説明

導電性材料前駆体および導電性材料

【課題】高い開口率と導電性が両立された導電性材料が得られる導電性材料前駆体、およびこれらに優れた導電性材料を提供する。
【解決手段】物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層をこの順に有する導電性材料前駆体において、物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層の間に紅藻類に由来する天然高分子多糖類を含有する層を有する導電性材料前駆体、およびこれを用いて製造された導電性材料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル、電磁波シールド材、アンテナ回路、電子回路等の用途に用いることができる導電性材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
透明支持上に導電性化合物の薄膜を形成した透明導電膜は、その導電性を利用した用途、例えば液晶ディスプレイ、ELディスプレイといったフラットディスプレイやタッチパネルの透明電極など電気、電子分野で広く使用されている。前記透明導電膜としては、透明支持体の少なくとも片面に、酸化スズ(SnO)、酸化インジウムスズ(ITO)や酸化亜鉛(ZnO)等を、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のドライプロセスによって設けたものがよく知られている。
【0003】
また、上記ドライプロセス以外にも、導電性高分子、CNT、例えば金属ナノワイヤなどの金属微粒子のネットワーク構造を使用したウエットプロセスによる透明導電膜も提案されている。
【0004】
現在、透明導電性膜として主流なのはITO導電膜である。しかしながらITO導電膜は、屈折率が大きく、光の表面反射が大きいため、全光線透過率が低下する問題や、可撓性が低いため屈曲した際にITO導電膜に亀裂が生じて電気抵抗値が高くなる問題があった。また、使用するインジウムの枯渇の懸念、生産コスト高が問題点として挙げられ、上述のような材料が代替材料として検討されている。
【0005】
また近年、銀塩拡散転写法を用いた銀塩写真感光材料を導電性材料前駆体として用いる方法も提案されている。例えば特開2003−077350号公報(特許文献1)、特開2005−250169号公報(特許文献2)や特開2007−188655号公報(特許文献3)、特開2004−207001号公報(特許文献4)等では、支持体上に物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層を少なくともこの順に有する導電性材料前駆体に、可溶性銀塩形成剤および還元剤をアルカリ液中で作用させて金属銀パターンを形成させる技術が開示されている。この方式によるパターニングは均一な線幅を再現することができることに加え、銀は金属の中で最も導電性が高いため、他方式に比べ、より細い線幅で高い導電性を得ることができる。更に、この方法で得られた銀パターン膜はITO導電膜よりも可撓性が高く折り曲げに強いという利点がある。
【0006】
ITO導電膜の代替となり得るには高開口率と高導電性の両立が求められる。これを満たすには、例えばメッシュパターンを形成した場合は、線幅を小さく、線間を大きくする必要がある。このような条件下でも高い導電性を維持しなければならず、高い開口率と導電性の両立が望まれていた。
【0007】
一方、特開2007−012404号公報(特許文献5)には導電性材料前駆体が有するハロゲン化銀乳剤層が含有するバインダー成分の一例として、特開2005−250169号公報(特許文献6)には導電性材料前駆体が有する下引き層が含有するバインダー成分の一例としてカラギーナンが記載されている。また、特開2009−193739号公報(特許文献7)や特開2010−153153号公報(特許文献8)には導電性材料前駆体が有する物理現像核層あるいは易接着層のバインダー成分の一例としてカラギーナンが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−077350号公報
【特許文献2】特開2005−250169号公報
【特許文献3】特開2007−188655号公報
【特許文献4】特開2004−207001号公報
【特許文献5】特開2007−012404号公報
【特許文献6】特開2005−250169号公報
【特許文献7】特開2009−193739号公報
【特許文献8】特開2010−153153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、高い開口率と導電性が両立された導電性材料が得られる導電性材料前駆体、およびこれらに優れた導電性材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的は以下の手段によって達成された。
(1)透明支持体上に少なくとも物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層をこの順に有する導電性材料前駆体において、物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層の間に紅藻類に由来する天然高分子多糖類を含有する層を有することを特徴とする導電性材料前駆体。
(2)前記の紅藻類に由来する天然高分子多糖類がカッパカラギーナン、イオタカラギーナン、ラムダカラギーナンから選ばれる少なくとも1種である上記(1)記載の導電性材料前駆体。
(3)上記(1)または(2)に記載の導電性材料前駆体を用いて製造された導電性材料。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、高い開口率と導電性が両立された導電性材料が得られる導電性材料前駆体、およびこれらに優れた導電性材料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の導電性材料前駆体は透明支持体上に少なくとも物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層をこの順に有し、該物理現像核層およびハロゲン化銀乳剤層の間に紅藻類に由来する天然高分子多糖類を含有する層(以降、本発明の中間層と称する)を有することを特徴とする。
【0013】
<紅藻類に由来する天然高分子多糖類を含有する層>
本発明において用いる紅藻類に由来する天然高分子多糖類としては、「食品工業」第31巻(1988)第21頁の表1に記載されている紅藻類から抽出・精製して得られる天然高分子多糖類を挙げることができる。紅藻類から抽出・精製して得られる天然高分子多糖類は種々の混合物である場合が多い。本発明ではこの混合物をそのまま用いることもできるし、更に純度の高い単体で用いることもできる。本発明に用いる紅藻類に由来する天然高分子多糖類の中で特に本発明に適しているものは、寒天、カラギーナン、ファーセレラン等である。カラギーナンは、その構成単位であるガラクトースのアンヒドロ環率、スルホン酸基による置換率やその置換位置の違いにより、ラムダ、イオタ、カッパの三タイプに大別される。これらの物質は、市販品としても入手できる。カラギーナンであれば、例えば、日本バイオコン株式会社の「デルタゲルC80」(カッパタイプ)、「デルタゲルC200」(カッパタイプ)、「デルタゲルS80」(イオタタイプ)、「デルタゲルS200」(イオタタイプ)、マリン・サイエンス株式会社のNL−V(ラムダタイプ)日本カラギーナン工業株式会社の「カラギーナン」、大日本製薬株式会社から販売されている「シーピーガムFA」(カッパタイプ)等が挙げられる。
【0014】
本発明の紅藻類に由来する天然高分子多糖類の添加量は、0.01〜0.1g/mであることが好ましく、0.02〜0.05g/mであることがより好ましい。少なすぎると十分な導電性が得られない場合がある。一方、多すぎると銀塩拡散転写を阻害し、導電性の低下を招く場合がある。
【0015】
本発明の中間層には、上記した紅藻類に由来する天然高分子多糖類の他に界面活性剤などを、導電性材料の性能へ悪影響を与えない範囲で含有させることができる。
【0016】
<透明支持体>
本発明の導電性材料前駆体が有する透明支持体としては、フレキシブル性を有する樹脂フィルムが、取扱い性が優れている点で、好適に用いられる。透明支持体に使用される樹脂フィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。これら樹脂フィルムの厚さは、20〜300μmであることが好ましい。なお、透明支持体の全光線透過率は80%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上である。
【0017】
<易接着層>
透明支持体上には易接着層を設けることができる。この易接着層はフィルムとその上に塗布する層との密着性を向上させることができる。
【0018】
易接着層としては、後述する物理現像核層に用いられるような各種高分子ラテックスを含有することが好ましく、これら高分子ラテックスは水分散液を用い、易接着層は水系塗工により形成されることが好ましい。中でも耐候性の観点からポリエステルラテックス、アクリルラテックス、およびウレタンラテックスの水分散物を含有することが好ましく、更に各種材料との接着性の観点からウレタンラテックス、特に耐候性の高い無黄変型ウレタンポリカーボネートラテックスが好ましい。これら高分子ラテックスの平均粒子径は0.01〜0.3μmであることが好ましく、更に好ましくは0.02〜0.1μmである。また、これら高分子ラテックスは複数種類のラテックスを混合して用いることも可能であるが、ポリエステルラテックスやアクリルラテックスやウレタンラテックスは易接着層中の樹脂成分の30質量%以上含有し、好ましくは50質量%以上である。
【0019】
また、易接着層は前記高分子ラテックスとともに水溶性高分子化合物を含有し、更に架橋剤で架橋された易接着層であることが好ましい。かかる水溶性高分子化合物としては、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸とスチレンの共重合体等が挙げられ、またゼラチン、アルブミン、カゼイン、ポリリジン等のタンパク質、カラギーナン、ヒアルロン酸などムコ多糖類、「高分子の化学反応」(大河原 信著 1972、化学同人社)2.6.4章記載のアミノ化セルロース、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリジアリルアミン、アリルアミンとジアリルアミンの共重合体、ジアリルアミンと無水マレイン酸との共重合体、ジアリルアミンと二酸化硫黄との共重合体などが挙げられる。これら水溶性高分子化合物の中でもタンパク質を用いることが好ましい。水溶性高分子化合物は易接着層中の樹脂成分の40質量%以下であることが好ましく、より好ましくは2〜30質量%である。また易接着層に用いる樹脂成分量は100mg/m以上であることが好ましく、上限は2500mg/mであることが好ましい。より好ましくは100〜2000mg/m、更に好ましくは150〜1000mg/mである。
【0020】
架橋剤としては、例えばクロム明ばんのような無機化合物、ホルムアルデヒド、グリオキサール、マレアルデヒド、グルタルアルデヒドのようなアルデヒド類、尿素やエチレン尿素等のN−メチロール化合物、ムコクロル酸、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサンのようなアルデヒド等価体、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン塩や、2,4−ジヒドロキシ−6−クロロ−トリアジン塩のような活性ハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、ジビニルケトンやN,N,N−トリアクリロイルヘキサヒドロトリアジン、活性な三員環であるエチレンイミノ基を二個以上有する化合物、エポキシ基を分子中に二個以上有する化合物類、例えば、ソルビトールポリグリシジルエーテルやポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等、あるいはこれら以外に「高分子の化学反応」(大河原 信著 1972、化学同人社)の2・6・7章、5・2章、9・3章など記載の架橋剤等の公知の高分子架橋剤を含有させることもできる。中でもエポキシ基を分子中に二個以上有する水溶性架橋剤、あるいはビニルスルホン系架橋剤が好ましい。ビニルスルホン系架橋剤とは分子中に少なくとも二個のビニルスルホニル基を有する化合物のことをいう。
【0021】
易接着層における架橋剤の添加量は易接着層中の全樹脂成分量に対して1〜7質量%が好ましく、更に好ましくは2〜5質量%である。
【0022】
更に易接着層にはシリカなどのマット剤、滑剤、顔料、染料、界面活性剤、紫外線吸収剤等を含有させることができる。
【0023】
<物理現像核層>
本発明の導電性材料前駆体が有する物理現像核層は、少なくとも物理現像核を含有する。物理現像核としては、重金属あるいはその硫化物からなる微粒子(粒子サイズは1〜数十nm程度)が用いられる。例えば、金、銀等の金属コロイド、パラジウム、亜鉛等の水溶性塩と硫化物を混合した金属硫化物等が挙げられる。これらの物理現像核の微粒子層は、コーティング法または浸漬処理法によって、透明支持体上あるいは前記易接着層上に設けることができる。生産効率の面からコーティング法が好ましく用いられる。物理現像核層における物理現像核の含有量は、固形分で0.1〜10mg/m程度が適当である。
【0024】
また物理現像核層は物理現像核微粒子の安定性および拡散転写銀の定着性を目的として、水溶性高分子化合物を含有することが好ましい。水溶性高分子化合物の添加量は、物理現像核に対して10〜500質量%程度が好ましい。水溶性高分子化合物としては、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸とスチレンの共重合体等が挙げられ、またゼラチン、アルブミン、カゼイン、ポリリジン等のタンパク質、カラギーナン、ヒアルロン酸などムコ多糖類、「高分子の化学反応」(大河原 信著 1972、化学同人社)2.6.4章記載のアミノ化セルロース、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリジアリルアミン、アリルアミンとジアリルアミンの共重合体、ジアリルアミンと無水マレイン酸との共重合体、ジアリルアミンと二酸化硫黄との共重合体などが挙げられる。これら水溶性高分子化合物の中ではタンパク質やポリエチレンイミン、ポリアリルアミン等のアミノ基を有する高分子化合物を用いることが好ましい。
【0025】
更に物理現像核層は、高分子ラテックスを含有することもできる。高分子ラテックスは水分散液を用い、水系塗工することが好ましい。高分子ラテックスとしては単独重合体や共重合体など各種公知のラテックスを用いることができる。単独重合体としては酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メタクリロニトリル、ブタジエン、イソプレン等の重合体があり、共重合体としてはエチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・p−メトオキシスチレン共重合体、スチレン・酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル・マレイン酸ジエチル共重合体、メチルメタクリレート・アクリロニトリル共重合体、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・スチレン共重合体、メチルメタクリレート・酢酸ビニル共重合体、メチルメタクリレート・塩化ビニリデン共重合体、メチルアクリレート・アクリロニトリル共重合体、メチルアクリレート・ブタジエン共重合体、メチルアクリレート・スチレン共重合体、メチルアクリレート・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸・ブチルアクリレート共重合体、メチルアクリレート・塩化ビニル共重合体、ブチルアクリレート・スチレン共重合体、ポリエステル、各種ウレタン等がある。
【0026】
更に物理現像核層には、前記した水溶性高分子化合物の架橋剤(硬膜剤)を含有することが好ましい。水溶性高分子化合物の架橋剤としては、前述の易接着層が含有する架橋剤と同様の架橋剤が例示されるが、好ましくはグリオキサール、グルタルアルデヒド、3−メチルグルタルアルデヒド、サクシンアルデヒド、アジポアルデヒド等のジアルデヒド類であり、より好ましい架橋剤はグリオキサールである。架橋剤は、物理現像核層に含まれる水溶性高分子化合物に対して0.1〜80質量%を物理現像核層に含有させるのが好ましい。
【0027】
物理現像核層の塗布には、例えばディップコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、バーコーティング、エアーナイフコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、スプレーコーティング等の塗布方式で塗布することができる。
【0028】
<ハロゲン化銀乳剤層>
本発明の導電性材料前駆体が有するハロゲン化銀乳剤層は、ハロゲン化銀に関する銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等で用いられる技術は、本発明においてもそのまま用いることもできる。
【0029】
ハロゲン化銀粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、立方体状、平板状(六角平板状、三角形平板状、四角形平板状など)、八面体状、十四面体状など様々な形状であることができる。
【0030】
本発明の導電性材料前駆体が有するハロゲン化銀乳剤層の銀/ゼラチン質量比は2以上であることが好ましく、ハロゲン化銀乳剤を銀換算で3g/m以上含有することが好ましい。更に好ましくは銀/ゼラチン質量比が2.5〜3.5、ハロゲン化銀乳剤塗布量は銀換算で3.5〜4.0g/mである。銀/ゼラチン質量比は高すぎるとハロゲン化銀粒子の保護コロイドとしてのゼラチンの割合が不足することとなり、塗布液中でハロゲン化銀粒子の沈降が起きやすくなるため好ましくない。また、塗布銀量を増やしすぎることは、ウォッシュオフ性を悪化させる、あるいは長い現像時間を必要とする、透明支持体に近い側のハロゲン化銀乳剤粒子の感光性が低下するなどの問題が生じる場合がある。
【0031】
ハロゲン化銀乳剤に含有されるハロゲン化物としては、塩化物、臭化物、ヨウ化物およびフッ化物のいずれであってもよく、これらの組み合わせでもよい。ハロゲン化銀乳剤粒子の形成には、順混合、逆混合、同時混合等の当業界では周知の方法が用いられる。中でも同時混合法の1種で、粒子形成される液相中のpAgを一定に保ついわゆるコントロールドダブルジェット法を用いることが、粒径の揃ったハロゲン化銀乳剤粒子が得られる点において好ましい。本発明においては、好ましいハロゲン化銀乳剤粒子の平均粒径は0.25μm以下、特に好ましくは0.05〜0.2μmである。なおハロゲン化銀乳剤のハロゲン化物組成には好ましい範囲が存在し、塩化物を80mol%以上含有するのが好ましく、特に90mol%以上が塩化物であることが特に好ましい。
【0032】
ハロゲン化銀乳剤の製造において、必要に応じて、ハロゲン化銀粒子の形成あるいは物理熟成の過程において、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩、あるいはロジウム塩もしくはその錯塩、イリジウム塩もしくはその錯塩などVIII族金属元素の塩もしくはその錯塩を共存させてもよい。また、種々の化学増感剤によって増感することができ、イオウ増感法、セレン増感法、貴金属増感法など当業界で一般的な方法を、単独、あるいは組み合わせて用いることができる。
【0033】
ハロゲン化銀乳剤は、必要に応じて、分光増感することもできる。また、ハロゲン化銀乳剤は必ずしもネガ感光性でなくてもよく、必要に応じて、ポジ感光性を持つ直接反転乳剤としてもよい。これにより、ネガ型をポジ型に、ポジ型をネガ型に変換することができる。直接反転乳剤に関しては、特開平8−17120号公報、同平8−202041号公報に記載されている方法によって作製することができる。
【0034】
ハロゲン化銀乳剤層はハロゲン化銀粒子の保護コロイドとしてバインダーを含有する。バインダーとしては天然ポリマー、水溶性の合成ポリマー、非水溶性の合成ポリマーが挙げられる。
【0035】
天然ポリマーとしてはゼラチン、カゼイン、アルブミンなどのタンパク質、澱粉、デキストリン等の多糖類、セルロースおよびその誘導体(例えばカルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシルプロピルセルロース、メチルセルロースなど)、アルギン酸、カラギーナン、フコイダン、キトサン、ヒアルロン酸などを用いることができ、その中でも最も好ましい天然ポリマーはゼラチンである。またコハク化ゼラチンなど公知の方法で修飾した天然ポリマーを用いることもできる。
【0036】
水溶性の合成ポリマーとしては、例えばポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアミン、ポリリジン、ポリアクリル酸等が挙げられる。また、これらのグラフト重合ポリマーなども用いることができる。
【0037】
非水溶性の合成ポリマーとしての高分子ラテックスとしては単独重合体や共重合体など各種公知のラテックスを用いることができる。単独重合体としては酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メタクリロニトリル、ブタジエン、イソプレン等があり、共重合体としてはエチレン・ブタジエン、スチレン・ブタジエン、スチレン・p−メトオキシスチレン、スチレン・酢酸ビニル、酢酸ビニル・塩化ビニル、酢酸ビニル・マレイン酸ジエチル、メチルメタクリレート・アクリロニトリル、メチルメタクリレート・ブタジエン、メチルメタクリレート・スチレン、メチルメタクリレート・酢酸ビニル、メチルメタクリレート・塩化ビニリデン、メチルアクリレート・アクリロニトリル、メチルアクリレート・ブタジエン、メチルアクリレート・スチレン、メチルアクリレート・酢酸ビニル、アクリル酸・ブチルアクリレート、メチルアクリレート・塩化ビニル、ブチルアクリレート・スチレン等がある。高分子ラテックスの平均粒径は0.01〜1.0μmであることが好ましく、更に好ましくは0.05〜0.8μmである。
【0038】
ハロゲン化銀乳剤層は架橋剤を含有することができる。かかる架橋剤としては、前述した易接着層に用いるような架橋剤を挙げることができる。架橋剤を用いる場合は、現像処理において、現像後に不要となったハロゲン化銀乳剤層を少なくとも水洗除去するため、これを妨げない範囲で用いることが必要となる。
【0039】
またハロゲン化銀乳剤層は、現像主薬を含有してもよい。現像主薬としては、写真現像の分野で公知の現像主薬を用いることができ、後述する現像液が含有する現像主薬が挙げられる。これらを2種類以上併用して用いることができる。これら現像主薬は塗液に溶解させても各層に含有させてもよいし、オイル分散液に溶解させて各層中に含有させることも可能である。
【0040】
ハロゲン化銀乳剤層には更に種々の目的のために、公知の写真用添加剤を用いることができる。これらは、Research Disclosure Item 17643(1978年12月)および18716(1979年11月)、308119(1989年12月)に記載、あるいは引用された文献に記載されている。また界面活性剤および増粘剤等の各種塗布助剤を含有することができる。
【0041】
<その他の構成層>
本発明の導電性材料前駆体には、必要に応じて、裏塗り層およびオーバー層等の非感光性層を設けることができる。本発明の導電性材料前駆体において、オーバー層はハロゲン化銀乳剤層の傷付きなどから保護する効果に加え、現像処理で導電性材料前駆体中の銀が系外に拡散するのを抑制し、物理現像核上への銀の析出効率を高める効果がある。従って、オーバー層はハロゲン化銀乳剤層の上に設けることが好ましい。これらの非感光性層は、水溶性高分子化合物を主たるバインダーとする層であり、前述のハロゲン化銀乳剤層が含有する天然ポリマーや水溶性の合成ポリマーを用いることができる。非感光性層の水溶性高分子化合物量としては、各々の用途によって異なるが、0.001〜10g/mの範囲が好ましい。また、これら非感光性層には水溶性高分子化合物の架橋剤を用いることができるが、現像後に不要なハロゲン化銀乳剤層等を少なくとも水洗除去するため、これを妨げない範囲で用いることが望ましい。
【0042】
上記した各構成層中には、ハロゲン化銀乳剤の感光波長域に吸収極大を有する非増感性染料または顔料を、画質向上のためのハレーション、あるいはイラジエーション防止剤として用いることが好ましい。ハレーション防止剤としては、上記裏塗り層あるいは、例えば易接着層、物理現像核層等のハロゲン化銀乳剤層と透明支持体の間に設けられる層に用いることが好ましく、これら2つ以上の層に分けて用いてもよい。イラジエーション防止剤としては、ハロゲン化銀乳剤層に用いることが好ましい。これら非増感性染料または顔料の添加量は目的の効果が得られるのであれば広範囲に変化しうるが、約0.01〜約1g/mの範囲が好ましい。また必要に応じて公知の写真用添加剤、界面活性剤、マット剤、滑剤や、前述したハロゲン化銀乳剤層と同様な現像主薬等を含有することができる。
【0043】
<導電性材料の製造>
上述した導電性材料前駆体を用いて導電性材料を製造する方法としては、上記した導電性材料前駆体を露光した後、現像処理する方法が挙げられる。露光方法としては、透過原稿とハロゲン化銀乳剤層を有する側の面を密着して露光する方法、あるいは各種レーザー光、例えば400〜430nmに発振波長を有する青色半導体レーザー(バイオレットレーザーダイオードともいう)を用いて走査露光する方法等がある。
【0044】
<現像処理>
現像処理には、画像を形成する部分のハロゲン化銀を溶解し、拡散させて、物理現像核上で還元し、析出させる現像処理工程と、不要となったハロゲン化銀層を水洗除去するための水洗除去工程がある。この場合、導電性材料前駆体にネガ型のハロゲン化銀乳剤を用いた場合、露光により光を照射していない部分が画像を形成する部分となり、ポジ型のハロゲン化銀乳剤を用いた場合は、露光により光を照射した部分が画像を形成する部分となる。
【0045】
<現像液>
本発明の導電性材料前駆体が有する各構成層が現像主薬を含有する場合、上記した現像処理に用いる現像液は必ずしも現像主薬を含有する必要はなく、現像液は現像可能となる潜像核を有するハロゲン化銀の還元を可能とするためのアルカリ性剤を含有する。アルカリ性剤として、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、第3リン酸ナトリウム、あるいは各種アミン化合物が挙げられる。現像液のpHは10以上が好ましく、更に11〜14の範囲が好ましい。
【0046】
本発明の導電性材料前駆体が有する各構成層が、現像可能となる潜像核を有するハロゲン化銀の還元を可能とする量の現像主薬を含有しない場合、上記した現像処理に用いる現像液は現像主薬を含有する。現像液が含有する現像主薬としては、例えば、ハイドロキノン、カテコール、ピロガロール、メチルハイドロキノン、クロロハイドロキノン等のポリヒドロキシベンゼン類、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−p−トリル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−p−クロロフェニル−3−ピラゾリドン等の3−ピラゾリドン類、パラメチルアミノフェノール、パラアミノフェノール、パラヒドロキシフェニルグリシン、パラフェニレンジアミン、アスコルビン酸等が挙げられ、これらを2種類以上併用してもよい。現像主薬の使用量は1〜100g/Lであることが好ましい。
【0047】
現像液はその他に、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸カリウムに代表される保恒剤、上記した現像液のpHを好ましい範囲に保つための、炭酸塩やリン酸塩に代表される緩衝剤を含有することが好ましい。更に臭化物イオン、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール等、現像核を持たないハロゲン化銀粒子が還元されないように加えられるカブリ防止剤を含有させることができる。
【0048】
現像液は拡散転写現像を行うために可溶性銀錯塩形成剤を必須成分として含有する。可溶性銀錯塩形成剤としては、具体的にはチオ硫酸アンモニウムやチオ硫酸ナトリウムのようなチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウムやチオシアン酸アンモニウムのようなチオシアン酸塩、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸水素カリウムのような亜硫酸塩、1,10−ジチア−18−クラウン−6、2,2′−チオジエタノールなどのチオエーテル類、オキサゾリドン類、2−メルカプト安息香酸およびその誘導体、ウラシルのような環状イミド類、アルカノールアミン、ジアミン、特開平9−171257号公報に記載のメソイオン性化合物、5,5−ジアルキルヒダントイン類、アルキルスルホン類、他に「The Theory of the photographic Process(4th edition,p474〜475)」、T.H.James著に記載されている化合物が挙げられる。これらの可溶性銀錯塩形成剤の中で特にアルカノールアミンが好ましい。アルカノールアミンとしては、例えばN−(2−アミノエチル)エタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エタノールアミン、4−アミノブタノール、N,N−ジメチルエタノールアミン、3−アミノプロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。これらの可溶性銀錯塩形成剤は単独で、または複数組み合わせて使用することができる。また可溶性銀錯塩形成剤量としては0.1〜40g/L、好ましくは1〜20g/Lである。
【0049】
<現像処理条件>
現像液での処理温度は15〜30℃が好ましく、ハロゲン化銀乳剤層が現像液中に溶出するのを防止するために18〜23℃の範囲が好ましい。現像時間は生産効率を考慮して120秒以下が好ましい。
【0050】
露光後の導電性材料前駆体への現像液の供給方式は、浸漬方式であっても塗布方式であってもよい。浸漬方式は、例えば、タンクに大量に貯流された現像液中に、前記露光済みの導電性材料前駆体を浸漬しながら搬送するものであり、塗布方式は、例えばハロゲン化銀乳剤層上に現像液を1mあたり40〜120ml程度塗布するものである。
【0051】
<水洗除去工程>
現像処理における水洗除去は、現像処理後に不要となったハロゲン化銀乳剤層等の各構成層を除去し、銀画像を透明支持体上に露出させる工程である。従って水洗除去の処理液としては水を主成分とする。またこの処理液には緩衝成分を含有してもよく、除去したゼラチンの腐敗を防止する目的で、防腐剤を含有させてもよい。
【0052】
水洗除去方法としては、スクラビングローラ等を用いて処理液をシャワー方式、スリット方式等を単独、あるいは組み合わせて使用できる。また、シャワーやスリットを複数個設けて、除去の効率を高めることもできる。また、水洗除去の代わりに、剥離紙等に転写剥離する方法を用いてもよい。剥離紙等で転写剥離する方法としては、ハロゲン化銀乳剤層上の余分な現像液を予めローラ等で絞り取っておき、ハロゲン化銀乳剤層等と剥離紙を密着させてハロゲン化銀乳剤層等をプラスチック樹脂フィルムから剥離紙に転写させて剥離する方法である。剥離紙としては吸水性のある紙や不織布、あるいは紙の上にシリカのような微粒子顔料とポリビニルアルコールのようなバインダーとで吸水性の空隙層を設けたものが用いられる。
【0053】
以下実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0054】
本発明における導電性材料を得るために、透明支持体として、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(全光線透過率90%)を用いた。この透明支持体上に下記組成の裏塗り層を塗布、乾燥した。
【0055】
<裏塗り層組成>1m当たり
ゼラチン 2g
不定形シリカマット剤(平均粒径5μm) 20mg
界面活性剤(S−1) 400mg
染料1 200mg
【0056】
【化1】

【0057】
次に裏塗り層を有する透明支持体の、裏塗り層とは反対側の面に下記のようにして作製した硫化パラジウムゾルを含有する物理現像核層塗液を塗布、乾燥した。
【0058】
<硫化パラジウムゾルの調製>
A液 塩化パラジウム 5g
塩酸 40ml
蒸留水 1000ml
B液 硫化ソーダ 8.6g
蒸留水 1000ml
A液とB液を撹拌しながら混合し、30分後にイオン交換樹脂の充填されたカラムに通し硫化パラジウムゾルを得た。
【0059】
<物理現像核層塗液の調製>1m当たり
前記硫化パラジウムゾル 0.4mg
2質量%グリオキザール水溶液 0.2ml
界面活性剤(S−1) 3mg
デナコールEX−830 10mg
(ナガセケムテックス(株)製ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル)
10質量%SP−200水溶液 0.2g
(日本触媒(株)製ポリエチレンイミン;平均分子量10,000)
【0060】
続いて、支持体に近い方から順に下記組成の中間層、ハロゲン化銀乳剤層、および保護層を上記物理現像核層の上にスライドコーターにて同時塗布し、表1に示すように導電性材料前駆体1〜12を得た。ハロゲン化銀乳剤は、写真用ハロゲン化銀乳剤の一般的なダブルジェット混合法で製造した。このハロゲン化銀乳剤は、塩化銀95モル%と臭化銀5モル%で、平均粒径が0.15μmになるように調製した。このようにして得られたハロゲン化銀乳剤を定法に従いチオ硫酸ナトリウムと塩化金酸を用い金イオウ増感を施した。こうして得られたハロゲン化銀乳剤は銀1gあたり0.3gのゼラチンを含む。
【0061】
<中間層塗液の調製>各1m当たり
<I−1>
シーピーガムFA(大日本製薬(株)社製) 0.03g
界面活性剤(S−1) 10mg
【0062】
<I−2>
デルタゲルC80(日本バイオコン(株)社製) 0.03g
界面活性剤(S−1) 10mg
【0063】
<I−3>
デルタゲルS200(日本バイオコン(株)社製)0.03g
界面活性剤(S−1) 10mg
【0064】
<I−4>
NL−V(マリン・サイエンス(株)社製) 0.03g
界面活性剤(S−1) 10mg
【0065】
<I−5>
寒天(伊那食品工業(株)社製) 0.03g
界面活性剤(S−1) 10mg
【0066】
<I−6>
シーピーガムFA(大日本製薬(株)社製) 0.015g
界面活性剤(S−1) 10mg
【0067】
<I−7>
シーピーガムFA(大日本製薬(株)社製) 0.025g
界面活性剤(S−1) 10mg
【0068】
<I−8>
シーピーガムFA(大日本製薬(株)社製) 0.04g
界面活性剤(S−1) 10mg
【0069】
<I−9>
シーピーガムFA(大日本製薬(株)社製) 0.06g
界面活性剤(S−1) 10mg
【0070】
<I−10>
ゼラチン 0.03g
界面活性剤(S−1) 10mg
【0071】
<I−11>
ゼラチン 0.25g
界面活性剤(S−1) 10mg
【0072】
<ハロゲン化銀乳剤層組成>1m当たり
ゼラチン 0.2g
ハロゲン化銀乳剤 3.8g銀相当
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 10mg
界面活性剤(S−1) 20mg
【0073】
<保護層組成>1m当たり
ゼラチン 1g
不定形シリカマット剤(平均粒径3.5μm) 15mg
界面活性剤(S−1) 10mg
【0074】
このようにして得た導電性材料前駆体1〜12を、水銀灯を光源とする密着プリンターで400nm以下の光をカットする樹脂フィルターを介し、細線幅7μmで格子間隔300μmのメッシュ状パターン(開口率95.4%)の透過原稿を密着させて露光した。
【0075】
露光した導電性材料前駆体1〜12を下記組成のアルカリ処理液で20℃で90秒の浸漬処理を行ったのち40℃温水で水洗、乾燥した。このようにしてメッシュ状パターンを有する導電性材料を得た。
【0076】
<アルカリ処理液>
水酸化カリウム 25g
ハイドロキノン 18g
1−フェニル−3−ピラゾリドン 2g
亜硫酸カリウム 100g
N−メチルエタノールアミン 15g
臭化カリウム 0.2g
全量を水で1000ml
pH=12.2に調整する。
【0077】
<開口率評価>
上記のようにして得られたメッシュ状パターンが形成された導電性材料の全光線透過率をスガ試験器(株)製ヘーズメーターHZ−2を用いて、JIS K 7136に従い測定した。開口率100%(非画像)と0%(銀ベタ)の全光線透過率を測定し、パターンが形成された導電性材料の開口率を算出した。結果を表1に示す。
【0078】
<導電性評価>
上記のようにして得られたメッシュ状パターンが形成された導電性材料の表面抵抗率を、(株)三菱化学アナリティック製、ロレスタGP/ESPプローブを用いて、JIS K 7194に従い測定した。結果を表1に示す。
【0079】
【表1】

【0080】
表1の結果から明らかなように、本発明の導電性材料前駆体により、高い開口率と導電性が両立された導電性材料が得られることが判る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明支持体上に少なくとも物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層をこの順に有する導電性材料前駆体において、物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層の間に紅藻類に由来する天然高分子多糖類を含有する層を有することを特徴とする導電性材料前駆体。
【請求項2】
前記紅藻類に由来する天然高分子多糖類がカッパカラギーナン、イオタカラギーナン、ラムダカラギーナンから選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の導電性材料前駆体。
【請求項3】
請求項1または2に記載の導電性材料前駆体を用いて製造された導電性材料。

【公開番号】特開2013−89708(P2013−89708A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227626(P2011−227626)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(000005980)三菱製紙株式会社 (1,550)
【Fターム(参考)】