説明

導電性材料層を貼り合わされたプラスチックフォイル層で製作された導電体を含む無線周波数導波路

【課題】導電体を含む無線周波数(RF)導波路を提供すること。
【解決手段】少なくとも曲げられたシート3を含む無線周波数(RF)導波路が説明される。シート3は、プラスチックで製作された第1の層1および導電性材料で製作された少なくとも第2の層2を含む。さらに、そのようなRF導波路を製造する方法に加えて前記方法を行うデバイスが説明される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも曲げられたシートを含む無線周波数(RF)導波路に関する。
【背景技術】
【0002】
高周波またはいわゆる無線周波数(RF)電磁波の導波は、例えば、RF同軸ケーブル、楕円導波路、もしくは別の金属管またはこれらの組合せを含む伝送路内で行われる。
【0003】
現在、以下では導波路という用語に含まれるRFケーブル、特にRF同軸ケーブル、およびRF導波路の側圧および引張剛性などの必要な機械的性質は、必要な機械的性質を与えるのに十分な大きさの直径または壁厚をもつ導電体を使用して達成されている。そのために、導電体の壁厚および/または直径の寸法は、高周波信号を伝送する実際の機能を果たすのに必要とされるよりもかなり大きい。前述の実際の機能を果たすのに必要な寸法は、特に、いわゆる表皮深さによって、またはいわゆる表皮効果によって画定される。そのために、特に高い周波数またはRF信号を導波路内の電磁波の形態で導波するのは、導電体の表面に近い薄い領域で行われる。表面の方向、例えば、RF同軸ケーブルに関して、電磁波の導波が行われる内側表面または外側表面の方向は、互いに関連する導電体の構成によって画定される。
【0004】
固形の導電体を使用すると、導波路内の金属部分が多くなるため、重量が重く、コストが高くなる。
【0005】
原材料の銅などの原材料金属の価格が急激に上昇すると、導波路内の特に銅および他の金属構成要素の部分を必要最小限まで減らし、同時に高周波数パラメータを少なくとも現在の値に保つように強いられる。
【0006】
独国特許第2022991号明細書および独国特許第2056352号明細書から、コアを囲む管状または円筒状の導体に曲げられる導電体のシートで製作された導波路を形成することが知られている。そのために、まず、管状導体が、細片の形態を有する金属のシートを曲げることによって管に形成され、管状導体の内径はコアの外径よりもわずかに大きい。管状導体を形作った後、隣接するシートのマージン領域の間の接続は、導波路を曲げるとき大型化するのを防ぐために溶接されている。コアは、事前製作された中実または中空円筒状のエチレン共重合体で製作されている。完成後の管状導体はコア上を引き下げられ、導電体およびコアが互いに貼り合わされる。特に、シートのマージン領域を溶接できるようにするために、電気的な境界条件によって必要とされるよりも厚い材料厚が必要になる。さらに、管状の導体およびコアを貼り合わす前に、管状導体は平坦にされたパイプに形成されなければならない。これにより、電気的な境界条件によって必要とされるよりも非常に厚い材料厚も必要になる。さらに、平坦にされたパイプを形成する製造工程は、非常に高価であり、大きな労働力を必要とする。
【0007】
米国特許出願第2003/0174030号明細書から、クラッドされた管状導体をもつRF同軸ケーブルならびにRF導波路が知られており、各導体は、銅、銀、または金などの比較的高い導電率の金属材料で形成されたベース層と、アルミニウムまたは鋼などの比較的低い導電率の金属材料で形成されたバルク層を含む。管状導体は各々ベース層で被覆されたバルク層の細片の形態のシートで製作される。被覆の後、シートはコアを囲む管状導体に曲げられ、管状導体を形作った後、隣接するシートのマージン領域の間の接続は、導波路を曲げるとき大型化するのを防ぐために溶接される。被覆は、クラッド法、電着、スパッタリング、めっき、または電気めっきによって行われる。この解決策の欠点は、管状導体が比較的重い重量であり、管状導体を形成するのに比較的高価な材料を使用し、バルク層材料を被覆する場合、特にスパッタリング技法を使用する場合、ベース層材料の電気伝導率を低下させることである。金属導電体の寸法を低減する今までの試みは、導波路の機械的性質を非常に低下させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】独国特許第2022991号明細書
【特許文献2】独国特許第2056352号明細書
【特許文献3】米国特許出願第2003/0174030号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は前述の問題の対応策を見いだすことである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的は、少なくとも曲げられたシートを含むRF導波路によって満たされ、前記RF導波路は、シートが、プラスチックフォイルで製作された第1の層と薄い導電性材料で製作された少なくとも1つの第2の層とを含み、両方の層が互いに貼り合わされ、その後で導波路に曲げられる点に特徴がある。
【0011】
曲げられたシートにより、導波路内の導電体の機能に加えて必要な機械的性質を与える手段の機能が実現される。それによって、導電性材料で製作された層が導波路内で電磁波を導波する機能を与え、プラスチックフォイル層が必要な機械的性質を与える。導電性材料で製作された層は、最大発生電流を伝導するのに十分であるが、表皮効果も考慮している、すなわち表皮深さに実質的に等しい厚さを有する。プラスチックフォイル層は導波路の機械的強度を与える担体として使用される。好ましくは、銅、銀、または金が導電性材料として使用される。プラスチックフォイル層は重合体フォイルを含むことが好ましい。したがって、例えば、液晶重合体、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、またはポリイミドで製作されたプラスチックフォイルを使用することが考えられる。
【0012】
本発明によれば、導電性材料の寸法は電波の導波に必要な最小厚さまで低減されることが好ましく、導波路の機械的性質は導電性材料を支持するプラスチックフォイルによって与えられる。導電性層のこの最小の厚さは表皮深さによって画定される。本発明によれば、現況技術と比較して、金属導電体の大部分がプラスチックフォイルによって置き替えられる。
【0013】
そのために、組合せラミネートシートが導電性材料の複数の層を含み、好ましくは、個々の層が異なる電気的性質を有することが考えられる。銅、銀、または金などの異なる導電性材料の層を使用すると、電気伝導率が改善される。
【0014】
本発明による前記RF導波路は、現況技術に対して、重量が軽減され、材料コストが低減された導体を提供するという利点がある。前記RF導波路によれば、さらに金属層に電磁放射用の開口を配置することが可能になる。さらに、本発明によるRF導波路は、現況技術と比較して、改善された柔軟性を有する。導電体の少なくとも1つの薄い層に加えて好ましい弾性のプラスチックフォイル層を含む、曲げられたラミネートシートは、例えば、曲げられたラミネートシートと同じ材料厚の銅と比較して、改善された弾性伸びをもつ改善されたひずみ特性を可能にする。これにより、そのようなシートを含む本発明によるRF導波路は、銅、他の金属材料、または材料の組合せだけで製作された導体の同じ寸法の導波路と比較して、電気特性は同じままで、高い曲げ特性を可能にする。
【0015】
前記発明の好ましい実施形態では、曲げられた組合せラミネートシートのマージン端部は重なり合っている。マージン端部を重ね合わせることによって、組合せラミネートシートにより囲まれた内部空間は完全に導電性材料によって取り囲まれ、固形導体と同様の遮蔽が実現される。
【0016】
好ましくは、曲げられた組合せラミネートシートのマージン端部は、導波路を曲げる場合に大型化するのを防ぐために、シートを円筒状導体に曲げた後、互いに縁曲げおよび/または圧接によって接続される。組合せラミネートシートのマージン端部を縁曲げおよび/または圧接することによって、固形導体と同様の遮蔽が達成される。さらに、導電性材料の厚さは、表皮深さによって予め画定された必要最小にまで減少させることができるが、それは、現況技術と比較して、表皮深さよりも厚い、ある最小厚さを必要とする溶接が行われないからである。
【0017】
前記発明の好ましい実施形態では、組合せラミネートシートは、曲げ剛性の低減による曲げ特性を改善するために、エンボス加工されるかおよび/または波形にされる。
【0018】
前記発明の別の好ましい実施形態では、第2の層の厚さ、すなわち、導電性材料の厚さは10〜100μmの間にある。表皮効果に関して、10〜100μmの層厚は電磁波の導波に十分である。導電性材料のそのような薄い層を使用するのは、本発明による導波路との組合せでのみ可能であり、それは、組合せラミネートシートのマージン領域を縁曲げおよび/または圧接することにより、現況技術によるマージン領域を互いに溶接する場合に必要となるよりも非常に薄い導電性材料を使用できるからである。
【0019】
前記発明の好ましい実施形態では、プラスチックフォイルは、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、または例えば、液晶重合体、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリテトラフルオロエチレン、またはポリエーテルエーテルケトンのような別の適切なプラスチックで製作されることが好ましい。
【0020】
さらに、プラスチックフォイルは、ガラス繊維、ガラスパウダー、炭素繊維などの添加物および/または強化材を備える。プラスチックフォイルに添加物および/または強化材を追加することよって、フォイルの機械的性質が改善される。
【0021】
前記発明の好ましい実施形態によれば、プラスチックフォイルの材料は、互いに接続されるべき導波路の導体をはんだ付けできる温度に耐える。はんだ付け温度に耐えるのは、はんだ付けプラグおよびジャックを実装し、相互変調を低減したアセンブリを提供するための必須条件である。
【0022】
プラスチックフォイルがガラス繊維布を備えることも考えられる。ガラス繊維布は、導体および導波路に耐火性を与える。プラスチックフォイルにガラス繊維布を挿入すると、組合せラミネートシートを耐火ガラス繊維布で包む付加的な生成ステップを省ける。これにより製造コストが節約される。
【0023】
さらに、組合せラミネートシートは、耐火細片またはワイヤーで包まれるのが好ましい。耐火導波路では、ケーブル被覆は、火が広がることのできない耐火材料で製作されなければならない。同軸ケーブルに関して、耐火材料は、可燃性コアおよび/または可燃性誘電体を火から防護しなければならない。これは、組合せラミネートシート内の導電性層用の閉じた金属導電性材料を使用して、コアおよび/または誘電体を完全に遮蔽することによって達成される。組合せラミネートシートが大型化するのを防ぐために、組合せラミネートシートは、耐火細片またはワイヤーで包まれる。
【0024】
本発明の特に好ましい実施形態は、放射特性を与える導電性層の開口によって特徴付けられる。そのために、組合せラミネートシートが所望の開口をもつパターンを備えるか、または導電性層だけが前記開口を備えるかのいずれかが考えられる。
【0025】
前記発明の好ましい実施形態では、前記開口、すなわち前記開口を備えるパターンは、エッチングまたはシルクスクリーンプロセス印刷技法によって達成される。現況技術によれば、そのようなパターンは、単純な幾何構造に限定される単純なパターンだけが可能である型抜き技法によって製造されている。エッチングまたはシルクスクリーンプロセス印刷技法を使用すると、低コストで任意のパターンに応じることができる。さらに、エッチングまたはシルクスクリーンプロセス印刷技法によれば、導電性層だけを処理することができる。そうすることにより、下にあるプラスチックフォイルが変わらずにそのまま残っているので、導波路の機械的性質は、導電性材料に開口を配置することによって低下しない。
【0026】
本発明の目的の別の部分は、前述のようなRF導波路を製造する方法によって満たされ、前記方法は、
プラスチックフォイルの少なくとも第1の層および導電性材料の少なくとも第2の層をもつ組合せラミネートシートを得るために、プラスチックのフォイルに少なくとも1つの導電性材料を貼り合わせるステップと、
前記組合せラミネートシートをほぼ円筒状、好ましくは管状の導体に曲げるステップと
を含む。
【0027】
貼合せは、例えば、エンドレス製造プロセスで重合体フォイルのエンドレスストライプ上に接着される導電性金属の巻取シートまたはフォイルのエンドレスストライプを使用することによって行われる。組合せラミネートシート内で、導電性材料の層は、最大発生電流を伝導するが表皮効果も考慮した厚さをもつ、すなわち最小厚さを有する導電体として使用される。重合体フォイル層は、導波路の機械的強度を与える担体として使用される。好ましくは、銅、銀、または金が導電性材料として使用される。
【0028】
組合せラミネートシートをほぼ円筒状導体に曲げるのは、導波路のコアを囲むことによって行うことができる。このコアは、他の導波路または導電体を含むことができるが、電気絶縁材料とすることもできる。例えば、ケーブル被覆などを付加するようなさらなるステップは、導波路を曲げた後に行うことができる。そのようなステップは、現況技術で知られるように行うことができる。
【0029】
本発明によれば、導電性材料の寸法は電波の導波に必要な最小厚さまで低減され、導波路の機械的性質は導電性材料を支持するプラスチックフォイルによって与えられる。この最小厚さは表皮深さによって画定される。本発明によれば、現況技術と比較して、金属導電体の大部分がプラスチックフォイルによって置き替えられる。これは、単に、まずプラスチックフォイル上に導電性材料のシートまたはフォイルを貼り合わせ、その後、貼り合わされた組合せシートを円筒状導体に曲げることにより導波路を形成することによって可能である。
【0030】
さらに、導電性材料およびプラスチックフォイルを貼り合わせることによって、導電性材料の電気的性質は維持され、現況技術によれば、スパッタリング技法を使用することにより導電性材料の電気的性質が低下する。
【0031】
本発明による方法によって、現況技術と比較して、導波路の製造中にさらに溶接または時間を要するステップが必要ないので、高い生産量が達成される追加の利点が得られる。
【0032】
本発明による前記方法の好ましい実施形態は、曲げた後、導波路を曲げる場合に大型化するのを防ぐために、円筒状導体を曲げた後に隣接する組合せラミネートシートのマージン端部間の接続部は、縁曲げおよび/または圧接されることを特徴とする。そうすることにより、例えば、同軸ケーブルの内部導体は、ケーブルが数回曲げられる場合でも確実に遮蔽されたままである。さらに、マージン領域間の接続部を縁曲げおよび/または圧接することによって、現況技術と比較して、好ましい金属導電性材料の厚さを大幅に低減することが可能であるが、溶接では可能な最小厚さが限定される。
【0033】
本発明による前記方法の別の好ましい実施形態によれば、好ましくは、貼り合わせた後で、曲げる前に、組合せラミネートシートの開口が導電性層に配置され、放射特性が与えられる。前記開口は、エッチングまたはシルクスクリーンプロセス印刷技法によって達成されることが好ましい。
【0034】
本発明の別の好ましい実施形態では、前述の前記方法が、
プラスチックフォイルの少なくとも第1の層および導電性材料の少なくとも1つの第2の層をもつ組合せラミネートシートを得るために、プラスチックのフォイルに少なくとも1つの導電性材料を貼り合わせる手段と、
前記組合せラミネートシートをほぼ円筒状、好ましくは管状の導体に曲げる手段と
を含むデバイスによって行われる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】導電体に曲げる前の組合せラミネートシートを概略的に示す図である。
【図2】導電体に曲げた後の図1の組合せラミネートシートを概略的に示す図である。
【図3a】曲げられた組合せラミネートシートを含む導波路の実施形態を示す図である。
【図3b】曲げられた組合せラミネートシートを含む導波路の異なる実施形態を示す図である。
【図3c】曲げられた組合せラミネートシートを含む導波路の異なる実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明によれば、RF導波路内の導電体に曲げられるシート3は、基本的に、プラスチックフォイルで製作されている第1の層1と、銅、銀、または金などの導電性材料で製作されている第2の層2とを含む(図1)。プラスチックフォイルはポリエチレンフォイルである。
【0037】
そのようなシート3の製造は次の方法で行われる。第1の層1を形成するプラスチックのフォイルは、導電性材料の少なくとも1つの層2およびプラスチックフォイルの少なくとも1つの層1をもつ組合せラミネートシートを得るために、第2の層2を形成する導電性材料を貼り合わされる。
【0038】
貼合せは、例えば、エンドレス製造プロセスでプラスチック、例えば重合体フォイルのエンドレスストライプ上に接着される金属などの導電性材料の巻取シートまたはフォイルのエンドレスストライプを使用することによって行われる。組合せラミネートシート内で、導電性材料の層は、最大発生電流を伝導するが表皮効果も考慮した厚さをもつ、すなわち最小厚さを有する導電体として使用される。重合体フォイル層は、導波路の機械的強度を与える担体として使用される。好ましくは、銅、銀、または金が、導電性材料として使用される。
【0039】
図2は、どのように第1の層1および第2の層2を含む組合せラミネートシート3が、ほぼ円筒状の導体8に曲げられるかを示す。それによって、曲げられた組合せラミネートシート3のマージン端部5、6は重なり合っている。マージン端部5、6を重ね合わせることによって、組合せラミネートシート3により囲まれた内部空間7は、完全に導電性材料によって取り囲まれ、固形導体と同様の遮蔽が実現される。
【0040】
組合せラミネートシート3をほぼ円筒状導体8に曲げるのは、導波路のコアを囲むことによって行われる。このコアは、他の導波路または導電体を含むことができるが、電気絶縁材料とすることもできる。
【0041】
図3aで分かるように、組合せラミネートシート30のマージン端部50、60は、導波路90を曲げる場合に大型化するのを防ぐために、シート30を円筒状導体80に曲げた後、縁曲げおよび/または圧着することによって、互いに接続される。組合せラミネートシート30のマージン端部50、60を縁曲げおよび/または圧接することによって、固形導体と同様の遮蔽が達成される。さらに、現況技術と比較して、導電性材料の厚さは、表皮深さによって予め画定された必要最小にまで減少させることができるが、それは、表皮深さよりも厚い、ある最小厚さを必要とする溶接が行われないからである。さらに、シート30を円筒状導体80に曲げた後、縁曲げおよび/または圧着することによって、シート30のマージン端部50、60は、互いに電気的に確実に接続される。図3aに示される導波路90は、外側円筒状導体81および内側円筒状導体82を有するRF同軸ケーブルであり、両方とも、本発明による同じ技法によって製造される。
【0042】
図3bに示される導波路91は、外側円筒状導体83および内側円筒状導体84を有するRF同軸ケーブルであり、両方とも、本発明による同じ技法によって製造される。シート31のマージン端部51、61は、シート31を曲げた後、縁曲げおよび/または圧着することなく重ね合わされる。
【0043】
図3cに示される導波路92は、本発明に従って製造された外側円筒状導体85および固形の銅で製作された内側円筒状導体86を有するRF同軸ケーブルである。
【0044】
図3a、3b、3cに示されるすべての導波路90、91、92、は、特定の外側円筒状導体81、83、85によって完全に囲まれた内部空間70をさらに有し、内側円筒状導体82、84、86と、外側円筒状導体81、83、85との間の空間は、発泡体材料で充填される。さらに、外側円筒状導体81、83、85はケーブル被覆40によって囲まれる。内側円筒状導体81、83の内部には、ポリエチレンのコアが配置される。
【0045】
導電性層およびプラスチックフォイルの構成は、好ましくは、組合せラミネートシートで製作された導体の使用法に依存することを述べるのは重要である。導体が内部導体として配置される場合、導電性層は導体の外側表面に配置されるのが好ましく、導体が外部導体として配置される場合、導電性層は導体の内部表面に配置されるのが好ましい。
【0046】
そうすることによって、図3aの導体81によって達成される遮蔽は、図3bの導体83によって達成される遮蔽よりも効率的である。
【0047】
本発明は、商業上、特に電磁気データ伝送用ネットワーク内で使用される導波路および/または伝送路の生産分野に適用できる。
【符号の説明】
【0048】
1 第1の層
2 第2の層
3 組合せラミネートシート
5、6、50、51、52、60、61、62 マージン端部
7、70 内部空間
8、80 円筒状導体
30 ラミネートシート
31 シート
40 ケーブル被覆
81、83、85 外側円筒状導体
82、84、86 内側円筒状導体
90、91、92 導波路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも曲げられたシートを含む無線周波数(RF)導波路であって、シート(3、30、31、32)が、プラスチックで製作された第1の層(1)および導電性材料で製作された少なくとも第2の層(2)を含むことを特徴とする、無線周波数(RF)導波路。
【請求項2】
曲げられたシート(3、30、31、32)のマージン端部(5、50、51、52、6、60、61、62)が重なり合っていることを特徴とする、請求項1に記載のRF導波路。
【請求項3】
曲げられたシート(3、30、31、32)のマージン端部(5、50、51、52、6、60、61、62)が互いに縁曲げおよび/または圧接によって接続されることを特徴とする、請求項1または2に記載のRF導波路。
【請求項4】
シート(3、30、31、32)がエンボス加工されるかおよび/または波形にされることを特徴とする、請求項1に記載のRF導波路。
【請求項5】
第2の層(2)の厚さが10〜100μmの間であることを特徴とする、請求項1に記載のRF導波路。
【請求項6】
プラスチックの第1の層(1)がポリオレフィンまたはポリエチレンテレフタレートまたはポリイミドまたは別の適切なプラスチックで製作されることを特徴とする、請求項1に記載のRF導波路。
【請求項7】
プラスチックの第1の層(1)が添加物および/または強化材を備えることを特徴とする、請求項1に記載のRF導波路。
【請求項8】
プラスチックの第1の層(1)の材料が、互いに接続されるべき導波路(90、91、92)の導体をはんだ付けできる温度に耐えることを特徴とする、請求項1に記載のRF導波路。
【請求項9】
プラスチックフォイル(1)がガラス繊維布を備えることを特徴とする、請求項1に記載のRF導波路。
【請求項10】
組合せラミネートシート(3、30、31、32)が耐火細片またはワイヤーで包まれることを特徴とする、請求項1に記載のRF導波路。
【請求項11】
放射特性を与える導電性の第2の層(2)の開口を特徴とする、請求項1に記載のRF導波路。
【請求項12】
前記開口がエッチングまたはシルクスクリーンプロセス印刷技法によって達成されることを特徴とする、請求項11に記載のRF導波路。
【請求項13】
請求項1から12の一項に記載のRF導波路(90、91、92)を製造する方法であって、
プラスチックフォイルの少なくとも第1の層(1)および導電性材料の少なくとも1つの第2の層(2)をもつ組合せラミネートシート(3、30、31、32)を得るために、プラスチックのフォイルに少なくとも1つの導電性材料を貼り合わせるステップと、
前記組合せラミネートシート(3、30、31、32)をほぼ円筒状の導体(8、80、81、82、83、84、85)に曲げるステップと
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項14】
曲げた後、円筒状導体(8、80、81、82、83、84、85)を曲げた後に隣接する組合せラミネートシート(3、30、31、32)のマージン端部(5、50、51、52、6、60、61、62)の間の接続部が、縁曲げおよび/または圧接される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
開口が導電性の第2の層(2)に配置され、放射特性が与えられる、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
請求項13の方法を行うデバイスであって、
プラスチックフォイルの少なくとも第1の層(1)および導電性材料の少なくとも1つの第2の層(2)をもつ組合せラミネートシート(3、30、31、32)を得るために、プラスチックのフォイルに少なくとも1つの導電性材料を貼り合わせる手段と、
前記組合せラミネートシート(3、30、31、32)をほぼ円筒状の導体(8、80、81、82、83、84、85)に曲げる手段と
を特徴とする、デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【公開番号】特開2013−42541(P2013−42541A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−236821(P2012−236821)
【出願日】平成24年10月26日(2012.10.26)
【分割の表示】特願2007−3056(P2007−3056)の分割
【原出願日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(391030332)アルカテル−ルーセント (1,149)
【Fターム(参考)】