説明

尿測定装置

尿カテーテルを装着している患者の尿生成を測定する装置であって、前記装置が交換型の自動排出チャンバー(120)を備え、前記自動排出チャンバー(120)には、ビューレットが所定の容積まで満たされた状態になった場合に自動排出するためのサイフォンが設けられており、前記自動排出チャンバーは、インレットと、その容積が測定される尿のためのアウトレットとをさらに備えており、さらに、該装置は、ベースユニット(105)を備えており、該ベースユニット(105)には、前記自動排出チャンバー(120)を前記ベースユニットに取り外し可能に取り付けるための取付手段が設けられており、そのステーションは、前記自動排出チャンバー内の尿のレベルを感知し、且つ自動排出の回数の記録をつけ続けるための測定手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、患者の尿生成を測定する装置及び方法に関する。特に、本願発明は、患者の尿膀胱(urine bladder)内に挿入されたカテーテルから流れ出し、該装置の自動排出測定チャンバー(self emptying measuring chamber)を通過して、収集バッグ内にさらに収集されている尿の容積の量を測定する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
尿生成を測定する単純な周知の方法は、カテーテルを介して生成された尿をバッグ内に集めることである。看護婦は、該バッグを空のバッグと一定の時間ごとに交換し、時間及び最後の交換から生成された容積を記録し、尿生成を表示する図を手動で計算する。そのような方法は、非常に遅く、多大な労力を必要とし、収集バッグの交換の間の期間中に尿生成の容積における変化に関して不正確である。測定を改善するための試みは行われている。特許文献1には、自動排出機能を有する、尿のためのサイフォンチャンバー(siphon chamber)を備えている装置が記載されており、この尿の容積は、光学的センサー又は電気的センサーの助けで測定される。サイフォンチャンバー内の尿レベルが増加する場合に、サイフォンチャンバーの壁における2つの電極の間のキャパシタンスは、変化する。この方法において、信号は、サイフォンチャンバー内の尿の量に対応して生成される。特許文献1の図4及び第4欄の第34行目〜第52行目に示される。特許文献2には、流体と接触するサイフォンセンサーが記載される。
【0003】
先行技術の問題は、実時間測定を達成する方法である。他の問題は、長期に及ぶ排出処理を確認する自動制御できるプログラムされたシステムループを提供する方法である。容積計算を提供するいくつかのシステムは、流体と直接的な接触するか、又は時間とともに情報を提供する光学センサー又はスケールを備えるかのいずれかであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第3,919,455号明細書
【特許文献2】英国特許第2,243,918号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明は、交換型の容器、好ましくは「ビューレット」と称されるサイフォンチャンバー(siphon chamber)を備えており、該容器がベースユニットの表面に配置された電極に近接して取り外し可能に配置される測定装置を提供することによって先行技術の問題を解決する。前記ベースユニットはまた、測定電子装置を備えてもよい。交換型のビューレットを低コストで製可能にさせるために、ベースユニット内に多くの測定電子装置として配置することは、有利である。ベースユニットの表面上の電極は、ビューレット内の尿レベルの非接触式の容量測定(capacitive measurement)を提供する。前記ベースユニットはまた、その中で尿を伝導率測定させるために、ビューレット内に設けられた電極と接触させるための電極を備えてもよい。その中のイオン濃度を推定することを可能にするように、尿の伝導率を監視することは、有利であり、それは、主治医にとって価値のある腎臓機能の情報を付与することができる。伝導率測定はまた、以下に説明されるように、尿の容積の測定を改善することができる。該ビューレットは、可視性及び良好な信号状態を可能にするように、透明なポリマー材料で製造されてもよい。この方法において、実時間における尿量の容積、1時間当たりの尿量の容積、及び治療の経過中に累積された尿量の容積を測定するために使用されることができる液体容積感知装置が設けられる。本願発明は、患者の尿カテーテルに接続されるためのチューブを信頼してもよく、通気孔を有するサイフォンビューレット、一方向弁、リザーバ、及び制御ユニット(ベースユニット)を備えてもよい。ビューレットは容積を有し、一方向弁と組み合わせて、細菌が上流へ移動し、且つ患者に到達することを防止し、該細菌はそうしなければ、尿路感染症(urinary tract infection、UTI)を引き起こす。
【0006】
該装置は、実時間で、1時間当たり、少なくとも24時間累算された尿量を測定してもよい。ビューレットを通じた1時間当たりの尿生成の監視は、例えば上述したように、尿と直接的に接触する必要がない適切なセンサシステムによって測定される。ベースユニットは、ビューレットを配置するためのキャバーン(cavern)を有してもよく、該キャバーンの壁には、それらの間でキャパシタンスを測定するための2つ以上の電極が設けられてもよい。ビューレット内の尿のレベルが変化するので、キャパシタンスは変化し、尿のレベルに対応する測定を提供してもよい。電極は、ビューレットの壁を通じて流体の容積を方向付ける容量性要素(capacitive element)として機能する伝導性フィルム/シート/テープ/フォイルを備えてもよい。適切には、ビューレットの壁は、良好な測定状態を可能にするために、2.0mm以下である。容量性要素のキャパシタンスの変化は測定され、これは、適切にはベースユニット内に含まれたマイクロコントローラー又は類似のプロセスユニットによってデジタル値として格納された容積に変換される。単一のチップマイクロコントローラーを使用することは、性能及び電力消費を最適化する。
【0007】
排出処理のタイミング及び間隔は、実時間値及び1時間あたりの容積を検出するために、且つ累計値の記録をつけるために、マイクロプロセッサによって監視されてもよく、且つ分析されてもよい。ビューレットの内側は好ましくは、疎水性コーティングで被覆されることができ、収集バッグ内のビューレットの外側は、幅広に傾斜した設計を有することができる。この組み合わせは、排出機能を促進させ、流体がビューレットシステム内に溜まることを妨げる。ベースユニットには、外科手術中及び集中治療処置中に、システムの監視及び操作性を増加するための遠隔のユニットにワイヤレス通信するための通信ユニットが設けられていてもよい。該通信は、電波又は赤外線技術を使用してもよい。作業員にとって、外科手術中に、収集バッグ又は同様のものの目盛りから尿生成を読み取るために前方下向きに深く傾ける、又は曲げる必要がなく、尿生成を監視することを可能にすることは、非常に有利とされる場合がある。
【0008】
本願発明は先行技術の改善であるけれども、本願発明は、計算する、測定する、格納する、且つ前記処理を表示するための全自動の最小電力供給装置(totally automatic minimal battery powered device)を提供することによって尿量監視処理中に、関連した問題を解決する。これに加えて、本願発明は、現在の容積の即時の値を提供し、先行技術より早く、且つ容積及び割合の両方に対してより直接的な応答を提供する。
【0009】
該装置はまた、前記処理中に正確性及び主観性からの関連した問題を克服する。該装置は、尿と即座の接触状態にあるように容量センサー(capacitive sensor)システムを備えてもよい。
【0010】
該装置はまた、使用者が、受け入れることができる又はできない所定の尿量の許容量を設定することを可能にする事前警告設定を備えてもよく、それらは、任意の警告イベントの場合において患者の尿量をチェックするために、患者に警告する警告モードを提供してもよい。
【0011】
該システムはまた、尿量に対する相関関係において患者に付与された治療を同期させるイベントマーカーを提供してもよい。
【0012】
該警告システムはまた、責任ある作業員(responsible personnel)と同一の部屋に容易に配置されることができる患者監視装置に向けて、尿量の情報及び/又は警告を送信することを可能にするワイヤレス手段を提供してもよい。さらに、尿測定装置又は患者監視装置、又はその両方には、例えば尿生成グラフ及び/又は尿伝導率グラフなどの尿測定情報を、例えばUSB(ユニバーサル・シリアル・バス)メモリスティック又はSD(セキュア・デジタル)メモリーカードに移送させるための、接続部、インターフェース、及び/又はスロットなどの手段が設けられてもよい。
【0013】
本願発明は、医学的処置中に脱水又は過負荷の防止を提供し、ワイヤレス警告機能は、周知技術に関連にした処置中の安全性を改善する。
【0014】
それ故に、本願発明の第1の態様によれば、尿カテーテルを装着している患者の尿生成を測定するための尿測定装置であって、該尿測定装置が、自動排出チャンバーを備え、該自動排出チャンバーは、前記尿カテーテルに接続可能なインレットと、その容積が測定される尿のためのアウトレットと、を備えており、前記尿測定装置は、ベースユニットをさらに備えており、該ベースユニットは、前記自動排出チャンバーを前記ベースユニットに取り外し可能に取り付けるための取付手段を有し、該ベースユニットにはまた、尿レベル測定手段が設けられており、前記自動排出チャンバー内の尿のレベルにおける変化を感知することが可能であり、それによって尿レベル信号を生み出す、尿測定装置が提供される。前記ベースユニットは、前記尿レベル測定手段によって測定された尿レベル信号に基づいて、生成された尿の容積を計算するように配置されたプロセッサをさらに備える。
【0015】
前記プロセッサは、尿レベル信号に基づいて、自動排出を検出するように配置される。該プロセッサは、何回自動排出チャンバーが排出されたかを記録し続けるように配置される。該プロセッサはそれ故に、時間の関数として尿生成を計算するように配置される。
【0016】
前記装置は、互いに対して離れて配置された2つ又は4つのキャパシタンス電極を備えてよく、それによって、前記自動排出チャンバーが前記ベースユニットに取り付けられる場合に、前記キャパシタンス電極は、前記2つのキャパシタンス電極の間で生じるキャパシタンス信号を感知することが可能であり、該キャパシタンス信号は、前記自動排出チャンバー内の尿のレベルが変化するにつれて変化し、それ故に該キャパシタンス信号は、尿の生成された量の測定を構成してもよい。
【0017】
前記自動排出チャンバーは、使い捨て物品とされてもよい。
【0018】
前記自動排出チャンバーを前記ベースユニットに取り外し可能に取り付けるための手段が、開放型キャバーン(open cavern)又は有窓開放型キャバーン(fenestrated open cavern)とされてもよい。前記キャバーンは、第1の制限壁、第2の制限壁、及び第3の制限壁によって画定されてもよい。制限した入口は、壁とされてもよい。
【0019】
前記尿レベル測定手段は、前記自動排出チャンバー内の尿レベルを決定するための超音波計測システムを備えてもよい。
【0020】
前記超音波計測システムは、超音波を放射し、且つ超音波を受容するための、前記ベースユニットに配置された超音波トランスデューサ(ultrasound transducer)を備えてもよい。前記自動排出チャンバーには、尿流体表面に向けて超音波ビームを方向付けるための超音波ビームリフレクターが設けられてもよい。前記自動排出チャンバーには、疎水性フィルタが設けられてもよく、該疎水性フィルタは、超音波ビームが、前記超音波トランスデューサから前記疎水性フィルタが設けられた前記自動排出チャンバーの壁における開口部を通じて、前記自動排出チャンバーの内部へ通過するように配置されてもよい。
【0021】
該尿レベル測定手段は、前記自動排出チャンバー内の尿のレベルを決定するための圧力計測システムを備える。前記圧力計測システムは、前記ベースユニットの圧力センサーに取り外し可能に接続可能であるための手段を有する上昇パイプを備えてもよい。
【0022】
前記自動排出チャンバーは、10ミリリットルと30ミリリットルとの間の測定容積を有してもよい。前記自動排出チャンバーは、14ミリリットルと16ミリリットルとの間の測定容積を有してもよい。
【0023】
前記自動排出チャンバーは、平方の断面又は楕円形状の断面を有してもよく、前記自動排出チャンバーには、キャパシタンス電極に向けて滑り嵌めするように少なくとも1つの平坦な壁が設けられてもよい。
【0024】
前記自動排出チャンバーの前方壁は、透明な材料、適切にはポリマーから製造されてもよい。
【0025】
該装置は2つのキャパシタンス電極を有してもよく、該2つのキャパシタンス電極は、尿と接触状態になるように前記自動排出チャンバーの内側に配置されており、且つ前記自動排出チャンバーの外側に配置された接触プレートに接続される。前記自動排出チャンバーの外側に配置された前記接触プレートは、前記自動排出チャンバーの後方壁で配置されてもよい。2つの接続接触子は、前記自動排出チャンバーの前記接触プレートに対して接触させるように、キャバーンの後方壁に配置されてもよく、それによって、伝導率信号を、信号処理及び測定のための前記ベースユニットに伝える。前記プロセッサは、キャパシタンス測定及び伝導率測定の組み合わせに基づいて、生成された尿の容積を計算するように配置されてもよい。前記プロセッサは、前記キャパシタンス測定及び前記超音波測定の組み合わせに基づいて、生成された尿の容積を計算するように配置されてもよい。前記尿測定装置には、尿伝導率計測器が設けられており、前記プロセッサは、前記キャパシタンス測定、前記超音波測定、及び伝導率測定の組み合わせに基づいて、生成された尿の容積を計算するように配置されてもよい。
【0026】
該装置には、所定の長さのアウトレットパイプが設けられており、その断面積がアウトレットパイプのアウトレット端部に向けて徐々に増加してもよい。
【0027】
該装置には、時間におけるポイントをマークするための入力手段が設けられてもよい。時間におけるポイントは、薬剤を管理するための時間とされてもよい。マーキングは、ボタンを押すこととされてもよく、プロセッサは正しい時間を格納するように配置されてもよい。
【0028】
第2の態様によれば、上述したような自動排出チャンバーが提供される。
【0029】
第3の態様によれば、上述したような装置の使用のための自動排出チャンバーが提供される。
【0030】
第4の態様によれば、上述したようなベースユニットとともに使用するための自動排出チャンバーが提供される。
【0031】
第5の態様によれば、上述したようなベースユニットが提供される。
【0032】
第6の態様によれば、上述したような尿測定装置における使用のためのベースユニットが提供される。
【0033】
第7の態様によれば、上述したような自動排出チャンバーとともに使用するためのベースユニットが提供される。
【0034】
第8の態様によれば、尿生成を監視する方法であって、
−尿を交換型の自動排出容器内に移動させるステップと、
−前記自動排出容器から離れて配置された電子的なレベル測定手段を使用して、前記自動排出容器内の尿レベルを連続的に測定するステップと、
−前記自動排出容器の自動排出イベントを検出するステップと、
−前記尿レベル測定及び前記自動排出イベントの検出に基づいて、時間の関数として尿生成の記録をつけ続けるステップと、
を備える、患者の尿生成を監視する方法が提供される。
【0035】
該方法はまた、
−電子的なディスプレイに尿生成を表示するステップと、
−尿生成情報を遠隔のユニットに通信するステップと、
を備えてもよい。
【0036】
本願発明は次いで、添付した図面と併せて本願発明の1つ又は複数の実施形態の助けでさらに説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1a】尿生成の測定のための尿測定装置の斜視図を示す図である。
【図1b】図1aの装置の平面断面図を示す図である。
【図1c】図1aの装置のベースユニット部分を詳細に示す図である。
【図1d】図1aの装置のベースユニット部分を詳細に示す図である。
【図1e】前記ベースユニットのキャバーンにおいて配置されたサイフォン式測定チャンバー(ビューレット)の断面図を示す図である。
【図1f】ビューレットの背面図及び断面図を示す図である。
【図2】抵抗値及びキャパシタンス値がどのように生成された尿の容積に依存するかを示す例示的なグラフを示す図である。
【図3a】ビューレットが、平坦な表面に配置されたキャパシタンス電極を有するベースユニットに取り付けられる尿測定装置を示す図である。
【図3b】ビューレットが取り除かれた状態の、図3aの装置のベースユニットを示す図である。
【図3c】図3bのベースユニットの断面図を示す図である。
【図3d】図3aのビューレットを示す図である。
【図4a】2つの断面図を含む、ビューレット内の尿レベルの超音波測定のために適合されたベースユニット及びビューレットを示す図である。
【図4b】図4aのベースユニット及びビューレットの超音波伝播を示すためのさらなる断面図を示す図である。
【図4c】尿のレベルが圧力感知システムを使用して測定される、ベースユニット及びビューレットを示す図である。
【図4d】尿のレベルが圧力感知システムを使用して測定される、ベースユニット及びビューレットを示す図である。
【図4e】尿のレベルが圧力感知システムを使用して測定される、ベースユニット及びビューレットを示す図である。
【図4f】尿のレベルが圧力感知システムを使用して測定される、ベースユニット及びビューレットを示す図である。
【図4g】尿のレベルが圧力感知システムを使用して測定される、ベースユニット及びビューレットを示す図である。
【図5a】異なる構成の尿測定システムのブロック線図を示す図である。
【図5b】異なる構成の尿測定システムのブロック線図を示す図である。
【図5c】異なる構成の尿測定システムのブロック線図を示す図である。
【図6】患者の尿生成の正確な測定のための方法のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1a〜図1fは、尿カテーテルを装着している患者の尿生成を測定するための尿測定装置100を示しており、該尿測定装置は、ビューレットとも称される測定容器又は測定チャンバー120を備えている。該ビューレットには、ビューレット120が所定の容積まで満たされた状態になった場合に自動排出するためのサイフォンが設けられている。ビューレット120は、その容積量が測定される尿のためのインレット122と、アウトレット130、160とをさらに備える。さらに、尿測定装置は、ベースユニット105を備える。該ベースユニット105には、ビューレット120を配置するためのキャバーン(cavern)138が設けられており、該キャバーン138の側壁は、左側側壁139、右側側壁137、及び後方側壁136を有する。また、ベースユニット110には、互いに対して離れて配置され、且つ該2つのキャパシタンス電極の間に生じるキャパシタンス信号を感知することが可能である2つのキャパシタンス電極(capacitance electrode)140、141が設けられている。該ビューレット120には、尿が入る場合に、空気をビューレットから逃すことを可能にするように、通気孔106が設けられる。通気孔106には、好ましくは、尿を偶発的に自動排出チャンバー120から排出することを防止するために、疎水性フィルタが設けられる。キャパシタンス信号は、ビューレット120内の尿のレベルが変化すると変化し、且つキャパシタンス信号は、生成された尿の量の測定を構成する。プロセッサ610は、キャパシタンス信号の信号処理の助けで、何回ビューレットが排出されたのかを記録し続けるように配置され、且つ排出の間に尿生成の容積を連続的に監視するように配置される。該プロセッサは、時間の関数として尿生成を計算するように構成される。該プロセッサは好ましくは、ベースユニット105内に配置される。
【0039】
ビューレット120は、使い捨て物品とされてもよい。ビューレットを使い捨て物品として有することの利点は、後続の段階で他の患者又は同じ患者に使用するための複雑な構造を洗浄し、且つ殺菌するステップが除外されることである。ビューレットは必ずしも、繰り返しされた洗浄及び処理に耐えることが可能である頑丈な再利用可能な材料で製造される必要がない。
【0040】
キャパシタンス電極140は好ましくは、ビューレットの底端部に対応する位置からビューレットの上端部に対応する位置まで到達する長さを有する。キャパシタンス電極は、ビューレットの最大充填レベルで終端してもよい。このレベル以上では、排出が生じる。ビューレットは、ビューレットのアウトレット130及び160に取付可能である従来型の尿収集バッグ内に適切に排出する。
【0041】
進歩的な考えによって、且つ実験によって、発明者らは、電極が互いのそばに配置される場合に、電極間の距離がビューレットの壁の厚さと比較して大きくなるであろうことを発見した。5mmから20mmの幅を有する電極は、うまく機能するであろう。しかしながら、電極は、ビューレットよりかなり幅狭とされるだろう。これは、外乱又は干渉を拾う危険性を低減させるであろう。幅が1mm未満になった場合にたとえ低い信号レベルが初めに現れるように思われる場合でも、5mm未満の幅の電極は、やや弱い信号を付与する場合がある。電極は、ビューレットが上方に向けて幅広になるにつれて幅広に製造されてもよい。それによって、キャパシタンス信号は、高さの代わりに容積と線形状態になる。製造技術のために、ビューレットは、テーパー角度を有してもよい。ビューレットが2つの半体から製造される場合に、内側で一定の幅を有することは可能である。
【0042】
ベースユニット105のキャバーン138は、開放型キャバーン(open cavern)とされてもよく、すなわち、ビューレット120の壁を完全に囲まない開放型キャバーンとされてもよい。該開放型キャバーンは、1つ又は複数のカテーテルを切り離す必要なしに、該キャバーン内に配置されるようにインレット及びアウトレットに接続されるカテーテルを含んでいるビューレットを可能にする。キャバーンには好ましくは、3つの壁、すなわち、後方側壁136、左側側壁139、及び右側側壁137が設けられており、該キャバーン138は好ましくは、インレット及びカテーテルチューブが上方から通過させる、且つアウトレットを下向きに通過させるように、上向き及び下向きに開放されている、又は部分的に開放されている。キャバーンは好ましくは、ビューレット120内の尿レベルの目視検査を可能にするために、前方で開放されている。左側側壁139及び右側側壁137は好ましくは、下向き方向において、キャバーンに対する幅狭な断面を付与するように、僅かに傾斜するように配置されてもよい。その結果、ビューレットには、キャバーン内でビューレットの一致した滑り嵌め(snug and consistent fit)を提供するために、僅かにテーパーを付した形状を付与されてもよい。該一致した滑り嵌めは特に、キャパシタンス電極のための良好な測定状態を保証する。
【0043】
ビューレットは好ましくは、10ミリリットルと30ミリリットルとの間の測定容積を有してもよく、より好ましくは、14ミリリットルと16ミリリットルとの間の測定容積を有してもよい。それらの容積は、尿がビューレット120内で経過した時間に応じて、特に有利とされるように示される。ビューレット内に新鮮な尿を有することは、利点である。しかしながら、あまりにも小さなビューレットにおいて、毛管力は、サイフォン機能及び/又はビューレットの充填と干渉する場合がある。ベースユニットには、電子的な測定機能の容易なチェックのための、ビューレットの隣に配置された測定スケールが設けられてもよい。
【0044】
ビューレット120は、方形の断面又は楕円形状の断面を有してもよく、該ビューレット120には、ベースユニット105のキャバーンのキャパシタンス電極140に向けて滑り嵌めする(fit snugly)ように、2つの平坦な側壁が設けられる。
【0045】
ビューレット120の前方壁は有利には、透明なポリマーから製造されてもよく、それによって、内側でサイフォン及び尿レベルの目視検査を可能にする。視覚的測定スケールは、尿レベルの視覚的な測定のために、ビューレット表面に印刷されてもよく、又は鋳造されてもよい。
【0046】
尿と接触する状態になるように、ビューレットの内側に2つのキャパシタンス電極が配置されることができ、それらの2つのキャパシタンス電極148は、ビューレット120の外側に配置された接触プレート150に接続される。ビューレット120の外側に配置された該接触プレート150は、ビューレット120の後方壁152で配置されてもよい。さらに、2つの接続接触子145は、キャバーンの後方壁136に配置されてもよく、それによって信号処理及び測定のための、伝導率信号をベースユニットに伝えるために、ビューレット120の接触プレート150に接触させる。
【0047】
該装置には、容積測定を改善するために、キャパシタンス測定と抵抗/伝導率の測定とを組み合わせるための手段がさらに設けられてもよい。
【0048】
アウトレットパイプ160は、所定の長さとされてもよく、アウトレットパイプ160には、アウトレット端部に向けて徐々に増加する断面積が設けられてもよい。
【0049】
[測定信号]
複数の信号の処理は、時間の関数として尿生成信号を提供するように目標としている。該ベースユニットには、時間の関数として尿生成を表示するためのディスプレイ125が設けられてもよい。前1時間の尿生成を表す値が表示されてもよい。前24時間の尿生成を表す値が表示されてもよい。ビューレット内の現在の容積を表す値が表示されてもよい。直近のバッグの交換時からの尿の容積を表す値が表示されてもよい。図2は、抵抗値及びキャパシタンス値が生成された尿の容積にどのように応じているかの例示的なグラフを示す。容積が増えると、抵抗値が減少することが理解することができる。キャパシタンス値が、容積の増加に比例して増加することも理解することができる。
【0050】
ビューレット内の容積は、以下の式によって決定されることができる。
V(t)= K1(C(t)+K2) (I)
この式において、V(t)は容積であり、C(t)はキャパシタンス信号であり、R(t)は抵抗信号である。また、K1及びK2は定数である。
【0051】
これらの定数は、システム内のありうるドリフトを埋め合わせるために、それぞれが排出された後で、再計算されてもよい。
【0052】
代替として、抵抗測定も使用する。
V(t)= K1 (C(t)+K2)+K3/(K4+R(t))+K5 (II)
この式において、V(t)は容積であり、C(t)はキャパシタンス信号であり、R(t)は抵抗信号である。また、K1〜K5は定数である。
【0053】
さらなる代替として、式(II)の2つの部分の影響が、異なる重要性を付与する。すなわち、ビューレットの充填開始時に、抵抗部分が支配し、続いて減少する。以下の式(III)及び式(IV)で開始した場合に、容積は、以下にさらに説明されるように、決定されることができる。
V_c(t)=K1(C(t)+K2) (III)
V_r(t)=K3/(K4+R(t))+K5 (IV)
【0054】
ここで、V_c(t)は、抵抗測定のみから計算された、ビューレット内の容積であり、V_r(t)は、キャパシタンス測定のみから計算された、ビューレット内の容積である。
【0055】
今、V_r(t)が所定の抵抗値R_limitより小さい場合、次いで、ビューレット内の容積は、V(t)=V_r(t)として決定される、すなわち、式(IV)から決定される。
【0056】
ほかに、V_c(t)が所定のキャパシタンス値C_limitより大きい場合、次いで、ビューレット内の容積は、V(t)=V_c(t)として決定される、すなわち、式(III)から決定される。他の全ての場合、容積は、加重和(a weighted sum)として決定される、すなわち、キャパシタンス測定のみから計算された現在の容積と最大容積との間の第1の割合が計算される。第2の割合は、1.00と第1の割合との間の差として計算される。該容積は次いで、第1の積と第2の積との和として計算される。第1の積は、第2の割合によって加重された、キャパシタンス測定のみに基づく容積である。第2の積は、第1の割合によって加重された、抵抗測定のみに基づく容積である。以下に式(V)、(VII)、及び(VII)が示される。
R_ratio = V_c(t)/V_max (V)
C_ratio = 1-R_ratio (VII)
V(t)= C_ratio V_c(t) + R_ratio V_r(t) (VIII)
【0057】
該容積はまた、キャパシタンス値及び抵抗値をカルマンフィルターに供給することによって決定されてもよい。
【0058】
キャパシタンス測定は、2つのキャパシタンス電極の助けで達成されるように上記に示される。代替として、キャパシタンス測定は、4つのキャパシタンス電極の助けで達成されてもよい。
【0059】
[インピーダンス/伝導率の決定]
ディスプレイまた、インピーダンス値/抵抗値又は、尿内の電解液濃度を反映している対応する伝導率の値を表示することができる。インピーダンス測定は、インピーダンス測定が行われる時間内のある時点で、尿の計算された容積を考慮に入れることができる。該計算において、より一層正確なインピーダンスの決定を得るためには、推定された容積を考慮される場合がある。さらに、又は代替として、該測定は、最も正確な読み取りが予期される時間内のある時点で、一般的にはビューレットが満たされた状態に近づく場合に、行われる場合がある。
【0060】
図3aは、ビューレット120がベースユニット105に取り付けられ、該ベースユニットが、平坦な表面330で配置されたキャパシタンス電極310及び320を有する、尿測定装置を示す。ビューレット120をベースユニット105に取り外し可能に取り付けるための取付手段350及び351も設けられている。該取付手段は、ベースユニット105に固定された2つのクリックホルダ350と、ビューレットを適所に維持するためにクリックホルダ350と協働する2つのピン351と、を備える。2つのピン351は、電気的導電性材料から製造されてもよく、電気的な測定を可能にするために、ビューレット120内の尿と電気的に接触させるために、ビューレットの壁を貫通するように配置されることができる。ビューレットの外側に延在している各ピンの部分は、対応するクリックホルダ350に対して電気的に接触させるように配置されており、一方のクリックホルダ及び一方のピンを介して尿を通じて電流を送り、且つ他方のピン及び他方のクリックホルダでそれを集めることによって、尿の伝導率の電気的な測定を行うことを可能にする。クリックホルダ350は、ポリマー材料から製造されることができ、接触表面で配置されるインレイ(inlays)又は接触プレートを有することができる。ピン351及びクリックホルダを機械的な取付手段及び電気的接触手段の両方として機能させることは、有利であり、これが材料を節約し、複雑さを抑え、それ故に製造コストを抑える。ビューレットは、ピンを有するビューレットを適所に押圧することによって簡単に設置され、それは、各クリックホルダが、ピンの形状に対応する円柱状の空間を部分的に包囲する2つの2つのアーム352及び353を有するので、適所に容易にスナップ嵌めされる。図3bは、ビューレット120が取り除かれた状態での、図3aの装置のベースユニット105を示す。2つの電極310及び320は、キャパシタンスがビューレット120内の尿のレベルにおける変化に応じて変化するので、キャパシタンス測定を可能にするように、垂直方向に延在する平坦な表面330上に配置される。
【0061】
図3cは、断面における図3bのベースユニット105を示す。ここで、キャパシタンス電極320及びクリックホルダ350は、より詳細に見ることができる。
【0062】
図3dは、透視図におけるビューレットを示す。ピン351が、ビューレット120の壁370に取り付けられ、且つ壁370を通じて延在することが見られる。
【0063】
[超音波測定]
図4aは、ビューレット120内の尿レベルの超音波測定のために適合されたベースユニット105及びビューレット120を示す。この図は、2つの断面図を含む。
【0064】
図4bは、図4aのベースユニット105及びビューレット102の超音波の伝播(propagation)を示すために、さらなる断面図を示す。ベースユニット105及びビューレットにはそれ故に、上述したように容量測定システム(capacitive measurement system)に対して補足物として、又は代替物として、超音波測定システムが設けられてもよい。ベースユニット105には、超音波送信機410、疎水性フィルタ420、及び超音波ビームリフレクター425が設けられることができる。超音波送信機410は好ましくは、超音波ビームが、ビューレットに入るために、ビューレットの疎水性フィルタの窓を通過するように、ベースユニット105の上部分に配置される。さらに、ビューレットには、超音波ビームを尿表面に向けて偏向させるための超音波ビームリフレクター425が設けられることができる。尿レベルは、ビューレットの寸法及び超音波ビームリフレクター425の位置及び寸法の知識を使用して、超音波パルスが尿表面445へ進み、且つ尿表面445から戻ってくるために必要とされた時間を測定することによって決定されることができる。
【0065】
[圧力測定]
図4c〜図4gは、尿のレベルが圧力感知システムを使用して測定されるベースユニット105及びビューレット120を示す。これは、他の測定方法に対して代替物又は補足物として使用されることができる。ビューレットには、ベースユニット105に対する取付を可能にする手段が設けられている。好ましくは、ビューレットは、ベースユニット105内のソケットに挿入可能なパイプ端部460の助けで、ベースユニットに取り付けられることができる。上昇パイプ455(ascending pipe)からの圧力をベースユニット105の圧力計測器(図示せず)まで移動させるために、ソケットには、気密シール手段465、例えばOリングが設けられる。上昇パイプは、ビューレットの底部に近接する底端部450から上方に延在しており、ビューレットのサイフォンの長さ全体をカバーしている。この方法において、ビューレット内の尿レベルの増加に起因して作り上げられた圧力は、上昇パイプ及び上昇パイプ端部460を介してベースユニットへ移動される。パイプ端部460が同時に2つの問題を解決するために、すなわち、第1に、ビューレット120をベースユニット105に取り付けるために、及び第2に、上昇パイプからベースユニット105の圧力計測器へ圧力を移動させるために、使用されることは、有利である。パイプ端部460又はパイプ端部460のための入口開口部には、好ましくは、尿が偶発的にベースユニットに入ることを妨げるように、疎水性フィルタが設けられることができる。
【0066】
図5a、図5b、及び図5cは、異なる構成のいくつかの尿測定システムのブロック図を示す。尿測定システムは、容量性の尿レベル計測器605、又は超音波の尿レベル計測器620、又は圧力計測器、又はそれらの2つ又は3つを備えてもよい。尿測定システムは、互いに対する適切な接続及び上述した計測器に対する適切な接続で、プロセッサユニット610と、ディスプレイ125又は通信ユニット635又はその両方と、を備える。該システムはまた、尿伝導率計測器630を備えてもよい。
【0067】
[入力手段及びイベントマーカー]
該装置には、イベントマーカーも設けられてもよい。該イベントマーカーは、患者の尿生成に影響を及ぼす場合があるイベントが起こることを記録するための、例えば1つ又は複数のボタン380などの入力手段を備える。該イベントマーカーはまた、電子装置及び/又はソフトウェアを備えており、該電子装置及び/又はソフトウェアは、時間の関数として尿生成のグラフィック表示におけるシンボルとともにイベントをマークするために配置される。それ故に、イベントマーカーは、ディスプレイ125において又は遠隔の患者のモニターにおいて、プリントアウトにおいて、又はそれらの組み合わせにおいて、グラフィックレイアウトで示されるようにタイムスタンプを構成する。例えば利尿剤の管理、注入バッグの変化、注入速度の変化などの2つ以上のイベントをマークするために配置されることができる。この方法において、看護職員は、測定の所望された効果が推定時間内に達成される場合に、イベントマーカーのグラフィックシンボルのグラフ及び時間線の位置から、明確で簡潔的な方法で理解する可能性を付与される。イベントマーカーのグラフィックシンボルは、例えば1つ又は複数の矢印、マーカー、星印、又はそれらの組み合わせとされることができる。該装置にはまた、ゼロに合わせるための、且つ/又は再設定するための適切な入力手段382が設けられる場合がある。
【0068】
[方法]
図6は、患者の尿生成の正確な測定のための方法のフローチャートを示す。該方法は、以下のステップを備える。
−尿を患者から自動排出容器へ移動させるステップ(705);
−ビューレットから離れて配置された電子的なレベル測定手段を使用して、該自動排出容器内の尿レベルを連続的に測定するステップ(710);
−該自動排出容器の自動排出イベントを検出するステップ(715);
−尿レベル測定及び自動排出イベントの検出に基づいて時間の関数として尿生成の記録をつけ続けるステップ(720);
【0069】
さらに、該方法において、自動排出容器は、交換型の自動排出容器とされる。好ましくは、該自動排出容器は、ビューレットとされる。より好ましくは、該ビューレットは、自動排出するためのサイフォンシステムを有するビューレットとされる。好ましくは、容器から排出された尿は、従来の収集バッグに排出される。
【0070】
電子的な測定手段は、上述したような容量性、超音波、又は圧力とされてもよい。
【0071】
該方法は、以下のステップをさらに備えてもよい。
−電子的な伝導率測定手段の助けで、尿の伝導率を測定するステップ(725)、及び/又は、
−遠隔のユニットに測定を通信するステップ(730)、及び/又は、
−レベル測定を改善するために、伝導率測定を使用するステップ(735)
改善する方法が上述したものとされてもよい。
【符号の説明】
【0072】
100 尿測定装置
105 ベースユニット
106 通気孔
120 測定チャンバー、ビューレット
122 インレット
130 アウトレット
136 後方側壁
137 右側側壁
138 キャバーン
139 左側側壁
140 キャパシタンス電極
141 キャパシタンス電極
145 接続接触子
148 キャパシタンス電極
150 接触プレート
152 後方壁
160 アウトレットパイプ
310 キャパシタンス電極
320 キャパシタンス電極
330 平坦な表面
350 取付手段
351 取付手段
352 アーム
353 アーム
370 壁
380 ボタン
382 入力手段
420 疎水性フィルタ
425 超音波ビームリフレクター
445 尿表面
450 底端部
455 上昇パイプ
460 パイプ端部
465 気密シール手段
605 尿レベル計測器(キャパシタンス)
610 プロセッサ
125 ディスプレイ
620 尿レベル計測器(超音波)
630 尿伝導率計測器
635 通信ユニット
705 尿を交換型の自動排出容器内に移動させるステップ
710 電子的なレベル測定手段を使用して該自動排出容器内の尿レベルを測定するステップ
715 該自動排出容器の自動排出イベントを検出するステップ
720 尿レベル測定及び自動排出イベントの検出に基づいて時間の関数として尿生成の記録をつけ続けるステップ
725 電子的な伝導率測定手段の助けで、尿の伝導率を測定するステップ
728 尿生成/伝導率/イベントのそれぞれの情報を表示するステップ
730 測定を遠隔のユニットに通信するステップ
735 レベル測定を改善するために、伝導率測定を使用するステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
尿カテーテルを装着している患者の尿生成を測定するための尿測定装置であって、
該尿測定装置が、自動排出チャンバー(120)を備え、該自動排出チャンバーは、前記尿カテーテルに接続可能なインレットと、その容積が測定される尿のためのアウトレットと、を備えている尿測定装置において、
該尿測定装置は、ベースユニット(105)をさらに備えており、該ベースユニット(105)は、前記自動排出チャンバー(120)を前記ベースユニットに取り外し可能に取り付けるための取付手段(137,138,139,350,351)を有し、
前記ベースユニットには、尿レベル測定手段が設けられており、該尿レベル測定手段は、前記自動排出チャンバー内の尿のレベルにおける変化を感知することが可能であり、該尿レベル測定手段は、互いに対して離れて配置された2つのキャパシタンス電極(310,320,140)を備え、それによって、前記自動排出チャンバーが前記ベースユニット(105)に取り付けられる場合に、前記キャパシタンス電極(310,320,140)は、前記2つのキャパシタンス電極(310,320,140)の間で生じるキャパシタンス信号を感知することが可能であり、
前記キャパシタンス信号は、前記自動排出チャンバー内の尿のレベルが変化するにつれて変化し、それ故に、前記キャパシタンス信号は、尿の生成された容積の測定を構成することを特徴とする尿測定装置。
【請求項2】
前記ベースユニット(105)は、前記尿レベル測定手段によって測定された尿レベル信号に基づいて生成された尿の容積を計算するように配置されたプロセッサをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の尿測定装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、何回前記自動排出チャンバーが排出されたのかを記録し続けるように配置されており、それ故に、時間の関数として尿生成を計算することが可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の尿測定装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記自動排出チャンバー内の尿の容積を計算するように配置され、何回前記自動排出チャンバーが排出されたのかを記録し続けるように配置され、前記キャパシタンス信号に基づいて時間の関数として尿生成を計算するように配置されることを特徴とする請求項3に記載の尿測定装置。
【請求項5】
前記自動排出チャンバー(120)は、使い捨て物品とされることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の尿測定装置。
【請求項6】
前記自動排出チャンバー(120)を前記ベースユニットに取り外し可能に取り付けるための手段が、開放型キャバーンとされることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の尿測定装置。
【請求項7】
前記キャバーンは、第1の制限壁(139)、第2の制限壁(138)、及び第3の制限壁(137)によって画定されることを特徴とする請求項6に記載の尿測定装置。
【請求項8】
前記尿レベル測定手段は、前記自動排出チャンバー(120)内の尿レベルを決定するための超音波計測システム(620)を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の尿測定装置。
【請求項9】
前記超音波計測システム(620)は、超音波を放射し、且つ超音波を受容するための、前記ベースユニット(105)に配置された超音波トランスデューサ(410)を備えることを特徴とする請求項8に記載の尿測定装置。
【請求項10】
前記自動排出チャンバー(120)には、尿流体表面(445)に向けて超音波ビームを方向付けるための超音波ビームリフレクター(425)が設けられることを特徴とする請求項9に記載の尿測定装置。
【請求項11】
前記自動排出チャンバー(120)には、疎水性フィルタ(420)が設けられており、前記疎水性フィルタ(420)は、超音波ビームが、前記超音波トランスデューサ(410)から前記疎水性フィルタ(420)が設けられた前記自動排出チャンバー(120)の壁における開口部を通じて、前記自動排出チャンバー(120)の内部へ通過するように配置されることを特徴とする請求項8に記載の尿測定装置。
【請求項12】
前記尿レベル測定手段は、前記自動排出チャンバー(120)内の尿レベルを決定するための圧力計測システム(450,455,460、及び465)を備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の尿測定装置。
【請求項13】
前記圧力計測システムは、前記ベースユニット(105)の圧力センサーに取り外し可能に接続可能であるための手段を有する上昇パイプ(455)を備えることを特徴とする請求項12に記載の尿測定装置。
【請求項14】
前記自動排出チャンバーは、10ミリリットルと30ミリリットルとの間の測定容積を有することを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の尿測定装置。
【請求項15】
前記自動排出チャンバーは、14ミリリットルと16ミリリットルとの間の測定容積を有することを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の尿測定装置。
【請求項16】
前記自動排出チャンバー(120)は、平方の断面又は楕円形状の断面を有し、前記自動排出チャンバー(120)には、前記キャパシタンス電極(140)に向けて滑り嵌めするように少なくとも1つの平坦な壁が設けられることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の尿測定装置。
【請求項17】
前記自動排出チャンバー(120)の前方壁は、透明なポリマーから製造されることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の尿測定装置。
【請求項18】
2つのキャパシタンス電極(148,351)は、尿と接触状態になるように前記自動排出チャンバーの内側に配置されており、前記自動排出チャンバー(120)の外側に配置された接触プレート(150,351)に接続されることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の尿測定装置。
【請求項19】
前記自動排出チャンバー(120)の外側に配置された前記接触プレート(150)は、前記自動排出チャンバー(120)の後方壁(152)で配置されることを特徴とする請求項18に記載の尿測定装置。
【請求項20】
2つの接続接触子(145)は、前記自動排出チャンバーの前記接触プレート(150)に対して接触するように、キャバーンの後方壁に配置されており、伝導率信号を信号処理及び測定のための前記ベースユニットに伝えることを特徴とする請求項18又は19に記載の尿測定装置。
【請求項21】
前記プロセッサは、キャパシタンス測定及び伝導率測定の組み合わせに基づいて、生成された尿の容積を計算するように配置されることを特徴とする請求項18〜20のいずれか一項に記載の尿測定装置。
【請求項22】
前記プロセッサは、前記キャパシタンス測定(605)及び前記超音波測定(620)の組み合わせに基づいて、生成された尿の容積を計算するように配置されることを特徴とする請求項1〜21のいずれか一項に記載の尿測定装置。
【請求項23】
前記尿測定装置には、尿伝導率計測器(650)が設けられており、前記プロセッサは、前記キャパシタンス測定(605)、前記超音波測定(620)、及び伝導率測定の組み合わせに基づいて、生成された尿の容積を計算するように配置されることを特徴とする請求項22に記載の尿測定装置。
【請求項24】
アウトレットパイプ(160)には、アウトレット端部に向けて徐々に増加する断面積が設けられることを特徴とする請求項1〜23のいずれか一項に記載の尿測定装置。
【請求項25】
前記ベースユニットには、イベントをマークするための入力手段(380)が設けられることを特徴とする請求項1〜24のいずれか一項に記載の尿測定装置。
【請求項26】
患者の尿生成を監視する方法であって、
−尿を交換型の自動排出容器内に移動させるステップ(705)と、
−前記自動排出容器から離れて配置された2つのキャパシタンス電極を使用して、前記自動排出容器内の尿レベルを連続的に測定するステップ(710)と、
−前記自動排出容器の自動排出イベントを検出するステップ(715)と、
−前記尿レベル測定及び前記自動排出イベントの検出に基づいて、時間の関数として尿生成の記録をつけ続けるステップ(720)と、
を備える、患者の尿生成を監視する方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【図1e】
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【図1f】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図4e】
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【図4f】
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【図4g】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−530575(P2012−530575A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516721(P2012−516721)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【国際出願番号】PCT/EP2010/058924
【国際公開番号】WO2010/149708
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(511312023)オブザーヴ・メディカル・オペエス (1)
【Fターム(参考)】