説明

尿酸を減少させる3−置換化合物

式Iの化合物を投与することにより、哺乳動物対象における尿酸は減少し、尿酸の排泄は増加する。本発明の化合物の尿酸低下効果は、痛風、高尿酸血症、高尿酸血症と診断することが慣例的に正しいとされるレベルに満たない尿酸値上昇、腎機能不全、腎臓結石、心血管疾患、心血管疾患発症リスク、腫瘍溶解症候群、認知障害、早発性の本態性高血圧症、及び熱帯熱マラリア原虫により引き起こされる炎症など、さまざまな状態を治療又は防止するために使用される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
尿酸値上昇が原因の疾患は、2つの主要な範疇、すなわち、尿酸結晶の沈殿が原因の障害と、可溶性尿酸の病理学的効果に関連する疾患とに分けられる。痛風性関節炎は、前者の古典的な例である。腎臓中の尿酸結晶の堆積も、腎機能不全の一般的原因である。可溶性尿酸値上昇は、心血管疾患及び腎疾患など、さまざまな障害を伴う。
【0002】
該当する疾患が尿酸の結晶化によるものであるか、又は正常を超える(個人ベースの標準によるか集団ベースの標準によるかを問わない)可溶性尿酸値の効果によるものであるかに関わらず、血中尿酸の上昇に関連する障害を安全、手軽及び効果的に治療及び防止することができる新しい薬物に対する重大な医学的必要がある。
【0003】
一定のベンジルオキシフェニル化合物及びその尿酸低下活性については、国際特許出願第PCT/US2009/37128号明細書及び同第PCT/US2009/42298号明細書(いずれもWellstat Therapeutics Corporation社に譲渡されている)に開示されている。これらの文献には、ベンジルオキシ部分の3位での置換については具体的に開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際特許出願第PCT/US2009/37128号明細書
【特許文献2】国際特許出願第PCT/US2009/42298号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、式Iで表される化合物を提供する。
【0006】
【化1】

【0007】
式Iにおいて、R及びRは、水素、ハロ、1又は2個の炭素原子を有するアルキル、ペルフルオロメチル、1又は2個の炭素原子を有するアルコキシ、ペルフルオロメトキシ、ヒドロキシ及びアミノからなる群から独立に選択される。R及びRの一方は水素であり、他方は、ヒドロキシ、1又は2個の炭素原子を有するアルコキシ、ニトロ、1又は2個の炭素原子を有するアルキル、アミノ、ハロ及びシアノからなる群から選択される。tは0又は1であり、qは0又は1であり、rは0、1又は2である。XはC(O)でありrは0でありtは0であるか、又は、XはN(R13)(式中、R13は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである)である。R及びRの一方は水素であり、他方は、水素、1又は2個の炭素原子を有するアルキル、ヒドロキシ、1又は2個の炭素原子を有するアルコキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びアミノからなる群から選択される。
【0008】

【0009】
【化2】

又は

【0010】
であり、
yは0、1、2又は3であり、mは0、1、2、3又は4であり、nは0又は1である。Rは水素、メチル若しくはエチルでありRは水素若しくはメチルであるか、又は、RはヒドロキシでありRは水素であるか、又は、RはOでありRは存在しないか、又は、RとRとは一緒になってCHCHである。R10及びR11の一方は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルであり、他方は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである。R12は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである。或いは、R12が水素であるとき、本発明は、本化合物の薬学的に許容される塩も提供する。
【0011】
本発明は、哺乳動物対象の血中の尿酸濃度を低下させ、又は該対象からの尿酸排泄を増加させる方法であって、本発明の化合物又は塩を、該対象の血中の尿酸濃度を低下させ、又は該対象からの尿酸排泄を増加させるのに有効な量で該対象に投与することを含む方法を提供する。本発明は、哺乳動物の血中の尿酸濃度を低下させ、又は該動物からの尿酸排泄を増加させるうえで使用するための本発明の化合物又は塩を提供する。本発明は、哺乳動物の血中の尿酸濃度を低下させ、又は該動物からの尿酸排泄を増加させるための医薬の製造における、本発明の化合物又は塩の使用を提供する。本発明は、哺乳動物対象の血中の尿酸濃度を低下させ、又は該対象からの尿酸排泄を増加させるうえで使用するための医薬組成物であって、該対象の血中の尿酸濃度を低下させ、又は該対象からの尿酸排泄を増加させるのに有効な量で本発明の化合物又は塩を含む医薬組成物を提供する。本発明は、1又は複数単位の経口用量の本発明の化合物又は塩と、哺乳動物対象の血中の尿酸濃度を低下させ、又は該対象からの尿酸排泄を増加させるための化合物又は塩を投与するための取扱説明書とを含むキットを提供する。
【0012】
尿酸を減少させることは、本明細書中に記載の場合、痛風(無症候性痛風、急性通風性関節炎、間欠期痛風及び慢性結節性痛風のいずれか又は全て)、高尿酸血症、高尿酸血症と診断することが慣例的に正しいとされるレベルに満たない尿酸値上昇、腎機能不全、腎臓結石、心血管疾患、心血管疾患発症リスク、及び、高尿酸血症のそれ以外の結果、認知障害、早発性本態性高血圧症、及び熱帯熱マラリア原虫により引き起こされる炎症などさまざまな状態を治療又は防止するために用いることができる。
【0013】
本発明は、本発明の化合物が、実施例6に示すように、インビトロでURAT1を阻害した観察に基づく。URAT1の阻害は、インビボで尿酸を低下させるための確立されたインビトロモデルである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
定義
1H−テトラゾリル−5−イル部分及び対応する2H−テトラゾリル−5−イル部分は、互変異性体として存在できる。本文書では、1H−互変異性体に言及して、化合物を命名し、構造式を書く。そのような言及は全て、両方の互変異性型を包含するものとして理解されたい。したがって、例えば、「3−((3−(1H−テトラゾール−5−イル)フェノキシ)メチル)−2,4−ジメチルフェノール」は、3−((3−(1H−テトラゾール−5−イル)フェノキシ)メチル)−2,4−ジメチルフェノール及び3−((3−(2H−テトラゾール−5−イル)フェノキシ)メチル)−2,4−ジメチルフェノールを両方とも包含する。
【0015】
本明細書中で使用する場合、用語「アルキル」は、直鎖状又は分岐状のアルキル基を意味する。一定数の炭素原子を有すると同定されているアルキル基は、その特定数の炭素を有する任意のアルキル基を意味する。例えば、3個の炭素原子を有するアルキルはプロピル又はイソプロピルであってもよく、4個の炭素原子を有するアルキルは、n−ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル又はt−ブチルであってもよい。
【0016】
本明細書中で使用する場合、用語「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードのうち1又は複数を指す。
【0017】
本明細書中で使用する場合、ペルフルオロメチル又はペルフルオロメトキシにあるような用語「ペルフルオロ」は、当該基が、水素原子全ての代わりにフッ素原子を有することを意味する。
【0018】
ある種の化学化合物は、本明細書中では、その化学名、又は以下に示す2文字のコードで呼ぶ。化合物EJ、EK、EM及びENは、上に示す式Iの範囲内に包含される。
EJ 3−((3−(1H−テトラゾール−5−イル)フェノキシ)メチル)−2,4−ジメチルフェノール
EK 2−(3−(3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジルオキシ)−4−メチルフェニル)酢酸
EL 3−((5−(カルボキシメチル)−2−メチルフェノキシ)メチル)−2,4−ジメチルフェニルサルフェート
EM 2−(3−(3−メトキシ−2,6−ジメチルベンジルオキシ)−4−メチルフェニル)酢酸
EN 2−(3−(2,6−ジメチル−3−ニトロベンジルオキシ)フェニル)酢酸
EB 5−(3−(2,6−ジメチルベンジルオキシ)フェニル)−1H−テトラゾール
EH 2−(3−(2,6−ジメチルベンジルオキシ)−4−メチルフェニル)酢酸
【0019】
本明細書中で使用する場合、移行語「〜を含む(comprising)」は、非制限的なものである。この用語を用いる特許請求の範囲は、当該特許請求の範囲中に列挙されているものに追加して要素を含有できる。
【0020】
特許請求の範囲中で使用する場合、単語「又は(or)」は、そのように読んでは文脈中で意味をなさない場合を除き、「及び/又は」を意味する。したがって、例えば、「哺乳動物対象の血中の尿酸濃度を低下させ、又は該対象からの尿酸排泄を増加させる」という語句は、「哺乳動物対象の血中の尿酸濃度を低下させ、及び/又は該対象からの尿酸排泄を増加させる」と同義である。
【0021】
本発明の化合物
がヒドロキシルでありRが水素であるとき、その両方が結合している炭素はキラル中心である。本発明は、式Iの化合物のラセミ化合物、(R)エナンチオマー及び(S)エナンチオマーを提供し、その全ては活性がある。こうしたエナンチオマーの混合物は、例えば、Chirality 11:420-425 (1999)に記載のように、HPLCを用いることにより分離できる。
【0022】
前記の「課題を解決するための手段」に記載の化合物、方法、使用又は医薬組成物の実施形態においては、本化合物は、式IA又はIBで表される。
【0023】
【化3】




【0024】
式I、IA及びIBのそれぞれのさらなる実施形態においては、変数の1又は2以上は、以下の値を有する:Rはメチルであり、Rはメチルであり、tは0であり、qは0であり、rは1であり、Rは水素又はメチルであり、Rは水素である。式I及びIAのそれぞれのさらなる実施形態においては、yは0又は1である。式I及びIBのそれぞれのさらなる実施形態においては、変数の1又は2以上は、以下の値を有する:Rは水素であり、Rは水素であり、mは1であり、nは0である。
【0025】
本発明の特定の実施形態においては、本化合物は、以下からなる群から選択される:
3−((3−(1H−テトラゾール−5−イル)フェノキシ)メチル)−2,4−ジメチルフェノール;
2−(3−(3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジルオキシ)−4−メチルフェニル)酢酸;
2−(3−(3−メトキシ−2,6−ジメチルベンジルオキシ)−4−メチルフェニル)酢酸;及び
2−(3−(2,6−ジメチル−3−ニトロベンジルオキシ)フェニル)酢酸。
【0026】
本発明の化合物の一実施形態においては、本化合物は、実質的に(少なくとも98%)純粋な形態である。
【0027】
反応スキーム
式I[式中、mは0であり、qは0又は1であり、tは0又は1であり、rは0、1又は2であり、nは0であり、R及びRの一方は水素であり、他方は、水素、アミノ、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、1〜2個の炭素原子を有するアルコキシ又は1〜2個の炭素原子を有するアルキルからなる群から選択され、Rは水素、メチル又はエチルでありRは水素若しくはメチルであるか、又は、RとRとは一緒になって−CHCH−である。R10及びR11の一方は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルであり、他方は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルであり、XはC(O)でありrは0でありtは0であり、XはN(R13)(式中、R13は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである)である。R12は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである]の化合物、すなわち、式:
【0028】
【化4】

(I)
【0029】
(式中、R、R、R及びRは前述のとおり記載される)の化合物は、スキーム1の反応スキームにより調製できる。
【0030】
スキーム1の反応スキームにおいては、
【0031】
【化5】

【0032】
並びに、q、t、m、n、r、R、R、R及びRは、前述のとおりである。R16は、1〜2個の炭素原子を有するアルキル基である。R15は、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基又はベンジルである。R14はクロロ又はブロモであり、Yはハライド(halide)又は脱離基である。
【0033】
式IIの化合物は、ステップ(1−1)の反応により、式IIIの化合物又は式(IV)の化合物でアルキル化できる。この反応は、テトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン/1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン、トルエン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン/ヘキサメチルホスホラミドなど、適当な溶媒中で実施することができる。一般に、この反応は、式V(式中、Rは、1〜2個の炭素原子を有するアルキルであり、Rは水素である)の化合物を生成させるには2〜3モル当量の塩基の存在下で、又は、式V(式中、RとRとは、1〜2個の炭素原子を有するアルキルであるか、又は、一緒になって−CHCH−である)の化合物を生成させるには4〜6モル当量の塩基の存在下で、実施する。この目的のための従来の塩基は、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化テトラブチルアンモニウム、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムジイソプロピルアミドなどであってもよい。この反応を実施するうえでは、水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液及び水酸化ナトリウム水溶液を利用することが一般に好ましい。この反応は、−78℃〜25℃の温度で6〜72時間実施できる。抽出、蒸発、クロマトグラフィー及び再結晶化など従来の手法を利用して、生成物を精製してもよい。
【0034】
式Vの化合物は、加水分解による反応ステップ(1−2)により、式VIの化合物に変換させることができる。この反応を実施するうえでは、例えば水性水酸化ナトリウム:エタノールを利用することが一般に好ましい。ステップ(1−2)の反応を実施するには、カルボン酸を生成させるためにニトリルの加水分解において従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0035】
式VIの化合物は、式VIの化合物をLVでエステル化することにより、式VIIの化合物に変換できる。この反応は、触媒(例えば、HSO、TsOHなど)を使用すること、又は、脱水剤(例えばジシクロヘキシルカルボジイミドなど)を使用することのいずれかにより実施できる。ステップ(1−3)の反応を実施するには、そのようなエステル化反応において従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0036】
式VIの化合物は、式VIの化合物を塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、炭酸カリウム、炭酸セシウム)の存在下にてR15Yでアルキル化することにより、式VIIの化合物に変換させることもできる。この反応は、溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン)中にて25℃〜100℃の温度で6〜72時間実施できる。
【0037】
XがC(O)である場合、式VIの化合物を塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、炭酸カリウム、炭酸セシウム)の存在下で臭化ベンジルと反応させることができる。この反応を溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン)中にて25℃〜100℃の温度で6〜72時間実施して、式VIIの化合物を生成させることができる。ステップ(1−3)の反応を実施するには、そのようなアルキル化反応において従来用いられるいずれの条件を利用してもよい。
【0038】
式VIIの化合物は、−78℃〜25℃の温度にてルイス酸(例えば、BBr又はBCl)をジクロロメタン又はクロロホルム中で利用することにより、脱メチル化することができる。ステップ(1−4)の反応によりこの反応を実施するには、そのような脱メチル化反応において従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0039】
第2のステップにおいては、トリフェニルホスフィン及びアゾジカルボン酸ジエチル又はアゾジカルボン酸ジイソプロピルを用いたIXとのMitsunobu縮合を用いるステップ(1−5)の反応により、反応ステップ(1−4)の生成物を式XIの化合物に変換させることができる。この反応は、適当な溶媒(例えばテトラヒドロフラン)中で実施する。ステップ(1−5)の反応を実施するには、Mitsunobu反応において従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0040】
XがC(O)である場合、式VIIの化合物は、脱水剤(例えばジシクロヘキシルカルボジイミド、アルキルクロロホルメート及びトリエチルアミン、DCC及びアミノピリジン、トリエチルアミン及びN,N’−カルボニルジイミダゾールなど)の存在下で式IXの化合物と反応させることができる。ステップ(1−5)の反応を実施するには、そのようなエステル化反応において従来用いられるいずれの条件を利用してもよい。
【0041】
式XIの化合物は、ステップ(1−5)の反応により、ステップ(1−4)由来のヒドロキシルを式Xの化合物でエーテル化又はアルキル化することにより調製してもよい。式Xの化合物において、Yとしては、メシロキシ、トシロキシ、クロロ、ブロモ、ヨードなどが挙げられるが、これらに限定されない。ステップ(1−5)の反応を実施するには、ハライド又は脱離基を用いた反応によるヒドロキシル基のエーテル化のいずれの従来法を利用してもよい。
【0042】
XがC(O)である場合、式VIIの化合物は、式X(式中、Yはクロロである)の化合物と反応させることができる。一般に、この反応は、塩基(例えばピリジン、トリエチルアミンなど)の存在下で実施する。ステップ(1−5)の反応を実施するには、そのような反応において従来用いられるいずれの条件を利用してもよい。式XIの化合物は、式I(式中、mは0であり、nは0であり、R12は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである)の化合物である。
【0043】
式XIの化合物は、エステル加水分解により、ステップ(1−6)の反応による式XII(式中、mは0であり、nは0であり、R12はHである)の化合物に変換させることができる。エステル加水分解の任意の従来法を用いると、式XIIの化合物(式中、R12はHである)が生成されることになる。
【0044】
XがC(O)である場合、触媒的水素化によりベンジル基を除去して式XIIの化合物(式中、R12はHである)を得ることができる。式XIIの化合物を生成させるには、触媒的水素化反応のために従来用いられるいずれの条件を利用してもよい。
【0045】
式XIIの化合物は、式I(式中、mは0であり、nは0であり、R12はHである)の化合物である。
【0046】
全てのステップにおける生成物は、抽出、蒸発、クロマトグラフィー及び再結晶化などの手法により単離及び精製できる。
【0047】
Aが、ヒドロキシ基若しくはアミノ基により置換されているフェニルであるか、又は、R及びRの一方が水素であり、他方が、ヒドロキシ基若しくはアミノ基からなる群から選択される場合は、適当な保護基を利用することによりそれらの基を保護することが一般に好ましく、そのような保護基は当技術分野で公知である。適当な保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載されている可能性がある。
【0048】
保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載のものなど、適当な脱保護試薬を利用して脱保護できる。
【0049】
【化6】

【0050】
式I[式中、mは1〜4であり、qは0又は1であり、tは0又は1であり、rは0、1又は2であり、nは0であり、R及びRの一方は水素であり、他方は、水素、アミノ、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、1〜2個の炭素原子を有するアルコキシ又は1〜2個の炭素原子を有するアルキルからなる群から選択され、Rは水素、メチル又はエチルでありRは水素又はメチルであるか、又は、RとRとは一緒になって−CHCH−である。R10及びR11の一方は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルであり、他方は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルであり、XはC(O)でありrは0でありtは0であり、XはN(R13)(式中、R13は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである)である。R12は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである]の化合物、すなわち、式:
【0051】
【化7】

(I)
【0052】
(式中、R、R、R及びRは前述のとおり記載される)の化合物は、スキーム2の反応スキームにより調製できる。
【0053】
スキーム2の反応スキームにおいて、
【0054】
【化8】

【0055】
並びに、q、t、m、r、R、R、R、R及びR12は前述のとおりであり、Yはハライドである。R15は、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、又はベンジルである。
【0056】
式VIIの化合物は、ステップ(2−1)の反応により、式XIIIの化合物に還元できる。この反応は、従来の還元剤、例えば、水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウム及び水素化ジイソブチルアルミニウムなどのアルカリ金属水素化物を利用して実施する。この反応は、テトラヒドロフラン、エーテルなど適当な溶媒中で実施する。ステップ(2−1)の反応を実施するには、そのような還元反応において従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0057】
式XIIIの化合物は、ヒドロキシル基をハロゲン基で置換することにより式XIVの化合物に変換でき、好ましいハロゲンは、ブロモ又はクロロである。適切なハロゲン化試薬としては、塩化チオニル、塩化オキサリル、臭素、三臭化リン、四臭化炭素などが挙げられるが、これらに限定されない。ステップ(2−2)の反応を実施するには、そのようなハロゲン化反応において従来用いられるいずれの条件を利用してもよい。
【0058】
式XIVの化合物は、式XIVの化合物をアルカリ金属シアン化物、例えば、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム又はシアン化銅と反応させることにより、式XVの化合物に変換できる。この反応は、エタノール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなど適当な溶媒中で実施する。ステップ(2−3)の反応を実施するには、ニトリルの調製において従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0059】
式XVの化合物は、塩基性加水分解による反応ステップ(2−4)により、式XVIの化合物に変換できる。この反応を実施するうえでは、例えば、エタノール、テトラヒドロフラン:水などの中で水性水酸化ナトリウムを利用することが一般に好ましい。ステップ(2−4)の反応を実施するには、ニトリルの加水分解において従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0060】
式XVIの化合物は、ステップ(1−3)の反応に関して本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(2−5)の反応により、式XVIIの化合物に変換できる。
【0061】
式XVIIの化合物は、ステップ(1−4)の反応及びステップ(1−5)の反応に関して本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(2−6)の反応により、式XVIIIの化合物に変換できる。
【0062】
式XVIIIの化合物は、式I(式中、mは1であり、nは0であり、R12は、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基である)の化合物である。
【0063】
式XVIIIの化合物は、ステップ(1−6)の反応に関して本明細書中で先に記載のものと同じ様式で式I(式中、mは1であり、nは0であり、R12はHである)の化合物に変換できる。
【0064】
適当な塩基(例えば水素化ナトリウム)を利用して式XIVの化合物をマロン酸ジエチルと反応させて、式XIXの化合物を得ることができる。この反応は、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランなど適当な溶媒中で実施する。ステップ(2−7)の反応を実施するには、そのようなアルキル化反応において従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0065】
エタノール−水など適当な溶媒中で水酸化ナトリウムを利用して式XIXの化合物を加水分解及び脱カルボキシル化して、式XXの化合物を得ることができる。ステップ(2−8)の反応を実施するには、そのような反応において従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0066】
式XXの化合物は、ステップ(1−3)の反応に関して本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(2−9)の反応により、式XXIの化合物に変換できる。
【0067】
式XXIの化合物は、ステップ(1−4)の反応及びステップ(1−5)の反応に関して本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(2−10)の反応により、式XXIIの化合物に変換できる。
【0068】
式XXIIの化合物は、式I(式中、mは2であり、nは0であり、R12は、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基である)の化合物である。
【0069】
式XXIIの化合物は、ステップ(1−6)の反応に関して本明細書中で先に記載のものと同じ様式で式I(式中、mは2であり、nは0であり、R12はHである)の化合物に変換できる。
【0070】
ステップ(2−11)の反応により式XXの化合物を還元して、式XXIIIの化合物を得ることができる。この反応は、ステップ(2−1)の反応に関して本明細書中で先に記載のものと同じ様式で実施できる。
【0071】
式XXIIIの化合物は、ステップ(2−2)の反応に関して本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(2−12)の反応により、式XXIVの化合物に変換できる。
【0072】
式XXIVの化合物は、ステップ(2−3)の反応に関して本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(2−13)の反応により、式XXVの化合物に変換できる。
【0073】
式XXVの化合物は、ステップ(2−4)の反応に関して本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(2−14)の反応により、式XXVIの化合物に変換できる。
【0074】
式XXVIの化合物は、ステップ(1−3)の反応に関して本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(2−15)の反応により、式XXVIIの化合物に変換できる。
【0075】
式XXVIIの化合物は、ステップ(1−4)の反応及びステップ(1−5)の反応に関して本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(2−16)の反応により、式XXVIIIの化合物に変換できる。
【0076】
式XXVIIIの化合物は、式I(式中、mは3であり、nは0であり、R12は、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基である)の化合物である。
【0077】
式XXVIIIの化合物は、ステップ(1−6)の反応に関して本明細書中で先に記載のものと同じ様式で式I(式中、mは3であり、nは0であり、R12はHである)の化合物に変換できる。
【0078】
式XXIVの化合物は、ステップ(2−7)の反応に関して本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(2−17)の反応により、式XXIXの化合物に変換できる。
【0079】
式XXIXの化合物は、ステップ(2−8)の反応に関して本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(2−18)の反応により、式XXXの化合物に変換できる。
【0080】
式XXXの化合物は、ステップ(1−3)の反応に関して本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(2−19)の反応により、式XXXIの化合物に変換できる。
【0081】
式XXXIの化合物は、ステップ(1−4)の反応及びステップ(1−5)の反応に関して本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(2−20)の反応により、式XXXIIの化合物に変換できる。
【0082】
式XXXIIの化合物は、式I(式中、mは4であり、nは0であり、R12は、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基である)の化合物である。
【0083】
式XXXIIの化合物は、ステップ(1−6)の反応に関して本明細書中で先に記載のものと同じ様式で式I(式中、mは4であり、nは0であり、R12はHである)の化合物に変換できる。
【0084】
全てのステップにおける生成物は、抽出、蒸発、クロマトグラフィー及び再結晶化などの手法により単離及び精製できる。
【0085】
Aが、ヒドロキシ基若しくはアミノ基により置換されているフェニルであるか、又は、R及びRの一方が水素であり、他方が、ヒドロキシ基若しくはアミノ基からなる群から選択される場合は、適当な保護基を利用することによりそれらの基を保護することが一般に好ましく、そのような保護基は当技術分野で公知である。適当な保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載されている可能性がある。
【0086】
保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載のものなど、適当な脱保護試薬を利用して脱保護できる。
【0087】
【化9】

【0088】
式I[式中、mは1〜4であり、qは0又は1であり、tは0又は1であり、rは0、1又は2であり、nは1であり、R及びRの一方は水素であり、他方は、水素、アミノ、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、1〜2個の炭素原子を有するアルコキシ又は1〜2個の炭素原子を有するアルキルからなる群から選択され、Rは、水素、メチル若しくはエチルでありRは水素若しくはメチルであるか、又は、RとRとは一緒になって−CHCH−である。R10及びR11の一方は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルであり、他方は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルであり、XはC(O)でありrは0でありtは0であり、XはN(R13)(式中、R13は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである)である。R12は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである]の化合物、すなわち、式:
【0089】
【化10】

(I)
【0090】
(式中、R、R、R及びRは前述のとおり記載される)の化合物は、スキーム3の反応スキームにより調製できる。
【0091】
スキーム3の反応スキームにおいては、
【0092】
【化11】

【0093】
並びに、q、t、m、r、R、R、R、R及びR12は前述のとおりであり、pは2〜5であり、sは1〜4であり、Yはハライドである。R17は、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基である。R15は、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、又はベンジル基である。
【0094】
式XXXIIIの化合物は、式XXXIIIの化合物を式XXXIVの化合物で処理することによるウィッティヒ反応を用いたステップ(3−1)の反応により、式XXXVの化合物に変換できる。ステップ(3−1)の反応を実施するには、アルデヒドをトリアリルホスフィンヒドロハライドと反応させる任意の従来法を利用できる。ステップ(3−1)の反応を実施するには、ウィッティヒ反応において従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0095】
式XXXVの化合物は、遷移金属触媒、例えば、水素雰囲気下でのラネーニッケル、パラジウム担持炭素、プラチナ金属又はその酸化物、トリス(トリフェニルホスフィン)クロロロジウム(I)(ウィルキンソン触媒)の存在下での触媒的水素化によるアルケンの還元により、式XXXVIの化合物に変換できる。この反応は、トルエン、酢酸エチル、エタノールなど適切な溶媒中で実施することができる。ステップ(3−2)の反応を実施するには、そのような触媒的水素化において従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0096】
式XXXVIの化合物は、式LVIIの化合物を用いてアルキル化して、ステップ(3−3)の反応により式XXXVIIの化合物を生成させることができる。この反応は、テトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン/1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン、テトラヒドロフラン(terahydrofuran)/ヘキサメチルホスホラミドなど適当な溶媒中で実施する。一般に、この反応は、式XXXVII(式中、R10及びR11の一方は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルであり、他方は水素である)の化合物を生成させるには2〜3モル当量の塩基の存在下で、又は、式XXXVII(式中、R10及びR11は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである)の化合物を生成させるには4〜6モル当量の塩基の存在下で、実施する。従来の塩基は、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムジイソプロピルアミドなどであってもよい。一般に、この反応は、−78℃〜25℃の温度で6〜72時間実施する。生成物を精製するには、抽出、蒸発、クロマトグラフィー及び再結晶化など従来の手法を利用できる。
【0097】
式XXXVIIの化合物において、mは1〜4であり、nは1である。
【0098】
式XXXVIIの化合物は、例えば、−78℃〜25℃の温度にてルイス酸(例えば、BBr又はBCl)をジクロロメタン又はクロロホルム中で利用することによる脱メチル化により式XXXVIIIの化合物に変換できる。ステップ(3−4)の反応を実施するには、そのようなジメチル化反応において従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0099】
式XXXVIIIの化合物は、ステップ(1−5)の反応に関して本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(3−5)の反応により、式XXXIXの化合物に変換できる。
【0100】
式XXXIXの化合物は、式I(式中、mは1〜4であり、nは1であり、R12は、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基である)の化合物である。
【0101】
式XXXIXの化合物は、ステップ(1−6)の反応に関して本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(3−6)の反応により、式XL(式中、R12はHである)の化合物に変換できる。
【0102】
XLの化合物は、式I(式中、mは1〜4であり、nは1であり、R12はHである)の化合物である。
【0103】
全てのステップの生成物を精製するには、抽出、蒸発、クロマトグラフィー及び再結晶化など従来の手法を利用できる。
【0104】
Aが、ヒドロキシ基若しくはアミノ基により置換されているフェニルであるか、又は、R及びRの一方が水素であり、他方が、ヒドロキシ基若しくはアミノ基からなる群から選択される場合は、適当な保護基を利用することによりそれらの基を保護することが一般に好ましく、そのような保護基は当技術分野で公知である。適当な保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載されている可能性がある。
【0105】
保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載のものなど、適当な脱保護試薬を利用して、ステップ(e’)の反応後に脱保護できる。
【0106】
【化12】

【0107】
式I[式中、mは0であり、qは0又は1であり、tは0又は1であり、rは0、1又は2であり、nは1であり、R及びRの一方は水素であり、他方は、水素、アミノ、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、1〜2個の炭素原子を有するアルコキシ又は1〜2個の炭素原子を有するアルキルからなる群から選択され、Rは、水素、メチル若しくはエチルでありRは水素若しくはメチルであるか、又は、RとRとは一緒になって−CHCH−である。R10及びR11の一方は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルであり、他方は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルであり、XはC(O)でありrは0でありtは0であり、XはN(R13)(式中、R13は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである)である。R12は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである]の化合物、すなわち、式:
【0108】
【化13】

(I)
【0109】
(式中、R、R、R及びRは前述のとおり記載される)の化合物は、スキーム4の反応スキームにより調製できる。
【0110】
スキーム4の反応スキームにおいて、
【0111】
【化14】

【0112】
並びに、q、t、r、R、R、R、R及びR12は前述のとおりであり、Yはハライドである。R17は、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基である。R15は、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、又はベンジル基である。
【0113】
式XVIIIの化合物は、ステップ(1−3)の反応に関して本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(4−1)の反応により、式XLIの化合物に変換できる。
【0114】
式XLIの化合物は、ステップ(4−2)の反応により式LVIIの化合物でアルキル化できる。この反応は、適当な溶媒(テトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン/1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン、トルエン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン/ヘキサメチルホスホラミドなど)中で実施する。一般に、この反応は、式XLII(式中、R10は、1〜2個の炭素原子を有するアルキルであり、R11は水素である)の化合物を生成させるには2〜3モル当量の塩基の存在下で、又は、式XLII(式中、R10及びR11は、1〜2個の炭素原子を有するアルキルである)の化合物を生成させるには4〜6モル当量の塩基の存在下で、実施する。この目的のための従来の塩基は、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化テトラブチルアンモニウム、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムジイソプロピルアミドなどであってもよい。この反応を実施するうえでは、水酸化テトラブチルアンモニウムの水溶液及び水酸化ナトリウム水溶液を利用することが一般に好ましい。この反応は、−78℃〜25℃の温度で6〜72時間実施できる。式XLIIの化合物を生成させるには、そのようなアルキル化のためのいずれの従来手法を利用してもよい。
【0115】
式XLIIの化合物は、式I(式中、mは0であり、nは1であり、R12は、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基である)の化合物である。
【0116】
式XLIIの化合物は、ステップ(1−6)の反応に関して本明細書中で先に記載のものと同じ様式の(4−3)の反応により、式XLIIIの化合物に変換できる。
【0117】
式XLIIIの化合物は、式I(式中、mは0であり、nは1であり、R12はHである)の化合物である。
【0118】
全てのステップの生成物を精製するには、抽出、蒸発、クロマトグラフィー及び再結晶化など従来の手法を利用できる。
【0119】
Aが、ヒドロキシ基若しくはアミノ基により置換されているフェニルであるか、又は、R及びRの一方が水素であり、他方が、ヒドロキシ基若しくはアミノ基からなる群から選択される場合は、適当な保護基を利用することによりそれらの基を保護することが一般に好ましく、そのような保護基は当技術分野で公知である。適当な保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載されている可能性がある。
【0120】
保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載のものなど、適当な脱保護試薬を利用して脱保護できる。
【0121】
【化15】

【0122】
式I[式中、mは0であり、qは0又は1であり、tは0又は1であり、rは0、1又は2であり、nは0であり、R及びRの一方は水素であり、他方は、水素、アミノ、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、1〜2個の炭素原子を有するアルコキシ又は1〜2個の炭素原子を有するアルキルからなる群から選択され、Rは=OでありRは存在しない。R10及びR11の一方は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルであり、他方は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルであり、XはC(O)でありrは0でありtは0であり、XはN(R13)(式中、R13は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである)である。R12は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである]の化合物、すなわち、式:
【0123】
【化16】

(I)
【0124】
(式中、R、R、R及びRは前述のとおり記載される)の化合物は、スキーム5の反応スキームにより調製できる。
【0125】
スキーム5の反応スキームにおいて、
【0126】
【化17】

【0127】
並びに、q、t、r、R、R、R、R及びR12は前述のとおりであり、Yは、ハライド又は脱離基である。R17は、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0128】
式XLIVの化合物は、トリフェニルホスフィン及びアゾジカルボン酸ジエチル又はアゾジカルボン酸ジイソプロピルを使用したXLIVのIXとのMitsunobu縮合を用いるステップ(5−1)の反応により、式XLVの化合物に変換できる。この反応は、適当な溶媒(例えばテトラヒドロフラン)中で実施する。ステップ(5−1)の反応を実施するには、Mitsunobu反応において従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0129】
式XLVの化合物は、適当な塩基(炭酸カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム、トリエチルアミン、ピリジンなど)を使用することによるステップ(5−2)の反応により式XLIVの化合物を式Xの化合物でエーテル化又はアルキル化することにより、調製することもできる。式Xの化合物において、Yとしてはメシロキシ、トシロキシ、クロロ、ブロモ、ヨードなどが挙げられるが、これらに限定されない。ステップ(5−2)の反応を実施するには、ヒドロキシル基を脱離基でアルキル化するためのいずれの従来条件を利用してもよい。ステップ(5−2)の反応は、式Xの化合物が容易に得られる場合には、ステップ(5−1)より好ましい。
【0130】
式XLVの化合物は、ピリジンの存在下にて二酸化セレン(XLV)でケトメチル基を酸化させることによるステップ(5−3)の反応により、式XLVIIの化合物に変換できる。一般に、この反応は、25℃〜100℃の温度で2〜24時間実施する。ステップ(5−3)の反応を実施するには、そのような酸化のためのいずれの従来条件を利用してもよい。
【0131】
式XLVIIの化合物は、式I(式中、mは0であり、nは0であり、Rは=Oであり、Rは存在せず、R12はHである)の化合物である。
【0132】
式XLVIIの化合物は、式XLVIIの化合物をCXLIIIでエステル化することにより、式XLVIIIの化合物に変換できる。この反応は、触媒(例えば、HSO、TsOHなど)を使用すること、又は、脱水剤(例えばジシクロヘキシルカルボジイミドなど)を使用することのいずれかにより実施できる。ステップ(5−4)の反応を実施するには、そのようなエステル化反応において従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0133】
式XLVIIの化合物は、式XLVIIの化合物を塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム)の存在下にてLVIIでアルキル化することにより、式XLVIIIの化合物に変換させることもできる。この反応は、溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン)中にて、25℃〜100℃の温度で6〜72時間実施できる。ステップ(5−4)の反応を実施するには、そのようなエステル化反応において従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0134】
式XLVIIIの化合物は、式I(式中、mは0であり、nは0であり、R12は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである)の化合物である。
【0135】
全てのステップの生成物は、抽出、蒸発、クロマトグラフィー及び再結晶化などの手法により単離及び精製できる。
【0136】
Aが、ヒドロキシ基若しくはアミノ基により置換されているフェニルであるか、又は、R及びRの一方が水素であり、他方が、ヒドロキシ基若しくはアミノ基からなる群から選択される場合は、適当な保護基を利用することによりそれらの基を保護することが一般に好ましく、そのような保護基は当技術分野で公知である。適当な保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載されている可能性がある。
【0137】
保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載のものなど、適当な脱保護試薬を利用して脱保護できる。
【0138】
【化18】

【0139】
式I[式中、mは1であり、qは0又は1であり、tは0又は1であり、rは0、1又は2であり、nは0であり、R及びRの一方は水素であり、他方は、水素、アミノ、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、1〜2個の炭素原子を有するアルコキシ又は1〜2個の炭素原子を有するアルキルからなる群から選択され、Rは=Oであり、Rは存在しない。R10及びR11の一方は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルであり、他方は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルであり、XはC(O)でありrは0でありtは0であり、XはN(R13)(式中、R13は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである)である。R12は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである]の化合物、すなわち、式:
【0140】
【化19】

(I)
【0141】
(式中、R、R、R及びRは前述のとおり記載される)の化合物は、スキーム6の反応スキームにより調製できる。
【0142】
スキーム6の反応スキームにおいて、
【0143】
【化20】

【0144】
並びに、q、t、r、R、Rは前述のとおりであり、R17は、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0145】
式XLVの化合物(スキーム5の反応において記載のものと同じ様式で調製される)は、適当な塩基(水素化ナトリウムなど)の存在下で、ステップ(6−1)の反応により、式XLIXの化合物と反応させることができる。この反応は、従来の溶媒(ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランなど)中で実施し、次いで、炭酸ジアルキル(炭酸ジメチル又は炭酸ジエチル又は炭酸ジプロピルなど)を加えて、対応する式Lの化合物を生成させることができる。ステップ(6−1)の反応を実施するには、そのようなアルキル化反応において従来用いられるいずれの条件を利用してもよい。
【0146】
式Lの化合物は、式I(式中、mは1であり、nは0であり、Rは=Oであり、Rは存在せず、R12は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである)の化合物である。
【0147】
式Lの化合物は、ステップ(1−6)の反応に関して本明細書中で先に記載のものと同じ様式の反応ステップ(6−2)により、式LIの化合物に変換できる。
【0148】
式LIの化合物は、式I(式中、mは1であり、nは0であり、Rは=Oであり、Rは存在せず、R12はHである)の化合物である。
【0149】
全てのステップの生成物を精製するには、抽出、蒸発、クロマトグラフィー及び再結晶化など従来の手法を利用できる。
【0150】
Aが、ヒドロキシ基若しくはアミノ基により置換されているフェニルであるか、又は、R及びRの一方が水素であり、他方が、ヒドロキシ基若しくはアミノ基からなる群から選択される場合は、適当な保護基を利用することによりそれらの基を保護することが一般に好ましく、そのような保護基は当技術分野で公知である。適当な保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載されている可能性がある。
【0151】
保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載のものなど、適当な脱保護試薬を利用して脱保護できる。
【0152】
【化21】

【0153】
式I[式中、mは2〜4であり、qは0又は1であり、tは0又は1であり、rは0、1又は2であり、nは0であり、R及びRの一方は水素であり、他方は、水素、アミノ、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、1〜2個の炭素原子を有するアルコキシ又は1〜2個の炭素原子を有するアルキルからなる群から選択され、Rは=OでありRは存在しない。R10及びR11の一方は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルであり、他方は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルであり、XはC(O)でありrは0でありtは0であり、XはN(R13)(式中、R13は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである)である。R12は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである)である]の化合物、すなわち、式:
【0154】
【化22】

(I)
【0155】
(式中、R、R、R及びRは前述のとおり記載される)の化合物は、スキーム7の反応スキームにより調製できる。
【0156】
スキーム7の反応スキームにおいて、
【0157】
【化23】

【0158】
並びに、q、t、m、r、R及びRは前述のとおりである。R15は、1〜2個の炭素原子を有するアルキル基、又はベンジル基であり、pは1〜3である。
【0159】
式XLVの化合物(スキーム5の反応において記載のものと同じ様式で調製される)は、式XLVの化合物を式LIIの化合物でアルキル化することによるステップ(7−1)の反応により、式LIIIの化合物に変換できる。この反応は、アセトフェノンを3−ケトエステル(すなわちγ−ケトエステル)に変換させるおよそ1モル当量の従来の塩基の存在下で実施できる。この反応を実施するうえでは、リチウムビス−(トリメチルシリル)アミドなど、ヘキサメチルジシラン(hexamethyldisilane)のアルカリ金属塩を利用することが一般に好ましいが、これに限定されるものではない。一般に、この反応は、テトラヒドロフラン:1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノンなどの不活性溶媒中で実施する。一般に、この反応は、−65℃〜25℃の温度で実施する。ステップ(7−1)の反応を実施するには、そのようなアルキル化反応において従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0160】
LIIIの化合物は、式I(式中、mは2〜4であり、nは0であり、Rは=Oであり、Rは存在せず、R12は、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基である)の化合物である。
【0161】
式LIIIの化合物は、エステル加水分解により、ステップ(7−2)の反応による式LIV[式中、XはN(R13)(式中、R13は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである)であり、R12はHである]の化合物に、又は、触媒的水素化により式LIV(式中、XはC(O)でありrは0でありtは0であり、R12はHである)の化合物に、変換できる。式LIVの化合物を生成させるには、ベンジル基を除去するための触媒的水素化又はエステル加水分解のいずれの従来法を利用してもよい。
【0162】
式LIVの化合物は、式I(式中、mは2〜4であり、nは0であり、Rは=Oであり、Rは存在せず、R12はHである)の化合物である。
【0163】
全てのステップの生成物を精製するには、抽出、蒸発、クロマトグラフィー及び再結晶化などの従来法を利用できる。
【0164】
Aが、ヒドロキシ基若しくはアミノ基により置換されているフェニルであるか、又は、R及びRの一方が水素であり、他方が、ヒドロキシ基若しくはアミノ基からなる群から選択される場合は、適当な保護基を利用することによりそれらの基を保護することが一般に好ましく、そのような保護基は当技術分野で公知である。適当な保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載されている可能性がある。
【0165】
保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載のものなど、適当な脱保護試薬を利用して脱保護できる。
【0166】
【化24】

【0167】
式I[式中、mは0〜4であり、qは0又は1であり、tは0又は1であり、rは0、1又は2であり、nは1であり、R及びRの一方は水素であり、他方は、水素、アミノ、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、1〜2個の炭素原子を有するアルコキシ又は1〜2個の炭素原子を有するアルキルからなる群から選択され、Rは=OでありRは存在しない。R10及びR11の一方は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルであり、他方は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルであり、XはC(O)でありrは0でありtは0であり、XはN(R13)(式中、R13は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである)である。R12は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである]の化合物、すなわち、式:
【0168】
【化25】

(I)
【0169】
(式中、R、R、R及びRは前述のとおり記載される)の化合物は、スキーム8の反応スキームにより調製できる。
【0170】
スキーム8の反応スキームにおいて、
【0171】
【化26】

【0172】
並びに、q、t、m、n、r、R、R、R10、R11は、前述のとおりであり、uは1〜5である。R15は、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基又はベンジル基である。R17は、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基であり、Yはハライドである。
【0173】
式LVIの化合物は、(3−3)の反応において本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(8−1)の反応により、式LVIIIの化合物に変換できる。
【0174】
LVIIIの化合物は、式I(式中、mは0〜4であり、nは1であり、Rは=Oであり、Rは存在せず、R12は、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基である)の化合物である。
【0175】
式LVIIIの化合物は、エステル加水分解によるステップ(8−2)の反応により式LIX[式中、XはN(R13)(式中、R13は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである)であり、R12はHである)]の化合物に、又は、触媒的水素化により式LIX(式中、XはC(O)であり、rは0であり、tは0であり、R12はHである)の化合物に、変換できる。式LIXの化合物を生成させるには、エステル加水分解及び触媒的水素化のいずれの従来法を利用してもよい。
【0176】
式LIXの化合物は、式I(式中、mは0〜4であり、nは1であり、Rは=Oであり、Rは存在せず、R12はHである)の化合物である。
【0177】
全てのステップの生成物を精製するには、抽出、蒸発、クロマトグラフィー及び再結晶化など従来の手法を利用できる。
【0178】
Aが、ヒドロキシ基若しくはアミノ基により置換されているフェニルであるか、又は、R及びRの一方が水素であり、他方が、ヒドロキシ基若しくはアミノ基からなる群から選択される場合は、適当な保護基を利用することによりそれらの基を保護することが一般に好ましく、そのような保護基は当技術分野で公知である。適当な保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載されている可能性がある。
【0179】
保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載のものなど、適当な脱保護試薬を利用して脱保護できる。
【0180】
【化27】

【0181】
式I[式中、mは0であり、qは0又は1であり、tは0又は1であり、rは0、1又は2であり、nは0であり、R及びRの一方は水素であり、他方は、水素、アミノ、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、1〜2個の炭素原子を有するアルコキシ又は1〜2個の炭素原子を有するアルキルからなる群から選択され、Rはヒドロキシであり、Rは水素である。R10及びR11の一方は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルであり、他方は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルであり、XはC(O)でありrは0でありtは0であり、XはN(R13)(式中、R13は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである)である。R12は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである]の化合物、すなわち、式:
【0182】
【化28】

(I)
【0183】
(式中、R、R、R及びRは前述のとおり記載される)の化合物は、スキーム9の反応スキームにより調製できる。
【0184】
スキーム9の反応スキームにおいて、
【0185】
【化29】

【0186】
並びに、q、t、r、R及びRは前述のとおりである。R17は、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0187】
式XLVIIIの化合物(スキーム5の反応において記載のものと同じ様式で調製される)は、例えば、ロジウム−{アミドホスフィン−ホスフィニト}(Tetrahedron: Asymmetry, Vol 8, No. 7, 1083-1099, 1997)、[RuCl(BINAP)](NEt)(欧州特許出願公開第0295890(A)号明細書)などの触媒を使用してα−ケト酸を水素化することによるステップ(9−1)の反応により、式LXの化合物に変換できる。ステップ(9−1)の反応を実施するには、そのような水素化において従来用いられるいずれの条件を利用してもよい。HPLCを用いると、式LXのラセミ混合物を分離できる。(Chirality 11:420-425 (1999))
【0188】
式LXの化合物は、式I(式中、mは0であり、nは0であり、Rはヒドロキシであり、Rは水素であり、R12は、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基である)の化合物である。
【0189】
式LXの化合物は、ステップ(1−6)の反応に関して本明細書中で先に記載のものと同じ様式で、式LXI(式中、R12はHである)の化合物に変換できる。
【0190】
式LXIの化合物は、式I(式中、mは0であり、nは0であり、Rはヒドロキシであり、Rは水素であり、R12はHである)の化合物である。
【0191】
全てのステップの生成物は、抽出、蒸発、クロマトグラフィー及び再結晶化などの手法により単離及び精製できる。
【0192】
Aが、ヒドロキシ基若しくはアミノ基により置換されているフェニルであるか、又は、R及びRの一方が水素であり、他方が、ヒドロキシ基若しくはアミノ基からなる群から選択される場合は、適当な保護基を利用することによりそれらの基を保護することが一般に好ましく、そのような保護基は当技術分野で公知である。適当な保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載されている可能性がある。
【0193】
保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載のものなど、適当な脱保護試薬を利用して脱保護できる。
【0194】
【化30】

【0195】
式I[式中、mは1であり、qは0又は1であり、tは0又は1であり、rは0、1又は2であり、nは0であり、R及びRの一方は水素であり、他方は、水素、アミノ、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、1〜2個の炭素原子を有するアルコキシ又は1〜2個の炭素原子を有するアルキルからなる群から選択され、Rはヒドロキシであり、Rは水素である。R10及びR11の一方は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルであり、他方は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルであり、XはC(O)でありrは0でありtは0であり、XはN(R13)(式中、R13は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである)である。R12は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである]の化合物、すなわち、式:
【0196】
【化31】

(I)
【0197】
(式中、R、R、R及びRは前述のとおり記載される)の化合物は、スキーム10の反応スキームにより調製できる。
【0198】
スキーム10の反応スキームにおいて、
【0199】
【化32】

【0200】
並びに、q、t、r、R及びRは前述のとおりである。R17は、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0201】
式Lの化合物(スキーム6の反応において記載のものと同じ様式で調製される)は、ベータ−ケト基をアルコール基に還元することによるステップ(10−1)の反応により、式LXIIの化合物に変換できる。この反応は、ケトンをアルコールに変換する従来の還元剤を利用することにより、例えば、酒石酸で処理しておいたラネーニッケル触媒を使用した水素化(Harada, T.; Izumi, Y. Chem. Lett. 1978, 1195-1196)、又は、キラルで均質なルテニウム触媒を使用した水素化(Akutagawa, S.; Kitamura, M.; Kumobayashi, H.; Noyori, R.; Ohkuma, T.; Sayo, N.; Takaya, M. J. Am. Chem. Soc. 1987, 109, 5856-5858)により、実施できる。メタノール、エタノールなどの溶媒中の水素化ホウ素ナトリウムを利用することによっても、この還元を実施できる。一般には、この反応は、0℃〜25℃の温度で2〜72時間実施する。
【0202】
式LXIIのラセミ混合物は、HPLCを用いて分離できる。(Chirality 11:420-425 (1999))。
【0203】
式LXIIの化合物は、式I(式中、mは1であり、nは0であり、Rはヒドロキシであり、Rは水素であり、R12は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである)の化合物である。
【0204】
式LXIIの化合物は、ステップ(1−6)の反応に関して本明細書中で先に記載のものと同じ様式で、ステップ(10−2)の反応により、式LXIII(式中、R12はHである)の化合物に変換できる。
【0205】
式LXIIIの化合物は、式I(式中、mは1であり、nは0であり、Rはヒドロキシであり、Rは水素であり、R12はHである)の化合物である。
【0206】
全てのステップの生成物は、抽出、蒸発、クロマトグラフィー及び再結晶化などの手法により単離及び精製できる。
【0207】
Aが、ヒドロキシ基若しくはアミノ基により置換されているフェニルであるか、又は、R及びRの一方が水素であり、他方が、ヒドロキシ基若しくはアミノ基からなる群から選択される場合は、適当な保護基を利用することによりそれらの基を保護することが一般に好ましく、そのような保護基は当技術分野で公知である。適当な保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載されている可能性がある。
【0208】
保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載のものなど、適当な脱保護試薬を利用して脱保護できる。
【0209】
【化33】

【0210】
式I[式中、mは2〜4であり、qは0又は1であり、tは0又は1であり、rは0、1又は2であり、nは0であり、R及びRの一方は水素であり、他方は、水素、アミノ、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、1〜2個の炭素原子を有するアルコキシ又は1〜2個の炭素原子を有するアルキルからなる群から選択され、Rはヒドロキシであり、Rは水素である。R10及びR11の一方は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルであり、他方は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルであり、XはC(O)でありrは0でありtは0であり、XはN(R13)(式中、R13は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである)である。R12は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである]の化合物、すなわち、式:
【0211】
【化34】

(I)
【0212】
(式中、R、R、R及びRは前述のとおり記載される)の化合物は、スキーム11の反応スキームにより調製できる。
【0213】
スキーム11の反応スキームにおいて、
【0214】
【化35】

【0215】
並びに、q、t、r、R及びRは前述のとおりである。R15は、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、又はベンジル基であり、pは1〜3である。
【0216】
式LIIIの化合物(スキーム7の反応において記載のものと同じ様式で調製される)は、ケトン基をアルコール基に還元することによるステップ(11−1)の反応により、式LXIVの化合物に変換できる。この反応は、ケトンをアルコールに変換する従来の還元剤を利用することにより実施できる。この反応を実施するうえでは、水素化ホウ素ナトリウムを還元剤として利用することが一般に好ましいが、これに限定されるものではない。一般に、この反応は、メタノール、エタノールなどの溶媒中で実施する。一般にこの反応は、0℃〜25℃の温度で実施する。
【0217】
式LXIVのラセミ混合物は、HPLCを用いて分離できる。(Chirality 11:420-425 (1999))。
【0218】
式LXIVの化合物は、式I(式中、mは2〜4であり、nは0であり、Rはヒドロキシであり、Rは水素であり、R12は、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基である)の化合物である。
【0219】
式LXIVの化合物は、ステップ(1−6)の反応において本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(11−2)の反応により、エステル加水分解又は触媒的水素化によって、式LXV(式中、R12はHである)の化合物に変換できる。エステル加水分解又は触媒的水素化のいずれの従来法によっても、式LXVの化合物が生成されるであろう。
【0220】
式LXVの化合物は、式I(式中、mは2〜4であり、nは0であり、Rはヒドロキシであり、Rは水素であり、R12はHである)の化合物である。
【0221】
全てのステップの生成物は、抽出、蒸発、クロマトグラフィー及び再結晶化などの手法により単離及び精製できる。
【0222】
Aが、ヒドロキシ基若しくはアミノ基により置換されているフェニルであるか、又は、R及びRの一方が水素であり、他方が、ヒドロキシ基若しくはアミノ基からなる群から選択される場合は、適当な保護基を利用することによりそれらの基を保護することが一般に好ましく、そのような保護基は当技術分野で公知である。適当な保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載されている可能性がある。
【0223】
保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載のものなど、適当な脱保護試薬を利用して脱保護できる。
【0224】
【化36】

【0225】
式I[式中、mは0〜4であり、qは0又は1であり、tは0又は1であり、rは0、1又は2であり、nは1であり、R及びRの一方は水素であり、他方は、水素、アミノ、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、1〜2個の炭素原子を有するアルコキシ又は1〜2個の炭素原子を有するアルキルからなる群から選択され、Rはヒドロキシであり、Rは水素である。R10及びR11の一方は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルであり、他方は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルであり、XはC(O)でありrは0でありtは0であり、XはN(R13)(式中、R13は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである)である。R12は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである]の化合物、すなわち、式:
【0226】
【化37】

(I)
【0227】
(式中、R、R、R及びRは前述のとおり記載される)の化合物は、スキーム12の反応スキームにより調製できる。
【0228】
スキーム12の反応スキームにおいて、
【0229】
【化38】

【0230】
並びに、q、t、r、m、n、R、R、R10及びR11は、前述のとおりである。R15は、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基又はベンジル基である。
【0231】
式LVIIIの化合物(スキーム8の反応において記載のものと同じ様式で調製される)は、ステップ(11−1)の反応において本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(12−1)の反応により、式LXVIの化合物に変換できる。式LXVIのラセミ混合物は、HPLCを用いることにより分離できる。(Chirality 11:420-425 (1999))。
【0232】
式LXVIの化合物は、式I(式中、mは0〜4であり、nは1であり、Rはヒドロキシであり、Rは水素であり、R12は、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基である)の化合物である。
【0233】
式LXVIの化合物は、ステップ(1−6)の反応において本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(12−2)の反応により、式LXVII(式中、R12はHである)の化合物に変換できる。
【0234】
式LXVIIの化合物は、式I(式中、mは0〜4であり、nは1であり、Rはヒドロキシであり、Rは水素であり、R12はHである)の化合物である。
【0235】
全てのステップの生成物は、抽出、蒸発、クロマトグラフィー及び再結晶化などの手法により単離及び精製できる。
【0236】
Aが、ヒドロキシ基若しくはアミノ基により置換されているフェニルであるか、又は、R及びRの一方が水素であり、他方が、ヒドロキシ基若しくはアミノ基からなる群から選択される場合は、適当な保護基を利用することによりそれらの基を保護することが一般に好ましく、そのような保護基は当技術分野で公知である。適当な保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載されている可能性がある。
【0237】
保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載のものなど適当な脱保護試薬を利用して脱保護できる。
【0238】
【化39】

【0239】
式I[式中、qは0又は1であり、tは0又は1であり、rは0、1又は2であり、yは0、1、2又は3であり、R及びRの一方は水素であり、他方は、水素、アミノ、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、1〜2個の炭素原子を有するアルコキシ又は1〜2個の炭素原子を有するアルキルからなる群から選択される。XはC(O)でありrは0でありtは0であり、XはN(R13)(式中、R13は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである)]の化合物、すなわち、式:
【0240】
【化40】

(I)
【0241】
(式中、R、R、R及びRは前述のとおり記載される)の化合物は、スキーム13の反応スキームにより調製できる。
【0242】
スキーム13の反応スキームにおいて、
【0243】
【化41】

【0244】
並びに、q、t、r、y、R及びRは、前述のとおりである。Yはハライド又は脱離基である。
【0245】
式LXVIIIの化合物は、トリフェニルホスフィン及びアゾジカルボン酸ジエチル又はアゾジカルボン酸ジイソプロピルを使用したLXVIIIのIXとのMitsunobu縮合を用いるステップ(13−1)の反応により、式LXIXの化合物に変換できる。この反応は、適当な溶媒(例えばテトラヒドロフラン)中で実施する。ステップ(13−1)の反応を実施するには、Mitsunobu反応において従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0246】
式LXIXの化合物は、適当な塩基(例えば、炭酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミン、ピリジンなど)を使用することによるステップ(13−1)の反応同様、式LXVIIIの化合物を式Xの化合物でエーテル化又はアルキル化することにより調製することもできる。この反応は、溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジクロロメタンなど)中で実施する。式Xの化合物において、Yとしてはメシロキシ、トシロキシ、クロロ、ブロモ、ヨードなどが挙げられるが、これらに限定されない。ステップ(13−1)の反応を実施するには、ハライド又は脱離基との反応によりヒドロキシル基をエーテル化させるいずれの従来法を利用してもよい。
【0247】
式LXIXの化合物は、ルイス酸(例えば、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、塩化アンモニウム(ammoinum)、四塩化スズなど)の存在下で、ニトリルをアジド(例えばトリメチルシリルアジド)又は金属アジド(例えば、アジ化ナトリウム、アジ化カリウム、アジ化リチウム、好ましいアジドはアジ化ナトリウムである)と反応させることによるステップ(13−2)の反応により、式LXXの化合物に変換できる。この反応は、溶媒(例えばジメチルホルムアミド)中にて、80℃〜145℃の温度で6〜60時間実施する。理想的な反応は、ニトリルを、アジ化ナトリウム/塩化アンモニウム/ジメチルホルムアミドと120℃で24時間反応させることを利用する。
【0248】
全てのステップの生成物は、抽出、蒸発、クロマトグラフィー及び再結晶化などの手法により単離及び精製できる。
【0249】
Aが、ヒドロキシ基若しくはアミノ基により置換されているフェニルであるか、又は、R及びRの一方が水素であり、他方が、ヒドロキシ基若しくはアミノ基からなる群から選択される場合は、適当な保護基を利用することによりそれらの基を保護することが一般に好ましく、そのような保護基は当技術分野で公知である。適当な保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載されている可能性がある。
【0250】
保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載のものなど適当な脱保護試薬を利用して脱保護できる。
【0251】
【化42】

【0252】
式LXVIII(式中、yは1〜3であり、R及びRの一方は水素であり、他方は、水素、アミノ、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、1〜2個の炭素原子を有するアルコキシ又は1〜2個の炭素原子を有するアルキルからなる群から選択される)の化合物、すなわち、式:
【0253】
【化43】

(LXVIII)
【0254】
(式中、R、R及びyは前述のとおり記載される)の化合物は、スキーム14の反応により調製できる。
【0255】
式LXXIの化合物を、溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトン)中の3モル当量の塩基(例えば、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウムなど)の存在下でのハロゲン化メチルによるステップ(14−1)の反応により式LXXIIの化合物にアルキル化して、式LXXIIの化合物を得ることができる。ステップ(14−1)の反応を実施するには、そのようなアルキル化のいずれの従来条件を利用してもよい。
【0256】
式LXXIIの化合物は、ステップ(14−2)の反応によりエステル基をアルコールに変換させる従来の還元試薬を利用することにより、式LXXIIIの化合物に還元できる。この反応を実施するうえでは、水素化リチウムアルミニウムを利用することが一般に好ましいが、これに限定されるものではない。この反応は、適当な溶媒(テトラヒドロフラン、エーテルなど)中で実施する。ステップ(14−2)の反応を実施するには、そのような還元反応において従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0257】
式LXXIIIの化合物は、ヒドロキシ基をハロゲンで置換することにより式LXXIVの化合物に変換でき、好ましいハロゲンは、ブロモ又はクロロである。適切なハロゲン化試薬としては、塩化チオニル、塩化オキサリル、臭素、三臭化リン、四臭化炭素などが挙げられるが、これらに限定されない。ステップ(14−3)の反応を実施するには、そのようなハロゲン化反応において従来用いられるいずれの条件を利用してもよい。
【0258】
式LXXIVの化合物は、LXXIVをアルカリ金属シアン化物(例えば、シアン化ナトリウム又はシアン化カリウム又はシアン化銅)と反応させることにより、式LXXVの化合物に変換できる。この反応は、適当な溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなど)中で実施できる。ステップ(14−4)の反応を実施するには、ハライドからのニトリルの調製において従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0259】
式LXXVの化合物は、例えば−78℃〜25℃の温度にてルイス酸(例えば、BBr又はBCl)をジクロロメタン又はクロロホルム中で利用することにより、脱メチル化して式LXXVIの化合物にできる。ステップ(14−5)の反応によりこの反応を実施するには、そのような脱メチル化反応において従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0260】
式LXXVIの化合物は、式LXVIII(式中、yは1である)の化合物である。
【0261】
式LXXVの化合物は、加水分解による反応ステップ(14−6)により、式LXXVIIの化合物に変換できる。この反応を実施するうえでは、塩基性加水分解、例えば、エタノール中の水性水酸化ナトリウムなどを利用することが一般に好ましい。ステップ(14−6)の反応を実施するには、ニトリルからカルボン酸への加水分解において従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0262】
式LXXVIIの化合物を、ステップ(14−7)の反応により、還元させて式LXXVIIIの化合物を得ることができる。この反応は、ステップ(14−2)の反応に関して本明細書中で先に記載のものと同じ様式で実施できる。
【0263】
式LXXVIIIの化合物は、ステップ(14−3)の反応において本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(14−8)の反応により、式LXXIXの化合物に変換できる。
【0264】
式LXXIXの化合物は、ステップ(14−4)の反応において本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(14−9)の反応により、式LXXXの化合物に変換できる。
【0265】
式LXXXの化合物は、ステップ(14−5)の反応において本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(14−10)の反応により、式LXXXIの化合物に変換できる。
【0266】
式LXXXIの化合物は、式LXVIII(式中、yは2である)の化合物である。
【0267】
式LXXXの化合物を、ステップ(14−11)の反応により、ステップ(14−6)の反応において本明細書中で先に記載のものと同じ様式で加水分解して式LXXXIIの化合物を得ることができる。
【0268】
式LXXXIIの化合物を、ステップ(14−12)の反応により、還元させて式LXXXIIIの化合物を得ることができる。この反応は、ステップ(14−2)の反応に関して本明細書中で先に記載のものと同じ様式で実施できる。
【0269】
式LXXXIIIの化合物は、ステップ(14−3)の反応において本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(14−13)の反応により、式LXXXIVの化合物に変換できる。
【0270】
式LXXXIVの化合物は、ステップ(14−4)の反応において本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(14−14)の反応により、式LXXXVの化合物に変換できる。
【0271】
式LXXXVの化合物は、ステップ(14−5)の反応において本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(14−15)の反応により、式LXXXVIの化合物に変換できる。
【0272】
式LXXXVIの化合物は、式LXVIII(式中、yは3である)の化合物である。
【0273】
全てのステップの生成物は、抽出、蒸発、クロマトグラフィー及び再結晶化などの手法により単離及び精製できる。
【0274】
及びRの一方が水素であり、他方が、ヒドロキシ基若しくはアミノ基からなる群から選択される場合は、適当な保護基を利用することによりそれらの基を保護することが一般に好ましく、そのような保護基は当技術分野で公知である。適当な保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載されている可能性がある。
【0275】
保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載のものなど適当な脱保護試薬を利用して脱保護できる。
【0276】
【化44】

【0277】
式LXVIII(式中、yは0であり、R及びRの一方は水素であり、他方は、水素、アミノ、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、1〜2個の炭素原子を有するアルコキシ又は1〜2個の炭素原子を有するアルキルからなる群から選択される)の化合物、すなわち、式:
【0278】
【化45】

(LXVIII)
【0279】
(式中、R、R及びyは前述のとおり記載される)の化合物は、スキーム15の反応スキームにより調製できる。
【0280】
スキーム15の反応において、R16は、1〜2個の炭素原子を有するアルキル基である。Pはヒドロキシ保護基である。Yはクロロ又はブロモである。
【0281】
式LXXXVIIの化合物は、以下の2つのステップにより、式LXXXVIIIの化合物に変換できる:まず、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載のものなど適当な保護基を利用することによりヒドロキシ基を保護し、次いで、(15−1)の反応ステップにより、エステルを加水分解してカルボン酸を得る。
【0282】
反応ステップ(15−1)由来の中間体は、ハロゲン化試薬(例えば、塩化チオニル、塩化オキサリル、五塩化リン、三塩化リン、臭素、四臭化炭素など)と反応させることにより、式LXXXVIIIの化合物に変換できる。この反応は、非希釈又は適当な溶媒(例えばジクロロメタン)中のいずれかで実施する。ステップ(15−2)の反応を実施するには、カルボン酸のそのようなハロゲン化反応において従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0283】
式LXXXVIIIの化合物は、アンモニアと直接反応させることによるか、又は、まず式LXXXVIIIの化合物をカップリング試薬(例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ベンゾトリアゾリルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート)で処理し、次いでアンモニアと反応させることによる(15−3)の反応により、式LXXXIXの化合物に変換できる。ステップ(15−3)の反応を実施するには、アンモニアのアシル化において従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0284】
式LXXXIXの化合物は、試薬(例えば、塩化チオニル、五酸化リン、五塩化リン、ホスホラスオキシコリド(phosphorous oxychoride)、四塩化炭素−トリフェニルホスフィン、塩化シアヌルなど)を利用する脱水によるステップ(15−4)の反応により、式XCの化合物に変換できる。この反応は、非希釈又は適当な溶媒(例えばジメチルホルムアミド)中のいずれかで実施する。ステップ(15−4)の反応を実施するには、そのような脱水反応において従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0285】
式XCの化合物は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載のものなど適当な脱保護試薬を利用してヒドロキシ保護基を除去することによるステップ(15−5)の反応により、式XCIの化合物に変換できる。
【0286】
式XCIの化合物は、式LXVIII(式中、yは0である)の化合物である。
【0287】
全てのステップの生成物は、抽出、蒸発、クロマトグラフィー及び再結晶化などの手法により単離及び精製できる。
【0288】
及びRの一方が水素であり、他方が、ヒドロキシ基若しくはアミノ基からなる群から選択される場合は、適当な保護基を利用することによりそれらの基を保護することが一般に好ましく、そのような保護基は当技術分野で公知である。適当な保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載されている可能性がある。
【0289】
保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載のものなど適当な脱保護試薬を利用して脱保護できる。
【0290】
【化46】

【0291】
式IX(式中、tは0又は1であり、rは0、1又は2であり、qは0である)の化合物、すなわち、式:
A−(CH(X)(CH−OH (IX)
の化合物、及び式X(式中、tは0又は1であり、rは0、1又は2であり、qは0である)の化合物、すなわち、式:
A−(CH(X)(CH−Y (X)
の化合物は、スキーム16の反応スキームにより調製できる。
【0292】
スキーム16の反応スキームにおいて、
【0293】
【化47】

【0294】
(式中、R、R、R及びRは前述のとおり記載される)であり、Yは、クロロ又はブロモである。
【0295】
式XCIIの化合物は、ステップ(16−1)の反応により式XCIIIの化合物に還元できる。この反応は、従来の還元剤、例えば、水素化リチウムアルミニウム、ボランジメチルスルフィド錯体などのアルカリ金属水素化物を利用して実施する。この反応は、テトラヒドロフラン、エーテル、ジクロロメタンなど適当な溶媒中で実施する。ステップ(16−1)の反応を実施するには、そのような還元反応において従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0296】
式XCIIIの化合物は、式IX(式中、tは0であり、rは1である)の化合物である。
【0297】
式XCIIIの化合物は、ヒドロキシル基をハロゲン基で置換することにより式XCIVの化合物に変換でき、好ましいハロゲンは、ブロモ又はクロロである。適切なハロゲン化試薬としては、塩化チオニル、塩化オキサリル、臭素、三臭化リン、四臭化炭素などが挙げられるが、これらに限定されない。ステップ(16−2)の反応を実施するには、そのようなハロゲン化反応において従来用いられるいずれの条件を利用してもよい。
【0298】
式XCIVの化合物は、式X(式中、tは0であり、rは1である)の化合物である。
【0299】
式XCIVの化合物は、XCIVをアルカリ金属シアン化物、例えば、シアン化ナトリウム又はシアン化カリウムと反応させることにより、式XCVの化合物に変換できる。この反応は、エタノール、ジメチルスルホキシド及びジメチルホルムアミドなど適当な溶媒中で実施する。ステップ(16−3)の反応を実施するには、ニトリルの調製において従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0300】
式XCVの化合物は、加水分解による反応ステップ(16−4)により、式XCVIの化合物に変換できる。この反応を実施するうえでは、塩基性加水分解、例えば水性水酸化ナトリウムを利用することが一般に好ましい。ステップ(16−4)の反応を実施するには、ニトリルの加水分解において従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0301】
式XCVIの化合物を還元させて、ステップ(16−5)の反応により式XCVIIの化合物を得てもよい。この反応は、ステップ(16−1)の反応において本明細書中で先に記載のものと同じ様式で実施できる。
【0302】
式XCVIIの化合物は、式IX(式中、tは1であり、rは1である)の化合物である。
【0303】
式XCVIIの化合物は、ステップ(16−2)の反応に関して本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(16−6)の反応により、式XCVIIIの化合物に変換できる。
【0304】
式XCVIIIの化合物は、式X(式中、tは1であり、rは1である)の化合物である。
【0305】
式XCVIIIの化合物は、ステップ(16−3)の反応に関して本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(16−7)の反応により、式XCIXの化合物に変換できる。
【0306】
式XCIXの化合物を、ステップ(16−8)の反応により、ステップ(16−4)の反応に関して本明細書中で先に記載のものと同じ様式の塩基により加水分解して式Cの化合物を得ることができる。
【0307】
式Cの化合物は、ステップ(16−1)の反応に関して本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(16−9)の反応により、式CIの化合物に変換できる。
【0308】
式CIの化合物は、式IX(式中、tは1であり、rは2である)の化合物である。
【0309】
式CIの化合物は、ステップ(16−2)の反応に関して本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(16−10)の反応により、式CIIの化合物に変換できる。
【0310】
式CIIの化合物は、式X(式中、tは1であり、rは2である)の化合物である。
【0311】
各ステップの生成物は、抽出、蒸発、クロマトグラフィー及び再結晶化などの手法により単離及び精製できる。
【0312】
Aが、ヒドロキシ基若しくはアミノ基により置換されているフェニルである場合は、適当な保護基を利用することによりそれらの基を保護することが一般に好ましく、そのような保護基は当技術分野で公知である。適当な保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載されている可能性がある。
【0313】
保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載のものなど適当な脱保護試薬を利用して脱保護できる。
【0314】
【化48】

【0315】
式IX[式中、tは0又は1であり、rは0、1又は2であり、qは1であり、XはN(R13)(式中、R13は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである)である]の化合物、すなわち、式:
A−(CH(X)(CH−OH (IX)
の化合物、及び、式X[式中、tは0又は1であり、rは0、1又は2であり、qは1であり、XはN(R13)(式中、R13は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである)である]の化合物、すなわち、式:
A−(CH(X)(CH−Y (X)
の化合物は、スキーム17の反応スキームにより調製できる。
【0316】
スキーム17の反応スキームにおいて、
【0317】
【化49】

【0318】
(式中、R、R、R及びRは前述のとおり記載される)であり、Yは、クロロ又はブロモである。
【0319】
式CIIIの化合物をメシル化させて、ステップ(17−1)の反応により、式CIVの化合物を得ることができる。ステップ(17−1)を実施するには、ヒドロキシル基のメシル化反応を実施するためのいずれの従来条件を利用してもよい。次いで、式CIVの化合物を式CVの化合物と共に加熱して、式CVIの化合物を生成させる。ステップ(17−2)の反応を実施するには、アミノアルコールを生成させるうえでの従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0320】
式CVの化合物は、式IXの化合物である。
【0321】
式CVIの化合物においては、式CVIの化合物を塩化チオニル、臭素、三臭化リン、塩化オキサリル、四臭化炭素などで処理することによりアルコールをクロロ又はブロモにより置換して、式CVIIの化合物を生成させることができる。ステップ(17−3)の反応を実施するには、アルコールをクロロ又はブロモで置換するためのいずれの従来法を利用してもよい。
【0322】
式CVIIの化合物は、式Xの化合物である。
【0323】
各ステップの生成物は、抽出、蒸発、クロマトグラフィー及び再結晶化などの手法により単離及び精製できる。
【0324】
Aが、ヒドロキシ基若しくはアミノ基により置換されているフェニルである場合は、適当な保護基を利用することによりそれらの基を保護することが一般に好ましく、そのような保護基は当技術分野で公知である。適当な保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載されている可能性がある。
【0325】
保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載のものなど、適当な脱保護試薬を利用して脱保護できる。
【0326】
【化50】

【0327】
式CVIII(式中、R及びRの一方は水素であり、他方は、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、及び1〜2個の炭素原子を有するアルコキシであり、R16は、1〜2個の炭素原子を有するアルキル基である)の化合物、すなわち、式:
【0328】
【化51】

(CVIII)
【0329】
(式中、R及びRは前述のとおり記載される)の化合物は、スキーム18の反応スキームにより調製できる。
【0330】
スキーム18の反応において、R、R、R及びR16は前述のとおりである。
【0331】
式CIXの化合物を、濃硝酸と濃硫酸との混合物を使用することによるか、又は、非希釈硝酸若しくは硝酸水溶液若しくは酢酸を使用することによるステップ(18−1)の反応によりニトロ化して、式CXの化合物を得ることができる。この反応は、0℃〜100℃で4〜72時間実施する。
【0332】
式CXの化合物は、ステップ(5−4)の反応に関して本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(18−2)の反応により、式CXIの化合物に変換できる。
【0333】
式CXIの化合物は、式CVIII(式中、Rはニトロである)の化合物である。
【0334】
式CXIの化合物は、金属(例えば、Zn、Sn若しくはFe)及び酸を利用することによるか又は触媒的水素化によるステップ(18−3)の反応により、還元させて式CXIIの化合物にできる。ステップ(18−2)の反応を実施するには、そのような還元におけるいずれの従来条件を利用してもよい。
【0335】
式CXIIの化合物は、式CVIII(式中、Rはアミノである)の化合物である。
【0336】
式CXIIの化合物は、まず、硫酸水溶液を高めの温度で使用してアミンをジアゾ化し、次いで、0〜5℃で亜硝酸ナトリウム水溶液を加えることによる、ステップ(18−4)の反応により、式CXIIIの化合物に変換できる。
【0337】
中間体のジアゾニウム溶液を100〜110℃で硫酸水溶液と共にさらに加熱して、式CXIIIの化合物を得た。ステップ(18−4)の反応を実施するには、アミノからフェノールへのそのような変換におけるいずれの従来条件を利用してもよい。
【0338】
式CXIIIの化合物は、式CVIII(式中、Rはヒドロキシである)の化合物である。
【0339】
式CXIIIの化合物は、溶媒(例えばジメチルホルムアミド)中の塩基(例えば、炭酸カリウム、炭酸セシウム)の存在下でヒドロキシ基をメチル又はヨウ化エチルと反応させることによるステップ(18−5)の反応により、CXIVの化合物に変換できる。ステップ(18−5)の反応を実施するには、そのようなアルキル化におけるいずれの従来条件を利用してもよい。
【0340】
式CXIVの化合物は、式CVIII(式中、Rは、1〜2個の炭素原子を有するアルコキシである)の化合物である。
【0341】
各ステップの生成物は、抽出、蒸発、クロマトグラフィー及び再結晶化などの手法により単離及び精製できる。
【0342】
及びRがヒドロキシ基又はアミノ基により置換されている場合は、適当な保護基を利用することによりそれらの基を保護することが一般に好ましく、そのような保護基は当技術分野で公知である。適当な保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載されている可能性がある。
【0343】
保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載のものなど適当な脱保護試薬を利用して脱保護できる。
【0344】
【化52】

【0345】
式CVIII(式中、R及びRの一方は水素であり、他方はハロ又はシアノであり、R16は、1〜2個の炭素原子を有するアルキル基である)の化合物、すなわち、式:
【0346】
【化53】

(CVIII)
【0347】
(式中、R及びRは前述のとおり記載される)の化合物は、スキーム19の反応スキームにより調製できる。
【0348】
スキーム19の反応において、R、R、R及びR16は前述のとおりである。
【0349】
式CXIIの化合物は、まず、硫酸水溶液を高めの温度で使用してアミンをジアゾ化し、次いで、0〜5℃で亜硝酸ナトリウム水溶液を加えることによる、ステップ(19−1)の反応により、式CXVの化合物に変換できる。
【0350】
中間体のジアゾニウム溶液を、50℃〜100℃にてヨウ化物イオン(例えばヨウ化カリウム)及び銅粉末の存在下で硫酸水溶液と共にさらに加熱して、式CXVIIIの化合物を得た。ステップ(19−1)の反応を実施するには、そのような脱ジアゾヨウ素化におけるいずれの従来条件を利用してもよい。
【0351】
式CXVの化合物は、式CVIII(式中、Rはヨードである)の化合物である。
【0352】
式CXIIの化合物は、以下によるステップ(19−2)又はステップ(19−4)の反応により、式CXVIの化合物又は式CXVIIIの化合物に変換できる:まず、ステップ(19−1)の反応と同様にジアゾ化し、次いで、中間体のジアゾニウム溶液を50℃〜100℃の温度範囲にて塩化第一銅及び銅粉末若しくは銅+HClの存在下で硫酸水溶液と共にさらに加熱して式CXVI(式中、Rはクロロである)の化合物を得たか、又は、中間体のジアゾニウム溶液を50℃〜100℃の温度範囲にて臭化第一銅及び銅粉末若しくは銅+HBrの存在下で硫酸水溶液と共に加熱して式CXVIIIの化合物を得た。ステップ(19−2)又はステップ(19−4)の反応を実施するには、そのような脱ジアゾ塩素化又は脱ジアゾ臭素化におけるいずれの従来条件を利用してもよい。
【0353】
式CXVIの化合物は、式CVIII(式中、Rはクロロである)の化合物である。
式CXVIIIIの化合物は、式CVIII(式中、Rはブロモである)の化合物である。
【0354】
式CXIIの化合物は、以下によるステップ(19−3)の反応により、式CXVIIの化合物に変換できる:まず、ステップ(19−1)の反応と同様にジアゾ化し、次いで、中間体のジアゾニウム溶液をNaBF、HBF又はNHBFの冷水溶液でさらに処理してフルオロホウ酸塩を得たが、これを加熱すると式CXVIIの化合物を得ることができる。ステップ(19−3)の反応を実施するには、そのような脱ジアゾフッ素化のいずれの従来条件を利用してもよい。
【0355】
式CXVIIの化合物は、式CVIII(式中、Rはフルオロである)の化合物である。
【0356】
式CXVIIIの化合物は、式CXVIIIの化合物をジメチルホルムアミドなどの溶媒の存在下で75℃〜150℃にて6〜72時間シアン化第一銅と反応させることにより、式CXIXの化合物に変換できる。ステップ(19−5)の反応を実施するには、そのような脱ハロゲンシアン化におけるいずれの従来条件を利用してもよい。
【0357】
式CXIXの化合物は、式CVIII(式中、Rはシアノである)の化合物である。
【0358】
各ステップの生成物は、抽出、蒸発、クロマトグラフィー及び再結晶化などの手法により単離及び精製できる。
【0359】
及びRがヒドロキシ基又はアミノ基により置換されている場合は、適当な保護基を利用することによりそれらの基を保護することが一般に好ましく、そのような保護基は当技術分野で公知である。適当な保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載されている可能性がある。
【0360】
保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載のものなど適当な脱保護試薬を利用して脱保護できる。
【0361】
【化54】

【0362】
式CVIII(式中、R及びRの一方は水素であり、他方は、1〜2個の炭素原子を有するアルキルであり、R16は、1〜2個の炭素原子を有するアルキル基である)の化合物、すなわち、式:
【0363】
【化55】

(CVIII)
【0364】
(式中、R及びRは前述のとおり記載される)の化合物は、スキーム20の反応スキームにより調製できる。
【0365】
スキーム20の反応において、R、R、R及びR16は前述のとおりである。R18は、1〜2個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0366】
式CXV又はCXVIIIの化合物は、塩基(例えば、KCO、CsCO、NaHCO、NaCO、EtNなど)の存在下で式CXXの化合物と式CXV又はCXVIIIの化合物とのSuzukiクロスカップリング反応を用いることによるステップ(20−1)の反応により、式CXXIIの化合物に変換できる。この反応は、パラジウム錯体、例えば、PdCl(dppf).CHCl、PdCl(dppf)、Pd(OAc)、[Pd(C)Cl]、PdCl(C)(dppb)などにより触媒される。この反応は、25℃〜還流温度にて、適当な溶媒(トルエン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン:水など)中で実施する。ステップ(20−1)の反応を実施するには、Suzukiカップリングにおいて従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0367】
式CXV又はCXVIIIの化合物は、適当な溶媒(ジオキサン、DMF又はHMTPなど)中のパラジウム(例えば、Pd(PPh、Pddba、Pd(PPhCl)により触媒された、式CXXIの化合物と式CXV又はCXVIIIの化合物とのStilleクロスカップリング反応を、25℃〜100℃の温度の不活性雰囲気下で6〜72時間用いることによるステップ(20−1)の反応により、式CXXIIの化合物に変換させることもできる。ステップ(20−1)の反応を実施するには、Stilleカップリングにおいて従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0368】
式CXXIIの化合物は、式CVIII(式中、Rは、1〜2個の炭素原子を有するアルキル基である)の化合物である。
【0369】
各ステップの生成物は、抽出、蒸発、クロマトグラフィー及び再結晶化などの手法により単離及び精製できる。
【0370】
及びRがヒドロキシ基又はアミノ基により置換されている場合は、適当な保護基を利用することによりそれらの基を保護することが一般に好ましく、そのような保護基は当技術分野で公知である。適当な保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載されている可能性がある。
【0371】
保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載のものなど適当な脱保護試薬を利用して脱保護できる。
【0372】
【化56】

【0373】
式XXXIII(式中、R及びRの一方は水素であり、他方は、水素、アミノ、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、1〜2個の炭素原子を有するアルコキシ又は1〜2個の炭素原子を有するアルキルからなる群から選択される)の化合物、すなわち、式:
【0374】
【化57】

(XXXIII)
【0375】
(式中、R及びRは前述のとおり記載される)の化合物は、スキーム21の反応スキームにより調製できる。
【0376】
式LXXIIIの化合物は、アルコールのアルデヒドへの酸化によるステップ(21−1)の反応により、式XXXIIIの化合物に変換できる。この反応は、適当な酸化剤、例えば、Swern酸化条件下で2,4,6−トリクロロ[1,3,5]−トリアジン(塩化シアヌル、TCT)により活性化されたピリジニウムクロロクロメート、又はジメチルスルホキシド(J. O. C. 2001, 66, 7907-7909)などを利用して実施できる。ステップ(21−1)の反応を実施するには、そのような酸化反応において従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0377】
生成物は、抽出、蒸発、クロマトグラフィー及び再結晶化などの手法により単離及び精製でき、そのような手法は当技術分野で公知である。
【0378】
及びRの一方がヒドロキシ基若しくはアミノ基により置換されている場合は、適当な保護基を利用することによりそれらの基を保護することが一般に好ましく、そのような保護基は当技術分野で公知である。適当な保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載されている可能性がある。
【0379】
保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載のものなど適当な脱保護試薬を利用して脱保護できる。
【0380】
【化58】

【0381】
式XXXIV(式中、pは2〜5であり、R15は、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、又はベンジル基である)の化合物、すなわち、式:
Ph−(CHCO15}Br (XXXIV)
の化合物は、スキーム22の反応により調製できる。
【0382】
スキーム22の反応スキームにおいて、R15及びpは前述のとおりである。
【0383】
式CXXIIIの化合物をステップ(22−1)の反応により式CXXIVの化合物と反応させて、式XXXIVの化合物を得ることができる。ステップ(22−1)の反応を実施するには、トリフェニルホスフィンをヒドロハライドと反応させるうえで従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0384】
生成物は、抽出、蒸発、クロマトグラフィー及び再結晶化などの手法により単離及び精製でき、そのような手法は当技術分野で公知である。
【0385】
【化59】

【0386】
式XLIV(式中、R及びRの一方は水素であり、他方は、水素、アミノ、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、1〜2個の炭素原子を有するアルコキシ又は1〜2個の炭素原子を有するアルキルからなる群から選択される)の化合物、すなわち、式:
【0387】
【化60】

(XLIV)
【0388】
(式中、R及びRは前述のとおり記載される)の化合物は、スキーム23の反応スキームにより調製できる。
【0389】
式XLIVの化合物は、George M Rubottom et al., J. Org. Chem. 1983, 48, 1550-1552の方法により合成できる。
【0390】
生成物は、抽出、蒸発、クロマトグラフィー及び再結晶化などの手法により単離及び精製できる。
【0391】
及びRの一方がヒドロキシ基若しくはアミノ基により置換されている場合は、適当な保護基を利用することによりそれらの基を保護することが一般に好ましく、そのような保護基は当技術分野で公知である。適当な保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載されている可能性がある。
【0392】
保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載のものなど適当な脱保護試薬を利用して脱保護できる。
【0393】
【化61】

【0394】
式LXXI(式中、R及びRの一方は水素であり、他方はハロである)の化合物、すなわち、式:
【0395】
【化62】

(LXXI)
【0396】
の化合物は、商業的に入手できるか、又は以下のような文献中に記載の方法により調製できるかいずれかである:
1. 3−Br又はF−2−OHCCO
Canadian Journal of Chemistry (2001), 79(11) 1541-1545。
2. 4−Br−2−OHCCO
WO9916747又はJP04154773。
3. 2−Br−6−OHCCO
JP47039101。
4. 2−Br−3−OHCCO
WO9628423。
5. 4−Br−3−OHCCO
WO2001002388。
6. 3−Br−5−OHCCO
Journal of labeled Compounds and Radiopharmaceuticals (1992), 31 (3), 175-82。
7. 2−Br−5−OHCCOH及び3−Cl−4−OHCCO
WO9405153及びUS5519133。
8. 2−Br−4−OHCCOH及び3−Br−4−OHCCO
WO20022018323
9. 2−Cl−6−OHCCO
JP06293700
10. 2−Cl−3−OHCCO
Proceedings of the Indiana Academy of Science (1983), Volume date 1982, 92, 145-51。
11. 3−Cl−5−OHCCO
WO2002000633及びWO2002044145。
12. 2−Cl−5−OHCCO
WO9745400。
13. 5−I−2−OHCCOH及び3−I,2−OHCCO
Z. Chem. (1976), 16(8), 319-320。
14. 4−I−2−OHCCO
Journal of Chemical Research, Synopses (1994), (11), 405。
15. 6−I−2−OHCCO
US4932999。
16. 2−I−3−OHCCOH及び4−I−3−OHCCO
WO9912928。
17. 5−I−3−OHCCO
J. Med. Chem. (1973), 16(6), 684-7。
18. 2−I−4−OHCCO
Collection of Czechoslovak Chemical Communications, (1991), 56(2), 459-77。
19. 3−I−4−OHCCO
J.O.C. (1990), 55(18), 5287-91。
【0397】
式LXXI(式中、R及びRの一方は水素であり、他方は、1〜3個の炭素原子を有するアルコキシである)の化合物、すなわち、式:
【0398】
【化63】

(LXXI)
【0399】
の化合物は、スキーム24の反応により合成できる。
【0400】
スキーム24の反応において、R16は、1〜2個の炭素原子を有するアルキル基である。Pはヒドロキシ保護基である。
【0401】
式CXXVの化合物は、適当な保護基でフェノール基を保護することによるステップ(24−1)の反応により、式CXXVIの化合物に変換できる。適当な保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載されている可能性がある。
【0402】
式CXXVIの化合物は、アルデヒドをカルボン酸に酸化することにより、式CXXVIIの化合物に変換できる。この反応は、適当な酸化試薬、例えば、ピリジニウムクロロクロメート、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウムなどを使用することにより実施できる。ステップ(24−2)の反応を実施するには、そのような酸化反応において適当な条件のいずれを利用してもよい。
【0403】
式CXXVIIの化合物は、保護基の脱保護により、ステップ(24−3)の反応による式CXXVIII(式中、Rは、1個の炭素原子を有するアルコキシである)の化合物に変換できる。適当な脱保護条件は、T GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載されている可能性がある。
【0404】
式CXXVIIの化合物は、溶媒(例えばジクロロメタン、クロロホルム)を−72℃〜0℃の温度で4〜48時間使用して、式CXXVIIの化合物をBBr又はBClで処理することにより、式CXXIXの化合物に変換できる。ステップ(24−4)の反応を実施するには、そのような脱メチル化反応において従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0405】
式CXXIXの化合物は、式CXXIXの化合物をエタノール又はプロパノールでエステル化することにより、式CXXXの化合物に変換できる。この反応は、触媒(例えば、HSO、TsOHなど)を使用すること、又は、脱水剤(例えばジシクロヘキシルカルボジイミドなど)を使用することのいずれかにより実施できる。ステップ(24−5)の反応を実施するには、そのようなエステル化反応において従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0406】
式CXXXの化合物は、適当な塩基(例えば、KCO、CsCO、NaH、ピリジン、EtNなど)を使用することにより、2〜3個の炭素原子を有するアルキルハライドで式CXXXの化合物をエーテル化又はアルキル化することにより、式CXXXIの化合物に変換できる。この反応は、テラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド及びジクロロメタンなど従来の溶媒中で実施できる。この反応は、一般には、0℃〜60℃の温度で4〜48時間実施する。ステップ(24−6)の反応を実施するには、そのようなアルキル化反応において適当な条件のいずれを利用してもよい。
【0407】
式CXXXIの化合物は、ヒドロキシ保護基の脱保護により、ステップ(24−7)の反応による式CXXXIIの化合物(式中、Rは、2〜3個の炭素原子を有するアルコキシである)に変換できる。適当な脱保護条件は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載されている可能性があり、水性の水酸化ナトリウム又は水酸化リチウムを使用することによりエステル基を加水分解するとカルボン酸基が得られる。
【0408】
式CXXXIIの化合物は、式LXXI(式中、Rは、2〜3個の炭素原子を有するアルコキシであり、R12はHである)の化合物である。
【0409】
各ステップの生成物は、抽出、蒸発、クロマトグラフィー及び再結晶化などの手法により単離及び精製できる。
【0410】
【化64】

【0411】
式LXXI(式中、R及びRの一方は水素であり、他方は、1〜3個の炭素原子を有するアルコキシである)の化合物、すなわち、式:
【0412】
【化65】

(LXXI)
【0413】
の化合物は、商業的に入手できるか、又は以下のような文献中に記載の方法により調製できるかいずれかである:
1. 2−OMe−4−OHCCO
US2001034343又はWO9725992。
2. 5−OMe−3−OHCCO
J.O.C (2001), 66(23), 7883-88。
3. 2−OMe−5−OHCCO
US6194406(96ページ)及びJournal of the American Chemical Society (1985), 107(8), 2571-3。
4. 3−OEt−5−OHCCO
Taiwan Kexue (1996), 49(1), 51-56。
5. 4−OEt−3−OHCCO
WO9626176
6. 2−OEt−4−OHCCO
Takeda Kenkyusho Nempo (1965), 24,221-8。
JP07070025。
7. 3−OEt−4−OHCCO
WO9626176。
8. 3−OPr−2−OHCCO
JP07206658、DE2749518。
9. 4−OPr−2−OHCCO
Farmacia (Bucharest) (1970), 18(8), 461-6。
JP08119959。
10. 2−OPr−5−OHCCOH及び2−OEt−5−OHCCO
ヨウ化プロピル及びヨウ化エチルを使用することにより、US6194406(96ページ)からの合成を適合する。
11. 4−OPr−3−OHCCO
WO9626176からの合成を適合する
12. 2−OPr−4−OHCCO
ハロゲン化プロピルを使用することにより、Takeda Kenkyusho Nempo (1965), 24,221-8からの合成を適合する。
13. 4−OEt−3−OHCCO
Biomedical Mass Spectrometry (1985), 12(4), 163-9。
14. 3−OPr−5−OHCCO
ハロゲン化プロピルを使用することにより、Taiwan Kexue (1996), 49(1), 51-56からの合成を適合する。
【0414】
式LXXI(式中、R及びRの一方は水素であり、他方は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである)の化合物、すなわち、式:
【0415】
【化66】

(LXXI)
【0416】
の化合物は、商業的に入手できるか、又は、以下のような文献中に記載の方法により調製できるかいずれかである:
1. 5−Me−3−OHCCOH及び2−Me−5−OHCCO
WO9619437。
J.O.C. 2001, 66, 7883-88。
2. 2−Me−4−OHCCO
WO8503701。
3. 3−Et−2−OHCCOH及び5−Et−2−OHCCO
J. Med. Chem. (1971), 14(3), 265。
4. 4−Et−2−OHCCO
Yaoxue Xuebao (1998), 33(1), 67-71。
5. 2−Et−6−OHCCOH及び2−n−Pr−6−OHCCO
J. Chem. Soc., Perkin Trans 1 (1979), (8), 2069-78。
6. 2−Et−3−OHCCO
JP10087489及びWO9628423。
7. 4−Et−3−OHCCO
J.O.C. 2001, 66, 7883-88。
WO9504046。
8. 2−Et−5−OHCCO
J.A.C.S (1974), 96(7), 2121-9。
9. 2−Et−4−OHCCOH及び3−Et−4−OHCCO
JP04282345。
10. 3−n−Pr−2−OHCCO
J.O.C (1991), 56(14), 4525-29。
11. 4−n−Pr−2−OHCCO
EP279630。
12. 5−n−Pr−2−OHCCO
J. Med. Chem (1981), 24(10), 1245-49。
13. 2−n−Pr−3−OHCCO
WO9509843及びWO9628423。
14. 4−n−Pr−3−OHCCO
WO9504046。
15. 2−n−Pr−5−OHCCO
合成は、エチル−α−ホルミルバレレートを使用することにより、J.A.C.S (1974), 96(7), 2121-9から適合させることができる。
16. 3−n−Pr−4−OHCCO
Polymer (1991), 32(11) 2096-105。
17. 2−n−Pr−4−OHCCO
3−プロピルフェノールは3−プロピルアニソールへとメチル化でき、次にこれを4−メトキシ−3−ベンズアルデヒドへとホルミル化した。前記アルデヒドをジョーンズ試薬により酸化させて対応する酸を得ることができ、BBrによりメチル基を脱保護すると、標題化合物が得られることになる。
18. 1.3−Et−5−OHCCOH及び3−Pr−n−5−OHCCO
2−エチルアクロレイン及び2−プロピルアクロレインを使用することにより、J.O.C. 2001, 66, 7883-88からの合成を適合する。
【0417】
式I[式中、qは0又は1であり、tは0又は1であり、rは0、1又は2であり、yは0、1、2又は3であり、R及びRの一方は水素であり、他方は、ヒドロキシからなる群から選択される。XはC(O)でありrは0でありtは0であり、XはN(R13)(式中、R13は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである)である]の化合物、すなわち、式:
【0418】
【化67】

(I)
【0419】
(式中、R、R、R及びRは前述のとおり記載される)の化合物は、スキーム25の反応スキームにより調製できる。
【0420】
スキーム25の反応スキームにおいて、
【0421】
【化68】

【0422】
並びに、q、t、r、y及びRは、前述のとおりである。
【0423】
式LXIXの化合物は、ステップ(1−4)の反応に関して本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(25−1)の反応により、式CXXXIIIの化合物に変換できる。ステップ(25−1)の反応を実施するには、そのような脱メチル化反応において従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0424】
式CXXXIIIの化合物は、ステップ(13−2)の反応において本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(25−2)の反応により、式CXXXIV(式中、Rはヒドロキシである)の化合物に変換できる。
【0425】
式CXXXIVの化合物は、式I(式中、R及びRの一方は水素であり、他方はヒドロキシである)の化合物である。
【0426】
抽出、蒸発、クロマトグラフィー及び再結晶化など従来の手法を利用して、全てのステップの生成物を精製できる。
【0427】
Aが、ヒドロキシ基若しくはアミノ基により置換されているフェニルである場合は、適当な保護基を利用することによりそれらの基を保護することが一般に好ましく、そのような保護基は当技術分野で公知である。適当な保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載されている可能性がある。
【0428】
保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載のものなど適当な脱保護試薬を利用することにより、脱保護できる。
【0429】
【化69】

【0430】
式I[式中、qは0又は1であり、tは0又は1であり、rは0、1又は2であり、yは0、1、2又は3であり、R及びRの一方は水素であり、他方は、アミノからなる群から選択される。XはC(O)でありrは0でありtは0であり、XはN(R13)(式中、R13は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである)である]の化合物、すなわち、式:
【0431】
【化70】

(I)
【0432】
(式中、R、R、R及びRは前述のとおり記載される)の化合物は、スキーム26の反応スキームにより調製できる。
【0433】
スキーム26の反応スキームにおいて、
【0434】
【化71】

【0435】
並びに、q、t、r、y及びRは、前述のとおりである。
【0436】
式CXXXVの化合物は、ステップ(13−1)の反応において本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(26−1)の反応により、式CXXXVIの化合物に変換できる。
【0437】
CXXXVIの化合物は、ニトロをアミンに還元することによるステップ(26−2)の反応により、式CXXXVIIの化合物に変換できる。還元剤は、金属(例えば、Zn、Sn、Feなど)及び酸であってもよい。ニトロ基を触媒的水素化により還元して、アミンを得ることもできる。ステップ(26−2)の反応を実施するには、ニトロ基からアミノ基へのそのような還元において従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0438】
式CXXXVIIの化合物は、ステップ(13−2)の反応において本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(26−3)の反応により、式CXXXVIIIの化合物に変換できる。
【0439】
式CXXXVIIIの化合物は、式I(式中、R及びRの一方は水素であり、他方はアミノである)の化合物である。
【0440】
抽出、蒸発、クロマトグラフィー及び再結晶化など従来の手法を利用して、全てのステップの生成物を精製できる。
【0441】
Aが、ヒドロキシ基若しくはアミノ基により置換されているフェニルである場合は、適当な保護基を利用することによりそれらの基を保護することが一般に好ましく、そのような保護基は当技術分野で公知である。適当な保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載されている可能性がある。
【0442】
保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載のものなど適当な脱保護試薬を利用することにより、脱保護できる。
【0443】
【化72】

【0444】
式LXXI(式中、R及びRの一方は水素であり、他方はアミノである)の化合物、すなわち、式:
【0445】
【化73】

(LXXI)
【0446】
(式中、R及びRは前述のとおり記載される)の化合物は、スキーム27の反応により合成できる。
【0447】
スキーム27の反応スキームにおいて、Pは保護基である。
【0448】
式CXXXIXの化合物は、ステップ(14−1)の反応において本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(27−1)の反応により、式CXLの化合物に変換できる。
【0449】
式CXLの化合物は、ステップ(26−2)の反応において本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(27−2)の反応により、式CXLIの化合物に変換できる。
【0450】
式CXLIの化合物は、ステップ(1−4)による脱メチル化反応と、フェノール及びカルボン酸を生成させるためのステップ(1−6)によるエステル加水分解反応とにおいて本明細書中で先に記載のものと同じ様式のスキーム(27−3)の反応により、式CXLIIの化合物に変換できる。
【0451】
式CXLIIの化合物は、式LXXI(式中、R及びRの一方は水素であり、他方はアミノである)の化合物である。
【0452】
抽出、蒸発、クロマトグラフィー及び再結晶化など従来の手法を利用して、全てのステップの生成物を精製できる。
【0453】
及びRの一方がアミノ基により置換されている場合は、適当な保護基を利用することによりそれらの基を保護することが一般に好ましく、そのような保護基は当技術分野で公知である。適当な保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載されている可能性がある。
【0454】
【化74】

【0455】
式LXXI(式中、R及びRの一方は水素であり、他方はヒドロキシである)の化合物、すなわち、式:
【0456】
【化75】

(LXXI)
【0457】
(式中、R及びRは前述のとおり記載される)の化合物は、スキーム28の反応により合成できる。
【0458】
スキーム28の反応スキームにおいて、Pは保護基である。
【0459】
式CXLIの化合物は、ステップ(18−4)の反応において本明細書中で先に記載のものと同じ様式のステップ(28−1)の反応により、式CXLIVの化合物に変換できる。
【0460】
式CXLIVの化合物は、適当な保護基によりフェノールを保護することによるステップ(28−2)の反応により、式CXLVの化合物に変換できる。適当な保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載されている可能性がある。
【0461】
式CXLVの化合物は、ステップ(1−6)の反応において本明細書中で先に記載のものと同じ様式でエステル加水分解してカルボン酸を生成させてからステップ(1−4)の反応において本明細書中で先に記載のものと同じ様式の脱メチル化を行うことによるステップ(28−3)の反応により、式CXLVIの化合物に変換できる。
【0462】
式CXLVIの化合物は、式LXXI(式中、R及びRの一方は水素であり、他方はヒドロキシである)の化合物である。
【0463】
抽出、蒸発、クロマトグラフィー及び再結晶化など従来の手法を利用して、全てのステップの生成物を精製できる。
【0464】
及びRの一方がヒドロキシにより置換されている場合は、適当な保護基を利用することによりそれらの基を保護することが一般に好ましく、そのような保護基は当技術分野で公知である。適当な保護基は、T. GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis中に記載されている可能性がある。
【0465】
【化76】

【0466】
式LXXXVII(式中、R及びRの一方は水素であり、他方は、水素、アミノ、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、1〜2個の炭素原子を有するアルコキシ又は1〜2個の炭素原子を有するアルキルからなる群から選択され、R16は、1〜2個の炭素原子を有するアルキル基である)の化合物、すなわち、式:
【0467】
【化77】

(LXXXVII)
【0468】
(式中、R、R及びR16は前述のとおり記載される)の化合物は、スキーム29の反応スキームにより調製できる。
【0469】
式LXXIの化合物は、式LXXIの化合物をCXLVIIでエステル化することによるステップ(29−1)の反応により、式LXXXVIIの化合物に変換できる。この反応は、触媒(例えば、HSO、TsOHなど)を使用するか、又は脱水剤(例えばジシクロヘキシルカルボジイミドなど)を使用するか、そのいずれかにより実施できる。ステップ(29−1)の反応を実施するには、そのようなエステル化反応において従来用いられる条件のいずれを利用してもよい。
【0470】
【化78】

【0471】
治療法における使用
本発明は、哺乳動物対象における尿酸値を低下させ、又は哺乳動物対象からの尿酸排泄を増加させる方法を提供する。哺乳動物における尿酸値は、任意の従来の測定を用いて定量できる。典型的には、血中尿酸値を定量する。尿酸は、組織中に堆積又は沈殿する結果、蓄積部(例えば痛風結節)となる場合もあり、その蓄積部は血中尿酸濃度を上昇又は低下させることにより影響を受けることもあり、逆に尿酸の循環の一因となることもある。尿酸を減少させるための本発明の方法は、痛風、高尿酸血症、高尿酸血症と診断することが慣例的に正しいとされるレベルに満たない尿酸値上昇、腎臓結石、腎機能不全、心血管疾患、心血管リスク因子及び認知障害などさまざまな状態を治療又は防止するために用いることができる。本発明の化合物を投与すると、尿酸値を低下させることにより、腎臓疾患の進行が遅くなる。尿酸値上昇は心血管疾患のリスク因子として同定されている。高齢者においては、尿酸上昇と認知障害との間に有意な相関が示されている。(Schretlen, D.J. et al., "Serum Uric Acid and Cognitive Function in Community-Dwelling Older Adults", Neuropsychology (Jan. 2007) 21(1): 136-140)。したがって、尿酸を減少させるための本発明の方法は、高齢者における認知障害を含めた認知障害を治療又は防止するために使用できる。レッシュ−ナイハン症候群罹患者は尿酸値が上昇しており、こうした高尿酸血症の多数の結果(痛風など)を患うことはよく知られている。したがって、血中尿酸値を低下させ尿酸の排出を増加させるための本発明は、レッシュ−ナイハン症候群罹患者を治療するために使用できる。
【0472】
血中尿酸の正常範囲は、男性においては3.4mg/dL〜7.0mg/dLの間、閉経前の女性においては2.4mg/dL〜6.0mg/dLの間、小児においては2.5mg/dL〜5.5mg/dLの間である。尿酸結晶の形成/沈殿は、典型的には、男性においては6.6mg/dL以上の値で、女性においては6.0mg/dL以上の値で生じる。このことから、いわゆる正常範囲内にある尿酸値であっても、望ましくない健康上の結果を有することが(痛風を生じさせることすら)あることが示される。さらに、全体の集団にとっては正常範囲であると思われる値であっても、個人にとっては上昇している場合がある。尿酸上昇による心血管及び他の結果は、こうした「正常な」範囲内の血中濃度を伴って生じる場合が相当ある。したがって、高尿酸血症の診断は、本発明の化合物の有益な効果にとっては必ずしも予め必要なものではない。
【0473】
本発明は、痛風、高血圧症、血管炎症、心不全、動静脈障害、心筋梗塞、脳卒中、子癇前症、子癇、睡眠時無呼吸、腎機能不全(腎不全、末期腎疾患[ESRD,end stage renal disease]など)、臓器移植、利尿薬、チアジド、シクロスポリン、アスピリン、ビタミンC、ニコチン酸、レボドパ(L−DOPA,levodopa)、細胞傷害薬及びある種の抗菌剤(ピロジナミド(pyrozinamide)など)、肝硬変、甲状腺機能不全、副甲状腺機能不全、肺癌、貧血症、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、腫瘍溶解症候群、甲状腺又は副甲状腺の機能不全、レッシュ−ナイハン症候群、喫煙、アルコール消費及び乾癬に伴う高尿酸血症の治療を包含する。本発明は、痛風、尿酸結晶の形成、腎機能不全、移植後の生着不全又は臓器不全、内皮障害(炎症など)、慢性心不全、動静脈障害、子癇前症、子癇、高血圧症及び認知障害をもたらす可能性のある高尿酸血症の治療を包含する。痛風を治療するための本発明の方法の実施形態においては、尿酸の組織蓄積部(痛風結節を含むがこれに限定されるものではない)は減少し、痛風の発作の発生及び重症度も低下する。
【0474】
本発明の化合物は、任意の従来の全身投与経路により投与できる。好ましくは、この化合物又はその塩は経口投与される。したがって、この医薬は経口投与用に製剤化されることが好ましい。本発明により用いることができる他の投与経路としては、注射(例えば、静脈内、皮下、筋肉内又は腹膜内の注射)による経直腸的、非経口的な経路、又は経鼻的な経路が挙げられる。
【0475】
本発明の治療の使用及び方法のそれぞれのさらなる実施形態は、前述の化合物の実施形態のいずれか1つを投与することを含む。不必要に冗長になることを避けるため、そのような化合物及び化合物群はそれぞれ繰り返さないが、そうした化合物及び化合物群は、繰り返された場合と同様に、治療の使用及び方法のこの説明中に組み込まれる。
【0476】
ヒト及び非ヒトの哺乳動物対象は両方とも、本発明の治療方法により治療できる。特定の対象のための本発明の特定の化合物の最適用量は、熟練の臨床家により臨床の場において決定できる。経口投与の場合においては、本発明の化合物は、一般に、成人に対し一日用量が1mg〜2500mg、より好ましくは1mg〜1200mgで投与する。本発明の他の実施形態においては、本化合物は、400mg〜1000mg、600mg〜800mg、600mg〜1000mg、又は100〜300mgの用量(1日当たり1回又は2回投与)で投与される。典型的な成人の平均体重は60〜70キログラムであることから、mg/kgとして表される適切な用量範囲は、およそ0.015〜42mg/kg、0.015〜20mg/kg、6.6〜13mg/kg、10〜13mg/kg、10〜16mg/kg、又は1.67〜4.3mg/kgであり、1日当たり1回又は2回投与する。小児を治療するときは、最適用量は患者の医師が決定する。マウスへの経口投与の場合においては、本発明の化合物は、一般には、体重1キログラム当たりの化合物の一日用量1〜300mgで投与する。
【0477】
本発明の化合物は、他の尿酸低下薬と組み合わせて投与できる。そのような場合における本発明の化合物の用量は、前述のとおりである。本発明の化合物と組み合わせて、従来の、又は治験用の任意の尿酸低下薬を利用できる。そのような薬物の例としては、以下が挙げられる:キサンチンオキシダーゼ阻害薬(アロプリノール(100mg/日〜1000mg/日、より典型的には100mg/日〜300mg/日)、フェブキソスタット(40mg/日〜120mg/日、より具体的には60mg/日〜80mg/日)及びオキシプリノールなど);Puricase/PEG−ウリカーゼ(注射により2週間毎に4mg〜12mg);尿酸排泄剤(スルフィンピラゾン(100mg/日〜800mg/日)、プロベネシド(500mg/日)、ロサルタン(25mg/日〜200mg/日、より典型的には50mg/日〜100mg/日)、フェノフィブレート、JTT-552(URAT−1阻害薬)、ベンズブロマロン(70mg/日〜150mg/日)など)及びスタチン(アトルバスタチン(LIPITOR(登録商標))など)。他の尿酸低下薬は、そのような他の薬物の用量の方を低くして投与するか、そのような他の薬物の頻度を低くして投与するか、いずれかにより、その通常量又は通常量未満の量で投与してもよい。
【0478】
本発明の化合物は、痛風発作に伴う疼痛を低下させるために使用される他の薬物、例えば、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID,nonsteroidal antiinflammatory drug)、コルヒチン、コルチコステロイド及び他の鎮痛薬と共に投与できる。
【0479】
血中尿酸値を低下させる過程においては、本発明の化合物により尿中の尿酸値が高まると考えられる。尿のpHを高め、それにより尿酸の可溶性を高めるために、例えば、クエン酸塩又は炭酸水素塩を、本発明の化合物と組み合わせて投与してもよい。
【0480】
本発明の化合物又は塩と、1又は複数の他の尿酸低下薬、鎮痛薬及びpH上昇剤との混合物を対象に投与してもよい。或いは、本発明の化合物又は塩、及び、1又は複数の他の尿酸低下薬、鎮痛薬及びpH上昇剤は、共に混合されて混合物を形成するのではなく、対象に独立に投与される。活性成分を共に混合して単一の混合物又は組成物を形成しないときは、活性成分を、1又は複数単位の経口用量の本発明の化合物と、1又は複数単位の経口用量の1又は複数の他の尿酸低下薬、鎮痛薬及びpH上昇剤と、本発明の化合物を他の活性成分と組み合わせて投与するための取扱説明書とを備えるキットの形態で提供すると便利である。好ましくは、キットの構成要素は、箱又はブリスターパックなどに入った形で、一緒に包装される。
【0481】
医薬組成物
本発明は、本発明の化合物と、任意選択で薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。本発明の医薬組成物のさらなる実施形態は、前述の化合物の実施形態のいずれか1つを含む。不必要に冗長になることを避けるため、そのような化合物及び化合物群はそれぞれ繰り返さないが、そうした化合物及び化合物群は、繰り返された場合と同様に、医薬組成物のこの説明中に組み込まれる。
【0482】
好ましくは、この組成物は、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、ハード又はソフトタイプのゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の形態で経口投与用に構成される。一般に、この経口組成物は、1mg〜2500mg、より好ましくは1mg〜1200mgの本発明の化合物を含むことになる。本発明のさらに特定の実施形態においては、本経口組成物は、400mg〜1000mg、600mg〜800mg、600mg〜1000mg、又は100〜300mgの本発明の化合物を含むことになる。対象にとっては、1日当たり1又は2個の錠剤、コーティング錠、糖衣錠又はゼラチンカプセル剤を飲みこむことは手軽である。しかし、この組成物は、例えば坐剤の形態での経直腸投与、例えば注射液剤の形態での非経口投与、又は経鼻投与など、任意の他の従来の全身投与手段による投与用に構成することもできる。
【0483】
この活性成分は、医薬組成物の作製のために、薬学上不活性な無機又は有機の担体を用いて加工してもよい。乳糖、トウモロコシデンプン又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩などを、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠及びハードゼラチンカプセル剤用のそのような担体として使用できる。ソフトゼラチンカプセル剤用の適当な担体は、例えば、植物油、蝋、脂肪、半固体及び液体のポリオールなどである。しかし、活性成分の性質によっては、ソフトゼラチンカプセルの場合においては、ソフトゼラチン自体以外の担体は通常必要ではない。液剤及びシロップ剤の作製用の適当な担体は、例えば、水、ポリオール、グリセロール、植物油などである。坐剤用の適当な担体は、例えば、天然又は硬化タイプの油、蝋、脂肪、半液体又は液体のポリオールなどである。
【0484】
この医薬組成物は、さらに、保存剤、可溶化剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、香味剤、浸透圧を変化させるための塩、緩衝剤、コーティング剤又は抗酸化剤を含有してもよい。
【0485】
本発明は、以下の実施例を参照することによりさらによく理解されると思われるが、この実施例は、本明細書中に記載の本発明を例証するものであるが、これを限定するものではない。
[実施例]
【実施例1】
【0486】
化合物EJの合成
【0487】
【化79】

【0488】
3−((3−(1H−テトラゾール−5−イル)フェノキシ)メチル)−2,4−ジメチルフェノール
ステップA:3−(3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2,6−ジメチルベンジルオキシ)ベンゾニトリルの調製:
乾燥THF(15ml)中の(3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2,6−ジメチルフェニル)メタノール(1.40g、5.2mmol)及びアゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD,diisopropyl azodicarboxylate、1.16g、5.7mmol)の溶液を、THF(30ml)中の3−ヒドロキシベンゾニトリル(.688g、5.7mmol)及びトリフェニルホスフィン(1.50g、5.7mmol)の溶液に0℃で滴加した。この反応混合物を室温で4時間、又は出発物質が消費されるまで撹拌し、酢酸エチルで希釈し、水及びブラインで洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラム(hex:酢酸エチル、4:1)を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):.21(s,3H);1.01(s,9H);2.23(s,3H);2.31(s,3H);5.0(s,2H);6.74〜6.76(d,1H);6.9(d,1H);7.26〜7.29(m,3H);7.4(t,1H)。
【0489】
ステップB:3−((3−(1H−テトラゾール−5−イル)フェノキシ)メチル)−2,4−ジメチルフェノールの調製:
乾燥DMF(20ml)中の、3−(3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2,6−ジメチルベンジルオキシ)ベンゾニトリル(ステップA、1.88g、5.11mmol)とアジ化ナトリウム(0.432g、6.64mmol)と塩化アンモニウム(0.355g、6.64mmol)との混合物を、アルゴン下で90℃にて16時間、又は、出発物質が全て消費されるまで加熱し、この反応混合物を冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した(4X)。有機層を合わせたものをブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラム(クロロホルム:メタノール、8:2)を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を得た。
H NMR(400MHz,d−DMSO):2.13(s,3H);2.22(s,3H);5.07(s,2H);5.78(s,1H);6.74〜6.76(d,1H);6.9(d,1H);7.26〜7.29(d,1H);7.4(t,1H)7.8(m,2H);9.14(s,1H)。
【実施例2】
【0490】
化合物EKの合成
【0491】
【化80】

【0492】
2−(3−(3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジルオキシ)−4−メチルフェニル)酢酸
ステップA:2−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)酢酸の調製:
無水エタノール(25ml)中の2−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)アセトニトリル(5g、31mmol)の撹拌溶液に、室温で2M NaOH(20ml)を加え、16時間、又は、出発物質が消費されるまで反応混合物を還流させた。反応混合物を濃縮し、クロロホルム中で希釈し、1N HClを加えることによりpHを4に調節した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、オフホワイトの固形物を得た。この固形物をヘキサンで洗浄し、濾過し、真空下で乾燥させて、シリカゲルカラム(クロロホルム:メタノール、95:5)を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):2.19(s,3H);3.62(s,2H);3.82(s,3H);6.74(m,2H);7.14(d,1H)。
【0493】
ステップB:エチル2−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)アセテートの調製:
エタノール(100ml)中の2−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)酢酸(ステップA、4.64g、25.7mmol)の撹拌溶液に、アルゴン下で室温にてp−TsOH(0.7g、3.7mmol)を加え、12時間、又は、出発物質が全て消費されるまで反応混合物を還流させ、濃縮し、EtOAc中で希釈し、.1N HCl、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル、2:1)を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):1.25(t,3H);2.10(s,3H);3.57(s,2H);3.82(s,3H);4.14(q,2H);6.76(m,2H);7.14(d,1H)。
【0494】
ステップC:エチル2−(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)アセテートの調製:
塩化メチレン(30ml)中のエチル2−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)アセテート(ステップB、4.12g、19.8mmol)の撹拌溶液に、アルゴン下で−78℃にてBBr溶液(CHCl中に1M、25ml)を滴加し、30分後に冷浴を氷浴に置き換えて、反応混合物を同じ温度で2時間、次いで室温で30分撹拌した。氷を追加することにより反応混合物をクエンチし、水及びブラインで洗浄することにより仕上げた。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル、2:1)を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、油としての標題化合物を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):1.23(t,3H);2.21(s,3H);3.52(s,2H);4.13(q,2H);6.72(m,2H);7.14(d,1H)。
【0495】
ステップD:2,6−ジメチル−3−ニトロ安息香酸の調製:
ニトロメタン(150ml)中の2,6−ジメチル安息香酸(15g、99.8mmol)の撹拌溶液に、0℃で70%HNO(18.9ml)を、次いでHSO(14ml)を滴加した。反応混合物を室温で21時間撹拌し、濃縮してから酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し(3X)、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラム(クロロホルム:メタノール、92.5:7.5)を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、固形物としての標題化合物を得た。
H NMR(400MHz,d−DMSO):2.33(s,3H);2.37(s,3H);7.34〜7.36(d,1H);7.86〜7.88(d,1H)。
【0496】
ステップE:メチル2,6−ジメチル−3−ニトロベンゾエートの調製:
乾燥DMF(50ml)中の、2,6−ジメチル−3−ニトロ安息香酸(ステップD、10g、51.3mmol)とKCO(14.16g、102mmol)との撹拌溶液に、ヨードメタン(33g、231mmol)をアルゴン下で0℃にて加えた。反応混合物を周囲温度で16時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、水(2X)及びブラインで洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル、2:1)を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を得た。
H NMR(400MHz,d−DMSO):2.28(s,3H);2.32(s,3H);3.83(s,3H);7.34〜7.36(d,1H);7.91〜7.93(d,1H)。
【0497】
ステップF:メチル3−アミノ−2,6−ジメチルベンゾエートの調製:
無水エタノール(100ml)中のメチル2,6−ジメチル−3−ニトロベンゾエート(ステップE、11g、52.6mmol)の撹拌溶液に、塩化スズ(II)二水和物(59.34g、263mmol)を加え、反応混合物を80℃で2時間、又は、出発物質が全て消費されるまで加熱した。反応混合物を冷却し、5N NaOHを加えることにより、反応のpHを5に調節した。固形物を濾過し、酢酸エチルで洗浄した(3X)。有機層を水、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラム(クロロホルム:メタノール、95:5)を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、固形物としての標題化合物を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):2.08(s,3H);2.19(s,3H);3.90(s,3H);6.67〜6.69(d,1H);6.84〜6.94(d,1H)。
【0498】
ステップG:メチル3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンゾエートの調製:
濃HSO(10.33ml)及び水(38ml)中のメチル3−アミノ−2,6−ジメチルベンゾエート(ステップF、6.82g、38mmol)の溶液を加熱して均質な溶液とし、0℃に冷却して水(96ml)を加えた。反応混合物に、水(6ml)中のNaNO(2.68g、38.8mmol)の溶液を0℃で滴加してから、混合物を同じ温度で30分間撹拌させた。
【0499】
前記のジアゾニウム反応混合物を、濃HSO(40ml)と水(60ml)との加熱した溶液に滴加し、反応混合物をさらに20〜25分かけて120℃に加熱し、室温に冷却してから、酢酸エチルで抽出した(4X)。有機層を合わせたものをブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル、2:1)を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、油としての標題化合物を得た。
H NMR(400MHz,d−DMSO):1.96(s,3H);2.07(s,3H);3.80(s,3H);6.73〜6.75(d,1H);6.84〜6.86(d,1H);9.38(s,1H)。
【0500】
ステップH:メチル3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2,6−ジメチルベンゾエートの調製:
乾燥DMF中の、メチル3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンゾエート(ステップG、1.55g、8.6mmol)とイミダゾール(0.644g、9.4mmol)との撹拌溶液に、tert−ブチルジメチルシリルクロリド(1.414g、9.4mmol)を0℃で加えた。反応混合物を、同じ温度で4時間、又は、出発物質が全て消費されるまで撹拌し、酢酸エチル(100ml)で希釈し、水(2X)、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラム(ヘキサン:エーテル、5:1)を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を得た。
H NMR(400MHz,d−DMSO):.17(s,6H);.95(s,9H);2.02(s,3H);2.11(s,3H);3.81(s,3H);6.73〜6.75(d,1H);6.84〜6.86(d,1H)。
【0501】
ステップI:(3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2,6−ジメチルフェニル)メタノールの調製:
乾燥THF(15ml)中のメチル3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2,6−ジメチルベンゾエート(ステップH、1.63g、5.5mmol)の撹拌溶液に、LiAlH溶液(THF中1M、6.1ml)を0℃で滴加した。同じ温度で4時間撹拌した後、別の分量のLiAlH(1.5ml)を加えた。この反応混合物を1時間さらに撹拌し、氷冷水でゆっくりクエンチし、濾過した。その結果得られる固形物を酢酸エチルで洗浄し(3X)、有機層を合わせたものをブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル、2:1)を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を得た。
H NMR(400MHz,d−DMSO):.14(s,6H);.95(s,9H);2.17(s,3H);2.24(s,3H);4.4(s,2H);4.6(t,1H);6.6(d,1H);6.8(d,1H)。
【0502】
ステップJ:エチル2−(3−(3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2,6−ジメチルベンジルオキシ)−4−メチルフェニル)アセテートの調製:
THF(10ml)中の(3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2,6−ジメチルフェニル)メタノール(ステップI、1.86g、7mmol)及びアゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD,diisopropyl azodicarboxylate、1.54g、7.6mmol)の溶液を、THF(30ml)中のエチル2−(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)アセテート(ステップC、1.47g、7.6mmol)及びトリフェニルホスフィン(1.99g、7.6mmol)の溶液に0℃で滴加した。室温で4時間、反応混合物を撹拌し、エーテルで希釈し、水及びブラインで洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラム(hex:酢酸エチル、2:1)を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):.21(s,6H);1.0(s,9H);1.27(t,3H);2.12(s,3H);2.24(s,3H);2.32(s,3H);3.61(s,2H);4.3(q,2H);4.99(s,2H);6.7(d,1H);6.8(d,1H);6.9(m,2H);7.1(d,1H)。
【0503】
ステップK:エチル2−(3−(3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジルオキシ)−4−メチルフェニル)アセテートの調製:
乾燥THF(20ml)中のエチル2−(3−(3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2,6−ジメチルベンジルオキシ)−4−メチルフェニル)アセテート(ステップJ、2.24g、5.0mmol)の撹拌溶液に、TBAF溶液(THF中1M、6ml)を0℃で加え、0℃の温度で20分撹拌した後、氷浴を取り除き、出発物質が全て消費されるまで撹拌を続けた。反応混合物を濃縮し、シリカゲルカラム(hex:酢酸エチル、2:1)を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):1.27(t,3H);2.13(s,3H);2.26(s,3H);2.32(s,3H);3.61(s,2H);4.3(q,2H);4.99(s,2H);6.7(d,1H);6.8(d,1H);6.9(m,2H);7.1(d,1H)。
【0504】
ステップL:2−(3−(3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジルオキシ)−4−メチルフェニル)酢酸の調製:
無水エタノール(35ml)中のエチル2−(3−(3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジルオキシ)−4−メチルフェニル)アセテート(ステップK、1.34g、4mmol)の撹拌溶液に、室温にて1N NaOH(15ml)を添加した。3時間、又は、出発物質が全て消費されるまで反応混合物を撹拌し、濃縮し、クロロホルムで希釈し、1M HClにより酸性化してpHを3.5〜4とした。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラム(クロロホルム:メタノール、95:5、酢酸を添加)を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、白色の固形物としての標題化合物を得た。
H NMR(400MHz,d−DMSO):2.0(s,3H);2.19(s,3H);2.27(s,3H);3.52(s,2H);4.94(s,2H);6.69〜6.73(m,2H);6.75〜6.85(m,1H);7.03〜7.05(m,2H);9.11(s,1H);12.2(s,1H)。
【実施例3】
【0505】
比較例3
化合物ELの合成
【0506】
【化81】

【0507】
3−((5−(カルボキシメチル)−2−メチルフェノキシ)メチル)−2,4−ジメチルフェニルサルフェート
ステップA:3−((5−(カルボキシメチル)−2−メチルフェノキシ)メチル)−2,4−ジメチルフェニルサルフェートの調製:
ピリジン(20ml)中の2−(3−(3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジルオキシ)−4−メチルフェニル)酢酸(PN2123)(0.608g、2.0mmol)の撹拌溶液に、SO.ピリジン錯体(0.966g、6.0mmol)を室温で加え、反応混合物を24時間撹拌した。この反応混合物に、固体のNaHCO(0.850g、10mmol)を加え、さらに30分間撹拌を続けた。反応混合物を濾過し、濃縮し、シリカゲルカラム(クロロホルム:メタノール、8:2、酢酸を加えたもの)を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、白色の固形物としての標題化合物を得た。
H NMR(400MHz,d−DMSO):2.0(s,3H);2.11(s,3H);2.21(s,3H);3.46(s,2H);4.95(s,2H);6.73〜6.75(d,1H);6.95〜7.0(m,3H);7.21〜7.24(m,1H);12.2(s,1H)。
【実施例4】
【0508】
化合物EMの合成
【0509】
【化82】

【0510】
2−(3−(3−メトキシ−2,6−ジメチルベンジルオキシ)−4−メチルフェニル)酢酸
ステップA:メチル3−メトキシ−2,6−ジメチルベンゾエートの調製:
乾燥DMF(10ml)中の、メチル3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンゾエート(1.60g、8.9mmol)とKCO(2.45g、17.7mmol)との撹拌溶液に、ヨードメタン(5.04g、35.5mmol)をアルゴン下で0℃にて加えた。反応混合物を周囲温度で16時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、水(2X)及びブラインで洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル、4:1)を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を得た。
H NMR(400MHz,d−DMSO):2.15(s,3H);2.22(s,3H);3.80(s,3H);3.90(s,3H);6.78(d,1H);7.0(d,1H)。
【0511】
ステップB:(3−メトキシ−2,6−ジメチルフェニル)メタノールの調製:
乾燥THF(15ml)中のメチル3−メトキシ−2,6−ジメチルベンゾエート(ステップA、1.32g、6.8mmol)の撹拌溶液に、LiAlH溶液(THF中1M、8.16ml)を0℃で滴加した。同じ温度で4時間撹拌した後、別の分量のLiAlH(2ml)を加えた。反応混合物を1時間さらに撹拌し、氷冷水でゆっくりクエンチし、濾過した。その結果得られる固形物を酢酸エチルで洗浄し(3X)、有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル、2:1)を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、固形物としての標題化合物を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):2.30(s,3H);2.37(s,3H);3.80(s,3H);4.74(s,2H);6.78(d,1H);7.0(d,1H)。
【0512】
ステップC:エチル2−(3−(3−メトキシ−2,6−ジメチルベンジルオキシ)−4−メチルフェニル)アセテートの調製:
乾燥THF(10ml)中の(3−メトキシ−2,6−ジメチルフェニル)メタノール(ステップB、.554g、3.3mmol)及びアゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD,diisopropyl azodicarboxylate、.673g、3.3mmol)の溶液を、乾燥THF(20ml)中のエチル2−(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)アセテート(.589g、3.0mmol)及びトリフェニルホスフィン(.868g、3.3mmol)の溶液に0℃で滴加した。反応混合物を室温で4時間撹拌し、エーテルで希釈し、水及びブラインで洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラム(hex:酢酸エチル、2:1)を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):1.27(t,3H);2.12(s,3H);2.26(s,3H);2.34(s,3H);3.61(s,2H);3.82(s,3H);4.17(q,2H);5.0(s,2H);6.7(m,1H);6.8(d,1H);6.9(m,2H);7.1(d,1H)。
【0513】
ステップD:2−(3−(3−メトキシ−2,6−ジメチルベンジルオキシ)−4−メチルフェニル)酢酸の調製:
無水エタノール(15ml)中のエチル2−(3−(3−メトキシ−2,6−ジメチルベンジルオキシ)−4−メチルフェニル)アセテート(ステップC、.578g、1.7mmol)の撹拌溶液に、室温で1N NaOH(5ml)を加えた。3時間、又は、出発物質が全て消費されるまで反応混合物を撹拌し、濃縮し、クロロホルムで希釈し、1M HClにより酸性化してpHを3.5〜4とした。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラム(クロロホルム:メタノール、95:5、酢酸を添加)を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、白色の固形物としての標題化合物を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):2.13(s,3H);2.25(s,3H);2.39(s,3H);3.67(s,2H);3.82(s,3H);5.0(s,2H);6.8(m,2H);6.94(m,1H);7.1〜7.15(m,2H)。
【実施例5】
【0514】
化合物ENの合成
【0515】
【化83】

【0516】
2−(3−(2,6−ジメチル−3−ニトロベンジルオキシ)フェニル)酢酸
ステップA:(2,6−ジメチル−3−ニトロフェニル)メタノールの調製:
乾燥THF(20ml)中の2,6−ジメチル−3−ニトロ安息香酸(2g、10.2mmol)の撹拌溶液に、THF(33ml)中の1M BHの溶液を加えた。反応混合物を4時間かけて75℃に、又は、出発物質が全て消費されるまで加熱してから、氷冷水で非常にゆっくりクエンチし、濃縮し、酢酸エチルで希釈した。有機層を1M HCl、水、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラム(クロロホルム:メタノール、95:5)を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、白色の固形物としての標題化合物を得た。
H NMR(400MHz,d−DMSO):2.40(s,3H);2.42(s,3H);4.54(s,2H);7.21(d,1H);7.65(d,1H)。
【0517】
ステップB:エチル2−(3−(2,6−ジメチル−3−ニトロベンジルオキシ)フェニル)アセテートの調製:
乾燥THF(5ml)中の(2,6−ジメチル−3−ニトロフェニル)メタノール(ステップA、.174g、1mmol)及びアゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD,diisopropyl azodicarboxylate、.211g、1mmol)の溶液を、THF(10ml)中のエチル2−(3−ヒドロキシフェニル)アセテート(.190g、10.5mmol)及びトリフェニルホスフィン(.274g、10mmol)の溶液に0℃で滴加した。反応混合物を室温で4時間撹拌し、エーテルで希釈し、水及びブラインで洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラム(hex:酢酸エチル、2:1)を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を得た。
【0518】
ステップC:2−(3−(2,6−ジメチル−3−ニトロベンジルオキシ)フェニル)酢酸の調製:
無水エタノール(15ml)中のエチル2−(3−(2,6−ジメチル−3−ニトロベンジルオキシ)フェニル)アセテート(ステップB、.180g、.5mmol)の撹拌溶液に、室温で1N NaOH(5ml)を加えた。3時間、又は、出発物質が全て消費されるまで反応混合物を撹拌し、濃縮し、クロロホルムで希釈し、1M HClにより酸性化してpHを3.5〜4とした。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラム(クロロホルム:メタノール、95:5、酢酸を添加)を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、白色の固形物としての標題化合物を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):2.47(s,3H);2.50(s,3H);3.65(s,2H);5.0(s,2H);6.94(m,3H);7.18(m,1H);7.25(m,1H);7.70〜7.73(d,1H)。
【実施例6】
【0519】
URAT1阻害アッセイ
URAT1(尿酸輸送体1,Uric Acid Transporter 1)は、腎尿細管中の頂端膜上で発現する。URAT1は、尿から血中への尿酸の再取込みを媒介する。URAT1を阻害すると、尿中の尿酸の排泄の増加、したがって、血清尿酸濃度を低下させる薬物に対する潜在的様式の作用がもたらされる。例えば、プロベネシド及びベンズブロマロンは、痛風及び高尿酸血症の治療に臨床的に使用されており、これらの薬物は両方ともURAT1に作用して尿酸の再取込みを減少させる。しかし、ベンズブロマロンは、URAT1とは無関係の機序による肝毒性を理由に市場から引き揚げられ、プロベネシドは、多数の輸送タンパク質に作用する結果、さまざまな他の薬物と相互作用する。
【0520】
インビトロでのURAT1アッセイは、血清尿酸の減少において強力な活性を有する化合物を同定するには有用である。適当なアッセイには、細胞(例えば、ヒト胚腎細胞「HEK,human embryonic kidney」)に、ヒトURAT1をコードするベクターを形質移入し、次いで、放射線標識した尿酸を取り込む形質移入細胞の能力を定量することが含まれる。URAT1阻害薬としての化合物の活性は、形質移入細胞による尿酸取込みを遮断する能力により評価される。
【0521】
試験化合物及び化学薬品:
ベンズブロマロン(Sigma社製, Cat.No.B5774)、プロベネシド(Sigma社製, Cat.No.P8761)、DMSO(Sigma社製, Cat.No.D-2650)、[8−14C]尿酸(50〜60mCi/mmol、American Radio Chemicals社製, Cat. No. ARC0513)。
【0522】
発現ベクター中へのhURAT1のサブクローニング:
hURAT1 cDNAを含有するプラスミドベクターpCMV6−XL5(Cat. No. SC125624)と、発現ベクターpCMV6−Neo(Cat. No.pCMVNEO)とをOriGene Technologies, Inc.社から入手した。完全長のhURAT1 cDNAをベクターpCMV6−XL5から得て、これを発現ベクターpCMV6−Neo中にサブクローニングして、hURAT1発現プラスミドpCMV6−hURAT1を創出した。自動DNA配列決定法により配列を検証した。
【0523】
URAT1発現プラスミドの細胞培養、形質移入、及び、hURATlを安定して発現するHEK細胞の確立:
10%FBS及び2mM L−グルタミンを添加したEMEM中でヒト胚腎(HEK,Human embryonic kidney)293細胞(ATTCC, Cat No. CRL-1573)を培養し、37℃、5% COの条件でインキュベートした。形質移入実験のために、60mmの皿上に1皿当たり培地1mlで細胞を播いた。18〜24時間のインキュベーション後、メーカーの取扱説明書に従ってリポフェクチン形質移入剤を用いて(Invitrogen社製, Cat.No.18292)、細胞にプラスミドpCMV6−hURAT1又は発現ベクターpCMV6−Neoを形質移入した。形質移入後、EMEM培地中で72時間細胞を培養し、次いで、1mg/mlのゲネチシン(GIBCO社製, Cat. No 10131)を加えることにより、安定な形質移入体を選抜した。逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR,reverse transcription polymerase chain reaction)法を用いて、hURAT1を発現する安定な形質移入体(以後、本明細書中ではhURAT1−HEK細胞と呼ぶ)、又は、発現ベクターpCMV6−Neoのみを有する細胞(以後、本明細書中ではmock−HEK細胞と呼ぶ)を検証した。
【0524】
[8−14C]尿酸取込みアッセイ:
hURAT1−HEK細胞及びmock−HEK細胞を、EMEM培地中3×10の濃度でポリ−D−リシン細胞培養24ウェルプレート(Becton Dickinson社製, Cat. No.354414)中に播き、一晩インキュベートした。[8−14C]尿酸(55mCi/mmol)を含有する反応溶液を最終濃度50μMで、125mMグルコン酸ナトリウム、4.8mMグルコン酸カリウム、1.3mMカルシウム、5.6mMグルコース、1.2mM硫酸マグネシウム、1.2mM KHPO及び25mM HEPES(pH7.4)を含有するハンクス平衡塩溶液(HBSS,Hanks’ balanced salt solution)中の、試験化合物を入れたものと入れないものとを調製した。取込みアッセイが開始する前に、培養培地を除去し、細胞をHBSS0.6ml中で5分間インキュベートした。その後HBSSを除去し、調製済の反応溶液を各ウェル中に加え、室温で5分間インキュベートした。次いで反応溶液を除去し、冷HBSS0.6mlで細胞を2回洗浄し、0.1M NaOH0.2mlで20分間溶解させた。シンチレーション液(Opti Phase SuperMIX, PerkinElmer社製, Cat No. 1200-439)1mlの入ったシンチレーションバイアル中に細胞溶解物を移し、Microbeta計数装置(1450, Wallac Jet, PerkinElmer社製)中で放射能を計数した。試験化合物をDMSO中で溶解させ、試験化合物の入っていないmock−HEK細胞及びhURAT1−HEK細胞のウェル中に同じ濃度のDMSOを加えた。各試験化合物について、取込みアッセイを2回実施し、3連で実施した。各試験条件についての細胞の尿酸取込みを、DMSO対照と比較した平均阻害率(%)として示した。DMSOの入っているウェルについて得た放射能値を、細胞の100%取込みとして採用した。観察された濃度−阻害率(%)データをS字濃度−効果モデル:
阻害(%)=(100濃度^勾配)/(IC50^勾配+濃度^勾配)
に当てはめた。
Data Analysis Toolbox(商標)(MDL Information Systems社製, San Leandro, CA, USA)を用いた非線形最小二乗回帰分析により、IC50及び勾配の推定値とその95%信頼限界とを定量した。
【0525】
URAT1阻害薬としての化合物の活性を評価するために、尿酸取込みの阻害率(%)を、典型的には、10マイクロモル(表1)及び100マイクロモル(表2)の薬物濃度で評価した。IC−50値の定量のために、いくつかの化合物の追加的な薬物濃度を試験した(表3)。この実施例では、化合物は必ずしも同時に試験しなかった。
【0526】
【表1】

【0527】
【表2】

【0528】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】


[式中、
及びRは、水素、ハロ、1又は2個の炭素原子を有するアルキル、ペルフルオロメチル、1又は2個の炭素原子を有するアルコキシ、ペルフルオロメトキシ、ヒドロキシ及びアミノからなる群から独立に選択され、
及びRの一方は水素であり、他方は、ヒドロキシ、1又は2個の炭素原子を有するアルコキシ、ニトロ、1又は2個の炭素原子を有するアルキル、アミノ、ハロ及びシアノからなる群から選択され、
tは0又は1であり、
qは0又は1であり、
rは0、1又は2であり、
Xは、C(O)でありrは0でありtは0であるか、又は、XはN(R13)(式中、R13は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである)であり、
及びRの一方は水素であり、他方は、水素、1又は2個の炭素原子を有するアルキル、ヒドロキシ、1又は2個の炭素原子を有するアルコキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ及びアミノからなる群から選択され、

【化2】

又は


であり、
yは0、1、2又は3であり、
mは0、1、2、3又は4であり、
nは0又は1であり、
は水素、メチル若しくはエチルでありRは水素若しくはメチルであるか、又は、RはヒドロキシでありRは水素であるか、又は、RはOでありRは存在しないか、又は、RとRとは一緒になってCHCHであり、
10及びR11の一方は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルであり、他方は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルであり、
12は、水素、又は、1〜3個の炭素原子を有するアルキルである]で表される化合物、
或いは、R12が水素であるとき、前記化合物の薬学的に許容される塩。
【請求項2】
がメチルであり、Rがメチルであり、tが0であり、qが0であり、rが1であり、Rが水素又はメチルであり、Rが水素である、請求項1に記載の化合物又は塩。
【請求項3】

【化3】


である、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
3−((3−(1H−テトラゾール−5−イル)フェノキシ)メチル)−2,4−ジメチルフェノールである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】

【化4】


(式中、Rは水素であり、Rは水素であり、mは1であり、nは0である)である、請求項2に記載の化合物又は塩。
【請求項6】
化合物が、
2−(3−(3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジルオキシ)−4−メチルフェニル)酢酸;
2−(3−(3−メトキシ−2,6−ジメチルベンジルオキシ)−4−メチルフェニル)酢酸;及び
2−(3−(2,6−ジメチル−3−ニトロベンジルオキシ)フェニル)酢酸
からなる群から選択される、請求項5に記載の化合物又は塩。
【請求項7】
哺乳動物対象の血中の尿酸濃度を低下させ、又は前記対象からの尿酸排泄を増加させる方法であって、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物又は塩を、前記対象の血中の尿酸濃度を低下させ、又は前記対象からの尿酸排泄を増加させるのに有効な量で前記対象に投与することを含む方法。
【請求項8】
痛風、高尿酸血症、高尿酸血症と診断することが慣例的に正しいとされるレベルに満たない尿酸値上昇、腎機能不全、腎臓結石、心血管疾患、心血管疾患発症リスク、腫瘍溶解症候群、認知障害、早発性本態性高血圧症、及び熱帯熱マラリア原虫により引き起こされる炎症からなる群から選択される状態を治療又は防止するための、請求項7に記載の方法を含む方法。
【請求項9】
対象がヒトである、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
対象の血中の尿酸濃度を低下させ、又は前記対象からの尿酸排泄を増加させるのに有効な組合せ量で1又は2以上の他の尿酸低下薬を前記対象に投与することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
他の尿酸低下薬が、キサンチンオキシダーゼ阻害薬、尿酸排泄剤、尿酸輸送体−1阻害薬、ウリカーゼ及びスタチンからなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
他の尿酸低下薬が、単独で投与される場合の通常の治療用量未満の量で投与される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
化合物又は塩と1又は2以上の他の尿酸低下薬とが共に混合されて混合物を形成し、前記混合物が対象に投与される、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
化合物又は塩と1又は2以上の他の尿酸低下薬とが、共に混合されて混合物を形成するのではなく、対象に個別に投与される、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
化合物又は塩が経口投与用に製剤化される、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
哺乳動物対象の血中の尿酸濃度を低下させ、又は前記対象からの尿酸排泄を増加させるうえで使用するための、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物又は塩。
【請求項17】
経口投与される、請求項16に記載の使用のための化合物又は塩。
【請求項18】
使用が、痛風、高尿酸血症、高尿酸血症と診断することが慣例的に正しいとされるレベルに満たない尿酸値上昇、腎機能不全、腎臓結石、心血管疾患、心血管疾患発症リスク、腫瘍溶解症候群、認知障害、早発性本態性高血圧症、及び熱帯熱マラリア原虫により引き起こされる炎症からなる群から選択される状態の治療又は防止をもたらす、請求項16に記載の使用のための化合物又は塩。
【請求項19】
対象の血中の尿酸濃度を低下させ、又は前記対象からの尿酸排泄を増加させるのに有効な組合せ量で1又は2以上の他の尿酸低下薬と組み合わせて投与される、請求項16に記載の使用のための化合物又は塩。
【請求項20】
他の尿酸低下薬が、キサンチンオキシダーゼ阻害薬、尿酸排泄剤、尿酸輸送体−1阻害薬、ウリカーゼ及びスタチンからなる群から選択される、請求項19に記載の使用のための化合物又は塩。
【請求項21】
他の尿酸低下薬が、単独で投与される場合の通常の治療用量未満の量で投与される、請求項19に記載の使用のための化合物又は塩。
【請求項22】
1又は2以上の他の尿酸低下薬と混合物の形態で共に混合されている、請求項19に記載の使用のための化合物又は塩。
【請求項23】
1又は2以上の他の尿酸低下薬と混合物の形態で共に混合されていない、請求項19に記載の使用のための化合物又は塩。
【請求項24】
哺乳動物対象の血中の尿酸濃度を低下させ、又は前記対象からの尿酸排泄を増加させるための医薬の製造における、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物又は塩の使用。
【請求項25】
医薬が経口投与用に製剤化される、請求項24に記載の使用。
【請求項26】
量が、哺乳動物対象に医薬を投与した結果、痛風、高尿酸血症、高尿酸血症と診断することが慣例的に正しいとされるレベルに満たない尿酸値上昇、腎機能不全、腎臓結石、心血管疾患、心血管疾患発症リスク、腫瘍溶解症候群、認知障害、早発性本態性高血圧症、及び熱帯熱マラリア原虫により引き起こされる炎症からなる群から選択される状態を治療又は防止するように選択される、請求項24に記載の使用。
【請求項27】
医薬が、対象の血中の尿酸濃度を低下させ、又は前記対象からの尿酸排泄を増加させるのに有効な組合せ量で1又は2以上の他の尿酸低下薬と組み合わせて投与するように製剤化される、請求項24に記載の使用。
【請求項28】
他の尿酸低下薬が、キサンチンオキシダーゼ阻害薬、尿酸排泄剤、尿酸輸送体−1阻害薬、ウリカーゼ及びスタチンからなる群から選択される、請求項27に記載の使用。
【請求項29】
他の尿酸低下薬が、単独で投与される場合の通常の治療用量未満の量で投与される、請求項27に記載の使用。
【請求項30】
医薬が、化合物又は塩と1又は2以上の他の尿酸低下薬とを、混合物の形態で共に混合された状態で含む、請求項27に記載の使用。
【請求項31】
化合物又は塩と1又は2以上の他の尿酸低下薬とが、混合物の形態で共に混合されていない、請求項27に記載の使用。
【請求項32】
哺乳動物対象の血中の尿酸濃度を低下させ、又は前記対象からの尿酸排泄を増加させるうえで使用するための医薬組成物であって、薬学的に許容される担体と、前記対象の血中の尿酸濃度を低下させ、又は前記対象からの尿酸排泄を増加させるのに有効な量の請求項1〜6のいずれかに記載の化合物又は塩とを含む医薬組成物。
【請求項33】
痛風、高尿酸血症、高尿酸血症と診断することが慣例的に正しいとされるレベルに満たない尿酸値上昇、腎機能不全、腎臓結石、心血管疾患、心血管疾患発症リスク、腫瘍溶解症候群、認知障害、早発性本態性高血圧症、及び熱帯熱マラリア原虫により引き起こされる炎症からなる群から選択される状態を治療又は防止するうえで使用するための、請求項32に記載の医薬組成物。
【請求項34】
対象の血中の尿酸濃度を低下させ、又は前記対象からの尿酸排泄を増加させるのに有効な組合せ量で1又は2以上の他の尿酸低下薬と組み合わせて投与するように製剤化される、請求項32に記載の医薬組成物。
【請求項35】
他の尿酸低下薬が、キサンチンオキシダーゼ阻害薬、尿酸排泄剤、尿酸輸送体−1阻害薬、ウリカーゼ及びスタチンからなる群から選択される、請求項34に記載の医薬組成物。
【請求項36】
他の尿酸低下薬が、単独で投与される場合の通常の治療用量未満の量で投与される、請求項34に記載の医薬組成物。
【請求項37】
医薬が、化合物又は塩と1又は2以上の他の尿酸低下薬とを、混合物の形態で共に混合された状態で含む、請求項34に記載の医薬組成物。
【請求項38】
化合物又は塩と1又は2以上の他の尿酸低下薬とが、混合物の形態で共に混合されていない、請求項34に記載の医薬組成物。
【請求項39】
経口投与用に製剤化される、請求項32に記載の医薬組成物。

【公表番号】特表2013−507438(P2013−507438A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534237(P2012−534237)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際出願番号】PCT/US2010/051781
【国際公開番号】WO2011/046800
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(501056821)ウェルスタット セラピューティクス コーポレイション (32)
【Fターム(参考)】