説明

導電性組成物

【課題】アルミニウム又はアルミニウム合金からなる回路層上に配設され、焼成によって前記回路層表面に自然発生したアルミニウム酸化皮膜と反応して前記回路層と導通する導電接合層を形成することが可能な導電性組成物を提供する。
【解決手段】銀粉末と、ZnOを含有する無鉛ガラス粉末と、樹脂と、溶剤と、を含有し、前記銀粉末及び前記無鉛ガラス粉末からなる粉末成分の含有量が、60質量%以上90質量%以下とされ、前記粉末成分中における前記銀粉末の重量Aと前記無鉛ガラス粉末の重量Gの比A/Gが、80/20から99/1の範囲内に設定されており、焼成することにより生成される前記導電接合層が、前記無鉛ガラス粉末が軟化して形成される無鉛ガラス層と、前記無鉛ガラス層上に銀粉末が焼結されたAg層と、を備えており、前記無鉛ガラス層内部に導電性粒子が分散されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体素子が搭載されるアルミニウム又はアルミニウム合金からなる回路層上に配設され、焼成することによって前記回路層と導通する導電接合層を形成する導電性組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体素子が搭載される半導体装置としては、例えば電力供給のためのパワーモジュール等が挙げられる。このパワーモジュールは発熱量が比較的高いため、これを搭載する基板としては、例えば、AlN(窒化アルミ)からなるセラミックス基板上にAl(アルミニウム)の金属板がAl−Si系のろう材を介して接合されたパワーモジュール用基板が広く用いられている。
この金属板は回路層とされ、回路層の上には、はんだ材を介してパワー素子としての半導体素子が搭載される。なお、セラミックス基板の下面にも放熱のためにAl等の金属板が接合されて金属層とされ、この金属層を介して冷却器が接合されたものが提案されている。
【0003】
ここで、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる回路層においては、表面にアルミニウムの酸化皮膜が形成されるため、はんだ材との接合を良好に行うことができない。
そこで、従来は、例えば特許文献1に開示されているように、回路層の表面に無電解めっき等によってNiめっき膜を形成し、このNiめっき膜上にはんだ材を配設して半導体素子を接合していた。
また、特許文献2には、はんだ材を用いずにAgナノペーストを用いて半導体素子を接合する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−172378号公報
【特許文献2】特開2006−202938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載されたように、回路層表面にNiめっき膜を形成したパワーモジュール用基板においては、パワーモジュール用基板に冷却器を接合する場合には、回路層表面にNiめっき膜を形成した後にろう付け等を行うとNiめっき膜が劣化してしまうため、パワーモジュール用基板と冷却器とをろう付けして冷却器付パワーモジュール用基板を形成した後に、めっき浴内にこの冷却器付パワーモジュール用基板全体を浸漬させていた。
【0006】
このため、冷却器等の回路層以外の部分にもNiめっき膜が形成されることになる。ここで、冷却器がアルミニウム及びアルミニウム合金で構成されていた場合には、アルミニウムからなる冷却器とNiめっき膜との間で電食が進行するおそれがある。したがって、Niめっき工程においては、冷却器部分にNiめっき膜が形成されないようにマスキング処理を行う必要があった。このように、マスキング処理をした上でめっき処理をすることになるため、回路層部分にNiめっき膜を形成するのには多大な労力が必要であり、パワーモジュールの製造コストが大幅に増加するといった問題があった。
さらに、半導体素子を接合するまでの過程においてNiめっき膜の表面が酸化等によって劣化し、はんだ材を介して接合した半導体素子との接合信頼性が低下するおそれがあった。
【0007】
一方、特許文献2に開示されたAgナノペーストにおいては、アルミニウムからなる回路層上に半導体素子を接合する場合、回路層の表面にアルミニウムの酸化皮膜が形成されていることから、やはり、アルミニウム表面にAgやNiからなる介在層を形成する必要があった(特許文献2段落番号0014参照)。
以上のことから、Niめっき膜を設けることなく、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる回路層とはんだ層とを導通させる導電接合層を形成することができる導電性組成物が求められていた。
【0008】
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる回路層上に配設され、焼成によって前記回路層表面に自然発生したアルミニウム酸化皮膜と反応して前記回路層と導通する導電接合層を形成することが可能な導電性組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明の導電性組成物は、半導体素子が搭載されるアルミニウム又はアルミニウム合金からなる回路層上に配設され、焼成されることによって前記回路層と導通する導電接合層を形成する導電性組成物であって、銀粉末と、ZnOを含有する無鉛ガラス粉末と、樹脂と、溶剤と、を含有し、前記銀粉末及び前記無鉛ガラス粉末からなる粉末成分の含有量が、60質量%以上90質量%以下とされ、前記粉末成分中における前記銀粉末の重量Aと前記無鉛ガラス粉末の重量Gの比A/Gが、80/20から99/1の範囲内に設定されており、焼成することにより生成される前記導電接合層が、前記無鉛ガラス粉末が軟化して形成される無鉛ガラス層と、前記無鉛ガラス層上に銀粉末が焼結されたAg層と、を備えており、前記無鉛ガラス層内部に導電性粒子が分散されていることを特徴としている。
【0010】
この構成の導電性組成物によれば、ZnOを含有する無鉛ガラス粉末と銀粉末とを備えており、焼成することにより生成される前記導電接合層が、前記無鉛ガラス粉末が軟化して形成される無鉛ガラス層と、前記無鉛ガラス層上に銀粉末が焼結されたAg層と、を備えているので、前記無鉛ガラス層が前記回路層表面のアルミニウム酸化皮膜と反応することになり、前記回路層表面に直接接合された導電接合層を形成することが可能となる。また、前記無鉛ガラス層内部に導電性粒子が分散されているので、この導電性粒子によって導電性が確保されることになる。よって、例えば、回路層上にはんだ材を介して半導体素子を接合する場合において、この導電性組成物を焼成して得られる導電接合層によって回路層と半導体素子とを導通させることが可能となり、パワーモジュール等の半導体装置を構成することができる。すなわち、この導電性組成物を用いることにより、はんだ下地層(導電接合層)を形成することが可能となる。
なお、本発明における導電性組成物は、焼成することによって導電性を有する導電接合層を形成するものであり、焼成前の導電性組成物自体が導電性を有する必要はない。
【0011】
また、前記銀粉末及び前記無鉛ガラス粉末からなる粉末成分の含有量が60質量%以上とされているので、上述の導電接合層を確実に形成することができる。また、前記銀粉末及び前記無鉛ガラス粉末からなる粉末成分の含有量が90質量%以下とされているので、流動性が確保され、回路層上に塗布することが可能となる。
さらに、前記銀粉末の重量Aと前記無鉛ガラス粉末の重量Gの比A/Gが、80/20から99/1の範囲内に設定されているので、無鉛ガラス層とAg層とを確実に形成することができる。
【0012】
ここで、前記無鉛ガラス粉末のガラス転移温度が300℃以上450℃以下とされていることが好ましい。
この場合、ZnOを含有する無鉛ガラス粉末が良好に基板と反応し、十分な密着を得ることができるので、比較的低温で焼成しても導電接合層を確実に形成することができる。
【0013】
さらに、前記無鉛ガラス粉末の軟化温度が600℃以下、かつ、結晶化温度が450℃以上とされていることが好ましい。
この場合、無鉛ガラス粉末の軟化温度が600℃以下とされているので、比較的低温でこの導電性組成物を焼成してもガラスが流動するので導電接合層を形成することが可能となり、導電性組成物を焼成する際にアルミニウム又はアルミニウム合金からなる回路層が劣化することを防止することができる。
また、無鉛ガラス粉末の結晶化温度が450℃未満であると、導電性組成物内部での流動性が劣化し、回路層との界面での反応が不十分となり、密着性が低下するおそれがある。このため、無鉛ガラス粉末の結晶化温度を450℃以上とした。
【0014】
また、前記無鉛ガラス粉末のガラス組成が、Bi:68質量%以上93質量%以下、ZnO:1質量%以上20質量%以下、B:1質量%以上11質量%以下、SiO:5質量%以下、Al:5質量%以下、Fe:5質量%以下、CuO:5質量%以下、CeO:5質量%以下、ZrO:5質量%以下、アルカリ金属酸化物:2質量%以下、アルカリ土類金属酸化物:7質量%以下、とされていることが好ましい。
これらの酸化物を含有した無鉛ガラス粉末は、その軟化温度が比較的低くなり、焼成温度を低く設定することができる。また、結晶化温度が比較的高くなり、導電性組成物内部での流動性が確保され、回路層との密着性が向上することになる。
ここで、アルカリ金属酸化物の含有量は、LiO、NaO、KO等のアルカリ金属の酸化物の合計量とする。
また、アルカリ土類金属酸化物の含有量は、MgO、CaO、BaO、SrO等のアルカリ土類金属の酸化物の合計量とする。
【0015】
また、前記銀粉末の粒径が、0.05μm以上1.0μm以下とされていることが好ましい。
この場合、銀粉末の粒径が0.05μm以上1.0μm以下とされているので、この導電性組成物を回路層上に塗布した際に、導電性粒子が均一に分散することになり、この導電性組成物を焼成することによって均一な導電接合層を形成することが可能となり、導電接合層を介して半導体素子と回路層とを確実に導通させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる回路層上に配設され、焼成によって、前記回路層表面に自然発生したアルミニウム酸化皮膜と反応して前記回路層と導通する無鉛の導電接合層を形成することが可能な導電性組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態である導電性組成物の製造方法を示すフロー図である。
【図2】本発明の実施形態である導電性組成物を用いたパワーモジュールの概略説明図である。である。
【図3】本発明の実施形態であるパワーモジュール用基板を示す説明図である。
【図4】回路層表面に形成された導電接合層の拡大説明図である。
【図5】本発明の実施形態において、導電接合層の厚さ方向の電気抵抗値Pの測定方法を示す上面説明図である。
【図6】本発明の実施形態において、導電接合層の厚さ方向の電気抵抗値Pの測定方法を示す側面説明図である。
【図7】図2のパワーモジュールの製造方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施形態である導電性組成物及びこの導電性組成物を用いたパワーモジュール用基板、パワーモジュールについて添付した図面を参照して説明する。
【0019】
まず、本実施形態である導電性組成物について説明する。この導電性組成物は、銀粉末と、ZnOを含有する無鉛ガラス粉末と、樹脂と、溶剤と、分散剤と、を含有しており、銀粉末と無鉛ガラス粉末とからなる粉末成分の含有量が、導電性組成物全体の60質量%以上90質量%以下とされており、残部が樹脂、溶剤、分散剤とされている。なお、本実施形態では、銀粉末と無鉛ガラス粉末とからなる粉末成分の含有量は、導電性組成物全体の85質量%とされている。
また、本実施形態では、導電性組成物の粘度が10Pa・s以上500Pa・s以下、より好ましくは50Pa・s以上300Pa・s以下に調整されている。
【0020】
銀粉末は、その粒径が0.05μm以上1.0μm以下とされており、本実施形態では、平均粒径0.8μmのものを使用した。
無鉛ガラス粉末は、主成分としてBi、ZnO、Bを含むものとされており、そのガラス転移温度が300℃以上450℃以下、軟化温度が600℃以下、結晶化温度が450℃以上とされている。
また、銀粉末の重量Aと無鉛ガラス粉末の重量Gとの重量比A/Gは、80/20から99/1の範囲内に調整されており、本実施形態では、A/G=80/5とした。
【0021】
溶剤は、沸点が200℃以上のものが適しており、例えば、α−テルピネオール、ブチルカルビトールアセテート、ジエチレンクリコールジブチルエーテル等を適用することができる。なお、本実施形態では、ジエチレンクリコールジブチルエーテルを用いている。
樹脂は、導電性組成物の粘度を調整するものであり、500℃以上で分解されるものが適しており、例えば、アクリル樹脂、アルキッド樹脂等を適用することができる。なお、本実施形態では、エチルセルロースを用いている。
また、本実施形態では、ジカルボン酸系の分散剤を添加している。なお、分散剤を添加することなく導電性組成物を構成してもよい。
【0022】
ここで、本実施形態において用いられる無鉛ガラス粉末について詳細に説明する。本実施形態における無鉛ガラス粉末のガラス組成は、
Bi:68質量%以上93質量%以下、
ZnO:1質量%以上20質量%以下、
:1質量%以上11質量%以下、
SiO:5質量%以下、
Al:5質量%以下、
Fe:5質量%以下、
CuO:5質量%以下、
CeO:5質量%以下、
ZrO:5質量%以下、
アルカリ金属酸化物:2質量%以下、
アルカリ土類金属酸化物:7質量%以下、
とされている。
【0023】
すなわち、Bi、ZnO、Bを必須成分とし、これに、SiO、Al、Fe、CuO、CeO、ZrO、LiO、NaO、KO等のアルカリ金属酸化物、MgO、CaO、BaO、SrO等のアルカリ土類金属酸化物が、必要に応じて適宜添加されたものである。ここで、これらの酸化物を上述の範囲内とした理由を以下に示す。
【0024】
(Bi
Biは、無鉛ガラス粉末の主原料となるものであり、融点を低くするために必須の成分である。Biの含有量が68質量%未満であると、軟化温度が高くなってしまう。一方、Biの含有量が93質量%を超えると、結晶化温度が低くなってしまう。このため、Biの含有量を68質量%以上93質量%以下とした。
【0025】
(ZnO)
ZnOは、Biを含有する無鉛ガラスの結晶化を抑制する効果を有する。ZnOの含有量が1質量%未満であると、結晶化抑制の効果を十分に奏功せしめることができない。一方、ZnOの含有量が20質量%を超えると、軟化温度が高くなってしまう。このため、ZnOの含有量を1質量%以上20質量%以下とした。
【0026】
(B
は、ガラス化のために必須の成分である。Bの含有量が1質量%未満であると、ガラス化が不十分となり、容易に結晶化してしまう。一方、Bの含有量が11質量%を超えると、軟化温度が高くなってしまう。このため、Bの含有量を1質量%以上11質量%以下とした。
【0027】
(SiO
SiOは、ガラスの化学的耐久性や結晶化を抑制する効果を有する。SiOの含有量が5質量%を超えると、ガラス転移温度が高くなり、低温での焼成を行うことができなくなる。このため、SiOの含有量は5質量%以下とした。
【0028】
(Al、ZrO
Al、ZrOは、ガラスの化学的耐久性や結晶化を抑制する効果を有する。Alの含有量、あるいは、ZrOの含有量が5質量%を超えると、ガラス転移温度が高くなり、ガラス化が困難となる。このため、Alの含有量、ZrOの含有量をそれぞれ5質量%以下とした。
【0029】
(Fe、CuO、CeO
Fe、CuO、CeOは、Biを含有する無鉛ガラスの結晶化を抑制する効果を有する。Feの含有量、CuOの含有量、CeOの含有量がそれぞれ5質量%を超えると、ガラス転移温度が高くなり、ガラス化が困難となる。このため、Feの含有量、CuOの含有量、CeOの含有量をそれぞれ5質量%以下とした。
【0030】
(アルカリ金属酸化物)
アルカリ金属酸化物は、原料由来成分として含有されるものである。アルカリ金属酸化物の含有量の合計が2質量%を超えると、結晶化しやすくなり、ガラス化が困難となる。このため、アルカリ金属酸化物の含有量の合計を2質量%以下とした。
【0031】
(アルカリ土類金属酸化物)
アルカリ土類金属酸化物は、ガラスの物性を微調整するために含有されるものである。アルカリ土類金属酸化物の含有量の合計が7質量%を超えると、ガラス転移温度が高くなり、ガラス化が困難となる。このため、アルカリ土類金属酸化物の含有量の合計を7質量%以下とした。
【0032】
このようなZnOを含有する無鉛ガラス粉末は、次のようにして製造される。原料として、上述の各種酸化物、炭酸塩もしくはアンモニウム塩等を用いる。この原料を、白金坩堝、アルミナ坩堝または石英坩堝等に装入して、溶解炉にて溶融する。溶融条件に特に制限はないが、原料が全て液相で均一に混合されるように、900℃以上1300℃以下、30分以上120分以下の範囲内とすることが好ましい。
得られた溶融物を、カーボン、スチール、銅板、双ロール、水等に投下して急冷することにより、均一なガラス塊を製出する。
このガラス塊を、ボールミル、ジェットミル等で粉砕し、粗大粒子を分級することにより、無鉛ガラス粉末が得られる。ここで、本実施形態では、無鉛ガラス粉末の中心粒径d50を0.1μm以上5.0μm以下の範囲内としている。
【0033】
次に、本実施形態である導電性組成物の製造方法について、図1に示すフロー図を参照して説明する。
まず、前述した銀粉末と無鉛ガラス粉末とを混合して混合粉末を生成する(混合粉末形成工程S1)。また、溶剤と樹脂とを混合して有機混合物を生成する(有機物混合工程S2)。
そして、混合粉末形成工程S1で得られた混合粉末と、有機物混合工程S2で得られた有機混合物と、分散剤と、をミキサーによって予備混合する(予備混合工程S3)。
次いで、予備混合物を、複数のロールを有するロールミル機を用いて練り込みながら混合する(混錬工程S4)。
混錬工程S4によって得られた混錬物を、ペーストろ過機によってろ過する(ろ過工程S5)。
このようにして、本実施形態である導電性組成物が製出されることになる。
【0034】
次に、本実施形態である導電性組成物を用いて構成されたパワーモジュールについて、図2を用いて説明する。
このパワーモジュール1は、回路層12が配設されたパワーモジュール用基板10と、回路層12の表面にはんだ層2を介して接合された半導体チップ3と、冷却器40とを備えている。
【0035】
パワーモジュール用基板10は、絶縁層を構成するセラミックス基板11と、このセラミックス基板11の一方の面(図2において上面)に配設された回路層12と、セラミックス基板11の他方の面(図2において下面)に配設された金属層13とを備えている。
セラミックス基板11は、回路層12と金属層13との間の電気的接続を防止するものであって、絶縁性の高いAlN(窒化アルミ)で構成されている。また、セラミックス基板11の厚さは、0.2〜1.5mmの範囲内に設定されており、本実施形態では、0.635mmに設定されている。
【0036】
回路層12は、セラミックス基板11の一方の面に、導電性を有する金属板が接合されることにより形成されている。本実施形態においては、回路層12は、純度が99.99%以上のアルミニウム(いわゆる4Nアルミニウム)の圧延板からなるアルミニウム板がセラミックス基板11に接合されることにより形成されている。
【0037】
金属層13は、セラミックス基板11の他方の面に、金属板が接合されることにより形成されている。本実施形態においては、金属層13は、回路層12と同様に、純度が99.99%以上のアルミニウム(いわゆる4Nアルミニウム)の圧延板からなるアルミニウム板がセラミックス基板11に接合されることで形成されている。
【0038】
冷却器40は、前述のパワーモジュール用基板10を冷却するためのものであり、パワーモジュール用基板10と接合される天板部41と、この天板部41から下方に向けて垂設された放熱フィン42と、冷却媒体(例えば冷却水)を流通するための流路43とを備えている。冷却器40(天板部41)は、熱伝導性が良好な材質で構成されることが望ましく、本実施形態においては、A6063(アルミニウム合金)で構成されている。
【0039】
また、本実施形態においては、冷却器40の天板部41と金属層13との間には、アルミニウム又はアルミニウム合金若しくはアルミニウムを含む複合材(例えばAlSiC等)からなる緩衝層15が設けられている。
【0040】
そして、図2に示すパワーモジュール1においては、回路層12の表面(図2において上面)には、前述の導電性組成物を焼成して形成された導電接合層30が形成されており、この導電接合層30の表面に、はんだ層2を介して半導体チップ3が接合されている。ここで、はんだ層2を形成するはんだ材としては、例えばSn−Ag系、Sn−In系、若しくはSn−Ag−Cu系が挙げられる。
なお、導電接合層30は、図2に示すように、回路層12の表面全体には形成されておらず、半導体チップ3が配設される部分にのみ選択的に形成されている。
【0041】
図3及び図4に、はんだ層2を介して半導体チップ3を接合する前のパワーモジュール用基板10を示す。
このパワーモジュール用基板10においては、回路層12の表面(図3及び図4において上面)に、前述の導電接合層30が形成されている。この導電接合層30は、はんだ層2を介して半導体チップ3を接合する前の状態では、図3に示すように、回路層12側に形成された無鉛ガラス層31と、この無鉛ガラス層31上に形成されたAg層32と、を備えている。そして、この無鉛ガラス層31内部には、粒径が数ナノメートル程度の微細な導電性粒子33が分散されている。本実施形態においては、この導電性粒子33は、Ag又はAlの少なくとも一方を含有する結晶性粒子とされている。なお、無鉛ガラス層31内の導電性粒子33は、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)を用いることで観察されるものである。
【0042】
この導電接合層30の厚さ方向の電気抵抗値Pは、0.5Ω以下、より好ましくは0.2Ω以下に設定されている。ここで、導電接合層30の厚さ方向の電気抵抗値Pは、導電接合層30の上面と回路層12の上面との間の電気抵抗としている。これは、回路層12を構成する4Nアルミニウムの電気抵抗が導電接合層30の厚さ方向の電気抵抗に比べて非常に小さいためである。なお、この電気抵抗の測定の際には、図5及び図6に示すように、導電接合層30の上面中央点と、導電接合層30の上面中央点から導電接合層30端部までの距離Hに対して導電接合層30端部からHだけ離れた回路層12上の点と、の間の電気抵抗を測定した。
【0043】
また、本実施形態では、回路層12が純度99.99%のアルミニウムで構成されていることから、回路層12の表面(図4において上面)には、大気中で自然発生したアルミニウム酸化皮膜12Aが形成されているが、前述の導電接合層30が形成された部分においては、このアルミニウム酸化皮膜12Aが除去されており、回路層12上に直接、導電接合層30が形成されている。つまり、回路層12を構成するアルミニウムと無鉛ガラス層31とが直接接合されているのである。
【0044】
ここで、回路層12上に自然発生するアルミニウム酸化皮膜12Aの厚さtoが、4nm≦to≦6nmとされている。また、本実施形態においては、無鉛ガラス層31の厚さtgが0.01μm≦tg≦5μm、Ag層32の厚さtaが1μm≦ta≦100μm、導電接合層30全体の厚さtg+taが1.01μm≦tg+ta≦105μmとなるように構成されている。
【0045】
次に、本実施形態である導電性組成物を用いたパワーモジュール1の製造方法について、図7に示すフロー図を参照して説明する。
まず、回路層12となるアルミニウム板及び金属層13となるアルミニウム板を準備し、これらのアルミニウム板を、セラミックス基板11の一方の面及び他方の面にそれぞれろう材を介して積層し、加圧・加熱後冷却することによって、前記アルミニウム板とセラミックス基板11とを接合する(回路層接合工程S11)。なお、このろう付けの温度は、640℃〜650℃に設定されている。
【0046】
次に、金属層13の他方の面側に、緩衝層15を介して冷却器40(天板部41)をろう材を介して接合する(冷却器接合工程S12)。なお、冷却器40のろう付けの温度は、590℃〜610℃に設定されている。
【0047】
そして、回路層12の表面に、前述の導電性組成物を塗布する(導電性組成物塗布工程S13)。なお、導電性組成物を塗布する際には、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、感光性プロセス等の種々の手段を採用することができる。本実施形態では、スクリーン印刷法によって導電性組成物をパターン状に形成した。
【0048】
回路層12表面に導電性組成物を塗布した状態で、加熱炉内に装入して導電性組成物の焼成を行う(焼成工程S14)。なお、このときの焼成温度は、350℃〜645℃に設定されている。
この焼成工程S14により、無鉛ガラス層31とAg層32とを備えた導電接合層30が形成される。このとき、無鉛ガラス層31によって、回路層12の表面に自然発生していたアルミニウム酸化皮膜12Aが溶融除去されることになり、回路層12に直接無鉛ガラス層31が形成される。また、無鉛ガラス層31の内部に、微細な導電性粒子33が分散される。この導電性粒子33は、Ag又はAlの少なくとも一方を含有する結晶性粒子とされており、焼成の際に無鉛ガラス層31内部に析出したものと推測される。
【0049】
こうして、回路層12の表面に導電接合層30が形成されたパワーモジュール用基板10及び冷却器付パワーモジュール用基板が製出されることになる。
【0050】
そして、導電接合層30の表面に、はんだ材を介して半導体チップ3を載置し、還元炉内においてはんだ接合する(はんだ接合工程S15)。このとき、はんだ材によって形成されるはんだ層2には、導電接合層30のAg層32の一部又は全部が溶融することになる。
これにより、はんだ層2を介して半導体チップ3が回路層12上に接合されたパワーモジュール1が製出されることになる。
【0051】
以上のような構成とされた本実施形態である導電性組成物によれば、ZnOを含有する無鉛ガラス粉末と導電性に優れた銀粉末とを備えており、焼成することによって無鉛ガラス層31とAg層32とを備えた導電接合層30が形成され、この無鉛ガラス層31を、純度99.99%以上のアルミニウムからなる回路層12の表面に自然発生したアルミニウム酸化皮膜と反応させることができ、回路層12を構成するアルミニウムに直接接合するように、無鉛ガラス層31を形成することが可能となる。
【0052】
そして、無鉛ガラス層31の内部に、粒径が数ナノメートル程度とされた微細な導電性粒子33が分散されているので、無鉛ガラス層31においても導電性を確保することができる。具体的には、無鉛ガラス層31を含めた導電接合層30の厚さ方向の電気抵抗値Pが、0.5Ω以下、より好ましくは0.2Ω以下に設定されている。
よって、導電接合層30及びはんだ層2を介して、半導体チップ3と回路層12との間で電気を確実に導通することが可能となり、信頼性の高いパワーモジュール1を構成することができる。すなわち、本実施形態である導電性組成物は、はんだ下地層形成用ペーストとして用いることができるのである。
【0053】
また、導電性組成物に含有される無鉛ガラス粉末のガラス転移温度が300℃以上450℃以下とされているので、無鉛ガラス粉末が良好に基板と反応し、十分な密着を得ることができ、比較的低温で焼成しても導電接合層30を確実に形成することができる。
さらに、導電性組成物に含有される無鉛ガラス粉末の軟化温度が600℃以下に設定されているので、比較的低温で導電性組成物を焼成することが可能となる。具体的には、焼成温度を350℃以上645℃以下に設定することができる。よって、導電性組成物の焼成に伴う回路層12の劣化や回路層12とセラミックス基板11との接合強度の低下等のトラブルを未然に防止することができ、高品質のパワーモジュール用基板10及びパワーモジュール1を製出することが可能となる。
また、無鉛ガラス粉末の結晶化温度が450℃以上とされているので、導電性組成物内部での流動性が確保され、回路層12との界面反応によって密着性の向上を図ることができる。
【0054】
また、導電性組成物に含有される銀粉末の粒径が0.05μm以上1.0μm以下とされており、本実施形態では平均粒径0.8μmのものを使用しているので、この導電性組成物を回路層12上に塗布した際に、銀粉末が均一に分散することになり、均一な導電接合層30を形成することができ、はんだ層2と回路層12とを、確実に導通させることができる。
【0055】
また、導電性組成物の粘度が、10Pa・s以上500Pa・s以下、より好ましくは50Pa・s以上300Pa・s以下に設定され、ペースト状とされているので、回路層12表面に導電性組成物を塗布する導電性組成物塗布工程S13において、スクリーン印刷法等を適用することが可能なり、導電接合層30を半導体チップ3が配設される部分のみに選択的に形成することができる。よって、導電性組成物の使用量を削減することが可能となり、このパワーモジュール用基板10及びパワーモジュール1の製造コストを大幅に削減することができる。
【0056】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、形成される導電接合層における無鉛ガラス層とAg層の厚さ比は、図4に例示したものに限定されることはない。
【0057】
また、導電性組成物の原料、配合量については、実施形態に記載されたものに限定されることはなく、他の無鉛ガラス粉末、樹脂、溶剤、分散剤を用いてもよい。軟化温度がアルミ二ウムの融点以下、より好ましくは600℃以下とされていればよい。
また、樹脂としては、アクリル樹脂、アルキッド樹脂等を用いてもよい。さらに、溶剤としては、α―テルピネオール、ブチルカルビトールアセテート等を用いても良い。
【0058】
さらに、回路層及び金属層を構成する金属板を純度99.99%の純アルミニウムの圧延板としたものとして説明したが、これに限定されることはなく、純度99%のアルミニウム(2Nアルミニウム)であってもよく、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成されていればよい。
【0059】
また、回路層となるアルミニウム板をセラミックス基板にろう付けするとともに、冷却器をろう付けした後に、回路層上に導電接合層を形成するものとして説明したが、これに限定されることはなく、アルミニウム板をセラミックス基板にろう付けする前や、冷却器をろう付けする前に、導電接合層を形成してもよい。
【実施例1】
【0060】
以下に、前述の実施形態に記載されたパワーモジュール用基板10において、導電接合層30の厚さ方向の電気抵抗値Pを測定した結果を説明する。
導電接合層30のAg層32の厚さta、無鉛ガラス層31の厚さtgを変更するとともに、Ag粉末の重量Aと無鉛ガラス粉末の重量Gとの重量比A/Gを変更し、本発明例1〜5を製出した。なお、このときの無鉛ガラス粉末として、Biを90.6質量%、ZnOを2.6質量%、Bを6.8質量%、を含む無鉛ガラス粉末を用いた。また、樹脂としてエチルセルロースを、溶剤としてジエチレンクリコールジブチルエーテルを用いた。さらに、ジカルボン酸系の分散剤を添加した。
また、導電接合層30を、上面視して一辺の長さが15mmの正方形状に成形した。
このようにして得られた本発明例1〜5の試料について、図5及び図6に記載された方法により、テスタ(KEITHLEY社製:2010MULTIMETER)を用いて、導電接合層30の厚さ方向の電気抵抗値Pを測定した。測定結果を表1に示す。
【0061】
【表1】

【0062】
本発明例1〜5のいずれにおいても、導電接合層30の厚さ方向の電気抵抗値Pが0.5Ω以下とされていることが確認された。また、無鉛ガラス粉末の比率を小さく、かつ、無鉛ガラス層31の厚さtgを薄く形成することにより、導電接合層30の厚さ方向の電気抵抗値Pが小さくなることが確認された。
【実施例2】
【0063】
次に、無鉛ガラス粉末の組成を変更して、無鉛ガラス粉末の軟化温度、結晶化温度、ガラス転移温度を調整した。これらの無鉛ガラス粉末を用いて、導電性組成物を構成した。
Ag粉末の重量Aと無鉛ガラス粉末の重量Gとの重量比A/Gを97.5/2.5とした。また、Ag粉末と、無鉛ガラス粉末と、樹脂(エチルセルロース)と、溶剤(ジエチレンクリコールジブチルエーテル)と、を混合した。本実施例では、Ag粉末と無鉛ガラス粉末からなる粉末成分の含有量が85質量%、樹脂が3質量%、溶剤が12質量%となるように、粉末成分、樹脂および溶剤の添加量を調整した。
【0064】
ここで、上述の無鉛ガラス粉末について、軟化温度、ガラス転移温度、結晶化温度を測定した。測定結果を表2、3に示す。
軟化温度は、理学電機社製サーモフレックスを用いて熱機械分析(TMA)を実施し、その降伏点(屈服点)の温度とした。
ガラス転移温度、結晶化温度は、BRUKER AXS社製TG−DTA2000Sを用いて示差熱分析(TG−DTA)を実施することで測定した。上記の無鉛ガラス粉末を10℃/minで昇温し、熱量変化曲線に現れる吸熱ピークの温度をガラス転移温度とし、ガラス転移温度よりも高い温度領域で生じる発熱ピークの温度を結晶化温度とした。
【0065】
そして、この導電性組成物を用いて、上述の実施形態で開示されたパワーモジュール用基板10の導電接合層30を形成した。なお、回路層12の表面に導電性組成物を塗布する導電性組成物塗布工程S13では、導電性組成物の塗布厚さを10μmとした。また、焼成工程S14では、焼成温度を575℃、焼成時間を10分とした。これにより、Ag層32の厚さtaが8μm程度、無鉛ガラス層31の厚さtgが1μm程度とされた導電接合層30を形成した。
【0066】
そして、導電接合層30の表面に、はんだ材(Sn−Ag−Cu系無鉛はんだ)を介して半導体チップ3を載置し、還元炉内においてはんだ接合した。
なお、本実施例では、セラミックス基板11を30mm×20mmとし、回路層12を13mm×10mmとし、半導体チップ3を12.5mm×9.5mmとした。
【0067】
このようにして得られたパワーモジュール1の接合信頼性を評価した。接合信頼性の評価として、冷熱サイクル(−45℃−125℃)を2000回繰り返した後の接合率を比較した。結果を表2、3に示す。
なお、接合率は、以下の式で算出した。ここで、初期接合面積とは、接合前における接合すべき面積のこととした。
接合率 = (初期接合面積−剥離面積)/初期接合面積
接合率が85%より大きく100%以下を「優」
接合率が75%より大きく85%以下を「良」
接合率が50%より大きく75%以下を「可」
接合率が50%以下を「不可」とした。
【0068】
【表2】

【0069】
【表3】

【0070】
実施例1〜8については、冷熱サイクルを2000回繰り返した後の接合率が良好であり、十分な接合強度が得られていることが確認される。
また、試料A〜Eにおいては、冷熱サイクルを2000回繰り返した後の接合率が実用性は満足するものの、実施例1〜8と比較すると接合率が低くなっている。特に、無鉛ガラス粉末にZnOが含有されていない試料D,Eでは、結晶化温度が330℃、403℃と低くなり、接合率が大幅に低下した。
【符号の説明】
【0071】
1 パワーモジュール
2 はんだ層
3 半導体チップ(半導体素子)
10 パワーモジュール用基板
12 回路層
12A アルミニウム酸化皮膜
30 導電接合層
31 無鉛ガラス層
32 Ag層
33 導電性粒子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子が搭載されるアルミニウム又はアルミニウム合金からなる回路層上に配設され、焼成されることによって前記回路層と導通する導電接合層を形成する導電性組成物であって、
銀粉末と、ZnOを含有する無鉛ガラス粉末と、樹脂と、溶剤と、を含有し、
前記銀粉末及び前記無鉛ガラス粉末からなる粉末成分の含有量が、60質量%以上90質量%以下とされ、
前記粉末成分中における前記銀粉末の重量Aと前記無鉛ガラス粉末の重量Gの比A/Gが、80/20から99/1の範囲内に設定されており、
焼成することにより生成される前記導電接合層が、前記無鉛ガラス粉末が軟化して形成される無鉛ガラス層と、前記無鉛ガラス層上に銀粉末が焼結されたAg層と、を備えており、前記無鉛ガラス層内部に導電性粒子が分散されていることを特徴とする導電性組成物。
【請求項2】
前記無鉛ガラス粉末のガラス転移温度が300℃以上450℃以下とされていることを特徴とする請求項1に記載の導電性組成物。
【請求項3】
前記無鉛ガラス粉末の軟化温度が600℃以下、かつ、結晶化温度が450℃以上とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の導電性組成物。
【請求項4】
前記無鉛ガラス粉末のガラス組成が、
Bi:68質量%以上93質量%以下、
ZnO:1質量%以上20質量%以下、
:1質量%以上11質量%以下、
SiO:5質量%以下、
Al:5質量%以下、
Fe:5質量%以下、
CuO:5質量%以下、
CeO:5質量%以下、
ZrO:5質量%以下、
アルカリ金属酸化物:2質量%以下、
アルカリ土類金属酸化物:7質量%以下、
とされていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の導電性組成物。
【請求項5】
前記銀粉末の粒径が、0.05μm以上1.0μm以下とされていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の導電性組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−109049(P2012−109049A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−255184(P2010−255184)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【出願人】(000006264)三菱マテリアル株式会社 (4,417)
【Fターム(参考)】