説明

少なくとも1種の高甘味度甘味料(HIS)を含む組成物の味を調整する方法

本発明は少なくとも1種の高甘味度甘味料(HIS)を含む組成物の味を調整する方法に関するものであって、前記方法は味調整剤として少なくとも2種のアゾ化合物を0.1〜30ppm又は0.1〜30mg/Lの総濃度で、少なくとも1種のHISを含む組成物に添加することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、味を調整するための新規な方法、特に、少なくとも1種の高甘味度甘味料(HIS)を含む組成物の苦味及び後味を軽減するための新規な方法に関する。
【背景技術】
【0002】
組成物、例えば、食料、飲料、好んで消費される品目、甘味剤、動物飼料、化粧品、及び医薬品などは味物質(taste substance)を含むことが多いが、それらは原則として好ましくなく、又は存在する強度があまりにも顕著であるか、若しくはあまりにも低い。甘味料の分野においては、甘味の印象に加えて、更に、例えば金属的な味、化学的な味、苦味、若しくは人工の味、又は後味などの味の印象が生じることが多く、それは甘味組成物全体の味の印象に悪影響を及ぼす。本発明の内容において、味とは組成物を口の中に置くと同時に形成される即座の味を意味する。後味とは嚥下後、特に約30秒待った後の味覚認識を意味する。
【0003】
例えば、茶又はコーヒー中のカフェイン、及びビール中のホップ抽出物は天然の苦味物質であるが、これらが非常に高濃度の場合には不愉快な味の印象を生じさせる。独特な苦味のある飲料、例えばトニックウォーター又はビターレモンなどにおいて、キニーネの添加によって生じる特徴的な苦味は特定の範囲において所望される。一方、特に、多くの人工甘味剤、例えば、アセスルファム K(ACK)及びサッカリンなどの苦味又は後味は、他のソーダ飲料における甘味剤の望ましくない味である。フルーツジュース、特にオレンジジュースもまた、例えば苦味のあるフラボノイドグリコシドなどによって味が破壊される。多くの医薬活性化合物、特にイブプロフェンもまた強い苦味を有しており、当該活性化合物を摂取する場合に受け入れにくくなる。
【0004】
例えば茶、コーヒー、又はオレンジジュースの自然な苦味を減少させるために、これらの食料、飲料、及び好んで消費される品目を、苦味物質を破壊するためにいずれも酵素的に処理するか、又は茶及びコーヒー中のカフェインの場合には苦味物質をカフェインを除くことによって除去する。
【0005】
味の印象を調整する更なる可能性としては、味調整物質を所望の食料、飲料、好んで消費される品目、動物飼料、甘味剤、化粧品、及び医薬品に添加することである。
【0006】
従って、好ましくない味の印象を抑制又は軽減し、且つ目的の方法において所望の味の印象を増幅させるか、或いは少なくともそれらに悪影響を与えない物質を見出すことが望ましい。
【0007】
特に医薬活性化合物の分野において、特に苦味を調整する多数の物質が知られている。そのため、例えば、患者が摂取しやすくするために、イブプロフェンの苦味をポリリジン及びポリアルギニン(国際公開第2003/086293号を参照)、メグルミン塩(米国特許第5,028,625号を参照)、塩化ナトリウム又はサッカリンナトリウム(国際公開第2003/0475550号を参照)、又はヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン若しくはチュアブルメタクリル酸コポリマー(Modifying Bitterness, Mechanism, Ingredients And Applications, Glenn Roy, 1997を参照)でマスクする。カフェインの苦味もまた多数の味調整剤、例えばグルタミン酸、ジサリチル酸ジカルシウム、デンプン、ラクトース、マニトールなど、並びにホスファチジン酸及びβ−ラクトグロブリン(Glenn Roy, 1997を参照)によって、更にはヒドロキシベンズアミド、特にヒドロキシ安息香酸バニリルアミド(Ley et al., Journal of Agricultural & Food Chemistry, 2006を参照)を添加することによって軽減することができる。
【0008】
一般に苦味を軽減するために使用される更なる物質、特に医薬品及び食料に使用される物質はレクチン、アルコルビン酸塩、クエン酸塩(特開2001-226293号公報を参照)、モノ−若しくはジグリセリドエステル、例えばグリセロールモノステアレート、及びポリカルボン酸、例えばコハク酸(欧州特許出願公開第0 732 064 A1号を参照)、ヒドロキシフラバノン(欧州特許出願公開第1 258 200 A1号を参照)、2-フェニル-4-クロマノン誘導体(独国特許出願公開第101 22 898号を参照)、硫酸ナトリウム水和物(特開平02-025428号公報を参照)である。加えて、米国特許第5,637,618号は飲料の苦味を軽減するための安息香酸誘導体、そして更に甘味剤及び塩化カリウムの使用を開示している。塩化カリウムの苦味も2,4-ジヒドロキシ安息香酸、カラギーナン及びタウマチンを使用することで阻害される(Glenn Roy, 1997;米国特許第5,637,618号、特開平04-262758号公報、及び特開平07-083684号公報を参照)。
【0009】
しかしながら、特に味調整剤を、少なくとも1種のHISを含む組成物、例えば、特にHIS含有ソフトドリンク以外の食料、飲料、好んで消費される品目、甘味剤、動物飼料、化粧品及び医薬品などの苦味を軽減するために使用することを意図する場合には、周知の味調整剤は完全に満足できるものではない。この場合において、それらの苦味軽減活性が十分でないことが多い。この理由のため、周知の味調整剤の濃度を、十分な活性を得るために増加させると、それぞれの組成物の残留成分との望ましくない物理的及び/若しくは化学的な相互作用、並びに/又は悪影響、特にその特徴的な味の印象を完全に歪める障害が生じ得る。
【0010】
HISとしてACKを含むソフトドリンクを着色するために、アゾ色素、例えばYellow 6(E110)(36mg/Lの濃度)及びRed 40(E129)(2mg/Lの濃度)を併用することが知られている。そのような製品の1例としては、Diet Sunkist(登録商標)Orange Sodaがある。アゾ色素は飲料を着色する働きをする。使用されたアゾ色素がACKの苦味及び後味も軽減するかどうかは知られていない。
【0011】
出願番号が07102977.1である先願の欧州特許出願は、少なくとも1種のHISを含む組成物に対して味調整剤としてアゾ色素を使用することを記載している。しかしながら、これまでにたった1種のアゾ色素が、ある任意の組成物に使用されただけである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第2003/086293号
【特許文献2】米国特許第5,028,625号
【特許文献3】国際公開第2003/0475550号
【特許文献4】特開2001-226293号公報
【特許文献5】欧州特許出願公開第0 732 064 A1号
【特許文献6】欧州特許出願公開第1 258 200 A1号
【特許文献7】独国特許出願公開第101 22 898号
【特許文献8】特開平02-025428号公報
【特許文献9】米国特許第5,637,618号
【特許文献10】特開平04-262758号公報
【特許文献11】特開平07-083684号公報
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Modifying Bitterness, Mechanism, Ingredients And Applications, Glenn Roy, 1997
【非特許文献2】Ley et al., Journal of Agricultural & Food Chemistry, 2006
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、本発明の目的は、味を調整するための新規な方法、特に、少なくとも1種の高甘味度甘味料(HIS)を含む組成物、とりわけ、食料、飲料、好んで消費される品目、甘味剤、動物飼料、化粧品及び医薬品、好ましくは少なくとも1種のHISを含む食料、飲料、好んで消費される品目、甘味剤、動物飼料、化粧品及び医薬品の苦味及び後味を軽減するための新規な方法を見出すことであった。
【0015】
味を調整するための新規な方法は、使用した味調整剤が各組成物、特に食料、飲料、好んで消費される品目、甘味剤、動物飼料、化粧品及び医薬品の残留成分と望ましくない物理的及び/又は化学的な相互作用を全く引き起こすことなく、且つ特徴的な味の印象に悪影響を与えることなく、特に、特徴的な味の印象を損なうことなく、又は完全に歪めるわけではないという効果を有さなければならない。
【0016】
特に、新規な方法はごくわずかな量の味調整剤の使用であっても、少なくとも1種のHISを含む組成物の苦味及び苦い後味を有意に軽減させることを可能にしなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0017】
従って、少なくとも1種の高甘味度甘味料(HIS)を含む組成物の味を調整するための新規な方法は、少なくとも2種のアゾ化合物を味調整剤として0.1〜30ppm又は0.1〜30mg/Lの総濃度で、少なくとも1種のHISを含む組成物に加えることにより発見された。
【0018】
以下、組成物の味を調整するための新規な方法を「本発明の方法」と称する。
【発明の効果】
【0019】
驚くべきことに、本発明の方法は、使用した味調整剤が、少なくとも1種のHISを含む各組成物、特に食料、飲料、好んで消費される品目、甘味剤、動物飼料、化粧品及び医薬品の残留成分と望ましくない物理的及び/又は化学的な相互作用を全く引き起こすことなく、且つそれらの特徴的な味の印象に悪影響を与えることなく、特に、特徴的な味の印象を損なうことなく、又は完全に歪めるわけではないという効果を有した。
【0020】
特に、本発明の方法は、ごくわずかな量の味調整剤の使用であっても、少なくとも1種のHISを含む組成物の苦味及び苦い後味を有意に軽減することが可能である。
【0021】
これらの驚くほどわずかな量は組成物の色の印象にも悪影響を与えず、特に着色したソフトドリンクの場合において、非常に有利であった。
【0022】
特に驚くべきことに、本発明の方法による少なくとも1種のHISを含む所定の組成物の味調整剤は、素晴らしくは再生可能であり、まさに食料、飲料、好んで消費される品目、甘味剤、動物飼料、化粧品及び医薬品などの大量生産品に関して非常に有利である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の方法は、少なくとも1種の高甘味度甘味料(HIS)を含む組成物の味を調整すること、特に苦味及び苦い後味の軽減することに関する。
【0024】
好ましくは、組成物は食料、飲料、好んで消費される品目、甘味剤、動物飼料及び化粧品であり、好ましくは食料、飲料、好んで消費される品目、甘味剤、動物飼料、化粧品及び医薬品におけるものである。好ましくは、飲料はソフトドリンクであり、特に好ましくはカフェインを含むソフトドリンク、特にコーラ飲料である。
【0025】
組成物は、甘味剤又は甘味料として少なくとも1種の高甘味度甘味料(HIS)を含む。HISは、生理的熱量を有さないか、又は甘味力と比べてごくわずかな熱量しか有さず(栄養価のない甘味料)、かつスクロースよりも何倍も高い甘味力を有する合成又は天然の化合物を意味する。化合物の甘味力はスクロース溶液(イソスイート(isosweet)溶液;0.1M=4%)と全く同じ甘味に希釈することにより定められる。すなわち、甘味料が500の甘味力を有する場合、500倍に希釈された甘味料の溶液はスクロース溶液と同じようにイソスイートの味を有する。
【0026】
適切なHISの例はRompp Online 2007, "Substoffe" [Sweeteners]から知られている。好ましくは、HISは、アセスルファム−カリウム(ACK)、アスパルテーム(ASP)、サッカリン及びその塩、シクラメート及びその塩、アスパルテーム−アセスルファム塩、スクラロース、タウマチン、ステビア、ステビオシド並びにネオへスペリジンジヒドロカルコン、好ましくはACK、ASP、サッカリン及びスクラロース、特に好ましくはACK及びサッカリン、特にACKからなる群から選択される。
【0027】
好ましくは、組成物は、組成物1Lにつき又は1kgにつき10g未満、好ましくは1g未満の糖を含む低糖組成物、特に糖を含まない組成物である。本発明において糖とは特に単糖及び二糖を意味するが、これらに限定されない。
【0028】
有利には、組成物は、組成物1Lにつき又は1kgにつき100kJ未満、好ましくは10kJ未満を有する組成物である。
【0029】
有利には、組成物は、炭水化物を含まない組成物、特にデンプンを含まない組成物である。
【0030】
好ましくは、組成物は、組成物1Lにつき又は1kgにつき1g未満の脂肪を含む低脂肪組成物、特に脂肪を含まない組成物である。低糖及び/又は低脂肪組成物、特に糖を含まない及び/又は脂肪を含まない組成物は、好ましくはACKで甘味化した組成物である。
【0031】
本発明の方法との関連において、少なくとも2種、特に2種のアゾ化合物であって、それぞれが少なくとも1つのアゾ基を有する化合物を組成物に更に添加する。好ましくは、アゾ化合物は水溶性である。
【0032】
アゾ化合物の総量又は総濃度は、それぞれ組成物の総量に基づいて、0.1〜30ppm、好ましくは0.5〜20ppm、特に1〜10ppmである。
【0033】
組成物が液体である場合には、アゾ化合物は0.1〜30mg/L、好ましくは1〜20mg/L、特に1〜10mg/Lの濃度で使用される。
【0034】
これらの少量の有効総量又は総濃度は、組成物の色の印象に変化を与えないか、又はごくわずかな程度、無視できる程度にすぎず、このことは本発明の方法の特に有利な性質を再度裏付けるものである。
【0035】
この場合、各アゾ化合物の互いの重量比は、同じように幅広く変更することができ、各場合の要求に非常にうまく合わせることができる。本発明に好ましい2種のアゾ化合物を使用する場合、アゾ化合物の互いの重量比は好ましくは10:1〜1:10、より好ましくは5:1〜1:5、特に2:1〜1:2である。
【0036】
好ましくは、アゾ化合物のアゾ基は、アリール基及び/又はヘテロ原子を有するアリール基、より好ましくはアリール基、特にフェニル基及び/又はナフチル基に結合する。この場合、1つ又はそれ以上のアゾ基が1つのアゾ化合物中に存在することができる。これらのアゾ基は、互いに独立して、アリール基及び/又はヘテロ原子を有するアリール基、好ましくはアリール基、特にフェニル基及び/又はナフチル基に結合することができる。
【0037】
好ましくは、少なくとも1つのアリール基は少なくともモノ置換されている。この場合、アゾ基の一方のアリール基を置換せず、他方を多く置換することができる。
【0038】
適切な置換基の例は、スルホン酸基、ニトロ基、アルキル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、第1級及び第2級アミノ基、アミド基、ニトリル基及びハロゲン原子、好ましくはスルホン酸基、ヒドロキシル基及びニトロ基、特にスルホン酸基及びヒドロキシル基である。
【0039】
好ましくは、アゾ化合物は以下に列記する化合物1〜112からなる群から選択される。アゾ化合物はイオン性又は非イオン性であり得、また荷電又は非荷電形態で存在し得る。
【化1】









































【0040】
好ましくは、アゾ化合物は、アゾ化合物1、3、5、6、30、78、59及び112、並びに特に
1(=E123)、3(=E110)、5(=E128)及び6(=E129)からなる群から選択される。
【化2】



【0041】
この場合、2種の好ましいアゾ化合物の以下の組み合わせは特に有利である:E110/E128、E110/E129、E128/E129、E123/E110、E123/E128及びE123/E129、特にE110/E129。
【0042】
とりわけ好ましくは、ACK並びに2種のアゾ化合物E110及びE129の組み合わせを含み、糖を含まない組成物である。
【0043】
本発明に使用される上記のアゾ化合物とは別に、他の慣用かつ周知の味調整物質も有効量で使用することができる。適切な慣用かつ周知の味調整物質の例は冒頭に記載したものである。
【実施例】
【0044】
実施例1及び2
ACKの味調整のための2種のアゾ色素の使用
実施例1及び2について以下の物質を使用した。
【0045】
HIS:
アセスルファムK(ACK), Fluca Bio Chemika製;
アゾ化合物:
No. 3: E110, Sunset Yellow, Sigma製;
No. 6: E129, Allura Red, Sigma製;
コーラ飲料:
甘味料なしの「ゼロコーラ」と称されるものを以下のように製造した:
36gのコーラフレーバー(コーラベース, Dohler製, Darmstadt, 商品番号200380)、
7.7gの85%高純度オルトリン酸(Karl Roth GmbH + Co KG, Karlsruhe, 商品番号9079.1)、
3.6gの99.5%クエン酸 p.a.(Karl Roth GmbH + Co KG, Karlsruhe, 商品番号3958.2)、
2.4gの安息香酸ナトリウム(Fluka, Sigma-Aldrich, Steindrunn製)、及び
1.2gの99%無水カフェイン(Fluka, Sigma-Aldrich, Steindrunn製)
を600mLの水道水に溶解した。この濃度の50mL分をそれぞれ1Lの「ゼロコーラ」とした。
【0046】
定量的感覚試験−一般手順
実施例1及び2のサンプル1及び2、並びに対照サンプル1及び2のコンセンサスプロファイルをDIN 10967-2/ISO 11035に従って作成した。このため、DIN/ISO規定に従って選択した8人の訓練を受けた試験者に所定の特性を明確にさせ、教育することによって、製品に精通させた。次に、試験者が所定の特性に従って味、後味、及び口の感触を評価するためにサンプル1及び2を試験した。試験責任者が表及びクモの巣図の形式で各コンセンサスプロファイルをまとめた。明確性のために、以下では表のみを再現する。
【0047】
サンプル1及び2、並びに対照サンプル1及び2−組成物:
サンプル1及び2、並びに対照サンプル1及び2は以下に記載する組成物を有する。以下の表に使用するそれぞれの略語は括弧内に記載されている。
【0048】
対照サンプル1:
水+500mg/LのACK(略語:水/ACK)
対照サンプル2:
ゼロコーラ+500mg/LのACK(略語:コーラ/ACK)
サンプル1−実施例1:
水+500mg/LのACK+2.3mg/Lのアゾ化合物E110+2.5mg/Lのアゾ化合物E129(略語:水/ACK/E110/E129)
サンプル2−実施例2:
ゼロコーラ+500mg/LのACK+2.3mg/Lのアゾ化合物E110+2.5mg/Lのアゾ化合物E129(略語:コーラ/ACK/E110/E129)
【0049】
サンプル1及び2、並びに対照サンプル1及び2−試験結果:
サンプル1及び対照サンプル1の定量的感覚試験の結果を表1にまとめる。
【0050】
サンプル2及び対照サンプル2の定量的感覚試験の結果を表2にまとめる。
【0051】
両表において、測定値0は関連する感覚特性が存在しなかったことを意味し、測定値10
は関連する感覚特性が強く存在したことを意味する。
【表1】

【0052】
表1の結果は2種のアゾ化合物E110及びE129が、水中のACKの苦味及び苦い後味がなくなったほど強い味調整効果を有していることを示している。
【表2】

【0053】
表2の結果は2種のアゾ化合物E110及びE129を使用するとコーラ中のACKの苦味及び苦い後味を有意に減少できたことを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の高甘味度甘味料(HIS)を含む組成物の味を調整する方法であって、味調整剤として少なくとも2種のアゾ化合物を0.1〜30ppm又は0.1〜30mg/Lの総濃度で、少なくとも1種のHISを含む組成物に添加することを含む、前記方法。
【請求項2】
組成物が食料、飲料、好んで消費される品目、甘味剤、動物飼料、化粧品、及び医薬品である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1種又は複数種のHISがアセスルファム−カリウム、アスパルテーム、サッカリン及びその塩、シクラメート及びその塩、アスパルテーム−アセスルファム塩、スクラロース、タウマチン、ステビア、ステビオシド並びにネオへスペリジンジヒドロカルコンからなる群から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
アセスルファム−カリウムをHISとして使用する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
2種のアゾ化合物を使用する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
アゾ化合物がそれぞれ少なくとも1つのアゾ基を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
アゾ化合物が水溶性である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
アゾ化合物のアゾ基がアリール基に、及び/又はヘテロ原子を有するアリール基に結合している、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
アゾ化合物のアゾ基がアリール基に結合している、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
アリール基がフェニル基及びナフチル基である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つのアリール基が少なくとも1回置換されている、請求項8〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
置換基がスルホン酸基、ニトロ基、アルキル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、第1級及び第2級アミノ基、アミド基、ニトリル基及びハロゲン原子からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
置換基がスルホン酸基及び/又はヒドロキシル基である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
アゾ化合物がE110、E123、E128及びE129:
【化1】



からなる群から選択される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
E110及びE129をアゾ化合物として使用する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1種のHISを含む組成物の苦味及び苦い後味を軽減させる働きをする、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
組成物が低糖組成物、特に糖を含まない組成物である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
組成物が飲料、特にカフェインを含む飲料である、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
組成物が炭水化物を含まない組成物である、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。

【公表番号】特表2010−518828(P2010−518828A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−550295(P2009−550295)
【出願日】平成20年2月25日(2008.2.25)
【国際出願番号】PCT/EP2008/052272
【国際公開番号】WO2008/102018
【国際公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】