説明

少なくとも一つのウレイド官能基を担持したラテックス組成物の、木材に接着させるための使用

本発明は、少なくとも一つのウレイド官能基を有する少なくとも一種のアクリルモノマーBを含有するモノマー混合物をエマルジョン重合することによって得られた少なくとも一種のラテックスを含む水性分散液を木材の表面処理に使用して木材に防水性を付与することに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リグノセルロース材料の産業、特に木材表面処理の技術分野に関する発明である。詳しくは、本発明は、少なくとも一つのウレイド官能基を担持するアクリルラテッテックスを含む水性組成物、そして木材、より詳しく述べると脂肪質物質で処理された木材を処理する際にかかる組成物を使用することに関する。
【背景技術】
【0002】
天然木材は、場合によっては、屋外条件にさらされる部材を作製するために、建築産業で材料として使用されている。すなわち、木材は、例えば、ドア、シャッターまたはドアや窓の枠を製造するのに使用されている。
【0003】
このような部材は、未処理のままであることはない。これらの部材は、一般に、材木を美しくしかつ雨や紫外線にさらされて老化することのないよう保護する働きをするいくつかの層(下塗りコート、ステイン、仕上げ塗りコート)を含む表面コーティングでコートされている。
【0004】
また、木材は、一般に、脂肪質物質で前バルク処理して、水分と接触し吸収する水の量を制限することによって、耐久性を高めることができる。
【0005】
水は、食材木虫の増殖を促進するので有害であり、そして木材の寸法を変化させて(木材が「膨潤する」)ひび割れを起こす。
【0006】
本明細書では、「防水」木材として、脂肪質物質でバルク処理された木材を以下において参照するが、例えば、Oleoboisが開発したサーモオイルド木材、CIRADが開発した方法が記載されているフランス特許出願公開公報第2 801 241号に従って処理された木材、ならびに国際出願公開第WO05/007369号、同第WO03/049913号および同第WO04/033171号に記載の材木がある。特に注目されるのは、国際出願公開第WO03/084723号に記載のLapeyreが開発した木材がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
出願人は、木材と接触させて直接堆積させる一時塗りコートに特に関心があり、特に水性相で堆積させる結合剤について述べる(この結合剤は、溶媒から堆積させる結合剤と比べて毒性が低くかつ環境への影響も少ないので)。
【0008】
このコートは、そのコーティングの各種の保護機能と装飾機能を長期間維持するように、耐久力のある状態で木材に接着しなければならない。
【0009】
木材がそれを疎水性にする前処理を受けていると、このようなコートの接着を保証することは困難である。
【0010】
一般に、「疎水性」の原木または圧縮木材を、ディウエッティング(dewetting;脱湿潤)現象にさらすことなしに水性相で結合剤を堆積させることは困難である。
【0011】
水は、処理済木材上にしずくをつくる傾向があるので、コーティング被膜は、乾燥し終わるまでに部分的に収縮して、美しい性質と保護する性質が損なわれる。さらに、その被膜は一旦乾燥すると、支持体に対する「低エネルギー」型接着が保証されねばならない(このことは、余り接着性でないファンデルワールス結合以外の結合を処理済木材と前記コートに分子スケールで達成することが困難であることを意味する)。
【0012】
さらに、「疎水性」処理は滲出現象を示すことがあり、これは、コートと木材の間に非接着性の液体層を形成する欠点がある。
【0013】
同様に、「疎水性」処理法でバルク処理されていない木材の場合、湿潤状態下で良好な接着を保証することは、二つの理由から困難である。第一に、木材は親水性であるから、水分子は、コートと木材の間の界面に一層容易に到達して、接着を行う結合をいくらか切断する。この現象は、特に、水性層から堆積させる結合剤にあてはまる(この結合剤は親水性分子によって安定化されているので、乾燥コート内でさえ感水性である)。さらに、水の存在下で木材の寸法が変化することによって、コーティング内に横方向の応力が誘発されて凝集力損失現象を起こす。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願出願人は、以上に考察した問題点などは、少なくとも一つのウレイド官能基を担持するラテックスを使用することによって解決できることを発見した。
【0015】
本願出願人は、少なくとも一つのウレイド官能基を含有するアクリルラテックスが、特定の防水木材においてリグノセルロース材料に対する接着性を、湿潤状態でさえ高めることを発見した。
【0016】
用語「防水木材」は、本明細書で使用する場合、特に、植物または動物由来の合成脂肪質物質を塗布することによって、木材の外表面を疎水性にする処理を少なくとも一回受けた圧縮木材または天然原木を意味する。
【0017】
本願出願人が発見した解決法は、防水木材の表面処理を行う際に、少なくとも一つのウレイド官能基を含む少なくとも一種のモノマーを含むモノマーの混合物を乳化重合(エマルジョン重合)することによって得られる少なくとも一種のラテックスを含む水性分散液を使用することに基づいている。
【0018】
より正確に述べると、第一の側面では、本発明は、防水木材の表面処理を行う際に、少なくとも一つのウレイド官能基を含む少なくとも一種のアクリルモノマーを含有するモノマーの混合物をエマルジョン重合することによって得られる少なくとも一種のラテックスを含む水性分散液を使用することに関する。
【0019】
用語「ウレイド官能基」は、本明細書で使用する場合、下記一般式(Ia):
【0020】
【化1】

【0021】
(式中、XはOまたはSであり、
R1とR2は、独立して、水素;1〜6個の炭素原子を含有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基;5〜15個の炭素原子を含有するシクロアルキル基、例えばシクロヘキシル;5〜15個の炭素原子を含有するアリール基、例えばフェニル;または6〜12個の炭素原子を含有するアラルキル基、例えばメチルベンジルを表し、これらの基は、ハロゲン、アミン、ヒドロキシルおよびカルボキシルから選択される一つまたは二つ以上の基で任意に置換されている)で表される官能基を意味する。
【0022】
ウレイド官能基は、R1とR2が、2個または3個の炭素原子を含み、任意に1〜4個の炭素原子を含有する1つ以上のアルキル基、特にメチル、プロピルまたはブチルを担持するアルキレン基、例えばエチレン、プロピレンまたはトリメチレンによって互いに接続されている場合は「環式」と呼称される。
【0023】
用語「アクリルモノマー」は、式(Ib):
【0024】
【化2】

【0025】
(式中、R4とR5は、独立して、水素;1〜6個の炭素原子を含有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、特にメチル、プロピルもしくはブチル;5〜8個の炭素原子を含有するシクロアルキル基;または6〜12個の炭素原子を含み、任意に1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基を担持するアリール基もしくはアラルキル基、特にフェニル、メチルフェニル、ベンジルもしくはメチルベンジルを表し、
ZはOまたはSであり、好ましくはOである)で表される官能基を含むモノマーを意味する。
【0026】
詳しく述べると、アクリルモノマーには、アクリルモノマー類とメタクリルモノマー類が含まれている。ここで挙げることができる特定の例は、(メタ)アクリル酸類、(メタ)アクリル酸エステル類および(メタ)アクリロニトリルである。
【0027】
引用できるラテックスを製造するのに使用できる、少なくとも一つのウレイド官能基を担持するアクリルモノマーの例は、下記一般式(Ic):
【0028】
【化3】

【0029】
(式中、R4とR5は、独立して、水素;1〜6個の炭素原子を含有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、特にメチル、プロピルもしくはブチル;5〜8個の炭素原子を含有するシクロアルキル基;または6〜12個の炭素原子を含み、任意に1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基を担持するアリール基もしくはアラルキル基、特にフェニル、メチルフェニル、ベンジルもしくはメチルベンジルを表し、
A1は、2個もしくは3個の炭素原子を含有するアルキレン基、例えば-CH2-CH2-もしくは-CH(CH3)CH2-;2個もしくは3個の炭素原子を含有するオキシアルキレン、例えば-O-CH2-CH2-もしくは-O-CH(CH3)CH2-;または2個もしくは3個の炭素原子を含有するアミノアルキレン基、例えば-N-CH2-CH2-もしくは-N-CH(CH3)CH2-であり、
R1とR2は、独立して、水素;1〜6個の炭素原子を含有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基;5〜15個の炭素原子を含有するシクロアルキル基、例えばシクロヘキシル;5〜15個の炭素原子を含有するアリール基、例えばフェニル;または6〜12個の炭素原子を含有するアラルキル基、例えばメチルベンジルもしくはベンジルを表し、また、R1とR2は、2〜4個の炭素原子を含有しかつ任意に1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基、特にメチル、プロピルまたはブチルの一つまたは二つ以上を担持した線状アルキレン基、例えばエチレン、プロピレンまたはトリメチレンによって互いに接続されていてもよく、
R3は、水素;または1〜8個の炭素原子を含有しかつ任意にヘテロ原子特に酸素原子で中断もしくは置換されているアルキル基であり、そして
ZとXは独立してOまたはSであり、好ましくはOである)で表されるモノマー類である。
【0030】
好ましい実施態様では、少なくとも一つのウレイド官能基を担持する(メタ)アクリルモノマーは、下記一般式(Id):
【0031】
【化4】

【0032】
(式中、Rはメチル基であり、
A1、R1、R2、R3、ZおよびXは上記定義と同じある)で表されるモノマーである。
【0033】
引用できる少なくとも一つのウレイド官能基を担持するモノマーの特定の例は、下記の環(Ie):
【0034】
【化5】

【0035】
(式中、Aは、2〜4個の炭素原子を含み、かつ任意に1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基、特にメチル、プロピルもしくはブチルを担持するアルキレン基、例えばエチレン、プロピレンもしくはトリメチレンを表し、
XはOまたはSであり、好ましくはOである)を有するモノマー類である。
【0036】
環(Ie)中の一方の窒素原子は、重合可能なエチレン結合を担持する基に接続され、他方の窒素原子は、水素、またはメチロール基、アルコキシメチル基のような基もしくは1〜8個の炭素原子を含有するアルキル基に接続されている。
【0037】
本発明によれば、好ましい環は、下記の環:
【0038】
【化6】

【0039】
である。
【0040】
引用できる少なくとも一つの環式ウレイド官能基を担持するアクリルモノマーの好ましい例は、下記式(If):
【0041】
【化7】

【0042】
(式中、R4とR5は前記定義と同じであり、
AとA’は、2〜4個の炭素原子を含み、かつ任意に1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基、特にメチル、プロピルもしくはブチルを担持するアルキレン基、例えばエチレン、プロピレンもしくはトリメチレンを表し、
XはOまたはSであり、好ましくはOである)に相当するモノマー類である。
【0043】
引用できる、上記の式で表されるモノマーの例は、β-ウレイドエチルビニルエーテル、β-ウレイドエチルビニルスルフィド、β-チオウレイドエチルビニルエーテル、および以後、下記式(Ig):
【0044】
【化8】

【0045】
で表されるモノマーB1で示され、メタクリルアミドエチルエチレン尿素とも呼称されるN-(β-ウレイドエチル)アクリルアミドである。
【0046】
本発明に使用するラテックスを得るために、
a)モノマーの全重量の60〜99重量%の少なくとも一種のモノマーAであって、スチレンとその誘導体;ブタジエン;クロロプレン;(メタ)アクリル酸エステル類、例えばメタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル;(メタ)アクリル酸類、例えばアクリル酸、メタクリル酸;無水マレイン酸;ビニルエステル類、例えば酢酸ビニルもしくはバーサティック酸ビニル(vinyl versatate);ビニルニトリル類およびスルホン化モノマー類、例えばナトリウム-もしくはカリウム-1-アリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルスルホネート(COPS)、ナトリウム-もしくはカリウム-アリルスルホネート(MTAS)またはナトリウム-もしくはカリウム-アクリルアミドメチルプロパンスルホネート(AMPS)から選択されるモノマーA、および
b)全モノマー重量の0.1〜40重量%の、少なくとも一つのウレイド官能基を担持する(メタ)アクリルモノマー類から選択される少なくとも一種のモノマーB、特にメタクリルアミドエチルエチレン尿素、
を含んでもよいモノマーの混合物を使用する。
【0047】
本発明によるエチレン系不飽和モノマーAは、当業者にとって公知の方法を利用するラジカルエマルジョン経路で重合可能なモノマーである。引用できるこれらモノマーの特別な例は、下記式(IIa):
【0048】
【化9】

【0049】
(式中、Xd、X’dは、同じでも異なっていてもよく、H、アルキル基またはハロゲンを表し、
Vd、V’dは、同じでも異なっていてもよく、H;ハロゲン;または基R、OR、OCOR、NHCOH、OH、NH2、NHR、N(R)2、(R)2N+O-、NHCOR、CO2H、CO2R、CN、CONH2、CONHRもしくはCONR2(式中、Rは同じでも異なっていてもよく、任意に過フッ素化されかつ任意に1または2以上のカルボニル、カルボキシル、エポキシ、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、ハロゲンまたはスルホン基もしくはその塩の形で置換された、アルキル、アリール、アラルキル、アルカリール、アルケンおよびオルガノシリル基から選択される)を表し、
tは0または1である)に相当するモノマー類である。
【0050】
本発明を具体的に実施する際に使用されるモノマーは、好ましくは疎水性モノマーである。
【0051】
引用できる疎水性モノマーの具体例は、スチレンもしくはその誘導体、ブタジエン、クロロプレン、(メタ)アクリル酸エステル類、ビニルエステル類およびビニルニトリル類である。
【0052】
用語「(メタ)アクリル酸エステル類」は、アクリル酸およびメタクリル酸の、水素化もしくはフッ素化C1-C12アルコール好ましくはC1-C8アルコールによるエステル類を意味する。
【0053】
より詳しく述べると、ビニルニトリル類としては、3〜12個の炭素原子を含むもの、特にアクリロニトリルおよびメタクリロニトリルがある。スチレンは、例えばα-メチルスチレンまたはビニルトルエンのような誘導体と完全にまたは一部分取り替えることができることに留意すべきである。
【0054】
単独でもしくは混合物として使用できるかまたは上記モノマーと共重合できる特定の他のエチレン系不飽和モノマーは、下記のモノマー類である。すなわち、
ビニルカルボン酸エステル類、例えば酢酸ビニルまたはバーサティック酸ビニル、
ハロゲン化ビニル類、
ビニルアミンアミド類、
第二級、第三級もしくは第四級のアミノ基または窒素含有複素環基を含むエチレン系不飽和モノマー類である。例えばスルホプロピル(ジメチル)アミノプロピルアクリレートのような両性イオンモノマーも使用できる。
【0055】
例えば、親水性モノマー類、例えば:
エチレン系不飽和のモノ-およびジ-カルボン酸類、
引用されたタイプのジカルボン酸の、好ましくは1〜4個の炭素原子を含有するアルカノール類によるモノアルキルエステル類およびそのN-置換誘導体、
不飽和カルボン酸のアミド類、
スルホン酸基を有するエチレンモノマー類およびそのアルカリ塩類またはアンモニウム塩類、
不飽和カルボン酸のアミド類、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N-
メチロールアクリルアミドまたはN-メチロールメタクリルアミドまたはN-アクリルアミド類など
を使用できることに注目すべきである。
【0056】
好ましい実施態様には、下記式(IIb):
【0057】
【化10】

【0058】
(式中、XeとX’eは、同じでも異なっていてもよく、水素、1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基またはハロゲン、特にF、ClもしくはBrを表し、
VeとV’eは、同じでも異なっていてもよく、水素;ハロゲン、特にF、BrもしくはCl;または基R、CH2OR、OR、OCOR、NHCOH、OH、NH2、NHR、N(R)2、(R)2N+O-、NHCOR、CO2H、CO2R、CN、CONH2、CONHRもしくはCONR2(式中、Rは同じでも異なっていてもよく、任意に過フッ素化されかつ任意に1または2以上のカルボニル、カルボキシル、エポキシ、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、ハロゲンまたはスルホン基またはその塩の形で置換された、1〜12個の炭素原子を含有するアルキル基、アリール基、特にフェニル、アラルキル、アルカリール、アルケンおよびオルガノシリル基から選択される)に対応するエチレン系不飽和モノマーを挙げることができる。
【0059】
別の実施態様では、XeとVeは、2または3個の炭素原子を含有するアルキレン基、例えば場合によってはカルボニル基で置換されたエチレン、プロピレンまたはトリメチレンなどを通じて接続されていてもよい。
【0060】
エチレン系不飽和モノマーは、好ましくは、スチレンとその誘導体;ブタジエン;クロロプレン;(メタ)アクリル酸エステル類、例えばメタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシルなど;(メタ)アクリル酸類、例えばアクリル酸、メタクリル酸;無水マレイン酸;ビニルエステル類、例えば酢酸ビニル、バーサティック酸ビニル;ビニルニトリル類およびスルホン化モノマー類、例えばナトリウム-もしくはカリウム-1-アリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルスルホネート(COPS)、ナトリウム-もしくはカリウム-アリルスルホネート(MTAS)またはナトリウム-もしくはカリウム-アクリルアミドメチルプロパンスルホネート(AMPS)から選択できる。
【0061】
モノマーBは、重合されるモノマーの全重量の0.5〜20重量%の範囲の量で、特に1〜10重量%の範囲で、有利に使用される。
【0062】
本発明のラテックスは、以下に述べるように、当業者にとって公知の適切なエマルジョン重合法を使って得ることができる。
【0063】
本発明の重合反応は、ラジカル重合開始剤の存在下で行なわれる。
【0064】
この重合開始剤は、ラジカル重合に従来使用されている開始剤から選択できる。かかる重合開始剤としては、例えば以下の開始剤のうちの一つがある。
【0065】
過酸化水素類、例えばt-ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ペルオキシ酢酸t-ブチル、ペルオキシ安息香酸t-ブチル、ペルオキシオクタン酸t-ブチル、ペルオキシネオデカン酸t-ブチル、ペルオキシイソ酪酸t-ブチル、過酸化ラウロイル、ペルオキシピバル酸t-アミル、ペルオキシピバル酸t-ブチル、過酸化ジクミル、過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウムまたは過硫酸アンモニウム;
【0066】
アゾ化合物類、例えば2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-ブタンニトリル)、4,4’-アゾビス(4-ペンタン酸)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2-(t-ブチルアゾ)-2-シアノプロパン、2,2’-アゾビス[2-メチル-N-(1,1)-ビス(ヒドロキシメチル)-2-ヒドロキシエチル]プロピオンアミド、2,2’-アゾビス[2-メチル-N-ヒドロキシエチル]プロピオンアミド、2,2’-アゾビス(N,N’-ジメチレンイソブチルアミジン)ジクロリド、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)ジクロリド、2,2’-アゾビス(N,N’-ジメチレンイソブチルアミド)、2,2’-アゾビス(2-メチル-N-[1,1-ビス(ヒドロキシメチル)-2-ヒドロキシエチル]プロピオンアミド)、2,2’-アゾビス(2-メチル-N-[1,1-ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド)、2,2’-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]または2,2’-アゾビス(イソブチルアミド)ジヒドレートなど、
【0067】
組合せを含むレドックス系、例えば:
過酸化水素もしくは過酸化アルキル、過酸エステル類など、および任意の鉄塩もしくは第一チタン塩、ホルムアルデヒドスルホキシル酸亜鉛もしくはホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウムおよび還元糖類の混合物;
過硫酸、過ホウ酸もしくは過塩素酸のアルカリ金属塩もしくはアンモニウムと、例えばメタ重亜硫酸ナトリウムのような重亜硫酸アルカリ金属塩および還元糖類との混合物;
重亜硫酸アルカリ金属塩と、例えばベンゼンホスホン酸のようなアリールホスホン酸および還元糖類との混合物。
【0068】
重合反応は、常用の方法で実施される。
【0069】
重合反応は、アルコキシル化モノ-、ジ-もしくはトリ-アルキルフェノール類、アルコキシル化モノ-、ジ-もしくはトリ-スチリルフェノール類、アルコキシル化脂肪族アルコール類、C8-C12アルキルサルフェート類のアルカリ塩もしくはアンモニウム塩、硫酸化アルコキシル化脂肪族アルコールのセミエステル類、C12-C18アルキルエステルスルホネート類などから選択される非イオン系もしくはアニオン系界面活性剤の存在下で行われる。
【0070】
重合温度も常用の温度である。一例を挙げると、その温度は、50℃〜120℃の範囲内であり、特には70℃〜100℃の範囲内である。
【0071】
一般に、本質的にラテックスを構成しているポリマーまたは結合剤は、全ラテックス重量の30重量%〜60重量%である。
【0072】
本発明のラテックスは、被膜形成最低温度が0℃〜80℃の範囲内で、好ましくは0℃〜40℃の範囲内であり、また、ガラス転移温度が-20℃〜90℃の範囲内で、好ましくは10℃〜50℃の範囲内である。
【0073】
表面処理は、防水圧縮木材または防水天然原木について実施できる。防水木材は、原木を、脂肪質物質、特に合成脂肪質物質または植物もしくは動物が起源の脂肪質物質でバルク処理することによって得られる。
【0074】
防水木材は、例えば、木材に、植物油および/または動物もしくは鉱物由来の脂肪質物質を含浸させることからなる国際出願公開第WO96/038275号に記載の方法を利用して、天然原木から得ることができる。この点については、特に、飽和の、モノ不飽和のもしくはポリ不飽和の脂肪族アルコールと酸およびその誘導体例えばエステルもしくは無水物例えば無水マレイン酸を挙げることができる。かかる処理は、例えば国際出願公開第WO03/038275号に記載されている方法でもよい。この処理法は、好ましくは100℃と140℃の間の温度にて、酢酸/安息香酸の混成酸無水物以外の混成酸無水物をグラフトすることによって行われる。混成酸無水物は、例えば、酸塩化物とカルボン酸エステル、酸塩化物とカルボン酸塩または線状カルボン酸の無水物と脂肪酸から製造できる。上記国際出願公開第WO03/049913号に記載の方法も挙げることができる。
【0075】
本発明に従って処理できる原木は、一般に、ブナ、マツ、シポ(sipo)、オーク、パラ-パラ(ジャカランダ)、ミランティ(meranti)、キュルピクサ(curupixa)、ユーカリプタス(eucalyptus)およびタウアリ(tauari)から選択される。
【0076】
当業者であれば、本発明の組成物に、それを製造するのに必要な成分または添加剤を、選択された用途および木材にしたがって、いかに添加するかということについての知見を得るであろう。
【0077】
したがって、本発明の組成物は、例えば、可塑剤、シランおよび抗紫外線(UV)剤を下記の重量比率で含有していてもよい。
【0078】
a.ラテックス 89%-100%
b.可塑剤 0-5%
c.シラン 0-1%
d.抗紫外線剤 0-5%
【0079】
一般に、「可塑剤」は、ラテックスのガラス転移温度を低下させるために使用される水に少しまたはわずかに可溶性の液状化合物である。特に、イーストマン社(Eastman)が販売しているTexanol(登録商標)(イソ酪酸トリメチルヒドロキシペンチル)を挙げることができる。
【0080】
「抗紫外線」化合物は、一般に、透明性に優れ、可視光線と強い紫外線を吸収することを特徴とする無機または有機の化合物である。挙げることのできるその一例として、直径が約10 nmの酸化セリウムのナノ粒子を挙げることができる。
【0081】
シランは、特に、防水木材に対する接着性を短期間で強化できる。
【0082】
好ましくは、シランは、下記一般式:
【0083】
【化11】

【0084】
(式中、Rcは、1〜30個の炭素原子を含有しかつ任意に一つまたは二つ以上のヘテロ原子、特に酸素、硫黄もしくは窒素で置換および/または中断された直鎖状、分枝鎖状もしくは環式のアルキル基もしくはアルケン基;または5〜30個の炭素原子を含有し、かつ任意に一つもしくは二つ以上のヘテロ原子、特に酸素、硫黄もしくは窒素で置換および/または中断されたか、またはカルボニル基、カルボキシル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アミド基、ニトリル基、エポキシ基もしくはビニルもしくはアクリル官能基を含む基、特にメタクリル基またはウレイド基で置換された、アリール基もしくはアラルキル基を表し、
Rdは、水素、ORe、ORfまたは1〜5個の炭素原子を含有し、かつ任意に一つもしくは二つ以上のヘテロ原子、特に酸素もしくは窒素で置換および/または中断された直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基を表し、
ReとRfは、独立して水素、または1〜5個の炭素原子を含有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基を表し、
mは1〜3の範囲内である)で表される化合物である。
【0085】
特に、使用されるシランは、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランであってよい。
【0086】
さらに詳しく述べると、本発明のシランは、下記のものから選択できる。
オクチルトリエトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン
メチルトリメトキシシラン、
トリス-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]イソシアヌレート、
γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、
ビス-(3-[トリエトキシシリル]プロピル)ポリスルフィド、
ビス-(3-[トリエトキシシリル]プロピル)ジスルフィド、
γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、
γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、
N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、
ビス-[γ-(トリメトキシシリル)プロピル]アミン、
N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、
N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、
N-エチル-γ-アミノイソブチルトリメトキシシラン、
4-アミノ-3,3-ジメチルブチルトリメトキシシラン、
4-アミノ-3,3-ジメチルブチルメチルジメトキシシラン、
γ-ウレイドプロピルトリアルコキシシラン、
γ-ウレイドプロピルトリメキシシラン、
γ-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、
γ-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、
β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、
γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、
γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、
ビニルトリメトキシシラン、
ビニルトリス-(2-メトキシエトキシ)シラン、
ビニルメチルジメトキシシラン、
ビニルトリイソプロポキシシラン、
γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
γ-メタクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、および
γ-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン。
【0087】
第二の側面で、本発明は、本発明の水性分散液を使って得られるリグノセルロース材料、好ましくは防水木材に関する。
【0088】
下記の実施例は、本発明をその範囲を限定せずに例示するものである。これら実施例は、同じ条件下であるが、モノマーB1なしで合成した対照試料と比べて、湿潤および乾燥のサイクルの後、接着性が本発明のラテックスによって強化されることを示している。
【実施例】
【0089】
実施例1:本発明によるラテックスの合成
ラテックスA(本発明による)
水3000 g、アニオン界面活性剤53.5 gおよびスルホン化された共重合可能なモノマー100 gを、容積が25 lのステンレス鋼製反応器に装填した。同時に、水3840 g、同じアニオン界面活性剤100 gとアクリル酸100 g、モノマーB1 160 g、メタクリル酸メチル4550 gおよびアクリル酸2-エチルヘキシル3450 gを混合することによってエマルジョンを調製した。このエマルジョンの7.5%を反応器中に入れた。次いで、反応器を80℃に加熱した。残りのエマルジョンと過硫酸塩の水溶液(水500 g当たり5 gの過硫酸アンモニウム)を、6.5時間かけて加えた。これらの投入に続いて、温度を80℃に1時間保持し、次いでそのラテックスを放冷した。アンモニアを添加することによってpHを8にした。
【0090】
ラテックスA(対照)
モノマーB1を除外したことを除いて、上記と同じ方法及び同じモノマー組成物を使用した。
【0091】
ラテックスB(本発明による)
水3000 g、アニオン界面活性剤53.5 gおよびスルホン化された共重合可能なモノマー100 gを、容積が25 lのステンレス鋼製反応器に装填した。同時に、水3840 g、同じアニオン界面活性剤100 gとアクリル酸100 g、モノマーB1 160 g、メタクリル酸メチル4000 g およびアクリル酸2-エチルヘキシル4000 gを混合することによってエマルジョンを調製した。このエマルジョンの7.5%を反応器中に入れた。次いで、反応器を80℃に加熱した。残りのエマルジョンと過硫酸塩の水溶液(水500 g当たり5 gの過硫酸アンモニウム)を、6.5時間かけて加えた。これらの投入に続いて、温度を80℃に1時間保持し、次いでそのラテックスを放冷した。アンモニアを添加することによってpHを8にした。
【0092】
ラテックスB(対照)
モノマーB1を除外したことを除いて、上記と同じ方法及び同じモノマー組成物を使用した。
【0093】
実施例2
本発明のラテックスを含有するワニスのコートの木材に対する接着性を、ウレイド基を含有しないラテックスと比較することによって定量化することを目的として実験を行った。
【0094】
下記の木材を使用した。
オーク、
シポ、
マツ、
ブナ、
脂肪質物質で処理した原木(防水木材を意味する)。
【0095】
上記したように、処理は、例えば国際出願公開第WO03/084723号に記載されているようにして行った。なお、この処理法は、酢酸/安息香酸混成酸無水物以外の炭化水素連鎖を含む混成酸無水物でグラフトすることによって実施する方法である。
【0096】
接着性は、カッターを使って十字の切込みを被膜に作って行うクロスカット試験法を利用して評価した。細長い接着テープを貼り付け次いで引き剥がし、コーティングの接着していない部分を持ち上げる。試験結果は、International standard ISO 2409 of November 1994を利用して評価した。
【0097】
接着性試験は、シランミスト型チャンバー内で木材の厚板を各種期間コンディショニングした後に実施した。シランミスト型チャンバーは、当初、金属材料の腐食状態を評価するための老化加速チャンバーであった。このチャンバーの作動条件は以下のとおりであった。すなわち、チャンバー内の試験温度は50℃であった;試料は食塩水のミスト(NaClの濃度は5.3 g/lに調節した)にさらされた;試料は、試験するコーティングを有する面を上に向けて平らにおいた。
【0098】
さらに、試験木材片の一面のみを処理した。その結果、処理されていない他の5つの面を通じて水が浸入して、水による膨潤現象が目立った。
【0099】
用語「被膜」は、結合剤の懸濁液(自体)を厚さ300μm(湿潤厚さ)で塗布し乾燥したものを意味する。
【0100】
用語「ワニス」は、結合剤が下記配合(表1)で含有されているものを意味する。
【0101】
【表1】

【0102】
下記の実施例では、試験結果は0〜5の範囲の整数で表され、5はラテックスの接着性が劣っていることを意味し、そして0はラテックスの接着性がより優れていることを意味する。
【0103】
これら実施例のラテックスの特徴を下記の表2に示す
【0104】
【表2】

【0105】
実施例 2.1
ラテックスまたはワニスの被膜を、補助添加剤を添加することなく塗布した。
【0106】
試験結果を下記の表3に示す。
【0107】
【表3】

【0108】
これら試験結果は、本発明のラテックスAが重要であることを明確に示している。ラテックスCも良好な挙動を示したが、塗布時に、ディウエッティング現象を起こすという問題点を示した。モノマー「モノマーB1」が存在していることが重要であることを明確に示すために、各種木材について下記の比較試験を行った。
【0109】
実施例 2.2
試験結果を表4〜表6に(食塩水ミストチャンバー内での老化期間の関数として)示す。
【0110】
これらラテックスは、被膜の耐久性を強化できる他の薬剤(シランまたは無機の抗紫外線剤)と組み合わせてモノマーB1の存在の関数として比較した。
【0111】
これら試験結果は、モノマーB1を含有するラテックスが各種木材に対する乾燥接着性と湿潤接着性について優れていることを明確に示している。エポキシシランを添加すると、特に防水木材に対する接着性が短時間のうちに増大する。
【0112】
【表4】

【0113】
【表5】

【0114】
【表6】

【0115】
少なくとも一つのウレイド官能基を担持するモノマーがラテックス中に存在すると、防水木材が長期間湿潤状態にあるときに有利である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのウレイド官能基を含む少なくとも一種のアクリルモノマーBを含むモノマー混合物をエマルジョン重合させることによって得られた少なくとも一種のラテックスを含む水性分散液の、防水木材の表面処理における使用。
【請求項2】
前記モノマー混合物が、スチレンもしくはその誘導体、ブタジエン、クロロプレン、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸類、無水マレイン酸、ビニルエステル類、ビニルニトリル類およびスルホン化モノマー類から選択される少なくとも一種のモノマーAを含むことを特徴とする請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記モノマーAが、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル、バーサティック酸ビニル、1-アリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウムもしくはカリウム(COPS)、アリルスルホン酸ナトリウムもしくはカリウム(MTAS)およびアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸ナトリウムもしくはカリウム(AMPS)から選択されることを特徴とする請求項2に記載の使用。
【請求項4】
ウレイド官能基を含むアクリルモノマーBが、下記一般式If
【化1】

(式中、R4及びR5は、独立して、水素;1〜6個の炭素原子を含有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、特にメチル、プロピルもしくはブチル;5〜8個の炭素原子を含有するシクロアルキル基;または6〜12個の炭素原子を含有しかつ任意に1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基を担持するアリール基もしくはアラルキル基、特にフェニル、メチルフェニル、ベンジルもしくはメチルベンジルを表し、
A及びA’は、独立して、2〜4個の炭素原子を含有しかつ任意に1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基を担持するアルキレン基を表し、
Xは酸素原子または硫黄原子である)で表されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
少なくとも一つのウレイド官能基を含むアクリルモノマーBが、前記式If(式中、R4及びR5はそれぞれ水素およびメチル基を表し、そしてA及びA’は、独立して、エチレン、プロピレン、イソプロピレンまたはトリメチレン基を表す)で表されることを特徴とする請求項4に記載の使用。
【請求項6】
少なくとも一つのウレイド官能基を含むアクリルモノマーBが、下記式(Ig):
【化2】

で表されるメタクリルアミドエチルエチレン尿素であることを特徴とする請求項4に記載の使用。
【請求項7】
モノマーAが、全モノマー混合物の重量の60〜99重量%を占めることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
a)モノマー混合物の全重量の60〜99重量%の少なくとも一種のモノマーAであって、スチレンとその誘導体;ブタジエン;クロロプレン;(メタ)アクリル酸エステル類、例えばメタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル;(メタ)アクリル酸類、例えばアクリル酸、メタクリル酸;無水マレイン酸;ビニルエステル類、例えば酢酸ビニル、バーサティック酸ビニル;またはビニルニトリル類およびスルホン化モノマー類から選択されるモノマーA、ならびに
b)モノマー混合物の全重量の0.1〜40重量%の少なくとも一種のモノマーBであって、ウレイド官能基を含む(メタ)アクリルモノマー類から選択される少なくとも一種のモノマーB、
を含むモノマー混合物をエマルジョン重合することによって得られた少なくとも一種のラテックスを含む水性分散液の、木材の表面処理における使用。
【請求項9】
少なくとも一つのウレイド官能基を含むモノマーBが、モノマー混合物の全重量の0.1〜40重量%を占め、好ましくは0.5〜20重量%を占めることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の使用。
【請求項10】
前記ラテックスの最低被膜形成温度(MFFT)が、0〜80℃の範囲内であり、好ましくは0〜40℃の範囲内であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の使用。
【請求項11】
前記ラテックスのガラス転移温度が、-20〜90℃の範囲内であり、好ましくは10〜50℃の範囲内であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の使用。
【請求項12】
処理される木材が圧縮木材または天然原木であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の使用。
【請求項13】
前記原木が、ブナ、マツ、シポ、オーク、パラ-パラ(ジャカランダ)、ミランタイ、キュルピクサ、ユーカリプタスおよびタウアリから選択されることを特徴とする請求項12に記載の使用。
【請求項14】
防水木材が、植物由来の合成脂肪質物質または動物由来の脂肪質物質を使って原木をバルク処理することによって得られることを特徴とする請求項12に記載の使用。
【請求項15】
組成物が、可塑剤、シランおよび抗紫外線剤をさらに含んでいることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の使用。
【請求項16】
ラテックス、可塑剤、シランおよび抗紫外線剤の混合物が、下記の重量比率:
ラテックス 89〜100%
可塑剤 0〜5%
シラン 0〜1%
抗紫外線剤 0〜5%
を有していることを特徴とする請求項15に記載の使用。
【請求項17】
シランがγ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランであることを特徴とする請求項15又は16に記載の使用。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の水性分散液を使用して得られた防水木材。

【公表番号】特表2009−506186(P2009−506186A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−528551(P2008−528551)
【出願日】平成18年8月30日(2006.8.30)
【国際出願番号】PCT/FR2006/002008
【国際公開番号】WO2007/026074
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(507343589)
【Fターム(参考)】