説明

少なくとも一つのロイコトリエンアンタゴニストおよび少なくとも一つの抗ヒスタミン剤を含有する呼吸器および皮膚疾患処置のための組成物

【課題】ロイコトリエンアンタゴニストの有効性を高めてこれらの全体の有効性を改善すること。
【解決手段】季節性および通年性アレルギー性鼻炎、感冒、耳炎、副鼻腔炎、アレルギー、喘息、アルルギー性喘息、および/または炎症と関連したくしゃみ、むずむずする鼻水の出る鼻、鼻のうっ血、目の赤み、流涙、耳または口蓋のかゆみ、息切れ、気管支粘膜の炎症、減少した1秒内の努力呼気肺活量(FEV1)、咳、発疹、皮膚のかゆみ、頭痛、疼痛および痛みの処置を必要とする哺乳動物においてそのような処置に有用な薬学的組成物。この組成物は、少なくとも一つのロイコトリエンアンタゴニストまたはその薬学的に受容可能な塩の有効量と、少なくとも一つの抗ヒスタミン剤の有効量、とを混合して含有する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(発明の背景)
本発明は、アルルギー性鼻炎および他のアレルギー性疾患を処置するための組成物に関する。アラキドン酸代謝の5−リポキシゲナーゼ経路の生成物、特にロイコトリエンは、喘息の炎症性プロセスにおいて、気管支収縮、粘液分泌、気道粘膜浮腫、細胞の気道への走化性および動員を媒介し得る。有用ではあるが、これらのロイコトリエンアンタゴニストは、気道疾患と関連され得る多数の症状(例えば、季節性アレルギー性鼻炎、通年性アレルギー性鼻炎、感冒、副鼻腔炎およびアレルギー性喘息と関連した付随症状)を有効に処置できない。このような疾患の症状には、くしゃみ、むずむずする鼻水の出る鼻、鼻のうっ血、目の赤み(redness)、流涙、耳または口蓋のかゆみ、および鼻汁後関連の咳が挙げられ得る。これらのロイコトリエンアンタゴニストの有効性を高めてこれらの全体の有効性を改善することが非常に望まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
(発明の要旨)
一つの実施態様では、本発明は以下:
i)a)〜f)である少なくとも一つのロイコトリエンアンタゴニストまたはその薬学的に受容可能な塩の有効量:
a)モンテルカスト(montelukast);
b)1−(((R)−(3−(2−(6,7−ジフルオロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)フェニル)チオ)メチルシクロプロパン酢酸;
c)1−(((1(R)−3(3−(2−(2,3−ジクロロチエノ[3,2−b]ピリジン−5−イル)−(E)−エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸;
d)プランルカスト(pranlukast);
e)ザフィルルカスト(zafirlukast);または
f)[2−[[2−(4−tert−ブチル−2−チアゾリル)−5−ベンゾフラニル]オキシメチル]フェニル]酢酸;および
ii)デスカルボエトキシジン(descarboethoxyloratidine)、セチリジン、フェキソフェナジン、エバスチン、アステミゾール、ノルアステミゾール、エピナスチン、エフレチリジンまたはその薬学的に受容可能な塩である少なくとも一つの抗ヒスタミン剤の有効量、とを混合して含有する、薬学的組成物に関する。
【0003】
好ましくは、この薬学的組成物は、経口投与用に設計される。好ましくは、このロイコトリエンアンタゴニストはモンテルカストであり、そしてモンテルカストの薬学的に受容可能な塩はモンテルカストナトリウムである。モンテルカストの薬学的に受容可能な塩は約10ミリグラム(mg)であることがまた好ましい。最も好ましくは、この抗ヒスタミン剤は、デスカルボエトキシジンである。好ましくは、セチリジンまたはフェキソフェナジンの薬学的に受容可能な塩は、塩酸塩である。デスカルボエトキシジンまたはセチリジンは、約2.5〜約20mg、さらに好ましくは約5、7.5または10mgである。好ましくは、フェキソフェナジンは、約60〜180mgである。さらに好ましくは、モンテルカストの薬学的に受容可能な塩は約10mgであり、そしてデスカルボエトキシジンは約5または7.5mgである。
【0004】
必要に応じて、この薬学的組成物はさらに:
iii)うっ血除去剤(例えば、擬エフェドリン)、咳止め剤(例えば、デキストロメトルファン)、去痰剤/粘液溶解剤(例えば、グアイフェネシン)、NSAIDまたは鎮痛剤(例えば、アスピリン、アセトアミノフェンおよびフェナセチン)であり得る第三の活性成分をさらに含有し得る。
【0005】
本発明は、皮膚、気道疾患および/またはそれらと関連する付随症状の処置を必要とする哺乳動物でのそのような処置に有用であり、上記の薬学的組成物をこの哺乳動物に投与する工程を包含する。皮膚疾患には、アトピー性皮膚炎、乾癬および慢性特発性蕁麻疹、痒い皮膚および/または蕁麻疹として公知の他のものが挙げられる。気道の疾患には、季節性アレルギー性鼻炎、通年性アレルギー性鼻炎、感冒、耳炎、副鼻腔炎、アレルギー、喘息、アルルギー性喘息、および/または炎症が挙げられる。気道の疾患と関連した症状には、くしゃみ、むずむずするおよび/または鼻水のでる鼻、鼻のうっ血;赤目、流涙または目のかゆみ;耳または口蓋のかゆみ、息切れ、気管支粘膜の炎症、減少した1秒内の努力呼気肺活量(FEV1)、咳、発疹、蕁麻疹、痒い皮膚、頭痛;疼痛および痛み(aches and paines)が挙げられる。デスカルボエトキシジン、セチリジン、フェキソフェナジン、エバスチン、アステミゾール、ノルアステミゾール、エピナスチン、エフレチリフィンまたはそれらの薬学的に受容可能な塩、およびロイコトリエンアンタゴニストまたはその薬学的に受容可能な塩は、別個の投薬形態で実質的に同時にかまたは上記の薬学的組成物について記載したような単位投薬形態に組み合わせるかのいずかで投与され得る。好ましくは、哺乳動物はヒトである。好ましくは、上記薬学的組成物の別個の投薬形態および単位投薬形態は、経口投与用に設計される。好ましくは、別個の投薬形態はおよび単位投薬形態は、デスカルボエトキシジンの5または7.5mgおよびモンテルカストナトリウムの10mgを含有する。
本発明はまた、以下の項目を提供する。
(項目1)薬学的組成物であって、以下:
i)a)〜f)から選択される少なくとも一つのロイコトリエンアンタゴニストまたはその薬学的に受容可能な塩の有効量:
a)モンテルカスト;
b)1−(((R)−(3−(2−(6,7−ジフルオロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)フェニル)チオ)メチルシクロプロパン酢酸;
c)1−(((1(R)−3(3−(2−(2,3−ジクロロチエノ[3,2−b]ピリジン−5−イル)−(E)−エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸;
d)プランルカスト;または
e)ザフィルルカスト;または
f)[2−[[2−(4−tert−ブチル−2−チアゾリル)−5−ベンゾフラニル]オキシメチル]フェニル]酢酸;および
ii)デスカルボエトキシロラタジン、セチリジン、フェキソフェナジン、エバスチン、アステミゾール、ノルアステミゾール、エピナスチン、エフレチリジンまたはその薬学的に受容可能な塩である少なくとも一つの抗ヒスタミン剤の有効量、とを混合して含有する、組成物。
(項目2)項目1に記載の薬学的組成物であって、前記ロイコトリエンアンタゴニストがa)モンテルカストであり、そして前記抗ヒスタミン剤がデスカルボエトキシロラタジン、セチリジン、フェキソフェナジン、エバスチン、ノルアステミゾールまたはエフレチリジンである、組成物。
(項目3)前記抗ヒスタミン剤がデスカルボエトキシロラタジンである、項目2に記載の薬学的組成物。
(項目4)前記モンテルカストが約10mgであり、そして前記デスカルボエトキシロラタジンが約5または7.5mgである、項目2に記載の薬学的組成物。
(項目5)項目1に記載の薬学的組成物であって、前記ロイコトリエンアンタゴニストがd)プランルカストであり、そして前記抗ヒスタミン剤がデスカルボエトキシロラタジン、セチリジン、フェキソフェナジン、エバスチン、ノルアステミゾールまたはエフレチリジンである、組成物。
(項目6)前記抗ヒスタミン剤がデスカルボエトキシロラタジンである、項目5に記載の薬学的組成物。
(項目7)項目1または5に記載の薬学的組成物であって、iii)うっ血除去剤、咳止め剤、去痰剤/粘液溶解剤または鎮痛剤であり得る第三の活性成分をさらに含有する、組成物。
(項目8)前記うっ血除去剤が擬エフェドリンである、項目7に記載の薬学的組成物。
(項目9)前記咳止め剤がデキストロメトルファンである、項目7に記載の薬学的組成物。
(項目10)前記去痰剤/粘液溶解剤がグアイフェネシンである、項目7に記載の薬学的組成物。
(項目11)哺乳動物における皮膚、気道疾患および/またはそれらと関連する付随症状の処置方法であって、項目1に記載の薬学的組成物を該哺乳動物に投与する工程を包含する、方法。
(項目12)哺乳動物における皮膚、気道疾患および/またはそれらと関連する付随症状の処置に有用な医薬品の製造のための項目1〜10にいずれか一項に記載の組成物の使用。
【発明を実施するための形態】
【0006】
(実施態様の詳細な記載)
(抗ヒスタミン剤)
デスカルボエトキシジン(DCL)は、その専門名称が8−クロロ−6,11−ジヒドロ−11−(4−ピペリジリデン)−5H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2]ピリジンである非鎮静抗ヒスタミン剤である。この化合物は、Querciaら、Hosp.Formul.、28:137−53(1993)、米国特許第4,659,716号、およびWO96/20708に記載されている。DCLは、H−1ヒスタミンレセプタータンパク質のアンタゴニストである。このH−1レセプターは、従来の抗ヒスタミン剤により拮抗される応答を媒介するものである。H−1レセプターは、例えば、ヒトおよび他の哺乳動物の回腸、皮膚、および気管支平滑筋に存在する。本発明の組成物の単位(すなわち、単一の)投薬形態で使用され得るDCLの量は、約2.5〜約20mg、または約5〜約10mg、好ましくは約5または7.5mgの範囲であり得る。
【0007】
セチリジンは、その専門名称が(±)−[2−[4−(p−クロロ−α−フェニルベンジル)−1−ピペラジニル]エトキシ]酢酸である抗ヒスタミン剤である。好ましくは、この薬学的に受容可能な塩は塩酸塩であり、セチリジン塩酸塩としてまた公知である。この化合物の化学構造は次の通りである:
【0008】
【化1】

本発明の組成物の単位投薬形態で使用され得るセチリジンの量は、約2.5〜20mg、さらに約5〜約10mg、好ましくは約10mgの範囲であり得る。
【0009】
フェキソフェナジン(MDL16,455A)は、その専門名称が4−[1−ヒドロキシ−4−(4−ヒドロキシ−ジフェニルメチル)−1−ピペリジニル)ブチル]−α,α−ジメチル−ベンゼン酢酸である非鎮静抗ヒスタミン剤である。好ましくは、この薬学的に受容可能な塩は塩酸塩であり、フェキソフェナジン塩酸塩としてまた公知である。本発明の組成物の単位投薬形態に使用され得るフェキソフェナジンの量は、約40〜200mg、さらに約60〜約180mg、さらに約120mgの範囲であり得る。
【0010】
エバスチンは、その専門名称が1−[4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]−4−[4−(ジフェニルメトキシ)−1−ピペリジニル−1−ブタノンである抗ヒスタミン剤である。CAS90729−43−4。この化合物は、EP134124に記載されている。この化合物の化学構造は、次の通りである:
【0011】
【化2】

単位投薬形態で使用され得るエバスチンの量は、約5〜約20mg、好ましくは約10mgの範囲であり得る。
【0012】
アステミゾールは、その専門名称が1−[(4−フルオロフェニル)メチル]−N−[1−[2−(メトキシフェニル)エチル]−4−ピペリジニル]−1H−ベンズイミダゾール−2−アミンである抗ヒスタミン剤である。CAS68844−77−9。この化合物はUS4,219,559に記載される。この化合物の化学構造は、次の通りである:
【0013】
【化3】

単位投薬形態で使用され得るアステミゾールの量は、約5〜約20mg、好ましくは約10mgの範囲であり得る。
【0014】
ノルアステミゾールは、その専門名称が1−((4−フルオロフェニル)メチル)−N−4−ピペリジニル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミンである抗ヒスタミン剤である。CAS75970−99−9。この化合物はアステミゾールの活性代謝物である。この化合物の化学構造は、次の通りである:
【0015】
【化4】

単位投薬形態で使用され得るノルアステミゾールの量は、約5〜約40mg、さらに約10〜約20mgの範囲であり得る。
【0016】
エピナスチンは、その専門名称が9,13b−ジヒドロ−1H−ジベンズ[c,f]イミダゾ[1,5−a]アゼピン−3−アミンである抗ヒスタミン剤である。CAS80012−43−7。この化合物はDE3008944またはJpn.J.Clin.Pharmocol Ther、1991、22、617頁に記載され得る。この化合物の化学構造は、次の通りである:
【0017】
【化5】

単位投薬形態で使用され得るエピナスチンの量は、約1〜約20mg、好ましくは約2〜約18mgの範囲であり得る。
【0018】
エフレチリジン(UCB−28754)は、その専門名称が[2−[4−[ビス(p−フルオロフェニル)メチル]−1−ピペラジニル]エトキシ]酢酸である抗ヒスタミン剤である。CAS140756−35−7。この化合物の化学構造は、次に通りである:
【0019】
【化6】

単位投薬形態で使用され得るエフレチリジンの量は、約4〜約60mgの範囲であり得る。
【0020】
(ロイコトリエンアンタゴニスト)
任意の特定の化合物について記載した量に加えておよび/またはその代わりに、単位投薬形態で使用され得るロイコトリエンアンタゴニストの量は、約5〜約500mg、さらに約50〜約300mg、さらに約100〜約200mgの範囲であり得る。
【0021】
モンテルカストは、システイニルロイコトリエンのためのレセプターを拮抗し得るロイコトリエンD4アンタゴニストである。モンテルカストの専門名称は、[R−(E)]−1−[[[1−[3−[2−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル]フェニル]−3−[2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル]プロピル]チオ]メチル]シクロプロパン酢酸である。この化合物はEP480,717に記載されている。モンテルカストの好ましい薬学的に受容可能な塩は一ナトリウム塩であり、モンテルカストナトリウムとして公知である。本発明の単位投薬形態で使用され得るモンテルカストの量は、約1〜100mg、さらに約5〜約20mg、好ましくは約10mgの範囲であり得る。
【0022】
化合物1−(((R)−(3−(2−(6,7−ジフルオロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)フェニル)チオ)メチルシクロプロパン酢酸は、WO97/28797および米国特許第5,270,324号に記載されるロイコトリエンアンタゴニストである。この化合物の薬学的に受容可能な塩は、ナトリウム塩であり、1−(((R)−(3−(2−(6,7−ジフルオロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)フェニル)チオ)メチルシクロプロパン酢酸ナトリウムとしてまた公知である。
【0023】
化合物1−(((1(R)−3(3−(2−(2,3−ジクロロチエノ[3,2−b]ピリジン−5−イル)−(E)−エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸は、WO97/28797および米国特許第5,472,964号に記載されるロイコトリエンアンタゴニストである。この化合物の薬学的に受容可能な塩はナトリウム塩であり、1−(((1(R)−3(3−(2−(2,3−ジクロロチエノ[3,2−b]ピリジン−5−イル)−(E)−エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸ナトリウムとしてまた公知である。
【0024】
プランルカストは、WO97/28797およびEP173,516に記載されるロイコトリエンアンタゴニストである。この化合物の専門名称は、N−[4−オキソ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4H−1−ベンゾピラン−8−イル]−p−(4−フェニルブトキシ)ベンズアミドである。単位投薬形態で使用され得るプランルカストの量は、約100〜約700mg、好ましくは約112〜675mg;さらに約225mg〜約450mg;さらに約225〜約300mgの範囲であり得る。
【0025】
ザフィールルカストは、WO97/28797およびEP199,543に記載されるロイコトリエンアンタゴニストである。この化合物の専門名称は、シクロペンチル−3−[2−メトキシ−4−[(o−トリルスルホニル)カルバモイル]ベンジル]−1−メチルインドール−5−カルバメートである。
【0026】
化合物[2−[[2−(4−tert−ブチル−2−チアゾリル)−5−ベンゾフラニル]オキシメチル]フェニル]酢酸は、その調製法が米国特許第5,296,495号および日本特許JP08325265Aに記載されるロイコトリエンアンタゴニストおよび/またはインヒビターである。この化合物の代替名は、2−[[[2−[4−(1,1−ジメチルエチル)−2−チアゾリル]−5−ベンゾフラニル]オキシ]メチル]−ベンゼン酢酸である。この化合物のコード番号はFK011またはFR150011である。この化合物はC2423NO4Sの分子式および421.52の分子量を有する。この化合物の化学構造は次の通りである:
【0027】
【化7】

本発明の薬学的組成物は患者の年齢、性別、体重および処置される病状の重篤度に応じて投与され得る。一般に、デスカルボエトキシジン、セチリジン、フェキソフェナジン、エバスチン、アステミゾール、ノルアステミゾール、エピナスチン、エフレチリジンまたはそれらの薬学的に受容可能な塩およびロイコトリエンアンタゴニストを含有するヒトの経口投薬形態は、1日あたり1または2回投与され得る。
【0028】
次の表はロイコトリエンアンタゴニストおよび抗ヒスタミン剤の好ましい組み合わせを示す。
【0029】
(ロイコトリエンアンタゴニスト+抗ヒスタミン剤)
モンテルカスト+デスカルボエトキシジン
プランルカスト+デスカルボエトキシジン
モンテルカスト+セチリジン
プランルカスト+セチリジン
モンテルカスト+フェキソフェナジン
プランルカスト+フェキソフェナジン
モンテルカスト+エバスチン
プランルカスト+エバスチン
モンテルカスト+ノルアステミゾール
プランルカスト+ノルアステミゾール
モンテルカスト+エフレチリジン
プランルカスト+エフレチリジン
本明細書中で使用される用語「NSAID」とは、任意の非麻薬性鎮痛非ステロイド抗炎症化合物(その薬学的受容可能な塩を含む)を意味することが意図され、アスピリン、アセトアミノフェンおよびフェナセチンを除外する以外は、次のような5つの構造分類の一つに入る:
1)プロピオン酸誘導体(例えば、イブプロフェン、ナプロキセン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、ケトプロフェン、フェンブフェンおよびフルプロフェン);
2)酢酸誘導体(例えば、トルメチン、スリンダクナトリウムおよびインドメタシン);
3)フェナム酸誘導体(例えば、メフェナム酸およびメクロフェナム酸ナトリウム);
4)ビフェニルカルボン酸誘導体(例えば、ジフルニサルおよびフルフェニサール);および
5)オキシカム(例えば、ピロキシカム、スドキシカムおよびイソキシカム)。
【0030】
鎮痛剤は、痛みを和らげる薬物または化合物であり、アスピリン、アセトアミノフェンおよびフェナセチンを含む。
【0031】
本発明の薬学的組成物および方法において、上述の活性成分は、典型的には、意図した投与形態(すなわち、経口錠剤、カプセル剤(固体充填、半固体充填または液体充填のいずれか)、構成用散剤、経口ゲル剤、エリキシル剤、シロップ剤、懸濁剤、液剤、鼻スプレー、点眼剤、経口ドロップ、局所クリームなど)について適切に選択され、そして従来の薬学的慣行と一貫した適切な薬学的希釈剤、賦形剤またはキャリア(本明細書中でキャリア物質として総称される)と混合して、投与される。例えば、錠剤またはカプセル剤の形態での経口投与では、活性薬物成分は任意の経口非毒性の薬学的受容可能な不活性キャリア(例えば、乳糖、デンプン、ショ糖、セルロース、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、マンニトール、エチルアルコール(液状形態)など)と配合され得る。さらに、所望または必要であれば、適切な結合剤、滑沢剤、崩壊剤および着色剤がまた、この混合物中に組込まれ得る。適切な結合剤には、デンプン、ゼラチン、天然糖、コーン甘味料、天然および合成ゴム(例えば、アカシア)、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコールおよびワックスが挙げられる。滑沢剤の中では、これらの投薬形態で使用されるものとして、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられ得る。崩壊剤には、デンプン、メチルセルロース、ガーゴムなどが挙げられる。甘味料および香味料および保存剤がまた、適宜含まれ得る。
【0032】
さらに、本発明の組成物は、持続放出形態で処方化されて任意の1つ以上の成分または活性成分の速度制御放出を提供し、治療効果(すなわち、ロイコトリエン拮抗、抗ヒスタミン作用など)を最適化し得る。持続放出に適切な投薬形態には、種々の崩壊速度の層を含有する層状錠剤、または活性成分で含浸されそして錠剤形態またはカプセル(これは、このような含浸またはカプセル化多孔性ポリマーマトリクスを含有する)に成型された制御放出ポリマー性マトリクスが挙げられる。
【0033】
投薬形態−組成物デスカルボエトキシジン、セチリジン、フェキソフェナジン、エバスチン、アステミゾール、ノルアステミゾール、エピナスチン、エフレチリジンまたはそれらの薬学的に受容可能な塩、およびロイコトリエンアンタゴニストは、送達システム、すなわち、不活性成分と共同で錠剤、カプセル剤、経口ゲル剤、構成用散剤または懸濁剤に処方化した。
【0034】
カプセルとは、デスカルボエトキシジン、セチリジンまたはフェキソフェナジンおよびロイコトリエンアンタゴニストを含有する組成物を保持するかまたは含有するためのメチルセルロース、ポリビニルアルコールまたは変性ゼラチンまたはデンプンから作成される特別の容器または封入物のことを言う。ハードシェルカプセルは、典型的には比較的高ゲル強度骨組織およびポークスキンゼラチンの混合物から作成される。カプセルそれ自身は、少量の色素、不透明化剤、可塑剤および保存剤を含有し得る。
【0035】
錠剤とは、適切な希釈剤と共に活性成分(デスカルボエトキシジン、セチリジンまたはフェキソフェナジンおよびロイコトリエンアンタゴニスト)を含有する圧縮または成形された固体投薬形態のことを言う。この錠剤は、湿式顆粒化、乾式顆粒化または圧縮により得られる混合物または顆粒の圧縮により調製され得る。
【0036】
経口ゲル剤とは、親水性半固体マトリクスに分散または溶解されたデスカルボエトキシジン、セチリジンまたはフェキソフェナジンおよびロイコトリエンアンタゴニストのことを言う。
【0037】
構成用散剤とは、水またはジュースに懸濁され得るデスカルボエトキシジン、セチリジンまたはフェキソフェナジンおよびロイコトリエンアンタゴニストおよび適切な希釈剤を含有する粉末混合物のことを言う。
【0038】
希釈剤とは、組成物または投薬形態の大部分を通常構成する物質のことを言う。適切な希釈剤には、糖(例えば、乳糖、ショ糖、マンニトールおよびソルビトール);小麦、コーンライスおよびジャガイモに由来するデンプン;およびセルロース(例えば、微結晶セルロース)が挙げられる。この組成物中の希釈剤の量は、総組成物の約10〜約90重量%、好ましくは約25〜約75重量%、さらに好ましくは約30〜約60重量%、なおさらに好ましくは約12〜約60重量%の範囲であり得る。
【0039】
崩壊剤とは、医薬品が崩れ去り(崩壊する)、そしてそれを放出するのを援助するため組成物に添加される物質のことを言う。適切な崩壊剤には、デンプン;「冷水可溶性」変性デンプン(例えば、カルボキシメチルデンプンナトリウム);天然および合成ゴム(例えば、イナゴマメ、カラヤ、グアー、トラガカントおよび寒天);セルロース誘導体(例えば、メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム);微結晶セルロースおよび架橋微結晶セルロース(例えば、クロスカルメロース(croscarmellose)ナトリウム);アルギネート(例えば、アルギン酸およびアルギン酸ナトリウム);クレー(例えば、ベントナイト);および発泡性混合物が挙げられる。この組成物中の崩壊剤の量は、組成物の約2〜約15重量%、さらに好ましくは約4〜約10重量%の範囲であり得る。
【0040】
結合剤とは、粉末を一緒に結合または「接着」し、そして顆粒を形成し、従って処方物中で「接着剤」として役立つことによりそれらを凝集させる物質のことを言う。結合剤は、希釈剤またはバルク化(bulking)剤で既に得られる凝集力を増す。適切な結合剤には、糖(例えば、ショ糖);小麦、コーンライスおよびジャガイモに由来するデンプン;天然ゴム(例えば、アカシア、ゼラチンおよびトラガカント);海草の誘導体(例えば、アルギン酸、アルギン酸ナトリウムおよびアルギン酸アンモニウムカルシウム);セルロース性物質(メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース);ポリビニルピロリドン;ならびに無機物質(例えば、珪酸マグネシウムアルミニウム)が挙げられる。組成物中の結合剤の量は、組成物の約2〜約20重量%、さらに好ましくは約3〜約10重量%、なおさらに好ましくは約3〜約6重量%の範囲であり得る。
【0041】
滑沢剤とは、錠剤、顆粒などが圧縮された後、摩擦または磨耗を減少させることにより、それらの鋳型またはダイス型からの放出を可能とするために投薬形態に添加される物質のことを言う。適切な滑沢剤には、ステアリン酸金属塩(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸カリウム);ステアリン酸;高融点ワックス;および水溶性滑沢剤(例えば、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ポリエチレングリコールおよびd’l−ロイシン)が挙げられる。滑沢剤は、顆粒の表面上および顆粒と錠剤プレスの部品との間に存在しなければならないため、圧縮前のまさに最後の工程で通常、添加される。組成物中の滑沢剤の量は、組成物の約0.2〜約5重量%、好ましくは約0.5〜約2重量%、さらに好ましくは約0.3〜約1.5重量%の範囲であり得る。
【0042】
グライデント(Glident)−ケーキングを防止し、顆粒の流動特性を向上させる物質であって、その結果、流れがスムーズかつ均一となる。適切なグライデントには、二酸化ケイ素およびタルクが挙げられる。組成物中のグライデントの量は、総組成物の約0.1重量%〜約5重量%、好ましくは約0.5〜約2重量%の範囲であり得る。
【0043】
着色剤−組成物または投薬形態へ着色を提供する賦形剤。このような賦形剤には、食品用色素および適切な吸着剤(例えば、クレーまたは酸化アルミニウム)に吸着された食品用色素が挙げられる。着色剤の量は、組成物の約0.1〜約5重量%、好ましくは約0.1〜約1%で変化し得る。
【0044】
バイオアベイラビリティとは、活性薬物成分または治療的部分が、投与薬物形態から体循環に吸収される割合および程度のことを言う(標準物質またはコントロールと比較される)。
【0045】
錠剤を調製する従来の方法は公知である。このような方法には、乾式法(例えば、直接圧縮、および圧密により生成された顆粒の圧縮)または湿式法または他の特殊な手順が挙げられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬学的組成物であって、以下:
i)a)〜b)から選択される少なくとも一つのロイコトリエンアンタゴニストまたはその薬学的に受容可能な塩の有効量
a)モンテルカスト;または
b)プランルカスト;および
ii)デスカルボエトキシロラタジン、フェキソフェナジン、エバスチン、ノルアステミゾールまたはその薬学的に受容可能な塩である少なくとも一つの抗ヒスタミン剤の有効量、
を混合して含有する、組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の薬学的組成物であって、前記ロイコトリエンアンタゴニストがモンテルカストまたはその薬学的に受容可能な塩である、組成物。
【請求項3】
前記抗ヒスタミン剤がデスカルボエトキシロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩である、請求項2に記載の薬学的組成物。
【請求項4】
前記モンテルカストの有効量が10mgであり、そして前記デスカルボエトキシロラタジンの有効量が5または7.5mgである、請求項に記載の薬学的組成物。
【請求項5】
請求項1に記載の薬学的組成物であって、前記ロイコトリエンアンタゴニストがプランルカストまたはその薬学的に受容可能な塩である、組成物。
【請求項6】
前記抗ヒスタミン剤がデスカルボエトキシロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩である、請求項5に記載の薬学的組成物。
【請求項7】
請求項1に記載の薬学的組成物であって、iii)うっ血除去剤、咳止め剤、去痰剤/粘液溶解剤または鎮痛剤から選択される第三の活性成分をさらに含有する、組成物。
【請求項8】
前記うっ血除去剤が擬エフェドリンである、請求項7に記載の薬学的組成物。
【請求項9】
前記咳止め剤がデキストロメトルファンである、請求項7に記載の薬学的組成物。
【請求項10】
前記去痰剤/粘液溶解剤がグアイフェネシンである、請求項7に記載の薬学的組成物。
【請求項11】
哺乳動物における皮膚疾患、気道疾患および/またはそれらと関連する付随症状の処置のための医薬品の製造のための請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物の使用であって、
該皮膚疾患は、アトピー性皮膚炎、乾癬および慢性特発性蕁麻疹からなる群より選択され;
該気道疾患は、季節性アレルギー性鼻炎、通年性アレルギー性鼻炎、感冒、耳炎、副鼻腔炎、アレルギー、喘息、アルルギー性喘息、および炎症からなる群より選択され;そして
該付随症状は、くしゃみ、むずむずする鼻、鼻水のでる鼻、鼻のうっ血、赤目、流涙、目のかゆみ、耳のかゆみ、口蓋のかゆみ、息切れ、気管支粘膜の炎症、減少した1秒内の努力呼気肺活量(FEV1)、咳、発疹、蕁麻疹、痒い皮膚、頭痛、疼痛および痛みからなる群より選択される、
使用。
【請求項12】
前記組成物が経口投薬形態である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物が錠剤またはカプセル剤である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
哺乳動物における皮膚疾患、気道疾患および/またはそれらと関連する付随症状を処置するための組成物であって、該組成物は、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物を含有し、
該皮膚疾患は、アトピー性皮膚炎、乾癬および慢性特発性蕁麻疹からなる群より選択され;
該気道疾患は、季節性アレルギー性鼻炎、通年性アレルギー性鼻炎、感冒、耳炎、副鼻腔炎、アレルギー、喘息、アルルギー性喘息、および炎症からなる群より選択され;そして
該付随症状は、くしゃみ、むずむずする鼻、鼻水のでる鼻、鼻のうっ血、赤目、流涙、目のかゆみ、耳のかゆみ、口蓋のかゆみ、息切れ、気管支粘膜の炎症、減少した1秒内の努力呼気肺活量(FEV1)、咳、発疹、蕁麻疹、痒い皮膚、頭痛、疼痛および痛みからなる群より選択される、
組成物。

【公開番号】特開2011−68679(P2011−68679A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−291255(P2010−291255)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【分割の表示】特願2000−525116(P2000−525116)の分割
【原出願日】平成10年12月21日(1998.12.21)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】