説明

少なくとも一つのシリコーンポリアミドポリマーで構造化された少なくとも一つのオイル、及び少なくとも一つのゲル化剤を含む組成物、並びにその使用方法。

1)重量平均分子量が500〜500000の範囲であり、
部分鎖中にまたはグラフトの形でオルガノシロキサン1〜1000単位からなる少なくとも1個のポリオルガノシロキサン基、ならびに
水素間相互作用を確立することができ、エステル基、アミド基、スルホンアミド基、カルバマート基、チオカルバマート基、尿素基、チオ尿素基、オキサミド基、グアナミド基、ビグアニジノ基、およびそれらの組合せから選択した少なくとも2個の基であるが、ただし基の少なくとも1個はエステル基ではない基
を含む少なくとも1個の部分を含むポリマー(ホモポリマーまたはコポリマー)であって、
25℃で固体であり25〜250℃の温度では前記オイルに可溶性であるポリマーからなる少なくとも一つの構造化ポリマーで構造化された少なくとも一つのオイル、ならびに
2)少なくとも1種の液体脂肪相のためのゲル化剤
を含む少なくとも1種の液体脂肪相を含む組成物であって、
前記少なくとも一つのオイルを含む少なくとも一つの液体脂肪相が、前記構造化ポリマー及び/または前記ゲル化剤と親和性を有し、
前記液体脂肪相、構造化ポリマー、及びゲル化剤が、生理的に許容される媒体を形成する組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭皮を含む皮膚、及び/または人の唇、及び/またはケラチン繊維のようなケラチン物質のための、特定のポリマーで構造化された液体脂肪相を含むケア及び/または処理及び/またはメイクアップ組成物に関する。
【0002】
この組成物は、経時的に安定であることができ、口紅のようなメイクアップ用のスティックの形態で存在しても良く、その適用は良好な維持力または長期装着特性を有する光沢のある沈着物を生ずることができる。
【背景技術】
【0003】
化粧品製品または皮膚科学製品において構造化した、即ちゲル化及び/または硬直化した脂肪相を見出すことは一般的である;これは特に、脱臭剤、リップクリーム、口紅、コンシーラー製品、アイシャドウ、及びキャストファンデーションのような固形組成物において当てはまる。この構造化は、ワックス及び/またはフィラーの補助で得られて良い。残念ながらこれらのワックス及びフィラーは、組成物を光沢なくする傾向を有し、それは特に口紅またはアイシャドウについて常に所望されるものではない。消費者は常に、良好な維持力または長期装着特性を有するフィルムを沈着できるが、更により光沢のあるスティック形態の口紅について所望している。
【0004】
液体脂肪相の構造化は、特に厚く湿った地域において、特に固形成分からの浸出(またはシネレシス)を制限することが可能であり、更に皮膚または唇への沈着後、特に口紅またはアイシャドウにおいて所望される特徴であるしわ及び小じわへのこの相の移動を制限することが可能である。この理由は、特に着色剤を配合した場合に、液体脂肪相のかなりの移動が、唇または眼の周辺の好ましくない外観を導く可能性があり、しわ及び小じわを特に目立たせるためである。消費者はしばしば、この移動を従来の口紅及びアイシャドウの主な欠点であると主張している。用語「移動」は、初期の適用部位を越えた組成物の移動を意味する。
【0005】
口紅または他の化粧品の光沢は一般的に、液体脂肪相の性質と関連している。かくして、口紅も光沢を増大するために、組成物中のワックス及び/またはフィラーの量を減少することが可能であるが、その場合液体脂肪相の移動が増大するであろう。言い換えると、室温でにじまない適度な硬度のスティックを調製するために必要とされるワックス及びフィラーの量は、沈着物の光沢に対する制限因子である。
【0006】
これらの欠点の少なくとも一つを解消するために、ワックス及び/またはフィラーの全てまたはある部分を、液体脂肪相を構造化するためのシリコーンポリアミドタイプのポリマーで置換することが考慮されている。残念ながら得られたスティックは、機械的または熱的に安定ではない。
【0007】
更にメイクアップ組成物は、経時的に良好な維持力または長期装着特性を有するべきであり、即ち経時的に色の変色または変化がほとんどなく、または経時的に沈着物の段階的または均一な変化がほとんどなければならない。沈着物の色の変色または変化は、口紅については、唾液との相互作用で生ずるかもしれず、ファンデーション及びアイシャドウについては、皮膚によって分泌される汗及び皮脂との相互作用で生ずるかもしれない。
【0008】
更に、メイクアップまたはケア組成物の大部分は、皮膚、睫毛、または唇に適用される場合、移りという欠点、即ちそれらが特にガラス、カップ、タバコ、洋服または皮膚の一部と接触する際の特定の基体に少なくとも部分的に沈着し跡を残すことを示す。これは、適用された皮膜の平凡な永続性を生じ、特にファンデーションまたは口紅組成物である組成物の適用の規則的な再適用を必要とする。この点で、今日のユーザーの希望は、唇を含む顔及び身体を美化する一方で、そうするために少なくとも考えられる時間を消費している。更に、特にブラウスの襟に残るこれらの許容しがたい跡の出現は、このタイプのメイクアップを使用することをある範囲の女性に思い留まらせ得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
かくして、前述の欠点を少なくとも一つを有さず、暑い環境でさせ経時的に良好な安定性を有し、経時的に良好な維持力または長期装着性を示し、光沢のある外観を有する皮膚または唇上の沈着物を生産する組成物について需要が存在している。更にこの組成物は、製造が容易であり、適用の間及び経時的に、沈着物に乾いた感覚を与えるものではないはずである。
【0010】
本発明の一つの主題は、上述の欠点を少なくとも一つを解消することが可能である、皮膚、及び/または顔の唇、及び/または表面上の身体成長部、即ち爪またはケラチン繊維のようなケラチン物質に対するケア、及び/またはメイクアップ、及び/または処理組成物である。
【0011】
本発明者は、驚くべきことに、液体脂肪相のための少なくとも一つのゲル化剤と組み合わせた、少なくとも一つの特定のポリマーの使用が、顕著な化粧特性を有する、唇に適用して沈着物を生ずるスティックを得ることを可能にすることを見出した。特にこの沈着物は、光沢のある、柔軟で、快適で、及び「移動耐性」の少なくとも一つを達成できる。
【0012】
更に前記組成物は、室温(25℃)並びに高温(典型的に47℃)で経時的に安定であることができる。用語「安定」は、硬くて特に室温(25℃)及び47℃で少なくとも一ヶ月間経時的に崩壊しない組成物、特にスティックを指す。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、口紅、リップクリーム、及びリップペンシルのような唇のためのメイクアップ製品だけでなく、頭皮を含む皮膚及び唇のためのケア及び/又は処理製品、例えばスティック形態のような人の顔、身体、または唇のための抗日光ケア製品、ファンデーション、任意にスティックまたはディッシュ形態のキャスト、コンシーラー製品、ブラシャー、アイシャドウ、フェイスパウダー、トランスファータトゥー脱臭剤のような身体衛生製品(即ちケラチン物質のケア、メイクアップ、または処理に関連しない製品)、例えばスティック形態のもの、シャンプー、コンディショナーのような人の顔及び身体の両者の皮膚のためのメイクアップ製品、アイライナー、アイペンシル、及びマスカラのような眼のためのメイクアップ製品、例えば固体形態のもの、並びに表面上の身体成長部、例えば毛髪、睫毛、及び眉毛、または爪のようなケラチン繊維のためのメイクアップ及びケア製品にも適用される。
【0014】
本発明の別の特徴点は、(i)500から500000の範囲の重量平均分子量を有するポリマー(ホモポリマーまたはコポリマー)からなる少なくとも一つの構造化ポリマーで構造化された少なくとも一つのオイルであって、前記ポリマーは少なくとも一つの以下の部分:
− 前記部分の鎖において、またはグラフトの形態で、1から1000のオルガノシロキサンユニットからなる少なくとも一つのポリオルガノシロキサン基;及び
− エステル、アミド、スルホンアミド、カルバマート、チオカルバマート、ウレア、チオウレア、オキサミド、グアナミド、及びビグアニジノ基、並びにそれらの組合せから選択される、水素間相互作用を確立可能な少なくとも二つの基であって、前記基の少なくとも一方はエステル基以外である基
を含み、25℃で固体であり、25から250℃の温度で前記オイルに可溶性であるポリマーで構造化されたオイル;及び
(ii)液体脂肪相のための少なくとも一つのゲル化剤
を含む、少なくとも一つの液体脂肪相を含む組成物であって、
前記少なくとも一つの液体脂肪相は、前記構造化ポリマー、及び/またはゲル化剤と親和性を有する少なくとも一つのオイルを含み、
前記液体脂肪相、前記ポリマー、及び前記ゲル化剤は、生理学的に許容可能な媒体を形成する組成物である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の組成物で構造化剤として使用されるポリマーは、文献US-A-5874069、US-A-5919441、US-A-6051216、US-A-5981680、及びUS6051216に記載されたもののような、ポリオルガノシロキサンタイプのポリマーである。言うまでもなく、これらの文献は、脱臭剤及び発汗抑制剤組成物として特に扱われている。
【0016】
用語「ポリマー」は、本発明の意味において、少なくとも2の同一の繰り返しユニット、好ましくは3の同一のユニットを有する化合物を意味するように解される。
【0017】
ここで使用される用語「ゲル化剤」は、液体脂肪相の粘度を増大し、前記脂肪層に導入された場合に固体または流動可能な組成物を導く化合物を意味する。本発明に係るゲル化剤は、それがワックス状ではないという意味でワックスを包含しない。
【0018】
本発明に係るゲル化剤は好ましくは、化学的な網状化を介してゲル化する薬剤、特にシリコーン樹脂;物理的な網状化、特に分子混合、水素間相互作用、配列不適合性、または双極性相互作用を介してゲル化する薬剤、並びに液晶基を有する脂溶性ポリマーからなる群から選択される。
【0019】
ここで使用される用語「少なくとも一つ」は一つ以上を意味し、かくして個々の成分、並びに混合物/組合せを含む。
【0020】
ここで使用される用語「親和性」は、構造化ポリマーの溶融温度または軟化温度より高温で、及び/またはゲル化剤が鉱物形態ではない場合、ゲル化剤の溶融温度または軟化温度より高温で、前記ポリマー及び/またはゲル化剤が前記少なくとも一つのオイルに溶解することを意味する。
【0021】
本発明の目的のため、用語「液体脂肪相」は、オイルとも称される室温で液体であり、一般的に相互に混和可能である、即ち巨視的に均一な相を形成する一つ以上の脂肪物質からなる、室温(25℃)且つ大気圧(760mmHg、即ち101kPa)で液体である脂肪相を意味する。
【0022】
本願の目的のため、用語「構造化された液体脂肪相」は、構造化された相が指の間で滑らず、少なくとも増粘されていることを意味する。
【0023】
液体脂肪相を構造化するポリマーは、室温(25℃)且つ大気圧(760mmHg)で固体であり、25から250℃で前記オイルに可溶性である。
【0024】
本発明に係る組成物では、前記構造化ポリマーは、組成物の全重量の0.5から80重量%、好ましくは2から60重量%、より好ましくは5から40重量%を占める。
【0025】
更に前記構造化ポリマーは好ましくは、液体脂肪相に含まれるオイルと共にゲル化剤の0.1から50重量%を占める。
【0026】
前記液体脂肪相は、少なくとも一つのシリコーンオイルを含んでも良い。
【0027】
前記液体脂肪相は好ましくは、少なくとも30重量%、より好適には少なくとも40重量%のシリコーンオイルを含む。
【0028】
本発明の組成物は、ペースト状、固体、または多かれ少なかれ粘性のクリームの形態で存在できる。それは水中油型または油中水型エマルション、あるいは油中水中油型エマルションまたは水中油中水型エマルションのような短相または複相エマルション、あるいは油性連続相を含む硬いまたは柔らかいゲルであることができる。例えば前記液体脂肪相は、組成物の連続相であることができる。一つの実施態様では、前記組成物は無水物である。一つの実施態様では前記組成物は、例えば固体のスティックまたはディッシュとしてのキャストの形態であり、更には例えば無水ゲル、例えば無水スティックのような油性の硬いゲルの形態である。更なる実施態様では、前記組成物は、不透明のまたは半透明のゲル(顔料の存在または不存在に依存して)の形態であり、特定の実施例では、前記液体脂肪相は連続相を形成する。一つの実施態様では、前記組成物は成型及び流動スティックから選択される。
【0029】
前記液体脂肪相の構造化は、使用される構造化ポリマー及びゲル化剤の性質に依存して変えることができ、スティックの形態の硬い構造が得られるようにされても良い。これらのスティックが着色されている場合、それらは適用後に、移動せず、及び/または特に経時的な色の良好な維持力を有し、及び/または移ることのない、光沢のある沈着物を得ることが可能である。
【0030】
本発明の組成物は、唇のための組成物、例えばスティックの形態の口紅組成物、または皮膚のための組成物、例えばファンデーションであることができる。
【0031】
構造化ポリマー
本発明によれば、構造化ポリマーとして使用されるポリマーは以下の2つのファミリに属してよい:
1)水素間相互作用を確立することができる少なくとも2個の基を含むポリオルガノシロキサンであって、これらの2個の基がポリマー鎖中に位置しているポリオルガノシロキサン、および/または
2)水素間相互作用を確立することができる少なくとも2個の基を含むポリオルガノシロキサンであって、これらの2個の基がグラフト上または分枝上に位置しているポリオルガノシロキサン。
【0032】
前記ポリマーは、オイルに溶解できてもできなくとも良い。オイルが構造化ポリマーでの水素間相互作用を確立していない場合、分子間のポリマー水素間相互作用を破壊するために、構造化ポリマーをその軟化温度または溶融温度より高温に加熱することが必要であっても良い。オイルが構造化ポリマーでの水素間相互作用を確立していない場合、本発明に係るオイルの存在下に構造化ポリマーを配置する前に、ポリマーの水素間相互作用を破壊可能な水素間相互作用を有する溶媒、例えばCからCの低級アルコール、特にエタノール、n-プロパノール、またはイソプロパノールに事前に構造化ポリマーを溶解することが必要であっても良い。共溶媒として、これらの水素間相互作用を「破壊する」溶媒を使用することも可能である。次いでこれらの溶媒は、組成物中に貯蔵されても良く、当業者に周知の選択的な蒸発によって除去されても良い。
【0033】
前記オイルが構造化ポリマーと水素間相互作用を確立する場合、構造化ポリマーは、室温からその遷移温度(即ち軟化温度または溶融温度)の範囲の温度でオイルに溶解できる。
【0034】
水素間相互作用を確立することができる2個の基をポリマー鎖中に含むポリマーは、次式に相当する少なくとも1個の部分を含むポリマーであってよい。
【化1】

[式中、
1)R1、R2、R3、およびR4は、同一でも異なっていてもよく、以下から選択した基を表し、
- その鎖中に1個または複数の酸素、硫黄、および/または窒素原子を含むことができ、かつ部分的にまたは完全にフッ素原子で置換されていてよい直鎖、分枝、または環状、飽和または不飽和C1〜C40炭化水素系基、
- 1個または複数のC1〜C4アルキル基で場合によっては置換されているC6〜C10アリール基、
- 1個または複数の酸素、硫黄、および/または窒素原子を含むことができるポリオルガノシロキサン鎖、
2)基Xは、同一でも異なっていてもよく、その鎖中に1個または複数の酸素および/または窒素原子を含むことができる直鎖または分枝C1〜C30アルキレンジイル(alkylenediyl)基を表し、
3)Yは、飽和または不飽和C1〜C50直鎖または分枝二価のアルキレン基、アリーレン基、シクロアルキレン基、アルキルアリーレン基、またはアリールアルキレン基であって、1個または複数の酸素、硫黄、および/または窒素原子を含むことができ、かつ/または以下の原子または原子群の1個を置換基として有する基:フッ素、ヒドロキシル、C3〜C8シクロアルキル、C1〜C40アルキル、C5〜C10アリール,1〜3個のC1〜C3アルキル基で場合によっては置換されているフェニル、C1〜C3ヒドロキシアルキル、およびC1〜C6アミノアルキル、あるいは
4)Yは、次式に相当する基を表し、
【化2】

(式中、
- Tは、直鎖または分枝、飽和または不飽和C3〜C24三価または四価の炭化水素系基であって、ポリオルガノシロキサン鎖で場合によっては置換されており、かつO、N、およびSから選択した1個または複数の原子を含むことができる基を表し、あるいはTはN、P、およびAlから選択した三価の原子を表し、かつ
- R5は、直鎖または分枝C1〜C50アルキル基またはポリオルガノシロキサン鎖であって、1個または複数のエステル基、アミド基、ウレタン基、チオカルバマート基、ウレア基、チオウレア基、および/またはスルホンアミド基を含むことができ、別のポリマー鎖と結合させることができる基または鎖を表す)
5)基Gは、同一でも異なっていてもよく、以下から選択した二価の基を表し、
【化3】

(式中、R6は、ポリマーの基R6の少なくとも50%が水素原子に相当し、かつポリマーの基Gの少なくとも2個が次の基以外の基であるという条件で、水素原子あるいは直鎖または分枝C1〜C20アルキル基を表す)
【化4】

6)nは、2〜500の範囲の整数であり、2〜200が好ましく、mは、1〜1000の範囲の整数であり、1〜700が好ましく、6〜200がより好ましい]
【0035】
本発明によれば、ポリマーの基R1、R2、R3、およびR4の80%は、メチル、エチル、フェニル、および3,3,3-トリフルオロプロピル基から選択することが好ましい。
【0036】
本発明によれば、Yは、様々な二価の基を表すことができ、さらにポリマーまたはコポリマーの他の部分との結合を確立するために1個または2個の自由原子価を場合によっては含む。Yは、以下から選択した基を表すことが好ましい:
a)直鎖C1〜C20、好ましくはC1〜C10アルキレン基、
b)環および非共役不飽和体を含んでよいC30〜C56分枝アルキレン基、
c)C5〜C6シクロアルキレン基、
d)1個または複数のC1〜C40アルキル基で場合によっては置換されているフェニレン基、
e)1〜5個のアミド基を含むC1〜C20アルキレン基、
f)ヒドロキシル基、C3〜C8シクロアルカン基、C1〜C3ヒドロキシアルキル基、およびC1〜C6アルキルアミン基から選択した1個または複数の置換基を含むC1〜C20アルキレン基、
g)次式のポリオルガノシロキサン鎖、
【化5】

(式中、R1、R2、R3、R4、T、およびmは、先に定義した通りである)および
h)次式のポリオルガノシロキサン鎖。
【化6】

(式中、R1、R2、R3、R4、T、およびmは、先に定義した通りである)。
第2ファミリのポリオルガノシロキサンは、式(II)に相当する少なくとも1個の部分を含むポリマーでよい。
【化7】

[式中、
- R1およびR3は、同一でも異なっていてもよく、式(I)について先に定義した通りである、
- R7は、R1およびR3について先に定義した基を表し、または式-X-G-R9(式中、XおよびGは、式(I)について先に定義した通りであり、かつR9は、水素原子、あるいはその鎖中にO、S、およびNから選択した1個または複数の原子を場合によっては含み、1個または複数のフッ素原子ならびに/あるいは1個または複数のヒドロキシル基で場合によっては置換されている直鎖、分枝、または環状、飽和または不飽和C1〜C50炭化水素系基、あるいは1個または複数のC1〜C4アルキル基で場合によっては置換されているフェニル基を表す)の基を表し、
- R8は、式-X-G-R9(式中、X、G、およびR9は、先に定義した通りである)の基を表し、
- m1は、1〜998の範囲の整数であり、かつ
- m2は、2〜500の範囲の整数である]
【0037】
本発明によれば、構造化ポリマーとして使用するポリマーは、ホモポリマー、すなわちいくつかの同一部分、特に式(I)または式(II)の部分を含むポリマーであってよい。
本発明によれば、式(I)のいくつかの異なる部分を含むコポリマーからなるポリマー、すなわち基R1、R2、R3、R4、X、G、Y、m、およびnの少なくとも1つが部分の1個の中で異なるポリマーを使用することもできる。コポリマーは、式(II)のいくつかの部分から形成することもでき、その際基R1、R3、R7、R8、m1、およびm2の少なくとも1つは部分の少なくとも1個の中で異なる。
式(I)の少なくとも1個の部分、および式(II)の少なくとも1個の部分を含むコポリマーを使用することもでき、式(I)の部分および式(II)の部分は互いに同一であっても、または異なってもよい。
【0038】
本発明の一変形形態によれば、さらに、水素間相互作用を確立することができ、エステル基、アミド基、スルホンアミド基、カルバマート基、チオカルバマート基、ウレア基、チオウレア基、オキサミド基、グアニジノ基、ビグアニジノ基、およびそれらの組合せから選択した2個の基を含む、少なくとも1個の炭化水素系部分を含むコポリマーを使用することもできる。これらのコポリマーは、ブロックコポリマーまたはグラフトコポリマーであってよい。
【0039】
本発明の第1の実施形態によれば、水素間相互作用を確立することができる基は、式-C(O)NH-および-HN-C(O)-のアミド基である。
この場合は、構造化ポリマーは、式(III)または(IV)の少なくとも1個の部分を含むポリマーでよい:
【化8】

(式中、R1、R2、R3、R4、X、Y、m、およびnは、先に定義した通りである)
【0040】
そのような部分は、以下のどれかによって得ることができる。
- 以下の反応式によるα,ω-カルボン酸末端および1個または複数のジアミンを含むシリコーン間の縮合反応:
【化9】

- 以下の反応式によるα-不飽和カルボン酸とジアミンの2個の分子の反応:
CH2=CH-X1-COOH + H2N-Y-NH2
CH2=CH-X1-CO-NH-Y-NH-CO-X1-CH=CH2
とそれに続く、以下の反応式によるエチレン的不飽和体へのシロキサンの添加:
CH2=CH-X1-CO-NH-Y-NH-CO-X1-CH=CH2
【化10】

[式中、X1-(CH2)2-は、先に定義したXに相当し、Y、R1、R2、R3、R4、およびmは先に定義した通りである]
-または以下の反応式による、α,ω-NH2末端を含むシリコーンと式HOOC-Y-COOHの二酸の反応:
【化11】

式(III)または(IV)のこうしたポリアミドでは、mは1〜700の範囲であることが好ましく、15〜500であることがより好ましく、15〜45であることがさらに好ましく、nは特に1〜500の範囲であり、1〜100であることが好ましく、4〜25であることがさらに好ましく、
- Xは、1〜30個の炭素原子、特に3〜10個の炭素原子を含む直鎖または分枝アルキレン鎖であることが好ましく、かつ
- Yは、1〜40個の炭素原子を含む、特に1〜20個の炭素原子、より好ましくは2〜6個の炭素原子、特に6個の炭素原子を含む、直鎖または分枝であるアルキレン鎖、あるいは環および/または不飽和を含み得るアルキレン鎖であることが好ましい。
【0041】
式(III)および(IV)では、XまたはYを表すアルキレン基は、そのアルキレン部分に以下の要素の少なくとも1つを場合によっては含むことができる:
1)1〜5個のアミド基、ウレア基、またはカルバマート基、
2)C5またはC6シクロアルキル基、および
3)1〜3個の同一または異なるC1〜C3アルキル基で場合によっては置換されているフェニレン基。
【0042】
式(III)および(IV)では、アルキレン基は、以下からなる群から選択した少なくとも1要素で置換することもできる:
- ヒドロキシル基、
- C3〜C8シクロアルキル基、
- 1〜3個のC1〜C40アルキル基、
- 1〜3個のC1〜C3アルキル基で場合によっては置換されているフェニル基、
- C1〜C3ヒドロキシアルキル基、および
- C1〜C6アミノアルキル基。
【0043】
これらの式(III)および(IV)では、Yは以下を表してもよい:
【化12】

[式中、R5は、ポリオルガノシロキサン鎖を表し、Tは次式の基を表す:
【化13】

(式中、a、b、およびcは、それぞれ独立に1〜10の範囲の整数であり、R10は水素原子あるいはR1、R2、R3、およびR4について定義した基などの基である)]
【0044】
式(III)および(IV)では、R1、R2、R3、およびR4が、それぞれ独立に直鎖または分枝C1〜C40アルキル基を表すことが好ましく、CH3、C2H5、n-C3H7、またはイソプロピル基を表すことが好ましく、ポリオルガノシロキサン鎖またはフェニル基は1〜3個のメチル基もしくはエチル基で場合によっては置換されている。
【0045】
既に示しているように、ポリマーには、式(III)または(IV)の同一または異なる部分を含めてよい。
【0046】
すなわち、ポリマーは、式(III)または(IV)の長さの異なるいくつかの部分を含むポリアミド、すなわち次式に相当するポリアミドであってよい。
【化14】

[式中、X、Y、n、およびR1からR4は上記の意味を有し、異なるm1およびm2は1〜1000の範囲で選択され、pは2〜300の範囲の整数である]
【0047】
この式では、部分を構造化してブロックコポリマー、またはランダムコポリマーもしくは交互コポリマーを形成することができる。このコポリマーでは、部分は長さが異なるだけでなく、化学構造も異なりたとえば異なる基Yを含む。この場合は、コポリマーは次式に相当してよい。
【化15】

[式中、R1からR4、X、Y、m1、m2、nおよびpは上記の意味を有し、Y1はYとは異なるがYのために定義した基から選択される]既に述べたように、様々な部分を構造化してブロックコポリマー、またはランダムコポリマーもしくは交互コポリマーを形成することができる。
【0048】
本発明のこの第1の実施形態では、構造化ポリマーは、グラフトコポリマーからなってもよい。したがって、シリコーン単位を含むポリアミドはグラフトすることができ、アミド基を含むシリコーン鎖によって場合によっては架橋することもできる。そのようなポリマーは、三官能基アミンによって合成することができる。
【0049】
この場合は、コポリマーには、次式の少なくとも1個の部分を含めてよい。
【化16】

[式中、同一または異なるX1およびX2は、式(I)でXについてなされた意味を有し、nは式(I)で定義した通りであり、YおよびTは式(I)で定義した通りであり、R11からR18は、R1からR4と同じ基から選択した基であり、m1およびm2は、1〜1000の範囲の数字であり、pは2〜500の範囲の整数である]
式(VII)では、以下であることが好ましい。
- pが、1〜25の範囲であり、1〜7であることがより好ましく、
- R11からR18が、メチル基であり、
- Tが、次式の1つに相当し、
【化17】

(式中、R19は、水素原子、またはR1からR4について定義した基から選択した基であり、R20、R21、およびR22は、それぞれ独立に直鎖または分枝アルキレン基であり、次式に相当することがより好ましく、
【化18】

特に、R20、R21、およびR22は、-CH2-CH2-を表す)
- m1およびm2は、15〜500の範囲であり、15〜45であることがより好ましく、
- X1およびX2は、-(CH2)10-を表し、かつ
- Yは、-CH2-を表す。
【0050】
式(VII)のグラフト化シリコーン部分を含むこれらのポリアミドを、式(II)のポリアミド-シリコーンに共重合させて、ブロックコポリマー、交互コポリマー、またはランダムコポリマーを形成することができる。コポリマー中のグラフト化シリコーン部分(VII)の重量%は、0.5%〜30重量%の範囲であってよい。
本発明によれば、既に示しているように、シロキサン単位はポリマーの主鎖すなわち背骨にあってよいが、シロキサン単位はグラフトまたはペンダント状鎖に含めることもできる。主鎖では、シロキサン単位は上記のセグメントの形をとることができる。ペンダント状鎖またはグラフト鎖では、シロキサン単位は別個にまたはセグメント中にあってよい。
【0051】
本発明によれば、好ましいシロキサン系ポリアミドは以下である:
- mが15〜50である式(III)のポリアミド、
- 2個以上のポリアミドの混合物であって、少なくとも1種のポリアミドのmの値が15〜50の範囲であり、少なくとも1種のポリアミドのmの値が30〜50の範囲であるポリアミドの混合物、
- 式(V)のポリマーであって、m1が15〜50の範囲で選択され、m2が30〜500の範囲で選択され、m1相当部分がポリアミドの総重量の1%〜99重量%に相当し、m2相当部分がポリアミドの総重量の1%〜99重量%に相当するポリマー、
- 以下を組み合わせた式(III)のポリアミドの混合物:
1)nが2以上10以下、特に3〜6であるポリアミドを80%〜99重量%、および
2)nが5〜500の範囲、特に6〜100であるポリアミドを1%〜20%、
- 基YおよびY1の少なくとも1個が、少なくとも1個のヒドロキシル置換基を含む式(VI)に相当するポリアミド、
- 二酸の代わりに活性化した二酸(二酸塩化物、二無水物、またはジエステル)の少なくとも1部分によって合成した式(III)のポリアミド、
- Xが、-(CH2)3-または-(CH2)10を表す式(III)のポリアミド、および
- 式(III)のポリアミドであって、ポリアミドが脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪族アミン、たとえば、オクチルアミン、オクタノール、ステアリン酸、ステアリルアルコールなどを含む単官能基アミン、単官能基酸、単官能基アルコールからなる群から選択した単官能基鎖を末端に有するポリアミド。
本発明によれば、ポリマー鎖末端は末端に以下を有していてもよい:
- 合成中C1〜C50モノアルコールの導入によるC1〜C50アルキルエステル基、
- シリコーンがα,ω-ジアミン化された場合は一酸を、またはシリコーンがα,ω-ジカルボン酸の場合はモノアミンを停止基に取ることによってC1〜C50アルキルアミド基。
【0052】
本発明の実施形態の一変形によれば、シリコーンポリアミドおよび炭化水素系ポリアミドのコポリマー、すなわち式(III)もしくは(IV)の部分および炭化水素系ポリアミド部分を含むコポリマーを使用することができる。この場合は、ポリアミド-シリコーン部分は、炭化水素系ポリアミドの末端に配置することができる。
【0053】
シリコーンを含むポリアミド系構造化剤は、脂肪酸二量体に基づくポリアミドのシリル的(silylic)アミド化によって生成することができる。この手法には、ポリアミド上に末端部位として存在する遊離酸部位と、オリゴシロキサン-モノアミンおよび/またはオリゴシロキサン-ジアミンとの反応(アミド化反応)、または代わりにオリゴシロキサンアルコールまたはオリゴシロキサンジオールとの反応(エステル化反応)が関与する。エステル化反応には、当技術分野で周知なように酸触媒を存在させる必要がある。アミド化またはエステル化反応に使用する遊離酸部位を含むポリアミドは、比較的多数の酸末端基(たとえば、高酸価数、たとえば、酸価数15〜20のポリアミド)を有することが望ましい。
【0054】
該炭化水素系ポリアミドの遊離酸部位のアミド化には、1〜300、より具体的には2〜50、さらに好ましくは2、6、9.5、12、13.5、23または31個のシロキサン基を有するシロキサンジアミンを、炭化水素系ポリアミドとの反応に使用することができる。13.5個のシロキサン基を含むシロキサンジアミンが好ましく、最良の結果は13.5個のシロキサン基を含むシロキサンジアミンおよび多数のカルボン酸末端基を含むポリアミドで得られる。
反応は、共沸蒸留によって、または溶媒なしに高温(約180〜200℃)で、溶液から生成した水分を抽出するためにキシレン中で実施することができる。典型的には、アミド化の効力および反応速度はシロキサンジアミンが長くなるほど、すなわちシロキサン基の数が多くなるほど減少する。ジアミノシロキサンの初期アミド化反応後、遊離アミン部位はそれらをシロキサン酸と、または安息香酸などの有機酸と反応させることによってブロックすることができる。
【0055】
ポリアミド上の遊離酸部位のエステル化に関しては、これは沸騰キシレン中で、触媒として試薬総重量に対して約1重量%のパラ-トルエンスルホン酸を用いて実施することができる。
【0056】
ポリアミドのカルボン酸末端基上で実施されるこれらの反応によってポリマー鎖の末端にはシリコーン部分だけが組込まれる。
【0057】
遊離アミン基を含むポリアミドを使用し酸基を含むシロキサンとのアミド化反応によって、ポリアミド-シリコーンのコポリマーを調製することも可能である。
【0058】
炭化水素系ポリアミドとシリコーンポリアミドの間のコポリマーに基づいて構造化剤を調製することも可能であり、元のポリアミドのエチレンジアミン成分がオリゴシロキサンジアミンによって置換されるようにトランスアミド化を実施するために、高温(たとえば、200〜300℃)で、たとえばエチレンジアミン構成成分を含むポリアミドとオリゴシロキサン-α,ω-ジアミンをトランスアミド化することによって調製する。
【0059】
炭化水素系ポリアミドおよびポリアミド-シリコーンのコポリマーは、炭化水素系ポリアミド主鎖とペンダント状オリゴシロキサン基を含むグラフトコポリマーであってもよい。
【0060】
このグラフトコポリマーは、たとえば、以下によって得ることができる:
- 脂肪酸二量体に基づくポリアミド中の不飽和結合のヒドロシリル化
- ポリアミドのアミド基のシリル化、または
- 酸化による不飽和ポリアミドのシリル化、すなわち不飽和基をアルコールまたはジオールに酸化してヒドロキシル基を形成することによるもので、このヒドロキシル基はシロキサンカルボン酸またはシロキサンアルコールと反応する。不飽和ポリアミドのオレフィン部位は、エポキシ化することもでき、次いでエポキシ基をシロキサンアミンまたはシロキサンアルコールと反応させることができる。
【0061】
本発明の第2の実施形態によれば、構造化ポリマーはウレタン基またはウレア基を含むホモポリマーまたはコポリマーからなる。
【0062】
予め、ポリマーには、2個以上のウレタン基および/またはウレア基をポリマーの主鎖中に含む、または側鎖上に、またはペンダント状基として含むポリオルガノシロキサン部分を含めてよい。
【0063】
その主鎖に少なくとも2個のウレタン基および/またはウレア基を含むポリマーは、次式に相当する少なくとも1個の部分を含むポリマーであってよい。
【化19】

[式中、R1、R2、R3、R4、X、Y、m、およびnが、式(I)について先になされた意味を有し、かつUは-O-または-NH-を表し、その結果、
【化20】

は、ウレタン基またはウレア基に相当することになる。
【0064】
この式(VIII)では、Yは直鎖または分枝C1〜C40アルキレン基でよく、C1〜C15アルキル基またはC5〜C10アリール基で場合によっては置換されている。-(CH2)6-基を使用するのが好ましい。
【0065】
Yは、C1〜C15アルキル基またはC5〜C10アリール基によって置換されていてよいC5〜C12脂環式または芳香族基、たとえば、メチレン-4,4-ビスシクロヘキシル基から選択した基を表し、該基はイソフォロンジイソシアナート,2,4-と2,6-トリレン、1,5-ナフチレン、p-フェニレン、および4,4'-ビフェニレンメタンに由来する。一般に、Yは、直鎖または分枝C1〜C40アルキレン基またはC4〜C12シクロアルキレン基を表すことが好ましい。
【0066】
Yは、1個または複数の分子のジオール型またはジアミン型架橋剤を用いた、いくつかのジイソシアナート分子の縮合に相当するポリウレタンまたはポリウレアブロックを表してもよい。この場合は、Yは、アルキレン鎖中にいくつかのウレタン基またはウレア基を含む。
【0067】
Yは次式に相当してよい:
【化21】

[式中、B1は、先にYについて表した基から選択した基であり、Uは-O-または-NH-であり、B2は、以下から選択される:
- 直鎖または分枝C1〜C40アルキレン基であって、カルボン酸基やスルホン酸基などのイオン化可能基、または中和可能もしくは四級化可能(quaternizable)三級アミン基を場合によっては有することができる基、
- C5〜C12シクロアルキレン基であって、アルキル置換基、たとえば、1〜3個のメチル基もしくはエチル基、またはアルキレン置換基、たとえば、シクロヘキサンジメタノールなどのジオール基を場合によっては有する基、
- C1〜C3アルキル置換基を場合によっては有してもよいフェニレン基、および
- 次式の基:
【化22】

(式中、Tは、酸素、硫黄、窒素などの1個または複数のヘテロ原子を含むことができる炭化水素系三価の基であり、R5はポリオルガノシロキサン鎖または直鎖もしくは分枝C1〜C50アルキル鎖である)。
【0068】
Tは、たとえば、wが、1〜10の範囲の整数であり、R5がポリオルガノシロキサン鎖である次式を表してよい。
【化23】

Yが、直鎖または分枝C1〜C40アルキレン基である場合は、-(CH2)2-および-(CH2)6-基が好ましい。
【0069】
上記のYに関する式では、dは0〜5の範囲の整数でよく、0〜3が好ましく、1または2であることがより好ましい。
B2は、直鎖または分枝C1〜C40アルキレン基であることが好ましく、特に -(CH2)2-もしくは-(CH2)6-、またはR5がポリオルガノシロキサン鎖である次式の基が好ましい。
【化24】

【0070】
先の通り、構造化ポリマーを構成するポリマーは、長さおよび/または構成成分の異なるシリコーンウレタン部分および/またはシリコーンウレア部分から形成することができ、ブロックコポリマーまたはランダムコポリマーの形にすることができる。
【0071】
本発明によれば、シリコーンはウレタン基および/またはウレア基をその主鎖中ではなく分枝として含むこともできる。
【0072】
その場合、ポリマーには、次式の少なくとも1個の部分を含めてよい。
【化25】

[式中、R1、R2、R3、m1およびm2は、式(I)について先になされた意味を有し、
- Uは、OまたはNHを表し、
- R23は、OおよびNから選択した1個または複数のヘテロ原子を場合によっては含むC1〜C40アルキレン基、あるいはフェニレン基を表し、かつ
- R24は、直鎖、分枝、または環状、飽和または不飽和C1〜C50アルキル基、ならびに1〜3個のC1〜C3アルキル基で場合によっては置換されているフェニル基から選択される]
【0073】
式(X)の少なくとも1個の部分を含むポリマーは、シロキサン単位およびウレア基もしくはウレタン基を含み、それらを本発明の組成物のゲル化剤として使用することができる。
シロキサンポリマーは、分枝各1本につき単一のウレア基またはウレタン基を含むことができ、または2個のウレア基またはウレタン基を含む分枝を含むことができ、あるいはシロキサンポリマーは、1個のウレア基またはウレタン基を含む分枝、および2個のウレア基またはウレタン基を含む分枝の混合物を含むことができる。
【0074】
それらは、これらのポリシロキサンをモノイソシアナートと反応させることによって、分枝各1本につき1個または2個のアミノ基を含む分枝ポリシロキサンから得ることができる。
アミノ分枝およびジアミノ分枝を含むこの型の出発ポリマー例として、次式に相当するポリマーについて述べる。
【化26】

【0075】
これらの式では、記号「/」は、セグメントが長さが異なり順不同でよいことを表し、Rは好ましくは1〜6個の炭素原子を含む、より好ましくは1〜3個の炭素原子を含む直鎖脂肪族基を表す。
【0076】
分枝化を含むそのようなポリマーは、ポリマー分子各1個につき少なくとも3個のアミノ基を含むシロキサンポリマーを、唯一のモノ官能基(たとえば、酸、イソシアナート、またはイソチオシアナート)を含む化合物と反応させて、このモノ官能基をアミノ基の1個と反応させ、水素間相互作用を確立することができる基を形成することによって形成することができる。アミノ基は、水素間相互作用を確立することができる基がこれらの側鎖上に形成されるようにシロキサンポリマーの主鎖から伸展する側鎖上にあってよく、あるいはアミノ基は水素間相互作用が可能な基がポリマー末端基となるように主鎖末端にあってよい。
【0077】
シロキサン部分および水素間相互作用を確立することができる基を含むポリマーの形成手順として、ゲルを直接得るための、シリコーン溶媒中でのシロキサンジアミンとジイソシアナートの反応について述べる。反応は、シリコーン液中で実施することができ、得られた生成物は高温でシリコーン液に溶解し、次いで系の温度を低下させてゲルを形成させる。
【0078】
本発明による組成物中への組込みに好ましいポリマーは、直鎖であり、水素間相互作用を確立することができる基としてポリマーの主鎖中にウレア基を含むシロキサン-ウレアコポリマーである。
【0079】
4個のウレア基を末端に有するポリシロキサンの例として、次式のポリマーについて述べる。
【化27】

(式中、Phはフェニル基であり、nは0〜300の数字であり、特に0〜100、たとえば、50である)
【0080】
このポリマーは、アミノ基を含む以下のポリシロキサンを
【化28】

イソシアン酸フェニルと反応させることによって得られる。
【0081】
シリコーンポリマー鎖中にウレア基またはウレタン基を含む式(VIII)のポリマーは、α,ω-NH2または-OH末端基を含む次式のシリコーン
【化29】

(式中、m、R1、R2、R3、R4、およびXは式(I)で定義した通りである)、ジイソシアナートOCN-Y-NCO(式中、Yは式(I)で与えられた意味を持つ)、場合によっては式H2N-B2-NH2またはHO-B2-OH(式中、B2は式(IX)に定義した通りである)のジオールまたはジアミン架橋剤との間の反応によって得ることができる。
【0082】
2種の試薬、ジイソシアナートと架橋剤の間の化学量論比によれば、Yをdが0に等しく、またはdが1〜5に等しい式(IX)で示すことができる。
【0083】
式(II)または(III)のポリアミドシリコーンの場合と同様に、長さおよび構造の異なる部分を含む、ポリウレタンまたはポリウレアシリコーン、特にその長さがシリコーン部分の数によって異なる部分を本発明に使用することができる。その場合は、そのコポリマーはたとえば次式に相当してよい。
【化30】

(式中、R1、R2、R3、R4、X、Y、およびUは、式(VIII)について定義した通りであり、m1、m2、nおよびpは、式(V)について定義した通りである)
【0084】
分枝ポリウレタンまたは分枝ポリウレアシリコーンは、ジイソシアナートOCN-Y-NCOの代わりに次式のトリイソシアナートを使用することもできる。
【化31】

【0085】
水素間相互作用を確立することができる基を有するオルガノシロキサン鎖を含む分枝を含むポリウレタンまたはポリウレアシリコーンはこのようにして得る。そのようなポリマーは、たとえば、次式に相当する部分を含む。
【化32】

(式中、同一または異なるX1およびX2は、式(I)でXについてなされた意味を有し、nは式(I)で定義した通りであり、YおよびTは式(I)で定義した通りであり、R11からR18は、R1からR4と同じ基から選択した基であり、m1およびm2は、1〜1000の範囲の数字であり、pは2〜500の範囲の整数である)
【0086】
ポリアミドの場合と同様に、このコポリマーには、分枝化せずにポリウレタンシリコーン部分を含めることもできる。
本発明のこの第2の実施形態では、好ましいシロキサン系ポリウレアおよびポリウレタンは以下のものである:
- mが15〜50である式(VIII)のポリマー、
- 2個以上のポリマーの混合物であって、少なくとも1種のポリマーのmの値は15〜50の範囲であり、少なくとも1種のポリマーのmの値は30〜50の範囲であるポリマーの混合物、
- 式(XII)のポリマーであって、m1が15〜50の範囲で選択され、m2が30〜500の範囲で選択され、m1相当部分がポリマー総重量の1%〜99重量%に相当し、m2相当部分がポリマー総重量の1%〜99重量%に相当するポリマー、
- 以下を組み合わせた式(VIII)のポリマーの混合物
1)nが2以上10以下、特に3〜6であるポリマーを80%〜99重量%、および
2)nが5〜500の範囲、特に6〜100であるポリマーを1%〜20%、
- 基Yの少なくとも1個が、少なくとも1個のヒドロキシル置換基を含む、式(VIII)の2個の部分を含むコポリマー、
- 二酸の代わりに活性化した二酸(二酸塩化物、二無水物、またはジエステル)の少なくとも1個の部分(portion)によって合成した式(VIII)のポリマー、
- Xが、-(CH2)3-または-(CH2)10-を表す式(VIII)のポリマー、および
- 式(VIII)のポリマーであって、ポリマーが、脂肪酸、脂肪族アルコール、および脂肪族アミン、たとえば、オクチルアミン、オクタノール、ステアリン酸、ステアリルアルコールなどを含む単官能基アミン、単官能基酸、単官能基アルコールからなる群から選択した単官能基の鎖を末端に有するポリマー。
【0087】
ポリアミドの場合と同様に、ポリウレタンもしくはポリウレアシリコーン、および炭化水素系ポリウレタンもしくはポリウレアのコポリマーは、非シリコーン性のα,ω-二官能基ブロック、たとえば、ポリエステル、ポリエーテル、またはポリオレフィンの存在下でポリマー合成反応を実施することによって本発明に使用することができる。
【0088】
既に示しているように、本発明のホモポリマーまたはコポリマーからなる構造化ポリマーは、シロキサン部分をポリマーの主鎖中に、および水素間相互作用を確立することができる基を、ポリマーの主鎖中にもしくはその末端に、または主鎖の側鎖または分枝上に含むことができる。これは、以下の5つの配置に相当する:
【化33】

(式中、実線はシロキサンポリマーの主鎖を、四角は水素間相互作用を確立することができる基を表す)
事例(1)では、水素間相互作用を確立することができる基を主鎖末端に配置する。
事例(2)では、水素間相互作用を確立することができる2個の基を主鎖の各末端に配置する。
【0089】
事例(3)では、水素間相互作用を確立することができる基を主鎖内の繰り返し部分中に配置する。
【0090】
事例(4)および(5)では、これらは、水素間相互作用を確立することができる基を、部分の第一連の主鎖の分枝に配置したコポリマーであって、この部分は水素間相互作用を確立することができる基を含まない部分に共重合されている。値n、x、およびyは、ポリマーがシリコーン油に基づく脂肪相をゲル化する薬剤という点で所望される特性を有するようにするものである。
【0091】
本発明によれば、少なくとも1種のシリコーン油を含む液体脂肪相の構造化は、1種または複数の上記ポリマーを用いて、疎水性表面を有する固体粒子と組み合わせて得られる。
【0092】
一つの実施態様では、構造化ポリマーは、ポリアミド変性シリコーンとも称されるシリコーンポリアミドである。
【0093】
使用することができるポリマー例として、文書、米国特許第5981680号の実施例1および2によって得られたシリコーンポリアミドについて述べる。
【0094】
本発明の組成物中の少なくとも一つの構造化ポリマーは、50℃より高い、例えば65℃から190℃で、例えば150℃未満、更には70℃から130℃、更には80℃から105℃の軟化点を有してよい。前記軟化点は、本発明の少なくとも一つの構造化ポリマーの使用を容易にし、液体脂肪相の分解を制限し得る当該技術分野で使用される構造化ポリマーの軟化点よりも低くてよい。これらのポリマーは、非ワックス状ポリマーであって良い。
【0095】
前記軟化点は、5から10℃/分の温度上昇で「示差走査熱量測定」(即ちDSC法)として周知の方法によって測定できる。それらはシリコーンオイル中に良好な溶解性を有し、巨視的に均一な組成物を生産する。好ましくはそれらは、500から200000、例えば1000から100000、好ましくは2000から30000の平均分子量を有する。
【0096】
更に本発明の一つの実施態様は、(i)少なくとも一つの前述の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一つのオイル、及び(ii)液体脂肪相をゲル化するための少なくとも一つのゲル化剤、を含む少なくとも一つの液体脂肪相を含む、皮膚、唇、またはケラチン繊維のケア、処理、またはメイクアップ組成物に関し、
前記少なくとも一つの液体脂肪相は、前記構造化ポリマー、及び/または前記ゲル化剤と親和性を有する少なくとも一つのオイルを含み、
前記液体脂肪相、前記ポリマー、及び前記ゲル化剤は、生理学的に許容可能な媒体を形成する。
【0097】
更に本発明の一つの実施態様は、(i)少なくとも一つの前述の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一つのオイル、及び(ii)液体脂肪相をゲル化するための少なくとも一つのゲル化剤及ぶ少なくとも一つの着色剤、を含む少なくとも一つの液体脂肪相を含む構造化組成物を含む、皮膚、唇、またはケラチン繊維のケアまたはメイクアップ組成物に関し、
前記少なくとも一つの液体脂肪相は、前記構造化ポリマー、及び/または前記ゲル化剤と親和性を有する少なくとも一つのオイルを含み、
前記液体脂肪相、前記ポリマー、及び前記ゲル化剤は、生理学的に許容可能な媒体を形成する。
【0098】
本発明の別の実施態様は、(i)少なくとも一つの前述の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一つのオイル、及び(ii)液体脂肪相をゲル化するための少なくとも一つのゲル化剤、を含む少なくとも一つの液体脂肪相を含む、マスカラ、アイライナー、ファンデーション、口紅、ブラッシャー、メイクアップ除去製品、身体のためのメイクアップ製品、アイシャドウ、フェイスパウダー、コンシーラー製品、シャンプー、コンディショナー、唇、皮膚、または毛髪のための抗日光製品またはケア製品中に、少なくとも一つの液体脂肪相を含む組成物を含む、マスカラ、アイライナー、ファンデーション、口紅、ブラッシャー、メイクアップ除去製品、身体のためのメイクアップ製品、アイシャドウ、フェイスパウダー、コンシーラー製品、シャンプー、コンディショナー、唇、皮膚、または毛髪のための抗日光製品またはケア製品に関し、 前記少なくとも一つの液体脂肪相は、前記構造化ポリマー、及び/または前記ゲル化剤と親和性を有する少なくとも一つのオイルを含み、
前記液体脂肪相、前記ポリマー、及び前記ゲル化剤は、生理学的に許容可能な媒体を形成する。
【0099】
本発明の別の実施態様は、(i)少なくとも一つの前述の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一つのオイル、及び(ii)液体脂肪相をゲル化するための少なくとも一つのゲル化剤、を含む少なくとも一つの液体脂肪相を含む組成物を含む、脱臭剤製品または皮膚若しくは身体のためのケア製品に関し、
前記少なくとも一つの液体脂肪相は、前記構造化ポリマー、及び/または前記ゲル化剤と親和性を有する少なくとも一つのオイルを含み、
前記液体脂肪相、前記ポリマー、及び前記ゲル化剤は、生理学的に許容可能な媒体を形成する。
【0100】
本発明の別の実施態様は、(i)少なくとも一つの前述の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一つのオイル、及び(ii)液体脂肪相をゲル化するための少なくとも一つのゲル化剤、を含む少なくとも一つの液体脂肪相を含む無水組成物を含む口紅組成物に関し、
前記少なくとも一つの液体脂肪相は、前記構造化ポリマー、及び/または前記ゲル化剤と親和性を有する少なくとも一つのオイルを含み、
前記液体脂肪相、前記ポリマー、及び前記ゲル化剤は、生理学的に許容可能な媒体を形成する。
【0101】
本発明の別の実施態様は、(i)少なくとも一つの前述の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一つのオイル、及び(ii)液体脂肪相をゲル化するための少なくとも一つのゲル化剤、を含む少なくとも一つの液体脂肪相を含む組成物をケラチン物質に適用することを含む、ケラチン物質のケア、メイクアップ、または処理方法に関し、
前記少なくとも一つの液体脂肪相は、前記構造化ポリマー、及び/または前記ゲル化剤と親和性を有する少なくとも一つのオイルを含み、
前記液体脂肪相、前記ポリマー、及び前記ゲル化剤は、生理学的に許容可能な媒体を形成する。
【0102】
本発明の別の実施態様は、(i)少なくとも一つの前述の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一つのオイル、及び(ii)液体脂肪相をゲル化するための少なくとも一つのゲル化剤、を含む少なくとも一つの液体脂肪相を含む組成物を、ケラチン物質、唇、または皮膚に適用することを含む、ケラチン物質、唇、または皮膚のケア、メイクアップ、または処理方法に関し、
前記少なくとも一つの液体脂肪相は、前記構造化ポリマー、及び/または前記ゲル化剤と親和性を有する少なくとも一つのオイルを含み、
前記液体脂肪相、前記ポリマー、及び前記ゲル化剤は、生理学的に許容可能な媒体を形成する。
【0103】
本発明の別の実施態様は、(i)少なくとも一つの前述の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一つのオイル、及び(ii)液体脂肪相をゲル化するための少なくとも一つのゲル化剤、を含む少なくとも一つの液体脂肪相を組成物中に含む、唇、皮膚、及びケラチン繊維から選択されるケラチン物質上に、非流動性で、光沢のあり、及び快適な沈着物から選択される少なくとも一つの特性を有する無水組成物の提供方法に関し、
前記少なくとも一つの液体脂肪相は、前記構造化ポリマー、及び/または前記ゲル化剤と親和性を有する少なくとも一つのオイルを含み、
前記液体脂肪相、前記ポリマー、及び前記ゲル化剤は、生理学的に許容可能な媒体を形成する。
【0104】
本発明の別の実施態様は、(i)少なくとも一つの前述の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一つのオイル、及び(ii)液体脂肪相をゲル化するための少なくとも一つのゲル化剤、を含む少なくとも一つの液体脂肪相を含む構造化組成物を、皮膚、唇、またはケラチン繊維に適用することを含む、皮膚、唇、またはケラチン繊維のメイクアップまたはケア方法に関し、
前記少なくとも一つの液体脂肪相は、前記構造化ポリマー、及び/または前記ゲル化剤と親和性を有する少なくとも一つのオイルを含み、
前記液体脂肪相、前記ポリマー、及び前記ゲル化剤は、生理学的に許容可能な媒体を形成する。
【0105】
スティックのような企図される応用に依存して、前記組成物の硬度は考慮されても良い。組成物の硬度は、例えば重量グラム(gf)で表されて良い。本発明の組成物は、例えば20gfから2000gf、例えば20gfから900gf、更には20gfから600gfの範囲の硬度を有して良い。
【0106】
この硬度は、二つの方法の一方で測定される。硬度のための第一の試験は、組成物にプローブを浸透する方法、特に25mmの高さと8mmの直径のエボナイトシリンダーを備えた生地分析器(例えばRheo社製のTA-XT2i)を使用する方法による。硬度の測定は、5のサンプルの前記組成物の中心で20℃で実施される。前記シリンダーを、2mm/sの事前速度で、次いで0.5mm/sの速度で、最後に2mm/sの事後速度で、組成物の各サンプル中に導入する。記録された硬度の値は、観察された最大ピークの値である、測定誤差は+/-50gfである。
【0107】
硬度の第二の試験は「チーズワイヤ法」であり、それは8.1mm、好ましくは12.7mmの直径をスティック組成物に切断し、100mm/分の速度でIndelco-Chatillon社製のDFGHS2伸張試験器を使用して、20℃でその硬度を測定することを含む。この方法から得られた硬度値は、前記条件下でスティックを切断するのに必要とされる剪断力として、グラム単位で表される。この方法によると、スティック形態であってよい本発明に係る組成物の硬度は、例えば8.1mmの直径のスティックのサンプルについて、30gfから300gf、例えば30gfから250gfの範囲、更には例えば12.7mmの直系のスティックのサンプルについて、30gfから200gf、例えば30gfから120gfの範囲であってよい。
【0108】
本発明の組成物の硬度は、前記組成物が自己支持的であり、ケラチン物質に満足な沈着物を形成できるように容易に崩壊できる程度であってよい。更にこの硬度は、本発明の組成物に良好な衝撃強さを与えて良く、たとえばスティックまたはディッシュの形態に成型またはキャストできて良い。
【0109】
当業者は、考慮される適用及び所望される硬度に基づいて、前述の硬度に関する試験の少なくとも一方を使用して組成物を評価するために選択して良い。もし一方により、企図される応用に鑑みて許容できる硬度の値が得られたら、これらの硬度試験の少なくとも一方から、その組成物が本発明の範囲に入る。
【0110】
明白であるように、本発明に係る組成物の硬度は、例えば組成物が有利に自己支持的であり、皮膚、及び/または唇、及び/またはケラチン繊維のような表面上の身体成長部に満足な沈着物を形成するために用意に崩壊できるものであって良い。更にこの硬度に関して、本発明の組成物は良好な衝撃強さを有して良い。
【0111】
本発明によれば、スティック形態の組成物は、適用の際に顕著な弾性の柔らかさを与える、変形可能で柔軟な弾性の固体の挙動を有して良い。従来技術のスティック形態の組成物は、弾性及び柔軟性のこれらの特性を有していない。
【0112】
液体脂肪相
本発明の目的のため、用語「液体脂肪相」は、オイルとも称される、室温で液体であり、一般的に互いに適合的である、即ち巨視的に均一な相を形成する一つ以上の脂肪物質からなる、室温(25℃)且つ大気圧(760mmHg、即ち101KPa)で液体である脂肪相を意味する。用語「液体脂肪物質」は、水と全ての割合で混和しない非水性の液体媒体、例えば少なくとも5個の炭素原子をそれぞれ含む一つ以上の炭素鎖を含み、カルボン酸、ヒドロキシル、ポリオール、アミン、アミド、リン酸、ホスファート、エステル、エーテル、ウレア、カルバマート、チオール、チオエーテル、及びチオエステルから選択される少なくとも一つの極性基を含んでも良い炭化水素ベースの化合物、末端またはペンダント状に炭素鎖を任意に含むシリコーン化合物であって、これらの鎖が任意にフルオロ、パーフルオロ、(ポリ)アミノ酸、エーテル、ヒドロキシル、アミン、酸、及びエステル基で置換されている化合物;または少なくとも5個の炭素原子を含み、N、O、S及びPから選択されるヘテロ原子を含んでも良く、任意にエーテル、エステル、アミン、酸、カルバマート、ウレア、チオール、及びヒドロキシル基から選択される少なくとも一つの官能基を含んで良い、フルオロハイドロカーボンまたはパーフルオロハイドロカーボンのようなフルオロまたはパーフルオロ化合物を意味する。
【0113】
少なくとも一つのオイルを含む少なくともひとつの液体脂肪相は、構造化ポリマー及び/またはゲル化剤と親和性を有する。前記少なくともひとつのオイルは、例えば極性及び、及び炭化水素ベースの液体オイルを含む無極性オイル、及び室温で液体であるオイルから選択されて良い。一つの実施態様では、本発明の組成物は、少なくとも一つの構造化ポリマー、少なくとも一つのゲル化剤、及び少なくとも一つの無極性オイルを含む。本発明の極性オイルは、例えば無極性オイル、特に極性オイルの共溶媒として作用する無極性オイルに添加されても良い。
【0114】
前記組成物の液体脂肪相は、30%より多く、例えば40%より多く、例えば50%から100%の、構造化ポリマーのユニットのものと同様の基を含む液体オイルを含んでも良い。一つの実施態様では、シリコーン−ポリアミドタイプの骨格で構造化された液体脂肪相は、液体脂肪相の全量に対して高量の、即ち30%より多く、例えば40%より多く、または50%から100%の少なくとも一つの無極性オイル、例えば炭化水素ベースのオイル、シリコーンオイル、またはそれらの混合物を含む。本発明の目的のため、用語「炭化水素ベースのオイル」は、炭素原子と水素原子を必須に含み、ヒドロキシル、エステル、カルボキシル、及びエーテル基から選択される少なくとも一つの基を任意に有するオイルを意味する。そのような脂肪相では、少なくとも一つのゲル化剤は、例えばアミン、アミド、ウレタン、またはシリコーン基を含んでも良い。
【0115】
部分的にシリコーンベースの骨格を含むポリマーで構造化された液体脂肪相では、この脂肪相は、液体脂肪相の全量に対して30%より多い、例えば40%より多い、たとえば液体脂肪相の全量に対して50%から100%の少なくとも一つのシリコーンベースの液体オイルを含んでも良い。この実施態様では、少なくとも一つの皮膜形成剤はシリコーン基を含んで良い。
【0116】
例えば、本発明で有用な少なくとも一つの極性オイルは、以下のものから選択されて良い:
− 脂肪酸がCからC24の可変的な鎖の長さを有し、これらの鎖は直鎖状または分枝状の、飽和及び不飽和の鎖であって良い、グリセロールの脂肪酸エステルを含む、高含量のトリグリセリドを有する炭化水素ベースの植物油;これらのオイルは例えば、麦芽オイル、コーンオイル、ヒマワリオイル、カリテバター、ヒマシ油、スイートアーモンドオイル、マカダミアオイル、アンズオイル、ダイズオイル、コットンオイル、アルファルファオイル、ポピーオイル、カボチャオイル、ゴマオイル、マローオイル、レイプシードオイル、アボカドオイル、ヘーゼルナッツオイル、グレープシードオイル、クロフサスグリオイル、マツヨイグサオイル、アワオイル、大麦オイル、キノアオイル、オリーブオイル、ライオイル、サフラワーオイル、ククイノキオイル、トケイソウオイル、及びジャコウバラオイルから選択できる;または別法として、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、例えばStearineries Dubois社により市販されているもの、またはDynamit Nobel社によりMiglyol 810、812及び818の名称で市販されているもの;
− 合成オイルまたは式RCOORのエステルであって、式中Rは1から40の炭素原子を含む直鎖状及び分枝状の脂肪酸残基から選択され、Rは例えば1から40の炭素原子を含む炭化水素ベースの鎖から選択され、R+R≧10であること条件とし、例えばパーセリンオイル(セトステアリルオクタノアート)、イソノニルイソノナノアート、C12-C15アルキルベンゾアート、イソプロピルミリスタート、2−エチルヘキシルパルミタート、イソステアリルイソステアラート、及びアルキルまたはポリアルキルオクタノアート、デカノアートまたはリシノレアート;ヒドロキシル化エステル、例えばイソステアリルラクタート及びジイソステアリルマラート;及びペンタエリスリトールエステル;
− 10から40の炭素原子を含む合成エーテル;
− CからC26の脂肪アルコール、例えばオレイルアルコール;並びに
− CからC26の脂肪酸、たとえばオレイン酸、リノレン酸、またはリノール酸。
【0117】
本発明に係る少なくとも一つの無極性オイルは、例えば室温で液体である揮発性及び不揮発性の直鎖状及び環状ポリジメチルシロキサン(PDMS);シリコーン鎖にペンダント状及び/または末端で、2から24の炭素原子をそれぞれ含むアルキルまたはアルコキシ基を含むポリジメチルシロキサンから選択されるシリコーンオイル;フェニルトリメチコーン、フェニルジメチコーン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコーン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン、及び2−フェニルエチルトリメチルシロキシシリカートのようなフェニルシリコーン;直鎖状及び分枝状の揮発性及び非揮発性の合成及び鉱物起源の炭化水素から選択される炭化水素、例えば揮発性流動パラフィン(例えばイソパラフィン及びイソドデカン)または非揮発性流動パラフィン及びその誘導体、流動ワセリン、流動ラノリン、ポリデセン、水素化ポリイソブテン、例えばパーリーム(登録商標)、及びスクアラン;及びそれらの混合物から選択される。一つの実施態様では、構造化オイル、例えばシリコーンポリアミドで構造化されたものは、シリコーンオイルのような無極性オイルであっても良い。
【0118】
一つの実施態様では、液体脂肪相は、少なくとも一つの非揮発性オイル、特にフェニルトリメチコーンのようなフェニルシリコーンから選択される少なくとも一つの非揮発性オイルを含む。
【0119】
別の実施態様では、液体脂肪相は、少なくとも一つの揮発性オイルを含む。別の実施態様では、液体脂肪相は、少なくとも一つの揮発性シリコーンオイルを含む。
【0120】
別の実施態様では、本発明に係るオイル、特にシリコーンオイルの粘度は、1000cSt未満、例えば100cSt未満である。
【0121】
用語「揮発性溶媒」は、本発明の意味において、皮膚または唇と接触した際に、環境温度及び大気圧で1時間未満で蒸発可能ないずれかの非水性媒体を意味するように解される。本発明の揮発性溶媒(類)は、環境温度で液体であり、環境温度且つ大気圧でゼロではない、特に10-3から300mmHg(0.13Paから40000Paの範囲、好ましくは0.03mmHg(3.9Pa)より大きい蒸気圧を有する有機溶媒、特に揮発性化粧用オイルである。
【0122】
本発明の揮発性溶媒は好ましくは、その加工を容易にするという目的のため、引火点を有さないオイル、40℃から100℃の範囲の引火点を有するオイル、及びそれらの組合せから選択される化粧用オイルである。更に、それらは有利には、220℃未満、より好適には210℃未満、特には110から210℃の範囲の大気圧での沸点を示す。
【0123】
本発明によれば、これらの揮発性溶媒は、皮膚、唇、または表面上の身体成長部への前記組成物の適用を特に容易にする。これらの溶媒は、炭化水素性溶媒、ペンダント状のアルキルまたはアルコキシ基、あるいはシリコーン鎖の末端でアルキルまたはアルコキシ基を任意に含むシリコーン溶媒、またはこれらの溶媒の組合せであることができる。好ましくはこれらの溶媒は、少なくとも7の炭素原子を含むモノアルコールではない。
【0124】
本発明で使用できる揮発性溶媒として、8cSt未満の環境温度での粘度を有し、2から7のケイ素原子を特に有する直鎖状または環状シリコーンオイルが挙げられ、これらのシリコーンは任意に、1から10の炭素原子を有するアルキルまたはアルコキシ基を含む。本発明で使用できる揮発性シリコーンオイルとして、特にオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0125】
本発明で使用できる他の揮発性溶媒として、8から16の炭素原子を有する揮発性炭化水素性オイル、及びそれらの混合物、特に分枝状C−C16アルカン、例えばC−C16、特にC−C13のイソアルカン(イソパラフィンとしても知られている)、イソデカン、イソヘキサデカン、及び例えば、PermetylsのIsopars L、E、HまたはGの商標名で市販されているオイル、分枝状C−C16エステル、例えばイソヘキシルネオペンタノアート、並びにそれらの混合物が挙げられる。揮発性溶媒は好ましくは、8から16の炭素原子を有する揮発性炭化水素性オイル、及びそれらの混合物(Isopar Mを除く)から選択される。
【0126】
揮発性フッ素化溶媒も使用できる。
【0127】
任意にデカメチルテトラシロキサンまたはシクロペンタシロキサンと組み合わせた、イソドデカン(Permetyls 99A)、C−C16イソパラフィン(Isopars L,E及びH)、及びそれらの混合物の使用が好ましい。
【0128】
これらの揮発性オイルは、特に組成物の全重量に対して3から99.5%、特に5から97.5%、好ましくは10から75%。より好適には15から45&の重量レベルを占めることができる。一般的に揮発性溶媒の量は、移りのない特性を生ずるのに十分な寮で使用される。この量は、移りのない特性の所望の強度に従って当業者により調節されるであろう。
【0129】
一つの実施態様では、液体脂肪相は、例えば鉱物、植物、及び合成起源の炭化水素ベースのオイル、合成エステルまたはエーテル、シリコーンオイル、及びこれらの混合物から選択される少なくとも一つの非揮発性オイルを含む。
【0130】
実際に、全液体脂肪相は、例えば組成物の全重量に対して1から99重量%、例えば5から99重量%、5から95.5重量%、10から80重量%、20から75重量%の範囲の量で存在できる。
【0131】
本発明の目的のため、用語「揮発性溶媒またはオイル」は、室温且つ大気圧で皮膚または唇と接触して1時間未満で蒸発可能であるいずれかの非水性媒体を意味する。本発明の揮発性溶媒(類)は、室温且つ大気圧で、0ではない蒸気圧、特に10-2から300mmHg(1.33から40000Pa)の範囲、例えば0.03mmHg(4Pa)より大きい、更に張った負えば0.3mmHg(40Pa)より大きい蒸気圧を有する、室温で液体である揮発性化粧品オイルのような有機溶媒である。用語「非揮発性オイル」は、10-2mmHg(1.33Pa)未満の蒸気圧を有するもののような、室温且つ大気圧で、少なくとも数時間皮膚または唇に残存するオイルを意味する。
【0132】
本発明によれば、これらの揮発性溶媒は、皮膚、唇、または爪及びケラチン繊維のような表面上の身体成長部への前記組成物の維持力または長期装着特性を容易にして良い。前記溶媒は、炭化水素ベースの溶媒、シリコーン鎖にペンダント状または末端でアルキルまたはアルコキシ基を任意に含むシリコーン溶媒、及びこれらの溶媒の混合物から選択できる。
【0133】
一つの実施態様では、揮発性オイルは、組成物の全重量に対して0%から95.5%、例えば2%から75%、または例えば10%から45%の範囲の量で存在できる。この量は、所望される維持力または長期装着特性に従って当業者によって適応されるであろう。
【0134】
本発明の組成物の少なくとも一つの液体脂肪相は、更に脂質ベシクルの分散物を含んでも良い。本発明の組成物は更に、例えば流体無水ゲル、硬い無水ゲル、流体単相エマルション、流体複相エマルション、硬い単相エマルション、または硬い複相エマルションの形態で存在して良い。単相エマルションまたは複相エマルションは、分散した脂質ベシクルを任意に含む水性相、または分散した脂質ベシクルを任意に含む脂肪相から選択される連続相を含んで良い。ひとつの実施態様では、前記組成物は、連続油相または脂肪相を有し、とりわけ例えばスティックまたはディッシュ形態の無水組成物である。
【0135】
無水素生物は、10重量%未満、例えば5重量%未満の水を有するものである。
【0136】
ゲル化剤
本発明の組成物はまた、液体脂肪相をゲル化するための少なくとも一つの薬剤を含む。本発明に係るゲル化剤は、液体脂肪相の粘度を増大し、前記脂肪相に導入された際に、固体または流動可能な組成物を導く。本発明に係るゲル化剤は、ワックス状ではないという意味で、ワックスを包含しない。
【0137】
少なくとも一つのゲル化剤は、ポリマー形態のゲル化剤、及び鉱物形態のゲル化剤から選択されて良い。
【0138】
一つの実施態様では、少なくとも一つのゲル化剤は、水性相中または水中に可溶性ではない。
【0139】
本発明に係るゲル化剤は好ましくは、化学的な網状化を介してゲル化する薬剤、及び物理的な網状化を介してゲル化する薬剤からなる群から選択される。
【0140】
化学的な網状化を介してゲル化するゲル化剤
一つの実施態様によれば、三次元構造の架橋化エラストマー性ポリオルガノシロキサン、例えばMQシリコーン樹脂、ポリアルキルセスキオキサン、特にポリメチルセスキオキサン、及びハイドロシリレーションを介して網状化する樹脂が好ましい。これらのシリコーン樹脂は、ポリオキシエチレンまたはコポリ(オキシエチレン/オキシプロピレン)のように親水性基を有することができる。
【0141】
本発明で使用できるポリオルガノシロキサンとして、特許出願EP-A-0,295,886に記載された架橋化エラストマー性ポリオルガノシロキサンが挙げられ、この文献の開示は参考としてここに取り込まれる。この特許出願によれば、それらは白金タイプの触媒の存在下で、少なくとも以下のものの付加反応と架橋によって得られる:
− (a)分子当たり少なくとも二つのC2からC6の低級アルケニル基を有するポリオルガノシロキサン;及び
− (b)分子当たり一つのケイ素原子に結合した少なくとも二つの水素原子を有するポリオルガノシロキサン。更に米国特許第5 266 321号に記載されたポリオルガノシロキサンを使用することも可能であり、その開示は参考としてここに取り込まれる。当該特許によれば、それらは特に以下のものから選択される:
− i)RSiO及びRSiO1.5ユニット、及び任意にRSiO0.5及び/またはSiOユニットを含むポリオルガノシロキサン[式中、Rは互いに独立に、水素、アルキル、たとえばメチル、エチル、またはプロピル、アリール、たとえばフェニルまたはトリル、不飽和脂肪族基、例えばビニルから選択され、RSiO:RSiO1.5単位の重量比は1/1から30/1の範囲である];
− ii)シリコーンオイル中に不溶性で膨潤性であるポリオルガノシロキサンで、ポリオルガノハイドロジェンシロキサン(1)と、不飽和脂肪族基を有するポリオルガノシロキサン(2)の付加によって得られるもので、(1)及び(2)のそれぞれの水素及び不飽和脂肪族基の量は、ポリオルガノシロキサンが非環式である場合1から20モル%であり、ポリオルガノシロキサンが環式である場合1から50モル%である。任意にこれらのポリオルガノシロキサンは、1から40のオキシアルキレン基、例えばオキシプロピレン及び/またはオキシエチレン基を含むことができる。
【0142】
本発明によって使用できるポリオルガノシロキサンの例として、Shin-EtsuからKSG6の名称で、Dow-Corning社からTrefil E-505CまたはTrefil E-506Cの名称で、Grant Industries社からGransilの名称で(SR-CYC、SR DMF10、SR-DC556)で市販または製造されている製品、または事前構成化ゲルの形態で市販されている製品(Shin-Etsu社製のKSG15、KSG17、KSG16、KSG18、KSG21、Gransil SR 5CYCゲル、Gransil SR DMF10ゲル、Gransil SR DC556ゲル、General Electric社製のSF 1204及びJK 113)が挙げられる。これらの市販品の混合物も使用されて良い。
【0143】
物理的な網状化を介してゲル化するゲル化剤
物理的な網状化を介して、特に分子混合、水素間相互作用、配列不適合性、または双極性相互作用を介してゲル化するゲル化剤、並びに液晶基を有する脂溶性ポリマーが好ましい。
【0144】
分子混合を介してゲル化するゲル化剤は、高分子量、好ましくは500000より大きい分子量を有するポリマー、例えばシリコーンゴムである。
シリコーンゴムは、下式に相当することができる:
【化34】

式中、
、R、R11、及びR12は同一または異なり、それぞれ1から6の炭素原子を含むアルキル基から選択される;
及びR10は同一または異なり、それぞれ1から6の炭素原子を含むアルキル基、及びアリール基から選択される;
Xは1から6の炭素原子を含むアルキル基、ヒドロキシル基、及びビニル基から選択される;
n及びpは100000mPa.sより大きい、例えば500000mPa.sより大きい粘度をシリコーンゴムに与えるように選択される。
一般的に、n及びpはそれぞれ0から5000、例えば0から3000の範囲の値を取ることができる。
【0145】
本発明によって使用できるシリコーンゴムとして、以下のものが挙げられる:
− 置換基RからR12及びXがメチル基を表しp=0且つn=2700であるもの、例えばGeneral Electric社によりSE30の名称で市販または製造されている製品;
− 置換基RからR12及びXがメチル基を表しp=0且つn=2300であるもの、例えばWacker社によりAK 500000の名称で市販または製造されている製品;
− 置換基RからR12がメチル基を表し、置換基Xがヒドロキシル基を表し、p=0且つn=2700であり、シクロペンタシロキサン中の13%溶液としてのもの、例えばDow Corning社によりQ2-1401の名称で市販または製造されている製品;
− 置換基RからR12がメチル基を表し、置換基Xがヒドロキシル基を表し、p=0且つn=2700であり、ポリジメチルシロキサン中の13%溶液としてのもの、例えばDow Corning社によりQ2-1403の名称で市販または製造されている製品;及び
− 置換基R、R、R11、R12及びXがメチル基を表し、置換基R及びR10がアリール基を表し、ゴムの分子量が約600000であるもの、例えばRhone-Poulenc (Rhodia Chimie)社により761の名称で市販または製造されている製品。
【0146】
水素間相互作用を介して液体脂肪相をゲル化するゲル化剤は、好ましくは以下のものからなる群から選択される:
− 特許出願EP 0 751 170に記載されたアミノシリコーンのアミノ基に結合したチアジニル基またはピリミジニル基を有するアミノシリコーンポリマーであって、前記特許出願の開示は参考としてここに取り込まれる;
− 特許及び特許出願US 5 783 657、US 6 268 466、WO 01/95871、WO 00/40216、US 2002/0035237、及びEP 1 068 856に記載された化合物のような、エステルまたはトリアミド官能基を末端に有する非シリコーンポリアミドであって、前記特許及び特許出願の開示は参考としてここに取り込まれる;
− 特許出願DE 10022247及びFR 2 814 365に記載された化合物のようなポリウレタンであって、前記特許出願の開示は参考としてここに取り込まれる;及び
− 特許出願WO 93/01797に記載された化合物のような、相互水素間相互作用を形成できる側面の基を有するビニル及び/または(メタ)アクリルポリマーであって、前記特許出願の開示は参考としてここに取り込まれる。
【0147】
配列不適合性を介して液体脂肪相をゲル化するゲル化剤は、好ましくは以下のものよりなる群から選択される:
− 特許US 6 225 390、US 6 160 054、US 6 174 968、及びUS 6 225 390に記載されたポリスチレン−シリコーンまたはポリエチレン−シリコーンのようなブロック(ジまたはトリブロック)コポリマーであって、前記特許の開示は参考としてここに取り込まれる;
− 特許US 5 468 477及びUS 5 725 882に記載されたもののような、シリコーン配列と、ポリビニルまたはポリ(メタ)アクリルである別の配列またはグラフトとを含むブロックまたはグラフトコポリマーであって、前記特許の開示は参考としてここに取り込まれる;
− 一つ以上のエチレン性結合、好ましくは共役結合(またはジエン)を含む、エチレン性モノマーの重合または共重合から生成するポリマーまたはコポリマー;
− エチレン性モノマーの重合または共重合から生成するポリマーまたはコポリマー、特にブロックコポリマー、例えばジブロックまたはトリブロックコポリマー、あるいはマルチブロックまたはスターバーストまたはラジカルコポリマーであって良い、ビニル、アクリル、またはメタクリルコポリマーが挙げられる。少なくとも一つのエチレン性ゲル化剤は、例えばスチレンブロック(S)、アルキルスチレンブロック(AS)、エチレン/ブチレンブロック(EB)、エチレン/プロピレンブロック(EP)、ブタジエンブロック(B)、イソプレンブロック(I)、アクリラートブロック(A)、メタクリラートブロック(MA)、またはこれらのブロックの組合せを含んで良い。
一つの実施態様では、少なくとも一つのスチレンブロックを含むコポリマーが、ゲル化剤またはエチレン性流動剤として使用される。トリブロックコポリマー、特にポリスチレン/ポリイソプレンまたはポリスチレン/ポリブタジエンタイプのもの、例えばBASF社により”Luvitol HSB”の名称で市販されているもの、及びポリスチレン/コポリ(エチレン−プロピレン)タイプ、または別法としてポリスチレン/コポリ(エチレン/ブチレン)タイプのもの、例えばShell Chemical社により”Kraton”の商標名で、またはPenreco社によりGelled Permethyl 99Aの名称で市販されているものが使用されて良い。スチレン−メタクリラートコポリマーも使用できる。
本発明の組成物で使用できるエチレン性ゲル化剤として、例えばKraton (G1650(SERS)、Kraton G1651(SEBS)、Kraton G1652(SEBS)、Kraton G1657X(SEBS)、Kraton G1701X(SEP)、Kraton G1702X(SEP)、Kraton G1726X(SEB)、Kraton G1750X(EP)マルチアーム、Kraton G1765X(EP)マルチアーム、Kraton D-1101(SBS)、Kraton D-1102(SBS)、Kraton D-1107(SIS)、Gelled Permethyl 99A-750、Gelled Permethyl 99A-753-58(スターバーストブロックポリマーとトリブロックポリマーの混合物)、Gelled Permethyl 99A-753-59(スターバーストブロックポリマーとトリブロックポリマーの混合物)、Penreco社製のVersagel 5970及びVersagel 5960(イソドデカン中のスターバーストポリマーとトリブロックポリマーの混合物)、及びLubrizol社製のOS 129880、OS 129881、及びOS 84383(スチレン−メタクリラートコポリマー)が挙げられる。
ポリスチレン−コポリ(エチレン/プロピレン)またはポリスチレン−コポリ(エチレン/ブチレン)のようなジまたはトリブロック、例えば特許出願WO 98/38981及びUS 2002/0055562に記載されたものも本発明に含まれる。
【0148】
双極性相互作用を介してゲル化するゲル化剤は好ましくは、文献WO 01/30886及びUS 6 228 967に記載された化合物から選択され、これらの文献の開示は参考としてここに取り込まれる。前記化合物のイオン化基、たとえば両イオン性基は、前記双極性相互作用を形成する。
【0149】
液晶基を有する脂溶性ポリマーのようなゲル化剤もまた、本発明によって好ましく、特に骨格がシリコーン、ビニル、及び/または(メタ)アクリルであり、側面の液晶基を有する脂溶性ポリマー、特に特許出願FR 2 816 503に記載された化合物が好ましく、前記特許出願の開示は参考としてここに取り込まれる。
【0150】
別の実施態様では、少なくとも一つのゲル化剤は、ほとんどまたは全く光の散乱を引き起こさない粒子を有する鉱物形態で存在して良い。かくして、半透明または透明な組成物を得ることが可能である。
【0151】
使用できる変性クレーとしては、C10からC22の脂肪酸のアンモニウムクロリドで変性されたヘクトライト、例えばクオータニウム-18ヘクトライトとしても知られるジステアリルジメチルアンモニウムクロリドで変性されたヘクトライト、例えばRheox社によりBentone 34の名称で市販または製造されている製品、Southern Clay社により市販または製造されているClaytone XL、Claytone 34、及びClaytone 40、クオータニウム-18ベンザルコニウムベントナイトの名称で知られ、Southern Clay社によりClaytone HT、Claytone GR、及びClaytone PSの名称で市販または製造されている変性クレー、ステラルコニウムベントナイトとして知られているステアリルジメチルベンゾイルアンモニウムクロリドで変性されたクレー、例えばSouthern Clay社によりClaytone APA及びClaytone AFの名称で市販または製造されている製品、及びRheox社により市販または製造されているBaragel 24が挙げられる。
【0152】
本発明で使用できる別の鉱物ゲル化剤として、シリカ、例えばフュームドシリカが挙げられる。フュームドシリカは、例えば約5nmから200nmの範囲のナノメーターからミクロメーター単位であってよい粒径を有して良い。
【0153】
フュームドシリカは、水素−酸素フレームで揮発性ケイ素化合物を高温加水分解し、細かく分割されたシリカを生ずることによって得られて良い。この方法は、表面で数多くのシラノール基を有する親水性シリカを得ることを可能にする。そのような親水性シリカは、例えばDegussa社により”Aerosil(登録商標)130”、”Aerosil(登録商標)200”、”Aerosil(登録商標)300”、及び”Aerosil(登録商標)380”、並びにCabot社により”CAB-O-SIL(登録商標)HS-5”、”CAB-O-SIL(登録商標)EH-5”、”CAB-O-SIL(登録商標)LM-130”、”CAB-O-SIL(登録商標)MS-55”、及び”CAB-O-SIL(登録商標)M-5”の名称で市販または製造されている。
【0154】
かくして、化学反応により親水性シリカの表面を化学的に変性し、シラノール基の数を減少させることが可能である。シラノール基は、たとえば疎水性基で置換できる:これは次いで疎水性シリカを生ずる。疎水性基は以下のものであって良い:
− 特にヘキサメチルジシラザンの存在下でフュームドシリカを処理することによって得られるトリメチルシロキシル基。かくして処理されたシリカは、CTFA(第6版、1995)によって「シリカシリラート」として知られる。それらは例えば、Degussa社により参照名”Aerosil(登録商標)R812”、及びCabot社により”CAB-O-SIL(登録商標)TS-530”で市販または製造されている;
− 特にポリジメチルシロキサンまたはジメチルジクロロシランの存在下でフュームドシリカを処理することによって得られるジメチルシリルオキシマタハポリジメチルシロキサン基。かくして処理されたシリカは、CTFA(第6版、1995)によって「シリカジメチルシリラート」として知られる。それらは例えば、Degussa社により”Aerosil(登録商標)R972”及び”Aerosil(登録商標)R974”、並びにCabot社により”CAB-O-SIL(登録商標)TS-610”及び”CAB-O-SIL(登録商標)TS-720”の名称で市販され製造されている;
− フュームドシリカとシランアルコキシドまたはシロキサンとの反応から由来する基。これらの処理シリカは例えば、Degussa社により”Aerosil(登録商標)R805”の名称で市販または製造されている製品である。
【0155】
本発明によれば、フュームドシリカのような疎水性シリカは、脂溶性ゲル化剤として使用されて良い。フュームドシリカの使用は、ワックス、フィラー、及び顔料(真珠光沢剤を含む)のような不透明化粒子の不存在下で、にじみ出ない特にスティック形態の半透明または透明な組成物を得ることを可能にする。
【0156】
少なくとも一つの脂溶性ゲル化剤は、前記組成物のにじみを制限することを可能にし、安定性を増大すると同時に、組成物の光沢のある外観を保存し、それは化粧品及び皮膚科学で従来使用されているもののようなワックスでは不可能である。これらのゲル化剤は例えば、組成物の全重量に対して0.05%から35%、例えば0.5%から20%、または1%から10%の濃度で使用できる。
【0157】
更なる添加剤
本発明の組成物は、特にポリ(2-ヒドロキシステアリン酸)のような分散剤、抗酸化剤、精油、防腐剤、香料、ワックス、媒体に分散性の脂溶性ポリマー、フィラー、中和剤、化粧品及び皮膚科学的活性剤、例えば皮膚軟化剤、保湿剤、ビタミン、必須脂肪酸、サンスクリーン剤、及びこれらの混合物から選択される、考慮される分野で通常使用されるいずれかの添加剤を含むことができる。これらの添加剤は、前記組成物の全重量に対して0%から20%(例えば0.01%から20%)、更には例えば0.01%から10%(もし存在すれば)の割合で組成物中に存在して良い。
【0158】
本発明の組成物はまた、添加剤として、水性相増粘剤またはゲル化剤で任意に増粘またはゲル化された水を含む、及び/または水中に可溶性の成分を含む水性相を含むことができる。水は、前記組成物の全重量に対して0.01から50%、例えば0.5から30%を占めることができる。
【0159】
一つの実施態様では、前記組成物は、脂肪相に水を分散するための、または水性相に脂肪相を分散するための少なくとも一つの界面活性剤または分散剤を含み、それぞれ油中水型エマルション及び水中油型エマルションを得ることが可能である。
【0160】
言うまでもなく、当業者は任意の更なる添加剤及び/またはその量を選択するのに注意を払い、本発明に係る組成物の有利な特性が考慮される添加によって負に影響されない、または実質的に負に影響されないようにするであろう。
【0161】
本発明に係る組成物は、皮膚、唇、及び/または表面上の身体成長部のようなケラチン物質のための、着色したまたは着色していない皮膚科学的組成物またはケア組成物の形態で、抗日光組成物または身体衛生組成物の形態で、特にスティック形態の脱臭剤製品またはメイクアップ除去製品の形態で存在できる。それは特に、皮膚、表面上の身体成長部、または唇のためのケアベースとして使用できる(寒さ、及び/または日光、及び/または風から唇を保護するためのリップクリーム、または皮膚、爪、若しくは毛髪のためのケアクリーム)。ここに定義されるように、脱臭剤製品は個人的衛生製品であって、ケラチン繊維を含むケラチン物質のケア、メイクアップ、または処理とは関連しない。
【0162】
本発明の組成物はまた、皮膚のための着色メイクアップ製品、特に任意にケアまたは処理特性を有するファンデーション、ブラッシャー、フェイスパウダー、アイシャドウ、コンシーラー製品、アイライナー、身体のためのメイクアップ製品;唇のためのメイクアップ製品、例えば任意にケアまたは処理特性を有する口紅;爪または睫毛のような表面上の身体成長部のためのメイクアップ製品、特にマスカラケーキの形態のもの、あるいは睫毛及び毛髪のためのメイクアップ製品、特にペンシル形態のもので存在して良い。
【0163】
言うまでもなく、本発明の組成物は化粧品または皮膚科学的に許容可能であるべきであり、即ち非毒性の生理学的に許容可能な媒体を含むべきであり、人の皮膚、表面上の身体成長部、または唇に適用可能であるべきである。本発明の目的のため、用語「化粧品的に許容可能」は、好ましい外観、臭気、感触、及び味覚の組成物を意味する。
【0164】
前記組成物は有利には、少なくとも一つの化粧品活性剤、及び/または少なくとも一つの皮膚科学的活性剤、即ち皮膚、唇、または身体成長部に有益な効果を有する薬剤、及び/または少なくとも一つの着色剤を含む。
【0165】
着色剤
前記組成物は更に、少なくとも一つの着色剤を含んで良い。本発明に係る着色剤は、化粧品または皮膚科学的組成物で通常使用される脂溶性染料、親水性染料、顔料、及び真珠光沢性顔料(即ち真珠光沢剤)、及びこれらの混合物から選択されて良い。この着色剤は一般的に、存在するのであれば、組成物の全重量に対して0.01%から50%、例えば0.5%から40%、更には5%から30%の割合で存在する。フリーまたはコンパクトパウダーの形態の組成物の場合、媒体に不溶性である固体粒子の形態の着色剤(真珠光沢剤及び/または顔料)の量は、組成物の全重量に対して90%までであって良い。
【0166】
脂溶性染料は例えば、スーダンレッド、D&C Red 17、D&C Green 6、β-カロチン、ダイズオイル、スーダンブラウン、D&C Yellow 11、D&C Violet 2、D&C Orange 5、キノリンイエロー、またはアナートである。それらは前記組成物の重量の0.1%から20%、例えば0.1%から6%(存在すれば)を占めることができる。水溶性染料は例えば、ビートルートジュースまたはメチレンブルーであり、組成物の全重量の6%までを占めることができる。
【0167】
前記顔料は、白色または着色されていても良く、角が着色されていてもいなくても良く、鉱物及び/または有機でも良く、被覆されていてもいなくてもよい。鉱物顔料としては、任意に表面処理された二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、または酸化セリウム、並びに酸化鉄、酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、水和クロム、及びフェリックブルーが挙げられる。有機顔料としては、カーボンブラック、D&Cタイプの顔料、及びコチニールカルミン、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、またはアルミニウムに基づくレーキが挙げられる。前記顔料は、存在するのであれば、組成物の全重量に対して0.1%から50%、例えば0.5%から40%、更には2%から30%を占めることができる。
【0168】
真珠光沢性顔料は、白色真珠光沢性顔料、例えばチタン若しくはオキシ塩化ビスマスで被覆されたマイカ、着色真珠光沢性顔料、例えば酸化鉄で被覆されたチタンマイカ、特にフェリックブルー若しくは酸化クロムで被覆されたチタンマイカ、前述のタイプの有機顔料で被覆されたチタンマイカ、並びにオキシ塩化ビスマスに基づく真珠光沢性顔料が挙げられる。それらは存在するのであれば、例えば組成物の全重量に対して0.1%から20%、更には0.1%から15%を占めることができる。
一つの実施態様では、着色剤は顔料である(真珠光沢性でもそうでなくとも)。
別の実施態様では、顔料は処理されまたは処理されておらず、好ましくは疎水性である。
【0169】
ワックス
前記組成物は、スティック形態への構造化を改良するための一つ以上のワックスを含むことができるが、この硬い形態はワックスの不存在下で得ることもできる。本発明の目的のため、ワックスは室温(25℃)及び大気圧(760mmHg、即ち101KPa)で固体であり、可逆的な固体/液体相変化を受け、40℃より高い、更には55℃より高く、200℃までであって良い融点を有し、固体状態で異方的な結晶配置を有する脂溶性脂肪化合物である。結晶のサイズは、結晶が光を回折及び/または散乱し、曇った、多かれ少なかれ不透明な外観を組成物に与えるものである。ワックスを融点にもたらすことによって、オイルと混和させて微視的に均一な混合物を形成することが可能であるが、混合物の温度を室温に戻すと、混合物のオイル中のワックスの再結晶化が得られる。混合物の光沢の減少に関与するものは、混合物中のこの再結晶化である。かくして前記組成物は有利には、ほとんどまたは全くワックスを含まず、特に5%未満のワックスを含む。
【0170】
本発明の目的のため、ワックスは化粧品及び皮膚科学で一般的に使用されているものである;それらは例えば天然起源のもの、例えばビーズワックス、カルナウバワックス、カンデリラワックス、オーリキュリーワックス、木ロウ、コルク繊維ワックス、サトウキビワックス、パラフィンワックス、リグナイトワックス、マイクロクリスタリンワックス、ラノリンワックス、モンタンワックス、オゾケライト、及び水素化ホホバオイルのような水素化オイル、並びに合成起源のワックス、例えばエチレンの重合から由来するポリエチレンワックス、フィッシャー-トロプシュ合成によって得られるワックス、40℃で、例えば55℃より高温で固体である脂肪酸エステル及びトリグリセリド、シリコーンワックス、例えば40℃で、例えば55℃より高温で固体であるアルキル-及びアルコキシ-ポリ(ジ)メチルシロキサン及び/またはポリ(ジ)メチルシロキサンエステルである。
【0171】
本発明によれば、融点の値は、5または10℃/分の温度上昇での「示差走査熱量測定」法によって測定された溶融ピークに対応する。
【0172】
脂溶性または分散性ポリマー
本発明の組成物はまた、構造化ポリマー及び少なくとも一つの流動剤以外の脂溶性または媒体に分散性であり、皮膜形成特性を有しても良く、例えば500から1000000、例えば1000から500000、更には5000から100000、更には5000から20000の平均分子量を有して良い少なくとも一つのポリマーを有することができる。この少なくとも一つの脂溶性ポリマーは、粘度の増大、及び/または皮膜の維持力の改善に寄与しても良い。少なくとも一つの脂溶性ポリマーは、30℃以下の軟化点を有することができる。
【0173】
本発明で使用できる脂溶性ポリマーの例として、ポリアルキレン、特にポリブテン、ポリ(メタ)アクリラート、直鎖状または分枝状の飽和または不飽和のCからCのアルキル基を有するアルキルセルロース、例えばエチルセルロース、及びプロピルセルロース、脂肪相と適合可能なシリコーンポリマー、並びにビニルピロリドン(VP)コポリマー、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0174】
ビニルピロリドンコポリマー、CからC30の、例えばCからC22のアルケンのコポリマー、及びそれらの組合せが使用できる。本発明で使用できるVPコポリマーの例として、VP/ビニルアセタート、VP/エチルメタクリラート、ブチル化ポリビニルピロリドン(PVP)、VP/エチルメタクリラート/メタクリル酸、VP/エイコセン、VP/ヘキサデセン、VP/トリアコンテン、VP/スチレン、またはVP/アクリル酸/ラウリルメタクリラートコポリマーが挙げられる。
【0175】
維持力の特性についてだけでなく、皮膜の感触及び粘稠度の特性についても、7000から7500の平均分子量を有するPVP/ヘキサデセンコポリマー、または別法として8000から9000の平均分子量を有するPVP/エイコセンコポリマーが使用できる。
【0176】
本発明の組成物中の脂溶性または分散性ポリマーは、存在するのであれば、組成物の全重量に対して0.01%から20%(活性物質として)、例えば1%から10%の量で使用できる。
【0177】
本発明に係る組成物は、化粧品または皮膚科学で一般的に使用される既知の方法によって製造されて良い。それは、前記ポリマーを少なくともその軟化点に加熱し、ゲル化剤(類)、着色剤(類)、及び添加剤(類)をそこに加え、次いでクリアな透明溶液が得られるまで全てのものを共に混合することを含む方法によって製造されて良い。温度を低下した後、得られた混合物に揮発性溶媒(類)を加える。次いで得られた均一な混合物を口紅成型のような適切な成型でキャストでき、または直接実装商品にキャストできる(特にケースまたはディッシュに)。
【0178】
本発明の別の特徴点は、(i)少なくとも以下のものを含む部分:
− 前記部分の鎖中の、またはグラフトの形態で、1から1000のオルガノシロキサンユニットからなる少なくとも一つのポリオルガノシロキサン基;及び
− エステル、アミド、スルホンアミド、カルバマート、チオカルバマート、ウレア、チオウレア、オキサミド、グアナミド、及びビグアニジノ基、及びそれらの組み合わせから選択され、前記基の少なくとも一つはエステル基以外であることを条件とする、水素間相互作用を確立可能な少なくとも二つの基
を含む、500から500000の範囲の重量平均分子量を有するポリマー(ホモポリマーまたはコポリマー)で構造化された少なくとも一つのオイルであって、前記ポリマーは室温で固体であり、25から250℃の温度で前記オイル中に可溶性である;
(ii)液体脂肪相のための少なくとも一つのゲル化剤
を含む少なくとも一つの液体脂肪相を含むスティック形態の口紅組成物であって、
前記少なくとも一つの液体脂肪相は、前記構造化ポリマー及び/またはゲル化剤と親和性を有する少なくとも一つのオイルを含み、
前記液体脂肪相、前記ポリマー、及び前記ゲル化剤は、生理学的に許容可能な媒体を形成する。
【0179】
前記ゲル化剤及び前記構造化ポリマーは、ワックスの不存在下でさえ、30から300gf、例えば30から250gf、更には30から200gfの範囲の硬度を有する変形可能な弾性の固体の外観を組成物に与えることができる。硬度は、上述の「チーズ−ワイヤ」法によって測定される。非ワックス状のポリマーは、前述のようにヘテロ原子を含むユニットを含む骨格を有するポリマーであって良く、更にはエステル基を介して骨格に結合したアルキル末端基を含んで良いポリアミドであっても良い。
【0180】
本発明の一つの特徴点はまた、前記組成物、特に前述のような化粧品組成物のケラチン物質への適用を含む、人のケラチン物質、特に皮膚、唇、及び表面上の身体成長部のためのケア、メイクアップ、または処理の美容方法である。
【0181】
本発明の一つの特徴点は、にじまず、及び/またはケラチン物質に光沢及び/または快適な沈着物を生産できる、固体組成物、例えばワックスフリーの組成物を得るための、化粧品組成物における、または生理学的に許容可能な組成物の製造のための、(i)少なくとも以下のものを含む部分:
− 前記部分の鎖中の、またはグラフトの形態で、1から1000のオルガノシロキサンユニットからなる少なくとも一つのポリオルガノシロキサン基;及び
− エステル、アミド、スルホンアミド、カルバマート、チオカルバマート、ウレア、チオウレア、オキサミド、グアナミド、及びビグアニジノ基、及びそれらの組み合わせから選択され、前記基の少なくとも一つはエステル基以外であることを条件とする、水素間相互作用を確立可能な少なくとも二つの基
を含む、500から500000の範囲の重量平均分子量を有するポリマー(ホモポリマーまたはコポリマー)からなる少なくとも一つのポリマーであって、前記ポリマーは室温で固体であり、25から250℃の温度で前記オイル中に可溶性である;及び
(ii)少なくとも一つのゲル化剤
の組合せであって、
前記組成物は少なくとも一つのオイルを含む液体脂肪相を含み、
前記液体脂肪相は、前記構造化ポリマー及び/またはゲル化剤と親和性を有する少なくとも一つのオイルを含み、
前記液体脂肪相、前記ポリマー、及び前記ゲル化剤は、生理学的に許容可能な媒体を形成する。
【0182】
本発明の組成物は、水性相の増粘剤で任意に増粘された、またはゲル化剤でゲル化された水をさらに含んで良く、及び/または水中に可溶性の成分を含む。
【0183】
本発明は、以下の実施例においてより詳細に説明される。量は重量パーセンテージとして与えられている。
【0184】
実施例1:口紅
【表1】

【0185】
方法
シリカゲル:53gのDC 556に5gのシリカを少しずつ導入することにより、ほっとプレートを使用して60℃でRayneriスターラーで攪拌しながらゲルを調製した。
【0186】
基礎となる顔料物質:60℃に加熱した13.3gのDC 556と顔料を混合した;混合物を三のロールのミルで混合物を三回すりつぶした。
【0187】
基礎となる顔料物質に100℃-110℃でシリコーンポリアミドを可溶化(または溶解)し、引き続きシリカゲルを添加した。解膠ターボミキサー(Raynerie)を使用して混合物全体を混合し、1時間30分攪拌を続けた。次いで得られた産物をスティック形態で口紅のための成型にキャストした。
【0188】
得られた口紅のスティックは、8.1mmの直径と、「チーズワイヤ」を使用して測定して135+/-2gfの硬度を有した。
【0189】
組成物の安定性を、ここに記載された試験を使用して試験した。組成物は良好な安定性を有することが見出され、室温及び47℃で一ヶ月間でにじみ出なかった。
【0190】
シリカを含まない同様な組成物は100+/-2gfの硬度のみを示すことが観察される。本発明の口紅は適用が容易であり、脂ぎっておらず、輝きを有する。それはにじみ出ない。
【0191】
実施例2:ファンデーション
A相に成分を十分に混合し、6000rpmの速度でSilversonホモジェナイザーですりつぶす。
別個にB1相の成分を、10-15分間攪拌しながら、またはシリコーン−ポリアミドの溶解まで80から85℃で過熱する。
A相及びB1相を主たるビーカーで組合せ、70-75℃で十分に混合する。
B2相を主たるビーカーに加え、均一になるまで混合する。
ジステアルジモニウムヘクトライトを主たるビーカーに加えて十分に分散し、その後B3相の成分の残りを加える。
C相を別個の副たるビーカーで70から75℃に加熱する。C相を主たるビーカーに加えることにより乳化を実施し、中/高速度で均一化する。
バッチをパドルスターターで室温に冷却する。
【0192】
【表2】

【0193】
このファンデーションは、優れたすべりと衝撃を有する滑らかな適用を提供し、乾燥後に優れた移り耐性を有する。それは更に、非常に良好な耐水性を示す。
【0194】
実施例3:ファンデーション
この組成物を、実施例2に記載のものと同じ方法で調製する。
【0195】
【表3】

【0196】
このファンデーションは、衝撃を有する滑らかな適用を提供し、乾燥後に優れた移り耐性を有する。沈着物は非常に良好な耐水性を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)重量平均分子量が500〜500000の範囲であり、
部分鎖中にまたはグラフトの形でオルガノシロキサン1〜1000単位からなる少なくとも1個のポリオルガノシロキサン基、ならびに
水素間相互作用を確立することができ、エステル基、アミド基、スルホンアミド基、カルバマート基、チオカルバマート基、尿素基、チオ尿素基、オキサミド基、グアナミド基、ビグアニジノ基、およびそれらの組合せから選択した少なくとも2個の基であるが、ただし基の少なくとも1個はエステル基ではない基
を含む少なくとも1個の部分を含むポリマー(ホモポリマーまたはコポリマー)であって、
25℃で固体であり25〜250℃の温度では前記オイルに可溶性であるポリマーからなる少なくとも一つの構造化ポリマーで構造化された少なくとも一つのオイル、ならびに
2)少なくとも1種の液体脂肪相のためのゲル化剤
を含む少なくとも1種の液体脂肪相を含む組成物であって、
前記少なくとも一つのオイルを含む少なくとも一つの液体脂肪相が、前記構造化ポリマー及び/または前記ゲル化剤と親和性を有し、
前記液体脂肪相、構造化ポリマー、及びゲル化剤が、生理的に許容される媒体を形成する組成物。
【請求項2】
前記構造化ポリマーが、次式に相当する少なくとも1個の部分を含む、請求項1に記載の組成物。
【化1】

[式中、
1)R1、R2、R3、およびR4は、同一でも異なっていてもよく、
その鎖中に1個または複数の酸素、硫黄、および/または窒素原子を含んでいてもよく、かつ部分的にまたは完全にフッ素原子で置換されていてもよい、直鎖、分枝、または環状の、飽和または不飽和C1〜C40炭化水素系基、
1個または複数のC1〜C4アルキル基で場合によっては置換されているC6〜C10アリール基、
1個または複数の酸素、硫黄、および/または窒素原子を含んでいてもよいポリオルガノシロキサン鎖から選択した基を表し、
2)基Xは、同一でも異なっていてもよく、その鎖中に1個または複数の酸素および/または窒素原子を含んでいてもよい直鎖または分枝C1〜C30アルキレンジイル(alkylenediyl)基を表し、
3)Yは、飽和または不飽和C1〜C50直鎖または分枝の二価のアルキレン基、アリーレン基、シクロアルキレン基、アルキルアリーレン基、またはアリールアルキレン基であって、1個または複数の酸素、硫黄、および/または窒素原子を含んでいてもよく、かつ/または以下の原子または原子群の1個を置換基として有する基:フッ素、ヒドロキシル、C3〜C8シクロアルキル、C1〜C40アルキル、C5〜C10アリール,1〜3個のC1〜C3アルキル基で場合によっては置換されているフェニル、C1〜C3ヒドロキシアルキル、およびC1〜C6アミノアルキルを表し、あるいは
4)Yは、次式に相当する基を表し、
【化2】

(式中、
Tは、直鎖または分枝の飽和または不飽和C3〜C24三価または四価の炭化水素系基であって、ポリオルガノシロキサン鎖で場合によっては置換されており、かつO、N、およびSから選択した1個または複数の原子を含んでいてもよい基を表し、あるいはTはN、P、およびAlから選択した三価の原子を表し、かつ
R5は、直鎖または分枝C1〜C50アルキル基またはポリオルガノシロキサン鎖であって、1個または複数のエステル基、アミド基、ウレタン基、チオカルバマート基、尿素基、チオ尿素基、および/またはスルホンアミド基を含んでいてもよく、別の前記ポリマー鎖と結合していてもよい基または鎖を表す)
5)基Gは、同一でも異なっていてもよく、以下から選択した二価の基を表し、
【化3】

(式中、R6は、水素原子あるいは直鎖または分枝C1〜C20アルキル基を表し、ただし前記ポリマーの基R6の少なくとも50%が水素原子を表し、かつ前記ポリマーの基Gの少なくとも2個が次の基以外の基であり)
【化4】

6)nは、2〜500の範囲の整数であり、2〜200が好ましく、mは、1〜1000の範囲の整数であり、1〜700が好ましく、6〜200がより好ましい]
【請求項3】
Yが、以下のものから選択した基を表す、請求項2に記載の組成物:
a)直鎖C1〜C20、好ましくはC1〜C10アルキレン基、
b)環および非共役不飽和体を含んでいてもよいC30〜C56分枝アルキレン基、
c)C5〜C6シクロアルキレン基、
d)1個または複数のC1〜C40アルキル基で場合によっては置換されているフェニレン基、
e)1〜5個のアミド基を含むC1〜C20アルキレン基、
f)ヒドロキシル基、C3〜C8シクロアルカン基、C1〜C3ヒドロキシアルキル基、およびC1〜C6アルキルアミン基から選択した1個または複数の置換基を含むC1〜C20アルキレン基、
g)次式のポリオルガノシロキサン鎖
【化5】

(式中、R1、R2、R3、R4、T、およびmは、先に定義した通りである)
h)次式のポリオルガノシロキサン鎖
【化6】

(式中、R1、R2、R3、R4、T、およびmは、先に定義した通りである)。
【請求項4】
前記構造化ポリマーが、式(II)に相当する少なくとも1個の部分を含む、請求項1に記載の組成物。
【化7】

[式中、
R1およびR3は、同一でも異なっていてもよく、請求項10の式(I)について先に定義した通りであり、
R7は、R1およびR3について先に定義した基を表し、または式-X-G-R9(式中、XおよびGは、請求項10の式(I)について先に定義した通りであり、かつR9は、水素原子、あるいはその鎖中にO、S、およびNから選択した1個または複数の原子を場合によっては含み、1個または複数のフッ素原子ならびに/あるいは1個または複数のヒドロキシル基で場合によっては置換されている直鎖、分枝、または環状の飽和または不飽和C1〜C50炭化水素系基、あるいは1個または複数のC1〜C4アルキル基で場合によっては置換されているフェニル基を表す)の基を表し、
R8は、式-X-G-R9(式中、X、G、およびR9は、先に定義した通りである)の基を表し、
m1は、1〜998の範囲の整数であり、かつ
m2は、2〜500の範囲の整数である]
【請求項5】
前記ポリマーが、式(III)または(IV)の少なくとも1個の部分を含む、請求項3に記載の組成物。
【化8】

(式中、R1、R2、R3、R4、X、Y、m、およびnは、請求項10に定義した通りである)
【請求項6】
Xおよび/またはYが、そのアルキレン部分(portion)に以下の要素、すなわち
1)1〜5個のアミド基、尿素基、またはカルバマート基、
2)C5またはC6シクロアルキル基、および
3)1〜3個の同一または異なるC1〜C3アルキル基で場合によっては置換されているフェニレン基
のうち少なくとも1つを含むアルキレン基を表し、
前記アルキル基XまたはYは、
ヒドロキシル基、
C3〜C8シクロアルキル基、
1〜3個のC1〜C40アルキル基、
1〜3個のC1〜C3アルキル基で場合によっては置換されているフェニル基、
C1〜C3ヒドロキシアルキル基、および
C1〜C6アミノアルキル基
からなる群から選択した少なくとも1要素で置換されていてもよい、請求項2に記載の組成物。
【請求項7】
Yが、
【化9】

[式中、R5は、ポリオルガノシロキサン鎖を表し、Tは次式:
【化10】

(式中、a、b、およびcは、それぞれ独立に1〜10の範囲の整数であり、R10は水素原子あるいは請求項20でR1、R2、R3、およびR4について定義した基などの基である)の基に相当する]を表す、請求項2に記載の組成物。
【請求項8】
R1、R2、R3、およびR4が、それぞれ独立に直鎖または分枝C1〜C40アルキル基を表し、好ましくはCH3、C2H5、n-C3H7、またはイソプロピル基を表し、ポリオルガノシロキサン鎖またはフェニル基は1〜3個のメチル基もしくはエチル基で場合によっては置換されている、請求項2に記載の組成物。
【請求項9】
前記構造化ポリマーが、次式の少なくとも1個の部分を含む、請求項1に記載の組成物。
【化11】

[式中、X1およびX2は、同一でも異なっていてもよく、請求項10でXについてなされた意味を有し、n、Y、およびTは請求項10で定義した通りであり、R11からR18は請求項10のR1からR4と同じ基から選択した基であり、m1およびm2は、1〜1000の範囲の数字であり、pは2〜500の範囲の整数である]
【請求項10】
pは、1〜25の範囲であり、より好ましくは1〜7であり、
R11からR18は、メチル基であり、
Tは、次式の1つに相当する、請求項9に記載の組成物。
【化12】

[式中、R19は、水素原子、またはR1からR4について定義した基から選択した基であり、R20、R21、およびR22は、それぞれ独立に直鎖または分枝アルキレン基であり、次式に相当することがより好ましく、
【化13】

特に、R20、R21、およびR22は、-CH2-CH2-を表し、
m1およびm2は、15〜500の範囲であり、より好ましくは15〜45であり、
X1およびX2は、-(CH2)10-を表し、かつ
Yは、-CH2-を表す]
【請求項11】
前記ポリマーが、次式に相当する少なくとも1個の部分を含む、請求項1に記載の組成物。
【化14】

[式中、R1、R2、R3、R4、X、Y、m、およびnが、請求項20の式(I)について先になされた意味を有し、かつUは-O-または-NH-を表し、例えば次式:
【化15】

のウレタンまたはウレア基に対応し、
あるいは
Yは、C1〜C15アルキル基またはC5〜C10アリール基によって置換されていてもよいC5〜C12脂環式または芳香族基、たとえば、メチレン-4,4-ビスシクロヘキシル基から選択した基を表し、前記基はイソフォロンジイソシアナート、2,4-および2,6-トリレン、1,5-ナフチレン、p-フェニレン、および4,4'-ビフェニレンメタンに由来し、
あるいは
Yは直鎖または分枝C1〜C40アルキレン基またはC4〜C12シクロアルキレン基を表し、
あるいは
Yは、次式に相当する、1個または複数の分子のジオール型またはジアミン型架橋剤による、いくつかのジイソシアナート分子の縮合に対応するポリウレタンまたはポリ尿素ブロックを表す]
【化16】

(式中、B1は、先にYについて表した基から選択した基であり、Uは-O-または-NH-であり、B2は、以下から選択される:
直鎖または分枝C1〜C40アルキレン基であって、カルボン酸基やスルホン酸基などのイオン化可能基、または中和可能もしくは第四級化可能(quaternizable)第三級アミン基を場合によっては有することができる基、
C5〜C12シクロアルキレン基であって、アルキル置換基、たとえば、1〜3個のメチル基もしくはエチル基、またはアルキレン置換基、たとえば、シクロヘキサンジメタノールなどのジオール基を場合によっては有する基、
C1〜C3アルキル置換基を場合によっては有してもよいフェニレン基、および次式の基:
【化17】

[式中、Tは、酸素、硫黄、窒素などの1個または複数のヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素系三価の基であり、R5はポリオルガノシロキサン鎖または直鎖もしくは分枝C1〜C50アルキル鎖である]。
【請求項12】
前記ポリマーが、次式の少なくとも1個の部分を含む、請求項1に記載の組成物。
【化18】

[式中、R1、R2、R3、m1およびm2は、式(I)についてなされた意味を有し、
Uは、OまたはNHを表し、
R23は、OおよびNから選択した1個または複数のヘテロ原子を場合によっては含むC1〜C40アルキレン基、あるいはフェニレン基を表し、
R24は、直鎖、分枝、または環状の飽和または不飽和C1〜C50アルキル基、ならびに1〜3個のC1〜C3アルキル基で場合によっては置換されているフェニル基から選択される]
【請求項13】
前記構造化ポリマーが、次式の少なくとも1個の部分を含む、請求項1に記載の組成物。
【化19】

[式中、X1およびX2は、同一でも異なっていてもよく、請求項10でXについてなされた意味を有し、n、Y、およびTは請求項10に定義した通りであり、R11からR18は請求項10のR1からR4と同じ基から選択した基であり、m1およびm2は、1〜1000の範囲の数字であり、pは2〜500の範囲の整数である]
【請求項14】
前記構造化ポリマーが、さらに、水素間相互作用を確立することができ、エステル基、アミド基、スルホンアミド基、カルバマート基、チオカルバマート基、尿素基、チオ尿素基、オキサミド基、グアナミド基、ビグアニジノ基、およびそれらの組合せから選択した2個の基を含む炭化水素系部分を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項15】
前記コポリマーが、ブロックコポリマーまたはグラフトコポリマーである、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記ポリマーが、組成物全重量の0.5〜80%に、好ましくは2〜60%に、より好ましくは組成物全重量の5〜40%に相当する、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記少なくとも一つのポリアミドポリマーが、50℃より高温の軟化点を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
前記少なくとも一つのポリアミドポリマーが、150℃未満の軟化点を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
前記少なくとも一つのポリアミドポリマーが、70℃から130℃の範囲の軟化点を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
前記少なくとも一つの構造化ポリマーが、500から200000の範囲、好ましくは1000から100000の範囲、より好ましくは2000から30000の範囲の重量平均分子量を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
30から300gfの範囲の硬度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
30から250gf、好ましくは30から200gfの範囲の硬度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項23】
前記組成物の少なくとも一つの液体脂肪相が、少なくとも一つの構造化ポリマーと親和性を有する少なくとも一つの極性オイル及び少なくとも一つの無極性オイルから選択される少なくとも一つのオイルを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項24】
前記少なくとも一つの極性オイルが、
− 脂肪酸が4から24の炭素原子を有し、これらの鎖は直鎖状または分枝状の、飽和及び不飽和の鎖であって良い、グリセロールの脂肪酸エステルを含む、高含量のトリグリセリドを有する炭化水素ベースの植物油;
− 合成オイルまたは式RCOORのエステルであって、式中Rは1から40の炭素原子を含む直鎖状及び分枝状の脂肪酸残基から選択され、Rは1から40の炭素原子を含む炭化水素ベースの鎖から選択され、R+R≧10であるもの;
− 10から40の炭素原子を含む合成エーテル;
− CからC26の脂肪アルコール;並びに
− CからC26の脂肪酸
から選択される、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
前記少なくとも一つの無極性オイルが、
− 室温で液体である揮発性及び不揮発性の直鎖状及び環状ポリジメチルシロキサンから選択されるシリコーンオイル;
− シリコーン鎖にペンダント状及び/または末端で、2から24の炭素原子をそれぞれ含むアルキルまたはアルコキシ基を含むポリジメチルシロキサン;
− フェニルシリコーン、特にフェニルトリメチコーン;並びに
− 直鎖状及び分枝状の揮発性及び非揮発性の合成及び鉱物起源の炭化水素から選択される炭化水素
から選択される、請求項23に記載の組成物。
【請求項26】
前記少なくとも一つの液体脂肪相が、組成物の全重量に対して1から99重量%の範囲の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項27】
前記少なくとも一つの液体脂肪相が、組成物の全重量に対して10から80重量%の範囲の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項28】
前記少なくとも一つの液体脂肪相が、組成物の全重量に対して30重量%より多く、好ましくは40重量%より多く、より好適には50から100重量%の範囲の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項29】
前記少なくとも一つの液体脂肪相が、炭化水素ベースの溶媒、及びシリコーン鎖にペンダント状にまたは末端でアルキルまたはアルコキシ基を任意に含むシリコーン溶媒を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項30】
前記少なくとも一つのゲル化剤が、ポリマー形態のゲル化剤から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項31】
前記ポリマー状ゲル化剤が、三次元構造の架橋化エラストマー性ポリオルガノシロキサン、例えばMQシリコーン樹脂、ポリアルキルセスキオキサン、及びハイドロシリレーションを介して網状化する樹脂から選択される、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
前記ポリマー状ゲル化剤が、ポリオキシエチレンまたはコポリ(オキシエチレン/オキシプロピレン)のような親水性基を含む、請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
前記ポリマー状ゲル化剤が、物理的な網状化、特に分子混合、水素間相互作用、配列不適合性、または双極性相互作用を介してゲル化する薬剤、並びに液晶基を有する脂溶性ポリマーからなる群から選択される、請求項30に記載の組成物。
【請求項34】
分子混合を介してゲル化するゲル化剤が、下式のシリコーンゴムである、請求項33に記載の組成物。
【化20】

[式中、
、R、R11、及びR12は同一または異なり、それぞれ1から6の炭素原子を含むアルキル基から選択される;
及びR10は同一または異なり、それぞれ1から6の炭素原子を含むアルキル基、及びアリール基から選択される;
Xは1から6の炭素原子を含むアルキル基、ヒドロキシル基、及びビニル基から選択される;
n及びpは100000mPa.sより大きい、例えば500000mPa.sより大きい粘度をシリコーンゴムに与えるように選択される]
【請求項35】
水素間相互作用を介してゲル化する前記ポリマー状ゲル化剤が、アミノシリコーンのアミノ基に結合したチアジニル基またはピリミジニル基を有するアミノシリコーンポリマー、エステルまたはトリアミド官能基を末端に有する非シリコーンポリアミド、ポリウレタン、相互水素間相互作用を形成できる側面の基を有するビニル及び/または(メタ)アクリルポリマーからなる群から選択される、請求項33に記載の組成物。
【請求項36】
配列不適合性を介して液体脂肪相をゲル化する前記ポリマー状ゲル化剤が、
− ポリスチレン−シリコーンまたはポリエチレン−シリコーンのようなブロック(ジまたはトリブロック)コポリマー;
− シリコーン配列と、ポリビニルまたはポリ(メタ)アクリルである別の配列またはグラフトとを含むブロックまたはグラフトコポリマー;
− 一つ以上のエチレン性結合、好ましくは共役結合(またはジエン)を含む、エチレン性モノマーの重合または共重合から生成するポリマーまたはコポリマー;
− エチレン性モノマーの重合または共重合から生成するポリマーまたはコポリマー、特にブロックコポリマー、例えばジブロックまたはトリブロックコポリマー、あるいはマルチブロックまたはスターバーストまたはラジカルコポリマーであって良い、ビニル、アクリル、またはメタクリルコポリマー
からなる群から選択される、請求項33に記載の組成物。
【請求項37】
前記少なくとも一つのゲル化剤が鉱物形態で存在することを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項38】
前記少なくとも一つのゲル化剤がフュームドシリカである、請求項37に記載の組成物。
【請求項39】
前記少なくとも一つのゲル化剤が、組成物の全重量に対して0.05から35重量%、例えば0.5から20重量%、または1から10重量%の範囲の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項40】
前記少なくとも一つのゲル化剤が、組成物の全重量に対して0.5から20重量%、好ましくは1から10重量%の範囲の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項41】
抗酸化剤、精油、防腐剤、香料、ワックス、フィラー、中和剤、ゴム、媒体に分散可能な脂溶性ポリマー、化粧品及び皮膚科学的活性剤、分散剤、及び水性相増粘剤またはゲル化剤で任意に増粘またはゲル化された水、及び任意に水混和性化合物を含む水性相から選択される少なくとも一つの更なる添加剤を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項42】
少なくとも一つの着色剤を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項43】
前記少なくとも一つの着色剤が、脂溶性染料、親水性染料、顔料、及び真珠光沢剤から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項44】
前記少なくとも一つの着色剤が、組成物の全重量に対して、0.01%から50%、好ましくは0.5%から40%、より好ましくは5%から30%の割合で存在する、請求項57に記載の組成物。
【請求項45】
固体である、請求項1に記載の組成物。
【請求項46】
成型スティック及び注ぎ込まれたスティックから選択される固体である、請求項1に記載の組成物。
【請求項47】
硬いゲルの形態で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項48】
少なくとも一つのワックスを更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項49】
前記少なくとも一つのワックスが、ビーズワックス、カルナウバワックス、カンデリラワックス、オーリキュリーワックス、木ロウ、コルク繊維ワックス、サトウキビワックス、パラフィンワックス、リグナイトワックス、マイクロクリスタリンワックス、ラノリンワックス、モンタンワックス、オゾケライト、及び水素化オイル、ポリエチレンワックス、フィッシャー-トロプシュ合成によって得られるワックス、40℃で固体である脂肪酸エステル及びトリグリセリド、シリコーンワックスから選択される、請求項48に記載の組成物。
【請求項50】
無水スティックの形態で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項51】
(i)少なくともオイル、及び(ii)液体脂肪相をゲル化するための少なくとも一つのゲル化剤、を含む少なくとも一つの液体脂肪相であって、少なくとも一つの請求項1に記載の構造化ポリマーで構造化された液体脂肪相を含む、皮膚、唇、またはケラチン繊維のメイクアップ、またはケア、または処理用組成物であって、
前記少なくとも一つの液体脂肪相は、前記構造化ポリマー、及び/または前記ゲル化剤と親和性を有する少なくとも一つのオイルを含み、
前記液体脂肪相、前記ポリマー、及び前記ゲル化剤は、生理学的に許容可能な媒体を形成する組成物。
【請求項52】
(i)少なくとも一つの請求項1に記載の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一つのオイル、及び(ii)液体脂肪相をゲル化するための少なくとも一つのゲル化剤及び少なくとも一つの着色剤、を含む少なくとも一つの液体脂肪相を含む、皮膚、唇、またはケラチン繊維のメイクアップ、またはケア、または処理用組成物であって、
前記少なくとも一つの液体脂肪相は、前記構造化ポリマー、及び/または前記ゲル化剤と親和性を有する少なくとも一つのオイルを含み、
前記液体脂肪相、前記ポリマー、及び前記ゲル化剤は、生理学的に許容可能な媒体を形成する組成物。
【請求項53】
(i)少なくとも一つの請求項1に記載の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一つのオイル、及び(ii)液体脂肪相をゲル化するための少なくとも一つのゲル化剤、を含む少なくとも一つの液体脂肪相を含む、マスカラ、アイライナー、ファンデーション、口紅、ブラッシャー、メイクアップ除去製品、身体のためのメイクアップ製品、アイシャドウ、フェイスパウダー、コンシーラー製品、シャンプー、コンディショナー、唇、皮膚、または毛髪のための抗日光製品またはケア製品中に、少なくとも一つの液体脂肪相を含む組成物を含む、マスカラ、アイライナー、ファンデーション、口紅、ブラッシャー、メイクアップ除去製品、身体のためのメイクアップ製品、アイシャドウ、フェイスパウダー、コンシーラー製品、シャンプー、コンディショナー、唇、皮膚、または毛髪のための抗日光製品またはケア製品であって、前記少なくとも一つの液体脂肪相は、前記構造化ポリマー、及び/または前記ゲル化剤と親和性を有する少なくとも一つのオイルを含み、
前記液体脂肪相、前記ポリマー、及び前記ゲル化剤は、生理学的に許容可能な媒体を形成する製品。
【請求項54】
(i)少なくとも一つの請求項1に記載の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一つのオイル、及び(ii)液体脂肪相をゲル化するための少なくとも一つのゲル化剤、を含む少なくとも一つの液体脂肪相を含む無水組成物を含む口紅組成物であって、
前記少なくとも一つの液体脂肪相は、前記構造化ポリマー、及び/または前記ゲル化剤と親和性を有する少なくとも一つのオイルを含み、
前記液体脂肪相、前記ポリマー、及び前記ゲル化剤は、生理学的に許容可能な媒体を形成する組成物。
【請求項55】
(i)少なくとも一つの請求項1に記載の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一つのオイル、及び(ii)液体脂肪相をゲル化するための少なくとも一つのゲル化剤、を含む少なくとも一つの液体脂肪相を含む組成物を含むファンデーション組成物であって、
前記少なくとも一つの液体脂肪相は、前記構造化ポリマー、及び/または前記ゲル化剤と親和性を有する少なくとも一つのオイルを含み、
前記液体脂肪相、前記ポリマー、及び前記ゲル化剤は、生理学的に許容可能な媒体を形成する組成物。
【請求項56】
(i)少なくとも一つの請求項1に記載の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一つのオイル、及び(ii)液体脂肪相をゲル化するための少なくとも一つのゲル化剤、を含む少なくとも一つの液体脂肪相を含む無水組成物をケラチン物質に適用することを含む、ケラチン物質のケア、メイクアップ、または処理方法であって、
前記少なくとも一つの液体脂肪相は、前記構造化ポリマー、及び/または前記ゲル化剤と親和性を有する少なくとも一つのオイルを含み、
前記液体脂肪相、前記ポリマー、及び前記ゲル化剤は、生理学的に許容可能な媒体を形成する方法。
【請求項57】
(i)少なくとも一つの請求項1に記載の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一つのオイル、及び(ii)液体脂肪相をゲル化するための少なくとも一つのゲル化剤、を含む少なくとも一つの液体脂肪相を含む組成物を、ケラチン繊維、唇、または皮膚に適用することを含む、ケラチン繊維、唇、または皮膚のケア、メイクアップ、または処理方法であって、
前記少なくとも一つの液体脂肪相は、前記構造化ポリマー、及び/または前記ゲル化剤と親和性を有する少なくとも一つのオイルを含み、
前記液体脂肪相、前記ポリマー、及び前記ゲル化剤は、生理学的に許容可能な媒体を形成する方法。
【請求項58】
(i)少なくとも一つの請求項1に記載の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一つのオイル、及び(ii)液体脂肪相をゲル化するための少なくとも一つのゲル化剤、を含む少なくとも一つの液体脂肪相を組成物中に含む、唇、皮膚、及びケラチン繊維から選択されるケラチン物質上に、非流動性で、光沢のあり、及び快適な沈着物から選択される少なくとも一つの特性を有する無水組成物の提供方法であって、
前記少なくとも一つの液体脂肪相は、前記構造化ポリマー、及び/または前記ゲル化剤と親和性を有する少なくとも一つのオイルを含み、
前記液体脂肪相、前記ポリマー、及び前記ゲル化剤は、生理学的に許容可能な媒体を形成する方法。
【請求項59】
(i)少なくとも一つの請求項1に記載の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一つのオイル、及び(ii)液体脂肪相をゲル化するための少なくとも一つのゲル化剤、を含む少なくとも一つの液体脂肪相を含む構造化組成物を、皮膚、唇、またはケラチン繊維に適用することを含む、皮膚、唇、またはケラチン繊維のメイクアップまたはケア方法であって、
前記少なくとも一つの液体脂肪相は、前記構造化ポリマー、及び/または前記ゲル化剤と親和性を有する少なくとも一つのオイルを含み、
前記液体脂肪相、前記ポリマー、及び前記ゲル化剤は、生理学的に許容可能な媒体を形成する方法。
【請求項60】
請求項1に記載の少なくとも一つの構造化ポリマーによって構造化された少なくとも一つのオイルを含む少なくとも一つの液体脂肪相を含む組成物を扱う方法であって、前記液体脂肪相のゲル化剤を導入する工程を含む方法。


【公表番号】特表2006−511447(P2006−511447A)
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−513427(P2004−513427)
【出願日】平成15年6月2日(2003.6.2)
【国際出願番号】PCT/EP2003/006461
【国際公開番号】WO2003/106614
【国際公開日】平成15年12月24日(2003.12.24)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】