説明

少なくとも1つの発光体化合物および共役遮断ユニットを有する少なくとも1つのポリマーを含む組成物

本発明は、少なくとも1つの発光体化合物および共役遮断ユニットを有する少なくとも1つのポリマーを含む組成物、該組成物の光電子デバイスにおける使用、ならびに本発明による組成物を含む光電子デバイスに関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本発明は、光電子デバイスにおいて使用するための、少なくとも1つの発光性化合物および共役遮断(conjugation-interrupting)ユニットを有する少なくとも1つのポリマーを含む組成物、ならびに本発明による前記組成物を含む光電子デバイスに関する。
【0002】
一重項および三重項発光体は、共に、先行技術において使用可能な発光体化合物として既知である。近年、蛍光の代わりに燐光を示す有機金属錯体が、光電子デバイスにおける発光物質として多く使用されている(M.A.Baldo et al., Appl. Phys. Lett. 1999, 75, 4-6)。先行技術において既知の三重項発光体は、通常金属錯体であり、それは特に重金属が三重項遷移しやすいためである。しかしながら、一般的に、三重項発光を示すOLEDの場合、まだ考慮すべき問題がある。それ故、燐光発光体の物理的特性は、金属錯体の安定性、効率、動作電圧および寿命の観点において、高いクオリティ且つ長寿命のエレクトロルミネッセンス素子における使用にはまだ適していない。それ故、さらなる改善が必要とされる。さらなる改善は、例えばマトリックス材料および電荷輸送材料のような、有機エレクトロルミネッセンス素子において使用される他の化合物に対しても必要とされる。特に、マトリックス材料は、望ましくないクエンチング効果が生じないよう、使用される発光体化合物と適合する必要がある。
【0003】
共役ポリマーは、OLEDにおける非常に有望な材料として、既に徹底的に調べられている。それらの単純な調製は、対応するエレクトロルミネッセンスデバイスの安価な製造を約束する。しかしながら、今日までに使用され、既知の共役ポリマーは、達成可能な効率がある一定の上限を有するという不利益を有する。これは特に、ポリマーおよび発光体化合物のHOMO−LUMO分離ならびに一重項および三重項のエネルギーレベルによる。例えば、ポリマーの三重項レベルが発光体の三重項レベルよりも低い場合、発光体の三重項エネルギーは、エネルギー伝達メカニズムによりポリマーに伝達され得る。その結果、燐光はクエンチされる。
【0004】
最もよく知られているポリマー三重項マトリックスは、PVK(ポリビニルカルバゾール)である(Yang, X.; Neher, D.; Hertel, D.; Daeubler, T. K.; Highly efficient single-layer polymer electrophosphorescent devices; Adv. Mater. (Weinheim, Ger.) 16[2], 161-166. 2004)。これは、非共役ポリマーである。
【0005】
US 7250226 B2は、ポリマーの側鎖に、正孔輸送性ユニット、電子輸送性ユニット、および発光体ユニットを有する三重項発光体ポリマーを開示している。
【0006】
Wai-Yeung Wong et al., Macromolecules 2004, 37, 4496-4504は、共役遮断部位としてのフルオレンユニットを有するポリマーを使用することを提案しており、ここでの三重項発光体ユニットは、ポリマー鎖に組み込まれている。
【0007】
JP 2001/257076は、ホストとしての非共役ポリマーおよびドーパントとしての分類VIIIの金属を有する金属錯体を含むOLEDを開示している。ポリビニルカルバゾールは、非共役ポリマーマトリックスとして開示されている。
【0008】
これらのシステムのいずれも、最適な電気光学的特性(例えば、適切な効率)を示しておらず、全てがその安定性に関して不足している。特に、ポリマーの主鎖または側鎖に機能的ユニットを有するポリマーは、さらに、調製するのが困難である。
【0009】
それ故、本発明の目的は、特に青色、緑色および赤色発光化合物の場合に、高い安定性および効率を有し、作製が容易であるシステムを提供することである。
【0010】
驚くべきことに、共役遮断ユニットを有するポリマーマトリックス材料は、ポリマーと結合しない発光体化合物との組み合わせにおいて、増大した効率および寿命を有することが見出された。さらに、このタイプのシステムは、作製が単純であり、溶液からのコーティングにより加工され得る。これらのマトリックス材料は、一重項発光体と三重項発光体の両方に対して使用することができる。
【0011】
本発明は、少なくとも1つの発光体化合物および少なくとも1つのポリマーを含む組成物に関し、前記ポリマーは、下記一般式Iで表される構造単位を少なくとも1つ含むことを特徴とする:
【化1】

【0012】
式中、
Aは、出現毎にそれぞれ独立に、共役遮断ユニットであり;
FGは、出現毎にそれぞれ独立に、光電子官能基であり;
nは、1より大きく、好ましくは10以上であり、特に好ましくは10〜10,000の範囲である。
【0013】
本発明は、さらに、一般式Iで表される構造単位を少なくとも1つ含むことを特徴とするポリマーにも関する:
【化2】

【0014】
式中、
Aは、出現毎にそれぞれ独立に、共役遮断ユニットであり;
FGは、出現毎にそれぞれ独立に、光電子官能基であり;
nは、1より大きく、好ましくは10以上であり、特に好ましくは10〜10,000の範囲である。
【0015】
本発明の好ましい実施形態において、前記ポリマーは、以下の式Iaで表されるさらなる構造単位を少なくとも1つ含む:
【化3】

【0016】
式中、
は、出現毎にそれぞれ独立に、共役遮断ユニットであり;
FGは、出現毎にそれぞれ独立に、光電子官能基であり;
m、oは、出現毎にそれぞれ独立に、0、1または2であり、m+oは1以上であり;
pは、1以上である。
【0017】
mおよびoの可能な組み合わせを以下に挙げる:
【表A】

【0018】
1つの実施形態において、m=2であり、少なくとも1つのFG=FGであることが好ましい。
【0019】
本発明において、「ポリマー」という用語は、高分子化合物、オリゴマー化合物およびデンドリマーの全てを意味する。本発明による高分子化合物は、好ましくは10〜10,000、特に好ましくは20〜5000、特に50〜2000の繰り返し単位(構造単位)を有する。本発明によるオリゴマー化合物は、好ましくは2〜9の繰り返し単位を有する。ここでのポリマーの分岐因子は、0(直鎖状ポリマー、枝分れ点なし)と1(完全に枝分れしたデンドリマー)の間である。ここで、「デンドリマー」とは、一般的に、例えばM. Fischer and F. Vogtle (Angew. Chem., Int. Ed. 1999, 38, 885)に記載されているような意味を意図している。
【0020】
前記ポリマーの数平均分子量は、好ましくは100,000〜2,500,000 g/molの範囲、特に好ましくは200,000〜2,000,000 g/molの範囲、特に250,000〜1,500,000 g/molの範囲である。Mnは、内標準としてポリスチレンを使用したゲル濾過クロマトグラフィーにより決定される。
【0021】
一般的に、FGおよびFGは、出現毎にそれぞれ独立に、好ましくは置換または非置換の芳香環もしくは芳香族複素環系または芳香環基もしくは芳香族複素環基である(この環系または芳香環基もしくは芳香族複素環基が光電子機能特性を有する場合)。
【0022】
本発明の趣旨において、芳香環基(アリール基)は、5〜60の炭素原子を含み; 本発明の趣旨において、芳香族複素環基(ヘテロアリール基)は、2〜60の炭素原子および少なくとも1つのヘテロ原子を含む(ただし、炭素原子とヘテロ原子の合計は少なくとも5である)。ヘテロ原子は、好ましくはSi、N、P、O、Seおよび/またはSから選択され、特に好ましくはN、Oおよび/またはSから選択される。アリール基またはヘテロアリール基は、ここでは、単環の芳香環(すなわち、ベンゼン)もしくは単環の芳香族複素環(例えば、ピリジン、ピリミジン、チオフェン等)、または縮合型のアリール基もしくはヘテロアリール基(例えば、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、キノリン、イソキノリン、ベンゾチオフェン、ベンゾフランおよびインドール等)を意味する。これらのうち、ナフタレンおよびキノリンが特に好ましい。
【0023】
本発明の組成物における発光体化合物が三重項の発光体または金属錯体である場合、式IまたはIaにおける官能基FGおよび/またはFGは、特に好ましくは、単環式または二環式縮合型の芳香環または芳香族複素環基から選択され、式Iaにおけるmは、好ましくは0または1である。
【0024】
本発明の趣旨において、芳香環系は(それが、FGもしくはFGとして存在するか、または一般的な置換基として存在するかに関わらず)、環系内に5〜60の炭素原子を含む。本発明の趣旨において、芳香族複素環系は、環系内に2〜60の炭素原子および少なくとも1つのヘテロ原子を含む(ただし、炭素原子とヘテロ原子の合計は、少なくとも5である)。ヘテロ原子は、好ましくはSi、N、P、O、Seおよび/またはSから選択され、特に好ましくはN、Oおよび/またはSから選択される。
【0025】
本発明の趣旨において、芳香環系または芳香族複素環系は、さらに、アリール基またはヘテロアリール基のみを必ずしも含まない系も意味することが意図されるが、さらに、複数のアリール基またはヘテロアリール基が、例えばC(sp3ハイブリダイズ)、NまたはO原子のような非芳香族ユニット(好ましくは、10%未満のH以外の原子)により遮断されてよい。それ故、例えば、9,9’-スピロビフルオレン、9,9-ジアリールフルオレン、トリアリールアミン、ジアリールエーテル、スチルベン等のような系、ならびに2つ以上のアリール基が、例えば直鎖状もしくは環状のアルキル基またはシリル基により遮断された系も、本発明の趣旨における芳香環系であると解釈される。
【0026】
5〜60の芳香環原子を有する芳香環系または芳香族複素環系は、各場合においていずれかの望ましい基Rにより置換されてもよく(ここでのRは、H、C1-40-アルキル基、C2-40-アルケニル基、C2-40-アルキニル基、任意に置換されたC6-40-アリール基および任意に置換された5〜25員のヘテロアリール基からなる群より選択される)、いずれかの望ましい位置を介して芳香環系もしくは芳香族複素環系に結合してもよく、特に、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ケトン、ジアリールケトン、アミン、トリアリールアミン、フェナントレン、ピレン、クリセン、ペリレン、フルオランテン、ナフタセン、ペンタセン、ベンゾピレン、ビフェニル、ビフェニレン、テルフェニル、テルフェニレン、フルオレン、スピロビフルオレン、ジヒドロフェナントレン、ジヒドロピレン、テトラヒドロピレン、シス-またはトランス-インデノフルオレン、トルキセン、イソトルキセン、スピロトルキセン、スピロイソトルキセン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ピロール、インドール、イソインドール、カルバゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、アクリジン、フェナントリジン、ベンゾ-5,6-キノリン、ベンゾ-6,7-キノリン、ベンゾ-7,8-キノリン、フェノチアジン、フェノキサジン、ピラゾール、インダゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール(naphthimidazole)、フェナントイミダゾール(phenanthrimidazole)、ピリドイミダゾール(pyridimidazole)、ピラジンイミダゾール、キノキサリンイミダゾール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトオキサゾール(naphthoxazole)、アントロオキサゾール、フェナントロオキサゾール、イソオキサゾール、1,2-チアゾール、1,3-チアゾール、ベンゾチアゾール、ピリダジン、ベンゾピリダジン、ピリミジン、ベンゾピリミジン、キノキサリン、1,5-ジアザアントラセン、2,7-ジアザピレン、2,3-ジアザピレン、1,6-ジアザピレン、1,8-ジアザピレン、4,5-ジアザピレン、4,5,9,10-テトラアザピレン、ピラジン、フェナジン、フェノキサジン、フェノチアジン、フルオルビン、ナフチリジン、アザカルバゾール、ベンゾカルボリン、フェナントロリン、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,5-オキサジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,2,3-チアジアゾール、1,2,4-チアジアゾール、1,2,5-チアジアゾール、1,3,4-チアジアゾール、1,3,5-トリアジン、1,2,4-トリアジン、1,2,3-トリアジン、テトラゾール、1,2,4,5-テトラジン、1,2,3,4-テトラジン、1,2,3,5-テトラジン、プリン、プテリジン、インドリジンおよびベンゾチアジアゾールに由来する基を意味する。
【0027】
FGおよびFGは、特に好ましくは、出現毎にそれぞれ独立に、フェニル、ナフチル、ピリジン、アントラセン、ビナフチルアントラセン、フェナントレン、ジヒドロフェナントレン、インデノフルオレン、フルオレン、スピロビフルオレン、ピレン、ホスフィン、ホスフィンオキシド、フラン、イミダゾール、チオフェン、トリアジン、ピラジン、ケトン、アミン、カルバゾールならびにこれらの組み合わせ、これらの誘導体およびヘテロ原子変異体から選択される。ここでの組み合わせは、前記基本構造の2つ以上から構成される化合物を意味する。例えば、カルバゾールは、フルオレンユニットと共有結合してよい。
【0028】
上述した基は、光電子デバイス内で種々の機能を発揮し得る。それ故、官能基FGおよびFGをそれらの好ましい機能的特性に関して区分することは、賢明である。
【0029】
光電子官能基FGまたはFGは、各場合において、相互に独立であり、好ましくは、正孔注入性基、正孔輸送性基、正孔遮断性基、電子注入性基、電子輸送性基、電子遮断性基、光子吸収性基、励起子生成基、一重項励起子増感剤、発光性基または主鎖基等である。2つ以上の官能基が相互に並んでポリマーに存在してよく、または、2つ以上の機能(例えば、正孔輸送性および電子輸送性)を有する官能基であってもよい。
【0030】
本発明の趣旨において、正孔注入性基および/または正孔輸送性基は、エネルギー的に高いHOMO(「最高被占軌道」)(好ましくは-5.8 eVより高い、特に好ましくは-5.5 eVより高い(真空レベルに対して))を有する基である。これは、正孔注入を支持する。正孔輸送における影響は、ポリマー内の基の濃度に依存する。ポリマーに基づいて4 mol%より低い濃度の場合、通常は正孔の輸送に適さない濃度である。それから、前記基は、正孔捕捉の機能を有する。それ故、正孔注入性基および/または正孔輸送性基の濃度は、ポリマーに基づいて、好ましくは4 mol%より高く、特に好ましくは6 mol%より高いべきである。効率的な正孔輸送のために、ポリマーにおける濃度は、好ましくは10 mol%より高く、特に好ましくは15 mol%より高いべきである。同時にLUMOが低い場合、このタイプの基は、電子遮断性の機能を有し得る。
【0031】
正孔注入性基および/または正孔輸送性基は、好ましくは、トリアリールアミン、ベンジジン、テトラアリール-パラ-フェニレンジアミン、トリアリールホスフィン、フェノチアジン、フェノキサジン、ジヒドロフェナジン、チアントレン、ジベンゾ-パラ-ジオキシン、フェノキサチイン、カルバゾール、アズレン、チオフェン、ピロールまたはフラン誘導体、ならびに高いHOMO(HOMO=最高被占軌道)を有するO-、S-、Se-もしくはN-含有複素環である。これらアリールアミンおよび複素環は、好ましくは、ポリマーにおけるHOMOが-5.8 eVより大きく (真空レベルに対して)、特に好ましくは-5.5 eVより大きい。
【0032】
本発明の趣旨において、電子注入性基および/または電子輸送性基は、低いLUMO(最低空軌道)を有する基であり、好ましくは−1.9eV未満、特に好ましくは−2.5eV未満である(真空レベルに対して)。これは、電子注入を支持する。電子輸送における影響は、ポリマーにおける前記基の濃度に依存する。ポリマーに基づいて4 mol%未満の濃度の場合、効率的な電子輸送のために適さない濃度である。それから、前記基は、電子捕捉の機能を有する。電子注入性基および/または電子輸送性基の濃度は、好ましくは4 mol%より高く、特に好ましくは6 mol%より高いべきである。効率的な電子輸送のために、ポリマーにおける濃度は、好ましくは10 mol%より高く、特に好ましくは15 mol%より高いべきである。HOMOが低い場合、このタイプの基は、正孔遮断性の機能を有し得る。
【0033】
電子注入性基および/または電子輸送性基は、好ましくは、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、オキサジアゾール、キノリン、キノキサリン、アントラセン、ベンズアントラセン、ピレン、ペリレン、ベンズイミダゾール、トリアジン、ケトン、ホスフィンオキシドまたはフェナジン誘導体であるが、トリアリールボランおよびさらに低いLUMO(最低空軌道)を有するO-、S-またはN-含有複素環も使用することができる。これらのユニットは、好ましくは、ポリマーにおいて-1.9 eV 未満(真空レベルに対して)のLUMOを生じ、特に好ましくは-2.5 eV未満のLUMOを生じる。
【0034】
正孔注入性基および/または正孔輸送性基と、電子注入性基および/または電子輸送性基の組み合わせは、本発明の目的のために可能であり、これらは共に、高いHOMOおよび低いLUMOを有する。
【0035】
本発明の趣旨において、光子吸収性基は、好ましくは、いずれかの所望のエネルギーまたはいずれかの所望の波長を有する光子であって、好ましくは可視光のスペクトル領域の光子を吸収することができる基である。一般的に、これらは色素である。適切な色素は、例えば、有機光電池、色素増感太陽電池、電荷生成層または電子写真(xerographic)デバイスにおいて通常使用されるものである。好ましい色素は、例えば、ペリレンおよびその誘導体(Angew. Chem. Int. Ed. 2006, 45, 3364-3368)、ルテニウム色素およびその誘導体(Nature, 1991, 353, p. 737 and Angew. Chemie. Int. Ed. 2005, 44, 5740-5744)、フタロシアニン、アゾ色素、リレン(Rylene)色素、ペリレンジイミド、ペリレンビスジカルボキシイミド、テリレン、クアテリレン(Quaterrylene)、ホスフィリン、スクアリンおよびこれらの誘導体である。
【0036】
本発明の趣旨において、励起子生成基は、好ましくは、正孔と電子の再結合により励起子を生成することができる基を意味する。
【0037】
発光性基は、例えば蛍光性または燐光性の色素のように、光を発することのできる基である。蛍光性色素は、主に一重項発光体である。本発明の趣旨において、三重項発光性基は、好ましくは、室温であっても高い効率で三重項状態から発光することのできる基であり、すなわち、電気蛍光の代わりに電気燐光を示し、エネルギー効率の増大を引き起こすことが多い。この目的に適するのは、第1に、36より大きい原子数を有する重原子を含む化合物である。好ましいのは、上述した条件を満たすd−またはf−遷移金属を含む化合物である。特に好ましいのは、8〜10族からの元素(Ru、Os、Rh、Ir、Pd、Pt)を含む対応する構造単位である。本発明によるポリマーに対して適切な構造単位は、例えば、WO 02/068435 A1、WO 02/081488 A1、EP 1239526 A2およびWO 2004/026886 A2に記載されているような種々の錯体である。対応するモノマーは、WO 02/068435 A1およびWO 2005/042548 A1に記載されている。
【0038】
さらに、本発明によるポリマーは、官能基FGまたはFGを含んでよく、これは一重項状態から三重項状態への移行を改善し、発光性基を支持するように用いられ、これらの構造要素の燐光特性を改善する。この目的に適しているのは、特に、カルバゾールおよび架橋したカルバゾール二量体ユニットであり、例えばWO 2004/070772 A2およびWO 2004/113468 A1に記載されている。また、ケトン、ホスフィンオキシド、スルホキシド、スルフォン、シラン誘導体および同様の化合物もこの目的に適しており、例えばWO 2005/040302 A1に記載されている。
【0039】
本発明の趣旨において、さらなる適切な発光性基は、6〜40の炭素原子を有する芳香族構造、ならびにトラン(tolan)、スチルベンもしくはビススチリルアリーレン誘導体であり、これらはそれぞれ、1つ以上の基Rで置換されてよく、ここでのRは、H、C1-40-アルキル基、C2-40-アルケニル基、C2-40-アルキニル基、任意に置換されたC6-40-アリール基および任意に置換された5〜25員のヘテロアリール基からなる群より選択される。特に好ましいのは、1,4-フェニレン、1,4-ナフチレン、1,4-もしくは9,10-アントリレン(anthrylene)、1,6-, 2,7- もしくは4,9-ピレニレン、3,9- もしくは3,10-ペリレニレン、4,4'-ビフェニリレン、4,4''-テルフェニリレン、4,4'-ビス-1,1'-ナフチリレン、4,4‘-トラニレン、4,4'-スチルベニレン、4,4''-ビススチリルアリーレン、ベンゾチアジアゾールおよび対応する酸素誘導体、キノキサリン、フェノチアジン、フェノキサジン、ジヒドロフェナジン、ビス(チオフェニル)アリーレン、オリゴ(チオフェニレン)、フェナジン、ルブレン、ペンタセンもしくはペリレン誘導体の導入であり、これらは、好ましくは、プッシュプル系(push-pull system)(ドナーおよびアクセプター置換基により置換された系)または好ましくは置換されたスクアリンもしくはキナクリドンのような系で置換され、またはこれらと接合される。
【0040】
本発明の趣旨において、主鎖基として使用され得る官能基FGまたはFGは、好ましくは6〜40の炭素原子を有する芳香族構造である。これらは例えば、4,5-ジヒドロピレン誘導体、4,5,9,10-テトラヒドロピレン誘導体、フルオレン誘導体、9,9‘-スピロビフルオレン誘導体、フェナントレン誘導体、9,10-ジヒドロフェナントレン誘導体、5,7-ジヒドロジベンゾキセピン誘導体ならびにシス-およびトランス-インデノフルオレン誘導体である。
【0041】
一般式IおよびIaの構造単位において、AおよびAは、出現毎にそれぞれ独立に、いわゆる共役遮断ユニットである。これは、共役を妨害または好ましくは遮断するユニットを意味し、例えば、少なくとも1つのsp混成原子(好ましくは炭素)により共役を妨害するユニットである。同様に、共役は、非sp混成原子(例えば、N、PもしくはSi)により妨害されてもよい。
【0042】
AおよびAは、出現毎にそれぞれ独立に、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン、シクロアルキレン、アルキルシリレン、シリレン、アリールシリレン、アルキルアルコキシアルキレン、アリールアルコキシアルキレン、アルキルチオアルキレン、スルホン、アルキレンスルホン、スルホンオキシド、アルキレンスルホンオキシドからなる群より選択され、各場合において、アルキレン基は、出現毎にそれぞれ独立に1〜12の炭素原子を有し、1つ以上のH原子は、F、Cl、Br、I、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールにより置換されてよい。
【0043】
AおよびAは、特に好ましくは、1〜12の炭素原子を有する直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレンまたはアルコキシアルキレンを示し、ここで、1つ以上のH原子は、Fにより置換されてよい。
【0044】
AまたはAは、さらに好ましくは、以下の一般式A-Ia、A-Ib、A-Ic、A-Id、A-Ie、A-If、A-Ig、A-Ih、A-Ii、A-Ij、A-Ik、A-Im、A-In、A-IoおよびA-Ipと一致する:
【化4−1】

【化4−2】

【0045】
式中、Ar1、Ar2およびAr3は、出現毎にそれぞれ独立に、5〜60の環原子を有する芳香族基または芳香族複素環基を示し、R1〜R4基の2つまたはR1〜R4基の1つならびにAr1、Ar2およびAr3の1つは、一般式IにおけるFGまたは一般式IaにおけるFG1および一般式Iの構造単位と同じまたは異なってよいさらなる構造単位と結合を形成し、および/またはR1、R2、R3およびR4は、出現毎にそれぞれ独立に、アルキレン、シクロアルキレン、アルキルシリレン、シリレン、アリールシリレン、アルキルアルコキシアルキレン、アリールアルコキシアルキレン、アルキルチオアルキレン、ホスフィン、ホスフィンオキシド、スルホン、アルキレンスルホン、スルホンオキシド、アルキレンスルホンオキシドを示し、各場合において、アルキレン基は、出現毎にそれぞれ独立に1〜12の炭素原子を有し、1つ以上のH原子は、F、Cl、Br、I、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基により置換されてよい。
【0046】
Ar1、Ar2またはAr3のそれぞれにおける置換基R1〜R4は、隣接するか、またはその間に1つ以上の環原子があってよい。置換基R1〜R4が結合する原子は、芳香族基または芳香族複素環基の環原子である。
【0047】
特に好ましいのは、以下に示す構造である:
【化5−1】

【化5−2】

【0048】
式中の記号および添え字は、構造A-Ia〜A-Ipについて示した意味を有する。
【0049】
本発明のさらなる実施形態において、ポリマーは、式Iおよび/またはIaとは異なるさらなる構造単位を含むことが好ましい。これらは、ポリマーの主鎖または側鎖に位置してよい。さらなる構造単位は、例えば、以下の分類に由来してよい。
【0050】
グループ1:ポリマーの正孔注入性および/または正孔輸送性を増強する単位;
グループ2:ポリマーの電子注入性および/または電子輸送性を増強する単位;
グループ3:グループ1およびグループ2からの個々の単位の組み合わせを有する単位;
グループ4:電気蛍光の代わりに電気燐光が得られる範囲に発光特性を修飾する単位;
グループ5:いわゆる一重項状態から三重項状態への移行を改善する単位;
グループ6:合成されたポリマーの発光色に影響を与える単位;
グループ7:典型的に主鎖として使用される単位;
グループ8:合成されたポリマーのフィルム構造および/またはレオロジー特性に影響を与える単位。
【0051】
好ましいポリマーは、少なくとも1つの構造単位が電荷輸送特性を有するものであり、すなわちグループ1および/またはグループ2からの単位を含むものである。
【0052】
正孔注入性および/または正孔輸送性を有するグループ1からの構造単位は、例えば、トリアリールアミン、ベンジジン、テトラアリール-パラ-フェニレンジアミン、トリアリールホスフィン、フェノチアジン、フェノキサジン、ジヒドロフェナジン、チアントレン、ジベンゾ-パラ-ジオキシン、フェノキサチイン、カルバゾール、アズレン、チオフェン、ピロールおよびフラン誘導体、ならびに高いHOMO(HOMO=最高被占軌道)を有するさらにO-、S-、Se-またはN-を含有する複素環である。これらのアリールアミンおよび複素環は、好ましくは、ポリマーにおいて-5.8 eVより高いHOMO (真空レベルに対して)、特に好ましくは-5.5 eVより高いHOMOを結果として生じる。
【0053】
電子注入性および/または電子輸送性を有するグループ2からの構造単位は、例えば、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、オキサジアゾール、キノリン、キノキサリン、アントラセン、ベンズアントラセン、ピレン、ペリレン、ベンズイミダゾール、トリアジン、ケトン、ホスフィンオキシドおよびフェナジン誘導体であり、トリアリールボランおよび低いLUMO(LUMO=最低空軌道)を有するさらにO-、S-またはN-を含有する複素環であってもよい。これらの単位は、ポリマーにおいて、好ましくは-1.9 eVより低いLUMO(真空レベルに対して)、特に好ましくは-2.5 eVより低いLUMOを結果として生じる。
【0054】
ポリマーは、グループ3からの単位を含むことが好ましく、これは、正孔移動性を増大させる構造および電子移動性を増大させる構造(すなわち、グループ1および2からの単位)が相互に直接結合するか、または正孔移動性および電子移動性の両方を増大させる構造である。これらの単位のいくつかは、発光体として役立ち、発光色を緑色、黄色または赤色にシフトさせることができる。これらの使用は、例えば、本来青色発光するポリマーからの他の発光色の生成に対して適している。
【0055】
グループ4からの構造単位は、室温においても高い効率で三重項状態からの発光、すなわち電子蛍光の代わりに電子燐光の発光を可能にし、しばしばエネルギー効率の増大を生じる。この目的に適するのは、第1に、36より大きな原子番号を有する重原子を含む化合物である。好ましくは、上記条件を満足するd−またはf−遷移金属を含む化合物である。特に好ましくは、8〜10族からの元素(Ru、Os、Rh、Ir、Pd、Pt)を含む対応する構造単位である。本発明によるポリマーに対して適切な構造単位は、例えば、WO 02/068435 A1、WO 02/081488 A1、EP 1239526 A2およびWO 2004/026886 A2に記載されているような種々の錯体である。対応するモノマーは、WO 02/068435 A1およびWO 2005/042548 A1に記載されている。
【0056】
グループ5からの構造単位は、一重項状態から三重項状態への移行を改善するものであり、グループ4からの構造要素を支持するために使用され、これらの構造要素の燐光特性を改善する。この目的に適するのは、特に、カルバゾールおよび架橋したカルバゾール二量体ユニットであり、例えばWO 2004/070772 A2およびWO 2004/113468 A1に記載されている。また、ケトン、ホスフィンオキシド、スルホキシド、スルフォン、シラン誘導体および同様の化合物もこの目的に適しており、例えばWO 2005/040302 A1に記載されている。
【0057】
上述したものの他に、グループ6からの構造単位は、少なくとも1つのさらなる芳香族構造または上記グループには含まれない他の共役構造を有するもの、すなわち電荷キャリア移動性にはそれほど影響を与えないものであり、有機金属錯体ではなく、一重項−三重項移行に影響を及ぼさないものである。このタイプの構造要素は、合成されたポリマーの発光色に影響を与え得る。それ故、前記単位に依存して、これらは発光体として使用されてもよい。好ましいのは、6〜40の炭素原子を有する芳香族構造であり、また、トラン、スチルベンまたはビススチリルアリーレン誘導体であり、これらのそれぞれは、1つ以上の基Rで置換されてよい。特に好ましいのは、1,4-フェニレン、1,4-ナフチレン、1,4-もしくは9,10-アントリレン、1,6-、2,7-もしくは4,9-ピレニレン、3,9-もしくは3,10-ペリレニレン、4,4'-ビフェニリレン、4,4''-テルフェニリレン、4,4'-ビ-1,1'-ナフチリレン、4,4‘-トラニレン、4,4'-スチルベニレン、4,4''-ビススチリルアリーレン、ベンゾチアジアゾールおよび対応する酸素誘導体、キノキサリン、フェノチアジン、フェノキサジン、ジヒドロフェナジン、ビス(チオフェニル)アリーレン、オリゴ(チオフェニレン)、フェナジン、ルブレン、ペンタセンまたはペリレン誘導体の導入であり、これらは、好ましくは、プッシュプル系(push-pull system)(ドナーおよびアクセプター置換基により置換された系)または好ましくは置換されたスクアリンもしくはキナクリドンのような系で置換され、またはこれらと接合される。
【0058】
グループ7からの構造単位は、6〜40の炭素原子を有する芳香族構造を含む単位であり、典型的に、ポリマー主鎖として使用される。これらは、例えば、4,5-ジヒドロピレン誘導体、4,5,9,10-テヒドロピレン誘導体、フルオレン誘導体、9,9‘-スピロビフルオレン誘導体、フェナントレン誘導体、9,10-ジヒドロフェナントレン誘導体、5,7-ジヒドロジベンゾキセピン誘導体ならびにシス-およびトランス-インデノフルオレン誘導体である。
【0059】
グループ8からの構造単位は、ポリマーのフィルム構造および/またはレオロジー特性に影響を与えるものであり、例えば、シロキサン、長いアルキル鎖またはフッ化基であるが、特に、例えば液晶形成単位もしくは架橋可能基のような固定または可撓性の単位である。
【0060】
好ましいのは、式Iの構造単位の他に、同時にさらに、本発明による式Iの構造単位(繰り返し単位)とは異なるグループ1〜8から選択される1つ以上の単位を含むポリマーである。さらに、同時に存在する1つのグループからの2つ以上の繰り返し単位を含むことも好ましい。
【0061】
好ましいのは、少なくとも1つの式Iの構造単位の他にグループ7からの単位を含むポリマーであり、特に好ましくは、これらの単位をポリマーにおける構造単位の全数に基づいて少なくとも50mol%含むポリマーである。
【0062】
同様に、電荷輸送性および/または電荷注入性を改善する単位、すなわちグループ1および/または2からの単位を含むポリマーも好ましく;これらの単位が0.5〜30mol%の割合であることが特に好ましく;これらの単位が1〜10mol%の割合であることが特に好ましい。
【0063】
さらに、グループ7からの構造単位ならびにグループ1および/または2からの単位を含むポリマーが特に好ましく、特に、グループ7からの単位を50mol%、グループ1および/または2からの単位を0.5〜30mol%含むことが好ましい。
【0064】
グループ1〜8に記載した全ての構造単位は、同様に、官能基FGまたはFGとして本発明の目的のために使用することができる。
【0065】
本発明によるポリマーは、一般的に、1つ以上のタイプのモノマーの重合により調製され、そのうちの少なくとも1つのタイプのモノマーは、ポリマーにおいて式Iの構造単位を生じる。適切な重合反応は、当業者に既知であり、文献に示されている。C−CまたはC−N結合を生じる、特に適切であり好ましい重合反応を以下に挙げる:
(A)SUZUKI重合;
(B)YAMAMOTO重合;
(C)STILLE重合;
(D)HECK重合;
(E)NEGISHI重合;
(F)SONOGASHIRA重合;
(G)HIYAMA重合;および
(H)HARTWIG-BUCHWALD重合。
【0066】
これらの方法により行うことができる重合反応、ならびにその後、ポリマーを反応媒質から分離精製できる方法は当業者に既知であり、詳細は、例えばWO 03/048225 A2、WO 2004/037887 A2およびWO 2004/037887 A2のような文献に記載されている。
【0067】
C−C結合形成のための方法は、SUZUKIカップリング、YAMAMOTOカップリングおよびSTILLEカップリングからなる群より選択され、C−N結合形成のための方法は、好ましくはHARTWIG-BUCHWALDカップリングである。
【0068】
本発明は、本発明によるポリマーの調製方法にも関し、それらは、SUZUKI重合、YAMAMOTO重合、STILLE重合またはHARTWIG-BUCHWALD重合により調製されることを特徴とする。
【0069】
本発明によるデンドリマーは、当業者に既知の方法またはそれと類似の方法により調製することができる。適切な方法は、例えばFrechet, Jean M. J.; Hawker, Craig J., "Hyperbranched polyphenylene and hyperbranched polyesters: new soluble, three-dimensional, reactive polymers", Reactive & Functional Polymers (1995), 26(1-3), 127-36; Janssen, H. M.; Meijer, E. W., "The synthesis and characterization of dendritic molecules", Materials Science and Technology (1999), 20 (Synthesis of Polymers), 403-458; Tomalia, Donald A., "Dendrimer molecules", Scientific American (1995), 272(5), 62-6, WO 02/067343 A1およびWO 2005/026144 A1のような文献に記載されている。
【0070】
上記グループ1〜8からの単位およびさらなる発光ユニットの合成は、当業者に既知であり、例えばWO 2005/014689 A2、WO 2005/030827 A1およびWO 2005/030828 A1のような文献に記載されている。ここで引用されるこれらの文書および文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0071】
さらに、本発明によるポリマーを、純粋な物質としてではなく、さらにいずれかの望ましいタイプのポリマー物質、オリゴマー物質、デンドリマー物質もしくは低分子量物質と混合して使用することも好ましい。これらは、例えば、電気的特性もしくはそれら自体の発光を改善したり、あるいはマトリックス材料として同様の機能を改善し得る。本発明によるポリマーに加えて、混合のための好ましいマトリックス材料は、例えば、CBP (N,N-ビスカルバゾリルビフェニル)、カルバゾール誘導体 (例えば、WO 05/039246、US 2005/0069729、JP 2004/288381、EP 1205527 もしくはDE 102007002714に記載されている)、アザカルバゾール (例えば、EP 1617710、EP 1617711、EP 1731584、JP 2005/347160に記載されている)、ケトン (例えば、WO 04/093207に記載されている)、ホスフィンオキシド、スルホキシドおよびスルホン (例えば、WO 05/003253に記載されている)、オリゴフェニレン、芳香族アミン (例えば、US 2005/0069729に記載されている)、バイポーラ性のマトリックス材料 (例えば、WO 07/137725に記載されている)、シラン (例えば、WO 05/111172に記載されている)、9,9-ジアリールフルオレン誘導体 (例えば、DE 102008017591に記載されている)、アザボロール(azaboroles)またはボロン酸エステル (例えば、WO 06/117052に記載されている)である。
【0072】
本発明はさらに、1つ以上の溶媒中に本発明による1つ以上の組成物を含む溶液および製剤にも関する。このタイプの溶液を調製する方法は、当業者に既知であり、例えばWO 02/072714 A1、WO 03/019694 A2およびここに引用されている文献に記載されている。
【0073】
製剤に対して適切且つ好ましい溶媒は、例えば、トルエン、アニソール、キシレン、安息香酸メチル、ジメチルアニソール、メシチレン、テトラリン、ベラトロールおよびテトラヒドロフラン、ならびにこれらの混合物である。
【0074】
これらの溶液は、例えばエリアコーティング(area-coating)方法(例えばスピンコーティング)または印刷方法(例えばインクジェット印刷)により、薄いポリマー層を作製するために使用され得る。
【0075】
さらに1つ以上の重合可能であり架橋結合可能な基を含む本発明による組成物は、例えば、熱または光誘発性のin situ重合およびin situ架橋結合(例えば、in situ UV光重合または光パターニング)による、フィルムまたはコーティングの作製、特に構造化コーティング(structured coating)の作製に適している。このタイプの用途に対して、特に好ましいのは、アクリレート、メタクリレート、ビニル、エポキシおよびオキセタンから選択される1つ以上の重合可能な基を含む本発明によるポリマーである。対応するポリマーを純粋な物質として使用するのみならず、上述したようなポリマーの製剤または混合物を使用することも可能である。これらは、溶媒および/または結合剤を添加して、または添加せずに使用することができる。上述した方法のための適切な材料、プロセスおよびデバイスは、例えば、WO 2005/083812 A2に記載されている。使用可能な結合剤は、例えば、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリビニルブチラルおよび光電子工学的に中性のポリマーである。
【0076】
式Iの構造単位または上述した好ましい実施形態の構造単位を含むポリマーが、発光層における発光性化合物に対するマトリックス材料として使用される場合、1つ以上の蛍光性材料(一重項発光体)または燐光性材料(三重項発光体)との組み合わせで使用されることが好ましい。本発明の目的のために、燐光は、相対的に高いスピン多重度(すなわち、スピン状態>1)の励起状態からの発光、特に励起3重項状態またはMLCT混成状態からの発光を意味する。
【0077】
本発明によるポリマーまたは上述した好ましい実施形態によるポリマーと発光性化合物とを含む混合物は、発光体おおびマトリックス材料を含む全混合物に基づいて、99〜1重量%、好ましくは98〜60重量%、特に好ましくは97〜70重量%、特に95〜75重量%の本発明によるポリマーまたは上述した好ましい実施形態によるポリマーを含む。それに対応して、前記混合物は、発光体おおびマトリックス材料を含む全混合物に基づいて、99重量%以下、好ましくは40重量%以下、特に好ましくは30重量%以下、特に25重量%以下の発光体を含む。さらに、前記混合物は、発光体おおびマトリックス材料を含む全混合物に基づいて、少なくとも1重量%、好ましくは2重量%、特に好ましくは少なくとも3重量%、特に少なくとも5重量%の発光体を含む。
【0078】
しかしながら、式(I)の構造単位を含むポリマーを発光性化合物と共に発光層において使用する上述した実施形態において、発光性化合物の割合は、著しく少なくてもよい。この場合において、前記混合物は、全混合物に基づいて、好ましくは少なくとも0.01重量%であるが、全混合物に基づいて、好ましくは5重量%未満、特に好ましくは3重量%未満、特に1.5重量%未満の発光体を含む。
【0079】
適切な燐光性化合物は、特に、適切な励起状態において光(特に可視光)を放出し、36より大きく84未満、特に好ましくは56より大きく80未満の原子番号を有する少なくとも1つの原子を含む化合物である。
【0080】
上述した発光体の例は、WO 00/70655、WO 01/41512、WO 02/02714、WO 02/15645、EP 1191613、EP 1191612、EP 1191614、WO 05/033244またはDE 102008015526に記載されている。一般的に、燐光性OLEDに対する先行技術により使用され、有機エレクトロルミネッセンスの分野における当業者に既知の全ての燐光性錯体が適しており、当業者であれば、進歩性を要することなくさらなる燐光性錯体を使用することが可能である。
【0081】
本発明の目的のために、本発明による組成物における発光性化合物は、好ましくは、三重項発光体、一重項発光体または一重項励起子生成基である。三重項発光体は、好ましくは、緑色発光の三重項発光体である。三重項発光体は、青色または赤色の三重項発光体であってもよい。
【0082】
本発明のさらなる実施形態において、三重項発光体は、好ましくは、有機金属連結ユニットを含む。有機金属連結ユニットは、好ましくは、有機金属配位化合物である。有機金属配位化合物は、化合物の中心に位置する金属原子またはイオンがリガンドとしての有機化合物に囲まれた構造を有する化合物である。さらに、有機金属配位化合物は、リガンドの炭素原子が配位結合を介して中心金属に結合することを特徴とする。
【0083】
三重項発光体は、好ましくは、キレート形成リガンド(すなわち、少なくとも2つの結合部位を介して金属に配位するリガンド)のみを含み、2つまたは3つの二座配位子(同じまたは異なってよい)の使用が特に好ましい。キレート形成リガンドとして好ましいものは、キレート錯体のより高い安定性に依拠する。
【0084】
三重項発光体は、好ましくは以下の式VIIの構造を有する:
【化6】

【0085】
式中の記号および添え字は、以下の意味で使用されている:
Mは、それぞれ同じまたは異なり、36より大きな原子番号を有する典型金属、遷移金属またはランタノイドであり;
DCyは、それぞれ同じまたは異なり、少なくとも1つのドナー原子(すなわち、非共有電子対、好ましくは窒素またはリン)を含む、非共有電子対を介して金属と結合する環状の基であり、1つ以上の置換基Rを有してよく;基DCyおよびCCyは、共有結合を介して相互に結合し、基Rおよび/またはRを介して相互にさらに結合してよく;
CCyは、それぞれ同じまたは異なり、炭素原子を含み、炭素原子を介して金属と結合する環状の基であり、1つ以上の置換基Rを有してよく;
Lは、それぞれ同じまたは異なる二座のキレート形成リガンドであり、好ましくは、モノアニオン性の二座のキレート形成リガンドであり;
は、それぞれ同じまたは異なり、H、F、Cl、Br、I、NO2、CN、1〜40の炭素原子を有する直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキルまたはアルコキシ基であり、1つ以上の非結合性のCH2基は、C=O、C=S、C=Se、C=NR5、-R5C=CR5-、-C≡C-、-O-、-S-、-NR5-、Si(R5)2または-CONR5-により置換されてよく、1つ以上のH原子は、F、Cl、Br、I、CN、NO2、5〜40の芳香環原子を有し、1つ以上の非芳香族性基R4で置換されてよい芳香環または芳香族複素環系により置換されてよく;ここでの複数の置換基R4は、同じ環上にあっても2つの異なる環上にあってもよく、一緒になってさらなる単環または複環の脂肪族または芳香族環系を形成してよく;
は、それぞれ同じまたは異なり、H、1〜20の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基または6〜20の炭素原子を有する芳香族炭化水素基であり;
mは、出現毎にそれぞれ独立に、1、2または3であり、好ましくは2または3であり、特に好ましくは3であり:
nは、出現毎にそれぞれ独立に、0、1または2であり、好ましくは0または1であり、特に好ましくは0である。
【0086】
同様に好ましいのは、共通の特徴が1つ以上の金属中心を有することである金属クラスターおよび多核性の三重項発光体である。
【0087】
式VIIのユニットは、対称または非対称の構造を有してよい。
【0088】
本発明の好ましい実施形態において、式VIIのユニットは、対称構造を有する。これは、化合物の合成がより容易に達成可能である点で好ましい。それ故、式VIIのユニットは、好ましくはホモレプティックな金属錯体(すなわち、1つのタイプのみのリガンドを有する金属錯体)であってよい。
【0089】
本発明のさらなる好ましい実施形態において、式VIIのユニットは、非対称構造を有する。これは、発光が1つのリガンドから生じる場合の発光特性において利点を有し得る。それ故、式VIIのユニットは、好ましくはヘテロレプティックな金属錯体(すなわち、2つ以上の異なるリガンドを有する金属錯体)であってよい。
【0090】
好ましい金属Mは、原子番号が36より大きい遷移金属の群より選択され、特に好ましい金属Mは、原子番号が50より大きい遷移金属の群より選択される。発光体化合物は、好ましくは、遷移金属、レアアース、ランタノイドおよびアクチノイドからなる群より選択される金属、好ましくはIr、Ru、Os、Eu、Au、Pt、Cu、Zn、Mo、W、Rh、PdおよびAgからなる群より選択される金属、特に好ましくはIrを含む金属錯体である。
【0091】
さらに、有機リガンドはキレート形成リガンドであることが好ましい。キレート形成リガンドは、二座配位または多座配位のリガンドを意味し、従って、2つ以上の原子を介して中心金属に結合してよい。
【0092】
本発明によるさらなる実施形態において、混合物は、本発明によるポリマー、三重項発光体およびさらなる低分子物質を含み、三重項発光体は、本発明によるポリマー中に存在するか、または上述した実施形態におけるように低分子量物質として混合される。これらの低分子量物質は、グループ1〜8からの使用可能なモノマーユニットについて記載したものと同じ機能を有し得る。
【0093】
本発明による組成物において、ポリマーと発光体化合物の重量比は、好ましくはa) 99.1 : 0.01 〜 98 : 2、特に好ましくはb) 60 : 40 〜 95 : 5、特に c) 80 : 20である。三重項発光体の場合、範囲 a) が好ましい。一重項発光体の場合、範囲 b) および c) が好ましい。
【0094】
さらなる実施形態において、本発明による組成物は、1つ以上の溶媒を含むことが好ましい。これは、支持体または既に積層された光電子デバイスの層をコーティングするために適した液剤である。本発明はまた、このタイプの液剤に関する。本発明による液剤のために適切且つ好ましい溶媒は、例えば、トルエン、アニソール、キシレン、メチルベンゾエート、ジメチルアニソール、メシチレン、テトラリン、ベラトロールおよびテトラヒドロフランならびにこれらの混合物である。
【0095】
本発明による組成物は、光電子デバイスにおける使用に適している。組成物は、好ましくは、光電子デバイスにおける層の形態である。そのような層を作製する方法は、当業者に既知であり、例えばスピンコーティングである。
【0096】
本発明はさらに、好ましくは陽極、陰極および少なくとも1つの上記で定義した組成物を含む光電子デバイスに関する。本発明による組成物は、好ましくは層の形態であり、陽極と陰極の間に配置される。しかしながら、光電子デバイスにはさらなる層が存在してもよい。例えば、励起子遮断機能を有する中間層を2つの発光層の間に挿入することが可能である。しかしながら、これらの層の各々は、必ずしも存在する必要はない。有機エレクトロルミネッセンス素子は、1つの発光層または複数の発光層を含んでよく、少なくとも1つの発光層は、少なくとも1つの本発明による組成物を含む。複数の発光層が存在する場合、これらは、好ましくは、合計で380nm〜750nmとなる複数の発光極大を有し、全体として白色の発光を生じる、すなわち、蛍光または燐光を発することが可能な種々の発光性化合物が、発光層において使用される。特に好ましいのは三層系であり、3つの層が、青色、緑色および赤橙色または赤色の発光を示す(基本構造は、例えばWO 05/011013に記載されている)。
【0097】
本発明の実施形態において、光電子デバイスには、正孔輸送層、正孔注入層、発光体、電子輸送層、電子注入層、電荷遮断層、電荷生成層および/または中間層から選択されるさらなる層が含まれることが好ましい。
【0098】
陽極は、好ましくは、低い仕事関数を有する金属、金属合金、金属錯体または種々の金属を含む多層構造を含み、例えば、アルカリ土類金属、アルカリ金属、典型金属またはランタノイド(例えば、Ca、Ba、Mg、Al、In、Mg、Yb、Sm等)である。多層構造の場合、例えばAgのような相対的に高い仕事関数を有するさらなる金属が、前記金属に加えて使用されてもよく、この場合、金属の組み合わせ(例えばCa/AgまたはBa/Ag)が一般的に使用される。金属陽極および有機半導体の間に、高い誘電率を有する金属の薄い中間層を導入することも好ましい。この目的に適しているのは、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のフッ化物であるが、対応する酸化物(例えば、LiF、Li2O、BaF2、MgO、NaF等)であってもよい。この層の厚さは、好ましくは1〜10 nmである。
【0099】
陽極は、好ましくは、高い仕事関数を有する材料を含む。陽極は、好ましくは、4.5 eV(真空レベルに対して)より高い電位を有する。この目的に適しているのは、一方で高い酸化還元電位を有する金属(例えば、Ag、PtまたはAu)である。他方では、金属/金属酸化物電極(例えば、Al/Ni/NiOx、Al/PtOx)も好ましい。いくつかの用途に対して、有機材料の発光(O-SCs)または光のカップリングアウト(OLEDs/PLEDs、O-レーザー)を助長するために、少なくとも1つの電極は、透明である必要がある。透明な陽極を使用した構造が好ましい。ここで好ましい陽極材料は、導電性の混合性金属酸化物である。特に好ましいのは、インジウム錫酸化物 (ITO) またはインジウム亜鉛酸化物 (IZO)である。さらに、好ましくは導電性のドープ有機材料であり、特に好ましくはドープポリマー(例えば、PEDOT/PSSまたはPANI)である。
【0100】
光電子デバイスは、好ましくは、有機エレクトロルミネッセンスデバイス(OLED)、高分子エレクトロルミネッセンス素子(PLED)、有機集積回路(O-IC)、有機電界効果トランジスタ(O-FET)、有機薄層トランジスタ(O-TFT)、有機発光トランジスタ(O-LET)、有機太陽電池(O-SC)、有機光学検出器、有機感光体、有機電界クエンチデバイス(O-FQD)、発光電気化学電池(LEC)または有機レーザーダイオード(O-laser)である。
【0101】
本発明の実施形態において、光電子デバイスは、好ましくは、陽極としてITO層(好ましくはガラス基板またはポリマー上に形成される)を含む。バッファー層(好ましくはPEDOT/PSS またはPANI)は、ITO層上に位置し、この上は中間層である。本発明による組成物を含む少なくとも1つの層は、この上に位置する。陰極(好ましくはBa/Al陰極)は、この層の上に塗布される。光電子デバイスは、密封される。
【0102】
以下の実施例を参照して本発明をより詳細に説明するが、これにより本発明の範囲が限定されるものではない。さらに、図面も参照する。
【0103】
実施例
実施例1〜7:モノマーの調製
実施例1
化合物4(M1)の調製
化合物4を、以下のように調製する:
【化7】

【0104】
1.1 化合物2
【化8】

【0105】
最初に、104.3 g (2モル当量, 0.442 mol) の1,4-ジブロモベンゼンを300 mlのTHFに加え、アセトン/ドライアイス浴中で−75℃に冷却する。117 ml (2モル当量, 0.442 mol) のn-ブチルリチウム (ヘキサン中2.5 M) を、内部温度が−69℃を超えないような速度で滴下し、続いて混合物を−72℃でさらに1時間撹拌する。その後、116 g (1モル当量, 0.221 mol) の化合物1を220 mlのTHFに溶解し、内部温度が−69℃を超えないような速度で、−72℃でゆっくりと滴下する。反応溶液を−70℃でさらに1時間撹拌し、室温で一晩置く。
【0106】
120 mlの酢酸 (50%) をバッチに加える。相を分離する。水相をヘプタンで抽出する。混合性の有機相を水で抽出し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、減圧下で蒸発させる。
【0107】
1H NMR (CDCl2, δ (ppm), J (Hz)): 0.51 (s broad, 4H), 0.81 (t, 6H, J = 7.25), 0.94 - 1.25 (m, 20H), 1.55 - 1.85 (m, 4H), 6.73 (d, 1H, J = 8.0), 6.87 - 6.90 (m, 2H), 6.95 - 7.05 (m broad, 4H), 7.21 (d, 1H, J = 7.55), 7.24 (d, 1H, J = 7.75), 7.28 - 7.36 (m, 4H), 7.42 (d, 4H, J = 8.6), 7.56 (d, 1H, 7.75), 7.66 - 7.68 (m, 1H)。
【0108】
1.2 化合物3
【化9】

【0109】
177.4 g (1モル当量, 0.22 mol) の化合物2を353.2 ml (2.8モル当量, 6.1 mol) の酢酸に溶解し、温めて還流する。19.6 ml (1.1モル当量, 0.24 mol) の濃塩酸を還流下で加え、混合物を還流下で1.5 時間加熱する。TLCチェック (ヘプタン/酢酸エチル)の後、2 × 2 ml の濃塩酸を量り入れ、3時間反応させる。反応終了後、25 mlの水を注意深く加える。さらに50 mlの水を加え、相分離する。混合物をジクロロメタン (DCM)で抽出し、その後、混合性の有機相を水およびNaHCO3で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で蒸発させる。
【0110】
再結晶(アセトニトリル/トルエン)により精製を行い、白色固体(99%)を得る。
【0111】
1H NMR (CDCl2, δ (ppm), J (Hz)): 0.65 - 0.75 (m, 4H), 0.79 (t, 6H, J = 7.25), 0.99 - 1.25 (m, 20H), 1.98 - 2.01 (m, 4H), 7.10 (d, 4H, J = 8.75), 7.26 - 7.29 (m, 3H), 7.33 - 7.41 (m, 7H), 7.57 (s, 1H), 7.60 - 7.62 (m, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.84 (d, 1H, 7.55)。
【0112】
1.3 化合物4
【化10】

【0113】
250 mlのジオキサン、19.33 g (2モル当量, 0.076 mol) のビス(ピナコラート)ジボランおよび10.83 g (2.9モル当量, 0.11 mol) の酢酸カリウムを、30 g (1モル当量, 0.038 mol) の化合物3に加える。続いて、1.11 g (1.4 mmol) の1,1-ビス(ジフェニルホスフィン)フェロセンパラジウム(II)クロリド(ジクロロメタンとの複合体 (1:1), Pd: 13%)を加える。バッチを110℃に加熱する。TLCチェックの後、バッチを室温まで冷却し、200 mlの水を加える。
【0114】
続いて、さらに50 mlの水を加え、相分離する。混合物を酢酸エチルで抽出し、その後、混合性の有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下で蒸発させる。
【0115】
カラム(ヘプタン/酢酸エチル)を通し、再結晶(ヘプタン)により精製を行い、白色固体(100%)を得る。
【0116】
1H NMR (CDCl2, δ (ppm), J (Hz)): 0.65 - 0.75 (m, 4H), 0.80 (t, 6H, J = 7.25), 0.99 - 1.23 (m, 20H), 1.28 (s, 24H), 1.98 - 2.01 (m, 4H), 7.23 (d, 4H, J = 8.2), 7.26 - 7.28 (m, 3H), 7.32 - 7.34 (m, 1H), 7.37 - 7.40 (m, 2H), 7.57 - 7.59 (m, 1H), 7.62 (s, 1H), 7.68 (d, 4H, J = 8.25), 7.71 (s, 1H), 7.84 (d, 1H, 7.40)。
【0117】
実施例2
化合物8(M2)の調製
化合物8を、以下のように調製する:
【化11】

【0118】
2.1 化合物7
【化12】

【0119】
最初に、80.02 gのNaH (10モル当量, 2.0 mol) を600 mlのTHFに加え、200 mlのTHF中の11.3 mlのエチレングリコール (1モル当量, 0.2 mol) を約0℃、保護ガス下で加え、0℃で1時間撹拌した後、300 mlのTHF中の100 gの4-ブロモベンジルブロミド (2モル当量, 0.4 mmol) の溶液を0℃でゆっくりと滴下する。バッチを還流下で36時間撹拌し、続いて0℃に冷却し、200 mlの水を0℃でゆっくりと滴下する。DCMと共に3回振とうすることにより、水相を抽出する。混合性の有機相をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、ロータリーエバポレータ−中で蒸発させる。エタノールからの再結晶により、生成物7(30.6 g, 38%)を得る。
【0120】
1H NMR (CDCl3, δ (ppm), J (Hz)): 3.64 (s, 4H), 4.52 (s, 4H), 7.21 (d, 4H, J = 8.4), 7.46 (d, 4H, J = 8.4)。
【0121】
2.2 化合物8
【化13】

【0122】
200 mlのTHF、100 mlのTHF中の52.53 g (2.2モル当量, 206.9 mmol) のビス(ピナコラート)ジボラン、200 mlのTHF中の60.78 g (6.6モル当量, 619.3 mmol) の酢酸カリウムおよび2.71 g (0.04モル当量, 3.7 mmol) の1,1-ビス(ジフェニルホスフィン)フェロセンパラジウム(II)クロリド (ジクロロメタンとの複合体 (1:1), Pd: 13%) を、37.29 g (1 モル当量, 93.2 mmol) の化合物7に加える。バッチを80℃で5時間撹拌し、200 mlの氷水をゆっくりと滴下する。DCMと共に3回振とうすることにより、水相を抽出する。混合性の有機相をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、ロータリーエバポレーター中で蒸発させる。ヘプタンからの再結晶により、生成物8 (9.1 g, 20%)を得る。
【0123】
1H NMR (CDCl2, δ (ppm), J (Hz)): 1.32 (s, 24H), 3.65 (s, 4H), 4.57 (s, 4H), 7.35 (d, 4H, J = 7.9), 7.79 (d, 4H, J = 7.9)。
【0124】
実施例3
化合物13(M3)の調製
化合物13を、以下のように調製する:
【化14】

【0125】
3.1 化合物11
【化15】

【0126】
最初に、218.55 gの塩化アルミニウム (2.4モル当量, 1.64 mol) を、288 ml (4.0モル当量, 2.73 mol) のブロモベンゼンに加える。100 mlのアジポイルクロリド (1モル当量, 0.68 mmol) を、室温、保護ガス下で滴下する。バッチを50℃で1時間撹拌し、200 mlの水を0℃でゆっくりと滴下する。DCMと共に3回振とうすることにより、水相を抽出する。混合性の有機相をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、ロータリーエバポレーター中で蒸発させる。エタノールからの再結晶により、生成物11 (74.0 g, 26%)を得る。
【0127】
1H NMR (CDCl3, δ (ppm), J (Hz)): 1.81 - 1.85 (m, 4H), 2.97 - 3.02 (m, 4H), 7.60 (d, 4H, J = 8.6), 7.81 (d, 4H, J = 8.6)。
【0128】
3.2 化合物12
【化16】

【0129】
最初に、68.20 g (1モル当量, 0.16 mol) の化合物11および72.38 g (8モル当量, 1.29 mol) のKOHを、1 lのトリエチレングリコールに加える。39.57 gのヒドラジン水和物 (7.5 モル当量, 1.21 mol) を、室温、保護ガス下でゆっくりと滴下する。バッチを160℃で28時間撹拌し、400 mlの水を0℃でゆっくりと滴下する。DCMと共に3回振とうすることにより、水相を抽出する。混合性の有機相をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、ロータリーエバポレーター中で蒸発させる。シリカゲルを通してろ過することにより、生成物12(10.3 g, 16%)を得る。
【0130】
1H NMR (CDCl3, δ (ppm), J (Hz)): 1.29 - 1.35 (m, 4H), 1.56 - 1.60 (m, 4H), 2.52 - 2.55 (m, 4H), 7.02 (d, 4H, J = 8.4), 7.38 (d, 4H, J = 8.4)。
【0131】
3.3 化合物13
【化17】

【0132】
55 mlのTHF、30 mlのTHF中の14.22 g (2.2モル当量, 56 mmol) のビス(ピナコラート)ジボラン、50 mlのTHF中の16.19 g (6.6モル当量, 165 mmol) の酢酸カリウムおよび0.73 g (0.04モル当量, 1 mmol) の1,1-ビス(ジフェニルホスフィン)フェロセンパラジウム(II)クロリド (ジクロロメタンとの複合体 (1:1), Pd: 13%) を、10.10 g (1モル当量, 25 mmol) の化合物12に加える。バッチを80℃で3時間撹拌し、200 mlの氷水をゆっくりと滴下する。DCMと共に3回振とうすることにより、水相を抽出する。混合性の有機相をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、ロータリーエバポレーター中で蒸発させる。ヘプタンからの再結晶により、化合物13を得る (5.10 g, 19%)。
【0133】
1H NMR (CDCl3, δ (ppm), J (Hz)): 1.33 (s, 24H), 1.57 - 1.61 (m, 4H), 2.58 -2.61 (m, 4H), 7.17 (d, 4H, J = 7.9), 7.72 (d, 4H, J = 7.9)。
【0134】
実施例4:
【化18】

【0135】
実施例5:
【化19】

【0136】
実施例6:
【化20】

【0137】
モノマーM1、M2およびM3(実施例1、2および3)は、これらから調製されるポリマーにおける共役遮断ユニットAおよび/またはAを表すモノマーである。対照的に、モノマーM4、M5およびM6(実施例4、5、6)は、これらから調製されるポリマーにおける光電子官能基FGおよび/またはFGを表すモノマーである。
【0138】
実施例7〜17:ポリマーの調製
本発明によるポリマーP1〜P9および比較ポリマーC1およびC2は、以下に示すモノマーを使用して(%値=mol%)、WO 03/048225 A2に従ってスズキカップリングにより合成する。
【0139】
実施例7(比較ポリマーC1)
【化21】

【0140】
実施例8(比較ポリマーC2)
【化22】

【0141】
実施例9(ポリマーP1)
【化23】

【0142】
実施例10(ポリマーP2)
【化24】

【0143】
実施例11(ポリマーP3)
【化25】

【0144】
実施例12(ポリマーP4)
【化26】

【0145】
実施例13(ポリマーP5)
【化27】

【0146】
実施例14(ポリマーP6)
【化28】

【0147】
実施例15(ポリマーP7)
【化29】

【0148】
実施例16(ポリマーP8)
【化30】

【0149】
実施例17(ポリマーP9)
【化31】

【0150】
実施例18〜28:PLEDの作製
高分子有機発光ダイオード(PLED)の作製は、文献に既に何度も記載されている(例えば、WO 2004/037887 A2)。実施例により本発明を説明するために、PLEDは、本発明によるポリマーP1〜P9および比較ポリマーC1およびC2を使用し、スピンコーティングにより作製する。緑色発光の三重項発光を得るために、20重量%の濃度で三重項発光体の溶液にT1を加える。
【化32】

【0151】
典型的なデバイスは、図1に示した構造を有する。
【0152】
Technoprintにより特別に製造された基板を、この目的のために特別に設計されたレイアウトで使用する(図2、左の図:ガラス基板に塗布されたITO構造、右の図:ITO、蒸着された陰極およびリード線の任意の金属化を有する完全な電子構造)。作製プロセスの最後に蒸着される陰極において2×2mmの4つのピクセルが得られるように、ITO構造(インジウム錫酸化物、透明で導電性の陽極)を、スパッタリングによりソーダ石灰ガラスに塗布する。
【0153】
基板を脱イオン化水および洗浄剤(Deconex 15PF)で室温で洗浄し、その後、UV/オゾンプラズマ処理により活性化する。その後、80nmのPEDOTの層(PEDOTは、H. C. Starck, Goslarからのポリチオフェン誘導体であり、水性分散液として供給される(Baytron P VAI 4083sp.))が、クリーンルームにおいてスピンコーティングにより塗布される。必要とされるスピン速度は、希釈度および特定のスピンコータ−配列(典型的に、80 nm: 4500 rpm)に依存する。残存した水を層から除去するために、基板を、180℃のホットプレートで10分間加熱することにより乾燥する。その後、不活性ガス雰囲気下(窒素またはアルゴン)、最初に20 nmの中間層(典型的に、正孔優位のポリマー、ここではMerckからのHIL-012 )および次に80 nmのポリマー層を、トルエン溶液から塗布する(中間層の濃度 5 g/l、ポリマーP1〜P9、C1およびC2の濃度8〜10 g/l、T1の濃度2〜2.5 g/l)。2つの層を、180℃で少なくとも10分間加熱することにより乾燥する。その後、蒸着マスクを介して、Ba/Al陰極を示されたパターンで蒸着する(Aldrichからの高純度の金属、特にバリウム99.99% (オーダー番号474711); Lesker または他からの蒸着ユニット、典型的な真空レベル5 × 10-6 mbar)。最後に、デバイスを封入して保護し、特に陰極を空気および空気中の湿気から保護する。
【0154】
最後に、デバイスを特に基板サイズに製造したホルダーに固定し、バネ接点を提供する。眼反応フィルターを有するフォトダイオードは、測定ホルダー上に直接的に位置させ、外部からの光の影響を排除する。典型的な測定機構を、図3に示す。
【0155】
電圧は、典型的に、0〜最大20Vまで、0.2Vずつ増加し、再び減少する。各測定点について、デバイスを通る電流および得られる光電流を、フォトダイオードにより測定する。この方法において、試験デバイスのIULデータが得られる。重要なパラメータは、測定される最大効率(「max.eff.」(cd/A))および100cd/m2に必要とされる電圧である。
【0156】
さらに、試験デバイスの色および正確なエレクトロルミネッセンススペクトルを知るために、最初の測定後に100cd/m2に必要とされる電圧が適用され、フォトダイオードはスペクトル測定ヘッドに置き換えられる。これは、光ファイバーによるスペクトロメーター(Ocean Optics)に連結される。色座標(CIE:Commission Internationale de l'Eclairage,1931からの標準オブザーバー)は、測定したスペクトルに由来し得る。
【0157】
ポリマーP1〜P9ならびに比較ポリマーC1およびC2を三重項発光体T1と共にPLEDにおいて使用することにより得られた結果を、表1に示す。
【表1】

【0158】
結果から分かるように、本発明によるポリマーP1〜P9は、先行技術による比較ポリマーと比較して有意な改善を示す。
【図面の簡単な説明】
【0159】
【図1】典型的なデバイスの構造。
【図2】ガラス基板に塗布されたITO構造(左の図)、ITO、蒸着された陰極およびリード線の任意の金属化を有する完全な電子構造(右の図)。
【図3】典型的な測定機構。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの発光体化合物および少なくとも1つのポリマーを含む組成物であって、前記ポリマーは、一般式Iで表される構造単位を少なくとも1つ含むことを特徴とする組成物:
【化1】

式中、
Aは、出現毎にそれぞれ独立に、共役遮断ユニットであり;
FGは、出現毎にそれぞれ独立に、光電子官能基であり;
nは、1より大きい。
【請求項2】
請求項1に記載の組成物であって、前記ポリマーは、以下の式Iaで表されるさらなる構造単位を少なくとも1つ含むことを特徴とする組成物:
【化2】

式中、
は、出現毎にそれぞれ独立に、共役遮断ユニットであり;
FGは、出現毎にそれぞれ独立に、光電子官能基であり;
m、oは、出現毎にそれぞれ独立に、0、1または2であり、m+oは1以上であり;
pは、1以上である。
【請求項3】
請求項1または2に記載の組成物であって、前記FGおよびFGは、出現毎にそれぞれ独立に、置換または非置換の芳香環もしくは芳香族複素環系または芳香環もしくは芳香族複素環基であることを特徴とする組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物であって、前記FGまたはFGは、出現毎にそれぞれ独立に、正孔注入性基、正孔輸送性基、正孔遮断性基、電子注入性基、電子輸送性基、電子遮断性基、光子吸収性基、励起子生成基、一重項励起子増感剤、発光性基または主鎖基であることを特徴とする組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物であって、前記FGおよびFGは、出現毎にそれぞれ独立に、フェニル、ナフチル、ピリジン、アントラセン、ビナフチルアントラセン、フェナントレン、ジヒドロフェナントレン、インデノフルオレン、フルオレン、スピロビフルオレン、ピレン、ホスフィン、ホスフィンオキシド、フラン、イミダゾール、チオフェン、トリアジン、ピラジン、ケトン、アミン、カルバゾールならびにこれらの組み合わせ、これらの誘導体およびヘテロ原子変異体から選択されることを特徴とする組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物であって、前記AおよびAは、出現毎にそれぞれ独立に、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン、シクロアルキレン、アルキルシリレン、シリレン、アリールシリレン、アルキルアルコキシアルキレン、アリールアルコキシアルキレン、アルキルチオアルキレン、スルホン、アルキレンスルホン、スルホンオキシド、アルキレンスルホンオキシドからなる群より選択され、各場合において、アルキレン基は、出現毎にそれぞれ独立に1〜12の炭素原子を有し、1つ以上のH原子は、F、Cl、Br、I、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールにより置換されてよいことを特徴とする組成物。
【請求項7】
請求項6に記載の組成物であって、前記AおよびAは、出現毎にそれぞれ独立に、1〜12の炭素原子を有する直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレンまたはアルコキシアルキレンを示し、ここで、1つ以上のH原子は、Fにより置換されてよいことを特徴とする組成物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物であって、前記ポリマーは、式Iおよび/またはIaとは異なるさらなる構造単位を含むことを特徴とする組成物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物であって、前記発光体化合物は、一重項発光体、三重項発光体または一重項励起子生成基であることを特徴とする組成物。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物であって、前記発光体化合物は、緑色、青色または赤色に発光する三重項発光体であることを特徴とする組成物。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物であって、前記発光体化合物は、遷移金属、レアアース、ランタノイドおよびアクチノイドからなる群より選択される金属を含有する金属錯体であることを特徴とする組成物。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物であって、前記発光体化合物は、三重項発光体または金属錯体であり、前記官能基FGおよび/またはFGは、単環式または二環式縮合型の芳香環または芳香族複素環基から選択され、式Iaにおけるmは、0または1であることを特徴とする組成物。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物であって、該組成物における前記ポリマーと前記発光体化合物の重量比は、99.1:0.01〜98:2であることを特徴とする組成物。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物であって、1つ以上の溶媒を含むことを特徴とする組成物。
【請求項15】
一般式Iで表される構造単位を少なくとも1つ含むことを特徴とするポリマー:
【化3】

式中、
Aは、出現毎にそれぞれ独立に、共役遮断ユニットであり;
FGは、出現毎にそれぞれ独立に、光電子官能基であり;
nは、1より大きい。
【請求項16】
請求項15に記載のポリマーであって、以下の式Iaで表されるさらなる構造単位を少なくとも1つ含むことを特徴とするポリマー:
【化4】

式中、
は、出現毎にそれぞれ独立に、共役遮断ユニットであり;
FGは、出現毎にそれぞれ独立に、光電子官能基であり;
m、oは、出現毎にそれぞれ独立に、0、1または2であり、m+oは1以上であり;
pは、1以上である。
【請求項17】
請求項15または16に記載のポリマーであって、前記FGおよびFGは、出現毎にそれぞれ独立に、置換または非置換の芳香環もしくは芳香族複素環系または芳香環もしくは芳香族複素環基であることを特徴とするポリマー。
【請求項18】
請求項15〜17のいずれか1項に記載のポリマーであって、前記FGまたはFGは、相互に独立に、正孔注入性基、正孔輸送性基、正孔遮断性基、電子注入性基、電子輸送性基、電子遮断性基、光子吸収性基、励起子生成基、一重項励起子増感剤、発光性基または主鎖基であることを特徴とするポリマー。
【請求項19】
請求項15〜18のいずれか1項に記載の組成物であって、前記FGおよびFGは、出現毎にそれぞれ独立に、フェニル、ナフチル、ピリジン、アントラセン、ビナフチルアントラセン、フェナントレン、ジヒドロフェナントレン、インデノフルオレン、フルオレン、スピロビフルオレン、ピレン、ホスフィン、ホスフィンオキシド、フラン、イミダゾール、チオフェン、トリアジン、ピラジン、ケトン、アミン、カルバゾールならびにこれらの組み合わせ、これらの誘導体およびヘテロ原子変異体から選択されることを特徴とするポリマー。
【請求項20】
請求項15〜19のいずれか1項に記載の組成物であって、前記AおよびAは、出現毎にそれぞれ独立に、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン、シクロアルキレン、アルキルシリレン、シリレン、アリールシリレン、アルキルアルコキシアルキレン、アリールアルコキシアルキレン、アルキルチオアルキレン、スルホン、アルキレンスルホン、スルホンオキシド、アルキレンスルホンオキシドからなる群より選択され、各場合において、アルキレン基は、出現毎にそれぞれ独立に1〜12の炭素原子を有し、1つ以上のH原子は、F、Cl、Br、I、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールにより置換されてよいことを特徴とするポリマー。
【請求項21】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物または請求項15〜20のいずれか1項に記載のポリマーの、光電子デバイスにおける使用。
【請求項22】
請求項21に記載の使用であって、前記組成物またはポリマーが光電子デバイスにおける層の形態であることを特徴とする使用。
【請求項23】
陽極、陰極および少なくとも1つの請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物または請求項15〜20のいずれか1項に記載のポリマーを含むことを特徴とする光電子デバイス。
【請求項24】
請求項23に記載の光電子デバイスであって、前記組成物またはポリマーは、層の形態であり、陽極と陰極の間に配置されることを特徴とする光電子デバイス。
【請求項25】
請求項23または24に記載の光電子デバイスであって、正孔輸送層、正孔注入層、発光体、電子輸送層、電子注入層、電荷遮断層、電荷生成層および/または中間層から選択されるさらなる層を含むことを特徴とする光電子デバイス。
【請求項26】
請求項23〜25のいずれか1項に記載の光電子デバイスであって、有機エレクトロルミネッセンスデバイス(OLED)、高分子エレクトロルミネッセンス素子(PLED)、有機集積回路(O-IC)、有機電界効果トランジスタ(O-FET)、有機薄層トランジスタ(O-TFT)、有機発光トランジスタ(O-LET)、有機太陽電池(O-SC)、有機光学検出器、有機感光体、有機電界クエンチデバイス(O-FQD)、発光電気化学電池(LEC)または有機レーザーダイオード(O-laser)であることを特徴とする光電子デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−528209(P2012−528209A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−512227(P2012−512227)
【出願日】平成22年5月4日(2010.5.4)
【国際出願番号】PCT/EP2010/002694
【国際公開番号】WO2010/136111
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(597035528)メルク パテント ゲーエムベーハー (209)
【Fターム(参考)】