説明

小児への投与用プロバイオティクス細菌を含有する油性懸濁液

本発明は、特に小児への投与に適したプロバイオティクス細菌を含有する油性懸濁液に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に小児への投与に適したプロバイオティクス細菌(probiotic bacteria)を含有する油性懸濁液に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば小児患者にみられる疝痛等、多くの腸内の障害の治療を目的として、油および乳酸菌が市販の液状組成物に含有されていることはよく知られている。
【0003】
ところが、前記組成物には、多くのデメリットがあり、使用が制限されている。
【0004】
第1のデメリットは、組成物内で細菌が不安定である点に関する。
【0005】
実際に、油に浸漬された乳酸菌は、安定性が欠如してしまい、時間経過とともに細菌量が減衰していく原因となる。
【0006】
所定の組成物について初期に示した細菌負荷(bacterial load;細菌量)は、組成物内で細菌が安定性を欠くため、時間経過とともに減衰していく。
【0007】
したがって、出発製品に存在する初期の細菌量は、製造後比較的短い所定時間の経過後に、細菌量の減衰が発生するために、ラベルの表示部分に書かれているものとは一致しない。
【0008】
第2のデメリットは、細菌の活力の状態に影響を与えるだけでなく、生体内に投与された時点で有効性(インビボ活性(vitality)および機能性)を条件付ける油の特性に関する。
【0009】
最後に、組成物自体の安定性についても考慮する必要がある。実際には、油に浸漬された乳酸菌は、一定時間後に沈殿や凝集を発生させ、その後に沈殿物を形成する場合がある。こうした現象が、組成物の「保存期間(shelf life)」を変えてしまうこともある。
【0010】
したがって、現在市販されている組成物と比べ安定性が改善された、油およびプロバイオティクス細菌を含有する液状組成物を提供する必要がある。実際には、時間経過とともに初期細菌量が過度に減衰することがなく、細菌量が顕著に減少することもない油およびプロバイオティクス細菌を含有する組成物の調製が重要になる。最終的には、細菌の活性および機能性が良好な状態に維持するように、油およびプロバイオティクス乳酸菌を含有する組成物を調製する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
出願人は、添付の独立請求項に記載したとおり、食用かつ人間の栄養に利用可能な少なくとも1つの油、および少なくとも1つのプロバイオティクス微生物を含む油性懸濁液を完成させ、上記の必要性に応えている。
【0012】
添付の独立請求項に記載したとおり、本発明の対象となる懸濁液は小児期の患者に適用される。
【0013】
特に、出願人は、食品マトリクスおよびプロバイオティクス微生物を含む組成物を有するサプリメント(supplement)を完成させた。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態は、以下の詳細な説明に、本発明の範囲を制限しない例示として記載されている。
【0015】
プロバイオティクス微生物は、十分な量を十分な時間摂取することで、摂取者(consumer)に有益な効果をもたらすことのできる生きた細菌である。
【0016】
プロバイオティクスは、通常、ラクトバチルス属、ビフィドバクテリウム属、ストレプトコッカス属、ラクトコッカス属、ペディオコッカス属、プロピオニバクテリウム属、リューコノストック属およびサッカロミセス属に属する。
【0017】
ラクトバチルス属の乳酸菌分野では、プロバイオティクス活性に恵まれた種には、ラクトバチルス・アシドフィルス(L.acidophilus)、ラクトバチルス・クリスパタス(L.crispatus)、ラクトバチルス・ガセリ(L.gasseri)、ラクトバチルス・デルブリュッキ(L.delbrueckii)群、ラクトバチルス・サリバリウス(L.salivarius)、ラクトバチルス・カゼイ(L.casei)、ラクトバチルス・パラカゼイ(L.paracasei)、ラクトバチルス・プランタラム(L.plantarum)群、ラクトバチルス・ラムノサス(L.rhamnosus)、ラクトバチルス・リューテリ(L.reuteri)、ラクトバチルス・ブレビス(L.brevis)、ラクトバチルス・ブフネリ(L.buchneri)、ラクトバチルス・ファーメンタム(L.fermentum)、ラクトバチルス・フルクチボランス(L.fructivorans)、ラクトバチルス・ルミニス(L.ruminis)、ラクトバチルス・サケイ(L.sakei)およびラクトバチルス・バギナリス(L.vaginalis)がある。
【0018】
その他の乳酸菌の中では、ストレプトコッカス・サーモフィルス(S.thermophilus)、ペディオコッカス・ペントサセウス(P.pentosaceous)、リューコノストック・アルジェンティナム(L.argentinum)およびメセンテロイデス(L.mesenteroides)が挙げられる。一方、以下は、ビフィドバクテリウム属に属する:B.アドレセンティス(B.adolescentis)、B.アンギュレイタム(B.angulatum)、B.ビフィダム(B.bifidum)、B.ブレーベ(B.breve)、B.カテヌラータム(B.catenulatum)、B.インファンティス(B.infantis)、B.ラクティス(B.lactis)、B.ロンガム(B.longum)およびB.シュードカテヌラータム(B.pseudocatenulatum)。
【0019】
本発明に係わる油性懸濁液の調製に使用されるプロバイオティクスは、以下の種を含む群から選択される:L.アシドフィルス、L.クリスパタス、L.ガセリ、L.デルブリュッキ群、L.サリバリウス、L.カゼイ、L.パラカゼイ、L.プランタラム群、L.ラムノサス、L.リューテリ、L.ブレビス、L.ブフネリ、L.ファーメンタム、B.アドレセンティス、B.アンギュレイタム、B.ビフィダム、B.ブレーベ、B.カテヌラータム、B.インファンティス、B.ラクティス、B.ロンガム、B.シュードカテヌラータムおよびS.サーモフィルス。
【0020】
本発明の好適な実施形態では、懸濁液は、上述したプロバイオティクス種から選択される1〜6株、好ましくは2〜4株、さらにより好ましくは3株を含む。
【0021】
表1に、一例として、本発明の範囲で有効に使用可能な微生物群を示す。
【0022】
【表1】







菌株はいずれもブダペスト条約に準じて寄託され、請求に応じ、管轄の寄託機関から一般に入手可能である。
【0023】
プロバイオティクス細菌は、固形であり、特に粉末状、無水粉末状または凍結乾燥粉末状でもよい。
【0024】
本発明の油性懸濁液は、当業者に公知の方法で調製される。
【0025】
実際には、既定量の油を攪拌/加熱手段を具備する容器に入れる。続いて、塊や凝集体が形成されないように攪拌しながら、固形のプロバイオティクス細菌を徐々に添加していく。細菌の添加が完了したら、場合によっては25℃〜40℃、好ましくは30℃〜35℃の間の温度まで穏やかに加熱しながら、油性懸濁液を1〜30分間攪拌し続ける。
【0026】
本発明の好適な実施形態においては、プロバイオティクス細菌は、微小カプセル形状(つまり、少なくとも1つの脂質、好ましくは植物由来のものを含有する組成物でコーティングされた状態)で利用されることがある。微小カプセル状の細菌は、その後上述と同様の操作手順で油に添加される。
【0027】
本発明の別の実施形態では、油に添加される細菌は、微小カプセル状の細菌および非微小カプセル状の「むき出しの(naked)」細菌である。
【0028】
好適な実施形態では、プロバイオティクス細菌は、植物由来の単一コーティングで被覆されている。
【0029】
別の好適な実施形態では、プロバイオティクス微生物は、植物由来の第1および第2のコーティングで被覆されている。
【0030】
好適な実施形態では、植物性脂質は、融点が35℃〜75℃の間、好ましくは45℃〜65℃の間、有利には50℃〜60℃の間である植物性の飽和脂肪を含む群から選択される。
【0031】
好適な実施形態では、一定程度の親水性を有する植物性の飽和脂肪が使用され、これは、飽和脂肪酸のモノグリセリドおよびジグリセリド、飽和脂肪酸を有するエステル化されたポリグリセリンおよび遊離の飽和脂肪酸の中から選択される。
【0032】
飽和脂肪酸は、8〜32個の炭素原子、好ましくは12〜28個の炭素原子、さらにより好ましくは16〜24個の炭素原子を含む群から選択される。
【0033】
有利には、コーティング用脂質は、ポリグリセリンジステアリン酸(製品名Plurol Stearique WL 1009)、パルミトステアリン酸グリセリル(製品名Precirol Ato 5)、飽和脂肪酸(製品名Revel C)、非ラウリン酸由来の水素化植物性脂肪および水素化ヤシ脂肪またはステアリンを含む群から選択される。
【0034】
第1の実施形態では、プロバイオティクス細菌は、単一コーティングで被覆される(モノ−コーティング)。実際には、同一脂質による単一のコーティングが行われる。
【0035】
有利には、単一コーティングは、ポリグリセリンジステアリン酸、または植物由来のポリグリセロールエステル、またはCAS番号が61725−93−7のポリグリセリン−6−ジステアリン酸(製品名 Plurol Stearique WL1009)から構成される。
【0036】
好適な実施形態では、凍結乾燥微小生体と、それを被覆する脂質コーティング物質との重量比は、50:50または40:60である。
【0037】
第2の好適な実施形態では、プロバイオティクス細菌は、二層コーティングされている。実際には、二層コーティングは、互いに異なる2つの脂質を用いて連続して行われる(二層コーティングは、互いに独立した第1および第2のコーティングからなる)。
【0038】
有利には、この2つの脂質は、水素化ヤシ脂肪(Tm=60℃)およびジパルミトステアリン酸グリセロール(glycerol dipalmitostearate)(Tm=57〜60℃)を含む群から選択される。これら2つの脂質は、凍結乾燥細菌上に連続して噴霧されて、凍結乾燥細菌(lyophilate)に対し、水素化ヤシ脂肪による第1のコーティングと、ジパルミトステアリン酸グリセロールによる第2のコーティングの2層被膜が、互いに3:1の比で塗布される。
【0039】
細菌(好ましくは微小カプセル状の細菌)は、当業者に公知の技術を用いて微小カプセル化される。例えば、脂質特性をもつコーティング材が使用される流動層法(例えば、トップスプレー(top−spray)またはボトムスプレー(bottom−spray)など)が使用可能である。
【0040】
第1の実施形態では、水素化ヤシ脂肪(Tm=60℃)およびジパルミトステアリン酸グリセロール(Tm=57−60℃)から選択される2つの脂質が、凍結乾燥細菌上に連続して噴霧されて、凍結乾燥細菌に対し、水素化ヤシ脂肪による第1のコーティングと、ジパルミトステアリン酸グリセロールによる第2のコーティングの2層被膜が、互いに3:1の比で塗布される。セル(cells)を二層コーティングすることで、細菌をよりしっかりと周囲から密閉でき、外部と連通する細孔(pores)のない連続した膜を作製する。
【0041】
しかしながら、この外層部(wrapper)は、腸の段階で開放されて、細菌を放出させコロニーを形成させる必要がある。選択される脂質は、実際、酸性pHに対し難消化性であるため、コーティングは、胃の中では原形を保つが、腸からの経路中にコーティングに穴を形成できるように、わずかな塩基性pHに対してさえも感受性がある。
【0042】
油性懸濁液には、懸濁液の総重量と比較して30重量%以内、0.05重量%〜20重量%の細菌が含まれ、懸濁液の総重量と比較して好ましくは0.5重量%〜10重量%;より好ましくは1.5重量%〜5重量%が含まれる。
【0043】
油性懸濁液は、食用で、しかも小児患者に投与するのに適した少なくとも1つの油を含み、オリーブ油、コーン油、ダイズ油、アマニ油、ラッカセイ(groundnut)油、ゴマ油、魚油および米油を含む群から選択される。
【0044】
有利には、前記油は、生物学グレードであり、調製時に、精製工程および/またはコールドプレス(cold pressing)工程が含まれる。
【0045】
油性懸濁液は、少なくとも1種の油を含み、その量は、前記懸濁液の総重量と比較して70重量%以上、好ましくは75重量%〜95重量%、有利には少なくとも90重量%である。
【0046】
有利には、油性懸濁液は、オリーブ油のみ、またはコーン油および/またはダイズ油および/またはアマニ油と混合したオリーブ油を含有する。有利には、オリーブ油は、エキストラバージンオイルであり、生物学グレードである。
【0047】
好適な実施形態では、油性懸濁液は、さらに、少なくとも1つの微粉化した食用化合物(food compound)を含む。食用化合物は、シリカ、二酸化ケイ素、シリカゲル、コロイド状シリカ、沈殿シリカ、サイロイド(syloid)(登録商標)244、タルク、ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、レシチン、モノステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリルなどのモノグリセリドまたはジグリセリド、プルロール(plurol)(登録商標)−オレイン酸、デンプン、加工デンプン、コンニャクガム、キサンタンガム、ジェランガム、カラギナンを含む群から選択される。
【0048】
前記原料の量は、前記懸濁液の総重量と比較して、0.1重量%〜15重量%、好ましくは5重量%〜10重量である。
【0049】
この場合、調製工程では、既定量の油を二酸化ケイ素等の微粉化した食用化合物に加え、完全に溶けるまで、攪拌しながら油を約60℃に加熱する。
【0050】
または、二酸化ケイ素は冷却して加えることも可能であるが、溶解にかかる時間が長くなる。
【0051】
続いて、懸濁液を60℃から室温まで冷却させる。次に、凍結乾燥細菌を秤量して、完全かつ均一な分散が得られるまで、懸濁液に攪拌しながら添加する。
【0052】
油、プロバイオティクス細菌および微粉化した原料を含む懸濁液の一例を、表2に示す。
【表2】

【0053】
好適な実施形態では、油性懸濁液は、さらに、少なくとも1つのプレバイオティックファイバーおよび/またはビフィドジェニック(bifidogenic)作用を有する少なくとも1つの炭水化物を含む場合がある。これらのプレバイオティックファイバーおよび炭水化物には、二重の機能がある。第1に、プレバイオティクス効果を提供する。第2に、増粘剤および安定剤としての技術的目的も提供する。
【0054】
プレバイオティックファイバーおよび炭水化物は、例えば、イヌリン、フラクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖およびトランスガラクトオリゴ糖(GOSおよびTOS)、グルコオリゴ糖(GOSα)、キシロオリゴ糖(XOS)、キトサンオリゴ糖(COS)、ダイズオリゴ糖(SOS)、イソマルトオリゴ糖(IMOS)、マルトデキストリン、難消化性デンプン、ペクチン、オオバコ(psyllium)、アラビノガラクタン、グルコマンナン、ガラクトマンナン、キシラン、ラクトスクロース、ラクツロース、ラクチトールおよびその他さまざまなタイプのガム類、アカシアファイバー、カルーバ(carruba)ファイバー、オーツファイバー、竹繊維、シトラスファイバー、および一般的に可溶性部分と不溶性部分を含有するファイバーのなかから選択され、互いにさまざまな比率で含有される。
【0055】
本発明の好適な実施形態では、前記プレバイオティックファイバーおよび炭水化物は、グルコオリゴ糖(GOSα)、フラクトオリゴ糖(FOS)、イヌリンおよび/またはマルトデキストリンのなかから選択される。
【0056】
本発明の好適な実施形態では、組成物には、上述した物質および/または上述のうち任意の相対割合で混合された適当な混合物のなかから選択される少なくとも1つのプレバイオティックファイバーが含まれる。
【0057】
プレバイオティックファイバーおよび/またはビフィドジェニック作用を有する炭水化物の量は、それらが含まれる場合には、前記懸濁液の総重量と比較して0.5重量%〜25重量%、好ましくは1重量%〜20重量%、さらにより好ましくは5重量%〜10重量%である。この場合、共生活性(symbiotic activity)のある懸濁液が得られる。
【0058】
さらに、懸濁液は、ビタミン類、ミネラル類、生物活性ペプチド、酸化防止作用のある物質、コレステロール降下(hypocholesterolaemic)剤、血糖降下剤、抗炎症剤および抗甘味剤等、他の有効成分および/または活性化合物を含む場合もあり、その含有量は、常に活性成分の種類および1日の推奨量(もしあれば)に応じて、前記懸濁液の総重量と比較して、一般に0.001重量%〜10重量%、好ましくは0.5重量%〜5重量%である。
【0059】
本発明は、小児患者における疝痛などの腸内の障害の治療用薬剤として使用できる油性懸濁液を目的とする。
【0060】
さらに、本発明の第2の目的は、小児患者における疝痛などの腸内の障害の治療用薬剤やサプリメントの調製に、前記微生物株を使用することである。
【実施例】
【0061】
本出願人は、以下の油内での細菌量の減衰を検証した:オリーブ油、コーン油、コールドプレス(cold−pressed)ダイズ油およびコールドプレスアマニ油。
【0062】
使用した菌株は、初期荷重が400MLD/gの凍結乾燥状のLMG P−21380(ラクトバチルス・パラカゼイ LPC00)であった。
【0063】
純粋な凍結乾燥細菌を油と混合し、濃度が1MLD/10ml油(油10mlに2.5mg含有)になるように調製した。結果を表3に示す。表3には、1)バイオオリーブ油、2)コーン油、3)ヒマワリ油、4)コールドプレスダイズ油、5)コールドプレスアマニ油の結果が示されている。
【0064】
【表3】

T0=開始時間、E−05=1x10−5、E−09=1x10−9、
E−14=1x10−14、Bn=10億

【特許請求の範囲】
【請求項1】
懸濁液の総重量と比較して、70重量%以上である、オリーブ油、コーン油、ダイズ油、アマニ油、ラッカセイ油、ゴマ油、魚油および米油を含む群から選択される少なくとも1つの食用油と;
L.アシドフィルス、L.クリスパタス、L.ガセリ、L.デルブリュッキ群、L.サリバリウス、L.カゼイ、L.パラカゼイ、L.プランタラム群、L.ラムノサス、L.リューテリ、L.ブレビス、L.ブフネリ、L.ファーメンタム、B.アドレセンティス、B.アンギュレイタム、B.ビフィダム、B.ブレーベ、B.カテヌラータム、B.インファンティス、B.ラクティス、B.ロンガム、B.シュードカテヌラータムおよびS.サーモフィルスから構成される群から選択される少なくとも1つの微小生体の株とを含む小児への投与用の油性懸濁液であって、
前記株は、懸濁液の総重量と比較して30重量%以下であり、前記微小生体は、融点が35℃〜75℃の間である少なくとも1つの植物性脂質を含む少なくとも1つのコーティングで被覆される油性懸濁液。
【請求項2】
前記油は、オリーブ油のみから構成され;または、好ましくはコーン油および/またはダイズ油および/またはアマニ油と混合したオリーブ油である請求項1に記載の懸濁液。
【請求項3】
前記油性懸濁液は、さらに、前記懸濁液の総重量と比較して0.1重量%〜15重量%の少なくとも1つの微粉化した食用化合物を含み、
前記食用化合物は、シリカ、二酸化ケイ素、シリカゲル、コロイド状シリカ、沈殿シリカ、タルク、ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、レシチン、モノステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリルなどのモノグリセリドまたはジグリセリド、プルロール(登録商標)−オレイン酸、デンプン、加工デンプン、コンニャクガム、キサンタンガム、ジェランガムおよびカラギナンを含む群から選択される請求項1または2に記載の懸濁液。
【請求項4】
前記油性懸濁液は、さらに、前記懸濁液の総重量と比較して0.5重量%〜25重量%の少なくとも1つのプレバイオティックファイバーおよび/または少なくとも1つのビフィドジェニック炭水化物を含み、
前記プレバイオティックファイバーおよびビフィドジェニック炭水化物は、イヌリン、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖およびトランスガラクトオリゴ糖、グルコオリゴ糖、キシロオリゴ糖、キトサンオリゴ糖、ダイズオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、マルトデキストリン、難消化性デンプン、ペクチン、オオバコ、アラビノガラクタン、グルコマンナン、ガラクトマンナン、キシラン、ラクトスクロース、ラクツロース、ラクチトール、アカシアファイバー、カルーバファイバー、オーツファイバー、竹繊維およびシトラスファイバーから選択される請求項1〜3のいずれかに記載の懸濁液。
【請求項5】
前記少なくとも1つのファイバーおよび前記少なくとも1つの炭水化物は、グルコオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、イヌリン および/またはマルトデキストリンの中から選択される請求項4に記載の懸濁液。
【請求項6】
前記植物性脂質は、融点が45℃〜65℃である請求項1〜5のいずれかに記載の懸濁液。
【請求項7】
前記植物性脂質は、融点が50℃〜60℃である請求項6に記載の懸濁液。
【請求項8】
前記微小生体の株は、単一の脂質コーティングで被覆される請求項1〜7のいずれかに記載の懸濁液。
【請求項9】
前記脂質コーティングは、ジステアリン酸ポリグリセリル−6から構成され、好ましくは微生物と脂質コーティングが重量比で50:50または40:60である請求項8に記載の懸濁液。
【請求項10】
前記微小生体の株は、第1の脂質コーティングおよび第2の脂質コーティングで被覆される請求項1〜9のいずれかに記載の懸濁液。
【請求項11】
前記第1の脂質コーティングは、水素化ヤシ脂肪から構成され、前記第2の脂質コーティングは、ジパルミトステアリン酸グリセロールから構成され、好ましくは重量比が3:1である請求項10に記載の懸濁液。
【請求項12】
例えば小児患者の疝痛などの腸内の障害の治療用薬剤として使用される請求項1〜11のいずれかに記載の懸濁液。
【請求項13】
請求項1に記載の種から構成される群から選択される少なくとも1つの微生物株の、請求項1〜12のいずれかに記載され、例えば小児患者の疝痛などの腸内の障害の治療用である懸濁液の調製への使用。
【請求項14】
前記微小生体は、単一の脂質コーティングで被覆される請求項13に記載の使用。
【請求項15】
前記脂質コーティングは、ジステアリン酸ポリグリセリル−6から構成され、好ましくは微生物と脂質コーティングの重量比が50:50または40:60である請求項14に記載の使用。
【請求項16】
前記微小生体の株は、第1の脂質コーティングおよび第2の脂質コーティングで被覆される請求項13に記載の使用。
【請求項17】
前記第1の脂質コーティングは、水素化ヤシ脂肪から構成され、前記第2の脂質コーティングは、ジパルミトステアリン酸グリセロールから構成され、好ましくは重量比が3:1である請求項16に記載の使用。

【公表番号】特表2012−519727(P2012−519727A)
【公表日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−553543(P2011−553543)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【国際出願番号】PCT/IB2010/000486
【国際公開番号】WO2010/103374
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(309038720)
【氏名又は名称原語表記】PROBIOTICAL S.P.A.
【住所又は居所原語表記】Via Mattei,3,I−28100 Novara,Italy
【Fターム(参考)】