説明

局所用組成物

本発明は、局所用組成物中の、内側無機シリカコーティングと外側シリコーンコーティングとを有する微粉化二重被覆二酸化チタン粒子の耐水性を改善する方法であって、C12〜15アルキルベンゾエートとジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル−2との中に前記粒子を含む分散系の形態で前記粒子を局所用組成物中に含めることを特徴とする、方法に関する。さらに、本発明は、前記分散系を含む局所用組成物ならびに日焼け止めとしてのその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、局所用組成物中の、内側無機シリカコーティングと外側シリコーンコーティングとを有する微粉化二重被覆二酸化チタン粒子の耐水性を改善する方法であって、C12〜15アルキルベンゾエートとジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル−2との中に前記粒子を含む分散系の形態で前記粒子を局所用組成物中に含めることを特徴とする方法に関する。さらに、本発明は、前記分散系を含む局所用組成物ならびに日焼け止めとしてのその使用に関する。
【0002】
紫外線から効果的に保護するため、含まれるUVフィルター物質の量が絶えず増加する日焼け止めの必要性は常に高まっている。そのような日焼け止めは、耐水性が十分でありかつ魅力的な皮膚感触をもたらすと共に、高いSPFを示すべきである。
【0003】
無機微粉化二酸化チタンUVフィルターは、日焼け止め用途に特に有用であるが、それは250〜380nmの広い紫外線範囲にわたって配合物の日焼け防止指数(SPF)を増大させることができるからである。さらに、微粉化二酸化チタンは一般には化粧用途に安全と見なされており、またほとんどの有機UVフィルターについて当てはまるべとついた皮膚感触という欠点がない。それにもかかわらず、微粉化二酸化チタンUVフィルターの使用には、関連した数多くの問題がいまだにある。特に、適切な(また高い)SPFレベルを達成するのに必要な二酸化チタン粉末のレベルにおいては、製品の見た目の美しさの点で受け入れがたくなる。すなわち、粗くざらざらした感触があり、白い/青いものが皮膚に残る。さらに、局所用組成物中の無機微粉化二酸化チタン粒子の洗浄耐性は、「非常に耐水性のある」(また防水性であると分類される)日焼け止めの配合物という観点では、いまだに申し分のないものとは言えない。
【0004】
驚くべきことに、有機二酸化チタン分散系を含む局所用組成物であって、前記分散系が、C12〜15アルキルベンゾエート(CAS番号:68411−27−8)とジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル−2(CAS番号:137398−08−4)との混合物中に、1つの内側無機シリカコーティングと1つの外側シリコーンコーティングとを有する二重被覆微粉化二酸化チタン粒子が分散したものからなっている、有機二酸化チタン分散系を含む局所用組成物は、先行技術の欠点を克服することが見出された。特に、前記分散系を含む局所用組成物は、日焼け防止指数(SPF)が改善され、耐水性も改善される。更なる利点として、前記有機二酸化チタン分散系を含む局所用組成物は、皮膚感触が優れており、透明性が向上しているので、いわゆる皮膚の「白浮き現象(whitening effect)」を防ぎ、ジベンゾイルメタン誘導体と一緒に使用した場合に変色しない。
【0005】
したがって、1つの実施形態では、本発明は、化粧的に許容されるビヒクル中に有機二酸化チタン分散系を含む局所用組成物であって、前記分散系が、C12〜15アルキルベンゾエートとジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル−2との混合物中に分散した、1つの内側無機シリカコーティングと1つの外側シリコーンコーティングとを有する二重被覆微粉化二酸化チタン粒子(以下、二重被覆二酸化チタン粒子と呼ぶ)からなることを特徴とする、局所用組成物に関する。
【0006】
本発明にしたがって使用される「からなる」という用語は、成分の総量が全体で100重量%になる分散系を指す。しかし、「からなる」という用語は、例えば、それぞれの原料によって入り込む不純物または更なる添加剤の極微量を除外するものではない。とは言え、不純物または更なる添加剤は、分散系の全重量に対して5重量%、特に3重量%を超えるべきではない。
【0007】
特定の実施形態では、本発明に従って使用される有機二酸化チタン分散系は、10〜80重量%の二重被覆二酸化チタン粒子、10〜80重量%のC12〜15アルキルベンゾエートおよび0.5〜20重量%のジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル−2からなる。特に、有機二酸化チタン分散系は、25〜60重量%の二重被覆二酸化チタン粒子、30〜70重量%のC12〜15アルキルベンゾエートおよび2〜15重量%のジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル−2からなる。中でも特に、有機二酸化チタン分散系は、45〜55重量%の二重被覆二酸化チタン粒子、40〜50重量%のC12〜15アルキルベンゾエートおよび6〜8重量%のジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル−2からなる。中でも特に、分散系中の二重被覆二酸化チタン粒子の含量は約50重量%である。
【0008】
本明細書中で示されているパーセントおよび比率はすべて、他に記載がなくそうではないと明白でもなければ、重量を基準としている。
【0009】
さらに、分散系における二重被覆二酸化チタン粒子とジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル−2との比率が、20:1〜10:1、中でも特に約10:1〜5:1の範囲から選択されるとき、本発明の利点は特に顕著であることが見いだされた。
【0010】
本発明による二重被覆二酸化チタン粒子は、欧州特許第444798号明細書の実施例1に記載の方法に従って調製できる。
【0011】
無機シリカを含む、二酸化チタンの内側コーティングは、例えば、欧州特許第44515号明細書、欧州特許出願公開第A988853号明細書、欧州特許出願公開第A1284277号明細書、欧州特許第0988853号明細書、および米国特許第5562897号明細書、特開2000−319128号広報に記載されているような従来技術にしたがって、さらに独国特許出願公開第10333029号明細書にしたがって調製できる。内側無機シリカコーティング層は、被覆されていない二酸化チタンに対して少なくとも0.5重量%の量、好ましくは0.5〜50重量%の量、もっとも好ましくは約1〜20重量%の量だけ存在する。
【0012】
外側シリコーンコーティングは、例えば、シラン誘導体(トリエトキシカプリリルシランなど)またはシロキサン誘導体(シリコーン油など)など、知られているシリコーンコーティングの部類から選択する。特に、好適なシリコーン油は、ポリジメチルシロキサン(ジメチコーンとしても知られる(例えば、CAS番号が[CAS 63148−62−9]または[CAS 9016−00−6]であるポリジメチルシロキサンなど)、シメチコン[CAS 8050−81−5]、ポリメチルヒドロシロキサン(メチコン[CAS 9004−73−3]としても知られる)およびポリシリコン−15である。特に、外側コーティングは、選択されたポリジメチルシロキサン[CAS 63148−62−9]または[CAS 9016−00−6]である。外側コーティング層は、二酸化チタンに対して最低でも0.25重量%からなる。好ましくは、外側コーティング層は、二酸化チタンに対して0.5〜50重量%、もっとも好ましくは0.5〜10重量%からなる。
【0013】
表面活性をさらに低下させるために、コーティングの前に二酸化チタンの表面に前処理を施すことができる。そのような前処理は、当業者によく知られており、例えば、(a)HSiF、HTiF、HZrF、HHfF、HGeF、HSnF、および/またはHBFから選択されるフルオロ酸;(b)各1モルの酸中のカルボキシル基当たり≧2のヒドロキシル基を含む水溶性カルボン酸(特にグルコン酸);(c)そのようなカルボン酸の水溶性塩;(d)リン酸イオン源、特にHPOおよび/またはリン酸塩および/または有機リン酸およびその塩;(e)HSO、HNO、HPO、臭化水素酸、ヨウ化水素酸およびまたは過塩素酸などの無機酸(f)タンニンおよび/またはアミノフェノールポリマー(amino−phenolic polymers)から選択される有機成分;および(h)任意選択の酸化物、水酸化物で実施することができる。
【0014】
好ましくは、前処理を行わないか、あるいはリン酸イオン源、特にHPOおよび/またはリン酸塩および/または有機リン酸およびその塩による前処理を行う。
【0015】
本発明で用いられている「二重被覆」という用語は、二酸化チタン粒子上に2種類のコーティング、すなわち、内側無機シリカコーティングと外側シリコーンコーティングが存在することを表す。好ましくは、外側コーティングは、メチコン、ポリジメチルシロキサンまたはそれらの混合物からなり、特に外側コーティングはポリジメチルシロキサンである。
【0016】
もっとも好ましくは、二重被覆二酸化チタン粒子は、シリカとポリジメチルシロキサン(CAS 63148−62−9)とで被覆されたルチル結晶構造の酸化チタンからなる白色粉末の形態であり、それはPARSOL(登録商標)TXという商品名でDSM Nutritional Products Ltd.から市販されている。
【0017】
微粉化二酸化チタン粒子という用語は、主として日焼け止め組成物中にUVフィルターとして含めるのに都合のよい粒径を有する、二酸化チタン粒子を指す。そのような粒子は、好ましくは2〜100nmの範囲、より好ましくは5〜50nmの範囲の一次粒径および0.05から50μmの間、より好ましくは0.1から1μmの間の2次粒径を有する。有機二酸化チタン分散系中の、内側無機シリカコーティングと外側シリコーンコーティングとを有する微粉化二重被覆二酸化チタン粒子の粒径は、好ましくは300〜400nmの範囲である。
【0018】
有機二酸化チタン分散系は、当技術分野において既知の方法で調製することができ、例えば、ジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル−2の存在下で、C12〜15アルキルベンゾエートを二重被覆微粉化二酸化チタン粒子と混合することによって調製できる。好ましくは、微粉化二重被覆二酸化チタン粒子を加える前に、C12〜15アルキルベンゾエートとジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル−2との混合物を用意しておく。有機二酸化チタン分散系の調製は、例えば、ローラー粉砕(roller milling)、ボールミル粉砕、ホモジナイザーまたは音波混合(sonic mixing)で実施できる。
【0019】
本発明による局所用組成物は、従来技術にしたがって調製できる。好ましいのは、紫外線から皮膚を保護するための局所用組成物(局所用日焼け止め組成物など)である。
【0020】
好ましくは、有機二酸化チタン分散系は、(乾燥粉末に対して)約0.5〜50重量%、好ましくは約1〜25重量%の濃度で、本発明による局所用組成物に含める。
【0021】
有機二酸化チタン分散系は、当業者に知られている更なる予備的な処置を行わなくても、本発明による局所用組成物に直接含めることができる。
【0022】
本発明はまた、上に略述したすべての定義および好ましい条件を有する、内側無機シリカコーティングと外側シリコーンコーティングとを有する微粉化二重被覆二酸化チタン粒子、C12〜15アルキルベンゾエートおよびジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル−2からなる分散系を、化粧的に許容されるビヒクルに含めることを特徴とする、本発明による局所用組成物の調製方法に関する。分散系は、油相に加えるか、または最後に最終配合物に、当業者に知られている方法で加えることができる。
【0023】
この新規の局所用組成物は、耐水性が明らかに改善され、したがって、水浴または発汗の後でさえ、太陽光線の有害な影響からの保護が改善される。さらに、局所用組成物は、二重被覆二酸化チタン粒子そのものを含めた場合(すなわち、分散させていない場合)と比較して、日焼け防止指数が改善される。
【0024】
したがって本発明はまた、局所用組成物中の、内側無機シリカコーティングと外側シリコーンコーティングとを有する微粉化二重被覆二酸化チタン粒子の耐水性を改善する方法であって、C12〜15アルキルベンゾエートとジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル−2との中に前記粒子を含む分散系の形態で前記粒子を局所用組成物中に含めることを特徴とする、微粉化二重被覆二酸化チタン粒子の耐水性を改善する方法に関する。
【0025】
本明細書で使用される「局所用組成物」という用語は、特に、哺乳類のケラチン組織(例えば、人間の皮膚または毛髪など、特に人間の皮膚)に局所的に施すことのできる化粧組成物を指す。
【0026】
本出願で使用される「化粧組成物」という用語は、Roempp Lexikon Chemie,10th edition 1997,Georg Thieme Verlag Stuttgart,New Yorkの中で「Kosmetika」という見出しに定義されている化粧組成物、ならびにA.Domsch著「Cosmetic Preparations」,Verlag fur chemische Industrie (H.Ziolkowsky編),4th edition,1992に開示されている化粧配合物を指す。
【0027】
化粧的に許容されるビヒクルという用語は、局所用組成物または配合物に従来使用されているすべてのビヒクルおよび/または賦形剤および/または希釈剤を指す。
【0028】
好ましくは、本発明による局所用組成物は、溶剤または脂肪質中の懸濁液または分散系の形態、あるいはエマルジョンまたはマイクロエマルジョン(特に、O/WまたはW/O型)、PITエマルジョン、複合エマルジョン(例えば、O/W/OまたはW/O/W型)、ピッカリング(pickering)エマルジョン、ヒドロジェル、アルコールジェル、リポジェル(lipogel)、単層または多層溶液あるいは小胞分散体(vesicular dispersion)の形態あるいは他の普通の形態であり、それらはペンで、またはマスクとして、またはスプレーとしても施すことができる。局所用配合物がエマルジョンであるかまたはエマルジョンを含む場合、1種または複数種の陰イオン活性剤、非イオン活性剤、陽イオン活性剤または両性界面活性剤を含むこともできる。
【0029】
特定の実施形態では、本発明による局所用組成物はO/Wエマルジョンである。好ましくは、O/Wエマルジョンの界面活性剤は、ステアリン酸グリセリルとセテアレス−20および/またはセテアレス−25との組合せ、セテアレス−6とステアリルアルコールとの組合せ、セチルステアリルアルコールとPEG−40ヒマシ油とセチルステアリル硫酸ナトリウム(sodiumcetylstearylsulfate)との組合せ、トリセテアレス−4リン酸、ステアリン酸グリセリル、セチルステアリル硫酸ナトリウム(sodiumcetylstearylsulfate)、レシチントリラウレス−4リン酸(lecithin trilaureth−4 phosphate)、ラウレス−4リン酸、ステアリン酸、ステアリン酸PG(SE)、PEG−25水和ひまし油、PEG−54水和ひまし油および/またはカプリル酸PEG−6/カプリン酸グリセリズ(caprinic acid glycerides)、オレイン酸グリセリルとプロピレングリコール、ステアリン酸PEG−9、ステアリン酸PEG−20、ステアリン酸PEG−30、ステアリン酸PEG−40、ステアリン酸PEG−100、セテス−2、セテス−20、ポリソルベート−20、ポリソルベート−60、ポリソルベート−65および/またはポリソルベート−100との組合せ、ステアリン酸グリセリルとステアリン酸PEG−100、ミリスチン酸グリセリル、ラウリン酸グリセリル、ソルビタンパーオレイン酸PEG−40(PEG−40−Sorbitanperoleat)、ラウレス−4、セテアレス−3および/イソステアリルグリセリルエーテル(isostearylglycerylether)との組合せ、セチルステアリルアルコールとセチルステアリル硫酸ナトリウム、ラウレス−23および/またはステアレス−2との組合せ、ステアリン酸グリセリルとステアリン酸PEG−30、ステアリン酸PEG−40、ジステアリン酸グリコール、PEG−22−ドデシルグリコールコポリマー、ステアリン酸PEG−4ポリグリセリル−2(polyglyceryl−2−PEG−4−stearat)、セテアレス−12、セテアレス−20、セテアレス−30、セスキステアリン酸メチルグルコース、ステアレス−10および/またはステアリン酸PEG−20との組合せ、ステアレス−2とジステアリン酸PEG−8、ステアレス−21、ステアレス−20、イソステアレス−20、PEG−45/ドデシルグリコールコポリマー、(メトキシPEG−22/ドデシルグリコール)コポリマー、PEG−40パーオレイン酸ソルビタン(PEG−40−sorbitanperoleat)、PEG−40パーイソステアリン酸ソルビタン(PEG−40−sorbitanperisostearats)、ステアリン酸PEG−20グリセリル、ステアリン酸PEG−20グリセリル、PEG−8−蜜ろう(PEG−8−bee wax)、ラウリン酸ポリグリセリル−2、コハク酸イソステアリルジグリセリル(isostearyldiglycerylsuccinat)、ステアルアミドプロピルPG−ジモニウムクロリドホスフェート(stearamidopropyl−PG−dimoniumchloridphosphat)、セテス−20、ステアリン酸グリセリル(SE)、クエン酸トリエチル、PEG−20−セスキステアリン酸メチルグルコース(PEG−20−methylglucosesesquistearat)、リン酸セチル、クエン酸ステアリン酸グリセリル(glycerylstearatcitrate)、セテアリルサルフェート(cetearyl sulfate)、ソルビタンセスキオレアート、トリセテアレス−4−リン酸、トリラウレス−4リン酸、ジステアリン酸ポリグリセリルメチルグルコース(polyglycerylmethylglucosedistearate)、セチルリン酸K、ジステアリン酸ポリグリセリル−3メチルグルコース、イソステアレス−10、セスキイソステアリン酸ポリグリセリル−2、セテス−10、オレス−20および/またはイソセテス−20との組合せ、ステアリン酸グリセリルとセテアレス−20、セテアレス−12、セチルステアリルアルコールおよび/またはパルミチン酸セチルとの組合せ、セチルステアリルアルコールとステアリン酸PEG−20、ステアリン酸PEG−30、ステアリン酸PEG−40および/またはステアリン酸PEG−100との組合せの群から選択される。特に好ましいO/W界面活性剤は、リン酸エステル界面活性剤(リン酸セチル、セチルリン酸カリウムおよび/またはセチルリン酸DEAなど)、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸PEG−40、ステアリン酸PEG−100とステアリン酸グリセリル、トリグリセリンメチルグルコースジステアレート(triglycerinmethylglucosedistearate)、ジステアリン酸ポリグリセリル−3メチルグルコース、セテアリルグルコシド、ポリエチレングリコール(21)ステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(2)ステアリルエーテル、クエン酸ステアリン酸グリセリル、セテアリル硫酸Na、ステアリルアルコール(Setearylalkohol)、ステアリン酸および/またはステアリン酸ソルビタンとの組合せである。
【0030】
特に好ましい本発明によるO/W界面活性剤は、リン酸エステル界面活性剤であり、特にリン酸セチル、セチルリン酸カリウムおよび/またはセチルリン酸DEAおよび/またはステアリン酸PEG−100(ステアリン酸グリセリルと組み合わせたもの)から選択したものである。本発明によるもっとも好ましいO/W界面活性剤は、リン酸エステル界面活性剤であるリン酸セチル、セチルリン酸カリウムおよび/またはリン酸セチルDEAである。
【0031】
本発明によるO/Wエマルジョンの油相は、好ましくは、ジ(カプリル/カプリン酸)BG、ジカプリルイルエーテル(dicaprylylether)、C18〜38−脂肪酸トリグリセリド、アジピン酸ジブチル、シクロメチコン、安息香酸[2−フェニルエチル]、ラウロイルサルコシンイソプロピルならびにこれらの混合物から選択される油類を含む。本発明によるO/Wエマルジョン中の油(1種または数種)の量は、一般に、局所用組成物の全重量に対して、約0.1〜40重量%の範囲、特に約1.0〜30重量%の範囲、中でも特に約5%〜20重量%の範囲から選択する。
【0032】
別の特定の実施形態では、本発明による局所用組成物はジェルである。これは、他の二酸化チタンのグレードおよび二酸化チタン分散系とは異なり、上に略述した好ましい条件および定義を有する二酸化チタン分散系が含まれていると、驚いたことに、外観が見た目に美しく満足のゆくものとなるからである。特に好ましいのは、Pemulen TRジェルなどのPemulenジェルである。
【0033】
本発明による好ましい局所用組成物は、特に非常に耐水性のある日焼け止め(防水性日焼け止めとも呼ばれる)などのサンケア(sun care)配合物である。
【0034】
本発明にしたがった局所用組成物は、液体、ローション、濃化ローション(thickened lotion)、ジェル、クリーム、乳液、軟膏、ペースト、パウダー、メーキャップ(make−up)、または固体チューブスティック(solid tube stick)の形態とすることができ、また任意選択でエアロゾルとしてパッケージ化することができ、ムース(エアロゾルムースなど)、フォームまたはスプレーフォーム、スプレー、スティックの形態で提供されうる。
【0035】
本発明の局所用化粧組成物は、通常の化粧補助剤および添加剤も含むことができ、そうした化粧補助剤および添加剤には、例えば、さらなるUVフィルター物質、防腐剤、酸化防止剤、脂肪性物質、油類、水、アルコール類、ポリオール、有機溶剤、電解液、シリコーン、増粘剤、被膜形成剤、柔軟剤、乳化剤、錯化剤、消泡剤、保湿剤、美的成分(芳香剤など)、界面活性剤、充填剤、金属イオン遮閉剤、陰イオン、陽イオン、非イオンまたは両性のポリマーまたはそれらの混合物、噴射剤、酸性化剤または塩基性化剤、染料、着色料(colorings)/着色剤、研磨剤、吸収剤、精油、皮膚感覚剤(skin sensates)、収斂剤、消泡剤、顔料またはナノ顔料(nanopigments)、化粧有効成分あるいは化粧組成物に慣例的に配合される他の成分、ビヒクルおよび/または賦形剤または希釈剤がある。本発明の組成物に用いるのに適した、スキンケア工業で通常用いられるそのような化粧用成分は、例えば、CTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Second Edition(1992)に記載されているが、それらに限定されない。
【0036】
化粧用および皮膚用の補助剤および添加剤の必要量は、所望の製品に基づいて、当業者が容易に選ぶことができ、それらを実施例で説明するが、それらに限定されることはない。
【0037】
好ましくは、本発明による局所用組成物は、更なるUVフィルター物質を含み、それは好ましくは、化粧用または皮膚用サンケア製品などの局所用組成物に添加することが知られている従来のUVAフィルター物質および/またはUVBフィルター物質および/または広域スペクトルUVフィルター物質から選択される。そのようなUVフィルター物質には、400nm〜320nm(UVA)および320nm〜280nm(UVB)の波長範囲またはさらにはずっと短い波長(UVC)の光を吸収し、かつ化粧的に許容されるUVフィルター物質として使用されるかまたは使用できるすべての群が含まれる。そのようなUVフィルター物質は、例えば、CTFA Cosmetic ingredient Handbookまたは「The Encyclopedia of violet Filters」(ISBN:978−1−932633−25−2)(Nadim A.Shaath著)に列挙されている。
【0038】
好適なUVフィルター物質は、有機化合物であっても無機化合物であってもよい。例示的な有機UVフィルター物質には、例えば、アクリレートで、例えば、2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(オクトクリレン、PARSOL(登録商標)340)、エチル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートなど;樟脳誘導体で、例えば、4−メチルベンジリデンカンファー(PARSOL(登録商標)5000)、3−ベンジリデンカンファー、カンファーメト硫酸ベンザルコニウム(camphor benzalkonium methosulfate)、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー(polyacrylamidomethyl benzylidene camphor)、スルホベンジリデンカンファー(sulfo benzylidene camphor)、スルホメチルベンジリデンカンファー(sulphomethyl benzylidene camphor)、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸(Mexoryl(登録商標)SX)など;シンナメート誘導体で、例えば、エチルヘキシルメトキシシンナメート(PARSOL(登録商標)MCX)、エトキシエチルメトキシシンナメート、イソアミルメトキシシンナメートならびにシロキサンに結合したケイ皮酸誘導体など;p−アミノ安息香酸誘導体で、例えば、p−アミノ安息香酸、2−エチルヘキシルp−ジメチルアミノベンゾエート、N−オキシプロピレン化エチルp−アミノベンゾエート、グリセリルp−アミノベンゾエートなど;ベンゾフェノン類で、例えば、ベンゾフェノン−3、ベンゾフェノン−4、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノンなど;ベンザルマロン酸のエステルで、例えば、ジ−(2−エチルヘキシル)4−メトキシベンザルマロナートなど;発色団を持っている有機シロキサン化合物で、例えば、ポリシリコーン−15(PARSOL(登録商標)SLX)、ドロメトリゾールトリシロキサン(Mexoryl(登録商標)XL)など;サリチレート誘導体で、例えば、イソプロピルベンジルサリチレート、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ブチル、サリチル酸エチルヘキシル(PARSOL(登録商標)EHS、Neo Heliopan(登録商標)OS)、サリチル酸イソオクチル(isooctyl salicylate)またはホモメンチルサリシラート(homomenthyl salicylate)(ホモサラート、PARSOL(登録商標)HMS、Neo Heliopan(登録商標)HMS)など;トリアジン誘導体で、例えば、エチルヘキシルトリアゾン(Uvinul(登録商標)T−150)、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン(Uvasorb(登録商標)HEB)、ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(Tinosorb(登録商標)S)、2,4,6−トリビフェニル−4−イル−1,3,5トリアジンなど;ベンゾトリアゾール誘導体で、例えば、2,2’−メチレン−ビス−(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)−フェノール(Tinosorb(登録商標)M)など;カプセル化UVフィルターで、例えば、カプセル化エチルヘキシルメトキシシンナメート(Eusolex(登録商標)UVパール)またはUVフィルターが充填されたマイクロカプセル(例えば、欧州特許出願公開第1471995号明細書に開示されたもの)など;ジベンゾイルメタン誘導体で、例えば、4−tert.−ブチル−4’−メトキシジベンゾイル−メタン(PARSOL(登録商標)1789)、ジメトキシジベンゾイルメタン、イソプロピルジベンゾイルメタンなど;フェニレン−1,4−ビス−ベンズイミダゾールスルホン酸または塩で、例えば、2,2−(1,4−フェニレン)ビス−(1H−ベンズイミダゾール−4,6−ジスルホン酸)(Neoheliopan AP)など;アミノ置換ヒドロキシベンゾフェノン類で、例えば、2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシ−ベンゾイル)−安息香酸ヘキシルエステル(アミノベンゾフェノン、Uvinul(登録商標)A Plus)、1,1’−(1,4−ピペラジンジイル)ビス[1−[2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]フェニル]−メタノンなど;ベンゾキサゾール誘導体で、例えば、2,4−ビス−[5−1(ジメチルプロピル)ベンゾキサゾール−2−イル−(4−フェニル)−イミノ]−6−(2−エチルヘキシル)−イミノ−1,3,5−トリアジン[Uvasorb(登録商標)K2A)、エチルヘキシルビス−イソペンチルベンゾオキサゾリルフェニルメラミンおよびメロシアニン類(例えば、独国特許出願公開第102007024345号明細書の第4頁、第19段落(本明細書に援用する)に開示されている)などが含まれる。
【0039】
さらなる無機UVフィルター物質が存在してもよく、例えば、微粒子化(微粉化)酸化亜鉛などの顔料を含んでもよい。「微粒子化」という用語は、約5nm〜約200nm、特に約15nm〜約100nmの粒径を表す。粒子は、他の金属酸化物(例えば、酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウムなど)で、または有機コーティング(例えば、ポリオール、メチコン、ステアリン酸アルミニウム、アルキルシランなど)でコーティングされていてもよい。そのようなコーティングは当該技術分野において周知である。
【0040】
サンケア製品の光安定性を向上させるためには、光安定剤を添加するのが望ましいであろう。当業者に知られている例示的な光安定剤には、例えば、3,3−ジフェニルアクリレート誘導体で、例えば、オクトクリレン(PARSOL(登録商標)340)またはポリエステル−8(Polycrylene(登録商標))など;ベンジリデンカンファー誘導体で、例えば、4−メチルベンジリデンカンファー(PARSOL(登録商標)5000)など;ベンザルマロナート(Benzalmalonate)誘導体で、例えば、ポリシリコーン−15(PARSOL(登録商標)SLX)またはシリンギリデンマロン酸ジエチルヘキシル(Oxynex ST液)など;ジアルキルナフタレートで、ジエチルヘキシルナフタレート(diethylhexyl naphthalate)(Corapan TQ)などが含まれるが、これらに限定されない。さらなる安定剤の概要は、例えば、「SPF Boosters & Photostability of violet Filters」,HAPPI,October 2007,p.77−83に示されており、これを本明細書に援用する。光安定剤は一般に、局所用組成物の全重量に対して0.05〜10重量%だけ用いる。
【0041】
さらなるUVフィルター物質は、一般に組成物の全重量に対して0.1〜30重量%の範囲、好ましくは0.2〜15重量%の範囲、もっとも好ましくは0.5〜10重量%の範囲の割合で、本発明による組成物中に存在する。
【0042】
一般に、本発明による局所用組成物中の各UVフィルター物質の量は、局所用組成物の全重量に対して約0.1〜10重量%の範囲、好ましくは約0.2〜7重量%の範囲、もっとも好ましくは約0.5〜5重量%の範囲から選択する。
【0043】
本発明による局所用組成物中のUVAフィルター物質(特にt−ブチルメトキシジベンゾイルメタン)の総量は、好ましくは、局所用組成物の全重量に対して、約0.5〜7重量%の範囲、特に約1〜6重量%の範囲、中でも特に約2〜5重量%の範囲から選択する。
【0044】
本発明による局所用組成物中のUVフィルター物質の総量は、局所用組成物の全重量に対して、好ましくは約1〜40重量%の範囲、好ましくは約5〜30重量%の範囲、特に20〜30重量%の範囲である。
【0045】
本発明による局所用組成物に用いる好ましい更なるUVBフィルター物質には、ポリシリコーン−15、オクトクリレン、エチルヘキシルメトキシシンナメート、サリチル酸エチルヘキシルおよび/またはホモサラートが含まれる。
【0046】
本発明による局所用組成物に用いる好ましい広帯域(broadband)UVフィルター物質には、非対称のs−トリアジン誘導体で、2,4−ビス−{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]−フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス−(ビフェニル)1,3,5−トリアジンなど、ある特定のベンゾフェノン類で、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノンおよび/または2,2’−メチレン−ビス−(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチル−ブチル)−フェノール)などが含まれる。
【0047】
本発明による局所用組成物に用いる好ましいUVAフィルター物質は、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン(DSM Nutritional Products Ltd.から市販されているPASRSOL(登録商標)1789)である。
【0048】
好ましい本発明による局所用組成物は、1種または数種類の酸化防止剤をさらに含む。本発明による局所用組成物に含めるのに適した酸化防止剤は、化粧用用途に適したすべての酸化防止剤である。特に好ましいのは、水溶性酸化防止剤で、ビタミン(例えば、アスコルビン酸など)ならびにその誘導体(例えば、リン酸アスコルビルで、DSM Nutritional Products Ltd.のStay C(モノリン酸アスコルビルナトリウム(sodium ascorbyl monophosphate)など)などである。
【0049】
さらに好ましい酸化防止剤は、BHT、ビタミンEおよびその誘導体ならびにビタミンAおよびその誘導体である。
【0050】
本発明による局所用組成物中の酸化防止剤(1種または数種)の量は、好ましくは、局所用組成物の総量に対して約0.001〜30重量%の範囲、特に約0.05〜20重量%の範囲、中でも特に約0.1〜10重量%の範囲から選択される。
【0051】
ビタミンEの誘導体を本発明による局所用組成物に使用する場合、好ましくは酢酸トコフェロールを使用する。酢酸トコフェロールは、約0.05〜25重量%、特に0.5〜5重量%の量だけ局所用配合物中に存在してよい。興味を引く別のビタミンE誘導体は、リノール酸トコフェロールである。リノール酸トコフェロールは、約0.05〜25重量%、特に0.5〜5重量%の量だけスキンケア組成物中に存在してよい。
【0052】
ビタミンAおよび/またはその誘導体、特にレチノイド誘導体(パルミチン酸レチノールまたはプロピオン酸レチノールなど)を、好ましくは、0.01〜5重量%、特に0.01〜0.3重量%の量だけ、本発明による局所用配合物中に用いる。
【0053】
好ましくは、本発明による局所用組成物は、脂肪アルコール、特にセチルアルコール、セテアリルアルコールおよび/またはベヘニルアルコールなどをさらに含む。本発明による局所用組成物における1種または数種の脂肪アルコールの総量は、好ましくは、局所用組成物の全重量に対して約0.1〜10.0重量%の範囲、特に約0.5〜6.0重量%の範囲から選択する。
【0054】
本発明による局所用組成物に含める化粧有効成分の好ましい例には、ビタミンB、ビタミンB12、ビオチン、補酵素Q10、EGCG、α−リポ酸、フィトエン、ヒドロキシチロソール(hydroxytyrosol)および/またはオリーブ抽出物、シアバター、藻類抽出物、カカオ脂、アロエ抽出物、ホホバ油、ムラサキバレンギク抽出物、カモミール抽出物、α−グルコシルルチン、カルニチン、カルノシン、天然および/または合成のイソフラバノイド類、クレアチン、タウリン、アラニン、グリシルレチン酸、グリシリカグラブラ(glycyryca glabra)および/またはチョウカカンゾウ(glycyrrhiza inflata)が含まれる。
【0055】
化粧有効成分は、典型的には、局所用配合物の全重量に対して少なくとも0.001重量%の量を含める。一般には、約0.001重量%〜約30重量%、好ましくは約0.001重量%〜約10重量%の量の更なる化粧活性剤(cosmetically active agent)を使用する。さらに好ましい本発明による局所用組成物は、保湿剤をさらに含む。保湿剤は、保湿量(hydration)(含水量)を増大させることにより、皮膚の外層(表皮)を柔らかく、いっそうしなやかにするよう特に意図された化学剤であり、保湿量は例えば、経皮水分損失(TEWL)を測定することで求めることができる。本発明での好適な保湿剤は、例えば、グリセリン、乳酸および/またはラクテート(特に乳酸ナトリウムなど)、ブチレングリコール、プロピレングリコール、バイオサッカライドガム−1(biosaccaride gum−1)、ツルマメ、エチルヘキシルオキシグリセリン、炭酸ピロリドン(pyrrolidoncarbonic acid)および/または尿素である。
【0056】
本発明での好適な防腐剤には、例えば、ホルムアルデヒドを放出する薬品で、例えば、DMDMヒダントイン(例えば、LonzaのGlydantのようなもの)、ブチルカルバミン酸ヨードプロピニル(iodopropylbutylcarbamate)(例えば、LonzaのGlycacil−L、Glycacil−Sおよび/またはJan DekkerのDekaben LMBのようなもの)、パラベン(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸アルキルエステルで、メチル−、エチル−、プロピル−および/またはブチルパラベンなど)、フェノキシエタノール、エタノール、安息香酸などが含まれるが、これらに限定されない。
【0057】
好ましくは、本発明による局所用組成物は、特に局所用組成物がエマルジョンの形態である場合、製品の粘稠度を適切なものにするために増粘剤を含む。好ましい増粘剤は、ケイ酸アルミニウム、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリレート(carbopole(登録商標)(例えば、Carbopole 980、981、1382、2984、5984)など)またはそれらの混合物である。さらに好ましい増粘剤には、アクリレート/C10〜30アルキルアクリレートコポリマー(例えば、Pemulen TR 1、Pemulen TR 2、NOVEONのCarbopol 1328など)ならびにAristoflex AVC(INCI:(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー)が含まれる。
【0058】
もちろん、当業者は、上述の任意選択の更なる化合物および/またはそれらの量を注意深く選択して、本発明に従った組合せと本来結びつく有利な特性が、思い付いた添加物によって悪影響を受けない(または実質的に受けない)ようにするであろう。
【0059】
本発明による化粧用および/または皮膚用の組成物は、pHが3〜10の範囲、好ましくは4〜8の範囲のpH、もっとも好ましくはpH4〜7の範囲である。
【0060】
本発明はさらに、紫外線から人間の皮膚および/または毛髪を保護するための本発明による局所用組成物の使用に関する。
【0061】
以下の実施例は、本発明の方法および組成物をさらに説明するために示されている。これらの実施例は説明のためだけのものであり、決して本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0062】
[実施例1:耐水性試験]
Parsol(登録商標)TX、あるいは50重量%のParsol(登録商標)TXとC12〜C15アルキルベンゾエート(43重量%)とPGPH(7重量%)とからなる分散系のいずれかを2種類の濃度で含む、4種類のサンケアエマルジョンを、標準な方法に従って調製した。各配合物のために、4つのPMMAプレートを作製した。
【0063】
[生体外SPFの測定]
生体外SPFは、PMMAプレート(2.5×50×50mm)上で4つの異なる点において、MUT Helias”(MUT Aviation−Technology GmbH)を用いて測定した。
【0064】
[塗布]
18.7mg±0.2mgのそれぞれの配合物を、PMMAプレート上に注射器で点状に施し、指でこすってプレート上に平らに広げた。指はそれぞれの配合物であらかじめ飽和状態になるようにしておいた。試料は、オーブン内において43℃で30分間沈降させ、生体外SPF(初期)を測定した。
【0065】
水中浸漬: 測定は、2.5リットルの室温の(room tempered)浸透水(osmosed water)を満たした3リットルのビーカーを用いて実施した。ビーカーの壁にスペーサーでPMMAプレートを固定した後、プレートの周囲に最適な層流が確実に起こるように、電磁撹拌機を用いて水を常に攪拌した(450リットル/分)。20分間浸漬した後、試料を取り出し、過剰の水を43℃で30分間除去した。室温に達した後、生体外SPFを再び測定した。結果を表1に要約する。
【0066】
【表1】



【0067】
表1から読み取ることができるように、SPFの増大に次いで、二酸化チタン分散系の使用により耐水性が著しく改善されている(洗浄処置後の生体外SPFの減少が、著しく少なくなっていることで示されている)。
【0068】
[実施例2 日焼け止め配合物]
【表2】



【0069】
【表3】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧的に許容されるビヒクル中に有機二酸化チタン分散系を含む局所用組成物であって、前記分散系が、内側無機シリカコーティングと外側シリコーンコーティングとを有する微粉化二重被覆二酸化チタン粒子、C12〜15アルキルベンゾエートおよびジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル−2からなることを特徴とする、局所用組成物。
【請求項2】
前記分散系が、10〜80重量%の二重被覆二酸化チタン粒子、10〜80重量%のC12〜15アルキルベンゾエートおよび0.5〜20重量%のジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル−2からなることを特徴とする、請求項1に記載の局所用組成物。
【請求項3】
前記分散系が、25〜60重量%の二重被覆二酸化チタン粒子、30〜70重量%のC12〜15アルキルベンゾエートおよび2〜15重量%のジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル−2からなることを特徴とする、請求項1に記載の局所用組成物。
【請求項4】
前記分散系が、45〜55重量%の、内側無機シリカコーティングと外側シリコーンコーティングとを有する微粉化二重被覆二酸化チタン粒子、40〜50重量%のC12〜15アルキルベンゾエートおよび6〜8重量%のジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル−2からなることを特徴とする、請求項1に記載の局所用組成物。
【請求項5】
前記二酸化チタン粒子の前記外側コーティングがポリジメチルシロキサンであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の局所用組成物。
【請求項6】
前記二重被覆二酸化チタン粒子が、シリカとポリジメチルシロキサンとでコーティングされたルチル結晶構造の酸化チタンからなる白色粉末の形態であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の局所用組成物。
【請求項7】
前記二重被覆二酸化チタン粒子とジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル−2との比率(w/w)が、20:1〜10:1の範囲から選択されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の局所用組成物。
【請求項8】
前記有機二酸化チタン分散系(前記乾燥粉末をベースにしたもの)が、前記局所用組成物の全重量に対して0.5〜50重量%の量だけ存在することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の局所用組成物。
【請求項9】
前記組成物が0.5〜7重量%のジベンゾイルメタン誘導体をさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載の局所用組成物。
【請求項10】
前記ジベンゾイルメタン誘導体がt−ブチルメトキシジベンゾイルメタンであることを特徴とする、請求項9に記載の局所用組成物。
【請求項11】
前記組成物がO/Wエマルジョンまたはジェルの形態であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の局所用組成物。
【請求項12】
紫外線から人間の皮膚および/または毛髪を保護するための、請求項1〜11のいずれか一項に記載の局所用組成物の使用。
【請求項13】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の局所用組成物中の,内側無機シリカコーティングと外側シリコーンコーティングとを有する微粉化二重被覆二酸化チタン粒子の耐水性を改善する方法であって、C12〜15アルキルベンゾエートとジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル−2との中に前記粒子を含む分散系の形態で前記粒子を前記局所用組成物中に含めることを特徴とする、方法。
【請求項14】
内側無機シリカコーティングと外側シリコーンコーティングとを有する微粉化二重被覆二酸化チタン粒子、C12〜15アルキルベンゾエートおよびジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル−2からなる分散系を、化粧的に許容されるビヒクル中に含めることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の局所用組成物の調製方法。

【公表番号】特表2013−511483(P2013−511483A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−539280(P2012−539280)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【国際出願番号】PCT/EP2010/067433
【国際公開番号】WO2011/061133
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】