説明

小動物用巣箱の床冷房器および小動物用巣箱

【課題】 エアコンを使用することなく、ハムスターなどの小動物が好む温度環境を巣箱の中に作り出す、安全かつ経済的でしかも長時間にわたって冷却効果が持続する小動物用巣箱の床冷房器および小動物用巣箱を提供する。
【解決手段】 全体が断熱材で形成され且つ保冷剤を収納する収納部を有するとともに、その上に巣箱を載せ置いて使用する床冷房器本体と、この床冷房器本体の天板部の一部に設けられた、穴、隙間、断熱材の厚みを薄くした部分、熱伝導性の良い金属製部材やセラミックス製部材などからなる、前記床冷房器本体に載せ置いた前記巣箱の床の一部に冷えた領域を形成するための部分冷却部と、とからなることを特徴とする小動物用巣箱の床冷房器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハムスターなどの小ペットの巣箱を冷却する小動物用巣箱の床冷房器および小動物用巣箱に関する。
【背景技術】
【0002】
ペットのハムスターなどの小動物は30度以上の高温の環境に長時間耐えることができないので夏は温度管理が必要である。温度管理の手段として一般にエアコンが用いられている。しかし、人が居ないときに部屋全体を冷やすエアコン稼動は省エネの観点から好ましくなく不経済である。
【0003】
エアコンを使用しないで飼育ケース内を冷却する手段としては保冷剤や中の水を凍らせたペットボトルなどを入れて冷やす方法が用いられている。しかし、この方法は温度調節ができず、ハムスターが好む温度を設定することができないという問題があった。さらに、12時間とか24時間の長時間の効果を持続させることが難しいなどの問題があった。齧られるとか、保冷剤に結露して巣の中が濡れてしまうなど安全性の問題もあり、暑い時に単に温度を下げる非常手段として用いられているのが現状である。
【0004】
このように、これまでは、エアコン以外に簡単に温度管理ができてしかも長時間効果が持続する小動物用の冷房装置は無かった。更に、巣箱の床の一部をハムスターなどが好む温度に冷却する床冷房装置は無かった。
【特許文献1】特になし
【非特許文献1】特になし
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上述した従来技術の欠点に鑑みてなされたものであって、その目的は、エアコンを使用することなく、ハムスターなどの小動物が好む温度環境を巣箱の中に作り出す、安全かつ経済的でしかも長時間にわたって冷却効果が持続する小動物用巣箱の床冷房器および小動物用巣箱を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の目的を達成するために本発明は、次のような構成となっている。
<請求項1記載の発明>
全体が断熱材で形成され且つ保冷剤を収納する収納部を有するとともに、その上に巣箱を載せ置いて使用する床冷房器本体と、 この床冷房器本体の天板部の一部あるいは全部を、断熱材の厚みを薄くするとか、周囲よりは熱伝導性の良い部材で作るとか、前記床冷房器本体に載せ置いた巣箱の床に冷えた領域を形成するための冷却用天板と、とで小動物用巣箱の床冷房器を構成している。
【0007】
<請求項2記載の発明>
全体が断熱材で形成され且つ保冷剤を収納する収納部を有するとともに、その上に巣箱を載せ置いて使用する床冷房器本体と、この床冷房器本体の天板部の一部に設けられた、穴、隙間、断熱材の厚みを薄くした部分、熱伝導性の良い金属製部材やセラミックス製部材などからなる、前記床冷房器本体に載せ置いた前記巣箱の床の一部に冷えた領域を形成するための部分冷却部と、とで小動物用巣箱の床冷房器を構成している。
<請求項3記載の発明>
床を有する巣箱本体と、全体が断熱材で形成され且つ保冷剤を収納する収納部を有するとともに、その上に前記巣箱を載せ置いて使用する床冷房器本体と、この床冷房器本体の天板部の一部に設けられた、穴、隙間、断熱材の厚みを薄くした部分、熱伝導性の良い金属製部材やセラミックス製部材などからなる、前記床冷房器本体に載せ置いた前記巣箱の前記床の一部に冷えた領域を形成するための部分冷却部と、とで小動物用巣箱を構成している。
【発明の効果】
【0008】
本発明は上述したような構成となっているので、次に述べるような効果を奏する。
<請求項1記載の発明の効果>
全体が断熱材で形成され且つ保冷剤を収納する収納部を有するとともに、その上に巣箱を載せ置いて使用する床冷房器本体と、この床冷房器本体の天板部の一部あるいは全部を、断熱材の厚みを薄くするとか、周囲よりは熱伝導性の良い部材で作るとか、前記床冷房器本体に載せ置いた巣箱の床に冷えた領域を形成するための冷却用天板と、とで小動物用巣箱の床冷房器を構成しているので、床が冷やされているので、巣箱の小動物は冷えた床により涼しく生活できるという効果を奏する。
<請求項2記載の発明の効果>
全体が断熱材で形成され且つ保冷剤を収納する収納部を有するとともに、その上に巣箱を載せ置いて使用する床冷房器本体と、この床冷房器本体の天板部の一部に設けられた、穴、隙間、断熱材の厚みを薄くした部分、熱伝導性の良い金属製部材やセラミックス製部材などからなる、前記床冷房器本体に載せ置いた前記巣箱の床の一部に冷えた領域を形成するための部分冷却部と、とで小動物用巣箱の床冷房器を構成しているので、床冷房器本体全体が断熱材で形成されているために、収納部に収納した保冷剤の冷気が外に殆ど漏れ出すことが無く、且つ、天板部の一部に穴や熱伝導性部材からなる部分冷却部を配置して巣箱の床の一部を冷却する構造であるので外気の暖気が収納部に侵入し難い影響を受け難い構造を実現している。これにより、保冷剤の冷却効果が長時間(第1の実施の形態では12時間、第2の実施の形態では24時間以上)持続させることができるとともに、天板部の一部に設けた穴などの部分冷却部により、巣箱の床の一部を冷たい部分から少し冷たい部分というように強弱のある床温度とされるので、小動物は好みの冷たい部分を選んで寝そべるなどの生活できるという効果を奏する。 特に、ハムスターのような小動物は暑いときには冷たい床を探してそこに寝そべって身体を冷やす習性がある。小動物用巣箱の床冷房器床はそのような習性を生かしその習性に合った涼み方を実現できるという効果を奏する。<請求項3記載の発明の効果>
前記請求項1記載の発明と同様な効果を奏する。
【0009】
したがって、本発明の冷房装置の上に巣箱を重ね置く使用方法、つまり、部分冷却部に巣箱の床を重ねるという使用方法によって、巣箱の床の所定の場所を冷却することができる。
【0010】
したがって、本発明の冷房装置の部分冷却部は、巣箱の床の所定の場所を冷やす以外には収納部内の冷やすエネルギーを外に逃がさないので、保冷剤の冷やすエネルギーをもっぱら床を冷やすために効率良く使うことができる。
【0011】
さらに、本発明の冷房装置の収納部は、断熱材を厚くするとか熱伝導率のより小さい断熱材を使用することによって、熱抵抗値を高めることができる。したがって冷やすエネルギーを長時間貯めておく収納部ができる。
【0012】
さらに、大型の保冷剤パックを収納部に入れるとか、蓄冷力の大きい保冷剤入りの保冷剤パックを仕様することによって、さらに大きな冷やすエネルギーを保持することができる。
【0013】
収納部の断熱材の厚さの寸法を底部30ミリメートル、側面部を50ミリメートル、天板部を30ミリメートルとして、部分冷却部を30ミリメートルの円形の穴とした小動物用巣箱の床冷房器を、発泡スチロール材で作った場合、市販の保冷剤パック(蓄冷剤760グラム入り)をマイナス15℃の冷凍庫で12時間冷却した後に使用した場合、28℃〜32℃の外気温のとき、巣箱の床温度(床面に置いた温度計で計測)を24℃〜25℃にすることができ、この冷房状態を12時間持続することができた。
【0014】
前記と全く同じ寸法の小動物用巣箱の床冷房器を硬質ウレタンフォームで作った場合、5倍の冷却能力があると表示された市販の保冷剤パック(高性能蓄冷剤760グラム入り)をマイナス15℃の冷凍庫で12時間冷却した後に使用した場合、28℃〜32℃の外気温のとき、巣箱の床温度(床面に置いた温度計で計測)を24℃〜25℃にすることができ、この冷房状態を24時間持続することができた。
【0015】
本発明の小動物用巣箱の床冷房器は、巣箱の床の所定の場所を集中冷却することができる。したがって床の所定の場所を中心に強冷房の場所にして、中心から離れるに従って冷却力が弱まる弱冷房の場所にすることができる。したがって巣箱の床に冷え方の異なった場所を作ることができる。したがってハムスターが巣箱の中に好みの温度の場所を選ぶことができる。したがって温度管理も楽である。
【0016】
保冷材を冷蔵庫の冷凍室で冷却して繰り返して使用できるものにするのが経済的である。
【0017】
本発明の巣箱の床冷房器は、例えば、断熱効果の大きい発砲スチロール製の安価なケース体で実現できるので装置が簡単で効果が確かであり廉価である。
【0018】
本発明の小動物用巣箱の床冷房器床には以上の効果の他に、ハムスターなどの小動物用巣箱の床冷房器床として以下のような効果を有する。
ハムスターのような小動物は暑いときには冷たい床を探してそこに寝そべって身体を冷やす習性がある。小動物用巣箱の床冷房器はそのような習性を生かし習性に合った涼み方を実現できるという効果を奏する。
【0019】
冷やすエネルギーは保冷剤を使用する。したがってサーモスタットのような温度変化が起きず一定温度を保つので、ハムスターのような小動物に負担が無く、地下の巣穴のような、安定した涼しさの温度環境を巣箱の中に作ることができる。
【0020】
巣箱の外から冷却するので、ハムスターから完全に隔離できる。したがって巣箱の中を濡らしてしまう結露も無く、齧られる心配も無く安全である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
保冷剤を使用して巣箱の床の所定の場所を、12時間とか24時間とかの長時間にわたって冷却するという目的を、断熱材で形成した保冷剤収納部と、冷やすエネルギーを巣箱の床に効率よく伝える、この床冷房器の冷却用天板、あるいは、巣箱の床の一部に冷えた領域を形成するための部分冷却部を有した天板部とで実現した。
【0022】
言葉の定義、本明細書で用いる言葉を以下の様に定義する。
断熱材:断熱材は、硬質ウレタンフォーム・発泡スチロールなど合成樹脂系のもの、コルク、グラスウールなど、断熱材として一般に使用されるものすべてを含む。
保冷剤: クーラーボックス用の蓄冷パック、食品保冷剤、氷、塩水を凍らせたものなど、一般に冷却剤として使用できるものすべてを含む。
巣箱:床部分を有するハムスター用の巣箱、床を外から冷やせる飼育ケースなど。
【実施例1】
【0023】
2全体が断熱材で形成され且つ保冷剤を収納する収納部を有するとともに、その上に巣箱を載せ置いて使用する床冷房器本体と、この床冷房器本体の天板部の一部に設けられた、穴、隙間、断熱材の厚みを薄くした部分、熱伝導性の良い金属製部材やセラミックス製部材などからなる、前記床冷房器本体に載せ置いた前記巣箱の床の一部に冷えた領域を形成するための部分冷却部と、とからなることを特徴とする小動物用巣箱の床冷房器。
【0024】
図1は、本発明の1実施例である。1は小動物用巣箱の床冷房器であり全体が断熱材でできている。2は中に保冷剤を収納する収納部であり4は天板部であり5は部分冷却部である。この実施例では部分冷却部5の構造は天板部4を貫通した一個の穴50である。6は床冷房器本体である。
【0025】
図2は、図1の実施例の内部構造を説明する図である。収納部2は底部21と四つの側面部22に断熱材の硬質ウレタンフォームを用いている。収納室3に冷凍庫で十分に冷やした保冷剤31を入れて天板4で蓋をする。
【0026】
図3は、請求項3の実施例である。また小動物用巣箱の床冷房器本体の説明図でもある。図1の床冷房器1の上に巣箱60を載せた、小動物用巣箱の床冷房器の使用状態の例の図である。
【0027】
図4は、図3の使用状態を例にして本発明の床冷房器1の動作原理を説明するものである。
小動物用巣箱の床冷房器1は、上に巣箱60を載せて使用する。床冷房器1の天板4と巣箱60の床61が接している。部分冷却部5が床61の所定の場所62を冷却する。保冷剤31の冷やすエネルギーは断熱材でできた収納室3から外に漏れ出ることなく収納室3の中に溜まる。溜まった冷やすエネルギーは部分冷却部5の穴50を通って巣箱の床61の所定の場所62に伝わる。
【0028】
図5は、本発明の小動物用巣箱の床冷房器が巣箱の床61に強冷房の床の範囲10と中冷房の床の範囲11と弱冷房の床の範囲12を形成する状態を説明するものである。小動物用巣箱の床冷房器の天板部4の上に載った巣箱の床61は、部分冷却部5から冷やすエネルギーを受けて所定の場所62が最も冷えた状態になる。断熱材でできている天板部に比べて高い熱伝導率の巣箱の床61は所定の場所で受け取った、所定の場所を冷やすエネルギー7を周りに拡散させる。したがって、所定の場所が強冷房の床の範囲10となりその周りが中冷房の床の範囲11となりその外側が弱冷房の床の範囲12となる。ハムスターは好みの冷え方の床を選ぶことができる。
【0029】
図6から図10は、本発明の小動物用巣箱の床冷房器の主要な特長である、12時間とか24時間の長時間機能するための、冷やすエネルギーを長時間保持する構造について説明する図である。
【0030】
図6は、本発明の小動物用巣箱の床冷房器の実用性の実験用のモデルの図であり、同寸法、底部の厚さ30ミリメートル側面部50ミリメートル天板部30ミリメートル部分冷却部を30ミリメートルの円形の穴で発泡スチロール制と、硬質ウレタンフォーム制の二つのモデルを作った。上に巣箱60を載せて巣箱の床61に測定用温度計80を置き、実験した。
【0031】
図7は、図6の実用性の実験結果の抜粋であり、外気温が30℃を超えた日に測定したデータである。発泡スチロール材で作った場合、市販の保冷剤パック(蓄冷剤760グラム入り)をマイナス15℃の冷凍庫で12時間冷却した後に使用した場合、28℃〜32℃の外気温のとき、巣箱の床温度(床面に置いた温度計で計測)を17℃〜25℃にすることができ、この冷房状態を12時間持続することができた。床温度に大きな開きがあるのは巣箱の材質や構造も大きく関係すると推察されるが、30℃を超えた気温のときに25℃以下まで下げられる結果が出たので実用上問題ないことが分った。
【0032】
硬質ウレタンフォームで作った場合、5倍の冷却能力があると表示された市販の保冷剤パック(高性能蓄冷剤760グラム入り)をマイナス15℃の冷凍庫で12時間冷却した後に使用した場合、28℃〜32℃の外気温のとき、巣箱の床温度(床面に置いた温度計で計測)を17℃〜25℃にすることができ、この冷房状態を24時間持続することができた。
【0033】
図8は、小動物用巣箱の床冷房器本体から漏れ出る冷やすエネルギーと断熱材の厚さを説明した図である。全体に20ミリメートルほどの薄い断熱材を使用した場合は、保冷力が弱く、漏れ出る冷やすエネルギーの量が多くなるので、長時間冷房には適さない。短時間冷房用に適す。あるいは高性能保冷剤を使用することで冷房時間を伸ばすことができる。
【0034】
断熱材の材料が同じであれば厚さが厚いほど熱抵抗値が高くなる。すなわち冷やすエネルギーを逃がしにくくする。特に底部21の材質を熱伝導率の小さい材質にすることと厚さ22を30ミリメートル以上に厚くすることの両方あるいはいずれかによって底部21から漏れ出る冷やすエネルギー23を少なくすることができる。
【0035】
同じく、側面部25の材質を熱伝導率の小さい材質にすることと厚さ26を30ミリメートル以上に厚くすることの両方あるいはいずれかによって側面部25から漏れる出る冷やすエネルギー27を少なくすることができる。
【0036】
天板部4から漏れる冷やすエネルギー29は巣箱の側に漏れるので無駄とは言えないが、本来使用する目的の所定の場所を冷やすエネルギー7を減らすことになるので、天板部の厚さ20ミリメートル以上を目安にすると良い。
【0037】
図9は一般的な保冷剤31の大型の物を使用した例である。大型の保冷剤31aを収納すれば冷やすエネルギーの保持量も増える。
【0038】
図10は小さいが蓄冷力の強い保冷材31bを使用した例である。蓄冷力の強い大型の保冷剤を収納すればより大きな冷やすエネルギーを保持することができるので、更に長時間機能させることができる。
【0039】
図11から図27は、部分冷却部4の構造を説明するものである。部分冷却部4は保冷剤の冷やすエネルギーを収納部から取り出して、この取り出した冷やすエネルギーを巣箱の床の所定の場所に効率よく伝えるために、床冷房器本体6の天板部4の一部に、穴、隙間、断熱材の厚みを薄くした部分、熱伝導性の良い金属製部材やセラミックス製部材などを設けたものである。
【0040】
図11は、部分冷却部5を丸穴50にした場合の図である。
【0041】
図12は、部分冷却部5を角穴51にした場合の図である。
【0042】
図13は、部分冷却部5を隙間52にした場合の図である。
隙間は冷やす力を強めずに冷やす床の面積を増やす場合に効果がある。
なお、穴や隙間の形は自由であり、穴や隙間を二つ以上を組み合わせる場合もこの範囲に含む。
【0043】
図14は、巣箱の床に接する側に窪み53を持たせて断熱材の厚さを薄くして部分冷却部5とした実施例であり図15は窪み53を説明する断面図である。
【0044】
図16と図17は、図14の窪み53aを収納部側に持たせた場合の図であり、窪ませる方法は穴や隙間よりも冷やす力を弱くする場合に適している。図では表していないが、両面を窪ませる場合もこの範囲に入る。
【0045】
図18から図27は、天板4の断熱材より熱伝導率の高い物質で天板4を貫通して部分冷却部5とした実施例であり、
図18は、柱状体54のアルミニウムを埋め込んだ実施例である。なお、柱状体は熱伝導性の良い金属製部材やセラミックス製部材などを範囲に含む。
【0046】
図19は図18の断面図である。
【0047】
図20は、L字に曲げた金属片55を用いて天板を貫いた形式の部分冷却部にした実施例である。図21は、金属片55である。
【0048】
図22は図20の断面図である。収納部側の金属片の形状は自由であり、折り曲げたり別の金属片を付け加えることもこの範囲に含む。
【0049】
図23は、カフスボタン型に貫通させた部分冷却部56をであり、天板部4を両側から挟みこむ構造である。図24は図23の断面図である。
【0050】
図25は、カフスボタン型の貫通体56である。
【0051】
図26は、図25の収納部側の貫通体56を大きくしたものであり、保冷剤に面した側を大きくすることによって冷やすエネルギーを多く吸収して伝えることができ、大きさを変えることによって冷やすエネルギーの伝達量を変えることができるので、部分冷却部の冷却力を調整する手段となる。
【0052】
図27は、部分冷却部が2ヶ所ある場合であり、強く冷える部分は2ヶ所できる。なお、本明細書では部分冷却部は1ヶ所だけで説明しているが、部分冷却部が2ヶ所あるいは3ヶ所以上の場合も本発明の範囲に含む。
【0053】
図28から図31は、請求項1の実施例を説明するものであり、天板部4aの厚みに薄い部分8を設けたものである。巣箱の床の一方の広い範囲を、天板部の薄い部分8から出てくる冷やすエネルギーで冷やすことができる。30℃を大きく上回る環境で強めの冷房が必要なときには、有効である。
【0054】
図29は、天板部4bの厚みを斜めに無段階に薄くした実施例であり、徐々に薄くなった天板部8aを有する。巣箱の床の一方に良く冷える場所反対側に弱い冷房の場所を作ることができる。
【0055】
図30は、天板部全体を薄くした場合であり約20ミリメートル未満の厚さの天板部4cを持つ小動物用巣箱の床冷房器である。30℃を大きく越える暑い環境で強い冷却力を必要とする場合に有効である。しかし、冷やすエネルギーの消費量が多くなり持続時間が短くなるので、蓄冷力の大きい保冷剤を使用する必要がある。
【0056】
図31は、天板部に周囲よりは熱伝導性の良い部材の天板部4dを用いた実施例である。図30より更に冷却力を必要とする場合に有効である。
【0057】
図32は、本発明の小動物用巣箱の床冷房器の温度調節に関する実施例である。薄い断熱材でできた、冷やすエネルギー遮断板15を、小動物用巣箱の床冷房器本体1と巣箱60の間に挟むことで、冷やすエネルギーを少し遮断することで冷却力を抑えることができる。この方法は本発明のすべての小動物用巣箱の床冷房器に用いることができる。なお、冷やすエネルギー遮断板15の材質は布や紙などでも良く、断熱材でなくても良い。
【0058】
図33は、部分冷却部が穴や隙間の場合に有効な冷却力調整手段である。穴や隙間に紙・布・スポンジ・綿などで栓16をする方法である。
【0059】
図34は、部分冷却部5と巣箱の床61との隙間ができた場合のパッキン17である。構造は柔らかく変形する輪ゴム状のもので良いし、圧力で変形しまた元に戻るウレタン材のようなものでも良い。もともと天板部が平らで、巣箱の底も平らであるから冷気が漏れることは無いし、風圧が生じる場所ではないのでが、部材に歪みが生じた場合などには隙間ができて冷気が漏れて冷やすエネルギーのロスになるのでその場合のみ使用するものである。ただし、パッキンを用いない場合、柔らかいティッシュペーパーなどを敷いても冷却力にあまり影響せずに冷気漏れを防ぐことができる。
【0060】
図35はパッキンで冷やすエネルギーが漏れるのを防いでいる図である。隙間から所定の場所を冷やすエネルギーが逃げてしまうのを止める。
【実施例2】
【0061】
図36は収納部が横開き型の実施例を表した図である。保冷剤31を横口36から入れて横蓋37を閉める。横蓋37は冷気を密封するためにしっかりと閉める必要がある。図は止め具38に伸縮性のマジックテープ(登録商標)で横蓋を収納部側に密着させる方法の実施例を表している。
【0062】
図37は、図36の閉めた状態の図である。
【実施例3】
【0063】
図38は、収納部を積み木型にした場合の実施例である。天板部4と側面部25と底部21が独立していて、使用時に保冷剤31を収納室3の中に入れて重ねて一体にする。
図39は、図3を一体化した図である。
【0064】
図40は、床冷房器本体6aが保冷剤の収納室3を複数持っている実施例である。犬や猫など大型の動物の涼み板65を冷却する。
【0065】
図41は、図40の実施状態の図である。涼み板は木や合成樹脂や石や金属板など何でも良い。
【0066】
図42は、本発明の小動物用巣箱の床冷房器を複数並べて犬や猫などの涼み板65を冷却している実施例である。
【産業上の利用可能性】
【0067】
ハムスターなどの小動物用の巣箱の床冷房器として適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】小動物用巣箱の床冷房器の基本形の説明図である。(実施例1)
【図2】小動物用巣箱の床冷房器の内部を説明する図である。
【図3】小動物用巣箱の床冷房器を巣箱にセットした使用例の図である。
【図4】小動物用巣箱の床冷房器の動作を説明する図である。
【図5】巣箱の床に強冷房と弱冷房の場所ができる説明図である。
【図6】小動物用巣箱の床冷房器の実用性の実験モデルである。
【図7】小動物用巣箱の床冷房器の実用性の実験データである。
【図8】小動物用巣箱の床冷房器の冷やすエネルギーの漏れを少なくする説明図である。
【図9】小動物用巣箱の床冷房器に使用する冷やすエネルギーの説明図である。
【図10】小動物用巣箱の床冷房器に使用する高性能保冷剤の説明図である。
【図11】丸穴型の部分冷却部の構造の説明図である。
【図12】角穴型の部分冷却部の構造の説明図である。
【図13】隙間型の部分冷却部の構造の説明図である。
【図14】窪みを持った部分冷却部の構造の説明図である。
【図15】窪みを持った部分冷却部の断面図である。
【図16】収納室側にくぼみを持った部分冷却部の構造の説明図である。
【図17】収納室側に窪みを持った部分冷却部の断面図である。
【図18】柱状体のアルミニュームを用いた部分冷却部の説明図である。
【図19】柱状体のアルミニュームを用いた部分冷却部の断面図である。
【図20】L字に曲げた金属片を用いた形式の部分冷却部の説明図である。
【図21】L字に曲げた金属片である。
【図22】L字に曲げた金属片を用いた形式の部分冷却部の断面図である。
【図23】カフス型に天板部を挟んだ部分冷却部の説明図である。
【図24】カフス型に天板部を挟んだ部分冷却部の断面図である。
【図25】カフス型の貫通体である。
【図26】カフス型の貫通体の大型タイプである。
【図27】部分冷却部を二つ持った図である。
【図28】薄い部分を持った天板部の説明図である。(請求項1の実施例)
【図29】一方が薄くなった天板部の説明図である。
【図30】全体に薄い天板部の説明図である。
【図31】断熱材とは異なった部材の天板部の説明図である。
【図32】冷やすエネルギー遮断板の説明図である。
【図33】部分冷却部の穴の栓の説明図である。
【図34】冷やすエネルギーのパッキンの説明図である。
【図35】冷やすエネルギーのパッキンの動作を説明する図である。
【図36】横開き型の収納部の説明図である。
【図37】横開き型の収納部を持った小動物用巣箱の床冷房器の図である。
【図38】積み木型の収納部の説明図である。
【図39】積み木型の収納部を持った小動物用巣箱の床冷房器の図である。
【図40】複数の収納室を持った小動物用巣箱の説明図である。
【図41】複数の収納室を持った小動物用巣箱の実施例である。
【図42】小動物用巣箱の床冷房器を複数並べて使用する実施例である。
【符号の説明】
【0069】
1、小動物用巣箱の床冷房器
2、収納部
3、収納室
4、4a、4b、4c4d天板部
5部分冷却部
66a床冷房器本体
7所定の場所を冷やすエネルギ
88a天板部の薄い部分
9所定の場所
10強冷房の床の範囲
11中冷房の床の範囲
12弱冷房の床の範囲
15冷やすエネルギー遮断板
16栓
17パッキン
21底部
22底部の厚さ
23底部から漏れる冷やすエネルギー
25側面部
26側面部の厚さ
27側面部から漏れる冷やすエネルギー
28天板部の厚さ
29天板部から漏れる冷やすエネルギー
3131a31b保冷剤
36横口
37横蓋
38止め具
50丸穴
51角穴
52隙間
53窪み
54柱状体
55金属片
56貫通体
60巣箱
61巣箱の床
62所定の場所
65動物用涼み板
70凸部
71留め具
80温度計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体が断熱材で形成され且つ保冷剤を収納する収納部を有するとともに、その上に巣箱を載せ置いて使用する床冷房器本体と、この床冷房器本体の天板部の一部あるいは全部を、断熱材の厚みを薄くするとか、周囲よりは熱伝導性の良い部材で作るとか、前記床冷房器本体に載せ置いた巣箱の床に冷えた領域を形成するための冷却用天板と、とからなることを特徴とする小動物用巣箱の床冷房器。
【請求項2】
全体が断熱材で形成され且つ保冷剤を収納する収納部を有するとともに、その上に巣箱を載せ置いて使用する床冷房器本体と、この床冷房器本体の天板部の一部に設けられた、穴、隙間、断熱材の厚みを薄くした部分、熱伝導性の良い金属製部材やセラミックス製部材などからなる、前記床冷房器本体に載せ置いた前記巣箱の床の一部に冷えた領域を形成するための部分冷却部と、前記巣箱の床と部分冷却部間に隙間がある場合に用いる冷気を漏出させないための輪形のパッキンと、とからなることを特徴とする小動物用巣箱の床冷房器。
【請求項3】
床を有する巣箱本体と、全体が断熱材で形成され且つ保冷剤を収納する収納部を有するとともに、その上に前記巣箱を載せ置いて使用する床冷房器本体と、この床冷房器本体の天板部の一部に設けられた、穴、隙間、断熱材の厚みを薄くした部分、熱伝導性の良い金属製部材やセラミックス製部材などからなる、前記床冷房器本体に載せ置いた前記巣箱の前記床の一部に冷えた領域を形成するための部分冷却部と、とからなることを特徴とする小動物用巣箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【公開番号】特開2008−22818(P2008−22818A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−201913(P2006−201913)
【出願日】平成18年7月25日(2006.7.25)
【出願人】(302013298)
【Fターム(参考)】