説明

小型基地局制御システム、基地局制御装置、小型基地局の制御方法およびプログラム

【課題】小型基地局の消費電力を低減することのできる小型基地局制御システムの提供。
【解決手段】小型基地局制御システムは、基地局と重畳して設置される小型基地局について、当該小型基地局を利用可能な携帯端末の情報を記憶した小型基地局情報記憶部と、前記小型基地局情報記憶部を参照して、無線アクセスベアラの設定処理を行った携帯端末が利用可能な小型基地局の有無を確認し、当該携帯端末が利用可能な小型基地局に、基準信号の送信を開始させ、前記無線アクセスベアラの解放後に、前記小型基地局による基準信号の送信を停止させる小型基地局制御部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型基地局制御システム、基地局制御装置、小型基地局の制御方法およびプログラムに関し、特に、移動通信網の基地局と重畳して設けられた小型基地局を制御する小型基地局制御システム、基地局制御装置、小型基地局の制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、移動局が在圏していないときは制御情報の送信を停止しており、移動局から送信要求信号を受信することにより制御情報の送信を開始し、当該基地局に移動局が在圏しない状態となったときに再び制御情報の送信を停止する通信システムが開示されている。また同文献によれば、移動局が必要とする期間のみ基地局による制御情報の送信が行われるため、基地局の送信電力を節約することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−23519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した特許文献1の通信システムにおいては、上記送信要求信号を送信する周波数を決めておき、さらに、ユーザの利便を損なうことなく基地局への位置登録を行わせるためには、移動局に上記送信要求信号を定期的に送信させなければならず、移動局の消費電力が増大してしまうという問題点がある。
【0005】
また、上記した特許文献1では、送信要求信号を定期的に送信することに代えて、ユーザが所定の操作を行った場合にのみ、送信要求信号を送信するよう設定することができると記載されているが、一般の基地局を利用可能な状態にあるユーザが、自宅や勤務先等のプライベートマイクロセルならいざ知らず知らない場所で、何らかの理由でマイクロセルの存在を認識し、マイクロセルの基地局のオンオフ操作を行うという状況は考えにくい。
【0006】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、上記移動局側からの定期的な送信要求信号の送信や特別なユーザ操作を要求することなく、小型基地局の消費電力を低減することのできる構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の視点によれば、基地局と重畳して設置される小型基地局について、当該小型基地局を利用可能な携帯端末の情報を記憶した小型基地局情報記憶部と、前記小型基地局情報記憶部を参照して、無線アクセスベアラの設定処理を行った携帯端末が利用可能な小型基地局の有無を確認し、当該携帯端末が利用可能な小型基地局に、基準信号の送信を開始させ、前記無線アクセスベアラの解放後に、前記小型基地局による基準信号の送信を停止させる小型基地局制御部と、を備える小型基地局制御システムが提供される。
【0008】
本発明の第2の視点によれば、基地局と重畳して設置される小型基地局について、当該小型基地局を利用可能な携帯端末の情報を記憶した小型基地局情報記憶部と接続され、
前記小型基地局情報記憶部を参照して、無線アクセスベアラの設定処理を行った携帯端末が利用可能な小型基地局の有無を確認し、当該携帯端末が利用可能な小型基地局がある場合、前記小型基地局に、基準信号の送信を開始させ、前記無線アクセスベアラの解放後に、前記小型基地局による基準信号の送信を停止させる小型基地局制御部を備えた基地局制御装置が提供される。
【0009】
本発明の第3の視点によれば、基地局と重畳して設置される小型基地局について、当該小型基地局を利用可能な携帯端末の情報を記憶した小型基地局情報を参照し、無線アクセスベアラの設定処理を行った携帯端末が利用可能な小型基地局の有無を確認するステップと、当該携帯端末が利用可能な小型基地局に、基準信号の送信を開始させるステップと、前記無線アクセスベアラの解放後に、前記小型基地局による基準信号の送信を停止させるステップとを含む小型基地局の制御方法が提供される。
【0010】
本発明の第4の視点によれば、基地局と重畳して設置される小型基地局について、当該小型基地局を利用可能な携帯端末の情報を記憶した小型基地局情報を参照し、無線アクセスベアラの設定処理を行った携帯端末が利用可能な小型基地局の有無を確認する処理と、当該携帯端末が利用可能な小型基地局に、基準信号の送信を開始させる処理と、前記無線アクセスベアラの解放後に、前記小型基地局による基準信号の送信を停止させる処理とを無線アクセスネットワークに配置されたコンピュータに実行させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、移動局側からの定期的な送信要求信号の送信や特別なユーザ操作を要求することなく、小型基地局の消費電力を低減することが可能となる。その理由は、移動通信網の上位ノードにおける携帯端末に対する無線アクセスベアラの設定処理をトリガとして、当該携帯端末が利用可能な小型基地局があるか否かを探索し、当該小型基地局からの基準信号の送信制御を行うよう構成したことにある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態の構成を表した図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の基地局制御装置(小型基地局制御部)に保持される小型基地局情報を説明するための図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の動作を表したシーケンス図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の基地局制御装置(小型基地局制御部)に保持される小型基地局情報を説明するための図である。
【図5】本発明の第2の実施形態の動作を表したシーケンス図である。
【図6】本発明の第3の実施形態の構成を表した図である。
【図7】本発明の第3の実施形態の基地局制御装置(小型基地局制御部)に保持される小型基地局情報を説明するための図である。
【図8】本発明の第3の実施形態の動作を表したシーケンス図である。
【図9】本発明の第3の実施形態の動作を表したシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
はじめに、本発明の概要について説明する。本発明は、各家庭に設置するようなフェムトセル基地局等の小型基地局において、携帯端末が未使用である間は、小型基地局からの基準信号の送信を停止し、携帯端末に音声やパケットの通信サービスを提供する間、小型基地局から基準信号の送信を開始するよう制御する小型基地局制御部を備えている(図1参照)。
【0014】
より具体的には、小型基地局制御部は、基地局制御装置が携帯端末に対する音声やパケットのRAB(Radio Access Bearer;無線アクセスベアラ。以下、「RAB」とする。)の設定を行った際に、小型基地局毎に当該小型基地局を利用可能な携帯端末の情報を記憶した小型基地局情報記憶部を参照して(図1の7、図2参照)、当該携帯端末が利用可能な小型基地局の有無を確認し、利用可能な小型基地局があれば、当該小型基地局からの基準信号の送信を開始させる。携帯端末は、前記基準信号の受信品質に基づいて、基地局から小型基地局へのハンドオーバを適宜実施する。そして、小型基地局制御部は、RABの解放時に、前記小型基地局からの基準信号の送信を停止させる。
【0015】
このようにして、本発明の移動通信システムでは、RABの設定をトリガとして、携帯端末が利用可能な小型基地局から基準信号の送信開始/停止の制御が行われる。これにより、小型基地局の未使用時の電波の停止による消費電力の削減および不要な電波の停止による基地局間の干渉問題を抑止することができる。
【0016】
[第1の実施形態]
続いて、移動通信システムの基地局制御装置が小型基地局制御部として動作する本発明の第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態の構成を表した図である。
【0017】
図1を参照すると、ある地域をカバーしている大きなセル3をサービスエリアとする基地局2と、セル3より小さく、かつ、セル3とその少なくとも一部が重畳するセル5をサービスエリアとする小型基地局4とが示されている。
【0018】
基地局制御装置1は、基地局2や小型基地局4を制御し、携帯端末6に対し個別の無線チャネルの割り当てや、基地局2や小型基地局4間などの異なるセル間を移動する携帯端末6のハンドオーバの制御を行う。
【0019】
さらに本実施形態に係る基地局制御装置1は、小型基地局制御部として動作し、小型基地局情報DB(小型基地局情報データベース)7の情報を用いて、小型基地局4からの基準信号の送信開始/停止の制御を行う。なお、基地局制御装置1の小型基地局の制御機能は、基地局制御装置1を構成するコンピュータに、後記本実施形態の動作として説明する処理を実行させるプログラムによって実現することができる。
【0020】
基地局2は、セル3をサービスエリアとし、基地局制御装置1の制御に従い、携帯端末6に対する無線による音声またはパケットの通信サービスを提供する。
【0021】
小型基地局4も、セル5をサービスエリアとし、基地局制御装置1の制御に従い、携帯端末6に対する無線による音声またはパケットの通信サービスを提供する。また、本発明に係る小型基地局4は、基地局制御装置1の指示により、基準信号の送信を開始または停止する機能を有している。
【0022】
携帯端末6は、基地局2または小型基地局4を介して音声通話やパケット通信を行うことが可能な携帯電話端末等により構成される。
【0023】
小型基地局情報DB(小型基地局情報データベース)7は、上述した小型基地局情報記憶部に相当する。小型基地局情報DB7は、基地局またはセル毎に、小型基地局4を含む基地局制御装置1が制御可能な小型基地局について、それぞれ利用が認められている携帯端末のID(携帯端末ID)を記憶するデータベースである。具体的には、小型基地局情報DB7は、基地局制御装置1から携帯端末IDを受け付けると、当該携帯端末IDを持つ携帯端末が利用可能な小型基地局4を検索し、その小型基地局のID(小型基地局ID)を返す処理を行う。
【0024】
図2は、本実施形態の小型基地局情報DB7に記憶されている小型基地局情報を説明するための図である。図2の例では、小型基地局と、当該小型基地局の利用が許可された携帯端末IDが登録されている。例えば、携帯端末ID=ue1〜ue4の携帯端末は、小型基地局ID=nb1の小型基地局に正規ユーザとして登録されている。例えば、基地局制御装置1から携帯端末ID=ue1の携帯端末が利用可能な小型基地局の照会を受けた場合、小型基地局情報DB7は、基地局制御装置1に小型基地局ID=nb1を応答する。なお、上記小型基地局情報は、小型基地局の所有者等が適宜登録できるようにすればよい。
【0025】
続いて、本実施形態の動作について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明では、図1に示すとおり、携帯端末6が小型基地局4のセル5内に位置しているものとして説明する。また、携帯端末6の携帯端末IDはue1、小型基地局4の小型基地局IDはnb1であるものとする。
【0026】
図3は、本発明の第1の実施形態の動作を表したシーケンス図である。図3を参照すると、まず、音声通話やパケット通信等の携帯端末6から要求されたサービスを提供するため、基地局制御装置1が携帯端末6にRAB設定要求メッセージを送信する(ステップA−1)。
【0027】
携帯端末6は、前記RAB設定要求に従い、サービスを実行するための準備が完了すると、RAB設定応答メッセージを応答する(ステップA−2)。
【0028】
次に、基地局制御装置1は、携帯端末6に、携帯端末IDの送信を要求する(ステップA−3)。
【0029】
携帯端末6は、基地局制御装置1に対し、携帯端末IDを応答する(ステップA−4)。ここでは、携帯端末IDとしてue1が通知される。
【0030】
基地局制御装置1は、前記通知された携帯端末IDを持つ携帯端末6が利用可能な小型基地局4があるか否かを小型基地局情報DB7に問い合わせる(ステップA−5)。
【0031】
小型基地局情報DB7は、前記通知された携帯端末IDを元に、当該携帯端末6が利用可能な小型基地局があるかどうかを確認し(ステップA−6)、その結果を応答する(ステップA−7)。ここでは、図2に例示した小型基地局情報にて、携帯端末6が利用可能な小型基地局ID=nb1を持つ小型基地局が抽出され、基地局制御装置1に応答されるものとする。
【0032】
前記小型基地局IDを受け取った基地局制御装置1は、該当する小型基地局IDを持つ小型基地局4に対し、基準信号の送信開始を要求する(ステップA−8)。
【0033】
前記基準信号の送信開始要求を受けた小型基地局4は、基準信号の送信を開始する(ステップA−9)。
【0034】
一方、携帯端末6においては、受信品質の測定と(ステップA−10)、受信測定報告が定期的に行われている(ステップA−11)。基地局制御装置1は、前記受信品質の測定の結果に基づいて、携帯端末6が小型基地局4との通信が可能か、すなわち、ハンドオーバが可能かどうかを判定する(ステップA−12)。例えば、図1に示すとおり、携帯端末6がセル5内に位置しており、小型基地局4にハンドオーバすべきと判定した場合、基地局2、小型基地局4、携帯端末6にハンドオーバ要求を通知し(ステップA−13)、ハンドオーバを実施する。
【0035】
なお、携帯端末6がセル5の範囲外に位置している場合、上記ステップA−12においてハンドオーバをすべきでないと判定され、携帯端末6は基地局2との通信をそのまま継続することになる。また、携帯端末6が小型基地局4へのハンドオーバ後、セル5の範囲外に移動した場合は、基地局2へハンドオーバが行われる。
【0036】
その後、携帯端末6が音声やパケットのサービスの利用を停止した場合、基地局制御装置1は、携帯端末6に対し、RAB解放要求メッセージを送信する(ステップA−14)。
【0037】
携帯端末6は、前記RAB解放要求に従い、RABの解放が完了すると、RAB解放応答メッセージを応答する(ステップA−15)。
【0038】
RAB解放応答メッセージを受けた基地局制御装置1は、小型基地局4に対し、基準信号の送信停止を要求する(ステップA−16)。
【0039】
前記基準信号の送信停止要求を受けた小型基地局4は、基準信号の送信を停止する(ステップA−16)。
【0040】
以上のように、本実施形態によれば、携帯端末6のユーザの利便性を損なわずに、小型基地局の消費電力を削減することが可能になる。その理由は、必要なときだけ、基地局制御装置1の制御により小型基地局からの基準信号を送信させるようにしたためである。
【0041】
また本実施形態によれば、セル間の干渉を抑止することができる。特に、近接したエリアに多数の小型基地局が設置されているような場合、セル間の干渉が問題となるが、上記のとおり必要時以外は、小型基地局からの基準信号の送信を停止させるようにしているため、セル間の干渉を有効に抑止することができる。
【0042】
また本実施形態によれば、携帯端末の消費電力も低減することが可能になる。その理由は、遠く離れた基地局ではなく、小型基地局と通信を行うことにより、携帯端末の送信電力を抑えることができ、結果、消費電力を低減することができるためである。もちろん、特許文献1のように、定期的に送信要求信号を送信する必要もない。
【0043】
また本実施形態によれば、基地局2がカバーしている領域のリソースを増やすことができる。その理由は、基地局2で通信を行っているユーザのリソースを小型基地局4に移すことができるためである。
【0044】
また本実施形態によれば、ハンドオーバの頻度を抑制することができる。特に、多くの小型基地局が設置された地域では、セル間の距離が縮まるため、繰り返しハンドオーバが発生することになるが、本実施形態では、基地局制御装置1の制御により、必要な小型基地局に基準信号を送信させるようにしているため、ハンドオーバの頻度を抑制することができる。
【0045】
さらに本実施形態は、特許文献1の通信システムのように、基地局と非同期状態で送信要求信号を送信するものとしていないため、移動局が基地局と同期を取るWCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)等の移動通信システムと親和性の高いシステムとすることができる。
【0046】
[第2の実施形態]
続いて、携帯端末6がGPS(Global Positioning System)等の位置測定機能を備え、位置情報を利用して精度の高い小型基地局の制御を行う本発明の第2の実施形態について説明する。
【0047】
本実施形態の構成は、携帯端末6がGPS等の位置測定機能を備えている点のほか、上記した第1の実施形態と同様であるので、以下、その相違点を中心に説明する。
【0048】
以下、本実施形態の携帯端末6は、GPS機能を有しているものとするが、近距離無線通信等その他の通信手段により検出した自機の位置情報を用いることも可能である。
【0049】
図4は、本実施形態の小型基地局情報DB7に記憶されている小型基地局情報を説明するための図である。図4の例では、小型基地局と、そのサービスエリアと、当該小型基地局の利用が許可された携帯端末IDが登録されている。例えば、携帯端末ID=ue1〜ue4の携帯端末は、area1をサービスエリアとする小型基地局ID=nb1の小型基地局に正規ユーザとして登録されている。例えば、基地局制御装置1から携帯端末ID=ue1の携帯端末が利用可能な小型基地局の照会を受けた場合、小型基地局情報DB7は、基地局制御装置1に小型基地局ID=nb1とそのサービスエリア情報(area1)を応答する。なお、これらの小型基地局情報も、小型基地局の所有者等が適宜登録できるようにすればよい。
【0050】
続いて、本実施形態の動作について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明では、図1に示すとおり、携帯端末6が小型基地局4のセル5内に位置しているものとして説明する。携帯端末6の携帯端末IDをue1、小型基地局4の小型基地局IDをnb1とし、そのサービスエリアは、area1であるものとする。
【0051】
図5は、本発明の第2の実施形態の動作を表したシーケンス図である。図5のステップB−1からB−5までは、上記した第1の実施形態のステップA−1からA−5と同様であるため、説明を省略する。
【0052】
前記ステップB−5で小型基地局情報の照会を受けた小型基地局情報DB7は、前記通知された携帯端末IDを元に、当該携帯端末6が利用可能な小型基地局があるかどうかを確認し(ステップB−6)、その結果を応答する(ステップB−7)。ここでは、図4に例示した小型基地局情報にて、携帯端末6が利用可能な小型基地局ID=nb1を持つ小型基地局が抽出され、その小型基地局IDとして「nb1」、小型基地局のサービスエリア情報として「area1」が基地局制御装置1に応答されたものとする。
【0053】
前記小型基地局IDと小型基地局のサービスエリア情報を受け取った基地局制御装置1は、携帯端末6に対して、位置情報の送信を要求する(ステップB−8)。
【0054】
携帯端末6は、基地局制御装置1に対し、GPS機能にて測定した位置情報を応答する(ステップB−9)。
【0055】
基地局制御装置1は、前記携帯端末6から受信した位置情報と、小型基地局情報DB7から受け取った小型基地局のサービスエリア情報=area1とを照合して、携帯端末6がセル5(サービスエリア)内に位置しているか否かを判定する(ステップB−10)。ここで、携帯端末6がセル5内に位置していないと判定した場合、小型基地局4に対する制御は行われない。
【0056】
ここで例えば、携帯端末6がセル5内に位置すると判定した場合、基地局制御装置1は、該当する小型基地局IDを持つ小型基地局4に対し、基準信号の送信開始を要求する(ステップB−11)。
【0057】
前記基準信号の送信開始要求を受けた小型基地局4は、基準信号の送信を開始する(ステップB−12)。
【0058】
また、本実施形態では、携帯端末6がセル5内に位置することが明らかであるため、基地局制御装置1は、携帯端末6からの受信品質報告を待つことなく、基地局2、小型基地局4、携帯端末6にハンドオーバ要求を通知し(ステップB−13)、ハンドオーバを実施する。
【0059】
その後も携帯端末6は、基地局制御装置1に対し、定期的に位置情報を報告する(ステップB−14、B−16)。基地局制御装置1は、その都度、携帯端末6が小型基地局4のセル5内、即ち、area1に位置しているかどうかの判定を行う(ステップB−15、B−17)。
【0060】
前記判定の結果、携帯端末6がセル5の範囲外に移動したと判定した場合、基地局制御装置1は、基地局2へのハンドオーバ制御を実施するとともに(ステップB−18)、小型基地局4に対し、基準信号の送信停止制御を実施する(ステップB−19、B−20)。
【0061】
以上のように本実施形態によれば、上記した第1の実施形態の効果に加えて、小型基地局4のセル5内に携帯端末6が確実に存在することを確認した上で、小型基地局4からの基準信号の送信開始/停止制御を行うことができる。
【0062】
以上、本発明の第1、第2の実施形態を説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術的思想を逸脱しない範囲で、更なる変形・置換・調整を加えることができる。例えば、携帯端末6から受信品質情報や位置情報の報告を受けるタイミングおよびこれらを用いた基地局制御装置(小型基地局制御部)1の判定処理のタイミングは、図3や図5の例に限定されるものでなく適宜変更することができる。
【0063】
例えば、上記した実施形態では、基地局制御装置1が、小型基地局の制御を行うものとして説明したが、基地局制御装置1とは別に、小型基地局制御装置(小型基地局制御部)を設ける構成も採用可能である。
【0064】
また、上記した実施形態では、小型基地局情報記憶部として小型基地局情報DB7を備えるものとして説明したが、図2、図4に例示したテーブル等を保持しておき、小型基地局制御部が、これらのテーブルから、携帯端末IDに適合する小型基地局情報を抽出する構成も採用可能である。
【0065】
また、上記した第1の実施形態では、携帯端末6の位置に拘らず、利用可能な小型基地局4に基準信号の送信を開始させるものとして説明したが、携帯端末が利用可能な小型基地局がいくつかのセルにそれぞれ存在するような場合には、小型基地局情報のサービスエリア情報や別途登録する小型基地局位置情報等と、携帯端末6が位置登録しているセル3とを確認して、携帯端末6が利用可能であり、かつ、携帯端末6が位置登録しているセル3内にある小型基地局に、基準信号の送信を開始させるようにしてもよい。
【0066】
[第3の実施形態]
続いて、本発明の第3の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本発明の第3の実施形態は、上記第1、第2の実施形態の移動通信システム(小型基地局制御システム)に、基地局のサービス状態(停止/復旧)に応じて、小型基地局を制御(サービス開始/停止)する機能を追加したものである。
【0067】
図6は、本発明の第3の実施形態の構成を表した図である。図6を参照すると、小型基地局情報DB17と接続された基地局制御装置11と、サービスエリアとして3つのセル131〜133をカバーする基地局12と、家庭、店舗やオフィス等の非常に小さなセル151〜154をそれぞれカバーする複数の小型基地局141〜144と、が配置された移動通信システムの構成が示されている。
【0068】
携帯端末6は、上記した第1、第2の実施形態と同様であり、基地局12または小型基地局141〜144を介して音声通話やパケット通信を行うことが可能な携帯電話端末等により構成される。
【0069】
基地局制御装置11は、基地局12や小型基地局141〜144を制御し、携帯端末6に対し個別の無線チャネルの割り当てや、小型基地局登録情報DB17の情報を用いて小型基地局141〜144の送信開始/停止の制御、基地局12や小型基地局141〜144間などの異なるセル間を移動する携帯端末6のハンドオーバの制御を行う。なお、基地局制御装置11の小型基地局の制御機能は、基地局制御装置1を構成するコンピュータに、後記本実施形態の動作として説明する処理を実行させるプログラムによって実現することができる。
【0070】
基地局12は、基地局制御装置11の制御に従って、セル131〜133に在圏する携帯端末に対する無線による音声またはパケットの通信サービスを提供する。基地局12は、何らかの理由で、セル131〜133のうち、一部または全部のセルのサービスを継続できなくなったとき、その旨を基地局制御装置11に通知する機能を有しているものとする。
【0071】
小型基地局141〜144は、基地局制御装置1の制御に従い、非常に小さなセル151〜154に在圏する携帯端末に対する無線による音声またはパケットの通信サービスを提供する。また、本発明に係る小型基地局141〜144は、上記した第1、第2の実施形態の小型基地局4と同様に、基地局制御装置11からの要求に基づいて基準信号の送信を開始または停止する機能を有している。
【0072】
小型基地局情報DB17は、小型基地局141〜144を含む基地局制御装置11が制御可能な小型基地局について、それぞれ利用が認められている携帯端末のID(携帯端末ID)を記憶するデータベースである。さらに本実施形態の小型基地局情報DB17には、小型基地局141〜144が基地局12のどのセル131〜133に設置されているかを示すセルID(セル識別子)が各小型基地局に対応付けて記憶されている。具体的には、小型基地局情報DB17は、基地局制御装置11から携帯端末IDを受け付けると、当該携帯端末IDを持つ携帯端末が利用可能な小型基地局141〜144を検索し、その小型基地局のID(小型基地局ID)と返す処理と、セルIDを受け付けると、当該セル内に設置されている小型基地局のID(小型基地局ID)を返す処理とを行う。
【0073】
図7は、本実施形態の小型基地局情報DB17に記憶されている小型基地局情報を説明するための図である。図7の例では、小型基地局と、当該小型基地局の利用が許可された携帯端末IDと、小型基地局の設置位置に対応する基地局12のセルIDが登録されている。例えば、携帯端末ID=ue1〜ue4の携帯端末は、小型基地局ID=nb141の小型基地局に正規ユーザとして登録されている。例えば、基地局制御装置11から携帯端末ID=ue1の携帯端末が利用可能な小型基地局の照会を受けた場合、小型基地局情報DB17は、基地局制御装置11に対し小型基地局ID=nb141を応答する。
【0074】
同様に例えば、基地局制御装置11からサービス停止になったセルID=131に対応する小型基地局の照会を受けた場合、小型基地局情報DB17は、基地局制御装置11に対し小型基地局ID=nb141、nb142を応答する。なお、上記小型基地局情報の携帯端末IDの部分は、小型基地局の所有者等が適宜登録できるようにすればよい。また、上記小型基地局情報のセルIDの部分は、移動通信システムの管理者等が、基地局や小型基地局の設置等の際に適宜更新できるようにすればよい。
【0075】
続いて、本実施形態の動作について図面を参照して詳細に説明する。はじめに、図8を参照して、図6の基地局12が故障し、セル131のサービスを継続できなくなった場合の動作を説明する。
【0076】
以下の説明では、小型基地局141の小型基地局IDをnb141、小型基地局142の小型基地局IDをnb142、小型基地局142の小型基地局IDをnb143、小型基地局1144の小型基地局IDをnb144とする。また、基地局12のセル131〜133には、それぞれセルIDとして131〜133が付与されているものとする。
【0077】
図8を参照すると、まず、基地局12が、基地局制御装置11に対して、セル131のサービスが継続できなくなったことを通知する(ステップC−1;基地局故障通知)。
【0078】
前記基地局故障通知を受信した基地局制御装置11は、セル131に小型基地局が存在するか否かを、小型基地局情報DB17に問い合わせる(ステップC−2)。
【0079】
小型基地局情報DB17は、セルID131を元に、小型基地局があるかどうかを確認し(ステップC−3)、その結果を応答する(ステップC−4)。ここでは、図7に例示した小型基地局情報にて、小型基地局ID=nb141、nb142の2つの小型基地局が抽出され、基地局制御装置11に応答されるものとする。
【0080】
前記応答を受信した基地局制御装置11は、該当する小型基地局ID(nb141とnb142)を持つ小型基地局141と小型基地局142に対し、基準信号の送信開始を要求する(ステップC−5)。
【0081】
前記基準信号の送信開始要求を受けた小型基地局141、142は、基準信号の送信を開始する(ステップC−6)。これにより、セル131内の小さいセル151、152でサービスが継続される。例えば、図6に示すように、基地局12の故障によりサービスを受けられない状態となっていた携帯端末6は、その後速やかに送信される小型基地局141からの基準信号を受信してサービスを受けることが可能になる。
【0082】
次に、上記基地局12が復旧し、セル131のサービスを開始できるようになった場合の動作について、図9のシーケンスを参照して説明する。以下の説明では、携帯端末6の携帯端末IDは、本来(基地局の非故障時)、小型基地局141の利用が認められていない「ue9」であるものとする。
【0083】
図9を参照すると、まず、セル131の復旧によりサービスが開始できるようになると、基地局12は、基地局制御装置11に対し、セル131が復旧しサービスを開始できることを通知する(ステップD−1;基地局復旧通知)。
【0084】
次に、基地局制御装置11は、障害復旧通知を受けたセル131に位置していた携帯端末6に対し、小型基地局141、142を介して携帯端末IDの送信を要求する(ステップD−2)。
【0085】
携帯端末6は、基地局制御装置11に対し、小型基地局141、142を介して携帯端末IDを応答する(ステップD−3)。ここでは、携帯端末IDとしてue9が通知される。
【0086】
基地局制御装置11は、復旧を通知されたセル131内に、前記通知された携帯端末IDを持つ携帯端末6が利用可能な小型基地局141〜144があるか否かを小型基地局情報DB17に問い合わせる(ステップD−4)。
【0087】
小型基地局情報DB17は、セルID131および携帯端末ID「ue9」を元に、小型基地局があるかどうかを確認し(ステップD−5)、その結果を応答する(ステップD−6;小型基地局情報応答)。ここでは、図7に例示した小型基地局情報にて、セルID=131かつ携帯端末ID=「ue9」との条件を満たす小型基地局はないとの結果が得られ、基地局制御装置11に応答されるものとする。
【0088】
基地局制御装置11は、前記小型基地局情報応答により、携帯端末6が、本来(基地局の非故障時)、小型基地局141、142を利用できる携帯端末であるか否かを判定する(ステップD−7)。
【0089】
ここでは、前記小型基地局情報応答により、セル131内に携帯端末6が利用可能な小型基地局はないとの応答が得られているため、基地局制御装置11は、サービスを継続できないと判定し、基地局12、小型基地局141、携帯端末6にハンドオーバ要求を通知し(ステップD−8)、セル131へのハンドオーバを実施する。
【0090】
ハンドオーバの完了後、サービス対象の携帯端末が存在しない場合、基地局制御装置11は、小型基地局141、142に対し、基準信号の送信停止を要求する(ステップD−9)。
【0091】
前記基準信号の送信停止要求を受けた小型基地局141、142は、基準信号の送信を停止する(ステップD−10)。
【0092】
以上のように、本実施形態によれば、携帯端末6に対する音声またはパケットの通信サービスの提供を開始した場合のほか、基地局がサービスを提供できなくなった場合にも、小型基地局141〜144を冗長系として動作させ、それぞれのサービスエリアの範囲で、サービスを継続させることが可能になる。
【0093】
また、本実施形態によれば、基地局故障時の周辺の基地局・セルへの負荷を低減できるという効果もある。通常、基地局のカバーするセルは、重なり合って設置されており、通常、あるセルが故障したとしても、周辺のセルが故障したセルをサポートすることにより、すべてのエリアがサービスできなくなることはない。しかしながら、周辺のセルが通常のセル半径よりも大きくなることより、増加したユーザや、遠方のユーザ(拡大後のセルの周縁部に位置するユーザ)との通信のため電力を多く割り当てる必要があり、周辺の基地局やセルへの負荷が非常に大きくなる。本実施形態では、小型基地局で補完可能なユーザは、小型基地局に割り当てることにより、周辺の基地局やセルへの負荷を低減することができる。
【0094】
なお、上記した実施形態では、携帯端末6が小型基地局141の利用が認められていない携帯端末ID「ue9」であるものとして説明したが、携帯端末6が「ue1」等の小型基地局141の利用が認められている携帯端末IDを有する場合、ステップD−6にて小型基地局ID「nb141」が返されて、ステップD−7にて、サービス継続可能と判断される。
【0095】
また、上記した実施形態では、携帯端末6が小型基地局141の利用が認められていない携帯端末ID「ue9」であるため、ハンドオーバを実行するものとして説明したが、一定期間、携帯端末6に小型基地局141の利用を認める構成も採用可能である。
【0096】
また、上記した実施形態では、携帯端末6のハンドオーバ完了後、サービス対象の携帯端末が存在しないため、基地局制御装置11が、小型基地局141、142に対し、基準信号の送信停止を要求するものとして説明したが、携帯端末6のハンドオーバ完了後、サービス対象の携帯端末が存在する場合には、基準信号の送信停止の要求は行われず、当該小型基地局からのサービスは継続される。
【0097】
以上、本発明の第3の実施形態を説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術的思想を逸脱しない範囲で、更なる変形・置換・調整を加えることができる。例えば、上記した第3実施形態において、第2の実施形態のように小型基地局情報DB7の各小型基地局のサービスエリア情報を保持させて、携帯端末6の位置を用いて、より細かい制御を行う構成も採用可能である。
【0098】
また、上記した第3実施形態では、基地局が故障によりサービスを継続できなくなった例を挙げて説明したが、基地局の保守作業等のためにサービスを継続できない場合においても同様の動作を行ってもよいことはもちろんである。
【0099】
最後に、本発明の好ましい形態を要約する。
[第1の形態]
(上記第1の視点による小型基地局制御システム参照)
[第2の形態]
第1の形態において、
前記小型基地局情報記憶部には、さらに、小型基地局の位置情報が記憶されており、
前記小型基地局制御部は、
前記無線アクセスベアラの設定処理を行った携帯端末が利用可能であり、かつ、前記携帯端末が接続中のセルに位置する小型基地局に、基準信号の送信を開始させる小型基地局制御システム。
[第3の形態]
第1の形態において、
前記小型基地局情報記憶部には、さらに、小型基地局のサービスエリア情報が記憶されており、
前記小型基地局制御部は、前記携帯端末に対して位置情報の送信を要求し、
前記無線アクセスベアラの設定処理を行った携帯端末が利用可能であり、かつ、前記サービスエリア内に前記携帯端末が位置する小型基地局に、基準信号の送信を開始させる小型基地局制御システム。
[第4の形態]
第3の形態において、
前記位置情報は、GPS(Global Positioning System)機能にて測定した位置情報である小型基地局制御システム。
[第5の形態]
第3、第4の形態において、
前記小型基地局制御部は、所定の時間間隔で、前記携帯端末から位置情報の報告を受け、前記携帯端末が前記小型基地局のサービスエリアから外れた時点で、前記小型基地局による基準信号の送信を停止させる小型基地局制御システム。
[第6の形態]
(上記第2の視点による基地局制御装置参照)
[第7の形態]
第6の形態において、
前記小型基地局情報記憶部には、さらに、小型基地局の位置情報が記憶されており、
前記小型基地局制御部は、前記無線アクセスベアラの設定処理を行った携帯端末が利用可能であり、かつ、前記携帯端末が接続中のセルに位置する小型基地局に、基準信号の送信を開始させる基地局制御装置。
[第8の形態]
(上記第3の視点による小型基地局の制御方法参照)
[第9の形態]
第8の形態において、
前記小型基地局情報に含まれる、小型基地局の位置情報に基づき、前記無線アクセスベアラの設定処理を行った携帯端末が利用可能であり、かつ、前記携帯端末が接続中のセルに位置する小型基地局に、基準信号の送信を開始させる小型基地局の制御方法。
[第10の形態]
(上記第4の視点による小型基地局のプログラム参照)
[第11の形態]
第10の形態において、
前記小型基地局情報に含まれる、小型基地局の位置情報に基づき、前記無線アクセスベアラの設定処理を行った携帯端末が利用可能であり、かつ、前記携帯端末が接続中のセルに位置する小型基地局に、基準信号の送信を開始させるプログラム。
[第12の形態]
第1〜第5の形態において、
前記小型基地局情報記憶部には、さらに、小型基地局毎に、小型基地局の位置に対応する基地局のセル情報が記憶されており、
前記小型基地局制御部は、基地局が任意のセルのサービスを停止した場合、前記小型基地局情報記憶部を参照して、前記基地局のセルに対応付けられた小型基地局に、基準信号の送信を開始させる小型基地局制御システム。
[第13の形態]
第12の形態において、
前記小型基地局制御部は、前記任意のセルのサービスを停止した状態からサービスを再開した場合、前記基地局のセルに対応付けられた小型基地局に、基準信号の送信を停止させる小型基地局制御システム。
【符号の説明】
【0100】
1 基地局制御装置(小型基地局制御部)
2 基地局
3 セル(大)
4 小型基地局
5 セル(小)
6 携帯端末
7 小型基地局情報DB(小型基地局情報データベース)
11 基地局制御装置(小型基地局制御部)
12 基地局
131〜133 セル(大)
141〜144 小型基地局
151〜154 セル(小)
17 小型基地局情報DB(小型基地局情報データベース)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局と重畳して設置される小型基地局について、当該小型基地局を利用可能な携帯端末の情報を記憶した小型基地局情報記憶部と、
前記小型基地局情報記憶部を参照して、無線アクセスベアラの設定処理を行った携帯端末が利用可能な小型基地局の有無を確認し、当該携帯端末が利用可能な小型基地局に、基準信号の送信を開始させ、前記無線アクセスベアラの解放後に、前記小型基地局による基準信号の送信を停止させる小型基地局制御部と、
を備える小型基地局制御システム。
【請求項2】
前記小型基地局情報記憶部には、さらに、小型基地局の位置情報が記憶されており、
前記小型基地局制御部は、
前記無線アクセスベアラの設定処理を行った携帯端末が利用可能であり、かつ、前記携帯端末が接続中のセルに位置する小型基地局に、基準信号の送信を開始させる請求項1の小型基地局制御システム。
【請求項3】
前記小型基地局情報記憶部には、さらに、小型基地局のサービスエリア情報が記憶されており、
前記小型基地局制御部は、前記携帯端末に対して位置情報の送信を要求し、
前記無線アクセスベアラの設定処理を行った携帯端末が利用可能であり、かつ、前記サービスエリア内に前記携帯端末が位置する小型基地局に、基準信号の送信を開始させる請求項1の小型基地局制御システム。
【請求項4】
前記位置情報は、GPS(Global Positioning System)機能にて測定した位置情報である請求項3の小型基地局制御システム。
【請求項5】
前記小型基地局制御部は、所定の時間間隔で、前記携帯端末から位置情報の報告を受け、前記携帯端末が前記小型基地局のサービスエリアから外れた時点で、前記小型基地局による基準信号の送信を停止させる請求項3または4の小型基地局制御システム。
【請求項6】
基地局と重畳して設置される小型基地局について、当該小型基地局を利用可能な携帯端末の情報を記憶した小型基地局情報記憶部と、接続され、
前記小型基地局情報記憶部を参照して、無線アクセスベアラの設定処理を行った携帯端末が属するセル内において、当該携帯端末が利用可能な小型基地局の有無を確認し、当該携帯端末が利用可能な小型基地局がある場合、前記小型基地局に、基準信号の送信を開始させ、前記無線アクセスベアラの解放後に、前記小型基地局による基準信号の送信を停止させる小型基地局制御部を備える基地局制御装置。
【請求項7】
基地局と重畳して設置される小型基地局について、当該小型基地局を利用可能な携帯端末の情報を記憶した小型基地局情報を参照し、無線アクセスベアラの設定処理を行った携帯端末が属するセル内において、当該携帯端末が利用可能な小型基地局の有無を確認するステップと、
当該携帯端末が利用可能な小型基地局に、基準信号の送信を開始させるステップと、
前記無線アクセスベアラの解放後に、前記小型基地局による基準信号の送信を停止させるステップとを含む小型基地局の制御方法。
【請求項8】
基地局と重畳して設置される小型基地局について、当該小型基地局を利用可能な携帯端末の情報を記憶した小型基地局情報を参照し、無線アクセスベアラの設定処理を行った携帯端末が属するセル内において、当該携帯端末が利用可能な小型基地局の有無を確認する処理と、
当該携帯端末が利用可能な小型基地局に、基準信号の送信を開始させる処理と、
前記無線アクセスベアラの解放後に、前記小型基地局による基準信号の送信を停止させる処理とを無線アクセスネットワークに配置されたコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項9】
前記小型基地局情報記憶部には、さらに、小型基地局毎に、小型基地局の位置に対応する基地局のセル情報が記憶されており、
前記小型基地局制御部は、基地局が任意のセルのサービスを停止した場合、前記小型基地局情報記憶部を参照して、前記基地局のセルに対応付けられた小型基地局に、基準信号の送信を開始させる請求項1から5いずれか一の小型基地局制御システム。
【請求項10】
前記小型基地局制御部は、前記任意のセルのサービスを停止した状態からサービスを再開した場合、前記基地局のセルに対応付けられた小型基地局に、基準信号の送信を停止させる請求項9の小型基地局制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−283806(P2010−283806A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−74429(P2010−74429)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】