説明

尿温の変動からその要因となる健康情報を選択し報知する尿温測定装置

【課題】尿温の比較的小さな変動に対しても、その変動の原因を推定して被験者の健康情報として報知する装置の提供。
【解決手段】被験者の排泄する尿の温度である尿温を測定し、その結果に基づいて被験者の健康状態に関する健康情報を報知する尿温測定装置において、尿温に影響を与える尿温影響要因の状態値を取得する尿温影響要因状態取得手段と、前記尿温影響要因状態取得手段が取得した前記状態情報の状態値が、被験者の通常値範囲とした状態基準範囲に含まれるか否かを判断する尿温影響要因状態判定手段と、を有し、測定した尿温が、測定前に蓄積された尿温値で作成される尿温基準範囲外となった場合に、前記尿温影響要因状態取得手段が取得した尿温影響要因の状態値のうち、前記尿温影響要因状態判定手段によって状態基準範囲外と判定された前記尿温影響要因の状態値に基づいて、健康情報を作成して報知することを特徴とする尿温測定装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体から排泄された尿温から健康情報を被験者に告知する生体情報測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
長寿高齢化に伴い、健康管理に対して個人の関心が高まっており、近年では疾病の早期発見と疾病治療中或いは治療後の健康管理を目的とした自己健康チェックが重要なテーマとなっている。そのために種々の項目が管理対象とされているが、体温も個人の体調により変化することが知られており、健康管理のための対象項目の一つとされている。従来行なわれている体温の測定は、体温計を腋下や舌下に挟んで測定するものであり、一定時間保持しないといけない等の各種の制約があり個人によるバラツキが生じやすい測定方法のため測定結果が安定せず真の体温を測定しているとは言い難かった。
そこでそれらに代わる真の体温測定方法として、従来から真の体温(その時の被験者の本当の体温のことで、以下、便宜上この体温を指して単に「体温」呼ぶ)と密接な関係があることが知られていた、排尿された直後の尿の温度(以下、これを尿温と呼ぶ)を測定することが提案されている。
【0003】
例えば特許文献1には、体温を測定する装置として、排泄する尿を受ける小便器や大便器内に感温体を備えた受尿部を設けて尿の温度を測定する尿温度測定装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2のように、便器のボール面に尿の温度によって色調が変わるシールを設けて、色調によって健康状態を確認しようとする装置も開示されている。
【0005】
一方、尿温を始めとする体温は平常の健康な状態においても、比較的小さな変動があり、その一例としてサーカディアンリズムと呼ばれる体内リズム変動による周期的なものがあることが知られている(特許文献3参照)。
【0006】
さらにこの比較的小さな変動には周期的ではない変動もあり、その変動要因として、起床時刻、就寝時刻、飲酒の有無などの被験者の意図が大いに及ぶもの(以下、生活情報と呼ぶ)と、年齢、性別、血圧、ストレスを始めとする軽微な健康状態の変化などの被験者の意図が及びにくいもの(以下、生体情報と呼ぶ)とが挙げられる。
【0007】
【特許文献1】特開昭63−171933号公報
【特許文献2】特開2004−117336号公報
【特許文献3】特開平6−189914号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上述べたように、体温の比較的微小な変動要因は多様なものが考えられるため、その要因が明確になっていない条件下では、比較的微小な変動をも上回る大幅な変動が計測された場合のみ異常と判断できないこととなる。即ち、特許文献1,2に記載の尿温度測定装置は、いずれも体温情報として尿温を測定しているが、いかに精密に測定できたとしても尿温の測定結果のみでは、風邪などの発熱といった大きな体調変化に伴う健康状態の把握しか確認することができなかった。

【0009】
従って、本発明の目的は、尿温を測定するだけでなく尿温に影響のある要因である、生活情報や生体情報を取得し、尿温の比較的小さな変動に対しても、その変動の原因を推定して被験者の健康情報として報知する装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明では、
被験者の排泄する尿の温度である尿温を測定し、その結果に基づいて被験者の健康状態に関する健康情報を報知する尿温測定装置において、
尿温に影響を与える尿温影響要因の状態値を取得する尿温影響要因状態取得手段と、
前記尿温影響要因状態取得手段が取得した前記状態情報の状態値が、被験者の通常値範囲とした状態基準範囲に含まれるか否かを判断する尿温影響要因状態判定手段と、を有し、
測定した尿温が、測定前に蓄積された尿温値で作成される尿温基準範囲外となった場合に、前記尿温影響要因状態取得手段が取得した尿温影響要因の状態値のうち、前記尿温影響要因状態判定手段によって状態基準範囲外と判定された前記尿温影響要因の状態値に基づいて、健康情報を作成して報知することを特徴としている。
【0011】
上記構成により、被験者は、尿温と生活情報および生体情報を測定ことにより、体の健康状態を示す尿温が基準範囲の外に変動した場合に、その要因を生活情報および生体情報から適切に把握することが可能である。健康状態を示す尿温の変動を第一の情報とし、被験者は尿温が変動した要因を把握することで、日々の健康を保つための指針として被験者自身が活用することが可能である。
【0012】
また、前記尿温基準範囲は、被験者の過去の一定期間の尿温値の中で、前記尿温影響要因状態判定手段が状態基準範囲の内とした尿温値にて、作成されることを特徴としている。
【0013】
上記構成により、過去の一定期間で、生活情報や生体情報という尿温影響要因が基準範囲の内を選択することにより、被験者一人一人に合致した、つまり個人差を加味した健康状態の良い時の尿温の範囲を作成することが可能である。
【0014】
また、前記尿温基準範囲は、被験者の過去の一定期間の尿温値の中で、予め決められた分布範囲の尿温値にて、作成されることを特徴としている。
【0015】
上記構成により、過去の一定期間で、予め決められた分布範囲の尿温値を選択することにより、過去の一定期間中、継続的に健康状態が優れなかったとしても、一般的な被験者が健康状態が良いとした予め決められた分布範囲の尿温を選択することにより、健康状態の良い時の尿温の範囲を作成することが可能である。
【0016】
また、前記状態基準範囲は、被験者の過去の一定期間の状態情報の情報値の中で、予め決められた分布範囲の情報値にて、作成されることを特徴としている。
【0017】
上記構成により、過去の一定期間で、生活情報や生体情報といった状態値を、一般的な健常者が取り得る範囲内を対象とすることができ、健康状態が良いと考えられる状態値の範囲を作成することが可能である。
【0018】
また、被験者固有の前記状態値の通常値範囲を作成する状態基準範囲作成手段を備え、前記尿温影響要因状態取得手段が取得した前記状態値を蓄積して前記状態基準範囲を作成することを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、被験者の尿温を利用した健康判断において、尿温が変動した際に幾つかあるその要因から、影響度合いの高い要因を導出し、被験者一人一人に合致した健康アドバイスを報知することできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を、図面により詳細に説明する。
【0021】
[1.尿温測定装置の概要]
以下、本発明を適用した尿温測定装置の実施形態について図面を参照して具体的に説明する。図1は、本実施形態に係る尿温測定装置及び尿温測定装置を備えたトイレシステムを示す外観斜視図であり、図2は、図1に示すトイレシステムが備えた便器の側断面図であり、図3は、図1に示す尿温測定装置が備えたリモコン装置の外観斜視図である。
【0022】
図1及び図2に示すように、尿温測定装置4は、トイレブース2に設置されている便器3と、便器3に取り付けられた尿温測定装置本体6と、を有している。なお、本実施形態では、尿温測定装置本体6には人体の局部を洗浄するための局部洗浄装置9が組み込まれている。そのため、リモコン装置5は後述するように、尿温測定装置本体6だけでなく便器3及び局部洗浄装置9を操作する機能も併せ持っている。
【0023】
尿温測定装置4は、被験者Pの排泄口Dから体外に排泄された排泄尿の温度である排泄尿温を測定するものであり、図1及び図2に示すように、便器3の後上部に載置された尿温測定装置本体6と、この尿温測定装置本体6に回動自在に設けられた便座7と、同じく尿温測定装置本体6に回動自在に設けられた便蓋8と、トイレの壁面に設けられたリモコン装置5と、を有している。また、便器3の前方の床には、体重計13が埋め込まれている。
【0024】
リモコン装置5には、尿温測定装置本体6の機能だけでなく、これらの局部洗浄装置9や便器3のそれぞれの機能をも、被験者がそれらの実行を指示するための操作ボタン群と、測定結果や各種メッセージを表示する表示部31と、が設けられている。
【0025】
なお、尿温測定装置本体6の内部には、図示を省略するが、被験者Pの局部を自動洗浄する局部洗浄装置や便座暖房装置等の便器3の利便性を向上するための各種装置が収納配設されており、局部洗浄機能や便座暖房機能等のそれぞれの機能を実行できるように構成されている。
【0026】
次に尿温の測定する尿温測定ユニット10について説明する。図2に示すように、温度測定ユニット10は、便器3のリム部3aに設けられスイングアーム駆動部(図示せず)を内蔵した支持ボックス16と、一端を支持ボックス16内に設けられたスイングアーム駆動部に回動自在に支持されたスイングアーム18と、スイングアーム18の他端に連設された受尿容器20と、受尿容器20の内部に設けられた温度センサ11と、を有している。
【0027】
さらに詳しくは、採尿容器20のは浅い船底形を呈し、その底部には尿溜まりが形成されている。尿溜まりに面して採尿容器20にはサーミスタ11が埋め込んであり、尿溜まりに溜まった尿の温度を検出するようになっている。、また、サーミスタ11で検出した温度信号はスイングアーム18に内蔵された電線を通じて尿温測定装置6の信号処理部へとつながっている。
【0028】
なお、本実施例では、尿温を測定する感温部としてサーミスタを用いたが、白金抵抗体でも熱電対でも実現可能である。また、採尿容器に尿を溜めなくとも放尿される尿を直接感温部に接触させることで測定してもよい。さらに、感温部に直接尿を接触させなくとも、サーモパイルなどの熱線を検知する非接触タイプ方式の感温手段でも問題ない。また、尿温測定装置本体は、本実施例のように便座に組み込むタイプもあれば、それ自体がハンディタイプになっており、モータなどの駆動部を使う代わりに被験者が手動で直接尿をためる構造であってもよい。
【0029】
[2.尿温測定装置の動作概要]
次に、図4のフローチャート参照しながら、健康情報を作成し表示するまでの尿温測定装置定4の動作と被験者の動作とを説明する。
【0030】
被験者となる個人別に割り当てられてリモコン装置5に設けられた個人別スイッチ30にて、測定が開始するものである。個人別スイッチ30を押すことにより、使用前に予め被験者が設定し、リモコン装置5の記憶部に蓄えられた、性別、年齢などの個人情報のデータを参照してから測定が進行していくこととなる。また、測定して得られる尿温他の測定値が被験者間で混在しないように管理することが可能な構成となっている。さらにまた、リモコン装置5には時計機能を有した時計部も有している。
【0031】
始めに、リモコン装置5の個人別スイッチ30が押されると、予め設定された個人情報が、リモコン装置5の記憶部から読み出される(S1)。
【0032】
次に、リモコン装置5の表示部31に、「尿温測定を開始します。採尿容器に尿をかけてください」という被験者に次の動作を促すメッセージが表示され、それと共に、尿温測定装置本体6がの採尿容器が所定の尿温測定位置まで移動する。移動が完了した後、被験者は採尿容器に尿を放尿し尿温を測定する(S2)。
【0033】
次に、このときが起床した直後かどうかを問うメッセージが表示される(S3)。
起床した直後である場合(S3;Yes)は、被験者は生活情報を尿温測定装置4にて測定するか、または、リモコン装置5を用いて被験者が入力する(S4)。
【0034】
次に、生体情報を尿温測定装置4にて測定、または、リモコン装置5を用いて被験者が設定する(S5)。
【0035】
そして、リモコン装置5の制御部にて、得られた尿温と生活情報、生体情報を元に健康情報を作成する(S6)。
【0036】
最後に、表示部31に測定した尿温や生活情報、生体情報と共に、被験者の健康情報が表示される(S7)。これにより、被験者は自らの健康状態を把握することが可能となる。
【0037】
また、S3にて尿温を測定するタイミングが起床した直後以外(例えば日中)である場合(S3;No)には、被験者は中止スイッチ34を押す(S11)。すると、尿温のみを表示部に表示して(S12)、測定は完了となる。
【0038】
以上の手順の具体例として、起床した直後の尿温と生活情報、生体情報を使用して健康情報を作成する場合で、生活情報として起床時刻・飲酒の有無または量を、生体情報として体重の、4つの指標を使用した場合を挙げて以下に説明する。
【0039】
起床時の尿温であるか否かの判定は、、リモコン装置5の表示部31に、「起床した直後ですか?そうであればOKスイッチを押してください」という被験者に動作を促すメッセージが表示される。被験者は、そうであればリモコン装置5の決定スイッチ33を押すことで実施する。これにより、起床直後の測定であることが確認され、リモコン装置5の時計機能により、決定スイッチ33が押された時刻を、起床時刻として抽出する。
【0040】
また、生活情報としての飲酒の有無および量の入力は、リモコン装置5の表示部31に、「昨夜の飲酒はありましたか?有無の選択および有の場合、かなりの飲酒した、程ほど飲酒した、少し飲酒した、から選択してください」という被験者に動作を促すメッセージが表示され、被験者は、条件選択には調整スイッチ32を、決定には決定スイッチ33を押すことで、昨夜の飲酒の有無および飲酒量といった飲酒状況の入力を実施する。なお、かなりの飲酒をしたを飲酒レベル3、程ほど飲酒したを飲酒レベル2、少し飲酒したを飲酒レベル1とし、飲酒をしていない場合を飲酒レベル0と呼ぶこととする。
【0041】
また、生体情報としての体重値の取得は、リモコン装置5の表示部31に、「体重測定を開始します。体重計に乗ってください」という被験者に動作を促すメッセージが表示され、被験者は便器前方の体重計13にて体重測定を実施することによって行なわれる。
【0042】
そして、以上で得られた尿温、起床時刻、飲酒の有無または量、体重が演算情報としてリモコン装置5の制御部に送られて、健康情報が作成されることとなる。
【0043】
[3.尿温測定処理の詳細]
続いて、図5の尿温を測定するフローチャートを併せて参照しながら、尿温の測定に関わる一連の流れを、尿温測定装置6の一態様を例に挙げて説明する。
【0044】
始めに、被験者が便座7に着座し、個人別スイッチ30を押すと(S101)、尿温測定装置4の制御部はスイングアーム駆動部のモータ(図示せず)を回転させ、受尿容器20を支持ボックス16内から便器3のボール3b側の、被験者Pから排泄された尿を受けるために設定されている所定の採尿位置に進出させる(S102)。
【0045】
このとき、被験者は、採尿容器20が自分にとって適切な位置になるよう、リモコン装置5の調整スイッチ32を押すことにより、採尿容器20をボール3b内で、前後方向に調整することが可能である。
【0046】
その後、被験者は適切な位置に採尿容器20が進出して停止した後に、採尿容器20に向かって放尿する(S103)。尿は採尿容器20に命中し、尿溜まりに集積する。その集積された尿の温度をサーミスタ11で測定し、尿温測定装置本体6の制御部で演算され、尿温が算出される(S104)。
【0047】
次に、被験者の放尿が完了し、リモコン装置5の中止スイッチ34が押された時点、もしくは放尿後一定時間が経過した後(S105)、採尿容器20が再び支持ボックス16へ収納される(S106)。
【0048】
次に、収納された採尿容器20は、支持ボックス16に設けられた、洗浄装置(図示せず)によって、採尿容器20やサーミスタ11が上水や洗剤によって洗浄され(S107)、次回の尿温測定に備えることとなる。
【0049】
[4.各機器の信号接続状態]
続いて、図6に示す機器間の信号ブロック図を併せて参照しながら、各機器間の情報のやり取り状況について説明する。
【0050】
尿温測定装置本体とリモコン装置はそれぞれ送信部と受信部とを有しており、双方向の通信を実現している。図6に示すように、電波や赤外線を用いた無線接続の他に、信号線を利用した有線接続でも実現可能である。
【0051】
始めに尿温測定装置本体6の構成から説明する。尿温測定装置本体6は、制御部14を制御の中心とし、尿温を計測する尿温測定ユニット10、局部洗浄を行なう局部洗浄装置9、が接続され、また、外部の機器と信号の送受信を行なう通信部21、も接続される構成となっている。制御部14は、それぞれの機器の動作制御を行い、また、通信部21を通じてリモコン装置4との信号の送受信を実施している。さらには、本実施例では、体重計13が通信線によって尿温測定装置本体6に接続されている。
【0052】
情報の流れとしては、リモコン装置4から動作開始に関わる信号が送信され通信部21に受信されると、制御部14は受信した動作開始に関わる信号に基づき、尿温測定ユニット10、局部洗浄ユニット9、体重計13の動作を開始させる。また、尿温測定ユニット10と体重計13の動作完了後には、制御部14は、測定した尿温や体重値情報を有する信号を制御部14にて生成し、通信部21を通じて、リモコン装置4へと送信するものである。
【0053】
続いて、リモコン装置4の構成は、制御部15を制御の中心とし、時刻を計測する時計部37、測定値や予め設定した情報を記憶する記憶部151、測定結果や操作を促すメッセージや健康情報を表示する表示部31が接続され、また、被験者が尿温測定を開始させるための個人スイッチ30、局部洗浄装置の各種機能を作動させるための局部洗浄装置作動スイッチ93、及び、調節スイッチ32、決定スイッチ33、中止スイッチ34からなる状態設定スイッチ94が接続される構成となっている。制御部15は、それぞれの機器の制御を行い、また、通信部を通じて尿温測定装置本体6との信号の送受信を実施している。
【0054】
情報の流れとしては、被験者が個人別スイッチ30や局部洗浄装置作動スイッチや状態設定スイッチ94を押すことにより、、制御部15にて、対応する送信信号が作成され、通信部22を通じて尿温測定装置本体6へ送信される。これにより、前述のように、尿温測定装置本体6の尿温測定ユニット10や局部洗浄装置9、体重計13それぞれの機器の動作が開始される。測定完了後、尿温測定ユニット10で測定した尿温や体重計13で測定した体重は、同じく前述のように尿温測定装置本体6の通信部21から送信され、リモコン装置4の通信部22を通じて、記憶部151に蓄えられる。起床時刻と飲酒状況の情報は、状態設定スイッチ94で設定され、同じく記憶部151に蓄えられる。
【0055】
このように測定されて記憶部151に蓄えられた、尿温、起床時刻、飲酒の有無または量、体重を利用して、制御部15にて、健康情報が生成されることとなる。また、制御部15の情報は、表示部31を通じて被験者に報知されるものである。
【0056】
[5.尿温の生理学観点の情報]
尿温を始めとする体温は、大きな値の変動として、風邪を疾患した場合には尿温が上昇したり、成人女性では性ホルモンの働きにより高温相、低温相からなる月経周期により高低を一定期間で繰り返すといったように変動している。尿温の変動幅は、風邪を疾患した場合には、平常時の尿温に比べて1.0℃以上の変動が確認される場合もあるし、月経周期における高温相と低温相の差は、0.5℃程度といったように大きな値となる。これら大きな値の変動は、被験者自身でも、尿温の値を確認するだけで、要因を認識できるものである。
【0057】
しかし、尿温は前述の被験者自身が要因を認識できる大きな変動以外に、日々、被験者自身がその要因を容易に認識できない程度の比較的小さな変動も発生している。これらの比較的小さな変動が発生する要因は、その特性によって以下に述べる4種類に分けられる。
【0058】
即ち、年齢・身長・性別・日内変動といった個人の意図が及び難くいが変動範囲は決まっているもの(以下、生体情報Aと呼ぶ)と、体重・BMI・体調・ストレス・環境温度といった個人の意図が及び難く変動範囲も決まっていないもの(以下、生体情報Bと呼ぶ)、起床時刻・就寝時刻・睡眠時間・測定時刻といった個人の意図が大いに及び且つ必ず発生するものであるが、その発生の仕方が個人によって異なるもの(以下、生活情報Aと呼ぶ)と、飲酒量・飲酒時刻・食事の量や時刻・入浴の状態や時刻・運動の種類や時刻・薬剤の種類や量といった個人の意図が大いに及ぶが必ず発生するとは限らないもので、その発生の仕方が個人によって異なるもの(以下、生活情報Bと呼ぶ)に分類される。
【0059】
また、これら尿温を変動させる要因は、被験者一人一人に与える影響が一律ではなく個人差が大きく現れるものである。
【0060】
このように尿温の変動を把握することは、尿温が変動する要因である様々な生体情報の変化や生活情報の変化の影響を知ることと同一であり、被験者は日常の健康管理に有用な情報を得ることが可能である。
【0061】
本実施例では、前述のように、尿温を測定する測定タイミングを起床時とし、また、尿温が変動する要因として、生体情報から体重、生活情報から起床時刻および飲酒の有無または飲酒量に着目して説明する。
【0062】
これまでの発明者の研究により、通常の生活状態を基準とした際に、起床時刻が遅くなると尿温が上昇する傾向、また、前日夜の飲酒量が一定以上となると翌日の起床時の尿温が上昇する傾向、さらに、体重が増加すると尿温は上昇もしくは体重が減少すると尿温は低下する傾向を確認している。
【0063】
これら生活情報や生体情報が尿温に与える影響の仕組みは、夫々次のように考えられる。第一の起床時刻が遅くなると尿温が上昇する傾向は、尿温をはじめとする体温は起床時付近で最低となり昼すぎに最高となる規則的な日内変動周期(サーカディアンリズム)を有しており、起床時刻がずれるとその分、起床時の尿温も高くなってしまうためと考えられる。
起床時刻が被験者の標準的な起床時刻と異なり続けると、尿温をはじめとする体温の変動が規則的な日内変動周期を有さなくなるようになり、結果として、被験者の生活リズムが不安定となり、健康状態が悪化するようになる。
【0064】
第二の前日夜の飲酒量が一定以上になると翌日の起床時の尿温が上昇する傾向は、飲酒により就寝中の体温が変動が急激に低下しその反動で起床時の尿温が急激に上昇するためと考えられる。一定以上の飲酒を行い続けると尿温の変動が規則的な日内変動周期を有さなくなり、結果として健康状態が悪化するようになる。
【0065】
第三の体重の変動と尿温の変動に関しては、例えば体重の増加より尿温が変動する例として、体重の増加により体表面積が増え、放熱機能が高まり、尿温が変動するためと考えられている。急激な体重の増加は、健康維持にとって悪影響を及ぼすことが想定されるが、尿温の低下によって、その影響を客観的に把握することができる。
【0066】
また、ここで言う通常の生活状態とは、起床時刻の観点では、例えば、毎日7時に起床して仕事に出かけるといった出勤時刻が決まっている者が被験者であるケースの勤務日を想定している。このケースにおいては、起床時刻が遅れる例としては、休日で起床が遅くなる場合や、疾病により起床時刻が遅れる場合を想定している。
【0067】
また、飲酒量に関する通常の生活状態とは、普段飲酒を行わない者であれば飲まないことがが該当し、晩酌をしている者であれば通常の飲酒量の晩酌が該当する。飲酒量が一定以上となる例としては、普段飲酒を行わない者であれば飲酒を行った場合や、晩酌している者であれば通常よりも多くの量を飲酒した場合が該当する。
【0068】
さらに体重の通常状態とは、例えば、BMI(Body Mass Index)が適正といわれる22付近であり、体重が増加する例としては、過飲食や著しい運動不足により体重が著しく変化した場合を想定している。
【0069】
これら3つの要因が、尿温に変動要因として作用する期間は、起床時刻や飲酒量は測定した当日の時刻や前日の飲酒状況によるものであり短期的視点での変動要因であるが、それに対して、体重は日々除々に変化するものであり長期的視点での変動要因である。
【0070】
[6.尿温から健康情報を作成する手順]
続いて、図7の健康情報の作成手順を示したフローチャートを参照し、リモコン装置の制御部にて、尿温から健康情報が作成され、リモコン装置の表示部に健康情報として表示されるまでの手順を示す。
【0071】
始めに、尿温および尿温影響要因(n)の状態値の測定又は被験者の設定操作により、尿温や尿温影響要因の状態値がリモコン装置の制御部に入力される(S201)。なお、ここで、尿温影響要因(n)は、複数の尿温影響要因であることを示す。
【0072】
次に、リモコン装置の記憶部に蓄積された過去の尿温と今回測定した尿温とを利用して、リモコン装置の制御部にて、被験者個人の尿温基準範囲が作成される(S202)。
【0073】
次に、今回測定した尿温が、先に作成した尿温基準範囲の内であるか否かを、リモコン装置の制御部にて判定する(S203)。
【0074】
その結果、今回測定された尿温が尿温基準範囲の外となった場合(S203;No)には、リモコン装置の記憶部に蓄積された尿温影響要因(n)の状態値を利用して、リモコン装置の制御部にて、尿温影響要因(n)の状態値の基準範囲として状態基準範囲が作成される(S204)。また、今回測定された尿温が尿温基準範囲の内となった場合(S203;Yes)には、予め用意された健康情報が採用される(S231)。
【0075】
次に、今回測定した尿温影響要因(n)の状態値がこの作成した状態基準範囲の内であるかを、リモコン装置の制御部にて判定する(S205)。
【0076】
ここで、今回測定した尿温影響要因(n)の状態値が状態基準範囲の外となったものだけが採用され(S206)、状態基準範囲ものは尿温影響要因として採用されない(S207)。これを全ての尿温影響要因(n)に対して繰り返し行なう(S207)。次に、採用された尿温影響要因(n)があるか否かを判断して(S208)、1つ以上あった場合(S208;Yes)は、それらの状態値に基づいて、リモコン装置の制御部にて健康情報が作成される(S209)。なかった場合(S208;No)は、予め用意された健康情報が採用される(S231)。
【0077】
最後に、作成された健康情報を、リモコン装置の表示部への表示を通じて被験者に報知する(S210)。
【0078】
なお、ここで予め用意された健康情報(S231)とは、予めリモコン装置の記憶部に用意された情報であり、今回測定した尿温が尿温基準範囲の内であった場合(S203;Yes)には、“健康状態は良い”というものが選択される。また、今回測定した尿温が尿温基準範囲の外なったが尿温影響要因(n)の状態値がすべて状態基準範囲の内であった場合(S208;No)には、“健康状態は悪いが要因が不明”という情報を健康情報として選択される。
【0079】
続いて、実際の変動を示したグラフを用いて、尿温と、尿温影響要因として起床時刻、飲酒の量、体重を例とした健康情報を作成する手順を具体的に説明する。図8(イ)は、起床時の尿温の日々の変動の例、図8(ロ)は、起床時刻の日々の変動の例、図8(ハ)は、前日夜の飲酒の量の日々の変動の例、図8(ニ)は、体重の日々の変動の例を、夫々示したものである。
【0080】
なお、今回の実施例で用いる起床時刻、飲酒量、体重を尿温影響要因と定義し、それぞれの値が状態値であり、また、起床時刻を測定する時計部、飲酒量を設定するスイッチ部、体重を測定する体重計が尿温影響要因取得手段であり、起床時刻の基準範囲や飲酒量の基準値や体重の基準値をそれぞれ状態基準範囲としている。
【0081】
図8(イ)では日々の尿温の変動40に加え、通常の健康的な生活状態で尿温がとり得る範囲である尿温基準範囲である上限値41および下限値42もあわせて記載されている。
【0082】
図8(ロ)では日々の起床時刻の変動50に加え、通常の健康的な生活状態に影響がない起床時刻の基準範囲である上限値51および下限値52もあわせて記載されている。
【0083】
図8(ハ)では日々の前日夜の飲酒量の変動60に加え、通常の健康的な生活状態に影響がない飲酒量の基準である上限値61もあわせて記載されている。
【0084】
図8(ニ)では日々の体重の変動70に加え、健康的な生活状態に影響がない体重の基準である上限値71もあわせて記載している。
【0085】
なお、図8(イ)、図8(ロ)、図8(ハ)、図8(ニ)は、実施例を説明するために11週間分の尿温他の測定値を時系列に記載したものであり、尿温他を測定した際には、過去の測定値をもとに、基準基準範囲が作成され、直ちに健康情報が導出されるものである。
【0086】
次に、今回測定もしくは設定した、起床時刻や飲酒量や体重が基準の内であるかを判定する。
【0087】
次に、判定の中で基準の外となった要因のみの組み合わせを行い健康情報を作成し、表示部に表示して被験者に報知するものである。
【0088】
健康情報の例としては、先に示した図8の(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)までのグラフを参照して説明する。
【0089】
判定日1は、尿温が尿温基準範囲の外になり起床時刻が起床時刻の範囲の外になった例である。その際の健康情報は、「尿温が適正範囲の外になっており、健康状態の悪化が懸念される。起床時刻を通常通りの時刻に行ない、健康状態に留意しましょう」といった旨の表示となる。
【0090】
また、判定日2は、尿温が尿温基準範囲の外になり飲酒量が基準値の外になった例である。その際の健康情報は、「尿温が適正範囲の外になっており、健康状態の悪化が懸念されます。昨晩のような飲酒を控え、健康状態に留意しましょう」といった旨の表示となる。
【0091】
また、判定日3は、尿温が尿温基準範囲の外になり起床時刻が起床時刻の範囲の外になり、かつ、体重が基準値の外になった例である。その際の健康情報は、「尿温が適正範囲の外になっており、健康状態の悪化が懸念されます。起床時刻を通常通りの時刻に行ない、かつ、ダイエットを行い体重を落とし、健康状態に留意しましょう」といった旨の表示となる。このように、尿温が尿温基準範囲の外になり、その要因の組み合わせにて、健康情報が作成されることとなる。
【0092】
また、判定日4ような尿温が尿温基準範囲の外であるが、要因が範囲の外になるものがない場合には、「尿温が適正範囲の外になっており、健康状態の悪化が懸念されます。健康状態に留意しましょう」といったように、要因には言及しないが健康に注意を促す旨の表示となる。
【0093】
最後に、判定日5のような尿温が尿温基準範囲の内である場合には、「尿温が適正範囲の内で、健康状態が維持されています」といった旨の表示となり、被験者に良い傾向であるということも報知するものである。
【0094】
[8.状態基準範囲および尿温基準範囲の作成手順]
以上述べてきた本発明に使用する状態基準範囲および尿温基準範囲の作成手順について、以下に具体的な例をあげて説明する。
まずはじめに、状態基準範囲の作成手順について説明する。
[0088]
図8(ロ)に示した起床時刻の日々の変動における状態基準範囲は、過去の起床時刻の測定値から、被験者が通常起床する時刻を算出し、その起床時刻から90分後を上限値とし、その起用時刻から90分前を下限値となる範囲である。本実施例の被験者の場合、勤務日は決まった時刻から勤務を開始することから、ほぼ決まって6:45に起床する生活を送っており、その6:45を通常の起床時刻としている。前後90分という値は、発明者のこれまでの調査により、起床時の尿温は、起床時刻の相違が90分以内の相違であれば、影響を与えないことを確認しているためである。なお、別の被験者にて、通常の起床時刻が7:00であれば、7:00を通常の起床時刻とし前後90分以内が、起床時刻の基準範囲となる。
【0095】
図8(ハ)に示した日々の前日夜の飲酒量の変動の上限値は、本実施例の被験者の場合、飲酒レベル2(程ほど飲酒した)以上としている。ただそ、飲酒量の上限値は個人差が大きい指標であり、例えば、毎晩晩酌を行う被験者の場合には、飲酒レベル3(かなり飲酒した)を飲酒量の上限値と設定を変更するこが適当であろう。また、飲酒レベルは被験者自身が、リモコン装置を通じて飲酒レベルを選択することになっているが、リモコン装置にアルコール濃度計を設ければ、息を吹きかけけることで呼気アルコール濃度を測定し、飲酒量の上限値をより詳細に決定することが可能である。
【0096】
図8(ニ)に示した日々の体重の変動に関しては、本実施例の被験者の場合、BMI=25を、健康的な生活に影響がない体重の上限値としている。BMI=25は、一般的に適正範囲の上限値である。なお、体重値の尿温に対する影響も個人差の大きい指標であり、BMIで既定するほかに、数週間の平均と偏差を算出し、平均+偏差といった値で上限値を算出することも可能である。
【0097】
本実施例で示した、起床時刻、飲酒量、体重の場合、上記のような手順で基準範囲を作成したが、状態値として、他の生活情報、生体情報を用いる場合には、それぞれの状態値に適した手順にて、状態基準範囲が作成されるものである。
【0098】
続いて、尿温基準範囲の作成手順について二種類の方法を説明する。
【0099】
尿温基準範囲の第一の作成手順としては、過去の一定期間の尿温計測値の中で予め決められた分布範囲内のものだけを尿温基準範囲を算出するために使用する尿温計測値として採用し、この採用された複数の尿温計測値を用いてそれらの平均値と標準偏差を算出し、求められた平均値と標準偏差でを目的とする尿温基準範囲の上下限の閾値を決める方法が考えられる。
【0100】
即ち、発明者のこれまでの複数人を対象とした調査により、起床時の尿温の平均は36.32℃、偏差は0.22℃であることが確認されている。一方、医学の分野では体温の分布において健康状態が良い場合は、分布の平均値と標準偏差で表した平均値±2×標準偏差の範囲に分布するといわれている。従って、本実施例では、これを利用し、前述の尿温基準範囲の作成に採用する尿温計測値データは、36.32±2×0.22℃を上下限値とする範囲を予めデータ採用範囲に決めている。
【0101】
そして、測定結果の処理に使用する尿温基準範囲は、測定当日を含む過去15日間の尿温計測値の中から予めこのようにして決められたデータ採用範囲の尿温計測値を抽出し、抽出された尿温計測値を使用して平均値と標準偏差を算出し、平均値±1.5×標準偏差としている。
【0102】
また、尿温基準範囲の第二の作成手順としては、過去の一定期間の尿温の中で、状態値が状態基準範囲内に対応する尿温計測値データを用いて、それらの平均値と標準偏差を算出し、この平均値と標準偏差で目的とする尿温基準範囲の上下限の閾値を決める方法が考えられる。
【0103】
本実施例に適用すると、当日を含む過去15日間の尿温の中から、起床時刻が通常の起床時刻である6:45の前後90分以内で、飲酒レベルが1以下で、BMIが25以下で測定された尿温計測値データを抽出し、抽出された尿温計測値データにて、平均と偏差を算出して、平均±1.5×偏差にて作成することも可能である。
【0104】
このように、日々の尿温を測定し、その変動が基準範囲の外に変動した場合に、その要因を生活情報および生体情報から適切に把握することが可能である。健康状態を示す尿温の変動を第一情報とし、被験者は尿温が変動した要因を把握することで、日々の健康を保つための指針として被験者自身が活用することが可能である
【0105】
なお、本実施例では、生活情報として起床時刻・飲酒の有無または量を、生体情報として体重を利用したが、その他の生活情報や生体情報も同時に取得することにより、尿温が変動した際に、より詳しい健康情報を作成し、被験者に報知することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の実施形態に係る尿温測定装置及び尿温測定装置を備えたトイレシステム
【図2】図1に示すトイレシステムが備えた便器の測断面図
【図3】図1に示す尿温測定装置が備えたリモコン装置の外観斜視図
【図4】健康情報を作成し表示するまでのフローチャート
【図5】尿温を測定するフローチャート
【図6】機器間の信号ブロック図
【図7】健康情報の作成手順を示したフローチャート
【図8】被験者Pの尿温に与える影響要因の例 (イ)起床時の尿温の日々の変動の例 (ロ)起床時刻の日々の変動の例 (ハ)前日夜の飲酒の量の日々の変動の例 (ニ)体重の日々の変動の例
【符号の説明】
【0107】
2 トイレブース
3 便器
3a リム部
3b ボール
4 尿温測定装置
5 リモコン装置
6 尿温測定装置本体
7 便座
8 便蓋
9 局部洗浄装置
10 尿温測定ユニット
11 温度センサ
13 体重計
14 制御部(装置本体)
15 制御部(リモコン)
16 支持ボックス
18 スイングアーム
20 受尿容器
21 送受信部(装置本体)
22 送受信部(リモコン)
30 個人別スイッチ
31 表示部
32 調整スイッチ
33 決定スイッチ
34 中止スイッチ
37 時計部
40 尿温の変動
41 尿温基準範囲の上限値
42 尿温基準範囲の下限値
50 起床時刻の変動
51 起床時刻の基準範囲の上限値
52 起床時刻の基準範囲の下限値
60 飲酒量の変動
61 飲酒量の基準の上限値
70 飲酒量の変動
71 飲酒量の基準の上限値
92 作動スイッチ(便器洗浄装置)
93 作動スイッチ(局部洗浄装置)
94 状態設定スイッチ
D 排泄口
P 被験者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の排泄する尿の温度である尿温を測定し、その結果に基づいて被験者の健康状態に関する健康情報を報知する尿温測定装置において、
尿温に影響を与える尿温影響要因の状態値を取得する尿温影響要因状態取得手段と、
前記尿温影響要因状態取得手段が取得した前記状態情報の状態値が、被験者の通常値範囲とした状態基準範囲に含まれるか否かを判断する尿温影響要因状態判定手段と、を有し、
測定した尿温が、測定前に蓄積された尿温値で作成される尿温基準範囲外となった場合に、前記尿温影響要因状態取得手段が取得した尿温影響要因の状態値のうち、前記尿温影響要因状態判定手段によって状態基準範囲外と判定された前記尿温影響要因の状態値に基づいて、健康情報を作成して報知することを特徴とする尿温測定装置。
【請求項2】
前記尿温基準範囲は、被験者の過去の一定期間の尿温値の中で、前記尿温影響要因状態判定手段が状態基準範囲の内とした尿温値にて、作成されることを特徴とする請求項1記載の尿温測定装置。
【請求項3】
前記尿温基準範囲は、被験者の過去の一定期間の尿温値の中で、予め決められた分布範囲の尿温値にて、作成されることを特徴とする請求項1記載の尿温測定装置。
【請求項4】
前記状態基準範囲は、被験者の過去の一定期間の状態情報の情報値の中で、予め決められた分布範囲の情報値にて、作成されることを特徴とする請求項1記載の尿温測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−82389(P2009−82389A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−255467(P2007−255467)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】