説明

少なくとも2つの官能基を有する化合物の連続的製造方法

ニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、およびカルボキサミド基からなる群より各々独立して選択される少なくとも2つの官能基を有する化合物を連続的に製造するための方法であって、この方法は以下の工程:
a)この付加反応のための触媒として適切であり、かつ混合物を得るための反応混合物に関しては均質であるa3)による化合物の存在下で、少なくとも2つの官能基を含むa1)による化合物を製造するために必要とされる官能基を有する2つの末端オレフィンを加える工程であって、該混合物は、
a1)該2つの末端オレフィンのモノ付加によって得られ、かつニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、およびカルボキサミド基からなる群より各々独立して選択される少なくとも2つの官能基を有する化合物、
a2)該2つの末端オレフィンのポリ付加によって得られる化合物、ならびに
a3)この付加反応のための触媒として適切であり、かつ反応混合物に関して均質である化合物を含む、工程、
b)工程a)において得られる混合物を蒸留して、
b1)塔頂生成物としての、該2つの末端オレフィンのモノ付加によって得られ、かつニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、およびカルボキサミド基からなる群より各々独立して選択される少なくとも2つの官能基を有する化合物、ならびに
b2)以下のb2a〜b2cを含む混合物:
b2a)該2つの末端オレフィンのモノ付加によって得られ、かつニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、およびカルボキサミド基からなる群より各々独立して選択される少なくとも2つの官能基を有する化合物、
b2b)該2つの末端オレフィンのポリ付加によって得られる化合物、ならびに
b2c)この付加反応のための触媒として適切であり、かつ反応混合物に関して均質である化合物を得る工程、
c)工程b2)において得られる全体の混合物またはその一部を、工程c)において供給される混合物b2)中における成分b2c)に対する成分b2b)の重量比が保持物中よりも小さいように、浸透物および保持物を得るために半透膜によって分離する工程、
d)工程b2)において得られる浸透物を部分的または完全に工程a)において循環する工程、
ならびに
e)c)において部分的または完全に分離されなかった工程b)において得られた混合物の一部を工程a)に循環する工程
を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、およびカルボキサミド基からなる群より各々独立して選択される少なくとも2つの官能基を有する化合物を連続的に製造するための方法であって、以下の工程:
a)付加反応のための触媒として適切であり、かつ反応混合物に対して均質なa3)による化合物の存在下で、少なくとも2つの官能基を含むa1)による化合物を製造するために必要とされる官能基を有する2つの末端オレフィンを付加して、
a1)前記2つの末端オレフィンのモノ付加によって得られ、かつニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、およびカルボキサミド基からなる群より各々独立して選択される少なくとも2つの官能基を有する化合物、
a2)前記2つの末端オレフィンのポリ付加によって得られる化合物、ならびに
a3)この付加反応のための触媒として適切であり、かつ反応混合物に関して均質である化合物、を含む混合物を得る工程と、
b)工程a)において得られる混合物を蒸留して、
b1)塔頂生成物としての、前記2つの末端オレフィンのモノ付加によって得られ、かつニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、およびカルボキサミド基からなる群より各々独立して選択される少なくとも2つの官能基を有する化合物と、
b2)以下のb2a〜b2cを含む混合物、すなわち
b2a)前記2つの末端オレフィンのモノ付加によって得られ、かつニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、およびカルボキサミド基からなる群より各々独立して選択される少なくとも2つの官能基を有する化合物、
b2b)前記2つの末端オレフィンのポリ付加によって得られる化合物、ならびに
b2c)この付加反応のための触媒として適切であり、かつ反応混合物に対して均質である化合物を含む混合物と、を得る工程、
c)工程b2)において得られる全体の混合物またはその一部を、工程c)において供給される混合物b2)中における成分b2c)に対する成分b2b)の重量比が保持物中よりも小さいように、浸透物および保持物を得るために半透膜によって分離する工程、
d)工程c)において得られる浸透物を部分的または完全に工程a)において循環する工程、及び
e)c)において部分的または完全に分離されなかった工程b)において得られた混合物の一部を工程a)に循環する工程、
を含む方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、およびカルボキサミド基からなる群より各々独立して選択される少なくとも2つの官能基を有する多数の化合物は、大きな工業的な意義を有する。
【0003】
例えば、アジピン酸およびその誘導体は、ナイロン−6またはナイロン−6,6などの工業的に重要なポリマーを調節するための重要な出発物質を構成する。
【0004】
このような化合物は、例えば、少なくとも2つの官能基を含むモノオレフィン性不飽和化合物を製造するために必要である官能基を有する2つの末端オレフィンを付加することによって得られる。
【0005】
例えば、ヘキセジオンジエステルは、例えば、適切な触媒系、特に、J. Organomet.Chem.1987,320,C56,US4,451,665,FR2,524,341,US 4,889,949,Organometallics,1986,5,1752,J.Mol.Catal.1993,85,149,US 4,594,447,Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,1988,27.185,US3,013,066,US4,638,084,EP−A−475 386,JACS 1991,113,2777−2779,JACS 1994,116,8038−8060に記載されるように、均質なロジウム含有触媒系の存在下でアクリルエステルを加えることによって調製可能である。
【0006】
少なくとも2つの官能基を含むモノオレフィン性の不飽和化合物を製造するための官能基を有する2つの末端オレフィンのこのような付加は、ニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、およびカルボキサミド基からなる群より各々独立して選択される少なくとも2つの官能基を有するモノオレフィン性の不飽和化合物を供給する。水素化は、このようなモノオレフィン性の不飽和化合物から、対応する飽和化合物が得られることを可能にする。
【0007】
工業的に実行可能であり、かつ経済的に存続可能である方法のために、ニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、およびカルボキサミド基からなる群より各々独立して選択される少なくとも2つの官能基を有する化合物の調製を連続的に実行することが可能であることが所望される。先行技術はこのような技術を開示していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、技術的に単純であり、かつ経済的に存続可能である様式で、ニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、およびカルボキサミド基からなる群より各々独立して選択される少なくとも2つの官能基を有する化合物の連続的な調製を可能にする方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、この目的が冒頭に定義した方法によって達成されることを見い出した。
【0010】
本発明の状況における触媒と呼ばれる構造は、触媒として使用される化合物に関する。特定の反応条件下で触媒的に活性な種の構造はそこから異なってもよいが、言及される用語「触媒」に含まれる。
【0011】
本発明によれば、工程a)において、この付加反応のための触媒として適切であり、かつ混合物を得るための反応混合物に関しては均質であるa3)による化合物の存在下で、少なくとも2つの官能基を含むa1)による化合物を製造するために必要とされる官能基を有する2つの末端オレフィンを加えることにより行われる。該混合物は、
a1)該2つの末端オレフィンのモノ付加によって得られ、かつニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、およびカルボキサミド基からなる群より各々独立して選択される少なくとも2つの官能基を有する化合物
a2)該2つの末端オレフィンのポリ付加によって得られる化合物、ならびに
a3)この付加反応のための触媒として適切であり、かつ反応混合物に関して均質である化合物を含む。
【0012】
本発明において、化合物a1)は、単一種類の化合物またはこのような化合物の混合物をいう。
【0013】
本発明において、化合物a2)は、単一種類の化合物またはこのような化合物の混合物をいう。
【0014】
本発明において、化合物a3)は、単一種類の化合物またはこのような化合物の混合物をいう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
使用される末端オレフィンは、2つの同一であるかまたは異なる、好ましくは同一のオレフィンであり、これは、各々独立して式H2C=CHR1を有し、ここでR1がニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、またはカルボキサミド基であり、好ましくはカルボン酸エステル基、またはニトリル基である。
【0016】
カルボン酸エステル基の場合において、有利な化合物は、脂肪族、芳香族、または複素環式芳香族のアルコール、特に脂肪族アルコールのエステルである。使用可能である脂肪族アルコールは、好ましくは、C1〜C10アルカノール、特にC1〜C4アルカノールであり、例えば、メタノール、エタノール、i−プロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノールであり、より好ましくはメタノールである。
【0017】
カルボキサミド基N−またはN,N−置換されてもよく、そしてN,N−置換は同一であっても異なっていてもよく、好ましくは同一である。有用な置換基は、好ましくは、C1〜C4基であり、例えば、メチル、エチル、i−プロピル、n−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチルであり、より好ましくはメチルである。
【0018】
有利な実施形態において、使用される官能基を有する末端オレフィンは、アクリル酸またはそのエステルであり得る。例えば、不均一な触媒の存在下でプロペンまたはプロパンの気相酸化によるアクリル酸の調製、および例えば、p−トルエンスルホン酸などの均一な触媒の存在下での適切なアルコールとのアクリル酸のエステル化によるアクリルエステルの調製は、それ自体公知である。
【0019】
アクリル酸が保存されるかまたは処理される場合、例えば、アクリル酸の重合または分解を妨害または減少する、1種以上の安定剤、例えば、p−メトキシフェノールまたは4−ヒドロキシ−2,2,4,4−テトラメチルピペリジン N−オキサイド(「4−ヒドロキシ−TEMPO」)を加えることが慣用的である。
【0020】
このような安定剤は、アクリル酸またはそのエステルが付加工程において使用される前に、部分的または完全に除去可能である。安定剤は、それ自体公知である方法によって、例えば、蒸留、抽出、または結晶化によって除去可能である。
【0021】
このような安定剤は、事前に使用された量がアクリル酸またはそのエステルに残っていてもよい。
【0022】
このような安定剤は、付加反応の前にアクリル酸またはそのエステルに加えられてもよい。
【0023】
異なるオレフィンが使用される場合、付加は代表的には異なる可能な付加生成物の混合物を生じる。
【0024】
1種のオレフィンが使用される場合、この場合は代表的には二量体化と呼ばれる付加は、1種の付加生成物を生じる。経済的な理由のため、この代替が通常好ましい。
【0025】
好ましい実施形態において、ニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、およびカルボキサミド基からなる群より各々独立して選択される少なくとも2つの官能基を有するモノオレフィン性不飽和化合物は、ヘキセンジオンエステル、特にジメチルヘキセンジオエートであり、アジピンジエステルを得るために、特に、水素化によるジメチルアジペートである。
【0026】
アジピン酸はアジピンジエステル、特にジメチルアジペートから、エステル基の切断によって入手可能である。この目的のための有用な方法は、エステルを切断するための方法であり、それ自体公知である。
【0027】
さらに好ましい実施形態において、ニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、およびカルボキサミド基からなる群より各々独立して選択される少なくとも2つの官能基を有するモノオレフィン性不飽和化合物は、水素化によってアジポニトリルを得るためのブテンジニトリルである。
【0028】
さらに好ましい実施形態において、ニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、およびカルボキサミド基からなる群より各々独立して選択される少なくとも2つの官能基を有するモノオレフィン性不飽和化合物は、5−シアノバレリックエステルを得るための5−シアノペンテンエステル、特にメチル5−シアノペンテノエートである。
【0029】
工程a)に従って混合物を得るための2つの末端オレフィンの言及した付加は、例えば、J. Organomet.Chem.1987,320,C56,US4,451,665,FR2,524,341,US4,889,949,Organometallics,1986,5,1752,J.Mol.Catal.1993,85,149,US4,594,447,Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,1988,27.185,US3,013,066,US4,638,084,EP−A−475 386,JACS 1991,113,2777−2779,JACS 1994,116,8038−8060において記載されているように、それ自体公知である方法によってもたらされることが可能である。
【0030】
付加反応は、部分的または完全であり得る。従って、部分的転換の場合、反応混合物は、未転換のオレフィンを含んでもよい。
【0031】
付加反応は、水素の存在下で有利に実行され得る。0.1〜4MPaの範囲の水素圧が有利であることが見い出されている。
【0032】
付加は、触媒として、反応混合物に関して均質であり、かつロジウム、ルテニウム、パラジウム、またはニッケルを含む化合物の存在下で、有利に実行され得る。
【0033】
好ましい実施形態において、工程a)において得られる混合物は、飽和化合物を得るために、工程a)と工程b)の間で水素化され得る。
【0034】
水素化は、触媒として、反応混合物に関して不均一である物質の存在下で有利に実行され得る。
【0035】
有用な不均一な触媒は、好ましくは、その触媒成分が元素の周期表の第8族の貴金属、例えば、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、白金、ニッケル、コバルト、銅、好ましくはパラジウムであるものである。
【0036】
これらの金属は、好ましくは、ニッケルまたはコバルトの場合において、支持されていない形態、例えば、懸濁触媒で使用され得る。
【0037】
これらの金属は、支持された形態、例えば、活性炭、金属酸化物、遷移金属酸化物の上で、例えば、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素上で、好ましくは固定ベッド触媒として使用され得る。
【0038】
水素化は、触媒として、反応混合物に関して均質であり、かつロジウム、ルテニウム、パラジウム、またはニッケル、好ましくはロジウムを含む化合物の存在下で有利に実行され得る。
【0039】
好ましい実施形態において、工程a)は、反応混合物に関して均質であり、かつロジウムを含む、工程a)において得られる混合物のこの水素化と同じ、触媒としての化合物の存在下で実行され得る。
【0040】
特に好ましい実施形態において、工程a)において得られる混合物のこの水素化は、工程a)において使用される均質なロジウム含有化合物を除去または枯渇させることなく実行され得る。
【0041】
この手順は、先行技術と比較して、大きな利点がある。なぜなら、言及した付加反応において得られる反応廃液の作業が必要とされないからである。特に好ましい実施形態において、工程a)において得られる混合物は、この水素化に対する作業工程なしで移動されることができる。
【0042】
これは、例えば、工程a)において得られる混合物を、反応装置から、水素化のために意図されるさらなる装置に移動させることによって、すなわち、工程a)および水素化の空間的分離によってもたらされ得る。例えば、工程a)は、攪拌タンク、攪拌タンクバッテリー、またはフローチューブなどのリアクター中で、または水素化のために適切であるさらなるリアクターとの、これらのリアクター型の1つの組み合わせで、実行され得る。
【0043】
これは、例えば、同じ装置中で工程a)および水素化を連続的に実行すること、すなわち、工程a)および水素化の時間的的分離によってもたらされ得る。
【0044】
好ましくは、工程a)における付加、または水素化、または両方が触媒としての化合物の存在下で実行され、該化合物は反応混合物に関して均質であり、ロジウムを含み、かつ式[L1RhL23R]+-を有し、ここで、
1はアニオン性ペンタヘプトリガンド、好ましくはペンタメチルシクロペンタジエニルであり;
2は非荷電2−電子供与体であり;
3は非荷電2−電子供与体であり;
RはH、C1〜C10アルキル、C6〜C10アリール、およびC7〜C10アラルキルリガンドからなる群より選択され;
-は非配位アニオン、好ましくはBF4-、B(ペルフルオロフェニル)4-、B(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)4-、Al(ORF4-からなる群より選択され、ここでRFが同一であるかまたは異なる、部分がフッ化されているか、またはペルフルオロ化されている脂肪族基または芳香族基であり、特にペルフルオロイソプロピルまたはペルフルオロ−tert−ブチルであり;
ここでL2、L3、およびRの2つまたは3つが任意に結合される。
【0045】
好ましい実施形態において、L2およびL3が各々独立して、C24、CH2=CHCO2Me、P(OMe)3、およびMeO2C−(C46)−CO2Meからなる群より選択され得る。
【0046】
さらに好ましい実施形態において、L2およびL3がともに結合され得る。この場合、L2およびL3はともに、特にアクリロニトリルおよび5−シアノペンテンエステルであり得る。
【0047】
さらに好ましい実施形態において、L2およびRがともに結合され得る。この場合、L2およびRはともに、特に−CH2−CH2CO2Meであり得る。
【0048】
さらに好ましい実施形態において、L2、L3、およびRがともに結合され得る。この場合、L2、L3、およびRはともに、特にともにMeO2C(CH22−(CH)−(CH2)CO2Meであり得る。
【0049】
特に好ましい実施形態において、工程a)における付加、または水素化、または両方が触媒としての化合物の存在下で実行され、該化合物は反応混合物に関して均質であり、ロジウムを含み、かつ以下からなる群より選択される:
[Cp*Rh(C242H]+BF4-
[Cp*Rh(P(OMe)3)(CH2=CHCO2Me)(Me)]+BF4-
[Cp*Rh(−CH2−CH2CO2Me)(P(OMe)3)]+BF4-
[Cp*Rh(MeO2C(CH22−(CH−)−(CH2)CO2Me)]+BF4-
[Cp*Rh(C242H]+B(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)4-
[Cp*Rh(P(OMe)3)(CH2=CHCO2Me)(Me)]+B(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)4-
[Cp*Rh(−CH2−CH2CO2Me)(P(OMe)3)]+B(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)4-
[Cp*Rh(MeO2C(CH22−(CH−)−(CH2)CO2Me)]+B(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)4-
[Cp*Rh(C242H]+B(ペルフルオロフェニル)4-
[Cp*Rh(P(OMe)3)(CH2=CHCO2Me)(Me)]+B(ペルフルオロフェニル)4-
[Cp*Rh(−CH2−CH2CO2Me)(P(OMe)3)]+B(ペルフルオロフェニル)4-、および
[Cp*Rh(MeO2C(CH22−(CH−)−(CH2)CO2Me)]+B(ペルフルオロフェニル)4-
[Cp*Rh(C242H]+Al(ORF4-
[Cp*Rh(P(OMe)3)(CH2=CHCO2Me)(Me)]+Al(ORF4-
[Cp*Rh(−CH2−CH2CO2Me)(P(OMe)3)]+Al(ORF4-および
[Cp*Rh(MeO2C(CH22−(CH−)−(CH2)CO2Me)]+Al(ORF4-
ここでRFは、同一であるかまたは異なる、一部がフッ化されているか、またはペルフルオロ化されている脂肪族基または芳香族基、特にペルフルオロイソプロピルまたはペルフルオロ−tert−ブチルである。
【0050】
このような触媒およびそれらの調製物は、例えば、EP−A−475 386,JACS 1991,113,2777−2779,JACS 1994,116,8038−8060に記載されるように、それ自体公知である方法によってもたらされ得る。
【0051】
水素化は、ニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、およびカルボキサミド基からなる群より各々独立して選択される少なくとも2つの官能基を有するモノオレフィン性不飽和化合物が、言及された官能基を得るための飽和化合物に転換されるような方法で実行され得る。この水素化は、0.01〜20MPaの範囲の水素分圧で有利に実行され得る。水素化において、0.1〜100時間の範囲である、ニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、およびカルボキサミド基からなる群より各々独立して選択される少なくとも2つの官能基を有するモノオレフィン性不飽和化合物の平均滞留時間が有利であることが見い出された。さらに水素化のための有用な温度は、好ましくは、30℃〜160℃の範囲である。
【0052】
水素化は、ニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、およびカルボキサミド基からなる群より各々独立して選択される少なくとも2つの官能基を有するモノオレフィン性不飽和化合物が、少なくとも1つ、好ましくはすべての、言及された官能基より好ましくは、カルボン酸基およびカルボン酸エステル基から選択される1つ以上の基、特にカルボン酸エステル基の水素化、特に、構造−CH2OHの1つ以上の基への言及された基の転換を用いて、飽和化合物に転換されるような方法で実行され得る。この水素化は、有利には、10〜30MPaの範囲の水素分圧で実行され得る。水素化において、0.1〜100時間の範囲である、ニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、およびカルボキサミド基からなる群より各々独立して選択される少なくとも2つの官能基を有するモノオレフィン性不飽和化合物の平均滞留時間が有利であることが見い出された。さらに、水素化のために有用な温度は、好ましくは200℃〜350℃の範囲である。
【0053】
工程a)とb)との間の水素化の利点は、ニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、およびカルボキサミド基からなる群より各々独立して選択される少なくとも2つの官能基を有するモノオレフィン性不飽和化合物の少なくとも0.5%、好ましくは少なくとも1%、特に少なくとも5%が、同じ少なくとも2つの官能基を有する飽和化合物に水素化される場合に、特に明らかになる。
【0054】
本発明に従って、任意に工程a)と工程b)の間の水素化後の工程a)において得られる混合物は、工程b)に供給され、ここでこの混合物は以下を得るために蒸留される:
b1)塔頂生成物としての、該2つの末端オレフィンのモノ付加によって得られ、かつニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、およびカルボキサミド基からなる群より各々独立して選択される少なくとも2つの官能基を有する化合物、ならびに
b2)以下のb2a〜b2cを含む混合物:
b2a)該2つの末端オレフィンのモノ付加によって得られ、かつニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、およびカルボキサミド基からなる群より各々独立して選択される少なくとも2つの官能基を有する化合物
b2b)該2つの末端オレフィンのポリ付加によって得られる化合物、ならびに
b2c)この付加反応のための触媒として適切であり、かつ反応混合物に関して均質である化合物。
【0055】
工程b)における蒸留は、50〜200℃、好ましくは60〜160℃、特に70〜150℃の範囲の底部温度で有利に実行され得る。
【0056】
この場合、蒸留装置の底部で測定される有用な圧力は、0.05〜50kPa、好ましくは0.1〜10kPa、特に0.2〜6kPaの範囲である。
【0057】
1〜45分間、好ましくは5〜35分間、特に10〜25分間の範囲の平均滞留時間が有利であることが見い出された。
【0058】
蒸留のために有用な装置は、例えば、Kirk−Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology、第3版、第7巻、John Wiley & Sons,New York,1979、870−881頁において記載されるような、この目的のために慣用的である装置であり、例えば、シーブトレイカラム、バブルキャップトレイカラム、構造的またはランダムパッキングを有するカラム、デュアル−フロートレイカラム、バブルトレイカラムまたは1段階エバポレーター、例えば、フォーリングフィルムエバポレーター、薄膜エバポレーターまたはフラッシュエバポレーターである。
【0059】
蒸留は、複数の、例えば、2個または3個の装置において、有利には単一の装置において実行され得る。
【0060】
塔頂生成物b1)として得られる成分は、所望されるように、作業され得るし、またはそれ自体公知である方法によってさらに処理され得る。
【0061】
得られる上端の化合物が不飽和化合物である場合、それ自体公知である方法によって飽和化合物に水素化され得る。例えば、不飽和ジカルボン酸またはそのエステル(例えば、ジエステル)、例えば、ブテンジカルボン酸またはそのモノ−もしくはジエステルが、対応する飽和ジカルボン酸、またはそのエステル(例えば、ジエステル)、例えば、アジピン酸またはそのモノもしくはジエステルに、あるいは対応する、特に飽和アルコール、例えばヘキサン−1,6−ジオールに転換され得る。
【0062】
得られる塔頂生成物b1)がアジピンジエステルまたはブテンジカルボキシルジエステルなどのジエステルであった場合、これは、末端が不飽和のカルボン酸(例えば、アクリル酸)と有利に反応されて、ジカルボン酸(例えば、ブテンジカルボン酸またはアジピン酸)、および末端が不飽和のカルボン酸の対応するエステルを得てもよい。このような方法は、例えば、独国特許出願第10240781.9号において記載されている。
【0063】
本発明に従って、工程b2)において得られる混合物は、工程c)において供給される混合物b2)中における成分b2c)に対する成分b2b)の重量比が保持物中よりも小さいように、浸透物および保持物を得るために半透膜によって、工程c)において分離される。
【0064】
有用な半透膜は、好ましくは、成分b2b)についてよりも、成分b2c)についてより高い浸透性を有するものである。
【0065】
さらに、有用な半透膜は、好ましくは、成分b2b)についてよりも、成分b2a)についてより高い浸透性を有するものである。
【0066】
半透膜の分離層は、特に、有機ポリマー、セラミック材料、金属、および炭素、またはそれらの組み合わせからなる群より選択される、1種以上の有機物質または無機物質を含む。これは、濾過温度において、供給媒体中で安定であるべきである。
【0067】
有用なセラミックスは、好ましくは、α−酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、二酸化チタン、炭化ケイ素、または混合セラミック材料である。
【0068】
使用される有機ポリマーは、有利には、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデン、ジフルオリド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアクリロニトリル、再生セルロース、またはシリコーンであり得る。
【0069】
機械的な理由により、分離層は、一般的には、分離層に対して同じかまたは異なる物質から作られる単層または多層の多孔性下部構造に適用される。下部層は、一般的には、分離層よりも粗い孔を有する。有利な物質の組み合わせの例は、以下の表に列挙される:
【0070】

【0071】
膜の平均孔径は、無機膜の場合においては、有利には、0.9〜50nm、特に3〜20nmの範囲であるべきである。分離限界は、有機膜の場合においては、好ましくは、500〜100000ダルトンの範囲、特に2000〜40000ダルトンの範囲であるべきである。
【0072】
膜は種々のジオメトリー、例えば、平面、複数溝エレメント、キャピラリーまたはコイルのジオメトリーにおいて使用してもよく、保持物と透過物との間の分離を可能にする適切な圧力ケーシングが利用可能である。
【0073】
最適な膜浸透圧力は、膜孔の直径、ケーキ層蓄積に影響を与える流体力学的条件、および濾過温度における膜の機械的安定性に実質的に依存する。
【0074】
好ましい実施形態において、膜浸透圧力は、0.02〜10MPa、特に0.1〜6MPaの範囲であり得る。
【0075】
膜の浸透側での圧力に対する保持側での圧力の比は、好ましくは、2〜100の範囲であり得る。
【0076】
保持側において、0.1〜10MPaの範囲の圧力が有利に適用され得る。
【0077】
浸透側において、1〜1000MPaの範囲の圧力が有利に適用され得る。
【0078】
膜分離は、特に、0〜150℃の範囲の温度で実行され得る。
【0079】
浸透流の明確な減少をもたらす成分b)のケーキ層の顕著な蓄積を妨害するために、特に、0.1〜10m/sの範囲での膜と懸濁物との間の相対速度を生成するための、ポンプを用いる循環、膜の機械的な移動、または膜の間の攪拌装置が有用であることが見い出された。
【0080】
浸透流は、有利には、1〜50kg/m2/hの範囲であるべきである。
【0081】
膜分離は、例えば、一連の連結された1つ以上の膜分離ステージを通る、1回の通過によって連続的にもたらされ得る。
【0082】
膜分離は、例えば、膜モジュールを通した複数の通過によって、不連続であり得る。
【0083】
膜分離において、補助成分が使用され得る。この状況において、特に、成分a)またはb1)が浸透物として除去された程度まで、成分a)またはb1)の使用が有利であることが見い出された。
【0084】
次いで、成分a)またはb1)は、それ自体公知である方法、例えば、蒸留、抽出、膜分離によって、好ましくは蒸留によって保持物から除去されてもよい。
【0085】
工程b)についてすでに記載されたパラメーターおよび装置がこの目的のために有用である。
【0086】
好ましい実施形態において、本発明による方法において得られる浸透物は、工程a)に、部分的または完全に循環されてもよい。
【0087】
さらなる好ましい実施形態において、本発明に従って蒸留において得られる混合物b2)は、本発明による膜分離に、部分的にまたは完全に供給されてもよい。従って得られ、かつ本発明による膜分離に供給されない下部流は、工程a)に部分的にまたは完全に、好ましくは完全に循環されてもよい。
【実施例】
【0088】
(定義)
膜浸透圧:
TMP=((Pモジュール入口+Pモジュール出口)/2)−P浸透
ダイアフィルトレーションにおける溶媒交換係数:
MA=ダイアフィルトレーション剤付加(Kg)/システム容量(kg)
【0089】
(実施例1)
官能基化オレフィンの二量体化、均質な触媒の蒸留除去、および膜分離による高沸点物質の除去
750mlの容量を有する攪拌ガラスオートクレーブおよび400mlの容量を有する攪拌ガラスオートクレーブを、それぞれリアクターR1およびR2として、連続して連結する。ポンプP1の補助を用いて、MAを第1のオートクレーブの反応物質として供給する。この供給は、浸漬パイプを介して、R1の液体空間までである。水素を、同様にこのラインを介して、質量流レギュレーターF1を使用してガス状で導入する。R1のレベルは、第2の浸漬パイプを使用して調整し、これはR2へのオーバーフローとして働く。ガス状水素は、質量流レギュレーターF2を介して、R2へのオーバーフローラインまで同様に計量される。R2への供給は、浸漬パイプを介してR2に同様に導入され、R2からの流出物は、さらなる浸漬パイプを通して、Recoからの圧力調節バルブを使用して、0.046m2のエバポレーター表面積を有する薄層エバポレーターに導かれる。このエバポレーターは、真空ユニットを使用して、所定の圧力まで調整される。このエバポレーターは、オイルバスW1を使用して加熱される。W1の温度は、薄層エバポレーターのランオフベッセル中のレベルを制御するために使用される。このベッセルから、ポンプP2がエバポレーターを通してサイクル流を搬送し、そしてさらなるポンプP3が、このサイクルからの循環流をリアクターR1に搬送する。この循環流は、同様に、MA供給がまたそこから計量される浸漬パイプを通して導入される。ポンプP1およびP3は、同様に、単位時間あたりに同じ体積を搬送する。エバポレーターの蒸気流は、強力な冷却器を通して導かれ、そこで濃縮される。この濃縮物は、次には収集される(流出物)。これらの条件下で濃縮されない成分は、大気圧下での濃縮に供せられ、冷却トラップ中で収集される。
【0090】
(連続的二量体化および触媒除去の操作:)
実験の開始時に、リアクターに、Cp*Rh(C242および化学量論量のHBArF4を含む溶液、およびまたHDME中の250ppmのPTZを充填する。均一な混合を達成するために、反応混合物を、最初に、室温で約20時間循環する。その後、薄層エバポレーターを、100℃の開始温度にあらかじめ加熱する。次いで、水素流およびMA供給(120m/h、PTZの重量で100ppmを含む)を開始し、リアクターを70℃に加熱し、そしてエバポレーターを減圧下で操作する。
【0091】
定常状態において、190ppmのロジウム濃度がR1について測定される。18時間の代表的な評価期間において、以下の結果が得られる:
供給 2264g
冷却トラップ 222g(81% MA)
溶出液 2036g(95% 不飽和直鎖状ジエステル、4% MA、約0.5% DMA)
【0092】
一連の評価後、触媒回路中の高沸点物質の割合が増加する。それゆえに、循環流の一部が放出し、3002.6gの総重量まで、MAで希釈される。溶液の組成は以下のように特徴付けられる:
Rh: 16ppm
高沸点物質 65g/kg(残渣測定:250℃における真空中でのエバポレーション)
溶液を、実施例4において詳細に記載される連続的膜濾過に供する。
【0093】
実施例4のMA−およびロジウム触媒−含有浸透物は、二量体化のための連続プラントにおける供給物として直接的に使用可能であり、従って、触媒を循環することは、ポリマーの同時除去を用いて達成可能である。
【0094】
(実施例2)
ロジウム触媒を用いる生成物のC−C二重結合の水素化を伴う官能基化オレフィンの二量体化、および均質な触媒の蒸留除去、および膜分離による高沸点物質の除去
R1への供給は計量されず、R2への供給が計量されること以外は、実施例1に記載されるのと同様の実験装置を使用する。
【0095】
実験の開始時に、リアクターに、Cp*Rh(C242および化学量論量のHBArF4を含む溶液、およびまたHDME中の250ppmのPTZを充填する。均一な混合を達成するために、反応混合物を、最初に、室温で約20時間循環する。その後、薄層エバポレーターを、100℃の開始温度にあらかじめ加熱する。次いで、水素流およびMA供給(120m/h、PTZの重量で100ppmを含む)を開始し、リアクターを70℃に加熱し、そしてエバポレーターを減圧下で操作する。本実施例における水素は50ppmのO2を含む。
【0096】
数日後、定常状態が達成された。18時間の代表的な評価期間において、以下の結果が得られる:
Rh濃縮R1:175ppm
Rh濃縮R2:110ppm
供給 725g
冷却トラップ 383g(99% MA)
溶出液 284g(63% 不飽和直鎖状ジエステル、20% DMA、17% MA)
形成したポリマーは実施例3−5に記載されるように除去可能である。
【0097】
(実施例3〜5(膜濾過))
均質に溶解されたロジウム触媒の高沸点化合物からの除去
実験のために、3lの最小保持量を有するサーモスタット制御可能な循環装置を使用した。
【0098】
回路において、リザーバー、圧力生成および膜を通過する流れのためのポンプ、温度を維持するための熱交換器、組み込まれたセラミック管状膜を有する膜モジュール、および圧力維持バルブが統合された。浸透ランオフは、大気圧下であった。プラントの保持を一定に維持するためにレベル制御を使用することが可能であった(ダイアフィルトレーションモード)。装置のすべてのリザーバーを窒素で不活性化した。使用したセラミック管状膜(Inocermic GmbHより)は、10mmの外径、7mmの内径、および1000mmの長さを有した。支持エレメントはAl23からなり、内部に5nm孔のTiO2を含む分離層を供給した。膜への流れは内部からであり、浸透液が外側に移動した。
【0099】
(一般的実験の説明)
3kgの蒸留底部を循環ベッセルに導入し、次いで、ポンプを、浸透路を閉鎖して開始し、そして膜の上流の圧力、横断流速、および温度を、所望の値に設定した。温度は40℃であり、横断流速は膜チューブ中で4m/sであった。次いで、浸透路を解放し、ダイアフィルトレーション媒体の供給を活性化した。特定の浸透物の除去および等しいダイアフィルトレーション媒体の供給の後、実験を終了した。次いで、保持物の使用、保持物の放出、および混合浸透物を、高沸点物質(ポリマー)および触媒に関して分析した。
【0100】
以下に続く表は、連続的膜濾過の結果を含み、これらのパラメーターは上記に記載されている。実施例4は、実施例1からの下部流の膜濾過を記載する。
【0101】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、およびカルボキサミド基からなる群より各々独立して選択される少なくとも2つの官能基を有する化合物を連続的に製造するための方法であって、以下の工程:
a)付加反応のための触媒として適切であり、かつ反応混合物に対して均質なa3)による化合物の存在下で、少なくとも2つの官能基を含むa1)による化合物を製造するために必要とされる官能基を有する2つの末端オレフィンを付加して、
a1)前記2つの末端オレフィンのモノ付加によって得られ、かつニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、およびカルボキサミド基からなる群より各々独立して選択される少なくとも2つの官能基を有する化合物、
a2)前記2つの末端オレフィンのポリ付加によって得られる化合物、ならびに
a3)この付加反応のための触媒として適切であり、かつ反応混合物に関して均質である化合物、を含む混合物を得る工程と、
b)工程a)において得られる混合物を蒸留して、
b1)塔頂生成物としての、前記2つの末端オレフィンのモノ付加によって得られ、かつニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、およびカルボキサミド基からなる群より各々独立して選択される少なくとも2つの官能基を有する化合物と、
b2)以下のb2a〜b2cを含む混合物、すなわち
b2a)前記2つの末端オレフィンのモノ付加によって得られ、かつニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、およびカルボキサミド基からなる群より各々独立して選択される少なくとも2つの官能基を有する化合物、
b2b)前記2つの末端オレフィンのポリ付加によって得られる化合物、ならびに
b2c)この付加反応のための触媒として適切であり、かつ反応混合物に対して均質である化合物を含む混合物と、を得る工程、
c)工程b2)において得られる全体の混合物またはその一部を、工程c)において供給される混合物b2)中における成分b2c)に対する成分b2b)の重量比が保持物中よりも小さいように、浸透物および保持物を得るために半透膜によって分離する工程、
d)工程c)において得られる浸透物を部分的または完全に工程a)において循環する工程、及び
e)c)において部分的または完全に分離されなかった工程b)において得られた混合物の一部を工程a)に循環する工程、
を含む方法。
【請求項2】
工程a)で得られた混合物中のa1)による化合物が、飽和化合物を得るために工程a)と工程b)との間で水素化される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
使用される末端オレフィンが、各々独立して式H2C=CHR1で示される2つのオレフィンであり、ここでR1がニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、またはカルボキサミド基である、請求項1または2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
工程a)における付加が、触媒としての化合物の存在下で実行され、前記化合物は反応混合物に関して均質であり、かつロジウム、ルテニウム、パラジウム、またはニッケルを含む、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
工程a)における付加が、触媒としての化合物の存在下で実行され、前記化合物は反応混合物に関して均質であり、かつロジウムを含む、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
工程a)とb)との間の水素化が、触媒としての化合物の存在下で実行され、前記化合物は反応混合物に関して均質であり、かつロジウム、ルテニウム、パラジウム、またはニッケルを含む、請求項2から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
工程a)とb)との間の水素化が、触媒としての化合物の存在下で実行され、前記化合物は反応混合物に関して均質であり、かつロジウムを含む、請求項2から5のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
工程a)における付加、および工程a)とb)との間の水素化における触媒として同じ化合物が使用される、請求項2から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
工程a)における付加、または水素化、またはその双方が触媒としての化合物の存在下で実行され、前記化合物は反応混合物に関して均質であり、ロジウムを含み、かつ式[L1RhL23R]+-を有し、式中、
1はアニオン性ペンタヘプトリガンドであり;
2は非荷電2−電子供与体であり;
3は非荷電2−電子供与体であり;
RはH、C1〜C10アルキル、C6〜C10アリール、およびC7〜C10アラルキルリガンドからなる群より選択され;
-は非配位アニオンであり;
また式中L2、L3、およびRの2つまたは3つが任意に結合される、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
1がペンタメチルシクロペンタジエニルである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
-がBF4-、B(ペルフルオロフェニル)4-、B(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)4-、Al(ORF4-からなる群より選択され、ここでRFはそれぞれ同一であるかまたは異なる部分的にフッ化されているか、またはペルフルオロ化されている脂肪族基または芳香族基である、請求項9または10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
2およびL3が各々独立して、C24、CH2=CHCO2Me、P(OMe)3、およびMeO2C−(C46)−CO2Meからなる群より選択される、請求項9から11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
2およびL3がともに、アクリロニトリルおよび5−シアノペンテンエステルからなる群より選択される、請求項9から11のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
2およびRがともに−CH2−CH2CO2Meである、請求項9から12のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
2、L3、およびRがともにMeO2C(CH22−(CH)−(CH2)CO2Meである、請求項9から12または14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
工程a)における付加、または水素化、または両方が触媒としての化合物の存在下で実行され、前記化合物は反応混合物に関して均質であり、ロジウムを含み、かつ
[Cp*Rh(C242H]+BF4-
[Cp*Rh(P(OMe)3)(CH2=CHCO2Me)(Me)]+BF4-
[Cp*Rh(−CH2−CH2CO2Me)(P(OMe)3)]+BF4-
[Cp*Rh(MeO2C(CH22−(CH−)−(CH2)CO2Me)]+BF4-
[Cp*Rh(C242H]+B(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)4-
[Cp*Rh(P(OMe)3)(CH2=CHCO2Me)(Me)]+B(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)4-
[Cp*Rh(−CH2−CH2CO2Me)(P(OMe)3)]+B(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)4-
[Cp*Rh(MeO2C(CH22−(CH−)−(CH2)CO2Me)]+B(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)4-
[Cp*Rh(C242H]+B(ペルフルオロフェニル)4-
[Cp*Rh(P(OMe)3)(CH2=CHCO2Me)(Me)]+B(ペルフルオロフェニル)4-
[Cp*Rh(−CH2−CH2CO2Me)(P(OMe)3)]+B(ペルフルオロフェニル)4-
[Cp*Rh(MeO2C(CH22−(CH−)−(CH2)CO2Me)]+B(ペルフルオロフェニル)4-
[Cp*Rh(C242H]+Al(ORF4-
[Cp*Rh(P(OMe)3)(CH2=CHCO2Me)(Me)]+Al(ORF4-
[Cp*Rh(−CH2−CH2CO2Me)(P(OMe)3)]+Al(ORF4-および
[Cp*Rh(MeO2C(CH22−(CH−)−(CH2)CO2Me)]+Al(ORF4-
(式中RFは、同一であるかまたは異なる部分的にフッ化されているか、またはペルフルオロ化されている脂肪族基または芳香族基である)
からなる群より選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
水素化が10〜20000kPaの範囲の部分水素圧で実行される、請求項1から16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
水素化が、ニトリル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、およびカルボキサミド基からなる群より各々独立して選択される少なくとも2つの官能基を有するモノオレフィン性不飽和化合物の、平均滞留時間0.1〜100時間の範囲の滞留により行われる、請求項1から17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
工程a)における付加において得られる混合物が、触媒として使用されるロジウム含有化合物を除去することなく、請求項1から18のいずれかに記載されるように水素化に供給される、請求項2から18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
工程b)における蒸留が、50〜200℃の範囲の温度で実行される、請求項1から19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
工程b)における蒸留が、1〜45分間の範囲の平均滞留時間で実行される、請求項1から20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
工程b)における蒸留が、0.5〜500mbarの範囲の圧力で実行される、請求項1から21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
膜が実質的に1種以上の有機物質または無機物質を含む、請求項1から22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
膜の平均孔径が無機膜の場合に0.9〜50nmの範囲である、請求項1から23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
膜の平均分離限界が有機膜の場合に500〜100000ダルトンの範囲である、請求項1から23のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
膜の浸透側の圧力に対する、膜の保持側の圧力の比率が2〜100の範囲である、請求項1から25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
0.1〜10MPaの範囲の圧力が膜の保持側に適用される、請求項1から26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
1〜1000kPaの範囲の圧力が膜の浸透側に適用される、請求項1から27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
膜分離が0〜150℃の範囲の温度で実行される、請求項1から28のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
工程b)においてb1)として得られる成分が飽和化合物を得るために水素化される、請求項1から29のいずれかに記載の方法。

【公表番号】特表2007−509029(P2007−509029A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515891(P2006−515891)
【出願日】平成16年6月11日(2004.6.11)
【国際出願番号】PCT/EP2004/006297
【国際公開番号】WO2004/113263
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】