説明

局所的な適用のための徐放性の組成物及び基体へ活性な作用薬を配送する方法

基体への局所的な適用のための徐放性の組成物は、水中油型乳剤及びその水中油型乳剤の中へ組み込まれた活性な作用薬を含む。その水中油型乳剤は、実質的に親油性の溶剤が無いものであると共に油中水型乳剤の機械的な反転によって形成される。その油中水型乳剤は、をシリコーン成分、界面活性剤、及び水を含む。その基体へその活性な作用薬を配送する方法は、その水中油型乳剤を提供すると共に、その基体へのその水中油型乳剤の適用における、その基体へのその活性な作用薬の配送のために、その水中油型乳剤の中へその活性な作用薬を組み込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、基体への局所的な適用のための徐放性の組成物に関する。また、本発明は、一般に、その基体へ活性な作用薬を配送する方法に関する。より具体的には、その徐放性の組成物及びこの発明の方法は、その基体へのその水中油型乳剤の適用における、その基体へのその活性な作用薬の配送のために、水中油型乳剤へ活性な作用薬を組み込む。
【背景技術】
【0002】
水中油型乳剤及びそれらの使用は、多数の産業にわたって知られる。一つの例として、水中油型乳剤は、徐出性の活性な作用薬のための媒体として、医療の産業のいたるところで、使用されてきた。これらの水中油型乳剤は、より具体的には、シリコーンを主材料とした感圧性の接着剤のようなシリコーン成分、界面活性剤、及び水を含む。そのシリコーンの成分は、一般に、高度に粘性のものであると共にその界面活性剤及び水と一緒に処理することが困難なことであることが、知られる。より具体的には、そのシリコーン成分は、高い弾性率及び粘性率を有する。このような流動学的性質は、変形させる及びそのシリコーン成分をその界面活性剤及び水と一緒に処理することが困難なものにする抵抗を提供する。水中油型乳剤におけるそのシリコーン成分の高い粘性及び他の流動学的性質のおかげで、シリコーンを含有する水中油型乳剤を生産することができる工程は、典型的に、乳化重合に限定されてきた。
【0003】
その水中油型乳剤を生産するための他の工程は、知られると共に、機械的な乳化及び反転による機械的な乳化のような機械的な工程を含む。しかしながら、その水中油型乳剤を、その乳剤が、その乳剤におけるそのシリコーン成分の粘度を本質的に減少させる又は‘切る’ために、単数又は複数の溶剤を組み込むとすれば、三つの機械的な工程によって生産することができるのみである。その粘度を減少させるための付加的な溶剤の使用は、健康、安全、及び環境に対する関心事のような多種多様な理由のおかげで、ほとんどの用途において、望ましくないことである。
【0004】
付加的な溶剤無しにそれら機械的な工程によって水中油型乳剤を生産することと関連した固有の困難性のおかげで、活性な作用薬は、現在までのところ、実質的にそれら付加的な溶剤が無いと共に、上で参照した反転の工程によるその機械的な乳化に従って生産される、水中油型乳剤の中へ戦略的に組み込まれてはこなかった。さらには、それら活性な作用薬が、典型的には、どんな凝集物も無くその水中油型乳剤の中へ均一に組み込む、即ち、分散させることが困難なものであることが、知られる。結果として、このような乳剤は、人間又は動物の皮膚のような基体への局所的な適用のための徐放性の組成物として利用されてこなかった。このような乳剤は、その基体へその活性な作用薬を配送するための手段としてもまた、使用されてもこなかった。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
徐放性の組成物及びある方法が、開示される。その徐放性の組成物は、基体への局所的な適用のためのものであると共に、その方法は、その基体へ活性な作用薬を配送する。
【0006】
その組成物は、実質的に親油性の溶剤が無いと共に油中水型乳剤の機械的な反転によって形成される、水中油型乳剤を含む。その油中水型乳剤は、シリコーン成分、界面活性剤、及び水を含む。また、その組成物は、その水中油型乳剤に分散させられる活性な作用薬を含む。
【0007】
その方法は、その水中油型乳剤を提供すると共にその水中油型乳剤の中へその活性な作用薬を組み込む。このようなものとして、その活性な作用薬を、その基体へのその水中油型乳剤の適用において、その基体へ配送することができる。
【0008】
それに応じて、本発明は、実質的に新油性の溶剤が無い、油中水型乳剤の機械的な反転に従って生産させられる、及び、その基体への適用における制御された様式で、基体への配送のための活性な作用薬を含む、水中油型乳剤を提供する。都合良くは、その活性な作用薬及びその界面活性剤を、その乳剤を提供するために行われる様々な乳化のステップの間に、又は、その水中油乳剤が、その活性な作用薬の薬物の放出プロファイル若しくはその水中油乳剤の全体的な安定性を遂げることなく、添加後の状況で提供されてしまった後に、その水中油乳剤へ添加することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、基体への局所的な適用のための、徐放性の組成物、本質的に具体的に処理しておいた水中油(O/W)乳剤及び活性な作用薬、を含む。また、本発明は、その基体へその活性な作用薬を配送する方法を含む。その基体は、典型的には、生物学的な表面、人間の体の組織、及び/又は、動物の体の組織である。より具体的な基体は、皮膚、毛髪、粘膜、歯、爪、及び目を含むが、しかし、それらに限定されない。
【0010】
本発明は、典型的には、その徐放性の組成物から形成された又はそれを含む包帯で、損傷を受けた又は病的な皮膚を処置することのような、局所療法、及び、切り傷、火傷、及び同様のものを処置することのような、創傷のケアに適用されるが、ここで、O/W乳剤は、一次的に、その基体へその活性な作用薬を連続的に届く直接的なクリーム又は液体の絆創膏として機能する。また、本発明の徐放性の組成物によって形成されたフィルムを含む、本発明は、様々な経皮的な、薬学的な、獣医学の、及び口の健康のケアの用途に適用されることもある。それは、それ自体によって持続するその場に形成されたパッチとして使用されることもあるか、又は、それを、二次的なフィルム、包帯、又はパッチで保護することができるか、又は、それは、経皮的なパッチ若しくは創傷包帯のような、より複雑な構築の部分であることができる。上にそれとなく触れたように、以後に単純に組成物と呼ばれる、徐放性の組成物は、そのO/W乳剤及びその活性な作用薬を含む。その活性な作用薬は、そのO/W乳剤の中へ組み込まれる。
【0011】
そのO/W乳剤は、付加的に下に記載されるような油中水型(W/O)乳剤の機械的な反転によって、形成されると共に、そのO/W乳剤は、実質的に新油性の溶剤が無いものである。また、機械的な反転は、当技術において、機械的な反転の乳化とも呼ばれる。機械的な反転より先のそのO/W乳剤についての基礎である、そのW/O乳剤は、好ましくは均質な油相で、シリコーン成分及び界面活性剤を含むと共にまた水を含む。その活性な作用薬が、下に記載されるように、粉末の形態に又は結晶質の形態にあるとすれば、用語“実質的に親水性の溶剤が無い”は、そのO/W乳剤が、新油性の溶剤が無いものであるが、しかし、いずれの新油性の溶剤についても、そのシリコーン成分の結果として存在することを表記する。他方では、その活性な作用薬は、下に記載したように、液体又は粘性の形態にあるとすれば、用語“実質的に親水性の溶剤が無い”は、そのO/W乳剤が、新油性の溶剤が無いが、しかし、いずれの新油性の溶剤についても、そのシリコーン成分の結果として、又は、その活性な作用薬におけるいずれの溶剤の結果としても、存在することを表記する。そのW/O乳剤の機械的な反転は、そのシリコーン成分の高い粘性を減少させるための補足の溶剤の使用無しに、そのシリコーン成分を乳化するための有効な処理を提供する。この過程から結果として生じるO/W乳剤は、規定時間外まで安定なものである。
【0012】
そのW/O乳剤に存在するものである、そのO/W乳剤のシリコーン成分は、いずれのシリコーンを含有する重合体の材(例えば、ワックス、ゴム、樹脂、エラストマーの基材、シール材、接着剤、など)でもある。好ましくは、そのシリコーン成分は、感圧性の接着剤(PSA)である。より好ましくは、そのシリコーン成分は、ヒドロキシで末端が封鎖されたポリジメチルシロキサン重合体及びヒドロキシ官能性のケイ酸塩又はケイ酸エステル樹脂の反応生産物であるPSAである。好ましくは、そのヒドロキシ官能性のケイ酸塩又はケイ酸エステル樹脂は、トリメチルシロキシ及びヒドロキシで末端が封鎖されたケイ酸塩又はケイ酸エステル樹脂である。その重合体及び樹脂は、そのPSAを形成するための縮合反応で反応する。そのPSAが、最も好適なものであるとはいえ、そのシリコーン成分の他の形態は、シリコーンゴム、シリコーンラバー、シリコーンエラストマー、シリコーン樹脂、高分子量のシリコーン類、又は、これらの成分の混合物を含む。それらシリコーン成分のこれらの他の形態は、それらがフィルムを形成するので、可能なものである。しかしながら、これらの他の形態は、それらが、そのPSAと対比すると、直接性を欠くので、必ずしも好適なものではない。その活性な作用薬と一緒に、そのPSAは、生物学的な接着剤として機能する。そのシリコーン成分としてそのPSAを使用することの利点は、そのPSAが提供する直接性である。この直接性は、持続した薬理学的な影響を提供するために、その活性な作用薬について顕著な直接性を要求する人間及び獣医学の用途に特に好都合なことである。
【0013】
その機械的な反転の処理に従って乳化されるシリコーン成分は、具体的には、そのPSA、そのシリコーンゴム、そのシリコーンラバー、そのシリコーンエラストマー、そのシリコーン樹脂、及びそれら高分子量のシリコーン類は、少なくとも100,000,000(1億)センチストーク(mm/s)から5,000,000,000(50億)センチストーク(mm/s)までの、好ましくは、少なくとも200,000,000(2億)センチストーク(mm/s)から2,000,000,000(20億)センチストーク(mm/s)までの、及び、最も好ましくは、少なくとも1,000,000,000(10億)センチストーク(mm/s)の、粘度を有する。
【0014】
この発明の目的のために、用語シリコーンラバー及びシリコーンエラストマーは、少なくとも、両方のシリコーン成分が、伸長及び回復が可能なものであるという程度まで、類義語である。対照的に、シリコーンゴムは、引き伸ばされることが可能なものであるが、しかし、それらは、一般に、急に元へ戻ることはない。シリコーンゴムは、架橋することによって、それらの高度に粘性のプラスチックの状態から圧倒的に弾性の状態への転換させることができる、高分子量の、一般には直線形の、ポリジオルガノシロキサン類である。シリコーンゴムは、しばしば、シリコーンラバー及びシリコーンエラストマーの調製における主要な成分の一つとして使用される。
【0015】
従って、この発明の目的のために、シリコーンゴムが、(1972年9月19日に発行された)米国特許第3,692,737号明細書、(1979年5月1日に発行された)米国特許第4,152,416号明細書、(1989年8月8日に発行された)米国特許第4,885,129号明細書、及び、(1991年10月15日に発行された)米国特許第5,057,240号明細書に記載したタイプの組成物を含むことを、考慮することができるが、それらの開示は、これによって、それらの全体として、参照によって組み込まれる。
【0016】
シリコーンラバー及びシリコーンエラストマーが、(1989年11月21日に発行された)米国特許第4,882,377号明細書、(1997年8月5日に発行された)米国特許第5,654,362号明細書、(1999年11月30日に発行された)米国特許第5,994,459号明細書、及び、(2004年1月18日に発行された)米国特許第6,015,858号明細書に記載されたタイプの組成物を含むことを、考慮することができるが、それらの開示は、これによって、それらの全体として、参照によって組み込まれる。
【0017】
シリコーン樹脂は、(1954年4月20に発行された)米国特許第2,676,182号明細書、(1982年1月12日に発行された)米国特許第4,310,678号明細書、(1983年12月27日に発行された)米国特許第4,423,095号明細書、及び、(1994年10月18日に発行された)米国特許第5,356,585号明細書に記載されたタイプの組成物を含むことを、考慮することができるが、それらの開示は、これによって、それらの全体として、参照によって組み込まれる。
【0018】
また、本発明のシリコーン樹脂は、MQ樹脂を含むことを、考慮されることもある。シリコーン樹脂に関係するような頭辞語MQは、記号M、D、T、及びQから誘導されるが、それらの各々は、≡Si−O−Si≡の結合によって接合されたシロキサン単位を含有するシリコーン樹脂に存在するものであることもある、構造単位の異なるタイプの官能性を表す。一官能性の(M)単位は、(CHSiO1/2を表すと共に、二官能性の(D)単位は、(CHSiO2/2を表す。三官能性の(T)単位は、CHSiO3/2を表すと共に、分岐した直線形のシロキサン類の形成に帰着する。四官能性の(Q)単位は、架橋された及び樹脂のシリコーン組成物の形成に帰着する、SiO4/2を表す。よって、MQは、そのシロキサンが、全ての一官能性のM及び四官能性のQの単位、又は、そのシリコーンを樹脂のものにするような少なくとも高い百分率のM及びQの単位を含有するとき、使用される。
【0019】
ここで有用なシリコーン樹脂は、0℃より上のガラス転移温度(Tg)を有する非線形のシロキサン樹脂である。ガラス転移温度は、より高分子量のシリコーン重合体のような非晶質の材料が、脆性のガラス質の状態からプラスチックの状態まで変化する、温度である。薄いシリコーン樹脂は、一般には、式R’SiO(4−a)/2を有するが、ここで、R’は、1〜6個の炭素原子を備えた一価の炭化水素基又は1〜6個の炭素原子を備えた官能的に置換された炭化水素基であると共に、1〜1.8の平均の値を有する。あおのア入りコーン樹脂は、好ましくは、一官能性の(M)単位R’’SiO1/2及び四官能性の(Q)単位SiO4/2を含むことになるが、ここで、R’’は、1〜6個の炭素原子を有する一価の炭化水素基、最も好ましくは、メチル基である。典型的には、Q基に対するM基の数の比は、均等物を提供するために、0.5:1から1.2:1の範囲にあることになるが、ここで、式R’SiO(4−a)/2におけるaは、1.0〜1.63の平均の値を有する。好ましくは、その数の比は、0.6:1から0.9:1までである。最も好適なものは、シリコーンMQ樹脂であるが、ここで、分子当たりのQの単位の数は、1よりも高い、好ましくは、5よりも高いものである。
【0020】
また、そのシリコーン樹脂は、1〜5重量パーセントの、ジメチルヒドロキシシロキシ単位(HO)(CHSiO1/2のようなケイ素で結合したヒドロキシルラジカルを含有することもある。所望されるのであれば、そのシリコーン樹脂は、大したことのない量の二官能性の(D)単位及び/又は三官能性の(T)単位を含有することもある。好適なシリコーン樹脂は、少なくとも100,000,000(1億)センチストーク(mm/s)の粘度及び約200℃未満の軟化温度を有するものである。そのシリコーン樹脂は、(i)x及びyが、そのシリコーン樹脂が、分子当たり少なくとも5個を超えるQ単位を含有するような、値を有する、タイプMのシリコーン樹脂、(ii)x及びyが、そのシリコーン樹脂が、分子当たり少なくとも5個を超えるT単位を含有するような、値を有する、タイプMのシリコーン樹脂、及び、(iii)x、y、p、及びqが、Q及びTの単位の和が、分子当たり少なくとも5個を超える単位のような、値を有すると共にD単位の数が、0〜100の間で変動する、タイプMのシリコーン樹脂を含むこともある。
【0021】
上に述べたように、そのO/W乳剤は、界面活性剤を含む。その界面活性剤は、陰イオン性の界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又は、これらの界面活性剤の混合物であることもある。非イオン性界面活性剤及び陰イオン性界面活性剤は、好適なものであると共に、最も好適なものは、陽イオン性の及び陰イオン性の界面活性剤を含有する混合物、又は、二つの非イオン性界面活性剤を含有する混合物である。非イオン性界面活性剤を含有する混合物が、使用されるとき、
二つの非イオン性界面活性剤が、11〜15の組み合わせられたHLB、好ましくは、12.5〜14.5の組み合わせられたHLBを有するように、一方の非イオン性界面活性剤は、低い親水性−親油性バランス(HLB)を有するべきであると共に他方の非イオン性界面活性剤は、高いHLBを有するべきである。
【0022】
適切な陰イオン性界面活性剤の代表的な例は、より高級な脂肪酸のアルカリ金属の石鹸、
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムのようなアルキルアリールスルホン酸塩、長い鎖の脂肪族アルコール硫酸塩、オレフィン硫酸塩及びオレフィンスルホン酸塩、硫酸化されたモノグリセリド、硫酸化されたエステル、硫酸化されたエトキシル化されたアルコール類、スルホ琥珀酸塩、アルカンスルホン酸塩、リン酸エステル、イセチオン酸アルキル、タウリン酸アルキル、及びサルコシン酸アルキルを含む。好適な陰イオン性界面活性剤の一つの例は、Bio−Soft N−300の名前で商業的に販売される。それは、Stephan Company,Northfield,Illinoisによって市場に出されたトリエタノールアミンの直線形のアルキラートスルホン酸塩の組成物である。
【0023】
適切な陽イオン性界面活性剤の代表的な例は、アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩、スルホニウム塩、及びホスホニウム塩を含む。適切な非イオン性界面活性剤の代表的な例は、C1216のアルコール、のような長い鎖の脂肪族アルコール又は脂肪酸とのエチレンオキシドの縮合物、アミン又はアミドとのエチレンオキシドの縮合物、エチレン及びプロピレンオキシドの縮合生産物、グリセロールのエステル、ショ糖、ソルビトール、脂肪酸アルキロールアミド、ショ糖エステル、フルオロ界面活性剤、及び、脂肪族アミンオキシドを含む。適切な両性界面活性剤の代表的な例は、イミダゾリン化合物、アルキルアミノ酸塩、及びベタイン類を含む。
【0024】
適切な商業的に入手可能な非イオン性界面活性剤の代表的な例は、Uniqema(ICI Surfactants),Wilmington,Delawareによって商品名BRIJで販売されるポリオキシエチレン脂肪族アルコール類を含む。いくつかの例は、BRIJ 35 Liquid、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテルとして知られるエトキシル化されたアルコール、及びBRIJ 30、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテルとして知られる別のエトキシル化されたアルコールである。いくつかの付加的な非イオン性界面活性剤は、The Dow Chemical Company,Midland,Michiganによって商品名TERGITOL(R)で販売されるエトキシル化されたアルコール類を含む。いくつかの例は、TERGITOL(R) TMN−6、エトキシル化されたトリメチルノナノールとして知られるエトキシル化されたアルコール、及び、様々なエトキシル化されたアルコール類、即ち、商品名TERGITOL(R) 15−S−5、TERGITOL(R) 15−S−12、TERGITOL(R) 15−S−15、及びTERGITOL(R) 15−S−40で販売されるC12−C14の第二級アルコールのエトキシラートである。また、ケイ素原子を含有する界面活性剤を、使用することもできる。
【0025】
そのシリコーン成分、その界面活性剤、及びその水を含む、そのO/W乳剤の提供の際に、その活性な作用薬は、その基体へのそのO/W乳剤の適用におけるその基体へのその活性な作用薬の配送のための、そのO/W乳剤の中へ組み込まれる又は分散させられる。用語“活性な作用薬”は、物理学的、化学的、又は生物学的のいずれにせよ、ある効果を生じさせることができる酵素を除いては、いずれの物質をも表記する。その結成な作用薬が、液体又は粘性の形態にあることもあるとはいえ、それは、典型的には、粉末の形態又は結晶質の形態にある。その活性な作用薬を、それが、下に記載されるように、分散剤と組み合わせられる及び/又はその分散剤によってカプセル化されるのであろうとなかろうといずれいせよ、そのO/W乳剤の中へ後で添加することができる。あるいは、その活性な作用薬を、そのO/W乳剤を提供するためのステップの間に、組み込むことができる。
【0026】
その活性な作用薬は、天然の、合成の、又は、巧妙に処理された酵素を除いて、親油性の薬物及び/又は親水性の薬物を含むこともある。そのO/W乳剤の中への組み込みに適切なものである親油性の薬物の一つの例は、ケトコナゾールである。そのO/W乳剤の中への組み込みに適切なものである親水性の薬物の例は、ナイアシナミド及び過酸化水素である。その活性な作用薬が、親油性の薬物又は親水性の薬物であろうとなかろうといずれいせよ、他の可能な活性な作用薬は、サリチル酸及び硫黄のような抗座瘡剤;ウンデシレン酸カルシウム、ウンデシレン酸、ウンデシレン酸亜鉛、及びポビドンヨードのような、抗生の、防腐性の、抗真菌性の作用薬;アルコール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、過酸化水素、塩化メチルベンゼトニウム、フェノール、ポロキサマー188、銀イオン、ナノ結晶化銀のような抗菌性の、抗微生物性の作用薬;殺生剤、抗炎症性の、収斂性の、抗癌性の作用薬;禁煙組成物;心血管性の、ヒスタミン遮断性の、気管支拡張性の、鎮痛性の、抗不性整脈性の、抗ヒスタミンの、アルファ−I遮断性の、ベータ遮断性の、ACE阻害性の、利尿性の、抗集合性の、鎮痛性の、精神安定性の、抗痙攣性の、抗凝血性の作用薬;ビタミン類;抗老化剤;胃の及び十二指腸の潰瘍を処置するための作用薬;抗セリュライト、細胞増殖栄養素;芳香物質;UV保護物質;髭剃り製品;脱臭剤;ペニシリン類、セファロスポリン類、テトラサイクリン類、マクロライド類、エピネフリン、アンフェタミン類、アスピリン、アセトミノフェン、バルビツール酸塩、カテコールアミン類、ベンゾジアゼピン、チオペンタール、コデイン、モルヒネ、プロカイン、リドカイン、リドカイン HCL、ベンゾカイン、スルホンアミド、チコナゾール、ペルブテロール、フロスアミド、プラゾシン、プロスタグランジン、サルブタモール、インドメチカン、ジクロフェナク、グラフェニン、ジピリダモール、テオフィリン及びレチノールのような治療用の活性な作用薬;(クロザピン、リスペリドン、コルジアゼポキシド、バスピロン、デシプラミン、マプロチリン、アミトリプチリン、チモロール、セレギリン、ナロキソン及びナルブフィンのような)中枢神経系に作用する薬物;(アセタゾールアミド、イソソルビド、
フロセミド、クロロチアジド、アミロライド、カプトプリル、エナラプリル、リシノプリル、硝酸イソソルビド、ニフェジピン、ベラパミル、フェニトイン、リドカイン、プロプラノロール、アミオダロン、プラバスタチン、プロブコール、及びシプロフィブラートのような)腎臓及び心臓血管の機能に影響を及ぼす薬物;(シメチジン、オメプラゾール、及びラニチジンのような)胃腸の機能に影響を及ぼす薬物;(チアベンダゾール及びメベンダゾールのような)寄生虫症の治療用の薬物、(トリメトプリム、ノルフロキサシン、シプロフロキサシン、ペニシリン G、ナフシリン、セファロチン、セファゾリン、カナマイシン A、ネオマイシン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、クラリスロマイシン、クリンダマイシン、フルシトシン、ケトコナゾール、フルコナゾール、アシクロビール、及びガンシクロビールのような)微生物病の治療用の薬物;(ダカルバジン、ブスルファン、及びトリアゼン類のような)腫瘍性の疾患の治療用の薬物;(葉酸、ナイアシンアミド、アスコルビン酸、及びチアミンのような)養分欠乏の治療用の薬物;(エストラジオール、エチニルエストラジオール及びノルエチンドロンのような)ホルモンの交換の治療用の薬物;(コルチゾル、コルチゾン、及びプレドニンのような)副腎皮質ホルモンの合成及び作用を阻害する薬物;並びに(二プロピオン酸ベータメタゾン、ヒドロコルチゾン、デキサメタゾンリン酸ナトリウム、網膜、トレチノイン、イソトレチノイン、ダプソン、カリポルトリエン、ケトコナゾール、クロトリマゾール、イトラコナゾール、及びアロチノイドのような)皮膚病の治療用の皮膚科で使用される薬物を含むが、しかし、それらに限定されない。
【0027】
その活性な作用薬が、そのO/W乳剤へのその活性な作用薬の組み込みよりも先に分散物を形成するために、その分散剤と組み合わせられることは、好適なことである。その組み合わせは、一般には、その活性な作用薬及びその分散剤の1:1の重量比にある。その活性な作用薬が、その分散剤と組み合わせられるとすれば、二つの成分が、単純な混合によって組み合わせられるか又は乳鉢において組み合わせられると共に、乳棒と一緒に分散させられることは、可能なことである。その分散剤は、その活性な作用薬を分散させると共に、上に記載したように典型的には粉末又は結晶質の形態にある、その活性な作用薬いずれの凝集物をも減少させる及び/又は除去するように、さらに機能する。一度この分散物が形成されると、次には、その活性な作用薬を含む、分散物は、そのO/W乳剤の中へ組み込まれる。なお、さらに、最も好適な実施形態において、その活性な作用薬は、全体的にとまではいかないが、少なくとも部分的に、そのO/W乳剤の中へのその活性な作用薬の組み込みより先に、その分散剤の中にカプセル化される。
【0028】
要求されるものではないとはいえ、その分散剤が、界面活性剤であることは、好適なことである。界面活性剤であるとすれば、その分散剤は、そのO/W乳剤を提供する際に利用された界面活性剤と同じもの又はそれとは異なるものであることができる。その分散剤は、その基体へのその活性な作用薬の制御された速度の配送を可能にする。最も好ましくは、その分散剤は、シリコーンを主材料とした界面活性剤である。その分散剤についての他の可能性は、(ポリオール類、ポリエチレングリコール類、Pluronic(R)界面活性剤、Plurafac(R)界面活性剤、MYRJ(R)界面活性剤、SPAN(R)界面活性剤、BRIJ(R)界面活性剤、TWEEN(R)界面活性剤、Triton(R)界面活性剤、及びPolyox(R)界面活性剤、並びに同様のもののような)非イオン性界面活性剤、(ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、及び同様のもののような)陰イオン性界面活性剤、(グリコールエーテル類のような)エーテル類、(クエン酸トリエチル、ジアセチン、及びアジピン酸ジオクチルのような)低分子量のエスエル類、並びに、(プロピレングリコール及びジエチレングリコールのような)低分子量のグリコール類を含むが、しかし、それらには限定されない。
【0029】
上にそれとなく触れたように、その分散剤は、その基体へのその活性な作用薬の配送の速度を制御するように、機能する。すなわち、その分散剤は、その活性な作用薬がその基体への配送のために放出される速度を制御するための薬物放出調節物として機能する。
【0030】
その活性な作用薬及びその分散剤に加えて、様々な賦形剤が、そのO/W乳剤の中へ組み込まれることもある。当業者によって一般に理解されるように、賦形剤は、その基体への用途に適切なものである適切な投薬の形態にその活性な作用薬を転換するために使用される添加剤である。また、賦形剤は、そのO/W乳剤を安定化するために、及び、流動性のような、適用の特性を最適化するために、添加されることもある。可能性のある賦形剤の例は、吸収剤、固化防止剤、(アセチルシスチン、アルブチン、アスコルビン酸、アスコルビン酸ポリペプチド、アスコルビル=ジパルミタート、アスコルビル=メチルシラノール=ペクチナート、アスコルビル=パルミタート、アスコルビル=ステアラート、BHA、p−ヒドロキシアニソール、BHT、t−ブチルヒドロキノン、カフェー酸、ツバキ科の油、キトサン=アスコルバート、キトサン=グリコラート、キトサン=サリチラート、クロロゲン酸、システイン、シスチン HCI、デシルメルカプトメチルイミダゾール、エリソルビン酸、ジアミルヒドロキノン、ジ−t−ブチルヒドロキノン、ジセチル=チオジプロピオナート、ジシクロペンタジエン/t−ブチルクレゾール共重合体、ジガロイル=トリオレアート、ジラウリル=チオジプロピオナート、ジミリスチル=チオジプロピオナート、ジオレイル=トコフェリル=メチルシラノール、イソクエルシトリン、ジオスミン、アスコルビル硫酸二ナトリウム、ルチニル二硫酸二ナトリウム、ジステアリル=チオジプロピオナート、ジトリデシル=チオジプロピオナート、ドデシル=ガラート、エチル=フェルラート、フェルラ酸、ヒドロキノン、ヒドロキシルアミン HCI、ヒドロキシルアミン=スルファート、イソオクチル=チオグリコラート、コウジ酸、マデカシコシド、アスコルビン酸マグネシウム、アスコルビルリン酸マグネシウム、メラトニン、メトキシ−PEG−7=ルチニル=スクシナート、メチレン=ジ−t−ブチルクレゾール、メチルシラノール=アスコルバート、ノルジヒドログアヤレチック酸、オクチル=ガラート、フェニルチオグリコール酸、フロログルシノール、アスコルビルトコフェリルリン酸カリウム、チオジグリコールアミド、亜硫酸カリウム、プロピル=ガラート、ローズマリー酸、ルチン、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビル/コレステリルリン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、エリソルビン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸トリウム、亜硫酸ナトリウム、チオグリコール酸ナトリウム、ソルビチル=フルフラール、ティー・トリー(メラロイカ アフテミフォリア)油、トコフェリル=アセタート、テトラヘキシルデシル=アスコルバート、テトラヒドロジフェルロイルメタン、トコフェリル=リノレアート/オレアート、チオジグリコール、トコフェリル=スクシナート、チオジグリコール酸、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオサリチル酸、チオタウリン、レチノール、トコフェレス−5、トコフェレス−10、トコフェレス−12、トコフェレス−18、トコフェレス−50、トコフェロール、トコフェルソラン、トコフェリル=リノレアート、トコフェリル=ニコチナート、トコキノン、o−トリルビグアニド、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ユビキノン、及びジブチルジチオカルバミン酸亜鉛のような)抗酸化剤、静電防止剤、収斂剤、結合剤、緩衝剤、増量剤、キレート化剤、着色剤、化粧品の収斂剤、(フェノールスルホン酸アルミニウム、フェノールスルホン酸アンモニウム、バクチオール、ベンザルコニウム=ブロミド、ベンザルコニウム=セチル=ホスファート、ベンザルコニウム=クロリド、ベンザルコニウム=サッカリナート、ベンゼトニウム=クロリド、カリウムフェノキシド、ベンゾキシキン、ベンゾキソニウム=クロリド、ビスピリチオン、ホウ酸、ブロモクロロフェン、ショウノウ、ベンザルコニウム=メトスルファート、カプタン、セタルコニウム=クロリド、セテアラルコニウム=ブロミド、セテチルジモニウム=ブロミド、セトリモニウム=ブロミド、セトリモニウム=クロリド、セトリモニウム=メトスルファート、セトリモニウム=サッカリナート、セトリモニウム=トシラート、セチルピリジニウム=クロリド、クロラミン T、クロルヘキシジン、クロルヘキシジン=ジアセタート、クロルヘキシジン=ジグルコナート、クロルヘキシジン=ジヒドロクロリド、p−クロロ−m−クレゾール、クロロフェン、p−クロロフェノール、クロロチモール、クロロキシレノール、クロルフェネシン、シクロピロクス
オラミン、クリマゾール、クロフルカルバン、クロトリマゾール、コールタール、コロイド状硫黄、o−シメン−5−オール、デクアリニウム=アセタート、デクアリニウム=クロリド、ジブロモプロパミジン=ジイセチオナート、ジクロロベンジルアルコール、ジクロロフェン、ジクロロフェニルイミダゾールジオキソラン、ジクロロ−m−キシレノール、ジヨードメチルトリルスルホン、ジメチルエチレンチオ尿素、ジフェニルメチル=ピペラジニルベンズイミダゾール、ドミフェン=ブロミド、7−エチルビシクロオキサゾリジン、フルオロサラン、ホルムアルデヒド、グルタラール、ヘキサクロロフェン、ヘキサミジン、ヘキサミジン=ジイセチオナート、ヘキサミジン=ジパラベン、ヘキサミジン=パラベン、ヘキセチジン、過酸化水素、ヒドロキシメチル=ジオキソアザビシクロオクタン、イクタモール、イソプロピルクレゾール、ラピリウム=クロリド、ラウラルコニウム=ブロミド、ラウラルコニウム=クロリド、ラウルトリモニウム=ブロミド、ラウルトリモニウム=クロリド、ラウルトリモニウム=トリクロロフェノキシド、ラルリルイソキノリニウム=ブロミド、ラルリルイソキノリニウム=サッカリナート、ラウリルピリジニウム=クロリド、酸化水銀、メタナミン、メテナンモニウム=クロリド、メチルベンゼトニウム=クロリド、ミリスタルコニウム=クロリド、ミリスタルコニウム=サッカリナート、ミルトリモニウム=ブロミド、ノノキシノール−9 ヨウ素、ノノキシノール−12 ヨウ素、オレアルコニウム=クロリド、オキシキノリン、オキシキノリン=ベンゾアート、オキシキノリン=スルファート、PEG−2 ココ−ベンゾニウム=クロリド、PEG−10 ココ−ベンゾニウム=クロリド、PEG−6 ウンデシレナート、PEG−8 ウンデシレナート、フェノール、o−フェニルフェノール、フェニル=サリチラート、ピロクトンオラミン、スルホスクシニル=ウンデシレナート、o−フェニル石炭酸カリウム、サリチル酸カリウム、トロクロセンカリウム、プロピオン酸、PVP−ヨウ素、クアテルニウム−8、クアテルニウム−14、クアテルニウム−24、フェノールスルホン酸ナトリウム、ナトリウムフェノキシド、o−フェニル石炭酸ナトリウム、けつ岩油のスルホン酸ナトリウム、ウスニン酸ナトリウム、チアベンダゾール、2,2’−チオビス(4−クロロフェノール)、チラム、トリアセチン、トリクロカルバン、トリクロサン、トリオクチルドデシル=ボラート、ウンデシレンアミドプロピルアミンオキシド、ウンデシレネス−6、ウンデシレン酸、酢酸亜鉛、アスパラギン酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛、システイン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、グルタミン酸亜鉛、乳酸亜鉛、フェノールスルホン酸亜鉛、ピリチオン亜鉛、硫酸亜鉛、及び、ウンデシレン酸亜鉛のような)化粧品の殺生剤、脱臭剤、皮膚軟化剤、(ベンジルアルコール、蕃椒脂油(トウガラシの低木の樹脂油)、サリチル酸メチル、カンファー、フェノール、カプシシン、ネズノキタール(ネズミサシのオキシセドラスタール)、ナトリウムフェノラート(ナトリウムフェノキシド)、トウガラシ(トウガラシの低木)、メントール、レゾルシノール、メチル=ニコチナート、及びテレビン油(テレビン)のような)外部鎮痛剤、皮膜形成剤、着香料、香気成分、保湿剤、溶菌剤、加湿剤、閉塞性エンハンサー、不透明剤、(過硫酸アンモニウム、過酸化カルシウム、過酸化水素、過酸化マグネシウム、メラミンペルオキシド、臭素酸カリウム、カロ酸カリウム、塩素酸カリウム、過硫酸カリウム、臭素酸ナトリウム、炭酸ナトリウムの過酸化物、塩素酸ナトリウム、ヨウ素酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、過硫酸ナトリウム、二酸化ストロンチウム、過酸化ストロンチウム、過酸化尿素、及び過酸化亜鉛のような)酸化剤、(亜硫酸水素アンモニウム、亜硫酸アンモニウム、アンモニウム=チオグリコラート、アンモニウム=チオラクタート、システマイン HCI、システイン、システイン HCI、エタノールアミン=チオグリコラート、グルタチオン、グリセリル=チオグリコラート、グリセリル=チオプロピオナート、ヒドロキノン、p−ヒドロキシアニソール、イソオクチル=チオグリコラート、チオグリコール酸マグネシウム、メルカプトプロピオン酸、メタ重亜硫酸カリウム、亜硫酸カリウム、チオグリコール酸カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ヒドロ亜硫酸ナトリウム、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオグリコール酸ナトリウム、チオグリコール酸ストロンチウム、超酸化物不均化酵素、チオグリセリン、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオサリチル酸、及びホルムアルデヒドスルホキシル酸亜鉛のような)還元剤、浸透エンハンサー、殺虫剤、可塑剤、保存剤、ヒドロキノンのような皮膚漂白剤、皮膚調整剤、(アラントイン、酢酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、カラミン、ココアバター、たら肝油、コロイド状オートミール、ジメチコン、グリセリン、カオリン、ラノリン、鉱物油、鉱油、さめ肝油、炭酸水素ナトリウム、タルク、ウィッチヘーゼル、酢酸亜鉛、炭酸亜鉛、及び酸化亜鉛のような)皮膚保護剤、滑り調節剤、可溶化剤、溶剤、(アミノ安息香酸、シノキセート、ジエタノールアミン=メトキシシンナマート、ジガロイル=トリオレアート、ジオキシベンゾン、エチル=4−[ビス(ヒドロキシプロピル)]アミノベンゾアート、グリセリル=アミノベンゾアート、ホモサラート、ジヒドロキシアセトンを伴ったローソン、メンチル=アントラニラート、オクトクリレン、オクチル=メトキシシンナマート、オクチル=サリチラート、オキシベンゾン、パジマート O、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、レッドペトロラタム、スリソベンゾン、二酸化チタン、及びトロラミン=サリチラートのような)日焼け止め剤、表面改質剤、界面活性剤及び乳化剤、懸濁剤、増粘剤、粘度を増加させる又は減少させる作用薬を含む粘度制御剤、(アセトアミノサロール、アラトイン PABA、ベンザルフタリド、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン 1−12、3−ベンジリデンカンファー、ベンジリデンカンファー、加水分解されたコラーゲンスルホンアミド、ベンジリデンカンファースルホン酸、ベンジル=サリチラート、ボメロン、ブメトリオゾール、ブチル=メトキシジベンゾイルメタン、ブチル PABA、セリア/シリカ、セリア/シリカ タルク、シノキセート、DEA−メトキシシンナマート、ジベンズオキサゾール、ナフタレン、ジ−t−ブチル=ヒドロキシベンジリデンカンファー、ジガロイル=トリオレアート、ジイソプロピル=メチル=シンナマート、ジメチル PABA、エチル=セテアリールジモニウム=トシラート、ジオクチル=ブタミド=トリアゾン、ジフェニル=カルボメトキシ=アセトキシ=ナフトピラン、ビスエチルフェニル=チアミノトリアジン=スチルベンジスルホン酸二ナトリウム、ジスチリルビフェニル=トリアミノトリアジン=スチルベンジスルホン酸二ナトリウム、ジスチリルビフェニルジスルホン酸二ナトリウム、ドロメトリゾール、ドロメトリゾール トリシロキサン、エチル=ジヒドロキシプロピル PABA、エチル=ジイソプロピルシンナマート、エチル=メトキシシンナマート、エチル PABA、エチル=ウロカナート、エトロクリレン=フェルラ酸、グルセリル=オクタノアート=ジメトキシシンナマート、グリセリル=PABA、グリコール=サリチラート、ホモサラート、イソアミル=p−メトキシシンナマート、イソプロピルベンジル=サリチラート、イソプロピル=ジベンゾリルメタン、イソプロピル=メトキシシンナマート、メンチル=アントラニラート、メンチル=サリチラート、4−メチルベンジリデン、カンファー、オクトクリレン、オクトリゾール、オクチル=ジメチル=PABA、オクチル=メトキシシンナマート、オクチル=サリチラート、オクチルトリアゾン、PABA、PEG−25 PABA、ペンチル=ジメチル=PABA、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、ポリアクリルアミドメチル=ベンジリデン=カンファー、メトキシ経皮酸カリウム、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸カリウム、レッドペトロラタム、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸ナトリウム、ウロカニン酸ナトリウム、TEA−フェニルベンズイミダゾールスルホナート、TEA−サリチラート、テレフタリリデン=ジカンファー=スルホン酸、二酸化チタン、トリPABA パンテノール、ウロカニン酸、及びVA/クロトナート/メタクリルオキシベンゾフェノン−1共重合体のような)UV光吸収剤のような、CTFAの処方成分のデータベース及び薬学的な賦形剤のハンドブックに見出されるものを含むが、それらに限定されない。他の可能な賦形剤は、(アカシア、デキストリン、デキストロース、フルクトース、ラクトース、マルトデキストリン、マンニトール、ソルビトール、スクロース、及びキシリトールのような)糖及び誘導体、デンプンの誘導体、(カルボキシメチルセルロースNa、微結晶性セルロース、酢酸フタル酸セルロース、クロスカルメロースNa、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及び、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースのような)セルロース系材料、(デキストラート、グアーガム、及びキサンタンガムのような)多糖類、(ポロキサマー及びポリオキシエチレンアルキルエーテルのような)ポリエーテル、ポリビニルアルコール類、(カルボマー、ポラクリリンカリウム、及びポリメタクリラート類のような)アクリル及びメタクリル酸の重合体、(ポビドン及びクロスポビドンのような)ピロリドン誘導体、(アルギン酸、アルギン酸塩(Ca,Na)のような)グリクロナムポリマー及び誘導体、(炭酸塩(Ca,Mg)の塩、リン酸Ca誘導体、硫酸Ca、酸化Mg、塩化カリウム、クエン酸カリウムのような)固体の希釈剤、(ステアラート誘導体(Ca,Mg)、タルク、酸化亜鉛のような)固体の潤滑剤、(カオリン、ケイ酸AlMg、及び炭素のような)懸濁剤、シクロデキストリン、及び(コレステロール、フマル酸、レシチン、ゼラチン、リンゴ酸、炭酸水素Na、クエン酸Na塩、ステアリルフマル酸Na、二酸化Ti、及び酸化亜鉛を含む)他のものを含むが、それらに限定されない。
【0031】
上に示したように、賦形剤の一つのタイプは、増粘剤である。増粘剤は、典型的には、その活性な作用薬及びそのO/W乳剤を安定化するために、添加される。要求されるものではないとはいえ、その増粘剤は、その活性な作用薬をカプセル化することもある。含まれるとすれば、実例となる増粘剤は、ポリアクリル酸類、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、多糖類、アクリルアミド共重合体、生物学的な重合体及び誘導体、ブチレン共重合体、炭水化物、カルボマー、塩及びゴムを含む親水性のコロイド及び誘導体、ポリアクリラート類及びアクリラート共重合体、塩を含む合成の重合体、シリカ、ステアリン酸塩若しくはエステル又はステアリン酸で未処理のもの又は処理されたものであることができる炭酸カルシウム類、ヒュームドシリカ類、沈殿したシリカ類、及び、疎水化されたシリカ類のような強化シリカ類、破砕された石英、石英粉末、アルミナ、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、珪藻土、酸化鉄、カーボンブラック及び黒鉛、並びに、シリコーン及び有機物を含む樹脂の材料の少なくとも一つを含むが、しかし、それらに限定されない。
【0032】
また、様々な化粧品の、個人医療の、及び、薬用化粧品の成分は、単数又は複数の賦形剤は別として、含まれることもある。適切な化粧品の、個人医療の、及び薬用化粧品の成分の例は、アルコール類、脂肪族アルコール類、及び、ポリオール類、アルデヒド類、アルカノールアミン類、アルコキシル化されたアルコール類(アルコール類及び脂肪族アルコール類のポリエチレングリコール誘導体)、アルコキシル化されたアミド類、アルコキシル化されたアミン類、アルコキシル化されたカルボン酸、塩を含むアミド類(例えば、セラミド)、アミン類、塩を含むアミノ酸類、及び、アルキル置換された誘導体、エステル類、アルキル置換された及びアシル誘導体、ポリアクリル酸類、アクリルアミド共重合体、アジピン酸共重合体、アルコール類、アミノシリコーン類、ブチレン共重合体、炭水化物(例えば、多糖類、キトサン及び誘導体)、カルボン酸類、カルボマー、エステル類、エーテル類、及び重合体のエーテル類(例えば、PEG誘導体、PPG誘導体)、グリセリルエステル類及び誘導体、ハロゲン化合物、塩を含む複素環式の化合物、塩及びゴムを含む親水性のコロイド及び誘導体(例えば、セルロース誘導体、ゼラチン、キサンタンガム、天然ゴム)、イミダゾリン類、無機の材料(粘土、TiO、ZnO)、ケトン類(例えば、ショウノウ)、イセチオン酸塩及びエステル、ラノリン及び誘導体、有機の塩、塩を含むフェノール類(例えば、パラベン類)、リンの化合物(例えば、リン酸塩及びエステルの誘導体)、ポリアクリル酸塩及びエステル及びアクリル酸塩及び/又はエステルの共重合体、塩を含む合成の重合体、シロキサン類及びシラン類、ソルビタン誘導体、ステロール類、スルホン酸及び誘導体、並びにワックスを含むが、しかし、それらに限定されない。
【0033】
本発明の方法は、そのO/W乳剤を提供するために、より多くのステップを含む。そのシリコーン成分を含有する均質な油相は、形成される。その均質な油相におけるシリコーン化合物は、少なくとも100,000,000(1億)センチストーク(mm/s)から5,000,000,000(50億)センチストーク(mm/s)までの粘度を有する。次に、その界面活性剤は、その均質な油相と混合される。上に記載したように、一つより多くの界面活性剤は、そのO/W乳剤を提供する際に、利用されることもある。そして、水が、連続的な相及び分散した相を含有するそのW/O乳剤を形成するために、その均質な油相に添加される。好ましくは、その水は、その均質な油相におけるそのシリコーン成分の重量に基づいた、約0.5−10重量%の、より好ましくは、約1〜5重量%の量で、添加される。その水を、2−4個の部分のような、多数の部分に添加することができる一方で、単一な部分におけるその水の添加が、好適なものである。代替の実施形態において、その均質な油相とその界面活性剤を別個に混合するよりもむしろ、その界面活性剤を、その水の添加と一緒に、添加することができる。
【0034】
次に、そのW/O乳剤は、そのO/W乳剤の中へ機械的に反転させられる。この機械的な反転は、好ましくは、少なくとも15の直径に対する長さの比(L/D)を有する二軸スクリュー押出機において、そのW/O乳剤に高剪断力を適用することによって、成し遂げられる。より好ましくは、その二軸スクリュー押出機は、少なくとも30のL/Dを有すると共に、最も好適な実施形態においては、そのL/Dは、30から60までである。多数の異なるタイプの二軸スクリュー押出機は、当技術において知られると共にその機械的な反転を成し遂げるために適切なものである。例えば、その二軸スクリュー押出機は、逆回転させられる又は共回転させられることもある。それには、円錐形の二軸スクリュー又は平行な二軸スクリューが装備されることもある。その二軸スクリュー押出機の樽は、多くの帯域へと分割されると共にその樽の長さに沿った材料を導入するための計量装置が装備されることもある。二軸スクリュー押出機において、その高剪断力は、混合すること及び攪拌することによって、成し遂げられる。二軸スクリュー押出機における高剪断力の適用は、そのO/W乳剤へのそのW/O乳剤の反転を引き起こす。重要なことには、そのW/O乳剤は、そのシリコーン成分に存在する溶剤以外のいずれの溶剤も欠如した状態で、又は、その活性な作用薬が、液体又は粘性の形態にあるとすれば、そのシリコーン成分及びその活性な作用薬において、機械的な反転を実行することによって、提供される。代替の実施形態において、その機械的な反転は、混練機の押出機が、その二軸スクリュー押出機と同じ効率で機能することが可能なものであるとの条件で、押し出しのスクリューを備えた二本腕の混合機を有する混練機の押出機を使用して、そのW/O乳剤へ高剪断力を適用することによって、成し遂げられることもある。
【0035】
一般に、分散物の連続的な相が、その分散した相になるとき、反転は起こる、又は逆もまた同じである。液体/液体の分散物における相の反転は、突発的な反転又は転移の反転のいずれかとして類別される。突発的な反転は、その相の比を単純に変化させることによって、その連続的な相になるような分散した相の高い十分な比があるまで、引き起こされる。転移の反転は、その反転を引き起こすために、それら二つの相についてのその界面活性剤の親和性が、変えられるとき、起こる。この発明において起こる反転は、突発的な反転である。
【0036】
反転の後に、次には、そのO/W乳剤が、付加的な水で希釈されることもある。添加されるとすれば、その付加的な水は、典型的には、そのシリコーン成分についての所望の粒子の大きさに到達してしまった後で、添加される。そのO/W乳剤におけるそのシリコーン成分の粒子の大きさは、典型的には、約0.37ミクロンの中間の粒子の大きさと共に、約0.1ミクロンから25.0ミクロンまでの範囲にわたる。もちろん、その粒子の大きさは、その界面活性剤及びそのシリコーン成分の両方の量及び特性、即ち、タイプに依存して、変動する。
【0037】
その乳剤の希釈は、そのO/W乳剤の100重量部に基づいた25重量部から85重量部までである、そのO/W乳剤についての好適な固体の含有率を達成することに役に立つ。この固体の含有率は、その基体へのそのO/W乳剤の理想的な適用のための目標の粘度を達成するために、又は、その基体へのその活性な作用薬の配送の速度の制御するために、選択的に変動させられることもある。ケトコナゾールのような、親油性の薬物である活性な作用薬について、それら固体の含有率を、そのO/W乳剤の適用の際にその活性な作用薬でその基体をより有効に飽和させるために、調節することができる。他方では、ナイアシナミド及び過酸化水素のような、親水性の薬物である活性な作用薬については、水の量を、そのO/W乳剤の適用の際にその活性な作用薬でその基体をより有効に飽和させるために、調節することができる。その機械的な反転に対してそのO/W乳剤を提供する際に伴われるステップは、“A Mechanical Inversion Process for Making Silicone Oil−in−Water Emulsions”と題された及び2003年7月23日に出願された米国仮特許出願第60/489,405号に付加的に記載されるが、その開示は、これによって、それの全体として、参照によって組み込まれる。
【0038】
上にそれとなく触れたように、その活性な作用薬を、そのO/W乳剤を提供するために実行されるステップの間に、組み込むことができる。より具体的に、その活性な作用薬は、そのO/W乳剤の提供の間にその均質な油相の中へその活性な作用薬を組み込むによって、そのO/W乳剤の中へ組み込まれることもある。あるいは、その活性な作用薬は、その連続的な相及びその分散した相を含有するW/O乳剤へその水を添加するステップと一緒にその活性な作用薬を組み込むことによって、そのO/W乳剤の中へ組み込まれることもある。すなわち、その活性な作用薬を、水と一緒に組み込むことができる。そのO/W乳剤は、殺生剤、(上に記載したような)増粘剤、凍結融解安定化剤、及び、電気泳動の用途における電極として使用することができる導電性のO/W乳剤を作るためのイオン性の種のような導電性の添加剤を含むが、しかし、それらに限定されない、他の添加剤を含有することができる。
【0039】
その基体へその活性な作用薬を配送する方法は、その基体へその活性な作用薬を配送するために、その基体へそのO/W乳剤を適用するステップをさらに含む。その活性な薬剤を含有する、そのO/W乳剤の適用の際に、及び、空気に対するその基体の露出の際に、その水は、そのO/W乳剤を去ると共に、フィルムが、その基体に形成される。そのフィルムは、その活性な作用薬を含有する。その基体を空気へ露出することは、本質的に、瞬間的なことであることは、理解されることである。その基体が、延期された時間周期の間に空気へ露出されるという要件は、無いものである。代わりに、その基体を空気へ露出することは、そのO/W乳剤のいくらかが、その基体へ適用されているのと同時に起こることができる。
【0040】
その基体へのそのO/W乳剤の以下に続く用途については、その水が去ると共にそのO/W乳剤が乾燥する際、そのO/W乳剤は、合同しないことが、信じられる。代わりに、そのフィルムは、その基体上に濃縮された構造的なネットワークを含む。この濃縮された構造的なネットワークが、そのシリコーン成分の離散的なパケットのいたるところで分散させられる活性な作用薬を有することが、信じられる。さらには、利用されるとすれば、好ましくはその活性な作用薬をカプセル化する、その分散剤は、その間隔を空けられたシリコーン成分のそれら離散的なパケットを保つように、機能すると共に、それによって、その濃縮された構造的なネットワークのいたるところで蛇行性の経路を確立すると共に維持する。これらの経路は、その基体へのその活性な作用薬の配送のための道を提供する。また、いくらかの量の水が、その分散剤と関連した官能基、例えば、その分散剤として機能する界面活性剤のエトキシ基から結果として生じる水素結合のかげで、これらの経路に保持されることが、信じられる。
【0041】
その基体は皮膚である実施形態において、そのO/W乳剤は、その活性な作用薬をその皮膚へ配送するために、その皮膚へ適用される。その皮膚が、損傷させられるか又は傷つけられる必要がないことは、認識されることである。代わりに、その徐放性の組成物を、無傷なものである皮膚へ適用することができる。そのO/W乳剤が、その皮膚の上へ直接的に、適用される、即ち、すりつけられる又は被覆されることもある。あるいは、そのO/W乳剤は、その基体への、即ち、その皮膚へのそのO/W乳剤の適用より先に、経皮的なパッチに堆積されることもある。この代替のシナリオにおいて、そのO/W乳剤は、ヒドロゲルであると共に、その基体にそのO/W乳剤を適用するステップは、その活性な作用薬をその皮膚へ配送するために、その皮膚へその経皮的なパッチを適用するように、さらに定義される。
【0042】
この発明に従った徐放性の組成物は、制御された粘着力、制御された潤滑、耐水性、及び障害の性質のような効能の性質を配送することが可能なものである。この徐放性の組成物は、その皮膚及び歯のような他の基体への直接性を有する。その組成物の顕著な直接性は、その活性な作用薬の配送の制御された速度が、延期された時間周期にわたって要求されるとき、特に好都合なものである。単純に述べると、その徐放性の組成物は、その基体へ局所的に適用されるが、ここで、そのフィルムは、その延期された時間周期にわたって残る。その基体が、皮膚であるとき、その直接性は、ある一定の体の油の存在のおかげで、及び、特には毛深い皮膚への適用の際に、重要なことである。また、その組成物は、歯のような湿った基体への直接性を有する。
【0043】
[例1〜6]
ここに与えられるような、徐放性の組成物の形成を図説する以下に続く例は、本発明を図説することが意図されると共に本発明を限定しないことが意図される。別な具合に示されない限り、全ての参照は、重量部に対してある。
【0044】
【表1】

【0045】
例1〜6について、そのO/W乳剤を、上に記載したように調製した。
【0046】
分散剤No.1は、Dow Corning,Midland,Michiganから商業的に入手可能なシリコーングリコール共重合体であるDC193の流体である。分散剤No.2は、またDow Corningから商業的に入手可能なものである、アルキルメチルシロキサンコポリオール、イソステアリルアルコール、及び1−ドデカンの混合物である乳化剤10である。例1〜6において、分散剤No.1及び2を、分散物を形成するために、その活性な作用薬、ナイアシナミド又はケトコナゾールのいずれかへ別個に添加したと共に、次には、その結果として生じる分散物を、そのO/W乳剤の中へ組み込んだ。
【0047】
[例7〜15]
例7〜15について、薬物、即ち、活性な作用薬の放出の研究を、時間をかけてその活性な作用薬としての局所的なナイアシナミドの制御された放出を評価するために、行った。活性な作用薬の溶解速度の決定を、Franzの静的な拡散セル中で行った。例7〜15についての徐放性の組成物を、その高剪断力、上に記載した機械的な反転の処理に従って、調製したと共に、三回試験した。Franzのセルは、ある定義された受容する容積を有する。それら徐放性の組成物の重さを、一定の厚さ及び表面積を提供するために、Hill Top Chambers(R)上で量った。<3500ダルトンの透析膜を、各々のFranzの静的なセルの上部に置いた。
【0048】
【表2】

【0049】
【表3】

【0050】
【表4】

【0051】
明らかに、本発明の多数の変更及び変形は、上の教示の故に、可能なことである。ここで具体的に図説された本発明の実施形態は、単に例示的なものであると共に、添付された特許請求の範囲に定義されたものを除いた範囲に対する限定と意図されない。さらに、本発明は、添付された特許請求の範囲の範囲内で具体的に記載されたものとは別な方法で、実行されることもある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体への局所的な適用のための徐放性の組成物であって、
当該組成物は、
実質的に、親油性の溶剤が無いと共にシリコーン成分、界面活性剤、及び水を含む油中水型乳剤の機械的な反転によって形成される水中油型乳剤、並びに
該水中油型乳剤に組み込まれる活性な作用薬
を含む、徐放性の組成物。
【請求項2】
該活性な作用薬を分散させる分散剤をさらに含む、請求項1に記載の徐放性の組成物。
【請求項3】
前記分散剤は、前記界面活性剤と異なるシリコーンを主材料とした界面活性剤を含む、請求項2に記載の徐放性の組成物。
【請求項4】
前記分散剤は、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、エーテル類、エステル類、グリコール類、及びそれらの組み合せの群より選択される、請求項2に記載の徐放性の組成物。
【請求項5】
前記活性な作用薬は、粉末の形態又は結晶質の形態にある、請求項2に記載の徐放性の組成物。
【請求項6】
前記分散剤は、前記活性な作用薬をカプセル化する、請求項5に記載の徐放性の組成物。
【請求項7】
前記活性な作用薬は、液体又は粘性の形態にある、請求項1に記載の徐放性の組成物。
【請求項8】
前記シリコーン成分は、シリコーンゴム、シリコーンラバー、シリコーンエラストマー、シリコーン樹脂、高分子量のシリコーン類、及びそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の徐放性の組成物。
【請求項9】
前記シリコーン成分は、感圧性の接着剤を含む、請求項1に記載の徐放性の組成物。
【請求項10】
前記感圧性の接着剤は、
ヒドロキシで末端が封鎖されたポリジメチルシロキサンの重合体、及び、
ヒドロキシ官能性のケイ酸塩又はエステルの樹脂
の反応生産物を含む、請求項9に記載の徐放性の組成物。
【請求項11】
前記ヒドロキシ官能性のケイ酸塩又はエステルの樹脂は、トリメチルシロキシ及びヒドロキシで末端が封鎖されたケイ酸塩又はエステルの樹脂としてさらに定義される、請求項10に記載の徐放性の組成物。
【請求項12】
前記活性な作用薬は、親油性の薬物を含む、請求項1に記載の徐放性の組成物。
【請求項13】
前記活性な作用薬は、親水性の薬物を含む、請求項1に記載の徐放性の組成物。
【請求項14】
前記シリコーン成分及び前記界面活性剤は、均質な油相にある、請求項1に記載の徐放性の組成物。
【請求項15】
賦形剤をさらに含む、請求項1に記載の徐放性の組成物。
【請求項16】
前記賦形剤は、前記活性な作用薬及び前記水中油乳剤を安定化させる増粘剤を含む、請求項15に記載の徐放性の組成物。
【請求項17】
前記増粘剤は、ポリアクリル酸類、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、多糖類、アクリルアミド共重合体、生物学的な重合体及び誘導体、ブチレン共重合体、炭水化物、カルボマー、親水性のコロイド並びに塩及びゴムを含む誘導体、ポリアクリラート類及びアクリラート共重合体、塩を含む合成の重合体、シリカ、未処理のもの又は酢酸塩若しくはエステル又は酢酸で処理されたものであり得る炭酸カルシウム、フュームドシリカ、沈殿したシリカ、及び疎水化されたシリカのような強化シリカ、破砕された石英、石英粉末、アルミナ、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、珪藻土、酸化鉄、カーボンブラック及び黒鉛、並びに、シリコーン及び有機物を含む樹脂の材料、の少なくとも一つを含む、請求項16に記載の徐放性の組成物。
【請求項18】
前記水中油型乳剤は、前記水中油型乳剤の100重量部に基づいて25重量部から85重量部までの固体の含有率を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
基体へ活性な作用薬を配送する方法であって、
当該方法は、
実質的に親油性の溶剤が無いと共にシリコーン成分、界面活性剤、及び水を含む水中油型乳剤を提供するステップ、並びに、
該基体への該水中油型乳剤の適用において、該基体への該活性な作用薬の配送のために、該水中油型乳剤へ該活性な作用薬を組み込むステップ
を含む、方法。
【請求項20】
前記水中油型乳剤への前記活性な作用薬の組み込みより先に、分散剤に前記活性な作用薬をカプセル化するステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記分散剤は、前記基体への前記活性な作用薬の制御された速度の配送を可能にする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記基体へ前記カプセル化された活性な作用薬を配送するために、前記基体へ前記水中油型乳剤を適用するステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記水中油型乳剤への前記活性な作用薬の組み込みより先に分散物を形成するために、分散剤と前記活性な作用薬を組み合わせるステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記水中油型乳剤を提供するステップは、前記シリコーン成分を含有する均質な油相を形成するステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記水中油型乳剤へ前記活性な作用薬を組み込むステップは、前記均質な油相へ前記活性な作用薬を組み込むこととしてさらに定義される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記水中油型乳剤へ前記活性な作用薬を組み込むステップは、水と一緒に前記活性な作用薬を組み込むとしてさらに定義される、請求項19に記載の方法。
【請求項27】
水中油型を提供するステップは、前記油中水型乳剤を前記水中油型乳剤へと機械的に反転するステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項28】
前記シリコーン成分は、シリコーンゴム、シリコーンラバー、シリコーンエラストマー、シリコーン樹脂、高分子量のシリコーン類、及びそれらの混合物からなる群より選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項29】
前記シリコーン成分は、感圧性の接着剤を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項30】
前記活性な作用薬は、親油性の薬物を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項31】
前記活性な作用薬は、親水性の薬物を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項32】
前記基体へ前記活性な作用薬を配送するために、前記基体へ前記水中油型乳剤を適用するステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項33】
前記基体は、皮膚であると共に、前記基体へ前記水中油型乳剤を適用するステップは、前記皮膚へ前記活性な作用薬を配送するために、前記皮膚へ前記水中油型乳剤を適用することとしてさらに定義される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記基体へ前記水中油型乳剤を提供することより先に、経皮的なパッチに前記水中油乳剤を堆積させるステップをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記基体は、皮膚であると共に、前記基体へ前記水中油型乳剤を適用するステップは、前記皮膚へ前記活性な作用薬を配送するために、前記皮膚へ前記経皮的なパッチを適用することとしてさらに定義される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記水中油型乳剤へ賦形剤を組み込むステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項37】
前記基体は、生物学的な表面、人間の体の組織、及び、動物の体の組織の一つを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項38】
前記基体は、植物相を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項39】
前記水が前記水中油型乳剤を去ると共に前記基体にフィルムが形成されるように、空気へ前記基体を露出させるステップをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項40】
前記基体は、皮膚であると共に、
形成される前記フィルムは、局所的な薬物の配送系、皮膚の処置における皮膚の保護用のマスキング系、創傷、火傷、急性の及び慢性の創傷用の創傷包帯又は絆創膏、皮膚のシール材、皮膚の保護フィルム、傷跡の処置材、剥離製品、銀イオンのような抗菌剤、毛髪除去製品、脱臭フィルム、制汗性の活動の及び香気配送系、抗しわパッチ、加湿マスクの少なくとも一つとして機能すると共に、
前記フィルムは、局所的な治療、創傷のケア、外科的な封止、傷跡のケア、足のケア、体及び顔の皮膚のケア、化粧品、メーキャップ及びファンデーション、昆虫駆除剤における利益を有する、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記フィルムを第二の基体へ移すステップをさらに含む、請求項39に記載の方法。

【公表番号】特表2007−509954(P2007−509954A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538212(P2006−538212)
【出願日】平成16年10月27日(2004.10.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/035619
【国際公開番号】WO2005/044232
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(506143975)ダウ コーニング コーポレーション (19)
【Fターム(参考)】