説明

尿透過性カバーシート付き吸収性物品

本開示は、バックシート、吸収性コア、及び、糞便物質を受け入れるように設けられた少なくとも1つの開口部を有するトップシートを備えた、吸収性物品(例えば、おむつ又はトレーニングパンツ)を目的とする。物品は、1以上の中央長手方向(部分)ひだ又は固定されたひだを有する生殖器カバーシートを更に包含し、ひだは、使用の際、生殖器を覆うポケットを形成し、生殖器カバーシートと吸収性コアの間に空隙を作ることができるように、また、トップシートと吸収性コアの間に空隙が存在するように、開口部の一部の中に、その下に、又はその上に配置される。本開示はまた、本発明の吸収性物品のための、ポケット状の生殖器カバーシートを製造する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バックシート、吸収性コア、及び糞便物質を受け入れるように設けられた少なくとも1つの開口部を有するトップシートを備えた、おむつ又はトレーニングパンツなどの吸収性物品に関する。吸収性物品は、1以上の長手方向(中央)のひだ又は部分ひだを備えた生殖器カバーシートを包含し、ひだは、使用する際に生殖器を覆うポケットを形成し、トップシートと吸収性コアの間に空隙が存在するようにして、開口部の部分の中に、その下に、又はその上に配置される。本開示はまた、本明細書に記載されるように、吸収性物品に使用される、ポケット状の生殖器カバーシートを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
糞便物質は、特に幼い乳児による敏感な皮膚及び生殖器周りの皮膚上では、多くの場合、ユーザの皮膚から除去しにくいことが良く知られている。更に、皮膚上の糞便物質は、皮膚の炎症及び発赤、並びに場合によっては皮膚炎さえも引き起こし得ることが良く知られている。
【0003】
皮膚上の糞便物質を減少させる解決策の1つは、排泄直後に糞便物質を隔離して皮膚から離す手段を設けることである。例えば、1以上の開口部を有するトップシートを備えたおむつが開発されており、糞便は、その開口部を通ってトップシートと吸収性コアの間の空隙に移動することができる。その結果、糞便物質は、このトップシートの下に皮膚から離れて収容される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、発明者らは、場合によっては、依然として多少の糞便物質が、生殖器上を包含する皮膚上に逆戻りすることがあることを見出している。
【0005】
そのため、発明者らは、使用中に生殖器が糞便物質で汚れることを防ぐ、生殖器カバーシートを有する吸収性物品を開発した。いくつかの実施形態では、このカバーは、糞便物質が通りぬけるのに十分な空間を設けるため、トップシートの領域、及び生殖器に近接した開口部の領域(即ち、おむつのトップシートにおける開口部の前側)にのみ存在してもよい。カバーは、開口部を有するトップシートと一体の部分であってもよく、或いは、例えば開口部を有するトップシートに取り付けられた、追加の構成要素(シート)であってもよい。
【0006】
生殖器カバーシートは、使用の際にポケットを形成するような、生殖器を部分的に取り囲む且つ/又は覆うことができる、1以上のひだを包含してもよい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の態様は、バックシート、吸収性コア、及び糞便物質を受け入れるように設けられた少なくとも1つの開口部を有するトップシートを備え、トップシート及びその開口部がそれぞれ前側区域及び後側区域を有する、吸収性物品を提供する。吸収性物品は、1以上のひだ又は部分ひだ、例えば単一の中央の部分ひだを有する生殖器カバーシートを更に包含してもよく、これは使用の際に生殖器を取り囲み且つ/又は覆うことができるポケットを形成し、開口部の前側区域の中に、その下に、若しくはその上に配置される。空隙は、生殖器カバーシートと吸収性コアの間に形成することができ、空隙は、トップシートと吸収性コアの間に存在する。このように、生殖器カバーシートは開口部のサイズを低減する。
【0008】
ひだは、長手方向ひだ又は部分ひだであってもよく、ひだは、本明細書に記載するように、固定されたひだ又は部分ひだであってもよい。
【0009】
本開示はまた、高速方法として好適な、ポケット状の生殖器カバーシートを製造する方法に関する。
【0010】
生殖器カバーシートは尿透過性であってもよいので、尿は、それを通り抜けておむつの吸収性コアに至ることができる。生殖器カバーシートは低い再湿潤性を有してもよいので、生殖器に逆戻りする尿の量は最小限に抑えられる。
【0011】
吸収性物品は、トップシートの下及び/又は生殖器カバーシートの下に堆積したあらゆる糞便物質を隠すため、色付き若しくは不透明のトップシート及び/又は生殖器カバーシートを有してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本明細書で使用する時、以下の用語は以下の意味を有する。
【0013】
本明細書で使用する時、「吸収性物品」は、体液を吸収することができ、ユーザの生殖器に近接させて配置するのに適したあらゆる物品であって、特に、成人用若しくは乳児用のおむつ、及びいわゆるトレーニングパンツ又はプルアップパンツを包含する物品を意味する。
【0014】
本明細書で使用する時「前側区域」及び「後側区域」はそれぞれ、使用中、着用者の前面及び着用者の背面に最も近い2つの区域を指す。
【0015】
本明細書で使用する時、「股部横部分」は、開口部の長手方向側縁部とトップシートの長手方向側縁部との間にあるトップシートの部分であり、したがって、股部横部分は、前側区域及び/又は後側区域の一部であってもよい。
【0016】
本明細書で使用する時、用語「空隙」は、少なくとも弛緩状態のときに存在する物品内の空洞であり、糞便物質などの排泄物を受け入れ収容する役割を果たし、例えば、弛緩状態において少なくとも3cm、更には5cmの空洞である。
【0017】
本明細書で使用する時、「長手方向」は、構成要素の最大直線寸法に、典型的は物品の長手方向軸線にほぼ平行な方向であり、適用可能なときには、この平行方向の30°以内の方向も含まれる。
【0018】
「横」又は「横断」方向は、長手方向に直交し、物品の大部分及び長手方向軸線と同一平面(the same plan)内にある方向であり、適用可能なときには、その直交方向の30°以内の方向も含まれる。
【0019】
本明細書で使用する時、用語「取り付けられた」は、第1の要素を第2の要素に直接固着することにより、その要素が別の要素に直接固定される構成を包含する。
【0020】
本明細書で使用する時、用語「接合された」又は「接続された」は、第1の要素を第3の中間要素(1つ又は複数)に固着し、次いでそれを第2の要素に固着することによって、第1の要素が第2の要素に間接的に固定される構成を包含する。
【0021】
本明細書で使用する時、「延伸された」又は「延伸状態」は、物品又はそのトップシートが、典型的には、物品の一部である弾性的に延長不能な構成要素、例えばバックシート、又はトップシートの弾性的に延長不能な材料の長さによって決まる、その最大長さまで延伸されていることを意味する。
【0022】
本明細書で使用する時、「弛緩した」又は「弛緩状態」は、物品が水平面上に広げられたとき、物品又はその構成要素に抵抗力(重力などの自然発生的な抵抗力以外)が加えられておらず、そのため、横断方向前側及び後側縁部が水平面上において平らであり、横断方向中心線若しくは軸線が水平面上にある状態を意味する。
【0023】
本明細書で使用する時、「伸縮性」は、典型的には、構成要素が、少なくとも一方向において弾性的である弾性材から成る、又はそれを含むことを意味する。本明細書で使用する時、「非伸縮性」は、構成要素が弾性材を何も含まないことを意味する。
【0024】
本明細書で使用する時、「〜に沿って」は、「少なくとも部分的に〜にほぼ平行な、且つそれに隣接した」ということを意味する。隣接とは、「〜に近接した」並びに「〜と接触している」を包含する。
【0025】
本明細書で使用する時、「トップシートの開口部」は、トップシートによって完全に限界が定められるが、トップシート材料が存在しない領域であって、糞便物質を受け入れるのに十分な大きさ、例えば、長さ若しくは幅が少なくとも2cmであるか、少なくとも2cmの表面積を有する領域を意味する。
【0026】
本開示による吸収性物品は、糞便物質を受け入れる1以上の開口部、及び生殖器カバーシートを包含してもよい。開口部は、スリット開口部の形態であってもよく、いくつかの実施形態では、単一の開口部が使用されてもよい。図1〜3は、バックシート12、吸収性コア13、及びトップシート11を包含する、おむつの形態の吸収性物品10を示す。トップシート11の長手方向側縁部は、当該技術分野において既知の任意の取付け手段によって、バックシート12の長手方向側縁部に接合されるか、又は取り付けられて、長手方向の向かい合った取付け領域を形成してもよい。特定の実施形態では、トップシート11及びバックシート12は、いくつかの位置では互いに直接取り付けられ、他の位置では間接的に互いに取り付けられる。より詳細に後述するように、トップシート11は、糞便物質を受け入れるように設けられた少なくとも1つの開口部14を有する。トップシート11及び開口部はそれぞれ、前側区域21及び後側区域22を有する。開口部14は、(使用の際、ユーザの前側に向く)トップシートの前側区域(の一部)及びトップシートの後側区域(の一部)に存在してもよい。吸収性物品は、トップシート11の下及びトップシートの開口部14の下に配置された、生殖器カバーシート41を更に包含する。生殖器カバーシートは、開口部14の前側区域の中に、その下に、又はその上に配置されてもよいことが理解されるべきである。より詳細に後述するように、生殖器カバーシート41は、1以上のひだ又は部分ひだを包含して、使用の際に生殖器を覆うポケットを形成してもよい。図1〜3に示されるように、空隙15が、吸収性コア13とトップシート11の間、及び吸収性コア13と生殖器カバーシート41の間に存在する。
【0027】
本明細書のおむつは、当該技術分野において既知のように、締着装置を有してもよく、締着装置は腰部バンドに接合されてもよい、いくつかの締着装置は、締結タブ及びランディング領域を包含し、締結タブは、おむつの後側区域に取り付けられるか、又は接合され、ランディング領域は、おむつの前側区域の一部である。例えば、図1〜3に示されるように、おむつ10は、締結具18を有する耳を備えた後側腰部バンドと、締結具の受入れ領域を備えた前側腰部バンド19とを包含する。いくつかの構成では、締結具はフック及び/又は接着剤を備え、受入れ領域は、ループを含む材料から形成されてもよい。
【0028】
本明細書の吸収性物品は、使い捨ての成人用若しくは乳児用のおむつ又はトレーニングパンツ/プルアップパンツであってもよい。おむつ又はトレーニングパンツは、サイドパネル、及び/又は液体及び他の身体排出物の封じ込めを改善する一対以上の伸縮性レッグカフを有してもよい。レッグカフは、米国特許第3,860,003号;米国特許第4,808,178号および第4,909号;米国特許第4,695,278号および第4,795,454号に記載されているように、レッグバンド、サイドフラップ、バリアカフ、又は弾性カフと称されることもある。図1〜3に示されるように、おむつ10は、おむつ10の長手方向側縁部に沿って、伸縮性バンド、いわゆるレッグカフ20を包含する。
【0029】
上述したように、トップシート11は、糞便物質を受け入れるように設けられた少なくとも1つの開口部14を有してもよい。図4及び図5に示されるトップシート11は、長手方向スリット58(任意に、幅寸法を有さない)をトップシート材料に作成し、スリット58の前側からおむつ10の前側に向かって延びる追加の前側切取り区分55をトップシートから切り取ることによって製造されてもよい。前側切取り区分55は「ダイヤモンド」形であってもよいが、その「ダイヤモンド」形の切取り区分55は、湾曲した前側縁部56を有する。スリット58からおむつ10の前側縁部まで直接延び、湾曲した前縁部56をスリット58と接続する側縁部57は、40°〜140°又は55°〜110°であってもよい角度γで互いに接続されてもよい。
【0030】
開口部(1つ又は複数)14の正確な形状は、トップシート11及び/又は吸収性物品10のサイズに応じて様々であってもよい。例えば、一実施形態では、開口部は、ほぼ平行な長手方向側縁部を有するスリット開口部の形態であり、図1〜4に示されるような、V字形又は丸みのあるV字形の前縁部及び側縁部によって前側及び後側で接続されており、前側及び後側のV字形縁部は両方とも、2つの角度が付いた縁部を備える。いくつかの実施形態では、後側のV字形縁部は、前側のV字形縁部よりも大きな角度を有してもよい。前側のV字形縁部は、20°〜100°の角度、或いは、図1及び図4に示されるように、45°〜65°の角度を有してもよいスリット開口部は、任意に、例えば、本明細書に記載されるようにダイヤモンド形で、追加の切取り領域にまで延びてもよい。
【0031】
開口部(1つ又は複数)14の寸法も、トップシート11及び/又は吸収性物品10のサイズに応じて様々であってもよい。いくつかの実施形態では、トップシートは、トップシート11及びおむつ10の長手方向軸線にほぼ平行な長手方向寸法(長さ)を有する、スリット開口部を有してもよい。延伸状態では、トップシートの開口部(若しくは複数の開口部)は、開口部の長さ(若しくは複数の開口部の合計長さ)の20%〜40%又は20%〜30%が、トップシートの横断方向軸線からトップシートの前側縁部に向かって延び、残りのパーセンテージがトップシートの後側縁部に向かって延びるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、スリット開口部の最大長さは、吸収性物品の合計長さLの約40%〜90%、約50%〜80%、又は約60%〜70%であってもよい。一実施例では、サイズ4のおむつは、45cm〜55cm、又は48cm〜52cmの最大トップシート長さを有してもよい。いくつかの実施形態では、単一のスリット開口部の長さは、おむつが延伸状態のとき、20cm〜40cm、25cm〜35cm、又は28cm〜32cmであってもよい。いくつかの実施形態では、開口部の平均幅は、延伸状態では、トップシートの平均幅(開口部の幅を含む)の5%〜30%、又は10%〜25%であってもよい。一実施例では、サイズ4のおむつは、15mm〜60mm、又は20mm〜40mmの開口部の平均幅を有してもよい。
【0032】
図1に示されるように、トップシート11は、開口部14の各長手方向側縁部16に隣接又は近接して、一対の向かい合った伸縮性領域を形成する、第1の伸縮性領域31を包含してもよい。いくつかの実施形態では、第1の伸縮性領域は、開口部(1つ又は複数)14の側縁部16からトップシート11の前縁部及び後縁部に向かって、又は完全にそこまで延びてもよい。したがって、第1の伸縮性領域は開口部14よりも長くてもよい。伸縮性領域は、トップシートの全長にわたって、又は、使用の際に身体排泄物を受け入れることが意図されるトップシートの少なくとも一部(例えば、トップシートから、腰部バンド(の一部)を形成するトップシートの部分を差し引いたもの)にわたって配置されてもよい。トップシートの伸縮性領域は、弾性材の多数の薄いストランドから、又は、例えば弾性材の単一のバンドから形成されてもよい。後述するように、吸収性物品は、各股部側部分(即ち、トップシート11の長手方向側縁部と開口部14の長手方向側縁部との間にあるトップシートの部分)に第2の伸縮性領域を更に包含してもよい。第2の伸縮性領域はそれぞれ、同じ股部側部分の第1の伸縮性領域から離れる方向に湾曲する全体的な湾曲を有してもよい。
【0033】
図1に示されるように、第1の伸縮性領域31は、開口部14の長手方向側縁部16に沿って配置されてもよい。トップシート11も、第2の伸縮性領域32を、又は更には第3の伸縮性領域(図示なし)を有してもよい。第1の伸縮性領域31はそれぞれ、長さL2の中央区域を有し、中央区域は互いにほぼ平行であり、L2は、第1の伸縮性領域31の全長L1の約30%〜70%であってもよい。いくつかの実施形態では、L2は、開口部14の最大長さの約40%〜80%である。第1の伸縮性領域31は、X字形を有してもよく、前端部分36は互いから離れる方向に曲がり、後端部分38は互いから離れる方向に曲がる。第1の伸縮性領域はまた、同時係属中の出願EP−A−1201212に記載されているように、平行であってもよい。
【0034】
第1の伸縮性領域は、向かい合った第1の伸縮性領域の中央部分にほぼ平行な中央部分を有するように形作られてもよい。上述したように、中央部分は長さL2を有し、それは、いくつかの実施形態では、対応する伸縮性領域の全長L1の30%〜70%であってもよく、開口部の最大長さの約40%〜80%であってもよい。いくつかの実施形態では、伸縮性領域の全長は、トップシートの最大長さの約70%〜90%、約80%〜90%、又は約85%であってもよい。第1の伸縮性領域の長さはまた、トップシート11及び/又は物品10のサイズに応じて決まってもよい。例えば、上述したようなサイズ4のおむつの場合、延伸状態での伸縮性領域の平均長さは、少なくとも35cm、又は35cm〜45cmであってもよい。トップシート上における伸縮性領域の幅も、トップシート11及び/又は物品10の正確な寸法に応じて変わってもよい。例えば、上述したようなサイズ4のおむつの場合、延伸状態での第1の伸縮性領域は、約3mm〜50mm、約3mm〜40mm、約3mm〜20mm、又は約5mm〜20mmの平均幅を有する、弾性バンド又は多数の弾性ストランドであってもよい。
【0035】
2つの向かい合った第1の伸縮性領域の前端部分は、(トップシートの面内で)互いから離れる方向に曲がってもよいので、2つの向かい合った弾性領域の向かい合った前端部分の終縁部間の距離は、2つの向かい合った弾性領域の中央部分間の距離よりも大きく(larger that)、同様に、2つの向かい合った弾性領域の向かい合った後端部分の終縁部間の距離は、2つの向かい合った弾性領域の中央部分間の距離よりも大きい(larger that)。例えば、上述したように、且つ図2に示されるように、第1の伸縮性領域31はX字形であってもよく、伸縮性領域の前端部分36はそれぞれ、トップシート11の長手方向軸線に平行であり、且つ開口部の長手方向側縁部16に(直接)隣接した伸縮性領域の一部を通る長手方向線35との角度αを有する。いくつかの実施形態では、この角度αは、延伸状態では約17°〜30°であってもよい。いくつかの実施形態では、伸縮性領域の後端部分38はそれぞれ、延伸状態では約17°〜30°であってもよい角度βを有してもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、第1の伸縮性領域の前端部分は、伸縮性領域の中央部分を通り、且つトップシートの長手方向軸線に平行な長手方向線との角度を有してもよく、その角度は、10°〜40°、17°〜35°、又は20°〜35°であってもよい。他の実施形態では、第1の伸縮性領域のそれぞれの後端部分は、伸縮性領域の中央部分を通り、且つトップシートの長手方向軸線に平行な長手方向線との角度を有してもよい。いくつかの実施形態では、その角度は、10°〜40°、17°〜35°、又は20°〜35°であってもよい。前端部分双方及び後端部分双方が上述の角度を有するとき、第1の伸縮性領域は、本明細書に言及されるようにX字形を有してもよく、好適なX字形は図1及び図2に例示される。
【0037】
いくつかの実施形態では、伸縮性領域の前端部及び/又は後端部及び/又は中央部分は、直線ではなく湾曲していてもよい。そのような実施形態では、上述の角度は、前端部及び/又は後端部の中心点を通る接線と、トップシートの長手方向軸線に平行であり、伸縮性領域の中央部分の中心点に接する線との角度によって決まってもよい。
【0038】
本明細書の伸縮性領域は、延伸状態又は部分的な延伸状態にある伸縮性材料を、トップシートに取り付けることによって、又は1以上のキャリア材料に取り付け、続いてそれらをトップシートに取り付けることによって形成されてもよい。弾性材は、平均厚さ(例えば、ゲージ)が少なくとも20ミクロン、少なくとも40ミクロン、若しくは少なくとも60ミクロンの、多数のストランド又は単一のバンドの形態であってもよい。いくつかの実施形態では、弾性材は、約300ミクロン以下、200ミクロン以下、又は150ミクロン以下の平均厚さを有する。好適な材料は、約70〜100ミクロンの平均厚さを有してもよい。本明細書に使用される好適な弾性材は、トレデガー社(Tredegar)から入手可能なVFE−CD、並びにフルフレックス社(Fulflex)(アイルランド、リムリック(Limerick))から入手可能なL−86、L−89、又はL−90を包含してもよい。
【0039】
吸収性物品10は、耐弛み性であってもよく、耐弛み性のトップシート11を包含してもよい。これは、物品によって受け入れられた身体排泄物の重量の増加によってバックシート及び吸収性コアが弛んだとき、トップシートが弛まないことを意味する。それに加えて、トップシートは、着用者の肛門区域及び生殖器とのそのz方向における位置合わせを保持し、また、そのx方向及びy方向における位置合わせを保持してもよい。吸収性物品(例えば、おむつ又はトレーニングパンツ)は、バックシート及びコアが弛んだとき、物品を着用者に適用した直後のバックシート及びコアがまだ弛んでいないときとほぼ同じように、トップシートを着用者の肛門及び/又は生殖器区域と接触又は近接したまま保持する手段を包含してもよい。いくつかの実施形態では、トップシートは耐弛み性なので、バックシートの幾何学的中心点が4cm引き下げられたとき、(i)トップシートは0.5cm以上、0.25cm以上、又は全く下がらず、且つ/又は(ii)開口部の長手方向側縁部は、0.5cm以上、0.25cm以上、又は全くx方向及びy方向に動かない。
【0040】
いくつかの実施形態では、トップシート11は耐弛み性であり、且つ弾性的に延長不能であってもよく、また、図1〜3に示されるように、1以上の横断方向ひだ及び/又は長手方向ひだ17を有してもよい。いくつかの構成では、開口部14の幅を包含するトップシート11の平均幅は、バックシート12に対するトップシート11の長手方向取付け領域間の平均距離よりも大きくてもよい。他の構成では、開口部の幅も含めトップシートの平均幅は、バックシートの平均幅よりも大きくてもよい。そのように、トップシートは、例えば、1以上の横断方向及び/又は長手方向ひだを有してもよく、それらのひだは、使用の際に広がって、トップシートが適所に残っている状態でコア及びバックシートが弛むことを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、長手方向ひだ17を有するトップシート11は、吸収性コア13には取り付けられず、長手方向取付け線23を有するバックシート12に直接取り付けられて、おむつ10及びそのトップシート11が耐弛み性であることを確保する。
【0041】
本明細書のトップシートは、液体若しくは尿透過性であっても、又は非透過性であってもよい。トップシートは、一方向では液体又は尿透過性であるが、逆方向では液体又は尿不透過性であってもよい(例えば、体液はトップシートを通り抜けておむつの残りの部分に達してもよいが、液体(尿)は、着用者の皮膚に向かう逆方向には、全く又は限定された量しか浸透することができない)。いくつかの実施形態では、トップシート、又はその表面積(使用の際着用者に向く)の少なくとも50%超過は疎水性であってもよい。トップシートは、尿不透過性及び糞便不透過性であってもよい。トップシートは、後述する試験方法によって決定されるように、第1の噴出に対して120秒超過の裏抜け時間を有する材料で作られてもよい。トップシートは、低い表面エネルギーと均一な孔径分布を有するとき、尿不透過性及び糞便不透過性であると見なされてもよい。低い表面エネルギー値、孔径、及び空気透過率値は、同時係属中の出願EP−A−1417945に記載されている。いくつかのトップシートは、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、又は少なくとも10のアルコール忌避性を有し、25mN/m未満の表面エネルギーを有し、130°超過の水との接触角を有し、且つ/又は、20ミクロン未満、17ミクロン未満、又は13ミクロン未満であって、但し一般に少なくとも2ミクロン又は少なくとも5ミクロンの平均孔径を有する材料を含んでもよい。いくつかのトップシートは、少なくとも3ダルシー、少なくとも10ダルシー、少なくとも20ダルシー、少なくとも30ダルシー、又は少なくとも50ダルシーの空気透過率を有してもよい。
【0042】
いくつかのトップシートは、疎水性材料で作られてもよく、或いは、例えば、2004年2月11日出願の同時係属中の出願US60/543,785に記載されているような、疎水性表面コーティングによって、(着用者の皮膚を、おむつの残りの部分に収容されている液体から分離するために)疎水性となるように処理されてもよい。疎水性表面コーティングは、1以上のシリコーンポリマー又はフッ素化ポリマーを包含してもよい。シリコーンポリマーは、例えば、シリコーンMQ樹脂、ポリジメチルシロキサン、架橋シリコーン、シリコーン液体エラストマー、及びそれらの組み合わせから成る群から選択されてもよい。いくつかの実施形態では、そのようなシリコーンポリマーの分子量は、少なくとも約4000MW、少なくとも約10,000MW、少なくとも約15,000MW、少なくとも約20,000MW、又は少なくとも約25,000MWであってもよい。ポリジメチルシロキサンは、ビニル終端ポリジメチルシロキサン(polydimethsiloxanes)、メチル水素ジメチルシロキサン、ヒドロキシル終端ポリジメチルシロキサン(polydimethysiloxanes)、有機変性ポリジメチルシロキサン、及びそれらの組み合わせから成る群から選択されてもよい。フッ素化ポリマーは、テトラフルオロエチレン及び/又は過フッ化アルキル鎖を含有するテロマー及びポリマーから成る群から選択されてもよい。例えば、デュポン社(Dupont)からゾニル(Zonyl)(登録商標)の商標名で市販されているフッ素化界面活性剤が、本明細書で使用するのに適していることがある。特に、ゾニル(Zonyl)(登録商標)321、329、8740、9027、及び9360が、使用に適していることがある。それに加えて、マイクロパウダーのようなフッ素系添加物(fluroadditives)を含む他のゾニル(Zonyl)(登録商標)材料が、本明細書において有用なことがある。これらとしては、ゾニル(Zonyl)(登録商標)MP1100、MP1200、MP1400、MP1500J、MP1600N、TE−3667N(これは水分散液である)が挙げられるが、それらに限定されない。特定の実施形態では、コーティングはアミノシリコーンを含まない。これらの材料は、少なくとも約0.01gsm(材料のグラム/トップシートの平方メートル)、少なくとも約0.05gsm、又は少なくとも約0.1gsmの量で、トップシート上に堆積されてもよい。
【0043】
トップシートは、天然繊維(例えば、木材若しくは木綿繊維)又は合成繊維(例えば、ポリエステル、ポリエチレン、及び/若しくはポリプロピレン繊維)の織布又は不織布ウェブ、或いは天然繊維と合成繊維の組み合わせを包含する、広範囲の材料から製造されてもよい。トップシートが繊維を包含する場合、その繊維は、例えば、スパンボンド、カード、湿式、メルトブロウン、水流交絡、ないしは当該技術分野において既知の別の方法で処理されてもよい。好適な材料は、従順で、感触が柔らかく、着用者の皮膚に刺激がないものであってもよい。いくつかの実施形態では、好適な材料としては、スパンボンド層(S)及びメルトブロウン層(1つ又は複数)(M)を含み、それによってウェブの表面がスパンボンド層(1つ又は複数)によって形成されたウェブが挙げられる。ウェブは、比較的高い、例えば、25g/m(gsm)超過の坪量を有してもよい。好適なウェブは、例えば、34gsmのSMMS(12gsmのメルトブロウン及び5gsmのスパンボンド)、34gsmのSMMS(10gsmのメルトブロウン及び7gsmのスパンボンド)、30gsmのSMMS(10gsmのメルトブロウン及び5gsmのスパンボンド)、30gsmのSMMS(8gsmのメルトブロウン及び7gsmのスパンボンド)、34gsmのSMS(20gsmのメルトブロウン及び7gsmのスパンボンド)、或いは、例えば、17gsmのSMMSを2層含むウェブを包含してもよい。
【0044】
トップシートのいかなる部分も、当前記技術分野において既知のローション又はパウダーでコーティングされてもよい。いくつかの実施形態では、ローションは、第1の伸縮性領域上及び/又は第2の伸縮性領域上に存在する。1つの伸縮性領域上に使用されるローションは、別の伸縮性領域上又はトップシートの残りの部分上に使用されるローションと異なってもよい。ローションの例としては、ローションが弾性材と適合性をもち、弾性材を破壊したりその弾性を低減したりしないという条件で、米国特許第5,607,760号;米国特許第5,609,587号;米国特許第5,635,191号;米国特許第5,643,588号;及びWO95/24173号に記載されているものが挙げられる。
【0045】
図1〜3を参照して上述したように、吸収性物品10は、当該技術分野において既知のバックシート12を更に包含する。バックシート12又はそのいずれかの部分は、1以上の方向に弾性的に延長可能であってもよい。バックシート12は、トップシート11、吸収性コア13、若しくはおむつ10の任意の他の要素に、当該技術分野において既知の任意の取付け手段によって取り付けられるか、または接合されてもよい。トップシート及びバックシートの長手方向側縁部は、互いに直接取り付けられてもよいが、トップシート及びコアの長手方向縁部は、互いに取り付けられない。トップシート及びバックシートを取り付け、但し本明細書の生殖器カバーシートをも取り付ける取付け手段は、接着剤の均一な連続層、接着剤の模様付き層、又は、米国特許第4,573,986号に記載されているような、接着剤の別個の線、らせん、若しくは点の配列を包含してもよい。満足のいくものであることが判明している接着剤は、ミネソタ州セントポール(St. Paul)のH.B.フラー社(H.B.Fuller Company)によって製造され、HL−1620及びHL−1358−XZPとして市販されている。或いは、取付け手段は、熱接着、圧力接着、超音波接着、動的機械的接着、又は当該技術分野で既知の他のあらゆる好適な取付け手段、若しくはこれら取付け手段の組み合わせを包含してもよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、バックシート12は、液体不透過性であってもよく、約0.01mm〜約0.05mmの厚さを有する熱可塑性フィルムなどの薄いプラスチックフィルムを含んでもよい。好適なバックシート材料は、蒸気をおむつから逃がすことができる一方、依然として排出物がバックシートを通り抜けるのを防ぐ通気性材料を包含してもよい。好適なバックシートフィルムは、インディアナ州テレホート(Terre Haute)のトレデガー・インダストリーズ社(Tredegar Industries Inc.)によって製造され、X15306、X10962、及びX10964の商標名で販売されているものを包含してもよい。
【0047】
図3は、図2の線III−IIIによる、図1及び2のおむつ10の断面図を示す。この図は、生殖器カバーシート41と吸収性コア13の間、及びトップシート11と吸収性コア13の間の空隙15を示すと共に、生殖器カバーシート41が、使用の際に空隙15の一部の中に配置されるひだ44によって、どのようにポケット状に形成されるかを示す。
【0048】
上述したように、吸収性物品は吸収性コアを包含してもよい。吸収性コアは、粉砕木材パルプ、縮みセルロース詰め物;コフォームを含むメルトブローポリマー;化学的に剛化、変性、若しくは架橋されたセルロース繊維;ティッシュラップ及びティッシュラミネートを包含するティッシュ;吸収性発泡体;吸収性スポンジ;超吸収性ポリマー;吸収性ゲル化材料;又は他のあらゆる既知の吸収性材料若しくは材料の組み合わせなど、一般に圧縮性で、従順で、着用者の皮膚に刺激がなく、尿を吸収し保持することができる、任意の吸収性材料を含んでもよく、吸収性ゲル化材料の吸収性コア容量(例えば、コアラップを除く)の80重量%超過の吸収性貯蔵層を有し、エアフェルトを含まなくてもよい吸収性コアであってもよい。
【0049】
吸収性物品は、身体排泄物、典型的には糞便物質を受け入れ、且つ/又は不動化することが可能な、トップシートと吸収性コアとの間に配置された副層(上述の身体に面するライナーと同一であってもよい)を更に包含してもよい。例えば、図3に示されるように、吸収性コア13は、糞便物質を不動化する手段を備える特定の複層24、例えば、垂直に延びる(z方向の)繊維を有する層、又は本明細書に記載されるような孔あきウェブ若しくはフィルムを備えてもよい。複層として使用するのに適した材料は、大型連続気泡発泡体(large cell open foams)、マクロ孔質耐圧縮性嵩高不織布(macroporous compression resistant non woven highlofts)、連続気泡及び閉塞気泡発泡体の大型微粒子発泡体(large size particulate forms)(マクロ孔質及び/若しくはミクロ孔質)、嵩高不織布、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタン発泡体又は粒子、垂直に配向された、ループ状であってもよい繊維のストランドを多数含む構造、及び/又は、生殖器カバーシートに関して上述したような孔あき成形フィルムを包含してもよい。(本明細書で使用する時、用語「ミクロ孔質」は、毛管現象によって流体を移送することができ、但し50ミクロン超過の平均孔径を有する材料を指す。用語「マクロ孔質」は、流体を毛管移送するには大き過ぎる細孔を有し、一般に直径が約0.5mm(平均)を超える細孔を有し、より具体的には直径が約1.0mm(平均)を超える、但し典型的には10mm未満、又は更には6mm(平均)未満の細孔を有する材料を指す。
【0050】
上述したように、吸収性物品は、トップシートの開口部の下に、その中に、又はその上に存在してもよい生殖器カバーシートを包含する。使用の際、生殖器カバーシート41はユーザの生殖器を覆う。典型的には、生殖器カバーシート41は、生殖器の周りにポケットを形成することができるようなものである。このことは、図3に更に示される。生殖器カバーシートは、使用中に生殖器と近接する開口部の部分(即ち、開口部の前側区域)の下に、その中に、又はその上に存在してもよい。生殖器カバーシートは、着用者から離れる方向に面する、例えば吸収性コアに面するトップシートの面に取り付けられてもよい。
【0051】
生殖器カバーシート材料は、生殖器カバーシート41の長手方向側縁部がほぼ平行であり、且つおむつ10の長手方向軸線にも平行であってもよいようにして、吸収性物品に取り付けられてもよい。したがって、生殖器カバーシートは、物品の長手方向軸線に平行な、ほぼ平行な取付け領域を有してもよい。そのような取付け領域は、単一の長手方向取付け線であってもよく、或いは、別個の断続的な長手方向取付け線、又は更には別個の階段状に設けられた断続的な取付け線(それぞれ、典型的には長手方向軸線に平行であるが、長手方向軸線から異なる距離に配置される)から成ってもよい。
【0052】
図2は、延伸状態にある図1のおむつ10の平面(plane)(上面)図を示す。
【0053】
生殖器カバーシート41は、トップシート11の下に置かれ、例えば接着剤の長手方向線の形態である取付け領域42によって、その長手方向側縁部に沿ってトップシート11に取り付けられる。取付け領域42は、少なくとも開口部16の長手方向側縁部のどちらかに沿って、又はそれのみに沿って配置されてもよく、また、それに対して、且つ互いに対して平行であってもよい。各取付け領域42は、第1の伸縮性領域31とトップシートの長手方向側縁部の間に、又は第1の伸縮性領域31と第2の伸縮性領域32(存在する場合)の間に配置されてもよいので、生殖器カバーシート41は、少なくともトップシート11の非伸縮性領域34において、又はそれのみにおいてトップシート11に取り付けられる。
【0054】
生殖器カバーシートがトップシートの下及び開口部の下方(即ち、トップシートと吸収性コアの間)に存在するとき、生殖器カバーシートは、いくつかの実施形態では、糞便物質のための最大限の空隙をトップシートと吸収性コアの間に、且つ生殖器カバーシートと吸収性コアの間に確実に作るために、吸収性コアに取り付けられなくてもよい。
【0055】
生殖器カバーシートは、接着剤接合、熱接着、圧力接着を包含する、且つ、長手方向線又は個々の横断方向線若しくはドットなどから形成される長手方向線などの様々な接着パターンを包含するあらゆる手段によって、吸収性物品(例えば、トップシート)に取り付けられてもよい。生殖器カバーシートは、トップシートに部分的に取り付けられ、それによって取付け領域及び非取付け領域(1つ又は複数)を形成してもよい。非取付け領域(1つ又は複数)の1以上は、保護用生殖器カバーを形成してもよい。生殖器カバーシートは、開口部の長手方向側縁部の一部に直接隣接して、又は隣接せずにそれに沿った、少なくとも2つの取付け領域によってトップシートに取り付けられてもよい。生殖器カバーシートが、少なくとも一対の向かい合った取付け領域によってトップシートに取り付けられるとき、取付け領域は、いくつかの実施形態では、第1の伸縮性領域に重ならず、むしろ、第1の伸縮性領域と近接している。
【0056】
生殖器カバーシートは、一対の向かい合った取付け領域によって、本明細書では、1以上の非取付け領域(1つまたは複数)の間で、本明細書に記載されるように(例えば、トップシートに)取り付けられてもよく、それにより、一対の取付け領域(1つ又は複数)の間の生殖器カバーシートの非取付け領域(1つ又は複数)の平均絶対幅は、2つの取付け領域の間の平均距離(幅)よりも大きく、例えば、少なくとも1.2倍、又は少なくとも1.5倍大きい。
【0057】
トップシートは、トップシートの(スリット)開口部の向かい合った長手方向側縁部に沿って、(生殖器カバーシートがトップシートに取り付けられる)取付け領域を備えてもよい。取付け領域は、それらの長手方向側縁部から離れていてもよい。取付け領域は、それらの長手方向側縁部から約2〜20mm、又は約5〜15mm離れていてもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、開口部14の上に、その中に、又はその下に存在する生殖器カバーシート41の一部の最大長さは、開口部の最大長さの10%〜50%である。他の実施形態では、開口部の上に、その中に、又はその下に存在する生殖器カバーシートの一部の最大長さは、開口部の最大長さの10%〜30%、13%〜28%、又は17%〜27%であってもよい。換言すれば、いくつかの実施形態では、開口部の最大長さの最大50%が生殖器カバーシートの最長部分によって「覆われる」が、開口部の最大長さの少なくとも10%は、生殖器カバーシートの最長部分によって覆われる。別の実施形態では、生殖器カバーシートは、開口部の全長にわたって延びてもよく、糞便物質を受け入れる開口部を含んでもよい。
【0059】
生殖器カバーシートは、開口部の上に、その中に、又はその下に、直線状ではないほぼ横断方向の縁部を有してもよい。例えば、図1〜3に示されるように、生殖器カバーシート41は、開口部14の上又は下に、直線状の縁部ではなく、代わりに曲線状又は矢印形状の横断方向縁部43を有して、生殖器カバーシート41が使用の際により快適になるようにしてもよい。図3に示されるように、生殖器カバーシート41は、丸みを付けられた、又はV字形の「横断方向」縁部43、即ち、おむつ10においてスリット開口部14の上に、その中に、又はその下にある縁部43を有してもよい。横断方向縁部は、図1〜3に示されるように、曲線状縁部又はV字形縁部の中心点が、曲線状縁部又はV字形縁部の残りの部分よりも物品の前側に近い、曲線状又はV字形(矢印形状)であってもよい。いくつかの実施形態では、この中心点から開口部の前側までの生殖器カバーシートの一部の長さは、開口部の最大長さの10%〜30%、15%〜25%、或いは20%〜25%であってもよい。生殖器カバーシートはまた、図7A〜Dに見られるように、開口部の上又は下に、ほぼ直線状であって物品の長手方向軸線に垂直な横断方向縁部43を有してもよい。
【0060】
生殖器カバーシートはポケットの形態であってもよい。例えば図1に示されるように、生殖器カバーシート41は、生殖器カバーシート41が使用の際にユーザの生殖器の周りに確実にポケットを形成して、生殖器が糞便で汚れるのを防ぐことができるように、部分的な長手方向中央ひだ44を有してもよい。特定の実施形態では、生殖器カバーシートは1以上のほぼ長手方向のひだを有する。ひだは、生殖器カバーシート材料の幅を短縮し、それによってポケット状に形作ることができるようにする。任意に、ひだ(1つ又は複数)の一方の側にある材料の(僅かな)一部は、あらゆる既知の方法によって(ひだのない)生殖器カバーシートの一部に取り付けられて、例えば、接着剤、熱、又は圧力による接着、或いは、例えば超音波接着、又はそのような接着技術の組み合わせを使用することにより、固定されたひだ、即ち接着領域を有するひだを形成してもよい。そのような固定されたひだ(1つ又は複数)は、小さな接着点のような目に見える接着領域を有してもよい。
【0061】
ひだ(1つ又は複数)を有する生殖器カバーシートは、物品内にほぼ正方形若しくは長方形の周囲を、又は図3に示され以下により詳細に記載するように、V字形の区画が切り取られた正方形若しくは長方形の周囲を有してもよい。図6は、吸収性物品10に組み入れる前の、吸収性物品10の生殖器カバーシート41の形状の斜視図を示す。図7Aは、図1〜3のおむつ10に組み入れるために折り畳まれた図6の生殖器カバーシート41の斜視図を示し、おむつ10において、取付け領域42となる領域が示されており、取付け領域42は、例えば、トップシート11に取り付けるための接着剤を含んでもよい。図7Aには、一実施形態において、生殖器カバーシート41が、任意に開口部14の長手方向側縁部16の一部に沿って、但し、いずれにしても縁部57及び湾曲した縁部56を包含する切取り区画55の縁部に沿って、どのように置かれるかが示される。生殖器カバーシート41のひだ44は、長方形又は正方形の生殖器カバーシート41が、ほぼ平行な取付け領域42によっておむつ(例えば、トップシート11)に取り付けられるとき、ポケット形状が形成されることを確実にする。したがって、生殖器カバーシート材料を物品に取り付けるとき、向かい合った長手方向側縁部が位置合わせされ平行であることを確実にし、そこにひだ(1つ又は複数)を設けることにより、所望のポケット形状が形成されて、生殖器が汚れるのを防ぐ。折り畳まれた材料44は、例えば、超音波接着又は溶接によって、それを残りの生殖器カバーシート材料41の一部に接着することにより、そこに固定されて、固定されたひだ44を形成してもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように接着/固定されたひだの部分は、約0.1mm〜10mm、或いは約0.3〜5mmの幅を有してもよい(幅は、物品の長手方向軸線に垂直なCD方向である)。
【0062】
図7B、7C、及び7Dは、生殖器カバーシート41にポケット形状を作るのに使用されてもよい、代替のひだ(44、45、及び46)を示す。当然ながら、それらは、所望のポケット形状に応じて、幅、形状、及び長さが様々であってもよい。図7Cに示されるような単一のz字形ひだ44は、処理するのが容易であり、使用の際にこのひだ44をより快適にする、生殖器カバーシートのほぼ平坦な表面が得られるため、有益かもしれない。ひだ44は、例えば超音波接着によって、残りの生殖器カバーシート41の一部に(部分的に)接着されて、接着領域42を有する固定されたひだ44を形成してもよく、接着領域42は、使用の際、目に見える接着点、例えば、ひだに沿って長手方向に延びる小さな点(図示なし)を含んでもよい。ひだ(1つ若しくは複数)は、更に、例えば、z字形ひだ、二重若しくは複数のz字形ひだ、Ω形状のひだ、又は二重若しくは複数のΩ形状のひだ、又はw字形若しくは複数のw字形のひだであってもよい。ひだ(1つ又は複数)は、また、生殖器カバーシートが吸収性物品に組み込まれてから、又は生殖器カバーシートが吸収性物品に組み込まれる前に、生殖器カバーシートに作られてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、生殖器カバーシート材料は、物品に組み込む前又は組み込んだ後に、活性化器具(ダイ)を用いて活性化し、三次元のポケット状に形成することができる、三次元活性化可能な材料である。他の実施形態では、生殖器カバーシート材料は、物品に組み込みながら、それをガイド器具(レール)の上に導くことによってポケット状に形成されてもよい。更に他の実施形態では、生殖器カバーシート材料は、それを、型を有する真空ドラム又はベルトの上に導き、それによって生殖器カバーシート材料を型に引き込み、次に、結果として得られる生殖器カバーシート材料を吸収性物品に組み込むことによって、ポケット状に形成されてもよい。生殖器カバーシートは更に、弾性的に延長可能であってもよい。いくつかの実施形態では、トップシートの生殖器カバーシート部分は、少なくとも横断方向に延長可能であってもよい。しかしながら、トップシートの生殖器カバー部分は、長手方向にも延長可能であってもよい。
【0064】
生殖器カバーシートは更に、親水性であるか、又はそれらを親水性にする親水化剤によって処理されてもよい。生殖器カバーシートに適した材料は、親水性繊維を含む不織布及び織布材料、且つ/又は、親水化剤、例えば界面活性剤で処理された不織布又は織布材料である。生殖器カバーシート41はまた、本明細書に記載されるように、尿透過性であってもよく、本明細書に記載の孔あきウェブ若しくはフィルム、又は例えば本明細書に記載のカードウェブなど、ミクロ細孔を有する材料を含むか、又はそれから成ってもよい。
【0065】
上述したように、吸収性物品の生殖器カバーシートは尿透過性であってもよい。尿透過性は、同一サンプルに5mLの噴出を2回、2回の噴出の間に60秒の待ち時間をおいて(吸収パッドを交換せずに)適用するという点で修正し、また、吸収パッドは5プライではなく10プライの濾紙から成るという点で修正した、裏抜け試験であるエダナ試験方法(Edana test method)150.3−96により決定することができ、使用される濾紙はアールストレーム(Ahlstroem)等級989又は同等品であってもよく、ピックアップ紙はアールストレーム等級632又は同等品であってもよい。この修正したエダナ試験方法(Edana test method)は、第1噴出及び第2噴出の裏抜け時間を規定し、それらはそれぞれ3回の試験で得られた値の平均値である。
【0066】
いくつかの実施形態では、生殖器カバーシートは、第1噴出の裏抜け時間が7秒未満、5秒未満、又は3秒未満である平均尿透過性を有してもよい。第1噴出の裏抜け時間は、1〜3秒、又は1〜2秒であってもよい。生殖器カバーシートは、9秒未満、7秒未満、又は5秒未満の第2噴出の裏抜け時間を有してもよい。第2噴出の裏抜け時間は、1〜7秒、2〜5秒、又は1〜5秒であってもよい。
【0067】
特定の実施形態では、生殖器カバーシートは水分を皮膚及びそれ自体に戻さず、低い再湿潤性を有してもよい。これは、濡れ戻り試験(Wetback Test)であるエダナ試験方法(Edana test method)151.3−02により、エダナ試験で指定されているように23℃及び50%湿度の試験条件下で、且つ指定されているように充填率3.30の濾紙を使用して決定することができ、3つの試験結果の平均である平均再湿潤値が得られる(使用される濾紙は上記で指定したようなものであってもよい)。生殖器カバーシートは、0.8g未満、0.5g未満、0.3g未満、0.2g未満、又は0.15g未満の平均再湿潤値を有してもよい。
【0068】
特定の実施形態では、生殖器カバーシートは、低粘度の糞便物質がそれを通り抜け、それに絡まることを可能にして、生殖器を糞便物質から保護してもよい。生殖器カバーシートは、大きな孔及び大きなキャリパーを有する(例えばPET繊維で作られた、カード加工され樹脂結合された、又は空気透過性の不織布などの場合、例えば、50〜400ミクロン、又は100〜300ミクロンの平均孔径と、0.5mm〜1.5mm、又は0.7mm〜1mmの平均キャリパー(2.1kPa(0.3psi)の圧縮荷重下で測定)とを有する)材料から形成されてもよい。
【0069】
生殖器カバーシートは触感が柔らかくてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも生殖器と接触する表面は、カード材料又はスパンボンド材料によって形成される。生殖器カバーシート用の材料は、スパンボンド不織布、SM及びSMMS積層体などのスパンボンド不織布(S)とメルトブロウン不織布(M)の積層体、カード不織布、又は、例えばWO96/00549号に記載されているような孔あき成形フィルムを包含してもよく、それらはそれぞれ、親水化剤、例えば界面活性剤でコーティングされてもよい。
【0070】
カード不織布材料を使用する実施形態では、材料は、少なくとも0.3mm、少なくとも0.5mm、若しくは少なくとも0.7mmの平均キャリパー(2.1kPa(0.3psi)の圧縮荷重下で測定)、及び/又は100〜300ミクロンの平均孔径を有してもよい。
【0071】
生殖器カバーシート又はその一部は更に、着色剤で着色(例えば、既知のおむつの通常の白色以外)されてもよく、且つ/又は不透明化剤を有することによって不透明にされてもよい。色及び不透明度は、吸収性物品内に堆積され、生殖器カバーシートの下にある糞便物質を隠す助けとなる。
【0072】
典型的には長手方向軸線に沿った開口部及び第1の伸縮性領域を有するトップシート、並びに生殖器カバーシートは、以下の方法に従って得られてもよい。
【0073】
長手方向に延びる(スリット)開口部が、まず、トップシート材料内に形成(切込み)され、一対の主弾性バンドが、開口部の各長手方向縁部に隣接又は近接して弾性バンドが存在するようにして、延伸状態でトップシートに取り付けられる。或いは、主弾性バンドが、まず、トップシートの上を長手方向に延びるようにして、例えばX字形で、延伸状態でトップシートに取り付けられ、その後、長手方向に延びる(スリット)開口部が、典型的にはトップシート材料及びストランド又はバンドの長手方向軸線に沿って、トップシート材料の一部及び弾性バンドの一部に形成(切込み)される。
【0074】
主弾性ストランド又はバンドを取り付けるのに適した接着剤は、ATO−フィンドレイ社(ATO-Findley)から入手可能なH2031、及びH.B.フラー社(H.B. Fuller)(米国セントポール(St. Paul)から入手可能なHL−1620を包含してもよい。
【0075】
非限定的な実施例では、(弛緩状態で)厚さ約0.1mm、幅20mm、及び長さ17cmのフルフレックス社(Fulflex)から入手可能なL−89弾性材の2つの弾性バンドが入手され、また、BBA社、ファイバーテックス社(Fibertex)、又はペガス社(Pegas)から入手可能なものなどの、幅20〜25cm及び長さ50〜55cmのポリプロピレン不織布材料のシートが入手される。
【0076】
延伸状態では、長さ25cm〜35cm、典型的には約28cm〜32cmのスリット開口部が不織布に切り込まれる。これは、スリットとして切り込まれ、それによって、スリット開口部が、伸縮性領域を広げられることに起因してその幅を得てもよく、又はスリット開口部は、例えば4.0cm以下の幅寸法で切り込まれてもよい。典型的には、スリット開口部は、幅寸法を有さないスリットとして切り込まれるが、スリット開口部の前側地点が終わるトップシートの前側区域では、図4に見られるように、追加のダイヤモンド計上の切込みが作られる。
【0077】
ユーザの皮膚と接触するトップシートの表面上に伸縮性領域が存在する場合、追加層、例えば不織布材料が、弾性領域上に置かれて、弾性領域が皮膚と直接接触するのを回避してもよい。
【0078】
不織布の開口部の各長手方向縁部に対して、1つの弾性バンドが部分的な延伸状態で接着される。これは、例えば、弾性バンドの中央の9cmが336%延伸され、それぞれ4cmの端部が非延伸状態で維持されるようにして行われる。次に、各弾性バンドが、1つの弾性バンドの前端区域が対向する弾性バンドの前端区域から離れる方向に曲がり、1つの弾性バンドの後端区域が対向する弾性バンドの後端区域から離れる方向に曲がって、X字状になるような形で、不織布上に接着される。これは、適用後、前端区域と後端区域の内側の2つの縁部間の横断方向距離が、例えば、延伸状態で80mmであるようにして行われる。伸縮性領域の中心点間の距離は、例えば、僅かに40mmである。
【0079】
前端区域と、トップシートの中央部分を通り、その長手方向軸線に平行な線との角度は、上述したように、且つ図2及び図3に見られるように角度αであり、例えば、本明細書に記載されるように、約10°〜40°である。後端区域の角度は、上述したように、且つ図2に見られるように角度βであり、やはり、例えば約10°〜40°である。
【0080】
次に、生殖器カバーシートは、開口部の最大長さの前側15%〜35%が生殖器カバーシートの最長部分によって覆われるようにして、延伸状態でトップシートに取り付けられてもよい。生殖器カバーシートは、開口部の上に曲線状又はV字形の縁部を有してもよい。生殖器カバーシートは、例えば、図1〜3に示されるような形状を有してもよく、例えば図6に示されるように、トップシートに取り付けられる前に折り畳まれてもよい。しかしながら、横断方向縁部は、図7A〜Cに見られるように、ほぼ直線であって、物品の長手方向軸線に垂直であってもよい。
【0081】
生殖器カバーシートは、例えば、それぞれ弾性バンドから約0.5〜1.5cm離れてトップシートの長手方向縁部と弾性バンドとの間にある、接着剤の少なくとも2つの長手方向領域(線、らせん、点)で、且つ図6に示されるように、V字形の取付け領域で、ユーザの皮膚と接触していないトップシートの表面に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、2つのほぼ平行な取付け領域の間の距離は、例えば、最大で、これらの領域の間にある生殖器カバーシートの幅の約半分であってもよいので、生殖器カバーシートは、使用の際、生殖器のためのポケットとして、開口部の下で下向きに垂れ下がる。
【0082】
トップシートは、重量範囲約9.5キログラム〜約16.8キログラム(21〜37ポンド)の乳児用に設計された、パンパースプレミアム(Pampers Premium)のサイズ4のおむつに使用されてもよく、或いは、パンパースプレミアムのサイズ4のおむつにおいて、吸収性コア上にあり、且つ使用の際に乳児の皮膚と接触する層と交換してもよい。そのため、弾性バンドを有するトップシートは、前側及び後側の腰部バンドに、且つ典型的にはバックシートの長手方向側縁部に取り付けられてもよい。
【0083】
物品(例えば、おむつ)は、それらの包装材料に包装されたとき、2つの横断方向ひだを包含してもよいので、ユーザ又は介護人によって使用のために広げられたとき、物品(例えば、おむつ)はU字形であり、より容易に適用できる。
【0084】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく限定されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした寸法はそれぞれ、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0085】
「発明を実施するための最良の形態」で引用したすべての文献は、関連部分において、参照により本明細書に組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを容認するものとして解釈すべきではない。この文書における用語のいずれかの意味または定義が、参考として組み込まれる文献における用語のいずれかの意味または定義と対立する範囲については、本文書におけるその用語に与えられた意味または定義を適用するものとする。
【0086】
本発明の特定の実施形態を説明し記載してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変形及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。従って、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲で網羅するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】生殖器カバーシートを包含する吸収性物品の斜視図。
【図2】図1の吸収性物品の平面図。
【図3】図2の線III−IIIに沿った吸収性物品の斜視断面図。
【図4】スリット開口部を中に有するトップシート。
【図5】スリット開口部を中に有するトップシート。
【図6】吸収性物品に組み入れる前の生殖器カバーシートの斜視図。
【図7】吸収性物品に組み入れるために折り畳まれた生殖器カバーシートの斜視図。
【図7A】吸収性物品に組み入れるために折り畳まれた別の生殖器カバーシートの斜視図。
【図7B】吸収性物品に組み入れるために折り畳まれた別の生殖器カバーシートの斜視図。
【図7C】吸収性物品に組み入れるために折り畳まれた別の生殖器カバーシートの斜視図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックシート(12)、吸収性コア(13)、及び糞便物質を受け入れるように設けられた少なくとも1つの開口部(14)を有するトップシート(11)を備え、前記トップシート及びその前記開口部がそれぞれ前側区域(21)及び後側区域(22)を有し、前記吸収性コアと前記トップシートの間に空隙(15)が存在する吸収性物品(10)であって、前記吸収性物品は、前記開口部の前記前側区域の中に、その下に、又はその上に配置された生殖器カバーシート(41)を備え、前記生殖器カバーシート(41)が、使用の際に生殖器を覆うポケットを形成する1以上のひだ(44、45、46)又は部分ひだ(44、45、46)を有する、吸収性物品(10)。
【請求項2】
生殖器カバーシート(41)が、ほぼ長手方向に延びる1以上の(部分)ひだ(44、45、46)を備え、前記ひだ又は部分ひだが好ましくは固定されたひだである、請求項1に記載の吸収性物品(10)。
【請求項3】
生殖器カバーシート(41)が尿透過性であり、前記トップシート(11)が好ましくは尿不透過性である、請求項1又は2に記載の吸収性物品(10)。
【請求項4】
生殖器カバーシート(41)が、前記トップシート(11)と前記吸収性コア(13)の間に配置され、前記カバーシートが、前記トップシート(11)には取り付けられているが前記吸収性コア(13)には取り付けられていない、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の吸収性物品(10)。
【請求項5】
前記生殖器カバーシート(41)が、単一の中央にある長手方向の固定されたひだ又は単一の中央にある長手方向の固定された部分ひだを備える、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の吸収性物品(10)。
【請求項6】
生殖器カバーシート(41)が、ほぼ長手方向に延びる平行な向かい合った取付け領域(42)によって前記トップシートに取り付けられたほぼ平行な長手方向側縁部を有するシートから形成される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の吸収性物品(10)。
【請求項7】
前記開口部(14)が2つの長手方向側縁部(16)を有し、前記生殖器カバーシート(41)の部分が、前記開口部の前記長手方向側縁部に沿ってトップシート(11)に取り付けられ、前記生殖器カバーシートの1以上の部分が、前記吸収性物品に取り付けられず、前記開口部間のポケットを形成する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の吸収性物品(10)。
【請求項8】
前記トップシートの前記開口部(10)が、2つの長手方向側縁部(16)を有するスリット開口部であり、前記トップシートが、前記開口部の前記長手方向側縁部の少なくとも一部に沿って伸縮性領域(31)を備える、請求項7に記載の吸収性物品(10)。
【請求項9】
前記トップシート(11)が伸縮性領域(31)及び非伸縮性領域を備え、前記生殖器カバーシート(41)が、前記トップシートの前記前側区域(21)の前記非伸縮性領域において前記トップシート(11)に取り付けられる、請求項7に記載の吸収性物品(10)。
【請求項10】
前記生殖器カバーシート(41)が、スパンボンド不織布ウェブ、カード不織布ウェブ、又は成形フィルムを含む、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の吸収性物品(10)。
【請求項11】
前記開口部(14)の上に、その中に、又はその下に存在する前記生殖器カバーシート(41)の前記部分の最大長さが、前記開口部の最大長さの10%から50%の範囲内にある、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の吸収性物品(10)。
【請求項12】
前記生殖器カバーシート(41)が、少なくとも0.3mmの平均キャリパー(calliper)(2.1kPa(0.3psi)の圧縮荷重下で測定)と、100から300ミクロンの平均孔径とを有するカード不織布を備えた、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の吸収性物品(10)。
【請求項13】
前記吸収性物品が、成人若しくは乳児用のおむつ又はトレーニングパンツである、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の吸収性物品(10)。
【請求項14】
吸収性物品(10)を提供する方法であって、吸収性物品(10)は、バックシート(12)、吸収性コア(13)、及び糞便物質を受け入れるように設けられた少なくとも1つの開口部(14)を有するトップシート(11)を備え、前記トップシート及び前記吸収性コアと前記トップシートの間にある空隙(15)には、ポケットの形態で生殖器カバーシート(41)が設けられ、前記生殖器カバーシート(41)が、前記開口部の部分の中に、その下に、又はその上に配置され、前記方法は、造形器具を用いて形作る真空成形によって、或いは、1以上のひだ若しくは部分ひだ又は固定されたひだ(44、45、46)を設けることによって、生殖器カバーシート(材料)をポケット状に形作る工程を含む、方法。
【請求項15】
請求項1乃至13のいずれか一項に記載の吸収性物品(10)を製造する方法であって、1以上のひだ又は部分ひだ(44、45、46)が付いた生殖器カバーシート(材料)(41)が設けられ、前記生殖器カバーシート(材料)(41)を前記物品(10)の前記トップシート(11)に取り付ける前又はその後に、前記ひだが、任意に、折り畳まれていない前記生殖器カバーシートの部分に取り付けられて、固定されたひだ(1つ又は複数)(44、45、46)を形成してもよい、方法。
【請求項16】
前記取付けは、前記生殖器カバーシート(材料)(41)のほぼ長手方向で平行に延びる側縁部を、ほぼ長手方向に延びる平行な向かい合った取付け領域(42)で前記トップシート(11)に取り付けることによって行われる、請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【公表番号】特表2009−524468(P2009−524468A)
【公表日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−551943(P2008−551943)
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【国際出願番号】PCT/IB2007/050312
【国際公開番号】WO2007/088509
【国際公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】