説明

少なくとも3つの水素結合の形成が可能な(チオ)ウレタン/(チオ)尿素コポリマーを含む化粧品組成物および美容処理方法

【課題】少なくとも3つの水素結合の形成が可能な(チオ)ウレタン/(チオ)尿素コポリマーを含む化粧品組成物および美容処理方法を提供する。
【解決手段】本発明は、化粧品組成物であって、生理学的に許容可能な媒質中において、(チオ)ウレタン/(チオ)尿素ポリマー骨格を有するコポリマーであり:-N=C=Oおよび-N=C=Sから選択される、同一でも異なっていてもよい少なくとも2つの重合可能な基を有する第1のモノマーの、不安定な水素をもつ少なくとも2つの重合可能な基を有するモノマー(b1)の、不安定な水素をもつ少なくとも2つの重合可能な基を有する、モノマー(b1)とは異なるモノマー(b2)の反応によりもたらされる。ただし、これらのモノマーの少なくとも1つが、少なくとも3つの水素結合を形成することが可能な、少なくとも1つの接合基(A)を含むコポリマーを含む組成物に関する。本発明はまた、ケラチン物質の美容処理方法であって、前記物質上への、上記において定義した化粧品組成物の適用を含む方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ケラチン物質のケア、トリートメント、および/またはメークアップのための化粧品組成物であって、適用した後に本組成物によってもたらされる少なくとも1つの化粧および/またはケア効果の持続性の増加を示す組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品の分野において、その目標は、毛髪、皮膚、睫毛、および爪上における堆積物であって、しばしば皮膜形成性を有し、例えば、髪型の形成または色(毛髪、メークアップ);あるいは輝き、または輝きおよび色(口紅、マスカラ、アイライナ、およびネイルエナメル)のいずれかを;あるいは色およびつや消しの外見(例えばファンデーション)を;あるいは保湿剤などのケア活性物質を含有する場合にはケアを、また、日光フィルタ剤を含有する場合にはUV防護を提供する堆積物を得ることである。
【0003】
したがってその目標は、もたらされる効果(髪型、色、輝き、つや消しの外見、ケア)の持続性、化粧堆積物の耐久性であって、特に、摩擦、他の物体との接触による移りなどの機械的攻撃因子への抵抗性、水、湿度、汗、涙、雨への抵抗性、ならびに皮脂および油への抵抗性を提供しなければならない一方、必要とされる場合の除去し易さはそのまま残している耐久性を得ることである。
【0004】
メークアップの場合、このことは特に、長時間持続する色および輝きと、色移りのないこととを要する口紅について;皮膜の輝きおよび耐久性が所望されるネイルエナメルについてあてはまり;ファンデーション、アイシャドウ、およびパウダーについて、この場合は、色の耐久性がやはり要求されるが、一方皮脂および汗の分泌があってもできるだけ長時間最初の色におけるつや消しの外見を保持すること(つや消しの外見が無くなるのは、大抵の場合皮脂および/または汗の分泌が原因となって、皮膚がてかり、その結果として塗布した色が変動することによる)、ならびに移りのないことが要求されるがあてはまる。
【0005】
整髪では、その目標は、その日1日にわたってずっと髪型を保持することである。
【0006】
化粧品において、従来使用されているポリマーは、しばしば共有結合によってコモノマーが互いに結合されているコポリマーである。
【0007】
大多数の化粧品製剤、特にネイルエナメル、マスカラ、およびアイライナなどの種々のメークアップ製品では、皮膜形成樹脂としてポリウレタンを使用することが通例である。満足される性能をもたらすため、この樹脂は良好な皮膜形成性状を有するだけでなく、良好な永続性性状をも有しなければならない、すなわち、この樹脂はただ水で洗うことによるだけではその基質から除去し難いものに違いない。
【0008】
特に、メークアップ組成物の場合、自由な裁量で、化学的性質が異なったり、または同一になり、様々な濃度において油、化粧用溶媒、および/または水性媒質に易溶性になり、または分散可能になるポリマーを有することが極めて望ましいであろう。これらの組成物にとっては、もたらした効果(特に色、輝き、つや消しの外見、ケア)の持続性の増加を提供しながら、ケラチン物質への密着性を増進させる一方、メークアップの除去を容易にすることも望ましいであろう。このことは特に、色の一定性が増加した、すなわち、攻撃性機械的因子、水、汗、涙、雨、皮脂、および油の作用のもとで劣化しまたは鈍化されることのない、その一方色の耐久性、輝き、つや消しの外見、およびケアなどそれらの他の性質を保持している着色組成物をもたらすであろう。
【0009】
より特に、整髪では、この組成物は、日常生活の温度および湿度条件において長時間持続する髪型形成を提供しなければならない。
【0010】
これらの問題を解決するために、化粧品組成物において、物理的架橋を施されることが可能なポリマー、ならびに特に水素結合(H結合)を形成することができる基を有するポリマーを使用すべきであることが提案されている。
【0011】
すなわち、国際特許出願、国際公開第02/098377号は、ケラチン物質のケア、トリートメント、およびメークアップのための化粧品組成物であって、生理学的に許容可能な媒質中において、ポリマー骨格と、水素結合を形成することが可能な接合(junction)基とを有する線状、分岐状、環状、またはデンドリマーポリマーを含む組成物を記載している。このポリマー骨格は、ポリ(エチレンオキシド)(PEO)単位を含むことができる。
【0012】
さらに、国際特許出願、国際公開第03/032929号は、少なくとも2つの、水素結合を形成することができる基を含むポリマーを含有する毛髪処理組成物を記載している。
【0013】
特許出願、欧州特許第418469号には、皮膜形成樹脂として脂肪族ポリウレタンの水性分散物を含有するネイルエナメル組成物が記載されていた。
【0014】
特許出願、欧州特許第391322号にも、ポリウレタンのかつ/またはポリウレタンコポリマーの水性分散物を含有するネイルエナメル組成物が記載されていた。
【特許文献1】国際特許出願、国際公開第02/098377号
【特許文献2】国際特許出願、国際公開第03/032929号
【特許文献3】特許出願、欧州特許第418469号
【特許文献4】特許出願、欧州特許第391322号
【非特許文献1】「Comprehensive Polymer Science」、Vol.5:step polymerization、421頁、Pergamon Press(1989)
【非特許文献2】60 years of PUR-J.E.Kresta、E.W.Eldred Ed.Technomic Publishing、1998
【非特許文献3】Waterborne and Solvent-based Surface Coating Resins and Their Application、Surface Coating Technology Series、Vol.3、Polyurethanes、Paul Thomas、John Wiley & Sons、1998
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかし、これらの樹脂を使用しても、特に基質への密着性に欠けるために、良好な化粧性状を有する組成物の生成が得られるものではない。
【0016】
特に化粧品組成物において揮発性溶媒の含量を低減させることを意図する法律の通過により、製剤業者は、特に化粧品組成物の製剤業者は、組成物の製剤向けの好ましい溶媒として、水性媒質を、または水さえをも使用するようになっている。
【0017】
組成物に要求される性状を保持しながら、ポリマー用の媒体として水性媒質、特に水、または水を含有する媒質を使用することは、またより特に、前記の付加されたポリマーへと誘導する媒質を使用することは、特に困難なことである。これは特に、整髪の分野におけるケースであり、この場合、水性媒質により支えられたポリマーによって長時間持続する効果を確保しながら十分な型形成をもたらすことが必要になる。
【0018】
特に、ファンデーションまたは口紅ならびにネイルエナメルなどのメークアップ製品の分野において、ポリマー用媒体として非水媒質、特に有機溶媒および化粧用油を使用するのが困難であることも判明している。
【0019】
表現「ポリマー用媒体としての水性または非水媒質の使用」は、本発明の意味では、前記ポリマーが、25℃において少なくとも1重量%の濃度で前記媒質中に溶解可能かつ/または分散可能であることを意味する。
【0020】
したがって、化粧品組成物であって、ケラチン物質上に適用した後、化粧および/またはケア効果の持続性と、ケラチン物質への組成物の良好な密着性と、迅速かつ完全なメークアップ除去性とを併せもつ堆積物を提供し、この堆積物が、この組成物の生理学的に許容可能な媒質、特に水を含有する媒質ならびに油および/または化粧用有機溶媒をも含有できる媒質中に、特に水だけに基づく媒質中に、容易に溶解させまたは分散させることができるポリマーを含む組成物への必要性が存在する。
【0021】
したがって、本発明は、従来の製剤の欠点を克服することができる、特にケラチン物質のケア、トリートメント、および/またはメークアップのための化粧品組成物を提供することを目標とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本出願人は、驚くべきことにかつ予期せずに、化粧品組成物であってポリ(チオ)ウレタン、ポリ(チオ)尿素、またはコポリ(チオ)ウレタン/(チオ)尿素ポリマー骨格を有する特定のコポリマー[本明細書において以後(チオ)ウレタン/(チオ)尿素コポリマーと呼ぶ]を含み、かつ前記骨格に結合し、かつ少なくとも3つの水素結合の形成を介して任意のパートナー接合基と相互作用することが可能な少なくとも1つの接合基を含む組成物が、良好な皮膜形成性状を示し、かつ頑丈な皮膜を得ることを可能にすることを見出した。
【0023】
したがって、本発明は、化粧品組成物であって、生理学的に許容可能な媒質中において、(チオ)ウレタン/(チオ)尿素ポリマー骨格を有するコポリマーであり:
-N=C=Oおよび-N=C=S、ならびに/またはそれらの活性化された、またはブロック化した形態のものから選択される、同一でも異なっていてもよい少なくとも2つの重合可能な基を有する少なくとも1種の第1のモノマー(a)の、
-OH、-SH、-NH2、および-NHR(RはC1〜C6アルキル基を表す)から選択される、同一でも異なっていてもよい、不安定な水素をもつ少なくとも2つの重合可能な基を有する少なくとも1種のモノマー(b1)、および
-OH、-SH、-NH2、および-NHR(RはC1〜C6アルキル基を表す)から選択される、同一でも異なっていてもよい、不安定な水素をもつ少なくとも2つの重合可能な基を有する、モノマー(b1)とは異なる少なくとも1種のモノマー(b2)の
反応によりもたらされ、
ただしこれらのモノマー(a)、(b1)、および/または(b2)の少なくとも1つが、少なくとも3つの水素結合、好ましくは少なくとも4つの水素結合、より好ましくは4つの水素結合を形成することが可能な、少なくとも1つの接合基(A)を含む
コポリマーを含む組成物に関する。
【0024】
本発明による組成物は、ケラチン物質への良好な密着性を示し、また迅速な、完全な、かつ選択的なメークアップ除去を可能としている。それらはべたつかない。
【0025】
特に、本発明による組成物は、皮膜形成性とすることができ、また適用した後、乾燥している間に本組成物の皮膜形成をもたらすことができる。
【0026】
その上、本発明によるコポリマーは水、およびエステル、特に酢酸アルキルなどのアルキルエステル、アルコール、特にエタノールなどの有機溶媒、炭素含有油および/またはシリコーン油、ならびにこれらの混合物中に、すなわち化粧品において通常使用される水性、および/または油性、および/または有機溶媒媒質中に容易に可溶、または分散可能である。
【0027】
その上、本発明によるポリマーにより、特に国際公開第02/98377号中に記載される従来技術の組成物に比べて、容易に除去することができる化粧品組成物を得ることが可能になる。これは、シャンプー処理によって容易に除去可能でなければならない整髪組成物の場合に、特に重要である。
【0028】
最後に、本発明によるポリマーを含む組成物は、大量のポリマーを含有していても、低い粘性を有することができることが見出された。これは、水性媒質中の組成物について特にあてはまる。これらの組成物はさらに、ポンプ式噴霧器、スプレーまたはエーロゾル型の製剤として良好な噴霧性を有しており、かつ基質上に皮膜形成性堆積物が得られることを可能にしている。
【0029】
さらに、本発明によるコポリマーは、水性分散液または溶液であって、非常に流動性があり、かつさらに、これらのコポリマーがイオン化可能な官能基をも有する特定の場合には、追加的な界面活性剤を使用せずとも特に安定である水性分散液または溶液を調製するのに使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
「ポリマー骨格」は、-POL-とも呼び、本発明の意味では、共有結合し、骨格内において数回反復させることができる、同一でも異なっていてもよい少なくとも3つの反復単位を有するコポリマーを意味する。前記コポリマーは線状、環状、分岐状(特に星型)、高度分岐状、デンドリマーもしくはグラフト状、または架橋状とすることができる。前記コポリマーはランダム、交互、ブロック、または他のコポリマー、好ましくはブロックコポリマーとすることができる。
【0031】
「少なくとも3つの反復単位を有する」とは、本発明によれば、少なくとも3つの、同一のまたは異なったモノマーまたはオリゴマー単位の共重合の結果得られるポリマーの構成単位を意味する。
【0032】
「接合基」は、Aとも呼び、本発明の意味では、水素結合供与体基または受容体基を有し、同一のまたは異なった化学的性質のパートナー接合基と、少なくとも3つの水素結合、好ましくは少なくとも4つの水素結合、より好ましくは4つの水素結合を形成することが可能な、任意の実体または官能基を意味する。
【0033】
接合基(A)はポリマー骨格に平行とさせ(側鎖として)、かつ/または前記ポリマー骨格の末端に配置し、かつ/または前記ポリマー骨格を形成する分子鎖と一体化させることができる。分子鎖におけるそれらの分布はランダムな、または制御されたものとすることができる。
【0034】
「パートナー接合基」は、本発明の意味では、1つまたは複数の、本発明による同一のまたは他のコポリマーの接合基とH結合を形成することができる、本発明によるコポリマーの任意の接合基を意味する。これらの接合基は、同一の、または異なった化学的性質のものとすることができる。それらが同一である場合、その場合はそれらの接合基間で水素結合を形成し、その場合自己相補的接合基と呼ばれる。それらが異なっている場合、H相互作用に関してそれらが相補的であるような形でそれらの接合基が選択される。
【0035】
化粧品組成物においてこのようなコポリマーを使用すると、ケラチン物質上にこの組成物を適用した後、超分子ポリマーを形成することになる。
【0036】
「超分子ポリマー(supramolecular polymer)」は、本発明の意味では、本発明によるコポリマーの、同一でも異なっていてもよい少なくとも1つの他の本発明によるコポリマーとの集合体から形成され、それぞれの集合体が少なくとも1組の、同一でも異なっていてもよい、対になった接合基を含む、ポリマー鎖または網目構造を意味する。
【0037】
「対になった接合基の組(pair of paired juction groups)」は、本発明の意味では、そのそれぞれを1つのかつ同一の本発明によるコポリマーが有しているものか、またはそうではないものとすることができる2つの接合基であって、少なくとも3つの水素結合、好ましくは少なくとも4つの水素結合、より好ましくは4つの水素結合を介して一緒に接合されている2つの接合基を意味する。それらの接合基を、化学的に同種(または自己相補的)である、または化学的に異なっている接合基と対にすることにより、本発明のコポリマーを結合することができる。
【0038】
したがって、この超分子ポリマーは、これらの接合基の対の間の水素結合がもたらす物理的架橋点を有する。物理的架橋では、化学的架橋と同様な形で化粧および/またはケア効果が確実に長時間保持されるが、一方可逆性が許容され、すなわち、特定のメークアップ除去剤、または温度、または何らかの他の手段のいずれかによって堆積物を完全に除去する可能性が許容され、これは化学的架橋の場合には不可能なことである。
【0039】
化粧品組成物において少なくとも1つの接合基を有する本発明によるコポリマーを使用すると、ケラチン物質上にこの組成物を適用した後、通例では皮膜の形の、非常に良好な機械的抵抗性を有する物理的に架橋した三次元網目構造の形態における超分子コポリマーが形成されるか、あるいは本発明のコポリマーの物理的連結から得られる通例では高分子量の、長いポリマー鎖の形態における超分子コポリマーが形成されるかいずれかを導くことができることが見出された。
【0040】
多官能性コポリマー(いくつかの接合基を有する)はより大きい架橋可能性を提供し、このことは同一の架橋効率について、より少量のポリマーを使用することができ、特に製品の機械的性質を向上させることができることを意味する。
【0041】
このコポリマーを揮発性溶媒と共に製剤すると、コポリマーの構造によりそれが可能である場合、乾燥している間に本組成物の皮膜形成を得ることが可能になる。
【0042】
「皮膜形成(filming)」は、本発明の意味では、皮膜の形態における、また高分子量コポリマーまたは化学的に架橋した網目構造のそれと同様な機械的性質を有する連続的堆積物の形成を意味する。
【0043】
「炭素含有2価基」は、本発明によれば、炭素および水素の原子、ならびに場合によって1個または複数のヘテロ原子を含む基を意味する。この炭素含有2価基は、飽和(アルキル)または不飽和の、直鎖または分岐状の、環状または非環状の、芳香族または非芳香族の、好ましくは炭素原子1〜40個を有する、置換されたまたは非置換の、かつO、S、N、P、Si、およびF、好ましくはO、S、およびNから選択される1個または複数のヘテロ原子を場合によって有することができる脂肪族2価基、ならびにこれらの基の組合せであることが好ましい。
【0044】
本発明によるコポリマーの一般的構造
本発明によるコポリマーは、少なくとも1つのモノマー(a)の、少なくとも1つのモノマー(b1)の、かつ少なくとも1つのモノマー(b2)の反応の結果もたらされ、ただしこれらのモノマーの少なくとも1つは、少なくとも1つの接合基(A)を有する。
【0045】
モノマー(a)、(b1)および/または(b2)の少なくとも1つは、少なくとも3つの水素結合、好ましくは少なくとも4つの水素結合、より好ましくは4つの水素結合を形成することが可能な、少なくとも2つの接合基(A)を含むことが好ましい。
【0046】
最後に、本発明によるコポリマーは、次の一般式:POL-(A)i
(式中、
POLは、ポリ(チオ)ウレタン/(チオ)尿素ポリマー骨格を示し、
Aは接合基であり、前記ポリマー骨格に結合し、同一のまたは異なった化学的性質の1つまたは複数のパートナー接合基と水素結合を形成することが可能であり、それぞれの接合基の組合せが少なくとも3つの水素結合、好ましくは少なくとも4つの水素結合、より好ましくは4つの水素結合を包含する基を示し、
iは1以上の、好ましくは2以上の整数である。)により、概略的に表すことができる。
【0047】
本発明によるコポリマーは、下記の構造の1つを有することができるのが有利である:
1.接合基(A)によりα、ωにおいて官能基化された線状コポリマー、
2.線状コポリマーであり、鎖内に、かつ/または一方もしくは両方の末端に、かつ/または分岐内に位置する3つ以上の接合基を有するコポリマー、
3.分岐状コポリマーであり、鎖内に、かつ/または分岐内に、かつ/または一方もしくは両方の末端に一体化した接合基を有するコポリマー。
【0048】
本発明によるコポリマーが、これらの構造の1つだけを、または、すべての割合におけるこれらの構造の混合物を有することができるのは明らかである。
【0049】
接合基Aの一般的定義
本発明により、接合基Aは、化学基であって、少なくとも3つの水素結合、好ましくは少なくとも4つの水素結合、またより一層良好には4つの水素結合を形成することが可能である、また、O、N、S、P、およびF、好ましくはO、S、およびNを含む群から選択される、同一でも異なっていてもよい少なくとも3つのヘテロ原子、好ましくは同一でも異なっていてもよい少なくとも4つのヘテロ原子を含むことが好ましい基である。
【0050】
これらの接合基は、例えば
【0051】
【化1】

【0052】
から選択される少なくとも3つの官能基、好ましくは少なくとも4つの官能基を含むことができる。
【0053】
これらの官能基は、2つの範疇:
基:
【0054】
【化2】

【0055】
などのH-結合供与体官能基、
および、基:
【0056】
【化3】

【0057】
などのH-結合受容体官能基、に入れることができる。
【0058】
接合基Aは、水素結合を形成することが可能な少なくとも3つの官能基、好ましくは少なくとも4つの官能基、より好ましくは4つの官能基を有する基本構造要素を形成する。3つまたは4つの水素結合を形成することが可能な基本構造要素は、下記のように概略的に表すことができる:
【0059】
【化4】

【0060】
ただし、Xi(iは自然整数である。)はH-結合受容体官能基であり、またYiはH-結合供与体官能基である。
【0061】
したがって、それぞれの対になった2つのパートナー構造要素が、少なくとも3つの水素結合、好ましくは少なくとも4つの水素結合、より好ましくは4つの水素結合の形成によって生じるような形で、各構造要素は同種の(すなわち自己相補的)、または異なった1つまたは複数のパートナー構造単位と水素結合を形成することができなければならない。
【0062】
プロトン受容体Xは、プロトン供与体Yと対になる。
【0063】
いくつかの可能性が存在し、例えば:
XXXXとYYYY、
XXXYとYYYX、
XXYXとYYXY、
XYYXとYXXY、
XXYYとYYXX、自己相補的、または自己相補的ではないもの、
XYXYとYXYX、自己相補的、または自己相補的ではないもの
の対がある。
【0064】
接合基Aは、同種の(または自己相補的)パートナー基と、2つの供与体結合(例えばNH)、および2つの受容体結合(例えばCOおよび-C=N-)を含む4つの水素結合を形成することができるのが好ましい。
【0065】
接合基は、H相互作用を安定化し、また指向させるため、非常にしばしばCおよび/またはN原子で構成され、共役二重結合のある、5または6員の原子を有する環(芳香環、または不飽和複素環)を有することが好ましい。
【0066】
接合基は、H相互作用を安定化し、また指向させるため、Cおよび/またはN原子を含み、共役二重結合のある、6員の原子を有する環中に挿入することがより好ましい。
【0067】
3つまたは4つのH結合を形成することが可能な接合基(A)は、下記のファミリーから選択でき、すべての互変異性体の形態が含まれると理解される:
(i)式:
【0068】
【化5】

【0069】
のアミノピリミドン;
(ii)式:
【0070】
【化6】

【0071】
のウレイドピリミドン;
(iii)アシルアミノピリジン、および特に:
構造:
【0072】
【化7】

【0073】
のモノアシルアミノピリジン、
ジ(アシルアミノ)ピリジン、およびより特に構造:
【0074】
【化8】

【0075】
の2,6-ジ(アシルアミノ)ピリジン;
(iv)アミノピリミジン、および特に:
アミノピリミジン化合物:
【0076】
【化9】

【0077】
構造:
【0078】
【化10】

【0079】
のジアミノピリミジン化合物、
トリアミノピリミジン化合物;
(v)ウレイドトリアジン、ならびに特にモノ-、ジ-、およびトリウレイドトリアジン、ならびに特に構造:
【0080】
【化11】

【0081】
のウレイドアミノトリアジン;
(vi)(アシルアミノ)トリアジン、ならびに特にモノ-、ジ-、およびトリアシルアミノトリアジン、場合によってアミノ(モノ-、ジ-、またはトリアミノ)、ならびに特に:
構造:
【0082】
【化12】

【0083】
のジ(アシルアミノ)トリアジン、
アシルアミノ、アミノトリアジン(モノ-またはジアシルアミノ、およびモノ-またはジアミノ)、ならびに特に構造:
【0084】
【化13】

【0085】
の化合物、
構造:
【0086】
【化14】

【0087】
のアシルアミノトリアジン、
トリアシルアミノトリアジン;
(vii)アミノトリアジン、および特に:
モノアミノトリアジン、
構造:
【0088】
【化15】

【0089】
の2,6-ジアミノ-s-トリアジン、
構造:
【0090】
【化16】

【0091】
のトリアミノ-s-トリアジン化合物;
(viii)構造:
【0092】
【化17】

【0093】
のアシルアミノトリアゾール;
(ix)構造:
【0094】
【化18】

【0095】
のウラゾイル安息香酸ファミリーの化合物;
(x)構造:
【0096】
【化19】

【0097】
のフタルヒドラジド;
(xi)構造:
【0098】
【化20】

【0099】
のウラシル;
(xii)構造:
【0100】
【化21】

【0101】
のチミン;
(xiii)構造:
【0102】
【化22】

【0103】
のスクシンイミド;
(xiv)構造:
【0104】
【化23】

【0105】
のグルタルイミド;
(xv)構造:
【0106】
【化24】

【0107】
のシアヌル酸ファミリーの化合物;
(xvi)マレイミド:
【0108】
【化25】

【0109】
(xvii)構造:
【0110】
【化26】

【0111】
のバルビツール酸ファミリーの化合物;
(xviii)構造:
【0112】
【化27】

【0113】
の化合物;
(xix)式:
【0114】
【化28】

【0115】
のトリメリト酸ファミリーの化合物;
(xx)ウレイドピリジン、特にモノ-またはジウレイドピリジン、および特に式:
【0116】
【化29】

【0117】
のもの;
(xxi)式:
【0118】
【化30】

【0119】
のカルバモイルピリジン;
(xxii)式:
【0120】
【化31】

【0121】
のアデニン;
(xxiii)式:
【0122】
【化32】

【0123】
のグアニン;
(xxiv)式:
【0124】
【化33】

【0125】
のシチジン。
【0126】
すべてのこれらの式において、基は下記の意味を有する:
(a)基R1は、同一でも異なっていてもよく、H、ハロゲン、および/または1価の直鎖、分岐、または環状、飽和または不飽和、場合によって芳香族のC1〜C6000炭素系基(特にアルキル)(この基は1個または複数の、O、S、N、P、Cl、Br、Fなどのヘテロ原子を含有できる。)を表し;あるいはこれらの意味の組合せを表す。
【0127】
基R1は、特にC4〜C12シクロアルキル基、直鎖もしくは分岐C1〜C30アルキル基、またはC4〜C12アリール基とすることができ、アミノ、エステル、および/またはヒドロキシル官能基で場合により置換されている。
【0128】
R1は、-C4H9、-フェニル;1,4-ニトロフェニル、または1,2-エチレン、1,6-ヘキシレン、1,4-ブチレン、1,6-(2,4,4-トリメチルヘキシレン)、1,4-(4-メチルペンチレン)、1,5-(5-メチルヘキシレン)、1,6-(6-メチルヘプチレン)、1,5-(2,2,5-トリメチルヘキシレン)、または1,7-(3,7-ジメチルオクチレン);-イソホロン-、4,4'-メチレンビスシクロヘキシレン、トリレン、2-メチル-1,3-フェニレン、4-メチル-1,3-フェニレン、4,4-ビフェニレンメチレンであり、好ましくは:-イソホロン-、-(CH2)2-、-(CH2)6-、-CH2CH(CH3)-CH2-C(CH3)2-CH2-CH2、4,4'-メチレンビス(シクロヘキシレン)、または2-メチル-1,3-フェニレン基であるのが好ましい。
【0129】
(b)基R2は、同一の式内で同一でも異なっていてもよく、H、ハロゲン(-Br、-Cl、-F)、-OH、-N(R)2(RはH、または直鎖もしくは分岐C1〜C12、および好ましくはC1〜C4アルキル基、さらにより良好にはメチルもしくはエチル基である。)、あるいは1価の直鎖、分岐、または環状、飽和または不飽和、場合によって芳香族のC1〜C6000炭化水素系基(この基は1個または複数の、O、S、N、P、またはFなどのヘテロ原子を含有できる。)を表し;あるいはこれらの意味の組合せを表す。
【0130】
基R2は、特に、H、CN、NH2、または:
C1〜C30アルキル基、
C4〜C12シクロアルキル基、
C4〜C12アリール基、
(C4〜C12)アリール(C1〜C30)アルキル基、
C1〜C4アルコキシ基、
アリールアルコキシ基、特に(C1〜C4)アリールアルコキシ基、
C4〜C12複素環、
チオアルコキシ基、
スルホキシ基、
あるいはこれらの混合物とすることができ、これらの基は、アミノ、エステル、および/またはヒドロキシル官能基で場合により置換されている;
R2は、H、CH3、C13H27、C7H15、またはフェニルを表すことが好ましい。
【0131】
(c)基R3は、同一の式内で同一でも異なっていてもよく、H、または1価の直鎖、分岐または環状、飽和または不飽和、場合によって芳香族のC1〜C6000炭化水素系基(この基は1個または複数の、O、S、N、P、またはFなどのヘテロ原子を含有できる。)を表し;あるいはこれらの意味の組合せを表す;
基R3は、特にC4〜C12シクロアルキル基、直鎖もしくは分岐C1〜C30アルキル基、またはC4〜C12アリール基とすることができ、アミノ、エステル、および/またはヒドロキシル官能基で場合により置換されている。
【0132】
すべてのこれらの式において、基R1および/またはR2の少なくとも1つ、特に1つまたは2つが、ポリマー主鎖POLへの接合基Aの結合点であることが明らかに理解される。
【0133】
前記結合点を、R1および/またはR2が有することが好ましく、また1つの結合点だけが存在する場合、それをR1が有することが好ましい。
【0134】
接合基(A)は、特に下記のものから選択できる:
(a)相補的かつ同一の、すなわち自己相補的接合基(A)、特に:
アミノピリミドン、ウレイドピリミドン、
トリメリト酸ファミリーの、またはウラゾイル安息香酸からの化合物、
アシルアミノピリジン、ウレイドピリジン、カルバモイルピリジン、
アシルアミノトリアジン、ウレイドトリアジンおよび特にウレイドアミノトリアジン、ジアミノトリアジン、
アシルアミノトリアゾール、
フタルヒドラジド、
式:
【0135】
【化34】

【0136】
(式中、R1は、H、あるいは直鎖、分岐、または環状、飽和または不飽和、場合によって芳香族のC1〜C6000炭化水素系基であり、1個または複数の、O、S、N、P、またはFなどのヘテロ原子を含有できる。)の化合物。
【0137】
(b)相補的な、しかし異なっている接合基(A)、特に:
グアニンに対し相補的であるアデニン、
チミンに対し相補的であるシチジン、
ウラシル、またはスクシンイミド、またはグルタルイミド、またはシアヌル酸、またはチミン、またはマレイミド、または(ジ)アミノピリミジン、またはバルビツール酸に対し相補的であるトリアミノ-s-トリアジン、
ウラシル、またはスクシンイミド、またはグルタルイミド、またはシアヌル酸、またはチミン、またはマレイミド、または(ジ)アミノピリミジン、またはバルビツール酸に対し相補的であるアシルアミノ-s-トリアジン。
【0138】
接合基Aは、互いに少なくとも3つのH結合(自己相補的)、特に互いに少なくとも4つのH結合を形成することが可能な基から選択することが好ましい。これらの基の中で、特に下記のものを挙げることができる:
ウレイドピリミドン、
ウレイドピリジン、カルバモイルピリジン、
アシルアミノ-s-トリアジン、および特にアシルジアミノ-s-トリアジン、
ウレイドトリアジン、
フタルヒドラジド、
式:
【0139】
【化35】

【0140】
の化合物、ただし上式において、基R1、R2、およびR3は、上記において示した意味、特に示している好ましい意味を有する。
【0141】
さらにより良好には、互いに少なくとも3つのH結合を形成することが可能な接合基の好ましい例として、下記の基を挙げることができる:
2-ウレイドピリミドン、
6-メチル-2-ウレイドピリミドン、
ジアシル-2,6-ジアミノ-s-トリアジン、
ウレイド-s-トリアジン、
式:
【0142】
【化36】

【0143】
の化合物、ただし上式において、基R1、R2、およびR3は、上記において示した意味、特に示している好ましい意味を有する。
【0144】
後で指摘するように、本発明の特定の実施形態において、接合基Aの少なくとも1つは、下記において定義する少なくとも1つのイオン化可能な基を有することができる。
【0145】
特に、上記の化合物の基R1、R2、および/またはR3の少なくとも1つは、下記において定義する1つのイオン化可能な基を有することができる。
【0146】
本発明による好ましいコポリマーは、コポリマーの1分子鎖当り、少なくとも2つの接合基(A)、好ましくは少なくとも4つの基、またより一層良好には4つ〜6つの接合基を有するコポリマーである。
【0147】
1つまたは複数の接合基(A)を有するモノマーは、モノマー(a)および/または(b2)、より好ましくはモノマー(a)であることが好ましい。
【0148】
上述のように、本発明によるコポリマーは、
-N=C=Oおよび-N=C=S、またはそれらの活性化された、またはブロック化した形態のものから選択される、同一でも異なっていてもよい、少なくとも2つの重合可能な基を有する少なくとも1種のモノマー(a)の、
-OH、-SH、-NH2、および-NHR(RはC1〜C6アルキル基を表す)から選択される、同一でも異なっていてもよい、不安定な水素をもつ少なくとも2つの重合可能な基を有する少なくとも1種のモノマー(b1)の、および
-OH、-SH、-NH2、および-NHR(RはC1〜C6アルキル基を表す)から選択される、同一でも異なっていてもよい、不安定な水素をもつ少なくとも2つの重合可能な基を有する、モノマー(b1)とは異なる少なくとも1種のモノマー(b2)の
反応によりもたらされ、
ただしこれらのモノマー(a)、(b1)、および/または(b2)の少なくとも1つは、少なくとも3つの水素結合、好ましくは少なくとも4つの水素結合、より好ましくは4つの水素結合を形成することが可能な、少なくとも1つの接合基(A)を含む。
【0149】
モノマー(a)
したがって、モノマー(a)は、式Y=C=N-Ra-N=C=Y'(、Y、Y'は同一でも異なっていてもよく、OまたはSを表し、好ましくはY=Y'であり、より好ましくはY=Y'=Oである。)のものとすることができる。
【0150】
活性化された、またはブロック化した形態にある場合、モノマー(a)は、「Comprehensive Polymer Science」、Vol.5:step polymerization、421頁、Pergamon Press(1989)に記載されている、式B-C(O)-NH-Ra-NH-C(O)-B'のものとすることもできる。
【0151】
したがって、BおよびB'は、互いに独立に
【0152】
【化37】

【0153】
から選択することができる。
【0154】
モノマー(a)の好ましい第1のファミリー(a1)は、Raが、飽和または不飽和の、直鎖または分岐状の、環状または非環状の、芳香族または非芳香族の、脂肪族2価基であり、またこの基が炭素原子1〜40個を有し、O、S、および/またはNから選択される1個または複数のヘテロ原子を場合によって含み、かつ/または1つまたは複数のフッ素原子、および/またはヒドロキシル基、ならびにこれらの混合物で場合によって置換されている基であるものである。
【0155】
基Raは、特に、直鎖もしくは分岐C1〜C30アルキル基、またはC4〜C12シクロアルキル基、またはC4〜C12アリール基とすることができ、エステル、および/またはアミド官能基で場合により置換されている。
【0156】
基Raは、例えば、構造:
-(CH2)c-、-(CRH)c、および-(CRR')c(式中、RおよびR'は同一でも異なっていてもよく、直鎖または分岐C1〜C30アルキル基を表し、cは1〜20、好ましくは1〜12の整数である。)のものとすることができ、
または別法として、構造:
【0157】
【化38】

【0158】
(式中、bは0と3の間の整数である。)のものとすることができ、加えてこれらの構造のすべての組合せとすることができる。
【0159】
特に好ましい2価基Raの中では、次の基を挙げることができる:1,2-エチレン、1,6-ヘキシレン、1,4-ブチレン、1,6-(2,4,4-トリメチルヘキシレン)、1,4-(4-メチルペンチレン)、1,5-(5-メチルヘキシレン)、1,6-(6-メチルヘプチレン)、1,5-(2,2,5-トリメチルヘキシレン)、1,7-(3,7-ジメチルオクチレン)、4,4'-メチレン-ビス(シクロヘキシル)、1,4-シクロヘキシレン、2,4-トリレン、2,6-トリレン、1,5-ナフチレン、4,4'-メチレン-ビス(フェニル)、テトラメチルキシリレン;イソホロン由来の2価基。
【0160】
特に好ましいモノマー(a)は、下記の化合物から選択することができる:
1,4-ジイソシアナトブタン、
1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートまたは1,6-ジイソシアナトヘキサン、
1,5-ジイソシアナト-2-メチル-ペンタン、
1,4-ジイソシアナト-4-メチル-ペンタン、
1,6-ジイソシアナト-2,2,4-トリメチルヘキサン、
1,6-ジイソシアナト-2,4,4-トリメチルヘキサン、
1,5-ジイソシアナト-5-メチルヘキサン、
3(4)-イソシアナトメチル-1-メチルシクロヘキシル-イソシアネート
1,6-ジイソシアナト-6-メチル-ヘプタン、
1,5-ジイソシアナト-2,2,5-トリメチルヘキサン、
1,7-ジイソシアナト-3,7-ジメチルオクタン、
1-イソシアナト-1,2,2-トリメチル-3-(2-イソシアナト-エチル)-シクロペンタン、
1-イソシアナト-n-ブチル-3-(4-イソシアナトブト-1-イル)-シクロペンタン、
1-イソシアナト-1,2-ジメチル-3-エチル-3-イソシアナトメチルシクロペンタン、
1-イソシアナト-1-メチル-4-(4-イソシアナトブト-2-イル)-シクロヘキサン、
1-イソシアナト-1,4-ジメチル-4-イソシアナトメチル-シクロヘキサン、
1-イソシアナト-1,3-ジメチル-3-イソシアナトメチル-シクロヘキサン、
1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、
イソホロンジイソシアネート;
4,4'-メチレン-ビス(シクロヘキシルイソシアネート)
1,4-ジフェニレンジイソシアネート;
トリレン2,4-ジイソシアネート;
トリレン2,6-ジイソシアネート、
1,3-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、
4,4'-メチレン-ビス(フェニルイソシアネート)、
ナフタレンジイソシアネート、
テトラメチル-1,3-キシリレンジイソシアネート。
【0161】
これらのジイソシアネートは、もちろん単独で、または2種以上のジイソシアネートの混合物として使用することができる。
【0162】
モノマー(a)の第2の好ましいファミリー(a2)は、2価基Raが、特にホモポリマーまたはコポリマー型のポリマー基であり、例えば:
1,2-ブタジエン、1,4-ブタジエン、イソプレン、エチレン、プロピレン、1,2-ブチレン、1,4-ブチレン、イソブチレンから選択される単位を有するポリオレフィンなどのエチレンコポリマー;(メタ)アクリルコポリマー、(メタ)アクリルアミドコポリマー、ビニルコポリマー、アリルコポリマー、およびこれらの混合物
から選択される基であるものである。
【0163】
したがって、下記のものが本発明に適している:
ビニル/(メタ)アクリレート、ビニル/(メタ)アクリルアミド、ビニル/(メタ)アクリレート/メタクリルアミド、オレフィン性/ビニル性、および(メタ)アクリレート/(メタ)アクリルアミドコポリマー;
ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、およびそれらのポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシドコポリマー、ポリテトラメチレンオキシド、ペルフルオロポリエーテル、およびポリチオエーテルなどの過フッ素化されたまたは過フッ素化されていないポリエーテル;
ポリエステル、および特にアジピン酸またはテレフタル酸系ポリエステル、ポリカプロラクトン、ポリ(2-メチル-1,3-プロピレン-アジペート)、ポリ-(2-メチル-1,3-プロピレン)-グルタレート、スルホン酸ポリエステル;
ポリラクチド;
ポリアミド;
ポリ(2-メチルオキサゾリン)またはポリ(2-エチルオキサゾリン)などのポリオキサゾリン;
シロキサンコポリマー、例えば-Si(R4)(R5)O-単位(式中、(R4)および(R5)は、同一でも異なっていてもよく、Hを表し、あるいは直鎖または分岐状の、環状または非環状の、飽和または不飽和の、または芳香族の炭素含有基、好ましくはC1〜C12アルキルであり、O、N、S、P、F、およびSi、好ましくはO、N、およびSから選択される、同一でも異なっていてもよい1個または複数の、好ましくは1〜5個のヘテロ原子を場合によって有する基を表す。)で構成されるポリシロキサン、ならびに特にポリジメチルシロキサン(PDMS)、およびポリ(メチルフェニルシロキサン);
これらの種々の型のポリマーのコポリマー、例えばポリシロキサン/ポリ(エチレンオキシド)コポリマー;
ポリアセタール;
過フッ素化されたまたは過フッ素化されていないポリカーボネート;
ならびにこれらの混合物。
【0164】
Raがポリマー基である場合、Raは500と30000の間の、より特に700と25000の間の、より一層良好には800と15000の間の重量平均分子量(Mw)を有することが好ましい。
【0165】
Raは、
ポリエステル、より特にアジピン酸および/またはテレフタル酸系のもの、ポリ(2-メチル-1,3-プロピレンアジペート)およびポリ(2-メチル-1,3-プロピレン)-グルタレート、
ポリエーテルおよび特にポリ(テトラメチレンオキシド)、
シロキサンコポリマー、ならびに
ポリ(エチレン-ブチレン)およびポリブタジエン
型の官能性ポリマーから選択することができるのが好ましい。
【0166】
Raが種々のポリマーの混合物に相当する場合、前記種々のポリマーの百分率は、要求される性状に関連して当分野の技術者により選択することができる。
【0167】
モノマー(a)は、(a1)型のもの単独、またはその混合物であることが好ましい。しかし、単独のまたは混合されたモノマー(a1)と、単独のまたは混合されたモノマー(a2)との混合物を有することも可能である。
【0168】
モノマー(a)が、少なくとも1つの接合基(A)を有する場合、モノマー(a)は、式:
【0169】
【化39】

【0170】
(式中、Rx1、Rx2は、同一でも異なっていてもよく、直鎖もしくは分岐C1〜C30アルキル基、またはC4〜C12シクロアルキル基、またはC4〜C12アリール基から選択される2価炭素含有基であり、O、N、S、F、Si、およびPから選択される1〜8個のヘテロ原子を場合によって含み、エステルもしくはアミド官能基で、またはC1〜C12アルキル基で場合により置換されている炭素含有基、あるいはこれらの基の混合物を表し、
R2は、接合基(A)について以前に定義している通りである。)のものとすることができる。
【0171】
より好ましくは、モノマー(a)は、式:
【0172】
【化40】

【0173】
(式中、Rx1、Rx2、Rx3は、同一でも異なっていてもよく、直鎖もしくは分岐C1〜C30アルキル基、またはC4〜C12シクロアルキル基、またはC4〜C12アリール基から選択される2価炭素含有基、あるいはこれらの基の混合物を表し、
またR2は、C1〜C32アルキル基である。)のものとすることができる。
【0174】
さらにより好ましくは、モノマー(a)は、式:
【0175】
【化41】

【0176】
のものとすることができる。
【0177】
基Rx1、Rx2、およびRx3は、互いに独立に、次の基から選択することができるのが好ましい:メチレン、1,2-エチレン、1,6-ヘキシレン、1,4-ブチレン、1,6-(2,4,4-トリメチルヘキシレン)、1,4-(4-メチルペンチレン)、1,5-(5-メチルヘキシレン)、1,6-(6-メチルヘプチレン)、1,5-(2,2,5-トリメチルヘキシレン)、1,7-(3,7-ジメチルオクチレン)、4,4'-メチレン-ビスシクロヘキシレン、2-メチル-1,3-フェニレン、4-メチル-1,3-フェニレン、4,4'-ビフェニレンメチレン、1,2-トリレン、1,4-トリレン、2,4-トリレン、2,6-トリレン、1,5-ナフチレン、4,4'-メチレン-ビス(フェニル)、テトラメチルキシリレン;イソホロン由来の2価基。
【0178】
特に好ましくはRx1、Rx2、およびRx3は、互いに独立に、-(CH2)2-、-(CH2)6-、-CH2CH(CH3)CH2C(CH3)(CH3)CH2CH2-、または-イソホロン-基を表し;
さらにより良好にはRx1およびRx3は、-イソホロン-基を表し、Rx2は-(CH2)2-を表し、これにより下記のモノマー(a)を導いている:
【0179】
【化42】

【0180】
モノマー(b):HX-Rb-X'H
本発明によるコポリマーはさらに、少なくとも2つのモノマー(b1)および(b2)であって、互いに異なっており、両方共、OH、SH、NH2、およびNHR(R=C1〜C6アルキル)から選択される同一でも異なっていてもよい、少なくとも2つの重合可能な基を含むモノマーを有する。
【0181】
したがって、モノマー(b1)は、式HX-Rb1-X'Hのものとすることができ、ただしXおよびX'は、同一でも異なっていてもよく、O、S、NH、またはNR(RはC1〜C6アルキル基を表す。)から選択される。
【0182】
(b1)において、Xおよび/またはX'=Oであり、より好ましくはX=X'=Oであるのが好ましい。
【0183】
2価基Rb1は、2価ポリマー基、特にホモポリマーまたはコポリマー型のもの、例えば、ジチオール官能性コポリマー、ジアミン、ジオール、アミノアルコールから選択されるものを表すのが好ましく、アルコール、アミンおよび/またはチオール官能基を分子鎖の末端、または骨格に沿って有している。ポリマー基として、下記の型の基を特に挙げることができる:
ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)、およびそれらのポリ(エチレンオキシド)/ポリ(プロピレンオキシド)コポリマー、ポリ(テトラメチレンオキシド)、ペルフルオロポリエーテル、およびポリチオエーテルなどの過フッ素化されたまたは過フッ素化されていないポリエーテル;
ポリラクチド;
ポリエステル、特にアジピン酸またはテレフタル酸系ポリエステル、特にポリカプロラクトン、ポリ(2-メチル-1,3-プロピレン-アジペート)、ポリ-(2-メチル-1,3-プロピレン)-グルタレート、スルホン酸ポリエステル;
ポリアミド;
ポリ(2-メチルオキサゾリン)、ポリ(2-エチルオキサゾリン)などのポリオキサゾリン;
シロキサンコポリマー、例えば-Si(R4)(R5)O-単位(式中、(R4)および(R5)は、同一でも異なっていてもよく、Hを表し、あるいは直鎖または分岐状の、環状または非環状の、飽和または不飽和の、または芳香族の炭素含有基、好ましくはC1〜C12アルキル(O、N、S、P、F、およびSi、好ましくはO、N、およびSから選択される、同一でも異なっていてもよい1個または複数の、好ましくは1〜5個のヘテロ原子を場合によって有することができる)を表す。)で構成されるポリシロキサン、ならびに特にポリジメチルシロキサン(PDMS)、およびポリ(メチルフェニルシロキサン);
ポリアセタール;
エチレンコポリマー、および特に(メタ)アクリルコポリマー、(メタ)アクリルアミドコポリマー、ビニルコポリマー、アリルコポリマー;したがってビニル/(メタ)アクリレート、ビニル/(メタ)アクリルアミド、ビニル/(メタ)アクリレート/メタクリルアミド、オレフィン性/ビニル性および(メタ)アクリレート/(メタ)アクリルアミドコポリマーが本発明に適している;
1,2-ブタジエン、1,4-ブタジエン、イソプレン、エチレン、プロピレン、1,2-ブチレン、1,4-ブチレン、イソブチレンから選択される単位を有するポリオレフィン;
過フッ素化されたまたは過フッ素化されていないポリカーボネート;
これらの種々の型のポリマーのコポリマー、例えばポリシロキサン/ポリ(エチレンオキシド)コポリマー;
ならびにこれらの混合物。
【0184】
モノマー(b1)は、500と30000の間の、より特に700と25000の間の、より一層良好には800と15000の間の重量平均分子量(Mw)を有することが好ましい。
【0185】
Rb1が種々のポリマーの混合物に相当する場合、前記種々のポリマーの百分率は、要求される性状に関連して当分野の技術者により選択することができる。
【0186】
Rb1は、
ポリエステル、より特にアジピン酸および/またはテレフタル酸系のもの、特にポリ(2-メチル-1,3-プロピレン-アジペート)およびポリ-(2-メチル-1,3-プロピレン)-グルタレート、
ポリエーテルおよび特にポリ(テトラメチレンオキシド)、
シロキサンコポリマー、ならびに
ポリ(エチレン-ブチレン)、およびポリブタジエン
などの官能性ポリマーから選択することができるのが好ましい。
【0187】
したがって、モノマー(b2)は、式HX-Rb2-X'Hのものとすることができ、ただしXおよびX'は、同一でも異なっていてもよく、O、S、NH、またはNR(RはC1〜C6アルキル基を表す。)から選択される。
【0188】
(b2)において、Xおよび/またはX'=Oであり、より好ましくはX=X'=Oであることが好ましい。
【0189】
2価基Rb2は、直鎖または分岐状の、環状または非環状の、飽和または不飽和の、芳香族または非芳香族の、炭素原子1〜40個を有する2価炭素含有基であり、O、S、P、およびNから選択される1個または複数のヘテロ原子を場合によって有し、かつ/または1個または複数のフッ素および/またはケイ素原子で場合によって置換されている炭素含有基を表すことが好ましい。
【0190】
1個または複数のヘテロ原子は、それらが存在する場合、前記基の分子鎖内に挿入することができ、または別法として前記基は、それらのヘテロ原子を含有するヒドロキシル基、またはアミノ基(NH2、NHR'、またはNR'R"、ただしR'およびR"は、同一でも異なっていてもよく、O、N、S、F、Si、およびPから選択される1〜12個のヘテロ原子を場合によって含有する直鎖または分岐C1〜C22アルキル、特にメチルまたはエチルを表す。)などの1つまたは複数の基で置換することができる。
【0191】
したがって、Rb2は、
メチレン、エチレン、プロピレン、n-ブチレン、イソブチレン、tert-ブチレン、n-ヘキシレン、n-オクチレン、n-ドデシレン、n-オクタデシレン、n-テトラデシレン、n-ドコサニレン、エチル-2-ヘキシレン、シクロヘキシレン、シクロヘキシルメチレン、イソホロンなどの、O、N、S、F、Si、およびPから選択される1〜8個のヘテロ原子を場合によって含有するC1〜C12アルキル基で場合によって置換されている、炭素原子1〜40個を有するアルキレン基、または炭素原子3〜16個を有するシクロアルキレン基;
O、N、S、F、Si、およびPから選択される1〜25個のヘテロ原子を場合によって含有するC1〜C12アルキル基で場合によって置換されている、-C6H4-(オルト、メタまたはパラ)フェニレン基などのC1〜C30アリーレン基;
O、N、S、F、Si、およびPから選択される1〜8個のヘテロ原子を場合によって含有するC1〜C12アルキル基で場合によって置換されている、ベンジレン基-C6H4-CH2-;
C1〜C30、好ましくはC2〜C12アルカリーレンまたはアラルキレン基;
式:-O-CO-O-、-CO-O-、-OCO-、-O-CO-NH-、酸無水物、-NH-CO-NH-、NHCOの基;
基-Si(R4)(R5)O-、式中、R4およびR5が、同一でも異なっていてもよく、Hを表し、あるいは直鎖または分岐状の、環状または非環状の、飽和または不飽和の、または芳香族の炭化水素基、好ましくはC1〜C12アルキルであり、O、N、S、P、F、およびSi、好ましくはO、N、およびSから選択される、同一でも異なっていてもよい1個または複数の、好ましくは1〜5個のヘテロ原子を場合によって含有することができる炭化水素基を表す基;
オキシアルキレンまたはアミノアルキレン基、特に式-(R"'O)yRiv(R"'は直鎖または分岐C2〜C4アルキルを表し、Rivは水素、または直鎖もしくは分岐C1〜C30アルキル基であり、またyは1から500までの間、好ましくは1〜250である。)のアルキレンオキシド基;
これらの基の混合物
を含むことができる。
【0192】
特に、Rb2は、
メチレン、エチレン、プロピレン、n-ブチレン、n-ペンチレン、イソブチレン、tert-ブチレン、n-ヘキシレン、n-オクチレン、n-ドデシレン、n-オクタデシレン、n-テトラデシレン、n-ドコサニレン、エチル-2-ヘキシレン、シクロヘキシレン、シクロヘキシルメチレン、イソホロンなどの、O、N、S、F、Si、およびPから選択される1〜8個のヘテロ原子を場合によって含有するC1〜C12アルキル基で場合によって置換されている、炭素原子1〜40個を有するアルキレン基、または炭素原子3〜16個を有するシクロアルキレン基;
O、N、S、F、Si、およびPから選択される1〜25個のヘテロ原子を場合によって含有するC1〜C12アルキル基で場合によって置換されている、-C6H4-(オルト、メタまたはパラ)フェニレン基などのC1〜C30アリーレン基;
O、N、S、F、Si、およびPから選択される1〜8個のヘテロ原子を場合によって含有するC1〜C12アルキル基で場合によって置換されている、C1〜C30、好ましくはC2〜C12アルカリーレンまたはアラルキレン基、および特にベンジレン基-C6H4-CH2-;
オキシアルキレンまたはアミノアルキレン基、特に式-(R"'O)yRiv(R"'は直鎖または分岐C2〜C4アルキルを表し、Rivは水素、または直鎖もしくは分岐C1〜C30アルキル基であり、またyは1から500までの間、好ましくは1〜250である。)のアルキレンオキシド基;
これらの基の混合物
とすることができる。
【0193】
好ましくは、Rb2は、
メチレン、エチレン、プロピレン、n-ブチレン、イソブチレン、tert-ブチレン、n-ペンチレン、n-ヘキシレン、n-オクチレン、n-ドデシレン、n-オクタデシレン、シクロヘキシレン、シクロヘキシルメチレン、イソホロンなどの、C1〜C12アルキル基で場合によって置換されている、炭素原子1〜12個を有するアルキレン基、または炭素原子3〜6個を有するシクロアルキレン基;
ベンジレン基-C6H4-CH2-、またはベンジレンジメチレンなどの、C1〜C12アルキル基で場合によって置換されている、C1〜C30、好ましくはC2〜C12アルカリーレンまたはアラルキレン基
とすることができる。
【0194】
モノマー(b2)は60と1000の間の、より特に70と700の間の、好ましくは80と500の間の重量平均分子量(Mw)を有することが好ましい。
【0195】
特に好ましいモノマー(b2)の中では、下記のものを挙げることができる:
アミノエタノール、アミノプロパノール、4-アミノブタノール、1-エチルアミノブタン-2-オール、アミノ-2-メチル-2-プロパノール、メチル-4-アミノ-4-ペンタン-2-オール;
1,2-エチレンジアミン、1,2-プロピレンジアミン、1,3-プロピレンジアミン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、2,6-トルエンジアミン;
1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-エタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール;
ネオペンチルグリコール、式HO-(CH2CH2O)2Hのジ(エチレングリコール)、ジヒドロキシル化ポリ(エチレンオキシド)、ジヒドロキシル化ポリ(プロピレンオキシド)、ジヒドロキシル化ポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)コポリマー;
1,2-ベンゼンジメタノール、1,4-ベンゼンジメタノール、1,4-ジメチロール-シクロヘキサン;
1,2-ベンゼンチオール;
これらの混合物。
【0196】
モノマー(b2)が少なくとも1つの接合基(A)を含む場合、モノマー(b2)は、式:
【0197】
【化43】

【0198】
(式中、R2およびRx1は以前に定義した通りである。)の化合物から、選択することができる。
【0199】
イオン化可能な基
本発明の特定の実施形態において、コポリマーは少なくとも1種のイオン化可能な基を含むことができ、この基は、好ましくは少なくとも一部の(b2)型のモノマー上に、かつ/または少なくとも一部の接合基(A)上に、好ましくは少なくとも一部のモノマー(b2)上に存在することができる。
【0200】
「イオン化可能な基」は、本発明により、その固有の化学的性質により、またはそれが存在している媒質の、かつ/またはその媒質のpHの関数として、イオンの形態におけるものとすることができる任意の基を意味する。その化学的性質に応じて、カチオン化可能な、アニオン化可能な、または両性のものとすることができる。したがって、テトラ-N-置換第四級アンモニウム基などのイオン基がこれに含まれる。
【0201】
したがって、本発明による(チオ)ウレタン/(チオ)尿素コポリマーは、カチオン化可能な、アニオン化可能な、または両性の基、およびこれらの混合物から選択される、1種または複数のイオン化可能な基を有することができ、これらの基は水性媒質中におけるそれらのコポリマーの分散または溶解を促進する。
【0202】
好ましいイオン化可能な基の中では、下記のものを挙げることができる:
i)アニオン化可能な基、およびそれらの塩であり、
カルボキシル基:-COOH、
スルホン酸基:-SO3H、
基:OSO3H、
ホスホン酸基:-(O)P(OH)2
リン酸基:-OP(O)(OH)2
またはこれらの有機もしくは無機の塩化形態
から選択される酸官能基を有する基などの、基およびそれらの塩。
【0203】
酸基は、LiOH、NaOH、KOH、Ca(OH)2、NH4OH、Mg(OH)2、またはZn(OH)2などの無機塩基で、あるいは第一級、第二級、または第三級アルキルアミン、特にトリエチルアミンまたはブチルアミンなどの有機塩基で中和することができる。この第一級、第二級、または第三級アルキルアミンは1個または複数の窒素およびまたは酸素原子を含有することができ、したがってまた例えば1つまたは複数のアルコール官能基を有することができる。特にアミノ-2-メチル-2-プロパノール、トリエタノールアミン、およびジメチルアミノ-2-プロパノールを挙げることができる。リシン、または3-(ジメチルアミノ)プロピルアミンを挙げることもできる。
【0204】
ii)カチオン化可能な基、およびそれらの塩であり:
a)式-N(Rv)(Rvi)のアミン基、またはそれらの有機もしくは無機塩、式中RvおよびRviが、互いに独立に、
(i)水素原子、
(ii)直鎖、分岐状または環状の、飽和または不飽和の、場合によって芳香族のアルキル基であり、炭素原子1〜30個を有し、またO、N、S、およびPから選択されるヘテロ原子1〜10個を含有することが可能なアルキル基、特にメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、ラウリル、またはステアリル基、
(iii)式-(RviiO)rRviii(Rviiは直鎖または分岐C2〜C4アルキルを表し、Rviiiは水素、または直鎖もしくは分岐C1〜C30アルキル基であり、またrは1から250までの間である。)のアルキレンオキシド基を表し、
(iv)RvおよびRviが、窒素原子と共に、飽和または不飽和の、場合によって芳香族の環であり、合計して5、6、7、または8員の原子を含み、特に炭素原子4、5、もしくは6員および/またはO、S、およびNから選択されるヘテロ原子2〜4員の環を形成することができ;さらに前記環を、1つまたは複数の他の、飽和または不飽和の、場合によって芳香族の環であり、それぞれ5、6、または7員の原子を含み、特に炭素原子4、5、6、もしくは7員および/またはO、S、およびNから選択されるヘテロ原子2〜4員の環と縮合させることができる
アミン基またはそれらの塩;
b)基-Rix-N-Rx-、式中RixおよびRxが、窒素原子と共に、飽和または不飽和の、場合によって芳香族の環であり、合計して5、6、7、または8員の原子を含み、特に炭素原子4、5、6員および/またはO、S、およびNから選択されるヘテロ原子2〜4員の環を形成し;また前記環を、1つまたは複数の他の、飽和または不飽和の、場合によって芳香族の環であり、それぞれ5、6、または7員の原子を含み、特に炭素原子4、5、6、7、または8個および/またはO、S、およびNから選択されるヘテロ原子2〜4個の環と縮合させることができ、例えばイオン化可能な基が、カチオン化可能な第三級アミン基を有する芳香族もしくは非芳香族環を構成することができ、または、カチオン化可能な第三級窒素を含有する芳香族もしくは非芳香族複素環であることができる基;
c)それぞれ式:
【0205】
【化44】

【0206】
のグアニジノまたはアミジノ基;
d)式:
【0207】
【化45】

【0208】
(式中、
基R'1、R'2、およびR'3は、互いに独立に直鎖もしくは分岐C1〜C20アルキル基を示し、
nは0〜1の範囲にある数を示し、
またZ'-は、Br-またはCl-などのハロゲン化物イオン(n=1)、またはイオンCH3SO3-、または硫酸塩イオンSO42-(n=1/2)、あるいはこれらの混合物を表す。)の第四級アンモニウム基;
e)ならびにこれらの混合物
から選択される官能基を含有する基などの、基およびそれらの塩。
【0209】
これらの好ましい基の中では、ピリジニル、インドリル、イソインドリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、ピペリジニル、ピラゾリル、キノリン、ピラゾリニル、ピペラジニル、ピロリジニル、キニジニル、チアゾリニル、モルホリン、グアニジノ、およびアミジノ基、ならびにこれらの組合せを挙げることができる。
【0210】
アミン単位は、場合によって中和することができる。塩の中では、硫酸、塩酸、およびリン酸などの鉱酸の塩を挙げることができる。1つまたは複数のカルボン酸、スルホン酸、またはホスホン酸基を有することができる有機酸の塩を挙げることもできる。それらは、直鎖、分岐状、もしくは環状の脂肪族酸、または芳香族酸とすることができる。これらの酸は、さらに、OおよびNから選択される1個または複数のヘテロ原子を、例えばヒドロキシル基の形で有することができる。特に、プロピオン酸、酢酸、テレフタル酸、クエン酸、酒石酸、および乳酸を挙げることができる。
【0211】
酸またはアミン単位の中和、ならびに四級化は完全または部分的とすることができる点に注目されたい。それは、特に5と100%の間、特に20と95%の間とすることができる。
【0212】
より特に、これらのイオン化可能な基は、下記のものから選択することができる:
次のアニオン化可能な基:1価基-COOH、-CH2COOH、-(CH2)2COOH、-(CH2)3COOH、-(CH2)SO3H、-(CH2)2SO3H、-(CH2)3SO3H、-O(CH2)3SO3H;2価基-C(COOH)(CH3)-、および-CH2-C(COOH)(CH3)-CH2-;これらについて中和剤はNaOH、KOH、Ca(OH)2、NH4OH、トリエチルアミン、ブチルアミン、アミノ-2-メチル-2-プロパノール、トリエタノールアミン、ジメチルアミノ-2-プロパノール、リシンまたは3-(ジメチルアミノ)プロピルアミンから選択することができる;
次のカチオン化可能な基:1価基-(CH2)2-N(CH3)2、-N(CH3)2、-(CH2)3-N(CH3)2、-O-(CH2)3-N(CH2CH3)2、-(CH2)2-N(CH2CH3)2、2価基-(CH2)2-N(CH3)-(CH2)2-および-(CH2)3-N(CH3)-(CH2)3-;これらについて中和剤はHCl、プロピオン酸、酢酸、クエン酸、および酒石酸から選択することができる。
【0213】
上述のように、少なくとも1つの接合基(A)は、上記において定義した少なくとも1つのイオン化可能な基を有することができる。
【0214】
特に、前記接合基(A)の基R1、R2、および/またはR3の少なくとも1つは、上記において定義したイオン化可能な基を有することができる。
【0215】
前記イオン化可能な基は、モノマー(b1)が有することもでき、この場合前記モノマー(b1)はスルホン酸ポリエステル、または無水マレイン酸系エチレンコポリマーから選択することができる。
【0216】
特定の実施形態において、このイオン化可能な基を、上記において定義したモノマー(b2)の全部または一部が、有することができる。
【0217】
好ましいアニオン化可能なモノマー(b2)の中では、カルボン酸官能基(-COOH)、および/またはスルホン酸官能基(-SO3H)を有するモノマー、特に式:
【0218】
【化46】

【0219】
(式中、
R"1は、Hを表し、あるいは炭素原子1〜40個を有するアルキル基であり、直鎖または分岐状の、環状または非環状の、飽和または不飽和の、芳香族または非芳香族の、かつ/またはO、S、P、およびNから選択される1個または複数のヘテロ原子を場合によって含み、かつ/または1個または複数のフッ素もしくはケイ素原子で場合によって置換されているアルキル基を表す;1個または複数のヘテロ原子は、存在する場合、前記基の分子鎖内に挿入することができ、または別法として前記基はそれらへテロ原子を含有する、ヒドロキシル、またはアミノ基(NH2、NHR'、またはNR'R"、ただしR'およびR"は、同一でも異なっていてもよく、直鎖または分岐C1〜C22アルキル、特にメチルまたはエチルを表す。)などの1つまたは複数の基で置換することができ;
R"2、R"3、およびR"4は、同一でも異なっていてもよく、炭素原子1〜40個を有するアルキレン基(2価アルキル)であり、直鎖または分岐状の、環状または非環状の、飽和または不飽和の、芳香族または非芳香族の、かつ/またはO、S、P、およびNから選択される1個または複数のヘテロ原子を場合によって含み、かつ/または1個または複数のフッ素もしくはケイ素原子で場合によって置換されているアルキレン基を表す;1個または複数のヘテロ原子は、存在する場合、前記基の分子鎖内に挿入することができ、または別法として前記基はそれらへテロ原子を含有する、エステル、アミド、ヒドロキシル、またはアミノ基(NH2、NHR'、またはNR'R"、ただしR'およびR"は、同一でも異なっていてもよく、直鎖または分岐C1〜C22アルキル、特にメチルまたはエチルを表す。)などの1つまたは複数の基で置換することができ;
XおよびX'は、同一でも異なっていてもよく、O、S、NH、NR(Rは直鎖または分岐C1〜C6アルキル基である。)を表し、XおよびX'はOを表すのが好ましく;
Z、Z'は、同一でも異なっていてもよく、カルボン酸官能基(-COOH)、またはスルホン酸官能基(-SO3H)を表し;
n、p、m、およびqは、互いに独立に、0または1に等しい。)のモノマーを挙げることができる。
【0220】
アニオン化可能なモノマー(b2)は、式:
【0221】
【化47】

【0222】
(式中、X、X'、R"1、R"2、R"3、R"4、m、n、p、およびZは、上記において定義している通りである。)の化合物、およびより特に式:
【0223】
【化48】

【0224】
(上式について、R"1は炭素原子1〜22個を有するアルキル基、好ましくはCH3を表し、xおよびyは、同一でも異なっていてもよく、1から5までの間にある。)の化合物から選択するのが好ましい。
【0225】
好ましいアニオン化可能なモノマー(b2)の中では、ジメチロールプロピオン酸、ジメチルアミノプロピオン酸、N-エチルスルホン酸-ジメタノールアミン、N-エチルスルホン酸-ジエタノールアミン、ジオールベンゼンスルホン酸を挙げることができる。
【0226】
これらのアニオン基を、上記に示したように中和することができるのは明らかである。
【0227】
カチオン化可能な、または両性のモノマー(b2)の中では、かなり特に、式:
【0228】
【化49】

【0229】
(式中、
R"2、R"3、およびR"4は、同一でも異なっていてもよく、炭素原子1〜40個を有するアルキレン基(2価アルキル)であり、直鎖または分岐状の、環状または非環状の、飽和または不飽和の、芳香族または非芳香族の、かつ/またはO、S、P、およびNから選択される1個または複数のヘテロ原子を場合によって含み、かつ/または1個または複数のフッ素もしくはケイ素原子で場合によって置換されているアルキレン基を表す;1個または複数のヘテロ原子は、存在する場合、前記基の分子鎖内に挿入することができ、または別法として前記基はそれらへテロ原子を含有するエステル、アミド、ヒドロキシルまたはアミノ基(NH2、NHR'、またはNR'R"、ただしR'およびR"は、同一でも異なっていてもよく、直鎖または分岐C1〜C22アルキル、特にメチルまたはエチルを表す。)などの1つまたは複数の基で置換することができ;
XおよびX'は、同一でも異なっていてもよく、O、S、NH、NR(Rは直鎖または分岐C1〜C6アルキル基である。)を表し、XおよびX'はOを表すのが好ましく;
n、p、およびmは、互いに独立に、0または1に等しく;
R6およびR7は、直鎖または分岐C1〜C22アルキル基、好ましくはメチル、エチル、ラウリル、ベヘニルを表す。)の第三級アミン官能基を有するモノマーを挙げることができる。
【0230】
特に、式:
【0231】
【化50】

【0232】
(式中、X、X'、R"3、R"4、およびR6は、以前に定義している通りである。)のモノマーを挙げることができる。
【0233】
特に、N-メチルジエタノールアミン、N-tert-ブチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、およびジアミノピリジンを挙げることができる。
【0234】
これらのカチオン基は、上記に示したように中和することができるのは明らかである。
【0235】
カチオンまたは両性モノマー(b2)として、上記において定義した、式:
【0236】
【化51】

【0237】
の、アミン官能基が第四級の形態にあるものを挙げることもできる。
【0238】
第三級アミン基の四級化は、移動性ハロゲンを有する化合物、特にC1〜C12アルキル塩化物または臭化物などのハロゲン化アルキル、および例えば臭化メチルまたは塩化エチルにより行うことができる。
【0239】
その上、これらの基は、移動性ハロゲンを含有するカルボン酸またはスルホン酸官能基を有する化合物、特にクロロ酢酸ナトリウムによって、あるいは環状スルホン、例えばプロパンスルホンによって、四級化することができる。こうして、両性モノマー(または、同一のモノマーが少なくとも1つの(+)電荷および少なくとも1つの(-)電荷を帯びているベタイン)が得られる。
【0240】
四級化は、既に合成したポリマーについて、または重合前に、出発モノマーについて行うことができる。
【0241】
イオン化可能な基は、存在する場合、本発明によるコポリマーの全重量の0.1〜50重量%、好ましくはポリマーの全重量に対して0.5〜35重量%、特に1〜15重量%とすることができる。したがって、1つまたは複数のイオン化可能な基を有する1つまたは複数のモノマーは、最終コポリマーの全重量の3〜20重量%、好ましくは6〜17重量%、または8〜15重量%とさえすることができる。
【0242】
本発明によるコポリマーはまた、構造YCN-R10(YはOまたはS、好ましくはOを表し、R10は炭素原子1〜40個を有する炭素含有基、特にアルキルであり、直鎖または分岐状の、環状または非環状の、飽和または不飽和の、芳香族または非芳香族の、O、S、P、およびNから選択される1個または複数のヘテロ原子を場合によって含み、かつ/または1個または複数のフッ素もしくはケイ素原子で場合によって置換されている炭素含有基を表す;1個または複数のヘテロ原子は、存在する場合、前記基の分子鎖内に挿入することができ、または別法として前記基はそれらへテロ原子を含有するエステルおよび/またはアミド基などの1つまたは複数の基で置換することができる。)のモノマーを、場合によって含むこともできる。
【0243】
特定の実施形態において、R10は少なくとも1つの接合基(A)を有することもできる。
【0244】
特に、YCN-R10は、式:
【0245】
【化52】

【0246】
(式中、R'10は、O、N、S、F、Si、およびPから選択される1〜8個のヘテロ原子を場合によって含むがそれは好ましくない、直鎖または分岐C1〜C30アルキル基、C4〜C12シクロアルキル基、またはC4〜C12アリール基から選択される2価炭素含有基、ならびにこれらの意味を有するものの混合物を表すことができる。)に対応させることができる。
【0247】
本発明によるコポリマーはまた、構造HX-R11のモノマー、式中、
XがO、S、NH、またはNR(RはC1〜C6アルキル基を表す。)を表し、好ましくはX=Oであり、また
R11が炭素含有基、特に、炭素原子1〜40個を有するアルキルであり、直鎖または分岐状の、環状または非環状の、飽和または不飽和の、芳香族または非芳香族の、O、S、P、およびNから選択される1個または複数のヘテロ原子を場合によって含み、かつ/または1個または複数のフッ素もしくはケイ素原子で場合によって置換されている炭素含有基を表し;1個または複数のヘテロ原子を、存在する場合、前記基の分子鎖内に挿入することができ、または別法として前記基をそれらへテロ原子を含有するエステルおよび/またはアミド基などの1つまたは複数の基で置換することができる
モノマーを、場合によって含むこともできる。
【0248】
本発明によるコポリマーの構造
本発明によるコポリマーは、3〜20000、好ましくは5〜10000、またより一層良好には10〜5000の範囲にある重合度を有するポリマー骨格を有することが有利である。
【0249】
本発明によるコポリマーは、ポリウレタンおよび/またはポリ尿素、ならびに/あるいはポリチオウレタンおよび/またはポリチオ尿素配列であって、下記の一般式:
-[X-Rb-X'-C(Y)NH-Ra-NHC(Y')-]x-
(式中、
XおよびX'は、モノマー(b)、すなわちモノマー(b1)および(b2)から得られるもので、上記において定義している通りであり、
YおよびY'は、(a1)および/または(a2)型いずれかのモノマー(a)から得られるもので、上記において定義している通りであり、
基Rbは、モノマー(b)、すなわちモノマー(b1)および(b2)から得られるものであり、換言すれば基Rbはランダムに、上記において定義しているRb1およびRb2を表し、
基Raは、モノマー(a)から得られるもので、上記において定義している通りであり、特に基Raはランダムに、2価脂肪族基型(a1)のモノマーRa、およびポリマー型(a2)のモノマーRaを表すことができ、
ただし少なくとも1つの基Raおよび/またはRbが、少なくとも3つの水素結合を形成することが可能な少なくとも1つの接合基(A)を含むことを条件としており、
xは整数≧2である。)に対応することが好ましい配列の存在を特徴とする。
【0250】
本発明によるコポリマーの数平均分子量Mnは、1000と3000000の間、好ましくは5000と1000000の間、より好ましくは8000と500000の間であることが好ましい。
【0251】
すべての式YCN-Ra-NCY'のモノマーと、すべての式HX-Rb-X'Hのモノマーと(すなわちモノマー(b1)と、(b2)と)の間のモル比は、0.5〜2、好ましくは0.6〜1.5、またより一層良好には0.7〜1.3とすることができるのが好ましく、この比は1であるのがより好ましい。
【0252】
HX-Rb1-X'H(ポリマー)型のモノマーは、最終ポリマーの全重量の10〜95重量%、特に12〜85重量%、好ましくは15〜80重量%であることが好ましい。
【0253】
HX-Rb2-X'H(小ジオール)型のモノマーは、最終ポリマーの全重量の1〜30重量%、特に2〜25重量%、好ましくは3〜20重量%であることが好ましい。
【0254】
本発明によるコポリマーは、1ポリマー鎖当り接合基(A)1〜12個を、特に2〜10個、特に3〜8個、または4〜6個さえもの接合基(A)を有することが好ましい。
【0255】
本発明によるコポリマーは、2つのガラス転移温度、好ましくは0℃以下の第1のガラス転移温度Tg1、および20℃以上の第2のガラス転移温度Tg2を有することができる。
【0256】
本発明によるコポリマーは、その末端に不安定な水素(XH)をもつ反応性官能基を有し、また20℃未満の、好ましくは10℃未満の、さらにより良好には0℃未満のガラス転移温度(Tg)を有するポリマー型モノマー(b1)から得られる単位を有することがさらにより好ましい。
【0257】
本発明によるコポリマーの合成
本発明によるコポリマー、特に(チオ)ウレタン/(チオ)尿素コポリマーは、当分野の技術者によく知られている通常の重縮合方法によって調製することができる。これらの方法は、特に下記の著作中に記載されている:
60 years of PUR-J.E.Kresta、E.W.Eldred Ed.Technomic Publishing、1998、
Waterborne and Solvent-based Surface Coating Resins and Their Application、Surface Coating Technology Series、Vol.3、Polyurethanes、Paul Thomas、John Wiley & Sons、1998。
【0258】
例証の目的のため、一般的な合成スキームを下記に示しており、当分野の技術者はこれを参照することができる:
不安定な水素を有する1種または複数のモノマー(b1)および(b2)を、有機溶媒内で触媒と共に、または触媒なしで1種または複数のモノマー(a)と反応させる;
使用する有機溶媒は、イソシアネート基に関してそれが不活性であるように選択することが好ましい。有機溶媒は、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチルまたは酢酸ブチル、テトラヒドロフラン、1,2-ジクロロエタン、およびこれらの混合物を含む群から選択するのが好ましい;
任意選択的触媒は、スズの、またはチタンの誘導体から一般に選択することができ、ヘキサン酸2-エチルスズ、およびジラウリン酸ジブチルスズから選択するのが好ましい;
重合は、一般に20℃と120℃の間、好ましくは50℃と100℃の間にある温度で実施する;
こうして得られた本発明のコポリマーは、次いで必要な場合、例えば非溶媒中での析出により精製することができる。
【0259】
本コポリマーを親水性の、特に水性の媒質中で使用しようとする場合、水性溶解の段階が必要であろう。この場合このポリマーは、本発明の意味におけるイオン化可能な基を有することが好ましい。
【0260】
下記の形で、本発明によるコポリマーの水溶液または水分散液を調製することが可能である:
特に本コポリマーが十分な量のイオン化可能な基を有する場合、すなわち例えばコポリマーの全重量に対して少なくとも3〜20重量%のこのような基をもつモノマーを、好ましくは6〜17重量%、または8〜15重量%さえも有する場合、単に水を添加するだけでこのコポリマーを溶解することができる;
本コポリマーは、特にそれがイオン化可能な基を有する場合、単に水溶液に中和剤を添加するだけで、水中に溶解しまたは分散させることができる。この場合、ポリマーは、水溶性または水分散可能な形態で得ることができる;
本コポリマーは、特にそれがイオン化可能な基を有する場合、揮発性有機溶媒中に溶解させ、次いで水を添加しまた中和剤を添加し、最後に有機溶媒を蒸発させる方法により、水中に溶解しまたは分散させることもできる。この場合、ポリマーは一般に水分散液の形態で得られる。
【0261】
この方法の一変形形態により、コポリマーのイオン化可能な官能基の中和を、このポリマーを実際に生成させる間に行うことができる。
【0262】
有機溶媒内においてコポリマーを得た後、次いで、得られた有機溶液中に、攪拌しながら適当な量の中和剤と場合によって消泡剤とを含有する水を注入することにより水性エマルションを調製する。消泡剤の役割は、その後の有機相の蒸発を促進することである。
【0263】
エマルションを形成する間、解膠用羽根を取り付けたMoritz、UltraturaxまたはRaineri型の剪断式分散器で攪拌を行うことが好ましい。
【0264】
こうして得られたエマルションは、コポリマーのイオン基が水との界面の位置にあり、静電反発力により凝集から液滴を保護するため、界面活性剤を使用する必要がなく、特に安定である。
【0265】
室温(20〜25℃)と約70℃の間の温度でエマルションを形成させた後、減圧で有機溶媒をそれが完全に除去されるまで蒸発させる。前記蒸発は、穏やかな加熱により行うことが好ましい。
【0266】
最後に、例えばポリウレタンのコポリマー粒子の水性分散液が得られ、この分散液はどんな界面活性剤も、またはどんな他の親水性安定剤も有しないが、それでも非常に安定である。
【0267】
粒子の平均径ならびに粒子の多分散性は、前記分散液を調製する間、コポリマー、有機溶媒、および水のそれぞれの割合を変化させることにより、あるいは中和の度合いまたは中和剤の性質を変化させることにより、制御することができる。
【0268】
分散液調製の特定の変形形態により、平均粒子径は準弾性光拡散によって測定し、5と400ナノメートルの間、好ましくは10と250ナノメートルの間である。
【0269】
多分散性としては、準弾性光拡散によって測定した前記粒子の粒径に関する多分散性は、一般に0.5未満、好ましくは0.3未満である。
【0270】
溶液のまたは分散液の形成は、使用しているコポリマーの、かつ/または中和剤の性質によって決まることを理解すべきである。
【0271】
本発明によるコポリマー例えばポリウレタンは、室温における皮膜形成性を向上させるため可塑化することができる。従来の非ポリマー性可塑剤を使用して可塑化を行うことができる。その場合、可塑剤が、本発明によるコポリマー例えばポリウレタンの良好な溶媒であり、好ましくは水に不溶であることが好ましい。疎水性可塑剤の中では、特に下記のものを挙げることができる:
フタル酸ジエチル、ジブチル、および2-ジエチルヘキシル、ならびにアジピン酸ジエチル、ジブチル、および2-ジエチルヘキシル、
酒石酸ジエチルおよびジブチル、
リン酸ジエチル、ジブチル、および2-ジエチルヘキシル、
プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールブチルエーテル、トリプロピレングリコールブチルエーテルから選択されるプロピレングリコール誘導体、
グリセロールトリアセテート(トリアセチン)などのグリセロールエステル、
Dow Chemical社により名称「Dowanol PPH」のもとに販売されているプロピレングリコールモノフェニルエーテル、およびDow Chemical社により名称「Dowanol DPnB」のもとに販売されているジプロピレングリコールn-ブチルエーテル。
【0272】
可塑剤は、分散液を作った後、または前記分散液調製中のいずれかにおいて組み込むことができる;その場合可塑剤は有機相中に組み込む。
【0273】
したがって、本発明によるコポリマー特にポリウレタンにより、非常に流動性がある水性分散液または溶液を調製することが可能になり、その上これらのコポリマーがイオン性官能基をも有する場合、追加的界面活性剤を使用しなくても特に安定なものを調製することが可能になる。
【0274】
本発明のコポリマーは、エステル、アルコール、炭素含有および/またはシリコーン含有油、ならびにこれらの混合物中に溶解させ、または分散させることもできる。
【0275】
本発明はまた、化粧品組成物において、これらの組成物から得られる化粧堆積物および皮膜の粘弾性性状を改良するための、少なくとも1種の本発明によるコポリマーの使用にも関する。
【0276】
本発明による化粧品組成物は、本発明によるコポリマーを単独でまたは混合して、本組成物の全重量に対して0.01〜90重量%、好ましくは0.1〜85重量%、さらにより良好には0.5〜80重量%の量で含有することが好ましい。
【0277】
本発明による組成物は、局所適用のため従来使用されているすべてのガレヌス製剤形態におけるものとすることができ、特に、水性、アルコール性もしくは水性-アルコール性溶液もしくは懸濁液、または油性溶液もしくは懸濁液、またはローションもしくは漿液タイプの溶液もしくは分散液、水性相中に油相を分散させること(O/W)、またはその逆(W/O)により得られる液体もしくは半液体コンシステンシのミルクタイプのエマルション、または軟コンシステンシのクリームタイプ、(O/W)または(W/O)、の懸濁液もしくはエマルション、または水性もしくは無水ゲル、軟膏、それ自体で使用されもしくは賦形剤中に組み込まれるルーズもしくはコンパクトパウダーの形態におけるもの、あるいはいずれか他の化粧品形態のものとすることができる。
【0278】
本発明による化粧品組成物または医薬組成物は、前記コポリマーの他に、生理学的に許容可能である、特に化粧品としてまたは薬剤として許容可能な、特に皮膚科学的に許容可能な媒質、すなわち顔の皮膚または体の皮膚などの皮膚組織、ならびに毛髪、睫毛、眉毛、および爪などのケラチン物質と適合性のある媒質を含む。
【0279】
この生理学的に許容可能な媒質は、適用後に本組成物がもたらす、少なくとも1つの化粧および/またはケア効果の持続性の増加、ケラチン物質への密着性、およびメークアップ除去の容易さという性状に悪影響のない媒質であることが有利である。
【0280】
この生理学的に許容可能な媒質は、本発明によるコポリマーの溶媒であり、水、アルコール、多価アルコール、エステル、炭素含有油、シリコーン油、フッ素化シリコーン油、およびこれらの混合物から選択される少なくとも1種の化合物を含有することができる媒質を含むことが好ましい。これらの油は極性、または無極性とすることができる。
【0281】
したがって、この本発明による組成物の溶媒媒質は、水、あるいは水とアルコールなどの親水性有機溶媒との混合物、特に、エタノール、tert-ブタノール、n-ブタノール、イソプロパノールもしくはn-プロパノール、または2-ブトキシ-エタノールなどの直鎖または分岐C1〜C6一価アルコール;ならびにグリセロール、ジグリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、ペンチレングリコール、およびポリエチレングリコールなどの多価アルコールとの混合物;あるいは別法として、ジエチレングリコールのモノエチルエーテルおよびモノメチルエーテルなどの特にC2のグリコールエーテル、ならびに親水性C2〜C4アルデヒドなどの有機溶媒との混合物を含むことができる。
【0282】
この溶媒媒質は、ベンジルアルコール、またはフェノキシエタノール(芳香族アルコール)などの芳香族基を組み込んでいるアルコール、それらの誘導体、カルボン酸エステル、およびこれらの混合物を含むことができる。
【0283】
カルボン酸エステルの中では、炭素原子2〜8個を有するもの、特に酢酸エチル、および酢酸ブチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、酢酸n-ブチル、酢酸イソペンチルを挙げることができる。
【0284】
この溶媒媒質は、生理学的に許容可能な有機溶媒であって、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン、アセトンなどの室温で液体であるケトン;プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノn-ブチルエーテルなどの室温で液体であるプロピレングリコールエーテル;ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、またはジクロロジエチルエーテルなどの25℃で液体であるエーテル;デカン、ヘプタン、ドデカン、イソドデカン、シクロヘキサンなどの25℃で液体であるアルカン;トルエンおよびキシレンなどの25℃で液体である芳香族環状化合物;ベンズアルデヒド、アセトアルデヒドなどの25℃で液体であるアルデヒド;ならびにこれらの混合物から選択される有機溶媒を含むこともできる。
【0285】
この溶媒媒質は、動物、植物、鉱物、または合成由来の極性または無極性の化粧用油、炭素含有またはシリコーン油を含むこともできる。
【0286】
極性油の中では、下記のものなどのエステル、エーテル、酸および/またはアルコール官能基を含有することができる炭素含有油を挙げることができる:
脂肪酸とグリセロールとのエステルで構成される高含量のトリグリセリドを有する炭素含有植物油であり、脂肪酸が、直鎖または分岐状の、飽和または不飽和の種々の長さの分子鎖を有することができる植物油。これらの油は特に、麦芽油、トウモロコシ油、ヒマワリ油、シェーバター、ヒマシ油、スイート扁桃油、マカダミア油、杏仁油、ダイズ油、ナタネ油、綿実油、アルファルファ油、ケシ油、チャイニーズオクラ油、ゴマ油、カボチャ油、アボカード油、ハシバミ油、グレープシードまたは黒スグリ実油、イブニングプリムローズ油、アワ油、オオムギ油、キノア油、オリーブ油、ライムギ油、ベニバナ油、ククイ油、トケイソウ油、マスクローズ油;あるいはStearineries Dubois社により販売されているもの、またはDynamit Nobel社により名称Miglyol 810、812、および818のもとに販売されているものなどのカプリル/カプリン酸のトリグリセリドである;
式R11COOR12(式中R11は炭素原子7〜19個を有する直鎖または分岐脂肪酸の残基を表し、R12は炭素原子3〜20個を含有する分岐炭化水素鎖を表す。)の合成油、例えばパーセリン油(オクタン酸セテアリール)、イソノナン酸イソノニル、安息香酸C12〜C15アルキル;
ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチル-2-ヘキシル、アルコールのまたは多価アルコールのオクタン酸エステル、デカン酸エステルもしくはリシノール酸エステルなどの合成エステルおよびエーテル;
乳酸イソステアリル、リンゴ酸ジイソステアリルなどのヒドロキシル化エステル、およびペンタエリトリトールのエステル;
オレインアルコールなどのC8〜C26脂肪族アルコール;ならびに
これらの混合物。
【0287】
無極性油の中では、下記のものを挙げることができる:
揮発性または不揮発性の、直鎖または環状の、室温で液体のシリコーン油であり、ペンダント状の、かつ/またはシリコーン鎖の末端にある、また炭素原子2〜24個を有するアルキル、アルコキシ、またはフェニル基を有するポリジメチルシロキサン(PDMS)などのシリコーン油;フェニルトリメチコーン、フェニルジメチコーン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコーン、ジフェニルメチルトリシロキサン、2-フェニルエチルトリメチルシロキシシリケートなどのフェニル化シリコーン;
合成または鉱物由来の直鎖もしくは分岐状炭化水素およびフッ素化炭化水素またはフルオロカーボンであって、パラフィン油(例えばイソパラフィン、および特にイソドデカン)などの揮発性油、または、石油ゼリー、ポリデセン、水素化ポリイソブテン(パーリーム、スクアランなど)などの不揮発性油およびその誘導体、ならびにこれらの混合物など。
【0288】
溶媒媒質は、本組成物の全重量に対して好ましくは1〜90重量%、特に5〜70重量%の量で存在させることができる。
【0289】
本発明によるコポリマーの溶解性は、ポリマー骨格-POL-、および/または接合基(A)の選択により、制御することができる。
【0290】
本発明によるコポリマーは、いくつかの場合に、ある種の溶媒または溶媒の混合物中において互いに物理的に相互作用する(H相互作用の網目構造を生じる)ことができる。これは特に、使用している溶媒または溶媒の混合物の性質および割合によって決まる。これにより、本組成物の望ましくない粘性の増加を生じる恐れがあり、また組成物の適用(例えばローション、エーロゾルなど)を妨げる可能性がある。
【0291】
この粘性の問題を克服するため:
本発明によるコポリマーを、接合基(A)についてH相互作用を生じることが可能な揮発性溶媒中に、例えば短鎖C1〜C4アルコール、揮発性多価アルコール、水、および/またはこれらの溶媒の混合物を使用して溶解すること、あるいは
二相型溶媒媒質例えば油中水型(W/O)、または水中油型(O/W)エマルション、および、その接合基とポリマー骨格とが異なった化学的性質を有する1対の本発明による選択的コポリマーを使用して、それぞれのポリマーを異なる相に(一方を水中に、他方を油中に)溶解させること
が可能である。
【0292】
この最後に述べた場合では、1対のコポリマーA1-POL1-A1、およびA2-POL2-A2は、下記のような形で有利に選択することができる:
それぞれの接合基(A1)がそれ自体とはH相互作用を生じないで、(A2)とだけH相互作用を生じ、
それぞれの接合基(A2)がそれ自体とはH相互作用を生じないで、(A1)とだけH相互作用を生じ、
接合基(A1)および(A2)が、それらを接触させたときだけH相互作用を生じ、また
コポリマーA1-POL1-A1およびA2-POL2-A2がそれぞれ、エマルションとは別個の相内に溶解または分散することができ、したがってそれらはそのエマルション内では反応することができないような形で、ポリマー骨格-POL1-および-POL2-を選択する。
【0293】
適用したときに、2つのコポリマー間でのみ相互作用が生じる。しかしそれは溶媒媒質が揮発性溶媒であること、または溶媒媒質がケラチン性基質中に浸透することができることを前提にしている。
【0294】
本発明の組成物はさらに、ワックス、ガム、界面活性剤、増粘剤、親水性または親油性ゲル化剤、親水性または親油性化粧用活性剤、保存剤、酸化防止剤、香料、艶出し剤、増量剤、中和剤、以前に定義したもの以外のコポリマー、乳化剤および乳化助剤、顔料、染料などの化粧品または医薬品の分野で通常使用される添加剤を、その添加剤が本発明の組成物に要求される性状に悪影響を及ぼさないという条件で含有することができる。
【0295】
当分野の技術者は、その添加を考える場合本発明による組成物の有利な性状に悪影響を及ぼさない、または実質的に及ぼさないような形で、このまたはこれらの任意選択の添加剤および/またはそれらの量を選択するようにもちろん取り計らうであろう。
【0296】
これらの種々の添加剤の量は、当分野で従来使用されている量、例えば本組成物の全重量の0.001〜30重量%である。添加剤の特性に応じて、これらの添加剤は油相中に、水性相中に、脂質小胞中に、かつ/またはナノ粒子中に導入することができる。
【0297】
「ワックス」は、本発明の意味では、25℃以上および120℃までの融点を有し、可逆的固体/液体状態変化を有する、室温(25℃)で固体の親油性化合物を意味する。このワックスを液体状態とすること(融解)により、存在している任意の油と混和できるようにし、顕微鏡的に均質な混合物を生成させることが可能であるが、この混合物の温度が室温に戻ると、この混合物の油内でワックスの再結晶化が起る。ワックスの融点は、示差走査熱量計(DSC)、例えばMETTLER社により名称DSC 30のもとに販売されている熱量計を使用して測定することができる。
【0298】
ワックスは、炭化水素ワックス、フッ素化ワックス、および/またはシリコーンワックスとすることができ、また植物、鉱物、動物、および/または合成由来のものとすることができる。特に、ワックスは30℃を超える、好ましくは45℃を超える融点を有する。本発明の組成物中に使用することができるワックスとして次のものを挙げることができる:蜜ろう、カルナウバまたはカンデリラろう、パラフィン、微結晶ワックス、セレシンまたはオゾケライト;ポリエチレンワックスまたはフィッシャー-トロプシュワックスなどの合成ワックス、および炭素原子16〜45個を有するアルキルまたはアルコキシジメチコーンなどのシリコーンワックス。
【0299】
ガムは、一般に高分子量のポリジメチルシロキサン(PDMS)、またはセルロースガム、または多糖であり、またペーストは一般に、ラノリンおよびそれらの誘導体などの炭化水素化合物、または別法としてPDMSである。
【0300】
ワックスおよび/またはガムの特性および量は、要求される機械的性質および質感によって決まる。一指針として、本組成物は、組成物の全重量に対して0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%のワックスを含有することができる。
【0301】
本発明による組成物は、特定の相において、化粧品組成物中に通常使用される顔料、および/または真珠母、および/または増量剤を追加的に含有することができる。
【0302】
本組成物は、当分野の技術者によく知られている水溶性染料または脂溶性染料から選択された、顔料および真珠母以外の着色物質を含有することもできる。すべてのこれらの着色剤は、混合物として使用することができる。
【0303】
「顔料」は、白色または着色した、鉱物または有機質の、生理学的媒質中に不溶の、および本組成物を着色することを意図した任意の形状の粒子を意味する。
【0304】
「増量剤」は、本組成物に量感または剛さを、かつ/またはメークアップに軟らかさ、艶消しの外見、および均質性を与えることを意図した、鉱物質または合成の、ラメラ状または非ラメラ状の、無色または白色の粒子を意味する。
【0305】
「真珠母」は、特にある種の軟体動物の貝殻内に生成した、または合成された、任意の形状の真珠光沢粒子を意味する。
【0306】
顔料は、最終組成物の0.01〜25重量%の割合で、好ましくは3〜10重量%の割合で本組成物中に存在させることができる。それらの顔料は、白色のまたは着色した、無機質または有機質のものとすることができる。チタン、ジルコニウムまたはセリウムの酸化物ならびに亜鉛、鉄またはクロムの酸化物、フェリックブルー、水酸化クロム、カーボンブラック、群青(アルミノケイ酸塩のポリスルフィド)、ピロリン酸マンガン、および銀粉末またはアルミニウム粉末などのいくつかの金属粉末を挙げることができる。唇に、また皮膚にメークアップ効果を賦与するため通常使用されるD & C顔料およびレーキを挙げることもでき、これらはカルシウムの塩、バリウムの塩、アルミニウムの塩、ストロンチウムの塩、またはジルコニウムの塩である。
【0307】
真珠母は、0.01〜20重量%の割合で、好ましくは3〜10重量%のオーダーの割合で本組成物中に存在させることができる。考えることができる真珠母の中では、天然真珠母;二酸化チタン、酸化鉄、天然顔料またはオキシ塩化ビスマスで被覆したマイカ、ならびに着色チタンマイカを挙げることができる。
【0308】
脂溶性または水溶性染料であって、本組成物の全重量に対し0.001〜15重量%、好ましくは0.01〜5重量%、特に0.1〜2重量%の割合で、単独でまたは混合物として本組成物中に存在させることができる染料の中では、ポンソーの二ナトリウム塩、アリザリングリーンの二ナトリウム塩、キノリンイエロー、アマランス三ナトリウム塩、タルトラジン二ナトリウム塩、ローダミン一ナトリウム塩、フクシン二ナトリウム塩、キサントフィル、メチレンブルー、カルミン、ハロー酸、アゾおよびアントラキノン染料、銅または鉄硫酸塩、スダンブラウン、スダンレッド、およびアナットー、ならびにビートルートジュースおよびカロテンを挙げることができる。
【0309】
本発明による組成物は、1種または複数の増量剤を、特に本組成物の全重量に対し0.01〜50重量%の範囲にある含量で、好ましくは0.02〜30重量%の範囲で、追加的に含むことができる。増量剤は、任意の形状:小板状、球状、または長楕円形の鉱物または有機質とすることができる。タルク、雲母、シリカ、カオリン;ポリアミド(Nylon(登録商標))粉末、ポリ-β-アラニン粉末、およびポリエチレン粉末;テトラフルオロエチレンポリマー(Teflon(登録商標))、ラウロイルリシン、デンプン、窒化ホウ素の粉末;Expancel(登録商標)(Nobel Industrie社)などのポリビニリデン/アクリロニトリルクロリドの中空ポリマーミクロスフェア、アクリル酸のコポリマー(Dow Corning社からのPolytrap(登録商標))の中空ポリマーミクロスフェア、およびシリコーン樹脂のマイクロビーズ(例えばToshiba社からのTospearls(登録商標))などの中空ポリマーミクロスフェア;エラストマー状ポリオルガノシロキサン粒子、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよび炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、中空シリカミクロスフェア(Maprecos社からのSilica Beads(登録商標))、ガラスまたはセラミックマイクロカプセル;炭素原子8〜22個、好ましくは炭素原子12〜18個を有する有機カルボン酸由来の金属石鹸、例えばステアリン酸亜鉛、マグネシウムまたはリチウム、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウムを挙げることができる。
【0310】
本組成物は、皮膜形成ポリマーなどの追加的ポリマーを含有することもできる。本発明により、「皮膜形成ポリマー」は、それ自体でまたは皮膜形成助剤が存在する状態で、基質に、特にケラチン物質に密着する連続的皮膜を形成することができるポリマーを意味する。本発明の組成物中に使用することができる皮膜形成ポリマーの中では、ラジカルもしくは重縮合物型の合成ポリマー、天然由来のポリマー、およびこれらの混合物、特にアクリルポリマー、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ尿素;ニトロセルロースなどのセルロースポリマーを挙げることができる。
【0311】
特に、本発明の(コ)ポリマーは、出願、国際公開第02/098377号に記載される1種または複数のコポリマーと混合して使用することができる。
【0312】
まったく含有しないことが好ましいが、本組成物は少なくとも1種の界面活性剤を含有することもでき、この界面活性剤は、本組成物の全重量に対し0.01と50重量%の間、好ましくは0.1と40重量%の間、さらにより好ましくは0.5と30重量%の間の量で通例存在する。
【0313】
この界面活性剤は、アニオン、両性、非イオン、およびカチオン界面活性剤、またはこれらの混合物から選択することができる。
【0314】
使用することができるアニオン界面活性剤の中では、単独でまたは混合して、下記の化合物の塩(特にアルカリ金属特にナトリウムの塩、アンモニウム塩、アミンの塩、アミノ-アルコールの塩、またはマグネシウム塩)を挙げることができる:硫酸アルキル、硫酸アルキルエーテル、アルキルアミドエーテル-サルフェート、アルキルアリールポリエーテル-サルフェート、硫酸モノグリセリド、アルキルスルホン酸、リン酸アルキル、アルキルアミドスルホン酸、アルカリールスルホン酸、α-オレフィンスルホン酸、パラフィンスルホン酸;アルキルスルホスクシネート、アルキルエーテルスルホスクシネート、アルキルアミドスルホスクシネート、アルキルスルホスクシナメート、アルキルスルホアセテート、リン酸アルキルエーテル、アシルサルコシネート、アシルイセチオネート、およびN-アシルタウレート;すべてのこれらの種々の化合物のアルキルまたはアシル基は、炭素原子8〜24個を有することが好ましく、またアリール基がフェニルまたはベンジル基を指すことが好ましい。
【0315】
オレイン酸、リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、コプラ油の酸または水素化コプラ油の酸、の塩などの脂肪酸の塩;そのアシル基が炭素原子8〜20個を有するアシル乳酸塩、アルキルD-ガラクトシドウロン酸およびそれらの塩、ならびに、ポリオキシアルキレン化アルキル(C6〜C24)エーテルカルボン酸、ポリオキシアルキレン化アルキル(C6〜C24)アリールエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキレン化アルキル(C6〜C24)アミド-エーテルカルボン酸、およびそれらの塩、特にエチレンオキシド基2〜50個を有するもの;ならびにこれらの混合物を挙げることもできる。
【0316】
使用することができる非イオン界面活性剤の中では、単独でまたは混合して、アルコール、アルファ-ジオール、アルキルフェノール、あるいは、例えば炭素原子8〜18個をもつ脂肪族鎖を有するポリエトキシル化、ポリプロポキシル化、またはポリグリセロール化脂肪酸であり、エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基の数を特に2〜50個の範囲内とすることができ、またグリセロール基の数を特に2〜30個の範囲内とすることができる脂肪酸を挙げることができる。
【0317】
エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのコポリマー、脂肪族アルコール上のエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの縮合物;好ましくは2〜30モルのエチレンオキシドを有するポリエトキシル化脂肪族アミド、平均して1〜5個のグリセロール基、特に1.5〜4個のグリセロール基を有するポリグリセロール化脂肪族アミド;2〜30モルのエチレンオキシドを有するソルビタンの脂肪酸のオキシエチレン化エステル;スクロース脂肪酸のエステル、ポリエチレングリコール脂肪酸のエステル、アルキルポリグリコシド、N-アルキルグルカミンの誘導体、アルキル(C10〜C14)アミンオキシドなどのアミンのオキシド、あるいはN-アシルアミノプロピルモルホリンのオキシドを挙げることもできる。
【0318】
使用することができる両性界面活性剤の中では、単独でまたは混合して、第二級または第三級脂肪族アミンの誘導体であり、脂肪族基が炭素原子8〜22個を有する直鎖または分岐鎖であり、また少なくとも1つの水可溶化アニオン基(例えばカルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、またはホスホン酸塩)を含む誘導体を挙げることができる;また、アルキル(C8〜C20)ベタイン、スルホベタイン;ココアミドプロピルベタインなどのアルキル(C8〜C20)アミドアルキル(C1〜C6)ベタイン、あるいはアルキル(C8〜C20)アミドアルキル(C1〜C6)スルホベタインを挙げることもできる。
【0319】
使用することができるカチオン界面活性剤の中では、単独でまたは混合して下記のものを挙げることができる:
下記の一般式の第四級アンモニウム塩:
【0320】
【化53】

【0321】
上式において、Xは、ハロゲン化物(塩化物、臭化物、またはヨウ化物)またはアルキル(C2〜C6)硫酸塩に、特にメチル硫酸塩、リン酸塩、アルキルもしくはアルカリールスルホン酸塩、酢酸塩または乳酸塩などの有機酸に由来するアニオンを加えたもの、から選択されるアニオンであり、また
a)基R1〜R3は、同一でも異なっていてもよく、炭素原子1〜4個を有する直鎖または分岐脂肪族基、あるいはアリールまたはアルカリールなどの芳香族基を表す;脂肪族基は、特に酸素、窒素、硫黄、ハロゲンなどのヘテロ原子を有することができる;この脂肪族基は、例えばアルキル、アルコキシ、アルキルアミド基から選択される;
R4は、炭素原子16〜30個を有する直鎖または分岐アルキル基を示す。
【0322】
このカチオン界面活性剤は、ベヘニルトリメチルアンモニウムの塩(例えば塩化物)であることが好ましい。
b)基R1およびR2は、同一でも異なっていてもよく、炭素原子1〜4個を有する直鎖または分岐脂肪族基、あるいはアリールまたはアルカリールなどの芳香族基を表す;脂肪族基は、特に酸素、窒素、硫黄、ハロゲンなどのヘテロ原子を有することができる;この脂肪族基は、例えば炭素原子約1〜4個を有するアルキル、アルコキシ、アルキルアミド、およびヒドロキシアルキル基から選択される;
R3およびR4は、同一でも異なっていてもよく、炭素原子12〜30個を有する直鎖または分岐アルキル基を示し、前記基は少なくとも1つのエステルまたはアミド官能基を含む。
【0323】
R3およびR4は、特にアルキル(C12〜C22)アミドアルキル(C2〜C6)、アルキル(C12〜C22)酢酸エステル基から選択される。
【0324】
このカチオン界面活性剤は、ステアラミドプロピルジメチル(酢酸ミリスチル)アンモニウムの塩(例えば塩化物)であることが好ましい。
【0325】
イミダゾリニウム型の第四級アンモニウム塩、例えば下記の式のもの:
【0326】
【化54】

【0327】
上式において、R5は、炭素原子8〜30個を有するアルケニルまたはアルキル基、例えば獣脂脂肪酸の誘導体を表し、R6は水素原子、C1〜C4アルキル基、または炭素原子8〜30個を有するアルケニルもしくはアルキル基を表し、R7は、C1〜C4アルキル基を表し、R8は水素原子、C1〜C4アルキル基を表し、Xは、ハロゲン化物、リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルまたはアルカリールスルホン酸塩を含む群から選択されるアニオンである;R5およびR6は、例えば獣脂脂肪酸に由来する炭素原子12〜21個を有するアルケニル基またはアルキル基の混合物を示し、R7はメチルを示し、またR8は水素を示すことが好ましい;このような製品は、例えばWITCO社により名称「REWOQUAT」W75、W90、W75PG、W75HPGのもとに販売されているQuaternium-27(CTFA 1997)、またはQuaternium-83(CTFA 1997)である。
【0328】
下記の式の第四級ジアンモニウム塩:
【0329】
【化55】

【0330】
上式において、R9は、炭素原子約16〜30個を有する脂肪族基を示し、R10、R11、R12、R13、およびR14は、同一でも異なっていてもよく、水素、または炭素原子1〜4個を有するアルキル基から選択され、またXは、ハロゲン化物、酢酸塩、リン酸塩、硝酸塩、およびメチル硫酸塩を含む群から選択されるアニオンである。このような第四級ジアンモニウム塩は、特に二塩化プロパン-獣脂ジアンモニウムを含む。
【0331】
下記の式の、少なくとも1つのエステル官能基を含む第四級アンモニウム塩:
【0332】
【化56】

【0333】
上式において、
R15は、C1〜C6アルキル基、およびC1〜C6ヒドロキシアルキルまたはジヒドロキシアルキル基から選択され、
R16は水素、基R19-C(O)-、および直鎖または分岐状、飽和または不飽和C1〜C22炭化水素基R20から選択され、
R18は水素、基R21-C(O)-、および直鎖または分岐状、飽和または不飽和C1〜C22炭化水素基R22から選択され、
R17、R19、およびR21は、同一でも異なっていてもよく、直鎖または分岐状、飽和または不飽和C7〜C22炭化水素基から選択され、
n、p、およびrは、同一でも異なっていてもよく、値2〜6を有する整数であり、
yは値1〜10を有する整数であり、
x、およびzは、同一でも異なっていてもよく、値0〜10を有する整数であり、
X-は、単一または錯体の、有機もしくは無機アニオンであり、
ただしx+y+zの和が値1〜15を有し、x=0のときR16がR20を指し、z=0のときR18がR22を指すという条件においてである。
【0334】
特にエマルションの形態における本組成物において場合によって使用される乳化剤および乳化助剤の中では、エマルションのタイプ(W/OまたはO/W)に応じて、PEG-100ステアレート、PEG-50ステアレート、およびPEG-40ステアレート;ソルビタントリステアレート、例えば20〜100個のOEを含むオキシエチレン化ソルビタンステアレート、ならびに、例えば商標名Tween(登録商標)20またはTween(登録商標)60のもとに入手可能であるもの、および、SEPPIC社により名称SIMULSOL 165のもとに販売されているグリセリルモノステアレートと、ポリエチレングリコールステアレートとの混合物(OE 100個)などのそれらの混合物、などの脂肪酸およびポリオールエステルを挙げることができる。
【0335】
ジメチコーンコポリオール、およびアルキルジメチコーンコポリオールなどのシリコーン処理乳化剤を挙げることもできる。ジメチコーンコポリオールの一例として、名称DC3225CまたはDC2-5225CのもとにDow Corning社により販売されているジメチコーンコポリオール、シクロメチコーン、および水の混合物(10/88/2);またアルキルジメチコーンコポリオールとして、Goldschmidt社により名称Abil EM-90のもとに販売されている製品などのセチルジメチコーンコポリオールなどの炭素原子10〜22個のアルキル基を有するもの;ならびにGoldschmidt社により名称Abil EM-97のもとに販売されているジメチコーンコポリオールおよびシクロペンタシロキサンの混合物(85/15);ラウリルジメチコーンコポリオール、および例えば、Dow Corning社により名称Q2-5200のもとに販売されている約91%のラウリルジメチコーンコポリオールと、約9%のイソステアリルアルコールとの混合物を挙げることができ、またこれらの混合物を挙げることができる。
【0336】
これらの乳化剤および乳化助剤は、本組成物の全重量に対して0.3〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%の範囲にある割合で、本組成物中に存在することが好ましい。
【0337】
親水性ゲル化剤の中では、特にカルボキシビニルポリマー(カルボマー)、アクリレート/アルキルアクリレートコポリマーなどのアクリルコポリマー、ポリアクリルアミド、多糖、天然ガム、および粘土を挙げることができる。
【0338】
親油性ゲル化剤として、ベントンなどの改質粘土、脂肪酸の金属塩、および疎水性シリカを挙げることができる。
【0339】
化粧用活性剤として特に次のものが使用できる:脱色剤、皮膚軟化剤(エモリエント)、保湿剤、痕跡性元素、抗脂漏剤、にきび防止剤、毛髪再成長促進剤、角質溶解および/または麟状化防止剤、皺防止および伸張剤、抗刺激剤、鎮静剤、ビタミン、UVフィルタ、臭気吸収剤、酸化防止剤、毛髪減少防止剤、ふけ防止剤、噴霧剤、セラミド、およびこれらの混合物。
【0340】
本発明による組成物は、局所適用のため従来使用されているすべてのガレヌス製剤形態におけるものとすることができ、特に、水性、アルコール性もしくは水性-アルコール性溶液、分散液もしくは懸濁液の形態、あるいは、場合によって濃縮しまたはゲル化した油性溶液;液体もしくは半液体コンシステンシのミルクタイプの、または別法として軟コンシステンシのクリームタイプの水中油型、油中水型、もしくは多重エマルション;水性もしくは無水ゲル;ムース;油性もしくは乳化ゲル;小胞のおよび特に脂質小胞の分散液;二相もしくは多相ローション;スプレーの形態におけるもの;あるいはいずれか他の化粧品形態におけるものとすることができる。
【0341】
当分野の技術者は、一方では使用している構成成分の特性、特に媒体中におけるそれらの溶解性を、また他方では本組成物について考えられる用途を考慮して、彼の一般的知識に基づいて、適正なガレヌス製剤形態、ならびにその調製方法を選択することができるであろう。
【0342】
本発明による化粧品組成物は、体のもしくは顔の皮膚の、唇、睫毛、爪、および毛のケア、クレンジング、および/またはメークアップのための製品;タンニングまたはセルフタンニング製品;身体衛生製品;特に毛髪ケア、洗髪、髪型形成、または染色のための整髪製品の形態におけるものとすることができる。
【0343】
特に本化粧品組成物は、特に髪型を保持する、または髪型形成する、または毛髪を清浄にするための、整髪の分野において特に興味深い用途を見出している。この整髪組成物は、シャンプー、アフターシャンプー、整髪もしくは毛髪ケアゲル、ケアローションもしくはクリーム、コンディショナー、セット用ローション、ブラッシングローション、ラッカーまたはスプレーなどの固定化および髪型形成組成物であるのが好ましい。ローションは、スプレーの形態におけるまたはムースの形態における本組成物の用途をもたらすために、種々の形で、特にアトマイザ、ポンプ式噴霧器、またはエーロゾル容器に包装することができる。
【0344】
この化粧品組成物は、特に毛髪染色製品の形態とし、あるいはパーマネントウェーブを掛け、直毛化し、または漂白するための組成物の形態とし、あるいはリンス処理のための、染色、漂白、パーマネントウェーブ掛け、もしくは直毛化する前または後に、あるいはパーマネントウェーブ掛けまたは直毛化の2つの段階の間に塗布するための組成物の形態におけるものとすることができる。
【0345】
本発明による組成物は、皮膚、唇、および/または外皮付属物のためのケア組成物、特に保湿剤の形態とし、あるいは皮膚クレンジング組成物、例えばメークアップ除去製品、またはバス用もしくはシャワーゲルの形態におけるものとすることもできる。
【0346】
本発明による組成物はケア製品であって、無着色の、皮膚を処理することを意図した、特に保湿し、滑らかにし、脱色し、栄養補給し、太陽光線から防護することを意図した、または特定のトリートメントを提供することを意図した製品の形態におけるものとすることもできる。この目的のため、本組成物は、脱色剤、皮膚軟化剤、保湿剤、抗脂漏剤、にきび防止剤、毛髪再成長促進剤、角質溶解および/または麟状化防止剤、皺防止および伸張剤、抗刺激剤、鎮静剤、ビタミン、フィルタ剤、臭気吸収剤、およびこれらの混合物から選択している少なくとも1種のケア用活性剤を有利に含有する。
【0347】
本発明による組成物は、身体衛生組成物の形態におけるもの、特に脱臭剤、制汗剤の形態における、または脱毛剤組成物の形態におけるものとすることもできる。
【0348】
本発明による組成物は、体のもしくは顔の皮膚の、または毛の特に着色したメークアップ用製品、特に、場合によってケア性状を有するファンデーション、紅、ほお紅またはアイシャドウ、コンシーラ、アイライナ;場合によってケア性状を有する口紅、リップグロス、およびリップペンシルなどの唇のメークアップ用製品;爪、睫毛(特にケーキマスカラの形態におけるもの)、眉毛、および毛などの外皮付属物のメークアップ用製品;体の皮膚の一時的な入れ墨用製品、の形態におけるものとすることもできる。
【0349】
本発明はまた、美容処理の方法であって、特に、ケラチン物質の、特に体のもしくは顔の皮膚、爪、毛髪、体毛、および/または睫毛のメークアップ、ケア、クレンジング、および染色の方法であり、前記物質について以前に定義している化粧品組成物の適用を含む方法にも関する。
【0350】
適用に続いて、場合により、水によるすすぎ(リンス)を行うことができる。したがって、この本発明による方法は、髪型、美容処理、ケア、メークアップ、洗浄またはメークアップ除去の維持管理を、なかんずく、皮膚の、毛の、および/またはいずれか他のケラチン物質の維持管理を提供する。
【0351】
本発明はまた、化粧品組成物により、堆積後もたらされる少なくとも1つの効果の持続性と、ケラチン物質上に適用した本組成物の密着性とを共に改良し、かつこの堆積物の迅速、完全、かつ選択的な除去を可能にする方法であって、有効な量の少なくとも1種の、以前に定義している本発明によるコポリマーを本組成物に添加することを含む方法にも関する。
【0352】
堆積物(または皮膜)の除去は、特にクレンジング組成物のすすぎ、またはメークアップ堆積物(特に口紅、ファンデーション、マスカラ、アイライナ)の除去を含むことができる。除去は、堆積物中に浸透することができ、水素交互作用を妨害する薬剤を含有する溶媒を使用して、選択的に行うことができる
【0353】
本発明を、下記の実施例においてより詳細に例証しており、その中で、量は重量パーセントで示している。当量(equiv)はモル当量である。
【0354】
重量平均分子量および数平均分子量の測定
重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲル浸透液体クロマトグラフィまたはGPC(溶媒THF、線状ポリスチレン対照標準により較正曲線作成、屈折計検出器)により測定する。
【0355】
WATERS社WAT044225により販売されている、STYRAGEL HR4/7.8×300mmカラムで、GPCを実施する。
【0356】
検出は、WATERS社410屈折計を使用する。
【0357】
溶離液は、流量速度1ml/分におけるテトラヒドロフラン(THF)である。
【0358】
注入体積は、25℃において50マイクロリットルである。
【0359】
ガラス転移温度(Tg)の測定
ガラス転移温度は、下記の条件で示差走査熱量計(DSC)により測定する:
直径40mmを有する円形テフロン(登録商標)製ダイ内にポリマーの水性溶液または分散液を堆積させ、堆積物をそのまま乾燥させることにより、試験用ポリマーから厚さ約150mmの皮膜を作製する。この皮膜を、重量変化がもはやまったく無くなるまで、温度約23℃および相対密度45%のストーブ内で乾燥する。この皮膜の約5〜15mgの試料を採取し、それを坩堝内に入れ、次いでこれを分析器内に置く。熱分析器は、TA INSTRUMENTS社からのDSC-2920型である。予想されるガラス転移温度が含まれるように温度走査の最初および最終温度を選択する。10℃/分の速度で温度走査を行う。
【0360】
この分析は、上述の修正点を除き、規格ASTM D3418-97に従って実施する。
【実施例】
【0361】
(実施例1)
次式のジイソシアネート官能基化ウレイドピリミドンモノマーの調製
式:
【0362】
【化57】

【0363】
150mlのイソホロンジイソシアネート中に、12gの5-(2-ヒドロキシエチル)-6-メチル-イソシトシンを懸濁させる。この混合物を90℃で12時間、アルゴン下で攪拌する。その結果生じる透明溶液を冷却し、またへキサン中で析出させる。濾過により析出物を単離し、へキサンで洗浄し、次いで乾燥する。46gの固体が得られ、収率93%に相当する。
【0364】
(実施例2)
イオン化可能な官能基を有するポリウレタン-ポリ尿素-ポリエステルコポリマーの調製
使用している反応物
【0365】
【化58】

【0366】
250mlのクロロホルム内で、下記のものを混合する:
16.3g(1当量)の、平均分子量Mn=1.0kDaのポリ(2-メチル-1,3-プロピレン-グルタレート)(モノマー(b1)、式(IV)のOH官能基化テレケリックポリエステルジオール)、
7.1g(1当量)の、式(V)のイソホロンジイソシアネート、
8.4g(6/7当量)の、実施例1で調製した式(II)のモノマー、
3.6g(1当量)の、式(VI)のN-メチル-ジエタノールアミン(モノマー(b2))。
【0367】
数滴のジラウリン酸ジブチルスズ(触媒)を添加する。この混合物を60℃で16時間加熱する。へキサン中でポリマーを析出させ、次いで減圧で乾燥する。
【0368】
収率96%で、所望のポリマーが得られている。
【0369】
得られたポリマーの数平均分子量(Mn)は、約13000Daである。
【0370】
(実施例3)
ネイルエナメル組成物
30mlのTHF中に、4.8gの実施例2で得られたポリマーを溶解させ、22gの酢酸ブチルを添加し、次いでこのTHFを蒸発させる。
【0371】
17.9重量%のポリマーを含有する粘稠な溶液が得られる。
【0372】
必要な場合、2gのエタノールを添加することによりこの粘性を低下させることができる。
【0373】
爪上にこの溶液を塗布した後、輝きのある、透明な皮膜が得られている。
【0374】
(実施例4)
毛髪スプレー組成物
16gの実施例2で得られたポリマーを、次の方法で水中に分散させる:64gのTHF中に16gのポリマーを溶解させ、粘稠な媒質が得られる。10gのエタノール、次いで14.4gの1N HClを添加して、N-メチル-ジエタノールアミンからのすべての基を中和する。次いで室温で、磁気バーで攪拌しながら76.3gの水を添加する。次いで回転蒸発器内において、50℃でTHFおよびエタノールを蒸発させる。
【0375】
粘性の低い、透明な、幾分黄色味を帯びた溶液が得られる。
【0376】
最終乾燥抽出物:18.4重量%、
若干希釈した後、光拡散により測定した粒径(Coulter N4-SD機器を使用):30nm、
pH=2.3。
【0377】
こうして得られた水中におけるポリマーの分散液は、次いでポンプ式噴霧器に入れ、毛髪上に噴霧している。この製品は、持続性のある毛髪の固定化をもたらす。毛髪は輝いている。
【0378】
(実施例5)
イオン化可能な官能基を有するポリウレタン-ポリ尿素-ポリ(エチレン-ブチレン)コポリマーの調製
3.81gのN-メチル-ジエチルエタノールアミン、7.12gのイソホロンジイソシアネート(V)、および3滴の触媒(ジラウリン酸ジブチルスズ)が存在する状態で、120mlのトルエンと20mlのピリジンとの乾燥混合物中に、26.2gの水素化ジ-OH 1,2-ポリブタジエン(Nisso-PB社からのGI3000、Mn=3100)を溶解させる。この反応混合物を、80℃においてアルゴン下で2時間加熱する。
【0379】
次いで、この溶液に実施例1において調製したモノマー(II)を添加する。この混合物をさらに16時間加熱する。
【0380】
真空下での蒸発により、反応混合物を最初の体積の50%まで濃縮し、50mlのトルエンを添加し、再び蒸発させる。この操作を2回繰り返す。
【0381】
次いで、この混合物をクロロホルム/メタノール混合液(体積9/体積1)中に溶解させる。大容積のメタノール(体積の10倍の過剰量)中で析出させることにより、所望のポリマーが得られる。析出物を濾過し、それを真空下で乾燥させる。
【0382】
40.2gの所要のポリマーが得られ、GPC(THF)により特性付けしている:分散度指数1.7と共にその分子量は、Mn=9.6kDaである。
【0383】
(実施例6)
整髪組成物
46.2gのTHF中に、15.4gの実施例5からのポリマーを溶解させ、次いで11.6gの1N HCl、および87.3gの水を添加する。この分散液を、真空下で50%まで回転蒸発器内において蒸発させて、水性分散液が得られる。
【0384】
最終乾燥抽出物:13.8重量%
光拡散により測定した粒径(Coulter N4-SD機器を使用)(若干希釈した後):300〜500nm
pH=2.7
【0385】
この溶液は、次いでポンプ式噴霧器に入れ、毛髪上に噴霧することができる。毛髪の持続性のある固定化が観察される。毛髪は輝いている。
【0386】
(実施例7)
カルボン酸イオン化可能官能基を有するポリウレタン-ポリ尿素-ポリエステルコポリマーの調製
【0387】
【化59】

【0388】
13gの、Mn=1kDaのポリ(2-メチル-1,3-プロピレン-グルタレート)(III)と、3.42gの2,2-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸(VII)との混合物を110℃で2時間、真空下で乾燥し、次いでそれを、5.66gのイソホロンジイソシアネート(V)、および触媒量のジラウリン酸ジブチルスズ(3滴)が存在する状態で、予め乾燥した溶媒混合物(トルエン40ml+メチルエチルケトン40ml)中に溶解させる。
【0389】
次いで、この反応混合物を80℃においてアルゴン下で2時間加熱し、続いて6.70gのモノマー(II)を添加する。
【0390】
こうして得られた混合物をアルゴン下で、さらに16時間加熱する。この反応混合物に10mlのメタノールを添加し、次いで大過剰のへキサン中で所望のポリマーを析出させる。濾過し、次いで減圧で乾燥し、28.3gの所要のポリマーが得られ、GPC(THF)により特性付けしている:分散度指数2.5と共にその分子量は、Mn=5.3kDaである。
【0391】
(実施例8)
ネイルエナメル組成物
9gのエタノールが存在する状態で、9.3gの実施例7で得られたポリマーを40gの酢酸エチル中に溶解させ、その後50℃で15時間加熱する。この溶液は爪の表面に塗布した後、輝きのある皮膜をもたらす。
【0392】
(実施例9)
イオン化可能官能基のないポリウレタン-ポリ尿素-ポリエステルコポリマーの調製
【0393】
【化60】

【0394】
14.8gの、ポリ(2-メチル-1,3-プロピレン-グルタレート)Mn=1kDa(IV)と、3.03gの2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(VII)との混合物を110℃で2時間、真空下で乾燥し、その後それを、6.74gのイソホロンジイソシアネート(V)、および触媒量のジラウリン酸ジブチルスズ(3滴)が存在する状態で、乾燥したトルエン60ml+メチルエチルケトン40mlの混合物中に溶解させる。
【0395】
次いで、この反応混合物を80℃でアルゴン下において2時間加熱し、次いで7.65gのモノマー(II)を添加する。
【0396】
こうして得られた混合物をアルゴン下で、さらに16時間加熱する。この反応混合物に10mlのエタノールを添加し、次いで大過剰のへキサン中でポリマーを析出させる。濾過し、次いで真空下で乾燥し、31.4gの所要のポリマーが得られ、GPC(THF)により特性付けしている:分散度指数2.5と共にその分子量は、Mn=9.3kDaである。
【0397】
(実施例10)
ネイルエナメル組成物
9gのエタノールが存在する状態で、9.18gの実施例9からのポリマーを40gの酢酸エチル中に溶解させ、その後攪拌し、50℃で15時間加熱する。この溶液は爪の表面に塗布した後、輝きのある皮膜をもたらす。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生理学的に許容可能な媒質中において、(チオ)ウレタン/(チオ)尿素ポリマー骨格を有するコポリマーであり:
-N=C=Oおよび-N=C=S、ならびに/またはそれらの活性化された、またはブロック化した形態、好ましくは2つの-N=C=O基から選択される、同一でも異なっていてもよい、少なくとも2つの重合可能な基を有する少なくとも1種の第1のモノマー(a)の、
-OH、-SH、-NH2、および-NHR(RはC1〜C6アルキル基を表す)から選択される、同一でも異なっていてもよい、不安定な水素をもつ少なくとも2つの重合可能な基を有する少なくとも1種のモノマー(b1)の、および
-OH、-SH、-NH2、および-NHR(RはC1〜C6アルキル基を表す)から選択される、同一でも異なっていてもよい、不安定な水素をもつ少なくとも2つの重合可能な基を有する、モノマー(b1)とは異なる少なくとも1種のモノマー(b2)の
反応によりもたらされ、
前記モノマー(a)、(b1)、および/または(b2)の少なくとも1つが、少なくとも3つの水素結合、好ましくは少なくとも4つの水素結合、より好ましくは4つの水素結合を形成することが可能な、少なくとも1つの接合基(A)を含む
コポリマーを含むことを特徴とする化粧品組成物。
【請求項2】
接合基(A)が化学基であって、O、N、S、P、およびF、好ましくはO、S、およびNを含む群から選択される、同一でも異なっていてもよい少なくとも3つのヘテロ原子、同一でも異なっていてもよい好ましくは4つのヘテロ原子を含む化学基であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記接合基が、
【化1】

から選択される少なくとも3つの、好ましくは少なくとも4つの官能基を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記接合基(A)が、下記のファミリー:
(i)式:
【化2】

のアミノピリミドン;
(ii)式:
【化3】

のウレイドピリミドン;
(iii)アシルアミノピリジン、および特に:
構造:
【化4】

のモノアシルアミノピリジン、
ジ(アシルアミノ)ピリジン、およびより特に構造:
【化5】

の2,6-ジ(アシルアミノ)ピリジン;
(iv)アミノピリミジン、および特に:
アミノピリミジン化合物:
【化6】

構造:
【化7】

のジアミノピリミジン化合物、
トリアミノピリミジン化合物;
(v)ウレイドトリアジン、ならびに特にモノ-、ジ-、およびトリウレイドトリアジン、ならびに特に構造:
【化8】

のウレイドアミノトリアジン;
(vi)(アシルアミノ)トリアジン、ならびに特にモノ-、ジ-、およびトリアシルアミノトリアジン、場合によってアミノ(モノ-、ジ-、またはトリアミノ)、ならびに特に:
構造:
【化9】

のジ(アシルアミノ)トリアジン、
アシルアミノ、アミノトリアジン(モノ-またはジアシルアミノ、およびモノ-またはジアミノ)、ならびに特に:
構造:
【化10】

の化合物、
構造:
【化11】

のアシルアミノトリアジン、
トリアシルアミノトリアジン;
(vii)アミノトリアジン、および特に:
モノアミノトリアジン、
構造:
【化12】

の2,6-ジアミノ-s-トリアジン、
構造:
【化13】

のトリアミノ-s-トリアジン化合物;
(viii)構造:
【化14】

のアシルアミノトリアゾール;
(ix)構造:
【化15】

のウラゾイル安息香酸ファミリーの化合物;
(x)構造:
【化16】

のフタルヒドラジド;
(xi)構造:
【化17】

のウラシル;
(xii)構造:
【化18】

のチミン;
(xiii)構造:
【化19】

のスクシンイミド;
(xiv)構造:
【化20】

のグルタルイミド;
(xv)構造:
【化21】

のシアヌル酸ファミリーの化合物;
(xvi)マレイミド:
【化22】

(xvii)構造:
【化23】

のバルビツール酸ファミリーの化合物;
(xviii)構造:
【化24】

の化合物;
(xix)式:
【化25】

のトリメリト酸ファミリーの化合物;
(xx)ウレイドピリジン、特にモノ-またはジウレイドピリジン、および特に式:
【化26】

のもの;
(xxi)式:
【化27】

のカルバモイルピリジン;
(xxii)式:
【化28】

のアデニン;
(xxiii)式:
【化29】

のグアニン;
(xxiv)式:
【化30】

のシチジン
から選択でき、すべての互変異性体の形態が含まれると理解され、上式において基の意味が下記の通りであり:
(a)基R1は、同一でも異なっていてもよく、H、ハロゲン、および/または1価の直鎖、分岐、または環状、飽和または不飽和、場合によって芳香族のC1〜C6000炭素系基(特にアルキル)(この基は1個または複数の、O、S、N、P、Cl、Br、またはFなどのヘテロ原子を含有できる。)を表し;あるいはこれらの意味の組合せを表し、
(b)基R2は、同一の式内で同一でも異なっていてもよく、H、ハロゲン(-Br、-Cl、または-F)、-OH、-N(R)2(RはH、または直鎖もしくは分岐C1〜C12、および好ましくはC1〜C4アルキル基、さらにより良好にはメチルもしくはエチル基である。)、あるいは1価の直鎖、分岐、または環状、飽和または不飽和、場合によって芳香族のC1〜C6000炭化水素系基(この基は1個または複数の、O、S、N、P、またはFなどのヘテロ原子を含有できる。)を表し;あるいはこれらの意味の組合せを表し、
(c)基R3は、同一の式内で同一でも異なっていてもよく、H、または1価の直鎖、分岐、または環状、飽和または不飽和、場合によって芳香族のC1〜C6000炭化水素系基(この基は1個または複数の、O、S、N、P、またはFなどのヘテロ原子を含有できる。)を表し;あるいはこれらの意味の組合せを表し、
基R1および/またはR2の少なくとも1つ、特に1つまたは2つが、ポリマー主鎖-POL-への接合基Aの結合点であると理解されることを特徴とする請求項1から3の一項に記載の組成物。
【請求項5】
i)R1が、C4H9、フェニル、1,4-ニトロフェニル、1,2-エチレン、1,6-ヘキシレン、1,4-ブチレン、1,6-(2,4,4-トリメチルヘキシレン)、1,4-(4-メチルペンチレン)、1,5-(5-メチルヘキシレン)、1,6-(6-メチルヘプチレン)、1,5-(2,2,5-トリメチルヘキシレン)、1,7-(3,7-ジメチルオクチレン);-イソホロン-、4,4'-メチレンビスシクロヘキシレン、2-メチル-1,3-フェニレン、4-メチル-1,3-フェニレン、4,4-ビフェニレンメチレン基であり;好ましくはR1が-イソホロン-、-(CH2)2-、-(CH2)6-、-CH2CH(CH3)-CH2-C(CH3)2-CH2-CH2、4,4'-メチレンビス(シクロヘキシレン)、または2-メチル-1,3-フェニレン基であり;かつ/または
ii)R2が、H、CN、NH2、または:
C1〜C30アルキル基、特にCH3、CH13H27、C7H15
C4〜C12シクロアルキル基、
C4〜C12アリール基、特にフェニル、
(C4〜C12)アリール(C1〜C30)アルキル基、
C1〜C4アルコキシ基、
アリールアルコキシ基、特に(C1〜C4)アリールアルコキシ基、
C4〜C12複素環、
チオアルコキシ基、
スルホキシ基、
これらの混合物/組合せであり;
これらの基が、アミノ、エステル、および/またはヒドロキシル官能基で場合により置換されており;かつ/または
iii)R3が、C4〜C12シクロアルキル基、直鎖もしくは分岐C1〜C30アルキル基、またはC4〜C12アリール基であり、アミノ、エステル、および/またはヒドロキシル官能基で場合により置換されており;かつ/または
iv)前記結合点を、R1および/またはR2が有しており、1つの結合点だけが存在する場合、それを基R1が有することが好ましいことを特徴とする請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記接合基(A)が、
(a)相補的かつ同一の、すなわち自己相補的な接合基(A)、特に:
アミノピリミドン、およびウレイドピリミドン、
トリメリト酸ファミリーの、またはウラゾイル安息香酸の化合物、
アシルアミノピリジン、ウレイドピリジン、カルバモイルピリジン、
アシルアミノトリアジン、ウレイドトリアジン、および特にウレイドアミノトリアジン、ジアミノトリアジン、
アシルアミノトリアゾール、
フタルヒドラジド、
式:
【化31】

(式中、R1は、H、あるいは1価の直鎖、分岐、または環状、飽和または不飽和、場合によって芳香族のC1〜C6000炭化水素系基であり、1個または複数の、O、S、N、P、またはFなどのヘテロ原子を含有できる基である。)の化合物;
(b)相補的な、しかし異なった接合基(A)、特に:
グアニンに対し相補的であるアデニン、
チミンに対し相補的であるシチジン、
ウラシル、またはスクシンイミド、またはグルタルイミド、またはシアヌル酸、またはチミン、またはマレイミド、または(ジ)アミノピリミジン、またはバルビツール酸に対し相補的であるトリアミノ-s-トリアジン、
ウラシル、またはスクシンイミド、またはグルタルイミド、またはシアヌル酸、またはチミン、またはマレイミド、または(ジ)アミノピリミジン、またはバルビツール酸に対し相補的であるアシルアミノアミノ-s-トリアジン
から選択されることを特徴とする請求項1から5の一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記接合基(A)が、互いに少なくとも3つのH結合(自己相補的)、特に互いに少なくとも4つのH結合を形成することが可能な基から、特に:
ウレイドピリミドン、
ウレイドピリジン、カルバモイルピリジン、
アシルアミノ-s-トリアジン、および特にアシルジアミノ-s-トリアジン、
ウレイドトリアジン、
フタルヒドラジン、
式:
【化32】

(式中、基R1、R2、およびR3は、上記において示した意味を有する。)の化合物
から選択されることを特徴とする請求項1から6の一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記接合基(A)が下記の基:
2-ウレイドピリミドン、
6-メチル、2-ウレイドピリミドン、
ジアシル-2,6-ジアミノ-s-トリアジン、
ウレイド-s-トリアジン、
式:
【化33】

(式中、R1は、H、あるいは1価の直鎖、分岐、または環状、飽和または不飽和、場合によって芳香族のC1〜C6000炭化水素系基であり、1個または複数の、O、S、N、P、およびFなどのヘテロ原子を含有できる。)の化合物
から選択されることを特徴とする請求項1から7の一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記コポリマーが、1コポリマー鎖当り、1〜12個の接合基(A)、好ましくは2〜10個、特に3〜8個、またはさらに4〜6個の接合基を有することを特徴とする請求項1から8の一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記モノマー(a)、(b1)、および/または(b2)の少なくとも1つが、少なくとも3つの水素結合、好ましくは少なくとも4つの水素結合、より好ましくは4つの水素結合を形成することが可能な少なくとも2つの接合基(A)を含むことを特徴とする請求項1から9の一項に記載の組成物。
【請求項11】
1つまたは複数の前記接合基(A)を有する前記モノマーが、モノマー(a)および/または(b2)であることを特徴とする請求項1から10の一項に記載の組成物。
【請求項12】
1つまたは複数の前記接合基(A)を有する前記モノマーが、モノマー(a)であることを特徴とする請求項1から11の一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記モノマー(a)が、式Y=C=N-Ra-N=C=Y'またはB-C(O)-NH-Ra-NH-C(O)-B'を有し、
Y、Y'が同一でも異なっていてもよく、OまたはSを表し、好ましくはY=Y'であり、より好ましくはY=Y'=Oであり、
BおよびB'が、互いに独立に
【化34】

から選択され、
Raが脂肪族の、飽和または不飽和の、直鎖または分岐状の、環状または非環状の、芳香族または非芳香族の、炭素原子1〜40個を有する2価基であり、O、S、および/またはNから選択される1個または複数のヘテロ原子を場合によって含み、かつ/または1つまたは複数のフッ素原子、および/またはヒドロキシル基、ならびにこれらの混合物で場合によって置換されていることを特徴とする請求項1から12の一項に記載の組成物。
【請求項14】
基Raが、直鎖もしくは分岐C1〜C30アルキル基、またはC4〜C12シクロアルキル基、またはC4〜C12アリール基であり、エステル、および/またはアミド官能基で場合により置換されていることを特徴とする請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
Raが、構造:
-(CH2)c-、-(CRH)c、または-(CRR')c(式中、RおよびR'は同一でも異なっていてもよく、直鎖または分岐C1〜C30アルキル基を表し、cは1〜20、好ましくは1〜12の整数である。)を有し、
または別法として、構造:
【化35】

(式中、bは0と3の間の整数である。)を有し、加えてこれらの構造のすべての組合せであることを特徴とする請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
Raが、次の基:1,2-エチレン、1,6-ヘキシレン、1,4-ブチレン、1,6-(2,4,4-トリメチルヘキシレン)、1,4-(4-メチルペンチレン)、1,5-(5-メチルヘキシレン)、1,6-(6-メチルヘプチレン)、1,5-(2,2,5-トリメチルヘキシレン)、1,7-(3,7-ジメチルオクチレン)、4,4'-メチレン-ビス(シクロヘキシル)、1,4-シクロヘキシレン、2,4-トリレン、2,6-トリレン、1,5-ナフチレン、4,4'-メチレン-ビス(フェニル)、テトラメチルキシリレン;イソホロン由来の2価基から選択されることを特徴とする請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記モノマー(a)が、下記の化合物:
1,4-ジイソシアナトブタン、
1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートまたは1,6-ジイソシアナトヘキサン、
1,5-ジイソシアナト-2-メチル-ペンタン、
1,4-ジイソシアナト-4-メチル-ペンタン、
1,6-ジイソシアナト-2,2,4-トリメチルヘキサン、
1,6-ジイソシアナト-2,4,4-トリメチルヘキサン、
1,5-ジイソシアナト-5-メチルヘキサン、
3(4)-イソシアナトメチル-1-メチルシクロヘキシル-イソシアネート
1,6-ジイソシアナト-6-メチル-ヘプタン、
1,5-ジイソシアナト-2,2,5-トリメチルヘキサン、
1,7-ジイソシアナト-3,7-ジメチルオクタン、
1-イソシアナト-1,2,2-トリメチル-3-(2-イソシアナト-エチル)-シクロペンタン、
1-イソシアナト-n-ブチル-3-(4-イソシアナトブト-1-イル)-シクロペンタン、
1-イソシアナト-1,2-ジメチル-3-エチル-3-イソシアナトメチルシクロペンタン、
1-イソシアナト-1-メチル-4-(4-イソシアナトブト-2-イル)-シクロヘキサン、
1-イソシアナト-1,4-ジメチル-4-イソシアナトメチル-シクロヘキサン、
1-イソシアナト-1,3-ジメチル-3-イソシアナトメチル-シクロヘキサン、
1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、
イソホロンジイソシアネート;
4,4'-メチレン-ビス(シクロヘキシルイソシアネート)
1,4-ジフェニレンジイソシアネート;
トリレン2,4-ジイソシアネート;
トリレン2,6-ジイソシアネート、
1,3-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、
4,4'-メチレン-ビス(フェニルイソシアネート)、
ナフタレンジイソシアネート、
テトラメチル-1,3-キシリレンジイソシアネート
から選択されることを特徴とする請求項1から16の一項に記載の組成物。
【請求項18】
前記モノマー(a)が、式Y=C=N-Ra-N=C=Y'、またはB-C(O)-NH-Ra-NH-C(O)-B'を有し、式中:
Y、Y'が同一でも異なっていてもよく、OまたはSを表し、好ましくはY=Y'であり、より好ましくはY=Y'=Oであり、
BおよびB'が、互いに独立に
【化36】

から選択され、
Raが、特にホモポリマーまたはコポリマー型の、2価ポリマー基であり:
1,2-ブタジエン、1,4-ブタジエン、イソプレン、エチレン、プロピレン、1,2-ブチレン、1,4-ブチレン、イソブチレンから選択される単位を有するポリオレフィンなどのエチレンコポリマー;(メタ)アクリルコポリマー、(メタ)アクリルアミドコポリマー、ビニルコポリマー、アリルコポリマー、およびこれらの混合物;
ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)およびそれらのポリ(エチレンオキシド)/ポリ(プロピレンオキシド)コポリマー、ポリ(テトラメチレンオキシド)、ならびにペルフルオロポリエーテル、ポリチオエーテルなどの過フッ素化されたまたは過フッ素化されていないポリエーテル;
ポリエステル、および特にアジピン酸またはテレフタル酸系ポリエステル、ポリカプロラクトン、ポリ(2-メチル-1,3-プロピレン-アジペート)、ポリ-(2-メチル-1,3-プロピレン)-グルタレート、スルホン酸ポリエステル;
ポリラクチド;
ポリアミド;
ポリ(2-メチルオキサゾリン)またはポリ(2-エチルオキサゾリン)などのポリオキサゾリン;
シロキサンコポリマー、例えば-Si(R4)(R5)O-単位(式中、(R4)および(R5)は、同一でも異なっていてもよく、Hを表し、あるいは直鎖または分岐状の、環状または非環状の、飽和または不飽和の、または芳香族の炭素含有基、好ましくはC1〜C12アルキルであり、O、N、S、P、F、およびSi、好ましくはO、N、およびSから選択される、同一でも異なっていてもよい1個または複数の、好ましくは1〜5個のヘテロ原子を場合によって有することができる基を表す。)で構成されるポリシロキサン、ならびに特にポリジメチルシロキサン(PDMS)、およびポリ(メチルフェニルシロキサン);
これらの種々の型のポリマーのコポリマー、例えばポリシロキサン/ポリ(エチレンオキシド)コポリマー;
ポリアセタール;
過フッ素化されたまたは過フッ素化されていないポリカーボネート;
ならびにこれらの混合物
から選択されるものであることを特徴とする請求項1から12の一項に記載の組成物。
【請求項19】
Raが、500と30000の間の、より特に700と25000の間の、好ましくは800と15000の間の重量平均分子量(Mw)を有することを特徴とする請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
Raが、
ポリエステル、より特にアジピン酸および/またはテレフタル酸系のもの、ポリ(2-メチル-1,3-プロピレンアジペート)およびポリ(2-メチル-1,3-プロピレン)-グルタレート、
ポリエーテル、および特にポリ(テトラメチレンオキシド)、
シロキサンコポリマー、ならびに
ポリ(エチレン-ブチレン)、およびポリブタジエン
などの官能性ポリマーから選択されることを特徴とする請求項18または19に記載の組成物。
【請求項21】
モノマー(a)が、少なくとも1つの接合基(A)を有し、かつ、式:
【化37】

(式中、Rx1、Rx2は、同一でも異なっていてもよく、直鎖もしくは分岐C1〜C30アルキル基、またはC4〜C12シクロアルキル基、またはC4〜C12アリール基から選択される2価炭素含有基であり、O、N、S、F、Si、およびPから選択される1〜8個のヘテロ原子を場合によって含み、エステルもしくはアミド官能基で、またはC1〜C12アルキル基で場合により置換されている炭素含有基、あるいはこれらの基の混合物を表し、
R2は、接合基(A)について以前に定義している通りである。)を有することを特徴とする請求項1から20の一項に記載の組成物。
【請求項22】
モノマー(a)が、式:
【化38】

(式中、Rx1、Rx2、Rx3は、同一でも異なっていてもよく、直鎖もしくは分岐C1〜C30アルキル基、またはC4〜C12シクロアルキル基、またはC4〜C12アリール基から選択される2価炭素含有基、あるいはこれらの混合物を表し、
R2は、C1〜C32アルキル基である。)を有することを特徴とする請求項1から21の一項に記載の組成物。
【請求項23】
モノマー(a)が、式:
【化39】

を有し、基Rx1、Rx2、およびRx3が、互いに独立に、次の基:メチレン、1,2-エチレン、1,6-ヘキシレン、1,4-ブチレン、1,6-(2,4,4-トリメチルヘキシレン)、1,4-(4-メチルペンチレン)、1,5-(5-メチルヘキシレン)、1,6-(6-メチルヘプチレン)、1,5-(2,2,5-トリメチルヘキシレン)、1,7-(3,7-ジメチルオクチレン)、4,4'-メチレン-ビスシクロヘキシレン、2-メチル-1,3-フェニレン、4-メチル-1,3-フェニレン、4,4'-ビフェニレンメチレン、1,2-トリレン、1,4-トリレン、2,4-トリレン、2,6-トリレン、1,5-ナフチレン、4,4'-メチレン-ビス(フェニル)、テトラメチルキシリレン;イソホロン由来の2価基から選択されることを特徴とする請求項1から22の一項に記載の組成物。
【請求項24】
モノマー(a)が、下記の:
【化40】

であることを特徴とする請求項1から23の一項に記載の組成物。
【請求項25】
モノマー(b1)が、式HX-Rb1-X'Hを有し、
XおよびX'が、同一でも異なっていてもよく、O、S、NH、またはNR(RはC1〜C6アルキル基を表す。)から選択され、好ましくはXおよび/またはX'=Oであり、より好ましくはX=X'=Oであり、
Rb1が、2価ポリマー基、特にホモポリマーまたはコポリマー型のもの、例えば、ジチオール官能性コポリマー、ジアミン、ジオール、アミノアルコールから選択される基を表し、前記アルコール、アミンおよび/またはチオール官能基を分子鎖の末端に、または骨格に沿って有していることを特徴とする請求項1から24の一項に記載の組成物。
【請求項26】
Rb1が、ポリマー基であって:
ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドおよびそれらのポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシドコポリマー、ポリテトラメチレンオキシド、ペルフルオロポリエーテル、およびポリチオエーテルなどの過フッ素化されたまたは過フッ素化されていないポリエーテル;
ポリラクチド;
ポリエステル、特にアジピン酸またはテレフタル酸系ポリエステル、特にポリカプロラクトン、ポリ(2-メチル-1,3-プロピレン-アジペート)、ポリ-(2-メチル-1,3-プロピレン)-グルタレート、スルホン酸ポリエステル;
ポリアミド;
ポリ(2-メチルオキサゾリン)、またはポリ(2-エチルオキサゾリン)などのポリオキサゾリン;
シロキサンコポリマー、例えば-Si(R4)(R5)O-単位(式中、(R4)および(R5)は、同一でも異なっていてもよく、Hを表し、あるいは直鎖または分岐状の、環状または非環状の、飽和または不飽和の、または芳香族の炭素含有基、好ましくはC1〜C12アルキルであり、O、N、S、P、F、およびSi、好ましくはO、N、およびSから選択される、同一でも異なっていてもよい1個または複数の、好ましくは1〜5個のヘテロ原子を場合によって有する基を表す。)で構成されるポリシロキサン、ならびに特にポリジメチルシロキサン(PDMS)、およびポリ(メチルフェニルシロキサン);
ポリアセタール;
エチレンコポリマー、および特に(メタ)アクリルコポリマー、(メタ)アクリルアミドコポリマー、ビニルコポリマー、アリルコポリマー、したがってビニル/(メタ)アクリレート、ビニル/(メタ)アクリルアミド、ビニル/(メタ)アクリレート/(メタ)アクリルアミド、オレフィン性/ビニル性および(メタ)アクリレート/(メタ)アクリルアミドコポリマーが本発明に適しているもの;
1,2-ブタジエン、1,4-ブタジエン、イソプレン、エチレン、プロピレン、1,2-ブチレン、1,4-ブチレン、イソブチレンから選択される単位を有するポリオレフィン;
過フッ素化されたまたは過フッ素化されていないポリカーボネート;
これらの種々の型のポリマーのコポリマー、例えばポリシロキサン/ポリ(エチレンオキシド)コポリマー;
ならびにこれらの混合物
などの基から選択されるポリマー基であることを特徴とする請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
モノマー(b1)が、500と30000の間の、より特に700と25000の間の、好ましくは800と15000の間の重量平均分子量(Mw)を有することを特徴とする請求項1から26の一項に記載の組成物。
【請求項28】
Rb1が、
ポリエステル、より特にアジピン酸および/またはテレフタル酸系のもの、特にポリ(2-メチル-1,3-プロピレン-アジペート)およびポリ-(2-メチル-1,3-プロピレン)-グルタレート、
ポリエーテル、および特にポリ(テトラメチレンオキシド)、
シロキサンコポリマー、ならびに
ポリ(エチレン-ブチレン)、およびポリブタジエン
などの官能性ポリマーから選択されることを特徴とする請求項25から27の一項に記載の組成物。
【請求項29】
モノマー(b2)が、式HX-Rb2-X'Hを有し、式中:
XおよびX'が、同一でも異なっていてもよく、O、S、NH、またはNR(RはC1〜C6アルキル基を表す。)から選択され、好ましくはXおよび/またはX'=Oであり、より好ましくはX=X'=Oであり;
2価基Rb2が、直鎖または分岐状の、環状または非環状の、飽和または不飽和の、芳香族または非芳香族の、炭素原子1〜40個を有する2価炭素含有基であり、O、S、P、およびNから選択される1個または複数のヘテロ原子を場合によって有し、かつ/または1個または複数のフッ素および/またはケイ素原子で場合によって置換されている炭素含有基を表すことを特徴とする請求項1から28の一項に記載の組成物。
【請求項30】
Rb2が:
メチレン、エチレン、プロピレン、n-ブチレン、イソブチレン、tert-ブチレン、n-ヘキシレン、n-オクチレン、n-ドデシレン、n-オクタデシレン、n-テトラデシレン、n-ドコサニレン、エチル-2-ヘキシレン、シクロヘキシレン、シクロヘキシルメチレン、イソホロンなどの、O、N、S、F、Si、およびPから選択される1〜8個のヘテロ原子を場合によって含有するC1〜C12アルキル基で場合によって置換されている、炭素原子1〜40個を有するアルキレン基、または炭素原子3〜16個を有するシクロアルキレン基;
O、N、S、F、Si、およびPから選択される1〜25個のヘテロ原子を場合によって含有するC1〜C12アルキル基で場合によって置換されている、-C6H4-(オルト、メタまたはパラ)フェニレン基などのC1〜C30アリーレン基;
O、N、S、F、Si、およびPから選択される1〜8個のヘテロ原子を場合によって含有するC1〜C12アルキル基で場合によって置換されている、ベンジレン基-C6H4-CH2-;
C1〜C30、好ましくはC2〜C12アルカリーレンまたはアラルキレン基;
式:-O-CO-O-、-CO-O-、-OCO-、-O-CO-NH-、酸無水物、-NH-CO-NH-、NHCOの基;
基-Si(R4)(R5)O-ただし、式中、R4およびR5が、同一でも異なっていてもよく、Hを表し、あるいは直鎖または分岐状の、環状または非環状の、飽和または不飽和の、または芳香族の炭化水素基、好ましくはC1〜C12アルキルであり、O、N、S、P、F、およびSi、好ましくはO、N、およびSから選択される、同一でも異なっていてもよい1個または複数の、好ましくは1〜5個のヘテロ原子を場合によって含有することができる炭化水素基を表す基;
オキシアルキレンまたはアミノアルキレン基、特に式-(R"'O)yRiv(R"'は直鎖または分岐C2〜C4アルキルを表し、Rivは水素、または直鎖もしくは分岐C1〜C30アルキル基であり、またyは1から500までの間、好ましくは1〜250である。)のアルキレンオキシド基;
これらの基の混合物
を含むことを特徴とする請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
Rb2が:
メチレン、エチレン、プロピレン、n-ブチレン、n-ペンチレン、イソブチレン、tert-ブチレン、n-ヘキシレン、n-オクチレン、n-ドデシレン、n-オクタデシレン、n-テトラデシレン、n-ドコサニレン、エチル-2-ヘキシレン、シクロヘキシレン、シクロヘキシルメチレン、イソホロンなどの、O、N、S、F、Si、およびPから選択される1〜8個のヘテロ原子を場合によって含有するC1〜C12アルキル基で場合によって置換されている、炭素原子1〜40個を有するアルキレン基、または炭素原子3〜16個を有するシクロアルキレン基;
O、N、S、F、Si、およびPから選択される1〜25個のヘテロ原子を場合によって含有するC1〜C12アルキル基で場合によって置換されている、-C6H4-(オルト、メタまたはパラ)フェニレン基などのC1〜C30アリーレン基;
O、N、S、F、Si、およびPから選択される1〜8個のヘテロ原子を場合によって含有するC1〜C12アルキル基で場合によって置換されている、C1〜C30、好ましくはC2〜C12アルカリーレンまたはアラルキレン基、および特にベンジレン基-C6H4-CH2-;
オキシアルキレンまたはアミノアルキレン基、特に式-(R"'O)yRiv(R"'は直鎖または分岐C2〜C4アルキルを表し、Rivは水素、または直鎖もしくは分岐C1〜C30アルキル基であり、またyは1から500までの間、好ましくは1〜250である。)のアルキレンオキシド基;
これらの基の混合物
から選択されることを特徴とする請求項29または30に記載の組成物。
【請求項32】
Rb2が:
メチレン、エチレン、プロピレン、n-ブチレン、イソブチレン、tert-ブチレン、n-ペンチレン、n-ヘキシレン、n-オクチレン、n-ドデシレン、n-オクタデシレン、シクロヘキシレン、シクロヘキシルメチレン、イソホロンなどの、C1〜C12アルキル基で場合によって置換されている、炭素原子1〜12個を有するアルキレン基、または炭素原子3〜6個を有するシクロアルキレン基;
ベンジレン基-C6H4-CH2-、またはベンジレンジメチレンなどの、C1〜C12アルキル基で場合によって置換されている、C1〜C30、好ましくはC2〜C12アルカリーレンまたはアラルキレン基
から選択されることを特徴とする請求項29から31の一項に記載の組成物。
【請求項33】
モノマー(b2)が、60と1000の間の、より特に70と700の間の、好ましくは80〜500の重量平均分子量(Mw)を有することを特徴とする請求項1から32の一項に記載の組成物。
【請求項34】
モノマー(b2)が:
アミノエタノール、アミノプロパノール、4-アミノブタノール、1-エチルアミノブタン-2-オール、アミノ-2-メチル-2-プロパノール、メチル-4-アミノ-4-ペンタン-2-オール;
1,2-エチレンジアミン、1,2-プロピレンジアミン、1,3-プロピレンジアミン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、2,6-トルエンジアミン;
1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-エタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール;
ネオペンチルグリコール、式HO-(CH2CH2O)2Hのジ(エチレングリコール)、ジヒドロキシル化ポリ(エチレンオキシド)、ジヒドロキシル化ポリ(プロピレンオキシド)、ジヒドロキシル化ポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)コポリマー;
1,2-ベンゼンジメタノール、1,4-ベンゼンジメタノール、1,4-ジメチロール-シクロヘキサン;
1,2-ベンゼンチオール;
これらの混合物
から選択されることを特徴とする請求項1から33の一項に記載の組成物。
【請求項35】
モノマー(b2)が少なくとも1つの接合基(A)を含み、式:
【化41】

(式中、R2およびRx1は以前に定義した通りである。)の化合物から選択されることを特徴とする請求項1から29の一項に記載の組成物。
【請求項36】
前記コポリマーが、少なくとも1種のイオン化可能な基を含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項37】
前記イオン化可能な基が、単独でまたは混合して:
i)アニオン化可能な基、およびそれらの塩であり、
カルボキシル基:-COOH、
スルホン酸基:-SO3H、
基:OSO3H、
ホスホン酸基:-(O)P(OH)2
リン酸基:-OP(O)(OH)2
またはこれらの有機もしくは無機の塩化形態
から選択される酸官能基を有する基などの、基およびそれらの塩;
ii)カチオン化可能な基、およびそれらの塩であり、
a)式-N(Rv)(Rvi)のアミン基、またはそれらの有機もしくは無機塩、式中RvおよびRviが、互いに独立に、
(i)水素原子、
(ii)直鎖、分岐状または環状の、飽和または不飽和の、場合によって芳香族のアルキル基であり、炭素原子1〜30個を有し、またO、N、S、およびPから選択されるヘテロ原子1〜10個を含有することが可能なアルキル基、特にメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、ラウリル、またはステアリル基、
(iii)式-(RviiO)rRviii(Rviiは直鎖または分岐C2〜C4アルキルを表し、Rviiiは水素、または直鎖もしくは分岐C1〜C30アルキル基であり、またrは1から250までの間である。)のアルキレンオキシド基を表し、
(iv)RvおよびRviが、窒素原子と共に、飽和または不飽和の、場合によって芳香族の環であり、合計して5、6、7、または8員の原子を含み、特に炭素原子4、5、もしくは6員および/またはO、S、およびNから選択されるヘテロ原子2〜4員の環を形成することができ;さらに前記環を、1つまたは複数の他の、飽和または不飽和の、場合によって芳香族の環であり、それぞれ5、6、または7員の原子を含み、特に炭素原子4、5、6、もしくは7員および/またはO、S、およびNから選択されるヘテロ原子2〜4員の環と縮合させることができる
アミン基またはそれらの塩;
b)基-Rix-N-Rx-、式中RixおよびRxが、窒素原子と共に、飽和または不飽和の、場合によって芳香族の環であり、合計して5、6、7、または8員の原子を含み、特に炭素原子4、5、もしくは6員および/またはO、S、およびNから選択されるヘテロ原子2〜4員の環を形成し;また前記環を、1つまたは複数の他の、飽和または不飽和の、場合によって芳香族の環であり、それぞれ5、6、または7員の原子を含み、特に炭素原子4、5、6、7もしくは8個および/またはO、S、およびNから選択されるヘテロ原子2〜4個の環と縮合させることができ、例えば前記イオン化可能な基が、カチオン化可能な第三級アミン基を有する芳香族もしくは非芳香族環を構成することができ、または、カチオン化可能な第三級窒素を含有する芳香族もしくは非芳香族複素環であることができる基;
c)それぞれ式:
【化42】

のグアニジノまたはアミジノ基;
d)式:
【化43】

(式中、
基R'1、R'2、およびR'3は、互いに独立に直鎖もしくは分岐C1〜C20アルキル基を示し、
nは0〜1の範囲にある数を示し、
またZ'-は、Br-またはCl-などのハロゲン化物イオン(n=1)、またはイオンCH3SO3-、または硫酸塩イオンSO42-(n=1/2)、あるいはこれらの混合物を表す。)の第四級アンモニウム基;
e)ならびにこれらの混合物
から選択される官能基を含有する基などの、基およびそれらの塩
から選択されることを特徴とする請求項36に記載の組成物。
【請求項38】
前記イオン化可能な基が:
次のアニオン化可能な基:1価基-COOH、-CH2COOH、-(CH2)2COOH、-(CH2)3COOH、-(CH2)SO3H、-(CH2)2SO3H、-(CH2)3SO3H、-O(CH2)3SO3H;2価基-C(COOH)(CH3)-、および-CH2-C(COOH)(CH3)-CH2-;これらについて中和剤をNaOH、KOH、Ca(OH)2、NH4OH、トリエチルアミン、ブチルアミン、アミノ-2-メチル-2-プロパノール、トリエタノールアミン、ジメチルアミノ-2-プロパノール、リシンまたは3-(ジメチルアミノ)プロピルアミンから選択することができるもの;
次のカチオン化可能な基:1価基-(CH2)2-N(CH3)2、-N(CH3)2、-(CH2)3-N(CH3)2、-O-(CH2)3-N(CH2CH3)2、-(CH2)2-N(CH2CH3)2、2価基-(CH2)2-N(CH3)-(CH2)2-および-(CH2)3-N(CH3)-(CH2)3-;これらについて中和剤をHCl、プロピオン酸、酢酸、クエン酸、および酒石酸から選択することができるもの
から選択されることを特徴とする請求項36または37に記載の組成物。
【請求項39】
前記イオン化可能な基が、少なくとも一部の(b1)および/または(b2)型のモノマー上に、かつ/または少なくとも一部の接合基(A)上に、好ましくは少なくとも一部のモノマー(b2)上に存在することを特徴とする請求項36から38の一項に記載の組成物。
【請求項40】
少なくとも1つの前記接合基(A)が、少なくとも1つのイオン化可能な基を有すること、特に、前記接合基(A)の基R1、R2、および/またはR3の少なくとも1つが、イオン化可能な基を有することを特徴とする請求項36から39の一項に記載の組成物。
【請求項41】
少なくとも一部の前記モノマー(b1)が、前記イオン化可能な基を有し、かつスルホン酸ポリエステル、または無水マレイン酸系エチレンコポリマーから選択されることを特徴とする請求項36から39の一項に記載の組成物。
【請求項42】
少なくとも一部の前記モノマー(b2)が、前記イオン化可能な基を有することを特徴とする請求項36から39の一項に記載の組成物。
【請求項43】
前記イオン化可能な基を有するモノマー(b2)が、カルボン酸官能基(-COOH)、および/またはスルホン酸官能基(-SO3H)を有するアニオン化可能なモノマー、特に式:
【化44】

(式中、
R"1が、Hを表し,あるいは、炭素原子1〜40個を有するアルキル基であり、直鎖または分岐状の、環状または非環状の、飽和または不飽和の、芳香族または非芳香族の、かつ/またはO、S、P、およびNから選択される1個または複数のヘテロ原子を場合によって含み、かつ/または1個または複数のフッ素もしくはケイ素原子で場合によって置換されているアルキル基を表す;1個または複数のヘテロ原子は、存在する場合、前記基の分子鎖内に挿入することができ、または別法として前記基はそれらへテロ原子を含有する、ヒドロキシル、またはアミノ基(NH2、NHR'、またはNR'R"、ただしR'およびR"は、同一でも異なっていてもよく、直鎖または分岐C1〜C22アルキル、特にメチルまたはエチルを表す。)などの1つまたは複数の基で置換することができ;
R"2、R"3、およびR"4が、同一でも異なっていてもよく、炭素原子1〜40個を有するアルキレン基(2価アルキル)であり、直鎖または分岐状の、環状または非環状の、飽和または不飽和の、芳香族または非芳香族の、かつ/またはO、S、P、およびNから選択される1個または複数のヘテロ原子を場合によって含み、かつ/または1個または複数のフッ素もしくはケイ素原子で場合によって置換されているアルキレン基を表す;1個または複数のヘテロ原子は、存在する場合、前記基の分子鎖内に挿入することができ、または別法として前記基はそれらへテロ原子を含有する、エステル、アミド、ヒドロキシル、またはアミノ基(NH2、NHR'、またはNR'R"、ただしR'およびR"は、同一でも異なっていてもよく、直鎖または分岐C1〜C22アルキル、特にメチルまたはエチルを表す。)などの1つまたは複数の基で置換することができ;
XおよびX'は、同一でも異なっていてもよく、O、S、NH、NR(Rは直鎖または分岐C1〜C6アルキル基である。)を表し、XおよびX'はOを表すのが好ましく;
Z、Z'は、同一でも異なっていてもよく、カルボン酸官能基(-COOH)、またはスルホン酸官能基(-SO3H)を表し;
n、p、m、およびqは、互いに独立に、0または1に等しい。)のモノマーから選択されることを特徴とする請求項42に記載の組成物。
【請求項44】
前記アニオン化可能なモノマー(b2)が、式:
【化45】

(式中、X、X'、R"1、R"2、R"3、R"4、m、n、p、およびZは、請求項43において定義している通りである。)の化合物、およびより特に式:
【化46】

(上式について、R"1は炭素原子1〜22個を有するアルキル基、好ましくはCH3を表し、xおよびyは、同一でも異なっていてもよく、1から5までの間にある。)の化合物から選択されることを特徴とする請求項43に記載の組成物。
【請求項45】
前記アニオン化可能なモノマー(b2)が、ジメチロールプロピオン酸、ジメチルアミノプロピオン酸、N-エチルスルホン酸-ジメタノールアミン、N-エチルスルホン酸-ジエタノールアミン、ジオールベンゼンスルホン酸から選択されることを特徴とする請求項44に記載の組成物。
【請求項46】
イオン化可能な基を有するモノマー(b2)が、式:
【化47】

(式中、
R"2、R"3、およびR"4は、同一でも異なっていてもよく、炭素原子1〜40個を有するアルキレン基(2価アルキル)であり、直鎖または分岐状の、環状または非環状の、飽和または不飽和の、芳香族または非芳香族の、かつ/またはO、S、P、およびNから選択される1個または複数のヘテロ原子を場合によって含み、かつ/または1個または複数のフッ素もしくはケイ素原子で場合によって置換されているアルキレン基を表す;1個または複数のヘテロ原子は、存在する場合、前記基の分子鎖内に挿入することができ、または別法として前記基はそれらへテロ原子を含有するエステル、アミド、ヒドロキシルまたはアミノ基(NH2、NHR'、またはNR'R"、ただしR'およびR"は、同一でも異なっていてもよく、直鎖または分岐C1〜C22アルキル、特にメチルまたはエチルを表す。)などの1つまたは複数の基で置換することができ;
XおよびX'は、同一でも異なっていてもよく、O、S、NH、NR(Rは直鎖または分岐C1〜C6アルキル基である。)を表し、XおよびX'はOを表すのが好ましく;
n、p、およびmは、互いに独立に、0または1に等しく;
R6およびR7は、直鎖または分岐C1〜C22アルキル基、好ましくはメチル、エチル、ラウリル、ベヘニルを表す。)の、カチオン化可能なまたは両性のモノマーから選択されることを特徴とする請求項42に記載の組成物。
【請求項47】
前記カチオン化可能なモノマー(b2)が、式:
【化48】

(式中、X、X'、R"3、R"4、およびR6は、請求項46において定義されている。)のモノマーから選択されることを特徴とする請求項46に記載の組成物。
【請求項48】
前記カチオン化可能なモノマー(b2)が、N-メチルジエタノールアミン、N-tert-ブチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、およびジアミノピリジンから選択されることを特徴とする請求項47に記載の組成物。
【請求項49】
前記カチオン化可能なまたは両性モノマー(b2)が、式:
【化49】

(式中、R'1、R'2、R'3、およびZ'、ならびにnは上記において定義している通りである。)を有することを特徴とする請求項42に記載の組成物。
【請求項50】
前記イオン化可能な基が、本発明によるコポリマーの全重量の0.1〜50重量%、好ましくは前記ポリマーの全重量に対して0.5〜35重量%、特に1〜15重量%であり、かつ/または
1つまたは複数の前記イオン化可能な基を有する1つまたは複数の前記モノマーが、最終コポリマーの全重量の3〜20重量%、好ましくは6〜17重量%、または8〜15重量%でさえあることを特徴とする請求項42から49の一項に記載の組成物。
【請求項51】
前記コポリマーが、構造YCN-R10(YはOまたはS、好ましくはOを表し、R10は炭素原子1〜40個を有する炭素含有基、特にアルキルであり、直鎖または分岐状の、環状または非環状の、飽和または不飽和の、芳香族または非芳香族の、O、S、P、およびNから選択される1個または複数のヘテロ原子を場合によって含み、かつ/または1個または複数のフッ素もしくはケイ素原子で場合によって置換されている炭素含有基を表す。)のモノマーを場合によって含むことを特徴とする請求項1から50の一項に記載の組成物。
【請求項52】
R10が、少なくとも1つの接合基(A)を有することを特徴とする請求項51に記載の組成物。
【請求項53】
YCN-R10が、式:
【化50】

(式中、R'10は、O、N、S、F、Si、およびPから選択される1〜8個のヘテロ原子を場合によって含むがそれは好ましくない、直鎖もしくは分岐C1〜C30アルキル基、C4〜C12シクロアルキル基、またはC4〜C12アリール基から選択される2価炭素含有基、ならびにこれらの意味を有するものの混合物を表す。)を有することを特徴とする請求項50または51に記載の組成物。
【請求項54】
前記コポリマーが、場合によって構造HX-R11のモノマー、式中:
XがO、S、NH、またはNR(RはC1〜C6アルキル基を表す。)を表し、好ましくはX=Oであり、また
R11が炭素原子1〜40個を有する炭素含有基、特にアルキルであり、直鎖または分岐状の、環状または非環状の、飽和または不飽和の、芳香族または非芳香族の、O、S、P、およびNから選択される1個または複数のヘテロ原子を場合によって含み、かつ/または1個または複数のフッ素もしくはケイ素原子で場合によって置換されている基を表し;1個または複数のヘテロ原子を、存在する場合、前記基の分子鎖内に挿入することができ、または別法として前記基をそれらへテロ原子を含有するエステルおよび/またはアミド基などの1つまたは複数の基で置換することができる
モノマーを含むことを特徴とする請求項1から53の一項に記載の組成物。
【請求項55】
前記コポリマーが、3〜20000、好ましくは5〜10000、より好ましくは10〜5000の範囲にある重合度を有するポリマー骨格を有することを特徴とする請求項1から54の一項に記載の組成物。
【請求項56】
前記コポリマーが、1000と3000000の間、好ましくは5000と1000000の間、より好ましくは8000と500000の間の数平均分子量Mnを有することを特徴とする請求項1から55の一項に記載の組成物。
【請求項57】
すべての式YCN-Ra-NCY'のモノマーと、すべての式HX-Rb-X'Hのモノマーと(すなわちモノマー(b1)と、(b2)と)の間のモル比を、0.5〜2、好ましくは0.6〜1.5、さらにより良好には0.7〜1.3とすることができ、より好ましくはこの比が1であることを特徴とする請求項1から56の一項に記載の組成物。
【請求項58】
HX-Rb1-X'H型のモノマーが、最終ポリマーの全重量の10〜95重量%、特に12〜85重量%、好ましくは15〜80重量%であることを特徴とする請求項1から57の一項に記載の組成物。
【請求項59】
HX-Rb2-X'H型のモノマーが、最終ポリマーの全重量の1〜30重量%、特に2〜25重量%、好ましくは3〜20重量%であることを特徴とする請求項1から58の一項に記載の組成物。
【請求項60】
前記コポリマーが、前記生理学的に許容可能な媒質中に可溶なまたは分散可能な形で存在することを特徴とする請求項1から59の一項に記載の組成物。
【請求項61】
前記生理学的に許容可能な媒質が、前記コポリマーの溶媒であり、水、アルコール、多価アルコール、エステル、炭素含有油、シリコーン油、フッ素化シリコーン油、およびこれらの混合物から選択される少なくとも1種の化合物を含む媒質を含むことを特徴とする請求項1から60の一項に記載の組成物。
【請求項62】
前記生理学的に許容可能な媒質がさらに、ワックス、ガム、界面活性剤、増粘剤、親水性または親油性ゲル化剤、化粧用活性剤、保存剤、酸化防止剤、香料、艶出し剤、増量剤、中和剤、乳化剤、乳化助剤、顔料、真珠母、水溶性染料、脂溶性染料、ポリマー、特に皮膜形成ポリマー、から選択される少なくとも1種の構成成分を含むことを特徴とする請求項1から61の一項に記載の組成物。
【請求項63】
前記コポリマーが、単独でまたは混合して、本組成物の全重量に対して0.01〜90重量%、好ましくは0.1〜85重量%、より好ましくは0.5〜80重量%の量で存在することを特徴とする請求項1から62の一項に記載の組成物。
【請求項64】
生理学的に許容可能な媒質を含む化粧品組成物の形態にあることを特徴とする請求項1から63の一項に記載の組成物。
【請求項65】
体のもしくは顔の皮膚の、唇、睫毛、爪、および毛のケア、清浄化、および/またはメークアップのための製品;タンニングまたはセルフタンニング製品;身体衛生製品;特に毛髪のケア、清浄化、スタイリング、成形、または染色のための整髪製品の形態にあることを特徴とする請求項1から64の一項に記載の組成物。
【請求項66】
特に、ケラチン物質の、特に体のもしくは顔の皮膚、爪、睫毛、および毛のメークアップ、ケア、清浄化、または染色の方法であり、前記物質上への請求項1から65の一項において定義されている化粧品組成物の適用を含むことを特徴とする美容処理方法。
【請求項67】
化粧品組成物により堆積後もたらされる少なくとも1つの効果の持続性と、ケラチン物質上に適用した前記化粧品組成物の密着性とを共に改良する方法であって、有効な量の少なくとも1種の、請求項1から59の一項において定義されているコポリマーを前記組成物に添加することを含むことを特徴とする方法。

【公開番号】特開2007−161716(P2007−161716A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−338330(P2006−338330)
【出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】