説明

少なくとも1種のナフトエ酸誘導体、過酸化ベンゾイルおよび少なくとも1種の皮膜形成剤を含む組成物、その調製方法、およびその使用

本発明は、生理的に許容される媒体中に、少なくとも1種のナフトエ酸誘導体、過酸化ベンゾイルおよび少なくとも1種の皮膜形成剤を含む局所適用のための組成物に関する。本発明は、ナフトエ酸誘導体および過酸化ベンゾイルが、前記組成物中で分散されていることを特徴とする。本発明は、特に、ヒトの医薬品または化粧品において使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、局所適用のための組成物、かかる組成物を調製する方法、および化粧品または医薬品としてのその使用に関し、前記組成物は、特にざ瘡(にきび)を治療することを目的とする。
【背景技術】
【0002】
ざ瘡は、脂腺に富む皮膚(顔、肩部、腕および間擦部)を攻撃するよく知られる多因子疾患である。ざ瘡は、最も普通に発生する形態の皮膚疾患である。次の5つの病原性因子は、ざ瘡の形成において決定する役割を果たしている:
1. 遺伝的素因;
2. 皮脂の過剰産生(脂漏);
3. アンドロゲン;
4. 濾胞性角化障害(面皰発生);
5. 細菌のコロニー形成および炎症因子。
【0003】
いくつかの形態のざ瘡があり、それらすべての共通因子は、毛嚢脂腺の濾胞の攻撃である。集簇性ざ瘡、項部のケロイドざ瘡、薬剤性ざ瘡、再発性粟粒性ざ瘡、壊死性ざ瘡、新生児ざ瘡、月経前ざ瘡、職業性ざ瘡、酒さ性ざ瘡、老年性ざ瘡、日光性ざ瘡、および尋常性ざ瘡について特に言及することができる。
【0004】
多形性の若年性ざ瘡としても知られる尋常性ざ瘡は、最もよく知られている。尋常性ざ瘡は4つの段階を含むが、すべての段階を経る必要はない。
- 段階1は、多数の開放面皰および/または閉鎖面皰ならびに小嚢腫を特徴とする面皰性ざ瘡に対応する。
- 段階2、または丘疹膿疱性ざ瘡は、軽度から中等度の重症度である。これは、開放面皰および/または閉鎖面皰ならびに小嚢腫の存在を特徴とするが、紅色丘疹および膿疱の存在もまた特徴とする。主に、顔に生じ、わずかな瘢痕を残す。
- 段階3、または丘疹面皰性ざ瘡は、より重度であり、背部、胸部および肩部に広がる。これはより多くの瘢痕を伴う。
- 段階4、または嚢胞性ざ瘡は、非常に多くの瘢痕を伴う。小結節を示し、有痛性の紫色がかった大型の膿疱を有する。
【0005】
前述のざ瘡の様々な形態は、例えば、過酸化ベンゾイル(特に、Pierre Fabre社によって販売されている製品Eclaran(登録商標))などの抗脂漏剤および抗感染薬などの活性剤、トレチノイン(特に、Galderma社によって販売されている製品Retacnyl(登録商標))もしくはイソトレチノイン(Laboratoires Rocheによって販売されているRoaccutane(登録商標))などのレチノイド、またはナフトエ酸誘導体で治療することができる。特に、アダパレン(Galderma社によって販売されている製品Differine(登録商標))で一般に知られる、6-[3-(1-アダマンチル)-4-メトキシフェニル]-2-ナフトエ酸などのナフトエ酸誘導体は、ざ瘡の治療でトレチノインと同様に有効である有効成分として広く記載され認識される。
【0006】
いくつかの局所用治療剤(抗生物質、レチノイド、過酸化物、亜鉛)の組合せも、有効成分の効果を増大させ、それらの毒性を減らすことができるため、皮膚科において用いられている(Cunliffe W.J.、J.Dermatol. Treat.、2000年、11(suppl.2)、S13〜S14)が、様々な皮膚科製品の複数の適用は、患者にとって面倒で要求が厳しい恐れがある。
【0007】
したがって、優れた化粧品を提供する安定した組成物として皮膚科学的な状態に有効であり、1回のみの適用でよく、患者にとって使用するのが心地よい新規な治療法を得るための探求の利点は理解され得る。
【0008】
当業者に提案されたこうした数々の治療薬のうち、同じ組成物中に過酸化ベンゾイルおよびレチノイドを組み合わせることを促すものはないであろう。
【0009】
しかし、このような組成物の配合物は、いくつかの問題をもたらす。
【0010】
第1に、過酸化ベンゾイルの効果は、皮膚と接触させたときのその分解と関連付けられる。実際、所望の効果をもたらすのはこの分解中に生成された遊離基の酸化特性である。したがって、過酸化ベンゾイルの最適な効果を維持するために、使用前に、すなわち、貯蔵中に過酸化ベンゾイルが分解しないようにすることが重要である。
【0011】
しかし、過酸化ベンゾイルは、最終製品に配合することが困難な不安定な化合物である。
【0012】
エタノール、プロピレングリコールならびにポリエチレングリコール400(PEG 400)および水の様々な混合物中での過酸化ベンゾイルの溶解性および安定性については、Chellquistらによって研究されてきた(Chellquist E.M.およびGorman W.G.、Pharm. Res.、1992年、9巻:1341〜1346頁)。
【0013】
この文献は、さらに、過酸化ベンゾイルの安定性が配合物の化学組成および貯蔵温度に大いに影響されることを明確に述べている。過酸化ベンゾイルは、極めて反応性があり、過酸化物結合が不安定性であるため、溶液中で低温で分解する。
【0014】
したがって、著者らは、過酸化ベンゾイルが、研究されたすべての溶媒中で、溶媒のタイプおよびその濃度に応じて、ある程度速やかに分解することに注目している。
【0015】
PEG 400(0.5mg/g)中、エタノール中およびプロピレングリコール中の過酸化ベンゾイルの分解時間は、40℃でそれぞれ1.4日、29日および53日である。
【0016】
このような分解により、販売を目的とした製品の調製は可能ではない。
【0017】
過酸化ベンゾイルおよびレチノイドの両方を含む組成物の調製において克服すべき別の難点は、大部分のレチノイドが、特に、自然酸化、可視光線および紫外線に感受性があるということであり、過酸化ベンゾイルが強力な酸化剤であるため、同じ配合物中のこれらの化合物の化学的適合性は、物理的および化学的な観点から非常に多くの安定性の問題を引き起こす。
【0018】
2つのレチノイドの安定性の研究は、2つの市販の製品、すなわち、1つがレチノイド(トレチノインまたはアダパレン)を含む製品およびもう1つが過酸化ベンゾイルベースの製品を組み合わせることによって実施された(B.Martinら、Br.J.Dermatol.(1998)139、(suppl.52)、8〜11頁)。
【0019】
過酸化ベンゾイルをベースとする配合物が存在すると、酸化感受性レチノイドの非常に急速な分解が起こる。すなわち、トレチノインの50%は2時間で分解し、95%は24時間で分解することが測定されている。レチノイドがアダパレンである組成物中では、アダパレンの分解は24時間全く測定されなかった。この研究は、過酸化ベンゾイルが分解されて、酸化感受性レチノイドが経時的に分解され、徐々に安息香酸を最終生成物中に放出することを確認している。
【0020】
しかし、過酸化ベンゾイルおよびレチノイドの分解は、これらを含む組成物の有効性にとって好ましくないため、望ましくないことが明らかである。
【0021】
過酸化ベンゾイルの存在が、このタイプの組成物を化学的および物理的に不安定にしたことが慣習として知られていたことを考え合わせると、安定した組成物を得るために、これらの2つの活性剤の組合せを促すものはない。
【0022】
さらに、当業者は、過酸化ベンゾイルおよびナフトエ酸誘導体を含む組成物の効果および忍容性を改善するために絶え間なく探求している。効果を改善するための解決方法の1つは、組成物中に存在する活性剤の量を増加させることまたは治療時間を増やすことである。このような変更は、一般に、誘発される刺激を増大させる。このため、有効成分の忍容性をさらに改善することができる組成物を生成する必要がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0023】
【非特許文献1】Cunliffe W.J.、J.Dermatol. Treat.、2000年、11(suppl.2)、S13〜S14
【非特許文献2】Chellquist E.M.およびGorman W.G.、Pharm. Res.、1992年、9巻:1341〜1346頁
【非特許文献3】B.Martinら、Br.J.Dermatol.(1998)139、(suppl.52)、8〜11頁
【非特許文献4】Lucinda Buhse、ACPS、2003年10月22日、Pharmaceutical nomenclature-Issues and challenges
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
本発明が解決することを提案する1つの問題は、従来技術のものよりも安定し刺激が少ない組成物を生成する問題である。かかる組成物は、分散した形態で有効成分の局所的な浸透をさらに促進するべきである。
【0025】
驚くべきことに、本出願人が、組成物に皮膜形成効果を与えることで知られている成分が、抗ざ瘡有効成分などの2つの刺激性有効成分、特に、過酸化ベンゾイルおよびアダパレンなどのナフトエ酸誘導体の組合せの忍容性を改善し得ることを証明していることは明らかになっている。
【0026】
したがって、本発明の目的の1つは、個体が比較的長期で使用することを妨げるであろう明らかに刺激性の作用を有さない、少なくとも1種のナフトエ酸誘導体および過酸化ベンゾイルを含む、特に有効である局所適用のための組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明の第1の対象は、生理的に許容される媒体中に、少なくとも1種のナフトエ酸誘導体および過酸化ベンゾイルならびに少なくとも1種の皮膜形成剤を含む、局所適用のための組成物であり、前記ナフトエ酸誘導体は、前記組成物中で分散した形態である。
【0028】
したがって、本発明の第一の対象は、生理的に許容される媒体中に、少なくとも
(i)1種のナフトエ酸誘導体、
(ii)過酸化ベンゾイル、および
(iii)皮膜形成剤
を含む、特に局所適用のための組成物、好ましくは医薬組成物であり、
前記ナフトエ酸誘導体および前記過酸化ベンゾイルは、前記組成物中で分散した形態である。
【0029】
本発明によれば、「分散した形態の活性剤」という用語は、所与の担体中に懸濁させた固体粒子の形態の有効成分を意味する。かかる粒子は、特に大きさが10μmを超える。
【0030】
有利には、レチノイドおよび過酸化ベンゾイルの粒径は、粒子の数の少なくとも80%、好ましくは粒子の数の少なくとも90%が25μm未満の直径を有し、粒子の数の少なくとも99%が100μm未満の直径を有するようなものである。
【0031】
本発明の第2の対象は、少なくとも1種のナフトエ酸誘導体および過酸化ベンゾイルを含む生理的に許容される担体を、少なくとも1種の皮膜形成剤と混合するステップを含むことを特徴とする、局所適用のための組成物を調製する方法であり、前記ナフトエ酸誘導体および過酸化ベンゾイルは前記組成物中で分散した形態である。「生理的に許容される担体」という用語は、皮膚、粘膜および/または外皮に適合する担体を意味するものとする。
【0032】
最後に、本発明の第3の対象は、細胞の分化および増殖に関係する角化障害と関連する皮膚科学的状態の治療および/または予防に使用する医薬品、特に、面皰性ざ瘡、尋常性ざ瘡、丘疹面皰性ざ瘡、嚢胞性ざ瘡、多形性ざ瘡、酒さ性ざ瘡、集簇性ざ瘡、老年性ざ瘡、または日光性ざ瘡、薬剤性ざ瘡もしくは職業性ざ瘡などの他の二次性ざ瘡を予防し、及び/または治療する医薬品を調製するための、上記の組成物の使用である。
【0033】
組成物が、生理的に許容される媒体中に、少なくとも1種のナフトエ酸誘導体、過酸化ベンゾイルおよび少なくとも1種の皮膜形成剤を含み、前記ナフトエ酸誘導体および過酸化ベンゾイルが前記組成物中で分散した形態であるとき、組成物は、皮膚中に浸透している活性剤の量を修正せずに非常に優れた忍容性を示す。
【0034】
本発明による組成物は、少なくともナフトエ酸誘導体、過酸化ベンゾイルおよび少なくとも皮膜形成剤を含む。
【0035】
ナフトエ酸は次式の化合物である。
【0036】
【化1】

【0037】
「ナフトエ酸誘導体」という用語は、式(I)の化合物を意味するものである。
【0038】
【化2】

【0039】
式中、
Rは、水素原子、ヒドロキシル基、1〜4個の炭素原子を含む分枝または非分枝のアルキル基、1〜10個の炭素原子を含むアルコキシ基または置換もしくは非置換の脂環式基を表す。
【0040】
「1〜4個の炭素原子を含む直鎖または分枝のアルキル基」という用語は、好ましくは、メチル、エチル、プロピルおよびブチル基を意味するものとする。
【0041】
「1〜10個の炭素原子を含むアルコキシ基」という用語は、好ましくは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシおよびデシルオキシ基を意味するものとする。
【0042】
「脂環式基」という用語は、好ましくは、1-メチルシクロヘキシル基または1-アダマンチル基などの単環式または多環式基を意味するものとする。
【0043】
本発明による組成物中に含むことができるナフトエ酸誘導体のうち、6-[3-(1-アダマンチル)-4-メトキシフェニル]-2-ナフトエ酸(アダパレン)、6-[3-(1-アダマンチル)-4-ヒドロキシフェニル]-2-ナフトエ酸、6-[3-(1-アダマンチル)-4-デシルオキシフェニル]-2-ナフトエ酸および6-[3-(1-アダマンチル)-4-ヘキシルオキシフェニル]-2-ナフトエ酸が選択されると有利である。
【0044】
前述のナフトエ酸誘導体は、一般に、本発明による組成物中で分散した形態である。したがって、不溶性ナフトエ酸誘導体は、本発明による組成物中で均一に分布する。
【0045】
本発明による組成物では、ナフトエ酸誘導体は、組成物の全重量に対して10重量%以下の濃度で使用され、好ましくは、組成物の全重量に対して0.001重量%〜10重量%であり、組成物の全重量に対して、優先的には0.01重量%〜5重量%であり、より優先的には0.05重量%〜2重量%であり、最も優先的には、0.1重量%〜0.3重量%である。
【0046】
本文を通して、別段の指定がされない限り、濃度範囲が与えられるとき、それらには前記範囲の上限および下限が含まれることが理解される。
【0047】
有利なことに、本発明による組成物に使用されるナフトエ酸誘導体は、6-[3-(1-アダマンチル)-4-メトキシフェニル]-2-ナフトエ酸(アダパレン)である。アダパレンの場合には、好ましくは、本発明による組成物は、組成物の全重量に対して、アダパレンを0.001重量%〜5重量%、有利には0.01重量%〜1重量%、優先的には、アダパレンを0.01重量%〜0.5重量%、好ましくは、0.1重量%〜0.4重量%、さらにより優先的にはアダパレンを0.1重量%または0.3重量%含む。
【0048】
組成物はまた、過酸化ベンゾイル(BPO)を含む。
【0049】
本発明による組成物では、過酸化ベンゾイルは、組成物の全重量に対して、1重量%〜10重量%、より特定すると2重量%〜7重量%、さらにより優先的には2.5重量%〜5重量%の濃度で使用される。
【0050】
過酸化ベンゾイルは、任意の多孔質の支持体上または支持体中で吸収される形態で、遊離型または封入型で使用することができる。
【0051】
例えば、多孔質ミクロスフェアから構成されるポリマー系で封入された過酸化ベンゾイル、例えば、Microsponges P009A過酸化ベンゾイルという名でCardinal Health社によって販売されているマイクロスポンジでもよい。
【0052】
本発明による組成物は、少なくとも1種の皮膜形成剤を含む。
【0053】
「皮膜形成剤」という用語は、皮膚への適用中、連続的な皮膜を形成する少なくとも10000を超える分子質量を有する、イオン性または非イオン性親水性ポリマーを意味するものである。本出願人は、これらの皮膜形成剤が、それらを含む組成物により優れた忍容性を与えることを実証している。
【0054】
皮膜形成剤の非限定例として、好ましくは、水溶性であるポリビニルピロリドンおよびそれらの可溶性コポリマー、セルロースおよびその誘導体を除いた多糖類、具体的には、ヒドロキシプロピルセルロースおよびキサンタンガム、ポリビニルアルコール、アクリルコポリマー、およびポリクオタニウムについて言及することができる。
【0055】
ポリビニルピロリドンおよび誘導体のうち、ポビドンとしても知られるポリ-1-ビニル-2ピロリドン、または、例えば、Kollidon(登録商標)VA64、Kollidon(登録商標)30、Kollidon(登録商標)90F、もしくはKollidon(登録商標)K17PFなど、コポビドンとしても知られるポリビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマーについて言及することができる。
【0056】
多糖類の例として、例えば、カルボキシメチルセルロースなどのセルロースおよび誘導体について言及することができ、ペクチン、カラヤガムなどのガム、Contipro社によって販売されているヒアルロン酸ナトリウムについても言及することができる。
【0057】
ポリビニルアルコールの例として、重合度500〜5000、加水分解度85〜89%、粘度20〜65mPa.s(20℃で水中4%(重量/重量))を有するポリビニルアルコールについて言及することができる。より特定すると、例としては、重合度4200、加水分解度86.7〜88.7%および粘度38〜42mPa.s(20℃で水中4%(重量/重量))を有するSigma Aldrich社によって販売されているMowiol 40-88について言及することができる。
【0058】
アクリルコポリマーとしては、Eudragit E100という名でRohm&Haas社によって販売されているアクリラート/メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマー、Eudragit RS100またはEudragit S100という名でRohm&Haas社によって販売されているアクリラート/メタクリル酸アンモニウムコポリマー、Dermacryl 79という名でNational Starch社によって販売されているアクリラート/オクチルアクリルアミドコポリマーについて言及することができるが、このリストは網羅的ではない。
【0059】
ポリクオタニウムのうち、例としては、ポリクオタニウム1、7および10、より特定すると、Celquat SC240Cという名でNational Starch社によって販売されているポリクオタニウム-10について言及することができる。
【0060】
好ましくは、皮膜形成剤は、好ましくは、水溶性であるポリビニルピロリドン、ヒアルロン酸ナトリウムなどの多糖類、ポリビニルアルコール、アクリルコポリマー、およびポリクオタニウムから選択される。
【0061】
優先的に、本発明による水溶性皮膜形成剤は、例えば、BASF社によって販売されているKollidon VA64、Kollidon 30、およびKollidon 90Fなど、好ましくは、水溶性であるポリビニルピロリドン、高分子量ヒアルロン酸ナトリウムという名でContipro社によって販売されているヒアルロン酸ナトリウムなどの多糖類、例えば、Sigma-Aldrich社によって販売されているMowiol 40-88などのポリビニルアルコール、例えば、National Starch社によって販売されているDermacryl 79などのポリアクリルアミド、例えば、Celquat SC240Cという名でNational Starch社によって販売されているポリクオタニウム10などのポリクオタニウムから選択される。
【0062】
本発明による組成物では、皮膜形成剤は、組成物の全重量に対して20重量%以下、好ましくは、0.5重量%〜20重量%の濃度で使用され、より優先的には0.5重量%〜10重量%、好ましくは0.5重量%〜6重量%、より特定すると、0.5重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%または6重量%の濃度で使用される。
【0063】
少なくとも1種の皮膜形成剤の存在は、忍容性を改善させ、アダパレンおよび過酸化ベンゾイルを含む配合物の場合に特に有利である。この理由は、ナフトエ酸誘導体が刺激になり得、皮膚に対して脱水作用があり得ることである。したがって、用量を増加することができるように、誘発される刺激を減少させると有利である。
【0064】
本発明の組成物は、局所適用のために普通に用いられる任意のガレヌス製剤の形態であり得、特に、水性、水性アルコールもしくは油性の分散液、懸濁液、水性、無水もしくは親油性ゲル、乳化剤の存在下または非存在下で水相に脂肪相を分散させる(O/W)ことによってまたはその逆(W/O)によって得られる液体、半固体もしくは固体コンシステンシーの乳剤(ローション剤、クリーム剤または軟膏剤)、またはマイクロエマルション、マイクロカプセル、微小粒子もしくはイオン型および/または非イオン型の小胞分散体の形態であり得る。
【0065】
好ましくは、本発明による組成物は、乳剤(ローション剤、クリーム剤、または乳化剤を含まないクリーム剤)、懸濁液またはゲルの形態であり、より優先的には、ゲルおよび乳剤の形態である。
【0066】
当業者は注意して、所望のガレヌス製剤の形態によって、および本発明による組成物の有利な特性が重んじられるように、本発明による組成物を構成する賦形剤を選択するであろう。
【0067】
本発明によるゲルタイプの組成物は、特に以下の成分の1つまたは複数を含むこともできる。
a)1つまたは複数のゲル化剤および/または懸濁化剤および/またはpH非依存性ゲル化剤、
b)場合によって、1つまたは複数のキレート化剤、
c)場合によって、1つまたは複数の皮膚軟化剤および/または保湿剤、
d)1つまたは複数の湿潤剤、
e)1つまたは複数の添加剤。
【0068】
本発明による乳剤(クリーム剤、ローション剤、乳化剤を含まないクリーム剤)タイプの組成物は、特に以下の成分の1つまたは複数を含むこともできる。
a)1つまたは複数のゲル化剤および/または懸濁化剤および/またはpH非依存性ゲル化剤、
b)場合によって、1つまたは複数のキレート化剤、
c)場合によって、1つまたは複数の皮膚軟化剤および/または保湿剤、
d)脂肪相を構成する1つまたは複数の親油性賦形剤、
e)場合によって、1つまたは複数の乳化剤、
f)1つまたは複数の湿潤剤、
g)1つまたは複数の添加剤。
【0069】
本発明による組成物中に含むことができる、ゲル化剤および/または懸濁化剤および/またはpH非依存性ゲル化剤の非限定例として、Pemulen TR-1またはPemulen TR-2という名でNoveon社によって販売されているアクリラート/C10〜30アルキルアクリラートクロスポリマー、Ultrez 20(登録商標)、Ultrez 10(登録商標)、Carbopol 1382(登録商標)、Carbopol ETD2020NF(登録商標)、Carbopol 980(登録商標)またはCarbopol 981(登録商標)という名でNoveon社によって販売されている「電解質非感受性」カルボマー、多糖類について言及することができ、多糖類の非限定例には、Kelco社によって販売されているXantural 180(登録商標)などのキサンタンガム、Kelcogel(登録商標)という名でKelco社によって販売されているジェランガム、グアーガム、Avicel CL-611という名でFMC Biopolymer社によって販売されている微結晶セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、具体的にはMethocel E4M premiumという名でDow Chemical社によって販売されている製品、またはヒドロキシエチルセルロース、具体的にはNatrosol HHX 250(登録商標)という名でAqualon社によって販売されている製品などのセルロースおよびそれらの誘導体、Vanderbilt社によって販売されているVeegum Kなどのケイ酸マグネシウムアルミニウムファミリー、Aculyn 44という名で販売されているPEG-150/デシル/SMDIコポリマー(要素として、プロピレングリコール(39%)および水(26%)の混合物中に、150または180モルのエチレンオキシド、デシルアルコールおよびメチレンビス(4-シクロヘキシルイソシアナート)(SMDI)を含む少なくとも1種のポリエチレングリコールを35重量%で含む重縮合物)など、疎水性鎖に結合するアクリルポリマーファミリー、Structure Solanaceという名で販売されている改質されたジャガイモデンプンなどの改質されたデンプンファミリー、またはそれらの混合物、Sepineo P600(登録商標)(またはSimulgel 600PHA(登録商標))という名でSeppic社によって販売されているアクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー/イソヘキサデカン/ポリソルベート80混合物、例えば、Sepigel 305という名でSeppic社によって販売されている、ポリアクリルアミド/C13〜14イソパラフィン/ラウレス-7混合物などのポリアクリルアミドファミリーのゲル化剤、特に、IMCDによって販売されているViscarin(登録商標)およびGelcarin(登録商標)など、κ、λ、β、ωの4つの主なファミリーに分けられるカラギーナンファミリーについて言及することができる。
【0070】
上記のゲル化剤は、0.001%〜15%の好ましい濃度で用いることができ、より優先的には0.15%〜5%で用いることができる。
【0071】
好ましいゲル化剤として、カルボマーファミリー、具体的にはCarbopol Ultrez-20(登録商標)およびCarbopol ETD 2020(登録商標)、ポリアクリルアミドファミリー、具体的には、Sepineo P600(登録商標)(またはSimulgel 600PHA(登録商標))という名で販売されているアクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー/イソヘキサデカン/ポリソルベート80混合物、多糖類ファミリー、具体的には、Xantural 180(登録商標)という名で販売されているキサンタンガム、セルロースファミリーおよびそれらの誘導体、具体的には、Natrosol 250HHX(登録商標)という名で販売されているヒドロキシエチルセルロース、およびMethocel E4M Prenium(登録商標)という名で販売されているヒドロキシプロピルメチルセルロース、疎水性鎖に結合するアクリルポリマーファミリー、具体的には、Aculyn 44(登録商標)という名で販売されているPEG-150/デシル/SMDIコポリマーについて言及することができる。
【0072】
好ましいゲル化剤として、カルボマー、ポリアクリルアミド、疎水性鎖に結合するアクリルポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロースなどのセルロースおよびそれらの誘導体、多糖類、特に、キサンタンガム、具体的には、特に、Sepineo P600(登録商標)(またはSimulgel 600PHA(登録商標))、PEG-150/デシル/SMDIコポリマー、Methocel E4M premium(登録商標)、Natrosol HHX 250(登録商標)、Xantural 180(登録商標)およびCarbopol Ultrez 20(登録商標)という名で販売されているものについて言及することができる。
【0073】
好ましい懸濁化剤として、Avicel CL-611という名でFMC Biopolymer社で販売されている、微結晶セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムについて言及することができる。
【0074】
キレート化剤のうち、非限定例として、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、エチレンジアミンビス(O-ヒドロキシフェニル酢酸)(EDDHA)、ヒドロキシル-2-エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、エチレンジアミンビス(O-ヒドロキシ-p-メチルフェニル)酢酸(EDDHMA)およびエチレンジアミンビス(5-カルボキ-2-ヒドロキシフェニル)酢酸(EDDCHA)について言及することができる。
【0075】
好ましいキレート化剤として、特にTitriplex III(登録商標)という名で販売されているエチレンジアミン四酢酸(EDTA)について言及することができる。
【0076】
その役割が皮膚を水和させ配合物の適用を容易にすることである、保湿剤および/または皮膚軟化剤のうち、場合によって、グリセロールおよびソルビトール、砂糖(例として、グルコース、ラクトース)、ポリエチレングリコール(PEG)(例として、Lutrol E400)、尿素またはアミノ酸(例としては、セリン、シトルリン、アルギニン、アスパラギン、アラニン)を使用するが、このリストは限定するものではない。
【0077】
好ましい保湿剤および/または皮膚軟化剤としては、グリセロールについて言及することができる。
【0078】
その役割が表面張力を減少させ、液体をより大きく拡散させることである、湿潤剤のうち、このリストは限定するものではないが、優先的には、10〜14のHLB、ポロキサマーおよび/またはグリコールのファミリーから得られた化合物、より特定すると、Synperonic PE/L44および/またはSynperonic PE/L62、および/またはプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、ジペラルゴナート、ラウログリコール、エトキシジグリコールなどの化合物を有し得る湿潤剤を使用する。好ましくは、湿潤剤は、加熱する必要なく、組成物に容易に混和するために液体の形態である。
【0079】
特に好ましい湿潤剤は、プロピレングリコールおよびUniqema社によって販売されているSyperonic PE/L44である。
【0080】
本発明による組成物は、1つまたは複数の乳化剤を含むことができる。
【0081】
乳化剤は、油に親和性を有する疎水性部分および水に親和性を有する親水性部分を含む両親媒性化合物であり、したがって、2つの相の間の結合を作り出す。したがって、イオン性または非イオン性乳化剤は、界面で吸収されることによっておよび層状の液晶層を形成することによって水/油乳剤を安定させる。
【0082】
非イオン性界面活性剤の乳化力は、分子の極性と密接に関連付けられる。この極性は、HLB(親水性/親油性バランス)によって定義される。
【0083】
高HLBは、親水性画分が優勢であることを示唆し、逆に、低HLBは親油性画分が優勢であることを示唆している。例えば、約10を超えるHLB値は、親水性界面活性剤に対応する。
【0084】
乳化剤は、それらの構造に従って、「イオン」(陰イオン、陽イオン、両性イオン)または「非イオン」という総称語で分類することができる。非イオン性乳化剤は、水中でイオンに分解しない乳化剤であり、したがって、pHの変動に非感受性である。
【0085】
高HLBを示す非イオン性乳化剤の非限定例として、Tween 80(登録商標)という名で販売されているPOE(20)ソルビタンモノオレアート(HLB=15)またはTween 60(登録商標)という名で販売されているPOE(20)ソルビタンモノステアラート(HLB=14.9)などのソルビタンエステル、Brij 721(登録商標)という名でUniqema社から販売されているPOE(21)ステアリルエーテル(HLB=15.5)、またはEumulgin B2(登録商標)(HLB15.5)という名でCognis社によって販売されているceteareth-20などの脂肪アルコールエーテル、ステアリン酸グリセリルおよびArlacel 165 FL(登録商標)(HLB=11)という名でUniqema社によって販売されているPEG 100ステアラート、もしくはTefose 1500(登録商標)(HLB=10)という名でGattefosse社によって販売されているPEG 6ステアラートおよびPEG 32ステアラートなどのポリオキシエチレングリコールエステル、またはGlucamate SSE20(登録商標)(HLB=15)という名でAmerchol社によって販売されているセスキステアリン酸PEG20メチルグルコースおよびSurfhope C-1216(登録商標)(HLB=16)という名で販売されているラウリン酸スクロース、ならびにSurfhope C-1811(登録商標)(HLB=11)およびSurhope SE Pharma D-1816(登録商標)という名で販売されているステアリン酸スクロース、Surfhope SE Pharma D-1616(登録商標)という名でGattefosse社によって販売されているパルミトステアリン酸スクロース、ポリグリセロールエステルなどの高いHLBを有する非イオン性乳化剤について言及することができる。好ましくは、前記高HLBを有する非イオン性乳化剤は、10〜18のHLBを示す。
【0086】
低HLBを示す非イオン性乳化剤(親油性乳化剤)の非限定例として、Span 60という名でUniqema社によって販売されているソルビタンモノステアラート(HLB=4.7)などのソルビタンエステル、Cutina GMSVPH (HLB=3.8)という名でCognis社によって販売されているモノステアリン酸グリセロールなどのグリセロールエステル、Olepal isostearique(登録商標)(HLB=8)という名でGattefosse社によって販売されているイソステアリン酸PEG-6などのポリエチレングリコールエステル、またはGlucate SS(登録商標)(HLB=6)という名でAmerchol社によって販売されているセスキステアリン酸メチルグルコースならびにGattefosse社によって、Surfhope C-1205(登録商標)(HLB=5)という名で販売されているジラウリン酸スクロースおよびSurfhope C-1803(登録商標)(HLB=3)という名で販売されているトリステアリン酸スクロースなど、低HLBを有する糖エステルについて言及される。
【0087】
他の非イオン性乳化剤として、高温で単純な分散によって容易に安定した乳剤を得ることができる自己乳化ワックスについて言及することができる。例として、セテアリルアルコール(および)Polawax NFという名でCroda社によって販売されているポリソルベート60およびCroda社によって販売されているPolawax GP200である。
【0088】
好ましくは、1種または複数の「高HLBの非イオン性乳化剤」/「低HLBの非イオン性乳化剤」の組合せは、乳化系として用いられる。具体的には、約10を超えるHLBを有する少なくとも1種の非イオン性乳化剤および約10未満のHLBを有する少なくとも1種の非イオン性乳化剤を含む非イオン性乳化系となり得る。
【0089】
前述の組合せを形成する2つの界面活性剤のそれぞれの比は、使用される脂肪相の必要とされるHLBを算出することによって最も普通に決定される。
【0090】
好ましい乳化剤として、
- 親水性乳化剤のタイプ:Arlacel 165FL(登録商標)という名でUniqema社によって販売されているステアリン酸グリセリルおよびステアリン酸PEG-100、Tefose 1500(登録商標)という名でGattefosse社によって販売されているステアリン酸PEG 6およびステアリン酸PEG 32、Glucamate SSE20(登録商標)という名でAmerchol社によって販売されているセスキステアリン酸PEG 20メチルグルコース、Surfhope SE Pharma D-1216(登録商標)という名で販売されているラウリン酸スクロース、Surfhope SE Pharma D-1816(登録商標)という名で販売されているステアリン酸スクロース、Surfhope SE Pharma D-1616(登録商標)という名で販売されているパルミトステアリン酸スクロース、Brij721(登録商標)という名でUniqema社によって販売されているポリオキシエチレン(21)ステアリルエーテル、Eumulgin B2PH(登録商標)という名でCognis社によって販売されているCeteareth-20、ならびにTween 80(登録商標)およびTween 60(登録商標)という名で販売されているソルビタンエステル;ならびに
- 親油性乳化剤のタイプ:Amerchol社によって販売されているGlucate SS(登録商標)などのセスキステアリン酸メチルグルコース、Surfhope C-1205などのジラウリン酸スクロースおよびSurfhope C-1803などのトリステアリン酸スクロース
について言及することができる。
【0091】
本発明による組成物は、脂肪相を含んでもよい。この脂肪相は、例えば、植物油、鉱油、動物油、合成油またはシリコーン油、およびそれらの混合物を含んでもよい。
【0092】
鉱油の例としては、例えば、Esso社によって販売されているPrimol 352(登録商標)、Marcol 82(登録商標)およびMarcol 152(登録商標)などの様々な粘度の流動パラフィンについて言及することができる。
【0093】
植物油としては、スイートアーモンド油、パーム油、大豆油、ゴマ油、ヒマワリ油およびオリーブ油について言及することができる。
【0094】
動物油または植物起源のそれらの代替物としては、ラノリン、スクアレン、誘導体として、Sophiderm(登録商標)という名でSophim社によって販売されているペルヒドロスクアレンを含む魚油について言及することができる。
【0095】
合成油として、イソノナン酸セテアリル、例えば、Cetiol SN PH(登録商標)という名でCognis France社によって販売されている製品、アジピン酸ジイソプロピル、例えば、Crodamol DA(登録商標)という名でCroda社によって販売されている製品、パルミチン酸イソプロピル、例えば、Crodamol IPP(登録商標)という名でCroda社によって販売されている製品、およびUnivar社によって販売されているMiglyol 812(登録商標)などのカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドなどのエステルについて言及することができる。
【0096】
シリコーン油として、例えば、粘度20cst〜12500cstを有するQ7-9120 Silicone Fluid(登録商標)という名でDow Corning社によって販売されている製品、またはシクロメチコン、例えばST-Cyclomethicone 5NF(登録商標)という名で、やはりDow Corning社によって販売されている製品について言及することができる。
【0097】
水素化ポリイソブテンとして、Rossow社によって販売されているParleam(登録商標)について言及することができる。
【0098】
ゲルベアルコールとして、Eutanol Gという名でCognis社によって販売されているオクチルドデカノールについて言及することができる。
【0099】
本発明による組成物について、流動パラフィンおよびシリコーン油、より具体的には、Marcol 152(登録商標)およびSt-Cyclomethicone 5NF(登録商標)が好ましい。
【0100】
天然または合成ワックスなどの固体脂肪物質、ステアリン酸などの脂肪酸、Cognis社によって販売されているSpeziol C18 Pharmaなどの脂肪アルコール、Gattefosse社によって販売されているCompritol 888などのトリベヘナート型のテクスチャー化剤、またはCognis社によって販売されているCutina HRなどの水素化ヒマシ油を用いることもできる。この場合には、当業者は、これらの固体の存在または非存在によって調製の加熱時間を適合させる。
【0101】
本発明の組成物はまた、一般の無機酸もしくは有機酸または塩基タイプの中和剤(例としては、トリエタノールアミン、10%水酸化ナトリウム溶液、クエン酸/クエン酸ナトリウム緩衝液、コハク酸/コハク酸ナトリウム緩衝液)、日焼け止め、酸化防止剤(ブチルヒドロキシアニソール型)、充填剤、電解液、保存剤、色素、香料、精油、化粧用の活性剤、モイスチャライザー、ビタミン、必須脂肪酸、スフィンゴ脂質、DHAなどのセルフタンニング化合物、鎮静剤およびアラントインなどの皮膚保護剤、浸透促進剤、またはそれらの混合物、場合によって、好ましくは組成物の全重量に対して0%〜2%の濃度の過酸化ベンゾイル安定化剤(例としては、ナトリウムドクサート、C14〜16オレフィンスルホン酸ナトリウム、乳酸、クエン酸)などの、化粧品分野または医薬分野で普通に用いられる任意の添加剤を、場合によって含むことができる。もちろん、本発明による組成物の有利な特性が不利な影響を受けない、または実質的に受けないように、当業者は注意して、この、またはこれらの場合により追加の化合物および/またはその量を選択するであろう。
【0102】
これらの添加剤は、組成物の全重量に対して0重量%〜20重量%の比率で組成物中に存在することができる。
【0103】
保存剤の例として、塩化ベンザルコニウム、ブロノポール、クロルヘキシジン、クロロクレゾールおよびその誘導体、エチルアルコール、フェノキシエタノール、ソルビン酸カリウム、ジアゾリジニル尿素、ベンジルアルコール、パラベンまたはそれらの混合物について言及することができる。
【0104】
好ましい保存剤として、単独でもしくは混合物として利用されるパラベン、フェノキシエタノールまたは塩化ベンザルコニウムについて言及することができる。
【0105】
好ましい一実施形態では、組成物はゲルの形態であり、
- ナフトエ酸誘導体0.1%〜0.3%;
- 過酸化ベンゾイル1%〜10%;
- 水30%〜95%;
- 少なくとも1種の皮膜形成剤0.5%〜10%;
- 1つまたは複数のゲル化剤および/または懸濁化剤および/またはpH非依存性ゲル化剤0.10%〜3%;
- 1つまたは複数のキレート化剤0%〜1.5%;
- 1つまたは複数の湿潤剤0.1%〜10%;
- 1つまたは複数の保湿剤および/または皮膚軟化剤0%〜20%;ならびに
- 1つまたは複数の添加剤0〜20%
を含む。
【0106】
本発明の具体的な一実施形態では、組成物は、ローション剤、クリーム剤または乳化剤を含まないクリーム剤タイプの水中油型(O/W)乳剤の形態であり、
- ナフトエ酸誘導体0.1%〜0.3%;
- 過酸化ベンゾイル1%〜10%、好ましくは2%〜5%;
- 水30%〜95%;
- 少なくとも1種の皮膜形成剤0.5%〜10%;
- 1つまたは複数のゲル化剤および/または懸濁化剤および/またはpH非依存性ゲル化剤0.1%〜3%;
- 1つまたは複数のキレート化剤0%〜1.5%;
- 1つまたは複数の湿潤剤0.1%〜10%;
- 1つまたは複数の保湿剤および/または皮膚軟化剤0%〜20%;
- 乳化剤0〜10%;
- 脂肪相0.1%〜30%;および
- 1つまたは複数の添加剤0%〜20%
を含む。
【0107】
本発明の一対象はまた、医薬品としての上記組成物である。組成物は、実際に医薬品として用いることができる。
【0108】
本発明の他の対象は、上記組成物を調製する方法である。このような方法は、組成物を得るために、少なくとも1種のナフトエ酸誘導体および過酸化ベンゾイルを含む生理的に許容される担体を、少なくとも1種の皮膜形成剤と混合するステップを含むことを特徴とし、前記ナフトエ酸誘導体および過酸化ベンゾイルは分散した形態である。
【0109】
他の可能な賦形剤および添加剤は、化合物の化学的性質および選択されたガレヌス製剤の形態に従って導入される。
【0110】
皮膜形成剤の導入は、ポリマーに応じて変わる。したがって、例として、Dermacryl 79は、乳剤の脂肪相におよび/または中和ステップの後の水相に導入することができる。また、例として、ヒアルロン酸ナトリウム、Kollidon VA64、Kollidon 30、Kollidon 90F、Mowiol 40-88、およびCelquat SC240Cは水相に導入される。
【0111】
具体的には、本発明は、以下のステップを含む組成物を調製する方法に関する。
a)2つの活性剤のうち1つを含む活性相1の調製;
b)残りの活性剤を含む活性相2の調製;
c)水相の調製;
d)(場合により)皮膜形成相の調製;
e)a)およびb)で調製された2つの活性相の混合;
f)(場合により)脂肪相の調製;
g)(場合により)f)およびc)で得られた相の混合物の乳化;
h)g)またはc)で得られた相のe)で得られた単一の活性相との混合;
i)(場合により)ポリアクリルアミドの添加;
j)(場合により)h)で得られた配合物の中和;
k)(場合により)皮膜形成相の添加;
l)(場合により)水による調整。
【0112】
本発明による組成物を調製する主な方法は、例として、以下のステップを含む。
【0113】
ステップa:活性相1の調製
純水および有効成分1(アダパレン)を少なくとも1種の湿潤剤と、前記ナフトエ酸誘導体が完全に分散されるまで混合して、活性相1を得るステップ。
ステップb:活性相2の調製:
純水および有効成分2(過酸化ベンゾイル)を少なくとも1種の湿潤剤と、前記過酸化ベンゾイルが完全に分散されるまで混合して、活性相2を得るステップ。
ステップc:水相の調製
純水およびゲル化剤および/またはpH非依存性ゲル化剤(ポリアクリルアミドを除く)および/または懸濁化剤、場合によって、キレート化剤、保存剤、親水性乳化剤、安定剤、保湿剤および/または皮膚軟化剤、および皮膜形成剤を、撹拌しながら、必要なら高温で、ビーカーに導入するステップ。
ステップd:場合によって、少なくとも1種の皮膜形成剤を水と混合して、皮膜形成相を得るステップ。
ステップe:活性相の混合:
a)およびb)でそれぞれ得られた2つの活性相を混合し、完全にホモジナイズするまで撹拌を維持するステップ。
ステップf(場合によって、乳剤を得るための):脂肪相の調製:
油性化合物、固体脂肪物質、場合によって、親油性乳化剤および保存剤を混合するステップであって、
混合物を加熱し、ホジナイズした後、組成物中に存在する場合、最後に揮発性シリコーンを導入するステップ。
ステップg(場合により):乳化:
高温で、脂肪相を水相に導入して、乳化を行うステップであって、数分間加熱を維持し、次いで、生成物を冷却するステップ。
ステップh:単一の活性相の添加:
e)で得られた単一の活性相を、ゲル用に、c)で得られた水相に導入する、または乳剤用に、g)で得られた相に導入するステップ。
ステップi(場合により):ポリアクリルアミドの添加:
ポリアクリルアミドを、撹拌しながら、h)で得られた相に導入するステップであって、完全にホモジナイズするまで撹拌を維持するステップ。
ステップj:中和:
必要なら、ゲル化剤のための中和剤をステップh)またはi)で得られた相に導入するステップ。
ステップk:(場合により)皮膜形成相の添加:
皮膜形成剤が水相に導入されていない場合、ステップd)で調製された皮膜形成相を添加するステップ。
ステップl:(場合により)水による調整:
必要なら、水による調整を行うステップ。
【0114】
本発明による組成物を調製するための代替方法は、例として、以下のステップを含む。
【0115】
有効成分を、上記の方法の最初のステップで混合し、したがって、ステップa)およびb)を、ステップa’)、すなわち、
a’)2つの活性剤を含む単一の活性相を調製するステップ
に置き換える。
【0116】
次いで、その方法をステップc)から開始して前述したように続け、ステップe)を排除する。
【0117】
より詳細に、本発明による組成物を調製するための主な方法は、以下のステップを含む。
ステップa:活性相1の調製:
純水、有効成分(アダパレン)、および(Synperonic PE/L62、Synperonic PE/L44、プロピレングリコールのタイプの)湿潤剤を、撹拌しながら、ビーカーに導入するステップ。混合物を、完全に分散するまで撹拌する。
ステップb:活性相2の調製:
純水、有効成分(過酸化ベンゾイル)および(Synperonic PE/L62、Synperonic PE/L44、プロピレングリコールのタイプの)湿潤剤を、撹拌しながらビーカーに導入するステップ。混合物を、完全に分散するまで撹拌する。
ステップc:水相の調製:
純水および(Carbopol Ultrez 20、ETD2020 NF、Xantural 180、Natrosol 250 HHXのタイプの)ゲル化剤および/またはpH非依存性ゲル化剤(Simulgel 600PHAを除く)および/または(Avicel CL-611タイプの)懸濁化剤、場合によって(EDTAタイプの)キレート化剤、(メチルパラベンタイプの)保存剤、(ナトリウムドクサートタイプの)安定剤、皮膚軟化剤および/または(グリセロールタイプの)保湿剤、および(ヒアルロン酸ナトリウムタイプの)皮膜形成剤を、撹拌しながら、必要なら高温で、ビーカーに導入するステップ。
ステップd:場合によって、皮膜形成相を得るために、(Kollidonなどのタイプの)少なくとも1種の皮膜形成剤を水と混合するステップ。
ステップe:活性相の混合
a)およびb)でそれぞれ得られた2つの活性相を混合し、完全にホモジナイズするまで撹拌を維持するステップ。
ステップf(場合により):脂肪相の調製:
オイルおよび(Olepal Isostearique、Cetiol SN PH、Crodamol DA、Speziol C18、Cosbiolのタイプの)固体脂肪物質、場合によって、(Glucate SS、Glucamate SSE 20、Brij 721、Tefose 1500のタイプの)乳化剤および(フェノキシエタノールおよびプロピルパラベンタイプの)保存剤を混合するステップであって、
混合物を加熱し、ホジナイズした後、組成物中に存在する場合、最後に(シクロメチコン5NFタイプの)揮発性シリコーンを導入するステップ。
ステップg(場合により):乳化:
高温で、脂肪相を水相に導入して、乳化を行うステップであって、数分間加熱を維持し、次いで、停止して生成物を冷却するステップ。
ステップh:単一の活性相の添加:
e)で得られた単一の活性相を、ゲル用に、c)で得られた水相に導入する、または乳剤用に、g)で得られた相に導入するステップ。
ステップi(場合により):Simulgel 600PHAの添加:
Simulgel 600PHAを、撹拌しながら、h)で得られた相に導入するステップであって、完全にホモジナイズするまで撹拌を維持するステップ。
ステップj:中和:
必要なら、(トリエタノールアミンまたは10%水酸化ナトリウム溶液のタイプの)ゲル化剤のための中和剤を、ステップh)またはi)で得られた相に導入するステップ。
ステップk:(場合により)皮膜形成相の添加:
皮膜形成剤が水相に導入されていない場合、ステップd)で調製された皮膜形成相を添加するステップ。
ステップl:(場合により)水による調整:
必要なら、水による調整を行うステップ。
【0118】
より詳細に、本発明による組成物を調製するための代替方法は、以下のステップを含む。
【0119】
有効成分を、上記の方法の最初のステップで混合し、したがって、ステップa)およびb)をステップa’)、すなわち、
a’)2つの活性剤を含む単一の活性相を調製するステップ
に置き換える。
【0120】
同様の試験条件によって、ナフトエ酸誘導体および過酸化ベンゾイルを、少なくとも1種の湿潤剤と、水中で完全に分散されるまで混合して、単一の活性相を得る。
【0121】
次いで、その方法をステップc)から開始して前述したように続け、ステップe)を排除する。
【0122】
本発明は、化粧品および皮膚科学おける上述の新規な組成物の使用に関する。
【0123】
具体的には、本発明は、細胞の分化および増殖に関係する角化障害と関連する皮膚科学的状態の治療および/または予防における使用のための医薬組成物、特に、尋常性ざ瘡、面皰性ざ瘡、丘疹膿疱性ざ瘡、丘疹面皰性ざ瘡、嚢胞性ざ瘡、集簇性ざ瘡、項部のケロイドざ瘡、再発性粟粒性ざ瘡、壊死性ざ瘡、新生児ざ瘡、職業性ざ瘡、老年性ざ瘡、日光性ざ瘡および薬剤性ざ瘡を治療するための医薬組成物を調製するための、上記組成物の使用に関する。より特定すると、本発明の対象は、細胞の分化および増殖に関係する角化障害と関連する皮膚科学的状態の治療および/または予防におけるその使用のための、特に、尋常性ざ瘡、面皰性ざ瘡、丘疹膿疱性ざ瘡、丘疹面皰性ざ瘡、嚢胞性ざ瘡、集簇性ざ瘡、項部のケロイドざ瘡、再発性粟粒性ざ瘡、壊死性ざ瘡、新生児ざ瘡、職業性ざ瘡、酒さ性ざ瘡、老年性ざ瘡、日光性ざ瘡および薬剤性ざ瘡を治療するための、本発明による組成物である。
【0124】
より特定すると、本発明は、尋常性ざ瘡を予防および/または治療する上で使用する医薬組成物の調製のための、上記組成物の使用に関する。
【0125】
優先的に、前記本発明による組成物は局所に投与される。「局所に」という用語は、皮膚、外皮または粘膜に投与することを意味するものとする。
【0126】
さらに、本発明はまた、ざ瘡になりやすい皮膚の治療のための、皮膚もしくは毛髪の脂ぎった外観と戦うための、太陽光の有害な影響から保護する上での、または生理的に脂ぎった皮膚の治療における、または光誘導性のもしくは経時的な老化を予防し、及び/またはそれと戦うための本発明による組成物の美容的使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0127】
本発明は、下記に示す以下の実施例ならびに物理的および化学的安定性データを用いてここに例示される。
【0128】
配合物の物理的安定性を、室温でT0、T+1ヵ月、T+2ヵ月およびT+3ヵ月で貯蔵した配合物を肉眼的および顕微鏡的な観察によってモニターする。
【0129】
RTで肉眼で観察すると、生成物の物理的完全性を保証することができる。
【0130】
顕微鏡で観察すると、2つの活性剤の分散の品質を評価することができる。アダパレンを蛍光灯において観察し、過酸化ベンゾイルを偏光で観察する。
【0131】
最終製品の特性決定は、降伏点測定および粘度測定によって完了する。
【0132】
SVDIN測定スピンドルを有するVT550型のHaakeレオメーターを、降伏点を測定するために用いる。
【0133】
レオグラムは、25℃で0〜100s-1までの速度セットで生成される。粘度値は、一定の剪断応力値4s-1、20s-1および100s-1(γ)で記録される。「降伏点」(パスカルで表されるτ0)という用語は、ファンデルワールス型の凝集力を克服するためにおよび流動性をもたらすために必要な力(最小剪断応力)を意味することが理解される。
【0134】
Brookfield RVDVII+およびLDVDII+型の粘度計を粘度測定のために用いる。
【0135】
これらの2つのタイプのBrookfield粘度計で測定することができる粘度範囲は、以下の通りである。
RVDVII+粘度計:100cP〜40McP
LVDVII+粘度計:15cP〜6McP
【0136】
乳剤について、開始時間T0で、
-粘度が30000cPを超える場合、クリーム剤
-粘度が30000cP未満の場合、ローション剤
として存在するとみなされる(Lucinda Buhse、ACPS、2003年10月22日、Pharmaceutical nomenclature-Issues and challenges)。
【0137】
化学的安定性は、アダパレンのHPLCアッセイによっておよび過酸化ベンゾイルのヨウ素滴定アッセイによって保証される。
【0138】
結果を、アダパレンおよび過酸化ベンゾイルをg/gで、理論値(theoretical titre)に関して%として表す。
【実施例】
【0139】
(実施例1)
5%過酸化ベンゾイル、0.1%アダパレンおよび皮膜形成剤としての4% Kollidon VA64(コポビドン)を含むゲルタイプの配合物。
配合物を、主な方法および/または代替方法で記載された手順に従って調製する。
【0140】
構成物 含有量(% 重量/重量)
過酸化ベンゾイル 5.00
アダパレン 0.10
プロピレングリコール 4.00
Synperonic PE/L44 0.20
EDTA 0.10
グリセロール 4.00
Kollidon VA64 4.00
ナトリウムドクサート 0.05
Simulgel 600PHA 4.00
純水 100%までの適量
【0141】
安定性データ:
物理的安定性:
【0142】
【表1】

【0143】
【表2】

【0144】
化学的安定性:
- アダパレン:
【0145】
【表3】

【0146】
- 過酸化ベンゾイル:
【0147】
【表4】

【0148】
(実施例2)
2.5%過酸化ベンゾイル、0.1%アダパレンおよび皮膜形成剤としての2%ヒアルロン酸ナトリウムを含むゲルタイプの配合物:
配合物を、主な方法および/または代替方法で記載された手順に従って調製する。
【0149】
構成物 含有量(% 重量/重量)
過酸化ベンゾイル 2.50
アダパレン 0.10
プロピレングリコール 4.00
Synperonic PE/L44 0.20
EDTA 0.10
グリセロール 4.00
ヒアルロン酸ナトリウム 2.00
Simulgel 600PHA 2.00
純水 100%までの適量
【0150】
安定性データ:
物理的安定性:
【0151】
【表5】

【0152】
【表6】

【0153】
化学的安定性:
- アダパレン:
【0154】
【表7】

【0155】
- 過酸化ベンゾイル:
【0156】
【表8】

【0157】
(実施例3)
0.1%アダパレン、2.5%過酸化ベンゾイルおよび皮膜形成剤としての4%Kollidon 30を含むゲルタイプの配合物:
配合物を、主な方法および/または代替方法で記載された手順に従って調製する。
【0158】
構成物 含有量(% 重量/重量)
過酸化ベンゾイル 2.50
アダパレン 0.10
プロピレングリコール 4.00
Synperonic PE/L44 0.20
EDTA 0.10
グリセロール 4.00
ナトリウムドクサート 0.05
Kollidon 30 4.00
Simulgel 600PHA 4.00
純水 100%までの適量
【0159】
安定性データ:
物理的安定性:
【0160】
【表9】

【0161】
【表10】

【0162】
化学的安定性:
- アダパレン:
【0163】
【表11】

【0164】
- 過酸化ベンゾイル:
【0165】
【表12】

【0166】
(実施例4)
0.1%アダパレン、2.5%過酸化ベンゾイルおよび皮膜形成剤としての2%ポリビニルアルコールを含むゲルタイプの配合物:
配合物を、主な方法および/または代替方法で記載された手順に従って調製する。
【0167】
構成物 含有量(% 重量/重量)
過酸化ベンゾイル 2.50
アダパレン 0.10
プロピレングリコール 4.00
Synperonic PE/L44 0.20
EDTA 0.10
グリセロール 4.00
ナトリウムドクサート 0.05
Mowiol 40-88 2.00
Simulgel 600PHA 4.00
純水 100%までの適量
【0168】
安定性データ:
物理的安定性:
【0169】
【表13】

【0170】
【表14】

【0171】
化学的安定性:
- アダパレン:
【0172】
【表15】

【0173】
- 過酸化ベンゾイル:
【0174】
【表16】

【0175】
(実施例5)
0.1%アダパレン、2.5%過酸化ベンゾイルおよび皮膜形成剤としての1%Celquat SC240Cを含むゲルタイプの配合物。
配合物を、主な方法および/または代替方法で記載された手順に従って調製する。
【0176】
構成物 含有量(% 重量/重量)
過酸化ベンゾイル 2.50
アダパレン 0.10
プロピレングリコール 4.00
Synperonic PE/L44 0.20
EDTA 0.10
グリセロール 4.00
ナトリウムドクサート 0.05
Celquat SC240C 1.00
Natrosol 250HHX 0.80
純水 100%までの適量
【0177】
(実施例6)
0.1%アダパレン、2.5%過酸化ベンゾイルおよび皮膜形成剤としての0.5%ヒアルロン酸ナトリウムを含むクリームタイプの配合物:
配合物を、主な方法および/または代替方法で記載された手順に従って調製する。
【0178】
構成物 含有量(% 重量/重量)
過酸化ベンゾイル 2.50
アダパレン 0.10
プロピレングリコール 5.00
Synperonic PE/L44 0.20
EDTA 0.10
グリセロール 5.00
Carbopol Ultrez 20 0.70
Marcol 152 7.00
ヒアルロン酸ナトリウム 0.50
BHA 0.005
純水 100%までの適量
【0179】
(実施例7)
0.1%アダパレン、2.5%過酸化ベンゾイルおよび皮膜形成剤としての6%Kollidon VA64(コポビドン)を含むクリームタイプの配合物:
配合物を、主な方法および/または代替方法で記載された手順に従って調製する。
【0180】
構成物 含有量(% 重量/重量)
過酸化ベンゾイル 2.50
アダパレン 0.10
プロピレングリコール 6.00
Synperonic PE/L44 0.20
ナトリウムドクサート 0.05
EDTA 0.10
Carbopol Ultrez 20 0.20
グリセロール 3.00
Glucamate SSE 20 3.50
Glucate SS 3.50
ペルヒドロスクアレン 6.00
St-Cyclomethicone 5NF 13.00
Kollidon VA64 6.00
純水 100%までの適量
トリエタノールアミン 適量 pH5.5±0.5
【0181】
安定性データ:
物理的安定性:
【0182】
【表17】

【0183】
【表18】

【0184】
化学的安定性:
- アダパレン:
【0185】
【表19】

【0186】
- 過酸化ベンゾイル
【0187】
【表20】

【0188】
(実施例8)
0.3%アダパレン、5%過酸化ベンゾイルおよび皮膜形成剤としての1%ヒアルロン酸ナトリウムを含むクリームタイプの配合物:
配合物を、主な方法および/または代替方法で記載された手順に従って調製する。
【0189】
構成物 含有量(% 重量/重量)
過酸化ベンゾイル 5.00
アダパレン 0.30
ジプロピレングリコール 5.00
Synperonic PE/L44 0.20
グリセロール 7.00
EDTA 0.10
Eumulgin B2 PH 3.00
Arlacel 165FL 3.00
Speziol C18 Pharma 2.00
Mygliol 812 N 7.00
St-Cyclomethicone 5NF 6.00
Simulgel 600PHA 2.00
ヒアルロン酸ナトリウム 1.00
純水 100%までの適量
【0190】
安定性データ:
物理的安定性:
【0191】
【表21】

【0192】
【表22】

【0193】
化学的安定性:
- アダパレン:
【0194】
【表23】

【0195】
- 過酸化ベンゾイル:
【0196】
【表24】

【0197】
(実施例9)
0.1%アダパレン、5%過酸化ベンゾイルおよび皮膜形成剤としての4%Kollidon VA64(コポビドン)を含むクリームタイプの配合物:
配合物を、主な方法および/または代替方法で記載された手順に従って調製する。
【0198】
構成物 含有量(% 重量/重量)
過酸化ベンゾイル 5.00
アダパレン 0.10
プロピレングリコール 6.00
Synperonic PE/L44 0.20
EDTA 0.10
グリセロール 7.00
Natrosol 250HHX 0.20
Eumulgin B2 PH 3.00
Speziol C18 pharma 2.00
Miglyol 812 N 7.00
Arlacel 165 FL 3.00
St-Cyclomethicone 5NF 6.00
Simulgel 600PHA 2.00
Kollidon VA64 4.00
純水 100%までの適量
トリエタノールアミン 適量 pH5.5±0.5
【0199】
安定性データ:
物理的安定性:
【0200】
【表25】

【0201】
【表26】

【0202】
化学的安定性:
- アダパレン:
【0203】
【表27】

【0204】
- 過酸化ベンゾイル:
【0205】
【表28】

【0206】
(実施例10)
0.1%アダパレン、2.5%過酸化ベンゾイルおよび皮膜形成剤としての0.5%ヒアルロン酸ナトリウムを含む液状クリームタイプの配合物:
配合物を、主な方法および/または代替方法で記載された手順に従って調製する。
【0207】
構成物 含有量(% 重量/重量)
過酸化ベンゾイル 2.50
アダパレン 0.10
プロピレングリコール 5.00
Synperonic PE/L44 0.20
EDTA 0.10
グリセロール 5.00
Carbopol Ultrez 20 0.70
Marcol 152 7.00
ヒアルロン酸ナトリウム 0.50
純水 100%までの適量
10%水酸化ナトリウム 適量 pH5.5±0.5
【0208】
安定性データ:
物理的安定性:
【0209】
【表29】

【0210】
【表30】

【0211】
化学的安定性:
- アダパレン:
【0212】
【表31】

【0213】
- 過酸化ベンゾイル:
【0214】
【表32】

【0215】
(実施例11)
0.1%アダパレン、2.5%過酸化ベンゾイルおよび皮膜形成剤としての4%Kollidon VA64(コポビドン)を含むクリームタイプの配合物:
配合物を、主な方法および/または代替方法で記載された手順に従って調製する。
【0216】
構成物 含有量(% 重量/重量)
過酸化ベンゾイル 2.50
アダパレン 0.10
プロピレングリコール 5.00
Synperonic PE/L44 0.20
グリセロール 5.00
St-Cyclomethicone 5NF 7.00
Kollidon VA64 4.00
Simulgel 600PHA 3.00
純水 100%までの適量
【0217】
安定性データ:
物理的安定性:
【0218】
【表33】

【0219】
【表34】

【0220】
化学的安定性:
- アダパレン:
【0221】
【表35】

【0222】
- 過酸化ベンゾイル:
【0223】
【表36】

【0224】
(実施例12)
0.1%アダパレン、2.5%過酸化ベンゾイルおよび皮膜形成剤としての4%Kollidon 90Fを含むクリームタイプの配合物:
配合物を、主な方法および/または代替方法で記載された手順に従って調製する。
【0225】
構成物 含有量(% 重量/重量)
過酸化ベンゾイル 2.50
アダパレン 0.10
プロピレングリコール 6.00
Synperonic PE/L44 0.20
ナトリウムドクサート 0.05
EDTA 0.10
Carbopol Ultrez 20 0.20
グリセロール 3.00
Glucamate SSE 20 3.50
Glucate SS 3.50
Sophiderm 6.00
St-Cyclomethicone 5NF 13.00
Kollidon 90F 4.00
純水 100%までの適量
トリエタノールアミン 適量 pH5.5±0.5
【0226】
安定性データ:
物理的安定性:
【0227】
【表37】

【0228】
【表38】

【0229】
化学的安定性:
- アダパレン:
【0230】
【表39】

【0231】
- 過酸化ベンゾイル:
【0232】
【表40】

【0233】
(実施例13)
0.1%アダパレン、2.5%過酸化ベンゾイルおよび皮膜形成剤としての2%Dermacryl 79を含むクリームタイプの配合物:
配合物を、主な方法および/または代替方法で記載された手順に従って調製する。
【0234】
構成物 含有量(% 重量/重量)
過酸化ベンゾイル 2.50
アダパレン 0.10
プロピレングリコール 6.00
Synperonic PE/L44 0.20
EDTA 0.10
グリセロール 7.00
Natrosol HHX250 0.20
Eumulgin B2 PH 3.00
Speziol C18 pharma 2.00
Miglyol 812 N 7.00
Arlacel 165 FL 3.00
St-Cyclomethicone 5NF 6.00
Simulgel 600PHA 2.00
Dermacryl 79 2.00
純水 100%までの適量
トリエタノールアミン 適量 pH5.5±0.5
【0235】
安定性データ:
物理的安定性:
【0236】
【表41】

【0237】
【表42】

【0238】
化学的安定性:
- アダパレン:
【0239】
【表43】

【0240】
- 過酸化ベンゾイル:
【0241】
【表44】

【0242】
(実施例14)
0.3%アダパレン、1.0%過酸化ベンゾイルおよび皮膜形成剤としての3%Kollidon 90Fを含むローションタイプの配合物:
配合物を、主な方法および/または代替方法で記載された手順に従って調製する。
【0243】
構成物 含有量(% 重量/重量)
過酸化ベンゾイル 1.00
アダパレン 0.30
Avicel CL611 1.50
Synperonic PE/L44 0.20
メチルパラベン 0.15
Brij 721 3.00
Arlacel 1656FL 3.00
プロピルパラベン 0.05
Sophiderm 5.00
Cetiol SN PH 5.00
ジプロピレングリコール 3.00
Simulgel 600PHA 1.00
Kollidon 90F 3.00
純水 100%までの適量
【0244】
安定性データ:
物理的安定性:
【0245】
【表45】

【0246】
【表46】

【0247】
化学的安定性:
- アダパレン:
【0248】
【表47】

【0249】
- 過酸化ベンゾイル:
【0250】
【表48】

【0251】
(実施例15)
0.3%アダパレン、1%過酸化ベンゾイル、および皮膜形成剤としての0.5%ヒアルロン酸ナトリウムを含むローションタイプの配合物:
配合物を、主な方法および/または代替方法で記載された手順に従って調製する。
【0252】
構成物 含有量(% 重量/重量)
過酸化ベンゾイル 1.00
アダパレン 0.30
Avicel CL611 1.50
Synperonic PE/L44 0.20
メチルパラベン 0.15
Brij 721 3.00
Arlacel 165FL 3.00
プロピルパラベン 0.05
Sophiderm 5.00
Cetiol SN PH 5.00
ジプロピレングリコール 3.00
Simulgel 600PHA 1.50
ヒアルロン酸ナトリウム 0.50
純水 100%までの適量
【0253】
安定性データ:
物理的安定性:
【0254】
【表49】

【0255】
【表50】

【0256】
化学的安定性:
- アダパレン:
【0257】
【表51】

【0258】
- 過酸化ベンゾイル:
【0259】
【表52】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
生理的に許容される媒体中に、少なくとも1種のナフトエ酸誘導体、過酸化ベンゾイルおよび少なくとも1種の皮膜形成剤を含む、組成物。
【請求項2】
生理的に許容される媒体中に、少なくとも1種のナフトエ酸誘導体、過酸化ベンゾイル、ならびにポリビニルピロリドン;セルロースを除く多糖類およびそれらの誘導体、特に、ヒドロキシプロピルセルロースおよびキサンタンガム;アクリルコポリマー;ポリビニルアルコールおよびポリクオタニウムから選択される少なくとも1種の皮膜形成剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
皮膜形成剤が、水溶性ポリビニルピロリドンから選択されることを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
多糖類が、ペクチン、ガム及びヒアルロン酸ナトリウムから選択されることを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
アクリルコポリマーが、アクリラート/メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマー、アクリラート/メタクリル酸アンモニウムコポリマー、およびアクリラート/オクチルアクリルアミドコポリマーから選択されることを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
【請求項6】
ポリビニルアルコールが、重合度500〜5000、加水分解度85〜89%、及び粘度20〜65mPa.s(20℃で水中4%(重量/重量))を有するポリビニルアルコールから選択されることを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
【請求項7】
ポリクオタニウムが、ポリクオタニウム1、10および7から選択されることを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
【請求項8】
ナフトエ酸誘導体および/または過酸化ベンゾイルが、前記組成物中で分散した形態であることを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項9】
ナフトエ酸誘導体が、式(I)の化合物であることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の組成物
【化1】

[式中、Rは、水素原子、ヒドロキシル基、1〜4個の炭素原子を含む分枝または非分枝のアルキル基、1〜10個の炭素原子を含むアルコキシ基または脂環式基を表す]。
【請求項10】
ナフトエ酸誘導体の濃度が、組成物の全重量に対して0.001重量%〜10重量%であり、優先的には0.01重量%〜5重量%であり、より優先的には0.05重量%〜2重量%であることを特徴とする、請求項1、2および9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
ナフトエ酸誘導体が、6-[3-(1-アダマンチル)-4-メトキシフェニル]-2-ナフトエ酸、6-[3-(1-アダマンチル)-4-ヒドロキシフェニル]-2-ナフトエ酸、6-[3-(1-アダマンチル)-4-デシルオキシフェニル]-2-ナフトエ酸および6-[3-(1-アダマンチル)-4-ヘキシルオキシフェニル]-2-ナフトエ酸から選択されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
ナフトエ酸誘導体が、6-[3-(1-アダマンチル)-4-メトキシフェニル]-2-ナフトエ酸であることを特徴とする、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
6-[3-(1-アダマンチル)-4-メトキシフェニル]-2-ナフトエ酸の濃度が、組成物の全重量に対して約0.1重量%であることを特徴とする、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
6-[3-(1-アダマンチル)-4-メトキシフェニル]-2-ナフトエ酸が、組成物の全重量に対して約0.3重量%であることを特徴とする、請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
皮膜形成剤の濃度が、組成物の全重量に対して0.5重量%〜20重量%であり、好ましくは、0.5重量%〜10重量%、優先的には0.5重量%〜6重量%であることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
皮膜形成剤の濃度が、組成物の全重量に対して0.5重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%または6重量%であることを特徴とする、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
水性、水性アルコール性もしくは油性の分散液、水性、無水もしくは親油性のゲル、水相に脂肪相を分散させることによってまたはその逆によって得られる液体、半液体もしくは固体コンシステンシーの乳剤、あるいは軟質、半液体もしくは固体コンシステンシーの懸濁液、あるいはマイクロエマルション、マイクロカプセル、微小粒子またはイオン型および/または非イオン型の小胞分散体の形態である、請求項1から16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
ゲルの形態である、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
乳剤の形態である、請求項17に記載の組成物。
【請求項20】
乳剤が、ローション剤、クリーム剤、乳化剤を含まないクリーム剤から選択される形態であることを特徴とする、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
水中に、
- ナフトエ酸誘導体0.1%〜0.3%;
- 過酸化ベンゾイル1%〜10%;
- 水30%〜95%;
- 少なくとも1種の皮膜形成剤0.5%〜10%;
- 1種または複数のゲル化剤および/または懸濁化剤および/またはpH非依存性ゲル化剤0.10%〜3%;
- 1種または複数のキレート化剤0%〜1.5%;
- 1種または複数の湿潤剤0.1%〜10%;
ならびに、
- 保存剤0.01%〜3%
を含むことを特徴とする、請求項17に記載の組成物。
【請求項22】
水中に、
- ナフトエ酸誘導体0.1%〜0.3%;
- 過酸化ベンゾイル2%〜5%;
- 水30%〜95%;
- 少なくとも1種の皮膜形成剤1%〜10%;
- 1種または複数のゲル化剤および/または懸濁化剤および/またはpH非依存性ゲル化剤0.1%〜3%;
- キレート化剤0.01%〜1.5%;
- 1種または複数の湿潤剤0.1%〜10%;
- 皮膚軟化剤0.1%〜20%;ならびに
- 保存剤0.01%〜3%
を含むことを特徴とする、請求項17に記載の組成物。
【請求項23】
水中に、
- ナフトエ酸誘導体0.1%〜0.3%;
- 過酸化ベンゾイル1%〜10%、好ましくは2%〜5%;
- 水30%〜95%;
- 少なくとも1種の皮膜形成剤0.5%〜10%;
- 1種または複数のゲル化剤および/または懸濁化剤および/またはpH非依存性ゲル化剤0.1%〜3%;
- 1種または複数のキレート化剤0%〜1.5%;
- 1種または複数の湿潤剤0.1%〜10%;
- 1種または複数の保湿剤および/または皮膚軟化剤0%〜20%;
- 乳化剤0〜10%;
- 脂肪相0.1%〜30%;ならびに
- 1種または複数の添加剤0%〜20%
を含むことを特徴とする、請求項17から22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
医薬品としての、請求項1から23のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項25】
以下のステップ:
a)2つの活性剤のうち1つを含む活性相1の調製;
b)残りの活性剤を含む活性相2の調製;
c)水相の調製;
d)(場合により)皮膜形成相の調製;
e)a)およびb)で調製された2つの活性相の混合;
f)(場合により)脂肪相の調製;
g)(場合により)f)およびc)で得られた相の混合物の乳化;
h)g)またはc)で得られた相のe)で得られた単一の活性相との混合;
i)(場合により)ポリアクリルアミドの添加;
j)(場合により)h)で得られた配合物の中和;
k)(場合により)皮膜形成相の添加;
l)(場合により)水による調整
を含むことを特徴とする、請求項1から24のいずれか一項に記載の組成物を調製するための方法。
【請求項26】
有効成分を、請求項25に記載の方法の最初のステップで混合し、
したがって、ステップa)およびb)を、ステップa’)、すなわち、
a’)2つの活性剤を含む単一の活性相を調製するステップ
に置き換え、
次いで、その方法を、請求項25に記載した方法のステップc)から開始して、前述したように続けることを特徴とする、請求項25に記載の調製方法。
【請求項27】
以下のステップ:
ステップa:活性相1の調製:
純水および有効成分1(アダパレン)を少なくとも1種の湿潤剤と、前記ナフトエ酸誘導体が完全に分散されるまで混合して、活性相1を得るステップと、
ステップb:活性相2の調製:
純水および有効成分2(過酸化ベンゾイル)を少なくとも1種の湿潤剤と、前記過酸化ベンゾイルが完全に分散されるまで混合して、活性相2を得るステップと、
ステップc:水相の調製:
純水およびゲル化剤および/またはpH非依存性ゲル化剤(ポリアクリルアミドを除く)および/または懸濁化剤、場合によって、キレート化剤、保存剤、親水性乳化剤、安定剤、保湿剤および/または皮膚軟化剤、および皮膜形成剤を、撹拌しながら、必要なら高温で、ビーカーに導入するステップと、
ステップd:場合によって、少なくとも1種の皮膜形成剤を水と混合して皮膜形成相を得るステップと、
ステップe:活性相の混合:
a)およびb)でそれぞれ得られた2つの活性相を混合し、完全にホモジナイズするまで撹拌を維持するステップと、
ステップf(場合によって、乳剤を得るための):脂肪相の調製:
油性化合物、固体脂肪物質、及び場合によって、親油性乳化剤および保存剤を混合するステップであって、
混合物を加熱し、ホジナイズした後、組成物中に存在する場合、最後に揮発性シリコーンを導入するステップと、
ステップg(場合により):乳化:
高温で、脂肪相を水相に導入して乳化を行うステップであって、
数分間加熱を維持し、次いで、生成物を冷却するステップと、
ステップh:単一の活性相の添加:
e)で得られた単一の活性相を、ゲル用に、c)で得られた水相に導入する、または乳剤用に、g)で得られた相に導入するステップと、
ステップi(場合により):ポリアクリルアミドの添加:
ポリアクリルアミドを、撹拌しながら、h)で得られた相に導入するステップであって、
完全にホモジナイズするまで撹拌を維持するステップと、
ステップj:中和:
必要なら、ゲル化剤のための中和剤を、h)またはi)で得られた相に導入するステップと、
ステップk:(場合により)皮膜形成相の添加:
皮膜形成剤が水相に導入されていない場合、ステップd)で調製された皮膜形成相を添加するステップと、
ステップl:(場合により)水による調整:
必要なら、水による調整を行うステップ
を含むことを特徴とする、請求項25に記載の調製方法。
【請求項28】
有効成分を、請求項27に記載の方法の最初のステップで混合し、
したがって、ステップa)およびb)を、ステップa’)、すなわち、
a’)2つの活性剤を含む単一の活性相を調製するステップ
に置き換え、
次いで、その方法を、請求項27に記載した方法のステップc)から開始して、前述したように続けることを特徴とする、請求項27に記載の調製方法。
【請求項29】
細胞の分化および増殖に関係する角化障害と関連する皮膚科学的状態の治療および/または予防に使用する医薬組成物の調製のための、請求項1から24のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項30】
細胞の分化および増殖に関係する角化障害と関連する皮膚科学的状態が、尋常性ざ瘡、面皰性ざ瘡、丘疹膿疱性ざ瘡、丘疹面皰性ざ瘡、嚢胞性ざ瘡、集簇性ざ瘡、項部のケロイドざ瘡、再発性粟粒性ざ瘡、壊死性ざ瘡、新生児ざ瘡、職業性ざ瘡、酒さ性ざ瘡、老年性ざ瘡、日光性ざ瘡および薬剤性ざ瘡から選択されることを特徴とする、請求項29に記載の使用。
【請求項31】
尋常性ざ瘡の予防および/または治療に使用する医薬組成物の調製のための、請求項30に記載の組成物の使用。
【請求項32】
ざ瘡になりやすい皮膚の治療のための、皮膚もしくは毛髪の脂ぎった外観と戦うための、太陽光の有害な影響から保護する上での、または生理学的に脂ぎった皮膚の治療における、または光誘導性のもしくは経時的な老化を予防し、及び/またはそれと戦うための、請求項1から23のいずれか一項に記載の組成物の美容的使用。

【公表番号】特表2011−504923(P2011−504923A)
【公表日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−535441(P2010−535441)
【出願日】平成20年12月1日(2008.12.1)
【国際出願番号】PCT/FR2008/052169
【国際公開番号】WO2009/077693
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(599045604)ガルデルマ・リサーチ・アンド・デヴェロップメント (117)
【Fターム(参考)】