説明

少なくとも1つの保持部材を備える塗膜システム部品

本発明は、塗膜システム部品、好ましくは、塗膜剤により少なくとも部分的に湿り及び/又は塗膜剤が少なくとも部分的に流れるように適合されている塗膜システム部品であって、好ましくは、実装ソケット、及び、塗膜システム装置上又は内に固定するために該実装ソケットに配置されている少なくとも1つの保持部材を備える塗膜システム部品に関する。保持部材は、好ましくは、塗装技術分野における特別な要求を満たすような特別な構成を有するような、雄ネジである。さらに、対応する塗膜システム装置は、塗膜システム部品が取り外し可能に接続できるように設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保持部材を有する塗膜システム部品に関し、特に、保持部材に相互に取り外し可能に取り付けられている保持手段を有する塗装システム部品に関する。本塗膜システム部品は、例えば、弁、ベルカップ、色切替器、回転式噴霧器、あるいは、塗膜システムに用いられるその他の部材であり得る。
【背景技術】
【0002】
近年の塗膜システムでは、特に、例えば、自動車の車体部材などの塗膜のための、塗装システムでは、相互に取り付け可能である規格品の従来のネジを備える塗膜剤装置(例えば、ニードル弁、ベルカップ、噴霧器など)が用いられる。規格品の従来のネジは、さまざまな目的に適しているものの、塗膜/塗装システムに用いられる場合は、塗膜/塗装システムの特定の拘束条件に大部分由来する数々の欠点を示す。
【0003】
例えば、塗膜システムでのホースの破裂やスプレーの飛沫により、塗膜剤(例えば、塗料、単成分塗料、2成分又は多成分塗料など)、又は、塗膜システムで用いられるその他の一般的な薬剤(例えば、洗浄剤、リンス剤、溶剤など)が、塗膜剤装置のネジを汚染し影響を与え、特に、影響を受けた塗膜剤装置の意図せぬ固定(ねじづまり)が招かれかねない。また、塗膜システムの通常の操業中に、塗装システム中に見られる全てのネジを、塗膜剤又はその他のネジに影響を与える薬剤から完全に隔離することは不可能である。塗膜剤装置間の連結点が、例えば、塗料など(特に、2成分塗料が危険である)により汚染される限り、塗膜剤装置を相互に非破壊的に取り外すことができない虞がある。このため、効率的な維持管理及び洗浄が容易な連結ができない。
【0004】
さらに、塗膜剤装置を、約8000−80000rpmという従来の塗膜システムの速度で用いる場合、例えば、タービンで回転されるベルカップなどが、意図せず解き放たれる虞がある。8000−80000rpmの速度で解き放たれた部材は、塗膜システムや塗膜対象の部品に大規模な損傷を与える可能性がある。例えば、ロボットやタービンなどが、急加速又は急ブレーキされる場合に、解放の危険がある。
【0005】
さらに、通常の塗膜剤装置の組み立て及び分解は、差込可能なネジ接続を形成するために幾度か回転してネジ留めする必要があるため、比較的大変である。例えば、ベルカップの場合、一般的に、ベルカップのシャフトを中心に少なくとも5回転する必要がある。同様に、弁の場合、一般的に、3から6回転してネジ留めされる。一方、洗浄のため又は摩耗による換装のために、塗膜剤装置の組み立て及び分解は必須である。特定の塗膜剤装置、特に、ベルカップネジなどの、汚染は、例えば、軸受ユニットの機械的負荷に関連する機械的不安定性を招く可能性があり、極端な場合、軸受ユニットの機能停止を招く可能性がある。
【0006】
さらに、従来の塗膜剤装置は、挿入/整列補助具を有していないため、取り付けが難しく、さらに、塗膜剤装置の組立に必要な時間が増していた。
【0007】
また、塗膜剤装置、例えば、静電式噴霧器の場合、高いピーク電圧の危険があった。
【0008】
特許文献1は、従来のネジ接続を有する弁の例を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1157747号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記の説明に鑑み、当業者にとっては、本願の記載に基づき、上記の問題点又は欠点を解決し又は克服する必要性があったことは明白であろう。本発明は、先行技術のこうした必要性、及び、本願の記載に基づき当業者にとって自明な必要性に関する。
【0011】
本発明は、しかし、上記の先行技術の問題点又は欠点の全てを解決するような実施形態に限定されない。本発明は、また、下記の実施形態の広い保護範囲を請求するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の点から生じる目的は、独立請求項の特徴により大部分達成される。
【0013】
本発明は、好ましくは、塗膜システム部品の実装ソケットに配置される少なくとも1つの保持部材を有する塗膜システム部品を提供するための一般的な技術的教示に関する。さらに、本発明は、好ましくは、別の塗膜システム部品の実装ソケット受け口上に又は内に配置される少なくとも1つの保持手段を有する別の塗膜システム部品を提供するための一般的な技術的教示に関する。塗膜システム部品間の、特に、保持部材と保持手段との間の、実装又は接続は、塗膜/塗装システムの機能及び動作の改善を保証するよう設けられている。
【0014】
本発明の好ましい実施形態では、塗膜システム部品は、別の塗膜システム部品に取り付け可能に接続するための保持部材を設けられている。
【0015】
塗膜システム部品を相互に識別するために、一方の塗膜システム部品を『塗膜システム部品』、他方の塗膜システム部品を『塗膜システム装置』と表すことにする。
【0016】
保持部材は、好ましくは、特別な構成を有するネジであるが、その他の保持構造であってもよい。以降、相互に区別するために、塗膜システム部品に配置されたネジは、保持部材ネジと表し、塗膜システム装置に配置されたネジは、保持手段ネジと表すこととする。これらのネジは、共にネジ留め可能である雄ネジ及び雌ネジに関連するものであってもよい。
【0017】
保持部材ネジの構成は、好ましくは、雄ネジを意図しているが、雌ネジとして設けられてもよい。
【0018】
実装ソケット、保持部材、及び/又は、保持部材ネジは、特に、実装ソケット受け口、保持手段、及び/又は、保持手段ネジと、機能的に適切なやり方で、特に、差込可能な及び/又はねじれ止め可能な(『ナット式』の)固定を実現するため、互いに嵌合するように設けられている。
【0019】
塗膜システム部品は、特に、非規格品の保持部材の使用、好ましくは、非規格品のネジ、特に、非ISO規格のネジの使用を特徴とする。塗膜システム部品は、さらに、もともとは規格品であった保持部材の使用、好ましくは、規格品であったネジ、特に、元の形状とは異なるよう機械加工されたISO規格のネジの使用を特に特徴とする。
【0020】
有利なことに、塗膜システム部品は、塗膜システムの異なる要求を満たすことができるような保持部材及び/又は保持部材ネジを用いて作られる。特に、ネジの破損に対する保護を高め、許容可能な締め付けトルクを増加させることに繋がるような、大きなせん断面を実現することができる。ネジの高い(初)荷重を実現することで、意図せぬ解放に対する保護を高めることができることが、特に有利な点である。しかし、本発明に係る(雄)ネジのネジ歯及び/又はネジ側面の軸受表面は、可能な付着面の減少及びそれによる結合されたネジの分離トルクの減少に繋がるように、意図的に縮小しもよい。さらに、ネジ歯のネジ側面の内角は、解放及び/又は固定中の突発的な力の減少及びそれによる塗膜システム部品及び/又は塗膜システム装置の負荷の軽減に繋がるように、小さくしてもよい。これは、特に、塗膜システム装置、又は、その実装ソケット受け口、又は、(雌)ネジがプラスチック製である場合、実装ソケット受け口(例えば、ナットネジ)の耐用年数が増加するため、さらに有利である。このようにして、損傷及び/又は過負荷に対する感受性の減少を実現することが可能となる。さらに、組み立てのための労力は、例えば、ネジ留めのために必要な回転数の減少などにより、減らすことができる。
【0021】
保持部材ネジは、1つのピッチと、ネジ歯深さ対ピッチの比率が約0.3、0.5、0.7、0.9、1.1、1.3、又は、1.5より大きく、及び/又は、約1.6、1.4、1.2、1.0、0.8、0.6、又は、0.4より小さくなるようなネジ歯深さを有する少なくとも1つのネジ歯とを備えることが可能である。例えば、ネジ歯深さは2mm、ピッチは3mmであってもよく、このとき、比率は0.66となる。
【0022】
また、ネジ歯はネジ側面とも表される。意図した場合は、ネジの螺旋状に走る突出した部分をネジ歯と表し、ネジの螺旋状に走る部分をネジ段部又はネジ溝と表す。
【0023】
例えば、弁連結部の場合、ネジ歯深さ対ピッチの比率は、0.5±0.3又は1.125±0.5が好ましく、ベルカップ連結部の場合、ネジ歯深さ対ピッチの比率は、1.0±0.5が好ましい。
【0024】
ネジ歯深さは、ネジ歯のネジ歯山頂部とそれに対応する(隣接する)ネジ谷底部との間の距離であり、より正確には、ネジ歯山頂部の先端とネジ谷底部の先端との間の(半径方向の、及び/又は、雄ネジ及び/又は実装ソケットの中心軸に対して垂直方向の)距離である。
【0025】
保持部材ネジは、軸方向に非対称な少なくとも1つのネジ歯、好ましくは、雄ネジ及び/又は実装ソケットの中心軸からネジ歯のネジ歯山頂部(及び/又はその先端)に対して垂直に延びる基準直線に対して軸方向に非対称な少なくとも1つのネジ歯を備えることが可能である。
【0026】
ネジ歯又は少なくともネジ歯の基底部は、例えば、実質的に、非二等辺三角形又は非二等辺台形の形状に設計することができ、このとき、該形状は、丸められたネジ谷底部又はネジ歯山頂部を備えても又は備えなくてもよい。また、ネジ谷底部及び/又はネジ歯山頂部は、平坦化されていても、又は、面取りされていてもよい。
【0027】
しかし、好ましくは、保持部材ネジは、丸められたネジ歯山頂部を有する少なくとも1つのネジ歯を有する。さらに、ネジ歯は、第1のネジ側面内角を有する第1のネジ側面部、第2のネジ側面内角を有する第2のネジ側面部、及び/又は、第3の、好ましくは削減された(例えば、段を設けられたり、面取りされたり、湾曲したり、又は、ネジ歯山頂部に対して分岐されたり、又は、その他の方法で削減された)、ネジ側面部を備えてもよい。
【0028】
第3のネジ側面部は、以下、削減されたネジ側面部と呼ぶ。該第3のネジ側面部は、特に、塗膜システム装置に設けられた固定用の輪郭のための空間及び/又は余地を作るように、配置される。このとき、好ましくは、側面が削減され、及び/又は、ネジ側面山頂部と第2のネジ側面部との間に斜めに配置される。削減されたネジ側面部及び固定用の輪郭は、互換性のない2つの部品が共に結合され、一方又は両方の損傷、さらには、塗膜対象の部品の損傷が生じることを防ぐ。削減されたネジ側面部は、好ましくは、ねじ込まれた状態では塗膜システム装置の保持手段ネジ及び/又はそのネジ歯に接触しないように配置される。さらに、(ねじ込まれた状態の)削減されたネジ側面部は、有利なことに、汚れの受け口として機能し得るような、又は、保持装置ネジに設けられた受け口を拡張し得るようなネジ歯、ネジ歯谷底部、及び/又は、保持手段ネジの固定用の輪郭の隙間を保証する。
【0029】
第1のネジ側面部は、好ましくは、(隣接する)ネジ谷底部とネジ歯山頂部との間に配置される。一方、第2のネジ側面部は、別の(隣接する)ネジ谷底部とネジ歯山頂部及び/又は削減されたネジ側面部との間に配置されてもよい。従って、削減されたネジ側面部は、ネジ歯山頂部と第2のネジ側面部及び/又はネジ谷底部との間に配置することができる。
【0030】
好ましくは、削減されたネジ側面部は、第2のネジ側面部から分岐し、ネジ歯山頂部に延びる。削減されたネジ側面部は、好ましくは、少なくとも部分的に直線上であり、第3のネジ側面内角を有してもよい。
【0031】
第1のネジ側面部、第2のネジ側面部、及び/又は、削減されたネジ側面部は、好ましくは、有利なことに、古典的なゲージシステム(プラグゲージ及びリングゲージ)を用いた評価の機会が保証されるよう、実質的に直線状である。また、特に、削減されたネジ側面部は、湾曲し、段を設けられ、又は、面取りされ、このようにして、削減されていてもよい。
【0032】
第2のネジ側面部と削減されたネジ側面部との間の移行部、及び/又は、削減されたネジ側面部とネジ歯山頂部との移行部は、例えば、ねじれ無しの湾曲により、又は、ねじれによりなっていてもよい。
【0033】
第1のネジ側面内角は、約7.5°、17.5°、19.0°、27.5°、37.5°、又は、47.5°よりも大きく、及び/又は、約12.5°、22.5°、32.5°、42.5°、又は、52.5°より小さくてもよい。
【0034】
さらに、第2のネジ側面内角、及び/又は、第3のネジ側面内角は、約17.5°、27.5°、28.0°、37.5°、47.5°、又は、57.5°より大きく、及び/又は、約22.5°、32.5°、42.5°、52.5°、又は、62.5°より小さくてもよい。
【0035】
例えば、弁連結部又はベルカップ連結部の場合、第1のネジ側面内角は約20°±3°が好ましく、第2のネジ側面内角は約28°±3°が好ましい。
【0036】
好ましくは、第1のネジ側面内角は第2のネジ側面内角よりも小さく、一方、第2のネジ側面内角は、好ましくは、第3のネジ側面内角と実質的に等しい大きさである。
【0037】
好ましくは、第1のネジ側面内角、第2のネジ側面内角、及び/又は、第3のネジ側面内角は、保持部材ネジ及び/又は実装ソケットの中心軸から、対応するネジ歯に対して垂直に、特に、第1及び第2のネジ側面部の仮想延長線により形成される仮想交点に対して垂直に延びる基準直線に対して測定される。また、保持部材ネジ及び/又は実装ソケットの中心軸から、対応するネジ歯のネジ歯山頂部(及び/又はその先端)に対して垂直に延びる基準直線を用いることも可能である。
【0038】
第1のネジ側面内角、第2のネジ側面内角、及び/又は、第3のネジ側面内角は、好ましくは、鋭角、即ち、90°以下の角度からなる。
【0039】
特に、平坦又は小さな第1及び第2のネジ側面内角(例えば、30°未満)が有利であり、このとき、しっかりとねじり込まれた状態及び/又は解放中の突発的な力は減少する。また、塗膜システム部品が表面又は内部に取り付けられる塗膜システム装置の負荷も、損傷の危険性(例えば、ネジが広がる、引張亀裂が生るなど)とともに、減少する。
【0040】
保持部材ネジの第1のネジ側面部は、塗膜システム装置の保持部材ネジと固定及び/又は締め付けの間に接触する軸受表面(固定表面)を形成してもよい。第2のネジ側面部は、塗膜システム装置の保持手段ネジと解放中に接触する軸受表面(解放表面)を形成してもよい。固定表面対解放表面の比率(固定表面/解放表面)は、特に、約0.5から6の間である。好ましくは、固定表面対解放表面の比率は、第1のネジ側面部により形成される表面対第2のネジ側面部により形成される表面の比率、及び/又は、第1のネジ側面部対第2のネジ側面部の比率に、実質的に一致する。例えば、固定表面対解放表面の比率(第1のネジ側面部により形成される表面対第2のネジ側面部により形成される表面の比率、及び/又は、第1のネジ側面部対第2のネジ側面部の比率)は、0.5、1.5、2.5、3.5、4.5、又は、5.5より大きく、及び/又は、1.0、2.0、3.0、4.0、5.0、又は、6.0より小さくてもよい。
【0041】
特に、弁連結部の場合、固定表面対解放表面の比率は約1.3±0.5が好ましく、一方、ベルカップ連結部の場合、固定表面対解放表面の比率は約1.0±0.5が特に好ましい。
【0042】
第1のネジ側面部の軸受表面は、好ましくは、第2のネジ側面部の、特に、第2のネジ側面部から分岐した削減された側面部に基づく軸受表面よりも大きい。
【0043】
固定及び/又は締め付けの間の軸受表面は、固定及び/又は締め付けの間に保持部材ネジ(及び/又はその第1のネジ側面部)が保持手段ネジ(及び/又はその第1のネジ側面部)と接触する表面(固定表面)である。解放中の軸受表面は、固定又は締め付けられた状態からの解放中に保持部材ネジ(及び/又はその第2のネジ側面部)が保持手段ネジ(及び/又はその第2のネジ側面部)と接触する表面(解放表面)である。特に、固定表面は、ネジ谷底部とネジ側面先端との間の部分(第1のネジ側面部)により実質的に画定され、一方、解放表面は、ネジ谷底部と削減されたネジ側面部との間の部分(第2のネジ側面部)により実質的に画定される。
【0044】
削減されたネジ側面部は、雌ネジの軸受表面を(固定中でも解放中でも)形成しないものの、固定用の輪郭と、好ましくは、若干傾いて、対面するように設けられている。
【0045】
保持部材ネジにピッチは、約0.5mm、1.5mm、2.5mm、3.5mm、又は、4.5mmより大きく、及び/又は、約0.75mm、1.0mm、2.0mm、3.0mm、4.0mm、又は、5.0mmより小さくてもよい。
【0046】
例えば、弁連結部のピッチは1.8mm±0.25mm又は3.5mm±0.75mmであることが好ましく、一方、ペルカップ連結部のピッチは、例えば、0.75mm±0.2mmであることが特に好ましい。
【0047】
従来の塗膜システム部品と比較して用いられるピッチが大きいため、本発明に係る塗膜システム部品は、組み立ての労力少なく、例えば、規格品のネジの場合、通常3から6回転が必要なところを、より少ない回転のみで、又は、わずか約2回転のみ、あるいは、2回転以下で、ネジ留めしたり外したりすることができる。組み合わされる材料に依存するものの、ピッチは、好ましくは、戻り締めが確実に保証されるように設計される。
【0048】
保持部材ネジは、約0.2mm、0.6mm、1.0mm、1.4mm、又は、1.8mmより大きく、及び/又は、約2.0mm、1.6mm、1.2mm、0.8mm、又は、0.4mmより小さいネジ歯深さを有するネジ歯を備える。
【0049】
保持部材ネジ及び/又はネジ歯は、実装ソケットを、1回、1回未満、又は、1回より多く、周回するよう設けられてもよい。即ち、保持部材ネジ及び/又はネジ歯は、実装ソケットの周囲に、約360°、又は、それより多く、又は、360°未満で延びるように設けられてもよい。
【0050】
保持部材ネジは、1段、又は、多段、例えば、2段、3段、又は、4段であってもよい。こうして、従来の塗膜システム部品の場合よりも少ない回転数でねじり込むことが可能となり、組み立ての労力を著しく減らすことができる。
【0051】
例えば、弁連結部の場合、1段又は多段(例えば、2段)の実施形態が好ましく、一方、ベルカップ連結部の場合、1段の実施形態が好ましい。
【0052】
保持部材ネジ及び/又はネジ歯は、少なくとも1つの丸められたネジ谷底部を備え、ネジ歯は、丸められたネジ歯山頂部を備えてもよく、このとき、丸め半径は、好ましくは、0.01mm、0.02mm、0.07mm、0.12mm、0.22mm、0.32mm、又は、0.42mmよりも大きく、及び/又は、0.015mm、0.045mm、0.095mm、0.17mm、0.27mm、0.37mm、又は、0.47mmよりも小さくてもよい。
【0053】
従来の塗膜システム部品と比較して(より大きい)丸め半径であるため、例えば、静電式噴霧器の場合の、高い電圧ピークの危険を減少することが可能となる。さらに、ノッチ応力が最小化されるため、より高い締め付けトルクが可能となる。
【0054】
また、保持部材ネジのネジ歯山頂部及び/又はネジ谷底部は、実質的に直線状であっても、面取りされていても、又は、平坦化されていてもよい。
【0055】
実装ソケット及び/又は保持部材及び/又は保持部材ネジは、センタリング及び/又は整列の補助のために、面取りされた挿入部及び/又は面取りされた切り欠きを備えてもよい。面取りされた挿入部及び/又は面取りされた切り欠きは、第1の不完全なネジ段部を部分的に又は完全に取り除いたものであると理解できる。面取りされた挿入部は、特に、雌ネジ上に設けられるが、雄ネジ上に設けてもよい。
【0056】
面取りされた挿入部及び/又は面取りされた切り欠きにより、位置決め又はねじ込み中に傾いてしまう危険は減少し、これにより、より単純で迅速な組み立てが可能となり、ネジが損傷する危険が減少する。ネジがプラスチックの場合、面取りされた切り欠きは、損傷及び/又は変形を避けるよう機能する。簡便な連結工程は、また、2つの部品(例えば、弁及び対応する筐体)のネジの開始点を小さな誘導表面により見つけることができることでも実現される。このため、傾くことはほとんど有り得ない。
【0057】
保持部材及び/又は保持部材ネジを好ましくは配置することができる実装ソケットは、少なくとも部分的に又は全体的に実質的な円筒状であっても、及び/又は、少なくとも部分的に又は全体的に実質的な円錐状であってもよい。実装ソケットは、その遠位端が開いていても閉じていてもよく、及び/又は、壁により閉ざされていてもよい。また、実装ソケットは、実装ソケットの前部から始まり実装ソケットをその遠位端で数個のソケット領域に分割する軸方向に走るスリットであって、該ソケット領域は塗膜システム装置の保持手段ネジに、好ましくは、円錐状の雌ネジに適合するよう半径方向に弾力性を有するような、数本のスリットを備えることも可能である。
【0058】
また、保持部材ネジは、実質的に対称な、例えば、二等辺三角形又は二等辺台形の形状の、ネジ歯を備えることが可能であり、及び/又は、第1のネジ側面内角及び第2のネジ側面内角は実質的に同じ大きさであることが可能である。
【0059】
本発明のさらなる実施形態では、塗膜システム装置及び/又は塗膜剤装置は、実装ソケット、及び、塗膜システム装置の表面又は内部を保持するために実装ソケット上に配置された少なくとも1つの保持部材を備えるよう設けられている。特に、実装ソケット、保持部材、及び/又は、保持部材ネジは、挿し込み可能は保持、ねじれ止め、ラッチ接続、及び/又は、スナップ接続をなすよう設けられている。
【0060】
実装ソケット、保持部材、及び/又は、保持部材ネジは、対称に又は非対称に、好ましくは、回転対称又は回転非対称に削減されていてもよく、このとき、1つ又は複数の削減された部分は、実装ソケット、保持部材、及び/又は、保持部材ネジの軸方向又は非軸方向(『斜め』)に実質的に延びる。実装ソケット、保持部材、及び/又は、保持部材ネジは、1つ又は複数の削減された部分を備えてもよい。
【0061】
実装ソケット、保持部材、及び/又は、保持部材ネジは、実装ソケットの軸方向に延びる少なくとも1つ又は複数のネジ(歯)無しの部分をなすよう設けられてもよい。実装ソケット、保持部材、及び/又は、保持部材ネジは、第1のネジ歯深さを有するネジ歯を備える第1の軸方向伸長部、及び、第2のネジ歯深さを有するネジ歯を備える第2の軸方向伸長部をなすよう設けられてもよく、このとき、第1のネジ歯深さは第2のネジ歯深さよりも大きくてもよい。さらに、実装ソケット、保持部材、及び/又は、保持部材ネジは、1つ又は複数の側方且つ軸方向の平坦部をなすように、及び/又は、1つ又は複数の直線状の及び/又は湾曲した軸方向に延びた削減部をなすように設けられてもよい。直線状の軸方向に延びた削減部は、全体が直線状であっても、又は、少なくとも1箇所がねじれていてもよい。湾曲した軸方向に延びた削減部は、例えば、凸状、又は、凹状であってもよい。上記の軸方向に延びた部分は、非軸方向に、即ち、実装ソケット、保持部材、及び/又は、保持部材ネジの中心軸に対して斜めに延びて設けられてもよい。削減部は、斜角を除く角度で、又は、斜角で進むものであってもよい。好ましくは、削減部は実装ソケットを貫通しないように設けられている。このようにして、実装ソケットは、『鍵穴式』に挿し込み可能であり、及び/又は、ねじれ止め可能である。こうして、実装ソケット及び/又は実装ソケットの壁面は、壁面の他の壁面部分は回転対称又は回転非対称に好ましくは配置された平坦なネジ段部又はネジ歯を設けられている軸方向に延びるネジ(歯)無しの壁面部分を示し得る。これにより、差込可能な実装ソケットの単純で安全なねじれ止めを実現することができる。
【0062】
保持部材及び/又は保持部材ネジは、実装ソケットの外部表面上で45°、90°、135°、180°、225°、270°、315°、又は、360°より大きく、及び/又は、実装ソケットの外部表面上で70°、115°、160°、205°、250°、295°、340°、又は、385°よりも小さく延びることも可能である。また、保持部材は、実装ソケットの外部表面上に、1つ以上の点において実質的に選択的に、例えば、1つ又は複数の突出部材及び/又は1つ又は複数の窪みの形状で、配置されることも可能である。
【0063】
保持部材は、少なくとも部分的に円周状の環状溝、螺旋状の溝、又は、保持用張り出し、及び/又は、少なくとも1つのボールピン又は保持ピンを備えてもよい。例えば、ねじれ止めのための好ましい差込可能な実装ソケットの壁面は、少なくとも部分的に円周状の環状溝又は保持用張り出しを設けられてもよく、これにより、摩擦固定ネジ止めを簡便に実現することが可能となる。
【0064】
好ましい差込可能な実装ソケットは、ラッチ又はスナップ構成/接続によりラッチ又はスナップ可能であってもよく、例えば、このとき、実装ソケットの弁座を固定することができる。
【0065】
好ましい差込可能な実装ソケットはねじれ止め可能である。ねじれ止めは、例えば、差込可能な実装ソケットを、例えば、塗膜装置及び/又は塗膜システム装置の受け入れスリーブ及び/又は実装ソケット受け口に、挿入した後で実行できる。
【0066】
さらに、好ましい差込可能な実装ソケットは、バヨネット式接続を備える。該バヨネット式接続は、例えば、対称であっても非対称であってもよく、また、軸方向に沿って横方向に少なくとも部分的に平坦化されたバヨネットネジを設けられていてもよい。これにより、素早くしっかりとしたねじれ止めを実現することができる。
【0067】
また、好ましい差込可能な実装ソケットのねじれ止めのために、少なくとも1つの保持部材(保持要素)が、実装ソケット及び/又は差込可能な実装ソケットの壁面から外に向けて延びるように設けられてもよい。また、実装ソケット及び/又は壁面のねじれ止めのために、少なくとも1つの窪みが、保持手段(保持要素)を受け入れるように設けられてもよい。これにより、バヨネット式接続の安全なラッチ接続が保証される。
【0068】
さらに、好ましい差込可能な実装ソケットでは、保持ピンは、その外に導かれている端部が保持部材(保持要素)を形成するように埋め込まれていてもよい。さらに、保持品の両端は、対向して配置された保持部材(保持要素)を形成するように、平行に外に導かれてもよい。さらに、差込可能な実装ソケットでは、数個の保持ピンが、例えば、同じ横断面内に又は異なる横断面内に埋め込まれていてもよく、このとき、各保持ピンの末端の少なくとも1つは外に導かれて保持部材(保持要素)を形成する。ねじれ止め具は、こうして、特にねじれ止め接続により、実現することができる。
【0069】
保持部材(保持要素)はボールピンであってもよい。さらに、好ましい差込可能な実装ソケット及び/又は好ましい差込可能な実装ソケットの壁面は、複数のボールピンを設けられてもよく、このとき、該ボールピンは、壁面の同じ横断面に配置されても、又は、壁面の異なる横断面に配置されてもよく、それぞれが保持部材(保持要素)を形成し、これにより、ねじれ止め接続の回転角は制限される。
【0070】
本発明のさらなる実施形態では、塗膜システム装置及び/又は塗膜装置は、塗膜システム部品に取り付け可能に接続するための少なくとも1つの保持手段、及び/又は、好ましくは上記の、保持部材ネジを設けられている。
【0071】
保持部材は、例えば、特別な構成を有するネジであってもよいが、その他の保持構造であってもよい。実装ソケット受け口、保持手段、及び/又は、保持手段ネジは、差込可能な保持、ねじれ止め、ラッチ接続、及び/又は、スナップ接続をなすよう設けられている。
【0072】
保持手段が雌ネジである場合、保持手段は、例えば、実装ソケット受け口上又は内に配置されてもよい。
【0073】
保持手段ネジの構成は、好ましくは、雌ネジを意図しているが、雄ネジとして設けられてもよい。
【0074】
特別な構成を有する実装ソケット、保持部材、及び/又は、保持部材ネジは、好ましくは、特別な構成を有する実装ソケット受け口、保持手段、及び/又は、保持手段ネジと(『ネジ−ナット式』及び/又は『プラグ−ソケット式』に)嵌合するように設けられている。そのため、特別な構成を有する実装ソケット、保持部材、及び/又は、保持部材ネジの上記の記載は、特別な構成を有する実装ソケット受け口、保持手段、及び/又は、保持手段ネジにも準用できる。
【0075】
そこで、保持手段ネジは、1つのピッチと、ネジ歯深さ対ピッチの比率が約0.3、0.5、0.7、0.9、1.1、1.3、又は、1.5より大きく、及び/又は、約1.6、1.4、1.2、1.0、0.8、0.6、又は、0.4より小さくなるようなネジ歯深さを有する少なくとも1つのネジ歯とを備えることが可能である。
【0076】
ネジ歯深さは、ネジ歯のネジ歯山頂部(及び/又はその先端)とそれに対応する(隣接する)ネジ谷底部(及び/又は汚れ受け口)との間の距離であり、より正確には、ネジ歯山頂部の先端とネジ谷底部(及び/又は汚れ受け口)の先端との間の(半径方向の、及び/又は、雌ネジ及び/又は実装ソケット受け口の中心軸に対して垂直方向の)距離である。
【0077】
少なくともネジ歯の基底部は、例えば、実質的に、非二等辺三角形又は非二等辺台形の形状であってもよく、このとき、該形状は、丸められたネジ谷底部又はネジ歯山頂部を備ええても又は備えなくてもよい。また、ネジ谷底部及び/又はネジ歯山頂部は平坦化され又は面取りされてもよい。
【0078】
保持手段ネジは、好ましくは丸められるなどしたネジ歯山頂部を有する少なくとも1つのネジ歯を備えてもよい。さらに、ネジ歯は、第1のネジ側面内角を有する第1のネジ側面部、及び/又は、第2のネジ側面内角を有する第2のネジ側面部を備えてもよい。
【0079】
塗膜システム装置、特に、保持手段ネジのネジ歯は、さらに、好ましくは、保持手段ネジのネジ段部及び/又はネジ溝内に突出することにより、不適切な塗膜システム部品の阻止部又は抵抗部をなすような、固定用の輪郭を備えてもよい。こうして、固定用の輪郭は、好ましくは、突出部材であり、該突出部材は、例えば、湾曲していても、段を設けられていても、又は、面取りされていてもよい。固定用の輪郭は、1つ以上の点でネジ段部内に突出しても、又は、ネジ段部の全体に実質的に広がっていてもよい。
【0080】
固定用の輪郭は、第1又は第2のネジ側面部、ネジ谷底部、及び/又は、汚れ受け口に設けられてもよい。また、固定用の輪郭は、塗膜システム装置上の保持手段ネジの外部に設けられてもよい。
【0081】
固定用の輪郭は、好ましくは、(好ましくは汚れ受け口を備えている)ネジ谷底と第2のネジ側面部との間に配置され、このとき、第2のネジ側面部は、固定用の輪郭とネジ歯山頂部との間に配置されてもよい。第1のネジ側面部は、ネジ歯山頂部と(好ましくは汚れ受け口を備えている)別の隣接するネジ谷底部との間に配置することができる。
【0082】
固定用の輪郭は、例えば、第2のネジ側面部から分岐し、ネジ谷底部に延びてもよい。
【0083】
保持手段ネジの第1のネジ側面内角は、約7.5°、17.5°、19.0°、27.5°、37.5°、又は、47.5°よりも大きく、及び/又は、約12.5°、22.5°、32.5°、42.5°、又は、52.5°より小さくてもよい。
【0084】
さらに、保持手段ネジの第2のネジ側面内角は、約17.5°、27.5°、28.0°、37.5°、47.5°、又は、57.5°より大きく、及び/又は、約22.5°、32.5°、42.5°、52.5°、又は、62.5°より小さくてもよい。
【0085】
好ましくは、第1のネジ側面内角は第2のネジ側面内角よりも小さい。好ましくは、第1のネジ側面内角及び/又は第2のネジ側面内角は、保持手段ネジ及び/又は実装ソケット受け口の中心軸から、対応するネジ歯に対して垂直に、特に、第1及び第2のネジ側面部の仮想延長線により形成される仮想交点に対して垂直に延びる基準直線に対して測定される。また、保持手段ネジ及び/又は実装ソケット受け口の中心軸から、対応するネジ歯のネジ歯山頂部(及び/又はその先端)に対して垂直に延びる基準直線を用いることも可能である。
【0086】
保持手段ネジの第1のネジ側面内角及び/又は第2のネジ側面内角は、好ましくは、鋭角、即ち、90°以下の角度からなる。
【0087】
保持手段ネジの第1のネジ側面部は、保持部材ネジの第1のネジ側面部と固定及び/又は締め付けの間に接触する軸受表面として働き、一方、保持手段ネジの第2のネジ側面部は、保持部材ネジの第2のネジ側面部と解放中に接触する軸受表面として機能する。
【0088】
保持部材ネジと同様に、保持手段ネジのピッチは、約0.5mm、1.5mm、2.5mm、3.5mm、又は、4.5mmより大きく、及び/又は、1.0mm、2.0mm、3.0mm、4.0mm、又は、5.0mmより小さくてもよい。
【0089】
また、保持手段ネジは、約0.2mm、0.6mm、1.0mm、1.4mm、又は、1.8mmより大きく、及び/又は、約2.0mm、1.6mm、1.2mm、0.8mm、又は、0.4mmより小さいネジ歯深さを有するネジ歯を備える。
【0090】
保持手段ネジ及び/又はネジ歯は、実装ソケット受け口を、1回、1回未満、又は、1回より多く、周回するよう設けられてもよい。即ち、保持手段ネジ及び/又はネジ歯は、実装ソケット受け口の周囲に、約360°、又は、それより多く、又は、360°未満で延びるように設けられてもよい。
【0091】
保持手段ネジは、1段、又は、多段、例えば、2段、3段、又は、4段であってもよい。
【0092】
保持手段ネジ及び/又は保持手段ネジのネジ歯は、好ましくは、丸められたネジ谷底部を有してもよい。ネジ谷底部は、少なくとも1つの、好ましくは丸められるなどした汚れ受け口又は汚れポケットを備えてもよい。汚れ受け口は、ゆるい塗膜剤粒子を受け入れるために働き、除去トルクを減少させる。
【0093】
ネジ谷底部及び/又は汚れ受け口及び/又はネジ歯山頂部の丸め半径は、0.01mm、0.02mm、0.07mm、0.12mm、0.22mm、0.32mm、又は、0.42mmよりも大きく、及び/又は、0.015mm、0.045mm、0.095mm、0.17mm、0.27mm、0.37mm、又は、0.47mmよりも小さくてもよい。また、ネジ歯山頂部、ネジ谷底部、及び/又は、汚れ受け口は、実質的に直線状であっても、面取りされていても、又は、平坦化されていてもよい。
【0094】
実装ソケット受け口及び/又は保持要素及び/又は保持手段ネジは、センタリング及び/又は整列の補助のために、面取りされた挿入部及び/又は面取りされた切り欠きを備えてもよい。
【0095】
保持手段ネジはネジ歯を備えており、少なくとも該ネジ歯の基底部は、実質的に対称であり、例えば、実質的に二等辺三角形の又は実質的に二等辺台形の形状であり、及び/又は、第1のネジ側面内角及び第2のネジ側面内角は実質的に同じ大きさであることが可能である。
【0096】
実装ソケット受け口は、少なくとも部分的に又は全体的に実質的な円筒状であっても、及び/又は、少なくとも部分的に又は全体的に実質的な円錐状であってもよい。
【0097】
実装ソケット受け口、保持手段、及び/又は、保持手段ネジは、対称に又は非対称に、好ましくは、回転対称又は回転非対称に削減されていてもよく、このとき、削減された部分は、実装ソケット受け口、保持手段、及び/又は、保持手段ネジの軸方向又は非軸方向(『斜め』)に実質的に延びる。実装ソケット受け口、保持手段、及び/又は、保持手段ネジは、1つ又は複数の削減された部分を備えてもよい。実装ソケット受け口、保持手段、及び/又は、保持手段ネジは、軸方向に延びるネジ(歯)無しの部分を少なくとも1箇所なすように設けられてもよい。実装ソケット受け口、保持手段、及び/又は、保持手段ネジは、第1のネジ歯深さを有するネジ歯を備える第1の軸方向伸長部、及び、第2のネジ歯深さを有するネジ歯を備える第2の軸方向伸長部をなすよう設けられてもよく、このとき、第1のネジ歯深さは第2のネジ歯深さよりも大きくてもよい。さらに、実装ソケット受け口、保持手段、及び/又は、保持手段ネジは、少なくとも1つの側方且つ軸方向の平坦部をなすように、及び/又は、直線状の及び/又は湾曲した軸方向に延びた削減部をなすように設けられてもよい。直線状の軸方向に延びた削減部は、全体が直線状であっても、又は、少なくとも1箇所がねじれていてもよい。湾曲した軸方向に延びた削減部は、例えば、凸状、又は、凹状であってもよい。上記の軸方向に延びた部分は、非軸方向に、即ち、実装ソケット受け口、保持手段、及び/又は、保持手段ネジの中心軸に対して斜めに延びて設けられてもよい。削減部は、斜角を除く角度で、又は、斜角で進むものであってもよい。
【0098】
実装ソケットを受け入れるための実装ソケット受け口及び/又は受け入れスリーブは、バヨネット式接続で設けられてもよい。ここで、実装ソケット受け口は、ねじれ止めするようバヨネット式接続を受け入れるために設けられた、例えば、弾性要素、例えば、バネリングなどを有してもよい。
【0099】
さらに、ねじれ止めのために、塗膜システム部品は、実装ソケット及び/又は差込可能な実装ソケットの壁面から外に向けて延びる少なくとも1つの保持部材(保持要素)を備えてもよく、及び/又は、ねじれ止めのために、少なくとも1つの窪みが壁面に形成され、このとき、実装ソケット受け口の壁面及び/又は受け入れスリーブに、保持部材(保持要素)を受け入れるための溝、特に、螺旋状の溝、又は、保持部材(保持要素)を受け入れるための複数の溝、特に、複数の螺旋状の溝が、実装ソケットの壁面の異なる横断面内に形成されてもよい。
【0100】
さらに、実装ソケット及び/又は実装ソケットの壁面は、ねじれ止めのために、少なくとも部分的に円周状の環状溝、又は、保持用張り出しを設けられていてもよく、このとき、実装ソケット受け口及び/又は実装ソケット受け口の壁面は、少なくとも部分的に円周状の環状溝のための保持用張り出し、又は、保持用張り出しのための少なくとも部分的に円周状の環状溝を設けられており、これにより、効率的なねじれ止めを実現することが可能となる。実装ソケット受け口は受け入れスリーブであってもよい。
【0101】
実装ソケット受け口、保持手段、及び/又は、保持手段ネジは、差込可能な保持、ねじれ止め、ラッチ接続、及び/又は、スナップ接続をなすよう設けられている。
【0102】
塗膜システムは、好ましくは、塗装システムである。
【0103】
塗膜システム部品及び/又は実装ソケットは、好ましくは、塗膜システム装置の塗膜剤開口部に連結されるよう設けられている塗膜剤開口部を有する。
【0104】
塗膜システム部品及び/又は塗膜システム装置は、好ましくは、塗膜剤(例えば、1成分又は他成分塗料など)、及び/又は、該塗膜剤の放出に影響を与えるように設けられており、また、特に、塗膜剤導入部及び/又は塗膜剤吐出部を有する。塗膜システム部品及び/又は塗膜システム装置は、塗膜剤により少なくとも部分的に湿り及び/又は塗膜剤が少なくとも部分的に流れるように設けられていてもよい。
【0105】
保持部材ネジ又は保持手段ネジは、雄ネジであってもよい。雄ネジ及び/又は雄ネジのネジ歯は、ネジ半径(雄ネジ半径)を備えてもよく、該ネジ半径は、雄ネジ及び/又は実装ソケットの中心軸からネジ歯山頂部(及び/又はその先端)に対して垂直に延び、且つ、約4.0mm、6.0mm、8.0mm、10.0mm、12.0mm、14.0mm、20.0mm、25.0mm、又は、35.0mmより大きくてもよく、及び/又は、約5.0mm、7.0mm、9.0mm、11.0mm、13.0mm、15.0mm、22.5mm、30.0mm、又は、40.0mmよりも小さくてもよい。
【0106】
保持部材ネジ又は保持手段ネジは、雌ネジであってもよい。雌ネジ及び/又は雌ネジのネジ歯は、ネジ半径(雄ネジ半径)を備えてもよく、該ネジ半径は、雌ネジ及び/又は実装ソケット受け口の中心軸からネジ谷底部及び/又は汚れ受け口に対して垂直に延び、且つ、約4.0mm、6.0mm、8.0mm、10.0mm、12.0mm、14.0mm、20.0mm、25.0mm、又は、35.0mmより大きくてもよく、及び/又は、約5.0mm、7.0mm、9.0mm、11.0mm、13.0mm、15.0mm、22.5mm、30.0mm、又は、40.0mmよりも小さくてもよい。
【0107】
ここで、ネジ半径は、ネジの中心軸とネジ歯山頂部又はネジ谷底部(及び/又は汚れ受け口)との間の距離であり、より正確には、ネジの中心軸とネジは山頂部の先端又はネジ谷底部(及び/又は汚れ受け口)の先端との間の距離である。
【0108】
実装ソケット、実装ソケット受け口、保持部材、保持手段、保持部材ネジ、及び/又は、保持手段ネジは、金属及び/又はプラスチック製であってもよい。
【0109】
特に、塗膜システム部品(又は、塗膜システム装置)は、例えば、弁、ニードル弁、リンス弁、止め弁、制御弁、塗膜剤弁、スプレー体、ベルカップ、タービンシャフト、又は、その他の磨耗部材などである。特に、塗膜システム装置(又は、塗膜システム部品)は、例えば、噴霧器、回転式噴霧器、静電回転式噴霧器、色切替構成(色切替器)、スプレー体、シャフト、好ましくは、中空のベルカップシャフト、又は、機能弁などである。さらに、ネジは、特に有利なことに、噴霧器筐体又は外部帯電のための電極構成に設けられてもよい。
【0110】
しかし、塗膜システム部品及び塗膜システム装置は、上記の実施例に限定されるものではなく、相互に接続可能な塗膜/塗装システムに用いることができる任意の部材を備えるものである。
【0111】
上記のように、保持部材ネジは、好ましくは、雄ネジであり、また、保持手段ネジは、好ましくは、雌ネジである。そのため、特に好ましい実施形態では、保持部材ネジは雄ネジとして設計され、且つ、保持手段ネジは雌ねじとして設計される。しかし、保持部材ネジは雌ねじであり、また、保持手段ネジは雄ネジであることも可能である。
【0112】
上記の実施形態は必要に応じて相互に組み合わせることが可能である。
【0113】
本発明のさらなる実施形態を図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】第1の実施形態に係る塗膜システム装置の雌ネジに配置されている塗膜システム部品の雄ネジのネジ歯の模式的軸方向断面図を示す。
【図2】図1の雄ネジのネジ歯の模式図を示す。
【図3】図1の雌ネジのネジ歯の模式図を示す。
【図4】塗膜システム部品を示す。
【図5】塗膜システム装置の筐体を示す。
【図6】バネリングを示す。
【図7】挿入された状態の図4の塗膜システム部品を示す。
【図8】塗膜システム部品を示す。
【図9】塗膜システム装置の筐体を示す。
【図10】挿入された状態の図8の塗膜システム部品を示す。
【図11A】実装ソケット受け口の平面図を示す。
【図11B】実装ソケット受け口の平面図を示す。
【図12】異なる塗膜システム部品を示す。
【図13】塗膜システム装置の筐体を示す。
【図14】挿入された状態の図12の塗膜システム部品を示す。
【図15】異なる塗膜システム部品を示す。
【図16】塗膜システム装置の筐体を示す。
【図17】挿入された状態の図15の塗膜システム部品を示す。
【図18】異なる塗膜システム部品を示す。
【図19】塗膜システム装置の筐体を示す。
【図20A】実装ソケット受け口内への実装ソケットの取り付けを明示する。
【図20B】実装ソケット受け口内への実装ソケットの取り付けを明示する。
【図20C】実装ソケット受け口内への実装ソケットの取り付けを明示する。
【図20D】実装ソケット受け口内への実装ソケットの取り付けを明示する。
【図21】異なる塗膜システム部品を示す。
【図22】実装ソケット受け口を示す。
【図22A】ねじれ止めを明示する。
【図22B】ねじれ止めを明示する。
【図22C】ねじれ止めを明示する。
【図23A】異なる塗膜システム部品を示す。
【図23B】異なる実装ソケット受け口を示す。
【図23C】ねじれ止めを明示する。
【図23D】ねじれ止めを明示する。
【図23E】ねじれ止めを明示する。
【図24】図1の雌ネジに配置されている雄ネジの模式的軸方向断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0115】
図1は、ネジ歯(ネジ側面)61を有する保持手段ネジ60を含む塗膜システム装置BVに配置されている塗膜システム部品BBの保持部材ネジ20のネジ歯(ネジ側面)21の模式的軸方向断面図を示す。保持部材ネジは、雄ネジであり、以降、雄ネジ20と呼ぶ。また、保持手段ネジは、雌ネジであり、以降、雌ネジ60と呼ぶ。雄ネジ20及び/又はネジ歯21は、螺旋状又はネジ状に実装ソケット10上に設けられている。雌ネジ60及び/又はネジ歯61は、螺旋状又はネジ状に実装ソケット受け口50上に設けられている。図1に示すように、塗膜システム部品の実装ソケット及び/又は雄ネジは、塗膜システム装置の実装ソケット受け口及び/又は雌ネジ上又は内に、『ネジ−ナット式』に、取り外し可能に固定されている。
【0116】
雄ネジ20及び雌ネジ60、特に、これらの螺旋状又はネジ状のネジ歯21、61は、塗装システムに必要とされる1つ以上の要求を満たすような特別な構成を備えている。
【0117】
雄ネジ20及び/又は実装ソケット10は、図1に模式的に例示したように、中心軸ZAを備える(中心軸ZAは、好ましくは、塗膜システム部品BBの中心軸とも一致する)。同様に、雌ネジ60及び/又は実装ソケット受け口50は、図1に模式的に例示したように、中心軸ZA’を備える(中心軸ZA’は、好ましくは、塗膜システム装置BVの中心軸とも一致する)。雄ネジ20及び/又は実装ソケット20が雌ネジ60及び/又は実装ソケット受け口50に取り付け可能に固定されるとき、中心軸ZA及びZA’は互いに同軸上に並ぶ。
【0118】
雄ネジ20のネジ歯21は、第1のネジ側面内角α1を有する第1のネジ側面部21a、第2のネジ側面内角α2を有する第2のネジ側面部21b、及び、塗膜システム装置BV上に設けられた固定用の輪郭SPのための空間を作るような削減されたネジ側面部21cを備える。さらに、雄ネジ20及び/又はネジ歯21は、丸められたネジ歯山頂部及び丸められたネジ谷底部を備える。第1のネジ側面内角α1及び第2のネジ側面内角α2は側面全体の内角αges(αtotal)を形成する。
【0119】
第1のネジ側面部21aは、ネジ谷底部とネジ側面山頂部との間の(直線で構成された)部分に関し、一方、第2のネジ側面部21bは、ネジ谷底部と削減されたネジ側面部21との間の(直線で構成された)部分に関する(図2も参照のこと)。
【0120】
雌ネジ60のネジ歯61は、第1のネジ側面内角α1を有する第1のネジ側面部61a、第2のネジ側面内角α2を有する第2のネジ側面部61b、及び、塗膜システム部品BBの誤った又は相性の悪い取り付けを防ぐための固定用の輪郭SPを備える。さらに、雌ネジ60及び/又はネジ歯61は、丸められたネジ歯山頂部及び丸められたネジ谷底部及び/又は丸められた汚れ受け口SAを備える。
【0121】
ネジ歯21及び61は、それぞれ、丸められたネジ歯山頂部で図示されているが、平坦なネジ歯山頂部を有していてもよい。
【0122】
削減されたネジ側面部21cは、ネジ歯21のネジ歯山頂部と第2のネジ側面部21bとの間に配置されている。特に、削減されたネジ側面部21cは、第2のネジ側面部21bから分岐し、ネジ歯21のネジ歯山頂部に直線状に延び、これにより、ネジ歯21及び/又は第2のネジ側面部21bの側面の面取りされた削減部が実現される。削減されたネジ側面部21cは第3のネジ側面内角α3を備える。
【0123】
固定用の輪郭SPはネジ谷底部及び/又は汚れ受け口SAと第2のネジ側面部61bとの間に配置されている。固定用の輪郭SPは、第2のネジ側面部61bから分岐し、ネジ谷底部及び/又は汚れ受け口SAに延び、そして、雌ネジ60のネジ段部内に突出して相性の悪い塗膜システム部品の阻止部又は抵抗部をなすような突出部を形成する。図1に示すように、削減されたネジ側面部21cは、塗膜システム部品BBを塗膜システム装置BVに適切に取り付けるための固定用の輪郭SPの空間及び/又は余地を作るように削減されている。嵌合しない塗膜システム部品BBは、塗膜システム装置BVと相性が悪く、且つ、塗膜システム装置BV自身又は塗膜対象の部品に損傷を与えかねないものの、固定用の輪郭SPのおかげで、適切に挿入することは不可能となっている。
【0124】
ネジ歯21、61は軸方向に対象ではないように設計される。本例示的実施形態では、ネジ歯21、61は、両側面の丸められたネジ谷底部と丸められたネジ歯山頂部とを有する非二等辺三角形の形状で示されている。特に、ネジ歯21は基準直線A1に対して軸方向に対象ではなく、該基準直線A1は、雄ネジ20及び/又は実装ソケット10の中心軸から、第1及び第2のネジ側面部21a、21b、及び/又は、61a、61bの仮想延長線FG1及びFG2により形成される仮想交点Sに対して垂直に延びる。同様に、ネジ歯61は基準直線A1’に対して軸方向に対象ではなく、該基準直線A1は、雌ネジ60及び/又は実装ソケット受け口50の中心軸から、第1及び第2のネジ側面部21a、21b、及び/又は、61a、61bの仮想延長線FG1及びFG2により形成される仮想交点S’に対して垂直に延びる。
【0125】
雄ネジ20の第1のネジ側面部21aは、雌ネジ60(及び/又は雌ネジ60の第1のネジ側面部61a)と固定の間に接触する軸受表面(固定表面)を形成し、一方、雄ネジ20の第2のネジ側面部21bは、雌ネジ60(及び/又は雌ネジ60の第2のネジ側面部61)と開放中に接触する軸受表面(解放表面)を形成する。図1に示すように、固定表面は実質的にネジ谷底部とネジ側面山頂部との間の(直線で構成された)部分により画定され、一方、解放表面は実質的にネジ谷底部と削減されたネジ側面部との間の(直線で構成された)部分により画定される。好ましくは、固定表面対開放表面の比率は、約0.5から6の間であり、例えば、約0.75から1.75の間である。特に、固定表面対解放表面の比率は、第1のネジ側面部21aにより形成される表面対第2のネジ側面部21bにより形成される表面の比率に実質的に一致する。同様に、第1のネジ側面部21a対第2のネジ側面部21bの比率もまた、約0.5から6の間であり、好ましくは、約0.75から1.75の間である。
【0126】
ネジ側面内角α1、α2及びα3は、上記の基準直線A1及び/又はA1’に対して測定される。ネジ側面内角α1、α2及びα3は、『内向きに』測定され、これにより、90°未満であるような鋭角である。
【0127】
図2は、図1の雄ネジ20のネジ歯21の詳細図を示す。特に、第1のネジ側面部21a、第2のネジ側面部21b、及び、削減されたネジ側面部21cにおいて、ネジ側面内角α1、α2及びα3が交点Sと雄ネジ20の中心軸との間の基準直線A1に対して測定されることを示す。
【0128】
ネジ歯21は、ネジ歯深さh1及び対応するネジ半径(ネジ外部半径)r1を有する。ネジ歯21の対応するネジ半径r1は、雄ネジ20の中心軸からネジ歯21のネジ歯山頂部(及び/又はその先端)に対して垂直に延び、一方、ネジ歯深さh1は、ネジ歯21の隣接するネジ谷底部(及び/又はその先端)から(雄ネジ20の中心軸に対して半径方向に及び/又は垂直に)延びる。
【0129】
図3は、図1の雌ネジ60のネジ歯61の詳細図を示す。特に、第1のネジ側面部61a、第2のネジ側面部61b、及び、固定用の輪郭SPにおいて、ネジ側面内角α1及びα2が交点S’と雌ネジ60の中心軸との間の基準直線A1’に対して測定されることを示す。
【0130】
ネジ歯61は、ネジ歯深さh2及び対応するネジ半径(ネジ外部半径)r2を有する。ネジ歯61の対応するネジ半径r2は、雌ネジ60の中心軸からネジ谷底部及び/又は汚れ受け口(及び/又はその先端)に対して垂直に延び、一方、ネジ歯深さh2は、ネジ谷底部及び/又は汚れ受け口(及び/又はその先端)からネジ歯61のネジ歯山頂部へ(ネジ歯60の中心軸に対して半径方向に及び/又は垂直に)延びる。
【0131】
別の実施形態では、保持手段ネジは雄ネジであってもよく、また、保持部材ネジは雌ネジであってもよい。
【0132】
以下では、塗膜剤弁を塗膜剤システム部品の例として説明する。しかし、以下の説明は、加工対象物の塗膜に用いることができる任意の弁又は塗膜システム部品に準用できる。
【0133】
図4は、塗膜剤の出力に影響を与えるために設けられた、弁であってもよい、塗膜剤装置及び/又は塗膜システム部品を示す。塗膜剤装置は、該塗膜剤装置を差込可能に保持するための差込可能な実装ソケット101を備える。差込可能な実装ソケット101は、例えば、塗膜剤装置の筐体103に接続されている。
【0134】
差込可能な実装ソケットには、固定用突起を受け入れるための追加の固定用溝107を有する螺旋状溝105が設けられている。塗膜剤装置は、さらに、差込可能な実装ソケット101により少なくとも部分的に囲まれているニードル弁109を出力側に備える。このとき、該実装ソケット101は、シーリングリングのため溝111を設けられてもよい。
【0135】
図5は、図4の塗膜剤装置の差込可能な実装ソケット101を受け入れるための実装ソケット受け口及び/又は受け入れスリーブ201を有する対応する塗膜装置及び/又は塗膜システム装置の筐体を示す。バネリング205を有してもよい溝203が受け入れスリーブ201に形成されている。バネリング205は、図4の螺旋状溝105を受け入れるために設けられている。
【0136】
図6は、弾性要素からなり、例えば、少なくとも部分的に円形に曲がり、且つ、バネリング205と一致してもよいバネリングを示す。バネリングは、その内側に、図4の固定用溝107と嵌合する少なくとも1つ又は2つの切り欠きのある固定用突起301と、組み立て及び取り付け用ペグ303とをそれぞれ備える。
【0137】
図7は、図4の塗膜剤装置と図5の塗膜装置との接続を示す。図7に示すように、弾性を有すバネリング205の固定用突起301は固定用溝107に嵌合する。
【0138】
図4の塗膜剤装置は1つ又は2つの螺旋状の溝107を有してもよい。取り付け用ペグ303と組み込まれた固定用突起301とを有するバネリング205は、挿入中に取り付け用ペグ303が螺旋状の溝に嵌合するよう、図5の受け入れスリーブ内の溝203に挿入される。このとき、差込可能な実装ソケット101は、スリーブ部201に導入され、ねじれ止めのために例えば65°回転される。塗膜剤装置を取り外す際は、反対に回転され引き抜かれる。こうして、直接固定要素を用いることが可能となる。さらに、バネリング205と筐体との間に大きな軸受表面を実現することができる。バネリング205は、さらに、簡便に換装することができる。さらに、図5の塗膜装置の筐体の外形は単純なものとなる。
【0139】
図8は、筐体501と差込可能な実装ソケット503を有する、例えば、塗膜剤弁などの、塗膜剤装置及び/又は塗膜システム部品を示す。2つの保持ピン505及び507が、差込可能な実装ソケット503に、例えば、弁用受け口に、実装ソケットの横断面を横切るように埋め込まれている。保持ピン505及び507は、外に導かれている末端509を有しており、これらにより保持部材(保持要素)が形成されている。塗膜剤装置は、さらに、放出側に配置されているニードル弁511を備える。ニードル弁を例えば圧縮空気などで駆動するための制御入力513が入力側に設けられている。
【0140】
図9は、図8の塗膜剤装置の差込可能な実装ソケット503を受け入れるための実装ソケット受け口及び/又は受け入れスリーブ601を有する例えば空気噴霧器又は色切替器などの塗膜装置及び/又は塗膜システム装置の筐体を示す。受け入れスリーブ601は、保持要素509をその中に誘導することのできる軸方向の窪み603を備える。さらに、例えば、円周状の窪み605がねじれ止めのために設けられている。
【0141】
図10は、挿入された状態の図8の塗膜剤装置を示す。
【0142】
図11A及び11Bは、例えば軸方向の溝により形成されるなどしてもよい軸方向の窪み603を有する受け入れスリーブ601の平面図を示す。保持ビーズ803が設けられている角度付きの腕を有するバネリング801が、受け入れスリーブにも配置されている。図11Bに示すように、保持ビーズ803は、ねじれ止めのために軸方向の窪み603にラッチする。図8の塗膜剤装置を挿入する際、その実装ソケット503は、受け入れスリーブ601に挿入され、ねじれ止めがラッチするまで、例えば、90°回転される。塗膜剤装置が反対に回転されると自動的にアンラッチし、90°回転した後塗膜剤装置は再び引き出すことができる。これによるさらなる利点は、ねじれ止めのラッチにより弁の位置を目で見て判断することができることである。
【0143】
図12は、例えば標準的なピンから構成される2つの保持ピン905が異なる横断面上に配置され、筐体901及び差込可能な実装ソケット903を有する塗膜剤装置及び/又は塗膜システム部品を示す。塗膜剤装置は、さらに、放出側にニードル弁909を備える。
【0144】
保持ピン905及び907は、保持要素として外に導かれている末端部を有する。
【0145】
図13は、例えば軸方向の溝などの軸方向の窪み1003が4つ配置されている受け入れスリーブ1001を有する塗膜装置及び/又は塗膜システム装置の筐体を示す。さらに、2つの円周状の溝1005及び1007が、例えば、約270°の角度で回転を止めるように、溝を削り出されている。
【0146】
図14は、挿入された状態の図12の塗膜剤装置を示す。挿入する際、差込可能な実装ソケット903は、スリーブ部1001内に挿入され、ねじれ止めがラッチするまで、例えば、90°になって止まるまで、回転される。塗膜剤装置を取り外す際は、塗膜剤装置が反対に90°回転されるとねじれ止めはアンラッチし、塗膜剤装置を引き出すことができる。これによるさらなる利点は、特に、ねじれ止めが画定されており、ねじれ止めのラッチにより弁の位置を目で見て判断することができることである。
【0147】
図15は、例えば規格品であってもよい3つのボールピン1205などをその壁面に横断面を横切るように設けられ、筐体1210及び差込可能な実装ソケット1203を有する、例えば、塗膜剤弁などの、塗膜剤装置及び/又は塗膜システム部品を示す。ボールピン1205は、その突起がねじれ止めのための保持要素を形成し得るように、少なくとも部分的に実装ソケット1203内に埋め込まれてもよい。
【0148】
図16は、図15の実装ソケット1203を受け入れるための受け入れスリーブ1301を有する塗膜装置及び/又は塗膜システム装置の筐体を示す。受け入れスリーブ1301は、それぞれのピッチが10%でリフトが1mmであってもよい複数の、例えば、3つの、螺旋状の溝1305を設けられている。螺旋状の溝1305は、例えば、削り出しにより設けられている。ボールピン205は、また、複数のピンから構成されてもよい。これらは、さらに、弁筐体からペグとして直接削り出されてもよい。螺旋状の溝1305は、単純な筐体の外形でありながら高い固定力を可能とし、安全な接続を提供するという利点を有している。
【0149】
図17は、挿入された状態の図15の塗膜剤装置を示す。挿入する際、その差込可能な実装ソケット1203は、受け入れスリーブ1301内に挿入され、例えば、60°になって止まるまで、回転される。この場合、ねじれ止めは、摩擦ロックのニードルシールの張力により成立する。塗膜剤装置を取り外す際は、反対に回転され引き抜かれる。
【0150】
図18は、1.5mmの、且つ、例えば180°のうち20°の締め付けるための勾配が削り出されていてもよいペグ部分1505を備え、弁筐体1501及び差込可能な実装ソケット1503を有する、例えば、弁などの、塗膜剤装置及び/又は塗膜システム部品を示す。ここで、ペグ部分は実装ソケット1503の外部表面の約180°に広がる。
【0151】
図19は、図18の実装ソケット1503を受け入れるための受け入れスリーブ1601を有する塗膜装置及び/又は塗膜システム装置の筐体を示す。受け入れスリーブ1601は、例えば160°に広がるなどする保持用張り出し1603を設けられている。
【0152】
図20Aから20Dは、受け入れスリーブ1601への図15の実装ソケット1503の取り付けを示す。図20Aは、挿入されたが回転されていない状態の実装ソケット1503を示す。図20Bから20Dは、回転して固定された状態の取り付けを示す。
【0153】
図21は、軸方向平坦部1805を有するネジ1804に部分的に囲まれている、弁筐体1801及び差込可能な実装ソケット1803を有する、例えば、弁などの、塗膜剤装置及び/又は塗装システム部品を示す。平坦部1805は、対称に削り出された空隙であってもよく、これにより、実装ソケットは、『鍵穴』式に受け入れスリーブに挿入され、そして、ねじれ止めのために、該空隙内に回し込まれてもよい。実装ソケット1803は、さらに、受け入れスリーブ内にそれを挿入する位置決めするための任意の位置決めピン1806を設けられている。設けられる軸方向平坦部1805が唯一つであってもよい。
【0154】
図22は、実装ソケット1803を受け入れるための受け入れスリーブ1901を有する塗膜装置及び/又は塗膜システム装置の筐体を示す。受け入れスリーブ1901は、例えば、細長く、そして、実装ソケットのネジ部を受け入れるための側面ネジ部分1903を備える。受け入れスリーブは、さらに、任意で、漏出孔1905を設けられている。図22の受け入れスリーブ1901は、ネジ1804を受け入れるための対称に配置されているネジ用窪みを有する。これらは、しかし、非対称に配置されてもよい。
【0155】
図22A、22B、及び、22Cは、受け入れスリーブ1901内の実装ソケット1803のねじれ止めを示す。図22B及び22Cは、回転して固定された状態を示す。
【0156】
実装ソケットのネジ1804は、2つの側に、例えば、対称又は非対称に、刻まれているM14x1.5ネジであってもよい。これに応じて、受け入れスリーブ1901は2つの側に窪んでいる。半径方向のピン1806は、例えば、位置決めをはっきりとさせるために機能し得、端面にシーリングリングが漏出を封止するため溝1807内に設けられ得る。挿入の際、実装ソケット1803は、受け入れスリーブ1301内に挿入され、例えば、90°から110°回転される。ねじれ止めは、ニードルシールの摩擦固定張力により成立する。塗膜剤装置を取り外す際は、反対に回転され引き抜かれる。
【0157】
図23Aは、軸方向に刻まれた空隙2007により非対称に分離され、非対称に配置され、且つ、軸方向に伸びているネジ部2005を有する、筐体2001及び差込可能な実装ソケット2003を備える、例えば、弁などの、塗膜剤装置及び/又は塗膜システム部品を示す。実装ソケット2003は、さらに、漏出孔2009及びシーリングリングのための溝2011を備える。実装ソケット2103のシリンダに配置されてもよいニードル弁は、図示していない。
【0158】
図23Bは、非対称に配置されているネジ部分2004を有する非対称に形成された受け入れスリーブ2002を備える、例えば噴霧器や色切替器などのためのそれらに応じた塗膜装置及び/又は塗膜システム装置の筐体の外形を示す。
【0159】
図23Cから23Eは、挿入された状態の図23Aの塗膜剤装置を示す。図23Cは、挿入された状態を、図23Dから23Eは、ねじれ止めを示す。
【0160】
ネジ2005は、例えば、2つの側に30°に非対称に刻まれてもよく、同様に、受け入れスリーブ2002内にも同じネジを設け2つの側に埋め込むことができる。受け入れスリーブ2002内での実装ソケット2003の位置決めをはっきりとさせることは、『鍵穴』式に非対称な表面により実現することができる。ねじれ止めは、ニードルシールの摩擦張力により成立する。塗膜剤装置を挿入する際は、例えば、75°回転され、それにより、ねじれ止めされる。塗膜剤装置を取り外す際は、反対に回転され引き抜かれる。このことの利点は、特に、位置決めが楔形により目で見て分かるように行うことができ、位置決め用のピンが不要である点にある。
【0161】
図24は、図1において、ネジ歯61を有する雌ネジ60に配置され及び/又はねじ込まれているネジ歯21を有する雄ネジ20の模式的軸方向断面図を特に示す。雄ネジ20は実装ソケット10に設けられており、一方、雌ネジ60は実装ソケット受け口50に設けられている。図1に示すように、符号ZAは、雄ネジ20及び/又は実装ソケット10の中心軸(ネジ軸)を示しており、一方、符号ZA’は、同軸上に配置されている、雌ネジ60及び/又は実装ソケット受け口50の中心軸(ネジ軸)を示す。
【0162】
さらに、図24では、ネジ歯21及び/又は雄ネジ20のネジ歯深さh1及びネジ半径r1も図示されている。ネジ半径r1は、中心軸ZAからネジ歯21のネジ歯山頂部に対して垂直に延び、一方、ネジ歯深さh1は、ネジ歯21及び/又は雄ネジ20のネジ谷底部からネジ歯21のネジ歯山頂部(及び/又はその先端)へ(半径方向に及び/又は中心軸ZAに垂直に)延びる。
【0163】
また、図24では、ネジ歯61及び/又は雌ネジ60のネジ歯深さh2及びネジ半径r2も図示されている。ネジ半径r2は、中心軸ZA’からネジ歯61及び/又は雌ネジ60のネジ谷底部(及び/又は汚れ受け口)に対して垂直に延び、一方、ネジ歯深さh2は、ネジ歯61及び/又は雌ネジ60のネジ谷底部(及び/又は汚れ受け口)からネジ歯61のネジ歯山頂部へ(半径方向及び/又は中心軸ZA’に垂直に)延びる。
【0164】
実装ソケット10、雄ネジ20、及び、ネジ歯21は、塗膜システム部品BB上に設けられており(なお、図1から24では、塗膜システム部品BBの一部のみが図示されている)、一方、実装ソケット受け口50、雌ネジ60、及び、ネジ歯61は、塗膜システム装置BV上に設けられている(なお、図1から24では、塗膜システム装置BVの一部のみが図示されている)。塗膜システム部品BBは、好ましくは、弁又はベルカップであり、一方、塗膜システム装置BVは、好ましくは、色切替器、中空のベルカップシャフト又は一般的に噴霧器及び/又は噴霧器部品である。
【0165】
図中で示した塗膜剤装置及び/又は塗膜システム部品は、例えば、形状の一致や摩擦接合などにより、戻り締めであっても、及び/又は、ねじれ止めされていてもよい。上記塗膜剤装置の特徴は、さらに、個々が又は一群が互いに組み合わされ、その結果、さらに有利な実施形態を実現し得る。
【0166】
本発明は、上記の好ましい例示的実施形態に限定されるものではない。むしろ、本発明の概念を用いて、保護範囲に含まれるような種々の変形例及び修正例が可能である。例えば、独立請求項の特徴なしで下位請求項の特徴を組み合わせることも可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗膜システム装置と取り外し可能に接続するための少なくとも1つの保持部材を有する塗膜システム部品、好ましくは、塗膜剤により少なくとも部分的に湿り及び/又は塗膜剤が少なくとも部分的に流れるように適合されている塗膜システム部品であって、前記保持部材は特別な構成を有するネジ(20)であることを特徴とする塗膜システム部品。
【請求項2】
前記保持部材ネジはピッチ及びネジ歯深さ(h1)を有するネジ歯(21)を含み、
前記ネジ歯深さ(h1)対前記ピッチの比率は、
a)約0.3、0.5、0.7、0.9、1.1、1.3、又は、1.5より大きく、及び/又は、
b)約1.6、1.4、1.2、1.0、0.8、0.6、又は、0.4より小さい、
請求項1に記載の塗膜システム部品。
【請求項3】
a)前記保持部材ネジは少なくとも1つのネジ歯(21)を含み、及び/又は、
b)前記ネジ歯(21)の少なくとも基底部は実質的に非二等辺三角形の形状であり、又は、
c)前記ネジ歯(21)の少なくとも基底部は実質的に非二等辺台形の形状である、
請求項1又は2に記載の塗膜システム部品。
【請求項4】
前記保持部材ネジ及び/又は前記ネジ歯(21)は、
a)ネジ歯山頂部、及び/又は、
b)第1のネジ側面内角(α1)を有する第1のネジ側面部(21a)、及び/又は、
c)第2のネジ側面内角(α2)を有する第2のネジ側面部(21b)、及び/又は、
d)削減されたネジ側面部(21c)、
を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の塗膜システム部品。
【請求項5】
a)前記削減されたネジ側面部(21c)は、側面が削減され及び/又は面取りされており、且つ、前記ネジ側面山頂部と前記第2のネジ側面部(21b)との間に配置されており、及び/又は、
b)前記削減されたネジ側面部(21c)は、前記塗膜システム装置上の固定用の輪郭(SP)のための空間を作り、及び/又は、
c)前記削減されたネジ側面部(21c)は、前記ネジ歯山頂部と前記第2のネジ側面部(21b)との間に配置されており、及び/又は、
d)前記削減されたネジ側面部(21c)は、前記第2のネジ側面部(21b)から分岐し、前記ネジ歯山頂部に延びており、及び/又は、
e)前記削減されたネジ側面部(21c)は、第3のネジ側面内角(α3)を備える、
請求項4に記載の塗膜システム部品。
【請求項6】
a)前記第1のネジ側面内角(α1)は前記第2のネジ側面内角(α2)よりも小さく、及び/又は、前記第2のネジ側面内角(α2)は前記第3のネジ側面内角(α3)と実質的に同じ大きさであり、及び/又は、
b)前記第1のネジ側面内角(α1)は、約7.5°、17.5°、19.0°、27.5°、37.5°、又は、47.5°よりも大きく、及び/又は、
c)前記第1のネジ側面内角(α1)は、約12.5°、22.5°、32.5°、42.5°、又は、52.5°より小さく、及び/又は、
d)前記第2のネジ側面内角(α2)及び/又は前記第3のネジ側面内角(α3)は、約17.5°、27.5°、28.0°、37.5°、47.5°、又は、57.5°より大きく、及び/又は、
e)前記第2のネジ側面内角(α2)及び/又は前記第3のネジ側面内角(α3)は、約22.5°、32.5°、42.5°、52.5°、又は、62.5°より小さい、
請求項4又は5に記載の塗膜システム部品。
【請求項7】
a)前記第1のネジ側面部(21a)は固定中前記塗膜システム装置のネジと接触するための軸受表面を形成し、及び/又は、前記第2のネジ側面部(21b)は解放中前記塗膜システム装置のネジと接触するための軸受表面を形成し、
このとき、前記固定表面対前記解放表面との比率、及び/又は、
b)前記第1のネジ側面部(21a)対前記第2のネジ側面部(21b)との比率は、
c)約0.5、1.5、2.5、3.5、4.5、又は、5.5より大きく、及び/又は、
d)約1.0、2.0、3.0、4.0、5.0、又は、6.0より小さい、
請求項4から6のいずれか1項に記載の塗膜システム部品。
【請求項8】
前記保持部材ネジのピッチは、
a)約0.5mm、1.5mm、2.5mm、3.5mm、4.5mm、又は、5.5mmより大きく、及び/又は、
b)約0.75mm、1.0mm、2.0mm、3.0mm、4.0mm、5.0mm、又は、6.0mmより小さい、
請求項1から7のいずれか1項に記載の塗膜システム部品。
【請求項9】
前記保持部材ネジは、ネジ歯深さ(h1)を有するネジ歯(21)を含んでおり、該ネジ歯深さ(h1)は、
a)約0.2mm、0.6mm、1.0mm、1.4mm、又は、1.8mmより大きく、及び/又は、
b)約2.0mm、1.6mm、1.2mm、0.8mm、又は、0.4mmより小さい、
請求項1から8のいずれか1項に記載の塗膜システム部品。
【請求項10】
前記保持部材ネジは、
a)雄ネジであり、好ましくは、ネジ外部半径(r1)を有しており、該ネジ外部半径(r1)は、
b)約4.0mm、6.0mm、8.0mm、10.0mm、12.0mm、14.0mm、20.0mm、25.0mm、又は、35.0mmより大きく、及び/又は、
c)約5.0mm、7.0mm、9.0mm、11.0mm、13.0mm、15.0mm、22.5mm、30.0mm、又は、40.0mmよりも小さい、
請求項1から9のいずれか1項に記載の塗膜システム部品。
【請求項11】
a)前記保持部材ネジは一段であり、又は、
b)前記保持部材ネジは、多段、及び/又は、
b1)2段、
b2)3段、又は、
b3)4段である、
請求項1から10のいずれか1項に記載の塗膜システム部品。
【請求項12】
a)前記保持部材ネジ及び/又は前記ネジ歯(21)は、少なくとも1つの丸められたネジ谷底部を含み、及び/又は、
b)前記ネジ歯(21)は丸められたネジ歯山頂部を有している、
請求項1から11のいずれか1項に記載の塗膜システム部品。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載の塗膜システム部品と取り外し可能に接続するための少なくとも1つの保持手段を備えることを特徴とする、塗膜システム装置、好ましくは、塗膜剤により少なくとも部分的に湿り及び/又は塗膜剤が少なくとも部分的に流れるように適合されている塗膜システム装置。
【請求項14】
前記保持手段は特別な構成を有するネジである、請求項13に記載の塗膜システム装置。
【請求項15】
前記保持手段ネジはピッチ及びネジ歯深さ(h2)を有するネジ歯(61)を含み、
前記ネジ歯深さ(h2)対前記ピッチの比率は、
a)約0.3、0.5、0.7、0.9、1.1、1.3、又は、1.5より大きく、及び/又は、
b)約1.6、1.4、1.2、1.0、0.8、0.6、又は、0.4より小さい、
請求項13又は14に記載の塗膜システム装置。
【請求項16】
a)前記保持手段ネジは少なくとも1つのネジ歯(61)を含み、及び/又は、
b)前記ネジ歯(61)の少なくとも基底部は実質的に非二等辺三角形の形状であり、又は、
c)前記ネジ歯(61)の少なくとも基底部は実質的に非二等辺台形の形状である、
請求項13から15のいずれか1項に記載の塗膜システム装置。
【請求項17】
前記保持手段ネジ及び/又は前記ネジ歯(61)は、
a)ネジ歯山頂部、及び/又は、
b)第1のネジ側面内角(α1)を有する第1のネジ側面部(61a)、及び/又は、
c)第2のネジ側面内角(α2)を有する第2のネジ側面部(61b)、及び/又は、
d)固定用の輪郭(SP)、
を含む、請求項13から16のいずれか1項に記載の塗膜システム装置。
【請求項18】
a)前記固定用の輪郭(SP)は、相性の悪い塗膜システム部品の取り付けを避けるように、及び/又は、前記塗膜システム部品の前記削減されたネジ側面部(21c)に突出するように、設けられており、及び/又は、
b)前記固定用の輪郭(SP)は、前記保持手段ネジのネジ段部に突出し、及び/又は、
c)前記固定用の輪郭(SP)は、ネジ谷底部及び/又は汚れ受け口(SA)と前記第2のネジ側面部(61b)との間に配置されており、及び/又は、
d)前記固定用の輪郭(SP)は、前記第2のネジ側面部(61b)から分岐し、前記ネジ谷底部及び/又は汚れ受け口(SA)に延びている、
請求項17に記載の塗膜システム装置。
【請求項19】
a)前記第1のネジ側面内角(α1)は前記第2のネジ側面内角(α2)よりも小さく、及び/又は、
b)前記第1のネジ側面内角(α1)は、約7.5°、17.5°、19.0°、27.5°、37.5°、又は、47.5°よりも大きく、及び/又は、
c)前記第1のネジ側面内角(α1)は、約12.5°、22.5°、32.5°、42.5°、又は、52.5°より小さく、及び/又は、
d)前記第2のネジ側面内角(α2)は、約17.5°、27.5°、28.0°、37.5°、47.5°、又は、57.5°より大きく、及び/又は、
e)前記第2のネジ側面内角(α2)は、約22.5°、32.5°、42.5°、52.5°、又は、62.5°より小さい、
請求項13から18のいずれか1項に記載の塗膜システム装置。
【請求項20】
前記保持手段ネジのピッチは、
a)約0.5mm、1.5mm、2.5mm、3.5mm、4.5mm、又は、5.5mmより大きく、及び/又は、
b)約0.75mm、1.0mm、2.0mm、3.0mm、4.0mm、5.0mm、又は、6.0mmより小さい、
請求項13から19のいずれか1項に記載の塗膜システム装置。
【請求項21】
前記保持手段ネジは、ネジ歯深さ(h2)を有するネジ歯(61)を含んでおり、該ネジ歯深さ(h2)は、
a)約0.2mm、0.6mm、1.0mm、1.4mm、又は、1.8mmより大きく、及び/又は、
b)約2.0mm、1.6mm、1.2mm、0.8mm、又は、0.4mmより小さい、
請求項13から20のいずれか1項に記載の塗膜システム装置。
【請求項22】
前記保持手段ネジは、
a)雌ネジであり、好ましくは、ネジ外部半径(r2)を有しており、該ネジ外部半径(r2)は、
b)約4.0mm、6.0mm、8.0mm、10.0mm、12.0mm、14.0mm、20.0mm、25.0mm、又は、35.0mmより大きく、及び/又は、
c)約5.0mm、7.0mm、9.0mm、11.0mm、13.0mm、15.0mm、22.5mm、30.0mm、又は、40.0mmよりも小さい、
請求項13から21のいずれか1項に記載の塗膜システム装置。
【請求項23】
a)前記保持手段ネジは一段であり、又は、
b)前記保持手段ネジは、多段、及び/又は、
b1)2段、
b2)3段、又は、
b3)4段である、
請求項13から22のいずれか1項に記載の塗膜システム装置。
【請求項24】
a)前記保持手段ネジ及び/又は前記ネジ歯(61)は、少なくとも1つの丸められたネジ谷底部を含み、及び/又は、
b)前記ネジ谷底部は、少なくとも1つの汚れ受け口(SA)を含み、及び/又は、
c)このとき、前記ネジ谷底部及び/又は前記汚れ受け口(SA)及び/又は前記ネジ歯山頂部は、好ましくは、丸められており、且つ、丸め半径は、
c1)約0.075mm、0.125mm、0.175mm、0.225mm、又は、0.275mmより大きく、及び/又は、
c2)約0.1mm、0.15mm、0.20mm、0.25mm、又は、0.3mmより小さい、
請求項13から23のいずれか1項に記載の塗膜システム装置。
【請求項25】
a)塗膜システム部品上での請求項1から12のいずれか1項に記載の特徴部に係るネジの、及び/又は、
b)塗膜システム装置上又は内での請求項13から24のいずれか1項に記載の特徴部に係るネジの使用であって、
c)このとき、前記塗膜システム部品及び/又は前記塗膜システム装置は、
c1)車体、及び/又は、
c2)車体の取り付け部品、及び/又は、
c3)船舶又は船舶部品、及び/又は、
c4)飛行機部品、及び/又は、
c5)列車部品、
の塗膜のために用いられる、使用。
【請求項26】
請求項1から12のいずれか1項に記載の塗膜システム部品及び請求項13から24のいずれか1項に記載の塗膜システム装置を備える配置体。
【請求項27】
一方ネジのネジ歯と他方のネジのネジ谷底部との間に、これらのネジが共にねじ込まれるときに、汚れ受け口が画定される、請求項26に記載の配置体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図20D】
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【図21】
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【図22】
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【図22A】
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【図22B】
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【図22C】
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【図23A】
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【図23B】
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【図23C】
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【図23D】
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【図23E】
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【図24】
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【公表番号】特表2012−526246(P2012−526246A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508949(P2012−508949)
【出願日】平成22年5月5日(2010.5.5)
【国際出願番号】PCT/EP2010/002764
【国際公開番号】WO2010/127850
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(504389784)デュール システムズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (54)
【Fターム(参考)】