説明

小口径管泥水式曲線推進装置及び小口径管泥水式曲線推進工法

【課題】小口径管であっても、長距離の泥水式曲線推進を可能とする。
【解決手段】
小口径管泥水式曲線推進装置1は、ケーシング2と、ケーシング2の軸方向に固定された送泥管3及び排泥管4と、ケーシング2の端部に固定され、送泥管3及び排泥管4をそれぞれ取り付ける取付孔50,51を備えた接続ブロック5と、ケーシング2の軸方向に固定されたレール6と、ケーシング2に設けられ、小口径管7とケーシング2の間隔を保持する保持部材80と、を有する接続体8を備え、推進の前後方向を撮像するカメラ9と、カメラ9の近傍に設けたターゲット10と、カメラ9とターゲット10とを一体に固定するカメラキャリア11と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者が立ち入ることの困難な小口径の屈曲管路や、悪環境の屈曲管路のように、見通しの利かない区間の状況を計測する技術を用いた小口径泥水式推進装置及び小口径泥水式推進工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
泥水式推進工法において、泥水の送出・排出については排泥ホースと送泥ホースを用いることが一般的である。また、送泥管、排泥管を内管と外管とで構成される二重管とし、その接続は、掛け止めナット(特許文献1参照)、或いは、送泥管、排泥管を一重管とし、パッキンケースと接続用短管(特許文献2参照)とすることが提案されている。
【0003】
また、見通しの利かない屈曲した管路であって、しかも、作業者が立ち入ることの困難な小口径管路や、悪環境の管路で埋設管を曲線推進させる発明が種々提供されている(特許文献3〜4)。また、計測器具により、埋設管の位置を正確に測量できる発明も提案されている(特許文献5)。さらに、推進測量器の管内設置装置により、容易に設置、撤去、回収が行える発明が提案されている(特許文献6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−176690号公報
【特許文献2】特開2004−76565号公報
【特許文献3】特開平5−52093号公報
【特許文献4】特開平7−97895号公報
【特許文献5】特開平9−178480号公報
【特許文献6】特開平9−221985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1〜2に示す継ぎ手部で屈曲が可能な従来の送排泥管では、接続部の構成が煩雑になる問題がある。また、特許文献3〜4に示す曲線推進工法でも送排泥管が二重管であることから、構成が煩雑になる問題がある。さらに、特許文献5、6でも測量精度等の問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、前記課題を解決すべく、本発明がなされてものであり、ケーシング(2)と、該ケーシング(2)の軸方向に固定された送泥管(3)及び排泥管(4)と、前記ケーシング(2)の端部に固定され、前記送泥管(3)及び排泥管(4)をそれぞれ取り付ける取付孔(50,51)を備えた接続ブロック(5)と、前記ケーシング(2)の軸方向に固定されたレール(6)と、前記ケーシング(2)に設けられ、小口径管(7)とケーシング(2)の間隔を保持する保持部材(80)と、を備えた接続体(8)と、
推進の前後方向を撮像するカメラ(9)と、前記カメラ(9)の近傍に設けたターゲット(10)と、前記カメラ(9)と前記ターゲット(10)とを一体に固定するカメラキャリア(11)と、を備え、前記レール(6)上を走行する撮像部(12)と、
を備え、
前記接続ブロック(5)にカプラ(13)を取り付けるカプラ溝(14)を設け前記カプラ(13)で接続ブロック(5)同士を結合させるとともに、前記レール(6)同士をジョイント(15)で結合させることにより、前記接続体(8)同士を接続させ、
連結部材(16)で前記撮像部(12)同士を連結させ、
さらに、外周方向に環状の凸部(17)を備えた可撓性のジョイント管(18)を前記取付孔(50,51)に挿入させることにより前記送泥管(3)同士及び排泥管(4)同士を結合させることを特徴とする小口径管泥水式曲線推進装置(1)である。
【0007】
また、本発明は、発進立坑(22)から元押装置(30)により先導体(21)を推進させる先導体推進ステップと、
小口径管(7)内に接続体(8)を設置した状態で先導体(21)と接続させ、接続体(8)に設けた送泥管(3)と排泥管(4)とを介して前記先導体(21)にスラリーを給排しながら小口径管(7)を推進させ、別の小口径管(7)に収容した接続体(8)を前記推進済みの接続体(8)に接続させ、接続体(8)に設けた送泥管(3)と排泥管(4)とを介して前記先導体(21)にスラリーを給排しながら小口径管(7)を推進させる接続体推進ステップと、を備えた小口径管泥水式曲線推進工法において、
前記接続体(8)がケーシング(2)と該ケーシング(2)の端部に固定された接続ブロック(5)とを備え、前記接続ブロック(5)にカプラ(13)を取り付けるカプラ溝(14)を設け前記カプラ(13)で接続ブロック(5)同士を結合させ、前記ケーシング(2)にレール(6)を設け前記レール(6)同士をジョイント(15)で結合させ、外周方向に環状の凸部(17)を備えた可撓性のジョイント管(18)を前記接続ブロック(5)の取付孔(50,51)に挿入させ前記送泥管(3)同士及び排泥管(14)同士を結合させることにより、前記接続体(8)同士を接続させる接続ステップと、
前記レール(6)にカメラキャリア(11)を備えた撮像部(12)を載せる搭載ステップと、
を備えたことを特徴とする小口径管泥水式曲線推進工法とするものである。
【0008】
さらに本発明は、推進の途中でトラブルが発生したときには、撮像装置(12)を発進立坑(22)側に退避させてから、先導体(21)と接続体(8)とを元押装置(30)で駆動して発進立坑(22)側に引き戻しする退避ステップを備えたことを特徴とする小口径管泥水式曲線推進工法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、小口径管泥水式曲線推進装置の構成を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明実施形態の小口径管泥水式曲線推進装置の斜視図である(小口径管は図示を略す)。
【図2】同装置の部分拡大斜視図である。
【図3】同装置のケーシングの斜視図である。
【図4】同装置のケーシングの連結構造を示す斜視図である。
【図5】同装置の撮像部の斜視図である。
【図6】同装置のカメラキャリアの斜視図である。
【図7】同装置のラバージョイントの中央縦断面図である。
【図8】本発明実施形態の小口径管泥水式曲線推進工法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明における好適な実施の形態である小口径管泥水式曲線推進装置1について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。
【0012】
小口径管泥水式曲線推進装置1は、図1〜図6に示す通り、ケーシング2と、ケーシング2の軸方向に固定された送泥管3及び排泥管4と、ケーシング2の端部に固定され、送泥管3及び排泥管4をそれぞれ取り付ける取付孔50,51を備えた接続ブロック5と、ケーシング2の軸方向に固定されたレール6と、ケーシング2に設けられ、小口径管7(図8参照)とケーシング2の間隔を保持する保持部材80と、を有する接続体8を備えている。また、小口径管泥水式曲線推進装置1は、推進の前後方向を撮像するカメラ9と、カメラ9の近傍に設けたターゲット10と、カメラ9とターゲット10とを一体に固定するカメラキャリア11と、を備え、レール6上を走行する撮像部12を備えている。
【0013】
前記接続ブロック5にカプラ13を取り付けるカプラ溝14を設けカプラ13で接続ブロック5同士を結合させるとともに、レール6同士をジョイント15で結合させることにより、接続体8同士を接続させ、連結部材16で撮像部12同士を連結させ、さらに、外周方向に環状の凸部17を備えた可撓性のジョイント管18を取付孔50,51に挿入させることにより送泥管3同士及び排泥管4同士を結合させることを特徴とする。以下、詳細に説明する。
【0014】
ケーシング2は断面U字形状に形成され、上方が開放された構造である。
【0015】
送泥管3及び排泥管4は、スラリーを送給及び排出するものであり、ケーシング2の軸方向に横並びで所定間隔で配置されたものである。送泥管3及び排泥管4は鋼管が好ましい。
【0016】
接続ブロック5は板状体であり、ケーシング2の両端部の開口部に、軸方向と直交する方向に固定されたものである。この接続ブロック5が送泥管3及び排泥管4の両端部に同軸上にそれぞれ固定されている。接続ブロック5の下面には左右一対の湾曲面が形成され、その直下に送泥管3及び排泥管4が固定されている。
【0017】
一対のレール6がケーシング2の側面の上部に固定され、また、接続ブロック5の上面に配置されている。
【0018】
図1に示す通り、小口径管泥水式曲線推進装置1は、複数の接続体8同士が軸方向に接続される構造である。また接続体8は保持部材80を備えている。この保持部材80は、ケーシング2が円滑に小口径管7の中に入るように案内する車輪と、車輪を回転可能に保持する保持部とを備えている。この保持部がケーシングの内側に設けてあるが、ケーシングの外側に設けても良い。この保持部材80は、カメラ9が小口径管7の中心に位置するようにするためのスペーサーを兼ねた車輪である。
【0019】
図5に示すように、撮像部12は、先導体21の位置と方向を計測するものである。前方を撮像する前方カメラ9aと、後方を撮像する後方カメラ9bと、左右両側部に突設された一対のターゲット10と、カメラ9a,9bとターゲット10と電気的な接続を中継するための制御ボックス12aを固定するとともに先導体21の後方に敷設されるレール6上を走行可能に構成されるカメラキャリア11と、を備えている。
【0020】
制御ボックス12aは電源端子12bと信号端子12cとを軸方向両端部に備えている。カメラキャリア11には複数のキャスター11aと、軸方向の前後にそれぞれ突当11bと、中央部にカメラ9、ターゲット10を固定するための貫通孔11cと、を備えている(図6参照)。
【0021】
前方カメラ9aの光軸と、後方カメラ9bの光軸とは、前後方向に同じ直線上にあるように、即ち同軸と見なせるように設定されている。また、前方カメラ9aの光軸方向から見て、ターゲット10が左右対称の位置に配設されている。より具体的には、ターゲット10を結ぶ線分の中点を中心点としたとき、ターゲット10を結ぶ線分と、前方カメラ9aの対物レンズの中心と後方カメラ9bの対物レンズの中心とを結ぶ線分とが、中心点で互いに他を垂直に二等分するような位置にセットされる。先導体21に小口径曲線推進の終点(ターゲット)が設けてある。カメラ9が相互にターゲット10を映すことによってお互いのズレを計算して、小口径曲線推進の終点の位置を測量することで、先導体21の推進距離、水平ずれ、垂直ずれを計測することができる。
【0022】
カメラ9は、例えば、ケーシング2の4台〜5台おきに設置され、カーブの見通し角によってカメラ9の設置台数は変更される。
【0023】
接続ブロック5は図3、図4に示す通り、軸方向の内側に突出する突出部52を備え、この突出部52にカプラ溝14が形成されている。取付孔50,51の間にカプラ溝14が形成されている。カプラ13は、軸方向に延び出す板状体である。カプラ13はU字形状の取手が形成され、この取手を引き出すことにより、カプラ溝14から容易に取り外すことができる。また、軸方向の両端部の幅が中央部よりも大きく設定されている。その設定に対応して、カプラ溝14の溝幅は、開放端側の軸方向端部よりもケーシング2の中央部に近い(奥側)の軸方向端部が拡径されている。軸方向の両端部の形状は、略円形などの湾曲した形状も適宜取りうる。隣り合う二つのケーシング2において、隣り合う接続ブロック5のカプラ溝14が合わさった溝にカプラ13を遊嵌して、二つのケーシング2を連結するものである。この遊嵌によりケーシング2同士の連結部の角度変化を一定程度許容し、屈折推進や曲線推進に対応することができる。
【0024】
小口径管7を曲線推進させるため、レール6はジョイント15で遊嵌する。ジョイント15は棒部材に軸方向に突出する凸部と、この凸部と系合する凹部とを備えたものである。このジョイント15は、レール6が互いに反対方向にねじれるローリング現象を防止するものである。
【0025】
撮像装置12同士は、長さが既知であって剛性を備えた連結部材16で互いに連結されている(図1、2参照)。連結部材16の連結の遊びはカメラ9同士の間隔に影響しない。屈折推進の場合も曲線推進の場合にも通常の想定範囲内であれば問題ない。小口径管7内に複数の撮像装置12を設置する場合には、連結部材16で各撮像装置12を順次押し込むことで容易に設置できる。また、推進途中で支障が生じた場合には、ケーシング2をそのままにした状態で、最も基点(元押装置30)に近い連結部材16を引くことによって、互いに連結された複数の撮像装置12を発進立坑22内で手繰り寄せると、キャスター11aがレール6に沿って移動し、高価な撮像部12を損傷させることなく退避させることができる。撮像部12の退避状態において、元押装置30でケーシング2のみに大きなトルクを加えることができる。つまり、カメラキャリア11とレール6とジョイント15とで退避並びに再セットが可能な機構を構成する。
【0026】
カメラキャリア11に設けた突当11bに、連結部材16の端部に形成したバネクリップ16a(図2参照)が突き当てられて、クリップ16aで突当11bを挟んで同軸状に連結する構造が挙げられる。これによりカメラ9と他のカメラ9のピッチが変更しないように連結する。カメラ9のピッチを保つのはこの突当11bの長さで調整する。ここでは、突当11bがオスで、連結部材16のバネクリップ16aがメスである。外すときはバネクリップ16aを開くと取り外すことができる。クリップの挟持片に位置決めピンを設け、突当11bにピン穴を設けて連結部の精度を高めてもよい。連結部材16の棒材の途中には撮像用の信号線や電源線のケーブルを保持する保持部材16bを設けてある(図2参照)。
【0027】
カプラ13でケーシング2を連結し後述のジョイント管18に加えて連結を確実とした。すなわち、接続ブロック5に形成された溝状のカプラ溝14にカプラ13を遊嵌させ、屈折推進や曲線推進に対応させたものである。なお、連結に強度をもたせるため、カプラ13はゴムではなく、金属が好ましい。従来、ケーシング2の引き抜きには、引き抜き鋼棒で引っ張ることが考えられたが、曲線推進では進路が左右に曲がるので、それを引き抜くことによってケーシング2などが破損する可能性があるので、かかる不都合を回避できる。
【0028】
ジョイント管18は可撓性のある接続パイプとして機能する。その材質はエラストマー(ゴムと熱可塑性エラストマー)が好ましい。ここではラバージョイントを採用する。ラバージョイントの中央縦断面図である図7を参照する。ジョイント管18の凸部17は一対が間隔を置いて半径方向に膨出し輪状に周設されていて、凸部17の間に凹部17aが輪状に周設されている。凹部17aは水平部を含む。また、それぞれの凸部17の外側にそれぞれ凹部17bが形成されている。凸部17の幅は、凹部17aの幅よりも小さく設定され、凹部17bより大きく設定されている。凸部17は中央部よりも端部に近い位置に配置されている。ラバージョイント18は可撓性を備えており、凸部17が取付孔50,51に挿入されて嵌まり込んでおり、曲線推進に対応して進路が屈曲しても弾性変形することで取付孔50,51との間に隙間ができないので、スラリーの漏れがない。また、ジョイント管18は嵌め込んだ反発力で取付孔50,51から抜け出ることはない。
【0029】
図1、2に示すように、小口径管泥水式曲線推進装置1はケーブルトレー19を備えている。このケーブルトレー19は、水平に配置された方形板状のトレー19aと、トレー19aの両端部とケーシング2の上部とを連結する複数(図では4本)の支持脚19bと、を備えている。ケーブルトレー19は先導体21に動力を供給する動力線、先導体21を制御する操作線、先導体21から吐出する滑剤を供給するホース類などを収容するものである。
【0030】
図3に示される補強ブロック20は送泥管3と排泥管4との間隔を保持するための補強材である。
【0031】
さらに、図8に示す通り、小口径管泥水式曲線推進装置1の先頭部は先導体21に接続されている。先導体21は掘進機とも呼ばれており、周知の構成である。また発進立坑22、到達立坑23、元押装置30も公知である。詳細は特許第3930156号公報等を参照されたい。さらに小口径管泥水式曲線推進装置1には、撮像装置12との間で信号を送受信する計測装置60が設置されている。
【0032】
つぎに本実施形態の小口径管泥水式曲線推進方法について説明する。なお、詳細は特許第3930156号公報を参照されたい。図8中の番号と説明は同公報を援用する。また曲線推進の詳細例については特開2009-25264号公報、特開2007-212222号公報、特開2008−116384号公報等を参照されたい。
【0033】
まず、発進立坑22から最初推進するときは、元押装置30により先導体21を推進させ、次に小口径管7内に接続体8を収容した状態で先導体21と接続させて推進させ、さらに、別の小口径管7に収容した接続体8を推進済みの接続体8に接続させ、ケーシング2と小口径管7とでセットで推進させて行く。このときカプラ13がカプラ溝14に遊嵌されるとともに、送泥管3と排泥管4がジョイント管18で連結してゆく。また、レール6をレールジョイント15で連結してゆく。最終的に先導体21が到達立坑23に到達しきったときに、この先導体21を外して回収し、撮像装置12を発進立坑22側に回収し、残りのケーシング2などは元押装置30により発進立坑22の方から引張り回収する。そのとき保持部材80の回転によりケーシング2の回収は容易である。本実施形態では許容範囲が最小曲率半径30メートル〜50メートル程度が例示され、ケーシング2同士の接続の目開きが、3ミリ〜5ミリのオーダーが例示される。
【0034】
推進の途中でトラブルが発生したときには、一旦、連結部材16により連結された撮像装置12を発進立坑22側に回収して退避させ高価な撮像装置12の破損を防止する。そして、ケーシング2と小口径管7を回収して推進し直すことがある。あるいは、元押装置30を駆動させることによりカプラ13で連結された接続体8と小口径管7とを後退させ、撮像装置12を入れ直して、再発進させて軌道修正を行う場合もある。
【0035】
なお、撮像装置12及び計測装置60による計測方法の詳細例は特開2009−25264号公報等を参照されたい。
【0036】
以上説明した実施形態から、次の効果が生じる。
(1)カプラ13と、ジョイント管18とにより、ケーシング2が接続されるので、簡素な構成により、曲線推進に伴う送泥管3と排泥管4の連結部からスラリーの漏れを確実に防止できる。
(2)小口径管7を推進作業中でも撮像部12を退避させることができるので、撮像部12の衝撃による故障を解決することができ、コスト削減に効果を発揮する。
【0037】
なお、上記実施例は、本発明の態様を実施するに当たって、本発明者により採用された技術の代表例である。これら技術は本発明を実施するための好ましい実施例の例示である。また、本技術分野に属する者は、本発明の開示に鑑みて、本発明の精神及び意図された要旨から離れることなく多数の改変・追加等が可能である。例えば、泥水式推進工法は一工程式、二工程式のいずれでもかまわない。
【産業上の利用可能性】
【0038】
長距離の小口径管泥水式曲線推進に適用される。
【符号の説明】
【0039】
1・・・小口径管推進装置 2・・・ケーシング 3・・・送泥管
4・・・排泥管 5・・・接続ブロック 6・・・レール
7・・・小口径管 8・・・接続体 9・・・カメラ 10・・・ターゲット
11・・・カメラキャリア 12・・・撮像部 13・・・カプラ
14・・・カプラ溝 15・・・ジョイント 16・・・連結部材
17・・・突出部 18・・・ジョイント管 19・・・ケーブルトレー
19a・・・トレー 19b・・・支持脚 20・・・補強ブロック
21・・・先導体 22・・・発進立坑 23・・・到達立坑
30・・・元押装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングと、該ケーシングの軸方向に固定された送泥管及び排泥管と、前記ケーシングの端部に固定され、前記送泥管及び排泥管をそれぞれ取り付ける取付孔を備えた接続ブロックと、前記ケーシングの軸方向に固定されたレールと、前記ケーシングに設けられ、小口径管とケーシングの間隔を保持する保持部材と、を備えた接続体と、
推進の前後方向を撮像するカメラと、前記カメラの近傍に設けたターゲットと、前記カメラと前記ターゲットとを一体に固定するカメラキャリアと、を備え、前記レール上を走行する撮像部と、
を備え、
前記接続ブロックにカプラを取り付けるカプラ溝を設け前記カプラで接続ブロック同士を結合させるとともに、前記レール同士をジョイントで結合させることにより、前記接続体同士を接続させ、
連結部材で前記撮像部同士を連結させ、
さらに、外周方向に環状の凸部を備えた可撓性のジョイント管を前記取付孔に挿入させることにより前記送泥管同士及び排泥管同士を結合させることを特徴とする小口径管泥水式曲線推進装置。
【請求項2】
発進立坑から元押装置により先導体を推進させる先導体推進ステップと、
小口径管内に接続体を設置した状態で先導体と接続させ、接続体に設けた送泥管と排泥管とを介して前記先導体にスラリーを給排しながら小口径管を推進させ、別の小口径管に収容した接続体を前記推進済みの接続体に接続させ、接続体に設けた送泥管と排泥管とを介して前記先導体にスラリーを給排しながら小口径管を推進させる接続体推進ステップと、
を備えた小口径管泥水式曲線推進工法において、
前記接続体がケーシングと該ケーシングの端部に固定された接続ブロックとを備え、前記接続ブロックにカプラを取り付けるカプラ溝を設け前記カプラで接続ブロック同士を結合させ、前記ケーシングにレールを設け前記レール同士をジョイントで結合させ、外周方向に環状の凸部を備えた可撓性のジョイント管を前記接続ブロックの取付孔に挿入させ前記送泥管同士及び排泥管同士を結合させることにより、前記接続体同士を接続させる接続ステップと、
前記レールにカメラキャリアを備えた撮像部を載せる搭載ステップと、
を備えたことを特徴とする小口径管泥水式曲線推進工法。
【請求項3】
推進の途中でトラブルが発生したときには、撮像装置を発進立坑側に退避させてから、先導体と接続体とを元押装置で駆動して発進立坑側に引き戻しする退避ステップを備えたことを特徴とする請求項2の小口径管泥水式曲線推進工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−127291(P2011−127291A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−284598(P2009−284598)
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【出願人】(395014703)地建興業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】