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導電性部材及びそれを有するプロセスカートリッジ、並びに、そのプロセスカートリッジを有する画像形成装置
説明

導電性部材及びそれを有するプロセスカートリッジ、並びに、そのプロセスカートリッジを有する画像形成装置

【課題】環境条件において長期間にわたって使用しても像担持体と導電性部材との間に安定した空隙を維持させた導電性部材を提供する。
【解決手段】導電性部材10において、前記導電性支持体1の中央部1aの両端と前記導電性支持体1の小径部1bとによって段差部Bが軸方向に形成され、前記電気抵抗調整層2が前記導電性支持体1の段差部Bに倣って前記導電性支持体1の前記小径部1bの一部又は全体を覆うように形成され、前記導電性支持体1の前記小径部1bを覆うように成形型の反ゲート側に形成された前記電気抵抗調整層2には該電気抵抗調整層2の段差部Bが軸方向に形成され、そして、前記電気抵抗調整層2の段差部Aにおける該電気抵抗調整層2の外径rの寸法が、その内側の、前記導電性支持体1の中央部1aに形成された、前記電気抵抗調整層2の外径の寸法よりも小さくされているものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置において用いられる導電性部材及びそれを有するプロセスカートリッジ、並びに、そのプロセスカートリッジを有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子写真複写機、レーザープリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置においては、像担持体(感光体ドラム)に対して帯電処理を行う帯電部材、及び、感光体上のトナーに対して転写処理を行う転写部材として、導電性部材が用いられている。図5は、従来の帯電ローラを有する電子写真方式の画像形成装置の説明図である。
【0003】
図6において、120は、従来の電子写真方式の画像形成装置である。従来の電子写真方式の画像形成装置120は、静電潜像が形成される像担持体101、像担持体101に接触して帯電処理を行う帯電ローラ102、レーザ光等の露光手段103、像担持体101の静電潜像にトナーを付着させる現像ローラ104、帯電ローラ102にDC電圧を印加するためのパワーパック105、像担持体101上のトナー像を記録紙107に転写処理する転写ローラ106、転写処理後の像担持体101をクリーニングするためのクリーニング装置108、及び、像担持体101の表面電位を測定する表面電位計109から構成されている。
【0004】
また、従来の電子写真方式の画像形成装置120は、プロセスカートリッジ着脱方式の装置となっている。即ち、従来の電子写真方式の画像形成装置120は、像担持体101、帯電ローラ102、現像ローラ104、及び、クリーニング装置108を含むプロセス機器を一括して画像形成装置本体に対して着脱自在のプロセスカートリッジ110としている。このプロセスカートリッジ110は、少なくとも、像担持体101及び帯電ローラ102を備えていればよい。このプロセスカートリッジ110は、画像形成装置に対して所定の箇所に装着されることにより、画像形成装置本体側の駆動系及び電気系と接続状態となる。なお、図6では、他の電子写真プロセスにおいて通常必要な機能ユニットは、本明細書において必要としないので、省略してある。
【0005】
次に、従来の電子写真方式の画像形成装置120の基本的な作像動作について説明する。
【0006】
像担持体101に接触された帯電ローラ102に対してDC電圧をパワーパック105から給電すると、像担持体101の表面は、一様に高電位に帯電する。その直後に、画像光が像担持体101の表面に露光手段103により照射されると、像担持体101の照射された部分は、その電位が低下する。このような帯電ローラ102による像担持体101の表面への帯電メカニズムは、帯電ローラ102と像担持体101との間の微少空間におけるパッシェンの法則に従った放電であることが知られている。
【0007】
画像光は、画像の白/黒に応じた光量の分布であるので、かかる画像光が照射されると、画像光の照射によって像担持体101の面に記録画像に対応する電位分布、即ち、静電潜像が形成される。このように静電潜像が形成された像担持体101の部分が現像ローラ104を通過すると、その電位の高低に応じてトナーが付着し、静電画像を可視像化したトナー像が形成される。かかるトナー像が形成された像担持体101の部分に、記録紙107が所定のタイミングでレジストローラ(図示せず)により搬送され、前記トナー像に重なる。そして、このトナー像が転写ローラ106によって記録紙に転写された後、該記録紙107は、像担持体101から分離される。分離された記録紙107は、搬送経路を通って搬送され、定着ユニット(図示せず)によって、加熱定着された後、機外へ排出される。このようにして転写が終了すると、像担持体101は、その表面がクリーニング装置108によりクリーニング処理され、さらに、クエンチングランプ(図示せず)により、残留電荷が除去されて、次回の作像処理に備えられる。
【0008】
従来の帯電ローラを用いた帯電方式には、像担持体に帯電ローラを接触させる接触帯電方式のものがある(特許文献1,2を参照。)が、このような従来の接触帯電方式には、
(1)帯電ローラを構成している物質が帯電ローラから染み出し、これが被帯電体の表面に付着移行して帯電ローラ跡を残すこと、
(2)帯電ローラに交流電圧を印加したときに、被帯電体に接触している帯電ローラが振動するので、帯電音が発生すること、
(3)像担持体上のトナーが帯電ローラに付着する(特に、上述の染み出しによって、よりトナー付着がおこりやすくなる。)ので、帯電ローラの帯電性能が低下すること、
(4)帯電ローラを構成している物質が像担持体へ付着すること、及び、
(5)像担持体を長期停止したときに、帯電ローラが永久変形すること、
といった問題があった。
【0009】
このような問題を解決する技術として、帯電ローラを像担持体に近接させるようにした近接帯電方式による帯電装置(特許文献3,4を参照。)が提案されている。この近接帯電方式による帯電装置は、帯電ローラを像担持体に最近接距離(50〜300μm)になるように対向させて、帯電ローラに電圧を印加することにより、像担持体の帯電を行うようにしたものである。この近接帯電方式による帯電装置では、ローラと像担持体とが接触していないので、従来の接触帯電方式による帯電装置において問題となっていた、帯電ローラを構成している物質が像担持体へ付着すること、及び、像担持体が長期停止したときに永久変形すること、といった問題はない。また、この近接帯電方式による帯電装置では、帯電ローラに付着するトナーが少なくなるので、像担持体上のトナー等が帯電ローラに付着することが少ない。したがって、近接帯電方式による帯電装置は、優れた帯電装置といえる。
【0010】
前記特許文献3,4に記載された近接帯電方式による帯電装置では、帯電ローラと像担持体との間に空隙を保持するために、スペーサリング層が帯電ローラの両端部に設けられている。しかしながら、これらの近接帯電方式による帯電装置では、空隙を精密に設定する工夫がなされていないので、帯電ローラ及びスペーサリングの寸法精度がばらつくことによって空隙が変動し、そのために、像担持体の帯電電位が変動し、よって、画像形成時に白地にトナーが付着して画像不良が発生する、という問題があった。
【0011】
かかる問題を解決するために、所定の厚みを持ったテープ状の空隙保持手段を備えた帯電装置(特許文献5を参照。)が提案されたが、このテープ状の空隙保持手段を備えた帯電装置では、これを長期間にわたって使用すると、テープ状の空隙保持手段が磨耗し、また、帯電ローラとテープ状の空隙保持手段との間にトナーが進入し固着するので、像担持体の表面と帯電ローラの表面との間に空隙を保持できないという問題があった。また、このテープ状の空隙保持手段を備えた帯電装置では、テープ状の空隙保持手段の厚みがばらつくので、像担持体の表面と帯電ローラの表面との間の空隙を高精度に形成することができないという問題もあった。
【0012】
図7は、このような問題を解決するために、本発明者らが提案した導電性部材(特許文献6を参照。)の説明図である。図7に示すように、この導電性部材では、電気抵抗調整層202の両端部に空隙保持部材203が圧入されていて、空隙保持部材203が電気抵抗調整層202の端面と導電性支持体201とに接した構造となっている。導電性部材の長期の信頼性を向上させるために、空隙保持部材203と導電性支持体201との間に接着剤を塗布して、空隙保持部材203の固定を確実なものとすることができるが、空隙保持部材203がポリオレフィン系の樹脂で構成され、そして、導電性支持体201が金属で構成される場合には、空隙保持部材203と導電性支持体201との線膨張係数が大きくなるので、低温環境又は高温環境では、導電性支持体201と空隙保持部材23との界面で剥離が発生し、そのために、導電性部材の長期に渡る信頼性が若干劣ることとなる。また、導電性部材に長時間の通電を行うと、空隙保持部材203と導電性支持体201との間の接着強度が弱くなっていく。接着強度が弱くなって空隙保持部材が動いてしまうと、像担持体と導電性支持体との間の空隙(図4におけるGを参照。)の精度が変動するので、帯電むらが生じやすくなる。特に、空隙を高精度にする場合は、電気抵抗調整層202と空隙形成部材203を同時に研削加工、切削加工等の除去加工(特許文献7を参照。)を施して達成することができるが、空隙保持部材203の固定が十分でないと、除去加工時に空隙部材が回転してしまうので、接着剤を塗布して、より強固に空隙保持部材を固定することが必要となる。
【0013】
空隙保持部材203と電気抵抗調整層202とはトナー固着性を考慮して異なった材質で形成するが、電気抵抗調整層202の抵抗調整剤として、吸水性の高いイオン導電剤が使用されているので、高温高湿時には、電気抵抗調整層202が吸湿して寸法変動が発生する。空隙保持部材203は、絶縁性及び耐トナー固着性を考慮すると、オレフィン系材料で構成されていることが好ましいが、オレフィン系材料は、低吸水材料であるので、電気抵抗調整層に比べ高温高湿時の寸法変動量が小さく、そのために、環境変動で高精度に形成された像担持体と導電性支持体との間の空隙(図4におけるGを参照。)が変動するといった問題が発生あった。
【0014】
電気抵抗調整層を導電性支持体上に形成させる技術としては、電気抵抗調整層を熱可塑性樹脂とし、金型内に導電性支持体を挿入し射出成形した後、これを冷却、固化させるものがある。このような電気抵抗調整層を導電性支持体上に形成させる技術において、導電性支持体の端部に段差部を設けて成形後の樹脂の軸方向の変動を規制するものが本発明者らによって提案されている(特願2007−49342)。しかしながら、この技術では、段差部が設けられた導電性支持体の端部に形成された電気抵抗調整層の端部の部分の成形容積が他の部分に比べ大きくなるので、この部分でひけが発生し易くなるという問題があった。
【特許文献1】特開昭63−149668号公報
【特許文献2】特開平1−267667号公報
【特許文献3】特開平3−240076号公報
【特許文献4】特開平4−358175号公報
【特許文献5】特開2001−296723号公報
【特許文献6】特開2004−354477号公報
【特許文献7】特開2005−91818号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。
【0016】
即ち、本発明は、電気抵抗調整層の端部の部分に生じるひけの発生を防止して、電気抵抗調整層の外径寸法精度(空隙保持精度)を向上させることにより、環境条件において長期間にわたって使用しても像担持体と導電性部材との間に安定した空隙を維持させた導電性部材及びそれを有するプロセスカートリッジ、並びに、そのプロセスカートリッジを有する画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明者らは、電気抵抗調整層の端部の部分に生じるひけの発生の原因について探求したところ、
1)段差部が設けられた導電性支持体の端部に形成された電気抵抗調整層の端部の部分では、容積が大きいので、冷却速度が遅く(即ち、内部の部分の冷却が遅く)、そのために、先に冷却・固化した外周側の樹脂が内部の部分の冷却時に倣って変形して容積減少が生じ、よって、導電性支持体の端部に形成された電気抵抗調整層の端部の表面にひけ(窪み)が発生すること、及び、
2)成形型の反ゲート側(即ち、反樹脂流入側)では、流入樹脂の充填が小さくなるので、成形圧力が伝達しづらくなり、そのために、流入樹脂密度が小さくなり、よって、冷却・固化による容積減少が顕著になること、
といったた知見を得た。
【0018】
そして、本発明者らは、かかる知見に基づいて、中央部、及び、該中央部の両外側にそれぞれ設けられた該中央部の外径より小径とされた小径部、よりなる導電性支持体と、その導電性支持体上に形成された電気抵抗調整層と、を有する導電性部材において、(イ)前記導電性支持体の中央部の両端と前記導電性支持体の小径部とによって、段差部が軸方向に形成され、(ロ)前記電気抵抗調整層が、前記導電性支持体の段差部に倣って前記導電性支持体の前記小径部の一部又は全体を覆うように形成され、(ハ)前記導電性支持体の前記小径部を覆うように成形型の反ゲート側に形成された前記電気抵抗調整層には、該電気抵抗調整層の段差部が軸方向に形成され、そして、(ニ)前記電気抵抗調整層に形成された段差部における該電気抵抗調整層の外径の寸法が、その内側の、前記導電性支持体の中央部に形成された、前記電気抵抗調整層の外径の寸法よりも小さくされているものとしたところ、前記電気抵抗調整層の端部の部分に生じるひけの発生を防止して、前記電気抵抗調整層の外径寸法精度(空隙保持精度)を向上させることにより、環境条件において長期間にわたって使用しても像担持体と導電性部材との間に安定した空隙を維持させた導電性部材を提供できることを見出して本発明を完成するに至った。
【0019】
即ち、請求項1に記載された発明は、上記目的を達成するために、中央部、及び、該中央部の両外側にそれぞれ設けられた該中央部の外径より小径とされた小径部、よりなる導電性支持体と、その導電性支持体上に形成された電気抵抗調整層と、を有する導電性部材において、
(イ)前記導電性支持体の中央部の両端と前記導電性支持体の小径部とによって、段差部が軸方向に形成され、
(ロ)前記電気抵抗調整層が、前記導電性支持体の段差部に倣って前記導電性支持体の前記小径部の一部又は全体を覆うように形成され、
(ハ)前記導電性支持体の前記小径部を覆うように成形型の反ゲート側に形成された前記電気抵抗調整層には、該電気抵抗調整層の段差部が軸方向に形成され、そして、
(ニ)前記電気抵抗調整層に形成された段差部における該電気抵抗調整層の外径の寸法が、その内側の、前記導電性支持体の中央部に形成された、前記電気抵抗調整層の外径の寸法よりも小さくされている
ことを特徴とする導電性部材である。
【0020】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記電気抵抗調整層に形成された段差部における電気抵抗調整層の厚みが、該段差部の幅よりも小さくされていることを特徴とするものである。
【0021】
請求項3に記載された発明は、請求項1又は2に記載された発明において、前記導電性支持体の段差部の角部が、テーパー形状、又は、R形状にされていることを特徴とするものである。
【0022】
請求項4に記載された発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載された発明において、前記電気抵抗調整層が、加熱溶融された樹脂を、導電性支持体を挿入保持した金型に流入させ、冷却固化して、形成したもので、構成されていることを特徴とするものである。
【0023】
請求項5に記載された発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載された発明において、導電性部材が、円筒形状であることを特徴とするものである。
【0024】
請求項6に記載された発明は、請求項5に記載された発明において、前記導電性部材が、帯電部材とされることを特徴とするものである。
【0025】
請求項7に記載された発明は、請求項6に記載の帯電部材を有していることを特徴とするプロセスカートリッジである。
【0026】
請求項8に記載された発明は、請求項7に記載のプロセスカートリッジを有することを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0027】
請求項1に記載された発明によれば、中央部、及び、該中央部の両外側にそれぞれ設けられた該中央部の外径より小径とされた小径部、よりなる導電性支持体と、その導電性支持体上に形成された電気抵抗調整層と、を有する導電性部材において、(イ)前記導電性支持体の中央部の両端と前記導電性支持体の小径部とによって、段差部が軸方向に形成され、(ロ)前記電気抵抗調整層が、前記導電性支持体の段差部に倣って前記導電性支持体の前記小径部の一部又は全体を覆うように形成され、(ハ)前記導電性支持体の前記小径部を覆うように成形型の反ゲート側に形成された前記電気抵抗調整層には、該電気抵抗調整層の段差部が軸方向に形成され、そして、(ニ)前記電気抵抗調整層に形成された段差部における該電気抵抗調整層の外径の寸法が、その内側の、前記導電性支持体の中央部に形成された、前記電気抵抗調整層の外径の寸法よりも小さくされているので、前記電気抵抗調整層の端部の部分に生じるひけの発生を防止して、前記電気抵抗調整層の外径寸法精度(空隙保持精度)を向上させることにより、環境条件において長期間にわたって使用しても像担持体と導電性部材との間に安定した空隙を維持させた導電性部材を提供することができる。
【0028】
請求項2に記載された発明によれば、前記電気抵抗調整層に形成された段差部における電気抵抗調整層の厚みが、該段差部の幅よりも小さくされているので、冷却固化の際のひけは幅方向の方が大きくなって、相対的に厚み方向のひけ量が小さくなり、それらのために、外径精度及び空隙保持寸法の精度を安定、向上させることができる。
【0029】
請求項3に記載された発明によれば、前記導電性支持体の段差部の角部が、テーパー形状、又は、R形状にされているので、段差部で加熱溶融された樹脂の形状変化を緩やかに変化させることができ、そのために、加熱溶融された樹脂の冷却固化の状態に連続性を持たせることができ、よって、ひけの領域が長くなるものの、ひけの深さを減少させることができる。
【0030】
請求項4に記載された発明によれば、前記電気抵抗調整層が、加熱溶融された樹脂を、導電性支持体を挿入保持した金型に流入させ、冷却固化して、形成したもので構成されているので、形状安定性の優れたたものとなる。
【0031】
請求項5に記載された発明によれば、導電性部材が円筒形状であるので、導電性部材を回転させることができ、そのために、同一箇所からの連続放電を防止して通電ストレスによる表面の化学的劣化を低減させることができ、よって、導電性部材の長寿命化を図ることができる。
【0032】
請求項6に記載された発明によれば、前記導電性部材が帯電部材とされるので、少なくとも空隙部材の像担持体と当接する部分を絶縁性とするだけで、像担持体とのリーク電流の発生を防止することができると共に、像担持体の表面を非接触で帯電させることができる。
【0033】
請求項7に記載された発明によれば、請求項6に記載の帯電部材を有しているプロセスカートリッジとするので、長期に渡って安定した画質を得ることできると共に、交換が簡素化されてユーザーメンテナンスが可能となる。
【0034】
請求項8に記載された発明によれば、請求項7に記載のプロセスカートリッジを有する画像形成装置とするので、信頼性の高い高画質な画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0036】
図1は、本発明の一実施の形態を示す導電性部材(帯電ローラ)の一部断面図である。図2は、電気抵抗調整層を成形する際にひけが形成される原因を説明する段差部分の一部拡大説明図である。図3は、本発明の一実施の形態を示す導電性部材(帯電ローラ)の両側に空隙保持部材を圧入した状態を示す説明図である。図4は、導電性部材(帯電ローラ)を像担持体上に配置した状態を示す模式図である。図5は、本発明の一実施の形態を示す画像形成装置の説明図である。
【0037】
図1〜3において、10は、導電性部材(帯電ローラ)である。導電性部材(帯電ローラ)10は、中央部1a、及び、該中央部1aの両外側にそれぞれ設けられた該中央部1aの外径より小径とされた小径部1b、よりなる導電性支持体(芯金)1と、その導電性支持体1上に形成された電気抵抗調整層2と、を有している。そして、前記する導電性部材10においては、(イ)前記導電性支持体1の中央部1aの両端と前記導電性支持体1の小径部1bとによって、段差部Bが軸方向に形成され、(ロ)前記電気抵抗調整層2が、前記導電性支持体1の段差部Bに倣って前記導電性支持体1の前記小径部1bの一部又は全体を覆うように形成され、(ハ)前記導電性支持体1の前記小径部1bを覆うように成形型7の反ゲート側に形成された前記電気抵抗調整層2には、該電気抵抗調整層2の段差部Bが軸方向に形成され、そして、(ニ)前記電気抵抗調整層2の段差部Aにおける該電気抵抗調整層2の外径rの寸法が、その内側の、前記導電性支持体1の中央部1aに形成された、前記電気抵抗調整層2の外径の寸法よりも小さくされている。
【0038】
このように、導電性部材(帯電ローラ)10は、中央部1a、及び、該中央部1aの両外側にそれぞれ設けられた該中央部1aの外径より小径とされた小径部1b、よりなる導電性支持体1と、その導電性支持体1上に形成された電気抵抗調整層2と、を有する導電性部材(帯電ローラ)10において、(イ)前記導電性支持体1の中央部1aの両端と前記導電性支持体1の小径部1bとによって、段差部Bが軸方向に形成され、(ロ)前記電気抵抗調整層2が、前記導電性支持体1の段差部Bに倣って前記導電性支持体1の前記小径部1bの一部又は全体を覆うように形成され、(ハ)前記導電性支持体1の前記小径部1bを覆うように成形型の反ゲート側に形成された前記電気抵抗調整層2には、該電気抵抗調整層2の段差部Aが軸方向に形成され、そして、(ニ)前記電気抵抗調整層2の段差部Aにおける該電気抵抗調整層2の外径rの寸法が、その内側の、前記導電性支持体1の中央部1aに形成された、前記電気抵抗調整層2の外径の寸法よりも小さくされていると、前記電気抵抗調整層2の端部の部分に生じるひけの発生を防止して、前記電気抵抗調整層2の外径寸法精度(空隙保持精度)を向上させることにより、環境条件において長期間にわたって使用しても像担持体と導電性部材との間に安定した空隙(図4におけるGを参照)を維持させた導電性部材10を提供することができる。
【0039】
前記電気抵抗調整層2が導電性支持体1上に形成されて、導電性部材10となるが、画像形成装置の小型化などの要求により、導電性部材10の外径は小さくなる傾向にある。A3サイズでは、導電性部材10の全長が300〜350mmでその外径が10〜15mm程度となり、導電性支持体1の端部のベアリング部は組み付けの関係上、その外径が5〜8mm程度の細長い形状の部品構成となる。その際、部材の剛性、強度を確保する為には、電気抵抗調整層2の内部で導電性支持体1の形状を大きくする必要がある。たわみ剛性は、外径の4乗変化し、ねじり剛性は、外径の3乗で変化するので、ベアリング部以外の導電性支持体の外径は、8〜12mm程度まで大きくすることが好ましい。また、電気抵抗調整層2を樹脂材料で構成する際、成形時の残留応力が経時で緩和されたり、吸湿により形状が変動する。導電性支持体1に樹脂を被覆した長尺物では収縮は軸方向に発生する。それ故、本発明においては、前記導電性支持体1の前記小径部1bを覆うように成形型の反ゲート側に形成された前記電気抵抗調整層2には、該電気抵抗調整層2の段差部Aが軸方向に形成されていて、前記電気抵抗調整層2の段差部Aにおける該電気抵抗調整層2の外径rの寸法が、前記導電性支持体1の中央部1aに形成された前記電気抵抗調整層2の外径Rの寸法よりも小さくされている。
【0040】
射出成形、トランスファー成形など、溶融樹脂をゲートを通じて成形金型内に流入させる場合、ゲートに近い位置では成形樹脂圧力の損失が小さいので、充分な成形樹脂圧力が確保できるが、ゲートから遠い位置(反ゲート)では溶融樹脂が成形金型内を流れるので、圧力損失が大きくなり、成形樹脂圧力が減少する。成形樹脂圧力が減少すると、成形樹脂の充填容積(密度)も減少しやすくなるので、反ゲート側でひけが発生し易くなる。それ故、本発明においては、反ゲート側に段差部Aが軸方向に設けられている。
【0041】
図2(a)に示すように、前記電気抵抗調整層2を射出成形、押し出し成形で成形する場合には、溶融した成形樹脂2Aの流動性が成形金型7内で制限されたり、成形樹脂2Aの流入ゲートから離れる程(反ゲート側)、成形樹脂2Aが流れ難くなりるので、反ゲート側では樹脂材料のひけ、未充填、ボイドなどの形状的な副作用が生じる。また、図2(b)に示すように、導電性支持体1に段差部Bを設けた場合、段差部Aにおける電気抵抗調整層2の厚み(肉厚)T2 の大きくなる段部領域LB では、容積が大きくなる為、表層に比べ、樹脂層内部の冷却固化が遅くなり、成形外形が成形金型7に部分的に転写されないひけが生じやすくなる。
【0042】
本発明においては、電気抵抗調整層2の段差部Aの外径rの寸法を、その内側の、前記導電性支持体1の中央部1aに形成された、前記電気抵抗調整層2の外径Rの寸法より小さく形成して、該段差部Aの電気抵抗調整層2の容積(段差部Aにおける電気抵抗調整層2の厚みT2 )を減少させることにより、その表層と内部の冷却・固化の時間差を縮め、成形樹脂によるひけの発生を防止する。また、本発明においては、段差部Aの外径rを小さくしてその部分における電気抵抗調整層2の厚みT2 を減少させる。導電性部材10、成形品の外径を切削して仕上げることを前提にしているので、外径切削で挽き残りがでない外径rまで成形径を減少させることは可能である。外径rを減少させるには、外径変化をテーパー状に変化させても良い。図1において、T1 は、導電性支持体1の中央部1A 上に形成された電気抵抗調整層2の厚みである。
【0043】
また、本発明においては、前記電気抵抗調整層2に形成された段差部Aにおける電気抵抗調整層2の厚みT2 は、該段差部Bの幅LB よりも小さくされている。このように、前記電気抵抗調整層2に形成された段差部Aにおける電気抵抗調整層2の厚みT2 が、該段差部Aの幅LA よりも小さくされていると、冷却・固化の際のひけは幅方向の方が大きくなって、相対的に厚み方向のひけ量が小さくなり、それらのために、外径精度及び空隙保持寸法の精度を安定、向上させることができる。
【0044】
成形樹脂の冷却・固化時には、容積の減少が発生するので、ひけが発生する。特に、熱可塑性樹脂のように熱膨張が大きい材料の場合は顕著である。それ故、本発明においては、ひけの発生位置を部品特性上制約が大きい方の発生量を低減させるものである。具体的には、前記電気抵抗調整層2に形成された段差部Aにおける電気抵抗調整層2の厚みT2 を該段差部Aの幅LA よりも小さくした。成形樹脂の充填容積を長方体断面として考えると、長辺側の方がひけが大きくなり、短辺側はそれに比べ小さくなる。したがって、外径精度を考慮する際には、厚み方向を長辺とし、軸方向を短辺とするように、段形状を規定する。具体的な手法としては、導電性支持体1の段差部Bの位置を端部側に移行し、電気抵抗調整層2の段差部Bの幅LB を減少させた。
【0045】
また、本発明においては、前記導電性支持体1の段差部Bの角部は、好ましくは、テーパー形状、又は、R形状にされている。このように、前記導電性支持体1の段差部Bの角部がテーパー形状、又は、R形状にされていると、段差部Bで加熱溶融された樹脂の形状変化を緩やかに変化させることができ、そのために、加熱溶融された樹脂の冷却固化の状態に連続性を持たせることができ、よって、ひけの領域が長くなるものの、ひけの深さを減少させることができる。
【0046】
経時又は吸湿における前記電気抵抗調整層2の形状変化を防止するには、段差部Aにテーパーなどを付けず、形状を直角にすることが有利であるが、ひけに関しては、形状を緩やかに変化させて、冷却固化の状態に連続性を持たせると、ひけの領域は長くなるが、ひけの深さを減少させることが可能となる。本発明においては、前記導電性支持体1の段差部Bの角部の段形状をテーパー、R形状にしたので、段差部Bに溶融した成形樹脂の圧力が伝達し易くなり、そのために、溶融した成形樹脂2Aの充填密度が大きくなり、よって、ひけ量が小さくなる。
【0047】
また、本発明においては、前記電気抵抗調整層2は、加熱溶融された成形樹脂を、導電性支持体1を挿入保持した成形金型7に流入させ、冷却固化して、形成したもので、構成されている。このように、前記電気抵抗調整層2が、加熱溶融された樹脂を、導電性支持体1を挿入保持した成形金型7に流入させ、冷却固化して、形成したもので、構成されていると、形状安定性の優れたたものとなる。
【0048】
また、本発明においては、導電性部材10は、好ましくは、円筒形状である。このように、導電性部材10が円筒形状であると、導電性部材10を回転させることができ、そのために、同一箇所からの連続放電を防止して通電ストレスによる表面の化学的劣化を低減させることができ、よって、導電性部材10の長寿命化を図ることができる。また、図4に示すように、空隙保持部材5が像担持体6と連れまわる場合などは、従動回転となり、動力機能を省くことが可能となる。
【0049】
また、本発明においては、前記導電性部材10は、好ましくは、帯電部材とされる。このように、前記導電性部材10が帯電部材とされると、少なくとも空隙部材3の像担持体6と当接する部分を絶縁性とするだけで、像担持体6とのリーク電流の発生を防止することができると共に、像担持体6の表面を非接触で帯電させることができる。
【0050】
導電性部材10には、これに電圧を印加して電荷を放出させることにより、像担持体6を帯電させる機能を持たせている。導電性部材10は、これと帯電対象となる像担持体感6とを、パッシェンの法則により、ギャップ距離50〜300μmに均一に保つと、帯電部材として機能する。
【0051】
本発明においては、図1に示されているように、電気抵抗調整層2は、その端部に段差部Aを有しているが、その段差部Aに除去加工(切削加工)を施した部分に、一方の空隙保持部材5が圧入される。また、ゲート側の電気抵抗調整層2にも除去加工が施されて段差部が形成され、その段差部(図示せず)に、他方の空隙保持部材3が圧入される。空隙保持部材3には、種々の樹脂材料が使用される。空隙保持部材3の必要な特性は、像担持体との間の空隙(図4におけるGを参照。)を、環境において、また、長期に渡って、安定して形成することにあるが、そのためには、空隙保持部材3を構成する材料は、吸湿性、耐摩耗性の小さい材料が好ましい。また、空隙保持部材3を構成する材料には、トナー及び該トナーの添加剤を付着させないもの、及び、像担持体を摩耗させないものが重要であるが、その他種々の条件に応じて、適宜選択されるものである。具体的には、空隙保持部材3を構成する材料には、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン(PS)及びその共重合体(AS、ABS)等の汎用樹脂、PC、ポリウレタン、フッ素樹脂等の樹脂があげられる。特に空隙保持部材3を確実に固定するためには、接着剤を塗布して接着することができる。また、空隙保持部材3は、絶縁性材料で構成されていることが好ましく、それらの絶縁性材料は、体積固有抵抗で1013Ωcm以上のものであることが好ましい。絶縁性が必要である理由は、像担持体の基体とのリーク電流の発生を無くすためである。空隙保持部材は、成型加工により成形されたものである。
【0052】
電気抵抗調整層2は、高分子型イオン導電材料が分散された熱可塑性樹脂組成物により形成されている。電気抵抗調整層2の体積固有抵抗は106 〜109 Ωcmであることが好ましい。体積固有抵抗が109 Ωcmを越えると、帯電能力や転写能力が不足してしまい、また、体積固有抵抗が106 Ωcmよりも低いと、像担持体全体への電圧集中によるリークが生じてしまう。電気抵抗調整層2に用いられる熱可塑性樹脂は、特に限定されるものではないが、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン(PS)及びその共重合体(AS、ABS)等の汎用樹脂であれば、成形加工が容易であるので好ましい。その熱可塑性樹脂に分散させる高分子型イオン導電材料としては、ポリエーテルエステルアミド成分を含有する高分子化合物が好ましい。ポリエーテルエステルアミドは、イオン導電性の高分子材料であるので、マトリックスポリマー中に分子レベルで均一に分散、固定化される。したがって、金属酸化物、カーボンブラック等の電子伝導系導電剤を分散した組成物に見られるような分散不良に伴う電気抵抗値のばらつきが生じない。また高分子材料であるため、ブリードアウトが生じ難い。配合量については、電気抵抗値を所望の値にする必要があることから、熱可塑性樹脂が30〜70重量%、高分子型イオン導電剤が70〜30重量%とする必要がある。
【0053】
樹脂組成物の製造方法に関しては特に制限はなく、各材料の混合物を二軸混練機、ニーダ等で溶融混練することによって、容易に製造できる。電気抵抗調整層2としての導電性支持体1上への形成は、押出成形や射出成形等の手段で導電性支持体1に上記半導電性樹脂組成物を被覆することによって、容易に行うことができる。導電性支持体1上に電気抵抗調整層2のみを形成して導電性部材10を構成すると、電気抵抗調整層2にトナー及び該トナーの添加剤等が固着して性能低下する場合がある。このような不具合は、電気抵抗調整層2に表面層4を形成することで、防止することができる。
【0054】
導電性部材10の製造方法の一例としては、導電性支持体1上に電気抵抗調整層2を射出成形によって形成した後、両端部の段差部(図示せず)に接着剤を塗布して、空隙保持部材3を接着固定する。次に、空隙保持部材3と電気抵抗調整層2の段差部のばらつきを小さくするために、空隙保持部材3と電気抵抗調整層2が一体で形成となった状態において、切削、研削等の除去加工によって、外径を仕上げてもかまわない。そして、空隙保持部材を保護した状態で電気抵抗調整層2上に更に表面層4を形成して、導電性部材10とする。
【0055】
図4は、導電性部材(帯電ローラ)を像担持体上に配置した状態を示す模式図である。図4に示すように、導電性部材10は、像担持体6に任意の圧力で当接されて配置される。また、空隙保持部材5は画像形成領域を外した非画像形成領域に形成されている。この状態で帯電部材10に電圧を印加することにより、像担持体6の帯電を行うことができる。導電性部材10をトナー担持体及び転写部材として使用する場合も、同様の形態で行うことができる。
【0056】
導電性部材10及び像担持体6の形状は特に限定されない。像担持体6は、ベルト状、円筒状いずれの形式もとることができ、導電性部材10は、ブレード形状、円筒形状等の種々の形状をとることができるが、ともに円筒形状であることが好ましい。両者が常に同一面で対向していると、通電ストレスによる表面の化学的劣化が生じてしまうが、両者を円筒形状として回転駆動させることで、この劣化を低減できるからである。
【0057】
本発明のプロセスカートリッジ(図6における110を参照。)は請求項6に記載の帯電部材を有している。このように、請求項6に記載の帯電部材を有しているプロセスカートリッジとすると、長期に渡って安定した画質を得ることできると共に、交換が簡素化されてユーザーメンテナンスが可能となる。
【0058】
本発明の画像形成装置は、請求項7に記載のプロセスカートリッジ(図6における110を参照。)を有している。このように、請求項7に記載のプロセスカートリッジを有する画像形成装置とすると、信頼性の高い高画質な画像を得ることができる。
【0059】
図5に示すように、本発明の画像形成装置においては、装置本体内の下部に給紙部22、その上方に像担持体6を有する作像部、及び、さらにその上方に排紙部となる対の排紙ローラ26,27をそれぞれ設けて、給紙部22から給紙した転写紙Pの左側の面に対応する作像部で画像を形成し、そして、その転写紙Pを排紙ローラ26,27によりビントレイ20あるいは排紙トレイ21に排出するようにしている。給紙部22には、上下2段にトレイ28,29が設けられていて、その各給紙段には給紙ローラ30がそれぞれ配設されている。23は書込みユニットであり、そこから像担持体6の一様に帯電された表面に光を照射して、そこに画像を書き込む。また、その像担持体6に対して転写紙搬送方向上流側には、転写紙のスキューを補正すると共に、像担持体6上の画像と転写紙の搬送タイミングを合わせるためのレジストローラ対13を設けている。
【0060】
さらに、像担持体6に対して転写紙搬送方向下流側には、定着ユニット25を設けている。作像部には、図5に示すように、前述した像担持体6が矢示A方向に回転可能に
けられており、その周囲には帯電装置(図6における102を参照。)と、その帯電装置により帯電された面に書込みユニット23により書込まれた像担持体6上の静電潜像を顕像化してトナー像とする現像装置(図6における104を参照。)と、そのトナー像を転写紙Pに転写する転写搬送ベルト7と、そのトナー像の転写後に像担持体6上に残った残留トナーを除去するクリーニング装置(図6における108を参照。)と、像担持体6上の不要な電荷を除電する除電ランプ(図示せず)とを、それぞれ配設している。この画像形成装置は、画像形成動作を開始させると、図5に示した像担持体6が矢印A方向に回転し、その表面が除電ランプにより除電されて基準電位に平均化される。次に、その像担持体6の表面は、帯電ローラ(図6における102を参照。)により一様に帯電され、その帯電面は、書込みユニット23から画像情報に応じた光の照射を受け、そこに静電潜像が形成される。その潜像は、像担持体6が矢示A方向に回転することにより現像装置(図6における104を参照。)の位置まで移動されると、そこで現像スリーブ(図示せず)によりトナーが付着されてトナー像(顕像)となる。
【0061】
一方、図5に示した給紙部22のトレイ28,29の何れかから給紙ローラ30により転写紙Pが給紙され、それがレジストローラ対13で一旦停止されて、その転写紙Pの先端と像担持体6上の画像の先端とが一致する正確なタイミングで搬送され、その転写紙Pに転写搬送ベルト7により像担持体6上のトナー像が転写される。その転写紙Pは、転写搬送ベルト7により搬送され、駆動ローラ部7aで転写紙Pの腰による曲率分離で、その転写搬送ベルト7から分離されて、定着ユニット25へ搬送され、そこで熱と圧力が加えられることによりトナーが転写紙Pに融着され、それが指定された排紙場所、すなわち排紙トレイ21あるいはビントレイ20の何れかに排出される。その後、像担持体6上に残った残留トナーは、次工程であるクリーニング位置まで回転移動し、クリーニング装置のクリーニングブレード(図6における108を参照。)により掻き取られ、再び次の作像工程に移る。
【0062】
本実施の形態においては、導電性部材10を具体化した帯電ローラについて主として説明したが、本発明における導電性部材10は、本発明の目的に反しない限り、帯電ローラ以外の帯電部材、例えば、ブレードのようなものであってもかまわない。また、本発明の導電性部材10は、トナー担持体又は転写部材としてもかまわない。
【0063】
(実施例1)
ABS樹脂(デンカABS GR−0500、電気化学工業社製)50重量%、及び、ポリエーテルエステルアミド(IRGASTAT P18、チバスペシャリティケミカルズ社製)50重量%を配合して樹脂組成物とし、この樹脂組成物100重量部にポリカーボネート−グリシジルメタクリレート−スチレン−アクリロニトリル共重合体(モデイパーCL440−G、日本油脂社製)5重量部を配合した後、これらを溶融混練して溶融混練樹脂組成物とし、この溶融混練組成物をニッケルメッキされた硫黄快削鋼(SUM)からなる外径10mm、段差部外径:8mm、ジャーナル:6mm、全長:350mmの導電性支持体(芯軸)に射出成形により被覆して、外径:14mm、肉厚:2mm、長さ:320mmの電気抵抗調整層を形成することにより導電性部材とした。その際、電気抵抗調整層における段差部の外径:12mm、段差部の肉厚:2mm、段差部の幅:5mmとした。前記射出成形は、軸方向の一端から、リングゲート方式と呼ばれるゲートを用い射出成形を行った。成形条件は、樹脂温度:220〜230℃、射出速度:45mm/秒、保圧時間:射出2段切り替え保圧時間7秒、金型温度:キャビ側/コア側共に60℃、射出後冷却時間:25秒とした。そして、この導電性部材の両端部分の電気抵抗調整層に除去加工(切削加工)を施して段差部を形成し、それらの段差部に高密度ポリエチレン樹脂(ノバテックPP HY540、日本ポリケム社製)からなるリング状の空隙保持部材を挿入接着した後、除去加工(切削加工)を施して前記空隙保持部材の外径(最大径)を12.17mmとすると共に、前記電気抵抗調整層の外径を12.60mmとし、その肉厚を1mmとして導電性部材を得た。
【0064】
(実施例2)
前記段差部の幅を1.5mmとした以外は、実施例1と同様にして導電性部材を得た。
【0065】
(実施例3)
前記導電性支持体の段差部の角部に1/1mm(45度)のテーパーを設けた以外は、実施例1と同様にして導電性部材を得た。
【0066】
(比較例1)
前記電気抵抗調整層の外径:14mm、前記電気抵抗調整層における段差部の外径:13mm、段差部の肉厚:2.5mm、段差部の幅:0mmとした以外は、実施例1と同様にして導電性部材を得た。
【0067】
(比較例2)
前記電気抵抗調整層における段差部の外径:14mm、段差部の肉厚:3mm、段差部の幅:0mmとした以外は、実施例1と同様にして導電性部材を得た。
【0068】
以上、実施例1〜3及び比較例1〜2で得た導電性部材の反ゲート側における導電性支持体のひけ量(mm)及びひけ率(ひけ量/肉厚×100%)を測定した。評価基準は、仕上切削で挽き残りが生じるもの及びひけ量:0.6mm以上のものを×と判定し、それ以外の実用上問題のないものを○と判定した。評価結果は、次の表1に示される。
【0069】
【表1】

【0070】
表1より、実施例1では、段部領域の外径を小さくすることでひけ量が減少されること、実施例2では、段部領域幅を減少させることでひけ量が減少されること、及び、実施例3では、前記導電性支持体の段差部の角部にテーパー(45度)を設けることでひけ量が減少されることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の一実施の形態を示す導電性部材(帯電ローラ)の一部断面図である。
【図2】電気抵抗調整層を成形する際にひけが形成される原因を説明する段差部分の一部拡大説明図である。
【図3】本発明の一実施の形態を示す導電性部材(帯電ローラ)の両側に空隙保持部材を圧入した状態を示す説明図である。
【図4】導電性部材(帯電ローラ)を像担持体上に配置した状態を示す模式図である。
【図5】本発明の一実施の形態を示す画像形成装置の説明図である。
【図6】従来の帯電ローラを用いた画像形成装置の説明図である。
【図7】本発明者らが提案した導電性部材(帯電ローラ)の説明図である。
【符号の説明】
【0072】
1 導電性支持体
1a 中央部
1b 小径部
2 電気抵抗調整層
2A 成形樹脂
4 表面層
5 空隙保持部材
6 像担持体
7 成形金型
G 空隙
A 電気抵抗調整層の段差部
B 導電性支持体の段差部
R 電気抵抗調整層の外径
r 電気抵抗調整層の段差部の外径
1 電気抵抗調整層の肉厚
2 段差部Aにおける電気抵抗調整層の厚み
10 導電性部材(帯電ローラ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央部、及び、該中央部の両外側にそれぞれ設けられた該中央部の外径より小径とされた小径部、よりなる導電性支持体と、その導電性支持体上に形成された電気抵抗調整層と、を有する導電性部材において、
(イ)前記導電性支持体の中央部の両端と前記導電性支持体の小径部とによって、段差部が軸方向に形成され、
(ロ)前記電気抵抗調整層が、前記導電性支持体の段差部に倣って前記導電性支持体の前記小径部の一部又は全体を覆うように形成され、
(ハ)前記導電性支持体の前記小径部を覆うように成形型の反ゲート側に形成された前記電気抵抗調整層には、該電気抵抗調整層の段差部が軸方向に形成され、そして、
(ニ)前記電気抵抗調整層に形成された段差部における該電気抵抗調整層の外径の寸法が、その内側の、前記導電性支持体の中央部に形成された、前記電気抵抗調整層の外径の寸法よりも小さくされている
ことを特徴とする導電性部材。
【請求項2】
前記電気抵抗調整層に形成された段差部における電気抵抗調整層の厚みT2 が、該段差部Bの幅Lよりも小さくされていることを特徴とする請求項1に記載の導電性部材。
【請求項3】
前記導電性支持体の段差部の角部が、テーパー形状、又は、R形状にされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の導電性部材。
【請求項4】
前記電気抵抗調整層が、加熱溶融された樹脂を、導電性支持体を挿入保持した金型に流入させ、冷却固化して、形成したもので、構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいづれか1項に記載の導電性部材。
【請求項5】
導電性部材が、円筒形状であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性部材。
【請求項6】
前記導電性部材が、帯電部材とされることを特徴とする請求項5に記載の導電性部材。
【請求項7】
請求項6に記載の帯電部材を有していることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項8】
請求項7に記載のプロセスカートリッジを有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−8178(P2009−8178A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−170474(P2007−170474)
【出願日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】