導電性接着剤
導電性粉末、熱硬化性シリコーン樹脂、および溶媒を含む導電性接着剤を開示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気回路基板における導電性接着剤に関する。基本的に熱硬化性シリコーン樹脂から作られるこの接着剤は、無機基板との優れた接着性および優れた熱伝導率を示す。この導電性接着剤は、電子部品として有用である。
【背景技術】
【0002】
電気回路基板上に取り付ける場合、従来の方法では導電性と接着性の両方を備えたはんだを用いて電子部品を基板すなわち電気回路に接着させてきた。しかしながら最近、鉛を含有するはんだの使用を避ける傾向がある。さらに、耐熱性に欠ける電子部品に及ぼす融解したはんだが有する熱の有害な影響もまた問題になる可能性がある。したがって近年、主に樹脂と金属粉からなる導電性接着剤が使用されるようになった。これらの導電性接着剤の利点は、鉛を含まないこと、はんだよりも低い処理温度を有すること、および電子機器の重量を減らすのに寄与する低比重を有することからなる。主成分として樹脂を含有する導電性接着剤の接着性を改良する様々な試みがなされている。
【0003】
米国特許出願公開第2001−015424号明細書には、2つの電極を接着する導電性接着剤が開示されている。この文書によれば、その導電性接着剤の接着力は、電極の金属と配位結合を形成する官能基を有する樹脂で構成することによって改良される。これは、曲げ応力の影響を受けやすい大きな表面積を有する電子部品中でしばしば起こる電極と導電性接着剤の分離の問題を解決する。
【0004】
米国特許出願公開第2005−288427号明細書には、架橋性ゴム様樹脂を含有する絶縁用樹脂と導電性粒子とで構成される異方性導電性接着剤について記載されている。米国特許出願公開第2005−288427号明細書によれば、このゴム様樹脂が、加熱および接着の間の重合または硬化反応の間に起こる異方性導電性接着剤の熱収縮をできるだけ少なくする場合に、導電性接着剤の分離は防止される。さらに接着剤の接着環境を改善するためにシランカップリング剤が加えられる。
【0005】
しかしながら従来の熱可塑性有機バインダー樹脂で構成される導電性接着剤は、多くの無機基板または電極との接着性が依然として不足している。さらに、導電性接着剤で基板上に取り付けられる電子部品または電気装置は耐熱性が低いために、接着剤を熱硬化する工程中のそれら部品または装置の劣化の問題がある。さらに、性能レベルの高度化および電子部品の小型化に伴い、ICチップおよびLEDチップの形で電子部品から発生する熱量の増加がある場合、この熱を放散させることは難しい。さらにその電気装置が光源である場合、有機接着剤は紫外線によって劣化する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、導電性接着剤で部品を取り付ける間の接着力および放熱性を改良する問題を対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、接着力、放熱性、および紫外線抵抗性を向上させ、一方でまた低温で硬化することができる導電性接着剤を提供する。
【0008】
本発明の導電性接着剤は、導電性粉末、熱硬化性シリコーン樹脂、および溶媒を含む。本発明では、炭素原子1から10個を有するアルキル官能基か、またはフェニル基を含有し、かつ骨格用のポリシロキサンオリゴマーを有する熱硬化性シリコーン樹脂が好ましくは使用される。熱硬化性シリコーン樹脂は、有機樹脂よりも低温で硬化することができるので、高温に対する抵抗性が低い電気装置または電子部品用の接着剤として有効である。さらに、たとえ別の有機物質が無機電極との接着にとって本来好ましいとしても、硬化後の接着力は、官能基を有する熱硬化性シリコーン樹脂などの加熱および分解のせいで無機物質に変化する樹脂を含有するペーストを使用することによって向上する。さらに、無機物質は有機物質よりも高い熱伝導率を有するので、無機物質は電子部品から発生する熱の放散に寄与する。
【0009】
放熱性に関しては、本発明による導電性接着剤の熱伝導率をさらに向上させるために20W/km以上の熱伝導率を有する無機物質を好ましくは含有させる。
【0010】
さらに本発明は、上記導電性接着剤を用いて形成される電気回路基板を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】接着される対象物が上に配置されている電気回路基板5の俯瞰図である。
【図2】図1の電気回路基板の線II−IIに沿って取った断面図である。
【図3】接着される対象物が、電気回路間に配置され、かつ上に電気回路が断続的に形成されている基板中で電極および金線によって接続された電気回路基板5の俯瞰図である。
【図4】図3の電気回路基板の線IV−IVに沿って取った断面図である。
【図5】電気回路が導電性接着剤によって接着されている電気回路基板5を示す図である。
【図6】図5の電気回路基板の線VI−VIに沿って取った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
下記に、図面を用いた本発明の選択された実施形態の説明を提供する。図1において、電気回路基板は、基板1上の電気回路2上へ導電性接着剤3を塗布し、続いて接着される対象物(接着対象物)4をその上に配置してオーブンで加熱することによって作製される。さらに図3に示すように、本発明による接着剤によってその接着対象物を基板1に接着し、金線またははんだなどの導電性接続材料による電気回路で連続性を保つことができる。この場合、基板1上に断続的に形成された電気回路2上およびその間にある空間に導電性接着剤3を塗布し、その上にその接着対象物4を配置し、その接着対象物4と電気回路2を金線6で接続した後に、加熱によって電子回路基板5を作製する。
【0013】
さらに図5に示すように本発明の導電性接着剤はまた、電気回路としても使用することができる。この場合、電気回路基板を作製する工程は、本発明の導電性接着剤3を基板1上に直接にスクリーン印刷し、次いで接着対象物の形態で電子部品をこの導電性接着剤上に配置し、続いて加熱することからなる。下記に、導電性接着剤の組成の説明を行う。
【0014】
導電性粉末
本発明の導電性粉末は、導電性接着剤に導電性を付与する粉末である。本発明の導電性粉末は、好ましくは金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、ステンレス鋼、およびこれらの合金からなる群から選択される金属の1種類または複数種類である。表面に上記金属でめっきされたガラス粉、表面に上記金属でめっきされたセラミック粉、および表面に上記金属でめっきされた樹脂粉、あるいは黒鉛もまた使用することができる。単一の導電性粉末を使用することもでき、また複数種類の導電性粉末を使用することもできる。好ましくは導電性粉末は、1種類または複数種類の球形金属、金属フレーク、金属コロイド、または貴金属樹脂酸塩を含有する。
【0015】
導電性粉末中には複数種類の球形銀粉、フレーク銀粉、またはコロイド銀粉が含有される場合、その組合せおよび含有量は、好ましくは、a)80重量%から99重量%の球形銀粉および1重量%から20重量%のコロイド銀粉、b)90重量%から99重量%のフレーク銀粉および1重量%から10重量%のコロイド銀粉、またはc)70重量%から90重量%の球形銀粉および10重量%から30重量%のフレーク銀粉である。これらの組合せの使用は、低抵抗と高接着力の両方を達成することを可能にする。
【0016】
本発明のコロイド金属粉は、1nmから100nmの平均粒径を有するナノサイズの金属粉である。その金属または合金は、好ましくは金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、またはステンレス鋼のうちの1種類または複数種類を含有する。
【0017】
本発明の貴金属樹脂酸塩粉末中に含有される貴金属は、好ましくは金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、またはパラジウム(Pd)である。単一の貴金属を含有することもでき、また複数種類の貴金属を含有することもできる。
【0018】
球形銀粉の平均粒径は、好ましくは0.1μmから10μm、より好ましくは0.3μmから3.0μmである。フレーク銀粉の平均粒径は、好ましくは0.3μmから10.0μm、より好ましくは0.3μmから5.0μmである。コロイド銀粉の平均粒径は、好ましくは1nmから100nmである。導電性粉末の粒径は、粒度分布計(MT3300□,Microtrac Inc.)を用いて測定される。
【0019】
加えられる導電性粉末の量は、熱硬化前の導電性接着剤の総重量を基準にして、好ましくは70重量%から90重量%、より好ましくは75重量%から85重量%である。
【0020】
熱硬化性シリコーン樹脂
本発明の熱硬化性シリコーン樹脂は、ケイ素および酸素と、官能基とからなるポリシロキサンオリゴマーの重合生成物であり、(R2SiO)nによって表される。この熱硬化性シリコーン樹脂中に含有されるRは、好ましくは、炭素原子1から10個を有するアルキル基、すなわちメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル、オクチル基、ノニル基、またはデシル基か、あるいはフェニル基からなる群から選択される1種類または2種類の官能基である。Rは、より好ましくは、メチル基、エチル基、およびプロピル基からなる群から選択される1種類または2種類の官能基である。このような官能基を含有する熱硬化性シリコーン樹脂は150度以上で加水分解−重合反応を経ると、300度以下でその70%以上が無機酸化物に変わる。したがってLEDデバイス、集積回路、トランジスタ、またはこれらを含有するパッケージなどの高温処理が望ましくない電子部品を、300度以下の低温で基板に接着させることができる。さらに、硬化後のシリコーン樹脂中の無機物質の量は、示差熱天秤(熱重量分析−示差熱分析:TG−DTA)を用いて測定することができる。加えられるシリコーン樹脂の量は、導電性粉末の総重量を基準にして、好ましくは2重量%から50重量%、より好ましくは5重量%から20重量%である。
【0021】
溶媒
本発明の溶媒は、熱硬化性シリコーン樹脂の粘度を調整するための有機溶媒である。溶媒は、好ましくは100度以上の沸点を有する有機溶媒である。より好ましくは溶媒は、ホックアルピネオール(hocarpineol)、テキサノール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセタート、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、トルエン、テルピネオール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジアセトンアルコール、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、またはジメチルアセトアミドからなる群から選択される。これらの溶媒は単独で使用することもでき、または2種類以上を混合した後に使用することもできる。加えられる溶媒の量は、導電性粉末の総重量を基準にして、好ましくは4重量%から30重量%である。
【0022】
無機物質
本発明の導電性接着剤には、熱伝導性を向上させるために無機物質をさらに加えることができる。加えられる無機物質は、好ましくは、20W/km以上の熱伝導率を有する無機物質であり、例えば酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、またはダイヤモンド粉のうちの1種類または複数種類を含有する。加えられる無機物質の量は、導電性粉末の総重量を基準にして、好ましくは7重量%から50重量%である。無機物質を加えた導電性接着剤は熱伝導性がさらに向上し、LEDデバイス、集積回路、またはトランジスタのような熱を発生する電子部品を接着するために使用した場合、電子部品からの熱の放散を促進させ、それによって熱のせいでこれらデバイスが受ける損傷を減らす。
【0023】
接着対象物
本発明の接着対象物は、電気が供給される電子部品である。本発明の接着対象物には、LEDデバイス、LEDパッケージ、集積回路、集積回路パッケージ、抵抗器、コンデンサ、およびインダクタが含まれる。
【0024】
基板
本発明の電気回路基板で使用される基板は無機または有機基板であることができ、その例には、紙にフェノール樹脂を含浸させた紙フェノール基板と、紙にエポキシ樹脂を含浸させた紙エポキシ基板と、ガラス繊維を層状に重ね、エポキシ樹脂を含浸させたガラス複合基板と、ガラス繊維で作られた布を層状に重ね、エポキシ樹脂を含浸させたガラスエポキシ基板と、Teflon(登録商標)を絶縁材料用に使用したTeflon(登録商標)基板と、窒化アルミニウム基板と、アルミニウム基板と、ガラスエポキシ基板の両面に紙エポキシ基板を形成した複合基板と、表面に絶縁層を設けたステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、または銅の金属基板とが挙げられる。
【実施例】
【0025】
下記に、本発明の導電性接着剤の特定の例の説明を提供する。導電性粉末、熱硬化性シリコーン樹脂、および溶媒の異なる構成比を有する導電性接着剤を作製した。異なる構成比を有する導電性接着剤を、それぞれ実施例1から20として示す(表1参照)。各組成の詳細を下記に述べる。
【0026】
導電性粉末:
− 1μmの平均粒径を有する銀粉(#11000−10、Ferro Co.,Ltd.)
− 0.3μmの平均粒径を有する銀粉(#11000−25、Ferro Co.,Ltd.)
− 5μmの平均粒径を有する銀粉(SF26、Ferro Co.,Ltd.)
− 10nmの平均粒径および80%の銀含有量を有する銀コロイド(TB−A02、Dowa Electronics Co.,Ltd.)
溶媒(Texanol、Wako Pure Chemical Industries,Ltd.)
熱硬化性シリコーン樹脂
固体メチル型で低炭素含量を有する不揮発性Wackerシリコーン(Asahi Kasei Co.,Ltd.)を使用した。このWackerシリコーンの特性は、軟化点:45から60度、かさ比重(25℃):0.5から0.65、硬化条件:200℃において60分である。
【0027】
これら実施例のそれぞれの導電性接着剤の導電性および接着性を評価した(表1参照)。導電性接着剤の生産方法および評価方法を下記に述べる。
【0028】
導電性接着剤の生産方法
表1に示すそれぞれの構成比で銀の導電性粉末、熱硬化性シリコーン樹脂、および溶媒を計量した後、これら成分をミキサーで十分に撹拌し、3−ロールミルを用いて分散させた。各成分を十分に分散させた後、その導電性接着剤をガラス基板上にスクリーン印刷した。印刷パターンは、10mm×20mmの長方形パターンおよび2mm×60mmの直線パターンからなる。導電性接着剤を印刷したガラス基板を、150℃の条件下のオーブン中で20分間乾燥し、続いて220℃の条件下の焼成炉中で20分間硬化した。
【0029】
導電性接着剤の評価方法
ガラス基板上の2mm×60mmの直線パターンの形態の硬化フィルム厚さの抵抗値をマルチメーターで測定した。さらにガラス基板上の10mm×20mmの長方形パターンをナイフで横に切った。単一のガラス基板上に1mm×1mmの寸法の9個の正方形パターン、2mm×1mmの寸法の18個の長方形パターン、および2mm×2mmの寸法の9個の正方形パターンを設けた。横切りした部分に市販のテープを貼り、そのテープを手で剥がした後、基板上に残った各サイズのパターンの数を数えた。表1の評価欄に示す接着力の結果は、基板上に残ったパターンの数を横切りしたパターンの数で割ることによって得られる商を示す。例えば7/9という結果は、9個の横切りしたパターンのうちの7個がテープ剥離試験後に基板上に残り、一方パターンのうちの2個が剥がれたことを意味する。実施例1から20の比較により、熱硬化性シリコーン樹脂の含有量が導電性粉末の総重量を基準にして5重量%である実施例1の導電性接着剤の接着性は、熱硬化性シリコーン樹脂の含有量が5重量%を超える実施例2から20の導電性接着剤の接着性よりも劣ることが明らかになった。しかしながら、実施例1の導電性接着剤が低抵抗であり、かつ2mm×2mmのパターンの半数超が基板上に残るので、実施例1の導電性接着剤でさえ、比較的広い面積にわたって塗布された場合には十分な接着性および導電性を得ることが可能である。熱硬化性シリコーン樹脂の含有量が5重量%を超える実施例2から20の導電性接着剤は、実施例16を除いては一般に優れた接着性を有する。接着表面積が比較的広い場合には実施例1から20のすべての導電性接着剤が好ましい接着性を有するが、接着表面積が比較的狭い場合は、実施例2から9、11から15、および17から20の導電性接着剤を使用することが、その剥離したパターンの数が1mm×1mmのパターンの場合でさえゼロであるので好ましい。
【0030】
抵抗に関しては、熱硬化性シリコーン樹脂の含有量が多いほど抵抗は高くなりがちであるという傾向が観察された。熱硬化性シリコーン樹脂の含有量が導電性粉末の総重量を基準にして27重量%を超える実施例10および11では、抵抗値は比較的高い。他方、実施例3から12の比較により、熱硬化性シリコーン樹脂の量が一定であるならば、加えられる銀コロイドの量が多いほど抵抗値は低い傾向があることが明らかになった。しかしながら、導電性粉末が全く銀コロイドからなる導電性接着剤(実施例16)の場合、2mm×2mmのパターンについてのみ剥離が観察されなかったので、接着表面積が比較的広い場合に使用するにはこの導電性接着剤が好ましい。
【0031】
【表1】
【0032】
さらに、実施例20と同じ組成を有する導電性接着剤を、熱伝導率の測定によって放熱性について評価した(表2参照)。典型的な組成を有する市販の導電性接着剤を比較用に使用した。より具体的には比較用に使用された導電性接着剤は、10重量%のエポキシ樹脂、85重量%の銀粉、および5重量%の溶媒からなる。
【0033】
熱伝導率は下記の方法を用いて測定した。本発明による導電性接着剤を、75mm×52mmの寸法を有し、厚さが1mmのガラス基板上にスクリーン印刷した。印刷されたパターンは、18mm×18mmの寸法を有し、厚さが500μmであった。導電性接着剤を印刷したガラス基板を150℃の条件下のオーブン中で20分間乾燥し、続いて220℃の条件下の焼成炉中で20分間硬化した。上に導電性接着剤が印刷され硬化されたガラス基板を、110℃の表面温度を有する熱板上に置き、続いて硬化したフィルム表面の温度を5秒ごとに測定した。
【0034】
【表2】
【0035】
熱硬化性シリコーン樹脂を含有する導電性接着剤(実施例20)は、熱硬化性シリコーン樹脂を含有しない導電性接着剤(比較例)よりも急速な表面温度の上昇を示した。より詳細には15秒後にすでに3度の温度差が観察され、20秒後には6度の差が観察された。さらに70秒目から後は、本発明による導電性接着剤が75度であるのと比べて、比較例は65度であった。これは、本発明による導電性接着剤が、基板の熱を伝達することによって熱を放出するためである。したがって本発明によるシリコーン樹脂を含有する導電性接着剤は、優れた熱伝導率を有すると判定された。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気回路基板における導電性接着剤に関する。基本的に熱硬化性シリコーン樹脂から作られるこの接着剤は、無機基板との優れた接着性および優れた熱伝導率を示す。この導電性接着剤は、電子部品として有用である。
【背景技術】
【0002】
電気回路基板上に取り付ける場合、従来の方法では導電性と接着性の両方を備えたはんだを用いて電子部品を基板すなわち電気回路に接着させてきた。しかしながら最近、鉛を含有するはんだの使用を避ける傾向がある。さらに、耐熱性に欠ける電子部品に及ぼす融解したはんだが有する熱の有害な影響もまた問題になる可能性がある。したがって近年、主に樹脂と金属粉からなる導電性接着剤が使用されるようになった。これらの導電性接着剤の利点は、鉛を含まないこと、はんだよりも低い処理温度を有すること、および電子機器の重量を減らすのに寄与する低比重を有することからなる。主成分として樹脂を含有する導電性接着剤の接着性を改良する様々な試みがなされている。
【0003】
米国特許出願公開第2001−015424号明細書には、2つの電極を接着する導電性接着剤が開示されている。この文書によれば、その導電性接着剤の接着力は、電極の金属と配位結合を形成する官能基を有する樹脂で構成することによって改良される。これは、曲げ応力の影響を受けやすい大きな表面積を有する電子部品中でしばしば起こる電極と導電性接着剤の分離の問題を解決する。
【0004】
米国特許出願公開第2005−288427号明細書には、架橋性ゴム様樹脂を含有する絶縁用樹脂と導電性粒子とで構成される異方性導電性接着剤について記載されている。米国特許出願公開第2005−288427号明細書によれば、このゴム様樹脂が、加熱および接着の間の重合または硬化反応の間に起こる異方性導電性接着剤の熱収縮をできるだけ少なくする場合に、導電性接着剤の分離は防止される。さらに接着剤の接着環境を改善するためにシランカップリング剤が加えられる。
【0005】
しかしながら従来の熱可塑性有機バインダー樹脂で構成される導電性接着剤は、多くの無機基板または電極との接着性が依然として不足している。さらに、導電性接着剤で基板上に取り付けられる電子部品または電気装置は耐熱性が低いために、接着剤を熱硬化する工程中のそれら部品または装置の劣化の問題がある。さらに、性能レベルの高度化および電子部品の小型化に伴い、ICチップおよびLEDチップの形で電子部品から発生する熱量の増加がある場合、この熱を放散させることは難しい。さらにその電気装置が光源である場合、有機接着剤は紫外線によって劣化する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、導電性接着剤で部品を取り付ける間の接着力および放熱性を改良する問題を対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、接着力、放熱性、および紫外線抵抗性を向上させ、一方でまた低温で硬化することができる導電性接着剤を提供する。
【0008】
本発明の導電性接着剤は、導電性粉末、熱硬化性シリコーン樹脂、および溶媒を含む。本発明では、炭素原子1から10個を有するアルキル官能基か、またはフェニル基を含有し、かつ骨格用のポリシロキサンオリゴマーを有する熱硬化性シリコーン樹脂が好ましくは使用される。熱硬化性シリコーン樹脂は、有機樹脂よりも低温で硬化することができるので、高温に対する抵抗性が低い電気装置または電子部品用の接着剤として有効である。さらに、たとえ別の有機物質が無機電極との接着にとって本来好ましいとしても、硬化後の接着力は、官能基を有する熱硬化性シリコーン樹脂などの加熱および分解のせいで無機物質に変化する樹脂を含有するペーストを使用することによって向上する。さらに、無機物質は有機物質よりも高い熱伝導率を有するので、無機物質は電子部品から発生する熱の放散に寄与する。
【0009】
放熱性に関しては、本発明による導電性接着剤の熱伝導率をさらに向上させるために20W/km以上の熱伝導率を有する無機物質を好ましくは含有させる。
【0010】
さらに本発明は、上記導電性接着剤を用いて形成される電気回路基板を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】接着される対象物が上に配置されている電気回路基板5の俯瞰図である。
【図2】図1の電気回路基板の線II−IIに沿って取った断面図である。
【図3】接着される対象物が、電気回路間に配置され、かつ上に電気回路が断続的に形成されている基板中で電極および金線によって接続された電気回路基板5の俯瞰図である。
【図4】図3の電気回路基板の線IV−IVに沿って取った断面図である。
【図5】電気回路が導電性接着剤によって接着されている電気回路基板5を示す図である。
【図6】図5の電気回路基板の線VI−VIに沿って取った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
下記に、図面を用いた本発明の選択された実施形態の説明を提供する。図1において、電気回路基板は、基板1上の電気回路2上へ導電性接着剤3を塗布し、続いて接着される対象物(接着対象物)4をその上に配置してオーブンで加熱することによって作製される。さらに図3に示すように、本発明による接着剤によってその接着対象物を基板1に接着し、金線またははんだなどの導電性接続材料による電気回路で連続性を保つことができる。この場合、基板1上に断続的に形成された電気回路2上およびその間にある空間に導電性接着剤3を塗布し、その上にその接着対象物4を配置し、その接着対象物4と電気回路2を金線6で接続した後に、加熱によって電子回路基板5を作製する。
【0013】
さらに図5に示すように本発明の導電性接着剤はまた、電気回路としても使用することができる。この場合、電気回路基板を作製する工程は、本発明の導電性接着剤3を基板1上に直接にスクリーン印刷し、次いで接着対象物の形態で電子部品をこの導電性接着剤上に配置し、続いて加熱することからなる。下記に、導電性接着剤の組成の説明を行う。
【0014】
導電性粉末
本発明の導電性粉末は、導電性接着剤に導電性を付与する粉末である。本発明の導電性粉末は、好ましくは金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、ステンレス鋼、およびこれらの合金からなる群から選択される金属の1種類または複数種類である。表面に上記金属でめっきされたガラス粉、表面に上記金属でめっきされたセラミック粉、および表面に上記金属でめっきされた樹脂粉、あるいは黒鉛もまた使用することができる。単一の導電性粉末を使用することもでき、また複数種類の導電性粉末を使用することもできる。好ましくは導電性粉末は、1種類または複数種類の球形金属、金属フレーク、金属コロイド、または貴金属樹脂酸塩を含有する。
【0015】
導電性粉末中には複数種類の球形銀粉、フレーク銀粉、またはコロイド銀粉が含有される場合、その組合せおよび含有量は、好ましくは、a)80重量%から99重量%の球形銀粉および1重量%から20重量%のコロイド銀粉、b)90重量%から99重量%のフレーク銀粉および1重量%から10重量%のコロイド銀粉、またはc)70重量%から90重量%の球形銀粉および10重量%から30重量%のフレーク銀粉である。これらの組合せの使用は、低抵抗と高接着力の両方を達成することを可能にする。
【0016】
本発明のコロイド金属粉は、1nmから100nmの平均粒径を有するナノサイズの金属粉である。その金属または合金は、好ましくは金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、またはステンレス鋼のうちの1種類または複数種類を含有する。
【0017】
本発明の貴金属樹脂酸塩粉末中に含有される貴金属は、好ましくは金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、またはパラジウム(Pd)である。単一の貴金属を含有することもでき、また複数種類の貴金属を含有することもできる。
【0018】
球形銀粉の平均粒径は、好ましくは0.1μmから10μm、より好ましくは0.3μmから3.0μmである。フレーク銀粉の平均粒径は、好ましくは0.3μmから10.0μm、より好ましくは0.3μmから5.0μmである。コロイド銀粉の平均粒径は、好ましくは1nmから100nmである。導電性粉末の粒径は、粒度分布計(MT3300□,Microtrac Inc.)を用いて測定される。
【0019】
加えられる導電性粉末の量は、熱硬化前の導電性接着剤の総重量を基準にして、好ましくは70重量%から90重量%、より好ましくは75重量%から85重量%である。
【0020】
熱硬化性シリコーン樹脂
本発明の熱硬化性シリコーン樹脂は、ケイ素および酸素と、官能基とからなるポリシロキサンオリゴマーの重合生成物であり、(R2SiO)nによって表される。この熱硬化性シリコーン樹脂中に含有されるRは、好ましくは、炭素原子1から10個を有するアルキル基、すなわちメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル、オクチル基、ノニル基、またはデシル基か、あるいはフェニル基からなる群から選択される1種類または2種類の官能基である。Rは、より好ましくは、メチル基、エチル基、およびプロピル基からなる群から選択される1種類または2種類の官能基である。このような官能基を含有する熱硬化性シリコーン樹脂は150度以上で加水分解−重合反応を経ると、300度以下でその70%以上が無機酸化物に変わる。したがってLEDデバイス、集積回路、トランジスタ、またはこれらを含有するパッケージなどの高温処理が望ましくない電子部品を、300度以下の低温で基板に接着させることができる。さらに、硬化後のシリコーン樹脂中の無機物質の量は、示差熱天秤(熱重量分析−示差熱分析:TG−DTA)を用いて測定することができる。加えられるシリコーン樹脂の量は、導電性粉末の総重量を基準にして、好ましくは2重量%から50重量%、より好ましくは5重量%から20重量%である。
【0021】
溶媒
本発明の溶媒は、熱硬化性シリコーン樹脂の粘度を調整するための有機溶媒である。溶媒は、好ましくは100度以上の沸点を有する有機溶媒である。より好ましくは溶媒は、ホックアルピネオール(hocarpineol)、テキサノール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセタート、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、トルエン、テルピネオール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジアセトンアルコール、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、またはジメチルアセトアミドからなる群から選択される。これらの溶媒は単独で使用することもでき、または2種類以上を混合した後に使用することもできる。加えられる溶媒の量は、導電性粉末の総重量を基準にして、好ましくは4重量%から30重量%である。
【0022】
無機物質
本発明の導電性接着剤には、熱伝導性を向上させるために無機物質をさらに加えることができる。加えられる無機物質は、好ましくは、20W/km以上の熱伝導率を有する無機物質であり、例えば酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、またはダイヤモンド粉のうちの1種類または複数種類を含有する。加えられる無機物質の量は、導電性粉末の総重量を基準にして、好ましくは7重量%から50重量%である。無機物質を加えた導電性接着剤は熱伝導性がさらに向上し、LEDデバイス、集積回路、またはトランジスタのような熱を発生する電子部品を接着するために使用した場合、電子部品からの熱の放散を促進させ、それによって熱のせいでこれらデバイスが受ける損傷を減らす。
【0023】
接着対象物
本発明の接着対象物は、電気が供給される電子部品である。本発明の接着対象物には、LEDデバイス、LEDパッケージ、集積回路、集積回路パッケージ、抵抗器、コンデンサ、およびインダクタが含まれる。
【0024】
基板
本発明の電気回路基板で使用される基板は無機または有機基板であることができ、その例には、紙にフェノール樹脂を含浸させた紙フェノール基板と、紙にエポキシ樹脂を含浸させた紙エポキシ基板と、ガラス繊維を層状に重ね、エポキシ樹脂を含浸させたガラス複合基板と、ガラス繊維で作られた布を層状に重ね、エポキシ樹脂を含浸させたガラスエポキシ基板と、Teflon(登録商標)を絶縁材料用に使用したTeflon(登録商標)基板と、窒化アルミニウム基板と、アルミニウム基板と、ガラスエポキシ基板の両面に紙エポキシ基板を形成した複合基板と、表面に絶縁層を設けたステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、または銅の金属基板とが挙げられる。
【実施例】
【0025】
下記に、本発明の導電性接着剤の特定の例の説明を提供する。導電性粉末、熱硬化性シリコーン樹脂、および溶媒の異なる構成比を有する導電性接着剤を作製した。異なる構成比を有する導電性接着剤を、それぞれ実施例1から20として示す(表1参照)。各組成の詳細を下記に述べる。
【0026】
導電性粉末:
− 1μmの平均粒径を有する銀粉(#11000−10、Ferro Co.,Ltd.)
− 0.3μmの平均粒径を有する銀粉(#11000−25、Ferro Co.,Ltd.)
− 5μmの平均粒径を有する銀粉(SF26、Ferro Co.,Ltd.)
− 10nmの平均粒径および80%の銀含有量を有する銀コロイド(TB−A02、Dowa Electronics Co.,Ltd.)
溶媒(Texanol、Wako Pure Chemical Industries,Ltd.)
熱硬化性シリコーン樹脂
固体メチル型で低炭素含量を有する不揮発性Wackerシリコーン(Asahi Kasei Co.,Ltd.)を使用した。このWackerシリコーンの特性は、軟化点:45から60度、かさ比重(25℃):0.5から0.65、硬化条件:200℃において60分である。
【0027】
これら実施例のそれぞれの導電性接着剤の導電性および接着性を評価した(表1参照)。導電性接着剤の生産方法および評価方法を下記に述べる。
【0028】
導電性接着剤の生産方法
表1に示すそれぞれの構成比で銀の導電性粉末、熱硬化性シリコーン樹脂、および溶媒を計量した後、これら成分をミキサーで十分に撹拌し、3−ロールミルを用いて分散させた。各成分を十分に分散させた後、その導電性接着剤をガラス基板上にスクリーン印刷した。印刷パターンは、10mm×20mmの長方形パターンおよび2mm×60mmの直線パターンからなる。導電性接着剤を印刷したガラス基板を、150℃の条件下のオーブン中で20分間乾燥し、続いて220℃の条件下の焼成炉中で20分間硬化した。
【0029】
導電性接着剤の評価方法
ガラス基板上の2mm×60mmの直線パターンの形態の硬化フィルム厚さの抵抗値をマルチメーターで測定した。さらにガラス基板上の10mm×20mmの長方形パターンをナイフで横に切った。単一のガラス基板上に1mm×1mmの寸法の9個の正方形パターン、2mm×1mmの寸法の18個の長方形パターン、および2mm×2mmの寸法の9個の正方形パターンを設けた。横切りした部分に市販のテープを貼り、そのテープを手で剥がした後、基板上に残った各サイズのパターンの数を数えた。表1の評価欄に示す接着力の結果は、基板上に残ったパターンの数を横切りしたパターンの数で割ることによって得られる商を示す。例えば7/9という結果は、9個の横切りしたパターンのうちの7個がテープ剥離試験後に基板上に残り、一方パターンのうちの2個が剥がれたことを意味する。実施例1から20の比較により、熱硬化性シリコーン樹脂の含有量が導電性粉末の総重量を基準にして5重量%である実施例1の導電性接着剤の接着性は、熱硬化性シリコーン樹脂の含有量が5重量%を超える実施例2から20の導電性接着剤の接着性よりも劣ることが明らかになった。しかしながら、実施例1の導電性接着剤が低抵抗であり、かつ2mm×2mmのパターンの半数超が基板上に残るので、実施例1の導電性接着剤でさえ、比較的広い面積にわたって塗布された場合には十分な接着性および導電性を得ることが可能である。熱硬化性シリコーン樹脂の含有量が5重量%を超える実施例2から20の導電性接着剤は、実施例16を除いては一般に優れた接着性を有する。接着表面積が比較的広い場合には実施例1から20のすべての導電性接着剤が好ましい接着性を有するが、接着表面積が比較的狭い場合は、実施例2から9、11から15、および17から20の導電性接着剤を使用することが、その剥離したパターンの数が1mm×1mmのパターンの場合でさえゼロであるので好ましい。
【0030】
抵抗に関しては、熱硬化性シリコーン樹脂の含有量が多いほど抵抗は高くなりがちであるという傾向が観察された。熱硬化性シリコーン樹脂の含有量が導電性粉末の総重量を基準にして27重量%を超える実施例10および11では、抵抗値は比較的高い。他方、実施例3から12の比較により、熱硬化性シリコーン樹脂の量が一定であるならば、加えられる銀コロイドの量が多いほど抵抗値は低い傾向があることが明らかになった。しかしながら、導電性粉末が全く銀コロイドからなる導電性接着剤(実施例16)の場合、2mm×2mmのパターンについてのみ剥離が観察されなかったので、接着表面積が比較的広い場合に使用するにはこの導電性接着剤が好ましい。
【0031】
【表1】
【0032】
さらに、実施例20と同じ組成を有する導電性接着剤を、熱伝導率の測定によって放熱性について評価した(表2参照)。典型的な組成を有する市販の導電性接着剤を比較用に使用した。より具体的には比較用に使用された導電性接着剤は、10重量%のエポキシ樹脂、85重量%の銀粉、および5重量%の溶媒からなる。
【0033】
熱伝導率は下記の方法を用いて測定した。本発明による導電性接着剤を、75mm×52mmの寸法を有し、厚さが1mmのガラス基板上にスクリーン印刷した。印刷されたパターンは、18mm×18mmの寸法を有し、厚さが500μmであった。導電性接着剤を印刷したガラス基板を150℃の条件下のオーブン中で20分間乾燥し、続いて220℃の条件下の焼成炉中で20分間硬化した。上に導電性接着剤が印刷され硬化されたガラス基板を、110℃の表面温度を有する熱板上に置き、続いて硬化したフィルム表面の温度を5秒ごとに測定した。
【0034】
【表2】
【0035】
熱硬化性シリコーン樹脂を含有する導電性接着剤(実施例20)は、熱硬化性シリコーン樹脂を含有しない導電性接着剤(比較例)よりも急速な表面温度の上昇を示した。より詳細には15秒後にすでに3度の温度差が観察され、20秒後には6度の差が観察された。さらに70秒目から後は、本発明による導電性接着剤が75度であるのと比べて、比較例は65度であった。これは、本発明による導電性接着剤が、基板の熱を伝達することによって熱を放出するためである。したがって本発明によるシリコーン樹脂を含有する導電性接着剤は、優れた熱伝導率を有すると判定された。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性粉末、熱硬化性シリコーン樹脂、および溶媒を含む導電性接着剤。
【請求項2】
前記熱硬化性シリコーン樹脂が、炭素原子1から10個を有するアルキル基か、またはフェニル基を含有する、請求項1に記載の導電性接着剤。
【請求項3】
加えられる前記熱硬化性シリコーン樹脂の量が、前記導電性粉末の総重量を基準にして2重量%から50重量%である、請求項1に記載の導電性接着剤。
【請求項4】
前記導電性粉末が、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、ステンレス鋼、およびこれらの合金からなる群から選択される金属の1種類または複数種類、前記金属のいずれかでめっきされたガラス粉、前記金属のいずれかでめっきされたセラミック粉、前記金属のいずれかでめっきされた樹脂粉、黒鉛、およびそれらの混合物である、請求項1に記載の導電性接着剤。
【請求項5】
前記導電性粉末が、球形銀粉、フレーク銀粉、コロイド金属粉、または貴金属樹脂酸塩粉末からなる群から選択される、請求項1に記載の導電性接着剤。
【請求項6】
20W/km以上の熱伝導率を有する無機物質をさらに含む、請求項1に記載の導電性接着剤。
【請求項7】
100度以上の沸点を有する有機溶媒を、前記導電性粉末の総重量を基準にして4重量%から30重量%含有する、請求項1に記載の導電性接着剤。
【請求項8】
基板と、
前記基板上に形成される電気回路と、
前記電気回路上へ塗布された請求項1に記載の導電性接着剤と、
前記導電性接着剤に接着された接着対象物と
を含む電気回路基板。
【請求項9】
基板と、
前記基板上に形成される電気回路と、
前記電気回路が形成されない部分の上へ塗布された請求項1に記載の導電性接着剤と、
前記導電性接着剤に接着された接着対象物と、
前記接着対象物を前記電気回路に接続させる導電性接続材料と
を含む電気回路基板。
【請求項10】
基板と、
前記基板上の電気回路パターン上へ塗布された請求項1に記載の導電性接着剤と、
前記導電性接着剤に接着された接着対象物と
を含む電気回路基板。
【請求項1】
導電性粉末、熱硬化性シリコーン樹脂、および溶媒を含む導電性接着剤。
【請求項2】
前記熱硬化性シリコーン樹脂が、炭素原子1から10個を有するアルキル基か、またはフェニル基を含有する、請求項1に記載の導電性接着剤。
【請求項3】
加えられる前記熱硬化性シリコーン樹脂の量が、前記導電性粉末の総重量を基準にして2重量%から50重量%である、請求項1に記載の導電性接着剤。
【請求項4】
前記導電性粉末が、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、ステンレス鋼、およびこれらの合金からなる群から選択される金属の1種類または複数種類、前記金属のいずれかでめっきされたガラス粉、前記金属のいずれかでめっきされたセラミック粉、前記金属のいずれかでめっきされた樹脂粉、黒鉛、およびそれらの混合物である、請求項1に記載の導電性接着剤。
【請求項5】
前記導電性粉末が、球形銀粉、フレーク銀粉、コロイド金属粉、または貴金属樹脂酸塩粉末からなる群から選択される、請求項1に記載の導電性接着剤。
【請求項6】
20W/km以上の熱伝導率を有する無機物質をさらに含む、請求項1に記載の導電性接着剤。
【請求項7】
100度以上の沸点を有する有機溶媒を、前記導電性粉末の総重量を基準にして4重量%から30重量%含有する、請求項1に記載の導電性接着剤。
【請求項8】
基板と、
前記基板上に形成される電気回路と、
前記電気回路上へ塗布された請求項1に記載の導電性接着剤と、
前記導電性接着剤に接着された接着対象物と
を含む電気回路基板。
【請求項9】
基板と、
前記基板上に形成される電気回路と、
前記電気回路が形成されない部分の上へ塗布された請求項1に記載の導電性接着剤と、
前記導電性接着剤に接着された接着対象物と、
前記接着対象物を前記電気回路に接続させる導電性接続材料と
を含む電気回路基板。
【請求項10】
基板と、
前記基板上の電気回路パターン上へ塗布された請求項1に記載の導電性接着剤と、
前記導電性接着剤に接着された接着対象物と
を含む電気回路基板。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公表番号】特表2011−510139(P2011−510139A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−543300(P2010−543300)
【出願日】平成21年1月19日(2009.1.19)
【国際出願番号】PCT/US2009/031367
【国際公開番号】WO2009/092064
【国際公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月19日(2009.1.19)
【国際出願番号】PCT/US2009/031367
【国際公開番号】WO2009/092064
【国際公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】
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