説明

導電材料の製造方法および導電材料、並びに電池

【課題】活物質として機能する共に、電子伝導性を有する、新規な導電材料の製造方法および導電材料、並びに電池を提供する。
【解決手段】導電材料は、Li4Ti512焼結体に高周波をかけることにより、チタンの化学状態を変化させることで導電性を付与したものである。この導電材料は、例えば、Li4Ti512焼結体をターゲットとして用いて、窒素を含む雰囲気中で、RFマグネトロンスパッタリングを行った後のターゲットである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、導電材料の製造方法および導電材料、並びに電池に関する。
【背景技術】
【0002】
セラミックス材料は、様々な機械工具や機械要素等における工業材料として利用されている。近年、電気・電子分野において、電気伝導性を示す導電性セラミックス材料の需要が高まってきている。
【0003】
リチウムイオン二次電池の活物質に使用される、Li4Ti512などのセラミックス材料は、電子伝導性を有さないまたは電子伝導性が乏しいため、カーボンブラックやアセチレンブラックなどの導電剤と共に電極を構成することが、一般的である。
【0004】
特許文献1には、二酸化チタンの粉末を窒素ガス雰囲気下で加熱して、導電性を有する活物質TiO1.70.3を作製する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−32321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
活物質として機能するLi4Ti512などのセラミックス材料と共に、導電剤を混合して電極を構成すると、活物質の単位量(重量、体積)あたりに利用される負極や正極部分が少なくなり、単位量あたりの容量が低下する。また、活物質が導電性を有さない場合には、レート特性が悪化する。
【0007】
したがって、本願発明の目的は、活物質として機能する共に、電子伝導性を有する、新規な導電材料の製造方法および導電材料、並びに電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、第1の発明は、Li4Ti512に高周波をかける処理を行う工程を有する導電材料の製造方法である。
【0009】
第2の発明は、Li4Ti512に高周波をかける処理を行うことにより、チタンの化学状態を変化させた導電材料である。
【0010】
第3の発明は、正極と、負極と、電解質とを備え、負極は、活物質として、Li4Ti512に高周波をかける処理を行うことにより、チタンの化学状態を変化させた導電材料を含有する電池である。
【0011】
第1〜第3の発明では、Li4Ti512に高周波をかける処理を行うことにより、チタンの化学状態を変化させることで、電子伝導性を得ることができる。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、活物質として機能する共に、電子伝導性を有する、新規な導電材料の製造方法および導電材料、並びに電池を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の実施の形態による非水電解質電池の構成例を示す断面図である。
【図2】図1の巻回電極体を拡大した断面図である。
【図3】実施例1および比較例1の導電材料を示す写真である。
【図4】実施例1の導電材料のXRDパターンである。
【図5】実施例1の導電材料のXPSスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、説明は、以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(導電材料の例)
2.第2の実施の形態(電池の例)
3.他の実施の形態(変形例)
【0015】
1.第1の実施の形態
この発明の第1の実施の形態による導電材料について説明する。この発明の第1の実施の形態による導電材料は、Li4Ti512焼結体に高周波をかけることにより、チタンの化学状態を変化させることで導電性を付与したものである。
【0016】
例えば、この導電材料は、Li4Ti512焼結体をターゲットとして用いて、窒素を含む雰囲気中で、RF(高周波)マグネトロンスパッタリングを行った後のターゲットである。このスパッタリング後のターゲットは、XRD(X-Ray Diffraction)分析によれば、Li4Ti512相と、ルチル型のTiO2相と、アナターゼ型のTiO2相とが確認される、新規な導電材料である。また、XPS(X-ray photoelectron spectroscopy)分析によれば、スパリング後のターゲットでは、スパッタリング前のターゲットに比べて、Ti2p3/2のピークが低エネルギー側にシフトしており、チタンの化学状態が変わっていることが確認される。なお、Li4Ti512焼結体は、例えばLi2CO3粉末、TiO2粉末を原料とし、固相反応法により合成したLi4Ti512粉末を、成形・焼結することにより、得ることができる。
【0017】
例えば、Li4Ti512の焼結体をRFマグネトロンスパッタリング装置の中に配置して、出力50W、Ar:10sccm、N2:10sccmでスパッタリングを行うと、スパッタリング後のLi4Ti512焼結体は、導電性を得るようになる。この一例では、四端子法による表面抵抗率を測定した場合において、2kΩ/□の値を示す。
【0018】
2.第2の実施の形態
この発明の第2の実施の形態による電池について説明する。図1は、この発明の第2の実施の形態による電池の構成例を示す。この電池は、上述の第1の実施の形態による導電材料を負極活物質として用いたものである。
【0019】
[電池の構成]
図1は、この発明の第2の実施の形態による電池の断面構成を示す。この電池は、有機溶媒を含む電解液を用いた非水電解質電池である。また、この電池は、負極の容量が電極反応物質であるリチウムの吸蔵および放出に基づく容量成分により表されるリチウムイオン二次電池である。この電池は、円筒型と呼ばれる電池構造を有する。
【0020】
この電池は、ほぼ中空円柱状の電池缶111の内部に、正極121および負極122がセパレータ123を介して巻回された巻回電極体120と、一対の絶縁板112、113とが収納されたものである。電池缶111は、例えば、ニッケル(Ni)めっきが施された鉄(Fe)により構成されており、その一端部および他端部はそれぞれ閉鎖および開放されている。一対の絶縁板112、113は、巻回電極体120を挟み、その巻回周面に対して垂直に延在するように配置されている。
【0021】
電池缶111の開放端部には、電池蓋114と、その内側に設けられた安全弁機構115および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)116とが、ガスケット117を介してかしめられることにより取り付けられており、電池缶111の内部は密閉されている。電池蓋114は、例えば、電池缶111と同様の材料により構成されている。安全弁機構115は、熱感抵抗素子116を介して電池蓋114と電気的に接続されている。
【0022】
この安全弁機構115では、内部短絡あるいは外部からの加熱などに起因して内圧が一定以上となった場合に、ディスク板115Aが反転することにより電池蓋114と巻回電極体20との間の電気的接続が切断されるようになっている。熱感抵抗素子116は、温度の上昇に応じて抵抗が増大することにより電流を制限し、大電流に起因する異常な発熱を防止するものである。ガスケット117は、例えば、絶縁材料により構成されており、その表面にはアスファルトが塗布されている。
【0023】
巻回電極体120の中心には、例えば、センターピン124が挿入されている。この巻回電極体120では、アルミニウム(Al)などにより構成された正極リード125が正極121に接続されており、ニッケルなどにより構成された負極リード126が負極122に接続されている。正極リード125は、安全弁機構115に溶接されることにより電池蓋114と電気的に接続されており、負極リード126は、電池缶111に溶接されることにより電気的に接続されている。
【0024】
(正極)
図2は、図1に示した巻回電極体120の一部を拡大して表している。正極121は、例えば、対向する一対の面を有する正極集電体121Aの両面に、正極活物質層121Bが設けられたものである。正極集電体121Aは、例えば、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)あるいはステンレス(SUS)などの金属材料により構成されている。正極活物質層121Bは、正極活物質として、電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料を含んでいる。この正極活物質層121Bは、必要に応じて、導電剤や結着剤を含んでいてもよい。
【0025】
(正極活物質)
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、リチウム含有化合物が好ましい。高いエネルギー密度が得られるからである。このリチウム含有化合物としては、例えば、リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物や、リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物などが挙げられる。その化学式は、例えば、LixM1O2またはLiyM2PO4で表される。式中、M1およびM2は、1種類以上の遷移金属元素を表す。
【0026】
リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物としては、例えば、リチウムコバルト複合酸化物(LixCoO2)、リチウムニッケル複合酸化物(LixNiO2)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(LixNi1-zCoz2(z<1))、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LixNi(1-v-w)CovMnw2(v+w<1))、リチウムニッケルコバルトアルミニウム複合酸化物(LixNi(1-v-w)CovAlw2(v+w<1))またはスピネル型構造を有するリチウムマンガン複合酸化物(LiMn24)などが挙げられる。また、リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物としては、例えば、リチウム鉄リン酸化合物(LiFePO4)またはリチウム鉄マンガンリン酸化合物(LiFe1-uMnuPO4(u<1))などが挙げられる。
【0027】
この他、リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、酸化チタン、酸化バナジウムまたは二酸化マンガンなどの酸化物や、二硫化チタンまたは硫化モリブデンなどの二硫化物や、セレン化ニオブなどのカルコゲン化物や、硫黄、ポリアニリンまたはポリチオフェンなどの導電性高分子も挙げられる。
【0028】
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料は、上記以外のものであってもよい。また、上記で例示した正極材料は、任意の組み合わせで2種以上混合されてもよい。
【0029】
(結着剤)
結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)などのフッ素系高分子化合物などが挙げられる。
【0030】
(導電剤)
導電剤としては、例えば、黒鉛、カーボンブラックまたはケッチェンブラックなどの炭素材料が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。なお、導電剤は、導電性を有する材料であれば、金属材料または導電性高分子などであってもよい。
【0031】
(負極)
負極122は、例えば、対向する一対の面を有する負極集電体122Aの両面に、負極活物質層122Bが設けられたものである。負極集電体122Aは、例えば、銅(Cu)、ニッケル(Ni)またはステンレス(SUS)などの金属材料により構成されている。負極活物質層122Bは、負極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料を含んでいる。この負極活物質層122Bは、必要に応じて、導電剤や結着剤などを含んでいてもよい。
【0032】
(負極活物質)
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、第1の実施の形態による、導電材料を用いることができる。すなわち、負極材料として、高周波をかけることにより、チタンの化学状態を変化させたLi4Ti512焼結体を用いることができる。例えば、高周波をかけた後のLi4Ti512焼結体を粉砕などすることにより粉末状にして用いる。この高周波をかけた後のLi4Ti512焼結体は、導電性を有すると共に、活物質として機能する。したがって、負極122を構成する際に、導電剤をなくすまたは導電剤の量を減らすことができるため、単位量あたりの容量を増大することができる。
【0033】
(導電剤)
導電剤としては、例えば、黒鉛、カーボンブラックなどの炭素材料が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。なお、導電剤は、導電性を有する材料であれば、金属材料または導電性高分子などであってもよい。
【0034】
(結着剤)
結着剤としては、例えば、スチレンブタジエン系ゴム、フッ素系ゴムまたはエチレンプロピレンジエンなどの合成ゴムや、ポリフッ化ビニリデンなどの高分子材料が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。
【0035】
(電解液)
電解液は、溶媒と電解質塩とを含む。溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの炭酸エステル系溶媒、1,2−ジメトキシエタン、1−エトキシ−2−メトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどのラクトン系溶媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒、スルフォラン系溶媒、リン酸類、リン酸エステル溶媒、ピロリドン類などの非水溶媒が挙げられる。溶媒は、いずれか1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
【0036】
電解質塩は、LiPF6、LiClO4、LiBF4、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22、LiAsF6などのリチウム塩を用いることができる。これらのリチウム塩は、いずれか1種を用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
【0037】
(セパレータ)
セパレータ123は、正極121と負極122とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつリチウムイオンを通過させるものである。このセパレータ35は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの合成樹脂からなる多孔質膜、またはセラミックからなる多孔質膜により構成されており、これらの2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。
【0038】
(電池の製造方法)
上述した電池は、例えば、以下のように製造する。
まず、例えば、正極集電体121Aの両面に正極活物質層121Bを形成することにより、正極121を作製する。この正極活物質層121Bを形成する際には、正極活物質の粉末と、導電剤と、結着剤とを混合した正極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させることによりペースト状の正極合剤スラリーとする。そして、正極合剤スラリーを正極集電体121Aに塗布して乾燥させたのちに圧縮成型する。
【0039】
また、例えば、負極活物質の粉末と、必要に応じて導電剤と、結着剤とを混合した負極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させることによりペースト状の負極合剤スラリーとする。負極集電体122Aの両面に負極活物質層122Bを形成することにより、負極122を作製する。
【0040】
次に、正極集電体121Aに正極リード125を溶接して取り付けると共に、負極集電体122Aに負極リード126を溶接して取り付ける。
【0041】
次に、正極121および負極122をセパレータ123を介して巻回させることにより巻回電極体120を形成する。そして、正極リード125の先端部を安全弁機構115に溶接すると共に負極リード126の先端部を電池缶111に溶接したのち、巻回電極体120を一対の絶縁板112、113で挟みながら電池缶111の内部に収納する。
【0042】
次に、電池缶111の内部に上述した電解液を注入してセパレータ123に含浸させる。最後に、電池缶111の開口端部に電池蓋114、安全弁機構115および熱感抵抗素子116をガスケット117を介してかしめることにより固定する。以上により、図1および図2に示す電池を得ることができる。
【実施例】
【0043】
以下、実施例によりこの発明を具体的に説明するが、この発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0044】
<実施例1>
(ターゲットの作製)
原料粉末としてLi2CO3とTiO2とを化学量論比で秤量し、ボールミルを用いて混合した混合することにより、混合粉末を得た。次に、この混合粉末を大気中で800℃12時間で焼成することにより、Li4Ti512粉末を得た。次に、錠剤成形機を用いて、Li4Ti512粉末をプレス成形した後、大気中800℃6時間の条件で焼結を行うことにより、ターゲットとして用いるLi4Ti512焼結体を得た。
【0045】
(透明導電膜の作製)
Li4Ti512焼結体をターゲットとして、マグネトロンRFスパッタリング装置を用いて、以下の条件でスパッタリングを行った。
【0046】
[スパッタ条件]
スパッタ圧:0.5Pa
出力:50W
ガス:Ar:10sccm、N2:10sccm
【0047】
<参考例1>
実施例1と同様のLi4Ti512焼結体をターゲットとして、マグネトロンRFスパッタリング装置を用いて、以下の条件でスパッタリングを行った。
【0048】
[スパッタ条件]
スパッタ圧:0.5Pa
出力:50W
ガス:Ar:10sccm、O2:10sccm
【0049】
(スパッタ後のターゲット)
実施例1および参考例1のスパッタ後のターゲットの写真を図3に示す。実施例1のスパッタ後のターゲットは、表面が黒くなっていることが確認された。
【0050】
(抵抗率測定)
4端子法により、表面抵抗率を測定した。実施例1の表面抵抗率は2kΩ/□であった。
【0051】
(XRD分析)
実施例1のスパッタ後のターゲットについてXRD分析を行った。図4は、実施例1の導電材料のXRDパターンである。図4に示すように、矢印に示すLi4Ti512のピークの他、ルチル型TiO2のピーク、アナターゼ型TiO2のピークが観察された。
【0052】
(XPS分析)
実施例1において、スパッタ前のターゲットおよびスパッタ後のターゲットについて、それぞれXPS分析を行った。図5に測定結果を示す。図5において、線pは、スパッタ前のターゲットについてのXPSスペクトルである。線qは、スパッタ後のターゲットについてのXPSスペクトルである。
【0053】
図5において、点線tに示すように、スパッタ後のターゲットでは、Ti2p3/2ピークが、スパッタ前より、低エネルギー側にシフトしていることが確認された。これにより、スパッタ前のターゲットと、スパッタ後のターゲットとでは、チタンの化学状態が変わっていることがわかった。
【0054】
3.他の実施の形態
この発明は、上述したこの発明の実施形態に限定されるものでは無く、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。例えば、高周波を印加する装置の形態は限定されるものではなく、Li4Ti512に高周波を印加できるものであればよい。
【0055】
また、例えば、第1の実施の形態では、Li4Ti512に高周波をかけることにより導電性を付与する例について説明したが、高周波をかける方法以外でも、Li4Ti512に導電性を付与することが可能である。具体的には、例えば、Li4Ti512を還元処理することにより、チタンの化学状態を変化させて、Li4Ti512に導電性を付与することが可能である。還元処理としては、水素化:水素ガスを還元剤として用いる還元、ヒドリド還元:金属あるいは半金属の水素化物やその錯化化合物(アート錯体)を還元剤として用いる還元、クレメンゼン還元:単体の金属を還元剤に用いる金属還元、ケトンやアルデヒドのカルボニル基を還元してメチレン基にする還元、バーチ還元:アルカリ金属を液体アンモニアに溶解して得られる溶媒和電子による還元、メールワイン・ポンドルフ・バーレー還元:トリイソプロポキシアルミニウム〔(i−PrO)3Al〕を触媒としてイソプロピルアルコールを還元剤兼溶媒として使用する還元、ウォルフ・キッシュナー還元:ケトンやアルデヒドのカルボニル基を還元してメチレン基にする還元、金属精錬における還元:鉄や銅などの金属を精錬する場合、鉱石中に存在する金属酸化物あるいは硫化物を還元し単体金属にするのに溶鉱炉中で炭素を用いて還元する方法などが挙げられる。
【符号の説明】
【0056】
111・・・電池缶
112、113・・・絶縁板
114・・・電池蓋
115・・・安全弁機構
115A・・・ディスク板
116・・・熱感抵抗素子
117・・・ガスケット
120・・・巻回電極体
121・・・正極
122・・・負極
123・・・セパレータ
124・・・センターピン
125・・・正極リード
126・・・負極リード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Li4Ti512焼結体に高周波をかける処理を行う工程を有する導電材料の製造方法。
【請求項2】
上記高周波をかける処理を窒素を含む雰囲気中で行う請求項1記載の導電材料の製造方法。
【請求項3】
上記Li4Ti512焼結体に高周波をかける処理を行う工程は、Li4Ti512焼結体をターゲットとして用いて、窒素を含む雰囲気中でRFマグネトロンスパッタリングを行う工程である請求項1記載の導電材料の製造方法。
【請求項4】
Li4Ti512焼結体に高周波をかける処理を行うことにより、チタンの化学状態を変化させた導電材料。
【請求項5】
Li4Ti512相、アナターゼ型TiO2相およびルチル型TiO2相を有する請求項4記載の導電材料。
【請求項6】
正極と、
負極と、
電解質と
を備え、
上記負極は、活物質として、Li4Ti512焼結体に高周波をかける処理を行うことにより、チタンの化学状態を変化させた導電材料を含有する電池。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図5】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−9200(P2012−9200A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−142548(P2010−142548)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】