説明

尿素水タンクの配管支持構造

【課題】尿素水タンクに接続される各種配管の保安性が高められ、且つ、配管の架装性を向上する。
【解決手段】尿素水タンク10は、シャシ外側面側に尿素水配管26a,26bならびに温水配管22a,22bと接続する回転可能な温水用コネクタ23a,23bと尿素水コネクタ27a,27bとが近接配置されてなり、前記尿素水配管ならびに温水配管は、前記各コネクタ近傍の部位と、燃料タンク4と左側シャシ2a外側面との隙間に沿ってエンジン側に延びる延出部位とを複数の配管保持手段25、30、32により保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディーゼルエンジンの排気ガス処理装置に用いられる尿素水タンクの配管支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ディーゼルエンジンの排気ガス処理装置として、排気ガス中の窒素酸化物(NO)を浄化するために尿素を用いたSCR(Selective Catalytic Reduction)触媒を使用することが実用化されている。
【0003】
SCR触媒を用いた排気ガス処理装置は、排気ガスが流通する排気菅の途中に、酸素共存下でも選択的に排気ガス中の窒素酸化物(NO)を還元剤と反応させる性質を備えたSCR触媒を設け、排気ガス中のNOを選択的にSCR触媒に吸着させ、浄化装置におけるSCR触媒上流側の排気菅中に噴射し、該尿素水中の尿素を加水分解して還元剤であるアンモニア(NH)をSCR触媒に供給し、前記SCR触媒に吸着したNOを還元して窒素と水に分解して排出させることで、NOの排出濃度を低減させるものである。
【0004】
このようなSCR触媒を用いた排気ガス処理装置を使用する車両においては、前記排気管中に噴射するための尿素水を貯留する尿素水タンクを搭載する必要がある。
この場合、尿素水タンクは、ディーゼルトラックの車体に取付けられる。特に尿素水タンクは、エンジン後方の排気通路中に尿素水を噴射するためにエンジン近傍のシャシ外部側面に取付けられることになる。
【0005】
ところが、エンジン近傍のシャシ外部側面には既に燃料タンクが搭載されているため、前記尿素水タンクは燃料タンクの後方に隣接して取付けられる。しかも前記尿素水タンクは、架装用のスペースを確保するために前記燃料タンク後方に接近させて取付けることが要求される。
【0006】
一方、尿素水タンクには、2本の尿素水配管及び2本の凍結防止用温水配管(合計4本の配管)が接続されている。尿素水タンクの一本は、尿素水をSCR触媒に噴霧させる尿素水噴射制御ユニットに尿素水を送る配管である。もう一本は、尿素水噴射制御ユニットにて余った尿素水を尿素水タンクに戻す配管である。
更に、凍結防止用温水配管の一本は、エンジンの冷却系路からエンジンを冷却して昇温した冷却水を尿素水タンク内で尿素水の保温を行う導入用配管である。もう一本は、尿素水タンク内で尿素水の保温を行った冷却水をエンジンの冷却系路に戻す配管である。
これら4本の配管は、夫々エンジン側の冷却水ないし尿素水タンクの尿素水を循環するために前方側にある前記燃料タンクを避けて配管する必要がある。
このように燃料タンクを避けて配管するためには、燃料タンクに接続されている複数の配管やコネクタ同士の干渉を回避するために組付性の向上が要求されている。
【0007】
このような、組付性の向上を図った配管構造として、複数の配管相互の位置関係を保つように個々の配管をブラケットにより固定することでエンジン近傍のシャシ外部側面に装着されている機能部品との干渉を回避して配管することができ、ハーネスの配管作業性を向上することができる配管構造が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−105643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載される配管構造は、個々の配管をブラケットにより固定することで機能部品との干渉を回避するように配管することができるが、配管の標準化等のために従来品として回転機能を備えたコネクタの使用が余儀なくされる場合がある。 このような場合には、自由回転可能なコネクタや配管同士の干渉が懸念されるが、このような条件下でも複数の配管を安定状態に保持することができ、燃料タンクとの隙間を確保したスペースにおける架装性の向上を図った配管構造が望まれていた。
【0010】
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、尿素水タンクに接続される各種配管の保安性が高められ、且つ、配管の組付け性を向上させると共に、尿素水タンク後方の架装スペースを確保して、トラックの使用目的により荷台相当部に架装される装置の架装性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明に係る尿素水タンクの配管支持構造は、ディーゼルエンジン搭載のトラックのシャシ外側面に搭載された燃料タンクの車体後方に隣接して取付けられる尿素水タンクであって、浄化装置のSCR触媒上流側の排気通路中に尿素水を噴射すると共に前記浄化装置から残液を戻す尿素水配管と、エンジン冷却系路に接続され温水を循環供給する温水配管とを備えて成る尿素水タンクの配管支持構造において、
前記尿素水タンクのシャシ外側面側には、前記尿素水配管ならびに温水配管と接続する回転可能なコネクタがそれぞれ近接配置されてなり、前記尿素水配管ならびに温水配管は、前記コネクタ近傍の部位と、前記燃料タンクとシャシ外側面との隙間に沿ってエンジン側に延びる延出部位とを複数の配管保持手段により保持されることを特徴とする。
【0012】
かかる発明によれば、尿素水タンクのシャシ外側面側(裏側面)に近接配置された回転可能なコネクタに接続される尿素水配管ならびに温水配管が、前記コネクタ近傍の部位と、燃料タンクとシャシ外側面との隙間に沿ってエンジン側に延びる延出部位とをシャシ外側面に沿って束ねて複数の配管保持手段により保持されるように構成される。これにより、コネクタの自由回転が規制されるのでコネクタや配管同士の接触を防止することができると共に、各種配管の省スペース化が可能となり、尿素水タンク後方の架装スペースが確保することができるので、トラックの使用目的により荷台相当部に架装される装置の架装性が向上する。
【0013】
また、本発明において好ましくは、前記尿素水タンクは、前記燃料タンク後方のシャシ外側面に直交して取付けられたブラケットの車体後方側面に固定され、前記各コネクタは、前記シャシ外側面に対面する前記尿素水タンクの裏面側下方に近接配置されてなり、前記配管保持手段は、各前記コネクタ近傍において尿素水配管をそれぞれ離間保持する第1保持手段を備えているとよい。
かかる構成によれば、第1保持手段がシャシの外側面に対面する前記尿素水タンクの裏面側下方に近接配置されるので、尿素水タンクに接続される尿素水配管ならびに温水配管の保安性を高めることができる。
【0014】
また、本発明において好ましくは、前記配管保持手段は、第1保持手段から燃料タンク上方に向けて立ち上げた尿素水配管ならびに温水配管を前記ブラケットの車体前方側でクランプ保持する第2保持手段と、該第2保持手段から燃料タンク上面側に湾曲した温水配管および前記第1保持手段から燃料タンク上方に向けて立ち上げた尿素水配管を、前記燃料タンクとシャシ外側面との隙間に沿ってエンジン側に延びるようにシャシ外側面に沿って束ねてクランプ保持する第3保持手段とを備えていることを特徴とする。
かかる構成によれば、前記配管保持手段が、更に前記第2及び第3保持手段を備えることにより、前記各配管の省スペース化が可能になると共に尿素水タンクの車体後方側の架装スペースが確保することができるので、トラックの使用目的により荷台相当部に架装される装置の架装性が向上する。
【0015】
また、本発明において好ましくは、前記温水配管は、樹脂管の外周に電熱線を巻回しその外周にコルゲート管をコーティングした構成であることを特徴とする。
かかる構成によれば、前記温水配管は電熱線の通電により内部の冷却水が加熱されて温水が生成されるので尿素水の凍結を防止することができ、尿素水配管と共に第3保持手段によりシャシ外側面に沿って束ねてクランプ保持されるので、前記温水配管の余熱により尿素水配管を暖めることができる。
また、温水配管は第3保持手段により束ねてクランプ保持されて燃料タンクとシャシ外側面との隙間に沿って配置されるので、飛散した砂利などから受ける損傷を防止することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上記載のごとく本発明によれば、燃料タンクの車体後方のシャシ外側面に固定され、前記尿素水タンクのシャシ外側面側(裏側面)には前記尿素水配管ならびに温水配管と接続する回転可能なコネクタが近接配置され、前記尿素水配管ならびに温水配管は、前記コネクタ近傍の部位と、燃料タンクとシャシ外側面との隙間に沿ってエンジン側に延びる延出部位とが複数の配管保持手段により保持されている。
これにより、コネクタの自由回転が規制されるので車両走行時に振動等が発生してもコネクタや配管同士の接触を防止することができ、尿素水タンクに接続される各配管の保安性を高めることができる。また、各種配管の省スペース化が可能となり、尿素水タンク後方のスペース拡大により、トラックの使用目的により荷台相当部に架装される装置の架装性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る尿素水タンクの配管支持構造が採用されたディーゼルトラックの車体構造を示す全体斜視図である。
【図2】同じく尿素水タンクの配管支持構造を示す平面図である。
【図3】同じく尿素水タンクの配管支持構造を示す側面図である。
【図4】同じく尿素水タンクの配管支持構造を示し、燃料タンクを省略した部分斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係る尿素水タンクの配管支持構造を示し、シャシの内側から尿素水タンクの裏面側を見た背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
尚、本発明の説明の方向性は、運転席に着座した状態で、上下方向、左右(車幅)方向、前後方向を表示する。
【0019】
図1は本発明に係る尿素水タンクの配管支持構造が採用されたディーゼルトラックの車体構造を示す全体斜視図である。
【0020】
図1において、2はディーゼルトラック1の車体(シャシ2)を示しており、シャシ2の車幅方向の片側側面(左側シャシ)2aには後方側から燃料タンク4、排ガス浄化を
のため尿素水をSCR触媒に噴霧させる尿素水噴射制御ユニット5aや燃料のストレーナ5b等を配置した補助装置5が順次隣接して取付けられている。
10は尿素水タンクであって、この尿素水タンク10は、浄化装置におけるSCR触媒上流側の排気菅中に噴射するための尿素水を貯留するタンクであって、前記尿素水タンク10は左側シャシ2aの外側面に燃料タンク4後方に隣接して取付けられている。なお、左側シャシ2aについて説明するが、右側シャシであってもよいことは勿論である。
【0021】
次に、本発明の実施形態に係る尿素水タンクの配管支持構造に付き図2〜図5を参照して説明する。
図2は本発明の実施形態に係る尿素水タンクの配管支持構造を示す平面図、図3は同じく配管支持構造を示す側面図、図4は同じく配管支持構造を示す燃料タンクを省略した部分斜視図、図5はシャシの内側から尿素水タンクの裏面側を見た背面図である。
図2において、矢視Xはシャシ2の前方(エンジン側)を示し、矢視Yはシャシ2の中心側より外側を示している。
【0022】
図2、図3に示す補助装置5は、燃料タンク4の前方に隣接して左側シャシ2aの外側面に取付けられている。
図4に示すようにブラケット12は、尿素水タンク10を固定するもので、太い仮想線で示す燃料タンク4の後方に隣接するように左側シャシ2aの外側面に、該外側面と直交するようにベース部14を介して締結されている。
前記ブラケット12は、略直角三角形状の2枚の板材12a,12bを前後に一定間隔離間した状態で連結して構成されており、2枚の板材12a,12bは、2本の支持管15a,15bで連結されている。
【0023】
2本の支持管15a,15bは、ブラケット12の後側板材12bに対し直交して後方に所定量突出している。一方、尿素水タンク10には内部を貫通する2本の保持管10cが前記2本の支持管15a,15bに対応して設けられている。これにより尿素水タンク10の側面には2本の保持管10cの内径によって2本の貫通孔が形成される。
前記2本の保持管10cは、前記支持管15a,15bが若干の隙間を有して挿通可能な内径を呈している。2本の保持管10cを挿通した支持管15a,15bの端部(後方側)の内径部にはナット(図示省略)が固着されている。
従って、支持管15a,15bに尿素水タンク10の2本の保持管10cを外嵌させ、保持管10cの外径より大きい外径を有した保持部材(図示省略)をボルトで挟んで既述のナットに螺着する。これによって、尿素水タンク10は、ブラケット12の後方側面の板材12bに密接した状態で固定される。
尚、尿素水タンク10は、外側に突出した上部斜面に供給口10aが設けられ、上面には液面計10bが設けられている。
【0024】
更に、尿素水タンク10の左側シャシ2a外側面に対面する裏面側下方には、2つの温水用コネクタ23a,23bと尿素水コネクタ27a,27bが近接状態で取付けられている。
これら温水用コネクタ23a,23bと尿素水コネクタ27a,27bには2本の尿素水配管26a,26bと温水配管22a,22bが接続されており、尿素水配管26a,26bと温水配管22a,22bは、温水用コネクタ23a,23b並びに尿素水コネクタ27a,27bの近傍位置に保持されている。
また、前記燃料タンク4と左側シャシ2a外側面との隙間に沿ってエンジン側に延びる各種配管群20は、左側シャシ2aの外側面に沿って束ねて保持する複数の配管保持手段により保持されている。前記配管保持手段は、第1保持手段、第2保持手段、第3保持手段から構成されている。
【0025】
尿素水コネクタ27a,27bは、回転可能なコネクタで構成されている。これら尿素水コネクタ27a,27bに接続された2本の尿素水配管26a,26bは、尿素水コネクタ27a,27b近傍の部位となるブラケット12のベース部14に垂下して取着された第1保持手段となる板状ブラケット30の取付け具30a,30bにクランプ保持されて立ち上げられている。
第1保持手段によりクランプ保持されて立ち上げられた2本の尿素水配管26a,26bは、ブラケット12の前方側面に取着された第2保持手段となるクランプ25によりクランプ保持されている。なお、尿素水配管26a,26bは、樹脂管の外周に電熱線を巻回し、その外周にコルゲート管(波形管)を被覆した構成となっており、通電により内部を通る尿素水が暖められるようになっている。
【0026】
また、前記2つの温水用コネクタ23a,23bには、温水配管22a,22bが接続されており、一方の温水配管22aは、ブラケット12の前方側面に上下に取付けられた第2保持手段となる2つのクランプ24a,24bによりクランプ保持されて立ち上げられている。
【0027】
このようにして上方に立ち上げられた一方の温水配管22a並びに2本の尿素水配管26a,26bから成る各種配管群20は、湾曲した状態で燃料タンク4と左側シャシ2a外側面との隙間に沿って配置され、第3保持手段となる複数のクランプ32によって延出部位が束ねられた状態で左側シャシ2aの外側面に沿ってクランプ保持される。
供給側の尿素水配管26bは、左側シャシ2aに沿ってエンジン側に延設されて図示しない尿素水をSCR触媒に噴霧させる尿素水噴射制御ユニット5aに接続されている。一方、戻り側の尿素水配管26aは、尿素水噴射制御ユニット5a接続されており該尿素水噴射制御ユニット5aから残液を尿素水タンク10に戻すようになっている。
【0028】
次に、尿素水タンクの各配管の作用に付き図4、図5を参照して説明する。
先ず、尿素水タンク10内には尿素水溶液が貯留されており、この尿素水は、尿素水タンク10裏面側下方の回転可能な尿素水コネクタ27bに接続された供給側の尿素水配管26bを通して尿素水噴射制御ユニット5aに送られる。
【0029】
尿素水噴射制御ユニット5aに送られた尿素水は、この尿素水噴射制御ユニット5aでエンジンパラメータやエンジンの速度に合わせて最適な分量に調整され、図示しない浄化装置におけるSCR触媒上流側の排気管中に噴射するようになっている。
尿素水中の尿素は、加水分解して還元剤であるアンモニア(NH)をSCR触媒に供給し、NOを還元して窒素ガス(N)と水蒸気(HO)とに分解して、排出することで排気ガス中の窒素酸化物(NO)の排出濃度を低減させることができる。
【0030】
また、浄化装置の残液は、戻り側の尿素水配管26aから回転可能な尿素水コネクタ27aを介して尿素水タンク10に戻される。
一方、2本の凍結防止用の温水配管22a,22bは、尿素水タンク10とエンジン側の冷却水系に接続されており、冷却水系を循環する冷却液を尿素水タンク10との間で循環するようになっている。
2本の凍結防止用の温水配管22a,22bは、樹脂管の外周に電熱線を巻回しその外周にコルゲート管(波形管)を被覆した構成となっており、電熱線の通電により内部を通る冷却水が暖められ尿素水タンク10内の尿素水の凍結を防止するようになっている。
【0031】
以上述べた実施形態によれば、尿素水タンク10の裏面側下方に近接配置された回転可能な尿素水コネクタ27a,27bに接続される尿素水配管26a,26bは、ブラケット12の裏側端部に垂下して取着された第1保持手段である板状ブラケット30の取付け具30a,30bによって離間保持されている。
これにより、尿素水コネクタ27a,27bは、自由回転が規制されるので車両走行時に振動等が発生しても前記尿素水コネクタ27a,27bや尿素水配管26a,26b同士の接触を防止することができ、尿素水タンク10に接続される前記各配管26a,26bの保安性を高めることができる。
【0032】
また、第1保持手段から燃料タンク4上方に立ち上げられた温水配管22a,尿素水配管26a,26bは、第2保持手段によりブラケット12の前方外側面でクランプ保持され、燃料タンク4の上面側から湾曲してエンジン側前方に延びる温水配管22a,尿素水配管26a,26bは、第3保持手段により燃料タンク4と左側シャシ2a外側面との隙間に沿って左側シャシ2a外側面に束ねてクランプ保持される。
これにより、各配管の省スペース化が可能になると共に、尿素水タンク10後方のシャシ外側面におけるスペース確保により、トラックの使用目的により荷台相当部に架装される装置の架装性を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
尿素水タンクの配管支持構造は、ディーゼルトラックの車体に取付けられる配管支持構造として述べてきたが、鉄道車両、船舶、重機、航空機などの流体機器の配管支持構造に適用することができる。また、流体機器の配管に限らず電線の支持構造、光ケーブルの支持構造にも適する。
【符号の説明】
【0034】
1 ディーゼルエンジントラック
2a 左側シャシ
4 燃料タンク
5a 尿素水噴射制御ユニット
10 尿素水タンク
12 ブラケット
22a,22b 温水配管
23a,23b 温水用コネクタ
25 クランプ (第2保持手段)
26a,26b 尿素水配管
27a,27b 尿素水コネクタ
30 板状ブラケット (第1保持手段)
32 クランプ (第3保持手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディーゼルエンジン搭載のトラックのシャシ外側面に搭載された燃料タンクの車体後方に隣接して取付けられる尿素水タンクであって、浄化装置のSCR触媒上流側の排気通路中に尿素水を噴射すると共に前記浄化装置から残液を戻す尿素水配管と、エンジン冷却系路に接続され温水を循環供給する温水配管とを備えて成る尿素水タンクの配管支持構造において、
前記尿素水タンクのシャシ外側面側には、前記尿素水配管ならびに温水配管と接続する回転可能なコネクタがそれぞれ近接配置されてなり、前記尿素水配管ならびに温水配管は、前記コネクタ近傍の部位と、前記燃料タンクとシャシ外側面との隙間に沿ってエンジン側に延びる延出部位とを複数の配管保持手段により保持されることを特徴とする尿素水タンクの配管支持構造。
【請求項2】
前記尿素水タンクは、前記燃料タンク後方のシャシ外側面に直交して取付けられたブラケットの車体後方側面に固定され、前記各コネクタは、前記シャシ外側面に対面する前記尿素水タンクの裏面側下方に近接配置されてなり、前記配管保持手段は、各前記コネクタ近傍において尿素水配管をそれぞれ離間保持する第1保持手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の尿素水タンクの配管支持構造。
【請求項3】
前記配管保持手段は、第1保持手段から燃料タンク上方に向けて立ち上げた尿素水配管ならびに温水配管を前記ブラケットの車体前方側でクランプ保持する第2保持手段と、該第2保持手段から燃料タンク上面側に湾曲した温水配管および前記第1保持手段から燃料タンク上方に向けて立ち上げた尿素水配管を、前記燃料タンクとシャシ外側面との隙間に沿ってエンジン側に延びるようにシャシ外側面に沿って束ねてクランプ保持する第3保持手段とを備えていることを特徴とする請求項2に記載の尿素水タンクの配管支持構造。
【請求項4】
前記温水配管は、樹脂管の外周に電熱線を巻回しその外周にコルゲート管をコーティングした構成であることを特徴とする請求項1に記載の尿素水タンクの配管支持構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−63734(P2013−63734A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204604(P2011−204604)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(303002158)三菱ふそうトラック・バス株式会社 (1,037)
【Fターム(参考)】