説明

局所用泡沫組成物

直腸内投与するためのリファキシミンを含む局所用泡沫医薬組成物が開示されている。該組成物を製造する方法、及び薬剤としての該組成物の使用についても記載がされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は、直腸内への投与に適したリファキシミンの局所用泡沫組成物、その製造方法、及び結腸、肛門、又は直腸の機能不全の治療、予防、又は寛解の維持のためのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景及び先行技術)
肛門疾患、例えば、裂肛、肛門潰瘍、及び急性痔疾患、及び肛門管の良性症状などは、すべての年代、人種、及び性別の対象において共通してみられる疾患である。しかしながら、これらの病態は、痛みを自覚していない場合、その処置が難しく、かつ厄介となる場合がある。裂肛又は潰瘍の患者では、肛門痛や出血を経験している場合が多く、その痛みは、排便時及び排便後においてさらに顕著となる。
【0003】
痔核とは、肛門粘膜の下にある特定の血管領域である。
【0004】
これらの肛門疾患を治療するための様々な治療法が考案されている。一般的には、非外科的な治療法として、膨張性下剤及び腰湯がある。腰湯は、肛門括約筋の働きを弛緩させるので有効である。Shafikの論文「肛門直腸の病態での温水浴の役割:肛門括約筋の熱的反射(Role of warm-water bath in anorectal conditions: The thermosphincteric reflex)」(J.Clin. Gastroenterology., 16:304-308, 1993))。
【0005】
局所的な肛門の治療法も、治癒を促し、疼痛を緩和し、かつ腫脹及び炎症を軽減する目的で利用されている方法の一つである。多くの製剤、例えば、局所麻酔剤、コルチコステロイド、収斂剤、抗生物質、及び、その他の薬剤を含んだ製剤が試されてきた。
【0006】
新規の薬剤及び剤形の研究及び開発において、経口経路を介した投与は、最も一般的な目指すべき目標ではあるが、経口投与は、常に、実現可能ではなく、或いは望ましいわけでもない。上部消化(GI)管での吸収が僅かしかなく、及びタンパク質分解酵素に対して不安定な活性物質については、経口用剤形が開発される可能性は非常に制限される。ある薬剤は、胃或いは上部GIにおいて局所的炎症を起こし、又は500mgを超える用量を必要とする。ある特定の患者集団、特に、子供、高齢者、及び嚥下障害のある者などでは、経口用錠剤及びカプセルを用いた処置が困難な場合がよくある。さらに、患部の近傍に直接投与することによって、ある種の疾病、特に、肛門直腸の組織が関係している疾病の処置において、最良の結果が得られる。これらの病変組織のいくつかを標的とした薬剤を経口投与に供することはできるが、投与した薬剤への全身の曝露は効率的とは言えず、かつ望ましくない副作用も招きかねない。
【0007】
しかしながら、局所的又は全身的ドラッグデリバリーのいずれでも、直腸へ薬剤を投与することは可能である。この方式は、肛門直腸部での局所的病変を治療し、並びに、経口投与に代わって、薬剤を全身的に送達させるために効率的に利用されている。この標的化デリバリーでの幾つかの利点として、大きな表面積、初回通過代謝を回避する性質、長時間の滞留などがあり、このことが、局所的に活性な薬剤の送達に関するこの経路の信頼性を高めている。
【0008】
坐薬、液剤、懸濁剤、又は停留浣腸が、直腸剤形の代表例である。これらの内、液体製剤は、往々にして、取り扱いが煩雑で、しかも患者が服薬の遵守を徹底しにくいため、その用途は非常に限定的である。半固形製剤、例えば、直腸内投与のためのゲル、泡沫、又は軟膏では、直腸内に剤形が滞留して、患者に服薬を遵守させやすくなるので、液体製剤に優る利点を提供できる。
【0009】
しかしながら、利用可能な製剤において、治癒期間を短縮し、或いは関連痛を確実に緩和することが確認されたものは一つもなく、及び、Neosporin(登録商標)軟膏(ネオマイシン、硫酸ポリミキシンB、及び亜鉛バシトラシンの三つの抗生物質を含んだもの)など、幾つかの治療は、非常に刺激が強い。したがって、これらの疾患を治療する上で有用な抗生物質は未だ発見されていない。当該技術分野では、直腸並びに肛門での患部組織の疼痛を緩和し、及びその治癒を促して、治癒期間を短縮する上で有用な組成物が提供されることが、依然として待望されているのである。
【0010】
リファキシミンとは、抗生物質のリファマイシンのクラスに属する水不溶性半合成リファマイシン系非全身性抗生物質であり、その学名は、 [(2S,16Z,18E,20S,21S,22R,23R,24R,25S,26S,27S,28E)-5,6,21,23,25-ペンタヒドロキシ-27-メトキシ-2,4,11,16,20,22,24,26-オクタメチル1-2,7-(エポキシペンタデカ-[1,11,13]トリエンイミノ)ベンゾフロ [4,5-e]ピリド[1,2-a]-ベンズイミダゾール-1,15(2H)-ジオン,25-アセテート]である。
【0011】
リファキシミンは、リファンピンの活性に類似する抗菌活性を付与することが報告されている(Venturini A. P.及びMarchi Eの論文(Chemiotherapia, 5 (4), 257-256, (1986))。しかしながら、その作用機序は、リファンピンの作用機序とは異なるものであって、消化管によって吸収されることのない該化合物が有する両性イオン的性質(Marchi E.らの論文(Journal of Med. Chem., 28, 960-963, (1985))が故に、経口投与をしても全身経路を介して吸収されることはない(Venturini A. P.の論文(Chemotherapy, 29, 1-3, (1983)及び Cellai L.らの論文(Chemiotherapia, 3, (6), 373-377, (1984))。
【0012】
リファキシミンは、アルコール、酢酸エチル、クロロホルム、及びトルエンに対して可溶性を示す。この物質は、消化管において、感染性下痢症、過敏性腸症候群、小腸肛門疾患、クローン病、及び/又は膵機能不全を引き起こす局在した胃腸細菌の細菌RNA合成を阻害することによって、広域スペクトルの抗菌活性を示す。大腸菌によって引き起こされた旅行者下痢を、リファキシミンで処置することは、米国食品医薬品局から許可されている。
【0013】
リファキシミンは、全身吸収性が小さく、Cmaxは3.4 ng/mlで、Tmaxも0.8時間でしかなく、及び血漿タンパク質に対して相応(67.5%)に結合されてしまう。この物質の半減期は、1.8時間であり、及びその殆ど(投与した用量の97%)が糞便と共に排出され、及び0.32%が尿中に排出される。
【0014】
リファキシミンは、経口経路では吸収されず(Venturini A. P.の論文(Chemotherapy, 29, 1-3, (1983))、また、局所適用によっても吸収されない(Venturini A. P.らの論文(Drugs Exptl. Clin. Res., 13, 4, 233-6, (1987))。
【0015】
この独特な薬物動態挙動が故に、リファキシミンを、ラットに経口投与した場合でも、2000mg/kg/osの用量を投与しても毒性が認められず、したがって、この薬物は、微生物学的、薬力学的、及び毒物学的データに基づいて、細菌性胃腸炎、及び肝性脳症の神経症状及び臨床症状の治療、及び消化管の術前並びに術後の処置において用いられてきた(Alvisi V.らの論文(J. Int. Med. Res., 15, 49-56, (1987)、Testa R.らの論文(Drugs Exptl. Clin. Res., 11, 387-392, (1985)、Gruttadauria G.らの論文(Eur. Rev. Med. Pharm. Sci., 9, 100-105, (1987))。
【0016】
リファキシミンは、GI粘膜に浸透することができず、したがって、胃腸液と接触したままで残存する微生物である大腸菌の非侵襲性株によって引き起こされた疾病の治療のために使用される。
【0017】
リファキシミンは、病因の一部または全部が、下痢症候群、腸内微生物叢の変化、夏季下痢様発作、旅行者下痢、及び腸炎を伴うグラム陽性並びにグラム陰性細菌が関係した急性及び慢性の腸管感染症に起因している疾病の治療;胃腸手術での術前並びに術後の感染合併症の予防;及び、補助療法としての高アンモニア血症療法での用途においても許可されている。
【0018】
リファキシミンは、欧州及び米国、並びに、その他の多数の国々で流通しており、錠剤、経口懸濁液用の顆粒、及び軟膏の形態で入手可能である。例えば、錠剤は、目下のところ、Xifaxan(登録商標)のブランド名で、旅行者下痢については200mgの用量のものが流通している。
【0019】
イタリア特許1,154,655及び米国特許US 4,341,785の双方は、4-デソキシ-4'-メチル-ピリド[1'2':1.2]イミダゾ[5.4-c]リファマイシンSVの化合物を開示しており、この化合物は、リファキシミンである。
【0020】
Alfa Wassermann社に譲渡された米国特許US7,045,620及びWO2006/094662の双方は、リファキシミンの結晶多形を開示している。
【0021】
Marchiらの米国特許US4,341,785は、抗菌作用を有するイミダゾ-リファマイシン誘導体、及びそれを調製するための関連プロセスを開示している。この特許は、医薬用抗菌組成物、及び消化管の抗菌性疾患を治療するためのその使用方法についても開示している。
【0022】
Cannataらの欧州特許EP0161534は、ピリド-イミダゾリファマイシンを合成するためのプロセスを開示している。該プロセスは、Marchiの'785特許を改善するものであって、つまり、後者のプロセスでは、工業生産の観点から十分な収率が得られていない。
【0023】
Ferrieriらの欧州特許EP0858804は、クリプトスポリジウム症に起因する下痢の治療における経口用リファキシミン組成物の使用について記載している。
【0024】
Ferrieriらの米国特許US5352679は、ヘリコバクターピロリ菌によって引き起こされた消化不良を治療するための製剤でのリファキシミン(INN)の使用を開示している。この特許に開示されたリファキシミン製剤は、経口投与のための錠剤、カプセル、糖衣錠、顆粒又はシロップ剤の形態である。
【0025】
Egidioらの米国特許US5314904及び米国特許US6140355は、膣感染症を治療するためのリファキシミンを含んだ組成物を開示している。
【0026】
WO2007/103448は、抗直腸機能不全剤、及びリファキシミンを含む医薬品を開示している。好ましい抗直腸機能不全は、ニトログリセリンなどの一酸化窒素調節剤である。この特許の実施例は、リファキシミン及びニトログリセリンを含んだ軟膏に関するものである。
【0027】
Smith Kline & French社の欧州公開特許EP-A-0468555並びにEP-A-0395329、及びPhysiopharm社のフランス公開特許FR-A2647344は、水性泡沫組成物を開示しており、該組成物において、同じ物質、又は物質の混合物(つまり、一つ以上のクロロフルオロカーボン)が、従来のエアゾール缶から該組成物を放出するための発泡剤と噴射剤の双方を兼ねて使用されている。
【0028】
しかしながら、従来技術にあっては、所望の効果をもたらすことができるリファキシミンの局所用剤については、殆ど開示がされていない。
【0029】
結腸又は直腸の感染症又は異常に対する局所的治療が、経口経路よりも好適であることが知られており、これによれば、製剤が、患部に直接に塗布されるので、異常が認められた箇所に迅速に到達し、かつそこで作用をすることとなる。
【0030】
従来技術にあっては、好ましくは、坐薬、浣腸、軟膏、クリーム、及び泡沫を用いた直腸内投与によって、活性物質の局所送達が達成されている。これらの内で、坐薬が最も一般的である。通常、坐薬基剤は、油脂であるが、水溶性又は水混和性の基材も利用される。良好なバイオアベイラビリティを獲得するために、活性成分は、直腸又は結腸の粘膜と接触するようにすべきである。
【0031】
軟膏及びクリームは、創傷組織の呼吸を促す環境を創り出さず、及び通常の皮膚呼吸にとって好ましいものでもない。さらに、軟膏及びクリームを塗布している間に、特に、擦過、創傷又は炎症を起こした直腸又は結腸の粘膜では、疼痛や刺激を感じる可能性もある。
【0032】
水性発泡性製剤は、一般的な直腸作用性製剤ではない。それらは、坐薬及び浣腸と比較して、比較的に複雑な製造作業並びに複雑な包装作業を必要としている。しかしながら、坐薬と比較して、浣腸及び泡沫を用いると良好な拡散効果が得られるので、それにより、さらに遠位の腸領域にまで到達できることとなる。
【0033】
泡沫を用いる活性成分の送達は、その他の局所送達の形態と比較して、周囲組織への拡散が良好であるなどの様々な利点を奏するが、直腸用泡沫にあっては、発泡性成分相互の間で特別な調整を図る必要があるため、任意の環境では形成することはできない複雑な製剤といえる。組成にわずかな変更を加えただけでも、泡沫の崩壊に至ることや、或いは、泡沫が全く形成されない場合もあり、これらの現象は、小さな直径のノズルを介して塗布する投与の場合によく認められる。今日に至るまで、直腸送達のための殆どの泡沫剤形は、コルチコステロイドを含んでおり、その一方で、幾つかの商品では、防腐剤、抗真菌剤、抗炎症剤、局所麻酔剤、皮膚軟化薬、及び皮膚保護薬をも送達するために使用されている(American Journal of Drug Delivery, 2003, vol. 1(1), pp. 71-75)。しかしながら、市販されているものは、今のところは、ごく僅かでしかない。
【0034】
直腸内投与又は膣投与のための従来の泡沫は、液体溶媒に溶解又は懸濁した医薬活性成分、少なくとも1つの噴射剤ガス、及び起泡性を有する界面活性剤と共に加圧容器に充填される。起泡性の界面活性剤を含んだ液体溶媒に分散し、かつ噴射剤ガスを入れた加圧式噴霧器を用いて結腸に局所作用を及ぼすために投与する活性成分として、メサラジン、ペパーミント、スクラルファート又はブデソニドに基づいた事例が、欧州公開特許EP-A-468 555に記載されている。
【0035】
リファキシミンが有する疎水性が故に、水に対して溶解することはないが、アルコールには容易に溶解する。十分な量の活性物質を、有機溶媒、水溶性アルコールなどの可溶化剤を用いて溶解することができる。しかしながら、このようにして製剤を調製した場合には;大量の活性物が短期間の内に分解されるので、ある短い期間は、安定性を保つことができる。
【0036】
この問題点が故に、投与形態で患者が自ら使用できる状態にある局所用リファキシミン製剤については、解決すべき課題が残存している。従来技術において示唆されているリファキシミンの好適な組成物は、軟膏及び膣用泡沫である。軟膏は、直ちに使用できる状態にあるものではなく、好適な油性溶媒においてリファキシミン錠剤を粉砕し、及び、塗布を行う前に、この混合物と軟膏基剤とを混合する、という煩雑なプロセスによって調製が可能である。さらに、膣用泡沫を製剤した場合には、加圧したガスパックに用いた際に安定性を保つこともできなくなる。
【0037】
このように、直腸内投与に適し、治癒期間を短縮し、直腸及び肛門の患部組織の疼痛を緩和し、該組織の治癒を促進する上で有用であり、また、保存時の安定性をも兼ね備えているリファキシミンの局所用泡沫組成物の開発が待望されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0038】
しかしながら、水性及び/又は非水性媒体のいずれにおいても、直腸内投与に適した効果的で安定なリファキシミン組成物を生成するにあたっては、幾つもの問題点が横たわっている。
【0039】
(目的)
本発明の目的は、直腸内投与に適したリファキシミンの局所用泡沫組成物を提供することにある。水性及び/又は非水性媒体のいずれかを有する効果的な製剤を提供することが、具体的な目的である。
【0040】
本発明の他の目的は、良好な拡散効果を奏するリファキシミンの局所用泡沫組成物を提供することにある。
【0041】
本発明のさらに別の目的は、保存期間において安定性を保つリファキシミンの局所用泡沫組成物を提供することにある。
【0042】
本発明のさらに別の目的は、直腸内投与に適したリファキシミンの局所医薬組成物を製造するための方法を提供することにある。
【0043】
本発明のさらに別の目的は、治療を必要とする患者に対して、リファキシミンの局所用泡沫組成物を投与することによって、結腸又は直腸の機能不全を、治療、予防、又は寛解を維持する方法を提供することにある。
【0044】
本発明のさらに別の目的は、直腸内投与のためのリファキシミンの局所用泡沫組成物であって、対象が排便した後もなお効果が残存する該組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0045】
(要旨)
本発明の第一の態様によれば、直腸内投与のためのリファキシミンの局所用泡沫組成物が提供される。
【0046】
さらなる態様によれば、1つ以上の医薬用賦形剤又は担体、例えば、少なくとも1つの界面活性剤、及び少なくとも1つの噴射剤、又はこれらの混合物を含む、直腸内投与のためのリファキシミンの局所用泡沫組成物が提供される。
【0047】
さらなる態様によれば、前記リファキシミンの局所用泡沫組成物を製造するためのプロセスが提供される。
【0048】
さらなる態様によれば、結腸又は直腸の機能不全を、治療、予防、又は寛解を維持するための薬剤であって、患者の直腸、結腸及び/又は回腸末端への投与に適した該薬剤の製造のために使用するリファキシミンの局所用泡沫組成物が提供される。
【0049】
さらに別の態様によれば、肛門疾患を治療、予防、又は緩和する方法であって、治療を必要とする個体に対してリファキシミンの局所用泡沫を投与することを含む当方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0050】
(発明の詳細な説明)
前述した通り、直腸内投与に適したリファキシミンの局所用泡沫組成物を開発する必要性がある。
【0051】
本発明者らは、前述した目的を達成し、なおかつ局所的抗感染作用をも奏するリファキシミンの局所用泡沫組成物を開発した。
【0052】
本発明者らは、医薬用賦形剤又は担体の適切な組み合わせを利用することによって、直腸内投与に適したリファキシミンの局所用医薬組成物の実現、及び前述した目的が達成されることを知見するに至ったものであり、このことは、驚くべきことである。特に、本発明者らは、水性及び/又は非水性媒体のいずれかの手段によって、リファキシミンを、局所用泡沫組成物として製剤化する手法を見出したのである。
【0053】
特に、リファキシミンを含む局所用泡沫組成物において、水溶性アルカノールを水に対して特定の比率で使用することによって、保存期間中の安定性が保たれる。水に対する水溶性アルカノールの比率は、重量ベースで、好ましくは、約0.05:10〜10:0.05である。
【0054】
本発明での使用に適した医薬として許容し得る水溶性アルカノールは、エタノール、多価アルコール、例えば、プロピレングリコール、グリセロール、 ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコールグリセリルエステル、又はこれらの混合物などから選択することができるが、これらに限定されない。
【0055】
本明細書で使用する「リファキシミン」の用語は、「リファキシミン」それ自体のみならず、その医薬として許容し得る塩、医薬として許容し得る溶媒和物、医薬として許容し得る光学異性体、医薬として許容し得る誘導体、医薬として許容し得る多形体、又は医薬として許容し得るプロドラッグなどをも含めた広範な意味で使用されている。使用したリファキシミンは、多形又は非晶形であってもよい。リファキシミンの多形の例として、米国特許出願第10/728,090、米国特許出願第11/135,651、欧州特許出願第04005541、及び欧州特許出願第15227に記載されているリファキシミンの多形体[α]、多形体[β]、多形体[γ]、多形体[δ]、及び多形体eなどがあるが、これらに限定されない。
【0056】
本発明は、1つ以上の医薬として許容し得る賦形剤又は担体と共に、直腸内投与に適したリファキシミンを含み、及び貯蔵期間において安定性をも保つ局所用泡沫組成物を提供する。
【0057】
本発明の直腸用泡沫組成物でのリファキシミンの量は、該組成物の総重量に対して、好ましくは、約0.01% w/w〜約10% w/w、さらに好ましくは、約0.5% w/w〜約8% w/wの範囲にある。
【0058】
ある実施態様において、本発明は、圧縮ガス容器に充填された直腸用泡沫の剤形において、1つ以上の医薬用賦形剤/担体と共にリファキシミンを含む局所用泡沫組成物を提供するものであって、バルブを作動することで、気体媒質内の液体及び/又は固体物質の微細分散液を放出する。前記組成物は、適用が容易で、密度が小さく、及びその他の局所用剤よりも容易に拡散する。あるいは、該組成物は、直腸粘膜に対して軟化作用又は乾燥作用を付与するために、製剤の構成成分に応じて、様々な方法で製剤化することもできる。本発明の医薬組成物のその他の利点は、患者側での取り扱いが容易であり、及び需要者承認が得られやすいことである。
【0059】
別の実施態様において、該局所用泡沫組成物は、鉱油を含有していない。そのような組成物では、すでに炎症を起こしている直腸又は肛門の患部に余計な刺激を与える、という欠点がある。
【0060】
好ましい実施態様において、本発明の局所用泡沫組成物は、リファキシミンと共に少なくとも1つの界面活性剤、及び少なくとも1つの噴射剤、水溶性アルカノール、水、及び任意のその他の医薬用賦形剤又は担体を含む。
【0061】
水溶性アルカノールの混合物は、本発明の局所用泡沫組成物において好ましい媒体ではあるが、本発明の局所用泡沫組成物において使用される適切な非水性媒体として、植物油、例えば、オリーブ油;注射可能な有機エステル、例えば、オレイン酸エチル、又はこれらの混合物などがあるが、これらに限定されない。
【0062】
直腸及び結腸の粘膜との相性が良好である適切な賦形剤を使用することも望ましい。
【0063】
あるいは、該界面活性剤の発泡作用を引き出すために、該液体溶媒を、高親水性の有機物質を主成分とすることもできるが、その作用は、好ましくは、製剤に含まれるその他の物質、例えば、有効成分、及びその安定剤によって阻害されるべきではなく、好ましくは、ある特定の補助剤(泡沫稠度矯正剤など)は、親水性及び脂溶性の強い物質から選択すべきである。
【0064】
一般的に、該賦形剤は、該組成物の総重量に対して10% w/w〜95%w/w、好ましくは、10% w/w〜90% w/w、さらに好ましくは、20%〜70% w/wを占めている。
【0065】
好ましい実施態様において、本発明の局所用泡沫組成物で用いられた媒体は、該組成物の総重量に対して約20% w/w〜約90% w/wの量の水、及び水溶性アルカノール、好ましくは、プロピレングリコールを、該組成物の総重量に対して約0% w/w〜50% w/wの量で含む。好ましくは、該媒体は、該組成物の総重量に対して20% w/w〜80% w/wの水を含む。好ましくは、該媒体は、該組成物の総重量に対して5% w/w〜40% w/wの水溶性アルカノールを含む。さらに好ましくは、該媒体は、該組成物の総重量に対して20% w/w〜80% w/wの水、及び該組成物の総重量に対して5% w/w〜40% w/wの水溶性アルカノールを含む。
【0066】
非水性媒体、特に、水溶性アルカノール、より具体的には、プロピレングリコールの好ましい量は、該組成物の総重量に基づいた10%〜40% w/wの量である。
【0067】
本発明の水性泡沫組成物で使用することができる表面活性剤の例として、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、及び両性界面活性剤などがあるが、これらに限定されない。
【0068】
陰イオン界面活性剤の例として、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸ナトリウム、スルホン酸アルキルグリセリルエーテル、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリル酸モノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ココイル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ココナツアルキルトリエチレングリコールエーテル硫酸塩のナトリウム塩及びアンモニウム塩;獣脂アルキルトリエチレングリコールエーテル硫酸塩、獣脂アルキルヘキサオキシエチレン硫酸塩、ジナトリウムN-オクタデシルスルホコハク酸塩、ジナトリウムラウリルスルホコハク酸塩、ジアンモニウムラウリルスルホコハク酸塩、テトラナトリウムN-(1,2-ジカルボキシエチル)-N-オクタデシルスルホコハク酸塩、ナトリウムスルホコハク酸のジアミルエステル、ナトリウムスルホコハク酸のジヘキシルエステル、ナトリウムスルホコハク酸のジオクチルエステル、ドキュセートナトリウム、及びこれらの組み合わせなどがあるが、これらに限定されない。界面活性剤の好ましい量は、該組成物の総重量に基づいた0.1%〜10.0% w/wの量;より好ましくは、該組成物の総重量に基づいた0.1%〜8.0% w/wの量で存在する。
【0069】
非イオン界面活性剤の例として、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタンエステル、オクタン酸セチル、コカミドDEA、コカミドMEA、コカミドプロピルジメチルアミンオキシド、ココナツ脂肪酸ジエタノールアミド、ココナツ脂肪酸モノエタノールアミド、ジイソステアリン酸ジグリセリル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、モノラウリン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコール、エトキシ化ヒマシ油、モノイソステアリン酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、トリカプリル酸/カプリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、ジステアリン酸グリコール、モノステアリン酸グリコール、イソオクチルステアリン酸、ラウリン酸アミドDEA、ラウリン酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、ラウリン/ミリスチン酸ジエタノールアミド、ラウリルジメチルアミンオキシド、ラウリル/ミリスチルアミドDEA、ラウリル/ミリスチルジメチルアミンオキシド、メチルグルセス、メチルグルコースセスキステアリン酸、オレイン酸アミドDEA、PEG-ジステアリン酸、ポリオキシエチレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンラウリルエステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレンオレイルセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエステル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルアミン、ポリオキシエチレンステアリルエステル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンタローアミン、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノラウリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、ステアリン酸アミドDEA、ステアリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸モノエタノールアミド、ラウレス-4、及びこれらの組み合わせなどがあるが、これらに限定されない。
【0070】
両性界面活性剤の例として、N-ドデシル-アラニンナトリウム、N-ラウリル-イミノジプロピオン酸ナトリウム、ミリストアンホアセタート、ラウリルベタイン、ラウリルスルフォベタイン、3-ドデシル-アミノプロピオン酸ナトリウム、3-ドデシルアミノプロパンスルホン酸ナトリウム、ラウロアムホ酢酸ナトリウム、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、オレイルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルアルファカルボキシエチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルビス-(2-ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン、ステアリルビス-(2-ヒドロキシプロピル)カルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルガンマ-カルボキシプロピルベタイン、ラウリルビス-(2-ヒドロキシプロピル)アルファ-カルボキシエチルベタイン、オレアミドプロピルベタイン、ココジメチルスルフォプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルフォプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルフォエチルベタイン、ラウリル ビス-(2-ヒドロキシエチル)スルフォプロピルベタイン、及びこれらの組み合わせなどがあるが、これらに限定されない。
【0071】
陽イオン界面活性剤の例として、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、メト硫酸ビス(アシルオキシエチル)ヒドロキシエチルメチルアンモニウム、臭化セトリモニウム、塩化セトリモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、酸化コカミドプロピルアミン、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジタロウドイモニウム、塩化グアーヒドロキシプロピルトリモニウム、塩化ラウラルコニウム、酸化ラウリルジメチルアミン、塩化ラウリルジメチルベンジルアンモニウム、酸化ラウリルポリオキシエチレンジメチルアミン、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウトリモニウム、硫酸メチル-1-オレイルアミドエチル-2-オレイルイミダゾリニウムメチル、塩化ピコリンベンジルアンモニウム、ポリクオタニウム、塩化ステアラルコニウム、塩化ステライルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、トリメチルグリシン、及びこれらの組み合わせなどがあるが、これらに限定されない。
【0072】
当業者であれば、選択をした2つ以上の界面活性剤の内、選択をした少なくとも1つの界面活性剤が、乳化作用を示し、その一方で、残りの界面活性剤が、泡沫安定作用を示すものであることは理解されるであろう。また、使用した少なくとも1つの界面活性剤が、乳化作用を示し、その一方で、使用した残りの界面活性剤が、泡沫安定作用を示すものであることも理解されるであろう。望ましく選択された界面活性剤は、直腸及び結腸の粘膜との良好な相性を保ち、及び所望の薬理効果を示す一方で、刺激性に起因する問題を招かない量でもってして用いる。
【0073】
本発明のさらなる実施態様において、該局所用泡沫組成物は、潤滑剤を含む。好ましくは、前記潤滑剤は、シリコーン(例えば、ポリジメチルシロキサン)である。さらに、このシリコーンは、発泡性組成物を安定させることができる。
【0074】
本発明の局所用泡沫組成物で用いた噴射剤は、発泡効果を達成するために使用されている。この噴射剤は、加圧容器に充填したエアロゾルタイプの発泡性組成物であって、直腸への塗布に適した該組成物を調製するための公知の方法に従って選択することができる。該噴射剤は、低分子量の炭化水素などの適切な医薬として許容し得るガス、例えば、イソブタン、n-ブタン、プロパン、CFC、炭化水素;クロロフルオロカーボン(CFC);ヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC);ヒドロフルオロアルカン(HFA)、例えば、HFA 134a及びHFA 227;又は、空気などが使用できる。好ましくは、該噴射剤は、n-ブタン、イソブタン、プロパンの混合物を含む。
【0075】
噴射性能は、使用した噴射剤のタイプ及び量に応じて変化させることができ、その結果、大腸のおおよその遠位領域に泡沫を到達させることができる。
【0076】
該噴射剤は、該組成物の0.05〜20% w/w、好ましくは、0.5〜20% w/wの量で使用することができる。好ましくは、前記量は、該組成物の3〜10% w/w、より好ましくは、7〜9% w/wの量である。さらに、所望の数の用量を得るために、加圧剤として液体窒素を使用することができる。
【0077】
さらに、本発明の局所用泡沫組成物は、直腸内投与に適した少なくとも1つのその他の活性成分を含むことができる。
【0078】
その他の活性物質として、1つ以上の抗炎症剤、ステロイド(例えば、コルチコステロイド)、その他の抗生物質、抗真菌剤、鎮痛剤、又は抗腫瘍薬などが選択できるが、これらに限定されない。
【0079】
適切な抗生物質の例として、ダプソン、クロラムフェニコール、ネオマイシン、セファクロル、セファドロキシル、セファレキシン、セフラジン、エリスロマイシン、クリンダマイシン、リノマイシン、アモキシシリン、アンピシリン、バカンピシリン、カルベニシリン、ジクロキサシリン、シクラシリン、ピクロキサシリン、ヘタシリン、メチシリン、ナフシリン、ペニシリン、ポリミキシン、テトラサイクリン、アンフォテリシン-b、カンジシジン、デルモスタチン、フィリピン、フンギクロミン、ハチマイシン、ハマイシン、ルセンソマイシン、メパルトリシン、ナタマイシン、ナイスタチン、ペチロシン、ペリマイシン、アザセリン、グリセオフルビン、オリゴマイシン、ウンデシレン酸ネオマイシン、ピロールニトリン、シッカニン、ツベルシジン、ビリジン、ピクロキサシリン、ヘタシリン、メチシリン、ナフシリン、ペニシリン、ポリミキシン、又はテトラサイクリンなどがあるが、これらに限定されない。
【0080】
適切な抗真菌剤の例として、アリルアミン、例えば、ブテナフィン、ナフチフィンなど、イミダゾール、例えば、ビホナゾール、ブトコナゾール、クロルダントイン、クロルミダゾール、クロコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、エニルコナゾール、フェンチコナゾール、フルトリマゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ラノコナゾール、ミコナゾール、オモコナゾール、硝酸オキシコナゾール、セルタコナゾール、スルコナゾール、チオコナゾールなど、トリアゾール、例えば、フルコナゾール、イトラコナゾール、サペルコナゾール、テルコナゾールなど、及びその他のもの、例えば、アクリゾルシン、アモロルフ[イオタ]ン、ビフェナミン、ブロモサリシルクロルアニリド、ブクロサミド、プロピオン酸カルシウム、クロフェネシン、シクロピロックス、 クロキシキン、コパラフィ[イオタ]ネート、ジアムタゾール、ジヒドロクロリド、エキサラミド、フルシトシン、ハレタゾール、ヘキセチジン、ロフルカルバン、ニフラテル、ヨウ化カリウム、プロピオン酸塩、プロピオン酸、ピリチオン、サリチルアニリド、スルベンチン、テノニトロゾール、トリアセチン、ウジョチオン、ウンデシレン酸などがあるが、これらに限定されない。
【0081】
抗真菌剤として、ポリエン、例えば、アンフォテリシン-b、カンジシジン、デルモスタチン、フィリピン、フンギクロミン、ハチマイシン、ハマイシン、ルセンソマイシン、メパルトリシン、ナタマイシン、ナイスタチン、ペチロシン、ペリマイシン、アザセリン、グリセオフルビン、オリゴマイシン、ウンデシレン酸ネオマイシン、ピロールニトリン、シッカニン、ツベルシジン、ビリジンなど、アリルアミン、例えば、ブテナフィン、ナフチフィンなど、イミダゾール、例えば、ビホナゾール、ブトコナゾール、クロルダントイン、クロルミダゾール、クロコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、エニルコナゾール、フェンチコナゾール、フルトリマゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ラノコナゾール、ミコナゾール、オモコナゾール、硝酸オキシコナゾール、セルタコナゾール、スルコナゾール、チオコナゾールなど、トリアゾール、例えば、フルコナゾール、イトラコナゾール、サペルコナゾール、テルコナゾール、アクリゾルシン、アモロルフ[イオタ]ン、ビフェナミン、ブロモサリシルクロルアニリド、ブクロサミド、プロピオン酸カルシウム、クロフェネシン、シクロピロックス、クロキシキン、コパラフィ[イオタ]ネート、ジアムタゾール、ジヒドロクロリド、エキサラミド、フルシトシン、ハレタゾール、ヘキセチジン、ロフルカルバン、ニフラテル、ヨウ化カリウム、プロピオン酸塩、プロピオン酸、ピリチオン、サリチルアニリド、スルベンチン、テノニトロゾール、トリアセチン、ウジョチオン、又はウンデシレン酸などもある。
【0082】
その他の治療剤は、ステロイド又は非ステロイド性の抗炎症剤を含むことができる。有用な非ステロイド性抗炎症剤として、アスピリン、イブプロフェン、ジクロフェナク、ナプロキセン、ベノキサプロフェン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、フルブフェン、ケトプロフェン、インドプロフェン、ピロプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラモプロフェン、ムロプロフェン、トリオキサプロフェン、スプロフェン、アミノプロフェン、チアプロフェン酸、フルプロフェン、ブクロクス酸、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ゾメピラク、チオピナク、ジドメタシン、アセメタシン、フェンチアザク、クリダナク、オクスピナク、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルム[イオタ]ク酸、トルフェナム酸、ジフルリサル、フルフェニサル、ピロキシカム、スドキシカム、イソキシカム;サリチル酸誘導体、例えば、アスピリン、サリチル酸ナトリウム、コリンマグネシウムトリサリチル酸、サルサレート、ジフルニサル、サリチルサリチル酸、スルファサラジン、及びオルサラジンなど;パラ-アミノフェンノール誘導体、例えば、アセタアミノフェン、及びフェナセチンなど;インドール及びインデン酢酸、例えば、インドメタシン、スリンダク、及びエトドラクなど;ヘテロアリール酢酸、例えば、トルメチン、ジクロフェナク、及びケトロラクなど;アントラニル酸(フェナム酸)、例えば、メフェナム酸、及びメクロフェナム酸;エノール酸、例えば、オキシカム(ピロキシカム、テノキシカム)、及びピラゾリジンジオン(フェニルブタゾン、オキシフェンタルタゾン);及び、アルカノン、例えば、ナブメトン、及び医薬として許容し得るこれらの塩、及び、これらの混合物などがあるが、これらに限定されない。
【0083】
適切なコルチコステロイドの例として、ヒドロコルチゾン、すなわち、11-17- 21-トリヒドロキシプレグン-4-エン-3,20-ジオン又はコルチゾール、酢酸コルチゾール、リン酸ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン21 -コハク酸ナトリウム、ヒドロコルチゾンテブテート、コルチコステロン、酢酸コルチコステロン、コルチゾン、酢酸コルチゾン、コルチゾン21B-シクロペンタンプロピオナート、リン酸コルチゾン、トリアムシノロンヘキサセトニド、リン酸デキサメタゾン、デソニド、ジプロピオン酸ベタメタゾン、モメタゾンフラーテなどがあるが、これらに限定されない。
【0084】
該コルチコステロイド及び局所麻酔薬は、該組成物において、リファキシミンと併用することができる。
【0085】
炎症については、本発明の組成物を用いた併用療法で使用するための好ましい治療法では、ナプロキセンナトリウム(Anaprox(登録商標)及びAnaprox(登録商標)DS、Roche社)、フルルビプロフェン(Ansaid(登録商標);Pharmacia社)、ジクロフェナクナトリウム+ミソプロスティル(Arthrotec(登録商標)、Searle社)、バルデコキシブ(Bextra(登録商標)、Pharmacia社)、ジクロフェナクカリウム(Cataflam(登録商標)及びVoltaren(登録商標)、Novartis社)、セレコキシブ (Celebrex(登録商標)、Pfizer社)、スリンダク(Clinoril(登録商標)、Merck社)、オキサプロジン(Daypro(登録商標)、Pharmacia社)、サルサレート(Disalcid(登録商標)、3M社)、ジフルニサル(Dolobid(登録商標)、Merck社)、ナプロキセンナトリウム(EC Naprosyn(登録商標)、Roche社)、ピロキシカム(Feldene(登録商標)、Pfizer社)、インドメタシン(Indocin(登録商標)及びIndocin SR(登録商標)、Merck社)、エトドラク(Lodine(登録商標)及びLodine XL(登録商標)、Wyeth社)、メロキシカム(Mobic(登録商標)、Boehringer Ingelheim社)、イブプロフェン (Motrin(登録商標)、Pharmacia社)、ナプロキセン(Naprelan(登録商標)、Elan社)、ナプロキセン(Naprosyn(登録商標)、Roche社)、ケトプロフェン(Orudis(登録商標)及びOruvail(登録商標)、Wyeth社)、ナブメトン(Relafen(登録商標)、SmithKline社)、トルメチンナトリウム(Tolectin(登録商標)、McNeil社)、コリンマグネシウムトリサリチル酸(Trilisate(登録商標)、Purdue Fredrick社)、及びロフェコキシブ(Vioxx(登録商標)、Merck社)などを使用するが、これらに限定されない。
【0086】
抗腫瘍薬は、本発明の局所用泡沫組成物において、リファキシミンと共に含むことができ、該抗腫瘍薬として、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ブスルファン、クロラムブシル、スピロプラチン、シスプラチン、カルボプラチン、メトトレキサート、アドリアマイシン、マイトマイシン、ブレオマイシン、シトシ[ピ]エアラビノシド、アラビノシルアデニン、メルカプトプリン、ミトタン、プロカルバジン、ダクチノマイシン(アンチノマイシンD)、ダウノルビシン、塩酸ドキソルビシン、タクソール、プリカマイシン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、フルタミド、ロイプロリド、酢酸メゲストロール、タモキシフェン、テストラクトン、トリロスタン、アムサクリン(m-AMSA)、アスパラギナーゼ(L-アスパラギナーゼ)、エトポシド、及びインターフェロンa-2a及び2bなどがあるが、これらに限定されない。
【0087】
抗ウィルス薬は、本発明の局所用泡沫組成物において、リファキシミンと併用することができ、該抗ウィルス薬として、アシクロビル、アマンタジン、アジドチミジン、リバビリン、又はビダラビンなどがあるが、これらに限定されない。目的とする疾患の症状の一つが疼痛である場合にあっては、その他の治療薬として、鎮痛剤を用いることができる。有用な鎮痛剤として、フェナセチン、ブタセチン、アセタアミノフェン、ネホパム、アセトアミドキノン、及びこれらの混合物などがあるが、これらに限定されない。
【0088】
本発明の組成物に、任意に、局所麻酔剤を使用することもできる。例えば、該局所麻酔剤として、ジブカイン、リドカイン、プラモキシン、ベンゾカイン、テトラカインなどがあるが、これらに限定されない。一般的に、該局所麻酔剤は、肛門疾患の実際の治療で効果が認められる量でもってして使用される。
【0089】
好ましい実施態様において、本発明は、医薬配合剤に関し、該配合剤は、結腸及び/又は直腸への送達に適したリファキシミン、及び5-アセチルサリチル酸(5-ASA)、スルファサラジン、アサラジン、プレドニゾロン又はブテソニドの1つ以上(これらに限定されない)から選択された、同時投与、個別投与、又は連続投与するための化合物を含む。
【0090】
本発明の局所用泡沫組成物は、通常、当該技術分野で周知の適切なエアロゾルタイプの加圧型吐出容器、例えば、アルミニウム製容器に充填される。各々の容器は、適切な泡沫吐出バルブによって密閉される。該容器から該泡沫を放出するための手段を提供し、及び本発明での使用に適した泡沫を提供する何れのバルブ又はノズル/バルブアッセンブリーも使用できる。本発明の組成物から形成された泡沫は、優れた特徴を兼ね備えている。本発明の局所用泡沫組成物が奏する利点は、疾患の治療において良好な結果を得ることができ、及び従来の組成物と比較して、同様の効果を得るためには、低用量又は1日当たり僅かな用量の活性成分しか必要としないことである。例えば、泡沫の拡散性が改善され、活性成分との長時間の接触が可能となることで、最大の局所的効果が患部に行き渡ることになる。また、本発明の泡沫は、従来の組成物に含まれていた鉱油を利用していないので、炎症を起こした患部の粘膜に余計な刺激を与えることもない。該泡沫で認められたこれらの特徴が故に、本発明とは、直腸疾患の治療において使用されていた公知の薬剤の有効な代替物であると言える。
【0091】
本発明の局所用泡沫組成物は、適切な定量バルブ又は非定量バルブで密閉された適切な吐出容器、例えば、アルミニウム製エアロゾル容器に入っている。このような容器は、当該技術分野で周知ある。該泡沫の効果的な投与を確実なものとするために、必要に応じて、直腸へ挿入するための導入用具を、該容器に取り付けたり、或いは備え付けることができる。
【0092】
該吐出容器は、腐食を防ぐために、被覆アルミニウム缶、例えば、エポキシ被覆缶の形態のものを使用することができる。塗布を行う際に、容器を振ることで、含有成分と噴射剤との混合物はしっかりと混合され、また、混合を促すビーズを任意に利用することもできる。該缶は、バルブを缶底に配置して「逆さまに持って」噴霧したり、或いは浸漬管を該缶に装備して、バルブを頂部に配置した缶が直立状態にある場合でも泡沫を噴射することもできる。
【0093】
使用をしている間、該缶の吐出バルブは、噴射剤の迅速な膨張を許容することができるので、界面活性剤の発泡作用を惹起させて、及び増進させるので、泡沫の形態の薬用液の取り込みが認められるようになる。
【0094】
噴射剤の膨張エネルギーは、主に、泡沫の形成過程で吸収されてしまうので、直腸への塗布は、危険を冒さずに行うことができる。
【0095】
本発明では、治療目的の適用時に泡沫を形成することができる。したがって、泡沫用缶を使用する技術分野、例えば、化粧品の分野で用いられてきた公知の製剤技術及び吐出技術は、故に、適切である。好ましくは、該活性物質は、少なくとも1つの噴射剤並びに発泡作用を有する界面活性剤を用いて、液体状態に媒介される。
【0096】
本発明の局所用泡沫組成物は、対象の外肛門又は遠位肛門管にある患部又は患部の近傍に塗布される。
【0097】
これらの組成物を投与する際には、直腸に導入される0.5g〜10gの最小体積の泡沫を有する中程度のちょう度の泡沫が得られれば十分である。
【0098】
本発明は、リファキシミンの局所用泡沫組成物を製造するためのプロセスをさらに提供するものであって、
(1) 乳化蝋、乳化剤の混合物を、界面活性剤及び防腐剤-水を用いて別個に加熱し、
(2) 該防腐剤-水の溶液に対して水溶性アルカノールを加え、及び工程(1)の油性相を混合し;及び
(3) 該混合物に対して、攪拌をしながら、リファキシミンを加え、及びpH調整剤を用いて、要求されたpHを調整し、
(4) 該混合物に対して、精製水の添加をして体積の調整を行い、及び、最後に、該混合物を金属製の缶に入れ、及び缶に噴射剤を加える、ことを含む。
【0099】
好ましい実施態様において、リファキシミンは、微粉化形状で用いられており、好ましくは、約200ミクロン未満の大きさのものが用いられる。さらに好ましくは、この大きさは、約150ミクロン以下とすることができる。
【0100】
該活性物質は、発泡性界面活性剤を含んでいる適切な液体媒体に溶解又は懸濁される。この液体が入った噴霧器は、吐出バルブで密閉し、次いで、該バルブを介して適量の噴射剤を加えて加圧することができる。
【0101】
本発明の組成物は、適切な方法で成分を混合し、及び適切な吐出容器、例えば、実施例に記載の吐出容器に充填することによって調製することができる。
【0102】
当業者であれば、リファキシミンを含む局所用泡沫組成物が、皮膚軟化剤又は保湿剤、pH調整剤、乳化剤、発泡剤、脂肪アルコール、防腐剤、キレート剤、抗酸化剤、懸濁化剤、増粘剤、透過促進剤、閉鎖剤、着色剤及び香料、又はこれらの組み合わせから選択された1つ以上の医薬用賦形剤(これらに限定されない)をさらに含むことができることは理解できるであろう。
【0103】
適切なpH調整剤の例として、水酸化ナトリウム、クエン酸、塩酸、酢酸、リン酸、コハク酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、リンゴ酸、クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、乳酸、グルコン酸、酒石酸、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸、フマル酸、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、トリエタノールアミン、及びこれらの組み合わせから選択することができるが、これらに限定されないが、好ましくは、トリエタノールアミンが用いられる。
【0104】
好ましい実施態様において、本発明の局所用泡沫組成物は、約4〜8の範囲にpHを調整するための適切なpH調整剤を含む。
【0105】
本発明の局所用泡沫組成物において使用可能な乳化蝋の例は、非イオン性乳化蝋、例えば、米国国民医薬品集(USNF)および「Martindale」に記載されたものなどである。泡沫を強化するために、本発明の局所用組成物に乳化蝋を取り込むことができる。該組成物での乳化蝋の量は、好ましくは、該組成物の総重量の1%〜10% w/wである。
【0106】
本発明の局所用泡沫組成物に使用可能な界面活性剤の例として、脂肪アルコール、例えば、セチルステアリル、ラウリル、ミリスチル、及びパルミチルアルコール、界面活性剤、又はこれらの混合物などがあるが、これらに限定されない。好ましい界面活性剤は、ポリオキシエチレン10ステアリルアルコールであり、及び、好ましくは、該組成物の総重量に基づいた1%〜10% w/wの量で用いられる。
【0107】
本発明の他の実施態様において、発泡剤並びに界面活性剤の双方の機能を示す適切な表面活性物質を使用することができる。
【0108】
本発明の局所用泡沫組成物において使用可能な適切な皮膚軟化剤及び/又は保湿剤の例として、多価アルコール、例えば、グリコールなど、及び多糖、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール、マルビトール、トレハロース、ラフィノース、キシリトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリグリセリン、コレステロール、スクアリン、脂肪酸、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、尿素、ラノリン、乳酸など、エステル、例えば、ステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、及びラウリン酸イソプロピルなど、好ましくは、ミリスチルアルコール、オクチルドデカノール、プロピレングリコールなどがあるが、これらに限定されない。
【0109】
粘膜送達の好ましい実施態様において、粘膜の表面に活性成分を送達するために、本発明の局所用泡沫組成物に透過促進剤を取り込むこともできる。ほとんどのタイプの透過促進剤が、界面活性剤であり、グリココール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、ポリソルベート80、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリン酸、及び様々なアルキルグリコシドなどがある。透過促進剤のその他の例として、デキストリン(シクロデキストリン、硫酸デキストラン)、脂肪酸(ホスファチジルコリン、リソホスファチジルコリン)、複素環化合物(アゾン)、及び小分子(塩化ベンザルコニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム)などがある。このような目的のために一般的に利用されており、また、当業者が想到することが考えられる未掲載のその他の成分についても、本願発明において、それらの各々を使用することが意図されている。
【0110】
他の好ましい実施態様において、適切な粘膜付着剤を、活性成分の粘膜送達での局所的な保持性を改善するために、本発明の水性泡沫組成物に用いることができる。
【0111】
粘膜付着性化合物は、主に、湿潤した粘膜表面に接着することができる合成ポリマー又は天然ポリマーである。これらのポリマーとして、合成ポリマー、例えば、単量体αシアノアクリレート、ポリアクリル酸、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリメタクリレート誘導体などがあるが、これらに限定されない。糊様ポリマーとして、エポキシ樹脂及びポリウレタンがある。天然の粘膜付着性化合物として、キトサン、ヒアルロン酸、及びキサンタンガム、又はこれらの混合物がある。
【0112】
適切な乳化剤として、直鎖又は分岐の脂肪酸、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ステアリン酸プロピレングリコール、ステアリン酸グリセリル、ポリエチレングリコール、脂肪アルコール、高分子エチレンオキシド-酸化プロピレンブロックコポリマー、及びこれらの組み合わせなどがあるが、これらに限定されない。好ましい乳化剤として、セチルアルコールがある。乳化剤、例えば、セチルアルコールは、好ましくは、該組成物の総重量の0.1〜5.0% w/wの量で使用される。
【0113】
適切な懸濁化剤として、アルギン酸、ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロース並びにその塩、コロイド状オートミール、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、微晶質セルロース、コロイド状二酸化ケイ素、デキストリン、ゼラチン、グアーガム、キサンタンガム、カオリン、ケイ酸アルミニウム・マグネシウム、マルチトール、トリグリセリド、メチルセルロース、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリビニルピロリドン、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸ナトリウム、ソルビタン脂肪酸エステル、トラガカント、及びこれらの組み合わせなどがあるが、これらに限定されない。
【0114】
適切な抗酸化剤として、ブチル化ヒドロキシトルエン、αトコフェロール、アスコルビン酸、フマル酸、リンゴ酸、ブチル化ヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、パルミチン酸アスコルビル、酢酸アスコルビル、リン酸アスコルビル、ビタミンA、葉酸、フラボンまたはフラボノイド、ヒスチジン、グリシン、チロシン、トリプトファン、カトテノイド、カロテン、α-カロテン、β-カロテン、尿酸、医薬として許容し得るそれらの塩、それらの誘導体、及びこれらの組み合わせなどがあるが、これらに限定されない。
【0115】
適切なキレート剤として、EDTA、エデト酸二ナトリウム、トランス-1,2-ジアミノシクロヘキサン-N,N,N',N'-テトラ酢酸モノ水和物、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン、1,3-ジアミノ-2-ヒドロキシプロパン-N,N,N',N'-テトラ酢酸、1,3-ジアミノプロパン-N,N,N',N'-テトラ酢酸、エチレンジアミン-N,N'-ジ酢酸、エチレンジアミン-N,N'-ジプロピオン酸、エチレンジアミン-N,N'-ビス(メチレンホスホン酸)、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン-N,N',N'-トリ酢酸、エチレンジアミン-N,N,N',N'-テトラキス(メチレンホスホン酸)、O,O'-ビス(2-アミノエチル)エチレングリコール-N,N,N',N'-テトラ酢酸、N,N-ビス(2-ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン-N,N-ジ酢酸、1,6-ヘキサメチレンジアミン-N,N,N',N'-テトラ酢酸、N-(2-ヒドロキシエチル)イミノジ酢酸、イミノジ酢酸、1,2-ジアミノプロパン-N,N,N',N'-テトラ酢酸、ニトリロ三酢酸、ニトリロ三プロピオン酸、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)、7,19,30-トリオキサ-1,4,10,13,16,22,27,33-オクタアザビシクロ[111,11,1]ペンタトリアコンタンヘキサヒドロブロミド、トリエチレンテトラミン-N,N,N',N'',N''',N'''-ヘキサ酢酸、及びこれらの組み合わせなどがあるが、これらに限定されない。
【0116】
適切な皮膚軟化剤として、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、軽質流動パラフィン、セテアリルアルコール、ラノリン、ラノリン誘導体、鉱油、ワセリン、セチルエステル蝋、コレステロール、グリセロール、モノステアリン酸グリセロール、ミリスチン酸イソプロピル、レシチン、及びこれらの組み合わせなどがあるが、これらに限定されない。
【0117】
真菌やその他の微生物の成長を予防するために、防腐剤を用いることができる。適切な防腐剤として、安息香酸、ソルビン酸、ブチルパラベン、エチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、塩化セチルピリジニウム、クロロブタノール、フェノール、フェニルエチルアルコール、チメロサール、及びこれらの組み合わせなどがあるが、これらに限定されない。該防腐剤は、好ましくは、該組成物の総重量の0.01%〜0.20% w/w、好ましくは、0.1%〜0.20% w/wの量で使用される。好ましい実施態様において、該組成物は、0.1%〜0.18% w/wのメチルパラベン及び0.01%〜0.02% w/wのプロピルパラベンを含んでいる。
【0118】
適切な抗酸化剤の例として、メタ重亜硫酸ナトリウムがあるが、これに限定されるものではなく、及びEDTAの塩などのキレート剤、例えば、エデト酸二ナトリウムと併用して好適に使用することができる。
【0119】
本発明は、肛門の疾患を治療、予防、又は緩和する方法であって、治療を必要とする個体に対して、有効量のリファキシミンを投与することを含む方法をさらに提供する。肛門疾患として、裂肛、肛門潰瘍、痔疾患、肛門拳筋痙攣、肛門が関係する炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、下痢、微生物関連下痢、クロストリジウムディフィシレ関連下痢、旅行者下痢、小腸肛門疾患、クローン病、慢性膵炎、膵機能不全、大腸炎、肝性脳症、又は回腸嚢炎の1つ以上の疾患がある。本発明の治療において、本発明の組成物を、肛門の患部又はその近傍に接触させて、又は塗布することで、有効量の活性成分が投与される。
【0120】
好ましい実施態様において、使用される組成物の量は、肛門疾患の改善、抑制、及び/又は治癒、及び該疾患に起因又は関連する疼痛の迅速かつ急激な抑制又は緩和に関して有効であるべきである。
【0121】
さらに別の実施態様では、該肛門疾患は、裂肛、肛門潰瘍、急性痔疾患、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、(例えば、クローン病及び大腸炎)、旅行者下痢、大腸肛門疾患、慢性膵炎、膵機能不全、又は 術後疾患(例えば、回腸嚢炎)であり、又は、これらの1つ以上によって引き起こされる。
【0122】
さらなる実施態様において、該有効量は、細菌感染症、例えば、裂肛、肛門潰瘍、及び急性痔疾患、過敏性腸症候群、旅行者下痢、小腸肛門疾患、クローン病、慢性膵炎、膵機能不全、大腸炎、肝性脳症、抗生物質関連大腸炎、及び/又は、憩室疾患の1つ以上を含む肛門疾患を治療する上で有効である。
【0123】
以下の実施例は、本発明の例示目的のものでしかなく、及び本発明の範囲の限縮を多少なりとも意図するものでは決してない。
【実施例】
【0124】
(実施例1)
【表1】

【0125】
プロセス:
(1) 乳化蝋、セチルアルコール、及びポリオキシエチレン10ステアリルエーテルを加熱する。
(2) メチルパラベン又はヒドロキシ安息香酸メチル、及びプロピルパラベン又はヒドロキシ安息香酸プロピルを、水を用いて加熱する。
(3) プロピレングリコールを、均質化をしながら、工程(2)の溶液に対して加える。
(4) 工程(1)の混合物を、均質化をしながら、工程(3)の溶液に対して加え、及び、攪拌をしながら冷却する。
(5) リファキシミン(微粉化したもの、200ミクロン未満)を、上記混合物に対して加え、及び、室温にまで冷却されるまで均質化する。
(6) トリエタノールアミンの溶液を、pHを約6に調整するために、上記混合物に対して加える。
(7) 精製水の添加によって、該混合物の体積を調整する。
(8) 最後に、該配合物を、金属製の缶に入れ、及び該缶に噴射剤を加える。
【0126】
(実施例2(非水性泡沫))
【表2】

【0127】
プロセス:
1. カプリン酸/カプリル酸のトリグリセリド、BHT、プロピルパラベン、及びセトステアリルアルコールの一部分を、約60-70℃にまで加熱する。
2. 上記混合物を、10分間かけて均質化し、及び、冷却をする。
3. カプリン酸/カプリル酸のトリグリセリド、及びリファキシミンの一部分を、別個に加熱し、及び10分間かけて均質化する。
4. 工程(2)で得た混合物に対して、45℃を保って攪拌をしながら、上記工程(3)の混合物を加える。
5. 攪拌をしながら室温にまで冷却し、及び調製をした配合物をアルミニウム製容器に入れ、そして、吐出バルブで密閉する。
6. これらのバルブを介して、一定量の噴射剤を加える。
【0128】
本発明の要旨を変更せずに、本明細書に開示された本発明に対して様々な置換や修正を加えることができることは、当業者に自明の事項である。したがって、本発明は、好適な実施態様及び任意の特徴事項によって具体的に開示されているが、本明細書で開示がされた概念の修正及び改変は、当業者が行い得る事項であり、及びそのような修正及び改変が、本発明の範囲内の事項に他ならない。
【0129】
本明細書で用いられている表現及び用語は、説明目的のためのものであって、限縮を意図するものではないことが理解される。本明細書で用いられている「包含する」、「含む」又は「有する」、及びそれらの変化表現は、以後に記載した事項、及びそれらの等価物並びに追加事項を包含することを意図している。
【0130】
本明細書並びに添付した特許請求の範囲で用いられている「a」、「an」及び「the」という単数形冠詞は、特に明確な断りがされていない限りは、複数形の要素をも含むことも留意されたい。したがって、例えば、「ある噴射剤」との表現は、単一の噴射剤並びに2種類以上の異なる噴射剤をも含んでおり;ある「共溶媒」との表現は、単一の共溶媒又は2つ以上の共溶媒の組み合わせをも含んでいることとなる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
泡沫の形態で局所直腸内投与するための医薬組成物であって、リファキシミンを含む、前記組成物。
【請求項2】
水性媒体又は非水性媒体をさらに含む、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記非水性媒体が、1つ以上の医薬として許容し得るアルカノール;1つ以上の医薬として許容し得る植物油;又は、1つ以上の医薬として許容し得る有機エステルである、請求項2記載の組成物。
【請求項4】
前記水溶性アルカノールが、エタノール;プロピレングリコール;グリセロール;ポリエチレングリコール;ポリプロピレングリコール;プロピレングリコール;グリセリルエステル;又は、これらの混合物である、請求項3記載の組成物。
【請求項5】
前記媒体が、水溶性アカノール及び水を含み、かつ水溶性アルカノールと水とのw/wの比率が、0.05:10〜10:0.05である、請求項2、3又は4記載の組成物。
【請求項6】
前記媒体が、前記組成物の総重量の10% w/w〜90% w/wを構成する、請求項2〜5のいずれか1項記載の組成物。
【請求項7】
前記媒体が、前記組成物の総重量の20% w/w〜90% w/wの量の水、及び前記組成物の総重量の0% w/w〜50% w/wの量の水溶性アルカノールを含む、請求項2〜6のいずれか1項記載の組成物。
【請求項8】
少なくとも1つの界面活性剤をさらに含む、請求項1〜7のいずれか1項記載の組成物。
【請求項9】
前記界面活性剤が、前記組成物の総重量の0.1〜1.0 w/wの量で存在する、請求項8記載の組成物。
【請求項10】
少なくとも1つの噴射剤をさらに含む、請求項1〜9のいずれか1項記載の組成物。
【請求項11】
前記噴射剤が、前記組成物の総重量の0.5〜20% w/wの量で存在する、請求項10記載の組成物。
【請求項12】
少なくとも1つの可溶化剤をさらに含む、請求項1〜11のいずれか1項記載の組成物。
【請求項13】
少なくとも1つの乳化剤をさらに含む、請求項1〜12のいずれか1項記載の組成物。
【請求項14】
前記乳化剤が、前記組成物の総重量の1%〜15% w/wの量で存在する、請求項13記載の組成物。
【請求項15】
少なくとも1つの抗酸化剤をさらに含む、請求項1〜14のいずれか1項記載の組成物。
【請求項16】
少なくとも1つの防腐剤をさらに含む、請求項1〜15のいずれか1項記載の組成物。
【請求項17】
前記防腐剤が、前記組成物の総重量の0.1%〜0.2% w/wの量で存在する、請求項16記載の組成物。
【請求項18】
シリコーンをさらに含む、請求項1〜17のいずれか1項記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物の総重量の0.01%〜10% w/wのリファキシミンを含む、請求項1〜18のいずれか1項記載の組成物。
【請求項20】
鉱油を含まない、請求項1〜19のいずれか1項記載の組成物。
【請求項21】
5-アセチルサリチル酸(5-ASA)、スルファサラジン、アサラジン、プレドニゾロン、又はブデソニドをさらに含む、請求項1〜20のいずれか1項記載の組成物。
【請求項22】
泡沫の形態で局所直腸内投与するための医薬組成物であって、w/wの単位で、下記の成分を含む、前記組成物
【表1】


【請求項23】
直腸、結腸、回腸末端、又は肛門での疾患の治療、予防、又は寛解の維持のために、患者の直腸、結腸、及び/又は回腸末端に投与するための、請求項1〜22のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項24】
直腸、結腸、回腸末端、又は肛門での疾患の治療、予防、又は維持のための、患者の直腸、結腸、及び/又は回腸末端に投与する薬剤の製造における、請求項1〜22のいずれか1項記載の医薬組成物の使用。
【請求項25】
直腸、結腸、回腸末端、又は肛門の疾患を、治療、予防、又は軽減する方法であって、それを必要とする対象に対して、有効量の請求項1〜22のいずれか1項記載の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項26】
リファキシミンを含む医薬組成物を製造するための方法であって:
(1) 乳化剤と界面活性剤との混合物を加熱して、油性相を形成すること;
(2) 防腐剤と水との混合物を別個に加熱すること;
(3) 該防腐剤-水の混合物に対して水溶性アルカノールを加え、次いで工程(1)の油性相と混合すること;及び
(4) 工程(3)で形成された混合物にリファキシミンを加え、pH調整剤を用いて、pHを所望の値にまで調整をすることを含む、前記方法。
【請求項27】
工程(1)において、前記乳化剤と界面活性剤と共に、乳化蝋を加熱することをさらに含む、請求項26記載の方法。
【請求項28】
任意に、工程(4)の産物に精製水を加え、次いで、該産物をディスペンサーに充填し、該ディスペンサーに噴射剤を入れることをさらに含む、請求項26又は27記載の方法。
【請求項29】
前記リファキシミンが、微粉形態である、請求項26、27又は28記載の方法。
【請求項30】
前記リファキシミンの粒径が、約200ミクロン未満である、請求項26、27、28、又は29記載の方法。
【請求項31】
リファキシミンを含む直腸作用性組成物における潤滑剤及び安定剤としてのシリコーンの使用。
【請求項32】
請求項1〜22のいずれか1項記載の医薬組成物のためのディスペンサーであって、加圧下で前記医薬組成物を含む容器;それを必要とする患者に投与するために、該容器から定量の該組成物を計量する定量バルブ; 及び、該定量の製剤を、患者に、泡沫の形態で放出するように動作する作動装置を含む、前記ディスペンサー。
【請求項33】
前記定量が、0.5g〜10gの前記医薬組成物を含む、請求項31記載のディスペンサー。

【公表番号】特表2013−511570(P2013−511570A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−540490(P2012−540490)
【出願日】平成22年11月23日(2010.11.23)
【国際出願番号】PCT/GB2010/002164
【国際公開番号】WO2011/061519
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(511109180)シプラ・リミテッド (17)
【Fターム(参考)】