説明

小型電子黒板を使用した行動予定管理システム、その方法及びそのプログラム

【課題】記入者が手書き入力ですぐにスケジュールを記入して外出することができ、確認者は離れた部署や他のフロアからスケジュールを確認出来る行動予定管理システムを提供する。
【解決手段】サーバと、該サーバとネットワークを介して接続されたユーザ端末と入力装置と、を備える。前記入力装置が、ユーザから入力された予定情報を画像データに変換する。前記画像データを前記サーバに送信する。前記サーバが、前記送信手段により送信されてきた画像データをユーザ毎に分類して保持する。前記端末からの要求に対して、対応するユーザの画像データを要求元の端末に送信する。前記端末が、前記サーバに対して、ユーザを指定して画像データを要求する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型の電子黒板(コピーボード)を使用した行動予定表の確認システム、その方法及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
本願に関連する技術として、グループウェアというシステムが存在する。ここで、グループウェアとは、企業等の組織内において、LAN(Local Area Network)等のネットワークを活用した情報共有のためのシステムである。
【0003】
グループウェアを活用することにより、ネットワークに接続された端末のユーザ同士で、情報の交換や共有をすることが可能となり、業務の効率化を図ることができる。
【0004】
一般的に、グループウェアの有する機能としては、電子メールの送受信を行う電子メール機能や、BBS(Bulletin Board System)を提供する電子掲示板機能、ファイル等のデータを共有するためのライブラリ機能等がある。
【0005】
更に、グループウェアで各ユーザの行動スケジュール管理をするための機能である、スケジューラ機能がある。このスケジューラ機能を用いることにより、各ユーザは自分以外のユーザの行動予定を把握することが可能となる。また、自分の所属する部署以外の部署に所属するユーザの行動予定を把握することも可能となる(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−92277号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載のシステムには、スケジュールの設定や変更を行うためには、その都度ユーザが携帯端末の入力部を操作し、入力をしなければならないという問題があった(特許文献1の段落[0050]及び図8参照)。
【0007】
この点、出入りが多い部署の社員(ユーザ)は、変化する行動予定をまめに入力しない可能性が高い。そして、行動予定を適切に設定・変更しないのであれば、他の社員がスケジュールを把握することが難しい。
【0008】
そのため、全員が出払ってしまうような部署の社員スケジュールを、他の部署の社員が確認することが困難となる。また、多フロアのオフィスで、他の社員のスケジュールを確認することも困難である。
【0009】
そこで、本発明は、記入者が手書き入力ですぐにスケジュールを記入して外出することができ、確認者は離れた部署や他のフロアからスケジュールを確認出来る行動予定管理システム、その方法及びそのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の観点によれば、システムとしてサーバと、該サーバとネットワークを介して接続されたユーザ端末と該サーバとネットワークを介して接続された入力装置と、を備える予定管理システムにおいて、前記入力装置が、ユーザから入力された予定情報を画像データに変換する変換手段と、前記画像データを前記サーバに送信する第1の送信手段を備え、前記サーバが、前記送信手段により送信されてきた画像データをユーザ毎に分類して保持する保持手段と、前記端末からの要求に対して、指定されたユーザの画像データを要求元の端末に送信する第2の送信手段を備え、前記端末が、前記サーバに対して、ユーザを指定して画像データを要求する要求手段と、を備えることを特徴とする予定管理システムが提供される。
【0011】
本発明の第2の観点によれば、方法としてサーバと、該サーバとネットワークを介して接続されたユーザ端末と該サーバとネットワークを介して接続された入力装置と、を備える予定管理システムにおける、予定管理方法であって、前記入力装置が、ユーザから入力された予定情報を画像データに変換する変換ステップと、前記入力装置が、前記画像データを前記サーバに送信する第1の送信ステップと、前記サーバが、前記送信ステップにより送信されてきた画像データをユーザ毎に分類して保持する保持ステップと、前記端末が、前記サーバに対して、ユーザを指定して画像データを要求する要求ステップと、前記サーバが、前記端末からの要求に対して、指定されたユーザの画像データを要求元の端末に送信する第2の送信ステップと、を備えることを特徴とする予定管理方法が提供される。
【0012】
本発明の第3の観点によれば、プログラムとしてサーバと、該サーバとネットワークを介して接続されたユーザ端末と該サーバとネットワークを介して接続された入力装置と、を備える予定管理システムにおいて、該サーバに組み込まれる予定管理プログラムであって、前記サーバが、前記入力装置より送信されてきた画像データをユーザ毎に分類して保持する保持機能と、前記端末からの要求に対して、指定されたユーザの画像データを要求元の端末に送信する送信機能と、をコンピュータに実現させることを特徴とする予定管理プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、記入者が手書き入力ですぐにスケジュールを記入して外出することができ、確認者は離れた部署や他のフロアからスケジュールを確認することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0015】
[第1の実施形態]
図1のブロック図及び図3のイメージ図で示すような2フロアに渡って部署が分かれているオフィスでの実施形態について説明する。なお、図中の波線は、各部署の範囲を示すものである。
【0016】
本実施形態では、社内にLANが敷設され、各社員PC(Personal Computer)がネットワークを介して接続されている。各社員PCからは行動予定管理システムで目的部署の行動予定画像を参照する事が出来る。
【0017】
また、ファイルを管理するサーバが存在し、社内でサーバを共用している。各部署には行動予定を書込む電子黒板(コピーボード)が存在し外出等の行動予定が記入されている。
【0018】
具体的には本実施形態である行動予定管理システムは、端末100、サーバ110、電子黒板120及び行動予定管理プログラム200を有する。
【0019】
端末100は、PCであり、本発明特有のものでなく、汎用的なものでよい。例えばOSとしてWindows(登録商標)が用いられているPC/AT互換機(PC/AT compatible machine)等である。端末100は、社内LANを経由して行動予定の確認を行うために使用する。
【0020】
サーバ110は、社内で共用されるサーバであり、行動予定管理プログラム200がインストールされ、行動予定管理プログラム200によって制御されるサーバである。
【0021】
電子黒板120は、LANに対応した電子黒板であり記入された文字等を画像データ化し、サーバ110にデータ化した画像データを送信する機能を有する。電子黒板は記入内容を画像データとしてスキャン可能である。この点、画像データの形式としてはPNG(Portable Network Graphics)やTIFF(Tagged Image File Format)が例示できる。
【0022】
また、電子黒板に記載される行動予定表の具体例を図6に例示する。なお、図6には項目として、「名前」、「行先」、「帰社予定」が示されているが、これらの項目はあくまで例示であり、例示した項目を削除したり他の項目を追加したりすることはもちろん可能である。
【0023】
行動予定管理プログラム200は、サーバ110にインストールされるプログラムである。サーバ110を制御し、部署ごとの行動予定画像の管理を行う。
【0024】
次に、図1、図2のフローチャート及び図3を参照して本発明の第1の実施形態の動作について詳細に説明する。なお、電子黒板にはあらかじめ、社員Aの行動予定が記載されているものとする。
【0025】
まず、社員Fが行動予定管理システムを起動する。そして、社員Fの端末100から、サーバ110に対して行動予定を問い合わせる(図2のステップA1)。次に、社員Aの行動予定表を電子黒板からスキャンする(ステップA2)。さらに、行動予定管理システムに行動予定表画像を表示する(ステップA3)。そして、行動予定表画像を見ることによりA社員の行動予定を確認することができる。
【0026】
次に、本発明の第1の実施形態の効果について説明する。本発明の第1の実施形態では、社内LANに予定管理システムと行動予定表(電子黒板)がつながっている構成のため、離れた部署も自席から確認できる。
【0027】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態の構成について図4を用いて説明する。
【0028】
社内はLANが敷設され、PCが接続されている。ファイルを管理するサーバが存在し、社内で共用している。各部署には、実施形態1と異なり、電子黒板120ではなく行動予定を書込むタッチパネル式ディスプレイに接続されたPC130が存在し、外出等の行動予定が記入されている。
【0029】
行動予定は記入内容を画像データ(PNG/TIFF等)として行動予定管理システムに保存出来る。サーバに行動予定管理プログラムをインストールし、部署ごとの行動予定表の管理を行う。
【0030】
各社員PCからは行動予定管理システムで目的部署の行動予定画像を参照する事が出来る。
【0031】
動作は第1の実施形態とほぼ同じだが、PC130にタッチパネルが接続されているという構成の為、ペイントツールにタブレットで書込むという動作になる。
【0032】
本発明の第2の実施形態では、行動予定表の入力がタッチパネル付きPCという構成のため、電子黒板をスキャンする必要がなく、より効率良く行動予定を管理することができる。
【0033】
また、各個人のPCにタッチパネルを接続することにより、電子黒板前に移動することなく、自分の座席から、行動予定を入力することもが可能となる。
【0034】
[第3の実施形態]
動作は第1の実施形態とほぼ同じだが、行動予定表を電気的なものではない通常のホワイトボードとし、Webカメラ140により、ホワイトボードを撮影するという予定確認方法をとる。第3の実施形態の構成を図5に示す。
【0035】
ホワイトボードをWebカメラ140で写した状態にして、行動予定管理システムから画面の確認が出来る。また、この実施形態の変形例として、机向きにWebカメラ140を追加する事で、在席状況の確認ができるようになる。監視カメラを切替えることにより、社員Aの所属する部署の行動予定表、社員Aが部署に在席しているかの確認等、管理システムを用いて確認することが出来る。
【0036】
既存の行動予定表にWebカメラ140を追加する事で本願発明を安価に実現する事ができる。
【0037】
以上説明した本発明の実施形態は、以下の効果を奏する。
【0038】
第1の効果は、他部署の行動予定をすぐに確認できることにある。その理由は、社内LAN経由で他部署の行動予定表を確認出来るためである。
【0039】
第2の効果は、予定の入力が簡単にできることにある。その理由は、行動予定表への入力は手書きのためである。
【0040】
なお、行動予定管理システムは、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組合せにより実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、出入りの多い社員の居る部署(営業部等)、フロアが分かれていてお互いに社員の行動予定の把握が難しい部署等のあるオフィスで、社員の行動予定・在席状況の確認が容易になる。といった用途に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施形態の基本的構成を表すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態の基本的動作を表すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施形態の基本的構成を表す図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の基本的構成を表す図である。
【図5】本発明の第3の実施形態の基本的構成を表す図である。
【図6】本発明の実施形態で用いる行動予定表の例を示す図である。
【符号の説明】
【0043】
100 端末
110 サーバ
120 電子黒板
130 タッチパネル式ディスプレイに接続されたPC
140 Webカメラ
200 行動予定管理プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと、該サーバとネットワークを介して接続されたユーザ端末と該サーバとネットワークを介して接続された入力装置と、を備える予定管理システムにおいて、
前記入力装置が、
ユーザから入力された予定情報を画像データに変換する変換手段と、
前記画像データを前記サーバに送信する第1の送信手段を備え、
前記サーバが、
前記送信手段により送信されてきた画像データをユーザ毎に分類して保持する保持手段と、
前記端末からの要求に対して、指定されたユーザの画像データを要求元の端末に送信する第2の送信手段を備え、
前記端末が、
前記サーバに対して、ユーザを指定して画像データを要求する要求手段と、
を備えることを特徴とする予定管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の予定管理システムにおいて、
前記変換手段におけるユーザからの入力が、手書きによる入力であることを特徴とする予定管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の予定管理システムにおいて、
前記変換手段におけるユーザからの入力された予定情報とは、カメラにより撮影した画像情報であることを特徴とする予定管理システム。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の予定管理システムにおいて、
前記要求手段において、自分以外の他のユーザの画像データを要求することが可能なことを特徴とする予定管理システム。
【請求項5】
サーバと、該サーバとネットワークを介して接続されたユーザ端末と該サーバとネットワークを介して接続された入力装置と、を備える予定管理システムにおける、予定管理方法であって、
前記入力装置が、ユーザから入力された予定情報を画像データに変換する変換ステップと、
前記入力装置が、前記画像データを前記サーバに送信する第1の送信ステップと、
前記サーバが、前記送信ステップにより送信されてきた画像データをユーザ毎に分類して保持する保持ステップと、
前記端末が、前記サーバに対して、ユーザを指定して画像データを要求する要求ステップと、
前記サーバが、前記端末からの要求に対して、指定されたユーザの画像データを要求元の端末に送信する第2の送信ステップと、
を備えることを特徴とする予定管理方法。
【請求項6】
請求項5に記載の予定管理方法において、
前記変換ステップにおけるユーザからの入力が、手書きによる入力であることを特徴とする予定管理方法。
【請求項7】
請求項6に記載の予定管理方法において、
前記変換ステップにおけるユーザからの入力された予定情報とは、カメラにより撮影した画像情報であることを特徴とする予定管理方法。
【請求項8】
請求項5乃至7の何れか1項に記載の予定管理方法において、
前記要求ステップにおいて、自分以外の他のユーザの画像データを要求することが可能なことを特徴とする予定管理方法。
【請求項9】
サーバと、該サーバとネットワークを介して接続されたユーザ端末と該サーバとネットワークを介して接続された入力装置と、を備える予定管理システムにおいて、該サーバに組み込まれる予定管理プログラムであって、
前記サーバが、
前記入力装置より送信されてきた画像データをユーザ毎に分類して保持する保持機能と、
前記端末からの要求に対して、指定されたユーザの画像データを要求元の端末に送信する送信機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とする予定管理プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の予定管理プログラムにおいて、
前記保持機能において送信されてくる画像データが、ユーザが手書きにより入力したデータであることを特徴とする予定管理プログラム。
【請求項11】
請求項9に記載の予定管理プログラムにおいて、
前記保持機能において送信されてくる画像データが、カメラにより撮影した画像情報であることを特徴とする予定管理プログラム。
【請求項12】
請求項9乃至11の何れか1項に記載の予定管理プログラムにおいて、
前記送信機能において、要求元の端末のユーザ以外の他のユーザの画像データの要求であっても、ユーザの画像データを要求元の端末に送信することを特徴とする予定管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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