説明

尿温測定装置

【課題】被験者の排泄する尿の温度を非接触で計測する尿温計測手段を備え、排泄された尿から周囲の空気への放熱の影響を受けることなく、尿の温度を正確に測定することのできる尿温測定装置を提供すること。
【解決手段】被験者の排泄する尿の温度を非接触で計測する尿温計測手段を備えた尿温測定装置において、尿温計測手段は、尿の温度に応じて尿から放射される赤外線を受光して尿の温度を検出する受光素子部を有し、受光素子部は、受光素子部の計測領域を複数の領域に分割した領域を検出領域とする複数の受光素子から形成され、この受光素子部の計測領域を、便座に着座した被験者の臀部と便器ボール面とにより形成される便器空間内に位置する被験者の尿道先端口近傍に設定した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被験者の排泄する尿の温度を非接触で計測する尿温測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、身体の健康状態を把握するために、被験者の排泄中に尿の温度を測定する尿温測定装置が種々提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、被験者の排泄する尿の温度を非接触で計測する尿温計測手段を備えた尿温測定装置が開示されている。尿温計測手段は、小便用便器の天井面に設けられ、尿から放射される赤外線を受光して尿の温度を検出する赤外線センサを備えており、排泄された尿が赤外線センサの計測領域を通過すると、尿と非接触の状態で尿の温度が計測される。
【特許文献1】特開平4−203128号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した特許文献1に記載の尿温測定装置では、赤外線センサの計測領域が被験者の尿道先端口から比較的に離反しているため、被験者の尿道先端口から排泄された尿が赤外線センサの計測領域に到達するまでの間に、尿から周囲の空気への放熱が生じる。この放熱により、尿温計測手段により計測される尿の温度が、被験者の尿道先端口から排泄された直後の実際の尿の温度よりも低下することが懸念された。
【0005】
本願発明者の確認試験によると、上記尿の温度低下量は、身体の健康状態を把握するために必要な範囲を超えており、かつ、尿周囲の空気の状態や放尿状態により一定ではないことが確認された。従って、このように尿道先端口から離反した放尿軌跡の終端近くにおいて尿の温度を計測しても、正確な尿の温度を測定することが困難であることが判明した。
【0006】
さらに、被験者が排泄する尿は被験者の尿道先端口から便器の溜水へ至る経路を移動するが、その移動軌跡(以下、この軌跡を「尿流」と呼ぶ)の位置は被験者個々によっても異なり、また同じ被験者であっても排尿行為中に時々刻々と変化する。従って、特許文献1に記載の尿温測定装置が計測領域とする、尿流の終端近くの位置は、広範囲を移動することになる。従って、この点からは赤外線センサの計測領域は尿流の大きさに比較して広い範囲であることが必要となる。
【0007】
一方、温度検出素子として用いる赤外線センサにおける受光素子の出力は、計測領域に存在する計測対象(尿流)から発せられる赤外線光束の総エネルギー量に比例する。従って、前述のように計測領域が広い範囲になると、計測対象(尿流)から発せられる放射エネルギー量は変化しないにも関わらず、計測対象(尿流)以外からの放射エネルギー量が相対的に増加する。その結果、温度検出素子としての赤外線センサの検出SN比の低下を招き計測感度が低下し、正確な尿の温度が計測できないこととなる。
【0008】
以上のことより、本願発明者の確認試験によって、特許文献1に記載の尿温測定装置では、広範囲を移動する尿流を赤外線センサの受光素子における比較的に狭い計測領域で計測せざるを得ないため、高精度の尿温計測が困難なことが判明した。
【0009】
そこで、本発明は、被験者の排泄する尿の温度を非接触で計測する尿温計測手段を備え、排泄された尿から周囲の空気への放熱の影響を受けることなく、尿の温度を正確に測定することのできる尿温測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、被験者の排泄する尿の温度を非接触で計測する尿温計測手段を備えた尿温測定装置において、前記尿温計測手段は、前記尿の温度に応じて前記尿から放射される赤外線を受光して前記尿の温度を検出する受光素子部を有し、前記受光素子部は、前記受光素子部の計測領域を複数の領域に分割した領域を検出領域とする複数の受光素子から形成され、この前記受光素子部の計測領域を、便座に着座した前記被験者の臀部と便器ボール面とにより形成される便器空間内に位置する前記被験者の尿道先端口近傍に設定したことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記受光素子部の計測領域の中心軸を、前記便座の左右方向中心を通過する前記便器空間の垂直平面上に配置したことを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記受光素子部を、前記便器空間の前方及び後方の少なくともいずれかに配置したことを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、前記受光素子部の計測領域は、前記便器空間内における前記尿道先端口の位置の相違に応じた異なる複数の領域から構成されることを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記複数の領域は、前記便器空間内の前方側に配置された男性用計測領域と、前記男性用計測領域よりも前記便器空間内の後方側に配置された女性用計測領域との少なくとも2領域を含むことを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明において、前記受光素子部により受光された前記赤外線の検出信号からそれぞれ前記尿の温度を算出し、これらの尿の温度のうち最高温度を、前記尿温計測手段の尿温測定値とする尿温算出手段を有することを特徴とする。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発明において、前記受光素子部は、前記便座を備えた便座装置に設けていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、被験者の排泄する尿の温度を非接触で計測する尿温計測手段を備えた尿温測定装置において、尿温計測手段は、尿の温度に応じて尿から放射される赤外線を受光して尿の温度を検出する受光素子部を有し、受光素子部は、受光素子部の計測領域を複数の領域に分割した領域を検出領域とする複数の受光素子から形成され、この受光素子部の計測領域を、便座に着座した被験者の臀部と便器ボール面とにより形成される便器空間内に位置する被験者の尿道先端口近傍に設定したので、尿温計測手段の計測領域を増大させつつその計測精度を向上することが可能となると共に、被験者の尿道先端口から排泄された直後の実際の尿の温度を測定することが可能となり、排泄された尿から周囲の空気への放熱の影響を受けることなく、尿の温度を正確に測定することができる。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、受光素子部の計測領域の中心軸を、便座の左右方向中心を通過する便器空間の垂直平面上に配置したので、便座に着座した被験者の尿道先端口を尿温計測手段の計測領域内により確実に捕捉することが可能となるため、被験者の尿道先端口から排泄された直後の実際の尿の温度を容易に測定することができ、排泄された尿から周囲の空気への放熱の影響を受けることなく、尿の温度を正確に測定することができる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、受光素子部を、便器空間の前方及び後方の少なくともいずれかに配置したので、便座に着座した被験者の尿道先端口を尿温計測手段の計測領域内により確実に捕捉することが可能となるため、被験者の尿道先端口から排泄された直後の実際の尿の温度を容易に測定することができ、排泄された尿から周囲の空気への放熱の影響を受けることなく、尿の温度を正確に測定することができる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、受光素子部の計測領域は、便器空間内における尿道先端口の位置の相違に応じた異なる複数の領域から構成されるので、被験者の違いから尿道先端口の位置が異なっても、より多くの被験者に対して尿道先端口近傍に計測領域を設置することが可能となるため、被験者の尿道先端口から排泄された直後の尿の温度を容易に測定することができ、排泄された尿から周囲の空気への放熱の影響を受けることなく、尿の温度を正確に測定することができる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、複数の領域は、便器空間内の前方側に配置された男性用計測領域と、男性用計測領域よりも便器空間内の後方側に配置された女性用計測領域との少なくとも2領域を含むので、被験者の性別の違いにより尿道先端口の位置が異なっても、被験者の尿道先端口から排泄された直後の実際の尿の温度を容易に測定することができ、排泄された尿から周囲の空気への放熱の影響を受けることなく、尿の温度を正確に測定することができる。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、複数の受光素子により受光された赤外線の検出信号からそれぞれ尿の温度を算出し、これらの尿の温度のうち最高温度を、尿温計測手段の尿温測定値とする尿温算出手段を有するので、計測領域を通過する尿の温度を確実に測定することができる。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、複数の受光素子は、便座を備えた便座装置に設けているので、便器の設計を簡素化すると共に、受光素子の取り付けを容易にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0025】
図1は本発明の第1実施形態における尿温測定装置の外観構成を示す斜視図、図2は本発明の第1実施形態における尿温測定装置のブロック図である。
【0026】
(全体構成)
本実施形態における尿温測定装置1は、被験者Pの排泄する尿の温度を測定する機能を備えた便器装置であり、図1及び図2に示すように、便器本体10と、便器本体10の上面に載設する便座装置28と、便器本体10が設置されたトイレブースの側壁面Wに取り付けられ、尿温測定装置本体20の操作等を行うためのリモコン装置40と、を有している。
【0027】
便座装置28は、便器本体10の後部側の上面に載設したケーシング22と、ケーシング22にそれぞれ回動自在に枢支した便座24及び便蓋26とで構成されている。
【0028】
ケーシング22の内部には、被験者が便器本体10に排泄する尿の温度を非接触で計測する後述の尿温計測手段60を備えた尿温測定装置本体20の他、局部洗浄装置、局部乾燥装置、脱臭装置、便座暖房装置(いずれも図示せず)など便器の利便性を向上するため各種装置により構成される便器機能部30が収納配設されており、これらの各種機能を実行できるようにしている。
【0029】
また、ケーシング22の内部には、リモコン装置40との間で各種制御信号や尿温測定結果情報を送受信する通信部32と、尿温計測手段60の尿温測定値を記録する記録手段として機能するRAM34と、通信部32及びRAM34の動作等、尿温測定装置本体20全体の動作を制御するCPU36と、CPU36が尿温測定装置本体20全体の動作を制御するために実行する各種プログラムを記憶するROM38とを備えている。CPU36、ROM38、及びRAM34は、尿温測定装置本体20全体の動作を統括制御する制御部39を構成している。
【0030】
リモコン装置40は、尿温測定装置1を操作するための各種操作ボタンを備えた操作部42と、尿温測定装置1の制御内容や尿温測定結果を表示するための表示部44と、尿温測定装置本体20との間で各種制御信号や尿温測定結果情報を送受信する通信部46と、尿温測定装置本体20における尿温測定結果情報等を記録するRAM48と、表示部44、通信部46、及びRAM48の動作等、リモコン装置40全体の動作を制御するCPU50と、CPU50がリモコン装置40全体の動作を制御するために実行する各種プログラムを記憶するROM52と、を備えている。CPU50、ROM52、及びRAM48は、リモコン装置40全体の動作を統括制御する制御部54を構成している。
【0031】
操作部42は、図示を省略するが、尿温測定装置本体20における尿温測定を開始する際に被験者Pが操作する尿温測定スイッチ、尿温測定装置本体20における尿温測定を終了する際に被験者Pが操作する測定終了スイッチ、便器本体10を洗浄する際に被験者Pが操作する便器洗浄スイッチ、便器機能部30により局部洗浄や便座暖房等の諸機能を実行する際に被験者Pが操作する便器機能スイッチ等を備えている。
【0032】
また、本実施形態では、尿温測定に関する操作や表示を行うものとして尿温測定装置本体20とは別に設けたリモコン装置40に表示部44や操作部42等を設置し、尿温測定装置本体20との通信を行なって全体として機能する構成としているが、リモコン装置40の機能が尿温測定装置本体20に含まれる構成でも良い。その場合、操作部や表示部はケーシング22から前方に伸びる袖操作部(図示せず)に設けることで実現可能である。
【0033】
(尿温計測手段の具体的構成について)
次に、ケーシング22内部に設けられた尿温計測手段60の具体的な構成について、図面を参照して具体的に説明する。図3は、尿温計測手段60のブロック図である。
【0034】
尿温計測手段60は、図3に示すように、尿の温度に応じて尿から放射される赤外線を受光することによって生じる熱起電力を検出信号として出力する複数の受光素子62aが縦横に隣接配置されて形成された受光素子部としての温度検出素子62を有している。温度検出素子62としては、多数の熱電対を接続して赤外線の受光によって生じる熱起電力を検出信号として出力するサーモパイル素子を複数個まとめて一体にパッケージしたサーモパイル素子アレイなどを採用することができる。
【0035】
温度検出素子62として、サーモパイル素子アレイを採用した場合には、このサーモパイル素子アレイは、図3に示すように、シリコン基板(図示せず)に8行×8列のマトリクス状に64個のサーモパイル素子(受光素子62a)が隣接配置され、外観視で略平板状をなす受光素子群を構成している。
【0036】
さらに、尿温計測手段60は、温度検出素子62の前方に配置され温度検出素子62の計測領域64を通過する尿から放射される赤外線を温度検出素子62に集光させる集光光学系66と、温度検出素子62に近接配置された接触型の基準温度素子68と、制御部39の制御に従って所定のタイミングで各受光素子62aのアドレス信号を出力するアドレス信号出力手段70と、複数の受光素子62aからの各検出信号をアドレス信号出力手段70から入力されるアドレス信号に基づいて選択するスキャン手段72と、スキャン手段72により選択された受光素子62aからの検出信号や基準温度素子68からの検出信号を増幅する増幅手段74と、増幅手段74からの検出信号をデジタル信号に変換して制御部39に送信するA/D変換手段76と、を備えている。
【0037】
そして、温度検出素子62、基準温度素子68、スキャン手段72、及び増幅手段74は、図示しない筐体内に封止収納され、この筐体の前面に集光光学系66を一体成形した尿温計測モジュール80を構成している。
【0038】
次に本発明の温度検出素子62の計測領域64の設定方法に関して以下に説明する。
【0039】
前述したように、正確な尿の温度を計測するには、被験者Pから排出された直後の尿の温度を計測することが好ましいが、それを計測するためには被験者Pから排出された直後の尿の位置を受光素子部としての温度検出素子62の計測領域64内とすることが必要となる。
【0040】
一方、一般に被験者Pが便座24に着座した状態では、便座24の開口部の臀部に対する位置決め機能により、その臀部にある被験者の尿道先端口の位置は、特別な場合(子供等の身体サイズが大きく異なる被験者)を除くと、便座24に着座した状態で形成される便器空間90内の特定の空間領域Aに限定される。そして、この空間領域Aの位置は複数の被験者Pについてはある一定の関係を持った空間領域Bにあることが本発明者の実験で確かめられた。
【0041】
以上のことより、複数の被験者Pから排出された直後の尿の位置は空間領域Bから尿の放出方向にある距離だけ移動した空間領域Cであるから、被験者Pから排出された直後の尿の温度を計測するためには、この限定された位置に形成される空間領域Cを計測領域64とすれば確実に計測出来ることになる。そこで、この尿道先端口の位置に関連して限定される前記空間領域Cを本発明では「尿道先端口近傍」と呼ぶことにする。本発明ではこの考えに基づいて、温度検出素子62の計測領域64をこの尿道先端口近傍に設定している。
【0042】
ところで、一般に本発明でも使用する赤外線受光素子の計測する温度は、受光素子の検出領域における赤外線光束の総エネルギー量に比例した平均温度となる。このため、検出領域内に尿と尿以外のもの(例えば、周囲の雰囲気)が含まれる場合は、これらの平均温度を計測することになり、正確な尿の温度は計測できない。つまり、赤外線受光素子を使用した温度計測における計測精度を高めるためには、検出領域をできる限り狭く絞ることが好ましい。ところが、前述した尿道先端口近傍は、本発明が対象とする複数の被験者を想定した場合、特殊な場合を除外しても計測対象である尿流の大きさと比較するとかなり広い範囲である。
【0043】
従って、本発明では、温度検出素子62は、尿道先端口近傍とする温度検出素子62の計測領域を複数の領域に分割した領域をそれぞれ検出領域64aとする複数の受光素子62aから形成している。言い換えると、尿道先端口近傍とする温度検出素子62の計測領域64を複数の領域に細分化し、この細分化された各領域を複数の受光素子62aで分担して計測する構成としている。このようにすることによって、各々の受光素子62aの検出領域64aをできる限り狭くして計測精度を維持しながら、且つ、必要な広さの計測領域64を確保する構成としている。
【0044】
具体的には、上述したように、本実施形態では尿温計測手段60は、赤外線受光素子として隣接配置された複数の受光素子62aを持つ温度検出素子62と、計測対象からの赤外線を集めてこの複数の受光素子62a上に投射する集光光学系66とを有している。
【0045】
このようにして、複数の受光素子62aの各検出領域64aの集合を温度検出素子62の計測領域64としている。尚、本実施形態では集光光学系66を、計測対象からの赤外線を単一の光束として取扱う単一光学系としているため、この計測領域64を形成する各検出領域64aの配置は、隣接配置されている複数の受光素子62aの配置に夫々対応したものになっている。従ってこの構成では、例えば、受光した受光素子62aの位置を特定することによって、計測対象の位置である検出領域64aの位置を特定することも出来る。
【0046】
ここで温度検出素子62の計測領域64には、温度検出素子62の計測方向に直交する平面を設置したと仮定した場合に、当該平面に対して温度検出素子62の形状を相似形に拡大投射した2次元的な平面領域に限られず、当該平面と温度検出素子62との間を通過する尿からの放射赤外線が温度検出素子62に向けて進行する3次元的な空間領域が含まれるものとしている。
【0047】
このようにして、複数の受光素子62aの各検出領域64aの集合を尿温計測手段60の計測領域64とすることにより、被験者Pから排出された尿が複数の受光素子62aのうちのいずれかの検出領域64aを通過しさえすれば、尿から放射される赤外線を検出できることとなる。
【0048】
以上のことを本実施形態について以下に具体的に説明する。
【0049】
図4(a)は、尿温計測手段60における尿温計測モジュール80の配置を示す平面図、図4(b)は、図4(a)におけるA−A断面図である。
【0050】
本実施形態では、図4に示すように、上記した温度検出素子62の計測領域64(以下、温度検出素子の計測領域を、尿温計測モジュールの計測領域とも指称する。)を、便座24に着座した被験者Pの臀部P−1と便器本体10の便器ボール面10aとにより形成される便器空間90内に位置する被験者Pの尿道先端口P−2近傍に設定している。
【0051】
すなわち、図4(a)(b)に示すように、尿温計測手段60における尿温計測モジュール80は、その計測領域64の中心軸65が便座24に着座して形成される便器空間90内に位置する被験者Pの尿道先端口P−2へ向って漸次接近するように、便座24に着座した被験者Pの臀部P−1へ向けた上方傾斜状態で、尿温測定装置本体20のケーシング22内に設けられている。
【0052】
上記のように温度検出素子62の計測領域64が便座24に着座して形成される領域である尿道先端口P−2近傍に設定されているため、被験者Pの尿道先端口P−2から排泄された直後の位置で尿の温度を測定することが可能となり、排泄された尿から周囲の空気への放熱の影響を受けることなく、尿の温度を正確に測定することができる。
【0053】
また、被験者Pが便座24に着座した状態では便座開口部24aによって便器空間90における被験者Pの尿道先端口P−2を含む臀部P−1の位置が安定するため、本実施形態のように温度検出素子62の計測領域を便座24位置を基準に固定しても、被験者Pの排泄する尿を排泄直後の位置で温度検出素子62の計測領域64内に確実に捕捉することができる。
【0054】
ところで、前述したように被験者Pが便座24に着座した状態では、被験者Pの尿道先端口P−2は、一般に便座24の左右方向中心に安定して存在している。しかしながら、この状態では、被験者Pの尿道先端口P−2の左右方向には、被験者P自身の臀部P−1が存在している。
【0055】
このため、温度検出素子62の設置位置は便器空間90内で且つ、便座24の左右方向中心線を含む垂直平面内に近い位置が、光学的な尿の温度の計測には適していると言える。
【0056】
そこで、本実施形態では、図4(a)に示すように、尿温計測手段60の受光部である温度検出素子62の計測領域64の中心軸65を、便器空間90の便座24の左右方向中心を通過する垂直平面上に配置するように、温度検出素子62を備えた尿温計測モジュール80が配設されている。なお、図4(a)において、A−A断面は、便座24の左右方向中心を通過する便器空間90の垂直平面である。
【0057】
さらに、尿温計測手段60における複数の受光素子62aを、便器空間90の前方及び後方の少なくともいずれかに配置している。例えば、図4(b)に示すように、温度検出素子62を設けた尿温計測モジュール80は、便器空間90の後方、すなわち、便座24の後部下面と便器本体10の上部に形成されたリム部10bの後部上面との間に突出したケーシング22の中央前端部に配置されている。
【0058】
このように構成することにより、便座24に着座した被験者Pの尿道先端口P−2近傍を尿温計測手段60の計測領域64内により確実に捕捉して、被験者Pの尿道先端口P−2から排泄された直後の尿の温度を容易に測定することができる。
【0059】
なお、尿温計測モジュール80は、便座24の左右方向中心線を含む垂直平面内であれば、便器空間90の前方、例えば、図5に示すように、便座24の前部下面と便器本体10のリム部10bの前部上面との間に配置してもよい。
【0060】
また、図4及び図5の例に示すように、尿温計測モジュール80は、便座装置28を構成する部位、具体的には、便座24、又は尿温測定装置本体20の部位に設けることが好ましい。こうすることにより、設計を簡素化すると共に、受光素子62aの取り付けを容易にすることができるからである。
【0061】
また、変形例として、図6(a)に示すように、ケーシング22の中央前端部にケーシング22に対して進退自在に構成した測定アーム81を設け、測定アーム81の先端部に尿温計測モジュール80を配置しても良い。この場合、非測定時には測定アーム81をケーシング22に収納し、測定時には測定アーム81をケーシング22から便器空間90へ進出するように構成することができる。
【0062】
さらに、図6(b)に示すように、便器ボール面10aの所定箇所に赤外線受光孔82を設け、この赤外線受光孔82に尿温計測モジュール80を配置しても良い。
【0063】
このように構成した尿温測定装置1の第1実施形態における尿温測定の手順を、図7及び図8に示す動作フローチャートにより以下に説明する。
【0064】
まず、被験者Pが便座24に着座した状態でリモコン装置40の操作部42における尿温測定スイッチを押圧操作する(ステップS10)。
【0065】
この押圧操作に基づいて、リモコン装置40の制御部54は、尿温計測手段60による計測を開始させるための起動信号を通信部46を介して尿温測定装置本体20の制御部39へ送信する。
【0066】
通信部32を介して起動信号を受信すると、尿温測定装置本体20の制御部39は、尿温測定処理を実行する(ステップS11)。この尿温測定処理は、図8におけるステップS20〜S25までの処理であり、後述で詳説する。
【0067】
次に、尿温測定装置本体20の制御部39は、RAM34に記憶されている尿温計測手段60の尿温測定値の情報(尿温測定結果情報とも言う。)を通信部32を介してリモコン装置40の制御部54へ送信する。
【0068】
通信部46を介して尿温計測手段60の尿温測定値の情報を受信すると、リモコン装置40の制御部54は、表示部44に尿温測定結果を表示する(ステップS12)。
【0069】
その後、尿温測定装置本体20の制御部39、及びリモコン装置40の制御部54は、次回の尿温測定に必要な所定の測定準備動作を行い、一連の尿温測定が終了する(ステップS13)。
【0070】
次に、ステップS11における尿温測定処理について、図8を参照して具体的に説明する。
【0071】
図8に示すように、被験者Pが便座24に着座した状態で尿を排出し、この尿が尿温計測手段60における温度検出素子62の計測領域64を通過すると、尿温計測手段60の制御部39におけるCPU36は、受光素子62aからの検出信号と、基準温度素子68からの検出信号とから温度検出素子62における受光素子62a毎の温度を算出し、温度情報としてRAM34に記憶する(ステップS20)。
【0072】
このとき、CPU36は、温度検出素子62における全ての受光素子62aについて、例えば、図3に示す温度検出素子62では8行×8列の全64個の受光素子62aについて、それぞれ温度を算出する。
【0073】
1フレームとして、1回に算出される温度検出素子62における受光素子62a毎の温度情報がRAM34に記憶される。例えば、1秒間に10フレームの温度情報がRAM34に記憶される。
【0074】
ここで、尿温計測手段60における温度検出素子62の計測領域64を、便座24に着座した被験者Pの臀部P−1と便器本体10の便器ボール面10aとにより形成される便器空間90内に位置する被験者Pの尿道先端口P−2近傍に設定している。このため、被験者Pの尿道先端口P−2から排泄された直後の尿の温度を測定することが可能となり、排泄された尿から周囲の空気への放熱の影響を受けることがなく、尿の温度を正確に測定することができる。
【0075】
しかも、被験者Pが便座24に着座した状態では、便器空間90における被験者Pの尿道先端口P−2の位置が安定するため、被験者Pの排泄する尿を尿温計測手段60の計測領域64内に確実に捕捉することができる。
【0076】
次に、CPU36は、フレーム数が予め設定された回数に達したか否かを判定し(ステップS21)、フレーム数が予め設定された回数に達していないと判定すると(ステップS21:No)、処理をステップS20に戻す。
【0077】
例えば、1秒間に10フレームの温度情報がRAM34に記憶される場合であって、予め設定されたフレーム数が50フレームである場合には、5秒間で50フレーム分の温度情報がRAM34に記憶される。
【0078】
一方、CPU36は、フレーム数が予め設定された回数に達したと判定すると(ステップS21:Yes)、受光素子部62における受光素子62a毎の温度情報に対して平均化処理を行い、予め設定されたフレーム数における各受光素子62aの平均計測温度を算出する(ステップS22)。
【0079】
例えば、受光素子部62における全ての受光素子62aについて、50フレーム分の平均計測温度を算出する。このように、予め設定されたフレーム数における各受光素子62aの平均計測温度を算出することにより、一般に受光素子62a毎に発生する検出信号のノイズによる計測値への影響量を軽減することができる。
【0080】
そして、CPU36は、予め設定されたフレーム数における各受光素子62aの平均計測温度のうち、最大値を抽出し、これを現時点での尿温計測値としてRAM34に記憶する(ステップS23)。
【0081】
次に、CPU36は、リモコン装置40の操作部42における測定終了スイッチが押圧操作されたか否かを判定する(ステップS24)。
【0082】
すなわち、CPU36は、尿温計測手段60による計測を終了させるための終了信号を通信部46を介してリモコン装置40から受信したか否かを判定することにより、尿温の測定を終了すべきか否かを判定するのである。
【0083】
その結果、測定終了スイッチが押圧操作されていないと判定すると(ステップS24:No)、CPU36は、処理をステップS20に戻す。
【0084】
一方、測定終了スイッチが押圧操作されたと判定すると(ステップS24:Yes)、CPU36は、尿温測定スイッチが押圧操作されてから測定終了スイッチが押圧操作されるまでの間の各時点での尿温計測値のうち最大値を抽出し、尿温計測手段60の尿温測定値として確定し、これをRAM34に記憶して、尿温測定処理を終了する(ステップS25)。なお、リモコン装置40に測定終了スイッチを設けずに、ステップS23でRAM34に記憶される現時点での尿温測定値が、所定の閾値を所定の時間だけ継続して下回った場合に、尿温測定処理を終了するようにしてもよい。
【0085】
このように、尿温測定装置1の尿温算出手段として機能する制御部39は、赤外線を受光した複数の受光素子62aの出力信号からそれぞれの計測温度を算出し、これらの温度のうち最高温度を、尿温計測手段60の尿温測定値とする処理を行う。これにより、一般に尿の温度は被験者Pの皮膚温度よりも高温であるため、尿温測定装置1は尿温計測手段60の計測領域64内に被験者Pの体の一部が存在しても、尿の温度を確実に測定することができる。
【0086】
以上一つの実施形態について説明したが、本発明の要旨は、尿温の計測領域を複数の計測領域に分割し、分割された各々の計測領域を複数の受光素子で分担して計測する構成にある。従って、本発明の本実施形態における集光光学系66の他の変形例としては、この集光光学系を複数の集光光学系で構成し、計測領域からの赤外光をこの複数の集光光学系に分担して受光させる構成としても良い。
【0087】
次に、本発明の別の実施形態について以下に説明する。
【0088】
尿道先端口P−2の位置は一般に、男性と女性とではその身体的特徴の違いから、便器空間90において異なる位置に存在することが判明している。従って、本発明における温度検出素子62の計測領域64にある尿道先端口P−2近傍の領域も異なる位置に存在することになる。
【0089】
一方、本発明のような放射赤外線のエネルギーを計測する受光素子62aを使用する温度計測方法においては、計測領域64は使用する光学系と受光素子62aとの仕様の適切な選定によって適宜の範囲に設定することが可能である。
【0090】
そのため、本発明においても、男性と女性との尿道先端口P−2の位置の相違に応じて計測領域64を分割して異なる計測領域として複数個設定した構成とすることも可能である。
【0091】
(第2実施形態)
上述の第1実施形態においては、尿温計測手段60における温度検出素子62の計測領域64は、1つの領域で構成されているが、本第2実施形態では、尿温計測手段160における温度検出素子162の計測領域164は、便器空間90内における位置が異なる複数の領域から構成されている点で異なる。
【0092】
以下、第2実施形態における尿温測定装置100について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、第2実施形態における尿温測定装置100は、尿温計測手段160の構成を除いて、第1実施形態における尿温測定装置1と同様の構成であるため、尿温計測手段160以外の機能及び構成の説明は省略するものとする。
【0093】
図9(a)は、尿温計測手段160における尿温計測モジュール180,181の配置を示す平面図、図9(b)は、図9(a)におけるB−B断面図である。なお、図9(a)において、B−B断面は、便座24の左右方向中心を通過する便器空間90の垂直平面である。また、同一の部分又は同一の機能を有する部分には同一の符号を付した。
【0094】
図9(a)(b)に示すように、尿温計測手段160は、2個の尿温計測モジュール180,181を有しており、これら尿温計測モジュール180,181は、便器空間90の後方、すなわち、便座24の後部下面と便器本体10の上部に形成されたリム部10bの後部上面との間に突出した尿温測定装置本体20のケーシング22の中央前端部に配置されている。
【0095】
そして、一方の尿温計測モジュール180の計測領域192を、便器空間90内の前方側にその分布中心がある男性用計測領域とし、他方の尿温計測モジュール180の計測領域194を、男性用計測領域192よりも便器空間90内の後方側にその分布中心がある女性用計測領域としている。
【0096】
このように尿温計測手段160の計測領域164が、男性用計測領域192と女性用計測領域194とに分割して夫々担当することから、被験者Pが男性又は女性のいずれの場合であっても、尿温計測手段160の計測領域164を尿道先端口近傍に設定するための尿温計測手段160の構成の自由度が増すため、尿温測定装置2の性能向上やコストダウンを図ることも容易となる。
【0097】
なお、本実施形態の変形例として、図10に示すように、一方の尿温計測モジュール180を、便器空間90の前方、すなわち、便座24の前部下面と便器本体10のリム部10bの前部上面との間に配置し、他方の尿温計測モジュール181を、便器空間90の後方、すなわち、便座24の後部下面と便器本体10の上部に形成されたリム部10bの後部上面との間に突出した尿温測定装置本体20のケーシング22の中央前端部に配置してもよい。かかる構成によっても、上記した効果と同様の効果を得ることができる。
【0098】
なお、上記第2実施形態においては、尿温計測手段160の計測領域164が、被験者Pの性別の違いによる尿道先端口の位置に対応して、男性用計測領域192と女性用計測領域194とを含む構成としたが、これに限らず、例えば尿温測定装置2の使用用途によって、尿温計測手段160の計測領域164が、大人の尿道先端口と子供の尿道先端口とにそれぞれ対応した異なる2つの計測領域を含む構成としてもよい。要は、尿温計測手段160の計測領域164は、便器空間90内における尿道先端口の位置の相違に応じた異なる複数の領域から構成されればよい。
【0099】
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明の第1実施形態における尿温測定装置の外観構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態における尿温測定装置のブロック図である。
【図3】尿温計測手段のブロック図である。
【図4】尿温計測手段における尿温計測モジュールの配置を示す説明図である。
【図5】尿温計測手段における尿温計測モジュールの変形例を示す説明図である。
【図6】尿温計測手段における尿温計測モジュールの変形例を示す説明図である。
【図7】尿温測定装置の尿温測定の手順を示すフローチャートである。
【図8】尿温測定装置の尿温測定の手順を示すフローチャートである。
【図9】尿温計測手段における尿温計測モジュールの配置を示す説明図である。
【図10】尿温計測手段における尿温計測モジュールの変形例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0101】
1 尿温測定装置
10 便器本体
10a 便器ボール面
10b リム部
20 尿温測定装置本体
22 ケーシング
24 便座
24a 便座開口部
26 便蓋
28 便座装置
30 便器機能部
32 通信部
34 RAM
36 CPU
38 ROM
39 制御部
40 リモコン装置
42 操作部
44 表示部
46 通信部
48 RAM
50 CPU
52 ROM
54 制御部
60 尿温計測手段
62 温度検出素子
62a 受光素子
64 計測領域
64a 検出領域
65 中心軸
66 集光光学系
68 基準温度素子
70 アドレス信号出力手段
72 スキャン手段
74 増幅手段
76 A/D変換手段
80 尿温計測モジュール
90 便器空間
100 尿温測定装置
160 尿温計測手段
164 計測領域
180,181 尿温計測モジュール
180 尿温計測モジュール
181 尿温計測モジュール
192 男性用計測領域
194 女性用計測領域
P 被験者
P−1 臀部
P−2 尿道先端口
PM−2 尿道先端口
PW−2 尿道先端口
W 側壁面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の排泄する尿の温度を非接触で計測する尿温計測手段を備えた尿温測定装置において、
前記尿温計測手段は、前記尿の温度に応じて前記尿から放射される赤外線を受光して前記尿の温度を検出する受光素子部を有し、
前記受光素子部は、前記受光素子部の計測領域を複数の領域に分割した領域をそれぞれ検出領域とする複数の受光素子から形成され、
前記受光素子部の計測領域を、便座に着座した前記被験者の臀部と便器ボール面とにより形成される便器空間内に位置する前記被験者の尿道先端口近傍に設定したことを特徴とする尿温測定装置。
【請求項2】
前記受光素子部の計測領域の中心軸を、前記便座の左右方向中心を通過する前記便器空間の垂直平面上に配置したことを特徴とする請求項1に記載の尿温測定装置。
【請求項3】
前記受光素子部を、前記便器空間の前方及び後方の少なくともいずれかに配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の尿温測定装置。
【請求項4】
前記受光素子部の計測領域は、前記便器空間内における前記尿道先端口の位置の相違に応じた異なる複数の領域から構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の尿温測定装置。
【請求項5】
前記複数の領域は、前記便器空間内の前方側に配置された男性用計測領域と、前記男性用計測領域よりも前記便器空間内の後方側に配置された女性用計測領域との少なくとも2領域を含むことを特徴とする請求項4に記載の尿温測定装置。
【請求項6】
前記受光素子部により受光された前記赤外線の検出信号からそれぞれ前記尿の温度を算出し、これらの尿の温度のうち最高温度を、前記尿温計測手段の尿温測定値とする尿温算出手段を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の尿温測定装置。
【請求項7】
前記受光素子部は、前記便座を備えた便座装置に設けていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の尿温測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−144440(P2009−144440A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−323760(P2007−323760)
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】