説明

尿温測定装置

【課題】被験者の尿温を測定するにあたり、可及的高精度な尿温測定を行うことのできる尿温測定装置を提供する。
【解決手段】被験者の排泄する尿の温度を測定する尿温測定装置において、被験者の排泄時の局部近傍に設定した所定領域内の物体から放射される赤外線を受けて当該所定領域内の温度分布を計測する放射温度計測手段と、前記被験者が前記放射温度計測手段の計測動作開始を指示する動作開始指示手段と、被験者の便座への着座を検出する着座検出手段と、前記動作開始指示手段からの計測動作開始指示により、前記放射温度計測手段の計測動作を開始させる制御を行なう尿温計測制御手段と、を備え、前記尿温計測制御手段は、前記着座検出手段が非着座状態を検出している間は、前記動作開始指示手段からの計測動作開始の指示を無効にすることとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被験者の排泄する尿の温度を非接触で計測する尿温測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、身体の健康状態を把握するために、被験者の排泄中に尿の温度を測定する尿温測定装置が種々提案されている。
【0003】
このような尿温測定装置に備えられる温度計測手段としては、例えば、赤外線受光素子により、物体からその温度に応じて放射される赤外線を受光して受光量に比例した電気出力を得て、物体の温度を非接触で計測できる放射赤外線検知式温度計を用いたもの(以下、この放射赤外線検知式温度計を用いた温度計測手段を「放射温度計測手段」ともいう。)がある。
【0004】
この放射温度計測手段は、その計測領域内の物体から放射される赤外線の総量に基づいて物体の温度を算出する原理であり、計測領域内に存在する全ての物体が放射する赤外線の和を計測することになるため、物体の温度を精度良く計測するためには、その計測領域を計測対象とする物体のみに合致させる必要がある。
【0005】
このような放射温度計測手段を用いた尿温測定装置として具体的には、小便器の天井面にこの放射温度計測手段を設け、計測領域を通過する尿から放射される赤外線を受光して尿の温度測定を行うようにした尿温測定装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
この尿温測定装置においても前述した理由により、放射温度計測手段の計測領域を、排尿の目的で使用される小便器ボール内に限定して設定することにより、尿流でないにも関わらず赤外線を放射する物体を計測対象としないようにしている。
【特許文献1】特開平04−203128号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、上記した従来の小便器に配設した尿温測定装置では、測定時の被験者の立つ位置や身長の違いなどにより被験者の尿道先端口の位置が異なることにより、尿流が尿道先端口から小便器内の計測領域に到達するまでの距離が不確定となり、この距離の違いによる尿流からの放熱量の違いを補正することも困難なことから、測定した尿温にこの放熱量の違いによる誤差が生じやすいという問題があった。
【0008】
そこで、尿温測定装置を洋式大便器に設け、尿温の測定は被験者が便座に着座した状態で行うこととし、放射温度計測手段の計測領域を便座開口部と人体臀部に囲まれた領域に設定すれば、被験者の身長の違いなどによる尿道先端口の位置の違いに起因する尿温計測値の計測誤差を排除できると考えられる。
【0009】
しかしながら、洋式大便器は、立位で小便器としても使用することが可能で、このような状態で放尿した場合には、前述の小便器と同様に、被験者の立つ位置や身長の違いなどにより、尿道先端口から計測領域までの距離がばらつくため、前述した高精度な尿温の測定は困難となるという問題が生じてしまう。
【0010】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、被験者の尿温を測定するにあたり、可及的高精度な尿温測定を行うことのできる尿温測定装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記従来の課題を解決するために、請求項1に記載の尿温測定装置では、被験者の排泄する尿の温度を測定する尿温測定装置において、被験者の排泄時の局部近傍に設定した所定領域内の物体から放射される赤外線を受けて当該所定領域内の温度分布を計測する放射温度計測手段と、前記被験者が前記放射温度計測手段の計測動作開始を指示する動作開始指示手段と、被験者の便座への着座を検出する着座検出手段と、前記動作開始指示手段からの計測動作開始指示により、前記放射温度計測手段の計測動作を開始させる制御を行なう尿温計測制御手段と、を備え、前記尿温計測制御手段は、前記着座検出手段が非着座状態を検出している間は、前記動作開始指示手段からの計測動作開始の指示を無効にすることとした。
【0012】
また、請求項2に記載の尿温測定装置では、請求項1に記載の尿温測定装置において、肛門又は尿道口の洗浄動作を行う衛生洗浄装置部と、同衛生洗浄装置部の洗浄動作開始を指示する洗浄動作開始指示手段と、を備えるものであり、前記尿温計測制御手段は、計測動作中は洗浄動作開始指示手段からの洗浄動作開始指示を無効にすることを特徴とする。
【0013】
また、請求項3に記載の尿温測定装置では、請求項1または請求項2に記載の尿温測定装置において、肛門又は尿道口の乾燥動作を行う衛生洗浄装置部と、同衛生洗浄装置部の乾燥動作開始を指示する乾燥動作開始指示手段と、を備えるものであり、前記尿温計測制御手段は、計測動作中は乾燥動作開始指示手段からの乾燥動作開始指示を無効にすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、尿温測定を行う状態を着座姿勢に限定することにより、尿流が尿道先端口から小便器内の計測領域に到達するまでの距離のバラツキを少なくして、放熱による尿の温度低下量を一定の許容範囲以内することができ、高精度な尿温測定を行うことができる。
【0015】
また、請求項2に記載の発明によれば、肛門又は尿道口の洗浄を行う洗浄水を、尿流として誤計測することを防止して、さらに高精度な尿温測定を行うことができる。
【0016】
さらに、請求項3に記載の発明によれば、肛門又は尿道口の乾燥を行う暖気流を、尿流として誤計測することを防止し、また、前記暖気流にて暖められた臀部等を尿流として誤計測することを防止して、さらに高精度な尿温測定を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る尿温測定装置について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0018】
図1は、本実施形態に係る尿温測定装置の使用状態を示す側面視断面図であり、図2は、本実施形態に係る尿温測定装置のリモコン装置を示す斜視説明図であり、図3は、本実施形態に係る尿温測定装置のブロック図である。
【0019】
本実施形態における尿温測定装置1は、被験者Pの排泄する尿の温度を測定する機能を備えた便器装置であり、図1に示すように、被験者Pが排尿や排便を行うための装置本体部10と、同装置本体部10が設置されたトイレブースの側壁面Wに取り付けられ、装置本体部10の操作等を行うためのリモコン装置11と、を有している。
【0020】
すなわち、この尿温測定装置1は、被験者Pがリモコン装置11を操作することにより、装置本体部10に排泄された排泄物の排出や、排泄後の被験者Pの局部の洗浄や、局部の乾燥を行えるようにしており、また、装置本体部10にて被験者Pが排泄した尿流の温度を測定し、リモコン装置11に備えられた表示部44に尿温を表示して、尿温の測定結果を被験者Pに知らせる機能を有している。
【0021】
さらに具体的に説明すると、装置本体部10は、床面G上に配設した便器装置部77と、被験者が排泄する尿流の排泄された直後の温度である尿温を計測する尿温計測部20と、便器装置部77及び尿温計測部20を制御するための装置本体制御部21とを備えている。
【0022】
便器装置部77は、使用者が排泄を行なう便器を有した便器部12と、排泄後の局部の後始末をするための衛生洗浄装置部19とを備えている。また、同便器部12の後部側の上面にはケーシング14と、ケーシング14にそれぞれ回動自在に枢支した便座15及び便蓋16とを載設している。
【0023】
便器部12には、図3に示すように、被験者Pが排泄した排泄物を、床面Gに形成した排水口13に排出させると同時に便器を洗浄する機能を有する便器洗浄手段78が備えられている。この便器洗浄手段78は、貯水タンクに貯留した洗浄水をボウル部17内へ吐出し、その水流によりトラップ管路18内でサイホン現象を強制的に生起させて排泄物をこの洗浄水と一緒に排水口13へ排出するものである。
【0024】
ケーシング14は内部に、衛生洗浄装置部19と、尿温計測部20と、装置本体部10を制御するための装置本体制御部21とを備えている。
【0025】
衛生洗浄装置部19は、被験者Pの局部の洗浄を行う衛生洗浄手段として局部洗浄水を局部へ向けて噴射する衛生洗浄水噴射器22や、洗浄した局部の乾燥を行う局部乾燥手段として温風を局部に送風する温風発生器24や、被験者Pが便座15に着座した着座状態を検出する着座検出手段として赤外線を投受光して人体の有無検出する着座センサ25を備えている。
【0026】
また、尿温計測部20は、被験者Pが排泄した尿流から放射される赤外線を受光可能に構成した放射温度計測手段60と、放射温度計測手段60の計測動作を制御する尿温計測制御手段として機能する尿温計測制御回路27とにより構成している。
【0027】
この放射温度計測手段60は、被験者Pがボウル部17内に排泄する尿の温度を非接触で計測するためのものであり、後に詳述する。
【0028】
また、装置本体制御部21には、放射温度計測手段60の尿温測定値を記録する記録手段として機能するRAM34と、通信部32及びRAM34の動作等、装置本体部10全体の動作を制御するCPU36と、CPU36が装置本体部10全体の動作を制御するために実行する各種プログラムを記憶するROM38とを備えている。すなわち、CPU36、ROM38、及びRAM34は、装置本体部10全体の動作を統括制御する。
【0029】
ここで、RAM34についてさらに詳説すると、RAM34はCPU36の記憶領域としても機能するものであり、種々のフラグや変数の値を記憶することができるように構成している。
【0030】
このRAM34に記憶されるフラグとしては、本実施形態に係る尿温測定装置1では、例えば、着座フラグや、洗浄動作マスクフラグや、乾燥動作マスクフラグや、計測動作開始指示信号受信フラグが挙げられる。
【0031】
着座フラグは、0又は1の値をとるフラグであり、着座センサ25が着座状態を検出した場合には、着座センサ25から送信される着座信号をCPU36が受信して、同CPU36がRAM34上の着座フラグを1とする。また、着座センサ25が非着座状態を検出した場合には、着座センサ25から送信される非着座信号をCPU36が受信して、同CPU36がRAM34上の着座フラグを0とする。
【0032】
洗浄動作マスクフラグは、0又は1の値をとるフラグであり、尿温測定装置1の洗浄動作を許可する状態、または、洗浄動作を許可しない状態を制御するためのフラグである。
【0033】
この洗浄動作マスクフラグの役割について、局部洗浄を行う際の処理の流れに従って具体的に説明すると、まず、衛生洗浄スイッチ58が押下されると、リモコン装置11は通信部46を介して、洗浄動作の開始を指示する信号(以下、単に洗浄動作開始指示信号ともいう。)を、装置本体部10の装置本体制御部21のCPU36に送信する。
【0034】
次に、洗浄動作開始指示信号を受信したCPU36は、RAM34上の洗浄動作マスクフラグの値を参照する。
【0035】
ここで、洗浄動作マスクフラグの値が0の場合、CPU36は、洗浄動作を行っても良い状態(洗浄動作を許可する状態)と判断して、衛生洗浄装置部19の衛生洗浄水噴射器22を駆動させる。
【0036】
一方、洗浄動作マスクフラグの値が1の場合、CPU36は、洗浄動作を行ってはならない状態(洗浄動作を許可しない状態)と判断して、受信した洗浄動作開始指示信号を無効にする。なお、この洗浄動作開始指示信号を無効にする手段は、特に限定されるものではなく、例えば、洗浄動作開始指示信号を受信した際に、CPU36は所定の記憶領域に「洗浄動作開始指示信号の受信あり」のフラグを立てることとし、このフラグを初期値に戻すことで無効とするようにしても良い。
【0037】
このように、洗浄動作開始指示信号が無効とされた場合には、CPU36は衛生洗浄装置部19の衛生洗浄水噴射器22を駆動しない。すなわち、洗浄動作は行われないこととなる。
【0038】
乾燥動作マスクフラグは、0又は1の値をとるフラグであり、尿温測定装置1の乾燥動作を許可する状態、または、乾燥動作を許可しない状態を制御するためのフラグである。
【0039】
この乾燥動作マスクフラグの役割について、局部乾燥を行う際の処理の流れに従って具体的に説明すると、まず、局部乾燥スイッチ59が押下されると、リモコン装置11は通信部46を介して、乾燥動作の開始を指示する信号(以下、単に乾燥動作開始指示信号ともいう。)を、装置本体部10の装置本体制御部21のCPU36に送信する。
【0040】
次に、乾燥動作開始指示信号を受信したCPU36は、RAM34上の乾燥動作マスクフラグの値を参照する。
【0041】
ここで、乾燥動作マスクフラグの値が0の場合、CPU36は、乾燥動作を行っても良い状態(乾燥動作を許可する状態)と判断して、衛生洗浄装置部19の温風発生器24を駆動させる。
【0042】
一方、乾燥動作マスクフラグの値が1の場合、CPU36は、乾燥動作を行ってはならない状態(乾燥動作を許可しない状態)と判断して、受信した乾燥動作開始指示信号を無効にする。なお、この乾燥動作開始指示信号を無効にする手段は、特に限定されるものではなく、例えば、乾燥動作開始指示信号を受信した際に、CPU36は所定の記憶領域に「乾燥動作開始指示信号の受信あり」のフラグを立てることとし、このフラグを初期値に戻すことで無効とするようにしても良い。
【0043】
このように、乾燥動作開始指示信号が無効とされた場合には、CPU36は衛生洗浄装置部19の温風発生器24を駆動しない。すなわち、乾燥動作は行われないこととなる。
【0044】
計測動作開始指示信号受信フラグは0又は1の値をとるフラグであり、計測動作開始指示手段としての個人別尿温測定スイッチ55が押下されることにより、後述するリモコン装置11の制御部54から送信される計測動作開始指示信号を、通信部32及び通信部46を介して装置本体制御部21のCPU36が受信すると、同CPU36がRAM34上の計測動作開始指示信号受信フラグを1とする。また、CPU36は、後に図6及び図7を用いて説明するフローに従って所定のタイミングで、着座フラグを0とする。
【0045】
すなわち、計測動作開始指示信号受信フラグは、装置本体制御部21のCPU36が計測動作開始指示信号を受信した際に1の値をとり、前述の所定のタイミングで0の値をとる(初期値に戻る)フラグである。
【0046】
この計測動作開始指示信号受信フラグの役割について、尿温の計測動作を行う際の処理の流れに従って具体的に説明すると、まず、個人別尿温測定スイッチ55が押下されると、リモコン装置11は通信部46を介して、尿温の計測動作開始指示信号を、装置本体部10の装置本体制御部21のCPU36に送信する。
【0047】
次に、計測動作開始指示信号を受信したCPU36は、RAM34上の計測動作開始指示信号受信フラグの値を1とする。
【0048】
この計測動作開始指示信号受信フラグの値は、尿温計測部20の尿温計測制御手段としての尿温計測制御回路27によって常に参照されており、尿温計測制御回路27は、後に図6及び図7を用いて説明する処理を実行する。
【0049】
この尿温計測制御回路27が実行する処理において、尿温計測動作を実行する条件に合致する場合には尿温測定を行う。一方、尿温計測動作を実行する条件に合致しない場合には、尿温計測制御回路27は、計測動作開始指示信号受信フラグの値を0として、計測動作開始指示手段としての個人別尿温測定スイッチ55からの計測動作開始の指示を無効にする。
【0050】
このように、計測動作開始の指示が無効とされた場合には、尿温計測制御回路27は、放射温度計測手段60による尿温の計測動作を行わない。なお、尿温計測制御回路27は、尿温の計測動作を行った場合でも、尿温測定が終了すれば、計測動作開始指示信号受信フラグの値を0とする。
【0051】
また、上述してきたこれらのフラグの値は、他の制御部や制御手段による処理が行われている間にも、随時更新されるようにしている。
【0052】
次に、リモコン装置11について説明する。リモコン装置11は、図2及び図3に示すように、尿温測定装置1を操作するための各種操作ボタンを備えた機能操作部42と、尿温測定装置1の制御内容や尿温測定結果を表示するための表示部44と、装置本体部10との間で各種制御信号や尿温測定結果情報を送受信する通信部46と、装置本体部10における尿温測定結果情報等を記録するRAM48と、表示部44、通信部46、及びRAM48の動作等、リモコン装置11全体の動作を制御するCPU50と、CPU50がリモコン装置11全体の動作を制御するために実行する各種プログラムを記憶するROM52と、を備えている。CPU50、ROM52、及びRAM48は、リモコン装置11全体の動作を統括制御する制御部54を構成している。
【0053】
また、機能操作部42は、装置本体部10における尿温測定を開始する際に被験者Pが操作する個人別尿温測定スイッチ55と、尿温計測部20における尿温測定を終了する際に被験者Pが操作する測定終了スイッチ56と、便器部12を洗浄する際に被験者Pが操作する便器洗浄スイッチ57と、衛生洗浄装置部19により肛門又は尿道口の洗浄動作の開始を指示する洗浄動作開始指示手段として機能する衛生洗浄スイッチ58と、洗浄後の肛門又は尿道口の乾燥動作の開始を指示する乾燥動作開始指示手段として機能する局部乾燥スイッチ59と、局部の洗浄動作や乾燥動作の動作終了を指示する作動終了スイッチ61と、各種設定等を行うための設定スイッチ63と、を備えている。
【0054】
なお、個人別尿温測定スイッチ55は、図2に示すリモコン装置11では4つのボタンを備えており、例えば家族など、尿温測定装置1を長きに亘って使用する各被験者毎(各個人毎)に割り当てて使用するようにしている。
【0055】
具体的には、被験者A、被験者B、被験者C、被験者Dの4名がいる場合、被験者Aは、「1」のボタン、被験者Bは「2」のボタン、被験者Cは「3」のボタン、被験者Dは「4」のボタンを使用することとなる。
【0056】
これらの4つの個人別尿温測定スイッチ55は、いずれのボタンも放射温度計測手段の計測動作開始を指示する動作開始指示手段として機能するものであるが、制御部54のRAM48には、各ボタン毎に専用の記憶領域が割り当てられており、例えば、「1」のボタンを押して尿温測定を行った場合、得られた結果は、「1」のボタン専用の記憶領域に格納されるようにしている。
【0057】
すなわち、被験者Aは、割り当てられた「1」のボタンを押下して尿温測定を行うようにすることで、「1」のボタンに割り当てられたRAM48の記憶領域上には、被験者Aの尿温測定結果のみが蓄積されるようにすることができる。
【0058】
また、個人別尿温測定スイッチ55の各ボタンには、蓄積された尿温測定結果を表示部44に表示できるよう構成しても良い。
【0059】
これにより、例えば、「1」のボタンを押して、「1」のボタンに割り当てられたRAM48の記憶領域上に蓄積されている被験者Aの尿温測定結果を表示部44にて表示させることができ、被験者Aの尿温の推移を容易に知ることができる。
【0060】
また、個人別尿温測定スイッチ55を押下した際に、動作開始指示手段として機能させる場合や、尿温測定履歴を表示させる場合などには、パスワードを要求するように構成しても良い。
【0061】
このように構成することで、個人情報の漏洩を防止したり、プライバシーを保護することが可能となる。
【0062】
(尿温計測手段の具体的構成について)
次に、ケーシング14内部に設けられた放射温度計測手段60の具体的な構成について、図4を参照しながら具体的に説明する。図4は、放射温度計測手段60のブロック図である。
【0063】
放射温度計測手段60は、図4に示すように、尿の温度に応じて尿から放射される赤外線を受光することによって生じる熱起電力を検出信号として出力する複数の受光素子62aが縦横に隣接配置されて形成された受光素子部としての温度検出素子62を有している。温度検出素子62としては、多数の熱電対を接続して赤外線の受光によって生じる熱起電力を検出信号として出力するサーモパイル素子を複数個まとめて一体にパッケージしたサーモパイル素子アレイなどを採用することができる。
【0064】
温度検出素子62として、サーモパイル素子アレイを採用した場合には、このサーモパイル素子アレイは、図4に示すように、シリコン基板(図示せず)に8行×8列のマトリクス状に64個のサーモパイル素子(受光素子62a)が隣接配置され、外観視で略平板状をなす受光素子群を構成している。
【0065】
さらに、放射温度計測手段60は、温度検出素子62の前方に配置され温度検出素子62の計測領域64を通過する尿から放射される赤外線を温度検出素子62に集光させる集光光学系66と、温度検出素子62に近接配置された接触型の基準温度素子68と、装置本体制御部21の制御に従って所定のタイミングで各受光素子62aのアドレス信号を出力するアドレス信号出力手段70と、複数の受光素子62aからの各検出信号をアドレス信号出力手段70から入力されるアドレス信号に基づいて選択するスキャン手段72と、スキャン手段72により選択された受光素子62aからの検出信号や基準温度素子68からの検出信号を増幅する増幅手段74と、増幅手段74からの検出信号をデジタル信号に変換して装置本体制御部21に送信するA/D変換手段76と、を備えている。
【0066】
そして、温度検出素子62、基準温度素子68、スキャン手段72、及び増幅手段74は、図示しない筐体内に封止収納され、この筐体の前面に集光光学系66を一体成形した尿温計測モジュール80を構成している。
【0067】
また、後に詳述するが、本実施形態に特徴的な構成として、放射温度計測手段60は、尿温計測制御回路27を介して装置本体制御部21に接続されている。
【0068】
この尿温計測制御回路27は、着座センサ25が検出した着座状態または非着座状態に応じて、動作開始指示手段として機能する個人別尿温測定スイッチ55からの計測動作開始の指示を有効または無効として、放射温度計測手段60の尿温計測の稼働や停止を制御する。
【0069】
また、放射温度計測手段60の尿温計測動作の稼働や停止の状況に応じて、衛生洗浄スイッチ58からの洗浄動作開始指示や、局部乾燥スイッチ59からの乾燥動作開始指示を有効または無効として、衛生洗浄水噴射器22や温風発生器24の稼働や停止を制御するものでもある。この尿温計測制御回路27の動作については、図6及び図7に示すフローを用いて後に詳説する。
【0070】
次に、温度検出素子62の計測領域64の設定方法に関して以下に説明する。
【0071】
被験者Pから排泄された尿の正確な温度を計測するには、排出された直後の尿の温度を計測することが好ましいが、それを計測するためには、温度検出素子62の計測領域64を、被験者Pから排出された直後の尿流に位置させることが必要となる。
【0072】
そこで、本実施形態では、図5に示すように、上記した温度検出素子62の計測領域64(以下、温度検出素子の計測領域を、尿温計測モジュールの計測領域とも指称する。)を、便座15に着座した被験者Pの臀部P−1と便器部12の便器ボール面17aとにより形成される便器空間90内に位置する被験者Pの尿道先端口P−2近傍に設定している。なお、図5(a)は、放射温度計測手段60における尿温計測モジュール80の配置を示す平面図、図5(b)は、図5(a)におけるA−A断面図である。
【0073】
すなわち、図5(a)(b)に示すように、放射温度計測手段60における尿温計測モジュール80は、その計測領域64の中心軸65が便座15に着座して形成される便器空間90内に位置する被験者Pの尿道先端口P−2へ向って漸次接近するように、便座15に着座した被験者Pの臀部P−1へ向けた上方傾斜状態で、尿温計測部20のケーシング14内に設けられている。
【0074】
上記のように温度検出素子62の計測領域64が便座15に着座して形成される領域である尿道先端口P−2近傍に設定されているため、被験者Pの尿道先端口P−2から排泄された直後の位置で尿の温度を測定することが可能となり、排泄された尿から周囲の空気への放熱の影響を受けることなく、尿の温度を正確に測定することができる。
【0075】
また、被験者Pが便座15に着座した状態では便座開口部15aによって便器空間90における被験者Pの尿道先端口P−2を含む臀部P−1の位置が安定するため、本実施形態のように温度検出素子62の計測領域を便座15位置を基準に固定しても、被験者Pの排泄する尿を排泄直後の位置で温度検出素子62の計測領域64内に確実に捕捉することができる。
【0076】
ところで、前述したように被験者Pが便座15に着座した状態では、被験者Pの尿道先端口P−2は、一般に便座15の左右方向中心に安定して存在している。しかしながら、この状態では、被験者Pの尿道先端口P−2の左右方向には、被験者P自身の臀部P−1が存在している。
【0077】
このため、温度検出素子62の設置位置は便器空間90内で且つ、便座15の左右方向中心線を含む垂直平面内に近い位置が、光学的な尿の温度の計測には適していると言える。
【0078】
そこで、本実施形態では、図5(a)に示すように、放射温度計測手段60の受光部である温度検出素子62の計測領域64の中心軸65を、便器空間90の便座15の左右方向中心を通過する垂直平面上に配置するように、温度検出素子62を備えた尿温計測モジュール80が配設されている。なお、図5(a)において、A−A断面は、便座15の左右方向中心を通過する便器空間90の垂直平面である。
【0079】
さらに、放射温度計測手段60における複数の受光素子62aを、便器空間90の後方に配置している。具体的には、図5(b)に示すように、温度検出素子62を設けた尿温計測モジュール80は、便器空間90の後方、すなわち、便座15の後部下面と便器部12の上部に形成されたリム部12aの後部上面との間に突出したケーシング14の中央前端部に配置されている。
【0080】
このように構成することにより、便座15に着座した被験者Pの尿道先端口P−2近傍を放射温度計測手段60の計測領域64内により確実に捕捉して、被験者Pの尿道先端口P−2から排泄された直後の尿の温度を容易に測定することができる。
【0081】
次に、このように構成した尿温測定装置1の本実施形態における尿温測定の手順を、図6及び図7に示す動作フローチャートにより以下に説明する。
【0082】
まず、被験者Pが便座15に着座した状態でリモコン装置11の機能操作部42における個人別尿温測定スイッチ55を押圧操作する(ステップS10)。
【0083】
この押圧操作に基づいて、リモコン装置11の制御部54は、放射温度計測手段60による計測動作を開始させるための指示信号、すなわち、計測動作開始指示信号を通信部46を介して装置本体部10の装置本体制御部21のCPU36へ送信する。
【0084】
CPU36は、通信部32を介して計測動作開始指示信号を受信すると、RAM34上の計測動作開始指示信号受信フラグの値を、計測動作開始指示信号を受信したことを示す1とする。
【0085】
この計測動作開始指示信号受信フラグの値を常に参照している尿温計測制御回路27は、計測動作開始指示信号受信フラグの値が1となったのを判断して、放射温度計測手段60の制御を開始して、尿温測定処理を実行する(ステップS11)。この尿温測定処理は、図7におけるステップS20〜S31までの処理であり、後に詳説する。
【0086】
次に、装置本体制御部21は、RAM34に記憶されている放射温度計測手段60からの尿温測定値の情報(尿温測定結果情報とも言う。)を通信部32を介してリモコン装置11の制御部54へ送信する。なお、後に述べる尿温測定処理において、尿温測定が行われなかった場合には、尿温測定が行われなかったことを示す値を尿温測定結果情報としてリモコン装置11の制御部54に送信する。
【0087】
通信部46を介して放射温度計測手段60の尿温測定値の情報を受信すると、リモコン装置11の制御部54は、表示部44に尿温測定結果を表示する(ステップS12)。この際、尿温測定が行われなかったことを示す値を受信した場合には、表示部44には、例えば、「尿温測定は行われませんでした」等の表示を行って被験者に尿温測定が行われなかった旨を報知する。
【0088】
その後、尿温計測部20の尿温計測制御回路27、装置本体部10の装置本体制御部21、及びリモコン装置11の制御部54は、次回の尿温測定に必要な所定の測定準備動作を行い、一連の尿温測定が終了する(ステップS13)。
【0089】
次に、ステップS11における尿温測定処理について、図7を参照して具体的に説明する。
【0090】
図7に示すように、まず、尿温測定処理では、RAM34上の着座フラグを参照して、着座フラグの値が、非着座状態を示す値である0であるか否かについて判断する(ステップS20)。
【0091】
着座フラグの値が0の場合(ステップS20:Yes)、すなわち、非着座状態であった場合には、処理をステップS32に移し、計測動作開始信号受信フラグの値を0に設定して、分岐前の元のアドレスに復帰する。
【0092】
すなわち、尿温計測制御回路27は、このステップS20とステップS32により、着座検出手段としての着座センサ25が非着座を検出している状態を示す着座フラグの0の値を判別して、計測動作開始信号受信フラグの値を0に設定し、動作開始指示手段としての個人別尿温測定スイッチ55からの計測動作開始の指示を無効にしている。
【0093】
一方、ステップS20にて着座フラグが0以外の値、すなわち、着座状態であると判断した場合には(ステップS20:No)、処理をステップS21に移す。
【0094】
次に、尿温計測制御回路27は、洗浄マスクフラグの値を1に設定し、また、乾燥マスクフラグの値を1に設定する(ステップS21)。
【0095】
このステップS21の処理により、下流のフローで行う尿温の計測動作中は、洗浄動作開始指示手段からの洗浄動作開始指示を無効とし、また、乾燥動作開始指示手段からの乾燥動作開始指示を無効とするようにしている。
【0096】
次いで、被験者Pが便座15に着座した状態で尿を排出し、この尿が放射温度計測手段60における温度検出素子62の計測領域64を通過すると、放射温度計測手段60の装置本体制御部21におけるCPU36は、受光素子62aからの検出信号と、基準温度素子68からの検出信号とから温度検出素子62における受光素子62a毎の温度を算出し、温度情報として尿温計測制御回路27に備えられた一時記憶領域に記憶する(ステップS22)。
【0097】
このとき、CPU36は、温度検出素子62における全ての受光素子62aについて、例えば、図3に示す温度検出素子62では8行×8列の全64個の受光素子62aについて、それぞれ温度を算出する。
【0098】
1回に算出される温度検出素子62における全64個の受光素子62a毎の温度情報が1フレームとして、尿温計測制御回路27に備えられた一時記憶領域に記憶されるとともに、このフレーム数も累積カウントされて記憶される。
【0099】
次に、尿温計測制御回路27は、着座フラグの値が1であるか否かの判断を行う(ステップS23)。
【0100】
このステップS23にて、着座フラグの値が1以外であると判断された場合、すなわち、被験者Pが非着座状態であると判断した場合には(ステップS23:No)、処理をステップS24に移す。
【0101】
そして、尿温計測制御回路27は、一時記憶領域に記憶された温度情報を消去して(ステップS24)、処理をステップS22に移す。すなわち、尿温計測制御手段として尿温計測制御回路27は、ステップS23及びステップS24により、尿温の計測中に一時的に離座状態が発生したときは、計測動作自体を停止するのではなく、その離座状態の間に得られた温度情報のデータを廃棄するようにしている。
【0102】
一方、ステップS23にて、着座フラグの値が1であると判断された場合(ステップS23:Yes)、すなわち、被験者Pが着座状態であると判断した場合には、処理をステップS25に移す。
【0103】
次いで、尿温計測制御回路27は、尿温計測制御回路27は、一時記憶領域に記憶した温度情報を、装置本体制御部21のRAM34の所定アドレスに移動させる(ステップS25)。
【0104】
次に、尿温計測制御回路27は、累積フレーム数が予め設定された回数に達したか否かを判定し(ステップS26)、累積フレーム数が予め設定された回数に達していないと判定すると(ステップS26:No)、再び温度取得処理をするために処理をステップS22に戻す。
【0105】
例えば、1秒間に10フレームの温度情報が得られる場合であって、予め設定された累積フレーム数が50フレームである場合には、着座状態であれば5秒間で50フレーム分の温度情報がRAM34の所定アドレスに記憶される。
【0106】
一方、尿温計測制御回路27は、フレーム数が予め設定された回数に達したと判定すると(ステップS26:Yes)、受光素子部62における受光素子62a毎の温度情報に対して平均化処理を行い、予め設定されたフレーム数における各受光素子62aの平均計測温度を算出する(ステップS27)。
【0107】
例えば、受光素子部62における全ての受光素子62aについて、50フレーム分の平均計測温度を算出する。このように、予め設定されたフレーム数における各受光素子62aの平均計測温度を算出することにより、一般に受光素子62a毎に発生する検出信号のノイズによる計測値への影響量を軽減することができる。
【0108】
そして、尿温計測制御回路27は、予め設定されたフレーム数における各受光素子62aの平均計測温度のうち、最大値を抽出し、これを現時点での尿温計測値としてRAM34に記憶する(ステップS28)。
【0109】
すなわち、尿温計測制御手段として機能する尿温計測制御回路27は、赤外線を受光した複数の受光素子62aの出力信号からそれぞれの計測温度を算出し、これらの温度のうち最高温度を、放射温度計測手段60の尿温測定値とする処理を行う。これにより、一般に尿の温度は被験者Pの皮膚温度よりも高温であるため、尿温測定装置1は放射温度計測手段60の計測領域64内に被験者Pの体の一部が存在しても、尿の温度を確実に測定することができる。
【0110】
次に、尿温計測制御回路27は、リモコン装置11の機能操作部42における測定終了スイッチが押圧操作されたか否かを判定する(ステップS29)。
【0111】
すなわち、尿温計測制御回路27は、放射温度計測手段60による計測を終了させるための終了信号を通信部46を介してリモコン装置11の測定終了スイッチ56から受信したか否かを判定することにより、尿温の測定を終了すべきか否かを判定するのである。
【0112】
その結果、測定終了スイッチが押圧操作されていないと判定すると(ステップS29:No)、尿温計測制御回路27は、処理をステップS22に戻す。
【0113】
一方、測定終了スイッチが押圧操作されたと判定すると(ステップS29:Yes)、尿温計測制御回路27は、尿温測定スイッチが押圧操作されてから測定終了スイッチが押圧操作されるまでの間の各時点での尿温計測値のうち最大値を抽出し、放射温度計測手段60の尿温測定値として確定し、これをRAM34に記憶させる(ステップS30)。
【0114】
次いで、尿温計測制御回路27は、洗浄マスクフラグの値を0に設定し、また、乾燥マスクフラグの値を0に設定する(ステップS31)。
【0115】
このステップS31の処理により、洗浄動作開始指示手段からの洗浄動作開始指示や、乾燥動作開始指示手段からの乾燥動作開始指示を有効とするようにしている。具体的には、洗浄動作開始指示信号や乾燥動作開始指示信号を受けたCPU36は、衛生洗浄装置部19の衛生洗浄水噴射器22や温風発生器24を駆動できる状態となる。
【0116】
そして、計測動作開始信号受信フラグの値を0に設定して(ステップS32)、分岐前の元のアドレスに復帰することにより尿温測定処理を終了する。なお、リモコン装置11に測定終了スイッチを設けずに、ステップS28でRAM34に記憶される現時点での尿温測定値が、所定の閾値を所定の時間だけ継続して下回った場合に、尿温測定処理を終了することとしてもよい。
【0117】
ここまで述べてきたように、本実施形態に係る尿温測定装置1の尿温計測制御手段として機能する尿温計測制御回路27は、着座検出手段としての着座センサ25が非着座状態を検出している間は、動作開始指示手段として個人別尿温測定スイッチ55のからの計測動作開始の指示を無効にすることとしている。
【0118】
また、尿温測定装置1の尿温計測制御手段として機能する尿温計測制御回路27は、計測動作中は洗浄動作開始指示手段として衛生洗浄スイッチ58からの洗浄動作開始指示や、乾燥動作開始指示手段としての局部乾燥スイッチ59からの乾燥動作開始指示を無効にすることとしている。
【0119】
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんである。
【0120】
例えば、本実施形態では、放射温度計測手段60の計測動作を開始させる制御や、着座検出手段が非着座状態を検出している間は、前記動作開始指示手段からの計測動作開始の指示を無効にする処理を行なう尿温計測制御手段は、尿温計測制御回路27を別途設けることとしているが、これらの処理を装置本体制御部21のCPU36に実行させるようにしても良いのは勿論である。
【0121】
また、本実施形態では、尿温測定に関する操作や表示を行うものとして尿温計測部20とは別に設けたリモコン装置11に表示部44や機能操作部42等を設置し、尿温計測部20との通信を行なって全体として機能する構成としているが、リモコン装置11の機能が尿温計測部20に含まれる構成でも良い。その場合、操作部や表示部はケーシング14から前方に伸びる袖操作部(図示せず)に設けることで実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本実施形態に係る尿温測定装置の使用状態を示す側面視断面図である。
【図2】本実施形態に係る尿温測定装置のリモコン装置を示す斜視説明図である。
【図3】本実施形態に係る尿温測定装置のブロック図である。
【図4】本実施形態に係る尿温測定装置の放射温度分布計測手段のブロック図である。
【図5】放射温度分布計測手段における尿温計測モジュールの配置を示す説明図である。
【図6】本実施形態に係る尿温測定装置の尿温測定の処理を示すフローチャートである。
【図7】本実施形態に係る尿温測定装置の尿温測定の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0123】
1 尿温測定装置
10 装置本体部
11 リモコン装置
12 便器部
12a リム部
13 排水口
14 ケーシング
15 便座
15a 便座開口部
16 便蓋
17 ボウル部
17a 便器ボール面
18 トラップ管路
19 衛生洗浄装置部
20 尿温計測部
21 装置本体制御部
22 衛生洗浄水噴射器
24 温風発生器
25 着座センサ
27 尿温計測制御回路
32 通信部
34 RAM
36 CPU
38 ROM
42 機能操作部
44 表示部
46 通信部
48 RAM
50 CPU
52 ROM
54 制御部
55 個人別尿温測定スイッチ
56 測定終了スイッチ
57 便器洗浄スイッチ
58 衛生洗浄スイッチ
59 局部乾燥スイッチ
60 放射温度計測手段
61 作動終了スイッチ
62 受光素子部
62a 受光素子
63 設定スイッチ
64 計測領域
65 中心軸
66 集光光学系
68 基準温度素子
70 アドレス信号出力手段
72 スキャン手段
74 増幅手段
76 A/D変換手段
77 便器装置部
78 便器洗浄手段
80 尿温計測モジュール
90 便器空間
G 床面
P 被験者
P−1 臀部
P−2 尿道先端口
W 側壁面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の排泄する尿の温度を測定する尿温測定装置において、
被験者の排泄時の局部近傍に設定した所定領域内の物体から放射される赤外線を受けて当該所定領域内の温度分布を計測する放射温度計測手段と、前記被験者が前記放射温度計測手段の計測動作開始を指示する動作開始指示手段と、
被験者の便座への着座を検出する着座検出手段と、
前記動作開始指示手段からの計測動作開始指示により、前記放射温度計測手段の計測動作を開始させる制御を行なう尿温計測制御手段と、を備え、
前記尿温計測制御手段は、前記着座検出手段が非着座状態を検出している間は、前記動作開始指示手段からの計測動作開始の指示を無効にすることを特徴とする尿温測定装置。
【請求項2】
前記尿温測定装置は、肛門又は尿道口の洗浄動作を行う衛生洗浄装置部と、同衛生洗浄装置部の洗浄動作開始を指示する洗浄動作開始指示手段と、を備えるものであり、
前記尿温計測制御手段は、計測動作中は洗浄動作開始指示手段からの洗浄動作開始指示を無効にすることを特徴とする請求項1に記載の尿温測定装置。
【請求項3】
前記尿温測定装置は、肛門又は尿道口の乾燥動作を行う衛生洗浄装置部と、同衛生洗浄装置部の乾燥動作開始を指示する乾燥動作開始指示手段と、を備えるものであり、
前記尿温計測制御手段は、計測動作中は乾燥動作開始指示手段からの乾燥動作開始指示を無効にすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の尿温測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−228347(P2009−228347A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−76717(P2008−76717)
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】