説明

少なくとも1種の非プロトン性炭化水素をベースとする揮発性溶媒を含む化粧品組成物

本出願は、生理学的に許容できる媒体中に、1個以下の分岐を含む少なくとも1種の非プロトン性炭化水素をベースとする揮発性溶媒を含む化粧品組成物に関し、前記溶媒は、30分間に蒸発する量が4.1mg/cm2〜24mg/cm2であるような揮発性を有する。この組成物は、ケラチン物質、特に、皮膚、唇および/または外皮の手入れおよび/またはメイクアップのための製品として使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品組成物、特に、ヒトの顔もしくは体の皮膚、頭皮、唇、または毛髪、まつ毛、眉毛もしくは爪などの外皮のメイクアップまたは手入れのための化粧品組成物に関する。
【0002】
本発明の組成物は、唇、体、またはこれも手入れ特性を有しうる外皮のための手入れ製品、ヘアスタイリング製品またはメイクアップ製品を特に構成することができる。本発明の組成物は、リップスティックまたはリップグロス、フェースパウダーまたはアイシャドウ、入れ墨製品、マスカラ、アイライナー、人工日焼け製品、ファンデーションまたは手入れクリームを特に構成することができる。
【背景技術】
【0003】
化粧品組成物は、持続力、移動抵抗、移行抵抗、施用所要時間、塗布時の滑り(または良好な広がり)、快適さ、光沢またはカバー度などの特定の特性を一般に有しなければならない。同一の組成物が、必ずしも全てのこれらの特性を有しなくてもよい。しかし、大部分の場合、組成物はそれらの少なくともいくつかを有することが望ましい。
【0004】
組成物の持続力は、特に水または指でこすることに対する持続力、あるいは涙、汗または皮脂に対する持続力の場合がある。
【0005】
移動抵抗特性は、組成物に関する限り、唇および目(特にまぶた)の周りにあるしわまたは細い線などの皮膚の折り目に入り込まないことに相当する。
【0006】
組成物の移行抵抗特性は、一度施用されると、それが接触するもの(例えば、グラス、カップ、タバコ、服)の表面上に目立って付着しない事実に相当する。
【0007】
製品の施用所要時間は、消費者が前記製品を施用する場合に、それを使いうる時間に相当し、したがって、製品が施用される容易さを反映する。
【0008】
化粧品組成物は通常、揮発性溶媒を含有する脂肪相を含む。実際は、前記溶媒は、付着の間および後の製品特性の変化を引き起こすことを可能にし、それによって、想定する化粧品によって、付着した製品の持続力特性、または製品の施用の間の快適さもしくは手触り特性、およびまた付着物の特定の力学的または光学特性をもたらす。
【0009】
これらの揮発性溶媒は、手入れ、衛生、毛髪製品、香料およびメイクアップの分野において、非常に多様なガレヌス形態、直接または逆エマルジョン、無水ペースト、無水スティック、固形エマルジョンなどにおいて従来使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許出願WO06/013413号
【特許文献2】EP-A-542669
【特許文献3】EP-A-787730
【特許文献4】EP-A-787731
【特許文献5】WO-A-96/08537
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Organic Chemistry、S.H.Pine、第5版、McGraw-Hill、第3章
【非特許文献2】Van Krevelen, D.W.、Properties of Polymer Their Correlation with Chemical Structure; Their Estimation and Prediction from Additive Group Contribution、第3版、Elsevier(1990)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
化粧品組成物の配合との関連で、上記の特性の少なくともいくつかを有する組成物を得ることを可能にする新規な揮発性溶媒を有することは有利であろう。
【0013】
化合物の特定のカテゴリーは上記の基準に合致し、したがって例えば、良好な広がりおよび/またはベタ付きのない感触および/または快適さおよび/または移行抵抗および/または移動抵抗などの優れた化粧品の特性を組成物に与えることを本出願人は予期せずに見出した。
【0014】
このリストは網羅的ではなく、より一般には、これらの化合物は、化粧品組成物中に通常存在する他の構成物質と良好な適合性を示し、従来から所望である特性の大部分を組成物に与える。
【課題を解決するための手段】
【0015】
さらに具体的には、本発明の対象は、生理学的に許容できる媒体中に、1個以下の分岐を含む少なくとも1種の非プロトン性炭化水素をベースとする揮発性溶媒を含む化粧品組成物であり、前記溶媒は、30分間に蒸発する量が、(以下で定義する条件下で化合物単独で測定した場合)4.1mg/cm2〜24mg/cm2であるような揮発性を有する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
溶媒の揮発性の測定は、以下に規定するプロトコルによって30分間に蒸発する量の関数として特許出願WO06/013413号に記載されている。
【0017】
溶媒の蒸発速度の測定(プロトコル)
試験する15gの油または油の混合物を、制御された温度(25℃)および制御された湿度測定(相対湿度50%)で、約0.3m3のチャンバー内にあるはかり上に置いた結晶皿(直径7cm)中に置く。液体を撹拌せずに自由に蒸発させ、その間溶媒を含有する結晶皿の垂直真上に位置するファン(Papst-Motoren、参照番号8550N、2700rpmで回転)で換気を行い、羽を結晶皿に面するようにし、結晶皿の底から20cmとする。結晶皿中に残る油の質量を定期的に測定する。蒸発速度は、表面積単位(cm2)当たりおよび時間単位(分)当たりの蒸発した油のmgで表す。
【0018】
指標として、このプロトコルによる(1個以下の分岐を含む炭化水素をベースとする揮発性溶媒の定義に相当しない)特定の揮発性油について30分後に蒸発した揮発性油の質量の量を、以下に示す。
- イソドデカン:24mg/cm2
- オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4):18.7mg/cm2
- デカメチルシクロヘキサシロキサン(D5):4.1mg/cm2
【0019】
好ましくは、前記炭化水素をベースとする揮発性溶媒は、非プロトン性である。
【0020】
「非プロトン性溶媒」という用語は、ヘテロ原子、またはより一般には、O、NまたはSiなどの高度に電気陰性原子に結合している水素原子が殆どないまたはない化合物を意味することを意図する。特に、「非プロトン性油」という用語は、それらの合成からの収率によって、5個数%以下の量の不安定な水素原子を有する残基(例えば、OH、NHおよび/またはCOOH残基)を含むことができる油を意味することを意図する。
【0021】
「炭化水素をベースとする溶媒」という表現は、1種または複数の個々の化合物が伴う場合、およびまたその混合物を包含する。したがって、この表現は、「少なくとも1種の炭化水素をベースとする溶媒」を包含する。
【0022】
「炭化水素をベースとする」という用語は、炭素および水素原子、および任意選択で酸素、窒素、硫黄またはリン原子で本質的に形成され、またはそれどころかそれらからなり、ケイ素またはフッ素原子を含有しない基または化合物を意味することを意図する。それは、アルコール、エーテル、カルボン酸、アミンおよび/またはアミド基を含有する場合がある。好ましくは、「炭化水素をベースとする」という形容詞は、例えば、アルキル、アルケニルまたはアルキニル基などの炭素および水素原子のみからなる基または化合物を意味する。
【0023】
炭化水素をベースとする基の分岐の数は、全分子上の-CH3基の数マイナス1に相当する(主鎖の末端CH3に相当する)。さらに一般には、分子の分岐の数は、少なくとも1個の炭素原子を含有し、分子の主鎖上で分岐している側基の数に相当し、主鎖は分子の最も長い炭素鎖に相当する(Organic Chemistry、S.H.Pine、第5版、McGraw-Hill、第3章を参照されたい)。
【0024】
本発明の状況において、全分子が1個以下の分岐を示す化合物のみが考慮される。
【0025】
好ましくは、本発明による組成物は、ケラチン物質のメイクアップまたは手入れのための化粧品組成物である。
【0026】
本発明の状況において、「ケラチン物質」という用語は、皮膚、唇、爪、毛髪、まつ毛および眉毛を含み、「ケラチン繊維」という用語は、毛髪、まつ毛および眉毛を含む。
【0027】
有利なことには、前記炭化水素をベースとする揮発性溶媒は、少なくとも1個の酸素原子を含む。したがって、揮発性溶媒は、例えば、エステル、エーテル、炭酸エステル、ケトンまたはアルデヒドでよい。
【0028】
好ましくは、前記炭化水素をベースとする揮発性溶媒は、最低7個の炭素原子を含有する。
【0029】
有利なことには、前記炭化水素をベースとする揮発性溶媒は、最大13個の炭素原子を含有する。
【0030】
好ましくは、前記炭化水素をベースとする揮発性溶媒は、直鎖状である。すなわち、化合物の炭化水素をベースとする基(複数可)は、直鎖状である。前記炭化水素をベースとする揮発性溶媒が直鎖状である場合、それらは、7〜11個の炭素原子を有利に含有する。
【0031】
好ましくは、前記炭化水素をベースとする揮発性溶媒は、飽和している。
【0032】
有利なことには、前記揮発性溶媒の炭化水素をベースとする基(複数可)は、脂肪族である。
【0033】
有利なことには、前記揮発性溶媒の炭化水素をベースとする基(複数可)は、アルキル(複数可)である。
【0034】
好ましくは、前記揮発性溶媒は、親油性である。
【0035】
「親油性」という用語は、水不混和性溶媒を意味することを意図する。親油性溶媒は、下記の式によって与えられるそれらの溶解性パラメーターδaに基づいて規定される
【0036】
【数1】

【0037】
式中、δpおよびδhは、参考文献Van Krevelen, D.W.、Properties of Polymer Their Correlation with Chemical Structure; Their Estimation and Prediction from Additive Group Contribution、第3版、Elsevier(1990)によって基の寄与を使用して計算したハンセン溶解性パラメーターである。計算は、前記論文の第7章に記載されている。溶解性パラメーターδd、δpおよびδhを得る式は、212ページに記載されている(Hoftyzer & Van Krevelen方法)。それらは、215ページの表7.9に記載されている所望の構成物質のモル体積(V=ΣNiVi)、および196〜197ページの表7.3に記載されているViの値から計算される。数Niは、1分子当たりの基iの数を表す。この式はまた、213ページの表7.8に記載されているパラメーターFdi、FpiおよびEhiを伴う。
【0038】
本発明による親油性溶媒は、δa<15J1/2.cm-3/2、さらに好ましくはδa<10J1/2.cm-3/2の値を有すると考えられる。
【0039】
好ましくは、前記揮発性溶媒は、43〜100℃、より詳細には、45〜80℃の引火点を有する。指標として、イソドデカンおよびシクロメチコンD5の引火点は、各々45℃および77℃である。
【0040】
好ましくは、前記揮発性溶媒は、30mN/m未満の表面張力を有する。
【0041】
有利なことには、前記揮発性溶媒は、10mPa.s未満の粘度を有する。
【0042】
好ましくは、前記揮発性溶媒は、parleamおよびイソノナン酸イソノニルと任意の比率で混和性であり、5%未満の水混合性を有する。
【0043】
有利なことには、前記揮発性溶媒は、4℃〜100℃で液体である。
【0044】
好ましくは、前記揮発性溶媒は、水添ポリイソブテンおよびイソノナン酸イソノニルと全ての比率で混和性である。
【0045】
有利なことには、本発明による揮発性溶媒は、5%未満の水混合性を有する。
【0046】
好ましくは、前記揮発性溶媒は、4℃〜100℃で液体である。
【0047】
本発明による組成物の炭化水素をベースとする揮発性溶媒(1個以下の分岐を含む)は、例えば、以下の通りである。
1)式R1COOR2のエステル(式中、R1は、水素原子Hまたは直鎖状もしくは分岐状の炭化水素をベースとする基を表し、R2は、直鎖状または分岐状の炭化水素をベースとする基を表し、ただし、
- R2が、直鎖状炭化水素をベースとする基であり、R1が、Hまたは直鎖状炭化水素をベースとする基である場合、7≦R1+R2≦8であり、
- R1およびR2の少なくとも1つが、分岐状炭化水素をベースとする基である場合、8≦R1+R2≦10である)。
2)式R1-CO-R2のケトン(式中、R1およびR2は、同一かまたは異なり、直鎖状または分岐状の炭化水素をベースとする基を表し、ただし、
- R1およびR2が、直鎖状である場合、それらは各々8≦R1+R2≦9で1〜8個の炭素原子を含有し、
- R1および/またはR2が、分岐状である場合、それらは各々9≦R1+R2≦11で1〜10個の炭素原子を含有する)。
3)式R1-O-R2のエーテル(式中、R1およびR2は、同一かまたは異なり、直鎖状または分岐状の炭化水素をベースとする基を表し、ただし、
- R1およびR2が、直鎖状である場合、それらは各々10≦R1+R2≦11で1〜10個の炭素原子を含有し、
- R1および/またはR2が、分岐状である場合、それらは各々10≦R1+R2≦13、好ましくは12≦R1+R2≦13で1〜12個の炭素原子を含有する)。
【0048】
第1の実施形態では、式R1-O-R2のエーテルは、R1+R2=10であるものである。
【0049】
第2の実施形態では、式R1-O-R2のエーテルは、R1+R2=11であるものである。
【0050】
第3の実施形態では、式R1-O-R2のエーテルは、R1+R2=12であるものである。
【0051】
第4の実施形態では、式R1-O-R2のエーテルは、R1+R2=13であるものである。
4)式R1-O-CO-O-R2の炭酸エステル(式中、R1およびR2は、同一かまたは異なり、直鎖状または分岐状の炭化水素をベースとする基を表し、ただし、
- R1およびR2が、直鎖状である場合、それらは各々6≦R1+R2≦7で1〜6個の炭素原子を含有し、
- R1および/またはR2が、分岐状である場合、それらは各々6≦R1+R2≦9で1〜8個の炭素原子を含有する)。
5)式R1COHのアルデヒド(式中、R1は、直鎖状または分岐状の炭化水素をベースとする基を表し、ただし、
- R1が直鎖状である場合、R1は、7または8個の炭素原子を含有し、
- R1が分岐状である場合、R1は、8〜10個の炭素原子を含有する)。
【0052】
様々な対象とした式において、1)から4)の点において、R1およびR2(それが存在する場合)は、互いに独立に選択され、2つの別個の基であり、すなわちそれらは共有結合によって互いに結合していない。
【0053】
上記で示したように、好ましくは、R1および/またはR2(後者が存在する場合)は、好ましくは脂肪族炭化水素をベースとする基、特にアルキルである。
【0054】
第1の実施形態では、R1および/またはR2(後者が存在する場合)は、直鎖状基である。
【0055】
他の実施形態では、R1およびR2(後者が存在する場合)の1つは、分岐状基である。
【0056】
有利な実施形態では、炭化水素をベースとする揮発性溶媒は、四級炭素を含まない。
【0057】
本発明によるエステルの例示として、
- プロパン酸ペンチル、
- ヘキサン酸エチル
- ギ酸ヘプチル、
- ブタン酸ブチル、
- ヘプタン酸メチル、
- 酢酸ヘキシル、
- ペンタン酸プロピル、
- ヘプタン酸エチル、
- オクタン酸メチル、
- 酢酸ヘプチル、
- ギ酸オクチル、
- プロパン酸ヘキシル、
- ブタン酸ペンチル、
- ペンタン酸ブチル、
- ヘキサン酸プロピル、
- ヘキサン酸1-メチルエチル、
- ヘプタン酸1-メチルエチル、
- オクタン酸1-メチルエチル、
- 酪酸2-ペンチル、
- 酪酸イソアミル、
- イソ酪酸ヘキシル
について言及することができる。
【0058】
本発明によるケトンの例示として、
- 4-ノナノン、
- 5-ノナノン、
- 2-ノナノン、
- 3-ノナノン、
- 4-デカノン、
- 5-デカノン、
- 2-デカノン、
- 3-デカノン、
- 3-オクタノン、7-メチル-、
- 3-ノナノン、7-メチル-、
- 2-デカノン、8-メチル-、
- イソドデカノン
について言及することができる。
【0059】
本発明によるエーテルの例示として、
- ノナン、メトキシ-;
- ペンタン、1,1'-オキシビス-;
- ヘプタン、1-プロポキシ-;
- ノナン、1-メトキシ-;
- オクタン、1-エトキシ-;
- ノナン、1-エトキシ-;
- オクタン、1-プロポキシ-;
- ヘキサン、1-(ペンチルオキシ);
- ヘプタン、1-ブトキシ-;
- デカン、1-メトキシ-;
- オクタン、2-エトキシ-;
- ノナン、4-エトキシ-;
- デカン、2-エトキシ;
- エーテル、イソペンチルオクチル
について言及することができる。
【0060】
本発明による炭酸エステルの例示として、
- 炭酸メチルn-ペンチル;
- 炭酸n-ブチルエチル;
- 炭酸ジプロピル;
- 炭酸エチルn-ペンチル;
- 炭酸n-ブチルn-プロピル;
- 炭酸n-ヘキシルメチル;
- 炭酸1-メチルエチルn-プロピル;
- 炭酸エチル1-エチルプロピル;
- 炭酸エチル1-メチルペンチル;
- 炭酸イソオクチルメチル;
- 炭酸1,1-ジエチルプロピルメチル
について言及することができる。
【0061】
本発明によるアルデヒドの例示として、
- オクタナール、
- ノナナール、
- 7-メチルオクタナール、
- 2-メチルオクタナール、
- 5-エチルヘプタナール、
- 2-エチルヘプタナール、
- 8-メチルノナナール、
- 2-メチルノナナール、
- 6-エチルオクタナール、
- 2-エチルオクタナール、
- 2,4-ジエチルヘキサナール、
- 9-メチルデカナール、
- 2-メチルデカナール、
- 5-エチルノナナール、
- 2-エチルノナナール、
- 8,8-ジメチルノナナール、
- 3,5-ジメチルヘプタナール
について言及することができる。
【0062】
本発明の第2の対象は、生理学的に許容できる媒体中に、少なくとも1種の非プロトン性炭化水素をベースとする揮発性溶媒を含む化粧品組成物であり、前記溶媒は、30分間に蒸発する量が、(上記で定義する条件下で化合物単独で測定した場合)4.1mg/cm2〜24mg/cm2であるような揮発性を有し、前記炭化水素をベースとする揮発性溶媒は、式(I)
R1-O-R2(I)
(式中、R1およびR2は、同一かまたは異なり、直鎖状または分岐状の炭化水素をベースとする基を表し、ただし、
- R1およびR2が、直鎖状である場合、それらは各々10≦R1+R2≦11で1〜10個の炭素原子を含有し、
- R1および/またはR2が、分岐状である場合、それらは各々10≦R1+R2≦13、好ましくは12≦R1+R2≦13で1〜12個の炭素原子を含有する)のエーテルである。
【0063】
本発明のこの第2の態様によれば、下記の実施形態を用いることができる。
【0064】
第1の実施形態では、式R1-O-R2のエーテルは、R1+R2=10であるものである。
【0065】
第2の実施形態では、式R1-O-R2のエーテルは、R1+R2=11であるものである。
【0066】
第3の実施形態では、式R1-O-R2のエーテルは、R1+R2=12であるものである。
【0067】
第4の実施形態では、式R1-O-R2のエーテルは、R1+R2=13であるものである。
【0068】
好ましくは、R1および/またはR2は、同一かまたは異なり、好ましくは脂肪族炭化水素をベースとする基である。
【0069】
好ましくは、R1および/またはR2は、同一かまたは異なり、アルキルである。
【0070】
第1の実施形態では、R1および/またはR2は、直鎖状基である。
【0071】
第2の実施形態では、R1および/またはR2は、分岐状基である。
【0072】
有利な実施形態では、R1および/またはR2は、四級炭素を含まない。
【0073】
好ましくは、式Iのエーテルは、4個以下の分岐、またはより好ましくは、2個以下または3個以下の分岐を含まない。
【0074】
好ましくは、式Iのエーテルは、1個以下の分岐を含まない。
【0075】
本発明の第2の目的および本発明の第1の目的によるエーテルの例示として(エーテルは、1個以下の分岐を含む)、
10個の炭素原子を含む直鎖状エーテル、
- ノナン、メトキシ-;
- ペンタン、1,1'-オキシビス;
- ヘプタン、1-プロポキシ-;
- ノナン、1-メトキシ-;
- オクタン、1-エトキシ-
11個の炭素原子を含む直鎖状エーテル
- ノナン、1-エトキシ-;
- オクタン、1-プロポキシ-;
- ヘキサン、1-(ペンチルオキシ);
- ヘプタン、1-ブトキシ-;
- デカン、1-メトキシ-
について言及することができる。
【0076】
10個の炭素原子を含有する分岐状エステルの中で、
ヘキサン、2-ブトキシ-;
ブタン、2,2'-オキシビス[3-メチル-;
ペンタン、1-(1,1-ジメチルプロポキシ)-;
ペンタン、1-[1-メチルブトキシ]-;
ペンタン、1-[1-メチルブトキシ]-;
エーテル、1-エチル-1,2-ジメチルペンチルメチル;
ペンタン、2-(1-エチルプロポキシ)-;
ペンタン、1-(2,2-ジメチルプロポキシ)-;
ペンタン、2-(2,2-ジメチルプロポキシ)-;
ペンタン、2-エトキシ-2,4,4-トリメチル-;
ノナン、4-メトキシ-;
ヘキサン、3-エトキシ-2,5-ジメチル-;
ヘキサン、2-(1,1-ジメチルエトキシ)-;
ブタン、3-(1,1-ジメチルエトキシ)-2,2-ジメチル-;
プロパン、1,1'-オキシビス[2,2-ジメチル-;
エーテル、ビス(2-メチルブチル);
エーテル、2-メチルブチルペンチル;
エーテル、2-メチルブチルペンチル;
ヘプタン、2-プロポキシ-;
ヘキサン、2-メチル-2-プロポキシ-;
オクタン、2-エトキシ-,;
ペンタン、2-(1,1-ジメチルエトキシ)-2-メチル-;
ブタン、1-(1,1-ジメチルエトキシ)-3,3-ジメチル-;
ノナン、5-メトキシ-;
ブタン、1,1'-オキシビス[3-メチル-;
ノナン、2-メトキシ-;
ヘプタン、3-(エトキシメチル)-;
ペンタン、3,3'-オキシビス-;
ペンタン、2,2'-オキシビス-;
ヘプタン、1-メトキシ-6,6-ジメチル-;
オクタン、3-エトキシ-;
オクタン、2-メトキシ-2-メチル-;
ヘプタン、4-エチル-4-メトキシ-;
ヘキサン、3-エトキシ-3-エチル-;
オクタン、2-エトキシ-;
ヘプタン、2-メトキシ-2,6-ジメチル-;
ヘキサン、3-エチル-2-メトキシ-2-メチル-;
ヘキサン、1-(1-メチルプロポキシ)-;
ブタン、2,2'-オキシビス[2-メチル-;
ブタン、2-メチル-2-(3-メチルブトキシ)-;
ヘキサン、1-(1,1-ジメチルエトキシ)-;
ブタン、2-メチル-1-(3-メチルブトキシ)-;
ヘプタン、3-メトキシ-2,3-ジメチル-;
ヘプタン、2-メトキシ-2,3-ジメチル-;
オクタン、4-エトキシ-;
ヘプタン、4-メトキシ-3,5-ジメチル-;
エーテル、1,2-ジメチルヘキシルエチル;
ペンタン、1-(1-メチルブトキシ)-;
ペンタン、1-(2-メチルブトキシ)-;
ペンタン、2-(2-メチルブトキシ)-;
ペンタン、1-エトキシ-2,4,4-トリメチル-;
エーテル、エチル2-プロピルアミル;
エーテル、メチル(β-メチルオクチル;
エーテル、1-エチルヘプチルメチル;
エーテル、エチル3-メチルヘプチル;
ヘプタン、1-(1-メチルエトキシ)-;
ヘプタン、3-エチル-3-メトキシ-;
ペンタン、3-ブトキシ-2-メチル-;
ペンタン、2-ブトキシ-4-メチル-;
エーテル、1-tert-ブチルペンチルメチル;
エーテル、1-イソブチル-3-メチルブチルメチル;
エーテル、プロピル1-プロピルブチル;
ヘキサン、1-(2-メチルプロポキシ)-;
ペンタン、1-(3-メチルブトキシ)-;
エーテル、メチル2-プロピルヘキシル
について言及することができる。
【0077】
11個の炭素原子を含有する分岐状エステルの中で、
エーテル、メチル1,1,5-トリメチルヘプチル;
エーテル、ブチル1,4-ジメチルペンチル;
ペンタン、2-(1,2,2-トリメチルプロポキシ)-;
ペンタン、2-(1,2,2-トリメチルプロポキシ)-;
ヘプタン、2-エトキシ-2,6-ジメチル-;
ヘキサン、1-(1,1-ジメチルプロポキシ)-;
ヘキサン、2-(ペンチルオキシ)-;
ヘキサン、3-(ペンチルオキシ)-;
ヘキサン、2-(ペンチルオキシ)-;
ヘキサン、2-(ペンチルオキシ)-;
ヘキサン、3-(ペンチルオキシ)-;
ヘキサン、3-(ペンチルオキシ)-;
ヘキサン、1-(1,1-ジメチルエトキシ)-4-メチル-;
ペンタン、1-(1,1-ジメチルエトキシ)-4,4-ジメチル-;
ヘプタン、3-メトキシ-2,4,6-トリメチル-;
ヘプタン、3-メトキシ-2,4,6-トリメチル-;
ヘプタン、4-エトキシ-2,6-ジメチル-;
ノナン、4-エトキシ-;
オクタン、6-メトキシ-2,6-ジメチル-;
オクタン、6-メトキシ-2,6-ジメチル-;
ヘキサン、1-(2-メチルブトキシ)-;
エーテル、ヘキシル2-メチルブチル;
ヘプタン、3-メトキシ-2,2,3-トリメチル-;
ペンタン、4-メチル-1-(3-メチルブトキシ)-;
デカン、2-メトキシ-;
ヘキサン、4-エチル-4-メトキシ-2,2-ジメチル-;
ペンタン、2,2,4-トリメチル-4-プロポキシ-;
ペンタン、2,2,4-トリメチル-4-(1-メチルエトキシ)-;
ヘプタン、3-(メトキシメチル)-2,6-ジメチル-;
エーテル、2,2-ジメチルブチルtert-ペンチル;
ヘキサン、1-エトキシ-3-エチル-5-メチル-;
ヘキサン、2-エトキシ-2,4,4-トリメチル-;
デカン、3-メトキシ-;
ヘキサン、4-ブトキシ-2-メチル-;
ノナン、3-メトキシ-3-メチル-;
オクタン、3-エチル-3-メトキシ-;
オクタン、4-エチル-4-メトキシ-;
ノナン、5-メトキシ-5-メチル-;
オクタン、1-(1-メチルエトキシ)-;
ヘプタン、3-(1,1-ジメチルエトキシ)-;
ノナン、2-メトキシ-2-メチル-;
ヘプタン、1-(1,1-ジメチルエトキシ)-;
ヘキサン、3-メトキシ-2,2,5,5-テトラメチル-;
ヘキサン、2-メトキシ-2,3,5,5-テトラメチル-;
ヘキサン、2-メチル-2-(2-メチルプロポキシ)-;
エーテル、ヘプチルイソブチル;
エーテル、エチル1-エチルヘプチル;
エーテル、メチル5-メチル-3-プロピルヘキシル;
エーテル、(-メチルヘプチルプロピル;
オクタン、1-メトキシ-2,6-ジメチル-;
オクタン、1-メトキシ-3,6-ジメチル-;
オクタン、1-メトキシ-2,7-ジメチル-;
エーテル、1-ブチルペンチルエチル;
オクタン、6-メトキシ-2,6-ジメチル-;
ノナン、2-エトキシ-;
オクタン、1-メトキシ-3,7-ジメチル-;
ヘプタン、3-[(1-メチルエトキシ)メチル]-;
ペンタン、3-(メトキシメチル)-2,2,4,4-テトラメチル-;
について言及することができる。
【0078】
12個の炭素原子を含有する分岐状エステルの中で、
エーテル、1,3-ジエチルヘプチルメチル;
ブタン、2,2'-オキシビス[3,3-ジメチル-;
オクタン、2-ブトキシ-;
オクタン、1-エトキシ-2,6-ジメチル-;
ウンデカン、6-メトキシ-;
オクタン、6-エトキシ-2,6-ジメチル-;
オクタン、2-エトキシ-2,6-ジメチル-;
ノナン、1-(1-メチルエトキシ)-;
ノナン、2-(1-メチルエトキシ)-;
ペンタン、3,3'-[オキシビス(メチレン)]ビス-;
ペンタン、2-ブトキシ-2,4,4-トリメチル-;
ヘプタン、1-(1,1-ジメチルプロポキシ)-;
オクタン、2-(1-メチルプロポキシ)-;
ペンタン、1,1'-オキシビス[2-メチル-;
ペンタン、2,2'-オキシビス[4-メチル-;
オクタン、1-エトキシ-3,7-ジメチル-;
オクタン、6-エトキシ-2,6-ジメチル-;
オクタン、6-エトキシ-2,6-ジメチル-;
ヘプタン、1-(2-メチルブトキシ)-;
エーテル、ヘプチル2-メチルブチル;
ウンデカン、3-メトキシ-;
ペンタン、2,2,4-トリメチル-4-(2-メチルプロポキシ)-;
ペンタン、2,2,4-トリメチル-4-(1-メチルプロポキシ)-;
イソヘキサン、オキシビス-;
ヘプタン、1-(1,1-ジメチルエトキシ)-3-メチル-;
オクタン、1-(1-メチルプロポキシ)-;
オクタン、1-(1-メチルプロポキシ)-;
オクタン、1-(1,1-ジメチルエトキシ)-;
デカン 2-エトキシ-;
ヘキサン、2,2'-オキシビス-;
ヘキサン、1-ブトキシ-2,2-ジメチル-;
ヘプタン、3-(ブトキシメチル)-;
ノナン、3-エチル-3-メトキシ-;
ノナン、4-エチル-4-メトキシ-;
デカン、4-メトキシ-4-メチル-;
オクタン、4-メトキシ-4-プロピル-;
ペンタン、1,1'-オキシビス[4-メチル-;
ペンタン、2,2'-オキシビス[2-メチル-;
ペンタン、3,3'-オキシビス[3-メチル-;
ブタン、1,1'-オキシビス[2,2-ジメチル-;
ヘキサン、2,2'-オキシビス-;
ヘキサン、2,2'-オキシビス-;
オクタン、1-エトキシ-3,7-ジメチル-;
オクタン、1-エトキシ-3,7-ジメチル-;
ノナン、5-(エトキシメチル)-;
ヘキサン、1-[(1-メチルペンチル)オキシ]-;
ヘキサン、1-(1-エチルブトキシ)-;
ペンタン、1,1'-オキシビス[3-メチル-;
ヘプタン、3-[(1,1-ジメチルエトキシ)メチル]-;
オクタン、2-(1,1-ジメチルエトキシ)-;
ヘプタン、2-(ペンチルオキシ)-;
ヘプタン、2-(ペンチルオキシ)-;
ヘプタン、2-(ペンチルオキシ)-;
エーテル、ヘプチルイソアミル;
エーテル、4,8-ジメチルノニルメチル;
エーテル、3-イソブチルヘプチルメチル;
エーテル、(-エチルヘプチルプロピル;
エーテル、ブチル3-メチルヘプチル;
オクタン、1-(2-メチルプロポキシ)-;
エーテル、1-ブチルヘキシルエチル;
エーテル、エチル1-エチルオクチル;
エーテル、エチル1-プロピルヘプチル;
ウンデカン、2-メトキシ-;
ブタン、1,1'-オキシビス[3,3-ジメチル-
について言及することができる。
【0079】
13個の炭素原子を含有する分岐状エステルの中で、
ヘキサン、5-メチル-2-(1,2,2-トリメチルプロポキシ)-;
ヘキサン、5-メチル-2-(1,2,2-トリメチルプロポキシ)-;
ヘプタン、3-[(ペンチルオキシ)メチル]-;
ヘプタン、4-ブトキシ-2,2-ジメチル-;
ノナン、2-(1,1-ジメチルエトキシ)-;
ノナン、2-メチル-2-(1-メチルエトキシ)-;
オクタン、1-(2-メチルブトキシ)-;
オクタン、1-(1,1-ジメチルプロポキシ)-;
ヘプタン、1-(1,1-ジメチルエトキシ)-2,2-ジメチル-;
オクタン、1-(2,2-ジメチルプロポキシ)-;
ヘキサン、2,5-ジメチル-3-(3-メチルブトキシ)-;
エーテル、2-メチルブチルオクチル、(-)-;
ヘプタン、4-メトキシ-2,2,4,6,6-ペンタメチル-;
オクタン、2-メトキシ-2,3,5,7-テトラメチル-;
ペンタン、2,2,4-トリメチル-4-(ペンチルオキシ)-;
ノナン、1-(1-メチルプロポキシ)-;
オクタン、1-(1-メチルブトキシ)-;
オクタン、2-(ペンチルオキシ)-;
ノナン、1-(1-メチルプロポキシ)-;
オクタン、1-(1-メチルブトキシ)-;
オクタン、2-(ペンチルオキシ)-;
ヘプタン、1-(1,1-ジメチルエトキシ)-2,6-ジメチル-;
オクタン、1-(1-エチルプロポキシ)-;
ウンデカン、5-メトキシ-5-メチル-;
ノナン、3-エトキシ-3-エチル-;
デカン、4-エチル-4-メトキシ-;
ノナン、5-メトキシ-5-プロピル-;
ノナン、1-(1,1-ジメチルエトキシ)-;
ヘプタン、2-メトキシ-2,4,4,6,6-ペンタメチル-;
エーテル、2,2-ジメチルデシルメチル;
ヘキサン、1-(ヘキシルオキシ)-2-メチル-;
ヘキサン、1-(ヘキシルオキシ)-3-メチル-;
ヘキサン、1-(ヘキシルオキシ)-5-メチル-;
ヘキサン、1-(ヘキシルオキシ)-4-メチル-;
ヘプタン、2-(ヘキシルオキシ)-;
ヘプタン、2-[(1-メチルペンチル)オキシ]-;
ヘプタン、1-(1,1-ジメチルエトキシ)-2,6-ジメチル-;
オクタン、2-(ペンチルオキシ)-;
エーテル、イソペンチルオクチル;
エーテル、ブチルα-エチルヘプチル;
デカン、2-(1-メチルエトキシ)-;
ドデカン、5-メトキシ-;
オクタン、2,6-ジメチル-1-プロポキシ-;
オクタン、3,6-ジメチル-1-プロポキシ-;
オクタン、2,7-ジメチル-1-プロポキシ-;
ウンデカン、2-メトキシ-2-メチル-;
エーテル、2-メチルブチルオクチル;
ドデカン、2-メトキシ-
について言及することができる。
【0080】
本発明による揮発性溶媒(複数可)は、単独の揮発性親油性溶媒として、または本発明による親油性溶媒の定義に相当しない他のさらなる親油性揮発性溶媒(「油」としても知られている)との混合物として使用することができる。
【0081】
揮発性溶媒の混合物の場合、測定のプロトコルは、上記と同一である。
【0082】
使用する式
表面積単位(cm2)当たりおよび時間単位(分)当たりに蒸発する油のmgとして表す蒸発速度vi(上記のプロトコルによって測定した)を各々有する溶媒iを含む100mgの組成物を用意する。
【0083】
mi(0)(cm2当たりのmgで表す)に等しい表面積単位当たりの初期量で、溶媒を組成物中に導入する。
【0084】
各溶媒について、時間tにおける表面積単位当たりの残存質量[mi(t)]は、下記の式によって得ることができる。
【0085】
【数2】

【0086】
である場合、mi(t)=mi(0)-vi.t。
【0087】
【数3】

【0088】
である場合、mi(t)=0。
【0089】
次に、液体脂肪相の全質量は、各時間での全ての個々の質量mi(t)の合計によって表すことができる。
【0090】
【数4】

【0091】
このようにして、時間t=30分について計算を実施する。
【0092】
このアプローチでは、不揮発性油は、ゼロの蒸発速度を有すると考えられることが留意される。
【0093】
有利な実施形態では、(本発明による揮発性溶媒の定義に相当しない)他の揮発性親油性溶媒が存在する場合、本発明による揮発性溶媒は、親油性揮発性溶媒の全量の少なくとも30質量%、またはさらに好ましくは50質量%で存在すべきである。
【0094】
有利な実施形態では、本発明による揮発性溶媒(複数可)が、(本発明による揮発性溶媒の定義に相当しない)他の溶媒との混合物としての使用の有無に関わらず、本発明による揮発性溶媒(複数可)は、好ましくは組成物の全重量に対して少なくとも2重量%、またはさらに好ましくは少なくとも5重量%を表す。
【0095】
「揮発性油」または「揮発性溶媒」という用語は、皮膚またはケラチン繊維、より一般にはケラチン物質と接触して、周囲温度および大気圧にて1時間未満で蒸発することができる油(または非水性媒体)を意味することを意図する。揮発性油は、周囲温度で液体であり、特に、周囲温度および大気圧で、ゼロではない蒸気圧、特に、0.13Pa〜40000Pa(10-3〜300mmHg)の範囲の、特に、1.3Pa〜13000Pa(0.01〜100mmHg)の範囲の、より詳細には、1.3Pa〜8000Pa(0.01〜60mmHg)の範囲の蒸気圧を有する揮発性化粧用油である。
【0096】
本発明の状況において、本発明による揮発性溶媒の定義に相当せず、組成物に存在してもよい揮発性油は、上記の条件下で30分後に蒸発する量が0.07mg/cm2以上である油である。
【0097】
本発明による揮発性溶媒の定義に従わないこれらの揮発性油の中で、環状もしくは非環状シリコーン揮発性油、または非シリコーン揮発性油、特に、炭化水素をベースとする揮発性油またはフッ素化揮発性油から選択されるもの、およびこれらの混合物について言及することができる。
【0098】
「環状または非環状シリコーン揮発性油」の中で、≦6センチストーク(6×10-6m2/s)の粘度を有し、特に3〜10個のケイ素原子を有する直鎖状油について特に言及することができ、これらのシリコーンは、1もしくは2個の炭素原子を含有する1種もしくは複数のアルキルまたはアルコキシ基を任意選択で含む。本発明に使用することができるシリコーン揮発性油のこのカテゴリーにおいて、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、およびドデカメチルペンタシロキサン、およびこれらの混合物について特に言及することができる。
【0099】
非環状シリコーン揮発性油はまた、直鎖状または分岐状シリコーン揮発性油から選択することができる。
【0100】
本発明による揮発性溶媒の定義に従わない炭化水素をベースとする揮発性油は、8〜16個の炭素原子を含有する炭化水素をベースとする揮発性油、およびこれらの混合物、特に、イソアルカン(イソパラフィンとしても知られている)、イソドデカン(2,2,4,4,6-ペンタメチルヘプタンとしても知られている)、イソデカンまたはイソヘキサデカンなどのC8〜C16分岐状アルカン、例えば、Isopars(登録商標)またはPermethyls(登録商標)の商品名で販売されている油から選択することができる。
【0101】
石油蒸留物などの他の炭化水素をベースとする揮発性油、特に、Shell社から「Shell Solt(登録商標)」の名前で販売されているものを使用することができる。
【0102】
本発明の変形によれば、本発明の組成物は、環状または非環状シリコーン揮発性油を含まず、すなわち組成物の全重量に対して0.1重量%未満のこれらの環状または非環状シリコーン揮発性油を含む。
【0103】
本発明の他の変形によると、組成物は、環状シリコーン揮発性油、特に、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンまたはドデカメチルシクロヘキサシロキサン、特にオクタメチルシクロテトラシロキサンを含まず、すなわち組成物の全重量に対して0.1重量%未満の環状シリコーン油を含む。
【0104】
好ましくは、本発明による前記揮発性溶媒が、本発明による揮発性溶媒の定義に従わない他の揮発性溶媒との混合物として使用される場合、これらの他の溶媒は、天然または天然由来である。一般に、この組成(揮発性または不揮発性、および本発明による炭化水素をベースとする揮発性溶媒を含めた)の様々な油、この組成の固体脂肪物質または他の成分は、好ましくは天然または天然由来であろう。
【0105】
「天然」化合物は、
- 注意深く考え抜いて採集した生物学的農業の植物由来または野草由来の化合物、
- 農業植物由来または原生生物界が起源である化合物、
- 非化石鉱物由来の化合物、
- 動物由来の化合物、好ましくは動物によって分泌された化合物(蜜蝋)
である。
【0106】
「天然由来の」化合物は、変換を受けた天然化合物であり、これらの変換は以下であることが可能である。
1)その由来に関連して、場合によりその水分含有量以外は出発物質の組成を改質しない変換。これらの変換は、その由来に関連して成分の物理的状況の改質を本質的に生じさせる。このカテゴリーに属する変換の例は、
- 粉砕、
- 製粉、
- 乾燥、
- 凍結乾燥、
- 熱的保存方法(密封された容器中の殺菌、低温殺菌)、
- 加圧保存方法(パスカリゼーション)、
- 許容可能な植物由来保存料の添加
である。
2)植物由来の成分の場合は、下記の方法を包含する、共有化学結合を壊さずに植物の所与の画分を抽出することを目的とした方法。
- 発現、
- 圧搾、
- フラッシュ真空膨張方法、
- 蒸留、
- 水抽出方法(煎出、浸出、温浸)、
- (アンフルラージュを含めた)エタノール抽出方法、
- 超臨界CO2による抽出方法、
- マイクロ波加熱を使用した上記の抽出方法、
- 水蒸気蒸留、
- 精製方法、
- 前記の技術に基づいた精製方法、
- 活性炭、酸化物または樹脂上を通過させることによる精製方法、
- 熱的保存方法(密封された容器内の殺菌、低温殺菌)、
- 脱ろうまたは冷気除去方法、
- 植物由来の出発物質に適用され、非遺伝子組み換えの生物、および標的反応に相当する元の機能によって触媒される生物変換、
- 加圧保存方法(パスカリゼーション)または植物由来の保存料の添加を使用した保存方法、
- このカテゴリーに入らない遺伝子抽出方法、およびまた照射をベースとする保存方法。
3)非化石鉱物材料の場合、変換方法は、下記の場合がある。
- 出発物質を、その結晶構造またはその組成を著しく改質することなく精製または僅かに改質することを目的とした方法、
- 蒸留、
- 精製方法(重金属、有機化合物などの除去)、
- イオン交換方法、
- 活性炭、酸化物または樹脂上を通過させることによる精製方法、
- 熱的保存方法、
- 加圧保存方法(パスカリゼーション)。
4)特に植物由来の化合物に関して、軽微な改質をもたらす化学的方法による変換。
- 有機溶媒(ヘキサン、フルオロエーテル、または同種のもの)による抽出、
- 加水分解、
- エステル化、
- 酸素を酸化剤として使用した酸化、
- オレフィン水素化、
- 酸およびエステルの水素化、
- エーテル化、
- ゲルベ反応(「料理」工程と同様のアルコール間の分子間反応)、
および非化石鉱物由来の成分については、
単純または構造酸化物(ゼオライト、メソポーラス化合物など)をもたらす鉱物種の溶解/再沈殿によって材料を得る方法。
5)官能化、特に、鉱物または生物由来の触媒を使用した、アミノ化、ニトロ化、シリル化、カルボキシル化のための変換、およびまた、その機能が元の反応に相当するか、またはしない場合がある遺伝子組み換えの生物による生物変換、および酸化物混合物の合成をもたらす方法。
【0107】
本発明の第1の実施形態では、化合物は、天然物または天然由来の産物の重量が、この定義に相当しない重量より多い場合、4)または5)の点において、特に上記定義のような天然または天然由来であると考えられる。
【0108】
第2の実施形態では、化合物は、天然化合物または天然由来の化合物の炭素原子の数が、この定義に相当しない炭素原子の数より多い場合、4)または5)の点において、特に上記定義のような天然または天然由来であると考えられる。
【0109】
したがって、天然化合物または天然由来の化合物であるとそれ故に考えられない溶媒には、鉱物化石由来(石油化学に由来)であるイソドデカン、または化学合成方法によって調製されるシリコーン化合物であるシクロメチコンD5などの、化粧品組成物において従来使用される特定の揮発性溶媒が挙げられる。
【0110】
有利なことには、本発明による組成物は、天然または天然由来でない揮発性溶媒が、組成物の揮発性溶媒の量の20質量%未満である。
【0111】
好ましくは、組成物は、前記揮発性溶媒および/または前記さらなる揮発性油および/または任意選択で存在する脂肪物質の混合物は、前記混合物の質量に対して2質量%未満の非天然化合物または天然由来ではない化合物を含有する(したがって、前記混合物はこのような化合物が完全に含まないことが可能である)。
【0112】
特定の実施形態では、本発明による前記揮発性溶媒が、本発明による揮発性溶媒の定義に相当しない他の親油性揮発性溶媒との混合物中で使用される場合、本発明による組成物中の揮発性溶媒、または揮発性脂肪相の混合物が、上記で定義した条件に従って30分後に蒸発する油(複数可)の質量が4.1mg/cm2〜24mg/cm2であるような蒸発プロファイルを有するように混合を行うべきである。
【0113】
好ましくは、本発明による揮発性溶媒と、任意選択で(本発明による揮発性溶媒の定義に相当しない)他の揮発性油とを含む揮発性脂肪相は、組成物の全重量に対して0.1重量%〜80重量%、特に1重量%〜65重量%、特に、10重量%〜50重量%の範囲の含量を表す。
【0114】
他の態様では、本発明の対象はまた、本発明による組成物をケラチン物質に施用するステップを少なくとも含む、ケラチン物質のためのメイクアップおよび/または手入れのための化粧方法である。
【0115】
本発明の他の対象は、このようなメイクアップおよび/または手入れ組成物の調製方法である。
【0116】
生理学的に許容できる媒体
「生理学的に許容できる媒体」という用語は、無毒性であり、ヒトの、特に体、手、首もしくは顔の皮膚、唇および/またはケラチン繊維に施用することができる媒体を意味する。生理学的に許容できる媒体は一般に、組成物が施用されなければならない支持体の性質、およびまた組成物が包装されることを意図している方法に対して適切である。
【0117】
不揮発性油
本発明による組成物はまた、少なくとも1種の不揮発性油を含む。前記油は、特に、不揮発性の炭化水素をベースとする油および/またはシリコーン油および/またはフルオロ油から選択することができる。
【0118】
「不揮発性油」という用語は、周囲温度および大気圧で、皮膚またはケラチン繊維上に、より一般にはケラチン物質上に少なくとも数時間とどまり、特に10-3mmHg(0.13Pa)未満の蒸気圧を有する油を意味することを意図する。不揮発性油はまた、上記で定義した条件下で、30分後に蒸発する量が0.07mg/cm2未満であるような蒸発速度を有するものと定義することができる。
【0119】
不揮発性の炭化水素をベースとする油として、
- グリセロールの脂肪酸エステル、C4〜C24の範囲の鎖長を有する場合がある脂肪酸(後者は直鎖状または分岐状、および飽和または不飽和であることが可能である)からなるトリグリセリド(ヘプタン酸またはオクタン酸のトリグリセリドなど)などの植物由来の炭化水素をベースとする油;これらの油は、特に、小麦胚芽油、ヒマワリ油、グレープシード油、ゴマ油、トウモロコシ油、アンズ油、ヒマシ油、シア油、アボカド油、オリーブ油、ダイズ油、甘扁桃油、パーム油、ナタネ油、綿実油、ヘーゼルナッツ油、マカダミア油、ホホバ油、アルファルファ油、ケシ油、カボチャ油、ゴマ油、髄油、ナタネ油、クロフサスグリ油、月見草油、キビ油、オオムギ油、キノア油、ライムギ油、サフラワー油、ククイ油、トケイソウ油またはジャコウバラ油;あるいはカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、例えばStearineries Dubois社によって販売されているもの、またはDynamit Nobel社により「Miglyol8100(登録商標)」、「812(登録商標)」および「818(登録商標)」という名前で販売されているものである;
- ミンク油、タートル油またはペルヒドロスクアレンなどの動物由来の油;
- 合成エーテル;
- 鉱物または合成由来の直鎖状もしくは分岐状の炭化水素(流動パラフィンまたはその誘導体、ワセリン、ポリデセン、日油社により販売されているParleam(登録商標)などの水添ポリイソブテン、およびスクアレン、およびこれらの混合物など);
- 脂肪酸、特に、4〜22個の炭素原子を含有する脂肪酸、特にオクタン酸、ヘプタン酸、ラノリン酸、オレイン酸、ラウリン酸またはステアリン酸のエステル(ジオクタン酸プロピレングリコール、モノイソステアリン酸プロピレングリコール、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2またはジヘプタン酸ネオペンチルグリコールなど);
- 合成エステル、例えば、式R1COOR2の油(式中、R1は、1〜40個の炭素原子を含有する直鎖状または分岐状の脂肪酸残基を表し、R2は、1〜40個の炭素原子を含有する炭化水素をベースとする鎖、特に分岐状鎖を表し、ただし、R1+R2は≧11である)、例えば、ピュアセリンオイル(オクタン酸セトステアリル)、イソノナン酸イソノニル、C12〜C15安息香酸アルキル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-オクチルドデシル、エルカ酸2-オクチルドデシル、イソステアリン酸イソステアリル、安息香酸2-オクチルドデシル;アルコールまたは多価アルコールのオクタン酸エステル、デカン酸エステルまたはリシノール酸エステル;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ラウリン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-オクチルデシル、ミリスチン酸2-オクチルドデシル、コハク酸2-ジエチルヘキシル、リンゴ酸ジイソステアリルまたはネオペンタン酸イソドデシル;
- 水酸化エステル(乳酸イソステアリル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、ヒドロキシステアリン酸オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、クエン酸トリイソセチル、トリイソステアリン酸グリセリルまたはトリイソステアリン酸ジグリセリル;ジイソノナン酸ジエチレングリコールなど);
- ペンタエリトリトールエステル;4〜22個の炭素原子を含有する芳香族酸およびアルコールのエステル、特に、トリメリト酸トリデシル;
- 8〜26個の炭素原子を含有する分岐状および/または不飽和炭素をベースとする鎖を有する周囲温度で液体の脂肪アルコール、例えば、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、イソステアリルアルコールまたはオクチルドデカノール;C8〜C26高級脂肪酸(オレイン酸、リノール酸、リノレン酸またはイソステアリン酸など);
- ならびにこれらの混合物
について特に言及することができる。
【0120】
本発明による組成物において使用することができる不揮発性シリコーン油は、不揮発性ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ペンダントおよび/またはシリコーン鎖の末端に存在するアルキルまたはアルコキシ基(これらの基は各々、2〜24個の炭素原子を含有する)を含むポリジメチルシロキサン、フェニルシリコーン、例えば、フェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニル-シロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサンまたは2-フェニルエチルトリメチルシロキシシリケートでよい。
【0121】
本発明の一態様では、組成物は、不揮発性油を含まず、すなわち組成物の全重量に対して0.1重量%未満の不揮発性油を含む。
【0122】
本発明の他の態様では、不揮発性油は、組成物の全重量に対して0.1重量%〜60重量%の範囲の、特に0.5重量%〜50重量%の範囲の、特に1重量%〜40重量%の範囲の含量で存在することができる。
【0123】
固体脂肪物質
本発明による組成物は、特に、それがリップスティックまたはファンデーションの場合、周囲温度および大気圧で固体の、少なくとも1種の脂肪物質を含むことができる。それは、ワックス、ペースト状の脂肪物質およびガム、およびこれらの混合物から選択することができる。この固体脂肪物質は、組成物の全重量に対して0.01重量%〜60重量%、特に0.1重量%〜50重量%、特に0.1重量%〜40重量%の範囲の含量で存在することができる。
【0124】
したがって、本発明による組成物は、周囲温度でペースト状である少なくとも1種の脂肪族化合物を含むことができる。
【0125】
本発明の目的のために、「ペースト状の脂肪物質」という用語は、60Hzで回転するスピンドルを備えたContraves TVまたはRheomat80粘度計を使用して測定して、20〜55℃、特に、25〜45℃の範囲の融点、および/または40℃で0.1〜40Pa.s(1〜400ポアズ)、特に、0.5〜25Pa.sの範囲の粘度を有する脂肪物質を意味することを意図する。当業者であれば、試験するペースト状の化合物の測定を行うことができるように、一般的な知識に基づいて、スピンドルMS-r3およびMS-r4から粘度を測定するためのスピンドルを選択することができる。
【0126】
より詳細には、これらの脂肪物質は、任意選択でポリマータイプの、炭化水素をベースとする化合物の場合があり、それらはまたシリコーン化合物から選択することができ、それらはまた、炭化水素をベースとする化合物および/またはシリコーン化合物の混合物の形態の場合がある。様々なペースト状の脂肪物質の混合物の場合、炭化水素をベースとするペースト状の化合物(炭素および水素原子、場合によりエステル基を主として含有する)が、好ましくは主要な割合で使用される。
【0127】
本発明による組成物において使用することができるペースト状の化合物の中で、18〜21Pa.s、好ましくは19〜20.5Pa.sの粘度、および/または30〜55℃の融点を有する、ラノリンおよびラノリン誘導体(アセチル化ラノリン、オキシプロピレン化ラノリンまたはラノリン脂肪酸イソプロピルなど)、およびこれらの混合物について言及することができる。脂肪酸または脂肪アルコールのエステル、特に、20〜65個の炭素原子を含有するもの(ほぼ20〜35℃の融点、および/または40℃で0.1〜40Pa.sの範囲の粘度)、例えば、クエン酸トリイソステアリルまたはクエン酸セチル;プロピオン酸アラキジル;ラウリン酸ポリビニル;コレステロールエステル、例えば、硬化植物油、粘性ポリエステル、およびこれらの混合物などの植物由来のトリグリセリドをまた使用することができる。使用することができる植物由来のトリグリセリドには、Rheoxからの「Thixinr(登録商標)」などの硬化ヒマシ油誘導体が挙げられる。
【0128】
高分子量ポリジメチルシロキサン(PDMS)などのペースト状のシリコーン脂肪物質、特に、8〜24個の炭素原子を含有し、20〜55℃の融点を有するアルキルまたはアルコキシタイプのペンダント鎖を有するもの、例えば、ステアリルジメチコン、特に、Dow Corning社によりDC2503(登録商標)およびDC25514(登録商標)の商品名で販売されているもの、およびこれらの混合物についてもまた言及することができる。
【0129】
ペースト状の脂肪物質は、組成物の全重量に対して0.01重量%〜50重量%の範囲、特に0.1重量%〜45重量%の範囲、特に0.2重量%〜30重量%の範囲の含量で、本発明による組成物中に存在することができる。
【0130】
本発明の状況において、「ワックス」という用語は一般に、周囲温度(25℃)で固体であり、変形可能または変形可能でなく、可逆的固体/液体の状態変化を伴い、30℃以上(200℃まで、特に120℃までの場合がある)の融点を有する親油性化合物を意味することを意図する。
【0131】
ワックスを液状に(融解)することによって、それを油と混和性にし、微視的に均一な混合物を形成することが可能になるが、混合物の温度が周囲温度に戻った場合、混合物中の油からのワックスの再結晶が得られる。
【0132】
特に、本発明に適切なワックスは、45℃以上、特に55℃以上の融点を有する場合がある。
【0133】
本発明の目的のために、ISO規格11357-3;1999において記載されているように、融点は、熱分析(DSC)によって観察した大部分の吸熱的ピークの温度に相当する。ワックスの融点は、示差走査熱量計(DSC)、例えば「MDSC2920」という名前でTA Instruments社から販売されている熱量計を使用して測定することができる。
【0134】
測定のプロトコルは、下記の通りである。
るつぼ内に置いた5mgのワックスの試料を、-20℃〜100℃の範囲の温度で10℃/分の加熱速度にて第1の上昇に供し、次いで、100℃から-20℃に10℃/分の冷却速度で冷却し、最後に、-20℃〜100℃の範囲の温度で5℃/分の加熱速度にて第2の上昇に供す。温度の第2の上昇の間、空のるつぼ、およびワックス試料を含有するるつぼによる吸収される力における差異の変化を、温度の関数として測定する。化合物の融点は、温度の関数として吸収される力における差異の変化を表す曲線のピーク頂点に相当する温度の値である。
【0135】
本発明により使用することができるワックスとして、
- 蜜蝋、ラノリンワックスおよびラノリン誘導体などの動物性ワックス;カルナウバワックス、カンデリラワックス、オーリクリーワックス、木蝋、カカオバター、コルク繊維ワックスまたはサトウキビワックスなどの植物ワックス、
- 鉱物性ワックス、例えば、パラフィンワックス、ワセリン、亜炭ワックス、マイクロクリスタリンワックスまたはオゾケライト、
- 合成ワックス、その中で、ポリエチレンワックスおよびフィッシャートロプシュ合成によって得たワックス、
- シリコーンワックス、特に、置換直鎖状ポリシロキサン;例えば、シリコーンポリエーテルワックス、16〜45個の炭素原子を含有するアルキルジメチコンまたはアルコキシジメチコン;アルキルメチコン(Dow Corningにより「AMSC30」の商品名で販売されているC30〜C45アルキルメチコンなど)について言及することができる、
- 25℃で固体である硬化油(水添ヒマシ油、水添ホホバ油、水添パーム油、水素化獣脂または水添ヤシ油など)、および25℃で固体である脂肪エステル(Koster Keunen社により「Kester Wax K82H」の商品名で販売されているC20〜C40ステアリン酸アルキルなど)、
- ならびに/あるいはその混合物
について言及することができる。
【0136】
好ましくは、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバワックス、水添ホホバ油、カンデリラワックス、蜜蝋および/またはその混合物が、使用されるであろう。
【0137】
水相および/または水溶性相
本発明による組成物はまた、水を含有する少なくとも1種の水相を含むことができる。水は、ヤグルマソウ水などの花の水、および/またはVittel水、Lucas水もしくはLa Roche Posay水などのミネラルウォーターおよび/または湧水でもよい。
【0138】
水相にはまた、(25℃で)水混和性である有機溶媒、例えば、第一級アルコール(エタノールおよびイソプロパノールなど)、グリコール(グリセロール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリコールエーテル、モノ、ジもしくはトリプロピレングリコールのC1〜C4アルキルエーテル、またはモノ、ジもしくはトリエチレングリコールなど)、およびこれらの混合物が含まれることができる。
【0139】
組成物は、無水組成物、すなわち2重量%未満の水、またはそれどころか0.5%未満の水を含有する組成物でよく、特に、水を含有しなくてもよく、水は、組成物の調製の間に加えないが、混合される成分によって導入される残余の水に相当する。
【0140】
粒子相
本発明の組成物はまた、特にそれがリップスティックまたはファンデーションである場合、組成物の全重量に対して0.01重量%〜50重量%、特に0.01重量%〜40重量%、特に0.05重量%〜30重量%の割合で存在することができるさらなる粒子相を含むことができる。
【0141】
「粒子相」という用語は、好ましくはssおよび/または真珠光沢剤および/またはさらなる充填剤、および/またはその混合物を意味することを意図する。
【0142】
一実施形態では、本発明の組成物は、少なくとも顔料を含む。
【0143】
「顔料」という用語は、液体親水性相中で不溶性であり、組成物を着色および/または不透明化することを意図した白色または有色の、鉱物または有機粒子を意味すると理解すべきである。「充填剤」という用語は、無色または白色の、鉱物または合成の、ラメラまたは非ラメラ粒子を意味すると理解すべきである。「真珠光沢剤」という用語は、特に、特定の軟体動物によってその殻内で産生された、あるいは合成された虹色粒子を意味すると理解すべきである。
【0144】
顔料は、組成物の重量に対して0.01重量%〜25重量%、特に、0.01重量%〜20重量%、および特に0.02重量%〜15重量%の割合で組成物中に存在することができる。
【0145】
本発明において使用することができる鉱物顔料として、酸化チタン、酸化ジルコニウムまたは酸化セリウム、およびまた酸化亜鉛、酸化鉄または酸化クロム、フェリックブルー、マンガンバイオレット、群青および水和クロムについて言及することができる。本発明において使用することができる有機顔料の中で、カーボンブラック、D & C顔料;コチニールカルミン、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、またはアルミニウムをベースとしたレーキ;あるいは他に、文献EP-A-542669、EP-A-787730、EP-A-787731およびWO-A-96/08537に記載されているジケトピロロピロール(DPP)について言及することができる。
【0146】
真珠光沢剤は、組成物の全重量に対して0.01重量%〜25重量%、特に0.01重量%〜15重量%、特に0.02重量%〜10重量%の割合で組成物中に存在することができる。
【0147】
真珠光沢顔料は、チタンまたはオキシ塩化ビスマスでコーティングした雲母などの白色の真珠光沢顔料;有色の真珠光沢顔料(酸化鉄でコーティングした雲母チタン、特にフェリックブルー、または酸化クロムでコーティングした雲母チタン、上記のタイプの有機顔料でコーティングした雲母チタンなど);およびまたオキシ塩化ビスマスをベースとした真珠光沢顔料から選択することができる。
【0148】
一実施形態では、本発明の組成物は、少なくとも充填剤を含む。
【0149】
さらなる充填剤は、組成物の全重量に対して0.01重量%〜50重量%、特に0.01重量%〜40重量%、特に0.02重量%〜30重量%、さらにより詳細には、0.02重量%〜20重量%の割合で存在することができる。
【0150】
それらは特に、例えば、タルク、ステアリン酸亜鉛、雲母、カオリン、ポリアミド(Nylon(登録商標))粉末(AtochemからのOrgasol(登録商標))、ポリエチレン粉末、テトラフルオロエチレンポリマー(Teflon(登録商標))粉末、デンプン、窒化ホウ素、高分子ミクロスフィア(ポリ塩化ビニリデン/アクリロニトリルで作製されたもの、例えば、Expancel(登録商標)(Nobel Industrie)、またはアクリル酸コポリマーで作製されたもの(Dow Corning社からのPolytrap(登録商標)))、シリコーン樹脂マイクロビース(例えば、ToshibaからのTospearls(登録商標))、およびエラストマー有機ポリシロキサンなどの球状充填剤でよい。
【0151】
組成物はまた、組成物の全重量に対して0.01重量%〜6重量%の範囲、特に、0.01重量%〜3重量%の範囲の含量で、水溶性または脂溶性染料を含むことができる。脂溶性の染料は、例えば、スダンレッド、DCレッド17、DCグリーン6、β-カロテン、ダイズ油、スーダンブラウン、DCイエロー11、DCバイオレット2、DCオレンジ5、およびキノリンイエローである。水溶性染料は、例えば、ビートルートジュースおよびメチレンブルーである。
【0152】
染料剤
本発明による組成物は、好ましくは少なくとも1種の染料剤を含む。「染料剤」という用語は、上記定義のような顔料および/または染料および/または真珠光沢剤、および/またはその混合物を意味することを意図する。
【0153】
染料剤は、組成物の全重量に対して0.01重量%〜50重量%の範囲、好ましくは0.01重量%〜30重量%の範囲の含量で、組成物中に存在することができる。
【0154】
添加剤
本発明による組成物はまた、関係している分野、とりわけ化粧品および皮膚科学分野で従来使用される成分のいずれかを含むことができる。これらの成分は特に、ポリマー、特に、皮膜形成ポリマー、固定化ポリマー;界面活性剤;毛髪コンディショナー;乳白剤;香料;増粘剤;ゲル化剤;ヘアダイ;シリコーン樹脂;シリコーンゴム;保存料;抗酸化剤;活性化粧用薬剤;日焼け止め剤;pH安定剤;ビタミン;モイスチャーライザー;発汗抑制剤;脱臭剤;セルフタンニング化合物、およびこれらの混合物から選択することができる。これらの様々な成分の量は、関係している分野において従来使用される量、例えば、組成物の総重量に対して0.01%〜20%である。
【0155】
当然ながら、当業者であれば、本発明による組成物の有利な特性が、考慮される添加によって損なわれない、または実質的に損なわれないような方法で、このもしくはこれらの任意選択のさらなる化合物(複数可)、および/またはその量を選択するのに注意を払うであろう。
【0156】
本発明の組成物は、化粧品または皮膚科学において従来使用される調製方法によって得ることができる。
【0157】
下記の実施例は例示として示され、本発明を限定しない。
【0158】
配合
本発明による組成物は、液体、ペースト、固体、泡またはスプレーの形態でよい。それは、エマルジョン、特に、直接または逆エマルジョン、または他に無水組成物でよい。それはまた、二相形態でもよい。
【0159】
組成物は、体または顔の手入れ組成物;シャワー用ジェル、入浴用ジェルまたはメイクアップリムーバーなどの体もしくは顔の清浄組成物;ファンデーション、リップスティック、リップケア製品、ネイルケア製品、マスカラまたはアイライナーなどの体もしくは顔のメイクアップ組成物;芳香組成物;ヘアダイ組成物または毛髪を永続的に再成形するための組成物などの毛髪組成物;抗太陽組成物;脱臭組成物;シャンプー、またはリンスアウトもしくはリーブインコンディショナー、(ヘアダイ、ブリーチ、パーマネントウェーブ、またはストレートパーマの前もしくは後に、あるいはパーマネントウェーブまたはストレートパーマの操作の2つのステップの間に施用する)リンスアウト組成物などの毛髪清浄または毛髪手入れ組成物;スタイリングラッカー、ジェル、ムースまたはスプレーなどのヘアスタイルを保持するための毛髪組成物として特定の用途を見出す。
【0160】
特に、本発明による組成物は、ヒトの皮膚、唇および/またはケラチン繊維のためのメイクアップおよび/または手入れのために使用することができる。
【0161】
本発明の好ましい態様では、組成物は、リップスティックまたは肌用製品、特にファンデーションタイプ、またはマスカラの形態である。
【0162】
本発明による組成物がマスカラタイプである場合、それはまつ毛の表面に、単一のコーティングとしてまたはいくつかの層をなしたコーティングの形態で均一にまたは不均一に施用することができる。本発明による組成物は、さらにより詳細には、少なくとも前記マスカラ組成物を含有する容器、および前記組成物をケラチン繊維、例えば、まつ毛に施用するためのシステムを含むマスカラ製品のために意図されている場合がある。
【0163】
本発明の一態様では、この組成物は、スティックまたはディッシュ、例えば、リップスティックまたはリップクリーム、成型ファンデーション、コンシーラー製品、顔色「修正品」および/または「増強品」およびアイシャドウまたはフェースパウダーとして成型製品の形態である。
【0164】
本発明の目的のために、「成型組成物」という用語は、流体組成物とは対照的にそれ自体の重量の作用下で流れる能力を有しない任意の化粧品組成物を意味することを意図する。
【0165】
これらの組成物は、適切な場合には、周囲温度(25℃)でペースト状の外見を有する場合がある。したがって、本発明による化粧品組成物は、特に25〜85℃、またはさらに30〜60℃、特に30〜45℃の範囲の場合がある25℃を超える軟化点などの融点または熱転移温度、および/または0.001〜0.5MPa、特に0.005〜0.4Mpaの範囲の場合がある硬度を有する場合がある。
【0166】
本発明のこの態様による組成物、すなわち成型タイプの組成物は、特にスティック形態である場合、硬度を有する。
【0167】
下記の実施例の目的は、本発明の対象を非限定的態様で例示することである。量は、質量%として示す。
【実施例1】
【0168】
下記の組成物を有する油中水型エマルジョンの形態のファンデーション
【0169】
【表1】

【実施例2】
【0170】
下記の組成物を有する水中油型ファンデーション
【0171】
【表2】


【実施例3】
【0172】
下記の組成物を有するリップスティック
【0173】
【表3】

【実施例4】
【0174】
下記の組成物を有する手入れクリーム
【0175】
【表4】

【実施例5】
【0176】
下記の組成物を有するメイクアップリムーバー
【0177】
【表5】

【実施例6】
【0178】
下記の組成物を有するスプレー脱臭剤
【0179】
【表6】

【実施例7】
【0180】
下記の組成物を有するロールオン式脱臭剤(エマルジョン)
【0181】
【表7】

【実施例8】
【0182】
下記の組成物を有する無水制汗性エアロゾル
【0183】
【表8】

【実施例9】
【0184】
下記の組成物を有するサンクリーム
【0185】
【表9】

【実施例10】
【0186】
下記の組成物を有するポンプ式ディスペンサー中のヘアスプレー
【0187】
【表10】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
生理学的に許容できる媒体中に、1個以下の分岐を含む少なくとも1種の非プロトン性炭化水素をベースとする揮発性溶媒を含む化粧品組成物であって、前記溶媒は、30分間に蒸発する量が4.1mg/cm2〜24mg/cm2であるような揮発性を有する化粧品組成物。
【請求項2】
前記炭化水素をベースとする揮発性溶媒が、少なくとも1個の酸素原子を含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記炭化水素をベースとする揮発性溶媒が、7〜13個の炭素原子を含有することを特徴とする、請求項1から2のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項4】
前記炭化水素をベースとする揮発性溶媒が、直鎖状であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記炭化水素をベースとする揮発性溶媒が、7〜11個の炭素原子を含有することを特徴とする、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記炭化水素をベースとする揮発性溶媒が、飽和していることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記揮発性溶媒の炭化水素をベースとする基(複数可)が、脂肪族であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記揮発性溶媒の炭化水素をベースとする基(複数可)が、アルキル(複数可)であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記揮発性溶媒が、親油性であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記揮発性溶媒が、43〜100℃、より詳細には、45〜80℃の引火点を有することを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記揮発性溶媒が、30mN/m未満の表面張力を有することを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記揮発性溶媒が、10mPa.s未満の粘度を有することを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記揮発性溶媒が、水添ポリイソブテンおよびイソノナン酸イソノニルと任意の比率で混和性であり、および/または5%未満の水混合性を有することを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記揮発性溶媒が、4℃〜100℃で液体であることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記揮発性溶媒が、エステル、エーテル、炭酸エステル、ケトンおよびアルデヒドから選択されることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記揮発性溶媒が、式R1COOR2のエステル(式中、R1は、水素原子Hまたは直鎖状もしくは分岐状の炭化水素をベースとする基を表し、R2は、直鎖状または分岐状の炭化水素をベースとする基を表し、ただし
- R2が、直鎖状炭化水素をベースとする基であり、R1が、Hまたは直鎖状炭化水素をベースとする基である場合、7≦R1+R2≦8であり;
- R1およびR2の少なくとも1つが、分岐状炭化水素をベースとする基である場合、8≦R1+R2≦10である)であることを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記揮発性溶媒が、式R1-CO-R2のケトン(式中、R1およびR2は、同一かまたは異なり、直鎖状または分岐状の炭化水素をベースとする基を表し、ただし、
- R1およびR2が、直鎖状である場合、それらは各々8≦R1+R2≦9で1〜8個の炭素原子を含有し、
- R1および/またはR2が、分岐状である場合、それらは各々9≦R1+R2≦11で1〜10個の炭素原子を含有する)であることを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
前記揮発性溶媒が、式R1-O-R2のエーテル(式中、R1およびR2は、同一かまたは異なり、直鎖状または分岐状の炭化水素をベースとする基を表し、ただし、
- R1およびR2が、直鎖状である場合、それらは各々10≦R1+R2≦11で1〜10個の炭素原子を含有し、
- R1および/またはR2が、分岐状である場合、それらは各々10≦R1+R2≦13、好ましくは12≦R1+R2≦13で1〜12個の炭素原子を含有する)であることを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
前記揮発性溶媒が、式R1-O-CO-O-R2の炭酸エステル(式中、R1およびR2は、同一かまたは異なり、直鎖状または分岐状の炭化水素をベースとする基を表し、ただし、
- R1およびR2が、直鎖状である場合、それらは各々6≦R1+R2≦7で1〜6個の炭素原子を含有し、
- R1および/またはR2が、分岐状である場合、それらは各々6≦R1+R2≦9で1〜8個の炭素原子を含有する)であることを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
前記揮発性溶媒が、式R1COHのアルデヒド(式中、R1は、直鎖状または分岐状の炭化水素をベースとする基を表し、ただし、
- R1が直鎖状である場合、R1は、7または8個の炭素原子を含有し、
- R1が分岐状である場合、R1は、8〜10個の炭素原子を含有する)であることを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
生理学的に許容できる媒体中に、少なくとも1種の非プロトン性炭化水素をベースとする揮発性溶媒を含む化粧品組成物であって、前記溶媒揮発性は、30分間に蒸発する量が4.1mg/cm2〜24mg/cm2であるような揮発性を有し、前記炭化水素をベースとする揮発性溶媒は、式R1-O-R2のエーテル(式中、R1およびR2は、同一かまたは異なり、直鎖状または分岐状の炭化水素をベースとする基を表し、ただし、
- R1およびR2が、直鎖状である場合、それらは各々10≦R1+R2≦11で1〜10個の炭素原子を含有し、
- R1および/またはR2が、分岐状である場合、それらは各々10≦R1+R2≦13、好ましくは12≦R1+R2≦13で1〜12個の炭素原子を含有する)である化粧品組成物。
【請求項22】
前記揮発性溶媒の定義によらない1種または複数のさらなる揮発性油も含むことを特徴とする、請求項1から21のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
前記揮発性溶媒と前記揮発性溶媒の定義によらない前記さらなる揮発性油(複数可)との混合物が、30分間に蒸発する量が4.1mg/cm2〜24mg/cm2であるような蒸発速度を有することを特徴とする、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
前記揮発性溶媒および/または前記揮発性溶媒の定義によらない前記さらなる揮発性油が、天然または天然由来であることを特徴とする、請求項1から23のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項25】
前記非天然揮発性溶媒もしくは天然由来ではない揮発性溶媒および/または前記非天然のさらなる揮発性油もしくはさらなる天然由来ではない揮発性油が、組成物の揮発性化合物の全量の20質量%未満であることを特徴とする、請求項1から24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項26】
前記揮発性溶媒および/または前記さらなる揮発性油および/または任意選択で存在する脂肪物質の混合物が、前記混合物の質量に対して2質量%未満の非天然化合物または天然由来ではない化合物を含有することを特徴とする、請求項1から25のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項27】
前記揮発性溶媒が、組成物の揮発性化合物の全量の少なくとも30質量%、特に少なくとも50質量%であることを特徴とする、請求項22から26のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項28】
本発明による前記揮発性溶媒(複数可)が、前記組成物の全重量に対して少なくとも2重量%、またはさらに好ましくは少なくとも5重量%を表すことを特徴とする、請求項1から27のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項29】
液体、ペースト、固体、泡またはスプレーの形態であることを特徴とする、請求項1から28のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項30】
エマルジョンまたは無水組成物の形態であることを特徴とする、請求項1から29のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項31】
体または顔の手入れ組成物;シャワー用ジェル、入浴用ジェルまたはメイクアップリムーバーなどの体もしくは顔の清浄組成物;ファンデーション、リップスティック、リップケア製品、ネイルケア製品、マスカラまたはアイライナーなどの体もしくは顔のメイクアップ組成物;芳香組成物;ヘアダイ組成物または毛髪を永続的に再成形するための組成物などの毛髪組成物;抗太陽組成物;脱臭組成物;シャンプー、またはリンスアウトもしくはリーブインコンディショナー、(ヘアダイ、ブリーチ、パーマネントウェーブ、またはストレートパーマの前もしくは後に、あるいはパーマネントウェーブまたはストレートパーマの操作の2つのステップの間に施用する)リンスアウト組成物などの毛髪清浄または毛髪手入れ組成物;スタイリングラッカー、ジェル、ムースまたはスプレーなどのヘアスタイルを保持するための毛髪組成物の形態であることを特徴とする、請求項1から30のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項32】
スティックまたはディッシュ、例えば、リップスティックまたはリップクリーム、成型ファンデーション、コンシーラー製品、肌用の「コレクター」および/または「エンハンサー」およびアイシャドウまたはフェースパウダーとして成型製品の形態であることを特徴とする、請求項1から31のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項33】
特に、天然油または天然由来の油から選択される少なくとも1種の不揮発性油を含むことを特徴とする、請求項1から32のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項34】
周囲温度および大気圧で固体である少なくとも1種の脂肪物質を含むことを特徴とする、請求項1から33のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項35】
前記固体脂肪物質が、ワックス、ペースト状の脂肪物質およびガム、およびこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項34に記載の組成物。
【請求項36】
水相を含むことを特徴とする、請求項1から35のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項37】
特に、顔料および/または充填剤および/または真珠光沢剤を含む少なくとも1種の粒子相を含むことを特徴とする、請求項1から36のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項38】
少なくとも1種の水溶性または脂溶性の染料を含むことを特徴とする、請求項1から37のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項39】
少なくとも1種の染料剤を含むことを特徴とする、請求項1から38のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項40】
ポリマー、特に、皮膜形成ポリマー、固定化ポリマー;界面活性剤;毛髪コンディショナー;染料剤;真珠光沢剤;乳白剤;有機溶媒;香料;増粘剤;ゲル化剤;ワックス;ペースト状の製品;ヘアダイ;シリコーン樹脂;シリコーンゴム;保存料;抗酸化剤;活性化粧用薬剤;日焼け止め剤;pH安定剤;ビタミン;モイスチャーライザー;発汗抑制剤;脱臭剤;セルフタンニング化合物、およびこれらの混合物から選択される少なくとも1種の添加剤を含むことを特徴とする、請求項1から39のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項41】
化粧品組成物の調製のための揮発性溶媒としての、1個以下の分岐を含む少なくとも1種の非プロトン性炭化水素をベースとする溶媒の使用であって、前記溶媒は、30分間に蒸発する量が4.1mg/cm2〜24mg/cm2であるような揮発性を有する使用。
【請求項42】
炭化水素をベースとする溶媒が、請求項1から21のいずれか一項に定義されている通りであることを特徴とする、請求項41に記載の使用。
【請求項43】
請求項1から40のいずれか一項に記載の組成物を皮膚、唇および/またはケラチン繊維に施用するステップを少なくとも含む、皮膚、唇および/またはケラチン繊維のメイクアップおよび/または手入れのための化粧方法。

【公表番号】特表2010−510283(P2010−510283A)
【公表日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−537620(P2009−537620)
【出願日】平成19年11月20日(2007.11.20)
【国際出願番号】PCT/EP2007/062583
【国際公開番号】WO2008/061985
【国際公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】