説明

導電構造、アクチュエータ、可変抵抗器、回動部材、回動式コネクタ、電動機、コントローラ、回転情報検出装置、ストローク検出装置、および導電端子の製造方法

【課題】 相対的に移動する一対の部材を、その相対移動の拘束が少ない状態で電気的に接続することができる導電構造を提供する。
【解決手段】 基板7に配置された固定側電極9に導電性の導電端子10の上端を電気的に接続する。移動子2の上面には凹溝11を形成し、この凹溝11にイオン性液体12を充填し、凹溝11の底部に配置された移動側電極2bに電気的に接続する。このイオン性液体12には導電端子10の下端を浸漬させ、固定側電極9と移動側電極2bとを、導電端子10およびイオン性液体12により電気的に接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、相対移動可能な一対の部材を電気的に接続する導電構造、この導電構造を備えたアクチュエータ、可変抵抗器、回動部材、回動式コネクタ、電動機、コントローラ、回転情報検出装置、ストローク検出装置、および導電構造を構成する導電端子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば光通信用可変利得等化器などに用いられる小型のリニアアクチュエータにおいては、複数の移動子をベースフレームに対して相対移動させるようになっている(例えば特許文献1参照)。具体的には、移動子の下方に配置された搬送子に所定の電圧を印可することにより、移動子を搬送子に静電吸着させ、この状態で圧電素子を伸縮させることにより、搬送子とともに移動子を移動させることができる。その際、特定の移動子に搬送子と同じ電圧を印可することにより、その特定の移動子が搬送子とともに移動するのを規制するようになっている。
このため、各移動子には電極(以下、移動側電極という。)が形成され、この移動側電極とベースフレーム側に形成された電極(以下、固定側電極という。)とが電気的に接続されている。移動側電極と固定側電極とを接続するための導電構造は、小型のアクチュエータにおいては、通常、導電性を有する板バネが用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−244979号公報(図6〜図9)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような導電構造にあっては、相対的に移動するベースフレームと移動子とが板バネにより接続されているため、移動子の移動量が増大するのに伴って板バネの付勢力が増大することから、移動子の移動が板バネの付勢力によって拘束されるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、相対的に移動する一対の部材を、その相対移動の拘束が少ない状態で電気的に接続することができる導電構造、この導電構造を備えたアクチュエータ、可変抵抗器、回動部材、回動式コネクタ、電動機、コントローラ、回転情報検出装置、ストローク検出装置、および導電端子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するための本発明の導電構造は、第1の部材側に配置された第1の電極と、前記第1の部材に対して相対移動可能な第2の部材側に配置された第2の電極と、を電気的に接続する導電構造であって、前記第1の電極に電気的に接続されているとともに、前記第1の部材に設けられた収容部内に収容されている導電性流体と、前記第2の電極に電気的に接続されているとともに、前記相対移動を許容するように前記導電性流体に接触させている導電性の導電端子と、を備えているものである。
この導電構造によれば、第1の部材および第2の部材が相対移動する際に、導電端子を導電性流体に接触させた状態で、両部材の相対移動を許容するようにしたので、両部材の相対移動をほとんど拘束することなく、両部材の電極を電気的に接続することができる。
【0007】
また、前記導電性流体が導電性の液体であることが好ましい。これによれば、導電性の気体を用いる場合と比べると、液体を密封する必要がないので、簡単な構成で両部材の電極を電気的に接続することができる。
また、前記収容部は開口を有しており、当該開口は、前記液体が当該液体の自重により当該開口から表面張力によって落下しない程度に小さく形成されていることが好ましい。これによれば、一方の部材の配置を、収容部の開口が下方へ向くように変更しても、液体が落下するのを防止することができる。
また、前記導電端子は、前記開口から前記液体に浸漬されて当該液体に接触していることが好ましい。これによれば、さらに簡単な構成で両部材の電極を電気的に接続することができる。
【0008】
また、前記導電端子が、前記開口に対して、当該開口の表面方向に沿って相対移動可能であることが好ましい。これによれば、導電端子を開口の表面方向に沿って相対移動させるように、第1の部材および第2の部材が相対移動する際に、両部材の相対移動をほとんど拘束することなく、両部材の電極を電気的に接続することができる。
また、前記導電端子が、前記開口に対して、当該開口から前記収容部の深さ方向に相対移動可能であることが好ましい。これによれば、導電端子を開口から収容部の深さ方向に相対移動させるように、第1の部材および第2の部材が相対移動する際に、両部材の相対移動をほとんど拘束することなく、両部材の電極を電気的に接続することができる。
【0009】
また、前記導電端子が、前記収容部に対して、一次元方向に相対移動可能であることが好ましい。これによれば、導電端子を収容部に対して一次元方向に相対移動させるように、第1の部材および第2の部材が相対移動する際に、両部材の相対移動をほとんど拘束することなく、両部材の電極を電気的に接続することができる。
また、前記導電端子が、前記収容部に対して、二次元方向に相対移動可能であることが好ましい。これによれば、導電端子を収容部に対して二次元方向に相対移動させるように、第1の部材および第2の部材が相対移動する際に、両部材の相対移動をほとんど拘束することなく、両部材の電極を電気的に接続することができる。
また、前記導電端子が、前記収容部に対して、三次元方向に相対移動可能であることが好ましい。これによれば、導電端子を収容部に対して三次元方向に相対移動させるように、第1の部材および第2の部材が相対移動する際に、両部材の相対移動をほとんど拘束することなく、両部材の電極を電気的に接続することができる。
【0010】
また、前記導電端子がボンディングワイヤであることが好ましい。これによれば、簡単な構成で両部材の電極を電気的に接続することができる。
また、前記導電端子が、前記導電性流体に接触させる接触範囲の全体に形成された導電性の導電部を有することが好ましい。これによれば、第1の部材および第2の部材が相対移動する際に、導電端子の接触範囲が変動しても、両部材の電極を電気的に接続することができる。
また、前記導電端子が、前記導電性流体に接触させる接触範囲の一部に形成された導電性の導電部を有することが好ましい。これによれば、導電端子の接触範囲以外の部分が、誤って両部材の電極以外の他の電極と電気的に接続されるのを防止することができる。
【0011】
また、本発明のアクチュエータは、前記導電構造を備えたアクチュエータであって、前記第1の部材および前記第2の部材のうち、いずれか一方の部材が固定体であり、他方の部材が前記固定体に対して相対移動可能な移動子であり、前記固定体側に配置された電極と、前記移動子側に配置された電極とを、前記導電端子および前記導電性流体により電気的に接続するものである。
このように構成されたアクチュエータによれば、固定体側の電極と、固定体に対して相対移動可能な移動子側の電極とを、導電性流体と導電端子とにより電気的に接続するようにしたので、固定体に対して移動子が相対移動する際に、その移動範囲内において導電端子を導電性流体に接触させた状態で導電端子または導電性流体を移動させることができる。したがって、移動子の移動をほとんど拘束することなく、固定体側の電極と移動子側の電極とを電気的に接続することができる。
【0012】
また、本発明の可変抵抗器は、前記導電構造を備えた可変抵抗器であって、前記第1の部材および前記第2の部材のうち、いずれか一方の部材が固定体であり、他方の部材が前記固定体に対して相対移動可能な移動体であり、前記第1の部材側に配置された複数の電極と、前記第2の部材側に配置された電極とを、前記導電端子および前記導電性流体により電気的に接続するものである。
このように構成された可変抵抗器によれば、固定体側および移動体側のいずれか一方の複数の電極に電気的に接続された導電性流体に、他方の電極に電気的に接続された導電端子を接触させるようにしたので、前記一方の電極間に電圧を印可させた状態で移動体または固定体を移動させることにより、導電端子の物理的な移動位置に応じた抵抗値を得ることができる。
【0013】
また、本発明の回動部材は、前記導電構造を備えた回動部材であって、前記第1の部材および前記第2の部材のうち、いずれか一方の部材が固定体であり、他方の部材が前記固定体に回動可能に取り付けられた回動体であり、前記固定体側に配置された電極と、前記回動体側に配置された電極とを、前記導電端子および前記導電性流体により電気的に接続するものである。
このように構成された回動部材によれば、固定体側の電極と回動体側の電極とを、導電性流体と導電端子とにより電気的に接続するようにしたので、固定体に対して回動体が回動する際に、その回動範囲内において導電端子を導電性流体に接触させた状態で導電端子または導電性流体を回動させることができる。したがって、回動体の回動をほとんど拘束することなく、固定体側の電極と回動体側の電極とを電気的に接続することができる。
【0014】
また、本発明の回動式コネクタは、前記回動部材を備えているものである。
このように構成された回動式コネクタによれば、固定体側の電極と回動体側の電極とを、導電性流体と導電端子とにより電気的に接続するようにしたので、固定体に対して回動体が回動する際に、その回動範囲内において導電端子を導電性流体に接触させた状態で導電端子または導電性流体を回動させることができる。したがって、回動体の回動をほとんど拘束することなく、固定体側の電極と回動体側の電極とを電気的に接続することができる。
【0015】
また、本発明の電動機は、前記導電構造を備えた電動機であって、前記第1の部材および前記第2の部材のうち、いずれか一方の部材がステータを有するハウジングであり、他方の部材が前記ハウジングに対して回転可能であってかつロータを有する回転軸であり、前記ハウジング側に配置された電極と、前記回転軸側に配置された電極とを、前記導電端子および前記導電性流体により電気的に接続するものである。
このように構成された電動機によれば、ハウジング側の電極と回転軸側の電極とを、導電性流体と導電端子とにより電気的に接続するようにしたので、ハウジングに対して回転軸が回転する際に、導電端子を導電性流体に接触させた状態で導電端子または導電性流体を回転させることができる。したがって、回転軸の回転をほとんど拘束することなく、ハウジング側の電極と回転軸側の電極とを電気的に接続することができる。
【0016】
また、本発明のコントローラは、前記導電構造を備えたコントローラであって、前記第1の部材および前記第2の部材のうち、いずれか一方の部材が筐体であり、他方の部材が前記筐体に対して移動操作可能な操作体であり、前記筐体側に配置された電極と、前記操作体側に配置された電極とを、前記導電端子および前記導電性流体により電気的に接続するものである。
このように構成されたコントローラによれば、筐体側の電極と操作体側の電極とを、導電性流体と導電端子とにより電気的に接続するようにしたので、筐体に対して操作体が移動操作する際に、導電端子を導電性流体に接触させた状態で導電端子または導電性流体を移動させることができる。したがって、操作体の移動操作をほとんど拘束することなく、筐体側の電極と操作体側の電極とを電気的に接続することができる。
【0017】
また、本発明の回転情報検出装置は、前記導電構造を備えた回転情報検出装置であって、前記第1の部材および前記第2の部材のうち、いずれか一方の部材が固定体であり、他方の部材が前記固定体に対して回転可能な回転体であり、前記第1の部材側に配置された複数の電極と、前記第2の部材側に配置された電極とを、前記導電端子および前記導電性流体により電気的に接続するものである。
このように構成された回転情報検出装置によれば、固定体側の複数の電極に電気的に接続された導電性流体に、導電端子を接触させるようにしたので、前記固定体側の電極間に電圧を印可させた状態で回転体を回転させることにより、導電端子の物理的な回転位置に応じた抵抗値を得ることができ、この抵抗値から回転体の回転情報を検出することができる。
【0018】
また、本発明のストローク検出装置は、前記導電構造を備えたストローク検出装置であって、前記第1の部材および前記第2の部材のうち、いずれか一方の部材が固定体であり、他方の部材が前記固定体に対して往復動可能な往復動体であり、前記第1の部材側に配置された複数の電極と、前記第2の部材側に配置された電極とを、前記導電端子および前記導電性流体により電気的に接続するものである。
このように構成されたストローク検出装置によれば、固定体側の複数の電極に電気的に接続された導電性流体に、往復動体側の電極に電気的に接側された導電端子を接触させるようにしたので、前記固定体側の電極間に電圧を印可させた状態で往復動体を往復動させることにより、導電端子の物理的な往復動位置に応じた抵抗値を得ることができ、この抵抗値から往復動体のストローク量を検出することができる。
【0019】
また、前記導電構造の製造方法は、一端を第1の電極に電気的に接続させるとともに、他端を前記第1の部材に対して相対移動可能な第2の電極に電気的に接続された導電性流体に接触させる導電端子の製造方法であって、ダミー電極を配置し、前記第1の電極と前記ダミー電極とをボンディングワイヤにより接続し、前記ボンディングワイヤを前記第1の電極と前記ダミー電極との中間部で切断し、前記ダミー電極および当該ダミー電極に接続されているボンディングワイヤを取り除くものである。この製造方法によれば、特殊な製造機器を使用する必要がないため、導電端子を容易に製造することができる。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、第1の部材および第2の部材が相対移動する際に、導電端子を導電性流体に接触させた状態で、両部材の相対移動を許容するようにしたので、両部材の相対移動をほとんど拘束することなく、両部材の電極を電気的に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る導電構造を備えたアクチュエータを示す斜視図である。
【図2】上記アクチュエータの移動子を示す側断面図である。
【図3】上記移動子に充填されるイオン性液体の表面張力を示す移動子の断面図である。
【図4】上記アクチュエータの移動子を正方向に移動させる場合の動作説明図である。
【図5】上記アクチュエータの移動子を負方向に移動させる場合の動作説明図である。
【図6】上記導電構造の導電端子の製造方法を示す斜視図である。
【図7】(a)は本発明の第2の実施形態に係る可変抵抗器の斜視図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)の可変抵抗器の回路図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る可変抵抗器の分解斜視図である。
【図9】本発明の第4の実施形態に係る可変抵抗器の斜視図である。
【図10】上記可変抵抗器における固定側電極から導電端子までの水平距離と抵抗値との関係を示すグラフである。
【図11】(a)は本発明の第5の実施形態に係る回動式コネクタの斜視図、(b)は(a)の回動式コネクタにおける回動部材の固定体を示す斜視図である。
【図12】(a)は本発明の第6の実施形態に係る電動機の側断面図、(b)は(a)の(a)のB−B断面図、(c)は(a)の要部拡大図である。
【図13】本発明の第7の実施形態に係るコントローラの斜視図である。
【図14】本発明の第8の実施形態に係る回転情報検出装置の斜視図である。
【図15】本発明の第9の実施形態に係るストローク検出装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る導電構造を備えたアクチュエータの斜視図である。図において、このアクチュエータ1は、光通信用可変利得等化器に用いられる小型のリニアアクチュエータであり、アレイ状に並設された複数の第1の部材である移動子2と、これら移動子2の下方に対向配置されて移動子2を搬送する搬送子3と、これら移動子2の下方に対向配置された固定子4と、矢符A方向に沿う伸縮動作によって搬送子3を変位させるPZT(ジルコン酸チタン酸鉛セラミック)等からなる積層型圧電素子5と、固定子4、搬送子3および積層型圧電素子5を載置するベースフレーム6と、移動子2の上方に配置されている第2の部材である固定体としての基板7と、この基板7側の電極と各移動子2側の電極とを電気的に接続するための導電構造8とを備えており、半導体製造技術を用いて小型で精密に製作される。
【0023】
積層型圧電素子5は、一端がベースフレーム6に固定されているとともに、他端が搬送子3に連結されており、矢符A方向に伸縮動作を行うものである。搬送子3は、移動子2に対向する上面に、該移動子2を静電引力によって吸着するための吸着用電極3aを有しており、この吸着用電極3aに移動子2を吸着して積層型圧電素子5の変位に応じて矢符A方向に移動子2を搬送するものである。固定子4は、移動子2に対向する上面に、該移動子2を静電引力によって吸着して保持する吸着用電極4aを有しており、ベースフレーム6上に固定されている。
【0024】
図2は、移動子2の側断面図である。各移動子2は、下面に絶縁層2aが形成されるとともに、絶縁層2aの上に第1の電極である移動側電極2bが配置されている。この移動側電極2bの上面は、後述する凹溝11の底面を構成している。
また、移動子2の外側面はパリレンコーディングが行われ、図示しない絶縁層が形成されており、隣接する移動子2は電気的に絶縁されている。これにより、各移動子2は、個別に矢符A方向に移動させることができる。
【0025】
次に、導電構造8について、詳しく説明する。図1において、基板7上には、移動子2と同一数の第2の電極である固定側電極9が配置されており、各固定側電極9には、ピン形状の導電端子10の上端部が接続されている。この導電端子10の下端部は、後述するイオン性液体12に浸漬させてイオン性液体12に接触させている。導電端子10は、その浸漬範囲(接触範囲)の全体に導電性の導電部10aが形成されている。
【0026】
図2において、各移動子2の上面には、移動子2の長手方向(矢符A方向)に延びる収容部である凹溝11が形成されている。この凹溝11には、その上部に形成された開口11aから導電性流体であるイミダゾリウム塩系のイオン性液体12が充填(特許請求の範囲における「収容」に相当する。以下、各実施形態において同じ。)されており、このイオン性液体12およびこのイオン性液体12に開口11aから浸漬されてる導電端子10(導電部10a)を介して、基板7側の固定側電極9と移動子2側の移動側電極2bとが電気的に接続されている。本発明の導電構造8は、上記導電端子10とイオン性液体12とによって構成されている。
【0027】
凹溝11は、横幅が2mm、長さが15mm、深さが0.2mmであって、DRIE(深堀り反応性イオンエッチング)により形成されている。また、凹溝11の開口11aの長手方向の長さは、導電端子10が開口11aの表面方向(矢符A方向)に移動する移動全長より若干長く形成されている。これにより、導電端子10は、移動子2の矢符A方向の移動を許容するように、イオン性液体12に浸漬されている。
【0028】
凹溝11の開口11aの大きさは、図3に示すように、アクチュエータ1を上下逆さまに配置して凹溝11の開口11aを下方へ向けた場合に、イオン性液体12がその自重により開口11aから表面張力によって落下しない程度に小さく形成されている。しがたって、イオン性液体12としては、上記表面張力を有するとともに移動子2の移動を阻害しない程度の粘性であって、かつ高導電性および不揮発性のものが望ましい。本実施の形態では、EMImTFSI(1−メチル−3−エチルイミダゾリウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド)が使用されている。
ここで、開口11aの幅をW(m)、開口11aの長さをL(m,図2参照)、毛細管現象によりイオン性液体12が凹溝11内を上昇している高さをH(m)、接触角をθ(m)、接触角をθ、イオン性液体12の密度をρは(kg/m3)、および、重力加速度をg(m/s2 )とすると、表面張力γ(N/m)は、
γ=LWH/2(L+W)×ρg/cosθ
で表される。この式から、本実施形態のイオン性液体12であるEMImTFSIの表面張力は、約0.057(N/m)となる。
【0029】
本実施形態のアクチュエータ1は、制御信号によって積層型圧電素子5の伸縮動作が制御されるものである。以下、その具体的な制御について、図4および図5を参照しながら説明する。
図4において、移動子2を正方向(図4(b)の矢印A1方向)に移動させる場合には、まず、図4(a)に示すように、搬送子3に所定の電圧を印加し、矢印Bの如く移動子2を静電引力により搬送子3に吸着させる。その際、固定子4は、移動子2を吸着しないように0電位とされ、移動子2も0電位とされる。この状態から、積層型圧電素子5を矢印D1方向へ伸長動作させると、図4(b)に示すように、移動子2は、正方向へ変位する搬送子3に吸着保持されながら、正方向へ移動する。その際、移動子2の凹溝11も正方向へ移動するが、凹溝11はその移動方向(図1の矢符A1方向)に伸びるように形成されているため、この凹溝内のイオン性液体12に浸漬されている導電端子10が凹溝11の壁面と干渉することはない。
【0030】
積層型圧電素子5の伸長動作が終了すると、移動子2が元の位置へ戻らないように、図4(c)に示すように、搬送子3に対する電圧の印加を止めて移動子2の吸着を解除するとともに、固定子4に所定の電圧を印加し、矢印Cの如く移動子2を静電引力により固定子4に吸着させる。この状態から、積層型圧電素子5を縮小動作させると、図4(d)に示すように、搬送子3のみが矢印D2方向へ変位する。
以上の動作を繰り返すことによって、積層型圧電素子5を伸長動作する度に、移動子2が正方向に順次移動することになる。このようにして、積層型圧電素子5によって高い精度で移動子2を変位させることができるとともに、繰り返し動作によって十分な移動距離を確保できる。
【0031】
図5において、移動子2を負方向(図5(b)の矢印A2方向)に移動させる場合には、まず、図5(a)に示すように、搬送子3に所定の電圧を印加し、矢印Bの如く移動子2を静電引力により搬送子3に吸着させる。その際、固定子4は、移動子2を吸着しないように0電位とされ、移動子2も0電位とされる。この状態から、積層型圧電素子5を矢印D2方向へ収縮動作させると、図5(b)に示すように、移動子2は、負方向へ変位する搬送子3に吸着保持されながら負方向へ移動する。
【0032】
積層型圧電素子5の収縮動作が終了すると、移動子2が元の位置へ戻らないように、図5(c)に示すように、搬送子3に対する電圧の印加を止めて移動子2の吸着を解除するとともに、固定子4に所定の電圧を印加し、矢印Cの如く移動子2を静電引力により固定子4に吸着させる。この状態から、積層型圧電素子5を伸長動作させると、図5(d)に示すように、搬送子3のみが矢印D1方向へ変位する。
以上の動作を繰り返すことによって、積層型圧電素子5を収縮動作する度に、移動子2が負方向に順次移動することになる。
【0033】
上記のように、移動子2の電位を0にしておくことによって、正方向または負方向に移動子2を移動させることができるのであるが、この実施の形態では、上述の図1に示されるように、搬送子3、固定子4および積層型圧電素子5は、一つであるのに対して、移動子2は、複数備えられており、これら複数の移動子2のうち、固定位置に保持しておきたい移動子2に対しては、その移動子2に電圧を印加する。すなわち、搬送子3により移動子2を正方向または負方向に移動させる動作を行う際に、搬送子3に印加される電圧と同じ電圧を、移動子2に印加する。具体的には、基板7上の固定側電極9から導電端子10およびイオン性液体12を介して移動側電極2bに電圧が印加される。これにより、移動子2は、搬送子3に吸着されず、固定位置の固定子4に吸着保持される。
このように、搬送子3、固定子4および移動子2に印加する電圧を制御することによって、複数の移動子2のうち、所望の移動子2のみを正方向あるいは負方向に個別に移動させることができる。
【0034】
図6は、導電端子10の製造方法を示す斜視図である。以下、その製造方法について具体的に説明する。
図6において、導電端子10は、半導体装置の製造工程において使用されるワイヤボンディング装置(図示せず)を使用して製造される。具体的には、上面に段差が形成された基板7の下段7aにダミー電極13を配置し、このダミー電極13および上段7bに取り付けた固定側電極9に、ワイヤボンディング装置によりボンディングワイヤ14を接続する(図6(a)参照)。次に、図示しないレーザーにより、ボンディングワイヤ14を、固定側電極9とダミー電極13との中間位置で切断する(図6(b)参照)。ボンディングワイヤ14の切断後は、基板7を、下段7aと上段7bとに分割するように水平方向に切断し、ダミー電極13側の下段7aを取り除く(図6(c)参照)。これにより、固定側電極9側に接続されているボンディングワイヤ14を導電端子10として使用することができる。
【0035】
以上の構成により、第1の実施形態に係る導電構造8を備えたアクチュエータ1によれば、基板7側の固定側電極9と、基板7に対して相対移動可能な移動子2側の移動側電極2bとを、導電性流体のイオン性液体12と導電端子10とにより電気的に接続するようにしたので、導電端子10をイオン性液体12に浸漬させた状態で、移動子2を基板7に対して移動させることができる。したがって、移動子2の移動をほとんど拘束することなく、基板7側の固定側電極9と移動子2側の移動側電極2bとを電気的に接続することができる。
【0036】
また、導電性流体として、導電性の液体(イオン性液体12)を用いているため、導電性の気体を用いる場合と比べると、液体を充填する収容部を密封する必要がないので、簡単な構成で固定側電極9と移動側電極2bとを電気的に接続することができる。
さらに、凹溝11の開口11aは、イオン性液体12がその自重により開口11aから表面張力によって落下しない程度に小さく形成されているため、アクチュエータ1の配置を、上記開口11aが下方へ向くように配置しても、イオン性液体12が開口11aから落下するのを防止することができる。
また、導電端子10を、凹溝11に形成された開口11aからイオン性液体12に浸漬させるようにしたので、さらに簡単な構成で固定側電極9と移動側電極2bとを電気的に接続することができる。
【0037】
また、導電端子10には、イオン性液体12に浸漬される浸漬範囲全体に導電性の導電部10aが形成されているため、基板7に対して移動子2が移動する際に、導電端子10の浸漬範囲が変動しても、固定側電極9と移動側電極2bとを電気的に接続することができる。
また、導電端子10としてボンディングワイヤ14を使用しているため、簡単な構成で固定側電極9と移動側電極2bとを電気的に接続することができる。
また、導電端子10の製造方法によれば、固定側電極9とダミー電極13とをボンディングワイヤ14により接続し、このボンディングワイヤ14を固定側電極9とダミー電極13との中間部で切断し、ダミー電極13側を取り除くようにしたので、特殊な製造機器を使用する必要がないことから、導電端子10を容易に製造することができる。
【0038】
なお、本実施の形態では、第1の部材を移動子2、第2の部材を基板7として説明したが、第1の部材を基板、第2の部材を移動子とし、基板側にイオン性液体を充填し、移動子側に導電端子の一端を接続し、導電端子の他端をイオン性液体に浸漬させるようにしてもよい。この場合、第1の電極は固定側電極、第2の電極は移動側電極となる。
また、導電端子10をワイヤボンディング装置により製造する際に、ダミー電極13を基板7上に取り付けているが、各移動子2の凹溝11の底部にダミー電極を取り付け、このダミー電極と基板7上の固定側電極9とをワイヤボンディング装置により接合した後、ボンディングワイヤを凹溝11の底部に近い位置で切断するようにしてもよい。この場合、固定側電極9側に接合されているボンディングワイヤ(導電端子)の切断部(下端部)は、凹溝内に配置されているため、導電端子の下端部を凹溝内に位置合わせを行う作業が不要になる。
さらに、導電端子10の製造時に用いられるダミー電極13を、各移動子2側に配置される移動側電極として用いることも可能である。
また、本実施の形態では、導電端子10としてボンディングワイヤ14を用いているが、その他の導電性部材を用いることも可能である。
【0039】
[第2の実施形態]
図7(a)は、本発明の第2の実施形態に係る可変抵抗器の斜視図であり、図7(b)は、図7(a)のA−A断面図、 図7(c)は、可変抵抗器の回路図である。
図7(a)において、本実施形態の可変抵抗器15は、リニアポテンショメータとして使用されるものであって、第1の部材である固定体16に対して第2の部材である移動体17が矢符E方向(一次元方向)に直線的に移動するものである。可変抵抗器15は、固定体16側に配置された一対の第1の電極である固定側電極18と、移動体17側に配置された第2の電極である移動側電極19と、固定側電極18と移動側電極19とを電気的に接続するための導電構造20とを備えている。
【0040】
以下、この導電構造20について詳しく説明する。固定体16の上面には、移動体17の移動方向(矢符E方向)に延びる収容部である凹溝21が形成されている。この凹溝21の上部には開口21aが形成され、凹溝21の長手方向の両側には、それぞれ上記固定側電極18が配置されている。
図7(b)に示すように、固定側電極18は、凹溝21の長手方向の両側面、およびその両側面に隣接する固定体16の上面を沿うようにL字型に形成されている。各固定側電極18はそれぞれ接続端子22を有し、一方の接続端子22は接地されており、他方の接続端子22は電源(図示せず)に接続されて電圧が印加されるようになっている。
また、凹溝21には、その開口21aから導電性流体であるイミダゾリウム塩系のイオン性液体23(EMImTFSI)が充填されている。このイオン性液体23は、一対の固定側電極18に配置される抵抗体としての役目を果たすようになっている(図7(c)参照)。
【0041】
移動体17に配置されている移動側電極19は、外部回路(図示せず)に接続される出力用の電極として使用されている。移動側電極19には、ピン形状の導電端子24の上端部が接続されている。この導電端子24の下端部は、固定体16側の凹溝21の開口21aからイオン性液体23に浸漬させてイオン性液体23に接触させている。図7(b)に示すように、導電端子24の下端には導電性の導電部24aが形成されており、この導電部24aによって固定側電極18と移動側電極19とが電気的に接続されている。導電部24aは、導電端子24がイオン性液体23に浸漬されている鉛直方向の浸漬範囲(接触範囲)の一部に形成されており、導電端子24の導電部24aを除く部分は、パリレンコーディングにより絶縁層24bが形成されている。絶縁層24bの表面には、イオン性液体23を弾くようにフッ素素材等による撥液加工(図示せず)が施されている。本実施形態の導電構造20は、導電端子24とイオン性液体23とにより構成されている。
【0042】
なお、凹溝21の開口21aの長手方向の長さは、導電端子24が開口21aの表面方向(矢符E方向)に移動する移動全長より若干長く形成されている。これにより、導電端子24は、移動体17の矢符E方向の移動を許容するように、イオン性液体23に浸漬されている。また、導電端子24は、イオン性液体23に浸漬された状態で、凹溝21の一対の固定側電極18間において、移動体17とともに直線的に移動可能となっている。
したがって、固定体16側の接続端子22に電圧を印加した状態で、移動体17を矢符E方向に直線的に移動させると、イオン性液体23(抵抗体)に浸漬(接触)しながら移動する導電端子24の導電部24aの物理的な位置に応じた抵抗値が得られ、この抵抗値から移動体17の移動位置を検出することができる。
【0043】
以上の構成により、第2の実施形態に係る可変抵抗器15によれば、イオン性液体23を抵抗体とする可変抵抗器15(リニアポテンショメータ)として、導電端子24の物理的な位置に応じた抵抗値を得ることができるとともに、その抵抗値から直線的に移動する移動体17の移動位置を検出することができる。
また、導電端子24は、イオン性液体23の浸漬範囲の一部(下端)のみに導電部24aを形成しているため、導電端子24の浸漬範囲以外の部分が、誤って上記固定側電極18および移動側電極19以外の他の電極と電気的に接続されるのを防止することができる。
さらに、導電端子24には、導電部24aを除く部分に絶縁層24bが形成されているともに、絶縁層24bの表面に撥液加工が施されているため、導電端子24をイオン性液体23に浸漬させた状態で継続使用することにより、イオン性液体23が毛細管現象等により導電端子24を伝って凹溝21から外部へ出ていくのを防止することができる。特に、イオン性液体23が導電端子24の上方に配置される場合には、毛細管現象以外にイオン性液体23の自重も作用するため、凹溝21から出て行くのを効果的に防止することができる。
【0044】
なお、本実施の形態では、第1の部材を固定体16、第2の部材を移動体17として説明したが、第1の部材を移動体、第2の部材を固定体とし、移動体側に一対の移動側電極とイオン性液体を充填する凹溝を設け、固定体側に1個の固定側電極と導電端子を設け、この導電端子をイオン性液体に浸漬させるようにしてもよい。この場合、第1の電極は上記一対の移動側電極、第2の電極は固定体側の上記1個固定側電極となる。
さらに、本実施の形態では、移動体17の移動方向は、導電端子24の浸漬範囲が変動しない方向(図7(b)のE方向)であるが、導電端子24の浸漬範囲が変動する方向へ移動させるようにしてもよい。この場合は、後述する第4の実施形態のように、導電端子の浸漬範囲の全体に導電部を形成し、この浸漬範囲の変動に応じた抵抗値を得ることができる。
【0045】
[第3の実施形態]
図8は、本発明の第3の実施形態に係る可変抵抗器の分解斜視図である。
図において、本実施形態の可変抵抗器25は、ロータリポテンショメータとして使用されものであって、第1の部材である固定体26に対して矢符F方向(二次元方向)に円弧移動する第2の部材である移動体27の回転角度を検出するものである。可変抵抗器25は、固定体26側に配置された一対の第1の電極である固定側電極28と、移動体27側に配置された第2の電極である移動側電極29と、固定側電極28と移動側電極29とを電気的に接続するための導電構造30とを備えている。
【0046】
以下、この導電構造30について詳しく説明する。固定体26の上面には、移動体27の回転方向(矢符F方向)に沿って収容部である凹溝31が円弧状に形成されており、この凹溝31の上部には開口31aが形成され、凹溝31の円弧方向の両側には、それぞれ上記固定側電極28が配置されている。
固定側電極28は、凹溝31の円弧方向の両端部およびにこれに隣接する固定体26の上面を沿うように形成されている。各固定側電極28はそれぞれ接続端子32を有し、一方の接続端子32は接地されており、他方の接続端子32は電源(図示せず)に接続されて電圧が印加されるようになっている。
また、凹溝31には、その開口31aから導電性流体であるイミダゾリウム塩系のイオン性液体33(EMImTFSI)が充填されている。このイオン性液体33、一対の固定側電極28に配置される抵抗体としての役目を果たすようになっている。
【0047】
移動体27は、固定体26の回転軸26aに回転可能に取り付けられるものであって、回転操作用の摘み部27aと、この摘み部27aの下面に取り付けられた鍔部27bとを有している。鍔部27bの下面には、上記移動側電極29が配置されており、この移動側電極29は、外部回路(図示せず)に接続される出力用の電極として使用されている。移動側電極29には、ピン形状の導電端子34の上端部が接続されている。
【0048】
導電端子34の下端部は、図8の二点鎖線で示すように、移動体27を固定体26に取り付けた状態で、固定体26側の凹溝31の開口31aからイオン性液体33に浸漬させてイオン性液体33に接触させている。導電端子34の下端には導電性の導電部34aが形成されており、この導電部34aによって固定側電極28と移動側電極29とが電気的に接続されている。導電部34aは、導電端子34がイオン性液体33に浸漬されている鉛直方向の浸漬範囲(接触範囲)の一部に形成されており、導電端子34の導電部34aを除く部分は、パリレンコーディングにより絶縁層34bが形成されている。絶縁層34bの表面には、イオン性液体33を弾くようにフッ素素材等による撥液加工(図示せず)が施されている。本実施形態の導電構造30は、イオン性液体33と導電端子34とにより構成されている。
【0049】
なお、凹溝31の開口31aの長手方向の長さは、導電端子34が開口31aの表面方向(矢符F方向)に移動する移動全長より若干長く形成されている。これにより、導電端子34は、移動体27の矢符F方向の移動を許容するように、イオン性液体33に浸漬されている。また、導電端子34は、イオン性液体33に浸漬された状態で、凹溝31の一対の固定側電極28間において、移動体27とともに回転移動可能となっている。
したがって、固定体26側の接続端子32に電圧を印加した状態で、移動体27を矢符F方向に回転させると、イオン性液体33(抵抗体)に浸漬(接触)しながら回転する導電端子34の導電部34aの物理的な位置に応じた抵抗値が得られ、この抵抗値から移動体27の回転角度を検出することができる。
【0050】
以上の構成により、第3の実施形態に係る可変抵抗器25によれば、イオン性液体34を抵抗体とする可変抵抗器25(ロータリポテンショメータ)として、導電端子34の物理的な位置に応じた抵抗値を得ることができるとともに、その抵抗値から円弧移動する移動体27の回転角度を検出することができる。
また、導電端子34は、イオン性液体33の浸漬範囲の一部(下端)のみに導電部34aを形成しているため、導電端子34の浸漬範囲以外の部分が、誤って上記固定側電極28および移動側電極29以外の他の電極と電気的に接続されるのを防止することができる。
さらに、導電端子34には、導電部34aを除く部分に絶縁層34bが形成されているともに、絶縁層34bの表面に撥液加工が施されているため、導電端子34をイオン性液体33に浸漬させた状態で継続使用することにより、イオン性液体33が毛細管現象等により導電端子34を伝って凹溝31から外部へ出ていくのを防止することができる。特に、イオン性液体33が導電端子34の上方に配置される場合には、毛細管現象以外にイオン性液体33の自重も作用するため、凹溝31から出て行くのを効果的に防止することができる。
【0051】
なお、本実施の形態では、第1の部材を固定体26、第2の部材を移動体27として説明したが、第1の部材を移動体、第2の部材を固定体とし、移動体側に一対の移動側電極とイオン性液体を充填する凹溝を設け、固定体側に1個の固定側電極と導電端子を設け、この導電端子をイオン性液体に浸漬させるようにしてもよい。この場合、第1の電極は上記一対の移動側電極、第2の電極は上記1個の固定側電極となる。
【0052】
[第4の実施形態]
図9は、本発明の第4の実施形態に係る可変抵抗器の斜視図である。図9において、本実施形態の可変抵抗器35は、三次元位置検出器として使用されものであって、第1の部材である固定体36に対して矢符X,YおよびZ方向(三次元方向)にそれぞれ移動可能な第2の部材である移動体37の移動位置を検出するものである。可変抵抗器35は、固定体36側に配置された第1の電極である4個の固定側電極38a〜38dと、移動体37側に配置された第2の電極である1個の移動側電極39と、固定側電極38a〜38dと移動側電極39とを電気的に接続するための導電構造40とを備えている。
【0053】
以下、この導電構造40について詳しく説明する。固定体36の上面には、平面視で四角形状の収容部である凹溝41が形成されており、この凹溝41の上部には開口41aが形成されている。
また、固定体36の上面の四隅の角部には、それぞれ上記固定側電極38a〜38dが配置されている。各固定側電極38a〜38dの矢符Z方向の長さは、凹溝41の深さと同一長さに設定されており、各固定側電極38a〜38dの内側の角部は、凹溝41の内側へ向かって突出している。各固定側電極38a〜38dはそれぞれ接続端子42a〜42dを有し、これら4つの接続端子42a〜42dのうち、一つの接続端子42aは接地されており、その他の接続端子42b〜42dは電源(図示せず)に接続されて電圧が印加されるようになっている。
また、凹溝41には、その開口41aから導電性流体であるイミダゾリウム塩系のイオン性液体43(EMImTFSI)が充填されている。このイオン性液体43は、各固定側電極38a〜38d間に配置される抵抗体としての役目を果たすようになっている。
【0054】
移動体37に配置されている移動側電極39は、外部回路(図示せず)に接続される出力用の電極として使用されている。移動側電極39には、ピン形状の導電端子44の上端が接続されている。導電端子44の下端部は、固定体36側の凹溝41の開口41aからイオン性液体43に浸漬させてイオン性液体43に接触させており、その鉛直方向の浸漬範囲(接触範囲)全体に導電性の導電部44aが形成されている。この導電部44aを介して固定側電極38a〜38dと移動側電極39とが電気的に接続されている。本実施形態の導電構造40は、導電端子44とイオン性液体43とにより構成されている。
【0055】
なお、凹溝41の開口41aの矢符XおよびY方向の長さは、導電端子44が開口41aの表面方向(矢符XおよびY方向)に移動する移動全長より若干長く形成されている。また、凹溝41の深さ(矢符Z方向の長さ)は、導電端子44がイオン性液体43の表面から凹溝41の深さ方向に移動する移動全長より若干長く形成されている。これにより、導電端子44は、移動体37の矢符X,YおよびZ方向の移動を許容するように、イオン性液体43に浸漬されている。また、導電端子44は、イオン性液体43に浸漬された状態で、凹溝41の固定側電極38a〜38d間において、移動体37とともに三次元方向に移動可能となっている。
【0056】
したがって、固定体36側の接続端子42に電圧を印加した状態で、移動体37を矢符X,YおよびZ方向に移動させると、イオン性液体43(抵抗体)に浸漬(接触)しながら移動する導電端子44の導電部44aの物理的な三次元位置に応じた抵抗値が得られ、この抵抗値から移動体37の三次元位置を検出することができる。
また、移動体37が任意の方向に回動可能な場合には、図9に示すように、移動体37とともに回動する導電端子44の回動角度θに応じて、導電部44aの三次元位置も変化するため、この三次元位置に応じた抵抗値の変化により、上記回動角度θを検出することも可能である。
【0057】
移動体37が矢符Z方向に移動する場合は、イオン性液体43に浸漬されている導電部44aの浸漬範囲が変動することによって、抵抗値が変動するため、この抵抗値から矢符Z方向の移動位置を検出することができる。
図10は、固定側電極38aから導電端子44の導電部44aまでの水平距離と抵抗値との関係を示しているグラフである。導電部44aのイオン性液体43の浸漬範囲は、50μm〜200μmの間で変化させている。図10より、上記水平距離が長くなるのにしたがって抵抗値が増大しているのが分かる。また、水平距離が同じでも、浸漬範囲が長いほど抵抗値が減少しているのが分かる。この減少度合いは、水平距離が長くなるほど顕著になっている。
【0058】
以上の構成により、第4の実施形態に係る可変抵抗器35によれば、イオン性液体43を抵抗体とする可変抵抗器35(三次元位置検出器)として、導電端子44の物理的な位置に応じた抵抗値を得ることができるとともに、その抵抗値から移動体37の三次元位置および回動角度を検出することができる。その際、導電端子44には、イオン性液体43の浸漬範囲全体に導電部44aを形成しているため、導電部44aの浸漬範囲に応じた抵抗値を得ることができる。したがって、この抵抗値から、導電部44aの浸漬範囲が変動する方向に移動する移動体37の移動位置(矢符Z方向の移動位置)を検出することができる(導電部の浸漬範囲と抵抗値との関係は後述する図10を参照。)。
【0059】
なお、本実施の形態では、第1の部材を固定体36、第2の部材を移動体37として説明したが、第1の部材を移動体、第2の部材を固定体とし、移動体側に4個の移動側電極とイオン性液体を充填する凹溝を設け、固定体側に1個の固定側電極と導電端子を設け、この導電端子をイオン性液体に浸漬させるようにしてもよい。この場合、第1の電極は上記4個の移動側電極、第2の電極は上記1個の固定側電極となる。
また、本実施の形態では、導電端子44の導電部44aおよび各固定側電極38a〜38dを、いずれも導電端子44の浸漬範囲全体に亘って形成することにより、矢符Z方向の抵抗値が変動するようになっているが、導電部44aおよび各固定側電極38a〜38dを、いずれも導電端子44の浸漬範囲の一部のみに形成するようにしてもよい。この場合は、導電部44aの浸漬位置(矢符Z方向の位置)が変動することにより、導電部と、各固定側電極38a〜38dとの直線距離が変動することにより、矢符Z方向の抵抗値を変動させることができる。
さらに、本実施の形態では、1個の固定体36に対して1個の移動体37の三次元位置を検出しているが、1個の固定体のイオン性液体に、複数の移動体の導電端子を浸漬させ、各移動体の三次元位置を検出するようにしてもよい。
【0060】
[第5の実施形態]
図11(a)は、本発明の第5の実施形態に係る導電構造を備えた回動式コネクタの斜視図である。
図において、本実施形態の回動式コネクタ45は、接続ケーブル46と、回動自在な回動部材47と、内部に複数のピン48が突設された凹形状の嵌合部49とを備えた回動式の雄側コネクタである。なお、嵌合部49には、図示しないピン穴を有する雌側コネクタが嵌合されるようになっており、その際、ピン48がピン穴に差し込まれることにより、雄側コネクタと雌側コネクタとが電気的に接続される。
回動部材47は、接続ケーブル46が接続された第1の部材である固定体50と、この固定体51に回動可能に取り付けられた第2の部材である回動体51と、固定体50側に配置された複数の第1の電極である固定側電極52と、回動体51側に配置された複数の第2の電極である移動側電極53と、固定側電極52と移動側電極53とを電気的に接続するための導電構造54とを備えている。
【0061】
以下、上記導電構造54について詳しく説明する。図11(b)は、回動部材47の固定体50のみを示す斜視図である。図において、固定体50は円柱状に形成されており、その外周面には、周方向(矢符G方向)に延びる収容部である凹溝55が複数形成されている。各凹溝55の外周部には開口55aが形成され、図11(a)に示すように、各凹溝55の底面および周方向の両側面に沿って、上記固定側電極18が配置されている。
また、凹溝55には、その開口55aから導電性流体であるイミダゾリウム塩系のイオン性液体56(EMImTFSI)が充填されている。
【0062】
回動体51には断面円形の取付孔57が形成されており、この取付孔57に固定体50が差し込まれている。また、回動体51には上記嵌合部49が形成されており、嵌合部49の底部58には、ピン48の一端部に配置された上記移動側電極53が埋設されている。この移動側電極には導電端子59の一端が接続されており、この導電端子59の他端は、取付孔57の周面を貫通して、上記凹溝55内に突出し、凹溝55の開口55aからイオン性液体56に浸漬させてイオン性液体56に接触させている。導電端子59は、その浸漬範囲(接触範囲)全体に導電性の導電部59aが形成されている。
【0063】
なお、凹溝55の開口55aの周方向の長さは、導電端子59が開口55aの表面方向(矢符G方向)に回動する全回動長さより若干長く形成されている。これにより、導電端子59は、回動体51の矢符G方向の回動を許容するように、イオン性液体56に浸漬されている。また、導電端子59は、イオン性液体56に浸漬された状態で、回動体51とともに凹溝55に対して回動可能となっている。
したがって、固定体51に対して回動体51を回動させると、導電端子59がイオン性液体56に浸漬された状態で回動体51とともに回動するため、固定側電極52と移動側電極53とが、導電端子59(導電部59a)およびイオン性液体56を介して電気的に接続された状態が維持される。本実施形態の導電構造54は、このイオン性液体56と導電端子59とにより構成されている。
【0064】
以上の構成により、第5の実施形態に係る回動部材47および回動式コネクタ45によれば、固定体51側の固定側電極52と、回動体51側の移動側電極53とを導電性流体であるイオン性液体56と導電端子59とにより電気的に接続するようにしたので、導電端子59をイオン性液体56に浸漬させた状態で、固定体51に対して回動体51を回動させることができる。したがって、回動体51の回動をほとんど拘束することなく、固定体51側の固定側電極52と回動体51側の移動側電極53とを電気的に接続することができる。
【0065】
なお、本実施の形態では、第1の部材を固定体50、第2の部材を回動体51として説明したが、第1の部材を回動体、第2の部材を固定体とし、回動体側にイオン性液体を充填する凹溝を設け、固定体側に導電端子を設け、この導電端子をイオン性液体に浸漬させるようにしてもよい。この場合、第1の電極は移動側電極、第2の電極は固定側電極となる。
また、本実施の形態では、回動式コネクタ45を、雄側コネクタとしているが、雌側コネクタとすることも可能である。
さらに、本実施の形態では、回動部材47は、回動式コネクタ45の回動部分として用いられているが、その体の機器、例えば折り畳み式の携帯電話機において、その折り畳み回動部を上記回動部材47により構成するようにしてもよい。
【0066】
[第6の実施形態]
図12(a)は、本発明の第6の実施形態に係る電動機の側断面図であり、図12(b)は、図12(a)の要部拡大図であり、図12(c)は図12(a)の要部拡大図である。
図12(a)において、本実施形態の電動機60は、巻線型三相誘導電動機であって、第1の部材であるハウジング61に軸受62を介して回転可能に支持されている第2の部材である回転軸63に、巻線64aを有するロータ64を取り付け、このロータ64に対向するハウジング61の内面に、巻線65aを有するステータ65を取り付けたものである。
この電動機60は、図12(c)に示すように、ハウジング61側に配置された3個の第1の電極である固定側電極66と、回転軸63側に配置された3個の第2の電極である移動側電極67と、各固定側電極66と各移動側電極67とを電気的に接続するための導電構造68とを備えている。
【0067】
以下、この導電構造68について詳しく説明する。ハウジング61の図12(a)左側の側壁61aには、図12(b)に示すように、直径の異なる4個の環状部61bが、それぞれ内側に突出するように固定されている。隣接する一対の環状部61bと、これらの環状部61bに位置する側壁61aの内面とによって、収容部である3個の環状凹溝69が形成されている。各環状凹溝69には、図12(c)に示すように、開口69aが形成され、環状凹溝69の底面(側壁61aの内面)および環状部61bに沿って、断面コ字形状の上記固定側電極66が配置されている。各固定側電極66は、ハウジング61の側壁61aに貫通固定されたボルト70により、図示しない外部電源に接続される電源ケーブル71に接続されている。
また、各環状凹溝69には、その開口69aから導電性流体であるイミダゾリウム塩系のイオン性液体 72(EMImTFSI)が充填されている。環状凹溝69の開口69aの大きさは、イオン性液体72がその自重により開口69aから表面張力によって落下しない程度に小さく形成されている。
【0068】
図12(a)に示すように、回転軸63の左側の端部には、環状凹溝69に対向するように回転基板73が固定されており、この回転基板73には、図12(c)に示すように、上記各移動側電極67が、それぞれ径方向に配置されている。各移動側電極67は、回転軸63内に配置された配線ケーブル(図示せず)を介してロータ64に電気的に接続されている。
各移動側電極67には、導電性の導電端子74の一端が接続されており、各導電端子74の他端は、各環状凹溝69に充填されたイオン性液体72に開口69aから浸漬させてイオン性液体72に接触させている。導電端子74は、その浸漬範囲(接触範囲)全体に導電性の導電部74aが形成されている。
【0069】
なお、環状凹溝69を構成する各環状部61bは、その中心が回転軸63の軸線と一致するように側壁61aの内面に取り付けられている。これにより、導電端子74は、回転軸63の回転を許容するように、イオン性液体72に浸漬されている。また、導電端子74は、イオン性液体72に浸漬された状態で、回転軸63とともに環状凹溝69に対して回転可能となっている。
したがって、回転軸63を回転させると、導電端子74が環状溝内のイオン性液体72に浸漬された状態で回転するため、固定側電極66と移動側電極67とが、導電端子74およびイオン性液体72を介して電気的に接続された状態が維持される。本実施形態の導電構造68は、この導電端子74(導電部74a)とイオン性液体72とにより構成されている。
【0070】
以上の構成により、第6の実施形態に係る電動機60によれば、ハウジング61側の固定側電極66と回転軸63側の移動側電極67とを、導電性流体のイオン性液体72と導電端子74とにより電気的に接続するようにしたので、導電端子74をイオン性液体72に浸漬させた状態で、回転軸63をハウジング61に対して回転させることができる。したがって、回転軸63の回転をほとんど拘束することなく、ハウジング61側の固定側電極66と回転軸63側の移動側電極67とを電気的に接続することができる。
【0071】
なお、本実施の形態では、第1の部材をハウジング61、第2の部材を回転軸63として説明したが、第1の部材を回転軸、第2の部材をハウジングとし、回転軸側にイオン性液体を充填する凹溝を設け、ハウジング側に導電端子を設け、この導電端子をイオン性液体に浸漬させるようにしてもよい。この場合、第1の電極は移動側電極、第2の電極は固定側電極となる。
【0072】
[第7の実施形態]
図13は、本発明の第7の実施形態に係るコントローラの斜視図である。図13において、本実施形態のコントローラ75は、スティックコントローラとして使用されものであって、第1の部材である筐体76に対して矢符XおよびY方向にそれぞれ傾倒操作可能かつ矢符Z方向に移動操作可能な第2の部材である操作体77により三次元方向を操作するものである。
操作体77は、鉛直方向(矢符Z方向)に延びる操作軸77aと、この操作軸77aの上端に固定された把手77bとを有している。操作軸77aの下端は球状体78を介して保持体79に傾倒回動可能に取り付けられている。また操作軸77aは球状体78に対して軸線方向に移動可能に支持されている。これにより、把手77bを持って操作軸77aを傾倒回動することにより矢符XおよびY方向への操作を行うことができ、把手77bを持って操作軸77aを軸線方向に移動させることにより矢符Z方向への操作を行うことができる。
【0073】
コントローラ75は、筐体76側に配置された第1の電極である4個の固定側電極80a〜80dと、操作体77側に配置された第2の電極である1個の移動側電極81と、固定側電極80a〜80dと移動側電極81とを電気的に接続するための導電構造82とを備えている。
以下、この導電構造82について詳しく説明する。筐体76の上面には、平面視で四角形状の収容部である凹溝83が形成されており、この凹溝83の上部には開口83aが形成されている。また、筐体76の上面の四隅の角部には、それぞれ上記固定側電極80a〜80dが配置されている。各固定側電極80a〜80dの矢符Z方向の長さは、凹溝83の深さと同一長さに設定されており、各固定側電極80a〜80dの内側の角部は、凹溝83の内側へ向かって突出している。各固定側電極80a〜80dはそれぞれ接続端子84a〜84dを有し、これら4つの接続端子84a〜84dのうち、一つの接続端子84aは接地されており、その他の接続端子84b〜84dは電源(図示せず)に接続されて電圧が印加されるようになっている。
また、凹溝83には、その開口83aから導電性流体であるイミダゾリウム塩系のイオン性液体85(EMImTFSI)が充填されている。このイオン性液体85は、各固定側電極80a〜80間に配置される抵抗体としての役目を果たすようになっている。
【0074】
操作体77に配置されている移動側電極81は、外部回路(図示せず)に接続される出力用の電極として使用されている。移動側電極81には、ピン形状の導電端子86の上端が接続されている。導電端子86の下端部は、筐体76側の凹溝83の開口83aからイオン性液体85に浸漬させてイオン性液体85に接触させており、その鉛直方向の浸漬範囲(接触範囲)全体に導電性の導電部86aが形成されている。この導電部86aを介して固定側電極80a〜80と移動側電極81とが電気的に接続されている。本実施形態の導電構造82は、導電端子86とイオン性液体85とにより構成されている。
【0075】
なお、凹溝83の開口83aの矢符XおよびY方向の長さは、導電端子86が矢符XおよびY方向に傾倒移動する移動全長より若干長く形成されている。また、凹溝83の深さ(矢符Z方向の長さ)は、導電端子86がイオン性液体85の表面から凹溝83の深さ方向に移動する移動全長より若干長く形成されている。これにより、導電端子86は、操作体77の矢符X,Yの傾倒操作および矢符Z方向の移動操作を許容するように、イオン性液体85に浸漬されている。また、導電端子86は、イオン性液体85に浸漬された状態で、凹溝83の固定側電極80a〜80間において、操作体77とともに三次元方向に移動可能となっている。
【0076】
したがって、筐体76側の接続端子84に電圧を印加した状態で、操作体77を矢符X,Y方向に傾倒操作および矢符Z方向に移動操作させると、イオン性液体85(抵抗体)に浸漬(接触)しながら移動する導電端子86の導電部86aの物理的な三次元位置に応じた抵抗値が得られ、この抵抗値から操作体77により三次元方向の操作を行うことができる。
【0077】
以上の構成により、第7の実施形態に係るコントローラ75によれば、筐体76側の固定側電極80a〜80dと操作体77側の移動側電極81とを、導電性流体のイオン性液体72と導電端子74とにより電気的に接続するようにしたので、導電端子74をイオン性液体72に浸漬させた状態で、操作体77を筐体76に対して傾倒操作および移動操作させることができる。したがって、操作体77の傾倒操作および移動操作をほとんど拘束することなく、筐体76側の固定側電極80a〜80dと操作体77側の移動側電極81とを電気的に接続することができる。
【0078】
なお、本実施の形態では、第1の部材を筐体76、第2の部材を操作体77として説明したが、第1の部材を操作体、第2の部材を筐体とし、操作体側に4個の移動側電極とイオン性液体を充填する凹溝を設け、筐体側に1個の固定側電極と導電端子を設け、この導電端子をイオン性液体に浸漬させるようにしてもよい。この場合、第1の電極は上記4個の移動側電極、第2の電極は上記1個の固定側電極となる。
また、本実施の形態では、コントローラ75は、三次元方向の操作を行うものとして説明したが、一次元または二次元方向の操作を行うものであってもよい。
【0079】
さらに、導電端子86の導電部86aおよび各固定側電極80a〜80dを、いずれも導電端子86の浸漬範囲全体に亘って形成することにより、矢符Z方向の抵抗値が変動するようになっているが、導電部86aおよび各固定側電極80a〜80dを、いずれも導電端子86の浸漬範囲の一部のみに形成するようにしてもよい。この場合は、導電部86aの浸漬位置(矢符Z方向の位置)が変動することにより、導電部と、各固定側電極80a〜80dとの直線距離が変動することにより、矢符Z方向の抵抗値を変動させることができる。
また、本実施の形態では、1個の筐体76に対して1個の操作体77により三次元方向の操作を行っているが、1個の筐体のイオン性液体に、複数の操作体の導電端子を浸漬させ、各操作体により三次元方向の操作を行うようにしてもよい。
【0080】
[第8の実施形態]
図14は、本発明の第8の実施形態に係る回転情報検出装置の斜視図である。図14において、本実施形態の回転情報検出装置87は、第1の部材である固定体88に対して矢符Z方向軸周り(矢符H方向)に回転可能な第2の部材である回転体89の回転方向や回転量等の回転情報を検出するものである。回転情報検出装置87は、固定体88側に配置された第1の電極である4個の固定側電極90a〜90dと、回転体89側に配置された第2の電極である1個の移動側電極91と、固定側電極90a〜90dと移動側電極91とを電気的に接続するための導電構造92とを備えている。
【0081】
以下、この導電構造92について詳しく説明する。固定体88の上面には、平面視で四角形状の収容部である凹溝93が形成されており、この凹溝93の上部には開口93aが形成されている。
また、固定体88の上面の四隅の角部には、それぞれ上記固定側電極90a〜38dが配置されている。各固定側電極90a〜90dの矢符Z方向の長さは、凹溝93の深さと同一長さに設定されており、各固定側電極90a〜90dの内側の角部は、凹溝93の内側へ向かって突出している。各固定側電極90a〜90dはそれぞれ接続端子94a〜94dを有し、これら4つの接続端子94a〜94dのうち、一つの接続端子94aは接地されており、その他の接続端子94a〜94dは電源(図示せず)に接続されて電圧が印加されるようになっている。
また、凹溝93には、その開口93aから導電性流体であるイミダゾリウム塩系のイオン性液体95(EMImTFSI)が充填されている。このイオン性液体95は、各固定側電極90a〜90d間に配置される抵抗体としての役目を果たすようになっている。
【0082】
回転体89の下面に配置されている移動側電極91は、外部回路(図示せず)に接続される出力用の電極として使用されている。移動側電極91には、ピン形状の導電端子96の上端が接続されている。導電端子96は、その下部に回転板96bを有し、この回転板96bの下端部は、固定体88側の凹溝93の開口93aからイオン性液体95に浸漬させてイオン性液体95に接触させており、回転板96bの鉛直方向(矢符Z方向)の浸漬範囲(接触範囲)全体に導電性の導電部96aが形成されている。この導電部96aを介して固定側電極90a〜90dと移動側電極91とが電気的に接続されている。本実施形態の導電構造92は、導電端子96とイオン性液体95とにより構成されている。
【0083】
なお、凹溝93の開口93aの矢符XおよびY方向の長さは、導電端子96の回転板96bの全長(矢符Z方向軸に対して径方向に延びる長さ)より若干長く形成されている。これにより、導電端子96は、回転体89の矢符H方向の回転を許容するように、イオン性液体95に浸漬されている。また、導電端子96は、イオン性液体95に浸漬された状態で、凹溝93の固定側電極90a〜90d間において、回転体89とともに矢符H方向に回転可能となっている。
【0084】
したがって、固定体88側の接続端子94に電圧を印加した状態で、回転体89を矢符H方向に回転させると、イオン性液体95(抵抗体)に浸漬(接触)しながら回転する導電端子96の導電部96aの物理的な回転位置に応じた抵抗値が得られ、この抵抗値から回転体89の回転情報を検出することができる。
以上の構成により、第8の実施形態に係る回転情報検出装置87によれば、導電端子96の物理的な回転位置に応じた抵抗値を得ることができ、この抵抗値から回転体89の回転情報を検出することができる。
【0085】
なお、本実施の形態では、第1の部材を固定体88、第2の部材を回転体89として説明したが、第1の部材を移動体、第2の部材を固定体とし、移動体側に4個の移動側電極とイオン性液体を充填する凹溝を設け、固定体側に1個の固定側電極と導電端子を設け、この導電端子をイオン性液体に浸漬させるようにしてもよい。この場合、第1の電極は上記4個の移動側電極、第2の電極は上記1個の固定側電極となる。
また、本実施の形態では、1個の固定体88に対して1個の回転体89の回転情報を検出しているが、1個の固定体のイオン性液体に、複数の回転体の導電端子を浸漬させ、各回転体の回転情報を検出するようにしてもよい。
【0086】
[第9の実施形態]
図15は、本発明の第9の実施形態に係るストローク量検出装置の斜視図である。図15において、本実施形態のストローク量検出装置97は、第1の部材である円筒状の固定体98内にて矢符I方向に直線的に往復動可能な第2の部材である往復動体99のストローク量を検出するものである。ストローク量検出装置97は、固定体98側に配置された第1の電極である一対の固定側電極100と、往復動体99側に配置された第2の電極である1個の移動側電極101と、固定側電極100と移動側電極101とを電気的に接続するための導電構造102とを備えている。
【0087】
以下、この導電構造102について詳しく説明する。固定体98には、往復動体99の往復動方向(矢符I方向)に延びる収容部である凹溝103が形成されている。この凹溝103の上部には開口103aが形成され、凹溝103の長手方向の両側には、それぞれ上記固定側電極100が配置されている。一対の固定側電極100のうち、一方は接地されており、他方は電源(図示せず)に接続されて電圧が印加されるようになっている。
また、凹溝103には、その開口103aから導電性流体であるイミダゾリウム塩系のイオン性液体104(EMImTFSI)が充填されている。このイオン性液体104は、一対の固定側電極100に配置される抵抗体としての役目を果たすようになっている。
【0088】
往復動体99に配置されている移動側電極101は、外部回路(図示せず)に接続される出力用の電極として使用されている。移動側電極101には、ピン形状の導電端子105の上端部が接続されている。この導電端子105の下端部は、固定体98側の凹溝103の開口103aからイオン性液体104に浸漬させてイオン性液体104に接触させている。導電端子105には、その鉛直方向(凹溝の深さ方向)の浸漬範囲(接触範囲)全体に導電性の導電部105aが形成されており、この導電部105aによって固定側電極100と移動側電極101とが電気的に接続されている。本実施形態の導電構造102は、導電端子105とイオン性液体104とにより構成されている。
【0089】
なお、凹溝103の深さは、導電端子105がイオン性液体104の表面から凹溝103の深さ方向(矢符I方向)に移動する移動全長より長く形成されている。これにより、導電端子105は、往復動体99の矢符I方向の移動を許容するように、イオン性液体104に浸漬されている。また、導電端子105は、イオン性液体104に浸漬された状態で、凹溝103の一対の固定側電極100間において、往復動体99とともに往復動可能となっている。
【0090】
したがって、固定体98側の固定側電極100に電圧を印加した状態で、往復動体99を矢符I方向に往復動させると、イオン性液体104(抵抗体)に浸漬(接触)しながら移動する導電端子105の導電部105aの物理的な往復動位置に応じた抵抗値が得られ、この抵抗値から往復動体99のストローク量を検出することができる。
以上の構成により、第9の実施形態に係るストローク量検出装置によれば、、導電端子105の物理的な往復動位置に応じた抵抗値を得ることができ、この抵抗値により往復動体99のストローク量を検出することができる。
【0091】
なお、本実施の形態では、第1の部材を固定体98、第2の部材を往復動体99として説明したが、第1の部材を復動体、第2の部材を固定体とし、復動体側に一対の移動側電極とイオン性液体を充填する凹溝を設け、固定体側に1個の固定側電極と導電端子を設け、この導電端子をイオン性液体に浸漬させるようにしてもよい。この場合、第1の電極は上記一対の移動側電極、第2の電極は上記1個の固定側電極となる。
【0092】
本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記各実施形態では、導電性流体として、イオン性液体12(23,33,43,56,72,85,95,104)のEMImTFSIを使用しているが、上述のように、高導電性および不揮発性であって、かつ所定の粘性を有するものであれば、他の導電性の液体を使用してもよい。
また、上記各実施形態では、イオン性液体12(23,33,43,56,72,85,95,104)が充填される収容部は、凹溝11(21,31,41,55,69,83,93,103)により形成されているが、その他の形状であってもよい。
また、上記各実施形態では、導電端子24(34)の絶縁層24b(34b)の表面に、イオン性液体23(33)を弾く撥液加工を施しているが、これに加えて、凹溝21(31)の開口21a(31a)の端縁に沿って、イオン性液体23(33)をはじく撥液加工を施すことも可能である。この場合、イオン性液体23が凹溝21(31)から外部へ流出するのをさらに効果的に防止することができる。
【0093】
さらに、上記各実施形態では、導電端子10(24,34,44,59,74,86,96,105)をイオン性液体12(23,33,43,56,72,85,95,104)に浸漬させて当該液体に接触させているが、導電性流体を高粘度のゲル状の液体とし、このゲル状液体の表面に導電端子(導電部)の先端面を接触させ、この状態で導電端子の先端面を上記表面を摺動させるようにしてもよい。この場合は、高粘度の導電性流体であっても、移動体の移動をほとんど拘束することはない。特に、導電性流体が導電端子の上方に配置される場合に、導電性流体の落下を防止することができるという点で有効である。その際、さらに、導電端子の先端面に導電性を有しかつゲル状液体を弾く撥液加工を加えれば、ゲル状液体の表面を円滑に摺動させることが可能となる。
【0094】
また、上記各実施形態では、導電性流体として、導電性の液体12(23,33,43,56,72,85,95,104)を使用しているが、密封された導電性の気体に導電部材を挿入した状態で使用することも可能である。
また、上記各実施形態では、第2の電極9(19,29,39,53,67,81,91,101)を、第2の部材7(17,27,37,51,63,77,89,99)上に配置されているものとして説明したが、上記第2の電極から電気的に接続されている全ての導電性部材(導電端子10(24,34,44,59,74,86,96,105)を除く)を、第2の電極としてもよい。
【符号の説明】
【0095】
1 アクチュエータ
2 移動子(第1の部材)
2a 移動側電極(第1の電極)
7 基板(固定体,第2の部材)
8 導電構造
9 固定側電極(第2の電極)
10 導電端子
11 凹溝(収容部)
11a 開口
12 イオン性液体(導電性流体)
13 ダミー電極
14 ボンディングワイヤ
15,25,35 可変抵抗器
16,26,36 固定体(第1の部材)
17,27,37 移動体(第2の部材)
18,28,38 固定側電極(第1の電極)
19,29,39 移動側電極(第2の電極)
20,30,40 導電構造
21,31,41 凹溝(収容部)
21a,31a,41a 開口
23,33,43 イオン性液体(導電性流体)
24,34,44 導電端子
24a,34a,44a 導電部
45 回動式コネクタ
47 回動部材
50 固定体(第1の部材)
51 回動体(第2の部材)
52 固定側電極(第1の電極)
53 移動側電極(第2の電極)
54 導電構造
56 イオン性液体(導電性流体)
59 導電端子
60 電動機
61 ハウジング(第1の部材)
63 回転軸(第2の部材)
64 ロータ
65 ステータ
66 固定側電極(第1の電極)
67 移動側電極(第2の電極)
68 導電構造
72 イオン性液体(導電性流体)
74 導電端子
75 コントローラ
76 筐体(第1の部材)
77 操作体(第2の部材)
80 固定側電極(第1の電極)
81 移動側電極(第2の電極)
82 導電構造
85 イオン性液体(導電性流体)
86 導電端子
87 回転情報検出装置
88 固定体(第1の部材)
89 回転体(第2の部材)
90 固定側電極(第1の電極)
91 移動側電極(第2の電極)
92 導電構造
95 イオン性液体(導電性流体)
96 導電端子
97 ストローク検出装置
98 固定体(第1の部材)
99 往復動体(第2の部材)
100 固定側電極(第1の電極)
101 移動側電極(第2の電極)
102 導電構造
104 イオン性液体(導電性流体)
105 導電端子
γ 表面張力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の部材側に配置された第1の電極と、前記第1の部材に対して相対移動可能な第2の部材側に配置された第2の電極と、を電気的に接続する導電構造であって、
前記第1の電極に電気的に接続されているとともに、前記第1の部材に設けられた収容部内に収容されている導電性流体と、
前記第2の電極に電気的に接続されているとともに、前記相対移動を許容するように前記導電性流体に接触させている導電性の導電端子と、
を備えていることを特徴とする導電構造。
【請求項2】
前記導電性流体が導電性の液体である請求項1に記載の導電構造。
【請求項3】
前記収容部は開口を有しており、当該開口は、前記液体が当該液体の自重により当該開口から表面張力によって落下しない程度に小さく形成されている請求項2に記載の導電構造。
【請求項4】
前記導電端子が、前記開口から前記液体に浸漬されて当該液体に接触している請求項3に記載の導電構造。
【請求項5】
前記導電端子が、前記開口に対して、当該開口の表面方向に沿って相対移動可能である請求項3または4に記載の導電構造。
【請求項6】
前記導電端子が、前記開口に対して、当該開口から前記収容部の深さ方向に相対移動可能である請求項3または4に記載の導電構造。
【請求項7】
前記導電端子が、前記収容部に対して、一次元方向に相対移動可能である請求項1〜6のいずれか一項に記載の導電構造。
【請求項8】
前記導電端子が、前記収容部に対して、二次元方向に相対移動可能である請求項1〜6のいずれか一項に記載の導電構造。
【請求項9】
前記導電端子が、前記収容部に対して、三次元方向に相対移動可能である請求項1〜6のいずれか一項に記載の導電構造。
【請求項10】
前記導電端子がボンディングワイヤである請求項1〜9のいずれか一項に記載の導電構造。
【請求項11】
前記導電端子が、前記導電性流体に接触させる接触範囲の全体に形成された導電性の導電部を有する請求項1〜10のいずれか一項に記載の導電構造。
【請求項12】
前記導電端子が、前記導電性流体に接触させる接触範囲の一部に形成された導電性の導電部を有する請求項1〜10のいずれか一項に記載の導電構造。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の導電構造を備えたアクチュエータであって、
前記第1の部材および前記第2の部材のうち、いずれか一方の部材が固定体であり、他方の部材が前記固定体に対して相対移動可能な移動子であり、
前記固定体側に配置された電極と、前記移動子側に配置された電極とを、前記導電端子および前記導電性流体により電気的に接続することを特徴とするアクチュエータ。
【請求項14】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の導電構造を備えた可変抵抗器であって、
前記第1の部材および前記第2の部材のうち、いずれか一方の部材が固定体であり、他方の部材が前記固定体に対して相対移動可能な移動体であり、
前記第1の部材側に配置された複数の電極と、前記第2の部材側に配置された電極とを、前記導電端子および前記導電性流体により電気的に接続することを特徴とする可変抵抗器。
【請求項15】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の導電構造を備えた回動部材であって、
前記第1の部材および前記第2の部材のうち、いずれか一方の部材が固定体であり、他方の部材が前記固定体に回動可能に取り付けられた回動体であり、
前記固定体側に配置された電極と、前記回動体側に配置された電極とを、前記導電端子および前記導電性流体により電気的に接続することを特徴とする回動部材。
【請求項16】
請求項15に記載の回動部材を備えていることを特徴とする回動式コネクタ。
【請求項17】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の導電構造を備えた電動機であって、
前記第1の部材および前記第2の部材のうち、いずれか一方の部材がステータを有するハウジングであり、他方の部材が前記ハウジングに対して回転可能であってかつロータを有する回転軸であり、
前記ハウジング側に配置された電極と、前記回転軸側に配置された電極とを、前記導電端子および前記導電性流体により電気的に接続することを特徴とする電動機。
【請求項18】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の導電構造を備えたコントローラであって、
前記第1の部材および前記第2の部材のうち、いずれか一方の部材が筐体であり、他方の部材が前記筐体に対して移動操作可能な操作体であり、
前記筐体側に配置された電極と、前記操作体側に配置された電極とを、前記導電端子および前記導電性流体により電気的に接続することを特徴とするコントローラ。
【請求項19】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の導電構造を備えた回転情報検出装置であって、
前記第1の部材および前記第2の部材のうち、いずれか一方の部材が固定体であり、他方の部材が前記固定体に対して回転可能な回転体であり、
前記第1の部材側に配置された複数の電極と、前記第2の部材側に配置された電極とを、前記導電端子および前記導電性流体により電気的に接続することを特徴とする回転情報検出装置。
【請求項20】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の導電構造を備えたストローク検出装置であって、
前記第1の部材および前記第2の部材のうち、いずれか一方の部材が固定体であり、他方の部材が前記固定体に対して往復動可能な往復動体であり、
前記第1の部材側に配置された複数の電極と、前記第2の部材側に配置された電極とを、前記導電端子および前記導電性流体により電気的に接続することを特徴とするストローク検出装置。
【請求項21】
一端を第1の電極に電気的に接続させるとともに、他端を前記第1の部材に対して相対移動可能な第2の電極に電気的に接続された導電性流体に接触させる導電端子の製造方法であって、
ダミー電極を配置し、
前記第1の電極と前記ダミー電極とをボンディングワイヤにより接続し、
前記ボンディングワイヤを前記第1の電極と前記ダミー電極との中間部で切断し、
前記ダミー電極および当該ダミー電極に接続されているボンディングワイヤを取り除く
ことを特徴とする導電端子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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