説明

尿検査結果の判定用端末

【課題】入力漏れや入力ミスを防止し、入力に要する時間を短縮でき、コストを低く抑えながらもデジタル出力できる、尿検査試験紙による尿検査結果の判定用端末を提供すること。
【解決手段】尿検査試験紙による尿検査結果の判定用端末に具備される判定用の入力スイッチで、尿検査試験紙の判定表のうちの1つと同じ色の色見本を、前記色見本の判定結果をデジタル出力することの切替を行う選択部分又はその近傍に有し、尿検査の結果の判定と判定結果の入力を1回の操作で同時に行えるようにした判定入力スイッチ30を備えた尿検査結果の判定用端末1とすること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康診断における、尿検査試験紙で行う尿検査結果の判定に用いる端末に関する。特にデジタル出力を行う端末に関する。また、かかる端末の入力スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、施設による健康診断はもとより、巡回健康診断においてもすべての検査結果をデジタル化しようとする動きが始まっており、各検査機器メーカーも持ち運びが容易なデジタル記録用の装置を開発している。一例として身長計測、体重計測などは測定結果を直接、シリアル・インターフェースであるRS232Cからデジタルデータを出力し、最終的に検査を受ける者が個々に持つICカードのような、記録メディアにデータを書き込むものがある。これが従来の個人カルテと同じ役割をする。
【0003】
健康診断の現場での尿検査は、尿検査試験紙による検査方法しか無いのが一般的である。尿検査試験紙には、試験する項目に応じた呈色反応を示す試験紙片が並べて貼り付けてある。試験項目によって、尿に浸した後から試験紙片の呈色を判定するまでの時間が決められており、その時間は試験項目ごとに異なる。従来より、尿検査試験紙の保存のための入れ物である、通常は円筒形をした瓶の外面に、検査結果の判定表が貼り付けてあり、この表に判定結果の色見本とその結果である判定結果が記載されている。判定表は、メーカーや検査項目の数や種類などにより異なり、1又は複数の検査項目に対し、それぞれ複数の色見本が並べてあり、各色見本には「+1」「+2」「±」等の判定が付記されている。従来の検査時では、尿に浸した尿検査試験紙と、この瓶の判定表の色見本との両方を手に持って、試験項目ごとに決められた時間後の試験紙片の色を、その試験項目の複数の色見本と見比べ、同じ色を呈する項を探し、その色見本に付記された判定を結果としている。
【0004】
よって、検査結果を直接デジタルデータとして出力することが難しく、現時点では検査結果を汎用の入力ターミナルまたは汎用の携帯型入力装置などを用いて入力している。
【0005】
尿検査試験紙の結果を検査員が判定するのではなく、持ち運び可能な自動分析装置でその色の変化を判定し試験紙の結果を間接的にデジタル化する方法がある(例えば、非特許文献1、2参照)。
【0006】
【非特許文献1】“小型尿検査装置 プレテスターRM805”、[online]、和光純薬工業株式会社、[平成20年10月13日検索]、インターネット〈URL:http://www.wako-chem.co.jp/rinyaku/products/rm-805/index.htm〉
【非特許文献2】“ニュースリリース(News Release)”、[online]、平成17年2月28日、栄研化学株式会社、[平成20年10月13日検索]、インターネット〈URL:http://www.eiken.co.jp/news/pdf/20050228-1.pdf〉
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
デジタル機器を導入した健康診断の現場での尿検査では、まずは、尿検査試験紙と判定表の色見本を見比べて結果を判定する。次に、判定を忘れたり勘違いしないように、一時的にメモをとる。そしてメモを見ながら、汎用の入力ターミナルや携帯型入力装置などに、例えばテンキーなどにより「+」と「1」を手入力するなどして「+1」の判定結果を入力するという作業を行う。
【0008】
したがって、色の判別、判定、メモを人が行った後に、メモに基づいて汎用の携帯型入力装置へ判定結果を人が手入力して行うデジタル化を行うかかる方法では、3つの作業をする事になる。これらの作業の中で、メモの見間違いや、現状の入力装置では入力操作が煩雑になるために、誤入力、スイッチの操作ミス、項目の入力忘れなどが起こりやすく、また時間もかかってしまうという不具合があるという問題があった。
【0009】
一方、分析装置などを使用すればデジタル化は可能となるが、分析装置は高価で、小型軽量の機種も出始めているものの依然として高価であり、導入する場合は1つの医療機関での購入は複数台必要となることが多く、その経済的負担は大きく、また分析装置などの検査機器には装置のメンテナンスの他に、精度管理が義務づけられているので、購入後の手間と維持費の問題もおこり、尿検査試験紙だけを使用していた従来と比べて、かなりの出費が予測されるという問題があった。
【0010】
またレントゲンや、その他の検査に係わる機器もデジタルに対応したものを導入しなければならず、かなりの資金的負担を強いられるという問題があった。
【0011】
したがって、本発明の第1の目的は、入力漏れや入力ミスを防止し、入力に要する時間を短縮できる入力スイッチを提供することにある。また、本発明の第2の目的は、入力漏れや入力ミスを防止し、入力に要する時間を短縮でき、コストを低く抑えながらもデジタル出力できる尿検査結果の判定用端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の態様は、尿検査試験紙による尿検査結果の判定用端末に具備される判定用の入力スイッチにおいて、尿検査試験紙の判定表のうちの1つと同じ色の色見本を、前記色見本の判定結果をデジタル出力することの切替を行う選択部分又はその近傍に有し、尿検査の結果の判定と判定結果の入力を1回の操作で同時に行えるようにしたことを特徴とする入力スイッチを提供する。
【0013】
本発明の第1の態様によれば、試験項目ごとに尿検査試験紙の変色状態にもっとも近い色見本を有する入力スイッチを押すだけで検査結果の判定を入力することができるので、従来行っていた、(1)呈した色がどの色見本に近いか判別し、(2)判別した色見本がどのような判定かチェックし、(3)判定した結果をメモし、(4)メモした判定を携帯型入力装置などへ入力するという作業を、(1)直接端末で呈した色がどの色見本に近いか判別し、(2)もっとも近い色見本を有する入力スイッチを押すという作業だけで行うことができる。したがって、判定結果を忘れないように一時的にメモをとる必要もなくなる。また、操作手順が削減されるため、人的な間違いの介入の余地が無くなる効果も生まれる。従来の煩雑な入力作業から解放され、簡単で確実な入力操作ができるので、誤入力、スイッチの操作ミス、入力に時間がかかるなどの不具合を解決できる。判定から結果の入力までの一連の煩雑な作業が、1つの操作で同時に入力ができるため、非常に簡単な作業となる。すなわち、入力漏れや入力ミスを防止し、入力に要する時間を短縮できる。
【0014】
さらに、選択した入力スイッチの色見本の判定結果が正常値か異常値か及び/又は入力漏れの有無を示すランプを有することが好ましい。これにより、異常値を入力したことを再確認させることができるので、入力間違いを防ぐ効果を持つ。あるいは、入力漏れの注意を促されるので、必要な検査項目の入力を忘れてデジタル出力してしまうことを防止できる。
【0015】
本発明の第2の態様は、尿検査試験紙による尿検査結果の判定を行うための判定用端末であって、尿検査試験紙の判定表の1又は複数の検査項目について、検査項目毎の全ての色見本について、各色見本と前記色見本の示す判定結果の表示とを備えた入力スイッチを前記尿検査試験紙の判定表と同じ配列で配置してあることを特徴とする尿検査試験紙による尿検査結果の判定用端末を提供する。
【0016】
本発明の第2の態様によれば、従来使用していた判定表と配列が同じであるため見やすい。また、色の判別、判定、メモを人が行った後に、メモに基づいて汎用の携帯型入力装置へ判定結果を人が手入力して行うデジタル化と異なり作業が簡便で且つ、入力漏れや入力ミスを防止し、入力に要する時間を短縮でき、また、高価な分析装置で行うデジタル化と異なり安価であるため、両者の欠点を解消し、人的な間違いを無くし、尿検査試験紙による検査結果をデジタル出力する目的に特化することで低価格で提供できるため、経済的負担を減少しながら検査結果のデジタル化をも実現できる。
【0017】
本発明の第3の態様は、尿検査試験紙による尿検査結果の判定を行うための判定用端末であって、
前記尿検査試験紙の全ての検査項目についての検査項目毎のカートリッジからなる群と、前記カートリッジをいずれも装着可能な少なくとも3以上のポートとを有し、
前記カートリッジが、尿検査試験紙の判定表の該当する検査項目の欄に並べられた色見本と同じ数の判定入力スイッチと、前記ポートに接続する接続端子とを備え、かつ前記判定入力スイッチはそれぞれ異なる色見本を備えるのものであって、
前記ポートが、各カートリッジに接続する接続端子を有し、
前記カートリッジからなる群から任意のカートリッジを選択して、前記ポートに、検査時に使用する尿検査試験紙の備える検査項目と同配列で装着することを特徴とする尿検査試験紙による尿検査結果の判定用端末を提供する。
【0018】
本発明の第3の態様によれば、作業が簡便で且つ、入力漏れや入力ミスを防止し、入力に要する時間を短縮でき、また、安価であるため、人的な間違いを無くし、尿検査試験紙による検査結果をデジタル出力する目的に特化することで低価格で提供できるため、経済的負担を減少しながら検査結果のデジタル化をも実現できる。また、カートリッジを配列自在に着脱可能であるので、価格を低く抑えながらもデジタル出力できる。自由にカートリッジの配列を変えられるので、多様なケースに1つの端末で対応できる。検査時にどのような尿検査試験紙を使用しても、その検査項目とその配列に完全に一致した、尿検査試験紙の検査結果の判定表となる。
【0019】
本発明の第4の態様は、尿検査試験紙による尿検査結果の判定を行うための判定用端末であって、
検査項目毎の判定結果入力部、出力端子、設定・送信入力部を有し、
前記判定結果入力部が、検査項目毎のカートリッジを有し、各カートリッジには、尿検査試験紙の判定表のうちの1つと同じ色の色見本を前記色見本の判定結果をデジタル出力することの切替を行う選択部分又はその近傍に有する入力スイッチを該当する検査項目の判定表の色見本に対応するように並べてあり、各カートリッジで選択した1つの入力スイッチに応じてデジタル出力する内容を出力端子に送信するものであって、
前記設定・送信入力部が、検査項目を設定し、かつ、前記出力端子からの外部へのデジタル出力を行うものであって、
前記判定結果入力部が、前記設定・送信入力部で設定された検査項目に対応するカートリッジのみ入力可能となるものであることを特徴とする尿検査試験紙による尿検査結果の判定用端末を提供する。
【0020】
本発明の第4の態様によれば、作業が簡便で且つ、入力漏れや入力ミスを防止し、入力に要する時間を短縮でき、また、高価な分析装置で行うデジタル化と異なり安価であるため、両者の欠点を解消し、人的な間違いを無くし、尿検査試験紙による検査結果をデジタル出力する目的に特化することで低価格で提供できるため、経済的負担を減少しながら検査結果のデジタル化をも実現できる。また、必要な検査項目のみ入力すればよいので早く入力作業ができ、また、不要な検査項目について入力してしまうミスを防止できる。
【0021】
かかる態様によれば、尿検査の結果や付加情報を入力する場合、これらの1つの検査結果に対して、1つのスイッチで対応している専用の入力端末とすることで簡単に入力でき、誤入力や操作ミス、時間がかかるなどの不具合が解決される。
【0022】
さらに、尿検査を行わないこと又は尿検査を後日行うことを含む、検査項目に対する判定結果以外の情報をデジタル出力するための入力部である付加情報入力部を有することが好ましい。重要な情報であるにも関わらず、従来の入力端末では入力できなかった付加情報が入力できるので、得られるデータの有用性が増す。
【0023】
さらに、前記設定・送信入力部が、出力の実行を選択する送信スイッチを有し、前記送信スイッチで出力の実行を選択した場合であって入力し忘れた検査項目があったときに作動する警告手段を有することが好ましい。これにより、入力漏れの注意を促され、必要な検査項目の入力を忘れてデジタル出力してしまうことを防止できる。入力をさらに確実なものとする事ができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の第1の態様によれば、入力漏れや入力ミスを防止し、入力に要する時間を短縮できる。
【0025】
本発明の第2〜4の各態様によれば、入力漏れや入力ミスを防止し、入力に要する時間を短縮でき、コストを低く抑えながらもデジタル出力できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図を用いて本発明の実施例を具体的に説明する。
【実施例】
【0027】
[実施例1]
(全体構成)
図1は、本発明の尿検査試験紙による尿検査結果の判定用端末の実施例1の上面図である。本実施例の尿検査試験紙による尿検査結果の判定用端末1は、デジタル尿検査端末であって、付加情報入力部、設定・送信入力部、出力端子6、尿潜血のカートリッジ16、尿pHのカートリッジ18、尿糖のカートリッジ19、尿蛋白のカートリッジ21、尿ウロビリノーゲンのカートリッジ23を有する。各カートリッジは裏面側で本体の各ポートに接続端子で接続されて装着されている。各カートリッジは、検査項目毎に検査結果を選択して選択したものの判定結果をデジタル出力するための判定結果入力部である。
【0028】
付加情報入力部は、図1に示した、尿検査欠選択用入力スイッチ2、尿検査後日受診選択用入力スイッチ3、尿検体有無選択用入力スイッチ4、キャンセル用スイッチ5、タイマー24を有する部分である。
【0029】
設定・送信入力部は、図1に示した、Aコース選択スイッチ7、第1の項目設定スイッチ8、第2の項目設定スイッチ9、第3の項目設定スイッチ10、そして、Bコース選択スイッチ11、第4の項目設定スイッチ12、第5の項目設定スイッチ13、第6の項目設定スイッチ14、送信スイッチ15を有する部分である。
【0030】
尿潜血のカートリッジ16は、尿潜血選択表示用LED17、検査項目名表示28、判定時間表示29、複数の判定入力スイッチ30を具備する。なお、本実施例において、コスト及びコンパクト性の観点からLEDで代表して示しているが、光を点灯するものであれば、LEDで示している構成要素は、電球等他のランプに変えてもよい。尿pHのカートリッジ18も、尿pH選択表示用LED、検査項目名表示28、判定時間表示29、複数の判定入力スイッチ30を具備する。尿糖のカートリッジ19も、尿糖選択表示用LED20、検査項目名表示28、判定時間表示29、複数の判定入力スイッチ30を具備する。尿蛋白のカートリッジ21も、尿蛋白選択表示用LED22、検査項目名表示28、判定時間表示29、複数の判定入力スイッチ30を具備する。尿ウロビリノーゲンのカートリッジ23も、尿ウロビリノーゲン選択表示用LED、検査項目名表示28、判定時間表示29、複数の判定入力スイッチ30を具備する。なお、図1において、図の簡略化のため、各カートリッジにある、各試験項目の選択表示用LED、検査項目名表示、判定時間表示、判定入力スイッチについて符号を一部を除き省略した。
【0031】
出力端子6は、検査結果をデジタル出力するためのもので本実施例ではRS232Cである。
【0032】
図2は、本発明の尿検査試験紙による尿検査結果の判定用端末の実施例1の配線図である。尿潜血のカートリッジ16、尿pHのカートリッジ18、尿糖のカートリッジ19、尿蛋白のカートリッジ21、尿ウロビリノーゲンのカートリッジ23には、それぞれ、接続端子を介して、尿潜血のカートリッジ制御用IC、尿pHのカートリッジ制御用IC、尿糖のカートリッジ制御用IC、尿蛋白のカートリッジ制御用IC、尿ウロビリノーゲンのカートリッジ制御用ICが接続されている。また、付加情報入力部には、付加情報入力部の制御用ICが接続されている。設定・送信入力部には、設定・送信入力部の制御用ICが接続されている。各制御用ICは、出力端子であるRS232Cを備えたマイクロコンピューターに接続されている。各制御用IC及びマイクロコンピューターは電源に接続されている。電源は家庭用100VからACアダプターなどを使用するか、電池などの内蔵電源を使用する。本実施例には市販のマイクロコンピューターおよびLEDが利用可能で、これらは低電圧、低消費電流で作動するので、電池などでも十分に作動させることが可能である。
【0033】
本実施例が具備するすべてのスイッチは各接続端子などを通じて入力された情報がそれぞれ、各入力スイッチと各入力スイッチが具備するLEDを制御するための専用の制御用ICに送られ、制御用ICにおいて、どのスイッチが押されたかを判断しスイッチの意味する情報がマイクロコンピューターに送られる。送信スイッチ15は、出力の実行を行うか否かを選択するスイッチであり、押下することで出力の実行が選択される。送信スイッチ15を押すと、このマイクロコンピューターに送られた情報を統合制御し、出力端子6より外部へデジタル情報として伝達する。
【0034】
またAコースの第1、第2、第3の項目設定スイッチ8、9、10、またはBコースの項目設定スイッチ12、13、14で入力項目として設定されていて、検査項目として選択された各カートリッジが具備する判定入力スイッチ30からの入力が無い場合、送信スイッチ15を押してもマイクロコンピューターが入力漏れを検知し、外部には出力されない。このとき同時にマイクロコンピューターから入力漏れのあった項目の制御用ICに受け漏れ信号がフードバックされ、このカートリッジの判定入力スイッチ用LED27と送信スイッチ15のLEDが同期して点滅し、この検査項目について受け漏れがある事を警告する。
【0035】
このときその他の正常に入力された各入力スイッチはそのまま入力された情報を専用の制御用ICが保持しているので、入力漏れのあった判定入力スイッチ30のみの入力でよい。正常に入力が完了していれば送信スイッチ15を押すことで、結果が送信され、設定スイッチ以外の入力スイッチは初期状態の消灯となり、次の入力に備えて待機となる。
【0036】
(判定入力スイッチ)
図3は、本発明の尿検査試験紙による尿検査結果の判定用端末の実施例1の判定入力スイッチの一つの上面図である。判定入力スイッチ30は、判定結果表示25、色見本26、判定入力スイッチ用LED27を備える判定用の入力スイッチである。本実施例においては、色見本26の部分が、選択した色見本の判定結果をデジタル出力することの切替を行う選択部分を兼ねており、色見本26を指で押して押圧してデジタル出力することのONOFFを行う。指で押してONOFFを切り替える選択部分は、色見本26そのものであるほか、色見本26の近傍に別に設けてもよい。選択部分は、押圧で切り替えるものの他、レバー操作等でONOFFの切替を行うものであっても良い。選択部分でONが選択されると、その信号は接続端子を介して各カートリッジの制御用ICに伝達され、さらにはマイクロコンピューターに伝達されて、送信スイッチ15が押されて送信となった際に、選択した判定入力スイッチに付された色見本の判定結果、たとえば「タンパク +−」などが、外部にデジタル出力される。選択部分でのONの選択により、デジタル出力のための入力作業ができるので、尿検査の結果の判定と判定結果の入力を1回の操作で同時に行える。色見本26には、尿検査試験紙の検査結果の色見本の1つが貼り付けてある。色見本26は、尿検査試験紙の判定表の色見本を切り取って使うことができるほか、尿検査試験紙の判定表のうちの1つと同じ色の色見本、すなわち、判定表の色見本の色の1つと同じ色の色見本であってもよい。入力する人は、尿に浸した尿検査試験紙のうち該当する試験項目の試験片の色と各色見本26の色とを見比べ、もっとも近い色のスイッチを押すだけで済むので、極めて容易で、ミスが生じにくく、また素早く入力が完了する。「±」等、その色が意味する判定結果を選択するよりも、色をダイレクトに選ぶだけなので負担が少なくて済む。
【0037】
色見本26は、各検査項目ごとに数種類づつ存在する。色見本26は、尿検査試験紙による尿検査結果の判定表と同様に、1つの検査項目のカートリッジの中に、判定表と同じ順序で並べてある。したがって、昔から尿検査結果の判定表を利用してきた人にも一目で分かりやすく受け入れやすい。そのため、抵抗感なくかつ人為的ミスを防止でき、迅速な入力が可能となる。
【0038】
そして、各色見本26の近傍(図2においては上部)にそれぞれ判定結果表示25を付してある。判定結果表示25には、例えば「±」、「+1」、「5」、「−」など、検査項目ごとに、尿に浸した試験紙片が決められた時間後に示した色がその色見本と同じ色であったときにどのような判定とするかを示す記号の表示がされている。したがって、判定入力スイッチ30を選択した際に、すぐにその選択した色が示す判定結果を知ることができる。
【0039】
色見本26の近傍(図2において下部)には、さらに判定入力スイッチ用LED27を付してある。判定入力スイッチ用LED27は、その判定入力スイッチ用LED27を有する判定入力スイッチ30が指で押されたときに、そのカートリッジの制御用ICの制御により点灯する。したがって、選択した色見本がどれであるかが一目でわかる。
【0040】
各カートリッジが具備する判定入力スイッチ30は、初期状態ではすべて消灯している。いずれかの判定入力スイッチ30を押すと押された判定入力スイッチ30が具備する判定入力スイッチ用LED27が点灯し、選択されたことを表示すると同時に、押した判定入力スイッチの意味する判定結果の情報、例えば「+1」なども、各カートリッジ専用の制御用ICへ送られる。
【0041】
本実施例によれば、尿検査試験紙の判定表のうちの1つと同じ色の色見本を、前記色見本の判定結果をデジタル出力することの切替を行う選択部分又はその近傍に有し、尿検査の結果の判定と判定結果の入力を1回の操作で同時に行えるようにしてあるので、分析装置と比べて安価ながら、入力作業が極めて容易で、ミスが生じにくく、短時間でたくさんの検査の入力処理が行える。
【0042】
本実施例においては、判定入力スイッチ用LED27は選択したときに点灯するだけでなく、選択した色見本が示す判定結果が異常値であるのか正常値であるのかを点灯する色で示す。これにより、うっかり異常値の判定結果となる色見本の判定入力スイッチを押したときにミスに気付きやすくなる。
【0043】
例えば、尿蛋白のカートリッジ21では、正常値の「−」が付された判定入力スイッチ30を選択するとその判定入力スイッチ30に付された判定入力スイッチ用LED27が緑色に光り正常値であることを検査員に色で再確認させ、正常と異常の中間である「±」が付された判定入力スイッチ30を選択するとその判定入力スイッチ30に付された判定入力スイッチ用LED27が黄色に光り注意を促し、「1+」以上の異常値が付された判定入力スイッチ30を選択するとその判定入力スイッチ30に付された判定入力スイッチ用LED27が赤色に光り異常値を入力したことを再確認させる。尿糖のカートリッジ18及び尿潜血のカートリッジ16においても同様である。尿pHのカートリッジ18では、中性を示す「7」が付された判定入力スイッチ30を選択するとその判定入力スイッチ30に付された判定入力スイッチ用LED27が緑色に光り正常値であることを検査員に色で再確認させ、正常と異常の中間である「6」か「8」が付された判定入力スイッチ30を選択するとその判定入力スイッチ30に付された判定入力スイッチ用LED27が黄色に光り注意を促し、「5」か「9」の異常値が付された判定入力スイッチ30を選択するとその判定入力スイッチ30に付された判定入力スイッチ用LED27が赤色に光り異常値を入力したことを再確認させる。尿ウロビリノーゲンについては、尿検査試験紙では異常値とされる「−」は検査できず、色の変化がなければ「±」の正常値と判定される。尿ウロビリノーゲンのカートリッジ23では、「±」が付された判定入力スイッチ30を選択するとその判定入力スイッチ30に付された判定入力スイッチ用LED27が緑色に光り正常値であることを検査員に色で再確認させ、正常と異常の中間である「+1」が付された判定入力スイッチ30を選択するとその判定入力スイッチ30に付された判定入力スイッチ用LED27が黄色に光り注意を促し、「+2」以上の異常値が付された判定入力スイッチ30を選択するとその判定入力スイッチ30に付された判定入力スイッチ用LED27が赤色に光り異常値を入力したことを再確認させる。判定入力スイッチ用LEDが選択した入力スイッチの色見本の判定結果が正常値か異常値かを示すため、したがって、入力間違いを防ぐ効果を持つ。
【0044】
本実施例においては、さらに、必要な検査項目についていずれの判定入力スイッチ30も選ばずに送信スイッチ15を押した場合、その検査項目のカートリッジのすべての判定入力スイッチ用LED27が、そのカートリッジの制御用ICの制御により一定時間点滅して入力漏れであることを示す。送信スイッチ15を押した場合に、その検査項目のカートリッジのすべての判定入力スイッチ用LED27が消灯していて点滅しなければ、入力漏れでなく、必要な検査項目でないことが分かる。したがって、本実施例では、送信スイッチを選択した場合であって入力し忘れた検査項目があったときに作動する警告手段として、判定入力スイッチ用LED27が入力漏れの有無を示すため、入力漏れの注意を促され、必要な検査項目の入力を忘れてデジタル出力してしまうことを防止できる。
【0045】
(付加情報入力部)
図4は、本発明の尿検査試験紙による尿検査結果の判定用端末の実施例1の付加情報入力部の上面図である。尿検査欠選択用入力スイッチ2は、尿検査をしない(欠)である場合に押して、尿検査をしないという情報を入力するためのスイッチである。尿検査後日受診選択用入力スイッチ3は、尿検査を後日受診することを入力するためのスイッチである。尿検体有無選択用入力スイッチ4は、尿検体があることを入力するスイッチと、検体が無いことを入力するスイッチからなる。キャンセル用スイッチ5は、尿検査欠選択用入力スイッチ2、尿検査後日受診選択用入力スイッチ3、尿検体有無選択用入力スイッチ4のいずれかのスイッチを間違えて押したときに初期入力状態に戻すためのスイッチで、本実施例では、「戻る」と表示してある。タイマー24は、検査時間を計るためのタイマーであって、その下にこれを操作するスイッチがある。タイマーの代わりに時計であってもよい。
【0046】
尿検査欠選択用入力スイッチ2を押すと本スイッチが具備するLEDが点灯し選択されたことを表示し、尿検査をしないという情報が入力される。尿検査後日受診選択用入力スイッチ3を押すと本スイッチが具備するLEDが点灯し選択されたことを表示し、尿検査を後日受診するという情報が入力される。
【0047】
尿検査欠選択用入力スイッチ2と尿検査後日受診選択用入力スイッチ3はどちらか一方を選択すると、もう片方は選択が解除される仕組みであり、これらの時には尿検査は実施しないので、各カートリッジが具備する判定入力スイッチはすべて、押しても反応しなくなり、入力できない。また尿の検体の有無を入力するための、尿検体有無選択用入力スイッチ4も選択できず、押しても反応しない仕組みである。
【0048】
尿検体有無選択用入力スイッチ4のうち、左側の「検体」と表示されたスイッチはこれを押すと尿検体を採取したという情報を入力でき、かかるスイッチの具備するLEDが点灯し選択されたことを表示する。尿検体有無選択用入力スイッチ4のうち、右側の「なし」と表示されたスイッチを押すと、かかるスイッチの具備するLEDが点灯し、本来なら検体が必要であるが、何らかの理由により検体が採取できなかったという情報を入力する。尿検体有無選択用入力スイッチ4の左右のスイッチは一方を入力するともう片方は選択解除される。
【0049】
これらの付加情報も付加情報の制御用ICでスイッチとLEDの制御がおこなわれ、制御された情報がマイクロコンピューターに伝達される。付加情報入力部は、検査項目に対する判定結果以外の情報をデジタル出力するための入力部である。
【0050】
尿検査欠選択用入力スイッチ2、尿検査後日受診選択用入力スイッチ3のいずれかを押した段階でスイッチの押された情報は、付加情報の制御用ICを介してマイクロコンピューターに送られる。マイクロコンピューターのプログラムで最初に、尿検査欠選択用入力スイッチ2、尿検査後日受診選択用入力スイッチ3のいずれかが押されていないかを、常に監視していて、押されたと判断すると、マイクロコンピューターが全ての検査項目のカートリッジの制御用ICに信号を送り判定入力スイッチが反応しないように作動命令をおくる。判定入力スイッチによる入力が途中であって点灯している判定入力スイッチが有っても、尿検査欠選択用入力スイッチ2、尿検査後日受診選択用入力スイッチ3が優先に動作するので、判定入力スイッチ用LEDはすべて消灯し入力無効とする動作を各カートリッジの制御用ICが行う。尿検査欠選択用入力スイッチ2、尿検査後日受診選択用入力スイッチ3のいずれもが解除された場合は即座にマイクロコンピューターから入力許可の信号が各カートリッジの制御用ICに送られ、判定入力スイッチの入力が可能となる。各カートリッジの制御用ICも常に「操作無効の信号」か「入力許可の信号」のどちらかが送られているかを監視しており検知後即座に動作する。このような動作を内部で繰り返し行ってるので(プログラムのループ)、送信スイッチが押されるまでは、すべてのスイッチは変更可能となっている。送信スイッチを押した瞬間にすべてのスイッチの状態を判断して統合し、送信となる。
【0051】
なお、タイマー24を有するため、判定時間の異なる検査項目について、正確に判定することが容易となる。
【0052】
(設定・送信入力部)
図5は、本発明の尿検査試験紙による尿検査結果の判定用端末の実施例1の設定・送信入力部の上面図である。Aコース選択スイッチ7は、押すとスイッチに付属するLEDが点灯し、あらかじめ設定しておいたAコースの項目設定スイッチで選択された各項目が一括で選択出来るようになっている。第1の項目設定スイッチ8は、ウロビリノーゲンの項目設定スイッチである。このスイッチをONにするとAコースの1つの項目としてウロビリノーゲンが選択される。第2の項目設定スイッチ9は、尿pHの項目設定スイッチである。このスイッチをONにするとAコースの1つの項目としてpHが選択出来る。第3の項目設定スイッチ10は、尿潜血の項目設定スイッチである。このスイッチをONにするとAコースの1つの項目として尿潜血が選択される。Bコース選択スイッチ11は、押すとスイッチに付属するLEDが点灯し、あらかじめ設定しておいたBコースの項目設定スイッチで選択された各項目が一括で選択出来るようになっている。第4の項目設定スイッチ12は、ウロビリノーゲンの項目設定スイッチである。このスイッチをONにするとBコースの1つの項目としてウロビリノーゲンが選択される。第5の項目設定スイッチ13は、尿pHの項目設定スイッチである。このスイッチをONにするとBコースの1つの項目としてpHが選択出来る。第6の項目設定スイッチ14は、尿潜血の項目設定スイッチである。このスイッチをONにするとBコースの1つの項目として尿潜血が選択される。
【0053】
送信スイッチ15は、すべての入力が終わり、このスイッチを押すと入力された尿検査の結果がRS232C端子よりデジタル出力される。送信スイッチ15は、各カートリッジの入力漏れが無いときはこれを押したとき、送信スイッチ15の具備するLEDがあらかじめプログラムで設定した時間だけ点灯し、正常に出力されたことを知らせる。また各カートリッジで入力漏れがあると、送信スイッチ15を押しても送信されず、送信スイッチ15の具備するLEDがプログラムで設定した時間だけ点滅し警告する。
【0054】
Aコース選択スイッチ7を押すと、Aコース選択スイッチ7が具備するLEDが点灯する。第1の項目設定スイッチ8、第2の項目設定スイッチ9、第3の項目設定スイッチ10のうち、設定された項目を持つカートリッジのみがAコースの尿検査項目として設定される。選択された各カートリッジの検査項目の、選択表示用LEDが点灯し、選択されたことが確認出来る。例として、第3の項目設定スイッチ10が選択された場合、潜血のカートリッジ16にある尿潜血選択表示用LED17が点灯し、入力待機状態となる。他の項目選択スイッチも同様に、選択された項目のカートリッジの潜血のカートリッジと同位置の検査項目の選択表示用LEDが点灯する。
【0055】
Bコース選択スイッチ11についても同様にして、第4の項目設定スイッチ12、第5の項目設定スイッチ13、第6の項目設定スイッチ14でBコースの検査項目を設定して、選択された項目のカートリッジについてその検査項目の選択表示用LEDが点灯する。
【0056】
またAコース選択スイッチ7とBコース選択スイッチ11はどちらか一方しか選択できず、片方のスイッチを押すとこのスイッチの具備するLEDが点灯し、もう一方のスイッチが具備するLEDは消灯し選択が解除される。電源を入れた直後の初期状態ではAコース選択スイッチ7が選択され、Aコース選択スイッチ7が具備するLEDが点灯する。
【0057】
これらの設定スイッチは設定・送信入力部の制御用ICがAコース選択スイッチ7のLEDとBコース選択スイッチ11のLEDの制御と設定スイッチの状態を判断し、この情報をマイクロコンピューターに電気信号として伝えている。したがって、不要な検査項目について入力してしまうミスを防止できる。
【0058】
(カートリッジ)
尿潜血のカートリッジ16、尿pHのカートリッジ18、尿糖のカートリッジ19、尿蛋白のカートリッジ21、尿ウロビリノーゲンのカートリッジ23は、縦一列に並べてあり、上述のように基本構成は同じである。それぞれの検査項目の結果を入力するための判定入力スイッチ30が並び、カートリッジごと判定用端末に装着自在である。判定入力スイッチ30は、判定表の各検査項目で横1列に並べられたすべての色見本に対応して設けてあり、各判定入力スイッチ30が具備する色見本は、判定表の該当する検査項目の欄に並べられたのと同じ順序で各カートリッジに配列されている。
【0059】
検査項目名表示28には、検査項目を、たとえば尿潜血では「潜血」、尿ウロビリノーゲンでは「ウロビリ」のように、省略した名称で表示している。判定時間表示29は、その検査項目の判定時間を示す。尿検査試験紙を尿に浸してからの判定までの時間を表示している。
【0060】
尿検査試験紙のメーカーや種類により、検査項目の数や順序が異なり、また、検査項目が同じでも、判定時間も各判定結果と結び付く色見本の色も異なる。本実施例によれば、カートリッジごとに着脱可能であるので、試験を行う尿検査試験紙のメーカーや種類により、必要なカートリッジのみを必要な個所に装着することができるので、汎用性が極めて高い。また、判定時間も付記されているので、いちいち尿検査試験紙の瓶の表示を確認しなくても判定時間を誤ることがなく、人為的なミスを防止できる。
【0061】
コースの種類及び選択する検査項目により、同じ尿検査試験紙を用いる尿検査であっても、必要な検査項目は異なる。本実施例によれば、設定・送信入力部における選択によって、必要な検査項目のカートリッジについてのみ、選択表示用LEDが点灯する。したがって、人が判定入力スイッチを選択する際に、余分な検査項目について入力を行ったり、必要な検査項目で入力を忘れたりすることを防止できる。
【0062】
本実施例では医療機関でよく使用される5種類の検査項目に限定して作成してあるが、用途により装着ポートと検査項目数を増やして作成する場合もある。検査項目も尿検査試験紙の種類も製造元も変えない場合であれば、すべての検査項目について該当する尿検査試験紙の判定表の通りに色見本を配列した1つのカートリッジでポートに固定されて取り外さないものであっても使うことができるが、将来一部の変更があった場合でも再購入となりコストがかかる。
【0063】
図6は、本発明の尿検査試験紙による尿検査結果の判定用端末の実施例1の尿蛋白のカートリッジの上面図である。判定表と同じように横一列に判定入力スイッチが並べてある。判定入力スイッチ群の左側に検査項目や判定時間が記され、さらにその左に検査項目が選択されているかを示すLEDが配してある。配置はすべての検査項目のカートリッジで統一してあり、見やすくなっている。
【0064】
一つのカートリッジからは一つの結果しか出力できなくする必要があるので、各カートリッジが具備する判定入力スイッチ30は、同じカートリッジが具備する数個の判定入力スイッチ30のうち、一つだけしか選択できない構造である。訂正する場合は同一のカートリッジが具備する他の判定入力スイッチ30を選択することで、その前に選択した判定入力スイッチ30は選択が解除される。
【0065】
例として潜血のカートリッジ16が具備する数個の判定入力スイッチ30はどれか一つしか押す事が出来ず、このカートリッジ上の他の判定入力スイッチ30を押すとその他の判定入力スイッチ30が具備するLEDは消灯し選択解除となる。
【0066】
図7は、本発明の尿検査試験紙による尿検査結果の判定用端末の実施例1の各カートリッジの側面図である。尿ウロビリノーゲンのカートリッジ23には、判定入力スイッチ30が表面側に設けてあり、尿ウロビリノーゲンのカートリッジの接続端子31がカートリッジ裏面側に設けられている。同様に、尿蛋白のカートリッジ21には尿蛋白のカートリッジの接続端子32が、尿糖のカートリッジ19には尿糖のカートリッジの接続端子33が、尿pHのカートリッジ18には尿pHのカートリッジの接続端子34が、尿潜血のカートリッジ16には尿潜血のカートリッジの接続端子35が、それぞれカートリッジ裏面に設けられている。カートリッジごとに接続端子の位置は少しずつずれており、位置が重ならないようになっている。
【0067】
各項目のカートリッジが具備する各判定入力スイッチ30からの入力信号は、各カートリッジ下部のそれぞれ異なる位置に設けられた接続端子を介して本体の各ポートの各カートリッジ専用の位置の接続端子のみと接続される。尿ウロビリノーゲンのカートリッジ23の下部には第1の位置に尿ウロビリノーゲンのカートリッジの接続端子31が設けられており、尿蛋白のカートリッジ21の下部には第2の位置に尿蛋白のカートリッジの接続端子32が、尿糖のカートリッジ19の下部には第3の位置に尿糖のカートリッジの接続端子33が、尿pHのカートリッジ18には第4の位置に尿pHのカートリッジの接続端子34が、尿潜血のカートリッジ16の下部には第5の位置に尿潜血のカートリッジの接続端子35がそれぞれ設けられていることになる。
【0068】
本実施例においては、尿ウロビリノーゲンのカートリッジの接続端子31が一番左側にあり、つづいて、尿蛋白のカートリッジの接続端子32、尿糖のカートリッジの接続端子33、尿pHのカートリッジの接続端子34とつづき、一番右側に位置するのが尿潜血のカートリッジの接続端子35となる。
【0069】
(ポート)
図8は、本発明の尿検査試験紙による尿検査結果の判定用端末の実施例1の各カートリッジを外した状態の上面図である。判定用端末の各カートリッジの下には、図8に示したように、第1のポート36、第2のポート37、第3のポート38、第4のポート39、第5のポート40が縦一列に並べて設けてある。各ポートには、すべてのカートリッジの接続端子に接続するための接続端子が並べて設けてある。
【0070】
本体の各ポートには尿ウロビリノーゲンのカートリッジの接続端子31とのみ接続可能な位置に尿ウロビリノーゲンのカートリッジとの接続専用の接続端子41が設けられており、尿蛋白のカートリッジの接続端子32とのみ接続可能な位置に尿蛋白のカートリッジとの接続専用の接続端子42が、尿糖のカートリッジの接続端子33とのみ接続可能な位置に尿糖のカートリッジとの接続専用の接続端子43が、尿pHのカートリッジの持つ接続端子34とのみ接続可能な位置に尿pHのカートリッジとの接続専用の接続端子44が、尿潜血のカートリッジの持つ接続端子35とのみ接続可能な位置に尿潜血のカートリッジとの接続専用の接続端子45がそれぞれ設けられている。
【0071】
本実施例では、左から、尿ウロビリノーゲンのカートリッジとの接続専用の接続端子41、尿蛋白のカートリッジとの接続専用の接続端子42、尿糖のカートリッジとの接続専用の接続端子43、尿pHのカートリッジとの接続専用の接続端子44、尿潜血のカートリッジとの接続専用の接続端子45の順に設けてある。これらは、各カートリッジ裏面の接続端子の位置に相当する位置にある。図8においては、第5のポート40の接続端子のみ符号がつけてあるが、各ポートとも同じ配列で接続端子が並んでおり、縦一列は同じ符号の接続端子となる。すなわち、どのポートもいちばん左の接続端子が尿ウロビリノーゲンのカートリッジとの接続専用となる。
【0072】
本体の各ポートの接続端子41はすべて尿ウロビリノーゲンの制御用ICにつながっており、各ポートの接続端子42はすべて尿蛋白の制御用ICに、各ポートの接続端子43はすべて尿糖の制御用ICに、各ポートの接続端子44はすべて尿pHの制御用ICに、各ポートの接続端子45はすべて尿潜血の制御用ICにそれぞれ接続されているので、どのポートにどのカートリッジを接続しても間違いなく、専用の制御用ICに情報が伝達されるしくみである。
【0073】
各カートリッジの接続端子31、32、33、34、35はそれぞれのカートリッジが具備する判定入力スイッチ30からの入力の情報を本体内部の電子制御部のマイクロコンピューターに電気信号を伝達するための接続端子と、各判定入力スイッチ用LED27やそれぞれのカートリッジの選択表示用LEDを点灯させるための電源を供給する接続端子とからなる。尿ウロビリノーゲンの接続端子31は、尿ウロビリノーゲンのカートリッジ23を装着したポートの、尿ウロビリノーゲンのカートリッジとの接続専用の接続端子41と対になって接続する。尿蛋白のカートリッジの接続端子32は、尿蛋白のカートリッジ21を装着したポートの、尿蛋白のカートリッジとの接続専用の接続端子42と対になって接続する。尿糖のカートリッジの接続端子33は、尿糖のカートリッジ19を装着したポートの、尿糖のカートリッジとの接続専用の接続端子43と対になって接続する。尿pHのカートリッジの接続端子34は、尿pHのカートリッジ18を装着したポートの、尿pHのカートリッジとの接続専用の接続端子44と対になって接続する。尿潜血のカートリッジの接続端子35は、尿潜血のカートリッジ16を装着したポートの、尿潜血のカートリッジとの接続専用の接続端子45と対になって接続する。各カートリッジの接続端子は同じポート内の別の接続端子には接続できない位置に存在する。本実施例ではカートリッジの最大数は5つであるため各ポートの接続端子の数も5つであるが、各ポートに設ける接続端子の数は、接続可能とするカートリッジの数に応じて定めることができる。尿検査においては、少なくとも3以上は検査項目がある。たとえば、全員が同じ年齢で、検査項目が人によって異ならない場合には、必要な検査項目に応じた任意のカートリッジを選択して、ポートに、検査時に使用する尿検査試験紙の備える検査項目と同配列で装着してもよい。
【0074】
このため各カートリッジはどこのポートに接続されても、各カートリッジが具備する、それぞれ異なった判定入力スイッチの意味する情報を間違いなく本体内部の電子制御部へ伝達できる。このことで検査時に使用する尿検査試験紙の備える検査項目と同じカートリッジを選択し、これらの各カートリッジだけ前記の検査項目と同じ配列にポートに装着することで、検査項目の数と配列に完全に一致した、尿検査試験紙の検査結果の判定表となる。
【0075】
本実施例では、各医療機関でよく利用されている、尿ウロビリノーゲン、尿蛋白、尿糖、尿pH、尿潜血の5種類の検査項目の例で示した。現在では、一般的な尿検査試験紙で検査できる検査項目は約11種ほど存在しているので、この数だけのカートリッジと、ポートを設ければすべての場合に対応出来る尿検査試験紙の検査結果の判定表となる。したがって、多様なケースの試験に1つの端末で対応できる。
【0076】
製造元により、尿検査試験紙の備える検査項目、配列、判定表の色見本も異なる。そして各医療機関では一つの製造元に統一して、ある程度の期間継続して使用する傾向にあるので、判定用端末の導入時に、各医療機関で使用している尿検査試験紙に合わせてカートリッジを装備しておけば継続的に使用でき、使用する製造元を変更しても、色見本を取り替えるだけで、どの種類、どこの製造元にも対応可能となる。
【0077】
(制御)
各制御用ICによって各カートリッジが具備する判定入力スイッチからの入力情報と判定入力スイッチが具備する個々のLEDを制御する。各制御用ICはどの判定入力スイッチが押されたのかを判断し、その押された判定入力スイッチが具備するLEDを点灯させ、押されたスイッチの情報をマイクロコンピューターに伝達する。マイクロコンピューターはすべての各カートリッジからの情報と付加情報、設定スイッチの状態を統合し送信スイッチがおされるまで、出力待機状態を保持する。送信スイッチ15を押すまではすべての入力スイッチの訂正が可能である。
【0078】
また送信スイッチ15を押した時、マイクロコンピューターから入力漏れがあったカートリッジに、それを制御している制御用ICへ受け漏れ信号がフィードバックされる。この信号を受け取った制御用ICはそのカートリッジの判定入力スイッチが具備するLEDすべてを、あらかじめプログラムで設定された時間点滅し入力漏れを警告する。点滅による警告に加え、あるいは点滅による警告に代えて、ブザーやアナウンス等、音声による警告がされるようにしてもよい。
【0079】
(カートリッジの装着)
判定にあたり、まずはカートリッジを装着する。結果の判定と入力は、尿潜血については尿潜血のカートリッジ16、尿pHについては尿pHのカートリッジ18、尿糖については尿糖のカートリッジ19、尿蛋白については尿蛋白のカートリッジ21の蛋白、尿ウロビリノーゲン(略してウロビリと呼ばれる)については尿ウロビリノーゲンのカートリッジ23で行う。したがって、各医療機関で使用している尿検査試験紙と同じ順番で、その種類及び製造元に応じた色見本を有する検査項目別のカートリッジを配列しておく。
【0080】
図9は、尿検査試験紙と尿検査試験紙の項目順に配列したカートリッジとの対応を示す図である。尿検査試験紙51は、先端から順に、尿ウロビリノーゲンの試験紙片46、尿蛋白の試験紙片47、尿糖の試験紙片48、尿pHの試験紙片49、尿潜血の試験紙片50が縦一列に並べられた細い短冊状の紙である。各試験紙片の順番や数は、試験紙の種類や製造元により異なる。尿ウロビリノーゲンの試験紙片46、尿蛋白の試験紙片47、尿糖の試験紙片48、尿pHの試験紙片49、尿潜血の試験紙片50は、それぞれ、試験項目の成分量や性質に応じた呈色反応を示すものであり、種類や製造元により色が異なることがあり、また、同じ成分量や性質に対して呈色する色が異なることがある。
【0081】
図10は、尿検査試験紙による尿検査結果の判定表を示す図である。判定表には色見本26が並べてある。本実施例では、判定表と同じ行列で色見本が並ぶようにカートリッジを配列する。
【0082】
(付加情報の入力)
付加情報部の各スイッチで付加情報を入力する。尿の検査をしない時は、尿検査欠選択用入力スイッチ2を押す。これを押したときはすべての判定入力スイッチ30が押しても反応しない仕組みになっている。また各判定入力スイッチを入力し終わったあと、検査しないようになった場合、尿検査欠選択用入力スイッチ2を押すと、すべての判定入力スイッチが消灯し判定は入力できないようになっていて、尿検査欠選択用入力スイッチ2のLEDだけ点灯する。尿検査を後日に実施予定を入力するための、尿検査後日受診選択用入力スイッチ3も同様で、尿検査欠選択用入力スイッチ2と尿検査後日受診選択用入力スイッチ3はどちらか一方しか押せない仕組みである。また尿の検体がある場合は尿検体有無選択用入力スイッチ4の左側の「検体」と表示されたスイッチを押し、無いときは尿検体有無選択用入力スイッチ4の右側の「なし」と表示されたスイッチを押す。これらのスイッチを押した後、訂正するにはキャンセル用スイッチ5を押すと、付加情報の各スイッチが初期入力状態にもどる。また尿検体有無選択用入力スイッチ4は尿検査欠選択用入力スイッチ2と尿検査後日受診選択用入力スイッチ3のどちらかが押された状態のときは入力できない仕組みとなる。
【0083】
(設定)
Aコース選択スイッチ7とBコース選択スイッチ11の縦の列で、各コースと項目の選択をする。健康診断では年齢の違いで尿の検査項目が違う場合があり、これに対応するためコースごとに検査項目の種類が設定できる。ここでは2つのコースが設定可能である。Aコースが34歳以下で規定の検査項目が、蛋白、糖の2種類の場合であり、Bコースが35歳以上で規定の検査項目が、蛋白、糖、潜血の3種類の場合である。Aコースは、Aコース選択スイッチ7を押すことで選択され、蛋白と糖の項目は尿検査試験紙では必ずある項目なので強制的に選択され、他の項目選択スイッチがOFFになっていることを確認するだけでよい。このとき尿蛋白選択表示用LED22と尿糖選択表示用LED20が点灯し項目が選択されたことを確認できる。Bコースは、Bコース選択スイッチ11を押すことで選択され、蛋白と糖はAコースと同様で、第6の項目設定スイッチ14をONにするだけでよい。そして尿蛋白選択表示用LED22と尿糖選択表示用LED20、尿潜血選択表示用LED17が点灯し、項目が選択されていることを確認できる。
【0084】
(判定)
そして尿に浸けた尿検査試験紙を判定入力スイッチ30に近づけ各項目ごとに判定入力スイッチ30に付いている色見本26と比較し、同じ色の色見本を有する判定入力スイッチ30を押す。
【0085】
尿検査試験紙は項目により尿に浸してから判定するまでの時間が決まっているので、タイマー24で時間を計れるようになっている。判定までの時間は判定時間表示29に表示しあり、各カートリッジごとに同じ場所に表示してある。
【0086】
判定入力スイッチ30を押すと判定入力スイッチ用LED27が点灯し入力されたことを表示する。このとき同じカートリッジの判定入力スイッチ30は2つ以上同時には点灯しないようになっている。入力した後訂正したい時は、他の判定入力スイッチを押すと、訂正前の判定入力スイッチ用LED27は消灯する。また項目選択スイッチで選択されていない検査項目のカートリッジでは判定入力スイッチ30を押しても反応しないようにしている。他のカートリッジの判定入力スイッチについても同様である。しかし強制的に選択されている蛋白、糖を含む、第1〜第6の項目設定スイッチ8、9、10、12、13、14で選択されているのに、どれか1つでも判定入力スイッチの入力漏れがあるのに送信スイッチ15を押した場合は入力が漏れたことを警告するため、漏れがあった検査項目のカートリッジの判定入力スイッチ用LED27のすべてが点滅し、約3秒後に入力待機状態にもどり、結果は送信されず、誤入力を防止する。
【0087】
(デジタル出力)
入力情報がすべて入力されたら、最後に送信スイッチ15を押すとRS232Cの出力端子6より、結果がデジタル出力される。出力された後は最初の入力状態にもどり、つぎの入力の待機状態となる設計である。
【0088】
本実施例の判定用端末は米国マイクロチップテクノロジ社が発売するPICと呼ばれる、マイクロコンピュータで制御しており、内蔵のUSARTモジュールを使用し、RS232C端子により外部と非同期式通信を行っている。このプログラムはこれに対応するC言語の関数を用い動作させている。これにより内部の電子回路とプログラムの設計は専門家でなくても比較的簡単に作成する事が出来るため、電子回路とプログラムの記述は省略するが、各スイッチを押したときRS232C端子より出力される文字列をまとめた表は、表1のとおりであり、選択されたスイッチに対応する文字列のみが出力される。表1中の「エリア」はカートリッジのことを示す。また、各スイッチの欄には、スイッチの名称を符号番号で示す。符号番号の後にはそのスイッチで選択した内容を簡単に示してある。
【0089】
【表1】

【0090】
(作用効果)
本実施例によれば、入力漏れや入力ミスを防止し、入力に要する時間を短縮でき、コストを低く抑えながらもデジタル出力できる。詳細には、以下の作用効果を奏する。
・その色が意味する判定結果を選択するよりも、色をダイレクトに選ぶだけなので負担が少なくて済む。
・判定入力スイッチ30を選択した際に、すぐにその選択した色が示す判定結果を知ることができる。
・判定入力スイッチ用LED27は、その判定入力スイッチ用LED27を有する判定入力スイッチ30が指で押されたときに、そのカートリッジの制御用ICの制御により点灯する。したがって、選択した色見本がどれであるかが一目でわかる。
・尿検査の結果の判定と判定結果の入力を1回の操作で同時に行えるようにしてあるので、分析装置と比べて安価ながら、入力作業が極めて容易で、ミスが生じにくく、短時間でたくさんの検査の入力処理が行える。
・判定入力スイッチ用LEDが選択した入力スイッチの色見本の判定結果が正常値か異常値かを示すため、入力間違いを防ぐ効果を持つ。
・送信スイッチを選択した場合であって入力し忘れた検査項目があったときに作動する警告手段として、判定入力スイッチ用LED27が入力漏れの有無を示すため、入力漏れの注意を促され、必要な検査項目の入力を忘れてデジタル出力してしまうことを防止できる。
・試験を行う尿検査試験紙のメーカーや種類により、必要なカートリッジのみを必要な個所に装着することができるので、汎用性が極めて高い。また、判定時間も付記されているので、いちいち尿検査試験紙の瓶の表示を確認しなくても判定時間を誤ることがなく、人為的なミスを防止できる。
・設定・送信入力部における選択によって、必要な検査項目のカートリッジについてのみ、選択表示用LEDが点灯する。したがって、人が判定入力スイッチを選択する際に、余分な検査項目について入力を行ったり、必要な検査項目で入力を忘れたりすることを防止できる。
・多様なケースの試験に1つの端末で対応できる。
・尿検査試験紙の備える検査項目、配列、判定表の色見本も異なるが、使用する製造元を変更しても、色見本を取り替えるだけで、どの種類、どこの製造元にも対応可能となる。
・コースを選択でき、コースごとに検査項目の種類が設定できる。
・入力が漏れたことを警告し入力が漏れたままでは結果は送信されないため、誤入力を防止できる。
【0091】
また、本実施例によれば、尿検査の結果と付加情報をデジタル化するという目的に特化しており、極めて低コストで導入可能で、小型軽量で、持ち運びも容易であり、持ち運びが前提となる巡回健康診断では特に有用である。
【0092】
[実施例2]
図11は、本発明の尿検査試験紙による尿検査結果の判定用端末の実施例2の上面図である。実施例1との違いは、付加情報部に、尿検体有無選択用入力スイッチ4の代わりに、第1の付加情報選択スイッチ52、第2の付加情報選択スイッチ53、第3の付加情報選択スイッチ54、第4の付加情報選択スイッチ55を有し、したがって、入力できる情報が多くなっていることである。その他の点は実施例と同じである。第1の付加情報選択スイッチ52は、生理中の情報の入力スイッチで、第3の付加情報選択スイッチ54と同時には選択できない仕組みとなっている。第2の付加情報選択スイッチ53は、尿代謝物の検体がある、という情報を入力するための入力スイッチで、尿検査欠選択用入力スイッチ2又は尿検査後日受診選択用入力スイッチ3の入力があるときは、選択できない仕組みとなっている。このスイッチが選択された場合は、尿を施設に持ち帰って検査することを示す。第3の付加情報選択スイッチ54は、尿沈渣の検体がある、という情報を入力するための入力スイッチで、尿検査欠選択用入力スイッチ2又は尿検査後日受診選択用入力スイッチ3の入力があるとき又は第1の付加情報選択スイッチ52すなわち生理中の情報の入力スイッチの入力があるときは、選択できない仕組みとなっている。このスイッチが選択された場合は、尿を施設に持ち帰って検査することを示す。第4の付加情報選択スイッチ55は、尿検査試験紙での検査はしたが何らかの理由で尿の検体が無いときに、尿検体無しの情報を入力するための入力スイッチである。
【0093】
判定用端末1は尿を扱うため、表面および側面から尿が内部に入るのを防ぐ必要があるため、防水加工を施し、表面を清浄に保つため、なるべくスイッチなどの凹凸が少ない形状が望ましい。
【0094】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、その発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々と変形実施が可能である。また、上記各実施の形態の構成要素を発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に組み合わせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明に係る尿検査結果の判定用端末は、工業的に製造することが可能で産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の尿検査試験紙による尿検査結果の判定用端末の実施例1の上面図である。
【図2】本発明の尿検査試験紙による尿検査結果の判定用端末の実施例1の配線図である。
【図3】本発明の尿検査試験紙による尿検査結果の判定用端末の実施例1の判定入力スイッチの一つの上面図である。
【図4】本発明の尿検査試験紙による尿検査結果の判定用端末の実施例1の付加情報入力部の上面図である。
【図5】本発明の尿検査試験紙による尿検査結果の判定用端末の実施例1の設定・送信入力部の上面図である。
【図6】本発明の尿検査試験紙による尿検査結果の判定用端末の実施例1の尿蛋白のカートリッジの上面図である。
【図7】本発明の尿検査試験紙による尿検査結果の判定用端末の実施例1の各カートリッジの側面図である。
【図8】本発明の尿検査試験紙による尿検査結果の判定用端末の実施例1の各カートリッジを外した状態の上面図である。
【図9】尿検査試験紙と尿検査試験紙の項目順に配列したカートリッジとの対応を示す図である。
【図10】尿検査試験紙による尿検査結果の判定表を示す図である。
【図11】本発明の尿検査試験紙による尿検査結果の判定用端末の実施例2の上面図である。
【符号の説明】
【0097】
1 判定用端末
2 尿検査欠選択用入力スイッチ
3 尿検査後日受診選択用入力スイッチ
4 尿検体有無選択用入力スイッチ
5 キャンセル用スイッチ
6 出力端子
7 Aコース選択スイッチ
8 第1の項目設定スイッチ
9 第2の項目設定スイッチ
10 第3の項目設定スイッチ
11 Bコース選択スイッチ
12 第4の項目設定スイッチ
13 第5の項目設定スイッチ
14 第6の項目設定スイッチ
15 送信スイッチ
16 尿潜血のカートリッジ
17 尿潜血選択表示用LED
18 尿pHのカートリッジ
19 尿糖のカートリッジ
20 尿糖選択表示用LED
21 尿蛋白のカートリッジ
22 尿蛋白選択表示用LED
23 尿ウロビリノーゲンのカートリッジ
24 タイマー
25 判定結果表示
26 色見本
27 判定入力スイッチ用LED
28 検査項目名表示
29 判定時間表示
30 判定入力スイッチ
31 尿ウロビリノーゲンのカートリッジの接続端子
32 尿蛋白のカートリッジの接続端子
33 尿糖のカートリッジの接続端子
34 尿pHのカートリッジの接続端子
35 尿潜血のカートリッジの接続端子
36 第1のポート
37 第2のポート
38 第3のポート
39 第4のポート
40 第5のポート
41 尿ウロビリノーゲンのカートリッジとの接続専用の接続端子
42 尿蛋白のカートリッジとの接続専用の接続端子
43 尿糖のカートリッジとの接続専用の接続端子
44 尿pHのカートリッジとの接続専用の接続端子
45 尿潜血のカートリッジとの接続専用の接続端子
46 尿ウロビリノーゲンの試験紙片
47 尿蛋白の試験紙片
48 尿糖の試験紙片
49 尿pHの試験紙片
50 尿潜血の試験紙片
51 尿検査試験紙
52 第1の付加情報選択スイッチ
53 第2の付加情報選択スイッチ
54 第3の付加情報選択スイッチ
55 第4の付加情報選択スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
尿検査試験紙による尿検査結果の判定用端末に具備される判定用の入力スイッチにおいて、尿検査試験紙の判定表のうちの1つと同じ色の色見本を、前記色見本の判定結果をデジタル出力することの切替を行う選択部分又はその近傍に有し、尿検査の結果の判定と判定結果の入力を1回の操作で同時に行えるようにしたことを特徴とする入力スイッチ。
【請求項2】
さらに、選択した入力スイッチの色見本の判定結果が正常値か異常値か及び/又は入力漏れの有無を示すランプを有することを特徴とする請求項1記載の入力スイッチ。
【請求項3】
尿検査試験紙による尿検査結果の判定を行うための判定用端末であって、尿検査試験紙の判定表の1又は複数の検査項目について、検査項目毎の全ての色見本について、各色見本と前記色見本の示す判定結果の表示とを備えた入力スイッチを前記尿検査試験紙の判定表と同じ配列で配置してあることを特徴とする、尿検査試験紙による尿検査結果の判定用端末。
【請求項4】
尿検査試験紙による尿検査結果の判定を行うための判定用端末であって、
前記尿検査試験紙の全ての検査項目についての検査項目毎のカートリッジからなる群と、前記カートリッジをいずれも装着可能な少なくとも3以上のポートとを有し、
前記カートリッジが、尿検査試験紙の判定表の該当する検査項目の欄に並べられた色見本と同じ数の判定入力スイッチと、前記ポートに接続する接続端子とを備え、かつ前記判定入力スイッチはそれぞれ異なる色見本を備えるのものであって、
前記ポートが、各カートリッジに接続する接続端子を有し、
前記カートリッジからなる群から任意のカートリッジを選択して、前記ポートに、検査時に使用する尿検査試験紙の備える検査項目と同配列で装着することを特徴とする尿検査試験紙による尿検査結果の判定用端末。
【請求項5】
尿検査試験紙による尿検査結果の判定を行うための判定用端末であって、
検査項目毎の判定結果入力部、出力端子、設定・送信入力部を有し、
前記判定結果入力部が、検査項目毎のカートリッジを有し、各カートリッジには、尿検査試験紙の判定表のうちの1つと同じ色の色見本を前記色見本の判定結果をデジタル出力することの切替を行う選択部分又はその近傍に有する入力スイッチを該当する検査項目の判定表の色見本に対応するように並べてあり、各カートリッジで選択した1つの入力スイッチに応じてデジタル出力する内容を出力端子に送信するものであって、
前記設定・送信入力部が、検査項目を設定し、かつ、前記出力端子からの外部へのデジタル出力を行うものであって、
前記判定結果入力部が、前記設定・送信入力部で設定された検査項目に対応するカートリッジのみ入力可能となるものであることを特徴とする尿検査試験紙による尿検査結果の判定用端末。
【請求項6】
さらに、尿検査を行わないこと又は尿検査を後日行うことを含む、検査項目に対する判定結果以外の情報をデジタル出力するための入力部である付加情報入力部を有することを特徴とする請求項5記載の尿検査試験紙による尿検査結果の判定用端末。
【請求項7】
さらに、前記設定・送信入力部が、出力の実行を選択する送信スイッチを有し、前記送信スイッチで出力の実行を選択した場合であって入力し忘れた検査項目があったときに作動する警告手段を有することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の尿検査試験紙による尿検査結果の判定用端末。

【図1】
image rotate

【図3】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図2】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−101660(P2010−101660A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−271459(P2008−271459)
【出願日】平成20年10月21日(2008.10.21)
【特許番号】特許第4313839号(P4313839)
【特許公報発行日】平成21年8月12日(2009.8.12)
【出願人】(505344096)
【Fターム(参考)】