説明

導電膜除去方法および導電膜除去剤

【課題】エッチング工程設備へ与える腐食性の負荷を減らし、かつ作業者の安全性に優れた、汎用性の高い、エッチング跡の変色等の生じない、導電膜除去剤および導電膜除去方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、導電膜付き基材の少なくとも一部に、20℃におけるpHが6.0〜8.0の導電膜除去剤を塗布する工程、導電膜除去剤を塗布した導電膜付き基材を加熱処理する工程、および加熱処理した導電膜付き基材から液体を用いた洗浄によって導電膜を除去する工程を有する導電膜除去方法であって、加熱処理する工程において塗布された導電膜除去剤の少なくとも一部の成分が揮発することで該導電膜除去剤のpHを6.0未満、または8.0より大きくすることを特徴とする導電膜除去方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電膜除去方法および導電膜除去剤に関する。
【背景技術】
【0002】
錫ドープ酸化インジウム(ITO)からなる透明導電膜は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、電界発光(EL)ディスプレイなどの表示パネルや、タッチパネル、太陽電池など電子デバイスに幅広く使われている。
【0003】
これらの透明導電膜をはじめとする導電膜は、所望のパターンを形成して用いられており、パターン形成方法としては、フォトレジストやエッチング液を用いたケミカルエッチング法が一般的に用いられている(特許文献1参照)。しかしながら、ケミカルエッチング法に用いられるエッチング液は、硫酸、硝酸、りん酸、王水など強酸性溶液であることから、工程設備の腐食や作業者の安全性(薬傷危険性)に問題があった。
【0004】
また、酸を使わないケミカルエッチング法として、塩基、増粘剤および溶剤を含有する水溶性エッチングペーストを、導電膜付き基材上に塗布し、導電膜を劣化・除去する方法が知られている。(特許文献2参照)この方法では、導電膜のエッチング成分に塩基を使い、ペースト状のエッチャントを直接塗布するため、設備腐食性を最小限にできる特徴があった。しかしながら、エッチング成分に塩基を使うため前記ペーストは、強塩基性を示し、非金属部の腐食性や作業者の薬傷危険性が高い問題があった。
【0005】
ここで、酸とアルカリを添加したケミカルエッチング法として、シュウ酸とアルカリ化合物を用いたエッチング液が知られている。(特許文献3参照)しかしながら、酸とアルカリを含有するものの、エッチング液は強い酸性を示すものであり、上記問題は解消されなかった。
【0006】
一方、中性領域のエッチング液としては、ヨウ素を含むエッチング液が提案されている。(特許文献4参照)エッチング成分にヨウ素を用いることで、エッチング液のpHを中性領域に維持している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−162893号公報
【特許文献2】特開2010−21137号公報
【特許文献3】特開2010−45253号公報
【特許文献4】特開2006−291341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献4のエッチング液はヨウ素との反応性からエッチングできる金属は、金または白金族の一部の金属に限られ、汎用性がなかった。また、ヨウ素は基材に吸着しやすく、エッチング跡が変色する問題があった。
【0009】
上記従来技術の課題に鑑み、本発明は、エッチング工程設備へ与える腐食性の負荷を減らし、かつ作業者の安全性に優れた、汎用性の高い、エッチング跡の変色等の生じない、導電膜除去方法および導電膜除去剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、導電膜付き基材の少なくとも一部に20℃におけるpHが6.0〜8.0の導電膜除去剤を塗布する工程、導電膜除去剤を塗布した導電膜付き基材を加熱処理する工程、および加熱処理した導電膜付き基材から液体を用いた洗浄によって導電膜を除去する工程を有し、加熱処理する工程において塗布された導電膜除去剤の少なくとも一部の成分が揮発することで該導電膜除去剤のpHを6.0未満、または8.0より大きくすることを特徴とする導電膜除去方法である。さらに、本発明で用いられる導電膜除去剤は、単体での蒸気圧が異なる酸と塩基、溶剤および樹脂を含み、樹脂がカチオン性樹脂であることを特徴とする。
【0011】
つまり、本発明の導電膜除去剤は20℃におけるpHが6.0〜8.0であるので、取り扱い時は中性であり、エッチング作業中においても、導電膜除去剤を塗布する工程では中性を保ち、加熱処理(例えば80℃以上で)する工程で導電膜除去剤のpHを6.0未満、または8.0より大きくするので、ここで初めて酸性あるいは塩基性となり、エッチング効果を得るものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、エッチング作業における耐腐食設備を減らす、あるいは無くすことができる。また、取扱い作業者の薬傷危険性を低くすることができ、さらに除去する導電膜においては、エッチング跡が変色しない導電膜除去剤が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】導電膜付き基材に導電膜除去剤を塗布した状態(加熱処理前)を示す概略図
【図2】本発明の導電膜除去方法により導電膜を除去した状態を示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の導電膜除去方法は、導電膜付き基材の少なくとも一部に20℃におけるpHが6.0〜8.0の導電膜除去剤を塗布する工程、導電膜除去剤を塗布した導電膜付き基材を加熱処理する工程、および加熱処理した導電膜付き基材から液体を用いた洗浄により導電膜を除去する工程を有し、加熱処理する工程において塗布された導電膜除去剤の少なくとも一部の成分が揮発することで該導電膜除去剤のpHが6.0未満、または8.0より大きくすることを特徴とする導電膜除去方法である。
【0015】
本発明の導電膜除去方法は、20℃におけるpHが6.0〜8.0の導電膜除去剤を使用し、加熱処理する工程まではpHは前記範囲内であるため、エッチング作業の設備において、例えば該導電膜除去剤を塗布する工程では、酸(あるいは塩基、以下省略する場合がある)による設備腐食の可能性は極めて低く、耐酸(あるいは、塩基)性の特別な設備を必要としない。さらに、酸(または塩基)性の導電膜除去剤を使わないため、公知の方法よりも取扱い作業者の薬傷危険性が低く、簡便に用いることができる。
【0016】
そして、前記導電膜除去剤が蒸気圧の異なる酸と塩基を含有することで、加熱処理する工程において、両成分の含有量を変化させることができ、前記導電膜除去剤のpHを任意に調整することができる。例えば、導電膜の除去成分が酸であった場合、該酸よりも蒸気圧の高い塩基を選択し添加しておく。すると、加熱処理前の状態では、中和反応を起こし中性領域のpHを維持しているが、前記導電膜除去剤を、導電膜付き基材上の少なくとも一部に塗布し、加熱処理をすることにより、該酸よりも塩基が先に蒸発し、基材上の除去剤のpHは酸性に変化し、エッチング効果を得ることができる。
【0017】
本発明の導電膜除去方法は、導電膜付き基材の除去したい部分に該導電膜除去剤を塗布する。本発明において、導電膜付き基材は、導電膜上にオーバーコート層を有しても除去することができる。オーバーコート層を形成する材料としては、有機または無機系の高分子材料や、有機−無機のハイブリッド樹脂などが挙げられる。
【0018】
有機系高分子材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、セルロース樹脂、光硬化性樹脂などが挙げられ、可視光透過性、基材の耐熱性、ガラス転移点および膜硬度などの観点から、適宜選択することができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレンなどのアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタラート、ポリカーボネート、ポリ乳酸などのポリエステル樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどが挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。セルロース樹脂としては、例えば、アセチルセルロース、トリアセチルセルロースなどが挙げられる。光硬化性樹脂としては、例えば、各種オリゴマー、モノマー、光重合開始剤を含有する樹脂などが挙げられるがこの限りではない。
【0019】
無機系材料としては、例えば、シリカゾル、アルミナゾル、ジルコニアゾル、チタニアゾルなどや、これら無機系材料に水や酸触媒を加えて加水分解し、脱水縮合させた重合物、あるいは既に4〜5量体まで重合させた市販の溶液をさらに加水分解し脱水縮合させた重合物などを挙げることができる。有機−無機のハイブリッド樹脂としては、例えば、前記無機材料の一部を有機官能基で修飾したものやシランカップリング剤などの各種カップリング剤を主成分とする樹脂などが挙げられる。
【0020】
導電膜付き基材がオーバーコート層を有する場合には、除去したい部分のオーバーコート層上に該導電膜除去剤を塗布する。塗布方法としては、例えば、スクリーン印刷法、ディスペンサー法、ステンシル印刷法、パッド印刷法、スプレー塗布、インクジェット法、マイクログラビア印刷法、ナイフコート法、スピンコート法、スリットコート法、ロールコート法、カーテンコート法、フローコート法などが挙げられるが、これらに限定されない。また、導電膜のエッチングムラをより低減するために導電膜除去剤を基材上に均一塗布することが好ましい。導電膜除去剤の塗布膜厚は、除去される導電膜の材質や膜厚、加熱温度や加熱時間によって適宜決められるが、乾燥後の厚みが0.1〜200μmとなるように塗布することが好ましく、2〜200μmであることがより好ましい。乾燥後の膜厚を前記範囲内とすることで、塗膜中に必要量の導電膜除去成分が含まれ、導電膜をより面内均一に除去することができる。また、加熱時に横方向へのダレを抑制できるため、塗布膜境界ラインの位置ずれがなく所望のパターンを得ることができる。
【0021】
次に、前記導電膜除去剤を塗布した導電膜付き基材を加熱処理する。加熱処理することで、含有する酸と塩基のうち蒸気圧の高い方から蒸発していくため、前記導電膜除去剤中の酸と塩基の比率が変わり、pHも中性領域から外れる。このとき、含有する塩基の蒸気圧が酸よりも高ければ、加熱処理することにより塩基が蒸発していき、該除去剤のpHは、中性領域よりも低くなる。そして、該除去剤のpHが6.0以下になることで、導電膜除去剤が塗布された部分は、分解、溶解または可溶化される。導電膜付き基材がオーバーコート層を有する場合は、オーバーコート層と導電膜とが分解、溶解または可溶化される。
【0022】
加熱処理温度は、導電膜除去剤を中和するため含有している塩基(あるいは、酸)を蒸発させることができれば特に限定されるものではないが、80℃以上であることが好ましい。加熱処理温度が、80℃以上であれば、中和成分の揮発が促進され、さらにエッチング成分(残留した酸あるいは、塩基)も活性化することから、導電膜除去剤が塗布された部分の分解、溶解または可溶化を短時間で処理することができる。
【0023】
加熱処理方法は、目的や用途に応じて適宜選択でき、例えば、ホットプレート、熱風オーブン、赤外線オーブン、周波数300メガヘルツ〜3テラヘルツのマイクロ波照射などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0024】
上記のとおり、含有する塩基の蒸気圧が酸よりも高ければ、加熱処理することで初めて該導電膜除去剤は酸性となるので、耐酸設備が必要になる可能性が生じるが、実務的には、このとき酸性に変化した該導電膜除去剤と接触するのは、導電膜付き基材のみであるため、ここでも工程設備に腐食危険性は生じにくく、耐酸性の特別な設備を必要としない場合が多い。また、加熱処理で塩基が先に蒸発し、蒸発成分に微量の塩基が含まれるが、排気量の調節とスクラバーなどの排ガス処理装置を設置すれば、一般的な設備で対応可能である場合が多い。
【0025】
一方、導電膜除去成分が塩基であった場合、該塩基よりも蒸気圧の高い酸を選択し添加しておくことで、前記と同様の効果を得ることができる。酸(あるいは塩基)による腐食性は、該除去剤中に金属片、プラスチック片、ゴム片などの試験材料を浸漬し、一定時間経過した後の概観変化と重量変化で観察することができる。試験材料のうち、酸(あるいは塩基)との反応性が高く、工程設備に一般的に使われているアルミニウムを用いることで、便宜的に腐食性の有無を調べることができる。
【0026】
次に、加熱処理後、加熱処理した導電膜付き基材から液体を用いた洗浄により導電膜除去剤および導電膜の分解・溶解物を除去し、所望の導電パターンを得る。洗浄工程で使用される液体は、導電膜除去剤に含まれる樹脂が溶解するものが好ましく、具体的には、アセトン、メタノール、テトラヒドロフランなどの有機溶剤、前記有機溶剤を含む水溶液、水酸化ナトリウム、エタノールアミン、トリエチルアミンなどを含む塩基性水溶液、純粋などが挙げられるが、これに限定されない。洗浄工程では、基材上に残渣なく洗浄するため、前記液体を25〜100℃に加温し、使用してもよい。
【0027】
本発明の導電膜除去方法について、あらためて図を用いて説明する。図1は、導電膜付き基材に導電膜除去剤を塗布した状態(加熱処理前)を示す概略図である。図2は、本発明の導電膜除去方法により導電膜を除去した状態を示す概略図である。
【0028】
本発明の導電膜除去方法は、基材101上に導電膜102を有する導電膜付き基材の少なくとも一部に、前記導電膜除去剤103を塗布する工程、導電膜除去剤を塗布した導電膜付き基材を加熱処理する工程、および加熱処理した導電膜付き基材から液体を用いた洗浄によって導電膜を除去する工程を有する。図2において符号104は導電膜が除去された部分を示す。
【0029】
本発明の導電膜除去方法は、基材上に導電膜除去剤を直接塗布した後、加熱処理することで、前記除去剤から中和成分が蒸発し、エッチング成分が短時間で導電膜下層に到達して、速やかに反応が進行する。本発明の導電膜除去剤が導電膜に対する高い浸透力を有することから、酸化物透明導電膜だけでなく、従来では困難であったウィスカー状導電体、繊維状導電体または粒子状導電体を含む導電膜の除去に対しても、特に優れた除去効果を発揮する。
【0030】
本発明の導電膜除去方法が適用できる基材としては、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6ナフタレートなどのポリエステル類、ポリパラフェニレンサルファイト、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、各種ガラス、石英などが挙げられる。シリカ、ガラスなどの無機フィラー、アクリルビーズなどの微粒子を含有したものでもよい。基材には、各種プラズマ処理、UV・オゾン処理などの表面処理を行ってもよく、塗布性や浸透性などをより向上させることができる。また、基材の形状は円盤状、カード状、シート状などいずれの形状であってもよい。
【0031】
本発明の導電膜除去方法は、カチオン性樹脂を含む導電膜除去剤を用いることが好ましい。カチオン性樹脂を含むことで、非ニュートン流動性を有する導電膜除去剤が得られ、公知の方法により容易に基板に塗布することができる。さらに、カチオン性樹脂であることで、導電膜除去剤は加熱工程後でも高い溶解性を保持することができ、水、後述する塩基性水溶液や有機溶剤の水溶液で容易に洗浄され、除去面の残渣を抑制し、面内均一をより向上させることができる。
【0032】
具体例としては、例えば、ポリジアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリジアルキルアミノエチルアクリレート、ポリジアルキルアミノエチルメタクリルアミド、ポリジアルキルアミノエチルアクリルアミド、ポリエポキシアミン、ポリアミドアミン、ジシアンジアミド−ホルマリン縮合物、ポリジメチルジアリルアンモニウムクロリド、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリアクリルアミン、ポリクオタニウム−4、ポリクオタニウム−6、ポリクオタニウム−7、ポリクオタニウム−9、ポリクオタニウム−10、ポリクオタニウム−11、ポリクオタニウム−16、ポリクオタニウム−28、ポリクオタニウム−32、ポリクオタニウム−37、ポリクオタニウム−39、ポリクオタニウム−51、ポリクオタニウム−52、ポリクオタニウム−44、ポリクオタニウム−46、ポリクオタニウム−55、ポリクオタニウム−68などの化合物およびこれらの変性物などが挙げられる。例えば、ポリクオタニウム−10は、側鎖末端にトリメチルアンモニウム基を有する。酸性または塩基性条件下においてトリメチルアンモニウム基がカチオン化し、静電反発の作用により高い溶解性を示す。また、加熱による脱水重縮合が生じ難く、加熱後でも高い溶解性を保持する。このため、加熱処理後、液体を用いた洗浄によって導電膜を除去する工程において、短時間で導電膜を除去することができる。
【0033】
本発明の導電膜除去剤において、カチオン樹脂の含有量は、溶剤を除いた成分中0.01〜80重量%が好ましい。導電膜除去に要する加熱温度を低く抑え、加熱時間を短縮するために、導電膜除去剤中の樹脂含有量は、非ニュートン流動性を維持する範囲で極力少ないことがより好ましい。導電膜除去剤の粘度は、2〜500Pa・S(25℃)程度が好ましく、均一な塗布膜をスクリーン印刷法によって容易に形成することができる。導電膜除去剤の粘度は、例えば、溶剤と樹脂の含有量により調整することができる。
【0034】
本発明の導電膜除去剤の一態様は、単体での蒸気圧が異なる酸と塩基、溶剤および樹脂を含み、20℃におけるpHが6.0〜8.0であり、樹脂がカチオン性樹脂である。前記導電膜除去剤が、酸と塩基の両方を含むことにより中和反応が起こり、20℃における前記導電膜除去剤のpHを6.0〜8.0の中性領域に維持するものである。すなわち、本発明の導電膜除去剤に含まれる酸と塩基の量は、pHは6.0〜8.0になるように調節される。
【0035】
該導電膜除去剤に用いられる酸は導電体の種類により適宜選択することができる。例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸などのモノカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、マロン酸などのジカルボン酸、クエン酸、トリカルバリル酸などのトリカルボン酸、メタンスルホン酸などのアルキルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などのフェニルスルホン酸、トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸などのアルキルベンゼンスルホン酸、フェノールスルホン酸、ニトロベンゼンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸などのスルホン酸化合物、トリフルオロ酢酸などの有機酸を一部フッ素化した誘導体、硫酸、塩酸、硝酸およびリン酸などの無機酸を挙げることができる。これらは、2種以上含有してもよい。
【0036】
また、該導電膜除去剤に含まれる塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウムなどのアルカリ金属の水酸化物、水酸化ベリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、n−ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミンなどのモノアルキルアミン類、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−イソプロピルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−ノニルアミン、ジ−n−デシルアミンなどのジアルキルアミン類、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−プロピルアミンなどのトリアルキルアミン類、エタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミン類、アニリン、N−メチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、ジフェニルアミン、1−ナフチルアミンなどの芳香族アミン類、1−アダマンチルアミン、N−メチル−1−アダマンチルアミンなどの有橋脂環式骨格を有する1級アミン、尿素、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼンなどのジアミン化合物、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾールなどのイミダゾール類、エチレンイミン、ピロール、ピラゾール、インドール、イソインドール、プリン、カルバゾール、カルボリン、ペリミジン、フェノチアジン、フェノキサジン、ピロリジン、ピロリン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピペラジン、インドリン、イソインドリン、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、ピリジン、ピコリン、ルチジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ピペリジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンなどの含窒素化合物などを挙げることができる。これらは、2種以上含有してもよい。
【0037】
さらに、本発明の導電膜除去剤に含有される塩基は、加熱処理により含有量を制御できるものが好ましく、単体化合物で蒸気圧を有する含窒素化合物が特に好ましい。例えば、導電膜除去成分が酸である場合、該酸よりも蒸気圧の高いアミン化合物が好ましく、具体的には、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、n−ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、アニリン、N−メチルアニリン、尿素、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、エチレンイミン、ピロール、ピラゾール、インドール、ピロリジン、ピロリン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ピペリジンなどが挙げられる。
【0038】
本発明の導電膜除去剤に含有する酸と塩基の組み合わせは、双方の蒸気圧が異なれば適用することができ、特に限定されない。なお、本発明における蒸気圧とは、静止法や沸点法などにより測定することができ、室温における飽和蒸気圧の値である。
【0039】
本発明の導電膜除去剤は、単体での蒸気圧が異なる酸と塩基と溶剤および樹脂からなるが、導電膜の除去成分が固体で蒸気圧を持たない場合でも、溶剤に溶解し、含有する一方の成分(酸または塩基)が蒸気圧を有していれば適用することができる。
【0040】
本発明の導電膜除去剤において、単体での蒸気圧が異なる酸と塩基の含有量は、pHが6.0〜8.0になるように調節されていれば特に限定されないが、化合物の分子量、酸または塩基の平衡定数、除去される導電膜の材質や膜厚、加熱温度や加熱時間により適宜選択できる。中でも、溶剤を除いた成分中1〜80重量%が好ましい。その中でも、酸の含有量は、溶剤を除いた成分中10〜70重量%が好ましく、20〜70重量%がより好ましい。また、塩基の含有量は、溶剤を除いた成分中10〜70重量%が好ましく、20〜70重量%がより好ましい。
【0041】
本発明の導電膜除去剤は、溶剤を含有する。溶剤の具体例として、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル類、アセトン、アセトフェノン、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、トルエン、キシレン、ベンジルアルコールなどの芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、1,2−プロパンジオール、テルピネオール、アセチルテルピネオール、ブチルカルビトール、エチルセルソルブ、エチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、グリセロールなどのアルコール類、トリエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エチレングリコールモノアリールエーテル類、ポリエチレングリコールモノアリールエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ソルベントナフサ、水、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ジメチルエチレン尿素、N,N’−ジメチルプロピレン尿素、テトラメチル尿素などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
【0042】
本発明の導電膜除去剤において、溶剤の含有量は、導電膜除去剤中1重量%以上が好ましく、30重量%以上がより好ましく、50重量%以上がより好ましい。溶剤の含有量を1重量%以上とすることにより、導電膜除去剤の流動性を向上させ、塗布性をより高めることができる。一方、99.9重量%以下が好ましく、95重量%以下がより好ましい。溶剤の含有量を99.9重量%以下とすることにより、加熱時の流動性を適切な範囲に保つことができ、所望のパターンを精度よく維持することができる。
【0043】
本発明の導電膜除去剤は、樹脂を含有し、樹脂がカチオン性樹脂である。ここでカチオン樹脂は前述のとおりである。
【0044】
本発明の導電膜除去剤は、目的に応じて、酸化チタン、アルミナ、シリカなどの無機微粒子、チキソトロピック性を付与することができるチキソ剤、帯電防止剤、消泡剤、粘度調整剤、耐光安定剤、耐候剤、耐熱剤、酸化防止剤、防錆剤、スリップ剤、ワックス、離型剤、相溶化剤、分散剤、分散安定剤、レオロジーコントロール剤などを含有してもよい。
【0045】
さらに、本発明の導電膜除去剤には、エッチング促進剤として硝酸塩または亜硝酸塩を含むことができる。エッチング成分として酸を適用する場合、該酸と導電体との反応は、それぞれの種類によって反応速度が異なる場合があるが、硝酸塩または亜硝酸塩を含むことにより、加熱処理時、酸と硝酸塩または亜硝酸塩とが反応し、系中にて硝酸が生成することから、導電体の溶解をより促進することができる。このため、短時間の加熱処理により導電膜を除去することができる。硝酸塩としては、例えば、硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸カルシウム、硝酸アンモニウム、硝酸マグネシウム、硝酸バリウム、またはそれら硝酸塩の水和物が挙げられる。亜硝酸塩としては、例えば、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸銀、亜硝酸バリウムなどを挙げることができる。これらを2種以上含有してもよい。これらの中でも、硝酸生成の反応速度などを考慮すると硝酸塩が好ましく、硝酸ナトリウムまたは硝酸カリウムがより好ましい。
【0046】
次に、本発明の導電膜除去剤の製造方法について例を挙げて説明する。まず、溶剤に樹脂を添加し、十分に撹拌して溶解させる。撹拌は、加熱条件下で行ってもよく、溶解速度を上げる目的から50〜80℃で撹拌することが好ましい。次に、単体での蒸気圧が異なる酸と塩基、および必要に応じてレベリング剤および前記添加剤を加え撹拌する。添加方法および添加順序は特に限定されない。撹拌は、加熱条件下で行ってもよく、添加剤の溶解速度を上げる目的から50〜80℃で撹拌することが好ましい。
【0047】
本発明の導電膜除去剤は、導電膜の材質に適した酸または塩基を選択することで、金属、炭素系化合物、金属酸化物、導電性高分子などからなる導電膜を除去することができる。金属としては、元素の短周期型周期律表におけるIIA属、IIIA属、IVA属、VA属、VIA属、VIIA属、VIII属、IB属、IIB属、IIIB属、IVB属またはVB属に属する元素が挙げられる。具体的には、金、白金、銀、ニッケル、シリコン、ステンレス鋼、銅、黄銅、アルミニウム、ガリウム、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、マンガン、アンチモン、パラジウム、ビスマス、テクネチウム、レニウム、鉄、オスミウム、コバルト、亜鉛、スカンジウム、ホウ素、ガリウム、インジウム、ケイ素、ゲルマニウム、テルル、錫、マグネシウムや、これらを含む合金が挙げられる。
【0048】
炭素系化合物としては、カーボンナノホーン、カーボンナノチューブ、カーボンナノコイル、カーボンウィスカー、フラーレン、グラフェンなどが挙げられる。なお、カーボンナノチューブは単層でも多層でもよく、層数の異なる2種以上のCNTを用いてもよい。
【0049】
金属酸化物としては、酸化インジウムまたは酸化インジウムに錫、亜鉛、テルル、銀、ジルコニウム、ハフニウムまたはマグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の元素がドープされた化合物や酸化錫、または酸化錫にアンチモン、亜鉛またはフッ素などがドープされた化合物や酸化亜鉛、または酸化亜鉛にアルミニウム、ガリウム、インジウム、ホウ素、フッ素、マンガンなどの元素がドープされた化合物などが挙げられる。
【0050】
導電性高分子としては、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリ(2−エチルヘキシルオキシ−5−メトキシ−1,4−フェニルビニレン)などが挙げられる。
【0051】
本発明の導電膜除去剤は、前記導電体の蒸着膜やコーティング膜などの他、前記導電体のウィスカー状導電体、繊維状導電体、粒子状導電体を含む導電膜に対しても適用でき、導電膜の表面形状は限定されない。
【実施例】
【0052】
以下、本発明の導電膜除去剤および導電膜除去方法を実施例に基づき、具体的に説明する。ただし、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0053】
(1)導電膜除去剤のpH測定方法(加熱処理前後)
加熱処理前の導電膜除去剤のpHは、pH測定器(“SevenGO pH SG2”、メトラートレド(株)製)を用いて、20℃で直接測定した。加熱処理後の導電膜除去剤のpHは、加熱処理直後の導電膜除去剤を1g採取し、純水1mLに入れ攪拌し(エッチング成分の抽出)、前記水溶液のpHを、pH測定器を用いて、20℃で測定した。
【0054】
(2)腐食性テスト
導電膜除去剤にいれる金属アルミニウム片(縦1cm×横1cm)の重量を測定し、該除去剤へ浸漬し、25℃、1週間静置した。その後、該アルミニウム片を取り出し、水洗浄し、軽く乾燥させた後、重量を測定した。該除去剤へ浸漬後、さびなどの表面変化がなく、重量変化も±3%未満であれば、評価○(腐食性なし)とした。一方、該除去剤へ浸漬後、アルミ表面にさびなどが発生していた場合、または重量変化が3%以上あった場合は、評価×(腐食性あり)とした。
【0055】
(3)導電膜除去面の外観評価方法
各実施例・比較例に記載の導電膜付き基材上に、外枠10cm×10cm、内枠9×9cmの線幅1cmの額縁状パターンで導電膜除去剤を乾燥後の膜厚が、1.0μmとなるように公知手法で塗布し、その後、赤外線オーブンに入れ、表1に記載の条件で加熱処理した。加熱処理後、オーブンから取り出し室温まで放冷した後、乾燥膜厚が所定の厚みであることを、触針式膜厚計(“サーフコム”、東京精密(株)製)にて測定し、確認した。また、加熱処理後の導電膜除去剤のpH測定を実施した。その後、各実施例・比較例に記載の条件で洗浄して基材に付着している導電膜除去剤および分解物を除去した。そして、前記基板を圧空で水切りしてから赤外線オーブンに入れ80℃で1分間乾燥し、導電膜がパターニングされた導電膜付き基材を得た。パターニングされた導電膜付き基材を、光学顕微鏡((株)ニコン製ECLIPSE−L200、倍率500倍)にて観察し、外枠10cm×10cmの枠内について外周0.01mm以上の斑状および/またはドット状の残渣の有無を評価した。
【0056】
(4)導電膜除去ライン幅の評価方法
実施例1〜14および比較例1〜3に記載の導電膜付き基材上に、sus#500メッシュを用いて導電膜除去剤を乾燥後の膜厚が、1.0μmとなるようにスクリーン印刷した。印刷パターンは、ライン長5cm、ライン幅30μm、50μm、100μm、500μmの各直線ラインとした。導電膜除去剤を塗布後、表1に記載の条件で加熱処理し、オーブンから取り出し室温まで放冷した後、乾燥膜厚が所定の厚みであることを、触針式膜厚計(“サーフコム”、東京精密製)にて測定し、確認した。25℃の純水を用いて1分間洗浄して基材に付着している導電膜除去剤および分解物を除去した。そして、前記基板を圧空で水切りしてから赤外線オーブンで80℃1分間乾燥し、導電膜がパターニングされた導電膜付き基材を得た。次に、エッチングライン両端部から1cmの部分を切断し、エッチングラインで仕切られた3cm×10cmの導電膜付き基材を得た。そして、エッチングラインの右側と左側に絶縁抵抗計(三和電気計器(株)製、EA709DA−1)の探針をあて、直流25V印加で10MΩ以上の抵抗を示したパターンの最小のライン幅を、導電膜除去ライン幅とした。導電膜除去ライン幅が500μm以下である場合、高精細のパターンを形成することができるといえる。
【0057】
(5)エッチング境界部のライン直線性(うねり)の評価方法
前記(1)に記載の方法により形成した枠状の導電膜除去ラインを光学顕微鏡((株)ニコン製ECLIPSE−L200、倍率500倍)で観察した。該除去ラインを100μmごとにライン幅を測定し、計20点から標準偏差(σ)を算出した。標準偏差が5以下である場合、高精細のパターンを形成することができるといえる。
【0058】
実施例1
容器にN−メチルピロリドン100gと純水10gを入れて混合し、これに、ポリクオタニウム−11(大阪有機化学工業(株)製、H.C.−ポリマー2L)5gを加え、オイルバスで60℃に加熱しながら30分間撹拌した。次に容器をオイルバスから外し室温まで放冷した後、レベリング剤(DIC(株)製フッ素系界面活性剤F−477)0.5gと、硫酸(和光純薬工業(株)製、濃度98%)4gを加え、15分間撹拌した。次に、容器を氷冷しながらエチレンジアミン(和光純薬工業(株)製)2.5gを加え、15分間攪拌した。得られた溶液をメンブレンフィルター(ミリポア(株)製オムニポアメンブレンPTFE、公称0.45μm径)で濾過して、導電膜除去剤を得た。前記(1)記載の方法で、得られた導電膜除去剤のpH測定を実施したところ、7.2であった。前記(2)記載の方法で、腐食性テストを評価したところ、金属アルミニウムの表面に錆の発生は確認されず、重量変化は3%未満だった。
【0059】
次に、ITO透明導電フィルム(東レフィルム加工(株)製、ハイビーム、厚み125μmPETフィルム、550nmでの透過率が88%、表面抵抗が200Ω/□)を、サイズ21×15cmにカットした後、該フィルム上にsus#200メッシュを用いたスクリーン印刷法によって、前記(3)記載の額縁状パターンで前記導電膜除去剤を塗布し、前記(3)記載の方法により、導電膜がパターニングされた導電膜付き基材を得た。洗浄は25℃の純水で1分間行った。加熱処理後の導電膜除去剤のpH測定を実施したところ、pH1.0であった。導電膜除去面の外観を評価したところ、残渣は観察されず外観は良好であった。導電膜除去部分を絶縁抵抗計(三和電気計器(株)製、EA709DA−1)を用いて直流25V印加し、1cm間隔で測定した結果、絶縁抵抗は40MΩ以上であった。前記(4)記載の方法により導電膜除去ライン幅を評価したところ、100μmであった。また、前記(5)記載の方法によりエッチング境界部のライン直線性(うねり)を評価したところ、標準偏差(σ)は10以下であった。
【0060】
実施例2
導電膜除去剤に添加する酸をリン酸10g、エチレンジアミンの添加量を9.2gに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、導電膜がパターニングされた導電膜付き基材を得た。得られた導電膜除去剤のpHを実施例1と同様に測定したところ、7.0であった。また、加熱処理後の導電膜除去剤のpH測定を実施したところ、pH1.6であった。実施例1と同様に腐食性テストを評価したところ、金属アルミニウムの表面に錆の発生は確認されず、重量変化は3%未満だった。導電膜除去面の外観を実施例1と同様に評価したところ、残渣は観察されず外観は良好であった。導電膜除去部分の絶縁抵抗を実施例1と同様に測定したところ、40MΩ以上であった。実施例1と同様に導電膜除去ライン幅を評価したところ、100μmであった。また、実施例1と同様にエッチング境界部のライン直線性(うねり)を評価したところ、標準偏差(σ)は5以下であった。
【0061】
実施例3
導電膜除去剤に添加する塩基をピリジン6.5g、加熱処理を100℃5分間に変更し、さらに硝酸ナトリウム5gを添加した以外は、実施例1と同様の操作を行い、導電膜がパターニングされた導電膜付き基材を得た。得られた導電膜除去剤のpHを実施例1と同様に測定したところ、7.0であった。また、加熱処理後の導電膜除去剤のpH測定を実施したところ、pH1.0であった。実施例1と同様に腐食性テストを評価したところ、金属アルミニウムの表面に錆の発生は確認されず、重量変化は3%未満だった。導電膜除去面の外観を実施例1と同様に評価したところ、残渣は観察されず外観は良好であった。導電膜除去部分の絶縁抵抗を実施例1と同様に測定したところ、40MΩ以上であった。実施例1と同様に導電膜除去ライン幅を評価したところ、50μmであった。また、実施例1と同様にエッチング境界部のライン直線性(うねり)を評価したところ、標準偏差(σ)は10以下であった。
【0062】
実施例4
導電膜除去剤に樹脂とレベリング剤を添加しないことと、該除去剤をインクジェット法で塗布した以外は、実施例1と同様の操作を行い、導電膜が一部パターニングされた導電膜付き基材を得た。得られた導電膜除去剤のpHを実施例1と同様に測定したところ、7.2であった。また、加熱処理後の導電膜除去剤のpH測定を実施したところ、pH1.0であった。実施例1と同様に腐食性テストを評価したところ、金属アルミニウムの表面に錆の発生は確認されず、重量変化は3%未満だった。導電膜導電膜除去面の外観を実施例1と同様に評価したところ、外周1.5mm以上の残渣が10個以上認められた。導電膜除去部分の絶縁抵抗を実施例1と同様に測定したところ、40MΩ以上であった。実施例1と同様に導電膜除去ライン幅を評価したが、塗布ラインに一部ハジキが見られラインエッチングはできなかった。
【0063】
実施例5
塗布する導電膜付き基材の導電層を二層カーボンナノチューブ(DWCNT)の薄膜がPET基材上に形成された導電膜付き基材(550nmでの透過率が88%、表面抵抗が860Ω/□に形成されたもの)に、導電膜除去剤に添加する酸をp−トルエンスルホン酸一水和物10g、添加する塩基をピリジン5g、加熱処理時間を3分間に変更し、さらに硝酸ナトリウム5g添加した以外は、実施例1と同様の操作を行い、導電膜がパターニングされた導電膜付き基材を得た。得られた導電膜除去剤のpHを実施例1と同様に測定したところ、6.8であった。また、加熱処理後の導電膜除去剤のpH測定を実施したところ、pH1.1であった。実施例1と同様に腐食性テストを評価したところ、金属アルミニウムの表面に錆の発生は確認されず、重量変化は3%未満だった。導電膜除去面の外観を実施例1と同様に評価したところ、残渣は観察されず外観は良好であった。導電膜除去部分の絶縁抵抗を実施例1と同様に測定したところ、40MΩ以上であった。実施例1と同様に導電膜除去ライン幅を評価したところ、50μmであった。また、実施例1と同様にエッチング境界部のライン直線性(うねり)を評価したところ、標準偏差(σ)は5以下であった。
【0064】
実施例6
導電膜除去剤に添加する酸をフェノールスルホン酸4g、塩基をプロピルアミン1.4g、加熱処理時間を3分間に変更し、さらに硝酸カリウム5g添加した以外は、実施例5と同様の操作を行い、導電膜がパターニングされた導電膜付き基材を得た。得られた導電膜除去剤のpHを実施例1と同様に測定したところ、7.4であった。また、加熱処理後の導電膜除去剤のpH測定を実施したところ、pH1.1であった。実施例1と同様に腐食性テストを評価したところ、金属アルミニウムの表面に錆の発生は確認されず、重量変化は3%未満だった。導電膜除去面の外観を実施例1と同様に評価したところ、残渣は観察されず外観は良好であった。導電膜除去部分の絶縁抵抗を実施例1と同様に測定したところ、40MΩ以上であった。実施例1と同様に導電膜除去ライン幅を評価したところ、50μmであった。また、実施例1と同様にエッチング境界部のライン直線性(うねり)を評価したところ、標準偏差(σ)は5以下であった。
【0065】
実施例7
導電膜除去剤に添加する塩基を4−メチルピコリン7.6g、樹脂をポリクオタニウム−10に変更した以外は、実施例5と同様の操作を行い、導電膜がパターニングされた導電膜付き基材を得た。得られた導電膜除去剤のpHを実施例1と同様に測定したところ、6.8であった。また、加熱処理後の導電膜除去剤のpH測定を実施したところ、pH1.0であった。実施例1と同様に腐食性テストを評価したところ、金属アルミニウムの表面に錆の発生は確認されず、重量変化は3%未満だった。導電膜除去面の外観を実施例1と同様に評価したところ、残渣は観察されず外観は良好であった。導電膜除去部分の絶縁抵抗を実施例1と同様に測定したところ、40MΩ以上であった。実施例1と同様に導電膜除去ライン幅を評価したところ、100μmであった。また、実施例1と同様にエッチング境界部のライン直線性(うねり)を評価したところ、標準偏差(σ)は10以下であった。
【0066】
実施例8
導電膜除去剤に添加する塩基を2−エタノールアミン(和光純薬工業(株)製)5g、樹脂をヒドロキシエチルセルロース(ダイセル化学工業(株)製)3g、レベリング剤をF−555(DIC(株)製フッ素系界面活性剤)、塗布する導電膜付き基材の導電層をThe Journal of Physical Chemistry B 誌2006年第110巻p8535−8539記載の方法を用いて成膜したグラフェンに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、導電膜がパターニングされた導電膜付き基材を得た。得られた導電膜除去剤のpHを実施例1と同様に測定したところ、6.8であった。また、加熱処理後の導電膜除去剤のpH測定を実施したところ、pH1.0であった。実施例1と同様に腐食性テストを評価したところ、金属アルミニウムの表面に錆の発生は確認されず、重量変化は3%未満だった。導電膜除去面の外観を実施例1と同様に評価したところ、残渣は観察されず外観は良好であった。導電膜除去部分の絶縁抵抗を実施例1と同様に測定したところ、40MΩ以上であった。実施例1と同様に導電膜除去ライン幅を評価したところ、50μmであった。また、実施例1と同様にエッチング境界部のライン直線性(うねり)を評価したところ、標準偏差(σ)は5以下であった。
【0067】
実施例9
導電膜除去剤に添加する塩基をピリジン6.5g、樹脂をポリクオタニウム−10、加熱処理時間3分間に変更し、さらに硝酸ナトリウム5g添加した以外は、実施例8と同様の操作を行い、導電膜がパターニングされた導電膜付き基材を得た。得られた導電膜除去剤のpHを実施例1と同様に測定したところ、6.7であった。また、加熱処理後の導電膜除去剤のpH測定を実施したところ、pH1.0であった。実施例1と同様に腐食性テストを評価したところ、金属アルミニウムの表面に錆の発生は確認されず、重量変化は3%未満だった。導電膜除去面の外観を実施例1と同様に評価したところ、残渣は観察されず外観は良好であった。導電膜除去部分の絶縁抵抗を実施例1と同様に測定したところ、40MΩ以上であった。実施例1と同様に導電膜除去ライン幅を評価したところ、100μmであった。また、実施例1と同様にエッチング境界部のライン直線性(うねり)を評価したところ、標準偏差(σ)は10以下であった。
【0068】
実施例10
導電膜付き基材の導電膜をChemistry of Materials誌2002年14巻p4736−4745に記載の方法を用いて合成した銀ナノワイヤーに、導電膜除去剤に添加する酸を硝酸4g、塩基を4−メチルピコリン15g、樹脂をポリクオタニウム−10 5g、レベリング剤をF−555 0.5gに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、導電膜がパターニングされた導電膜付き基材を得た。得られた導電膜除去剤のpHを実施例1と同様に測定したところ、7.5であった。また、加熱処理後の導電膜除去剤のpH測定を実施したところ、pH1.1であった。実施例1と同様に腐食性テストを評価したところ、金属アルミニウムの表面に錆の発生は確認されず、重量変化は3%未満だった。導電膜除去面の外観を実施例1と同様に評価したところ、残渣は観察されず外観は良好であった。導電膜除去部分の絶縁抵抗を実施例1と同様に測定したところ、40MΩ以上であった。実施例1と同様に導電膜除去ライン幅を評価したところ、200μmであった。また、実施例1と同様にエッチング境界部のライン直線性(うねり)を評価したところ、標準偏差(σ)は10以下であった。
【0069】
実施例11
導電膜除去剤に添加する塩基を4−メチルピコリン7.6g、加熱処理を100℃3分間に変更し、さらに硝酸ナトリウム5g添加した以外は、実施例10と同様の操作を行い、導電膜がパターニングされた導電膜付き基材を得た。得られた導電膜除去剤のpHを実施例1と同様に測定したところ、7.2であった。また、加熱処理後の導電膜除去剤のpH測定を実施したところ、pH1.0であった。実施例1と同様に腐食性テストを評価したところ、金属アルミニウムの表面に錆の発生は確認されず、重量変化は3%未満だった。導電膜除去面の外観を実施例1と同様に評価したところ、残渣は観察されず外観は良好であった。導電膜除去部分の絶縁抵抗を実施例1と同様に測定したところ、40MΩ以上であった。実施例1と同様に導電膜除去ライン幅を評価したところ、100μmであった。また、実施例1と同様にエッチング境界部のライン直線性(うねり)を評価したところ、標準偏差(σ)は10以下であった。
【0070】
実施例12
導電膜除去剤に添加する酸をp−トルエンスルホン酸一水和物10g、塩基を4−メチルピコリン4.9gに変更し、さらに硝酸ナトリウム5g加えた以外は、実施例10と同様の操作を行い、導電膜がパターニングされた導電膜付き基材を得た。得られた導電膜除去剤のpHを実施例1と同様に測定したところ、7.0であった。また、加熱処理後の導電膜除去剤のpH測定を実施したところ、pH1.1であった。実施例1と同様に腐食性テストを評価したところ、金属アルミニウムの表面に錆の発生は確認されず、重量変化は3%未満だった。導電膜除去面の外観を実施例1と同様に評価したところ、残渣は観察されず外観は良好であった。導電膜除去部分の絶縁抵抗を実施例1と同様に測定したところ、40MΩ以上であった。実施例1と同様に導電膜除去ライン幅を評価したところ、50μmであった。また、実施例1と同様にエッチング境界部のライン直線性(うねり)を評価したところ、標準偏差(σ)は5以下であった。
【0071】
実施例13
導電膜付き基材の導電層を公開特許公報2002−266007号記載の方法を用いて製膜した銅ウィスカーに、導電膜除去剤に添加する酸を酢酸(和光純薬工業(株)製)10g、塩基をピリジン13g、加熱処理温度を100℃に変更した以外は、実施例10と同様の操作を行い、導電膜がパターニングされた導電膜付き基材を得た。得られた導電膜除去剤のpHを実施例1と同様に測定したところ、7.0であった。また、加熱処理後の導電膜除去剤のpH測定を実施したところ、pH2.9であった。実施例1と同様に腐食性テストを評価したところ、金属アルミニウムの表面に錆の発生は確認されず、重量変化は3%未満だった。導電膜除去面の外観を実施例1と同様に評価したところ、残渣は観察されず外観は良好であった。導電膜除去部分の絶縁抵抗を実施例1と同様に測定したところ、40MΩ以上であった。実施例1と同様に導電膜除去ライン幅を評価したところ、100μmであった。また、実施例1と同様にエッチング境界部のライン直線性(うねり)を評価したところ、標準偏差(σ)は10以下であった。
【0072】
実施例14
導電膜付き基材の導電層を公開特許公報2002−266007号記載の方法を用いて製膜した銅ナノワイヤーに、導電膜除去剤に、さらに硝酸ナトリウム5gを加え、加熱処理時間を3分間に変更した以外は、実施例13と同様の操作を行い、導電膜がパターニングされた導電膜付き基材を得た。得られた導電膜除去剤のpHを実施例1と同様に測定したところ、7.4であった。また、加熱処理後の導電膜除去剤のpH測定を実施したところ、pH1.8であった。実施例1と同様に腐食性テストを評価したところ、金属アルミニウムの表面に錆の発生は確認されず、重量変化は3%未満だった。導電膜除去面の外観を実施例1と同様に評価したところ、残渣は観察されず外観は良好であった。導電膜除去部分の絶縁抵抗を実施例1と同様に測定したところ、40MΩ以上であった。実施例1と同様に導電膜除去ライン幅を評価したところ、50μmであった。また、実施例1と同様にエッチング境界部のライン直線性(うねり)を評価したところ、標準偏差(σ)は5以下であった。
【0073】
比較例1
導電膜除去剤に塩基を添加しないこと以外は、実施例4と同様の操作を行い、導電膜が一部パターニングされた導電膜付き基材を得た。導電膜除去剤のpHを実施例1と同様に測定したところ、1.0であった。また、加熱処理後の導電膜除去剤のpH測定を実施したところ、pH1.0であった。腐食性テストを実施例1と同様に評価したところ、金属アルミニウムの表面に錆の発生を確認し、重量も20%減少していた。導電膜除去面の外観を実施例1と同様に評価したところ、外周1.5mm以上の残渣が10個以上認められた。導電膜除去部分の絶縁抵抗を実施例1と同様に測定したところ、40MΩ以上であった。
【0074】
比較例2
導電膜除去剤に酸と硝酸ナトリウムを添加せず、塩基を水酸化ナトリウム5g、加熱処理時間を10分間に変更した以外は、実施例4と同様の操作を行った。しかし、導電膜がパターニングされた導電膜付き基材を得られなかった。導電膜除去剤のpHを実施例1と同様に測定したところ、14.0であった。また、加熱処理後の導電膜除去剤のpH測定を実施したところ、pH14.0であった。腐食性テストを実施例1と同様に評価したところ、金属アルミニウムの表面は腐食し、重量も10%減少していた。導電膜除去面の外観を実施例1と同様に評価したところ、外周1.5mm以上の残渣が10個以上認められた。導電膜除去部分の絶縁抵抗を実施例1と同様に測定したところ、1000Ωしかなかった。
【0075】
比較例3
導電膜除去剤に酸と塩基を添加せず、さらに硝酸ナトリウム5g添加した以外は、実施例9と同様の操作を行った。しかし、導電膜がパターニングされた導電膜付き基材は得られなかった。導電膜除去剤のpHを実施例1と同様に測定したところ、6.9であった。また、加熱処理後の導電膜除去剤のpH測定を実施したところ、6.9であった。腐食性テストを実施例1と同様に評価したところ、金属アルミニウムの表面に変化なく、重量変化も確認されなかった。導電膜除去面の外観を実施例1と同様に評価したところ、外周1.5mm以上の残渣が10個以上認められた。導電膜除去部分の絶縁抵抗を実施例1と同様に測定したところ、500Ωしかなかった。
【0076】
以下、表1、2に実施例および比較例の作成条件および評価結果を示す。
【0077】
【表1】

【0078】
【表2】

【符号の説明】
【0079】
101 基材
102 導電膜
103 導電膜除去剤
104 導電膜が除去された部分


【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電膜付き基材の少なくとも一部に20℃におけるpHが6.0〜8.0の導電膜除去剤を塗布する工程、導電膜除去剤を塗布した導電膜付き基材を加熱処理する工程、および加熱処理した導電膜付き基材から液体を用いた洗浄により導電膜を除去する工程を有する導電膜除去方法であって、加熱処理する工程において塗布された導電膜除去剤の少なくとも一部の成分が揮発することで該導電膜除去剤のpHを6.0未満、または8.0より大きくすることを特徴とする導電膜除去方法。
【請求項2】
加熱処理する工程で、前記導電膜除去剤のpHを6.0未満にする請求項1記載の導電膜除去方法。
【請求項3】
加熱処理温度が80℃以上である、請求項1または2に記載の導電膜除去方法。
【請求項4】
カチオン性樹脂を含む導電膜除去剤を用いる、請求項1〜3のいずれかに記載の導電膜除去方法。
【請求項5】
単体での蒸気圧が異なる酸と塩基、溶剤および樹脂を含み、20℃におけるpHが6.0〜8.0であり、樹脂がカチオン性樹脂であることを特徴とする導電膜除去剤。
【請求項6】
塩基が、含窒素化合物である請求項5記載の導電膜除去剤。
【請求項7】
含窒素化合物が、酸の蒸気圧よりも高い蒸気圧を有するアミン化合物である請求項6記載の導電膜除去剤。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2013−8897(P2013−8897A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141588(P2011−141588)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】