小線源照射療法インプラントのための包装システム
【解決手段】本開示は、上側半構成部及び下側半構成部を有する熱成形トレイに関する。上側半構成部及び下側半構成部は、上側半構成部及び下側半構成部が互いに実質的に近接したときに閉じた構成を規定し、上側半構成部及び下側半構成部が互いに実質的に離反したときに開いた構成を規定する。所定のシード構成で少なくとも1つの放射線シードを保持する生成品を、閉じた構成内に包含するための、上側半構成部及び下側半構成部の少なくとも一方内に、所定領域が設けられる。少なくとも1つの切断ガイドが、熱成形トレイ内に含まれる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2007年12月21日に出願された、“小線源照射療法インプラントのための包装システム(Packaging System for Brachytherapy Implant)”と題された米国仮特許出願第61/015,774号について、優先権を主張するものである(その開示内容の全てをここで援用する)。
【0002】
この出願は、2006年8月25日に出願された米国仮特許出願第61/823,555号について優先権を主張している、2007年8月24日に出願され、“治療的及び指向的照射用インプラント(Therapeutic and Directionally Dosed Implants)”(その開示内容の全てをここで援用する)と題された国際特許出願PCT/US2007/076736号について、優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0003】
身体のガンは、一般的に、放射線療法を使用して治療される。放射線療法は、高いエネルギーの放射線を採用してガン細胞を殺すというものである。放射線療法の種類の1つとして、小線源照射療法があり、それにおいては、放射線の源が、侵された組織に直接接触している。一般の小線源照射療法の治療、つまり経腹膜シード種埋設においては、前立腺に放射線シードを据付け、前立腺ガン細胞を殺すようにしている。内科医は、線量計画コンピュータソフトウェアプログラムと共に、超音波、コンピュータトモグラフィー(CT)スキャン、及びX線画像のような道具を採用し、患者の医学的状況を評価する。内科医は、最適治療計画を構築し、侵された組織を通して均一に放射線を分配する。離散的放射線強度を有する放射線シードは、治療計画に対応した、前立腺の各所定位置に、複合埋設用針を介して挿入される。複合埋設用針により、侵された組織の複数の箇所に放射線シードが挿入される必要があり、各針は、放射線シードに対する特定配置となっている。
【0004】
小線源照射療法は、針による埋設により、多分しばしば最も効果的であるものの、他の埋設方法も使用されてきた。1つの例としては、シード及び縫合糸を採用した構成がある。かかる構成にするために、内科医は、縫合生地内に配設された複数のシードからなるシード製品(例えば、Oncuraにより製造された担体内シードを利用してきた。縫合体は、一枚の生体吸収性を通して織られ、それによりシードの平面的配列が生み出される。この配列は、腫瘍ベッドの壁に縫いつけられることにより、最も一般的には肺の切除の後の腫瘍ベッドに照射するために使用される。
【0005】
腫瘍組織の全摘出手術は、ガン組織の痕跡を残す可能性があり、その結果、腫瘍が転移したり再発したりする可能性がある。従って、腫瘍の除去の部位は、手術で取り残された病理組織を破壊しようという試みで、しばしば、術後的に治療が行われる。腫瘍の外科的除去の部位を治療する従来の技法では、放射線、化学療法、及び/又は熱の術後的管理が行われる。他の方法は、U.S.5,030,195に開示されており、その内容はここに援用される。その開示によれば、シードがメッシュ内に縫いこまれ、そのメッシュは、非吸収性シリコン化合物に組み込まれる。腫瘍の正確な位置及び範囲が判定されると、腫瘍は除去され、メッシュ/シリコン生地が、残存腫瘍細胞が存在するであろう領域に埋め込まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
埋め込み部位での適切なシード配置及びシード保持が、小線源照射療法処置の成功又は不成功に強く影響する。上述のように、シード埋め込み機器は、スペーサに隔てられた複数のシードを含むことができる。従来の埋め込み機器及び方法は、埋め込み中及び埋め込み後において、適切なシード間隔を信頼性をもって維持できない。故に、埋め込み中及び埋め込み後において、適切なシード間隔を信頼性をもって維持できる機器及び/又は方法が、小線源照射療法の患者には大いに有用である。
【0007】
前立腺に埋め込まれた緩んだシード、特に被膜外のもの(前立腺の被膜の外側にあるもの)は、患者の内部で移動してしまう可能性がある。被膜外組織は、例えば前立腺の被膜内の組織よりも濃密ではないので、従来の小線源照射療法のシードの埋め込み機器及び方法は、被膜外物質内でのシードの位置を効果的に維持できない。これらのシードは、移動してしまい必要な場所での放射線の提供ができない。移動する放射線シードは、治療部位での必要な放射線療法ができないのみならず、身体の他の放射線感応領域に障害を与えかねない。故に、各種濃度及びちょう度の組織及び/又は液体内の放射線シードの移動を防止する機器及び/又は方法が、小線源照射療法の患者には大いに有用である。
【0008】
上記観点から、標準のものであろうと特注のものであろうと、放射線の照射を必要としている患者に対して、上述の欠点なく、放射線を提供できるインプラントを得ることが望まれるところである。本開示により、シードを緩んだ状態や、単純に“線”に予め配置するのではなく、生地シート上に予めできあがったシードを医者に与えることできる能力が提供される。これにより、非切除腫瘍域にある微視的病巣をよりよく治療するために、切除腫瘍の縫合線に沿って、腫瘍の外側部に置くことがより容易な、より有用な生成品を提供すると共に、腫瘍の切除により生成された“穴”にシードを置くことができる。また、本開示により、一体化可能ないくつかの刷新が提供され、それにより製造が容易になり、扱いが容易になり、展開、放射線供与及び信頼性にフレキシビリティがあるようになる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一様相によれば、少なくとも1枚の生体親和性材料と、前記生物学的材料に固定される少なくとも1つの遮断部と、前記遮断部に部分的に配設される少なくとも1つの放射線シードと、を備えるインプラントが提供される。
【0010】
本開示の他の様相によれば、患者の組織に、少なくとも2枚の生体親和性材料と、前記2枚の材料の間に配設された少なくとも1つの放射線シードと、を備える少なくとも1つのインプラントを固定する、患者の治療方法が提供される。
【0011】
本開示の更に他の様相によれば、周辺組織から腫瘍の少なくとも一部を外科的に切除し、前記周辺組織の位置に少なくとも1つのインプラントを供する、患者の治療方法が提供され、インプラントは、少なくとも2枚の生体親和性材料と、前記2枚の材料の間に配設された少なくとも1つの放射線シードとからなる。
【0012】
本開示の他の様相によれば、上側半構成部及び下側半構成部を有する熱成形トレイが提供される。上側半構成部及び下側半構成部は、上側半構成部及び下側半構成部が互いに実質的に近接したときに閉じた構成を規定し、上側半構成部及び下側半構成部が互いに実質的に離反したときに開いた構成を規定する。所定のシード構成で少なくとも1つの放射線シードを保持する生成品を、閉じた構成内に包含するための、上側半構成部及び下側半構成部の少なくとも一方内に、所定領域が設けられる。少なくとも1つの切断ガイドが、熱成形トレイ内に含まれる。
【0013】
本開示の更に他の様相によれば、上側半構成部及び下側半構成部を有する熱成形トレイが提供される。上側半構成部及び下側半構成部は、上側半構成部及び下側半構成部が互いに実質的に近接したときに閉じた構成を規定し、上側半構成部及び下側半構成部が互いに実質的に離反したときに開いた構成を規定する。所定のシード構成で少なくとも1つの放射線シードを保持する生成品を、閉じた構成内に包含するための、上側半構成部及び下側半構成部の少なくとも一方内に、所定領域が設けられる。切断具及び切断ガイドが、熱成形トレイ内に含まれる。上側半構成部及び下側半構成部の少なくとも一方内の第一領域が、切断ガイドを保持し、上側半構成部及び下側半構成部の少なくとも一方内の第二領域が、切断具を保持している。
【図面の簡単な説明】
【0014】
以下の図面を参照すれば、開示された実施形態は、よりよく理解できる。図面内の各構成は、必ずしも縮尺が統一されていない。
【図1】図1は、各種実施形態における、本開示によるインプラントの図である。
【図2】図2は、各種実施形態における、本開示による、放射線シードを含むインプラントの詳細図である。
【図3】図3は、各種実施形態における、本開示による、放射線シードを含むインプラントの全体図である。
【図4】図4は、各種実施形態における、本開示による、放射線シードを含むインプラントの他の実施形態の詳細図である。
【図5】図5は、各種実施形態における、本開示による、放射線シードを含むインプラントの他の実施形態の全体図である。
【図6】図6は、各種実施形態における、本開示による、所定パターンの放射線シードを含むインプラントの全体図である。
【図7】図7は、各種実施形態における、本開示による、他の所定パターンの放射線シードを含むインプラントの全体図である。
【図8】図8は、各種実施形態における、生体親和性生地のシートに取り付けられた遮断物質内に配設された、放射線シードを含むインプラントの全体図である。
【図9】図9は、熱成形トレイの上側及び下側半分が入れられる外側遮断ケースを含む本方法及び装置の一実施形態の図である。
【図10】図10は、本方法及び装置による熱成形トレイ1000の展開斜視図である。
【図11】図11は、生体吸収性フェルト上に載置された切断ガイドを示す図である。
【図12】図12は、放射線シードを含む生体吸収性フェルト1202としての生成品の一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
各種実施形態により、本開示は、担体内に少なくとも1つのシードを備えるインプラントに関する。例えば、そのインプラントは、複数のシードを備える。そのインプラントは、シードの配列、例えば平面的配列を備えることができる。それらのシードは、その水平的及び垂直的分離構成に基づいて、生地上に配列的に配設することができる。インプラントは、また、三次元に配置されたシードも備えることができる。例えば、シードは、潰すことができるフレキシブルな立体(球のような)メッシュ状に配設でき、人体の腔部に挿入され、自然に広がってその腔部を満たすことができる。各種実施形態によれば、その立体は、十分にフレキシブルであり、完全に球ではない領域に合致することができる。各種実施形態によれば、その立体は、自然な張力又は力により、ある形状に拡がったり、及び/又は縮んだりすることができる。
【0016】
この開示の各種の実施形態によれば、その配列は、明らかにシード間に空間をあけて、予め作製し、又は標準化された状態で提供できる。この知られた配列により、治療領域に対する線量の算出が行える。この配列は、標準の間隔で構成されるか、又は、エンドユーザーにより望まれるシードパターンにカスタマイズできる。例えば、放射線シードが備えられていない代わりに、嚢状部又はスリットのような構造を有した担体が提供されることにより、エンドユーザーが個々のシードを載置することができるようになっている。このように、シードは、標準化した間隔でも、カスタマイズされた間隔でも、いずれでも担体に配設できる。離散したシード間隔というのは、エンドユーザーが、シードを含んだ縫合糸をメッシュ状に織り込む必要がないという点で、有利である。これにより時間が節約でき、各シードが明らかに隔てられ(シードの花糸を織る際のエンドユーザーの能力に非依存)、再生可能で算出可能な線量測定を提供することを保証している。
【0017】
各種実施形態によれば、インプラントは、生体吸収性の、又は永久的な担体を備えている。あるいは、インプラントは、生体吸収性と永久性の双方の構成を担体内に備えることができる。生体吸収性又は永久性のいずれを利用しても、医者は、インプラントの機械的特性に適合させることができ、腫瘍/腫瘍ベッドのタイプ又は位置に合わせることができる。
【0018】
本開示により使用され得る放射線シードには各種がある。かかるシードの適した非限定的な例としては、例えば、I125、Pd103、Cs131、Au198、Co60、及びIr192がある。当業者であれば、放射線の療法的照射を提供することが可能ないかなるシード又は放射線粒子が使用可能であることが理解できるであろう。例えば、各シードは、金属カプセル、ポリマー、セラミック、リボンの形状とすることができ、又は自然に微粒子状とすることができる。放射線の所望の照射を提供可能ないかなる形状も使用可能である。
【0019】
インプラントは、各種生地を備えることができる(シードに加えて)。例えば、各シードは、シート、織られたメッシュ、編まれたメッシュ、フェルト、ポリマーシート、織物等の中に並べられる。各種実施形態によれば、各シードは、非吸収性メッシュ内に並べられる。適した非吸収性メッシュは、よく知られており、例えば米国特許第6,971,252号(この開示内容はここで援用される)に開示されているものがある。メッシュは、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ステンレススチール、チタニウム、炭素ファイバー、ニチノール、及び他の材料のうちの少なくとも1つで構成されている。各種実施形態によれば、各シードは、非吸収性ポリマーシートのような非吸収性生地の中に並べることができる。ポリマーシートの適した非限定的な例としては、ポリウレタン及びシリコンがある。
【0020】
各種実施形態によれば、各シードは、吸収性メッシュ、フェルト、又はシート内に並べることができる。吸収性生地は、当業者にはよく知られており、例えば、ポリジオキサノン、ポリラクチド、ポリグリコール酸、吸収性ポリウレタン、及びコラーゲンにより構成できる。
【0021】
各シートは、多くの異なる機構により担体内に配設され得る。例えば、各シードは、2枚のシート生地の間の接着剤、溶着、熱結合、縫合、巻込みや、生地上に形成されたポケットに入れられることにより、担体に取り付けることができる。2枚の生地シートの間での巻込みは、シードの周りを熱溶着して2枚のシートをくっつけることにより達成できる。熱溶着技法は、シードを固定するのに第二の化学薬品や材料が必ずしも必要ではなく、放射線生地を縫うという飽き飽きする作業が回避できるという点で有利である。巻込み生地の元々の特性、特に最も重要な、組織が生地の小さな孔に入り込んでいけるという能力、は、溶着処理の間、崩壊を最小限に抑えて維持できる。各シードは、生地内の、又は生地の反対側の対応する機構と係合する機構を有するホールダー又は密封構造の中に入れることにより、生地に固定することができる。
【0022】
各種実施形態によれば、担体材料は、均質であってもよいし、非類似材料が層になっているか非類似材料に分かれていてもよい(例えば、ポリエステルメッシュにポリプロピレンメッシュが溶着され、シードがそれらの間に捕捉されているもの)。限定されるものではないが、フレキシビリティ、組織内殖の程度、引っ張り又は曲げ強度、減菌又は処理の方法、シード固定の程度、医学的画像化手法による視覚化、組織又は骨への取り付け方法、劣化時間、固着(例えば、低速吸収性ポリラクチド材料の外側に高速吸収性コラーゲン層を配する)、及び組織侵食の制御、というような物理的及び性能的特性を調整するのに適した構成が、選択される。
【0023】
担体生地は、各種の目的のために、付加的な要素を加え持っている。かかる要素の非限定的な適した例としては、医学的画像化手法(超音波、X線透視検査、MRI、CT等)による視覚化/局在化のためのフィデューシャルマーカーと、配列、シード位置、シード位置距離、及び/又は組織取付け点を示す視覚的マーキングと、“コーデュロイ”タイプの溝、窪み、形成された凹みのようなアセンブリと配列化を容易にする機構と、固着力を増し/減らし、内殖を促進し/阻害し、血液の凝固を引き起こし、殺腫瘍性活動を提供し、生体適合性を増加させ、微生物学的成長を抑制し、炎症を抑え、鎮痛薬を配する等のためのコーティングと、がある。加えて、担体生地は、例えばループ形状、アーム形状、フィラメント、縫合糸、及び留め具のような、組織に取り付けるのを容易にするような機構がその内部に組み込まれ、又はその表面に取り付けられている。
【0024】
各種実施形態によれば、インプラントは、指向性放射線照射を可能とするための放射線遮断裏生地を備えている。かかる生地の非限定的な適した例としては、ビスマス又はバリウム搭載ポリマーがある。この裏生地は、固体シートの形態とすることができ、又は開放領域を有して選択的線量透過を実現している。かかる裏生地は、健康な、又は感受性の高い組織又は器官を遮断しつつ、照射域の方へ放射線を向けるのに有用である。裏生地は、永久的なもの(例えば、ビスマス搭載シリコン)でも、取り外し可能でも、生体吸収性であってもよい。
【0025】
Brad Brachytherapy社(Carol Stream, イリノイ)により販売されているBrachySource シードのような放射線シードは、シードの周囲の対称“4π”線量分配を提供している。かかるシードは、前立腺腫瘍のような各種の腫瘍を治療するのに有用であり、殺腫瘍性の照射が、シードの周りのあらゆる方向に望まれる。
【0026】
限定的な方向への照射又は場が望まれるような各種の臨床的な状況がある。例えば、抜本的な前立腺切除術の後に、切除腫瘍ベッドにシードを埋め込むために、臨床医は、腫瘍ベッドを照射したいと思うかもしれないが、直腸又は膀胱には照射したくないと思うだろう。知られたシード設計及び展開によっては、このことは困難である。なぜなら、各シードは、とりわけ自由であり、埋め込まれた場所から回転したり移動したりするからである。各シードが、上述のようなメッシュに取り付けられているのであれば、各シードは、固定され、メッシュの位置が決まれば、必然的にシードの場所と配向が決まってくる。それで、シードの放射線場は、単一方向照射を供するために変更できる。
【0027】
各種実施形態によれば、シードそのものを変更することなく、シードの周りの放射線場を変更することに関連した利点がある。例えば、市場のどのようなシードでもその変更は潜在的に利用でき、シード製造者は、異なるシードの目録を広範に保持する必要がなく、任意のシードの証明された構造的完全性は不変である。いくつかの異なる照射形態が、単に外部遮断具を変更することにより提供できる。遮断方法は、人体内でシードを固定することを支援でき、それにより、人体構造に対してその放射線の方向を一致させることができる。加えて、遮断具は、放射線の方向の視覚的確認(これは内的線量変更では行える必要はない)を提供する。
【0028】
各種実施形態によれば、1つ以上の所望の方向に遮断構成物を含む放射線シードがここに提供される。ステンレススチール、チタニウム、タングステン、金、プラチナ等の生体親和材料により、その遮断は提供でき、遮断の所望の程度に基づいて特別な材料も選択される。
【0029】
遮断材は、均質でもいいし、複数の層(例えば、金が電気メッキされたばね鋼)からなっていてもよい。それらの層は、生体親和性、製造性、費用、放射線不透過、電界腐食に対する感受性、機能性、及び耐久性のうちの少なくとも1つを変更することを目的として、選択される。
【0030】
各種実施形態によれば、遮断具は、平板として、又は整合構造(例えば、一枚の箔が、シードの直径の一部を囲う)として、シードに固定することができる。遮断具は、例えば、接着剤、溶着(レーザー、抵抗等)、はんだ付け、機械的捕捉、電気メッキ等の何らかの適した取付け方法により、シードに取り付けることができる。各種実施形態によれば、機械的捕捉は、シードを所定の場所に“カチッと嵌める”ことができる機構、シードを遮断部に置いてそのあと挟んだり成形したりして捕捉を完了するような機構、人体の温度で、自然にシードの周りと合致する機構(例えば、ニチノールで遮断材を構成し、それは、低温で平たいシートであるが、室温又は人体の温度まで温められると、シートの周囲に巻きつく)のうちの少なくとも1つの機構により達成できる。
【0031】
遮断具は、メッシュに対してシートが回転したり移動したりすることを防止するか、少なくとも抑制するような少なくとも1つの機構を含んでいる。例えば、遮断材は、シードアセンブリから延びる平坦領域を有している。遮断材は、メッシュ構造に係止する羽枝又は凹凸領域を備えている。各種実施形態によれば、各シードが所定場所に編みこまれると、遮断材が、その縫合糸を保証することができるような隆条、穴、又は他の機構を備えることができる。
【0032】
各種実施形態によれば、遮断具には、例えば、固着力を変えたり、内殖を促進させるか、又は阻害するような薬品のような各種薬品が付けられる。
【0033】
本方法及び装置の各種実施形態の上述の特徴は、図1−8に描かれている。
【0034】
図1は、各種実施形態における、本開示によるインプラントの図である。この実施形態においては、第一材料シート101が、第二材料シート102に物理的に接合される。第二材料シート102は、シード103を保持する形成ポケット103を有している。第一及び第二材料シート101、102は、領域105内のシードの周りを熱溶着することにより互いに接着される。
【0035】
図2は、各種実施形態における、本開示による、放射線シード203を含むインプラント201の詳細図である。シード203は、溶着領域204によるポケット202内に保持できる。この実施形態においては、各ポケット202は、1つの共通溶着領域204により囲まれている。
【0036】
図3は、各種実施形態における、本開示による、放射線シード303を含むインプラント301の全体図である。シード303は、溶着領域304によるポケット302内に保持できる。ポケット302内のシード303は、所定のパターン305で配置されている。パターン305は、描かれたような標準間隔で構成されてもよいし、エンドユーザーによる所望のシードパターンにカスタマイズされてもよい。
【0037】
図4は、各種実施形態における、本開示による、放射線シード403を含むインプラント401の他の実施形態の詳細図である。シード403は、溶着領域404によるポケット402内に保持できる。この実施形態においては、各ポケット402は、それぞれ独自の溶着領域404で囲まれている。
【0038】
図5は、各種実施形態における、本開示による、放射線シード503を含むインプラント501の他の実施形態の全体図である。シード503は、個々の溶着領域504によるポケット502内に保持できる。ポケット502内のシード503は、所定のパターン505で配置されている。パターン505は、描かれたような標準間隔で構成されてもよいし、エンドユーザーによる所望のシードパターンにカスタマイズされてもよい。
【0039】
図6は、各種実施形態における、本開示による、所定パターン605の放射線シード603を含むインプラント601の全体図である。シード603は、個々の溶着領域604によるポケット602内に保持できる。インプラント601は、フィデューシャルマーカー606、視覚的マーキング607、コーティング608、及び取付け具609のような、各種目的のための付加的要素を含んでいる。
【0040】
図7は、各種実施形態における、本開示による、他の所定パターン705の放射線シード703を含むインプラント701の全体図である。シード703は、個々の溶着領域704によるポケット702内に保持できる。
【0041】
図8は、各種実施形態における、本開示による、所定パターンの放射線シード803を含むインプラント801の全体図である。シード803は、遮断具850内に部分的に配設されている。遮断具850は、生体親和性材料802に取り付けられる。
【0042】
インプラントは、異なる各種の方法を使用して組織に取り付けられる。例えば、インプラントは、縫合糸、固定具、タック、接着剤、物理的捕捉(血道弓骨)、又は他の標準の組織係止手段のうちの少なくとも1つにより、組織に固定される。インプラントは、永久的にフレキシブルであるか、又は堅いものであり、特定の応用に基づいて、熱及び/又は圧力を使用して特定の堅い形状に成形される。インプラントは、体液に触れると、又は体温に晒されると、物理的特性が変化する材料で構成できる。
【0043】
各種実施形態によれば、インプラントは、外的に、又は内的に適用できる。例えば、インプラントは、腹腔鏡によるか、又は開放手術により挿入される。インプラントは、体内で使用されるか、又は外的に(すなわち、皮膚パッチ)使用される。インプラントは、腫瘍ベッド内に挿入できる。例えば、腫瘍は、体内腔から切除され、インプラントがその位置に固定される。インプラントは、縫合糸、固定具、及び接着を含む異なる各種の方法により、腫瘍ベッドに固定される。球状又は半球状のインプラントの場合は、インプラントは、腔内に挿入され、拡張し、それによりその腔内の少なくとも一部を満たす。
【0044】
一般的なパッケージング概念は、例えば、二構成の熱成形トレイ内に収容されるべき、伸縮性蓋を備えた平坦なピュータートレイ又はケース内に保持される生体吸収性フェルトのためのものである。ピュータートレイは、無菌バリアとしてのTyvek蓋を有して、熱成形トレイ内に含まれる。この蓋つきトレイは、紙器内に保持され、その紙器は、外部段ボール箱内に入れられる打ち抜き成形発泡挿入材で保持される。発泡梱包挿入材は、付加的な緩んだシード、調整シード、Mickカートリッジ内のシード、及び/又は、外科的処理で共通に使用される他の非放射線構成品を保持する(例えば、かかる箱は、一人の患者のための外科的キットを構成する)ための穴部を有している。
【0045】
熱成形トレイは、切り欠き部分を有しており、メッシュを切るための外科用メスと切断ガイドを搭載格納できるようになっている。トレイは、収縮包装により密封される伸縮性ピュータートレイ内の上側及び下側半構成部を有している。収縮包装は、張りをもってそれらのアセンブリを保持するのに便利であり、開封困難な熱密封又はそれと等価なものに頼ることなく、内部構成品の動きを制限することができる。
【0046】
熱成形トレイは、小線源照射療法で使用される典型的な術語を模して、照射計画目的のためのシード位置を特定できるようにしたx及びy軸上の英数字印刷文字と、材料を直線状に切断するのに助けとなる、下側トレイ上の窪んだグリッドパターンとを有しており、また、透明な材料で構成されているので、トレイは、光ボックス又は同様のものの上に置かれる。これにより、光が並べられた生成品を通過するので、それによるシードの“影”が、エンドユーザーによる二次的品質検査技法として使用され、シードが正しい領域にあるかが確認できるようになっている。この作業は、上側及び下側トレイ構成品がそのままの状態で行われ、それにより無菌生成品の汚染の可能性を最小とすることができる。
【0047】
熱成形トレイは、また、その生成品自体と同じ大きさの透明で窪んだ上側部分を有している。この上側部分は、下の生成品の投入計画に関する文書(例えば、オートラジオグラフ、デジタル画像、照射計画等)を格納するのに使用される。この文書は、透明な台紙(例えば、透明シート)上に印刷されたものなので、生成品の後ろから光を当てることにより、エンドユーザーは、文書と生成品自体を見通すことができ、指定したように全てが“並んでいる”かを確認できる。上側の窪んだ部分は、一枚の正規の又はポラロイドタイプのフィルムを保持でき、それによりエンドユーザーは、ラジオグラフを撮ることができる。
【0048】
下側トレイは、内側周界に整列ノッチ又は機構を有しており、それにより生成品を所望の通りにカットすることができるようになっている(以下で議論する“切断ガイド”と共に使用される)。下側トレイは、輸送、取扱い、カット等の間、メッシュを所定位置に保持できるように、上向き羽枝又は突起を有している。下側トレイの窪み領域は、身体内に置かれる前の生成品を浸すための漕として使用される。浸漬剤としては、生理食塩水(フレキシビリティを増す)、化学療法的薬品、凝固又は組織グルー(初期配設の後に所定位置に生成品を保持する)、麻酔薬、及び抗炎症剤等である。
【0049】
上側トレイには、指用穴、タブ等が備わっており、それによりトレイの蓋が外せるようになっている。下側トレイの角に、4つの外部窪み領域が備わっており、“指用ノッチ”又は領域となっており、それによりエンドユーザーがメッシュを簡単に掴んで、トレイから外せるようになっている。
【0050】
切断ガイドは、(生成品の正確な使用に基づいて切断が必要な場合)エンドユーザーが生成品を所望形状に切断できるように補助するように一部が形成されたプラスチック製又は金属製のものである。切断ガイドは、以下の属性を有している。すなわち、オペレータの放射線被爆を抑制するために金属又は他の放射線遮断材料で作られており、下の生成品が見えるように透明材料で作られて、シードを切断したり、間違った場所を切断する危険を最小にし、オペレータが生成品の寸法を判定できるよう測定目盛り又は他のマークを有し、意図した場所にガイドが並ぶのを保証するため、トレイ上の特徴部と整合する、下側の特徴部を有し(例えば、切断ガイドは、シードを切断することが不可能な場所にのみ置かれる)、外科用メスが直線状に進むことを保証するため、メスの刃を受けるための、機器の長手方向に走る中央溝又はポケットを有し、オペレータが切断するために機器の端に沿って走らせるところである、単純な直線状端部を有しており、オペレータにより保持されたときに、刃の経路が指から遠く離れており、それにより怪我のリスクが最小となるように、十分な幅を有し、下のシードを覆う窪み又は溝のような特徴部を下側に有して、刃とシードとが相互に干渉してそれによる損傷を最小にし、ガイドに沿って動いてフェルトを切断する(新しいスタイルのサランラップカッターのような)組込みカッターを備え、切断中にフェルトをうまく掴むために、凹凸の、又は羽枝を有した下側面を有し、無菌環境において手袋をした手で使用されるときに、滑る可能性を最小にするような、凹凸の上側面を有している。
【0051】
生体吸収性フェルトなどの生成品は、以下の特徴の1つ以上を有することができる。パッケージ内に生成品を揃えて安定化させることに役立つ周界上のタブ又は要素と、照射計画、シードの位置付けに役立つ印刷であって、とりわけ小線源照射療法の照射計画規約を模式化した英数字の印刷と、装填の後、シードの存在を示す更なる視覚的表示としてマークされたメッシュ内のでシードの位置と、X線透視検査を使用した位置確認の手助けとなる放射線不透過性のマーク又は印刷と、である。
【0052】
周界のマークに加えて、メッシュは、内部にパターン(例えば、グリッド)がマークされ、最終的な生成品のアセンブリに先立って、各個人用に製作するシードを正しい位置に正確に載置する手助けとなっている。これらの線は、エンドユーザーにより、“切断線”としても利用できる。
【0053】
メッシュの外側のマークは、メッシュの一方の側のみにあり、視覚的表示として使用される(例えば、もしシード生成品が、指向性放射線遮断材と共に使用されるのであれば、マークは、“熱い”側と“冷たい”側を描写するために使用される)。マークは、提供された生成品保証書と生成品構成との間の視覚的関係を示すために使用される(例えば、フェルトのデジタル画像が撮られ、そのデジタル画像が、オートラジオグラフと関係づけられて、それによりエンドユーザーは、生成品内のシードの正しい方向を知ることができる)。
【0054】
従って、一般的に、本方法及び装置の実施形態は、上側半構成部及び下側半構成部とからなる熱成形トレイと、上側半構成部及び下側半構成部の少なくとも一方にある、生成品を収容するための所定領域と、少なくとも1つの切断ガイドと、を備える。生成品は、例えば、放射線シードを含んだ生体吸収性フェルト、又は放射線シードを含んだメッシュである。
【0055】
図9に示すように、本方法及び装置の一実施形態は、熱成形トレイの上側及び下側半構成部を収納する外部遮断ケース900も備えることができる。外部遮断ケース900は、各種の異なる形態をとることができ、例えば、外部遮断ケース900は、上側部位901及び下側部位902を有する伸縮性ケースである。外部遮断ケース900は、任意にラッチ904を有していてもよいし、固定機構としての他の構造を有していてもよい。外部遮断ケース900は、鉛、ステンレススチール、ビスマス又はタングステン添加プラスチック、及びピューターのうちの少なくとも1つにより形成されている。加えて、外部遮断ケース900は、収縮包装材(図示せず)で密封されていてもよい。
【0056】
図10は、本方法及び装置による熱成形トレイ1000の分解斜視図である。熱成形トレイ1000は、上側半構成部1002及び下側半構成部1004を有している。上側半構成部1002及び下側半構成部1004は、それらが互いに実質的に近接したときに、閉じた構成を画し、それらが互いに実質的に離れたときに、開いた構成を画する。
【0057】
上側半構成部1002及び下側半構成部1004のうちの少なくとも一方は、閉じた構成において生成品を収容するための所定領域1006を有している。なお、その生成品は、所定のシード構成として保持される少なくとも1つの放射線シードを有している。生成品は、例えば、生体吸収性フェルトである。熱成形トレイ1000の上側半構成部1002及び下側半構成部1004のうちの少なくとも一方は、透明材料で形成されている。加えて、熱成形トレイ1000は、小線源放射線照射療法の術語を模した、x及びy軸上に印刷された、英字及び数字1010の少なくとも一方を有しており、それにより照射計画のためのシードの位置付けを特定するのに役立っている。
【0058】
熱成形トレイ1000は、また、少なくとも1つの切断ガイド1008を有している。切断ガイド1008は、切断のとき、生成品とよりよく密着するような凹凸の底面1018と、滑りを最小にする凹凸の上側面1016を備えている。あるいは、切断ガイド1008は、そのガイドに沿って動いて生成品を切断する内臓カッターを備えている。
【0059】
更に、熱成形トレイ1000の下側半構成部1004は、人体への装着前に、生成品を浸すための浸漬液を貯めるための漕として機能する構造になっている。例えば、その漕のため領域は、所定領域1006である。浸漬剤は、例えば、生理食塩水、化学療法的薬品、凝固又は組織グルー、麻酔薬、及び抗炎症剤等である。
【0060】
他の実施形態においては、上側部位1002は、生成品の大きさに概ね等しい、透明な窪み領域1012を有している。窪み領域1012は、生成品の装着計画に関する文書を入れることができるようになっている。その文書は、透明な台紙上に印刷されたものなので、生成品の後ろから光を当てることにより、エンドユーザーは、確認のため、文書と生成品を見通すことができる。
【0061】
切断ガイド1008は、生成品からの放射線もれを抑えるために、放射線遮断材料で作られている。また、切断ガイドは、オペレータが生成品の寸法を判定するのに役立つように、測定マークを有している。
【0062】
図11は、生体吸収性フェルト1020に渡って位置付けられた切断ガイド1008を描いている。切断ガイド1008は、所定の位置にあり、それにより生体吸収性フェルト1020を切断具1014で切ることができるようになっている。
【0063】
熱成形トレイ1000は、また、切断具1014を備えている。切断ガイド1008は、オペレータが切断ガイド1008を持ったときに、切断具1014の刃の経路が
オペレータの指から離れて怪我の危険性が最小になるような幅の把持部を有している。
【0064】
図12は、シード配設グリッド1208に放射線シードを含む生体吸収性フェルト1202として生成品の一実施形態を示している。生体吸収性フェルト1202内でのシードの位置は、配置されると、シードの存在を更に視覚的に示すものとしてのマークがなされる。その生成品は、生体吸収性フェルト1202の周界上にタブ素子1204を有しており、それにより熱成形トレイの上側半構成部及び下側半構成部内で生体吸収性フェルト1202が整列して安定化するのに役立っている。また、生体吸収性フェルト1202は、少なくとも照射計画及びシード位置付けに役立つ印刷1206を有している。印刷1206は、とりわけ小線源照射療法の照射計画規約を模式化した英数字からなる。
【0065】
更なる実施形態においては、印刷1206は、X線透視検査を使用した位置付けに役立つべく放射線不透過性を有している。他の実施形態においては、生体吸収性フェルト1202は、周界マークを有しており、また、生体吸収性フェルト1202は、内部にパターンがマークされ、最終的な生成品のアセンブルに先立って、各個人用に製作するシードを正しい位置に正確に載置する手助けとなっている。このパターンは、切断線として利用できる。
【0066】
他の実施形態においては、周界マークは、メッシュの一方の側のみにあり、視覚的表示として使用される。周界マークは、提供された品質保証書と生成品構成との間の視覚的関係を示すために提供される。
【0067】
本方法及び装置の他の実施形態においては、熱成形トレイ1000の下側半構成部1004は、生体吸収性フェルト1202を実質的に直線状に切断するのに助けとなる窪んだグリッドパターン1030を有している。更に、下側半構成部1004は、その下側半構成部1004の内側周界に整列構造1032を備えており、生体吸収性フェルト1202を切断する手助けとなっている。下側半構成部1004は、また、輸送、取扱い、切断の間、生体吸収性フェルト1202を保持できるように、上向き突起1034を有している。
【0068】
熱成形トレイ1000の上側半構成部1002は、その上側半構成部1002が外せるように、指係合構造1036が備わっている。下側半構成部1004も、また、指係合構造1038を有している。指係合構造1038は、下側半構成部1004の角の窪み領域であり、それによりユーザーが生体吸収性フェルト1202を簡単に掴んで、下側半構成部1004から外せるような領域を提供している。
【0069】
一実施形態においては、切断ガイド1008は、透明な材料でできており、それにより生体吸収性フェルト1202を見通すことができ、生体吸収性フェルト1202を間違って切断する危険を最小にしている。また、切断ガイド1008は、その下側に、下側半構成部1004上の構造的特徴と整合するような構造を有しており、それにより、シードを切断することが不可能な下側半構成部1004内の場所にのみ切断ガイド1008が位置付けされるように保証している。他の実施形態においては、切断ガイド1008は、切断具1014を受けるように切断ガイド1008の長手方向に走る1本の中央溝及びポケットを有し、それにより切断具1014による生体吸収性フェルト1202内の切断が、実質的に直線状となるように保証している。更に、切断ガイド1008は、その下側に、生体吸収性フェルト1202のシードを覆うような構造部を有し、それにより、切断具1014とシードとが干渉してシードが損傷を被る可能性を最小にしている。
【0070】
この詳細な説明及び付属の請求の範囲の目的としては、特に明示しなければ、詳細な説明及び請求の範囲に使用される全ての数字は、全ての例において語句“約”が入るように修正されるものと理解されるべきである。しかして、反対の意図を示さない限り、以下の詳細な説明及び付属の請求の範囲における数的パレメータは、本発明により得られるべきとして求められる所望の特性に応じて変化する近似値である。最小に見積もっても、また請求の範囲に対する均等論の適用を制限しようとするわけではないが、各数的パラメータは、少なくとも、書かれた有効桁の数字の観点から、また通常の丸め技法により解釈されるべきである。
【0071】
発明の広い範囲を規定した数的範囲及びパラメータは、概数ではあるものの、特定の例において規定された数値は、可能な限り正確に記述されている。しかしながら、いかなる数値も、それぞれの試験測定において見出された標準偏差として必然的に含まれるある誤差を固有に含むものである。更に、ここに開示された全ての範囲は、包含される、何らかの及び全てのサブ範囲を含むものと理解されるべきである。例えば、“1〜10”の範囲は、最小値の1と最大値の10(を含んで)の間のいかなる及び全てのサブ範囲を含んでいる。すなわち、最小値1以上、最大値10以下のいかなる及び全てのサブ範囲である。例えば、5.5〜10である。
【0072】
この詳細な説明及び付属の請求の範囲で使用されているように、単数形“a”、“an”、及び“the”は、1つのものに明示的に及び明確に限定していなければ、複数のものへの参照を含んでいる。従って、例えば、“メッシュ”と言っている場合は、2つ以上のメッシュを含んでいる。
【0073】
明細書を考慮してここに開示された発明を実施することを考えると、本発明の他の各種の実施形態が、当業者には自明であろう。詳細な説明及び例は、単なる例であると解釈されるべきであり、本発明の真の範囲及び精神は、以下の請求の範囲によって示される、と意図されている。
【技術分野】
【0001】
この出願は、2007年12月21日に出願された、“小線源照射療法インプラントのための包装システム(Packaging System for Brachytherapy Implant)”と題された米国仮特許出願第61/015,774号について、優先権を主張するものである(その開示内容の全てをここで援用する)。
【0002】
この出願は、2006年8月25日に出願された米国仮特許出願第61/823,555号について優先権を主張している、2007年8月24日に出願され、“治療的及び指向的照射用インプラント(Therapeutic and Directionally Dosed Implants)”(その開示内容の全てをここで援用する)と題された国際特許出願PCT/US2007/076736号について、優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0003】
身体のガンは、一般的に、放射線療法を使用して治療される。放射線療法は、高いエネルギーの放射線を採用してガン細胞を殺すというものである。放射線療法の種類の1つとして、小線源照射療法があり、それにおいては、放射線の源が、侵された組織に直接接触している。一般の小線源照射療法の治療、つまり経腹膜シード種埋設においては、前立腺に放射線シードを据付け、前立腺ガン細胞を殺すようにしている。内科医は、線量計画コンピュータソフトウェアプログラムと共に、超音波、コンピュータトモグラフィー(CT)スキャン、及びX線画像のような道具を採用し、患者の医学的状況を評価する。内科医は、最適治療計画を構築し、侵された組織を通して均一に放射線を分配する。離散的放射線強度を有する放射線シードは、治療計画に対応した、前立腺の各所定位置に、複合埋設用針を介して挿入される。複合埋設用針により、侵された組織の複数の箇所に放射線シードが挿入される必要があり、各針は、放射線シードに対する特定配置となっている。
【0004】
小線源照射療法は、針による埋設により、多分しばしば最も効果的であるものの、他の埋設方法も使用されてきた。1つの例としては、シード及び縫合糸を採用した構成がある。かかる構成にするために、内科医は、縫合生地内に配設された複数のシードからなるシード製品(例えば、Oncuraにより製造された担体内シードを利用してきた。縫合体は、一枚の生体吸収性を通して織られ、それによりシードの平面的配列が生み出される。この配列は、腫瘍ベッドの壁に縫いつけられることにより、最も一般的には肺の切除の後の腫瘍ベッドに照射するために使用される。
【0005】
腫瘍組織の全摘出手術は、ガン組織の痕跡を残す可能性があり、その結果、腫瘍が転移したり再発したりする可能性がある。従って、腫瘍の除去の部位は、手術で取り残された病理組織を破壊しようという試みで、しばしば、術後的に治療が行われる。腫瘍の外科的除去の部位を治療する従来の技法では、放射線、化学療法、及び/又は熱の術後的管理が行われる。他の方法は、U.S.5,030,195に開示されており、その内容はここに援用される。その開示によれば、シードがメッシュ内に縫いこまれ、そのメッシュは、非吸収性シリコン化合物に組み込まれる。腫瘍の正確な位置及び範囲が判定されると、腫瘍は除去され、メッシュ/シリコン生地が、残存腫瘍細胞が存在するであろう領域に埋め込まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
埋め込み部位での適切なシード配置及びシード保持が、小線源照射療法処置の成功又は不成功に強く影響する。上述のように、シード埋め込み機器は、スペーサに隔てられた複数のシードを含むことができる。従来の埋め込み機器及び方法は、埋め込み中及び埋め込み後において、適切なシード間隔を信頼性をもって維持できない。故に、埋め込み中及び埋め込み後において、適切なシード間隔を信頼性をもって維持できる機器及び/又は方法が、小線源照射療法の患者には大いに有用である。
【0007】
前立腺に埋め込まれた緩んだシード、特に被膜外のもの(前立腺の被膜の外側にあるもの)は、患者の内部で移動してしまう可能性がある。被膜外組織は、例えば前立腺の被膜内の組織よりも濃密ではないので、従来の小線源照射療法のシードの埋め込み機器及び方法は、被膜外物質内でのシードの位置を効果的に維持できない。これらのシードは、移動してしまい必要な場所での放射線の提供ができない。移動する放射線シードは、治療部位での必要な放射線療法ができないのみならず、身体の他の放射線感応領域に障害を与えかねない。故に、各種濃度及びちょう度の組織及び/又は液体内の放射線シードの移動を防止する機器及び/又は方法が、小線源照射療法の患者には大いに有用である。
【0008】
上記観点から、標準のものであろうと特注のものであろうと、放射線の照射を必要としている患者に対して、上述の欠点なく、放射線を提供できるインプラントを得ることが望まれるところである。本開示により、シードを緩んだ状態や、単純に“線”に予め配置するのではなく、生地シート上に予めできあがったシードを医者に与えることできる能力が提供される。これにより、非切除腫瘍域にある微視的病巣をよりよく治療するために、切除腫瘍の縫合線に沿って、腫瘍の外側部に置くことがより容易な、より有用な生成品を提供すると共に、腫瘍の切除により生成された“穴”にシードを置くことができる。また、本開示により、一体化可能ないくつかの刷新が提供され、それにより製造が容易になり、扱いが容易になり、展開、放射線供与及び信頼性にフレキシビリティがあるようになる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一様相によれば、少なくとも1枚の生体親和性材料と、前記生物学的材料に固定される少なくとも1つの遮断部と、前記遮断部に部分的に配設される少なくとも1つの放射線シードと、を備えるインプラントが提供される。
【0010】
本開示の他の様相によれば、患者の組織に、少なくとも2枚の生体親和性材料と、前記2枚の材料の間に配設された少なくとも1つの放射線シードと、を備える少なくとも1つのインプラントを固定する、患者の治療方法が提供される。
【0011】
本開示の更に他の様相によれば、周辺組織から腫瘍の少なくとも一部を外科的に切除し、前記周辺組織の位置に少なくとも1つのインプラントを供する、患者の治療方法が提供され、インプラントは、少なくとも2枚の生体親和性材料と、前記2枚の材料の間に配設された少なくとも1つの放射線シードとからなる。
【0012】
本開示の他の様相によれば、上側半構成部及び下側半構成部を有する熱成形トレイが提供される。上側半構成部及び下側半構成部は、上側半構成部及び下側半構成部が互いに実質的に近接したときに閉じた構成を規定し、上側半構成部及び下側半構成部が互いに実質的に離反したときに開いた構成を規定する。所定のシード構成で少なくとも1つの放射線シードを保持する生成品を、閉じた構成内に包含するための、上側半構成部及び下側半構成部の少なくとも一方内に、所定領域が設けられる。少なくとも1つの切断ガイドが、熱成形トレイ内に含まれる。
【0013】
本開示の更に他の様相によれば、上側半構成部及び下側半構成部を有する熱成形トレイが提供される。上側半構成部及び下側半構成部は、上側半構成部及び下側半構成部が互いに実質的に近接したときに閉じた構成を規定し、上側半構成部及び下側半構成部が互いに実質的に離反したときに開いた構成を規定する。所定のシード構成で少なくとも1つの放射線シードを保持する生成品を、閉じた構成内に包含するための、上側半構成部及び下側半構成部の少なくとも一方内に、所定領域が設けられる。切断具及び切断ガイドが、熱成形トレイ内に含まれる。上側半構成部及び下側半構成部の少なくとも一方内の第一領域が、切断ガイドを保持し、上側半構成部及び下側半構成部の少なくとも一方内の第二領域が、切断具を保持している。
【図面の簡単な説明】
【0014】
以下の図面を参照すれば、開示された実施形態は、よりよく理解できる。図面内の各構成は、必ずしも縮尺が統一されていない。
【図1】図1は、各種実施形態における、本開示によるインプラントの図である。
【図2】図2は、各種実施形態における、本開示による、放射線シードを含むインプラントの詳細図である。
【図3】図3は、各種実施形態における、本開示による、放射線シードを含むインプラントの全体図である。
【図4】図4は、各種実施形態における、本開示による、放射線シードを含むインプラントの他の実施形態の詳細図である。
【図5】図5は、各種実施形態における、本開示による、放射線シードを含むインプラントの他の実施形態の全体図である。
【図6】図6は、各種実施形態における、本開示による、所定パターンの放射線シードを含むインプラントの全体図である。
【図7】図7は、各種実施形態における、本開示による、他の所定パターンの放射線シードを含むインプラントの全体図である。
【図8】図8は、各種実施形態における、生体親和性生地のシートに取り付けられた遮断物質内に配設された、放射線シードを含むインプラントの全体図である。
【図9】図9は、熱成形トレイの上側及び下側半分が入れられる外側遮断ケースを含む本方法及び装置の一実施形態の図である。
【図10】図10は、本方法及び装置による熱成形トレイ1000の展開斜視図である。
【図11】図11は、生体吸収性フェルト上に載置された切断ガイドを示す図である。
【図12】図12は、放射線シードを含む生体吸収性フェルト1202としての生成品の一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
各種実施形態により、本開示は、担体内に少なくとも1つのシードを備えるインプラントに関する。例えば、そのインプラントは、複数のシードを備える。そのインプラントは、シードの配列、例えば平面的配列を備えることができる。それらのシードは、その水平的及び垂直的分離構成に基づいて、生地上に配列的に配設することができる。インプラントは、また、三次元に配置されたシードも備えることができる。例えば、シードは、潰すことができるフレキシブルな立体(球のような)メッシュ状に配設でき、人体の腔部に挿入され、自然に広がってその腔部を満たすことができる。各種実施形態によれば、その立体は、十分にフレキシブルであり、完全に球ではない領域に合致することができる。各種実施形態によれば、その立体は、自然な張力又は力により、ある形状に拡がったり、及び/又は縮んだりすることができる。
【0016】
この開示の各種の実施形態によれば、その配列は、明らかにシード間に空間をあけて、予め作製し、又は標準化された状態で提供できる。この知られた配列により、治療領域に対する線量の算出が行える。この配列は、標準の間隔で構成されるか、又は、エンドユーザーにより望まれるシードパターンにカスタマイズできる。例えば、放射線シードが備えられていない代わりに、嚢状部又はスリットのような構造を有した担体が提供されることにより、エンドユーザーが個々のシードを載置することができるようになっている。このように、シードは、標準化した間隔でも、カスタマイズされた間隔でも、いずれでも担体に配設できる。離散したシード間隔というのは、エンドユーザーが、シードを含んだ縫合糸をメッシュ状に織り込む必要がないという点で、有利である。これにより時間が節約でき、各シードが明らかに隔てられ(シードの花糸を織る際のエンドユーザーの能力に非依存)、再生可能で算出可能な線量測定を提供することを保証している。
【0017】
各種実施形態によれば、インプラントは、生体吸収性の、又は永久的な担体を備えている。あるいは、インプラントは、生体吸収性と永久性の双方の構成を担体内に備えることができる。生体吸収性又は永久性のいずれを利用しても、医者は、インプラントの機械的特性に適合させることができ、腫瘍/腫瘍ベッドのタイプ又は位置に合わせることができる。
【0018】
本開示により使用され得る放射線シードには各種がある。かかるシードの適した非限定的な例としては、例えば、I125、Pd103、Cs131、Au198、Co60、及びIr192がある。当業者であれば、放射線の療法的照射を提供することが可能ないかなるシード又は放射線粒子が使用可能であることが理解できるであろう。例えば、各シードは、金属カプセル、ポリマー、セラミック、リボンの形状とすることができ、又は自然に微粒子状とすることができる。放射線の所望の照射を提供可能ないかなる形状も使用可能である。
【0019】
インプラントは、各種生地を備えることができる(シードに加えて)。例えば、各シードは、シート、織られたメッシュ、編まれたメッシュ、フェルト、ポリマーシート、織物等の中に並べられる。各種実施形態によれば、各シードは、非吸収性メッシュ内に並べられる。適した非吸収性メッシュは、よく知られており、例えば米国特許第6,971,252号(この開示内容はここで援用される)に開示されているものがある。メッシュは、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ステンレススチール、チタニウム、炭素ファイバー、ニチノール、及び他の材料のうちの少なくとも1つで構成されている。各種実施形態によれば、各シードは、非吸収性ポリマーシートのような非吸収性生地の中に並べることができる。ポリマーシートの適した非限定的な例としては、ポリウレタン及びシリコンがある。
【0020】
各種実施形態によれば、各シードは、吸収性メッシュ、フェルト、又はシート内に並べることができる。吸収性生地は、当業者にはよく知られており、例えば、ポリジオキサノン、ポリラクチド、ポリグリコール酸、吸収性ポリウレタン、及びコラーゲンにより構成できる。
【0021】
各シートは、多くの異なる機構により担体内に配設され得る。例えば、各シードは、2枚のシート生地の間の接着剤、溶着、熱結合、縫合、巻込みや、生地上に形成されたポケットに入れられることにより、担体に取り付けることができる。2枚の生地シートの間での巻込みは、シードの周りを熱溶着して2枚のシートをくっつけることにより達成できる。熱溶着技法は、シードを固定するのに第二の化学薬品や材料が必ずしも必要ではなく、放射線生地を縫うという飽き飽きする作業が回避できるという点で有利である。巻込み生地の元々の特性、特に最も重要な、組織が生地の小さな孔に入り込んでいけるという能力、は、溶着処理の間、崩壊を最小限に抑えて維持できる。各シードは、生地内の、又は生地の反対側の対応する機構と係合する機構を有するホールダー又は密封構造の中に入れることにより、生地に固定することができる。
【0022】
各種実施形態によれば、担体材料は、均質であってもよいし、非類似材料が層になっているか非類似材料に分かれていてもよい(例えば、ポリエステルメッシュにポリプロピレンメッシュが溶着され、シードがそれらの間に捕捉されているもの)。限定されるものではないが、フレキシビリティ、組織内殖の程度、引っ張り又は曲げ強度、減菌又は処理の方法、シード固定の程度、医学的画像化手法による視覚化、組織又は骨への取り付け方法、劣化時間、固着(例えば、低速吸収性ポリラクチド材料の外側に高速吸収性コラーゲン層を配する)、及び組織侵食の制御、というような物理的及び性能的特性を調整するのに適した構成が、選択される。
【0023】
担体生地は、各種の目的のために、付加的な要素を加え持っている。かかる要素の非限定的な適した例としては、医学的画像化手法(超音波、X線透視検査、MRI、CT等)による視覚化/局在化のためのフィデューシャルマーカーと、配列、シード位置、シード位置距離、及び/又は組織取付け点を示す視覚的マーキングと、“コーデュロイ”タイプの溝、窪み、形成された凹みのようなアセンブリと配列化を容易にする機構と、固着力を増し/減らし、内殖を促進し/阻害し、血液の凝固を引き起こし、殺腫瘍性活動を提供し、生体適合性を増加させ、微生物学的成長を抑制し、炎症を抑え、鎮痛薬を配する等のためのコーティングと、がある。加えて、担体生地は、例えばループ形状、アーム形状、フィラメント、縫合糸、及び留め具のような、組織に取り付けるのを容易にするような機構がその内部に組み込まれ、又はその表面に取り付けられている。
【0024】
各種実施形態によれば、インプラントは、指向性放射線照射を可能とするための放射線遮断裏生地を備えている。かかる生地の非限定的な適した例としては、ビスマス又はバリウム搭載ポリマーがある。この裏生地は、固体シートの形態とすることができ、又は開放領域を有して選択的線量透過を実現している。かかる裏生地は、健康な、又は感受性の高い組織又は器官を遮断しつつ、照射域の方へ放射線を向けるのに有用である。裏生地は、永久的なもの(例えば、ビスマス搭載シリコン)でも、取り外し可能でも、生体吸収性であってもよい。
【0025】
Brad Brachytherapy社(Carol Stream, イリノイ)により販売されているBrachySource シードのような放射線シードは、シードの周囲の対称“4π”線量分配を提供している。かかるシードは、前立腺腫瘍のような各種の腫瘍を治療するのに有用であり、殺腫瘍性の照射が、シードの周りのあらゆる方向に望まれる。
【0026】
限定的な方向への照射又は場が望まれるような各種の臨床的な状況がある。例えば、抜本的な前立腺切除術の後に、切除腫瘍ベッドにシードを埋め込むために、臨床医は、腫瘍ベッドを照射したいと思うかもしれないが、直腸又は膀胱には照射したくないと思うだろう。知られたシード設計及び展開によっては、このことは困難である。なぜなら、各シードは、とりわけ自由であり、埋め込まれた場所から回転したり移動したりするからである。各シードが、上述のようなメッシュに取り付けられているのであれば、各シードは、固定され、メッシュの位置が決まれば、必然的にシードの場所と配向が決まってくる。それで、シードの放射線場は、単一方向照射を供するために変更できる。
【0027】
各種実施形態によれば、シードそのものを変更することなく、シードの周りの放射線場を変更することに関連した利点がある。例えば、市場のどのようなシードでもその変更は潜在的に利用でき、シード製造者は、異なるシードの目録を広範に保持する必要がなく、任意のシードの証明された構造的完全性は不変である。いくつかの異なる照射形態が、単に外部遮断具を変更することにより提供できる。遮断方法は、人体内でシードを固定することを支援でき、それにより、人体構造に対してその放射線の方向を一致させることができる。加えて、遮断具は、放射線の方向の視覚的確認(これは内的線量変更では行える必要はない)を提供する。
【0028】
各種実施形態によれば、1つ以上の所望の方向に遮断構成物を含む放射線シードがここに提供される。ステンレススチール、チタニウム、タングステン、金、プラチナ等の生体親和材料により、その遮断は提供でき、遮断の所望の程度に基づいて特別な材料も選択される。
【0029】
遮断材は、均質でもいいし、複数の層(例えば、金が電気メッキされたばね鋼)からなっていてもよい。それらの層は、生体親和性、製造性、費用、放射線不透過、電界腐食に対する感受性、機能性、及び耐久性のうちの少なくとも1つを変更することを目的として、選択される。
【0030】
各種実施形態によれば、遮断具は、平板として、又は整合構造(例えば、一枚の箔が、シードの直径の一部を囲う)として、シードに固定することができる。遮断具は、例えば、接着剤、溶着(レーザー、抵抗等)、はんだ付け、機械的捕捉、電気メッキ等の何らかの適した取付け方法により、シードに取り付けることができる。各種実施形態によれば、機械的捕捉は、シードを所定の場所に“カチッと嵌める”ことができる機構、シードを遮断部に置いてそのあと挟んだり成形したりして捕捉を完了するような機構、人体の温度で、自然にシードの周りと合致する機構(例えば、ニチノールで遮断材を構成し、それは、低温で平たいシートであるが、室温又は人体の温度まで温められると、シートの周囲に巻きつく)のうちの少なくとも1つの機構により達成できる。
【0031】
遮断具は、メッシュに対してシートが回転したり移動したりすることを防止するか、少なくとも抑制するような少なくとも1つの機構を含んでいる。例えば、遮断材は、シードアセンブリから延びる平坦領域を有している。遮断材は、メッシュ構造に係止する羽枝又は凹凸領域を備えている。各種実施形態によれば、各シードが所定場所に編みこまれると、遮断材が、その縫合糸を保証することができるような隆条、穴、又は他の機構を備えることができる。
【0032】
各種実施形態によれば、遮断具には、例えば、固着力を変えたり、内殖を促進させるか、又は阻害するような薬品のような各種薬品が付けられる。
【0033】
本方法及び装置の各種実施形態の上述の特徴は、図1−8に描かれている。
【0034】
図1は、各種実施形態における、本開示によるインプラントの図である。この実施形態においては、第一材料シート101が、第二材料シート102に物理的に接合される。第二材料シート102は、シード103を保持する形成ポケット103を有している。第一及び第二材料シート101、102は、領域105内のシードの周りを熱溶着することにより互いに接着される。
【0035】
図2は、各種実施形態における、本開示による、放射線シード203を含むインプラント201の詳細図である。シード203は、溶着領域204によるポケット202内に保持できる。この実施形態においては、各ポケット202は、1つの共通溶着領域204により囲まれている。
【0036】
図3は、各種実施形態における、本開示による、放射線シード303を含むインプラント301の全体図である。シード303は、溶着領域304によるポケット302内に保持できる。ポケット302内のシード303は、所定のパターン305で配置されている。パターン305は、描かれたような標準間隔で構成されてもよいし、エンドユーザーによる所望のシードパターンにカスタマイズされてもよい。
【0037】
図4は、各種実施形態における、本開示による、放射線シード403を含むインプラント401の他の実施形態の詳細図である。シード403は、溶着領域404によるポケット402内に保持できる。この実施形態においては、各ポケット402は、それぞれ独自の溶着領域404で囲まれている。
【0038】
図5は、各種実施形態における、本開示による、放射線シード503を含むインプラント501の他の実施形態の全体図である。シード503は、個々の溶着領域504によるポケット502内に保持できる。ポケット502内のシード503は、所定のパターン505で配置されている。パターン505は、描かれたような標準間隔で構成されてもよいし、エンドユーザーによる所望のシードパターンにカスタマイズされてもよい。
【0039】
図6は、各種実施形態における、本開示による、所定パターン605の放射線シード603を含むインプラント601の全体図である。シード603は、個々の溶着領域604によるポケット602内に保持できる。インプラント601は、フィデューシャルマーカー606、視覚的マーキング607、コーティング608、及び取付け具609のような、各種目的のための付加的要素を含んでいる。
【0040】
図7は、各種実施形態における、本開示による、他の所定パターン705の放射線シード703を含むインプラント701の全体図である。シード703は、個々の溶着領域704によるポケット702内に保持できる。
【0041】
図8は、各種実施形態における、本開示による、所定パターンの放射線シード803を含むインプラント801の全体図である。シード803は、遮断具850内に部分的に配設されている。遮断具850は、生体親和性材料802に取り付けられる。
【0042】
インプラントは、異なる各種の方法を使用して組織に取り付けられる。例えば、インプラントは、縫合糸、固定具、タック、接着剤、物理的捕捉(血道弓骨)、又は他の標準の組織係止手段のうちの少なくとも1つにより、組織に固定される。インプラントは、永久的にフレキシブルであるか、又は堅いものであり、特定の応用に基づいて、熱及び/又は圧力を使用して特定の堅い形状に成形される。インプラントは、体液に触れると、又は体温に晒されると、物理的特性が変化する材料で構成できる。
【0043】
各種実施形態によれば、インプラントは、外的に、又は内的に適用できる。例えば、インプラントは、腹腔鏡によるか、又は開放手術により挿入される。インプラントは、体内で使用されるか、又は外的に(すなわち、皮膚パッチ)使用される。インプラントは、腫瘍ベッド内に挿入できる。例えば、腫瘍は、体内腔から切除され、インプラントがその位置に固定される。インプラントは、縫合糸、固定具、及び接着を含む異なる各種の方法により、腫瘍ベッドに固定される。球状又は半球状のインプラントの場合は、インプラントは、腔内に挿入され、拡張し、それによりその腔内の少なくとも一部を満たす。
【0044】
一般的なパッケージング概念は、例えば、二構成の熱成形トレイ内に収容されるべき、伸縮性蓋を備えた平坦なピュータートレイ又はケース内に保持される生体吸収性フェルトのためのものである。ピュータートレイは、無菌バリアとしてのTyvek蓋を有して、熱成形トレイ内に含まれる。この蓋つきトレイは、紙器内に保持され、その紙器は、外部段ボール箱内に入れられる打ち抜き成形発泡挿入材で保持される。発泡梱包挿入材は、付加的な緩んだシード、調整シード、Mickカートリッジ内のシード、及び/又は、外科的処理で共通に使用される他の非放射線構成品を保持する(例えば、かかる箱は、一人の患者のための外科的キットを構成する)ための穴部を有している。
【0045】
熱成形トレイは、切り欠き部分を有しており、メッシュを切るための外科用メスと切断ガイドを搭載格納できるようになっている。トレイは、収縮包装により密封される伸縮性ピュータートレイ内の上側及び下側半構成部を有している。収縮包装は、張りをもってそれらのアセンブリを保持するのに便利であり、開封困難な熱密封又はそれと等価なものに頼ることなく、内部構成品の動きを制限することができる。
【0046】
熱成形トレイは、小線源照射療法で使用される典型的な術語を模して、照射計画目的のためのシード位置を特定できるようにしたx及びy軸上の英数字印刷文字と、材料を直線状に切断するのに助けとなる、下側トレイ上の窪んだグリッドパターンとを有しており、また、透明な材料で構成されているので、トレイは、光ボックス又は同様のものの上に置かれる。これにより、光が並べられた生成品を通過するので、それによるシードの“影”が、エンドユーザーによる二次的品質検査技法として使用され、シードが正しい領域にあるかが確認できるようになっている。この作業は、上側及び下側トレイ構成品がそのままの状態で行われ、それにより無菌生成品の汚染の可能性を最小とすることができる。
【0047】
熱成形トレイは、また、その生成品自体と同じ大きさの透明で窪んだ上側部分を有している。この上側部分は、下の生成品の投入計画に関する文書(例えば、オートラジオグラフ、デジタル画像、照射計画等)を格納するのに使用される。この文書は、透明な台紙(例えば、透明シート)上に印刷されたものなので、生成品の後ろから光を当てることにより、エンドユーザーは、文書と生成品自体を見通すことができ、指定したように全てが“並んでいる”かを確認できる。上側の窪んだ部分は、一枚の正規の又はポラロイドタイプのフィルムを保持でき、それによりエンドユーザーは、ラジオグラフを撮ることができる。
【0048】
下側トレイは、内側周界に整列ノッチ又は機構を有しており、それにより生成品を所望の通りにカットすることができるようになっている(以下で議論する“切断ガイド”と共に使用される)。下側トレイは、輸送、取扱い、カット等の間、メッシュを所定位置に保持できるように、上向き羽枝又は突起を有している。下側トレイの窪み領域は、身体内に置かれる前の生成品を浸すための漕として使用される。浸漬剤としては、生理食塩水(フレキシビリティを増す)、化学療法的薬品、凝固又は組織グルー(初期配設の後に所定位置に生成品を保持する)、麻酔薬、及び抗炎症剤等である。
【0049】
上側トレイには、指用穴、タブ等が備わっており、それによりトレイの蓋が外せるようになっている。下側トレイの角に、4つの外部窪み領域が備わっており、“指用ノッチ”又は領域となっており、それによりエンドユーザーがメッシュを簡単に掴んで、トレイから外せるようになっている。
【0050】
切断ガイドは、(生成品の正確な使用に基づいて切断が必要な場合)エンドユーザーが生成品を所望形状に切断できるように補助するように一部が形成されたプラスチック製又は金属製のものである。切断ガイドは、以下の属性を有している。すなわち、オペレータの放射線被爆を抑制するために金属又は他の放射線遮断材料で作られており、下の生成品が見えるように透明材料で作られて、シードを切断したり、間違った場所を切断する危険を最小にし、オペレータが生成品の寸法を判定できるよう測定目盛り又は他のマークを有し、意図した場所にガイドが並ぶのを保証するため、トレイ上の特徴部と整合する、下側の特徴部を有し(例えば、切断ガイドは、シードを切断することが不可能な場所にのみ置かれる)、外科用メスが直線状に進むことを保証するため、メスの刃を受けるための、機器の長手方向に走る中央溝又はポケットを有し、オペレータが切断するために機器の端に沿って走らせるところである、単純な直線状端部を有しており、オペレータにより保持されたときに、刃の経路が指から遠く離れており、それにより怪我のリスクが最小となるように、十分な幅を有し、下のシードを覆う窪み又は溝のような特徴部を下側に有して、刃とシードとが相互に干渉してそれによる損傷を最小にし、ガイドに沿って動いてフェルトを切断する(新しいスタイルのサランラップカッターのような)組込みカッターを備え、切断中にフェルトをうまく掴むために、凹凸の、又は羽枝を有した下側面を有し、無菌環境において手袋をした手で使用されるときに、滑る可能性を最小にするような、凹凸の上側面を有している。
【0051】
生体吸収性フェルトなどの生成品は、以下の特徴の1つ以上を有することができる。パッケージ内に生成品を揃えて安定化させることに役立つ周界上のタブ又は要素と、照射計画、シードの位置付けに役立つ印刷であって、とりわけ小線源照射療法の照射計画規約を模式化した英数字の印刷と、装填の後、シードの存在を示す更なる視覚的表示としてマークされたメッシュ内のでシードの位置と、X線透視検査を使用した位置確認の手助けとなる放射線不透過性のマーク又は印刷と、である。
【0052】
周界のマークに加えて、メッシュは、内部にパターン(例えば、グリッド)がマークされ、最終的な生成品のアセンブリに先立って、各個人用に製作するシードを正しい位置に正確に載置する手助けとなっている。これらの線は、エンドユーザーにより、“切断線”としても利用できる。
【0053】
メッシュの外側のマークは、メッシュの一方の側のみにあり、視覚的表示として使用される(例えば、もしシード生成品が、指向性放射線遮断材と共に使用されるのであれば、マークは、“熱い”側と“冷たい”側を描写するために使用される)。マークは、提供された生成品保証書と生成品構成との間の視覚的関係を示すために使用される(例えば、フェルトのデジタル画像が撮られ、そのデジタル画像が、オートラジオグラフと関係づけられて、それによりエンドユーザーは、生成品内のシードの正しい方向を知ることができる)。
【0054】
従って、一般的に、本方法及び装置の実施形態は、上側半構成部及び下側半構成部とからなる熱成形トレイと、上側半構成部及び下側半構成部の少なくとも一方にある、生成品を収容するための所定領域と、少なくとも1つの切断ガイドと、を備える。生成品は、例えば、放射線シードを含んだ生体吸収性フェルト、又は放射線シードを含んだメッシュである。
【0055】
図9に示すように、本方法及び装置の一実施形態は、熱成形トレイの上側及び下側半構成部を収納する外部遮断ケース900も備えることができる。外部遮断ケース900は、各種の異なる形態をとることができ、例えば、外部遮断ケース900は、上側部位901及び下側部位902を有する伸縮性ケースである。外部遮断ケース900は、任意にラッチ904を有していてもよいし、固定機構としての他の構造を有していてもよい。外部遮断ケース900は、鉛、ステンレススチール、ビスマス又はタングステン添加プラスチック、及びピューターのうちの少なくとも1つにより形成されている。加えて、外部遮断ケース900は、収縮包装材(図示せず)で密封されていてもよい。
【0056】
図10は、本方法及び装置による熱成形トレイ1000の分解斜視図である。熱成形トレイ1000は、上側半構成部1002及び下側半構成部1004を有している。上側半構成部1002及び下側半構成部1004は、それらが互いに実質的に近接したときに、閉じた構成を画し、それらが互いに実質的に離れたときに、開いた構成を画する。
【0057】
上側半構成部1002及び下側半構成部1004のうちの少なくとも一方は、閉じた構成において生成品を収容するための所定領域1006を有している。なお、その生成品は、所定のシード構成として保持される少なくとも1つの放射線シードを有している。生成品は、例えば、生体吸収性フェルトである。熱成形トレイ1000の上側半構成部1002及び下側半構成部1004のうちの少なくとも一方は、透明材料で形成されている。加えて、熱成形トレイ1000は、小線源放射線照射療法の術語を模した、x及びy軸上に印刷された、英字及び数字1010の少なくとも一方を有しており、それにより照射計画のためのシードの位置付けを特定するのに役立っている。
【0058】
熱成形トレイ1000は、また、少なくとも1つの切断ガイド1008を有している。切断ガイド1008は、切断のとき、生成品とよりよく密着するような凹凸の底面1018と、滑りを最小にする凹凸の上側面1016を備えている。あるいは、切断ガイド1008は、そのガイドに沿って動いて生成品を切断する内臓カッターを備えている。
【0059】
更に、熱成形トレイ1000の下側半構成部1004は、人体への装着前に、生成品を浸すための浸漬液を貯めるための漕として機能する構造になっている。例えば、その漕のため領域は、所定領域1006である。浸漬剤は、例えば、生理食塩水、化学療法的薬品、凝固又は組織グルー、麻酔薬、及び抗炎症剤等である。
【0060】
他の実施形態においては、上側部位1002は、生成品の大きさに概ね等しい、透明な窪み領域1012を有している。窪み領域1012は、生成品の装着計画に関する文書を入れることができるようになっている。その文書は、透明な台紙上に印刷されたものなので、生成品の後ろから光を当てることにより、エンドユーザーは、確認のため、文書と生成品を見通すことができる。
【0061】
切断ガイド1008は、生成品からの放射線もれを抑えるために、放射線遮断材料で作られている。また、切断ガイドは、オペレータが生成品の寸法を判定するのに役立つように、測定マークを有している。
【0062】
図11は、生体吸収性フェルト1020に渡って位置付けられた切断ガイド1008を描いている。切断ガイド1008は、所定の位置にあり、それにより生体吸収性フェルト1020を切断具1014で切ることができるようになっている。
【0063】
熱成形トレイ1000は、また、切断具1014を備えている。切断ガイド1008は、オペレータが切断ガイド1008を持ったときに、切断具1014の刃の経路が
オペレータの指から離れて怪我の危険性が最小になるような幅の把持部を有している。
【0064】
図12は、シード配設グリッド1208に放射線シードを含む生体吸収性フェルト1202として生成品の一実施形態を示している。生体吸収性フェルト1202内でのシードの位置は、配置されると、シードの存在を更に視覚的に示すものとしてのマークがなされる。その生成品は、生体吸収性フェルト1202の周界上にタブ素子1204を有しており、それにより熱成形トレイの上側半構成部及び下側半構成部内で生体吸収性フェルト1202が整列して安定化するのに役立っている。また、生体吸収性フェルト1202は、少なくとも照射計画及びシード位置付けに役立つ印刷1206を有している。印刷1206は、とりわけ小線源照射療法の照射計画規約を模式化した英数字からなる。
【0065】
更なる実施形態においては、印刷1206は、X線透視検査を使用した位置付けに役立つべく放射線不透過性を有している。他の実施形態においては、生体吸収性フェルト1202は、周界マークを有しており、また、生体吸収性フェルト1202は、内部にパターンがマークされ、最終的な生成品のアセンブルに先立って、各個人用に製作するシードを正しい位置に正確に載置する手助けとなっている。このパターンは、切断線として利用できる。
【0066】
他の実施形態においては、周界マークは、メッシュの一方の側のみにあり、視覚的表示として使用される。周界マークは、提供された品質保証書と生成品構成との間の視覚的関係を示すために提供される。
【0067】
本方法及び装置の他の実施形態においては、熱成形トレイ1000の下側半構成部1004は、生体吸収性フェルト1202を実質的に直線状に切断するのに助けとなる窪んだグリッドパターン1030を有している。更に、下側半構成部1004は、その下側半構成部1004の内側周界に整列構造1032を備えており、生体吸収性フェルト1202を切断する手助けとなっている。下側半構成部1004は、また、輸送、取扱い、切断の間、生体吸収性フェルト1202を保持できるように、上向き突起1034を有している。
【0068】
熱成形トレイ1000の上側半構成部1002は、その上側半構成部1002が外せるように、指係合構造1036が備わっている。下側半構成部1004も、また、指係合構造1038を有している。指係合構造1038は、下側半構成部1004の角の窪み領域であり、それによりユーザーが生体吸収性フェルト1202を簡単に掴んで、下側半構成部1004から外せるような領域を提供している。
【0069】
一実施形態においては、切断ガイド1008は、透明な材料でできており、それにより生体吸収性フェルト1202を見通すことができ、生体吸収性フェルト1202を間違って切断する危険を最小にしている。また、切断ガイド1008は、その下側に、下側半構成部1004上の構造的特徴と整合するような構造を有しており、それにより、シードを切断することが不可能な下側半構成部1004内の場所にのみ切断ガイド1008が位置付けされるように保証している。他の実施形態においては、切断ガイド1008は、切断具1014を受けるように切断ガイド1008の長手方向に走る1本の中央溝及びポケットを有し、それにより切断具1014による生体吸収性フェルト1202内の切断が、実質的に直線状となるように保証している。更に、切断ガイド1008は、その下側に、生体吸収性フェルト1202のシードを覆うような構造部を有し、それにより、切断具1014とシードとが干渉してシードが損傷を被る可能性を最小にしている。
【0070】
この詳細な説明及び付属の請求の範囲の目的としては、特に明示しなければ、詳細な説明及び請求の範囲に使用される全ての数字は、全ての例において語句“約”が入るように修正されるものと理解されるべきである。しかして、反対の意図を示さない限り、以下の詳細な説明及び付属の請求の範囲における数的パレメータは、本発明により得られるべきとして求められる所望の特性に応じて変化する近似値である。最小に見積もっても、また請求の範囲に対する均等論の適用を制限しようとするわけではないが、各数的パラメータは、少なくとも、書かれた有効桁の数字の観点から、また通常の丸め技法により解釈されるべきである。
【0071】
発明の広い範囲を規定した数的範囲及びパラメータは、概数ではあるものの、特定の例において規定された数値は、可能な限り正確に記述されている。しかしながら、いかなる数値も、それぞれの試験測定において見出された標準偏差として必然的に含まれるある誤差を固有に含むものである。更に、ここに開示された全ての範囲は、包含される、何らかの及び全てのサブ範囲を含むものと理解されるべきである。例えば、“1〜10”の範囲は、最小値の1と最大値の10(を含んで)の間のいかなる及び全てのサブ範囲を含んでいる。すなわち、最小値1以上、最大値10以下のいかなる及び全てのサブ範囲である。例えば、5.5〜10である。
【0072】
この詳細な説明及び付属の請求の範囲で使用されているように、単数形“a”、“an”、及び“the”は、1つのものに明示的に及び明確に限定していなければ、複数のものへの参照を含んでいる。従って、例えば、“メッシュ”と言っている場合は、2つ以上のメッシュを含んでいる。
【0073】
明細書を考慮してここに開示された発明を実施することを考えると、本発明の他の各種の実施形態が、当業者には自明であろう。詳細な説明及び例は、単なる例であると解釈されるべきであり、本発明の真の範囲及び精神は、以下の請求の範囲によって示される、と意図されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側半構成部及び下側半構成部が互いに実質的に近接したときに閉じた構成を規定し、前記上側半構成部及び前記下側半構成部が互いに実質的に離反したときに開いた構成を規定するような前記上側半構成部及び前記下側半構成部を有する熱成形トレイと、
所定のシード構成で少なくとも1つの放射線シードを保持する生成品を、前記閉じた構成内に包含するための、前記上側半構成部及び前記下側半構成部の少なくとも一方内の、所定領域と、
少なくとも1つの切断ガイドと、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記装置は、前記熱成形トレイの前記上側半構成部及び前記下側半構成部を収納する外部遮断ケースを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記外部遮断ケースは、伸縮性ケースであることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記外側遮断ケースは、鉛、ステンレススチール、ビスマス又はタングステン添加プラスチック、及びピューターのうちの少なくとも1つにより形成されていることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記外側遮断ケースは、収縮包装材料で密封されていることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記熱成形トレイの前記上側半構成部及び前記下側半構成部の少なくとも一方は、透明材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記装置は、小線源照射療法の術語を模して照射計画のためのシード配置を決めるのに役立つ、x及びy軸上に印刷された英字及び数字の少なくとも一方を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記熱成形トレイの前記下側半構成部は、人体への装着前に、前記生成品を浸すための浸漬液を貯めるための漕として機能する構造になっていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
浸漬剤は、生理食塩水、化学療法的薬品、凝固又は組織グルー、麻酔薬、及び抗炎症剤のうちの1つであることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記上側半構成部は、前記生成品と概ね同じ大きさの窪み領域を有し、前記窪み領域は、前記生成品の装着計画についての文書を含み、前記文書は、透明な台紙上に印刷されたものなので、前記生成品の後ろから光を当てることにより、エンドユーザーは、確認のため、前記文書及び生成品を見通すことができることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記切断ガイドは、前記生成品からの放射線照射を抑制する放射線遮断材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記切断ガイドは、オペレータが前記生成品の寸法を判定することに役立つ測定マークを有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記装置は、切断具を更に備え、前記切断ガイドは、オペレータが前記切断ガイドを持ったときに、前記切断具の刃の経路が前記オペレータの指から離れ、それにより怪我のリスクが最小となるような十分な幅を有する把持領域を備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記切断ガイドは、そのガイドに沿って動いて前記生成品を切断する内臓カッターを備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記切断ガイドは、切断中に前記生成品をよりうまく掴むための凹凸形状の下側面を有していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記切断ガイドは、滑りを最小にする凹凸形状の上側面1016を有していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記生成品は、放射線シードを含んだ生体吸収性フェルト及び放射線シードを含んだメッシュのうちの一方であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記生成品内の前記シードの位置は、装填の後、シードの存在を示す更なる視覚的表示としてマークされることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記生成品は、前記熱成形トレイの前記上側半構成部及び前記下側半構成部内に前記生成品を揃えて安定化させることに役立つ、前記生成品の周界上のタブ要素を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記生成品は、少なくとも照射計画及びシードの位置付けに役立つ印刷を有し、前記印刷は、とりわけ小線源照射療法の照射計画規約を模式化した英数字であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項21】
印刷は、X線透視検査を使用した位置確認の手助けとなる放射線不透過性を有することを特徴とする請求項20記載の装置。
【請求項22】
前記生成品は、周界マークを有し、前記生成品は、最終的な生成品のアセンブリに先立って、各個人用に製作するシードを正しい位置に正確に載置する手助けとなるパターンが内部にマークされ、前記パターンは、切断線として使用されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項23】
前記周界マークは、前記生成品の一方の側のみに位置して、視覚的表示として使用されることを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記周界マークは、品質保証書と生成品構成の間の視覚的関係として提供されていることを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項1】
上側半構成部及び下側半構成部が互いに実質的に近接したときに閉じた構成を規定し、前記上側半構成部及び前記下側半構成部が互いに実質的に離反したときに開いた構成を規定するような前記上側半構成部及び前記下側半構成部を有する熱成形トレイと、
所定のシード構成で少なくとも1つの放射線シードを保持する生成品を、前記閉じた構成内に包含するための、前記上側半構成部及び前記下側半構成部の少なくとも一方内の、所定領域と、
少なくとも1つの切断ガイドと、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記装置は、前記熱成形トレイの前記上側半構成部及び前記下側半構成部を収納する外部遮断ケースを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記外部遮断ケースは、伸縮性ケースであることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記外側遮断ケースは、鉛、ステンレススチール、ビスマス又はタングステン添加プラスチック、及びピューターのうちの少なくとも1つにより形成されていることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記外側遮断ケースは、収縮包装材料で密封されていることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記熱成形トレイの前記上側半構成部及び前記下側半構成部の少なくとも一方は、透明材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記装置は、小線源照射療法の術語を模して照射計画のためのシード配置を決めるのに役立つ、x及びy軸上に印刷された英字及び数字の少なくとも一方を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記熱成形トレイの前記下側半構成部は、人体への装着前に、前記生成品を浸すための浸漬液を貯めるための漕として機能する構造になっていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
浸漬剤は、生理食塩水、化学療法的薬品、凝固又は組織グルー、麻酔薬、及び抗炎症剤のうちの1つであることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記上側半構成部は、前記生成品と概ね同じ大きさの窪み領域を有し、前記窪み領域は、前記生成品の装着計画についての文書を含み、前記文書は、透明な台紙上に印刷されたものなので、前記生成品の後ろから光を当てることにより、エンドユーザーは、確認のため、前記文書及び生成品を見通すことができることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記切断ガイドは、前記生成品からの放射線照射を抑制する放射線遮断材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記切断ガイドは、オペレータが前記生成品の寸法を判定することに役立つ測定マークを有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記装置は、切断具を更に備え、前記切断ガイドは、オペレータが前記切断ガイドを持ったときに、前記切断具の刃の経路が前記オペレータの指から離れ、それにより怪我のリスクが最小となるような十分な幅を有する把持領域を備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記切断ガイドは、そのガイドに沿って動いて前記生成品を切断する内臓カッターを備えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記切断ガイドは、切断中に前記生成品をよりうまく掴むための凹凸形状の下側面を有していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記切断ガイドは、滑りを最小にする凹凸形状の上側面1016を有していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記生成品は、放射線シードを含んだ生体吸収性フェルト及び放射線シードを含んだメッシュのうちの一方であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記生成品内の前記シードの位置は、装填の後、シードの存在を示す更なる視覚的表示としてマークされることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記生成品は、前記熱成形トレイの前記上側半構成部及び前記下側半構成部内に前記生成品を揃えて安定化させることに役立つ、前記生成品の周界上のタブ要素を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記生成品は、少なくとも照射計画及びシードの位置付けに役立つ印刷を有し、前記印刷は、とりわけ小線源照射療法の照射計画規約を模式化した英数字であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項21】
印刷は、X線透視検査を使用した位置確認の手助けとなる放射線不透過性を有することを特徴とする請求項20記載の装置。
【請求項22】
前記生成品は、周界マークを有し、前記生成品は、最終的な生成品のアセンブリに先立って、各個人用に製作するシードを正しい位置に正確に載置する手助けとなるパターンが内部にマークされ、前記パターンは、切断線として使用されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項23】
前記周界マークは、前記生成品の一方の側のみに位置して、視覚的表示として使用されることを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記周界マークは、品質保証書と生成品構成の間の視覚的関係として提供されていることを特徴とする請求項22に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2010−536529(P2010−536529A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−522914(P2010−522914)
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【国際出願番号】PCT/US2008/010012
【国際公開番号】WO2009/029225
【国際公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(591018693)シー・アール・バード・インコーポレーテッド (106)
【氏名又は名称原語表記】C R BARD INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【国際出願番号】PCT/US2008/010012
【国際公開番号】WO2009/029225
【国際公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(591018693)シー・アール・バード・インコーポレーテッド (106)
【氏名又は名称原語表記】C R BARD INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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