説明

小便器用薬液供給装置の線状取付具

【課題】本発明の目的は、小便器用薬液供給装置を安定に取付け、水洗時に好適な量の薬剤を分散・溶解させ、耐久性の高い線状取付具を提供することである。
【解決手段】本発明は、水洗時に薬液を小便器の壁面に流下させる小便器用薬液供給装置を前記小便器の取付部に取着される線材から形成された小便器用薬液供給装置の線状取付具1において、前記線状取付具1は、前記小便器用薬液供給装置を抱持する係合枠線部41と、前記係合枠線部41の上部係合線42から連続して上方に突出する首線部43と、前記首線部の上端に形成されたループ線部から構成され、前記ループ線部を前記小便器の前記取付部に取着する小便器用薬液供給装置の線状取付具である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小便器用薬液供給装置(以下、単に「薬液供給装置」とも称する)を小便器の取付部に取付ける線状取付具に関し、更に詳細には、水洗時に薬液を小便器の壁面に流下させる小便器用薬液供給装置を、小便器に取付ける線材から形成された線状取付具に関する。
【背景技術】
【0002】
洗浄用の薬液供給装置や芳香器を小便器に取付けて、小便器の洗浄や消臭等を行うため、小便器の特性に応じて薬液供給装置等の取付具が開示されている。実公平3−48290号公報(特許文献1)や実公平4−42372号公報(特許文献2)には、線材からなる取付具(前記文献において支持具と称されている)が取付けられた芳香器が記載され、前記線材を散水孔に差し込み、前記芳香器を前記線材により散水孔から吊り下げることが記載されている。
【0003】
その他に、特開2010−70965号公報(特許文献3)、特開2010−70966号公報(特許文献4)及び特許第3801930号公報(特許文献5)には、薬液供給装置に設けられた吸盤を小便器の内壁に吸着させ、小便器用薬液供給装置を取付けることが記載されている。また、特許第4476027号公報(特許文献6)には、小便器用の薬液供給装置を係合するフックを取付板に設け、この取付板を両面テープで小便器の内壁に貼り付け、小便器用薬液供給装置を前記取付板のフックに係合し、取付けることが記載されている。
【0004】
更に、特許文献4には、図23に示すように、前記吸盤で薬液供給装置を壁面TWに取付けるもの以外に、フック161、162が設けられた薬液供給装置取付用の線材が記載されている。図23は、従来の小便器用薬液用供給装置取付具の構成図である。(23A)では、小便器の上部にある洗浄水の噴出口Hにフック161を引っ掛け、(23B)では、小便器内に設けられた下方に突出する突起の噴出口Hに、フック162を引っ掛けている。両フック161、162は、金属棒のバネ構造により噴出口Hに取付けられる。しかしながら、フック161では、洗浄水の噴出口Hの真下に設置され、噴出した洗浄水が吊り手に当たって飛散する可能性があることが特許文献4に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実公平3−48290号公報
【特許文献2】実公平4−42372号公報
【特許文献3】特開2010−70965号公報
【特許文献4】特開2010−70966号公報
【特許文献5】特許第3801930号公報
【特許文献6】特許第4476027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述のように、特許文献1や特許文献2には、支持具と称される線材からなる取付具を散水孔に差し込み、前記芳香器を前記線材により散水孔から吊り下げることが記載されている。しかしながら、特許文献1や特許文献2では、前記支持具を撓ませてその尖鋭な両端部を散水口に差し込むことから、散水孔から取外し難くかった。更に、前記両端部を散水孔に差し込む際に、散水孔の周辺を損傷させることがあり、また、散水孔の周辺を損傷させないよう前記両端部を散水孔に差し込むことは困難であった。散水孔の周辺が損傷した場合、水垢等が付着し、より不衛生である印象を与えていた。
【0007】
特許文献3〜5には、薬液供給装置に設けられた吸盤を小便器の内壁に吸着させ、小便器用薬液供給装置を取付けることが記載されている。しかしながら、吸盤の付着力は、その素材の劣化に伴って急速に減少し、小便器用薬液供給装置を長期間に亘って付着させることは困難であった。同様に、特許文献6には、小便器用薬液供給装置を係合するフックを取付板に設け、この取付板を両面テープで小便器の内壁に貼り付けることが記載されているが、両面テープの付着力も接着剤の劣化に伴って急速に減少するため、小便器用薬液供給装置を長期間に亘って付着させることは困難であった。
【0008】
特許文献4には、図23に示すように、前記吸盤で小便器用薬液供給装置を壁面TWに取付けるもの以外に、フック161、162が設けられた薬液供給装置取付用の線材が記載されている。しかしながら、前述のように、フック161では、洗浄水の噴出口Hの真下に設置され、噴出した洗浄水が吊り手に当たって飛散する可能性があることが特許文献4に記載されている。更に、前記フック161、162のように、1つのフックに吊り下げるだけでは不安定であり、洗浄水により小便器用薬液供給装置の位置がずれる場合があり、毎回、洗浄水に同量程度の薬剤を溶解・分散させることが困難であり、安定した洗浄効果を得難かった。
【0009】
従って、本発明の目的は、上述の課題を解決するものであり、小便器を損傷させることなく、薬液供給装置を安定に取付け、洗浄水の供給時に、同量程度の薬剤を分散・溶解させ、長期間に亘って使用可能な小便器用薬液供給装置の線状取付具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の形態は、水洗時に薬液を小便器の壁面に流下させる小便器用薬液供給装置を前記小便器の取付部に取着される線材から形成された小便器用薬液供給装置の線状取付具において、前記線状取付具は、前記小便器用薬液供給装置を抱持する係合枠線部と、前記係合枠線部の上部係合線から連続して上方に突出する首線部と、前記首線部の上端に形成されたループ線部から構成され、前記ループ線部を前記小便器の前記取付部に取着する小便器用薬液供給装置の線状取付具である。
【0011】
本発明の第2の形態は、第1の形態において、前記小便器の取付部が周囲に環状溝を形成した円盤状突起のとき、前記ループ線部は前記首線部から上方に連設して形成された輪部であり、前記輪部を前記円盤状突起に外嵌状に掛合して前記環状溝に吊持する小便器用薬液供給装置の線状取付具である。
【0012】
本発明の第3の形態は、第1の形態において、前記小便器の取付部が下方に開口して洗浄水を供給流下させる2個の左右取付供給口を有した洗浄水供給部材であるとき、前記首線部は2本の左右首線部からなり、前記ループ線部は前記左右首線部の上方に分断して設けられた2個の左右ループ線部から形成され、前記左右ループ線部のループ径は前記左右取付供給口の口径より大きく設定されており、2個の前記左右ループ線部を2個の前記左右取付供給口に無理嵌め状に圧入して前記小便器用薬液供給装置を吊持する小便器用薬液供給装置の線状取付具である。
【0013】
本発明の第4の形態は、第1〜第3のいずれかの形態において、前記係合枠線部の下部係合線は一本の連続線であり、前記下部係合線の両端から上方に左右接続線が折曲形成され、前記左右接続線が内方に折曲されて前記上部係合線が形成され、前記下部係合線と前記左右接続線と前記上部係合線が前記係合枠線部を形成し、前記係合枠線部により前記小便器用薬液供給装置を抱持する小便器用薬液供給装置の線状取付具である。
【0014】
本発明の第5の形態は、第1〜第3のいずれかの形態において、前記係合枠線部の下部係合線は中央で分断されて左右に離間した2本の左右下部係合突線からなり、前記左右下部係合突線の両端から上方に左右接続線が折曲形成され、前記左右接続線が内方に折曲されて前記上部係合線が形成され、前記左右下部係合突線と前記左右接続線と前記上部係合線が前記係合枠線部を形成し、前記左右係合突線を前記小便器用薬液供給装置に係着して前記小便器用薬液供給装置を抱持する小便器用薬液供給装置の線状取付具である。
【0015】
本発明の第6の形態は、第4の形態において、前記係合枠線部は、前記下部係合線と前記左右接続線と前記上部係合線から形成される多角形状係合枠線部又は楕円状係合枠線部である請求項4に記載の小便器用薬液供給装置の線状取付具である。
【0016】
本発明の第7の形態は、第5の形態において、前記係合枠線部は、前記左右下部係合突線と前記左右接続線と前記上部係合線から形成される多角形状係合枠線部又は楕円状係合枠線部である小便器用薬液供給装置の線状取付具である。
【0017】
本発明の第8の形態は、第1〜第7のいずれかの形態において、前記首線部に角度調整線が屈曲して設けられ、前記角度調整線により前記係合枠線部に対する前記ループ線部の角度が調整される小便器用薬液供給装置の線状取付具である。
【0018】
本発明の第9の形態は、第2、第4〜第8のいずれかの形態において、前記輪部が一個の無端状の無端輪部である小便器用薬液供給装置の線状取付具である。
【0019】
本発明の第10の形態は、第2、第4〜第9のいずれかの形態において、前記上部係合線に2本の前記首線部が左右に設けられ、前記首線部が交差し、前記輪部が前記2つの首線部の端部から上方に連続して形成される小便器用薬液供給装置の線状取付具である。
【0020】
本発明の第11の形態は、第2、第4〜第9のいずれかの形態において、前記上部係合線に2本の前記首線部が左右に設けられ、一方の前記首線部と他方の前記首線部の両方から自由端を有する有端輪部が連接され、前記有端輪部が2つ重なって前記輪部を構成する小便器用薬液供給装置の線状取付具である。
【0021】
本発明の第12の形態は、第3〜第8のいずれかの形態において、前記左右ループ線部の各々が逆V字状挿入線部とV字状押接線部から一体形成され、前記逆V字挿入線部の屈曲部が先端となって前記左右取付供給口に無理嵌め状に圧入され、前記V字状押接線部が前記左右取付供給口の内壁に押接して前記左右ループ線部が前記左右取付供給口に取着される小便器用薬液供給装置の線状取付具である。
【0022】
本発明の第13の形態は、第1〜第12のいずれかの形態において、前記首線部は2本の左右首線部から構成され、前記左右首線部は中間位置で左右切断部を有し、前記左右切断部は掛合止めにより連続化される請求項1〜12のいずれかに記載の小便器用薬液供給装置の線状取付具である。
【発明の効果】
【0023】
本発明の第1の形態によれば、前記線状取付具は、前記小便器用薬液供給装置を抱持する係合枠線部と、前記係合枠線部の上部係合線から連続して上方に突出する首線部と、前記首線部の上端に形成されたループ線部から構成され、前記ループ線部を前記小便器の前記取付部に取着するから、小便器を損傷させることなく薬液供給装置を安定に取付け、洗浄水の供給時に、洗浄水に同量程度の薬剤を分散・溶解させ、長期間に亘って使用することができる。即ち、前記ループ線部を小便器の前記取付部に取着させるから、尖鋭な線状取付具の端部を小便器の壁面に接所させる必要がないため、小便器を損傷させることなく薬液供給装置を取付けることができる。また、前記係合枠線部により小便器用薬液供給装置を抱持するから、前記薬液供給装置が同じ位置に配設されるよう、安定して小便器用薬液供給装置が取付けられ、毎回、水洗時の洗浄水供給時に同量程度の薬剤を分散・溶解させることができる。更に、前記係合枠線部は、薬液供給装置を安定して抱持できるよう適宜に設計することができる。前記ループ線部や前記係合枠線部は、線材から形成され、吸盤や両面テープに比べ、形状や素材が殆ど劣化することが無く、小便器用薬液供給装置を長期間に亘って取付けることができる。前記線材は、ステンレス鋼、炭素鋼等の不錆材料からなることが望ましく、長期間に亘って形状や可撓性を保持することができる。前記ループ線部を小便器に設けられた孔に圧入したり、小便器に設けられた突起等に吊持させたりすることができ、前記ループ線部のループ径を自在に設計し、小便器に取着させることができる。
【0024】
本発明の第2の形態によれば、前記小便器の取付部が周囲に環状溝を形成した円盤状突起のとき、前記ループ線部は前記首線部から上方に連設して形成された輪部であり、前記輪部を前記円盤状突起に外嵌状に掛合して前記環状溝に吊持するから、より簡単に薬液供給装置を小便器の壁面に取付けることができる。即ち、前記取付部が周囲に環状溝を形成した円盤状突起であり、比較的簡単に、前記環状溝に前記輪部を外嵌状に掛合することができ、前記輪部は、前記薬液供給装置を抱持する前記係合枠線部に前記首線部を介して連設されるから、より簡単に薬液供給装置を小便器の壁面に取付けることができる。前記輪部は、線材から形成され、前記円盤状突起や前記環状溝の大きさや構造に応じて容易に設計し、加工することができる。
【0025】
本発明の第3の形態によれば、前記小便器の取付部が下方に開口して洗浄水を供給流下させる2個の左右取付供給口を有した洗浄水供給部材であるとき、前記首線部は2本の左右首線部からなり、前記ループ線部は前記左右首線部の上方に分断して設けられた2個の左右ループ線部から形成され、前記左右ループ線部のループ径は前記左右取付供給口の口径より大きく設定されており、2個の前記左右ループ線部を2個の前記左右取付供給口に無理嵌め状に圧入して前記小便器用薬液供給装置を吊持するから、洗浄水を供給流下させる供給口を前記取付部とすることができ、比較的簡単に、且つ、安定に小便器用薬液供給装置を取付けることができる。即ち、前記ループ線部は、2個の左右ループ線部から形成され、2個の前記左右取付供給口に無理嵌め状に圧入されるから、安定に前記薬液供給装置が取付けられ、水洗時に略同量程度の薬液を小便器の壁面に流下させることができる。更に、前記2個の左右ループ線部は、ループ形状を有するから、前記左右取付供給口に無理嵌め状に圧入しても供給口の周囲が損傷することが殆ど無く、前記左右ループ線部の着脱を繰り返して行うことができる。また、前記左右ループ線部は、線材から形成され、前記左右取付供給口の大きさや形状に応じて自在にループ形状を設計し、加工することができる。
【0026】
本発明の第4の形態によれば、前記係合枠線部の下部係合線は一本の連続線であり、前記下部係合線の両端から上方に左右接続線が折曲形成され、前記左右接続線が内方に折曲されて前記上部係合線が形成され、前記下部係合線と前記左右接続線と前記上部係合線が前記係合枠線部を形成するから、前記係合枠線部により前記小便器用薬液供給装置を抱持して安定に取付けることができる。即ち、前記小便器用薬液供給装置を抱持し、且つ、前記上部係合線と前記下部係合線により前記小便器用薬液供給装置を係合し、小便器の壁面に安定に取付けることができる。また、前記上部係合線を係合させる部材が前記小便器用薬液供給装置に設けられていない場合においても、前記係合枠線部により前記小便器用薬液供給装置を抱持するから、比較的安定に前記小便器用薬液供給装置を取付けることができる。
【0027】
本発明の第5の形態によれば、前記係合枠線部の下部係合線は中央で分断されて左右に離間した2本の左右下部係合突線からなり、前記左右下部係合突線の両端から上方に左右接続線が折曲形成され、前記左右接続線が内方に折曲されて前記上部係合線が形成され、前記左右下部係合突線と前記左右接続線と前記上部係合線が前記係合枠線部を形成し、前記左右係合突線を前記小便器用薬液供給装置に係着して前記小便器用薬液供給装置を抱持するから、簡単な構造で比較的強固に小便器用薬液供給装置を取付けることができる。前記2本の左右下部係合突線を前記小便器用薬液供給装置に設けられた係着孔、係合片や係合突起等に係着させ、比較的強固に、且つ、安定に前記小便器用薬液供給装置を抱持することができる。前述のように、更に、前記上部係合線を係合させれば、より安定に前記小便器用薬液供給装置を取付けることができる。
【0028】
本発明の第6の形態によれば、前記係合枠線部は、前記下部係合線と前記左右接続線と前記上部係合線から形成される多角形状係合枠線部又は楕円状係合枠線部であるから、前記小便器用薬液供給装置の形状に応じて、前記係合枠線部の形状を選択し、前記小便器用薬液供給装置を抱持して安定に小便器の壁面に取付けることができる。前述のように、前記係合枠線部は、線材から形成され、多角形状や楕円状に容易に加工することができる。前記多角形状係合枠線部は、三角状〜九角状の多角形形状を有することが好ましく、比較的容易に線材を曲げ加工し又は接合し、前記小便器用薬液供給装置の形状に応じて安定に抱持できる形状に加工することができる。更に、十角形以上の多角形状係合枠線部を加工することも可能であり、前記小便器用薬液供給装置の安定性を重視することがより好ましい。また、多角形状係合枠線部により複数箇所で前記小便器用薬液供給装置の係合可能な部材に係合することができ、より安定性を向上させることができる。
【0029】
本発明の第7の形態によれば、前記係合枠線部は、前記左右下部係合突線と前記左右接続線と前記上部係合線から形成される多角形状係合枠線部又は楕円状係合枠線部であるから、前記小便器用薬液供給装置の形状に応じて、前記係合枠線部の形状を選択し、前記係合枠線部により前記小便器用薬液供給装置を抱持すると共に前記左右下部係合突線が係着し、安定に小便器の壁面に取付けることができる。前述のように、前記係合枠線部は、線材から形成され、多角形状や楕円状に容易に加工することができる。前記多角形状係合枠線部は、三角状〜九角状の多角形形状を有することが好ましく、比較的容易に線材を曲げ加工し又は接合し、前記小便器用薬液供給装置の形状に応じて安定に抱持する形状に加工することができる。また、前記左右下部係合突線が好適な位置に形成されていれば、十角形以上の多角形状係合枠線部を加工することも可能であり、前記小便器用薬液供給装置の安定性を重視することがより好ましい。また、第7の形態では、左右に離間した前記2本の左右下部係合突線を有し、本発明に係る線状取付具は必ず両端を有し、1本以上の線材から曲げ加工により製造することが可能であり、無端の線状取付具に比べ、比較的容易に製造することができる。
【0030】
本発明の第8の形態によれば、前記首線部に角度調整線が屈曲して設けられ、前記角度調整線により前記係合枠線部に対する前記ループ線部の角度が調整されるから、より安定に前記小便器用薬液供給装置を小便器の壁面に取付けることができる。即ち、前記角度調整線により前記ループ線部の前記角度が調整され、小便器の壁面に好適な角度で又は略平行に前記小便器用薬液供給装置の裏面が接触し、安定に取付けることができる。従って、水洗時に、好適な量の薬剤を洗浄水中に供給し、前記壁面を流下させることができる。
【0031】
本発明の第9の形態によれば、前記輪部が一個の無端状の無端輪部であるから、簡単な構造を有し、比較的容易に製造することができると共に、前記円盤状突起に外嵌状に掛合して前記環状溝に吊持すれば、比較的強固に前記小便器用薬液供給装置を小便器壁面に取付けることができる。前記環状溝の形状に適した大きさ及び/又は太さを有することによって、より安定、且つ強固に前記小便器用薬液供給装置を取付けることができる。
【0032】
本発明の第10の形態によれば、前記上部係合線に2本の前記首線部が左右に設けられ、前記首線部が交差し、前記輪部が前記2つの首線部の端部から上方に連続して形成されるから、前記輪部をより簡単に形成することができる共に、前記首線部と前記輪部の耐久性を向上させることができる。即ち、前記首線部が上方に直線的に連設されている場合、前記首線部の上方端部から略直角に屈曲させ、首線部の先端から前記輪部を形成する又は接合するため、前記輪部と前記首線部が連続する部分の強度が低下する可能性があった。しかしながら、前記首線部が交差し、徐々に湾曲して前記輪部が形成されるから、前記首線部と前記輪部がより連続的に形成又は接続され、耐久性を向上させることができる。
【0033】
本発明の第11の形態によれば、前記上部係合線に2本の前記首線部が左右に設けられ、一方の前記首線部と他方の前記首線部の両方から自由端を有する有端輪部が連接され、前記有端輪部が2つ重なって前記輪部を構成するから、前記輪部の強度を増強することができる。更に、前記輪部は、自由端を有する前記2つの有端輪部からなり、各々の一端が各首線部に連設されれば良く、比較的簡単に製造することができる。また、前記環状溝の幅に安定に掛合され、取付けられた小便器用薬液供給装置の安定性をより向上させることができる。
【0034】
本発明の第12の形態によれば、前記左右ループ線部の各々が逆V字状挿入線部とV字状押接線部から一体形成され、前記逆V字挿入線部の屈曲部が先端となって前記左右取付供給口に無理嵌め状に圧入されるから、前記左右取付供給口に、比較的容易に前記左右ループ線部を圧入して、左右2箇所で前記小便器用薬液供給装置を安定に取付けることができる。更に、前記V字状押接線部が前記左右取付供給口の内壁に押接して前記左右ループ線部が前記左右取付供給口に取着されるから、前記逆V字挿入線部の屈曲部の先端を圧入するときと同様に、前記左右取付供給口内を殆ど損傷させることが無く、繰り返し着脱可能である。また、前記左右取付供給口を取付部として利用でき、更に、より効率的に洗浄水を小便器用薬液供給装置内に導くことが可能である。
【0035】
本発明の第13の形態によれば、前記首線部は2本の左右首線部から構成され、前記左右首線部は中間位置で左右切断部を有し、前記左右切断部は掛合止めにより連続化されるから、前記ループ線部と前記係合枠線部を前記首線部の左右切断部を介して比較的容易に接続することができる。また、前記首線部は2本の左右首線部から構成されるから、前記係合枠線部がより安定に連設され、前記小便器用薬液供給装置の安定性を保持することができる。前記左右切断部は、線材同士をU字状と逆U字状に折り曲げて掛合したものや、2本の線材を重ね捻ったものを用いても良い。前記U字状と前記逆U字状に折り曲げて掛合したものであれば、比較的簡単に形成できると共に、前記左右切断部から分離することも可能であり、適宜に前記ループ線部と前記係合枠線部のいずれかを取り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は、本発明に係る薬液供給装置が取付けられた小便器の概略図である。
【図2】図2は、本発明に係る薬液供給装置の取付部が設けられた小便器と前記取付部の内部に設けられた洗浄水供給部材の拡大概略図である。
【図3】図3は、本発明に係る薬液供給装置と洗浄水供給部材である。
【図4】図4は、本発明に係る線状取付具の構成概略図である。
【図5】図5は、本発明に係る線状取付具の他の実施形態を示す構成概略図である。
【図6】図6は、本発明に係る線状取付具の挿入部の構成概略図である。
【図7】図7は、本発明に係る薬液供給装置本体の構成概略図である。
【図8】図8は、本発明に係る薬液供給装置本体の開閉部材を開放した状態の構成概略図である。
【図9】図9は、本発明に係る薬液供給装置本体の側面概略図である。
【図10】図10は、本発明に係る洗浄水供給部材の構成概略図である。
【図11】図11は、本発明に係る洗浄水供給部材の部分断面図である。
【図12】図12は、本発明に係る薬液供給装置を洗浄水供給部材に装着した状態の概略図である。
【図13】図13は、本発明に係る薬液供給装置の裏面概略図である。
【図14】図14は、本発明に係る薬液供給装置のカバーの開閉を説明する説明図である。
【図15】図15は、本発明に係る薬液供給装置が輪状取付具によって装着された小便器の概略図である。
【図16】図16は、本発明に係る小便器の突出取付部の拡大概略図である。
【図17】図17は、本発明に係る輪状取付具の構成概略図である。
【図18】図18は、本発明に係る輪状取付具の他の実施形態を示す構成概略図である。
【図19】図19は、本発明に係る輪状取付具の輪部の側面概略図である。
【図20】図20は、本発明に係る輪状取付具の輪部を小便器の環状溝に取付けた説明図である。
【図21】図21は、本発明に係る薬液供給装置本体に輪状取付具を配設した構成概略図である。
【図22】図22は、本発明に係る薬液供給装置のカバーの構成概略図である。
【図23】図23は、従来の小便器用薬液供給装置取付具の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面を示して本発明に係る小便器用薬液供給装置(以下、単に「薬液供給装置」とも称する)の線状取付具に関する実施形態を詳細に説明する。尚、同一部材や同一機能の部材には、同一符号を付しており、以下において、一度説明した部材については、付加的な特別の機能等がない限り、説明を省略する。
図1は、本発明に係る薬液供給装置2が取付けられた小便器4の概略図である。図1において、薬液供給装置2が小便器4の取付部6に取付けられており、使用者が小便器4から離れたことをセンサ4aで感知すると、洗浄水が小便器4の上部から供給され、薬液供給装置2を介して壁面8を流下する洗浄水に薬剤が溶解・分散している。薬剤を含む洗浄水により小便器4の壁面8が洗浄される。更に、小便器4の内壁の底であって壁面8に連続する小便受部10に、一時的に溜まることにより薬剤を含有する洗浄水の膜、たまり、層等が形成され、前記小便受部10が洗浄される。薬液供給装置2は、本発明に係る線状取付具(図1には記載されていない)によって小便器4に取付けられている。前記線状取付具は、小便器4を損傷させることなく、薬液供給装置2をより安定に且つより簡単に取付けることができ、長期間に亘って使用可能であることが要求される。薬液供給装置2が安定に取付けられることにより、水洗時に略同程度の薬液を毎回供給することができ、小便器4をより清潔に保つことができる。
【0038】
図2は、本発明に係る薬液供給装置2の取付部6が設けられた小便器4と前記取付部6の内部に設けられた洗浄水供給部材12の拡大概略図である。図2に示した小便器は4では、薬液供給装置2が取り外されており、小便器4の内壁を構成する壁面8の上方には、薬液供給装置2の取付部6が設けられ、前記取付部6が下方に開口している。前記取付部6の内部には、一点破線の四角内に示した洗浄水供給部材12が設けられている。図中の前記洗浄水供給部材12は、洗浄水供給管14、終端壁18、ストッパ20から構成され、洗浄水を供給流下させる取付供給口16が左右に2箇所設けられている。後述するように、洗浄水供給管14には、ストッパ20を介して挿入管が連設されており、前記挿入管に供給されて流通した洗浄水が洗浄水供給管14に供給され、前記取付供給口16及び間隙22から流下する。前記終端壁18が小便器に接触し、洗浄水供給管14を介して供給される洗浄水は、最終的に終端壁18に衝突して間隙22や取付供給口16から流下し、一部が薬液供給装置2に供給される。この洗浄水は、一部が取付けられる薬液供給装置2に流入し、薬剤が溶解及び/又は分散して、更に壁面8を流下することにより、小便器4の内壁を洗浄する。後述のように、薬液供給装置2は、前記左右の取付供給口16に圧入される2個のループ線部を有した線状取付具によって、前記洗浄水供給部材12に取付けられる。
【0039】
図3は、本発明に係る薬液供給装置と洗浄水供給部材12である。薬液供給装置の本体にカバー24が取付けられ、後述するように、前記カバー24の取付具口26に線状取付具1の挿入部等が配設されるよう構成されている。従って、カバー24の内部には、薬液供給装置の本体が内蔵されており、詳細は後述する。尚、本願明細書では、薬液供給装置において、カバー24が必須の構成要件ではないため、カバー24の内部にある薬液供給装置の本体を「薬液供給装置」と称する場合がある。図3の実施形態において、前記カバー24は、内部にある薬液供給装置の本体と別部材として記載されているが、カバーと本体が一体形成されていても良く、「薬液供給装置」は、薬液供給装置の本体を包含する用語として用いる。即ち、本願明細書では、薬剤を収容し、洗浄水中に薬剤を溶解及び/又は分散させることが可能であり、線状取付具によって抱持されて小便器に取付可能なものを「薬液供給装置」と称し、更に、その外側にカバーを設けた際に、「薬液供給装置の本体」又は「薬液供給装置本体」と称する。
前記取付具口26は、線状取付具1を洗浄水供給部材12の取付供給口16に圧入できるよう形成されれば良く、図3に示した実施形態では、取付具口壁面28が設けられている。前記洗浄水供給部材12は、洗浄水供給管14、ストッパ20、挿入管32及び挿入管上部34からなり、前記洗浄水供給管14、前記挿入管32及び前記挿入管上部34は連通し、挿入管上部34に供給された洗浄水が取付供給口16まで流通する。流通してきた洗浄水は、薬液供給装置が取付けられた際、前述のように、取付供給口16や終端壁18との間隙から薬液供給装置内に供給される。また、前記取付具口壁面28が設けられることにより、洗浄水供給部材12を介して供給される洗浄水は、殆どが薬液供給装置内に流入し、好適な量の薬剤を供給することができる。また、薬液供給装置の横ブレ防止や小便器との一体感が得られる。図3に示した実施形態の線状取付具1は、図において、前記取付具口26から突出しているが、前記洗浄水供給部材12を取付けた際に、前記取付具口壁面28に前記ストッパ20に接触する程度に配設されることが好ましく、洗浄水をより高効率に薬液供給装置内に供給することができる。前記洗浄水供給部材12の挿入管上部34には、螺合部34aが設けられ、図2において、一点破線内に拡大概略図を示したように、前記挿入管34が小便器の取付部内に螺合し、前記取付部内において、洗浄水供給管14とストッパ20が露出するよう構成されている。また、図3に示すように、カバー24には、嵌合孔30が設けられ、図示していないが、薬液供給装置の本体に設けられた嵌合突起が嵌合し、カバー24が固定される。
【0040】
図4は、本発明に係る線状取付具の構成概略図である。(4A)に示した実施形態の線状取付具1は、挿入部3、係合枠線部41及び首線部43から構成され、前記ループ線部は、三角状ループからなる左右2個の挿入部3である。挿入部3の詳細については、後述する。各挿入部3が左右の各首線部43により係合枠線部41に連設されている。挿入部先端3aから挿入部3が図3に示した取付供給口16に圧入される。前記各首線部43には、角度調整線44が屈曲して設けられ、この角度調整線44により前記係合枠線部41に対する挿入部3の角度が調整され、前記係合枠線部41により抱持すると共に、好適な角度で挿入部3が図3に示した取付供給口16に圧入される。前記角度調整線44に関する詳細は後述する。前記係合枠線部41は、一本の連続線からなる下部係合線36と左右の接続線40によって接続された各上部係合線42から形成され、前記各首線部43は、前記各上部係合線42を介して係合枠線部41に連設されている。(4A)に示した線状取付線1の実施形態では、前記上部係合線42が薬液供給装置の本体に係合し、更に前記下部係合線36の下部係合部38が前記薬液供給装置の本体に係合する。即ち、前記係合枠線部41により前記薬液供給装置の本体を抱持し、左右にある前記各上部係合線42と各下部係合部38が前記薬液供給装置の本体に係合するよう形成されている。
【0041】
図4の(4B)には、線状取付具1の他の実施形態を示している。係合枠線部41の下部係合線は中央で分断されて左右に離間し、左右にある2本の下部係合突線39を有している。即ち、各下部係合突線39が(4A)に示した各下部係合部38の機能を有し、係合枠線部41により前記薬液供給装置の本体を抱持し、左右にある前記各上部係合線42と各下部係合突線39が前記薬液供給装置の本体に係合するよう形成されている。前記下部係合突線39は、互いに分離しているから、薬液供給装置の本体に嵌合孔を2個設ければ、前記各下部係合突線39を各嵌合孔に嵌合し、より安定に前記薬液供給装置の本体を抱持することができる。前記係合枠線部41により前記薬液供給装置の本体が抱持され、前記各上部係合線42及び/又は前記各下部係合突線39が前記薬液供給装置の本体に係合すれば良く、左右の上部係合線42が一本の連続線から形成されても良い。この場合、線状取付具1が一体形成され、前記薬液供給装置を抱持する安定性を向上させることができる。上部係合線42が一本の連続線から形成されても、2箇所に左右の首線部43を接続することができる。(4B)において、前記各挿入部3は、(4A)と同形状であり、同様に、左右の各首線部43により係合枠線部41に連設されており、各首線部43及び各挿入部3に関するこれ以上の説明を省略する。
【0042】
図5は、本発明に係る線状取付具1の他の実施形態を示す構成概略図である。図4に示した線状取付具1と異なる特徴についてのみ説明する。図5の(5A)において、係合枠線部41は三角形状を有し、下部係合線36に対して左右の上部係合線42が傾斜しており、左右の接続線40は殆ど長さを有さず、下部係合線36と各上部係合線42の接続点として機能している。但し、左右の接続線40は、薬液供給装置の形状に応じて適宜に設計を変更することができ、その場合、三角状の係合枠線部41は、台形状に近づくが、台形状の係合枠線部41も広義に三角状の係合枠線部41と称している。即ち、前記係合枠線部41が前記薬液供給装置を抱持し、前記係合枠線部41の上部係合線42及び下部係合線36の一部又は全部が前記薬液供給装置に設けられた部材に係合できれば良い。
【0043】
図5の(5B)において、係合枠線部41は略楕円形状を有し、各上部係合線42と下部係合線36を接続し、それらの左右にある接続線40が湾曲している。前記各上部係合線42と前記下部係合線36がそれらの左右において、連続的に若干湾曲して接続されている。前記各上部係合線42と前記下部係合線36は、直線の線材から形成されても良く、前記係合枠線部41が薬液供給装置を抱持し、前記各上部係合線42及び/又は各下部係合部38を含む前記下部係合線36が薬液供給装置に係合できれば良い。前記各上部係合線42と前記下部係合線36が直線の又は直線に近い線材から形成される場合、前記係合枠線部41はトラック状の形状を有するが、(5B)に示す略楕円の形状やトラック状の形状を楕円形状と称し、楕円状の係合枠線部41と称している。
【0044】
図6は、本発明に係る線状取付具の挿入部3の構成概略図である。(6A)では、前記接続部40、前記上部係合部42及び前記首線部43の始端部が水平面平行に記載されている。前記挿入部3は三角形状を有し、押接部48、挿入接続部50及び挿入押接部46から一体形成されている。挿入押接部46の上部と挿入接続部50は、逆V字状の挿入線部を形成し、挿入押接部46の下部と押接部48がV字状の押接線部を形成している。逆V字にある前記挿入接続部50と前記挿入押接部46の上部との屈曲部が挿入部先端3aとなって、前記取付供給口に無理嵌め状に圧入される。前記挿入接続部50と前記挿入押接部46は、可撓性を有するステンレス鋼、炭素鋼等の不錆材料からなる線材から形成され、無理嵌め状に圧入されるとき、バネ状に挿入部先端3aが更に屈曲し、前記取付供給口に圧入される。前記取付供給口に前記挿入部3が挿入されると、バネ状に挿入部先端3aの屈曲が僅かに開放され、前記押接部48と前記挿入押接部46の下部が前記取付供給口の内壁に押接する。その機構の詳細は後述する。
【0045】
図6の(6A)、(6B)に記載される挿入部3は、前記首線部43の角度調整線44を介して前記上部係合線42に連設される。前記接続部40、前記上部係合部42及び前記首線部43の始端部を含む前記係合枠線部が略同一平面上にある場合、角度調整線44により前記係合枠線部に対する挿入部3の角度を調整することができる。前記係合枠線部が略同一平面上にない場合においても、前記角度調整線44が設けられることにより、前記挿入部先端3aを好適な方向に設定することが可能である。(6B)では、前記接続部40や前記首線部43の始端部が傾斜し、前記挿入押接部46が垂直になるよう記載されている。即ち、前記係合枠線部を略含む平面の水平面に対する角度は、前記係合枠線部により前記薬液供給装置を抱持し、小便器に取付けられた状態であるとき、前記角度調整線44により前記挿入部先端3aが上方を向くように調整されている。
【0046】
図6の(6C)は、挿入押接部46と首線部43が略直線であり、上部係合部と接続部40が挿入押接部46と略同一平面状にあり、前記首線部43に角度調整線44が設けられていない。即ち、前記係合枠線部により前記薬液供給装置を抱持したとき、前記首線部43の方向に応じて前記角度調整線44が設けられ、挿入部3の向きが適宜に調節される。(6A)、(6B)では、前記首線部43に前記角度調整線44が設けられ、前記首線部43が屈曲していたが、前記首線部43の全体を同一方向に向け、挿入部3が好適に配設され、小便器に取付けられるよう調整しても良い。即ち、前記首線部43の全部を角度調整線44としても良い。
【0047】
図7は、本発明に係る薬液供給装置本体7の構成概略図である。(7A)は、線状取付具1が配設されていない薬液供給装置本体7であり、(7B)は、線状取付具1を配設した薬液供給装置本体7である。図7の(7B)に記載した線状取付具1は、図4の(4A)に記載した実施形態の線状取付具1である。図7に示した薬液供給装置本体7には、図4の(4B)に示した実施形態の線状取付具1を配設することも可能である。図7に示した薬液供給装置本体7には、取付部配設部52に取付具突出溝56が設けられ、(7B)に示すように、線状取付具1の挿入部3が取付具突出溝56から上方に突出し、図3に示した洗浄水供給部材12の取付供給口16に圧入されるよう配設される。よって、(7B)に示すように、前記取付供給口16から供給された洗浄水の一部は、前記取付具突出溝56から前記取付部配設部52に一体形成された蓋部54の上面に流下し、前記蓋部54の上面から、薬剤(図7には、図示されていない)が載置される薬液供給装置本体7の内部に供給される。前記薬液供給装置本体7の内部は、開閉部材64、内壁71及び裏面壁73によって覆われている。従って、前記薬液供給装置本体7の内部には、前記薬剤が載置されると共に、3つの流出口68から流出し、前記薬液供給装置本体7の裏側から小便器の壁面に供給される洗浄水の量より供給される洗浄水の量が多い場合、前記薬液供給装置本体7の内部に洗浄水が貯留される。また、仕切板68が設けられ、固形の薬剤または液体の薬剤が封入されたパウチ状のもの等が2つまで載置されるよう構成されている。(7B)に示すように、前記蓋部54と前記取付部配設部52の間に左右の前記上部係合線42が配設され、前記各上部係合線42が前記取付部配設部52に係合する。更に、下部係合線36が係合突起58に係合し、前記各上部係合線42と前記下部係合線36とこれらを接続する左右の接続線40からなる係合枠線部によって薬液供給装置本体7が抱持されている。
また、薬液供給装置本体7の裏側には、洗浄水入口62が2個設けられ、前記洗浄水の一部が洗浄水入口62を介して薬液供給装置本体7の内部に供給される。よって、前記洗浄水供給部材12から洗浄水が供給されている際には、通常、前記流出口68から流出するより、前記薬液供給装置本体7の内部に供給される洗浄水の量が多い。また、薬液供給装置本体7の外壁70には、図3に示したカバー24が好適な位置に配設されるよう支持板60やカバー支持板70aが設けられている。更に、前記開閉部材64は、薬剤を載置する際に開放することができ、開閉取手64aが設けられている。
【0048】
図8は、本発明に係る薬液供給装置本体の開閉部材を開放した状態の構成概略図である。図8の(8A)は、前記開閉部材64を開放したときの薬液供給装置本体7であり、前記薬液供給装置7の内部底面に設けられた凸部72の上に薬剤を載置する。(8B)に示すように、前記開閉部材64を開放した際に、一点破線で示した立方体状の薬剤74が載置され、前述のように、仕切板66の左右に薬剤74を2個まで載置することができる。
【0049】
図9は、本発明に係る薬液供給装置本体7の側面概略図である。前記各挿入部3と前記薬液供給装置本体7の位置関係を示している。図9に示した薬液供給装置7は、図7、8に示した薬液供給装置本体7であり、その裏側には、洗浄水の導入板62aを有する前記洗浄水入口62が設けられている。その他に、排出壁80、排出口88及び終端排出壁90を有する排出路78と、導出板84や導出壁82を有する薬液供給口(図示せず)が複数設けられる。更に、接触板96が設けられ、小便器の壁面に接触して前記薬液供給装置本体7から排出される洗浄水が、より便器壁面に均一に流れるように設計されている。加えて、前記薬液供給装置本体7が左右方向に傾くことを抑制する。薬液供給装置本体に流入しなかった一部の洗浄水は、排出路78を流通し、排出口から排出される。更に、側面にはカバー嵌合孔76が設けられ、図3に示した前記カバー24の内壁にある嵌合突起を嵌合する。
【0050】
図10は、本発明に係る洗浄水供給部材12の構成概略図である。(10A)は、図3に示した洗浄水供給部材12の側面図であり、同機能を有することから説明を省略する。(10B)は、洗浄水供給部材12を下方から見た下面図であり、取付供給口16が2つ対称に設けられており、前述のように、線状取付具の挿入部が無理嵌め状に圧入される。図面には示していないが、本発明者らはX線画像を観察し、前記挿入部が前記取付供給口16に圧入された状態を観察しており、後述の部分断面図に基づいて概略を説明する。
【0051】
図11は、本発明に係る洗浄水供給部材の部分断面図である。(11A)は、挿入部が圧入されていない洗浄水供給部材の部分断面図であり、(11B)は、挿入部が圧入された洗浄水供給部材の部分断面図であり、前記洗浄水供給管14の供給管断面14a及び供給管内面14bが示されている。前述のように、挿入押接部46の上部と挿入接続部50は、逆V字状の挿入線部を形成し、挿入押接部46の下部と押接部48がV字状の押接線部を形成している。逆V字にある前記挿入接続部50と前記挿入押接部46の上部との屈曲部が挿入部先端3aとなって、前記取付供給口16に無理嵌め状に圧入される。前記挿入接続部50と前記挿入押接部46は、無理嵌め状に圧入されるとき、バネ状に挿入部先端3aが更に屈曲し、前記取付供給口16に圧入される。前記取付供給口16に前記挿入部が挿入されると、バネ状に挿入部先端3aの屈曲が僅かに開放され、前記押接部48と前記挿入押接部46の下部が供給管内面14bに押接する。従って、挿入部のループ径Lは、前記取付供給口16の口径より大きく設定されている。ここで、前記ループ径Lは、前記押接部48と前記挿入接続部50の屈曲部から前記挿入押接部46への垂線の長さとすれば良く、前記挿入部の最大幅に相当する。
【0052】
図12は、本発明に係る薬液供給装置2を洗浄水供給部材に装着した状態の概略図である。図3、図11等に示したように、挿入部が洗浄水供給部材12の取付供給管に圧入され、カバー24が装着されると、図12に示すように、洗浄水供給部材12の前記洗浄水供給管が取付具口壁面28に殆ど覆われ、小便器の使用者の方へ供給された洗浄水が跳ね返らないよう形成されている。即ち、洗浄水の殆どが薬液供給装置2の内部を介するか、裏側の流路や壁面を介して小便器の壁面を流下するよう構成されている。
【0053】
図13は、本発明に係る薬液供給装置の裏面概略図である。薬液供給装置の裏面には、前述のように、薬液供給口92が3箇所設けられており、前記薬剤が溶解・分散した洗浄水が供給され、小便器の壁面を流下する。前述のように、各薬液供給口92の周辺には、前記導出壁84と前記導出板82が設けられ、前記薬剤が溶解・分散された洗浄水がより確実に小便器の壁面に供給されて流下するよう構成されている。取付部配設部52は、水平面に対し傾斜しており、供給された洗浄水の一部は、前記取付部配設部52の表面を流下し、一部が洗浄水入口62に供給される。即ち、挿入部3が突出する取付具突出溝56以外に、洗浄水の一部は洗浄水入口62から前記薬液供給装置本体の内部に供給される。
【0054】
図14は、本発明に係る薬液供給装置のカバーの開閉を説明する説明図である。(14A)は、カバー24の開放状態を示し、(14B)は、カバー24の閉鎖状態を示している。図14に示すように、挿入部3は、前記洗浄水供給部材に圧入できれば良く、取付具口壁面28より上方に突出している必要はない。前述のように、外壁70の側面には、カバー24の嵌合突起を嵌合するカバー嵌合孔76が設けられ、カバー24を自在に開閉することができ、図7、8に示した開閉部材64を開放すれば、容易に新しい薬剤を前記薬液供給装置本体の内部に載置することができる。
【0055】
図15は、本発明に係る薬液供給装置が輪状取付具によって装着された小便器の概略図である。図15においても、図1と同様に、薬液供給装置2が小便器4に取付けられており、使用者が小便器4から離れたことをセンサ4aで感知すると、洗浄水が小便器4の上部から供給され、薬液供給装置2により洗浄水に薬剤が溶解・分散して壁面8を流下する。従って、薬液を含む洗浄水により小便器4の壁面8が洗浄され、更に小便受部10に洗浄水が一時的に溜まることにより、前記小便受部10が洗浄される。図15に記載した薬液供給装置2は、本発明に係る他の実施形態の線状取付具によって、小便器の壁面に取付けられており、取付部は、円盤状突起9から形成される。
【0056】
図16は、本発明に係る小便器の円盤状突起9の拡大概略図である。図16に示した小便器は4では、薬液供給装置2が取り外されており、小便器4の壁面8には、取付部として円盤状突起9が設けられている。前記円盤状突起9は、一点破線の四角内に拡大概略図を示しており、前記円盤状突起9には環状溝9aが設けられ、環状溝9aに前述のループ線部が掛合される。更に、前述の線状取付具は輪状取付具であり、後述のように前記ループ線部が前記輪状取付具の輪部から形成される。
【0057】
図17は、本発明に係る輪状取付具5の構成概略図である。図17は、輪部11が設けられた輪状取付具5の係合枠線部41を水平に置き、上方から視たものであり、円形の輪部11が楕円状に見えている。ループ線部が輪部11であることを除けば、輪状取付具5の構造は、図4に示した線状取付具1と同一である。即ち、図17では、首線部43の角度調整線44を介して輪部11が連設して形成され、前記係合枠線部41の構造は図4と同一である。(17A)に示した輪状取付具5は、係合枠線部41の下部係合線36が一本の連続線からなり、左右の接続線40によって各上部係合線42に連設され、係合枠線部41が形成されている。(17B)に示した他の実施形態の輪状取付具5は、図4の(4B)と同様に、係合枠線部41の下部係合線は中央で分断され左右にある2本の下部係合突線39を有している。前記下部係合突線39は、互いに分離しているから、薬液供給装置の本体に嵌合孔を2個設ければ、前記各下部係合突線39を各嵌合孔に嵌合し、より安定に前記薬液供給装置の本体を抱持することができる。
【0058】
図18は、本発明に係る輪状取付具の他の実施形態を示す構成概略図である。図18に示した各輪状取付具5において、首線部43には角度調整線が設けられていないが、適宜に角度調整線を設けることが可能であり、より安定に薬液供給装置を抱持できるよう係合枠線部41に対する輪部11の角度が調整される。
(18A)に示した輪状取付具5は、2つの有端輪部11bから輪部11が形成され、各有端輪部11bは自由端11cを有している。前記輪部11の強度が増強され、各々の一端が各首線部43に連設されれば良く、比較的簡単に製造することができる。また、輪状取付具5は、一本の線材から形成することが可能であり、接合することなく加工することも可能である。前記環状溝の幅に安定に掛合され、取付けられた前記薬液供給装置の安定性がより向上する。係合枠線部41は、図17の(17A)と同一の構造を有している。
(18B)に示した輪状取付具5は、2つの首線部43が交差し、前記輪部11が各首線部の端部から上方に連続して形成されている。係合枠線部41は、図17の(17B)と同一の構造を有している。
(18C)に示した輪状取付具5は、各首線部43は中間位置で切断部を有し、各切断部はU字状の輪部連設線11aと逆U字状の係合枠連設線43aとの掛合止めにより連続化される。係合枠線部41は、図17の(17A)と同一の構造を有している。
【0059】
図19は、本発明に係る輪状取付具の輪部の側面概略図である。図6と同様に、図19の各輪状取付具5の輪部11は、首線部43の角度調整線44を介して前記上部係合線42に連設される。前記接続部40、前記上部係合部42及び前記首線部43の始端部を含む前記係合枠線部が略同一平面上にある場合、角度調整線44により前記係合枠線部に対する輪部11の角度が調整される。前記係合枠線部が略同一平面上ない場合においても、前記角度調整線44が設けられることにより、輪部11を好適な角度に調整することが可能である。
(19A)では、前記接続部40、前記上部係合部42及び前記首線部43の始端部が水平面に平行になるよう記載されている。(19B)では、前記接続部40や前記首線部43の始端部が水平面に対して傾斜し、前記輪部11が垂直になるよう調整されている。即ち、(19B)の状態が前記薬液供給装置を抱持し、小便器に取付けられた状態であるとき、前記角度調整線44により前記輪部11が上方を向くように調整されている。
(19C)では、前記首線部43に角度調整線44が設けられておらず、前記首線部と前記輪部11の側面が略直線である。前記係合枠線部により前記薬液供給装置を抱持したとき、前記薬液供給装置が安定に取付けられれば、前記角度調整線44を設けなくとも良い。
【0060】
図20は、本発明に係る輪状取付具の輪部11を小便器の環状溝9aに取付けた説明図である。前述のように、輪状取付具に対する取付部は、環状溝9aを有する円盤状突起9であり、輪部11が環状溝9aに掛合され、上部係合線42や接合線40を有する前記係合枠線部に抱持された薬液供給装置を吊持する。前記角度調整線44が設けられることにより、前記輪部11が壁面8に対して略平行となり、前記輪部11が前記環状溝9aに安定に掛合される。よって、水平面に対し接続線40が傾斜する係合枠線部が薬液供給装置を抱持して安定に係合すれば、前記薬液供給装置が環状溝9aを有する円盤状突起9に安定に吊持される。
また、洗浄水が環状溝9aに設けられた洗浄水供給口(図示せず)から供給されれば、高効率に洗浄水を前記薬液供給装置の内部に供給することができる。
【0061】
図21は、本発明に係る薬液供給装置本体7に輪状取付具5を配設した構成概略図である。図21の薬液供給装置本体7は、図7、8の薬液供給装置本体7と同一の構造を有し、詳細な説明は省略する。図21の輪状取付具5は、図17の(17A)等に示したものと同一であり、前記輪部11を突出させて前記薬液供給装置本体7に配設される。各上部係合線42は、取付部配設部52に係合し、下部係合線36は下部係合部が係合突起58に係合する。よって、係合枠線部41が薬液供給装置本体7を抱持して安定に係合し、前記輪部11を前記環状溝に掛合し、小便器の壁面に薬液供給装置本体7を安定に取付けることができる。
【0062】
図22は、本発明に係る薬液供給装置のカバー24の構成概略図である。図21に示した薬液供給装置本体7には、カバー24を装着し使用する。前記輪状取付具により取付けられる薬液供給装置のカバー24は、前記輪状取付具の輪部を覆うカバー上部24aが設けられる。よって、図11において、前記輪部11が掛合する環状溝9aから洗浄水が供給される場合に、洗浄水が図22に示したカバー24の下流以外に放射されることを防止することができる。また、前記薬液供給装置からは、前述のように、薬剤が溶解・分散した洗浄水が壁面に沿って流下され、カバー24により、使用者等の方向へ洗浄水が反射されることが無いよう構成されている。カバー24には、前記薬液供給装置本体の突起等を嵌合する嵌合孔が設けられ、簡単にカバーが脱離又は開放されないよう構成されている。
【0063】
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明によれば、小便器を損傷させることなく薬液供給装置を安定に取付け、洗浄水の供給時に、洗浄水に同量程度の薬剤を分散・溶解させ、長期間に亘って使用可能な小便器用薬液供給装置の線状取付具を提供することができる。即ち、前記線状取付具は、前記小便器用薬液供給装置を抱持する係合枠線部と、前記係合枠線部に連続して上方に突出する首線部に形成されたループ線部から構成され、前記ループ線部を前記小便器の前記取付部に取着するから、取着時に小便器を損傷させることなく前記小便器用薬液供給装置を安定に取付けることができる。従って、前記小便器用薬液供給装置により、水洗時に同量程度の薬剤を分散・溶解させると共に、長期間に亘って線状取付具を使用することができる。
【符号の説明】
【0065】
1 線状取付具
2 薬液供給装置
2a 薬液供給部
3 挿入部
3a 挿入部先端
4 小便器
4a センサ
5 輪状取付具
6 取付部
7 薬液供給装置本体
8 壁面
9 円盤状突起
9a 環状溝
10 小便受部
11 輪部
11a 輪部連設線
11b 有端輪部
11c 自由端
12 洗浄水供給部材
14 洗浄水供給管
14a 供給管断面
14b 供給管内面
16 取付供給口
18 終端壁
20 ストッパ
22 間隙
24 カバー
24a カバー上部
26 取付具口
28 取付具口壁面
30 嵌合孔
32 挿入管
32a 螺合部
34 挿入管上部
36 下部係合線
38 下部係合部
39 下部係合突線
40 接続線
41 係合枠線部
42 上部係合線
43 首線部
43a 係合枠連設線
44 角度調整線
46 挿入押接部
48 押接部
50 挿入接続部
52 取付部配設部
54 蓋部
56 取付具突出溝
58 係合突起
60 支持板
62 洗浄水入口
62a 導入板
64 開閉部材
64a 開閉取手
66 仕切板
68 流出口
70 外壁
70a カバー支持板
71 内壁
72 凸部
73 裏面壁
74 薬剤
76 カバー嵌合孔
78 排出路
79 排出口
80 排出壁
82 導出壁
84 導出板
88 接触板
92 薬液供給口
161 フック
162 フック
H 噴出口
T 小便器
TW 壁面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水洗時に薬液を小便器の壁面に流下させる小便器用薬液供給装置を前記小便器の取付部に取着される線材から形成された小便器用薬液供給装置の線状取付具において、前記線状取付具は、前記小便器用薬液供給装置を抱持する係合枠線部と、前記係合枠線部の上部係合線から連続して上方に突出する首線部と、前記首線部の上端に形成されたループ線部から構成され、前記ループ線部を前記小便器の前記取付部に取着することを特徴とする小便器用薬液供給装置の線状取付具。
【請求項2】
前記小便器の取付部が周囲に環状溝を形成した円盤状突起のとき、前記ループ線部は前記首線部から上方に連設して形成された輪部であり、前記輪部を前記円盤状突起に外嵌状に掛合して前記環状溝に吊持する請求項1に記載の小便器用薬液供給装置の線状取付具。
【請求項3】
前記小便器の取付部が下方に開口して洗浄水を供給流下させる2個の左右取付供給口を有した洗浄水供給部材であるとき、前記首線部は2本の左右首線部からなり、前記ループ線部は前記左右首線部の上方に分断して設けられた2個の左右ループ線部から形成され、前記左右ループ線部のループ径は前記左右取付供給口の口径より大きく設定されており、2個の前記左右ループ線部を2個の前記左右取付供給口に無理嵌め状に圧入して前記小便器用薬液供給装置を吊持する請求項1に記載の小便器用薬液供給装置の線状取付具。
【請求項4】
前記係合枠線部の下部係合線は一本の連続線であり、前記下部係合線の両端から上方に左右接続線が折曲形成され、前記左右接続線が内方に折曲されて前記上部係合線が形成され、前記下部係合線と前記左右接続線と前記上部係合線が前記係合枠線部を形成し、前記係合枠線部により前記小便器用薬液供給装置を抱持する請求項1〜3のいずれかに記載の小便器用薬液供給装置の線状取付具。
【請求項5】
前記係合枠線部の下部係合線は中央で分断されて左右に離間した2本の左右下部係合突線からなり、前記左右下部係合突線の両端から上方に左右接続線が折曲形成され、前記左右接続線が内方に折曲されて前記上部係合線が形成され、前記左右下部係合突線と前記左右接続線と前記上部係合線が前記係合枠線部を形成し、前記左右係合突線を前記小便器用薬液供給装置に係着して前記小便器用薬液供給装置を抱持する請求項1〜3のいずれかに記載の小便器用薬液供給装置の線状取付具。
【請求項6】
前記係合枠線部は、前記下部係合線と前記左右接続線と前記上部係合線から形成される多角形状係合枠線部又は楕円状係合枠線部である請求項4に記載の小便器用薬液供給装置の線状取付具。
【請求項7】
前記係合枠線部は、前記左右下部係合突線と前記左右接続線と前記上部係合線から形成される多角形状係合枠線部又は楕円状係合枠線部である請求項5に記載の小便器用薬液供給装置の線状取付具。
【請求項8】
前記首線部に角度調整線が屈曲して設けられ、前記角度調整線により前記係合枠線部に対する前記ループ線部の角度が調整される請求項1〜7のいずれかに記載の小便器用薬液供給装置の線状取付具。
【請求項9】
前記輪部が一個の無端状の無端輪部である請求項2、4〜8のいずれかに記載の小便器用薬液供給装置の線状取付具。
【請求項10】
前記上部係合線に2本の前記首線部が左右に設けられ、前記首線部が交差し、前記輪部が前記2つの首線部の端部から上方に連続して形成される請求項2、4〜9のいずれかに記載の小便器用薬液供給装置の線状取付具。
【請求項11】
前記上部係合線に2本の前記首線部が左右に設けられ、一方の前記首線部と他方の前記首線部の両方から自由端を有する有端輪部が連接され、前記有端輪部が2つ重なって前記輪部を構成する請求項2、4〜9のいずれかに記載の小便器用薬液供給装置の線状取付具。
【請求項12】
前記左右ループ線部の各々が逆V字状挿入線部とV字状押接線部から一体形成され、前記逆V字挿入線部の屈曲部が先端となって前記左右取付供給口に無理嵌め状に圧入され、前記V字状押接線部が前記左右取付供給口の内壁に押接して前記左右ループ線部が前記左右取付供給口に取着される請求項3〜8のいずれかに記載の小便器用薬液供給装置の線状取付具。
【請求項13】
前記首線部は2本の左右首線部から構成され、前記左右首線部は中間位置で左右切断部を有し、前記左右切断部は掛合止めにより連続化される請求項1〜12のいずれかに記載の小便器用薬液供給装置の線状取付具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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