説明

小児安全薬剤パッケージ

錠剤(1)用の小児安全パッケージ(10)が開示されている。このパッケージ(10)は、外側スリーブ(12)とブリスターパッケージ(14)とを備えている。ブリスターパッケージ(14)は、外側スリーブ(12)内に嵌合するように設計され、閉位置から開位置に滑動可能となっている。ブリスターパッケージ(14)は、ブリスターシート(40)と、錠剤(1)にアクセスするためにブリスターシート(40)から引き剥がされる蓋材料シート(42)とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2005年1月14日に出願された米国仮特許出願第60/644,262号の出願日の利得を主張するものであり、その開示内容は、参照することによって、ここに含まれるものとする。
【背景技術】
【0002】
多くの人は、日課の一部として、様々な種類の薬剤を服用している。所定期間内に異なる数種類の医薬剤形を服用する人もいる。これらの医薬剤形として、ピル、カプセル、錠剤、液体などが挙げられる。有形製品を販売する多くの業界と同じように、ここでも包装が課題である。製品の形態が、購買するかどうかを決定する因子となることが多い。この事情は、薬剤分野でも同じである。しかし、薬剤業界では、他の懸念事項によって、包装の様式が影響されることがある。
【0003】
包装に関する1つの懸念事項は、剤形の性質である。例えば、一部の錠剤は、壊れやすく、また、(同意語を用いて、さらに述べると)、砕けやすく、または破損しやすい。このような剤形は、パッケージの輸送中およびユーザの開封時のいずれにおいても、容易に損傷する可能性がある。本出願の譲受人に共通に譲渡された米国特許第5,178,878号および第5,223,264号(これらの特許は、参照することによって、ここに含まれるものとする)は、この種の損傷を受けやすい比較的軟質の錠剤を開示している。この範疇に属する錠剤は、低硬度を有する傾向にある。このような錠剤の例として、約15ニュートン未満の硬度を有する極めて軟質の錠剤が挙げられる。
【0004】
標準的な剤形は、典型的には、剤形を収容するポケット、ブリスター、または井戸を有する多層の材料シートからなるブリスターパッケージ内に包装されている。従来のブリスターパッケージの一種として、箔層を有するパッケージが挙げられるが、このパッケージのユーザは、錠剤を箔層内に押込み、これによって、箔を破らなければならない。このような従来のブリスターパッケージの例が、ホール(Hall)らに付与された米国特許第4,158,411号に示されている。この開示内容は、参照することによって、ここに含まれるものとする。この種のパッケージは、標準的な剤形を包装するのには充分であるが、このようなパッケージに壊れやすい剤形を包装した場合、この壊れやすい剤形を箔層内に押し込むときに、剤形に損傷をもたらすことになる。また、これらの種類のパッケージは、一般的に、小児には安全ではない。
【0005】
医薬剤形の包装に関する他の懸念事項は、医薬剤形が壊れやすいかどうかに関わらず、安全に関するものである。子児には扱えないパッケージ、すなわち、小児安全パッケージは、多くの場合、剤形のパッケージとして極めて望ましい。明らかなことではあるが、家庭に薬剤を置く場合の大きな関心事は、小児がその薬剤を手にする可能性である。一方、子供には扱えないパッケージは、高齢者、障害者、または大きな痛みを有する人にとっても、開封するのが極めて困難である場合がある。従って、安全と使い勝手との間には、バランスが取られる必要がある。例えば、高齢者よりも小児にとって、開封するのが困難であるパッケージの方が、極めて望ましい。加えて、子供が扱えない包装の全てが、必ずしも同じであるとは限らない。多くの場合、パッケージは、5分以内に薬物を手にすることができる子児の数に基づいて、格付けされている。このような格付けを行なう試験手順の規格の一例が、米国連邦規則:16CFR、特に、16CFR §1700.00〜20に記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、パッケージが収容する剤形の損傷を阻止するように構成されながら、高齢者などによって容易に開封されると共に子児には扱えない壊れやすい剤形用パッケージが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、壊れにくい医薬剤形および壊れやすい医薬剤形用のパッケージ、さらに詳細には、高齢者または障害者によって容易に操作可能な壊れやすい医薬剤形用の小児安全パッケージに関する。
【0008】
本発明の第1態様は、ブリスターパッケージと、このブリスターパッケージを収容する実質的に剛性のある外側スリーブとを備える薬剤パッケージである。ブリスターパッケージは、少なくとも1つ、さらに好ましくは、複数のユニットパッケージ領域を画定する単一ブリスターシートであって、これらのユニットパッケージ領域の各々が、開口上側を有する凹部とこの凹部を取り囲むフランジとを備える単一ブリスターシートと、フランジに剥離可能に密着された蓋材料の単一シートであって、この蓋材料のシートが、少なくとも部分的に互いに隣接するユニットパッケージ領域間の境界に沿って延在する脆弱ラインを有し、ブリスターシートと蓋材料のシートが、蓋材料をブリスターシートから引き剥がすのを容易にするために、未密着領域を境界に沿って画定する蓋材料の単一シートと、を備えている。しかし、他の実施形態が、境界に沿って位置されていない未密着領域を備えてもよいことが意図されている。外側スリーブは、少なくとも1つの開口端と、ブリスターパッケージをスリーブ内に係止する係止手段と、ブリスターパッケージを係止手段から解除する解除手段と、ブリスターパッケージがスリーブから完全に引出されないように阻止する保持手段と、を備えている。
【0009】
特に好ましいブリスターおよびカードまたはシートを含むブリスターが、本出願の譲受人に共通に譲渡されたカッツナー(Katzner)らに付与された米国特許第6,155,423号(’423特許)に記載されている。この開示内容は、参照することによって、ここに含まれるものとする。好ましいブリスターの各凹部内に配置された壊れ易い剤形は、各凹部の壁と係合し、その結果、これらの壁が、剤形を凹部の底から離間して蓋材料に隣接する状態で保持することになる。この態様によれば、剤形は、運搬中に移動することが阻止され、損傷しないように保護されている。各剤形とその剤形が配置された凹部の底との間の隙間によって、パッケージが落下したとき、剤形が受ける衝撃が緩和されることになる。パッケージの凹部とその凹部に配置される剤形は、本質的にどのような形状を有していてもよい。例えば、剤形は、円板状錠剤、楕円形カプセル、または正方形ピルであってもよい。凹部の(ブリスターシートの面における)形状として、円形状、楕円形状、多角形状、または星形状が挙げられる。
【0010】
さらに、凹部の壁と底は、凹部の各々を取り囲むフランジと直交する垂直軸を中心とする回転面の形態にある形状を画定しているとよい。例えば、凹部は、湾曲したカップ状形状を有することが可能である。剤形が円板形状を有する場合、これらの剤形は、各々、その剤形が配置される凹部の壁と接触する縁を有している。この縁と壁は、凹部の垂直軸と同軸の環状の接触領域を画定している。このような円板状剤形の縁は、凹部の壁と接触する斜面を備えていてもよい。この環状の接触領域は、ブリスター内での剤形の動きを妨げ、このような動きに付随する剤形の損傷を防いでいる。
【0011】
本発明の他の実施形態は、1つまたは複数のユニットパッケージ領域を画定する単一ブリスターシートであって、これらのユニットパッケージ領域の各々が、開口上側を有する凹部とこの凹部を取り囲むフランジとを備える単一ブリスターシートと、フランジに剥離可能に密着された蓋材料の単一シートであって、この蓋材料のシートが、互いに隣接するユニットパッケージ領域間の境界に沿って延在する脆弱ラインを有し、ブリスターシートと蓋材料のシートが、蓋材料をブリスターシートから引き剥がすのを容易にするために、未密着領域を境界に沿って画定する蓋材料の単一シートと、突起と係合する開口を備える接続部と、を備えているブリスターパッケージである。
【0012】
本発明のさらに他の実施形態は、ブリスターパッケージと、ブリスターパッケージを収容する実質的に剛性のある外側スリーブと、を備えている薬剤パッケージである。このブリスターパッケージは、複数のユニットパッケージ領域を画定するブリスターシートであって、これらのユニットパッケージ領域の各々が、開口上側を有する凹部とこの凹部を取り囲むフランジとを備えるブリスターシートと、フランジに剥離可能に密着された、凹部を被覆する蓋材料と、ブリスターシートを貫通する開口と、を備えている。外側スリーブは、少なくとも1つの開口端と、ブリスターパッケージを外側スリーブ内に固定するために、外側スリーブの内面から開口内に延びる柱または同様の構造と、ブリスターパッケージと係合して開口を柱の外に移動させる外側スリーブの押下げ可能な区域と、を備えている。
【0013】
本発明のさらに他の態様は、実質的に剛性のある外側スリーブ内に収容される内側ブリスターパッケージを有するパッケージを設けるステップと、内側ブリスターパッケージが外側スリーブの開口端を通る方向における第1の位置から移動することを可能とするために、解除部を内側ブリスターパッケージと係合させるステップと、内側ブリスターパッケージを第2の位置に移動させ、内側ブリスターパッケージを外側スリーブから部分的に取り出すステップと、内側ブリスターパッケージが外側スリーブから完全に取り出されるのを阻止するステップと、内側ブリスターパッケージの蓋材料を引き剥がし、少なくとも1つの壊れやすい剤形にアクセスできるようにするステップと、壊れやすい剤形を内側ブリスターパッケージから取り出すステップと、を含む壊れやすい剤形をパッケージから取り出す方法である。
【0014】
本発明の特に好ましい態様では、パッケージは、高齢者などによって使いやすいと共に、業界で「F4」、「F3」、「F2]、または「F1」と一般的に呼ばれるパッケージのような極めて高いレベルの小児安全パッケージとして格付けされている。これらの呼称は、いかに多くの子児がある時間内にパッケージ内に収容された剤形にアクセスすることができるかに関する特定の試験を合格したパッケージに対して与えられるものである。通常、「F」に続く数は、25ポンドの子児が摂取した場合にその子児に深刻な損傷または深刻な病気をもたらす錠剤の数である。例えば、このような試験の1つは、パッケージ内に収容された剤形にアクセスすることを意図付けられた50人の子児によって開始される。子児らには、最初、剤形にアクセスするための説明をせずにパッケージが与えられる。アクセスを試みる時間として、小児らに5分が与えられる。5分が経過した後、子児らの行動を停止させ、この時点において、剤形にアクセスするために取るべき適切な措置が示される。この後、子児らに、パッケージを扱う時間として、さらに5分が与えられる。この1つの試験によれば、F1パッケージは、5人未満の子児らが10分間に1つのピルにアクセスすることができるパッケージである。もし5人未満の子児らが2つのピルにアクセスすることができた場合、そのパッケージにF2ラベルが付される。F3パッケージは、5人未満の子児らが10分間に3つのピルにアクセスすることができるパッケージである。前述の試験は、包装業界によって利用される1つの周知の試験であるが、適切にパッケージを格付けするためになされ得る多くの異なる試験が存在することは、明らかである。これらの試験は、一般的に、米国連邦規則:16CFR §1700.00〜1700.20に準じてなされている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施形態による小児安全錠剤パッケージ10が、図1および図2に示されている。錠剤パッケージ10は、アクセスも容易であり、壊れにくい錠剤および壊れやすい錠剤用の小児安全容器である。錠剤パッケージ10は、外側スリーブ12とブリスターパッケージ14とを備えている。外側スリーブ12は、好ましくは、ポリマー材料から成形されているが、剛性のある外側カバーをもたらすのに適するどのような材料から作製されていてもよい。その一方で、パッケージ10は、各錠剤がブリスターパッケージ14内で互いに分離して包装されるように、構成されている。ブリスターパッケージ14は、(図1に示されるような)外側スリーブ12から実質的に引き出される位置から(図2に示されるような)外側スリーブ12内に実質的に収容される位置まで移動することが可能となっている。しかし、外側スリーブ12は、ブリスターパッケージ14が外側スリーブから完全に取り外されるのを阻止することが好ましい。
【0016】
図3〜図6は、外側スリーブ12を示している。このスリーブは、上部16と底部18とを備え、これらの上部16と底部18が、ブリスターパッケージ14を収容する内部21をなしている。外側スリーブ12は、開端20と閉端22とをさらに備えている。開端20は、(図4に最もよく示されるように)、内部21へのアクセスを可能にするものである。図3に示されるように、外側スリーブ12は、上部16に位置する柔軟な解除部24と凹み26、および底部18の内側上面に位置する係止部材28を備えることも可能である。これらの特徴について、以下、さらに詳細に説明する。
【0017】
図5および図6は、それぞれ、上部16の内側底面と底部18の内側上面とを示している。図5に示されるように、上部16の内側底面は、係止柱30と、開端20と閉端22との間で縦方向に延在する複数のリブ31と、複数の中空柱32と、を備えている。係止柱30は、閉端22の方に曲げられる解除部24の前方に位置する柱である。図6に示されるように、底部18の内側上面は、柔軟なガイド34a,34bと、リブ35a〜35dと、係止部材28と、複数の中実柱36とを備えている。図示の実施形態では、中空柱32は、上部16を底部18に取り付ける中実柱36を収容するように構成され、かつ寸法決めされている。しかし、中空柱および中実柱は、異なる部分に配置されてもよいことが意図されている。例えば、底部18が中空柱32を備え、上部16が中実柱36を備えていてもよい。加えて、上部16を底部18に取り付けるのに、異なる構造が利用されてもよい。
【0018】
柔軟なガイド34a,34bは、好ましくは、底部18の内側上面から閉端22に向かって上方に延在する湾曲した柔軟な指部である。リブ35a〜35dが、上部16のリブ31と同じ方向において縦方向に延在している。しかし、リブ35a〜35dは、リブ31よりも短い距離にわたって縦方向に延在し、リブ31よりも高くなっている。リブ35a〜35dは、底部18に沿って、ブリスターパッケージ14を外側スリーブ12内に保持するのを補助すべく、構成されている。係止部材28は、底部18の内側上面から閉端22に向かって上方に延在する柔軟な指部である。
【0019】
図3を参照すると、解除部24は、湾曲した長孔25を上部16に形成することによって、作製されている。しかし、異なった形状の長孔が利用されてもよいことが意図されている。例えば、正方形の長孔であってもよい。これらの長孔が、ユーザによって操作可能である押下げ可能なボタンまたはレバーを形成している。凹み26は、図2に示されるようにブリスターシートが外側スリーブ12内に完全に位置しているときに、ユーザがブリスターシート14に指を延ばして掴むことを可能にするものである。この凹み26は、ユーザの親指および人差し指がブリスターパッケージ14を掴むことができるように、寸法決めされている。
【0020】
図7〜図9は、ブリスターパッケージ14を示している。このブリスターパッケージ14は、引き剥がされると、剤形へのアクセスが可能になる剥離可能な層を有するブリスターパッケージを開示する’423特許に開示されたブリスターパッケージを改良したものである。’423特許では、ユーザが、損傷をもたらすことなく、壊れやすい剤形にアクセスできるようにされている。また、このブリスターは、貯蔵、出荷、および使用中に錠剤を保護するのに役立つように設計されている。にもかかわらず、ここに開示されたブリスターパッケージ14は、好ましくは、ブリスターパッケージ14を外側スリーブ12と協働させることによって、小児安全錠剤パッケージ10を形成するように、いくつかの修正が施されているとよい。また、ブリスターパッケージ14は、好ましくは、個々のパッケージ領域が、ブリスターパッケージ14の全体から引き剥がされないように、修正されているとよい。これによって、不注意で、ブリスターパッケージ14が外側スリーブ12から取外されるのが、阻止されることになる。何故なら、もしパッケージ領域が除去されると、ブリスターパッケージ14は、外側スリーブ12から容易に取り外されることになるからである。これは、典型的には、パッケージ領域の除去によって、ブリスターパッケージ14の大きさが、外側スリーブ12の内側で動き回る不適切な大きさになることによって、生じるものである。
【0021】
いくつかの好ましい実施形態では、ブリスターパッケージ14は、それぞれ、図7および図8に示されるブリスターシート40と蓋材料シート42とによって形成されている。ブリスターシート40は、好ましくは、複数のユニットパッケージ領域44を備え、各ユニットパッケージ領域は、(図7および図9に示されるように)、凹部46とこの凹部を取り囲むフランジ48とを備えている。図7に示されるように、ブリスターシート40は、6つのパッケージ領域44を備えているが、どのような数のパッケージ領域44を備えていてもよい。ブリスターシート40は、どのような適切な種類の材料から構成されていてもよい。例えば、ブリスターシート40は、ケンタッキー州、シェルビーブルのアルキャン・ファーマ・センター(Alcan Pharma Center)(以後、「アルキャン」と呼ぶ)から、略205μmの厚みを有するPCS技術・材料仕様No.92011(以後、「92011材料」と呼ぶ)として、市販されている材料から構成されているとよい。92011材料は、いくつかの異なる層、例えば、略60μmのPVCフィルム、略25μmのポリアミドフィルム、略60μmのアルミ箔、および略60μmの追加PVCフィルムを備え、これらのフィルムは、好ましくは、適切な接着剤によって、少なくとも互いに接合されている。図9に示されるように、各凹部46は、錠剤1を収容するような寸法と構成を有し、開口上側58と閉鎖底60とを備えている。’423特許に開示されているのと同じように、ブリスターパッケージは、運搬中に壊れやすい剤形の動きを阻止し、および/またはパッケージの落下によって受けた衝撃を緩和するように、このような剤形と協働で作用する凹部を備えることによって、壊れやすい剤形を保護するように設計されることも意図されている。
【0022】
蓋材料シート42は、凹部46を覆ってフランジ48に剥離可能に付着され、これによって、凹部に収容される錠剤を被覆する単一シートである。蓋材料シート42は、どのような適切な種類の材料から構成されていてもよい。例えば、略37μmの厚みを有するPCS技術・材料仕様No.15144または略37μmの厚みを有するPCS技術・材料仕様No.15127が挙げられる。これらの材料は、いずれも、アルキャンから市販され、好ましくは、紙層、略12μm厚みのポリエステルフィルム、略25μm厚みのアルミ箔層、およびヒートシール皮膜を備えている。蓋材料シート42は、接着剤を用いて、フランジ48に付着されてもよいことが意図されている。例えば、いくつかの実施形態では、No.4563または4516の名称でアルキャンから市販されている接着剤が利用される。しかし、蓋材料シート42をフランジ48に付着させる他の方式が利用されてもよく、付着の強度が蓋材料を取り出す困難さを決定するように変更されてもよいことも、意図されている。
【0023】
また、単一の蓋材料シート42は、好ましくは、パッケージ領域44と対応する脆弱ライン43を備え、これによって、各パッケージ領域44に対して、個々の蓋区域45が画定されている。図示される実施形態では、脆弱ライン43は、ブリスターパッケージ14の縁までは延在していない。これによって、ブリスターシート40を貫通する引裂きが不注意によって生じることがなく、従って、パッケージ領域44を容易に互いに切離せないことが確実になる。代替的に、個々の蓋材料シートによって、各パッケージ領域44を個々に被覆するようにしてもよい。蓋材料シート42は、未密着領域56をさらに備えている。この未密着領域56では、蓋材料がブリスターシート40に強く付着していない。これらの未密着領域は、個々の蓋区域45をその対応するパッケージ領域44から引き剥がすためのユーザによって掴まれる蓋材料シート42の一区域をもたらしている。この剥離によって、錠剤1をブリスターシート40の開口上側58から取り出すことができる。ブリスターパッケージ14の安全を高めるために、未密着領域56は、ブリスターパッケージ14を変形させたときにしか掴めないように、構成されていてもよい。例えば、未密着領域56は、ブリスターパッケージ14が脆弱ライン43に沿って曲げられたときしか掴めないように、構成されていてもよい。しかし、脆弱ライン43は、好ましくは、ブリスターシート40の縁まで延在させてはならないことに留意されたい。
【0024】
ブリスターパッケージ14は、外側スリーブ12と協働で作用する接続区域50をさらに備えている。接続区域50は、好ましくは、その中心部に位置する係止開口52を備えている。この開口は、底部18の係止部材28および上部16の係止柱30のそれぞれと協働して機能するように、構成されている。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態では、壊れやすい剤形は、ブリスターシート14の各凹部46内に配置されているとよく、これによって、剤形が各凹部46の壁と係合し、壁が剤形を凹部46の閉鎖底60から離間して蓋材料42と隣接する状態で保持されることになる。このような構成は、図9に最もよく示されている。この態様によって、剤形は、運搬中の動きが阻止され、損傷しないように保護されている。各剤形とその剤形が配置される凹部46の閉鎖底60との間の隙間によって、パッケージ10が落下したとき、剤形への衝撃が緩和されることになる。凹部46およびその凹部46内に配置される対応する剤形は、本質的に、どのような形状を有していてもよい。例えば、剤形は、円板状錠剤、楕円形カプセル、または正方形ピルであってもよい。凹部46の(ブリスターシートの面における)形状として、円形状、楕円形状、多角形状、または星形状が挙げられる。
【0026】
さらに、凹部46の壁および閉鎖底60は、凹部46の各々を取り囲むフランジ48と直交する垂直軸を中心とする回転面の形態にある形状を画定することが可能である。例えば、凹部46は、湾曲したカップ状の形状を有することが可能である。剤形が円板状の場合、それらの剤形は、各々、剤形が配置される凹部46の壁と接触する縁を有しているとよい。この縁と壁は、凹部46の垂直軸と同軸の環状の接触領域を画定している。このような円板状剤形の縁は、凹部46の壁と接触する斜面をなしてもよい。環状の接触領域によって、ブリスター内の剤形の動きが阻止され、このような動きと付随する剤形の損傷が防止されることになる。
【0027】
ブリスターパッケージ14は、ブリスターシート40の露出面が底部18と面し、蓋材料シート42の露出面が上部16と面するようにして、係止部材28を超えて、外側スリーブ12に滑入されることになる。係止部材28は、ブリスターパッケージ14を上部16に向かって導いている。外側スリーブ12内に配置されると、ブリスターパッケージ14は、上部16の縦方向延在リブ31、底部18の柔軟なガイド34a,34b、および底部18の縦方向延在リブ35a〜35dによって、支持されることになる。また、これらの要素は、好ましくは、ブリスターパッケージ14が外側スリーブ12内に完全に挿入されるとき、上部16の係止柱30にブリスターパッケージ14の係止開口52を案内するようになっている。
【0028】
ブリスターパッケージ14が外側スリーブ12内に完全に挿入されると、係止開口52が係止柱30と係止することによって、ブリスターパッケージ14が外側スリーブ12から取り外されるのが阻止される。その結果、ユーザは、パッケージ領域44のどれにもアクセスすることができず、錠剤1のどれもブリスターパッケージ14から取り出すことが不可能となる。
【0029】
ブリスターパッケージ14を外側スリーブ12から取り出すために、ユーザは、解除部24を押下げ、ブリスターパッケージの接続区域50と係合させ、この接続区域50を押下げる。この移動によって、柔軟なガイド34a,34bも下方に移動し、その結果、係止開口52が係止柱30から離脱されることになる。凹み26によってアクセス可能となるブリスターパッケージ14の部分を掴むことによって、ユーザは、ブリスターパッケージ14を外側スリーブ12の開端20から外に引出すことが可能となる。
【0030】
係止柱30から離脱されると、ブリスターパッケージ14は、外側スリーブ12から引き出され、その結果、全ての数のパッケージ領域44または選択された数のみのパッケージ領域44にアクセスすることが可能となる。しかし、ユーザは、ブリスターパッケージ14を外側スリーブ12から完全には取り出してはならない。これに関連して、好ましくは、ブリスターパッケージが完全に取り出される前に、係止部材28が、係止開口52と係合し、ブリスターパッケージを、最終的なほぼ完全に引出された位置で、外側スリーブ内に保持するとよい。従って、いったんブリスターパッケージ14を外側スリーブ12内に滑入させると、このブリスターパッケージを取り出すことができない。しかし、ブリスターパッケージ14を、パッケージ領域44のどれにもアクセスできない完全に挿入された係止位置と1つまたは複数のこれらの領域にアクセスできる種々の引出し位置との間で、自在に移動させることが可能である。
【0031】
錠剤1を含むパッケージ領域44が露出すると、ユーザは、蓋材料シート42の個々の蓋区域45をパッケージ領域から引き剥がすことによって、錠剤にアクセスすることが可能となる。次いで、ユーザは、ブリスターパッケージ14を外側スリーブ12内に押戻し、これによって、ブリスターパッケージへのさらなるアクセスを阻止し、ブリスターパッケージが損傷するのを保護することができる。ブリスターパッケージにアクセスする前述のステップ、およびブリスターパッケージを外側スリーブから完全に取り外すことを不能とした構成によって、錠剤パッケージ10は、極めて小児にとって安全となる。
【0032】
図10は、本発明の他の実施形態によるブリスターパッケージ114を示している。ブリスターパッケージ114は、接続区域150に位置するいくつかの安定化リブ160の追加を除けば、本質的にブリスターパッケージ14と同じである。安定化リブ160によって、外側スリーブ12内へのブリスターパッケージ114のより密接で、さらに均衡の取れた嵌合が可能になる。図10では、安定化リブ160は、接続区域150にしか配置されていないが、ブリスターパッケージ114のどの領域に配置されてもよいことが意図されている。例えば、安定化リブ160は、ブリスターパッケージ114の縁区域に沿って配置されていてもよい。
【0033】
本発明による錠剤パッケージは、高齢者にとって扱いやすいと共に小児にとって安全であるように設計されている。このパッケージは、極めて高い小児安全レベルまたはそれ以上のパッケージとして、格付けされている。実際、錠剤パッケージ10は、比較的多くの子児が所定時間内に薬物にアクセスするのを阻止するように設計されている。本発明によるいくつかの実施形態は、前述したようなF1パッケージとして知られる周知の工業規格で格付けされるほど高いレベルで格付けされる。例えば、「F1」パッケージをもたらすには、前述したような寸法のブリスターカードを含むパッケージを、前述したような材料とアルキャンから接着剤No.4516の名称で市販されている接着剤を用いて、作製するとよい。一方、他の実施形態では、F2格付けまたはF3格付けが得られる。従って、さまざまな種類の剤形を収容する種々の実施形態が考えられる。本発明を壊れやすいまたは砕けやすい剤形に関して説明したが、他の種類の剤形が収容されてもよいことが意図されている。勿論、ユーザは、特定の対象に対して適切なパッケージを選択すべきであることに留意されたい。例えば、極めて危険なまたは極めて毒性のある剤形は、極めて高い小児安全レベルで包装されるべきであるが、危険の少ない剤形は、低い小児安全レベルで包装されてもよい。
【0034】
最後に、前述のブリスターパッケージ14,114を形成する好ましい1つの方法および剤形1をこれらのパッケージ14,114内に包装する好ましいプロセスについて、説明する。多くの異なる適切なプロセスが、本発明によって利用されてもよく、以下に説明する方法は、1つの好ましい方法にすぎないことが理解されるべきである。このような方法/プロセスでは、ブリスターシート40および蓋材料42を形成する材料シートは、好ましくは、ロールの状態で準備され、ブリスター機械に送給または装填される。このような機械は、当技術分野においてよく知られていることに留意されたい。次いで、ブリスターシート40を形成する材料は、好ましくは、成形ステーションに移動され、この成形ステーションにおいて、凹部46が、成形プラグのような工具によって、材料内に成形される。次いで、錠剤1が、好ましくは、ブリスターシート40の各開口凹部46内に配置される。
【0035】
凹部46の各々が1つまたは複数の錠剤または他の剤形を収容した状態で、ブリスターシート40は、好ましくは、シーリング・ステーションに移動され、このシーリング・ステーションにおいて、上下シーリング板を用いて、蓋材料42をブリスターシート40に密着する。前述のシーリング板は、好ましくは、特定の滞留時間(サイクル/速度)の経過の全体にわたって、熱と圧力を用いて、(前述したような)適切な接着剤を加熱し、蓋材料42をブリスターシート40に密着させる。このシーリング段階に続いて、所望のミシン目がパッケージに形成され、(多数の凹部46を有する)個々のブリスターカード14が打抜き加工される。形成されたミシン目は、この打ち抜き手順において有益であるが、前述したように最終的なブリスターパッケージ14にも残されることに留意されたい。最終的に、個々のパッケージ14は、好ましくは、コンベヤ等を介して、最終包装ステーションに送給される。
【0036】
本発明を用いて包装され得る通常は錠剤の形態にある剤形は、ここで用いられる錠剤の種類または医薬品有効成分(API)の種類によって、制限されるものではない。これらのAPIの例として、制限はされないが、鎮痛薬、抗炎症薬、解熱剤、抗生物質、抗菌剤、抗不安薬、下剤、食欲抑制薬、抗ヒスタミン剤、抗うつ剤、抗ぜんそく薬、抗利尿薬、整腸薬、抗片頭痛薬、抗痙攣剤、鎮痛剤、抗過活動薬、抗高血圧薬、精神安定剤、充血除去剤、β阻害薬、ペプチド、タンパク質、オリゴヌクレオチド、および生体起源の他の物質、ならびにこれらの組合せが挙げられる。また、マンテレ(Mantelle)に付与された米国特許第5,234,957号明細書のカラム18〜21に記載されている薬物および薬品有効成分も考えられる。このマントル特許の本文は、参照することによって、ここに含まれるものとする。前述のAPIのいずれも、どのような塩、水和物、溶媒和物、多形体、または個々の光学異性体、およびそれらの混合物の形態で用いられてもよい。
【0037】
具体的には、オピエート(opiate)、疼痛を治療するのに用いられる薬物、クロザピンのような精神医学に用いられるかまたは統合失調症の治療に用いられる薬物、および細胞毒性物質が、特に好ましい。また、高齢者の治療を目的とするどのようなAPI、または小児安全パッケージ、さらに具体的には、「F1]パッケージの使用を必要とするどのようなAPIも好ましい。
【0038】
本発明によって包装され得る合法的オピエートの例として、制限はされないが、アルフェンタニル、αプロジン、アニレリジン、ベンジルモルヒネ、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、リン酸コデイン、デソモルヒネ、デキストロモラミド、デゾシン、ジアンプロミド、ジヒドロコデイン、ジヒドロコデイノンエノールアセテート、ジヒドロモルヒネ、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアムブテン、ジオキサフェチルブチラート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアムブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、フェンタニル、ヒドロコドン、ヒドロモルヒネ、ヒドロキシぺチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レボルファノール、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルヒネ、塩酸モルヒネ、硫酸モルヒネ、ミロフィン、ナルブフィン、ナルセイン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、オピウム、オキシコドン、オキシモルフォン、パプベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロヘプタジン、プロメドール、プロピルム、プロポキシフェン、レミフェンタニル、スフェンタニル、およびチリジンのような処方薬物が挙げられる。一般的にオピエートとして知られる化合物の分類には、ヘロインおよびコカインのような違法薬物も含まれている。本発明によるオピエートには、前述したものおよび米国連邦規則:21CFR §1308.12に準じる規制物質として列挙されているものが挙げられる。オピエートは、種々の理由、最も頻繁には、様々な種類の苦痛を緩和するために、患者に投与されている。
【0039】
細胞毒性物質は、細胞を死滅させるどのような作用物質も含んでいる。これらの物質は、一般的に、悪性疾患および他の疾患の治療に用いられている。これらの物質は、急速に成長する癌細胞を壊滅することを意図している。これらの物質は、治療投薬または動物実験および細菌分析のいずれかにおいて、変異誘発性、発癌性、および/または催奇形性を呈することが分かっている。DNA、RNA、およびタンパク質の合成などの重要な細胞プロセスを妨げる細胞毒性薬は、抗体と共役されてから、生体内治療に用いられている。このような薬物の例として、制限はされないが、以下の薬物が挙げられる。
【0040】
i)挿入剤、特に、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ゾルビシン、アクラルビシン、ピラルビシン、アクリジン、ミトキサントロン、アクチノマイシンD、エプトイリニウムアセテート;
【0041】
ii)プラチナ誘導体から選択されるアルキル化剤(シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン);
【0042】
iii)シクロホスファミド、イホスファミド、クロルメトリン、メルファラン、クロラムブシル、エストラムスチン、ブスルファン、マイトマイシンC、ニトロソ尿素:BCNU(カルムスチン)、CCNU(ロムスチン)、フォテムスチン、ストレプトゾトシン、トリアジンまたは誘導体:プロカルバジン、ダカルバジン、ピポブロマン、エチレンイミン:アルトレタミン、トリエチレン−チオ−ホスホルアミドからなるアルキル化剤の他の群から選択される化合物;
【0043】
iv)葉酸代謝拮抗薬:メトトレキサート、ラルチトレックス(Raltitrex)、ピリミジン代謝拮抗薬:5−フルオロウラシル(5−FU)、シタラビン(Ara-C)、ヒドロキシウレア・プリン代謝拮抗薬:プリネトール、チオグアニン、ペントスタチン、クラドリビン、細胞毒性ヌクレオシド合成誘導因子:ゲムシタビンからなる代謝拮抗薬の他の群から選択される化合物;
【0044】
v)チューブリン親和性剤、紡錘体を分裂させるビンカ・アルカロイド:ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ナベルビン、紡錘体の脱重合を阻止する作用剤:パクリタキセル、ドセタキセル、トポイソメラーゼIIの阻止によるDNA開裂を誘発する作用剤:エトポシド、テニポシド、DNA開裂を誘発するトポイソメラーゼI抑制剤:トポテカン、イリノテカンからなる他の群から選択される化合物;
【0045】
vii)ブレオマイシンのようなDNA分離または分裂剤;
【0046】
viii)化合物:プリカマイシン、L−アスパラギナーゼ、ミトグアゾン、ダカルバジンの1つ;
【0047】
viii)抗癌プロゲステロンステロイド:メドロキシプロゲステロン、メゲストロール
【0048】
ix)抗癌エストロゲンステロイド:ジエチルスチルベストロール;ホスフェストロール4ナトリウム;
【0049】
x)抗エストロゲン剤:タモキシフェン、ドロロキシフェン、ラロキシフェン、アミノグルテチミド;および
【0050】
xi)ステロイド抗アンドロゲン剤(例えば、シプロテロン)または非ステロイド抗アンドロゲン剤(フルタミド、ニルタミド)。
【0051】
ここで述べたAPIに加えて、本発明の剤形は、追加的または代替的に、ビタミン、ミネラル、および栄養補助食品を含むことが可能である。この開示で用いられる「ビタミン」という用語は、食事療法に必要とされる微量の有機物質を指している。本発明では、「ビタミン」という用語は、制限はされないが、チアミン、リボフラビン、ニコチン酸、パントテン酸、ピリドキシン、ビオチン、葉酸、ビタミンB12、リポ酸、アスコルビン酸、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、およびビタミンKを含んでいる。「ビタミン」という用語には、ビタミンの補酵素も含まれている。補酵素は、ビタミンの特定の化学形態である。補酵素の例として、チアミンピロリン酸(TPP)、フラビンモノヌクレオチド(FMM)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)、補酵素A(CoA)、リン酸ピリドキサール、ビオシチン、テトラヒドロ葉酸、補酵素B12、リポイルリシン、11−シス−レチナール、および1,25−ジヒドロキシコレカルシフェロームが挙げられる。また、「ビタミン」という用語には、コリン、カルニチン、およびα、β、およびγカロチンが含まれている。
【0052】
「ミネラル」という用語は、ヒトの食生活に必要な無機物質、金属などを指している。従って、ここで用いられる「ミネラル」という用語には、制限はされないが、カルシウム(炭酸カルシウム)、鉄、亜鉛、セリウム、銅、ヨウ素、マグネシウム、リン、クロムなど、およびそれらの混合物が含まれている。ここで用いられる「栄養補助食品」という用語は、少量投与されたときに、適切な栄養効果を呈する物質を意味している。栄養補助食品の例として、制限はされないが、花粉、ぬか、小麦麦芽、昆布、冷肝油、朝鮮人参、および魚油のような材料、アミノ酸、タンパク質、およびそれらの混合物が挙げられる。充分に理解されるように、栄養補助食品は、ビタミンおよびミネラルを含んでいてもよい。
【0053】
一般的に、各錠剤または剤形(API、ビタミン、ミネラル、栄養補助食品など)に含まれる有効成分の量は、薬学の周知の原則に準じて選択されるとよい。APIの有効量は、具体的に検討されている。「有効量」という用語は、例えば、「薬学的に有効な量」に基づいて検討されると理解されたい。「薬学的に有効な量」は、必要とされるまたは望ましい治療効果を得るのに充分な薬物またはAPIの量、換言すれば、患者に摂取されたときに適切な生物学的な効果を得るのに充分な量である。ビタミンまたはミネラルに関して用いられる「有効量」という用語は、患者が必要とする特定成分の米国の1日当りの推奨摂取量(RDA)の少なくとも約10%の量を意味している。例えば、もし所望の成分がビタミンCの場合、ビタミンCの有効量は、RDAの10%以上をもたらすのに充分なビタミンCの量となるだろう。典型的には、錠剤がミネラルまたはビタミンを含む場合、多量、好ましくは、適用されるRDAの約100%以上を含むことになる。
【0054】
用いられる有効成分の量は、大幅に変更することができる。勿論、剤形の大きさ、他の成分の要件、および一回に投与される、例えば、錠剤の数は、全て、用いられる薬理学的に有効な成分の量の上限に影響を及ぼすものである。しかし、一般的には、0よりも大きい量から最終的な錠剤の約80重量%、より好ましくは、0よりも大きい量から最終的な錠剤の約60重量%の範囲内の有効成分が含まれている。換言すれば、剤形当り、すなわち、錠剤当り、約1μgから約2g、さらに好ましくは、約0.01gから約1000gの範囲内の有効成分が含まれている。
【0055】
本発明をここで特定の実施形態に関して説明したが、これらの実施形態は、本発明の原理および用途の単なる例示にすぎないことが理解されるべきである。従って、多くの修正が、例示的な実施形態に対してなされてもよいし、他の構成が、特許請求の範囲に定義されるような本発明の精神と範囲から逸脱することなく考案されてもよいことが理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、制限はされないが、特に錠剤の形態、さらには壊れやすい錠剤の形態にある薬剤のパッケージを含む広い産業上の利用可能性を有している。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施形態による小児安全錠剤パッケージの外側スリーブと外側スリーブから部分的に引出されたブリスターパッケージを示す、小児安全錠剤パッケージの平面図である。
【図2】ブリスターパッケージが実質的に外側スリーブ内に収容されている図1の錠剤パッケージの平面図である。
【図3】ブリスターパッケージが収容されていない図1の外側スリーブの平面図である。
【図4】外側スリーブの開口端を示す、図1の外側スリーブの右側面図である。
【図5】外側スリーブの上部の内側底面を示す、図4の線5−5に沿った断面図である。
【図6】外側スリーブの底部の内側上面を示す、図4の線6−6に沿った断面図である。
【図7】図1のブリスターパッケージの平面図である。
【図8】図1のブリスターパッケージの底面図である。
【図9】図1のブリスターパッケージのユニットパッケージ領域の側面図である。
【図10】本発明の他の実施形態によるブリスターパッケージの平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブリスターパッケージであって、
複数のユニットパッケージ領域を画定する単一ブリスターシートであって、前記ユニットパッケージ領域の各々が、開口上側を有する凹部と前記凹部を取り囲むフランジとを備える単一ブリスターシートと、
前記フランジに剥離可能に密着された蓋材料の単一シートであって、前記蓋材料のシートが、少なくとも部分的に互いに隣接するユニットパッケージ領域間の境界に沿って延在する脆弱ラインを有し、前記ブリスターシートと前記蓋材料のシートが、前記蓋材料を前記ブリスターシートから引き剥がすのを容易にするために、未密着領域を前記境界に沿って画定する蓋材料の単一シートと、
を備えるブリスターパッケージと、
前記ブリスターパッケージを収容する実質的に剛性のある外側スリーブであって、
少なくとも1つの開口端と、
前記ブリスターパッケージを前記スリーブ内に係止する係止手段と、
前記ブリスターパッケージを前記係止手段から解除する解除手段と、
前記ブリスターパッケージが前記スリーブから完全に引き出されるのを阻止する保持手段と、
を有する外側スリーブと、
を備えていることを特徴とする薬剤パッケージ。
【請求項2】
前記係止手段は、前記ブリスターパッケージの開口と、前記外側スリーブの内面から前記開口内に延びる柱とを備えていることを特徴とする、請求項1に記載の薬剤パッケージ。
【請求項3】
前記解除手段は、前記ブリスターパッケージと係合して前記開口を前記柱の外に移動させるべく、前記外側スリーブの押下げ可能区域から構成されていることを特徴とする、請求項2に記載の薬剤パッケージ。
【請求項4】
前記保持手段は、前記開口端に隣接して前記外側スリーブから延在する指部から構成され、前記指部は、前記ブリスターパッケージが前記スリーブから引き出される最中に、前記開口内に入るようになっていることを特徴とする、請求項1に記載の薬剤パッケージ。
【請求項5】
前記蓋材料の前記脆弱ラインは、互いに交差し、交差点を画定していることを特徴とする、請求項1に記載の薬剤パッケージ。
【請求項6】
前記未密着領域は、前記脆弱ラインの前記交差点に配置されていることを特徴とする、請求項5に記載の薬剤パッケージ。
【請求項7】
前記外側スリーブは、ポリマー材料から構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の薬剤パッケージ。
【請求項8】
前記凹部は、壁と閉鎖底とをさらに備えていることを特徴とする、請求項1に記載の薬剤パッケージ。
【請求項9】
剤形が前記凹部内に配置され、前記凹部の前記壁と係合し、その結果、前記壁が、前記剤形を前記閉鎖底から離間して前記蓋材料に隣接する状態で保持し、これによって、前記剤形の各々と前記凹部の前記閉鎖底との間に隙間が生じるようになっていることを特徴とする、請求項8に記載の薬剤パッケージ。
【請求項10】
請求項1に記載のパッケージと前記凹部内に配置された複数の医薬剤形とを備えている包装された剤形。
【請求項11】
前記医薬剤形は、フェンタニルであることを特徴とする、請求項10に記載の包装された剤形。
【請求項12】
壊れやすい剤形をパッケージから取り出す方法において、
実質的に剛性のある外側スリーブ内に収容される内側ブリスターパッケージを有するパッケージを設けるステップと、
前記内側ブリスターパッケージが前記外側スリーブの開口端を通る方向における第1の位置から移動することを可能とするために、解除部を前記内側ブリスターパッケージと係合させるステップと、
前記内側ブリスターパッケージを第2の位置に移動させ、前記内側ブリスターパッケージを前記外側スリーブから部分的に取り出すステップと、
前記内側ブリスターパッケージが前記外側スリーブから完全に取り出されるのを阻止するステップと、
前記内側ブリスターパッケージの蓋材料を引き剥がし、少なくとも1つの壊れやすい剤形にアクセスできるようにするステップと、
前記壊れやすい剤形を前記内側ブリスターパッケージから取り出すステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
前記係合ステップは、ボタンを押下げることを含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記内側ブリスターパッケージを前記第1の位置に戻すステップをさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記引き剥がすステップは、蓋材料の未密着領域を掴むステップをさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
蓋材料の未密着領域を掴むステップは、前記ブリスターパッケージを曲げることを必要とすることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
複数のユニットパッケージ領域を画定する単一ブリスターシートであって、前記ユニットパッケージ領域の各々が、開口上側を有する凹部と前記凹部を取り囲むフランジとを備える単一ブリスターシートと、
前記フランジに剥離可能に密着された蓋材料の単一シートであって、前記蓋材料のシートは、互いに隣接するユニットパッケージ領域間の境界に沿って延在する脆弱ラインを有し、前記ブリスターシートと前記蓋材料のシートは、前記蓋材料を前記ブリスターシートから引き剥がすのを容易にするために、未密着領域を前記境界に沿って画定する蓋材料の単一シートと、
突起と係合する開口を備える接続区域と、
を備えていることを特徴とするブリスターパッケージ。
【請求項18】
ブリスターパッケージであって、
複数のユニットパッケージ領域を画定する単一ブリスターシートであって、前記ユニットパッケージ領域の各々が、開口上側を有する凹部と前記凹部を取り囲むフランジとを備える単一ブリスターシートと、
前記フランジに剥離可能に密着された、前記凹部を覆う蓋材料と、
前記ブリスターシートを貫通する開口と、
を備えるブリスターパッケージと、
前記ブリスターパッケージを収容する実質的に剛性のある外側スリーブであって、
少なくとも1つの開口端と、
前記ブリスターパッケージを前記外側スリーブ内に係止するために、前記外側スリーブの内面から前記開口内に延びる柱と、
前記ブリスターパッケージと係合して前記開口を前記柱の外に移動させる、前記外側スリーブの押下げ可能領域と、
を備える外側スリーブと、
を備えていることを特徴とする薬剤パッケージ。
【請求項19】
前記外側スリーブから延在する指部をさらに備え、前記指部は、前記ブリスターパッケージが前記スリーブから完全に引き出されるのを阻止するために、前記ブリスターパッケージが前記スリーブから引き出される最中に、前記開口内に入るようになっていることを特徴とする、請求項18に記載の薬剤パッケージ。
【請求項20】
前記蓋材料は、互いに隣接するユニットパッケージ領域間の境界に沿って延在する脆弱ラインを有する単一シートから構成され、前記ブリスターシートと前記蓋材料のシートは、前記蓋材料を前記ブリスターシートから引き剥がすのを容易にするために、未密着領域を前記境界に沿って画定していることを特徴とする、請求項18に記載の薬剤パッケージ。
【請求項21】
前記蓋材料の前記脆弱ラインは、互いに交差して、交差点を画定していることを特徴とする、請求項20に記載の薬剤パッケージ。
【請求項22】
前記未密着領域は、前記脆弱ラインの前記交差点に配置されていることを特徴とする、請求項21に記載の薬剤パッケージ。
【請求項23】
前記外側スリーブは、ポリマー材料から成形されていることを特徴とする、請求項18に記載の薬剤パッケージ。
【請求項24】
前記凹部は、壁と閉鎖底とをさらに備えていることを特徴とする、請求項18に記載の薬剤パッケージ。
【請求項25】
剤形が前記凹部内に配置され、前記凹部の壁と係合し、その結果、前記壁が、前記剤形を前記閉鎖底から離間して前記蓋材料に隣接する状態で保持し、これによって、前記剤形の各々と前記凹部の前記閉鎖底との間に隙間が生じるようになっていることを特徴とする、請求項24に記載の薬剤パッケージ。
【請求項26】
請求項18に記載のパッケージと前記凹部内に配置された複数の医薬剤形とを備えている包装された剤形。
【請求項27】
前記医薬剤形は、フェンタニルであることを特徴とする、請求項26に記載の包装された剤形。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2008−526451(P2008−526451A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−551461(P2007−551461)
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/001489
【国際公開番号】WO2006/076705
【国際公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(500117347)シーマ・ラブス、インコーポレイテッド (12)
【Fターム(参考)】