説明

尿収集システムのための逆流防止機構

【課題】収集バッグ内から尿計量具内へと戻って流れ得る尿の量を減少させるための、逆流防止機構を備える尿収集システムを提供すること。
【解決手段】尿収集システムであって、尿計量具;該尿計量具から尿を受容するための少なくとも第一の開口部を規定する収集部材;および該収集部材の該開口部に隣接して位置するシールドであって、該シールドは、該収集部材に、該シールドの周囲に沿った所定の接続点において固定されており、これによって、尿が、該収集点の間を通って、該尿計量具から該収集部材へと流れる、シールド、を備える、尿収集システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、尿収集バッグまたはシステムと共に使用するための、尿計量具に関する。より特定すると、本開示は、より迅速な排液およびより正確な体積測定を容易にするように構成された、尿計量具に関する。
【背景技術】
【0002】
尿計量具は周知であり、そしてカテーテル挿入された患者のための尿収集システムと組み合わせて通常使用されている。代表的に、尿計量具は、尿収集バッグに固定されており、そしてカテーテル挿入された患者に接続された供給管から尿を受容する。尿計量具は、制限された体積を有し、そして内部に入れられた流体の体積を測定するための印を備える。尿計量具は、より大きい体積の尿収集バッグに取り付けられ、そしてこの計量具の上部に配置された少なくとも1つの排液開口部を備え、この排液開口部は、この尿収集バッグと流体連絡している。所定の使用時間後、この尿計量具内の尿の体積が記録され得、そしてこの尿計量具の内容物が、尿収集バッグ内に空けられ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、収集バッグ内から尿計量具内へと戻って流れ得る尿の量を減少させるための、逆流防止機構を備える尿収集システムを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
尿収集システムであって、
尿計量具;
該尿計量具から尿を受容するための少なくとも第一の開口部を規定する収集部材;および
該収集部材の該開口部に隣接して位置するシールドであって、該シールドは、該収集部材に、該シールドの周囲に沿った所定の接続点において固定されており、これによって、尿が、該収集点の間を通って、該尿計量具から該収集部材へと流れる、シールド、
を備える、尿収集システム。
【0005】
(項目2)
上記シールドが上記収集部材の内側表面に固定されている、上記項目に記載の尿収集システム。
【0006】
(項目3)
上記シールドが上記接続点において上記収集部材にスポット溶接されている、上記項目のうちのいずれかに記載の尿収集システム。
【0007】
(項目4)
上記シールドが、少なくとも第一のスロットを備え、該スロットは、該スロットを通る流体の通過を可能にするように構成されている、上記項目のうちのいずれかに記載の尿収集システム。
【0008】
(項目5)
尿収集システムであって、
処分ポートを規定する尿計量具;
該尿計量具から尿を受容するための開口部を規定する収集部材;および
該尿計量具の該処分ポートに隣接して設置されたガードであって、該ガードは、少なくとも1つの通路を有し、該通路は、該処分ポートから該開口部内へ、そして該収集部材内への尿の通過を可能にするためのものである、ガード、
を備える、尿収集システム。
【0009】
(項目6)
上記ガードが、尿の通過を可能にするための複数の通路を備える、上記項目に記載の尿収集システム。
【0010】
(項目7)
上記ガードの上記通路のうちの少なくともいくつかが、異なる内部寸法を規定する、上記項目のうちのいずれかに記載の尿収集システム。
【0011】
(項目8)
上記ガードの上記通路の上記内部寸法が、該ガードの下端から該ガードの上端へと増加する、上記項目のうちのいずれかに記載の尿収集システム。
【0012】
(項目9)
上記ガードの上記1つの通路が、複数のスロットの形態である、上記項目のうちのいずれかに記載の尿収集システム。
【0013】
(項目10)
上記1つの通路に隣接するフラップを備え、該フラップが、上記処分ポートから上記開口部を通って上記収集部材内への尿の通過を可能にするように、該1つの通路に対して変位されるように、そして該収集部材内の尿が所定のレベルに達したら該1つの通路を選択的に覆うように適合されている、上記項目のうちのいずれかに記載の尿収集システム。
【0014】
(項目11)
尿収集システムであって、
処分ポートを規定する尿計量具;
該尿計量具から尿を受容するための少なくとも第一の開口部を規定する収集部材;
該収集部材内に配置された背面板;および
該背面板から延び、そして該尿計量具の該処分ポートと流体連絡するように構成されたフランジ、
を備える、尿収集システム。
【0015】
(項目12)
上記背面板がリブを備え、該リブが、該リブの間に尿が流れることを可能にするためのチャネルを規定する、上記項目に記載の尿収集システム。
【0016】
(項目13)
上記尿計量具が第二の処分ポートを規定し、そして上記背面板が、該第二の処分ポートと流体連絡するように構成された第二のフランジを備える、上記項目のうちのいずれかに記載の尿収集システム。
【0017】
(項目14)
上記背面板が、実質的に「T」字型の平坦な部材を規定する、上記項目のうちのいずれかに記載の尿収集システム。
【0018】
尿収集システムは、収集バッグ内から尿計量具に戻って流れ得る尿の量を減少させるための逆流防止機構を備える。この尿収集システムは、尿計量具、この尿計量具から尿を受容するための少なくとも第一の開口部を規定する収集部材、およびこの収集部材の開口部に隣接して位置するシールドを備える。このシールドは、このシールドの周囲に沿った所定の接続点において、この収集部材に固定され、これによって、尿がこれらの接続点の間を通って、この尿計量具からこの収集部材へと流れる。このシールドは、このバッグの内側表面に固定され得る。このシールドは、これらの接続点において、この収集部材にスポット溶接され得る。このシールドは、少なくとも第一のスロットを備え得、このスロットは、このスロットを通る流体の通過を可能にするように構成される。
【0019】
(要旨)
1つの実施形態において、尿収集システムは、尿計量具、収集部材およびシールドを備え、この収集部材は、この尿計量具から尿を受容するための少なくとも第一の開口部を規定し、そしてこのシールドは、この収集部材の開口部に隣接して位置する。このシールドは、このシールドの周囲に沿った所定の接続点において、この収集部材に固定され、これによって、尿がこれらの接続点の間を通って、この尿計量具からこの収集部材へと流れる。このシールドは、このバッグの内側表面に固定され得る。このシールドは、これらの接続点において、この収集部材にスポット溶接され得る。このシールドは、流体の通過を可能にするように構成された少なくとも第一のスロットを備え得る。
【0020】
別の実施形態において、尿収集システムは、処分ポートを規定する尿計量具、収集部材、およびガードを備え、この収集部材は、この尿計量具から尿を受容するための開口部を規定し、そしてこのガードは、この尿計量具の処分ポートに隣接して設置される。このガードは、この処分ポートからこの開口部へ、そしてこの収集部材への尿の通過を可能にするための、少なくとも1つの通路を有する。このガードは、尿の通過を可能にするための複数の通路を備え得る。このガードの通路のうちの少なくともいくつかは、異なる内部寸法を規定し得る。このガードの通路の内部寸法は、このガードの下端からこのガードの上端へと増加し得る。これらの通路は、このガード内のスロットの形態であり得る。フラップが、このガードの通路に隣接して配置され得る。このフラップは、この通路に対して変位し、尿がこの処分ポートからこの開口部を通り、そしてこの収集部材内へと通過することを可能にするように適合され得、そしてこの収集部材内の尿が所定のレベルに達するとこの通路を選択的に覆うように適合され得る。
【0021】
別の実施形態において、尿収集システムは、処分ポートを規定する尿計量具、収集部材、背面板およびフランジを備え、この収集部材は、この尿計量具から尿を受容するための少なくとも第一の開口部を規定し、この背面板は、この収集部材内に配置されており、そしてこのフランジは、この背面板から延び、そしてこの尿計量具の処分ポートと流体連絡するように構成される。この背面板は、リブを備え得、これらのリブは、これらの間にチャネルを規定して尿が流れることを可能にする。尿計量具は、第二の処分ポートを規定し得、そしてこの背面板は、この第二の処分ポートと流体連絡するように構成された第二のフランジを備え得る。この背面板は、実質的に「T」字型の平坦な部材を規定し得る。
【発明の効果】
【0022】
本発明により、収集バッグ内から尿計量具内へと戻って流れ得る尿の量を減少させるための、逆流防止機構を備える尿収集システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、尿計量具および収集バッグを備える、先行技術の尿収集システムの分解斜視図である。
【図2】図2は、図1の尿収集システムの斜視図である。
【図3】図3は、本開示の局面による逆流防止機構の1つの実施形態の斜視図である。
【図4A】図4Aは、本開示の局面による逆流防止機構の別の実施形態の正面図である。
【図4B】図4Bは、本開示の局面による逆流防止機構の別の実施形態の背面図である。
【図4C】図4Cは、尿計量具に選択的に固定された、図4Aおよび図4Bの逆流防止機構の正面図である。
【図5A】図5Aは、図4A〜図4Cの逆流防止機構の別の実施形態の第一の側面図である。
【図5B】図5Bは、図4A〜図4Cの逆流防止機構の別の実施形態の第二の側面図である。
【図6】図6は、図4A〜図4Cの逆流防止機構のなお別の実施形態の正面図である。
【図7A】図7Aは、本開示の局面による逆流防止機構のなお別の実施形態の正面図である。
【図7B】図7Bは、線7B−7Bに沿って見た、図4Aの逆流防止機構の側面図である。
【図7C】図7Cは、線7C−7Cに沿って見た、図4Aの逆流防止機構の側面図である。
【図7D】図7Dは、線7D−7Dに沿って見た、図4Aの逆流防止機構の側面図である。
【図7E】図7Eは、図7A〜図7Dの逆流防止機構を備える尿収集システムの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
添付の図面は、本明細書に組み込まれ、そして本明細書の一部を構成する。これらの図面は、本開示の実施形態を図示し、そして上記本開示の一般的な説明および下記の実施形態の詳細な説明と一緒に、本開示の原理を説明する役に立つ。
【0025】
(詳細な説明)
最初に図1および図2を参照すると、先行技術の尿収集システムが、一般に尿収集システム10として示されている。尿収集システム10は、共有に係る米国特許出願公開第2007/0213639号に詳細に記載されており、この米国特許出願公開の内容は、その全体が本明細書中に参考として援用され、そして本開示の局面を実施可能にするために必要な程度までしか議論されない。尿収集システム10は、尿計量具20および収集部材またはバッグ30を備える。尿計量具20は、2つの大きい処分ポート22、23を備え、これらのポートは、収集バッグ30に形成された開口部32、33と流体連絡する。流体「F」が、管「T」を通って尿計量具20に流入し、ここで、流体「F」の量が計量され得、その後、尿収集システム10が傾けられて流体「F」が収集バッグ30内に排液される。尿収集システム10の構成は、使用者が流体「F」を尿計量具20から収集バッグ30内へと容易に排液することを可能にするが、尿収集システム10が不慮に傾くとまた、収集バッグ30から処分ポート22、23を通って尿計量具20内へと戻る、流体「F」の逆流を引き起こし得る。
【0026】
ここで図3を参照すると、本開示による逆流防止機構の第一の実施形態が、一般にシールド付き収集バッグ100として示されている。逆流防止収集バッグ100は、本明細書で先に議論された収集バッグ30と実質的に類似しているので、これらの間の違いに関してのみが記載される。逆流防止収集バッグ100は、尿計量具から流体を受容するための開口部132、133を規定する。逆流防止収集バッグ100は、開口部132、133を部分的に閉塞するシールド102、104をさらに備える。
【0027】
シールド102、104は、ビニルまたは他の適切な材料から構成され得る。シールド102、104は、開口部132、133を覆うようなサイズおよび寸法にされる。シールド102、104は、収集バッグ100の内側表面に固定される。シールド102、104は、開口部132、133を覆って収集バッグ100内に位置決めされる。一旦、適所にくると、シールド102、104は、それぞれシールド102、104の周りのそれぞれの選択された点102a〜c、104a〜cにおいて、収集バッグ100に取り付けられる。シールド102、104は、スポット溶接、接着剤または他の適切な方法を使用して、収集バッグ100に取り付けられ得る。示されるように、シールド102、104の各々は、それぞれ3つの点102a〜c、104a〜cにおいて、収集バッグ100に取り付けられているが、より少ない取り付け点またはより多い取り付け点が使用されてもよい。取り付け点102a〜c、104a〜cは、それぞれ、収集バッグ100とシールド102、104との重なり部分に沿った任意の適切な点に配置され得ることが予測される。シールド102、104を選択された取り付け点102a〜c、104a〜cにおいて取り付けることによって、収集バッグ100とシールド102、104との間の重なりの残りの領域(すなわち、重なり部分106、107)は、収集バッグ100に取り付けられないままである。この様式で、流体「F」は、尿計量具から、取り付け点102a〜c、104a〜cの周りまたは間を通って、収集バッグ100内へと流れることが可能になる。重なり部分106、107は、それぞれ、シールド102、104が収集バッグ100に張り付くことを防止するように構成され得る。例えば、重なり部分106、107は、ノブ、リッジまたは他の適切な構成(図示せず)を備えて、シールド102、104がバッグ100に張り付くことを防止し得る。重なり部分106、107は、その代わりにかまたはさらに、シールド102、104と収集バッグ100との間にフィルムまたはコーティングを備えて、重なり部分106、107が張り付くことを防止し得る。
【0028】
シールド102、104は、それぞれフラップ108、109をさらに備え、これらのフラップは、尿計量具から収集バッグ100内への、流体「F」のさらなる流れを可能にするように構成される。フラップ108、109は、流体「F」が収集バッグ100に入る際に、尿計量具から離れるように内向きに逸れ、一方で、フラップ108、109の尿計量具に向かう外向きの方向の動きを制限するように構成される。この様式で、フラップ108、109は、流体「F」が尿計量具内に逆流するよりも多くの流体「F」が収集バッグ100内に排液されることを可能にする。フラップ108、109は、それぞれ、シールド102、104の周りの任意の適切な位置に配置され得る。シールド102、104は、それぞれ任意の数のフラップ108、109を備え得、フラップが全くない場合も含む。
【0029】
ここで図4A〜図4Cを参照すると、本開示による逆流防止機構の別の実施形態が、一般に逆流防止ガード200として示されている。逆流防止ガード200は、尿計量具20の処分ポート22(図1)内に固定されるように構成される。この様式で、ガード200は、尿計量具20と収集バッグ100との間に配置されて、これらの間での流体「F」の流れを制御する。第二のガード(図示せず)は、逆流防止ガード200の実質的に鏡像であり、そして尿計量具20の処分ポート23内に固定されるように構成される。さらに、開口部202は、二方向弁または一方向開口部であり得、尿計量具から収集バッグ100への一方向のみの流れを可能にする。
【0030】
ガード200は、実質的に平坦な部材を規定し、第一の面202aおよび第二の面202bを有する。以下でより詳細に議論されるように、ガード200の第一の面202aは、尿計量具20の処分ポート22(図1)と係合するように構成される。ガード200は、水平に間隔を空けた複数の開口部202を備える。開口部202は、下から上へと次第に大きくなる内径または穴を規定する。円形の開口部として示されているが、開口部202は、任意の形状を規定し得る。開口部202のサイズおよび構成は、流体「F」の収集バッグ30(図1)内への流れ、および流体「F」が尿計量具20に戻る逆流を制御するように、変更可能であり得る。開口部202のサイズおよび構成はまた、収集バッグ30内への血餅の通過を制御するために変更可能であり得る。さらに、開口部202は、二方向または一方向の弁または開口部であり得、尿計量具20から収集バッグ100への方向のみでの流れを可能にする。
【0031】
ガード200は、尿計量具20の処分ポート22に、任意の適切な様式(結合、接着および摩擦ばめまたはスナップばめが挙げられる)で固定され得る。あるいは、ガード200は、尿計量具20と一体的に形成され得る。示されるように、ガード200は、尿計量具20の処分ポート22内にスナップばめされるように構成される。ガード200は、スナップ部材204およびロケーター206を備える。ロケーター206は、スナップ部材204と対向して配置され、そして処分ポート22の第一の縁部22aと係合するように構成される。スナップ部材204は、処分ポート22の第二の縁部22bと選択的に係合するように構成される。ガード200は、任意の数のスナップ部材204およびロケーター206を備え得る。ガード200は、ガード200を処分ポート22内で整列させるように構成されたガイド208、209をさらに備える。ガイド208、209は、処分ポート22の第三の縁部22cおよび第四の縁部22dとそれぞれ係合するように構成される。ガード200は、任意の数のガイド208、209を備え得る。スナップ部材204、ロケーター206およびガイド208、209は、ガード200を整列させて処分ポート22内でしっかりと保持する。シールまたは密封部材(図示せず)が、ガード200と尿計量具20との間に配置されて、これらの間のシールの一体性を増加させ得る。
【0032】
ここで図5A〜図6を参照すると、逆流防止ガード200の代替の実施形態が、一般に逆流防止ガード210、220として示されている。逆流防止ガード210、220は、逆流防止ガード200と実質的に類似であるので、これらの間の違いに関する細部のみが記載される。
【0033】
逆流防止ガード210は、第一の面210aおよび第二の面210bを備え、そして1つの大きい開口部212を規定する。開口部212は、フラップ213により覆われる。フラップ213は、開口部212の上で、ガード210の第二の面210bにヒンジ式に設置される。フラップ213は、開口部212を越えて延びるようなサイズおよび寸法にされる。ガード210は、スナップ部材214、ロケーター216およびガイド218、219をさらに備え、これらは、ガード210を尿計量具20の処分ポート23に保持するように固定される(図4C)。設置されると、ガード210のフラップ213は、流体「F」が開口部212を通って収集バッグ30(図1)内へと流れることを可能にし、そして流体「F」が尿計量具20内に戻って流れること(すなわち、逆流)を防止する。流体「F」が尿計量具20内に蓄積し、そして開口部212に達すると、フラップ213が離れるように揺れ、これによって、流体「F」が収集バッグ30に入ることを可能にする。流体「F」が収集バッグ30内で所定のレベルに達すると、尿がフラップ213に接触し、開口部212を越えて延びるフラップの縁部をガード200に押し付けることによって、フラップ213を事実上閉じる。この様式で、流体「F」は、一旦収集バッグ30(図1)内に排液されると、尿計量具20内に戻って流れることを防止される。
【0034】
逆流防止ガード220は、水平スロット222を備え、これらの水平スロットは、下から上へと次第に高さ方向の大きさが大きくなる。水平スロット222のサイズおよび構成は、収集バッグ30(図1)内への流体「F」の流れ、および尿計量具20内への流体「F」の逆流を制御するように、変更可能であり得る。水平スロット222のサイズおよび構成はまた、収集バッグ30内への血餅の通過を制御するように変更可能であり得る。
【0035】
ここで図7A〜図7Eを参照すると、本開示による逆流防止機構のなお別の実施形態が、一般に収集バッグインサート300として示されている。インサート300は、収集バッグ30a内に受容されるように構成される。収集バッグ30aおよびインサート300は、尿計量具20および他の適切な尿計量具と共に使用するために構成される。インサート300は、代替の構成の尿計量具(1つの処分ポートのみを有する尿計量具が挙げられる)と共に使用するために改変され得ることが予測される。
【0036】
インサート300は、背面板302および1対のフランジ304、306を備え、これらのフランジは、背面板302の第一の表面303aから延びる。フランジ304、306は、背面板302と一体的に形成され得るか、またはその代わりに、接着剤、結合もしくは他の適切な技術を使用して背面板302にしっかりと固定され得る。背面板302は、ほぼ「T」字型の構成を有する実質的に平坦な基部を規定する。フランジ304、306は、背面板302の水平部分302aに位置し、そして開口部304a、306aを規定する。フランジ304、306は、それぞれ尿計量具20の処分ポート22、23と係合するように構成される。インサート300は、リブ308をさらに備え、これらのリブは、背面板302の第二の表面303bに形成され、そして垂直部分302bに沿って延びる。以下で議論されるように、インサート300が収集バッグ30aで受容されると、リブ308は、背面板302と収集バッグ30aとの間にチャネル309を形成する。
【0037】
使用において、収集バッグ30a(インサート300を備える)は、任意の適切な方法によって、尿計量具20に固定される。フランジ304、306は、収集バッグ30aから延び、そして尿計量具20の処分ポート22、23(図1)でそれぞれ受容されるように構成され得る。あるいは、フランジ304、306は、尿計量具20の処分ポート22、23に対してそれぞれ同一面上に位置するように構成され得る。一旦、収集バッグ30aが尿計量具20に固定されると、流体「F」(図2)は、尿計量具20から収集バッグ30a内へと排液され得る。流体「F」は、尿計量具20の処分ポート22、23から、フランジ304、306の開口部304a、306a内へと排液される。流体「F」は、開口部304a、306aから、背面板302の第二の面303bと収集バッグ30との間を、リブ308により形成されたチャネル309を通って排液される。インサート300の構成は、尿計量具20内に逆流し得る流体「F」の量を減少させる。
【0038】
本開示の例示的な実施形態が、本明細書中で添付の図面を参照しながら説明されたが、本開示はこれらの正確な実施形態に限定されないこと、ならびに種々の他の変更および改変が、本開示の範囲または趣旨から逸脱することなく当業者によりなされ得ることが、理解されるべきである。
【符号の説明】
【0039】
100 収集バッグ
102、104 シールド
132、133 開口部
102a〜c、104a〜c 取り付け点
106、107 重なり部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
尿収集システムであって、
尿計量具;
該尿計量具から尿を受容するための少なくとも第一の開口部を規定する収集部材;および
該収集部材の該開口部に隣接して位置するシールドであって、該シールドは、該収集部材に、該シールドの周囲に沿った所定の接続点において固定されており、これによって、尿が、該収集点の間を通って、該尿計量具から該収集部材へと流れる、シールド、
を備える、尿収集システム。
【請求項2】
前記シールドが前記収集部材の内側表面に固定されている、請求項1に記載の尿収集システム。
【請求項3】
前記シールドが前記接続点において前記収集部材にスポット溶接されている、請求項1に記載の尿収集システム。
【請求項4】
前記シールドが、少なくとも第一のスロットを備え、該スロットは、該スロットを通る流体の通過を可能にするように構成されている、請求項1に記載の尿収集システム。
【請求項5】
尿収集システムであって、
処分ポートを規定する尿計量具;
該尿計量具から尿を受容するための開口部を規定する収集部材;および
該尿計量具の該処分ポートに隣接して設置されたガードであって、該ガードは、少なくとも1つの通路を有し、該通路は、該処分ポートから該開口部内へ、そして該収集部材内への尿の通過を可能にするためのものである、ガード、
を備える、尿収集システム。
【請求項6】
前記ガードが、尿の通過を可能にするための複数の通路を備える、請求項5に記載の尿収集システム。
【請求項7】
前記ガードの前記通路のうちの少なくともいくつかが、異なる内部寸法を規定する、請求項6に記載の尿収集システム。
【請求項8】
前記ガードの前記通路の前記内部寸法が、該ガードの下端から該ガードの上端へと増加する、請求項7に記載の尿収集システム。
【請求項9】
前記ガードの前記1つの通路が、複数のスロットの形態である、請求項5に記載の尿収集システム。
【請求項10】
前記1つの通路に隣接するフラップを備え、該フラップが、前記処分ポートから前記開口部を通って前記収集部材内への尿の通過を可能にするように、該1つの通路に対して変位されるように、そして該収集部材内の尿が所定のレベルに達したら該1つの通路を選択的に覆うように適合されている、請求項5に記載の尿収集システム。
【請求項11】
尿収集システムであって、
処分ポートを規定する尿計量具;
該尿計量具から尿を受容するための少なくとも第一の開口部を規定する収集部材;
該収集部材内に配置された背面板;および
該背面板から延び、そして該尿計量具の該処分ポートと流体連絡するように構成されたフランジ、
を備える、尿収集システム。
【請求項12】
前記背面板がリブを備え、該リブが、該リブの間に尿が流れることを可能にするためのチャネルを規定する、請求項11に記載の尿収集システム。
【請求項13】
前記尿計量具が第二の処分ポートを規定し、そして前記背面板が、該第二の処分ポートと流体連絡するように構成された第二のフランジを備える、請求項12に記載の尿収集システム。
【請求項14】
前記背面板が、実質的に「T」字型の平坦な部材を規定する、請求項11に記載の尿収集システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【公開番号】特開2010−38909(P2010−38909A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−150510(P2009−150510)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】