説明

局所適用性産物およびその使用

【課題】本発明は、爪疾患の治療および爪医療のための局所適用性産物の提供を目的とする。
【解決手段】爪疾患の治療および爪医療のための局所適用性産物は、単一または複数の活性成分および生理学的に適合性の活性成分および溶液メディエーターの他に、式Iの単一または複数の化合物
R-O-R (I)
(ここで、
Rは5〜8個の炭素原子をもつ直鎖または分岐鎖アルキル残基を表し、
はホルミル基またはアセチル基を表す。)を含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、爪の物質および皮膚を通しての浸透性が改善された爪疾患の治療および爪医療のための局所適用性産物に関する。
【背景技術】
【0002】
爪疾患の直接的局所治療および爪の医療は、ほとんど副作用とは無縁に発展しており、実行はいたって容易であり、経費もほんのわずかである。しかし、爪組成物の直接的局所使用の本質的問題は、存在している病原体を完全に死滅させ、爪に栄養物および同化促進性物質を供給するため、栄養物と同化促進性物質を含む十分量の活性物質を、爪を通してより深部にある組織層および爪根に輸送することにある。伝統的産物を用いて、直接的局所治療により症状を軽減させることは可能であるが、通常、治療の終了後に疾患は再発する。
【0003】
活性物質に良好な溶解性を与えると共に、爪成分を通過する高い浸透性と爪組織を通って活性物質を輸送する能力を所有する物質、いわゆる担体と併用された活性物質の直接的局所使用が、治療の結果を改善することが既に提案されている。一例として、EP-A-0 503988には、少なくとも部分的に水に溶ける抗真菌活性物質に加えて、直鎖または分岐鎖のC2〜C8アルカノール、並びに少なくとも水の3分の1からなる媒質、爪を通過する抗真菌剤の浸透性を促進する一つの水溶性物質を含む、爪真菌症の治療用薬剤が記載されている(例えば、特許文献1参照)。浸透性促進物質には、例えば、グリコール、モノエーテルグリコール、ジエーテルグリコール、ジメチルスルホキシド、カプロラクタム、ジメチルイソソルビト、イソプロピリデングリセリン、ジメチルイミダゾリジノン、N-メチルピロリドン-2、ピロリドン-2、酢酸エチル、C8〜C10ポリオキシエチレンのグリセリド類およびポリエチレングリコール-ラウリン酸グリセリルおよびジメチルアセトアミドがある。EP-A-0503988で記載されている製剤上の原則は、限られた数の活性物質に対して適当な、すなわち、多くの活性成分にとっては不適当な、その活性物質のみに要求される部分的水溶性を考慮することにある。
【0004】
WO-A-9734644の出願には、浸透性促進物質としてn-オクタノールを含有する爪乾癬の治療用製剤が開示されている。改良型浸透性促進物質としてのギ酸エステルまたは酢酸エステルは記載されていない(特許文献2参照)。
【0005】
WO-A-02-083084の公開された出願には、フルコナゾール、担体および浸透性促進剤、特にカプリルアルコール、t-アミルアルコールまたは3-ペンタノールを含む 爪治療産物が記載されている。浸透性促進剤としてのギ酸エステルまたは酢酸エステルは記載されていない(特許文献3参照)。
【0006】
Mertin、Dirkらの刊行物、Journal of Pharmacy and Pharmacology 49(3)、241-245には、クロラムフェニコールおよびn-オクタノールおよび必要添加物を含む組成物がエナメルペイント製品用に開示されている。浸透性促進剤としてのギ酸エステルまたは酢酸エステルは記載されていない(非特許文献1参照)。
【0007】
出願WO-A-03045339は真菌症や細菌の治療のための局所剤としてラッカーを開示している。該ラッカーは活性剤を含むが、爪またはケラチン含有全層に浸透しない。溶解性促進剤または浸透性促進剤としてのギ酸エステルまたは酢酸エステルは記載されていない(特許文献4参照)。
【0008】
DE10014673はラッカー増強剤、例えばニトロセルロースを基礎にした植物性物質、溶解性促進剤を有するラッカーとしての爪治療用抗真菌剤を記載している(特許文献5参照)。
【0009】
DE10126501は尿素と低級アルカノール類を含有するケラチン溶解性組成物を開示している。浸透性促進剤としてのギ酸エステルや酢酸エステルの記載はない。さらに水が必須成分として存在している(特許文献6参照)。
【0010】
例えばカナダ特許第1072009などの公報はC〜Cアルカノール類のギ酸エステル類または酢酸エステル類を主として用いていないし、溶解性および浸透性促進剤が特に異なる(特許文献7参照)。
【0011】
EP-A-0179675、WO-A-0200176には、それぞれ、ラッカー、脂肪ラッカーおよび軟膏製品が記載されている。浸透性促進剤としてのギ酸エステル類および酢酸エステル類の使用は記載されていない(特許文献8、9参照)。
【0012】
ダウエント(Derwent)第XP-002310735の刊行物は、爪用バーニッシュ除去剤の産物およびその逆の適用を開示している(非特許文献2参照)。
【0013】
引用した製剤はすべて、一方において溶解性または浸透性促進剤としてギ酸エステルまたは酢酸エステルがないか、あるいは他方において、それらがニトロセルロースなどのラッカーまたは皮膜生成性添加剤を含むことによって本発明の製剤と異なる。ラッカー生成性添加剤が存在すると製剤の品質を著しく変える。ラッカー層はどのような成分、例えば製剤中の活性成分の浸透性を妨げる。
【0014】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0503988号明細書
【特許文献2】国際公開第97/34644号パンフレット
【特許文献3】国際公開第02/083084号パンフレット
【非特許文献1】Mertin、Dirkら、Journal of Pharmacy and Pharmacology 49(3)、241-245
【特許文献4】国際公開第03/045339号パンフレット
【特許文献5】ドイツ国特許出願公開第10014673号明細書
【特許文献6】ドイツ国特許出願公開第10126501号明細書
【特許文献7】カナダ国特許第1072009号明細書
【特許文献8】欧州特許出願公開第0179675号明細書
【特許文献9】国際公開第02/00176号パンフレット
【非特許文献2】ダウエント(Derwent)第XP-002310735
【発明の開示】
【0015】
現在までのところ、爪疾患の局所的治療および局所的爪医療のための、長期治療に要求される、爪を通して爪根(マトリックス)へ要求される量の活性物質を輸送することを保証する担体を含む産物は存在していない。
【0016】
それ故、本発明の課題は、爪疾患の局所的治療および局所的爪医療に伴う諸問題を解決し、長期治療を可能にする医薬用および化粧用産物を提供することである。
【0017】
式(I)

R-O-R (I)

(式中、Rは5〜8個の炭素原子をもつ直鎖または分岐鎖アルキル残基を表し、Rはホルミル基またはアセチル基を表す。)の化合物は、ケラチン性爪物質および周縁皮膚を通過する浸透能力に優れているだけでなく、ケラチン性爪や皮膚を通しての重要な栄養物などの他の爪医療用物質はもちろんのこと例えば抗真菌剤、抗生物質、防腐剤およびコルチコステロイドのような治療用活性物質の両方をも輸送することができる。
【0018】
従って、本発明の目的は、
(a)単一または複数の治療的または助成的活性成分、
(b)単一または複数の式Iの化合物
R-O-R (I)
ここで、
Rは5〜8個の炭素原子をもつ直鎖または分岐鎖アルキル残基を表し、
はホルミル基またはアセチル基を表し、
(c)必要により、生理学的に適合性の補助薬を含む爪疾患の治療および爪医療のための局所適用性剤にある。
【0019】
本発明に従って、式Iのこれらの化合物は、浸透性を促進するために、C〜Cアルカノール類のギ酸エステル類および酢酸エステル類を包含する。上記式Iは、分岐のものや異性体アルカノール類はもちろんのこと直鎖の第一級および第二級C〜Cアルカノール類のギ酸エステル類および酢酸エステル類の両方を包含する。それぞれ代表的な式IのC〜Cアルカノール類は、1-ペンタノール(アミルアルコール)、3-メチル-1-ブタノール(イソアミルアルコール)、1-ヘキサノール、2-ヘキサノール、4-メチル-1-ペンタノール、4-メチル-2-ペンタノール、1-ヘプタノール、2-ヘプタノール、5-メチル-1-ヘキサノール、5-メチル-2-ヘキサノール、1-オクタノール、2-オクタノール、6-メチル-1-ヘプタノール、6-メチル-2-ヘプタノールである。上記の第一級および第二級C〜Cアルカノール類の中でも、C〜Cアルカノール類が好ましい。特に好ましいものはペンタノール類、特に1-ヘキサノールおよび2-ヘキサノールである。混合物、さらに好ましい混合物は、2種または数種のC〜Cアルカノール類のギ酸および/または酢酸エチルの混合物である。特に好ましいものはヘキサノール類とヘプタノール類、例えば1-ヘキサノールと1-ヘプタノールのエステル類の混合物であり、この混合比は0.5:1.5〜1.5:0.5に変更できる。式IのC〜Cアルカノール類のギ酸エステル類および酢酸エステル類のそれぞれ代表的なものは、ギ酸アミル、酢酸アミル、ギ酸イソアミル、酢酸イソアミル、ギ酸1-ヘキシル、酢酸1-ヘキシル、ギ酸2-ヘキシル、酢酸2-ヘキシル、ギ酸1-ヘプチル、酢酸1-ヘプチル、ギ酸2-ヘプチル、酢酸2-ヘプチル、ギ酸1-オクチル、酢酸1-オクチル、ギ酸2-オクチルおよび酢酸2-オクチルである。好ましいC〜Cアルキルエステル類は酢酸C〜Cアルキル類である。特に好ましいものはC〜Cアルキルである。さらに好ましいものは数種類の酢酸C〜Cアルキルの混合物である。
【0020】
本発明に従い局所適用薬のために、爪および爪周辺疾患に効果的な合成および天然由来のすべての治療的活性物質が原則的に考慮される。さらに、爪医療に効果的である栄養物および同化促進性物質も活性物質として考慮される。適当な治療的活性物質は、爪疾患の治療のための発明による局所適用薬を含み、既に述べた活性成分の組合せはもちろんのこと
合成および天然由来の抗真菌剤、抗生物質、防腐剤およびコルチコステロイドである。
【0021】
特に適当な活性物質は合成および天然由来の抗真菌剤および栄養物および同化促進性物質であり、これらは爪医療において効果的である。
【0022】
治療的活性物質の特別な例は下記のものである。
【0023】
抗真菌剤およびそれらの生理学的に許容される塩類、例えば、(±)-cis-2,6-ジメチル-4-[2-メチル-3-(p-tert-ペンチル-フェニル)プロピル]モルホリン(アモロルフィン)、アンフォテリシン、6-シクロヘキシル-1-ヒドロキシ-4-メチル-2(1H)ピリジノン(シクロピロックス)、ビス-フェニル-(2-クロロフェニル)-1-イミダゾリルメタン(クロトリマゾール)、1-[2-(2,4-ジクロロフェニル)-2-(4-クロロベンジルオキシ)-エチル]-イミダゾール(エコナゾール)、2,4-ジフルオロ-α,α-ビス(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)ベンジルアルコール(フルコナゾール)、5-フルオロシトシン(フルシトシン)、7-クロロ-トリメトキシ-メチルスピロ-[ベンゾフラン-シクロヘキセン]-ジオン(グリセオフルビン)、1-[2,4-ジクロロ-β-(2,6-ジクロロベンジルオキシ)-フェネチル]-イミダゾール(イソコナゾール)、(±)-1-sec-ブチル-4-{4-[4-(4-{[(2R*,4S*)-2-(2,4-ジクロロフェニル)-2-(1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-ジオキソラン-4-イル]メトキシ}-フェニル)-1-ピペラジニル]フェニル}-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアゾール-5-オン(イトラコナゾール)、(±)-cis-1-アセチル-4-{4-([2-(2,4-ジクロロフェニル)-2-(1H-イミダゾール-1-イルメチル)-1,3-ジオキソラン-4-イル]メトキシ)フェニル}ピペラジン(ケトコナゾール)、1-[2,4-ジクロロ-β-(2,4-ジクロロベンジルオキシ)-フェネチル]-イミダゾール(ミコナゾール)、(E)-N-シンナミル-N-メチル-1-ナフチルメチルアミン(ナフチフィン)、ニスタティン、(E)-N-(6,6-ジメチル-2-ヘプテン-4-イニル)-N-メチル-1-ナフチルメチルアミン(テルビナフィン)、1[2-{(2-クロロ-3-チエニル)メトキシ}-2-(2,4-ジクロロフェニル)エチル]-1H-イミダゾール(チオコナゾール)、O-2-ナフチル-N-メチル-N-(3-トリル)-チオカルバメート(トルナフタット)。
【0024】
本発明の好ましい抗真菌剤は次のものである。
(±)-cis-2,6-ジメチル-4-[2-メチル-3-(p-tert-ペンチル-フェニル)プロピル]モルホリン(アモロルフィン)、ビス-フェニル-(2-クロロフェニル)-1-イミダゾリルメタン(クロトリマゾール)、1-[2,4-ジクロロ-β-(2,6-ジクロロベンジルオキシ)-フェネチル]-イミダゾール(イソコナゾール)、2,4-ジフルオロ-α,α-ビス(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)ベンジルアルコール(フルコナゾール)、(±)-1-sec-ブチル-4-{4-[4-(4-{[(2R*,4S*)-2-(2,4-ジクロロフェニル)-2-(1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-ジオキソラン-4-イル]メトキシ}-フェニル)-1-ピペラジニル]フェニル}-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアゾール-5-オン(イトラコナゾール)、(±)-cis-1-アセチル-4-{4-([2-(2,4-ジクロロフェニル)-2-(1H-イミダゾール-1-イルメチル)-1,3-ジオキソラン-4-イル]メトキシ)フェニル}ピペラジン(ケトコナゾール)、1-[2,4-ジクロロ-β-(2,4-ジクロロベンジルオキシ)-フェネチル]-イミダゾール(ミコナゾール)、(E)-N-(6,6-ジメチル-2-ヘプテン-4-イニル)-N-メチル-1-ナフチルメチルアミン(テルビナフィン)、α-(2,4-ジフルオロフェニル)-5-フルオロ-β-メチル-α-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-4-ピリミジンエタノール(ボリコナゾール)。
【0025】
本発明の特に好ましい抗真菌剤は次のものである。
(±)-cis-2,6-ジメチル-4-[2-メチル-3-(p-tert-ペンチル-フェニル)プロピル]モルホリン(アモロルフィン)、ビス-フェニル-(2-クロロフェニル)-1-イミダゾリルメタン(クロトリマゾール)、1-[2,4-ジクロロ-β-(2,6-ジクロロベンジルオキシ)-フェネチル]-イミダゾール(イソコナゾール)、(±)-1-sec-ブチル-4-{4-[4-(4-{[(2R*,4S*)-2-(2,4-ジクロロフェニル)-2-(1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-ジオキソラン-4-イル]メトキシ}-フェニル)-1-ピペラジニル]フェニル}-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアゾール-5-オン(イトラコナゾール)、(±)-cis-1-アセチル-4-{4-([2-(2,4-ジクロロフェニル)-2-(1H-イミダゾール-1-イルメチル)-1,3-ジオキソラン-4-イル]メトキシ)フェニル}ピペラジン(ケトコナゾール)。
【0026】
天然由来の抗真菌剤、例えば、エーテル性油および植物抽出物。
【0027】
天然由来の好ましい抗真菌剤は、茶木油(Melaleuca alternifolia)、ラベンダー油(Lavandula officinalis chaix)、オーストラリアン ブルー サイプレス オイル(Australian blue cypress oil)(callitis intratropica)およびニム(nim)木(Azadirachta indica)の葉抽出物である。これらの天然の抗真菌剤は、単一の活性物質として、またはそれら活性物質の数種を組み合わせて使用することができる。活性成分の好ましい組み合わせは、ラベンダー油、茶木油、およびオーストラリアン ブルー サイプレス オイルの混合物である。
【0028】
-抗生物質およびそれらの生理学的に許容される塩類、例えば、α-アミノ-4-ヒドロキシベンジルペニシリン(アモキシシリン)、D-(-)-α-アミノベンジルペニシリン(アムピシリン)、3,3-ジメチル-7-オキソ-6-フェニルアセトアミド-4-チア-1-アザビシクロ-[3.2.0]-ヘプタン-2-カルボン酸(ベンジルペニシリン)、ベンジルペニシリン-ベンザシン、3-クロロ-7-D-(2-フェニルグリシンアミド)-セファロスポラニン酸(セファクロー)、7β-[D-2-アミノ-(4-ヒドロキシフェニル)-アセチルアミノ]-3-メチル-セファロスポラニン酸(セファドロキシル)、アミノ-フェニルアセトアミド-メチル-セファロスポラニン酸(セファレキシン)、D(-)-スレオ-2-ジクロロアセトアミド-1-(4-ニトロフェニル)-1,3-プロパンジオール(クロラムフェニコール)、1-シクロプロピル-6-フルオロ-1,4-ジヒドロ-4-オキソ-7-(ピペラジニル)-3-キノリンカルボン酸(シプロフロキサシン)、(Z)-(2R,5R)-3-(2-ヒドロキシエチリデン)-7-オキソ-4-オキサ-1-アザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2-カルボン酸(クラブラン酸)、7-クロロ-7-デスオキシ-リコマイシン(クリンダマイシン)、6-デスオキシ-5-ヒドロキシテトラサイクリン(ドキシサイクリン)、1-エチル-6-フルオロ-1,4-ジヒドロ-4-オキソ-7-(1-ピペラジニル)-1,8-ナフチリヂン-3-カルボン酸(エノキサシン)、エリスロマイシン、3-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)-5-メチル-4-イソキサゾリル-ペニシリン(フルクロキサシリン)、カナマイシン、リンコマイシン、7-ジメチルアミノ-6-デスオキシ-6-デスメチルテトラサイクリン(ミノサイクリン)、6-(2-エトキシ-1-ナフタミド)-ペニシリン(ナフシリン)、1-エチル-1,4-ジヒドロ-7-メチル-4-オキソ-1,8-ナフチリジン-3-カルボン酸(ナリジクス酸)、ネオマイシン、1-エチル-6-フルオロ-1,4-ジヒドロ-4-オキソ-7-(1-ピペラジニル)-3-キノリンカルボン酸(ノルフロキサシン)、(±)-9-フルオロ-2,3-ジヒドロ-3-メチル-10-(4-メチル-1-ピペラジニル)-7-オキソ-7H-ピリド[1,2,3-デ][1,4]ベンゾキサジン-6-カルボン酸(オフロキサシン)、6-(5-メチル-3-フェニル-4-イソキサゾールカルボキシアミド)ペニシラン酸(オキサシリン)、6-フェノキシアセチルアミノ-ペニシラン酸(フェノキシメチルペニシリン)、および4-ジメチルアミノ-オクタヒドロ-ペンタヒドロキシ-1,11-ジオキソ-6-メチル-ナフタセン-2-カルバミド(テトラサイクリン)。
【0029】
好ましい抗生物質はドキシサイクリン、ミノサイクリンおよびネオマイシンである。
【0030】
-防腐剤、例えば、塩化アルキルベンジルジメチルアンモニウム(塩化ベンズアルコニウム)、水酸化N-ベンジル-N,N-ジメチル-2-{2-[p-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェノキシ]-エトキシ}-エチルアンモニウム(塩化ベンゼトニウム)、水酸化セチルトリメチルアンモニウム(臭化セトリモニウム)、1,1'-ヘキサメチレン-ビス-[5-(p-クロロフェニル)-ビグアナイド](クロロヘキシジン)、N,N-デカメチレン-ビス-(水酸化4-アミノキナルジニウム)(塩化デカリニウム)、N-(4-クロロフェニル)-N'-(3,4-ジクロロフェニル)尿素(トリクロカルバン)および5-クロロ-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)フェノール(トリクロサン)。
【0031】
好ましい防腐剤は、例えば、1,1'-ヘキサメチレン-ビス-[5-(p-クロロフェニル)-ビグアナイド](クロロヘキシジン)である。
【0032】
-コルチコステロイドおよびそれらの生理学的に許容される塩類、例えば、9α-クロロ-16β-メチルプレドニゾロン(ベクロメサゾン)、9-フルオロ-11β,17,21-トリヒドロキシ-16β-メチル-1,4-プレグナジエン-3,20-ジオン(ベータメサゾン)、21-クロロ-9-フルオロ-11β,17-ジヒドロキシ-16β-メチル-1,4-プレグナジエン-3,20-ジオン(クロベタゾール)、17,21-ジヒドロキシ-4-エン-3,11,20-トリオン(コルチゾン)、11β,16α,17α,21-テトラヒドロキシ-1,4-プレグナジエン-3,20-ジオン-16,17-アセトンアセタール(デソニド)、9-フルオロ-11β-17,21-トリヒドロキシ-16α-メチルプレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン(デキサメサゾン)、9α,11β-ジクロロ-6α-フルオロ-21-ヒドロキシ-16α,17α-(イソプロピリデンジオキシ)-プレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン(フルクロロニド)、6α,9α-ジフルオロ-16α,17α-イソプロピリデンジオキシ-コルチコステロン(フルオシノロンアセトニド)、酢酸6α,9α-ジフルオロ-16α,17α-イソプロピリデンジオキシ-コルチコステロン(フルオシノニド)、6α-フルオロ-11β,21-ジヒドロキシ-16α,17-イソプロピリデンジオキシ-4-プレグネン-3,20-ジオン(フルドロキシコルチド)、3-(2-クロロエトキシ)-9α-フルオロ-6-ホルミル-11β,21-ジヒドロキシ-16α,17α-イソプロピリデンジオキシプレグナ-3,5-ジエン-20-オン(ホルモコルタール)、21-クロロ-9α-フルオロ-11β-ヒドロキシ-16α,17α-イソプロピリデンジオキシ-4-プレグネン-3,20-ジオン(ハルシノニド)、17α-ヒドロキシコルチコステロン(ヒドロコルチゾン)、11β,17,21-トリヒドロキシ-6α-メチル-1,4-プレグナジエン-3,20-ジオン(メチルプレドニゾロン)、11β,17,21-トリヒドロキシ-プレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン(プレドニゾロン)、17α,21-ジヒドロキシプレグナ-1,4-ジエン-3,11,20-トリオン(プレドニゾン)、9-フルオロ-16α-ヒドロキシプレドニゾロン(トリアムシノロン)およびトリアムシノロン-16α,17-アセトニド(トリアムシノロンアセトニド)。
【0033】
好ましいコルチコステロイド類は、11β,16α,17α,21-テトラヒドロキシ-1,4-プレグナジエン-3,20-ジオン-16,17-アセトンアセタール(デソニド)、9α,11β-ジクロロ-6α-フルオロ-21-ヒドロキシ-16α,17α-(イソプロピリデンジオキシ)-プレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン(フルクロロニド)、6α,9α-ジフルオロ-16α,17α-イソプロピリデンジオキシ-コルチコステロン(フルオシノロンアセトニド)、酢酸6α,9α-ジフルオロ-16α,17α-イソプロピリデンジオキシ-コルチコステロン(フルオシノニド)、6α-フルオロ-11β,21-ジヒドロキシ-16α,17-イソプロピリデンジオキシ-4-プレグネン-3,20-ジオン(フルドロキシコルチド)、3-(2-クロロエトキシ)-9α-フルオロ-6-ホルミル-11β,21-ジヒドロキシ-16α,17α-イソプロピリデンジオキシプレグナ-3,5-ジエン-20-オン(ホルモコルタール)、21-クロロ-9α-フルオロ-11β-ヒドロキシ-16α,17α-イソプロピリデンジオキシ-4-プレグネン-3,20-ジオン(ハルシノニド)、トリアムシノロン-16α,17α-アセトニド(トリアムシノロンアセトニド)である。
【0034】
活性物質の特異的な組み合わせ例は:
-コルチコステロイドと抗真菌剤、抗生物質、または防腐剤との組み合わせ。好ましい組み合わせは、例えば、(±)-cis-1-アセチル-4-{4-([2-(2,4-ジクロロフェニル)-2-(1H-イミダゾール-1-イルメチル)-1,3-ジオキソラン-4-イル]メトキシ)フェニル]ピペラジン(ケトコナゾール)と11β,16α,17α,21-テトラヒドロキシ-1,4-プレグナジエン-3,20-ジオン-16,17-アセトン アセタール(デソニド)である。
【0035】
合成由来の抗真菌剤と天然由来の抗真菌剤の組み合わせ。好ましい組み合わせは、ビス-フェニル-(2-クロロフェニル)-1-イミダゾリルメタン(クロトリマゾール)と茶木油である。
【0036】
天然由来の各種抗真菌剤の組み合わせ。好ましい組み合わせは、ラベンダー油、茶木油およびオーストラリアン ブルー サイプレス オイル(Australian blue cypress oil)である。
【0037】
本発明の適当な助成的活性成分は、アミノ酸類、ビタミン類および無機物のグループから好ましく選ばれる上記したすべての生体栄養物および同化促進性物質である。
【0038】
好ましいアミノ酸類は、(S)-2,6-ジアミノヘキサン酸(リジン)、(R)-2-アミノ-3-メルカプトプロピオン酸(システイン)および特に2-ピロリジンカルボン酸(L-プロリン)である。L-プロリンを用いて、爪医療と修復に適当であることが証明された同化促進性物質が発見された。L-プロリンは、活性成分として硫酸化アミノ酸またはその誘導体のいずれかを含む、爪医療のための化粧用産物の任意成分として、これまでに唯一記述されていた(EP-A-0 534 810)。
【0039】
好ましいビタミン類は、cis-2-(4-カルボキシブチル)-3,4-ウレイドテトラヒドロチオフェン(ビオチン)、(±)-2,4-ジヒドロキシ-N-(3-ヒドロキシプロピル)-3,3-ジメチル酪酸(パンテノール)、D(+)-2,4-ジヒドロキシ-N-(3-ヒドロキシプロピル)-3,3-ジメチルブチルアミド(デキスパンテノール)である。
【0040】
好ましい無機物は無機または有機カルシウム、マグネシウム、および亜鉛化合物であり、特にグリセロ燐酸塩または乳酸塩などの有機塩である。
【0041】
生体栄養物と同化促進性物質の特別な組合せは:
-2-ピロリジンカルボン酸(L-プロリン)とアミノ酸類、ビタミン類および無機物質のグループから選ばれる単一または複数の栄養物および同化促進性物質との組合せ。2-ピロリジンカルボン酸(L-プロリン)と単一または複数の栄養物および同化促進性物質との好ましい組み合わせは、(S)-2,6-ジアミノへキサン酸(リジン)、(R)-2-アミノ-3-メルカプトプロピオン酸(システイン)、ゼラチン、cis-2-(4-カルボキシブチル)-3,4-ウレイドテトラヒドロチオフェン(ビオチン)、(±)-2,4-ジヒドロキシ-N-(3-ヒドロキシプロピル)-3,3-ジメチル酪酸(パンテノール)、D(+)-2,4-ジヒドロキシ-N-(3-ヒドロキシプロピル)-3,3-ジメチル酪酸(デキスパンテノール)および無機または有機カルシウム、マグネシウムまたは亜鉛化合物との組合せである。
【0042】
本発明の局所適用産物は単一または複数の活性物質および単一または複数の式Iの化合物に加えて、生理学的に適合可能な併用補助剤を含有することができる。この種類の適当な併用補助剤は、例えば、テルペンまたは油を含むテルペン、アルコール、ケトン、脂肪酸エステル、ポリグリコール、界面活性剤、尿素、抗酸化剤および複合薬剤である。
【0043】
適当なテルペンは、非環式、単環式、および二環式テルペンと、これらテルペンを含む油である。非環式テルペンの例は、シトラール、α-イオノンおよびβ-イオノンなどの非環式テルペンアルデヒド類およびケトン類と同様に、ミルセンなどの非環式テルペン炭化水素類、シトロネロールおよびゲラニオールなどの非環式テルペンアルコール類がある。単環式テルペンの例は、メンソンおよびカルボンなどの単環式テルペンケトン類と同様に、α-テルピネン、γ-テルピネンおよびリモネンなどの単環式テルペン炭化水素、チモール、メンソール、シネオールおよびカルバクロールなどの単環式テルペンアルコール類がある。二環式テルペンの例は、カンファーおよびボルネオールなどのボルナングループからのテルペン類と同様に、カロンなどのカラングループからのテルペン類、α-ピネンおよびβ-ピネンなどのピナングループからのテルペン類である。特に適当なテルペン類は、チモールおよびメンソールなどの単環式テルペンアルコール類である。テルペンを含む適当な油の例は、はっか油、しょうぞく油、ゼラニーム油、ばら油、コノテガシワ油、およびタイム油である。特に適当な油ははっか油、ラベンダー油およびタイム油である。
【0044】
適当なアルコールは、1〜3個の水酸基と2-6個の炭素原子を有する、分岐または非分岐アルコールであり、その水酸基は、任意にその一部または全てがエーテル化またはエステル化されている。特に適当なアルコールは、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール(イソプロパノール)、1,2-プロパネジオール(プロピレングリコール)、2-フェニルエタノール(フェニルエチルアルコール)、1-ブタノール(ブチルアルコール)、エチレングリコールモノメチルエーテル(メトキシエタノール)、エチレングリコールモノフェニルエーテル(フェノキシエタノール)、1,2,3-トリヒドロキシプロパン(グリセリン)、酢酸エチル、酢酸ブチル、二酢酸グリセリン(ジアセチン)、および三酢酸グリセリン(トリアセチン)である。
【0045】
適当なケトンとして、例えば、アセトンおよびメチルエチルケトン(2-ブタノン)が挙げられる。
【0046】
脂肪酸エステルとして、8〜21個の炭素原子を有する、飽和または不飽和、分岐または非分岐の脂肪酸エステルが適当であり、そのアルコール成分は、1〜6個の炭素原子を有する、分岐および非分岐アルコールより成る。特に適当な脂肪酸エステルは、トリデカンカルボン酸イソプロピルエステル、テトラデカンカルボン酸イソプロピルエステル(イソプロピルミリスチン酸塩)、ペンタデカンカルボン酸メチルエステル、および9-オクタデセノン酸グリセリンモノエステル(グリセリンモノオレイン酸)である。
【0047】
適当なポリグリコールは、例えば、ポリグリコール400である。
【0048】
適当な界面活性剤は、例えば、非イオン発生性の界面活性物質である。特に適当な界面活性剤は、ソルビタン(スパン)の部分的脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンの部分的脂肪酸エステル(トウイーン)、ポリオキシエチレンの脂肪酸エステル(ミルジ)およびポリオキシエチレンの脂肪酸アルコールエーテル(ブリジ)である。
【0049】
適当な抗酸化剤は、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル-4-メトキシフェノール(BHA)、トコフェロール類およびアスコルビン酸類である。
【0050】
錯化剤として、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(Na-EDTA)が適当である。
【0051】
本発明に基づく局所適用性産物として、例えば、液剤、チンキ剤、乳剤、ゲル、軟膏、クリーム、およびペーストが考慮対象になり得る。好ましい局所適用形態は、液剤である。液剤の開発のためには、プロリンなどのある種の活性成分は安定化剤としての溶液メディエーターと共に微量の水を必要とする(変色防止)。適当な液剤メディエーターはアセトン同様メタノール、エタノール、プロパノールおよびイソプロパノールなどの効力が低いアルカノールである。
【0052】
本発明は、さらに発明の局所適用性産物の製造方法にも関する。それはそれぞれの成分を均一に混合し、随時加熱し(最高80℃まで)、均一な溶液が得られるまで攪拌することを特徴とする。得られた溶液は、例えば、局所適用のために直接使用されることが好ましい。しかし、その溶液はまた、伝統的な溶液、混合および懸濁方法の助けで、生理学的に許容される製剤補助剤を添加することにより、別の局所適用形態に変換することもできる。
【0053】
本発明に基づくその局所適用性産物は、液剤の形態で使用されるのが好ましい。本発明に基づく好ましい局所適用性産物は次の成分を含む。
0.1〜20 重量%・・・単一または複数の活性物質、
1〜99.90 重量%・・・単一または複数の一般式Iの化合物および
0〜98.90 重量%・・・単一または複数の生理学的に適合可能な併用補助剤。
【0054】
本発明は、さらに爪医療と同様に、爪疾患および爪周辺疾患の治療、予防、後治療および保持療法のための本発明に基づく局所適用性産物の使用に関する。さらに、本発明はペットおよび家畜のひづめ、足および爪への真菌性感染の治療のための本発明の産物の使用に関する。
【0055】
抗真菌剤を含有する局所適用性産物は、以下の適応症に適している。
-皮膚糸状菌、酵母または真菌または混合感染によって引き起こされる爪真菌症の治療、予防および後治療
-乾癬、糖尿病またはエイズの患者における爪の真菌感染の治療、予防および後治療
-例えばカンジダ パロニキュームなどの爪周辺感染の治療維持
【0056】
抗生物質を含有する局所適用性産物は、例えば以下の適応症に適している。
-バクテリアによって引き起こされる爪および周辺感染の治療および/または予防維持。
【0057】
防腐剤を含有する局所適応性産物は例えば以下の適応症に適している。
-明記されていないまたは未同定の病原体によって引き起こされる爪および周辺感染の治療および予防。
【0058】
コルチコステロイドまたはコルチコステロイドと抗真菌剤、抗生物質または防腐剤との組合せを含有する局所適用性産物は、例えば以下の適応症に適している。
-爪乾癬または他の炎症性爪および周辺状態の治療、予防、後治療または治療維持。
【0059】
本発明に基づく製薬上の局所適用性産物は、ペットおよび家畜のひづめ、足および爪の疾患治療と同様に、足指の爪および手指の爪の爪疾患および爪周辺疾患の治療に対して適している。その調剤産物の適用頻度は、疾患の程度および局在性に依存する。一般的に、1日1〜3回の適用で十分である。その液剤は、爪病変部の上、または、ひづめ、足または爪に、そして必要ならば、関連した周辺の皮膚部位にも直接適用される。その治療は、再発を防止するために、実験室の試験で真菌、胞子または他の病原体の痕跡が消えた後約2〜4週間継続されべきである。
【0060】
本発明に基づく、単一または複数の栄養物および同化促進性物質を含む化粧性の局所適応性産物は、例えば、足指の爪および手指の爪に起こる爪萎縮における爪医療に適している。爪萎縮は、例えば、散在している、またはむらのある白色斑点と同様に、脆弱で、もろく薄い爪を含む。その製剤は、美容上見苦しい爪、そして必要ならば、周辺の皮膚部位にもまた適用される。製剤の適用頻度は、萎縮の程度および局在性に依存する。一般的に、1日1回または2回の適用で十分である。
【0061】
本発明の局所適用性産物は、それらが活性物質と共に数日以内に爪病変部に浸透し、爪床および爪根内部でそれらの作用を発揮する利点を有している。効果のより急速な開始とより良い浸透性を通じて、爪疾患の治療は、通常、約2〜3ケ月後には終了する。この方法で、他の治療方法において要求される長期の治療期間は著しく短縮されるため、患者コンプライアンスは明らかに改善される。活性物質は、皮膚内部へ十分かつ急速に浸透するので、皮膚病変部、特に爪周辺部でその治癒過程および育成効果がより速やかに開始される。爪医療は、通常、1ケ月間行われるべきである。健康な爪成分の維持のために、その爪医療物質はまた、より長期間に亘って使用されるべきである。
【0062】
実施例
本発明は、次の実施例によって明示される。

実施例1: オーストラリアン ブルー サイプレス オイル、茶木油およびラベンダー油溶液6%

オーストラリアン ブルー サイプレス オイル 2.0g
茶木油 2.0g
ラベンダー油 2.0g
酢酸イソアミル 94.0g

この混合物を均質溶液が得られるまで撹拌する。
【0063】
実施例2: プロリン溶液2.0%

L-プロリン 2.0g
水(脱イオン化) 2.0gまで
エタノール 48.0g
酢酸アミル 48.0g

L-プロリンを撹拌下でエタノールと微量の水に溶解させる。続いて酢酸アミルを添加し均質溶液が得られるまで撹拌する。
【0064】
実施例3: アモロルフィン溶液 1%

アモロルフィン 1.0g
エタノール 10.0g
酢酸1-ヘキシル 89.0g

アモロルフィンをエタノールと酢酸ヘキシル混合物に入れて均質溶液が得られるまで撹拌する。
【0065】
実施例4: テルビナフィン溶液 1%

テルビナフィン ベース 1.0g
酢酸イソアミル 99.0g

これらの物質を計量してからビーカーに入れ均質溶液が得られるまで撹拌する。
【0066】
実施例5: 酢酸アミルを用いたクリーム

イオンのないHO 720 g
カーボポール ウルテルツ(Carbopol Ultrez)10 9.6g
グリセリン 24.0g
ひまわり油 216.0g
エマルゲード(Emulgade) 1000 NI 45.6g
ラネット N(Lanette N) 9.6g
アミルエステル 36.0g
フェノニップ(Phenonip) 9.6g
トリエタノールアミン

撹拌下水にカーボポールを分散し、カーボポールを軟膏にする。グリセリンを加え+50℃にまで加熱する。
撹拌下で70℃にまで加熱し、ひまわり油、エマルゲードおよびラネットから透明溶液をつくる。
アミルエステルを油脂相に加え激しい撹拌下で水相と均質化させる。その中にフェノニップを混ぜる。このクリームを冷却してからトリエタノールアミンでpH値を5.5に調節する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
爪疾患の治療および爪医療のための以下の組成物を含む局所適用性産物
a)単一または複数の治療的または助成的活性成分
b)式Iの単一または複数の化合物
R-O-R (I)
ここで、
Rは5〜8個の炭素原子をもつ直鎖または分岐鎖アルキル残基を表し、
はホルミル基またはアセチル基を表し、
c)必要により、生理学的に適合性の補助薬。
【請求項2】
式Iの化合物のRとしてC〜Cのアルキル残基を含むことを特徴とする請求項1記載の局所適用性産物。
【請求項3】
式Iの化合物のRとしてCのアルキル残基を含むことを特徴とする請求項1記載の局所適用性産物。
【請求項4】
式Iの化合物として1-ヘキサノールのアルキル残基を含むことを特徴とする請求項1、2または3のいずれか一つに記載の局所適用性産物。
【請求項5】
式Iの化合物として2-ヘキサノールを含むことを特徴とする請求項1、2または3のいずれか一つに記載の局所適用性産物。
【請求項6】
〜Cのアルカノールの2種または2種以上のギ酸、酢酸の混合物を内容物とすることを特徴とする請求項1または2のいずれか一つに記載の局所適用性産物。
【請求項7】
式Iの化合物として単一または複数のC〜Cの酢酸アルキルを内容物とすることを特徴とする請求項1記載の局所適用性産物。
【請求項8】
単一または複数の活性成分が合成または天然の抗真菌剤、抗生物質または防腐剤およびコルチコステロイドのグループから選ばれることを特徴とする請求項1乃至7の一つに記載の局所適用性産物。
【請求項9】
単一または複数の助成的および治療的成分が栄養物および同化促進性物質のグループから選ばれることを特徴とする請求項1乃至7の一つに記載の局所適用性産物。
【請求項10】
テルピンまたは油含有テルピン、アルコール類、ケトン類、脂肪酸エステル類、ポリグリコール類、界面活性剤、尿素、抗酸化剤および複合薬剤のグループから選ばれる単一または複数の補助薬がゲル、軟膏、クリームおよびペーストに含有されていることを特徴とする請求項1乃至9の一つに記載の局所適用性産物。
【請求項11】
0.1〜20重量%の単一または複数の活性物質、1〜99.90重量%の単一または複数の式Iの化合物、および0〜98.90重量%の補助薬を含むことを特徴とする請求項1乃至10の一つに記載の局所適用性産物。
【請求項12】
爪疾患および爪周辺疾患の治療、予防、後治療および保持療法のための請求項1乃至11の一つに記載の局所適用性産物の使用。
【請求項13】
爪医療のための請求項1乃至12の一つに記載の局所適用性産物の使用。
【請求項14】
ペットおよび家畜のひずめ、足および爪の真菌性感染の治療のための請求項1乃至12の一つに記載の局所適用性産物の使用。

【公表番号】特表2007−503402(P2007−503402A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524199(P2006−524199)
【出願日】平成16年8月23日(2004.8.23)
【国際出願番号】PCT/CH2004/000533
【国際公開番号】WO2005/018585
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(503241283)バイオイコール ア−ゲー (2)
【Fターム(参考)】