メタ)アクリロイル基を有する重量平均分子量300以上の2官能オリゴマーを必須成分とする重合性成分を重合させて得られる重合体微粒子が開示されている(特許文献1)。
【0006】
しかしながら、一般に樹脂粒子を軟質化すると、回復率が低下する傾向があり、得られた樹脂粒子の表面に導電性金属層を形成する際のメッキ加工時などに球形を維持することができず均一な導電性金属層が形成されないため、導電性微粒子として異方導電接続に供した際に十分に低い初期抵抗値を得ることができず、接続安定性を損なうという問題があった。なお、かかる問題を解決する手段として、樹脂粒子の架橋度を上げて回復率を高めることも考えられるが、架橋度を上げると、それに比例して粒子硬度は高くなるため、低圧接続に適用しうるだけの軟質性が得られないことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−117850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、軟質でありながら良好な回復率を保持する樹脂粒子を基材とし、電気的接続に供した際に低圧接続においても初期抵抗値を低く抑えることができる導電性微粒子と、これを用いた異方性導電材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は上記課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、分子内に2以上の架橋性基を有しかつ該架橋性基間の原子数が15以下である架橋性モノマー(a1)と、n−ブチルメタクリレート(b)とを含む単量体成分から形成される樹脂粒子であれば、回復率の維持と軟質化の両立を図ることができることを見出し、かかる樹脂粒子を基材とする導電性微粒子を用いた異方性導電材料が、低圧接続においても十分に低い初期抵抗を実現しうることを確認し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明に係る導電性微粒子は、樹脂粒子からなる基材と、該基材の表面に形成された少なくとも一層の導電性金属層とを有する導電性微粒子であって、前記樹脂粒子が、分子内に2以上の架橋性基を有しかつ該架橋性基間の原子数が15以下である架橋性モノマー(a1)と、n−ブチルメタクリレート(b)とを含む単量体成分から形成されることを特徴とする。
【0011】
本発明の導電性微粒子において、前記単量体成分総量100質量%中の架橋性モノマー(a1)の含有率は1質量%以上、85質量%以下であることが好ましく、前記単量体成分総量100質量%中のn−ブチルメタクリレート(b)の含有率は15質量%以上、99質量%以下であることが好ましく、前記単量体成分は分子内に2以上の架橋性基を有しかつ該架橋性基間の原子数が15を超える架橋性モノマー(a2)を含有しないことが好ましく、前記樹脂粒子の個数平均粒子径は10μm以上であることが好ましい。また本発明の導電性微粒子において、前記樹脂粒子は、最大荷重49mN、最小荷重0.49mN間で変形させることにより測定される圧縮変形回復率が3〜40%であり、かつ、粒子の直径が20%変位したときの圧縮弾性率が100〜1500N/mm2であることが好ましい。
【0012】
本発明に係る異方性導電材料は、上記本発明の導電性微粒子がバインダー樹脂に分散してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の導電性微粒子によれば、基材が特定の架橋性モノマー(a1)とn−ブチルメタクリレート(b)とから形成されているため、軟質でありながらも回復率を良好にでき、表面の導電性金属層の均一な被覆が可能となり、電気的接続に供した際に低圧接続においても初期抵抗値を低く抑えることが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の導電性微粒子は、樹脂粒子からなる基材と、該基材の表面に形成された少なくとも一層の導電性金属層とから構成される。
【0015】
1.樹脂粒子(基材)
本発明において樹脂粒子は、分子内に2以上の架橋性基を有しかつ該架橋性基間の原子数が15以下である架橋性モノマー(a1)(以下「特定架橋性モノマー(a1)」と称することもある)と、n−ブチルメタクリレート(b)とを含む単量体成分から形成される。このような所定のモノマーを含む単量体成分で構成された樹脂粒子は、軟質でありながら良好な回復率を保持し、導電性微粒子の基材としたときに低圧接続においても十分に低い初期抵抗値を発現させることを可能にする。
【0016】
以下、まず前記樹脂粒子を構成する単量体成分として用いることができるモノマー全般について説明し、その後、それらのうち本発明で必須成分とする前記特定架橋性モノマー(a1)およびn−ブチルメタクリレート(b)について説明する。
【0017】
前記樹脂粒子を構成する単量体成分としては、いわゆるビニル系単量体のみを用いてもよいし、ビニル系単量体とともに、いわゆるシラン系単量体を併用してもよい。ビニル系単量体を用いれば、ビニル基が重合して有機系骨格が形成され、かかる有機系骨格は加圧接続時に優れた弾性変形を発揮しうる。一方、シラン系単量体を用いれば、シラン系単量体の加水分解縮合反応によりシロキサン結合を生じてポリシロキサン骨格が形成され、かかるポリシロキサン骨格は加圧接続時に被接続体に対して高い接触圧を発現させうる。ビニル系単量体は、ビニル系架橋性単量体とビニル系非架橋性単量体とに分けられ、シラン系単量体はシラン系架橋性単量体とシラン系非架橋性単量体とに分けられる。
【0018】
前記ビニル系架橋性単量体とは、分子内に少なくともビニル基を含む2以上の架橋性基を有するものであり、具体的には、1分子中に2個以上のビニル基を有する単量体(単量体(1))、または、1分子中に1個のビニル基とビニル基以外の官能基(カルボキシル基、ヒドロキシ基等のプロトン性水素含有基、アルコキシ基等の末端官能基等)を有する単量体(単量体(2))が挙げられる。ただし、単量体(2)の場合、ビニル系架橋性単量体として架橋構造を形成させるには、当該単量体(2)が有するカルボキシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基等の反応(結合)相手となる基が他の単量体に存在することが必要となる。
【0019】
なお、本発明において「ビニル基」とは、炭素−炭素二重結合のみならず、(メタ)アクリロイル基、アリル基、イソプロペニル基、ビニルフェニル基、イソプロペニルフェニル基のような重合性炭素−炭素二重結合を有する置換基も含むものとする。また、本明細書において「(メタ)アクリロイル基」、「(メタ)アクリレート」や「(メタ)アクリル」は、「アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」や「アクリル及び/又はメタクリル」を各々示すものとする。
【0020】
前記ビニル系架橋性単量体のうち前記単量体(1)の例として、例えば、アリル(メタ)アクリレート等のアリル(メタ)アクリレート類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート類;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリレート類;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のヘキサ(メタ)アクリレート類;ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体等の芳香族炭化水素系架橋剤(好ましくはジビニルベンゼン等のスチレン系多官能モノマー);N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルサルファイド、ジビニルスルホン酸等のヘテロ原子含有架橋剤;等が挙げられる。単量体(1)は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0021】
前記ビニル系架橋性単量体のうち前記単量体(2)の例としては、例えば、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基を有する単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート類、p−ヒドロキシスチレン等のヒドロキシ基含有スチレン類等のヒドロキシ基を有する単量体;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ基含有(メタ)アクリレート類、p−メトキシスチレン等のアルコキシスチレン類等のアルコキシ基を有する単量体;等が挙げられる。単量体(2)は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0022】
前記ビニル系非架橋性単量体としては、1分子中に1個のビニル基を有する単量体(単量体(3))か、もしくは前記単量体(2)が有するビニル基以外の官能基と反応する基を有する他の単量体が単量体成分に存在しない場合の単量体(2)が挙げられる。
前記ビニル系非架橋性単量体のうち前記単量体(3)の例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;シクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロウンデシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート類;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、フェネチル(メタ)アクリレート等の芳香環含有(メタ)アクリレート類;スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等のアルキルスチレン類、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン等のハロゲン基含有スチレン類等のスチレン系単官能モノマー;等が挙げられる。単量体(3)は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0023】
前記シラン系架橋性単量体は、分子内に2以上の架橋性基(アルコキシ基、ビニル基等)を有するものであり、有機重合体骨格(例えば、ビニル系重合体骨格)と有機重合体骨格との架橋構造(第一の形態)を形成するもの;ポリシロキサン骨格とポリシロキサン骨格との架橋構造(第二の形態)を形成するもの;有機重合体骨格とポリシロキサン骨格との架橋構造(第三の形態)を形成するもの;に分けられる。これらのなかでは、第三の形態の架橋構造を形成し得るシラン系架橋性単量体が好ましい。
【0024】
第一の形態を形成し得るシラン系架橋性単量体としては、例えば、ジメチルジビニルシラン、メチルトリビニルシラン、テトラビニルシラン等が挙げられる。これらのシラン系架橋性単量体は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
第二の形態を形成し得るシラン系架橋性単量体としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等の4官能性シラン系単量体;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等の3官能性シラン系単量体等が挙げられる。これらのシラン系架橋性単量体は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0025】
第三の形態を形成し得るシラン系架橋性単量体としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシエトキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロイル基を有するもの;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン等のビニル基を有するもの;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有するもの;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基を有するもの;が挙げられる。シラン系架橋性単量体は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0026】
前記シラン系非架橋性単量体として、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のジアルキルシラン等の2官能性シラン系単量体;トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等のトリアルキルシラン等の1官能性シラン系単量体等が挙げられる。これらのシラン系非架橋性単量体は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0027】
以上のビニル系架橋性単量体、ビニル系非架橋性単量体、シラン系架橋性単量体およびシラン系非架橋性単量体のうち、本発明における単量体成分では、所定の条件を満たすビニル系架橋性単量体またはシラン系架橋性単量体である特定架橋性モノマー(a1)と、ビニル系非架橋性単量体であるn−ブチルメタクリレート(b)とを必須とする。特定架橋性モノマー(a1)とn−ブチルメタクリレート(b)との両方を含有させることにより、樹脂粒子を適度に軟化させつつ、良好な回復率を発現させることが可能になる。
【0028】
前記特定架橋性モノマー(a1)は、分子内に2以上の架橋性基(ビニル基、アルコキシ基等)を有する架橋性モノマーであるビニル系架橋性単量体またはシラン系架橋性単量体のうち、架橋性基間の原子数が15以下であるものである。ここで、架橋性基間の原子数とは、2つの架橋性基の間に連なって存在する原子の数(架橋性基間を繋ぐ原子鎖が複数存在する場合には最短の原子鎖における原子数)を意味し、架橋性基自身を構成する原子および架橋した際に重合鎖(主鎖)に取り込まれる原子(例えば、炭素−炭素二重結合(C=C)の炭素原子、アルコキシ基の酸素原子、アルコキシ基が結合したケイ素原子など)はカウントしないものとする。架橋性基間の原子数が15を超えると、導電性金属層を形成する際のメッキ加工時などに球形を維持することができず均一な導電性金属層が形成されない結果、初期抵抗値が上昇し、良好な接続安定性が得られない。特定架橋性モノマー(a1)の架橋性基間の原子数は、好ましくは12以下であり、その下限は4以上が好ましく、6以上がより好ましい。なお、架橋性基が3以上存在する場合には、それら架橋性基から選ばれる2つの架橋性基の全ての組合わせにおいて、その間の原子数が上記を満たしていることが必要である。
前記特定架橋性モノマー(a1)において、15以下の原子が連なってなる架橋性基間の原子鎖には、他の分岐鎖や置換基が結合していてもよいし、該分岐鎖が環を形成していてもよい。特に架橋性基間の原子鎖は、炭素原子および/または酸素原子が連なって構成されたものであることが好ましい。
【0029】
前記ビニル系架橋性単量体のうち前記特定架橋性モノマー(a1)に該当するものとしては、例えば、前記単量体(1)として例示したものの中では、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の脂肪族ビニル系単量体;ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル系単量体;などが挙げられる。また、前記単量体(2)が架橋性単量体となる場合、上記に前記単量体(2)として例示したもの((メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、p−ヒドロキシスチレン、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、p−メトキシスチレン)は全て特定架橋性モノマー(a1)に該当する。
【0030】
前記シラン系架橋性単量体のうち前記特定架橋性モノマー(a1)に該当するものとしては、例えば、前記第一の形態を形成し得るシラン系架橋性単量体として例示したもの、前記第二の形態を形成し得るシラン系架橋性単量体として例示したもののほか、前記第三の形態を形成し得るシラン系架橋性単量体として例示した、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0031】
前記特定架橋性モノマー(a1)は、ビニル系架橋性単量体であれば前記単量体(1)が好ましく、シラン系架橋性単量体であれば前記第三の形態を形成し得るものであるのがよい。特定架橋性モノマー(a1)としては、ビニル系架橋性単量体の中では、特に脂肪族ビニル系単量体が好ましく、さらにはアルカンジオールジ(メタ)アクリレートが好ましい。特に好ましい特定架橋性モノマー(a1)の具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート(架橋性基間の原子数:6)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(架橋性基間の原子数:7)、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート(架橋性基間の原子数:9)、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(架橋性基間の原子数:12)、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(架橋性基間の原子数:15)などが挙げられる。一方、シラン系架橋性単量体の中では、特定架橋性モノマー(a1)として、(メタ)アクリロイル基を有するものが好ましく、より好ましくは3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(架橋性基間の原子数:5)、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(架橋性基間の原子数:5)、ビニルトリメトキシシラン(架橋性基間の原子数:0)であり、特に3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
【0032】
前記架橋性モノマー(a1)の含有率は、単量体成分総量100質量%中、1質量%以上、85質量%以下であることが好ましい。より好ましくは2.5質量%以上、さらに好ましくは4質量%以上であり、より好ましくは70質量%以下であり、さらに好ましくは55質量%以下である。架橋性モノマー(a1)の含有率が前記範囲であると、樹脂粒子の軟らかさと回復率を望ましい範囲にコントロールすることが容易になる。
【0033】
n−ブチルメタクリレート(b)の含有率は、前記単量体成分総量100質量%中、15質量%以上、99質量%以下であることが好ましい。より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上であり、さらには70質量%以上としてもよく、より好ましくは98質量%以下であり、さらに好ましくは97質量%以下である。n−ブチルメタクリレート(b)の含有率が前記範囲であると、樹脂粒子の軟らかさと回復率を望ましい範囲にコントロールすることが容易になる。
【0034】
本発明における単量体成分は、特定架橋性モノマー(a1)およびn−ブチルメタクリレート(b)以外に、上記特定架橋性モノマー(a1)に該当しない架橋性単量体(ビニル系架橋性単量体、シラン系架橋性単量体)、すなわち分子内に2以上の架橋性基を有しかつ該架橋性基間の原子数が15を超える架橋性モノマー(a2)を含有してもよいし、上述した非架橋性単量体(ビニル系単量体のうち前記単量体(3)および前記シラン系非架橋性単量体)を含有してもよい。ただし、前記架橋性モノマー(a2)の含有量は、できる限り少ないことが望ましく、具体的には、単量体成分総量100質量%中、10質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下、最も好ましくは含有しないのがよい。つまり、本発明における単量体成分の好ましい態様は、特定架橋性モノマー(a1)とn−ブチルメタクリレート(b)のみからなる態様か、もしくは、特定架橋性モノマー(a1)とn−ブチルメタクリレート(b)と非架橋性単量体とからなる態様である。
【0035】
前記樹脂粒子は、最大荷重49mN、最小荷重0.49mN間で変形させることにより測定される圧縮変形回復率(本明細書では単に「回復率」と称することもある)が3〜40%であることが好ましい。圧縮変形回復率は、より好ましくは3.5%以上、さらに好ましくは3.9%以上であり、より好ましくは35%以下、さらに好ましくは25%以下である。樹脂粒子の圧縮変形回復率が前記範囲であると、樹脂粒子の表面に導電性金属層を形成する際のメッキ加工時などに確実に球形を維持することができ、均一な導電性金属層を形成できるので、電気的接続に供した際に低圧接続においても初期抵抗値を低く抑えることができる。本発明では、上述した単量体成分で樹脂粒子を形成することにより、圧縮変形回復率を前記範囲に制御することができる。
【0036】
なお本発明において圧縮変形回復率は、例えば、公知の微小圧縮試験機(例えば、島津製作所製「MCT−W500」など)を用いて粒子の中心方向へ荷重をかけていく圧縮試験において、まず一定の荷重負荷速度で最大荷重49mNまで圧縮したときの変位量を最大変位量L1として求め、次いで、上記荷重負荷速度と同程度の除荷重負荷速度で最小荷重0.49mNまで荷重を減らしていったときの最大荷重から最小荷重までの間の変位量を回復変位量L2として求め、下記式に基づき算出される値である。具体的には、後述する実施例に記載のように荷重負荷速度(除荷重負荷速度)を2.23mN/秒程度として測定することができる。
圧縮変形回復率(%)=(L2/L1)×100
【0037】
また前記樹脂粒子は、上記圧縮変形回復率を求める際に最大荷重(49mN)まで圧縮したときの圧縮率が、30〜80%となることが好ましく、より好ましくは40%以上、さらに好ましくは45%以上であり、より好ましくは75%以下、さらに好ましくは70%以下である。圧縮率が前記範囲であると、樹脂粒子は適度に軟質でありながら、良好な回復率を維持しやすくなる。なお、圧縮率は、上記圧縮変形回復率を求める際の最大変位量L1をA、樹脂粒子の個数平均粒子径(μm)をBとし、式;(A/B)×100(%)に基づき算出される。
【0038】
前記樹脂粒子は、粒子の直径が20%変位したときの圧縮弾性率(20%K値)が100〜1500N/mm2であることが好ましい。樹脂粒子の20%K値は、より好ましくは300N/mm2以上、さらに好ましくは500N/mm2以上、一層好ましくは800N/mm2以上であり、より好ましくは1480N/mm2以下である。樹脂粒子の20%K値が前記範囲であると、軟質でありながら、樹脂粒子の表面に導電性金属層を形成する際のメッキ加工時などに確実に球形を維持して均一な導電性金属層を形成できるので、電気的接続に供した際に低圧接続においても初期抵抗値を低く抑えることができる。樹脂粒子の20%K値が100N/mm2未満であると、粒子が軟らかくなりすぎてメッキ加工時などに球形を維持しにくくなる傾向があり、一方、1500N/mm2を超えると、粒子が硬くなりすぎて低圧接続では接続面積が不充分となり、接続初期の抵抗値が高くなる虞がある。本発明では、上述した単量体成分で樹脂粒子を形成することにより、20%K値を前記範囲に制御することができる。
【0039】
前記樹脂粒子の20%K値は、公知の微小圧縮試験機を用いた圧縮試験にて測定することができ、例えば、公知の微小圧縮試験機(例えば、島津製作所製「MCT−W500」など)を用い、室温で粒子の中心方向へ荷重負荷速度19.37mN/秒で荷重をかける圧縮試験において、粒子の直径が20%変位するまで粒子を変形させたときの圧縮荷重(N)と圧縮変位(mm)を測定し、下記式に基づき求めることができる。
【0040】
【数1】

(ここで、E:圧縮弾性率(N/mm2)、F:圧縮荷重(N)、S:圧縮変位(mm)、R:粒子の半径(mm)である。)
【0041】
前記樹脂粒子は、粒子の直径が10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)が200N/mm2以上、3000N/mm2以下であることが、低い初期抵抗値を実現し易い点で好ましい。樹脂粒子の10%K値が200N/mm2未満であると、粒子が軟らかくなりすぎてメッキ加工時などに球形を維持しにくくなる傾向があり、一方、3000N/mm2を超えると、粒子が硬くなりすぎて低圧接続では接続面積が不充分となり、接続初期の抵抗値が高くなる虞がある。樹脂粒子の10%K値は、より好ましくは1000N/mm2以上、さらに好ましくは1500N/mm2以上、一層好ましくは1800N/mm2以上であり、より好ましくは2900N/mm2以下である。なお、樹脂粒子の10%K値は、上述した20%K値と同様にして(すなわち、粒子の直径を10%変位させる以外は同様にして)求めることができる。
【0042】
前記樹脂粒子は、粒子の中心方向へ荷重をかけていき粒子が破壊したときの荷重値である破壊点荷重が、100mN以上であることが好ましく、より好ましくは110mN以上であり、さらには490mNまでの間に破壊点を有さない(すなわち破壊点荷重が490mN以上である)ものであるのがよい。破壊点荷重が前記範囲であると、樹脂粒子は適度な軟質性を有していることになる。なお、破壊点荷重は、上記20%K値の測定と同様の装置、測定方法により測定することができる。
【0043】
前記樹脂粒子は、粒子の中心方向へ荷重をかけていき粒子が破壊したときの粒子の変形率である圧縮破壊変形率が、50%以上であることが好ましく、より好ましくは60%以上であり、さらには70%まで圧縮しても破壊点を有さない(すなわち圧縮破壊変形率が70%以上)であるのがよい。圧縮破壊変形率が前記範囲であると、樹脂粒子は適度な軟質性を有していることになる。なお、圧縮破壊変形率は、上記20%K値の測定と同様の装置、測定方法により粒子が破壊したときの変位量(μm)を測定し、該変位量をA、樹脂粒子の個数平均粒子径(μm)をBとし、式;(A/B)×100(%)に基づき算出される。
【0044】
前記樹脂粒子の個数平均粒子径は、特に制限されないが、個数基準の平均分散粒子径で、10μm以上であることが好ましく、より好ましくは13μm以上、さらに好ましくは15μm以上であり、50μm以下であることが好ましく、より好ましくは45μm以下、さらに好ましくは40μm以下である。樹脂粒子の個数平均粒子径が前記範囲内であれば、例えばタッチパネル用、LED用などに用いる半導体実装における電極や配線の電気接続に対して、好適に使用できる。
【0045】
前記樹脂粒子の粒子径の個数基準の変動係数(CV値)は、10.0%以下であることが好ましく、より好ましくは8.0%以下、さらに好ましくは5.0%以下、一層好ましくは4.0%以下、特に好ましくは3.0%以下である。このように粒子径の変動係数が小さい樹脂粒子は、単に一次粒子径の大きさが揃っているだけでなく、一次粒子径の単一分散性が極めて高い。そのため、このような樹脂粒子を基材として用いることにより、粒子径が揃っており、かつ凝集が抑制された導電性微粒子が得られる。前記樹脂粒子のCV値の下限は、通常0.5%以上である。
なお、本発明でいう樹脂粒子の個数平均粒子径や粒子径の変動係数は、コールターカウンターにより測定した値であり、測定方法については実施例において後述する。
【0046】
前記樹脂粒子(基材)の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、球状、回転楕円体状、金平糖状、薄板状、針状、まゆ状等のいずれでも良いが、球状が好ましく、特に真球状が好ましい。
【0047】
2.導電性微粒子
本発明の導電性微粒子は、前記基材(樹脂粒子)表面に少なくとも一層の導電性金属層が形成されている。導電性金属層を構成する金属としては特に限定されないが、例えば、金、銀、銅、白金、鉄、鉛、アルミニウム、クロム、パラジウム、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、スズ、コバルト、インジウム及びニッケル−リン、ニッケル−ホウ素等の金属や金属化合物、及び、これらの合金等が挙げられる。これらの中でも、金、ニッケル、パラジウム、銀、銅、錫が導電性に優れた導電性微粒子となることから好ましい。また、安価な点で、ニッケル、ニッケル合金(Ni−Au、Ni−Pd、Ni−Pd−Au、Ni−Ag、Ni−P、Ni−B、Ni−Zn、Ni−Sn、Ni−W、Ni−Co、Ni−W、Ni−Ti);銅、銅合金(CuとFe、Co、Ni、Zn、Sn、In、Ga、Tl、Zr、W、Mo、Rh、Ru、Ir、Ag、Au、Bi、Al、Mn、Mg、P、Bからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素との合金、好ましくはAg、Ni、Sn、Znとの合金);銀、銀合金(AgとFe、Co、Ni、Zn、Sn、In、Ga、Tl、Zr、W、Mo、Rh、Ru、Ir、Au、Bi、Al、Mn、Mg、P、Bからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素との合金、好ましくはAg−Ni、Ag−Sn、Ag−Zn);錫、錫合金(たとえばSn−Ag、Sn−Cu、Sn−Cu−Ag、Sn−Zn、Sn−Sb、Sn−Bi−Ag、Sn−Bi−In、Sn−Au、Sn−Pb等)等が好ましい。中でもニッケル、ニッケル合金が好ましい。また、導電性金属層は、単層でもよいし複層であってもよく、複層の場合には、例えば、ニッケル−金、ニッケル−パラジウム、ニッケル−パラジウム−金、ニッケル−銀等の組合せが好ましく挙げられる。
【0048】
前記導電性金属層の厚さは、0.010μm以上が好ましく、より好ましくは0.030μm以上、さらに好ましくは0.050μm以上であり、0.30μm以下が好ましく、より好ましくは0.25μm以下、さらに好ましくは0.20μm以下、一層好ましくは、0.15μm以下である。基材とする樹脂粒子が微細な粒子径である本発明の導電性微粒子においては、導電性金属層の厚さが上記範囲内であれば、導電性微粒子を異方性導電材料として用いる際に、安定した電気的接続が維持できる。導電性金属層の厚さは、例えば実施例で後述する方法で測定することができる。
なお、前記導電性金属層は、樹脂粒子表面の少なくとも一部を被覆していればよいが、導電性金属層の表面には、実質的な割れや、導電性金属層が形成されていない面が存在しないことが好ましい。ここで、「実質的な割れや、導電性金属層が形成されていない面」とは、電子顕微鏡(倍率1000倍)を用いて任意の10000個の導電性微粒子の表面を観察したときに、導電性金属層の割れ、および、樹脂粒子表面の露出が、実質的に目視で観察されないことを意味する。
【0049】
本発明の導電性微粒子の個数平均粒子径は、10μm以上が好ましく、より好ましくは13.5μm以上、さらに好ましくは14μm以上、さらに好ましくは15μm以上、特に好ましくは16μm以上であり、51μm以下が好ましく、より好ましくは46μm以下、さらに好ましくは41μm以下、さらに好ましくは36μm以下である。個数平均粒子径がこの範囲内であれば、微細化、狭小化された電極や配線の電気接続に対して、好適に使用できる。
なお、導電性微粒子の個数平均粒子径としては、フロー式粒子像解析装置(シスメックス社製「FPIA(登録商標)−3000」)を用いて求めた、3000個の粒子の個数基準の平均粒子径を採用することが好ましい。
【0050】
本発明の導電性微粒子は、表面の少なくとも一部に絶縁性樹脂層を有することもできる。つまり、前記導電性金属層の表面にさらに絶縁性樹脂層を設けた態様であってもよい。このように表面の導電性金属層にさらに絶縁性樹脂層が積層されていると、高密度回路の形成時や端子接続時などに生じやすい横導通を防ぐことができる。
前記絶縁性樹脂層としては、導電性微粒子の粒子間における絶縁性が確保でき、一定の圧力及び/又は加熱により容易にその絶縁性樹脂層が崩壊あるいは剥離するものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンなどのポリオレフィン類;ポリメチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート重合体および共重合体;ポリスチレン;等の熱可塑性樹脂やその架橋物;エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂(メラミン樹脂等)等の熱硬化性樹脂;ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂およびこれらの混合物;等が挙げられる。但し、基材粒子に比べて絶縁性樹脂層が硬過ぎる場合には、絶縁性樹脂層の破壊よりも先に基材粒子自体が破壊してしまうおそれがある。したがって、絶縁性樹脂層には、未架橋または比較的架橋度の低い樹脂を用いることが好ましい。
【0051】
前記絶縁性樹脂層は、単層であっても、複数の層からなるものであってもよい。例えば、単一又は複数の皮膜状の層が形成されていてもよいし、絶縁性を有する粒状、球状、塊状、鱗片状その他の形状の粒子を導電性金属層の表面に付着させた層であってもよいし、さらには、導電性金属層の表面を化学修飾することにより形成された層であってもよく、または、これらが組み合わされたものであってもよい。絶縁性樹脂層の厚さは0.01μm〜1μmが好ましく、より好ましくは0.02μm以上、0.5μm以下、さらに好ましくは0.03μm以上、0.4μm以下である。絶縁性樹脂層の厚さが前記範囲内であれば、導電性粒子による導通特性を良好に維持しつつ、粒子間の電気絶縁性が良好となる。
【0052】
3.製造方法
まず基材とする前記樹脂粒子の製造方法について説明する。
樹脂粒子の製造方法としては、上述の単量体成分を重合するものであれば、特に制限はなく、乳化重合、懸濁重合、分散重合、シード重合、ゾルゲルシード重合法等の従来公知の方法を採用できる。樹脂粒子の粒子径の制御が容易であり粒度分布の小さい樹脂粒子が得られやすいという点では、例えば、シード重合法により樹脂粒子を合成した後、分級する方法等が好ましく採用される。
【0053】
前記シード重合法は、シード粒子調製工程、シード粒子に単量体成分を吸収させる吸収工程、シード粒子に吸収させた単量体成分を重合反応させる重合工程を経て樹脂粒子を得る方法である。各工程における手法や条件等は、公知のシード重合法の手法を適宜採用すればよく特に制限されないが、例えば以下の手法等が好ましく採用される。
【0054】
前記シード粒子調製工程において、有機材料のみから構成される樹脂粒子を合成する場合には、前記ビニル系単量体を用いて、ソープフリー乳化重合、分散重合等の方法でシード粒子を調製すればよい。この場合、前記ビニル系単量体としてスチレン等のスチレン系単官能モノマーを用いることが好ましい。他方、有機材料とポリシロキサン骨格を有する材料から構成される粒子を合成する場合には、前記シラン系単量体を用いて、水を含む溶媒(例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類、(シクロ)パラフィン類、芳香族炭化水素類等の有機溶剤と水との混合溶媒)中で加水分解して縮重合させる方法でシード粒子(ポリシロキサン粒子)を調製すればよい。この場合、前記シラン系単量体として、上記特定架橋性モノマー(a1)に相当するシラン系架橋性単量体を用いて重合性ポリシロキサン粒子とすることが好ましい。加水分解し、縮重合させるにあたっては、触媒として、アンモニア、尿素、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物等の塩基性触媒を好ましく用いることができ、さらに必要に応じて、アニオン性、カチオン性、非イオン性の界面活性剤や、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の高分子分散剤を併用することができる。
【0055】
前記吸収工程においてシード粒子に単量体成分を吸収させる方法としては、特に制限はなく、例えば、予めシード粒子を溶媒中に分散させたシード粒子分散液に単量体成分を加えてもよいし、単量体成分を含む溶媒中にシード粒子を加えてもよいが、特に、前者の手法において、重合または加水分解、縮合により得られた反応液をそのままシード粒子分散液とすることが、工程の簡略化、生産性の観点から好ましい。単量体成分は、それ単独で添加してもよいし、溶媒に溶解させた溶液として添加してもよいが、シード粒子に効率よく吸収させるうえでは、乳化剤を用いて予め水又は水性媒体(例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類等の水溶性有機溶剤またはこれらと水との混合溶媒)に乳化、分散させて乳化液としておき添加することが好ましい。吸収させる単量体成分として少なくとも上述したn−ブチルメタクリレート(b)を用いることが好ましい。
【0056】
前記単量体成分を乳化剤で乳化分散させる際には、乳化剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等のノニオン性界面活性剤が、シード粒子が単量体成分を吸収した後のシード粒子の分散状態を安定化させることもできる点で好ましく用いられる。また、乳化分散の際に用いる水又は水性媒体の量は、通常、単量体成分の質量に対して0.3倍以上10倍以下である。
吸収工程において、単量体成分がシード粒子に吸収されたかどうかの判断については、例えば、単量体成分を加える前及び吸収段階終了後に、顕微鏡により粒子を観察し、単量体成分の吸収により粒子径が大きくなっていることを確認することで容易に判断できる。なお、本発明における樹脂粒子を得るためには、下記式で示される吸収倍率は、特に限定されるものではないが、1.0倍以上、50倍以下であることが好ましい。
吸収倍率=(吸収させる単量体成分の総質量)/(シード粒子の質量)
【0057】
前記重合工程において採用する重合方法は、特に限定されず、例えば、ラジカル重合開始剤(例えば、過酸化物系開始剤、アゾ系開始剤等)を用いる方法など公知の方法を用いることができる。ラジカル重合を行う際の反応温度は40℃以上が好ましく、より好ましくは50℃以上であり、100℃以下が好ましく、より好ましくは80℃以下である。反応温度が低すぎると、重合度が十分に上がらず複合粒子の機械的特性が不充分となる傾向があり、一方、反応温度が高すぎると、重合中に粒子間の凝集が起こりやすくなる傾向がある。なお、ラジカル重合を行う際の反応時間は、用いる重合開始剤の種類に応じて適宜変更すればよいが、通常、5分以上が好ましく、より好ましくは10分以上であり、600分以下が好ましく、より好ましくは300分以下である。反応時間が短すぎると、重合度が十分に上がらない場合があり、反応時間が長すぎると、粒子間で凝集が起こり易くなる傾向がある。このような重合工程において、シード粒子が重合性ポリシロキサン粒子である場合、吸収させた単量体成分と重合性ポリシロキサン骨格が有するラジカル重合性基とが重合し、ポリシロキサン骨格とビニル重合体とが複合化する。
【0058】
上記のようにして合成した樹脂粒子は、所定の粒子径となるように分級に供することが好ましい。分級方法は特に限定されず、例えば、電成ふるい等によるふるい分け;メンブランフィルター、プリーツフィルター、セラミック膜フィルター等のフィルターを使用した濾過;質量差及び流体抵抗差の相互作用によって分級する公知の装置(粒子の落下速度等の重力差が原理である重力分級機、自由渦又は半自由渦による遠心力と空気抗力の釣り合いを原理とする(半)自由渦遠心分級、回転する分級羽根(ローター)によってつくられる回転流によって生じる遠心力と空気による抗力の釣り合いを原理とする回転羽根付き遠心分級)を用いた分級;等が挙げられる。これらの中でも、分級精度と生産性の観点から電成ふるいを用いた分級が好ましい。
【0059】
合成後、必要に応じて分級された樹脂粒子は、通常、乾燥され、場合によっては焼成に付される。乾燥温度は特に限定されないが、通常50℃〜250℃の範囲である。
以上のようにして樹脂粒子は、平均粒子径や粒子径の変動係数等について上述した範囲を満足するよう調製される。
【0060】
次に、以上のようにして得られた樹脂粒子(基材)に導電性金属層を形成し、必要に応じてさらに絶縁性樹脂層を形成することにより、導電性微粒子が得られる。
導電性金属層の形成方法および絶縁性樹脂層の形成方法は特に限定されないが、例えば導電性金属層は、基材表面に無電解メッキ法、電解メッキ法等によってメッキを施す方法;基材表面に真空蒸着、イオンプレーティング、イオンスパッタリング等の物理的蒸着方法により導電性金属層を形成する方法;等により形成できる。これらの中でも特に無電解メッキ法が、大掛かりな装置を必要とせず容易に導電性金属層を形成できる点で好ましい。
【0061】
4.異方性導電材料
本発明の異方性導電材料は、上記本発明の導電性微粒子がバインダー樹脂に分散してなる。異方性導電材料の形態は特に限定されず、例えば、異方性導電フィルム、異方性導電ペースト、異方性導電接着剤、異方性導電インクなど様々な形態が挙げられる。これらの異方性導電材料を相対向する基板同士や電極端子間に設けることにより、良好な電気的接続が可能になる。なお、本発明の導電性微粒子を用いた異方性導電材料には、液晶表示素子用導通材料(導通スペーサーおよびその組成物)も含まれる。異方性導電材料の好適な用途としてはタッチパネルの入力用、LED用などが挙げられ、特にタッチパネルの実装用に好適に用いられる。
【0062】
前記バインダー樹脂としては、絶縁性の樹脂であれば特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体などの熱可塑性樹脂;グリシジル基を有するモノマーやオリゴマーおよびイソシアネートなどの硬化剤との反応により硬化する硬化性樹脂組成物;光や熱により硬化する硬化性樹脂組成物;等が挙げられる。
なお、本発明の異方性導電材料は、前記バインダー樹脂中に本発明の導電性微粒子を分散させ、所望の形態とすることで得られるが、例えば、バインダー樹脂と導電性微粒子とを別々に使用し、接続しようとする基材間や電極端子間に導電性微粒子をバインダー樹脂とともに存在させることによって接続してもかまわない。
【0063】
本発明の異方性導電材料において、導電性微粒子の含有量は、用途に応じて適宜決定すればよいが、例えば、異方性導電材料の全量に対して1体積%以上が好ましく、より好ましくは2体積%以上、さらに好ましくは5体積%以上であり、50体積%以下が好ましく、より好ましくは30体積%以下、さらに好ましくは20体積%以下である。導電性微粒子の含有量が少なすぎると、充分な電気的導通が得られ難い場合があり、一方、導電性微粒子の含有量が多すぎると、導電性微粒子同士が接触してしまい、異方性導電材料としての機能が発揮され難い場合がある。
【0064】
本発明の異方性導電材料におけるフィルム膜厚、ペーストや接着剤の塗工膜厚、印刷膜厚等については、使用する本発明の導電性微粒子の粒子径と、接続すべき電極の仕様とを考慮し、接続すべき電極間に導電性微粒子が狭持され、且つ接続すべき電極が形成された接合基板同士の空隙がバインダー樹脂層により充分に満たされるように、適宜設定することが好ましい。
【実施例】
【0065】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、前・後記の趣旨に適合しうる範囲で適宜変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、以下においては、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。
【0066】
1.物性測定方法
各種物性の測定は以下の方法で行った。
<シード粒子および樹脂粒子の個数平均粒子径・変動係数(CV値)>
樹脂粒子の場合には、樹脂粒子0.1部に、乳化剤であるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬株式会社製「ハイテノール(登録商標)N−08」)の1%水溶液20部を加え、超音波で10分間分散させた分散液を測定試料とし、シード粒子の場合には、加水分解、縮合反応で得られた分散液をポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬株式会社製「ハイテノール(登録商標)N−08」)の1%水溶液により希釈したものを測定試料として、粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製「コールターマルチサイザーIII型」)により30000個の粒子の粒子径(μm)を測定し、個数平均粒子径を求めた。また樹脂粒子については、個数平均粒子径とともに個数基準での粒子径の標準偏差をも求め、下記式に従って粒子径の変動係数(CV値)を算出した。
粒子の変動係数(%)=100×(粒子径の標準偏差/個数平均粒子径)
【0067】
<導電性金属層の膜厚>
フロー式粒子像解析装置(シスメックス社製「FPIA(登録商標)−3000」)を用いて、基材粒子(樹脂粒子)3000個の個数平均粒子径X(μm)および導電性微粒子3000個の個数平均粒子径Y(μm)を測定した。なお、測定は、粒子0.25部に、乳化剤であるポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社製「エマルゲン(登録商標)430」)の1.4%水溶液17.5部を加え、超音波で10分間分散させた後に行なった。そして、下記式に従って導電性金属層の膜厚を算出した。
導電性金属層膜厚(μm)=(Y−X)/2
【0068】
<樹脂粒子の10%K値、20%K値>
微小圧縮試験機(島津製作所社製「MCT−W500」)を用いて、室温(25℃)において、試料台(材質:SKS材平板)上に散布した粒子1個について、直径50μmの円形平板圧子(材質:ダイヤモンド)を用いて、「標準表面検出」モードで、粒子の中心方向へ一定の負荷速度(19.37mN/秒)で荷重をかけ、圧縮変位が粒子径の10%になったときの荷重値(mN)とそのときの変位量(μm)、および、圧縮変位が粒子径の20%になったときの荷重値(mN)とそのときの変位量(μm)を測定した。なお、測定は各試料について、異なる10個の粒子に対して行い、平均した値を測定値とした。そして、得られた荷重値(mN)を圧縮荷重(N)に換算し、得られた変位量(μm)を圧縮変位(mm)に換算し、樹脂粒子の平均粒子径(μm)から粒子の半径(mm)を算出し、これらを用いて下記式に基づき算出した。
【0069】
【数2】

(ここで、E:圧縮弾性率(N/mm2)、F:圧縮荷重(N)、S:圧縮変位(mm)、R:粒子の半径(mm)である。)
【0070】
<樹脂粒子の圧縮変形回復率および圧縮率>
微小圧縮試験機(島津製作所社製「MCT−W500」)を用いて、室温(25℃)において、試料台(材質:SKS材平板)上に散布した粒子1個について、直径50μmの円形平板圧子(材質:ダイヤモンド)を用い、「軟質表面検出」モードで、粒子の中心方向へ一定の負荷速度(2.23mN/秒)で最大荷重(49mN)まで圧縮し、そのときの変位量(μm)を測定し、これを最大変位量L1とした。次いで、一定の除負荷速度(2.23mN/秒)で最小荷重(0.49mN)まで荷重を減らしていったときの最大荷重から最小荷重までの間の変位量(μm)を測定し、これを回復変位量L2とした。圧縮変形回復率は、最大変位量L1および回復変位量L2から下記式に基づき算出した。また圧縮率は、最大変位量L1をA、樹脂粒子の個数平均粒子径(μm)をBとし、式;(A/B)×100(%)に基づき算出した。なお、測定は各試料について、異なる10個の粒子に対して行い、平均した値を測定値とした。
圧縮変形回復率(%)=(L2/L1)×100
【0071】
<樹脂粒子の破壊点荷重および圧縮破壊変形率>
上記10%K値の測定と同様の装置、測定方法により、室温(25℃)において粒子の中心方向へ荷重をかけて、粒子が破壊したときの荷重値(mN)と変位量(μm)を測定し、粒子が破壊したときの荷重値(mN)を破壊点荷重(mN)とした。また圧縮破壊変形率は、粒子が破壊したときの変位量(μm)をA、樹脂粒子の個数平均粒子径(μm)をBとし、式;(A/B)×100(%)に基づき算出した。
【0072】
2.導電性微粒子の製造
2−1.基材(樹脂粒子)の作製
(製造例1)
冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに、イオン交換水65部と、25%アンモニア水0.2部を入れ、攪拌下、滴下口から、単量体成分(シード形成モノマー)として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(架橋性基間原子数:5)10部、及びメタノール40部を添加し、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの加水分解、縮合反応を行って、メタクリロイル基を有する重合性ポリシロキサン粒子(シード粒子)の分散液を調製した。このポリシロキサン粒子の個数基準の平均粒子径は7.0μmであった。
【0073】
次いで、乳化剤としてポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬社製「ハイテノール(登録商標)NF−08」)の20%水溶液6.0部をイオン交換水200部に溶解した溶液に、単量体成分(吸収モノマー)としてn−ブチルメタクリレート(n−BMA)200部と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製「V−65」)4.5部とを溶解した溶液を加え、乳化分散させて単量体成分(吸収モノマー)の乳化液を調製した。乳化分散の開始から2時間後、得られた乳化液を、ポリシロキサン粒子(シード粒子)の分散液中に添加して、さらに攪拌を行った。乳化液の添加から1時間後、混合液をサンプリングして顕微鏡で観察を行ったところ、ポリシロキサン粒子が吸収モノマーを吸収して肥大化していることが確認された。
【0074】
次いで、ポリビニルアルコール(クラレ社製「ポバールPVA−205」)の10%水溶液84部を加え、窒素雰囲気下で反応液を65℃まで昇温させて、65℃で2時間保持し、単量体成分のラジカル重合を行った。ラジカル重合後の乳濁液を固液分離し、得られたケーキをイオン交換水、メタノールで洗浄した後、窒素雰囲気下40℃で12時間真空乾燥し、樹脂粒子(1)を得た。得られた樹脂粒子の各物性は表1に示すとおりであった。
【0075】
(製造例2)
製造例1において、吸収モノマーの種類および使用量を、n−ブチルメタクリレート(n−BMA)195部、エチレングリコールジメタクリレート(架橋性基間原子数:6)5部に変更したこと以外は、製造例1と同様にして、樹脂粒子(2)を得た。得られた樹脂粒子の各物性は表1に示すとおりであった。
【0076】
(製造例3)
製造例1において、吸収モノマーの種類および使用量を、n−ブチルメタクリレート(n−BMA)180部、エチレングリコールジメタクリレート(架橋性基間原子数:6)20部に変更したこと以外は、製造例1と同様にして、樹脂粒子(3)を得た。得られた樹脂粒子の各物性は表1に示すとおりであった。
【0077】
(製造例4)
製造例1において、吸収モノマーの種類および使用量を、n−ブチルメタクリレート(n−BMA)140部、トリエチレングリコールジメタクリレート(架橋性基間原子数:12)60部に変更したこと以外は、製造例1と同様にして、樹脂粒子(4)を得た。得られた樹脂粒子の各物性は表1に示すとおりであった。
【0078】
(製造例5)
製造例1において、吸収モノマーの種類および使用量を、n−ブチルメタクリレート(n−BMA)100部、トリエチレングリコールジメタクリレート(架橋性基間原子数:12)100部に変更したこと以外は、製造例1と同様にして、樹脂粒子(5)を得た。得られた樹脂粒子の各物性は表1に示すとおりであった。
【0079】
(製造例6)
製造例1において、吸収モノマーの種類および使用量を、n−ブチルメタクリレート(n−BMA)180部、トリプロピレングリコールジアクリレート(架橋性基間原子数:15)20部に変更したこと以外は、製造例1と同様にして、樹脂粒子(6)を得た。得られた樹脂粒子の各物性は表1に示すとおりであった。
【0080】
(製造例7)
製造例1において、吸収モノマーの種類および使用量を、n−ブチルメタクリレート(n−BMA)180部、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート(架橋性基間原子数:10)20部に変更したこと以外は、製造例1と同様にして、樹脂粒子(7)を得た。得られた樹脂粒子の各物性は表1に示すとおりであった。
【0081】
(製造例8)
製造例1において、吸収モノマーの種類および使用量を、n−ブチルメタクリレート(n−BMA)180部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(架橋性基間原子数:10)20部に変更したこと以外は、製造例1と同様にして、樹脂粒子(8)を得た。得られた樹脂粒子の各物性は表1に示すとおりであった。
【0082】
(製造例9)
製造例1において、吸収モノマーの種類および使用量を、n−ブチルメタクリレート(n−BMA)180部、ジビニルベンゼン(架橋性基間原子数:o位置換体の場合2、m位置換体の場合3、p位置換体の場合4)(新日鐡化学社製「DVB960」:ジビニルベンゼン96%、ビニル系非架橋性単量体(エチルビニルベンゼン等)4%含有品)20部に変更したこと以外は、製造例1と同様にして、樹脂粒子(9)を得た。得られた樹脂粒子の各物性は表1に示すとおりであった。
【0083】
(製造例10)
製造例1において、吸収モノマーの種類および使用量を、n−ブチルメタクリレート(n−BMA)180部、トリメチロールプロパントリメタクリレート(架橋性基間原子数:7)20部に変更したこと以外は、製造例1と同様にして、樹脂粒子(10)を得た。得られた樹脂粒子の各物性は表1に示すとおりであった。
【0084】
(製造例11)
製造例1において、吸収モノマーの種類と使用量を、エチレングリコールジメタクリレート50部に変更するとともに、乾燥の温度および時間を120℃、2時間に変更したこと以外は、製造例1と同様にして、比較用の樹脂粒子(11)を得た。得られた樹脂粒子の各物性は表1に示すとおりであった。
【0085】
(製造例12)
製造例1において、吸収モノマーの種類と使用量を、メチルメタクリレート35部、エチレングリコールジメタクリレート15部に変更するとともに、乾燥の温度および時間を120℃、2時間に変更したこと以外は、製造例1と同様にして、比較用の樹脂粒子(12)を得た。得られた樹脂粒子の各物性は表1に示すとおりであった。
【0086】
(製造例13)
製造例1において、吸収モノマーの種類と使用量を、メチルメタクリレート50部に変更するとともに、乾燥の温度を80℃に変更したこと以外は、製造例1と同様にして、比較用の樹脂粒子(13)を得た。得られた樹脂粒子の各物性は表1に示すとおりであった。
【0087】
(製造例14)
製造例1において、吸収モノマーの種類と使用量を、メチルメタクリレート200部に変更するとともに、乾燥の温度を80℃に変更したこと以外は、製造例1と同様にして、比較用の樹脂粒子(14)を得た。得られた樹脂粒子の各物性は表1に示すとおりであった。
【0088】
(製造例15)
製造例1において、吸収モノマーの種類と使用量を、シクロヘキシルメタクリレート200部に変更するとともに、乾燥の温度を50℃に変更したこと以外は、製造例1と同様にして、比較用の樹脂粒子(15)を得た。得られた樹脂粒子の各物性は表1に示すとおりであった。
【0089】
(製造例16)
製造例1において、吸収モノマーの種類と使用量を、tert−ブチルメタクリレート200部に変更するとともに、乾燥の温度および時間を80℃、4時間に変更したこと以外は、製造例1と同様にして、比較用の樹脂粒子(16)を得た。得られた樹脂粒子の各物性は表1に示すとおりであった。
【0090】
2−2.導電性微粒子の作製(導電性金属層の形成)
(実施例1)
基材とする樹脂粒子(1)に、水酸化ナトリウムによるエッチング処理を施した後、二塩化スズ溶液に接触させることによりセンシタイジングし、次いで二塩化パラジウム溶液に浸漬させることによりアクチベーティングする方法(センシタイジング−アクチベーション法)によって、パラジウム核を形成させた。次に、パラジウム核を形成させた樹脂粒子2部をイオン交換水400部に添加し、超音波分散処理を行った後、得られた樹脂粒子懸濁液を70℃の温浴で加温した。このように懸濁液を加温した状態で、別途70℃に加温した無電解メッキ液(日本カニゼン(株)製「シューマー(登録商標)S680」)300部を加えることにより、無電解ニッケルメッキ反応を生じさせた。水素ガスの発生が終了したことを確認した後、固液分離を行い、イオン交換水、メタノールの順で洗浄し、100℃で2時間真空乾燥して、ニッケルメッキを施した粒子を得た。次いで、得られたニッケルメッキ粒子を、シアン化金カリウムを含有する置換金メッキ液に加え、ニッケル層表面にさらに金メッキを施すことにより、導電性微粒子を得た。得られた導電性微粒子における導電性金属層の膜厚は表1に示すとおりであった。
【0091】
(実施例2〜10、比較例1〜6)
基材として表1に示す樹脂粒子を用いたこと以外は、実施例1と同様にして導電性微粒子を作製した。得られた導電性微粒子における導電性金属層の膜厚は表1に示すとおりであった。
【0092】
3.異方性導電材料の作製と評価
実施例および比較例で得られた導電性微粒子を用い、下記の方法で異方性導電材料(異方性導電ペースト)を作製し、その初期抵抗値を下記の方法で評価した。評価結果は表1に示す。
すなわち、三本ロールを用いて、導電性微粒子1部に、バインダー樹脂としてのエポキシ樹脂(三菱化学社製「JER828」)100部と、硬化剤(三新化学社製「サンエイド(登録商標)SI−150」)2部と、トルエン100部とを用いて10分間攪拌して分散させ、導電ペーストを得た。
得られた異方性導電ペーストを、抵抗測定用の線を有した全面アルミ蒸着ガラス基板と100μmピッチに銅パターンを形成したポリイミドフィルム基板との間に挟みこみ、2MPa、150℃の圧着条件で熱圧着するとともに、バインダー樹脂を硬化させることによって接続構造体を得た。
【0093】
そして、得られた接続構造体について電極間の初期抵抗値を測定し、初期抵抗値が5Ω以下の場合を「○」、5Ωを超える場合を「×」と評価した。
【0094】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明の導電性微粒子は、例えば、異方性導電ペースト、異方性導電フィルム、異方性導電接着剤、異方性導電インク等の異方性導電材料に好適に用いられる。特に、本発明の導電性微粒子は、例えばタッチパネル実装用の異方性導電ペーストなどに有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂粒子からなる基材と、該基材の表面に形成された少なくとも一層の導電性金属層とを有する導電性微粒子であって、
前記樹脂粒子が、分子内に2以上の架橋性基を有しかつ該架橋性基間の原子数が15以下である架橋性モノマー(a1)と、n−ブチルメタクリレート(b)とを含む単量体成分から形成されることを特徴とする導電性微粒子。
【請求項2】
前記単量体成分総量100質量%中の架橋性モノマー(a1)の含有率は1質量%以上、85質量%以下である請求項1に記載の導電性微粒子。
【請求項3】
前記単量体成分総量100質量%中のn−ブチルメタクリレート(b)の含有率は15質量%以上、99質量%以下である請求項1または2に記載の導電性微粒子。
【請求項4】
前記単量体成分は、分子内に2以上の架橋性基を有しかつ該架橋性基間の原子数が15を超える架橋性モノマー(a2)を含有しない請求項1〜3のいずれかに記載の導電性微粒子。
【請求項5】
前記樹脂粒子の個数平均粒子径が10μm以上である請求項1〜4のいずれかに記載の導電性微粒子。
【請求項6】
前記樹脂粒子は、最大荷重49mN、最小荷重0.49mN間で変形させることにより測定される圧縮変形回復率が3〜40%であり、かつ、粒子の直径が20%変位したときの圧縮弾性率が100〜1500N/mm2である請求項1〜5のいずれかに記載の導電性微粒子。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の導電性微粒子がバインダー樹脂に分散してなることを特徴とする異方性導電材料。

【公開番号】特開2013−115013(P2013−115013A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−263009(P2011−263009)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000004628)株式会社日本触媒 (2,292)
【Fターム(参考)】