説明

尿素配合外用剤

【課題】 水の存在下における尿素の分解を防ぎ、長期間保存した場合でもpHの変動等の性状変化がない安定な尿素配合外用剤を提供する。
【解決手段】 本発明の尿素配合外用剤は、有効成分としての尿素とともに、a)トリエタノールアミンと、b)酒石酸と、c)塩化アンモニウムおよび/またはグリシンの安定化助剤とを含有するものである。好ましくは尿素の配合量が10〜50重量%である。また、トリエタノールアミンの配合量は、好ましくは0.5〜8重量%であり、酒石酸の配合量は、好ましくは0.2〜4重量%である。さらに、c)安定化助剤の配合量は、好ましくは0.1〜6重量%である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、尿素配合外用剤に関し、特には、長期にわたる尿素の安定配合を可能にした尿素配合外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より尿素は、角質の水分保有力を高めるとともに、角質溶解作用、抗菌作用があるといわれており、特に、魚鱗癬、乾癬、老人性乾皮症等の角化異常に対し著しい効果があると報告されている。よって、皮膚の荒れ防止、保湿などの目的で各種の化粧料や外用剤に配合されている。
【0003】
しかし、尿素は水の存在下において、酸、アルカリ、熱等により容易に加水分解反応を生じ、二酸化炭素とアンモニアに分解する。このため、尿素配合外用剤においては、長期間保存するとアンモニア臭の発生やpHの上昇といった問題を生じた。また、抗真菌剤等の他の薬剤と併用したときには、pHの上昇等が当該薬剤に悪影響を及ぼすことがあった。
【0004】
かかる尿素配合系の安定化に関しては、これまで多数の報告がなされている。例えば、アミノカルボン酸を添加して安定化する方法(特許文献1)、クエン酸・水酸化ナトリウム緩衝液および脂肪酸アンモニア石鹸を添加して安定化する方法(特許文献2)、タウリンを添加して安定化する方法(特許文献3、特許文献4)、塩基性アミノ酸およびその塩を添加して安定化する方法(特許文献5)、コラーゲンおよびその加水分解蛋白質を添加して安定化する方法(特許文献6)、多価アルコール、カルボキシビニルポリマー、塩基性物質を添加して安定化する方法(特許文献7)、炭化水素、高級アルコール、エーテル型ノニオン界面活性剤を添加して安定化する方法(特許文献8)、ジペプチドおよび/またはトリペプチドを含有して安定化させる方法(特許文献9)、ポリエチレングリコールを配合すると共に、そのpHを5〜7に調整することにより安定化させる方法(特許文献10)、甘草抽出物の加水分解物を含有せしめることにより安定化させる方法(特許文献11)、ヌクレオチドおよびその塩を添加することにより安定化する方法(特許文献12)、酒石酸および/またはリンゴ酸と、トリエタノールアミンまたは2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールとを添加し、pHを所定の範囲に調整することにより安定化する方法(特許文献13)等が提案されている。
【特許文献1】特公平3−22872号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献2】特公平3−36802号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献3】特公平4−81567号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献4】特公平5−27618号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献5】特公平5−31510号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献6】特公平5−31541号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献7】特公平6−21061号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献8】特公平7−74144号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献9】特開平9−124434号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献10】特開平11−29466号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献11】特開2000−191543号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献12】特開2001−19610号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献13】特開2003−104877号公報(特許請求の範囲等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これら従来の安定化方法においても、未だ尿素の安定化に対しては十分とは言えず、長期間保存時におけるアンモニア臭の発生やpHの上昇等の問題を完全に解消することはできなかった。
【0006】
そこで本発明の目的は、水の存在下における尿素の分解を防ぎ、長期間保存した場合でもpHの変動等の性状変化がない安定な尿素配合外用剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の構成とすることにより上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明の尿素配合外用剤は、有効成分としての尿素とともに、a)トリエタノールアミンと、b)酒石酸と、c)塩化アンモニウムおよび/またはグリシンの安定化助剤とを含有することを特徴とするものである。
【0009】
本発明の尿素配合外用剤においては、好ましくは尿素の配合量が10〜50重量%である。また、a)トリエタノールアミンの配合量は、好ましくは0.5〜8重量%であり、b)酒石酸の配合量は、好ましくは0.2〜4重量%である。さらに、c)安定化助剤の配合量は、好ましくは0.1〜6重量%である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、水の存在下における尿素の加水分解に伴うアンモニア臭とpH上昇を抑制することができ、製剤中の尿素の配合割合を高めることができる。また、抗真菌剤等の他の薬効を有する化合物と併用してもその化合物に悪影響を及ぼすことがない。よって、その化合物の薬効を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。
本発明の尿素配合外用剤は、尿素が本来有する角質溶解作用、抗菌作用等の種々の薬効を長期にわたり保持することができる。かかる尿素配合外用剤としての治療効果を高めるために、尿素の配合量としては、好ましくは10〜50重量%である。尿素の配合量が10重量%未満であると尿素本来の薬効が十分ではなく、一方、50重量%を超えると製剤中に尿素が析出し、実用に供しえなくなる。
【0012】
本発明者らは、尿素の加水分解を抑制し、製剤の安定性を高めるには、a)トリエタノールアミンと、b)酒石酸と、c)塩化アンモニウムおよび/またはグリシンの安定化助剤とを同時に配合することが有効であることを見出した。この場合、それぞれの好適配合量はトリエタノールアミンの配合量が0.5〜8重量%、より好ましくは1〜4重量%、酒石酸の配合量が0.2〜4重量%、より好ましくは0.5〜2重量%、また、c)安定化助剤の配合量が0.1〜6重量%、より好ましくは0.5〜2重量%である。なお、本発明においてトリエタノールアミンおよび酒石酸は、生理学的に許容し得る塩またはエステルであってもよい。
【0013】
本発明の尿素配合外用剤は、各種薬剤との併用により、その角質中への移行率を向上させることができ、尿素配合外用剤としての治療効果をより高めることができる。例えば、既知の抗真菌剤と併用することにより、当該抗真菌剤の治療効果を高めることができ、白癬菌に起因する皮膚疾患としての水虫、いんきん、たむし等の白癬症の治療に極めて有効な外用剤となる。
【0014】
かかる抗真菌剤としては、(±)−(E)−[4−(2−クロロフェニル)−1,3−ジチオラン−2−イリデン]−1−イミダゾリルアセトニトリル(一般名:ラノコナゾ−ル)およびその類縁体(ラノコナゾール類)を好適に使用することができる。本発明の尿素配合外用剤は、尿素の加水分解によるアンモニアの発生が抑制されていることから、この化合物のアルカリ分解を促進することがない。このラノコナゾールを配合した尿素配合外用剤を塗布剤として用いる場合の当該化合物の実用的濃度としては、0.1%以上であることが好ましい。なお、ラノコナゾールの合成方法は特公平1−24152号公報に記載されている。
【0015】
本発明の尿素配合外用剤では、常用の化学療法上許容される希釈剤または担体、および所望により他の添加剤を適宜配合することができ、局所用塗布剤としての液剤、クリームまたは軟膏等の剤型で用いることができる。
【実施例】
【0016】
本発明を実施例に基づき説明する。なお、以下の実施例で「%」とは全て「重量%」を意味するものとする。
【0017】
実施例1〜3、比較例1〜7
下記の表1に示す処方(%)の製剤を下記の製造例に準拠し、夫々製造した。
なお、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガムの配合量は物性に応じて各々調整した。
【0018】
(製造例)
カルボキシビニルポリマーの水分散液にキサンタンガムの1,3-ブチレングリコール分散液を加えて攪拌した。次に、水相(酒石酸、塩化アンモニウム、グリシン、POE硬化ヒマシ油60、パラオキシ安息香酸メチル、尿素)を加え、約60℃で攪拌し溶解させた。約60℃で溶解した油相(白色ワセリン、スクワラン、POE硬化ヒマシ油10、イソステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、パラオキシ安息香酸プロピル)を、先の水相に加え約60℃で乳化させた。その後、トリエタノールアミンまたは5%水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、減圧下冷却することによりクリームを調製した。
【0019】
【表1】

【0020】
比較例8
また、比較のため、特開2001−354591号公報の表3に記載されている処方の製剤も調製し、比較例とした。その処方(%)を下記の表2に示す。
【0021】
【表2】

【0022】
表1および表2に示す夫々の製剤を、各300g規模で試作し、50℃で4週間保存し、安定性に関する以下の評価および測定を行った。
性状の評価
外観を目視にて色彩および形状の変化を観察した。得られた結果を下記の表3に示した。全ての実施例および比較例において、色彩に変化は見られなかったが、比較例2、3、5および6は液状化した。
【0023】
【表3】

【0024】
pHの測定
供試製剤1gを精製水50mLに懸濁させて得られた溶液のpHをpHメーターで測定した。得られた結果を下記の表4に示した。実施例1〜3におけるpH上昇は緩やかなものであった。
【0025】
【表4】

【0026】
アンモニア強度の測定
供試製剤0.5gをサンプル瓶のふた一面に平らになるように秤量し、300mLの三角フラスコに入れた。その後、フラスコの口をアルミホイルで密閉し、30℃の恒温水槽中で約1時間放置した後、フラスコ中のガスをアンモニアガス検知管(3M型、0〜500ppm用、ガステック製)に吸引し、アンモニア強度(ppm)を測定した。ガス吸引量は100mL又は50mLとし、100mL吸引時は検知管の表示値をそのままアンモニア強度とした。また、50mL吸引時は検知管の表示値の2倍量をアンモニア強度とした。測定は1試料につき1回とした。得られた結果を下記の表5に示した。いずれの実施例および比較例の製剤も経時的に上昇したが、実施例1〜3におけるアンモニア強度の上昇は緩やかなものであった。これにより、実施例は比較例と比べ、尿素の安定性が高く、また、公知の尿素40%配合製剤(比較例8)と比較しても分かるように、尿素40%配合という高配合の場合においても、長期間安定であることが確認された。なお、アンモニア強度が800ppmを超えると、使用に耐えられるものではなかった。
【0027】
【表5】

【0028】
実施例4〜6、比較例9
次に抗真菌剤であるラノコナゾールを含む製剤に関して検討を行った。下記の表6に示す処方(%)にて実施例4〜6および比較例9の製剤を下記の製造例に準拠し、夫々製造した。実施例4〜6はc)安定化助剤としてグリシンを含む製剤である。なお、POE硬化ヒマシ油の配合量は物性に応じて各々調整した。
【0029】
(製造例)
カルボキシビニルポリマーの水分散液にキサンタンガムの1、3-ブチレングリコール分散液を加えて攪拌した。次に、水相(酒石酸、グリシン、POE硬化ヒマシ油60、パラオキシ安息香酸メチル、尿素)を加え,約60℃で攪拌し溶解させた。約60℃で溶解した油相(白色ワセリン、スクワラン、POE硬化ヒマシ油10、イソステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、パラオキシ安息香酸プロピル、ジブチルヒドロキシトルエン)およびN-メチル-2-ピロリドンのラノコナゾール溶液を、先の水相に加え約60℃で乳化させた。その後、トリエタノールアミンを加えて中和し、減圧下冷却することによりクリームを調製した。
【0030】
【表6】

【0031】
実施例7、8
また、下記の表7に示す処方(%)にて、C)安定化助剤として塩化アンモニウムを含む製剤(実施例7、8)を下記の製造例に準拠し、夫々製造した。
【0032】
(製造例)
ラノコナゾール、セタノール、ステアリルアルコール、ステアリン酸、セバシン酸ジエチル、中鎖脂肪酸トリグリセリド、ポリソルベート60、モノステアリン酸ソルビタン、パラオキシ安息香酸プロピル、ジブチルヒドロキシトルエンを約70℃で溶解した(油相)。パラオキシ安息香酸メチル、酒石酸、塩化アンモニウム、トリエタノールアミンの水溶性成分および尿素を約70℃で水に溶解した(水相)。油相に水相を加え約70℃で乳化し、その後減圧下冷却することによりクリームを調製した。
【0033】
【表7】

【0034】
性状の評価
実施例1〜3および比較例1〜8の製剤の場合と同様の操作により評価した。すべての実施例において液状化が観察されなかった。
【0035】
pHの測定
実施例1〜3および比較例1〜8の製剤の場合と同様の操作により評価した。得られた結果を下記の表8に示した。いずれの実施例もpH上昇は緩やかなものであった。
【0036】
【表8】

【0037】
アンモニア強度の測定
実施例1〜3および比較例1〜8の製剤の場合と同様の操作により評価した。得られた結果を下記の表9に示した(表中、斜線は未測定)。いずれの実施例もアンモニア強度の上昇は緩やかなものであった。
【0038】
【表9】

【0039】
ラノコナゾールの含有量の測定
本品約1.5gを量り、内標準溶液およびメタノールを加えて100mLとした。この液を激しく混合し、超音波照射して分散させ、メンブランフィルターでろ過し、試料溶液とした。また、ラノコナゾール標準品をメタノールに溶解し、内標準溶液を加えて100mLとし、標準溶液とした。試料溶液及び標準溶液10μLにつき、液体クロマトグラフ法により試験を行い、内標準物質のピーク面積に対するラノコナゾールのピーク面積の比から、ラノコナゾール量を算出した。相対的なラノコナゾールの量を下記の表10に示した(表中、斜線は未測定)。いずれの実施例もラノコナゾールの含有量の変化はわずかなものであった。
【0040】
【表10】

【0041】
尿素の含有量の測定
尿素約0.12gに相当する製剤量を量り、0.2mol/L塩酸試液およびジクロロメタンを加えて振とうした後、遠心分離した。この水層を分取し、同様な操作を2回繰り返し水層をあわせ、0.2mol/L塩酸試液を加えて正確に100mLとし、試料溶液とした。また、尿素標準品約0.12gに、0.2mol/L塩酸試液を加えて正確に100mLとし、標準溶液とした。試料溶液および標準溶液10mLずつを正確に量り、それぞれ定量用4−ジメチルアミノベンズアルデヒド試液を一定量加え、0.2mol/L塩酸試液を加えて50mLとした。これらの液につき、0.2mol/L塩酸試液を用いて同様に操作して得た溶液を対照とし、紫外可視吸光度測定法により試験を行った。試料溶液および標準溶液から得たそれぞれの溶液の吸光度を測定し、尿素含量を算出した。相対的な尿素の量を下記の表11に示した(表中、斜線は未測定)。いずれの実施例も尿素の含有量の変化はわずかなものであった。
【0042】
【表11】

【0043】
ラノコナゾールの角質透過性試験
尿素によるラノコナゾール角質透過性への効果を、ヒト表皮角化細胞を培養して角質層を形成させた皮膚再構築モデルであるTESTSKIN(LSE-002、東洋紡(株)製)を用いて検討した。TESTSKINは付属の培地を用いてCO2インキュベーター(37℃、5%CO2−95%air)内で5日間培養したものを使用した。
【0044】
菌株としてはラノコナゾールに対する感受性が白癬症起因菌(Trichophyton属)と同等であり、かつ菌糸の発育速度が早いAspergillus fumigatus TIMM 0063を使用した。菌株は帝京大学医真菌研究センターより入手した保存株であり、PDA(potato dextrose agar)斜面培地上にて35℃で4日間培養して得た分生子を使用した。
【0045】
0.165Mモルホリノプロパンスルホン酸(Morpholinopropanesulfonic acid)でpH7.0に緩衝化したRPMI-1640(Sigma社製)液体培地に寒天1.5%を加え、オートクレーブ滅菌(121℃、15分間)後、分生子を2×107conidia/mL となるように添加混合して、平板検定培地を調製した。
【0046】
検定培地中央にTESTSKINを載せ、TESTSKINのシリコンリング内に、各製剤0.05mLを添加密着させた。20または40分間静置した後にTESTSKINを取り除き、検定培地を35℃で約18時間培養した。試験は1群2連にて行った。形成された阻止円の長径および短径をノギスで測定し、その平均値を求めた。この値から薬剤の添付面積(シリコンリング径:9mm)を差し引いて補正したものを阻止円径とした。同様の方法で、既知量のラノコナゾールにより形成される阻止円径を別途測定し、これを基に作成した検量線を用いてラノコナゾール透過量を算出した。検量線は0.001〜0.5μg/diskの範囲で明瞭な阻止円形成を示し、良好な直線性(Y=5.892Ln(X)+47.458、R2=0.993)を示すものであった。
【0047】
表6に示した実施例4〜6および比較例9の製剤を使用して測定した阻止円径を表12に示す。
【0048】
【表12】

【0049】
阻止円径を基に、検量線を用いて算出したTESTSKINにおける各製剤のラノコナゾール透過量を表13に示す。
【0050】
【表13】

【0051】
得られた結果より、ラノコナゾール透過量は尿素濃度に相応して増加し、尿素を40%配合した実施例4で最も多かった。薬剤の皮膚透過における最大のバリアは角質であり、TESTSKINで形成される角質層は生体と近似すると報告されている。これにより、尿素が角質に作用することで、ラノコナゾールの角質透過性が亢進したことを示すものと考えられる。尿素濃度を高め、さらに本発明により、その尿素の安定性を高めることで難治性足白癬に対してより高い治療効果を期待できることが示唆された。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明によれば、水の存在下における尿素の加水分解に伴うアンモニア臭とpH上昇を抑制することができる。そのため、抗真菌剤等の他の薬効を有する化合物と併用した際に、その化合物に対する影響を抑えることができ、その化合物の薬効を高めることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効成分としての尿素とともに、a)トリエタノールアミンと、b)酒石酸と、c)塩化アンモニウムおよび/またはグリシンの安定化助剤とを含有することを特徴とする尿素配合外用剤。
【請求項2】
抗真菌剤を含有する請求項1記載の尿素配合外用剤。
【請求項3】
前記抗真菌剤がラノコナゾール類である請求項2記載の尿素配合外用剤。
【請求項4】
前記尿素の配合量が10〜50重量%である請求項1〜3のうちいずれか一項記載の尿素配合外用剤。
【請求項5】
前記a)トリエタノールアミンの配合量が0.5〜8重量%である請求項1〜4のうちいずれか一項記載の尿素配合外用剤。
【請求項6】
前記b)酒石酸の配合量が0.2〜4重量%である請求項1〜5のうちいずれか一項記載の尿素配合外用剤。
【請求項7】
前記c)安定化助剤の配合量が0.1〜6重量%である請求項1〜6のうちいずれか一項記載の尿素配合外用剤。

【公開番号】特開2006−306734(P2006−306734A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−127693(P2005−127693)
【出願日】平成17年4月26日(2005.4.26)
【出願人】(000003665)株式会社ツムラ (43)
【出願人】(000232623)日本農薬株式会社 (97)
【Fターム(参考)】